(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】配管ユニット又は空調システム
(51)【国際特許分類】
F24F 1/32 20110101AFI20230314BHJP
F25B 41/42 20210101ALI20230314BHJP
【FI】
F24F1/32
F25B41/42
(21)【出願番号】P 2019074851
(22)【出願日】2019-04-10
(62)【分割の表示】P 2017190407の分割
【原出願日】2017-09-29
【審査請求日】2020-07-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】白▲崎▼ 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】吉見 敦史
【合議体】
【審判長】松下 聡
【審判官】マキロイ 寛済
【審判官】平城 俊雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-266563(JP,A)
【文献】特開2006-275457(JP,A)
【文献】特開平9-318198(JP,A)
【文献】特開2005-337524(JP,A)
【文献】特開2017-150706(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0050911(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/32
F25B 41/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外ユニット(10)と複数の室内ユニット(40)との間で液側冷媒流路(RC3a)を形成する冷媒連絡配管(La)に接続され、前記冷媒連絡配管とともに前記液側冷媒流路を形成し、冷媒を分岐又は合流させる配管ユニット(60、60a-60g)であって、
複数の支管(80、80A、80B)と、
各前記支管と連通し、各前記支管へ流れる冷媒又は各前記支管から流れる冷媒の流路を形成し、設置状態で前記液側冷媒流路において前記支管よりも前記室外ユニット側に位置する主管(70、70A-70C)と、
各前記支管と、前記主管とを接続する接続管部(90)と、
を備え、
前記主管は第1方向(x)に沿って延びる第1部分(71、75)を含み、
少なくとも1つの前記支管は、前記第1方向とは交差する第2方向(y)に沿って延びる第2部分(82、82´、82a)を含み、
前記第1方向は、設置状態における水平方向であり、
前記第2方向は、設置状態における鉛直方向であり、
前記第2部分は、前記第2方向のうち、冷媒流れ方向からみて鉛直方向上向きに延びており、
前記液側冷媒流路を介して前記室外ユニットから前記室内ユニットへ流れる冷媒は、気液二相状態で前記接続管部に流入する、
配管ユニット(60、60a-60g)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記支管は、
設置状態で前記液側冷媒流路において前記第2部分よりも前記室内ユニット側に位置し、前記第2方向に沿って延びる第3部分(84、84´)と、
設置状態で前記液側冷媒流路において前記第2部分と前記第3部分との間に位置し、前記第2部分と前記第3部分とを接続する折返し部分(83、83´)と、
をさらに含
み、
前記第3部分は、前記第2方向のうち、冷媒流れ方向からみて鉛直方向下向きに延びる、
請求項1に記載の配管ユニット(60、60a-60g)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記支管は、設置状態で前記液側冷媒流路において前記第3部分よりも前記室内ユニット側に位置する第4部分(85、85´)をさらに含み、
前記第4部分は、前記第1方向に沿って延びる、
請求項2に記載の配管ユニット(60、60a-60g)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記支管は、設置状態で前記液側冷媒流路において前記第2部分よりも前記室外ユニット側に位置する第5部分(81、81´)をさらに含み、
前記第5部分は、前記第1方向に沿って延びる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の配管ユニット(60、60a、60b)。
【請求項5】
前記主管は、前記第1部分(71)と前記第2部分(82a)との間に位置する第6部分(72)をさらに含み、
前記第6部分は、前記第2方向に沿って延びる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の配管ユニット(60d)。
【請求項6】
前記第1方向と前記第2方向とは、略直角に交差する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の配管ユニット(60、60a-60g)。
【請求項7】
前記支管のサイズは、2分以上6分以下である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の配管ユニット(60、60a-60g)。
【請求項8】
前記液側冷媒流路を介して前記室外ユニットから前記室内ユニットへ流れる冷媒は、気液2相状態で前記液側冷媒流路に流入する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の配管ユニット(60、60a-60g)。
【請求項9】
請求項1に記載の前記室外ユニット(10)と、
請求項1に記載の複数の前記室内ユニット(40)と、
請求項1に記載の前記冷媒連絡配管(La)と、
請求項1から8のいずれかに記載の前記配管ユニット(60、60a-60g)と、
を備える、
空調システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管ユニット又は空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室外ユニットと複数台の室内ユニットとを有する空調システムが知られている。例えば特許文献1(国際公開第2015/029160号公報)には、1台の室外ユニットと複数台の室内ユニットとが冷媒連絡配管を介して接続された空調システムが開示されている。特許文献1では、冷媒連絡配管に、室内ユニットの台数に応じて冷媒連絡配管が分岐している。特許文献1では、室外ユニット及び室内ユニット間で延びる液側冷媒流路において搬送される冷媒に関し、気液二相状態で搬送させる気液二相搬送が行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、室外ユニット及び室内ユニット間の液側冷媒流路は、冷媒連絡配管によって構成されるところ、設計仕様や設置環境によっては冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要があるケースが想定される。
【0004】
例えば、冷媒連絡配管は、室内ユニットの台数に応じた本数の支管を含むのが通常であるが、一部の室内ユニットの設置高さが他の室内ユニットに対して低い場合や、建物の構造(天井裏空間の梁等)により冷媒連絡配管の施行態様に制約を受ける場合には、一部の支管が他の支管に対して設置高さが低いケースや下がり勾配が大きいケースが生じる。係る場合に冷媒の偏流や滞留等を抑制すべく、冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要が生じうる。
【0005】
また、例えば、特許文献1のように気液二相搬送を行う場合には、充填冷媒量が通常より小さいことから、運転停止状態の室内ユニット(停止室内ユニット)に連通する支管が液状態の冷媒で満たされておらず、運転状態の室内ユニット(運転ユニット)に送られるべき冷媒が分岐部分から停止室内ユニットに連通する支管へ流入することが考えられる。特に停止室内ユニットに連通する支管が、運転ユニットに連通する支管に対して設置高さが低いケースや下がり勾配が大きいケースにおいては、停止室内ユニットに連通する支管へ冷媒が流れやすい。このため、気液二相搬送を行う場合には、停止室内ユニットにおいて冷媒が流れこんで滞留し、運転ユニットにおける冷媒循環量が正常に確保されない、という事態を抑制すべく、冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要が生じうる。
【0006】
一方、係る冷媒連絡配管は、施工現場においてサービスマンによって施工されるところ、通常、天井裏空間等の狭小空間に設置される。このため、施工現場においてトラップを設ける作業に要する労力や時間が大きくなりやすく、施行性に優れないケースが想定される。施行性向上を促進させる配管ユニット又は空調システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
配管ユニットは、冷媒連絡配管に接続され、冷媒連絡配管とともに液側冷媒流路を形成し、冷媒を分岐又は合流させる配管ユニットであって、複数の支管と、主管と、を備える。冷媒連絡配管は、室外ユニットと複数の室内ユニットとの間で液側冷媒流路を形成する。主管は、各支管と連通する。主管は、各支管へ流れる冷媒又は各支管から流れる冷媒の流路を形成する。主管は、設置状態で液側冷媒流路において支管よりも室外ユニット側に位置する。主管は、第1部分を含む。第1部分は、第1方向に沿って延びる。少なくとも1つの支管は、第2部分を含む。第2部分は、第2方向に沿って延びる。第2方向は、第1方向とは交差する方向である。第1方向は、設置状態における水平方向である。第2方向は、設置状態における鉛直方向である。
【0008】
配管ユニットでは、室外ユニットと複数の室内ユニットとの間で冷媒連絡配管とともに液側冷媒流路を形成し、主管は第1方向(設置状態における水平方向)に沿って延びる第1部分を含み、少なくとも1つの支管は、第1方向とは交差する第2方向(設置状態における鉛直方向)に沿って延びる第2部分を含む。これにより、設置状態において支管の第2部分が鉛直方向に沿って延び、トラップとして機能しうる。すなわち、「トラップ構成部」として機能する配管ユニットの主管及び各支管を施工現場において冷媒連絡配管に適宜接続することでトラップが簡易に構成される。よって、液側連絡流路を形成する冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要があるケースにおいて、施工現場において、トラップを構成するように配管を曲げたり、配管を接続したりする作業が軽減される。その結果、冷媒連絡配管が狭小空間に設置される場合においてもトラップを設ける作業に要する労力や時間が軽減される。よって、施行性向上が促進される。
【0009】
ここでの「第1方向に沿って延びる」は、延伸方向が必ずしも第1方向(設置状態における水平方向)に一致する状態のみならず、延伸方向が第1方向に対して若干傾斜している状態も含む。例えば、第1方向に対して所定角度(例えば30度)の範囲内で傾斜して延びる状態については、「第1方向に沿って延びる」ものとして解釈する。
【0010】
また、「第2方向に沿って延びる」は、延伸方向が必ずしも第2方向(設置状態における鉛直方向)に一致する状態のみならず、延伸方向が第2方向に対して若干傾斜している状態も含む。例えば、第2方向に対して所定角度(例えば30度)の範囲内で傾斜して延びる状態については、「第2方向に沿って延びる」ものとして解釈する。
【0011】
配管ユニットでは、好ましくは、少なくとも1つの支管は、第3部分と、折返し部分と、をさらに含む。第3部分は、設置状態で液側冷媒流路において、第2部分よりも室内ユニット側に位置する。第3部分は、第2方向に沿って延びる。折返し部分は、設置状態で液側冷媒流路において、第2部分と第3部分との間に位置する。折返し部分は、第2部分と第3部分とを接続する。
【0012】
配管ユニットでは、好ましくは、少なくとも1つの支管は、第4部分をさらに含む。第4部分は、設置状態で液側冷媒流路において第3部分よりも室内ユニット側に位置する。第4部分は、第1方向に沿って延びる。これにより、主管の室外ユニット側端部および支管の室内ユニット側端部それぞれを、施工現場において水平方向に延びる液側連絡配管に接続することが可能となる。このため、冷媒連絡配管が狭小空間に設置される場合においてトラップを設ける作業に要する労力や時間がさらに軽減され、施行性向上がさらに促進される。
【0013】
配管ユニットでは、好ましくは、少なくとも1つの支管は、第5部分をさらに含む。第5部分は、設置状態で液側冷媒流路において第2部分よりも室外ユニット側に位置する。第5部分は、第1方向に沿って延びる。
【0014】
配管ユニットでは、好ましくは、主管は、第6部分をさらに含む。第6部分は、第1部分と第2部分との間に位置する。第6部分は、第2方向に沿って延びる。
【0015】
配管ユニットでは、好ましくは、主管は、第7部分をさらに含む。第7部分は、設置状態で液側冷媒流路において第1部分よりも室外ユニット側に位置する。第7部分は、第2方向に沿って延びる。室外ユニットから室内ユニットへ流れる冷媒は、設置状態で、第7部分においては下方向に沿って流れる。室外ユニットから室内ユニットへ流れる冷媒は、設置状態で、第2部分においては上方向に沿って流れる。
【0016】
配管ユニットは、好ましくは、接続管をさらに備える。各支管は、第2部分を含む。接続管は、各第2部分の室外ユニット側の端部同士を接続する。主管は、第8部分をさらに含む。第8部分は、設置状態で液側冷媒流路において第1部分よりも室内ユニット側に位置する。接続管は、第1方向に沿って延びる。接続管は、端部を複数有する。接続管の端部は、いずれかの第2部分に接続される。第8部分は、第2方向に沿って延びる。第8部分は、室内ユニット側の端部が、接続管の端部間に接続される。室外ユニットから室内ユニットへ流れる冷媒は、設置状態で、第8部分においては下方向に沿って流れる。室外ユニットから室内ユニットへ流れる冷媒は、設置状態で、第2部分においては上方向に沿って流れる。
【0017】
配管ユニットでは、好ましくは、少なくとも1つの支管は、螺旋状を呈するように折り返される。
【0018】
配管ユニットでは、好ましくは、第1方向と第2方向とは、略直角に交差する。なお、ここでの「略直角に交差する」については、第1方向と第2方向とが90度に交差する場合のみならず、第1方向と第2方向とが90度に対して若干傾斜して交差する場合を含む。具体的には、第1方向と第2方向とが、所定角度の範囲内(例えば60度以上120度以内)で交差する場合については、「略直角に交差する」ものとして解釈する。
【0019】
配管ユニットでは、好ましくは、支管のサイズは、2分以上6分以下である。なお、ここでの、「2分」「6分」は、慣用されている配管サイズの呼び径である。具体的にここでの「2分」は、1/4インチであり外径は6.35mm(又はこれに近似する値)で内径4.75mm(又はこれに近似する値)である。また、ここでの「6分」は、3/4インチであり外径は19.05mm(又はこれに近似する値)で内径16.95mm(又はこれに近似する値)である。
【0020】
配管ユニットでは、好ましくは、液側冷媒流路を介して室外ユニットから室内ユニットへ流れる冷媒は、気液2相状態で液側冷媒流路に流入する。
【0021】
空調システムは、室外ユニットと、複数の室内ユニットと、冷媒連絡配管と、配管ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】正サイクル運転時(通常制御時)における冷凍サイクルの一例を示した模式図。
【
図6】第1分岐管ユニットの設置態様の一例を示した模式図。
【
図7】第2分岐管ユニットの設置態様の一例を示した模式図。
【
図8】正サイクル運転中の第2分岐管ユニットにおける冷媒の流れの一例を示した模式図。
【
図9】正サイクル運転中、運転室内ユニットと停止室内ユニットとが混在する場合における冷媒の流れの一例を示した模式図。
【
図10】変形例1に係る第2分岐管ユニットの概略構成図。
【
図11】変形例2に係る第2分岐管ユニットの概略構成図。
【
図12】変形例3に係る第2分岐管ユニットの概略構成図。
【
図13】変形例4に係る第2分岐管ユニットの概略構成図。
【
図14】変形例4に係る第2分岐管ユニットに関する他の例の概略構成図。
【
図15】変形例5に係る第2分岐管ユニットの概略構成図。
【
図16】変形例5に係る第2分岐管ユニットにおける接続管部周辺の拡大図。
【
図17】変形例6に係る第2分岐管ユニットにおける接続管部周辺の拡大図。
【
図18】変形例7に係る第2分岐管ユニットの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一実施形態に係る空調システム100及び第2分岐管ユニット60(配管ユニット)について説明する。なお、以下の実施形態は、具体例であって、技術的範囲を限定するものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。なお、以下の説明において、上、下、左、右、前、後といった方向は、
図2及び
図6-
図9に示される方向である。
【0024】
本開示において、「水平方向」には、左右方向及び前後方向が含まれる。また、「水平方向」は完全な水平方向のみならず、水平線に対して所定角度(例えば30度)の範囲内で傾斜する方向も含まれる。
【0025】
本開示において「鉛直方向」には、上下方向が含まれる。また、「鉛直方向」は完全な鉛直方向のみならず、鉛直線に対して所定角度(例えば45度)の範囲内で傾斜する方向も含まれる。
【0026】
本開示において「直角」には、完全な直角(90度)のみならず、「略直角」(90度に対して所定角度(例えば30度)の範囲内で増減する角度も含まれる。
【0027】
本開示において、「運転停止状態」には、運転停止コマンドを入力されて運転を停止している、電源が遮断されたことにより運転を停止している状態及び運転開始コマンドを入力されずに運転を行っていない状態のみならず、サーモオフ等により一時的に運転を休止している状態も含まれる。
【0028】
本開示において、各部の「接合」及び「接続」については、設置環境や設計仕様に応じた「方法」がそれぞれ適宜選択されるものとする。係る「方法」は、特に限定されないが、例えばロウ付け接続、フレア接続又はフランジ接続等が想定される。
【0029】
(1)空調システム100の概要
図1は、空調システム100の概略構成図である。
図2は、空調システム100の概略適用図である。空調システム100は、ビルや工場等に設置されて対象空間SPの空気調和を実現する。本実施形態において、空調システム100は、
図2に示すように、複数階を有する建物B1内における部屋(対象空間SP1、SP2等)の空調を行う。なお、建物B1の階数や部屋数等は、適宜変更が可能である。空調システム100は、冷媒回路RCにおいて冷凍サイクルを行うことにより、対象空間SPの冷房や暖房等を行う。
【0030】
空調システム100は、主として、室外ユニット10と、複数(ここでは4台以上)の室内ユニット40(40a、40b、40c、40d・・・)と、室外ユニット10と室内ユニット40とを接続する液側連絡配管La(特許請求の範囲記載の「冷媒連絡配管」に相当)及びガス側連絡配管Gaと、を有している。
【0031】
空調システム100では、室外ユニット10と各室内ユニット40とが液側連絡配管La及びガス側連絡配管Gaで接続されることで、冷媒回路RCが構成されている。空調システム100では、冷媒回路RC内に封入された冷媒が、圧縮され、冷却又は凝縮され、減圧され、加熱又は蒸発された後に、再び圧縮される、という蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。冷媒回路RCに充填される冷媒は、特に限定されないが、例えばR32が採用される。
【0032】
冷媒回路RCには、主として、室外ユニット10内で構成される室外側回路RC1と、各室内ユニット40においてそれぞれ構成される室内側回路RC2と、室外側回路RC1及び各室内側回路RC2を連絡する連絡回路RC3と、が含まれている。また、連絡回路RC3には、室外ユニット10と室内ユニット40との間で液側の冷媒流路として機能する液側連絡回路RC3a(特許請求の範囲記載の「液側冷媒流路」に相当)と、室外ユニット10と室内ユニット40との間で流れるガス側の冷媒流路として機能するガス側連絡回路RC3bと、が含まれている。
【0033】
空調システム100では、室外ユニット10及び室内ユニット40間で延びる液側連絡配管Laにおいて、冷媒が気液2相状態で搬送される気液2相搬送が行われる。より詳細には、室外ユニット10及び室内ユニット40間で延びる液側連絡配管Laにおいて搬送される冷媒に関し、液状態で搬送される場合と比較して、気液2相状態で搬送される場合のほうが、能力低下が抑制されつつ少ない充填冷媒量で運転を行うことが可能となることに鑑みて、空調システム100は、省冷媒を実現するために液側連絡回路RC3aにおいて気液2相搬送が行われるように構成されている。空調システム100は、気液2相搬送を実現するために、冷媒を減圧する「減圧弁」(後述する室外第2制御弁17)を、室外ユニット10内に有している。
【0034】
なお、ここでの熱負荷は、運転中の室内ユニット40(運転室内ユニット)で処理を要求される熱負荷であり、例えば、運転室内ユニットにおいて設定される設定温度、運転室内ユニットが設置される対象空間SP内の温度、冷媒循環量、室内ファン45の回転数、圧縮機11の回転数、室外熱交換器14の容量、及び室内熱交換器42の容量等のいずれか/全てに基づき、算出される。
【0035】
(1-1)室外ユニット10
室外ユニット10は、例えば建物の屋上やベランダ等の屋外、又は地下等の室外(対象空間SP外)に設置される。室外ユニット10は、液側連絡配管La及びガス側連絡配管Gaを介して複数の室内ユニット40と接続されており、冷媒回路RCの一部(室外側回路RC1)を構成している。
【0036】
室外ユニット10は、室外側回路RC1を構成する機器として、主として、複数の冷媒配管(第1配管P1-第12配管P12)と、圧縮機11と、アキュームレータ12と、四路切換弁13と、室外熱交換器14と、過冷却器15と、室外第1制御弁16と、室外第2制御弁17と、室外第3制御弁18と、液側閉鎖弁19と、ガス側閉鎖弁20と、を有している。
【0037】
第1配管P1は、ガス側閉鎖弁20と、四路切換弁13の第1ポートと、を接続する。第2配管P2は、アキュームレータ12の入口ポートと、四路切換弁13の第2ポートと、を接続する。第3配管P3は、アキュームレータ12の出口ポートと、圧縮機11の吸入ポートと、を接続する。第4配管P4は、圧縮機11の吐出ポートと、四路切換弁13の第3ポートと、を接続する。第5配管P5は、四路切換弁13の第4ポートと、室外熱交換器14のガス側出入口と、を接続する。第6配管P6は、室外熱交換器14の液側出入口と、室外第1制御弁16の一端と、を接続する。第7配管P7は、室外第1制御弁16の他端と、過冷却器15のメイン流路151の一端と、を接続する。第8配管P8は、過冷却器15のメイン流路151の他端と、室外第2制御弁17の一端と、を接続する。第9配管P9は、室外第2制御弁17の他端と、液側閉鎖弁19の一端と、を接続する。第10配管P10は、第6配管P6の両端間の部分と、室外第3制御弁18の一端と、を接続する。第11配管P11は、室外第3制御弁18の他端と、過冷却器15のサブ流路152の一端と、を接続する。第12配管P12は、過冷却器15のサブ流路152の他端と、第1配管P1の両端間の部分と、を接続する。なお、これらの冷媒配管(P1―P12)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0038】
圧縮機11は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。本実施形態では、圧縮機11は、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素が圧縮機モータ(図示省略)によって回転駆動される密閉式構造を有している。また、ここでは、圧縮機モータは、インバータにより運転周波数の制御が可能であり、これにより、圧縮機11の容量制御が可能になっている。
【0039】
アキュームレータ12は、圧縮機11に液冷媒が過度に吸入されることを抑制するための容器である。アキュームレータ12は、冷媒回路RCに充填されている冷媒量に応じて所定の容積を有している。
【0040】
四路切換弁13は、冷媒回路RCにおける冷媒の流れを切り換えるための流路切換弁である。四路切換弁13は、正サイクル状態と逆サイクル状態とを切り換えられる。四路切換弁13は、正サイクル状態となると、第1ポート(第1配管P1)と第2ポート(第2配管P2)とを連通させるとともに第3ポート(第4配管P4)と第4ポート(第5配管P5)とを連通させる(
図1の四路切換弁13の実線を参照)。四路切換弁13は、逆サイクル状態となると、第1ポート(第1配管P1)と第3ポート(第4配管P4)とを連通させるとともに第2ポート(第2配管P2)と第4ポート(第5配管P5)とを連通させる(
図1の四路切換弁13の破線を参照)。
【0041】
室外熱交換器14は、冷媒の凝縮器(又は放熱器)又は蒸発器(又は加熱器)として機能する熱交換器である。室外熱交換器14は、正サイクル運転(四路切換弁13が正サイクル状態にある運転)時には、冷媒の凝縮器として機能する。また、室外熱交換器14は、逆サイクル運転(四路切換弁13が逆サイクル状態にある運転)時には、冷媒の蒸発器として機能する。室外熱交換器14は、複数の伝熱管と、伝熱フィンと、を含む(図示省略)。室外熱交換器14は、伝熱管内の冷媒と、伝熱管又は伝熱フィンの周囲を通過する空気(後述の室外空気流)と、の間で熱交換が行われるように構成されている。
【0042】
過冷却器15は、流入する冷媒を過冷却状態の液冷媒とする熱交換器である。過冷却器15は、例えば二重管熱交換器であり、過冷却器15にはメイン流路151とサブ流路152とが構成されている。過冷却器15は、メイン流路151及びサブ流路152を流れる冷媒が熱交換を行うように構成されている。
【0043】
室外第1制御弁16は、開度制御が可能な電動弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。室外第1制御弁16は、室外熱交換器14と過冷却器15(メイン流路151)との間に配置されている。換言すると、室外第1制御弁16は、室外熱交換器14と液側連絡配管Laの間に配置されているともいえる。
【0044】
室外第2制御弁17は、開度制御が可能な電動弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。室外第2制御弁17は、過冷却器15(メイン流路151)と液側閉鎖弁19との間に配置されている。係る室外第2制御弁17の開度が制御されることにより、室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒を気液2相状態とすることが可能である。
【0045】
室外第3制御弁18は、開度制御が可能な電動弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。室外第3制御弁18は、室外熱交換器14と過冷却器15(サブ流路152)との間に配置されている。
【0046】
液側閉鎖弁19は、第9配管P9と液側連絡配管Laとの接続部分に配置された手動弁である。液側閉鎖弁19は、一端が第9配管P9に接続され他端が液側連絡配管Laに接続されている。
【0047】
ガス側閉鎖弁20は、第1配管P1とガス側連絡配管Gaとの接続部分に配置された手動弁である。ガス側閉鎖弁20は、一端が第1配管P1に接続され他端がガス側連絡配管Gaに接続されている。
【0048】
また、室外ユニット10は、室外熱交換器14を通過する室外空気流を生成する室外ファン25を有している。室外ファン25は、室外熱交換器14を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての室外空気流を室外熱交換器14に供給する送風機である。室外ファン25は、駆動源である室外ファンモータ(図示省略)を含み、状況に応じて発停及び回転数を適宜制御される。
【0049】
また、室外ユニット10には、冷媒回路RC内の冷媒の状態(主に圧力又は温度)を検出するための複数の室外側センサ(図示省略)が配置されている。室外側センサは、圧力センサや、サーミスタ又は熱電対等の温度センサである。室外側センサには、例えば、圧縮機11の吸入側における冷媒の圧力(吸入圧力)を検出する吸入圧力センサ、圧縮機11の吐出側における冷媒の圧力である(吐出圧力)を検出する吐出圧力センサ、室外熱交換器14における冷媒の温度(例えば過冷却度SC)を検出する冷媒温度センサ、外気の温度を検出する外気温度センサ等が含まれる。
【0050】
また、室外ユニット10は、室外ユニット10に含まれる各機器の動作・状態を制御する室外ユニット制御部を有している。室外ユニット制御部は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを含んでいる。室外ユニット制御部は、室外ユニット10に含まれる各機器(11、13、16、17、18、25等)や室外側センサと電気的に接続されており、互いに信号の入出力を行う。また、室外ユニット制御部は、各室内ユニット40の室内ユニット制御部(後述)やリモコン(図示省略)と、通信線を介して、個別に制御信号等の送受信を行う。
【0051】
(1-2)室内ユニット40
各室内ユニット40は、液側連絡配管La及びガス側連絡配管Gaを介して室外ユニット10と接続されている。各室内ユニット40は、室外ユニット10に対して、他の室内ユニット40と並列又は直列に配置されている。
図1においては、室内ユニット40aは、室内ユニット40b等と直列に配置されており、室内ユニット40c及び40d等と並列に配置されている。各室内ユニット40は、対象空間SPに配置されている。
図2においては、室内ユニット40a及び40bが対象空間SP1(より詳細には対象空間SP1の天井裏空間SPa)に設置され、室内ユニット40c及び40dが対象空間SP1よりも下階に位置する対象空間SP2(より詳細には対象空間SP1の天井裏空間SPa)に設置されている。このため、本実施形態において室内ユニット40c及び40dの設置高さは、室内ユニット40a及び40bの設置高さよりも低い。
【0052】
各室内ユニット40は、冷媒回路RCの一部(室内側回路RC2)を構成している。各室内ユニット40は、室内側回路RC2を構成する機器として、主として、複数の冷媒配管(第13配管P13、第14配管P14)と、室内膨張弁41と、室内熱交換器42と、を有している。
【0053】
第13配管P13は、液側連絡配管Laと、室内熱交換器42の液側冷媒出入口とを接続する。第14配管P14は、室内熱交換器42のガス側冷媒出入口と、ガス側連絡配管Gaとを接続する。なお、これらの冷媒配管(P13、P14)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0054】
室内膨張弁41は、開度制御が可能な電動弁であり、開度に応じて流入する冷媒を減圧する又は流量調節する。室内膨張弁41は、第13配管P13上に配置されており、液側連絡配管Laと室内熱交換器42との間に位置している。室内膨張弁41は、正サイクル運転時には、液側連絡配管Laから室内ユニット40に流入する冷媒を減圧する。
【0055】
室内熱交換器42は、冷媒の蒸発器(又は加熱器)又は凝縮器(又は放熱器)として機能する熱交換器である。室内熱交換器42は、正サイクル運転時には、冷媒の蒸発器として機能する。また、室内熱交換器42は、逆サイクル運転時には、冷媒の凝縮器として機能する。室内熱交換器42は、複数の伝熱管と、伝熱フィンと、を含む(図示省略)。室内熱交換器42は、伝熱管内の冷媒と、伝熱管又は伝熱フィンの周囲を通過する空気(後述の室内空気流)と、の間で熱交換が行われるように構成されている。
【0056】
また、室内ユニット40は、対象空間SP内の空気を吸入し、室内熱交換器42を通過させ冷媒と熱交換させた後に、対象空間SPに再び送るための室内ファン45を有している。室内ファン45は、駆動源である室内ファンモータ(図示省略)を含む。室内ファン45は、駆動時に、室内熱交換器42を流れる冷媒の加熱源又は冷却源としての室内空気流を生成する。
【0057】
また、室内ユニット40には、冷媒回路RC内の冷媒の状態(主に圧力又は温度)を検出するための室内側センサ(図示省略)が配置されている。室内側センサは、圧力センサや、サーミスタ又は熱電対等の温度センサである。室内側センサには、例えば、室内熱交換器42における冷媒の温度(例えば過熱度)を検出する温度センサ、冷媒の圧力を検出する圧力センサ等が含まれる。
【0058】
また、室内ユニット40は、室内ユニット40に含まれる各機器の動作・状態を制御する室内ユニット制御部を有している。室内ユニット制御部は、CPUやメモリ等を含むマイクロコンピュータを有している。室内ユニット制御部は、室内ユニット40に含まれる機器(41、45)や室内側センサと電気的に接続されており、互いに信号の入出力を行う。また、室内ユニット制御部は、室外ユニット制御部やリモコン(図示省略)と通信線を介して接続されており、制御信号等の送受信を行う。
【0059】
(1-3)液側連絡配管La、ガス側連絡配管Ga
液側連絡配管La及びガス側連絡配管Gaは、室外ユニット10及び各室内ユニット40を接続する冷媒連絡配管であり、現地にて施工される。液側連絡配管La及びガス側連絡配管Gaの配管長や配管径については、設計仕様や設置環境に応じて適宜選定される。
【0060】
液側連絡配管Laは、室外ユニット10及び各室内ユニット40の間で液側の連絡回路RC3(液側連絡回路RC3a)を構成する配管である。液側連絡配管Laは、複数の配管や継手等が接続されることで構成されている。具体的に、液側連絡配管Laは、複数の連絡配管(第1液側連絡配管L1、第2液側連絡配管L2、第3液側連絡配管L3、第4液側連絡配管L4、第5液側連絡配管L5、・・・)、及び複数の分岐部分BP(以下、「液側分岐部分BPa」と称する)等を含んでいる。なお、液側連絡配管Laに含まれる各連絡配管(L1、L2、L3、L4、L5、・・・)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0061】
第1液側連絡配管L1は、一端が室外ユニット10の液側閉鎖弁19に接続され、液側連絡回路RC3aにおいて他の連絡配管(L2、L3、L4、L5、・・・)よりも室外ユニット10側に配置される。第1液側連絡配管L1と、第2液側連絡配管L2及び第3液側連絡配管L3とは、液側連絡回路RC3aにおいて最も室外ユニット10側に位置する液側分岐部分BPaで接続されて連通している。
【0062】
液側連絡配管Laに含まれる他の各連絡配管(L2、L3、L4、L5、・・・)は、第1液側連絡配管L1と、対応する室内ユニット40と、の間の冷媒流路を形成する。本実施形態において、第2液側連絡配管L2は室内ユニット40a及び40b等に対応し、第3液側連絡配管L3及び第4液側連絡配管L4は室内ユニット40c及び40d等に対応する。第5液側連絡配管L5は他の室内ユニット40等に対応する。
【0063】
第2液側連絡配管L2及び第3液側連絡配管L3は、一端側が第1液側連絡配管L1の他端側と分岐部分BPを介して連通している。第2液側連絡配管L2及び第3液側連絡配管L3は、第1液側連絡配管L1に対して互いに並列に配置される。
【0064】
第4液側連絡配管L4及び第5液側連絡配管L5は、一端側が第3液側連絡配管L3の他端側と分岐部分BPを介して連通している。第4液側連絡配管L4及び第5液側連絡配管L5は、第3液側連絡配管L3に対して互いに並列に配置される。
【0065】
ガス側連絡配管Gaは、室外ユニット10及び各室内ユニット40の間でガス側の連絡回路RC3(ガス側連絡回路RC3b)を構成し、運転中、低圧の冷媒が流れる配管である。ガス側連絡配管Gaは、複数の配管や継手等が接続されることで構成されている。ガス側連絡配管Gaは、複数の連絡配管(第1ガス側連絡配管G1、第2ガス側連絡配管G2、第3ガス側連絡配管G3、第4ガス側連絡配管G4、第5ガス側連絡配管G5)及び複数の分岐部分BP(以下、「ガス側分岐部分BPb」と称する)等を含んでいる。なお、ガス側連絡配管Gaに含まれる各連絡配管(G1、G2、G3、G4、G5、・・・)は、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
【0066】
第1ガス側連絡配管G1は、一端が室外ユニット10のガス側閉鎖弁20に接続され、ガス側連絡回路RC3bにおいて他の連絡配管(G2、G3、G4、G5、・・・)よりも、室外ユニット10側に配置される。第1ガス側連絡配管G1と、第2ガス側連絡配管G2及び第3ガス側連絡配管G3とは、ガス側連絡回路RC3bにおいて最も室外ユニット10側に位置するガス側分岐部分BPbで接続され、連通している。
【0067】
ガス側連絡配管Gaに含まれる他の各連絡配管(G2、G3、G4、G5、・・・)は、第1ガス側連絡配管G1と、対応する室内ユニット40と、の間の冷媒流路を形成する。本実施形態において、第2ガス側連絡配管G2は室内ユニット40a及び40b等に対応し、第3ガス側連絡配管G3及び第4ガス側連絡配管G4は室内ユニット40c及び40d等に対応する。第5ガス側連絡配管G5は他の室内ユニット40等に対応する。
【0068】
第2ガス側連絡配管G2及び第3ガス側連絡配管G3は、一端側が第1ガス側連絡配管G1の他端側と分岐部分BPを介して連通している。第2ガス側連絡配管G2及び第3ガス側連絡配管G3は、第1ガス側連絡配管G1に対して互いに並列に配置される。
【0069】
第4ガス側連絡配管G4及び第5ガス側連絡配管G5は、一端側が第3ガス側連絡配管G3の他端側と分岐部分BPを介して連通している。第4ガス側連絡配管G4及び第5ガス側連絡配管G5は、第3ガス側連絡配管G3に対して互いに並列に配置される。
【0070】
本実施形態において、第2液側連絡配管L2及び第2ガス側連絡配管G2は、
図2に示されるように、主として、対象空間SP1の天井裏空間SPaにおいて水平方向に沿って延びるように配置されている。また、第4液側連絡配管L4及び第4ガス側連絡配管G4は、
図2に示されるように、主として、対象空間SP1よりも下階の対象空間SP2の天井裏空間SPaにおいて左右方向(水平方向)に沿って延びるように配置される。すなわち、本実施形態において、第4液側連絡配管L4及び第4ガス側連絡配管G4の据付高さは、第2液側連絡配管L2及び第2ガス側連絡配管G2の据付高さよりも低い。また、第3液側連絡配管L3及び第3ガス側連絡配管G3は、
図2に示されるように、主として、建物B1の外壁と対象空間SPの内壁との間の空間で、主として、上下方向(鉛直方向)に沿って延びるように配置されている。
【0071】
なお、以下の説明においては、液側連絡配管La及びガス側連絡配管Gaの一方又は双方を、「冷媒連絡配管」と称する。また、連絡回路RC3において、分岐部分BPで接続される各連絡配管のうち、室外ユニット10側に位置する連絡配管(例えば、L2及びL3に対するL1や、L4及びL5に対するL3)を「室外ユニット側連絡配管CP1」と称し、また、室外ユニット側連絡配管CP1に連通する連絡配管(例えば、L1に対するL2及びL3や、L3に対するL4及びL5)のいずれか/全てを「室内ユニット側連絡配管CP2」と称する。
【0072】
冷媒連絡配管に含まれる分岐部分BP(液側分岐部分BPa、ガス側分岐部分BPb)は、室外ユニット10側(すなわち室外ユニット側連絡配管CP1側)から流れる冷媒を室内ユニット側連絡配管CP2に分岐させる部分であり、また、室内ユニット側連絡配管CP2側から流れる冷媒を合流させる部分である。
【0073】
空調システム100において、分岐部分BPは、分岐管ユニット50(第1分岐管ユニット51又は第2分岐管ユニット60)によって構成されている。分岐管ユニット50の詳細については後述する。
【0074】
(2)冷媒回路RCにおける冷媒の流れ
以下、冷媒回路RCにおける冷媒の流れについて説明する。空調システム100では、主として、冷房運転等の正サイクル運転と、暖房運転等の逆サイクル運転が行われる。ここでの冷凍サイクルにおける低圧は、圧縮機11の吸入される冷媒の圧力であり、冷凍サイクルにおける高圧は、圧縮機11から吐出される冷媒の圧力である。
【0075】
(2-1)正サイクル運転時の冷媒の流れ
図3は、正サイクル運転時(通常制御時)における冷凍サイクルの一例を示した模式図である。正サイクル運転時には、四路切換弁13が正サイクル状態に制御され、冷媒回路RCに充填された冷媒が、主として、室外側回路RC1(圧縮機11、室外熱交換器14、室外第1制御弁16、過冷却器15のメイン流路151、室外第2制御弁17)、
液側連絡回路RC3a、運転中の室内ユニット40(運転室内ユニット)の室内側回路RC2(室内膨張弁41及び室内熱交換器42)、圧縮機11の順に循環する。正サイクル運転においては、第6配管P6を流れる冷媒の一部が第9配管P9へ分岐して、室外第3制御弁18及び過冷却器15(サブ流路152)を通過した後に、ガス側連絡回路RC3bを経て室外側回路RC1(圧縮機11)に戻される。
【0076】
具体的に、正サイクル運転が開始されると、室外側回路RC1内において、冷媒が圧縮機11に吸入されて冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される(
図3のa-b参照)。圧縮機11では、運転室内ユニットで要求される熱負荷に応じた容量制御が行われる。具体的には、吸入圧力(
図3のaを参照)の目標値が室内ユニット40で要求される熱負荷に応じて設定され、吸入圧力が目標値になるように圧縮機11の運転周波数が制御される。圧縮機11から吐出されたガス冷媒は、室外熱交換器14のガス側出入口に流入する。
【0077】
室外熱交換器14に流入したガス冷媒は、室外熱交換器14において、室外ファン25によって送られる室外空気流と熱交換を行って放熱して凝縮する(
図3のb-d参照)。この際、冷媒は過冷却度SCのついた過冷却状態の液冷媒になる(
図3のc-d参照)。室外熱交換器14の液側出入口から流出した冷媒は、第6配管P6を流れる過程で分岐する。
【0078】
第6配管P6を流れる過程で分岐した一方の冷媒は、室外第1制御弁16を経て、過冷却器15のメイン流路151に流入する。過冷却器15のメイン流路151に流入した冷媒は、サブ流路152を流れる冷媒と熱交換を行って冷却されさらに過冷却度のついた状態となる(
図3のd-e参照)。
【0079】
過冷却器15のメイン流路151から流出した液冷媒は、室外第2制御弁17の開度に応じて減圧又は流量調整され、気液2相状態となって、高圧の冷媒よりも圧力が低く低圧の冷媒よりも圧力が高い中間圧の冷媒となる(
図3のe-f参照)。これにより、正サイクル運転時には気液2相状態の冷媒が液側連絡回路RC3a(液側連絡配管La)に送られ、室外ユニット10側から室内ユニット40側に送られる冷媒に関して、気液2相搬送が実現される。すなわち、室外第2制御弁17は、正サイクル運転時において、室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒が気液2相状態で液側連絡配管Laを通過するように冷媒を減圧する。これに関連して液側連絡配管Laを流れる冷媒が液状態である液搬送の場合に比べて、液側連絡配管Laが液状態の冷媒で満たされることがなくなり、その分だけ液側連絡配管Laに存在する冷媒量を少なくできるようになっている。
【0080】
室外ユニット10から流出した気液2相冷媒は、液側連絡回路RC3aを経て運転室内ユニットの室内側回路RC2に流入する。なお、液側連絡回路RC3aを流れる冷媒は、圧力損失により圧力が低下する(
図3のf-g参照)。
【0081】
室外側回路RC1において第6配管P6を流れる過程で分岐した他方の冷媒は、室外第3制御弁18に流入し、室外第3制御弁18の開度に応じて減圧又は流量調整された後、過冷却器15のサブ流路152に流入する。過冷却器15のサブ流路152に流入した冷媒は、メイン流路151を流れる冷媒と熱交換を行った後、第12配管P12を経て第1配管P1を流れる冷媒に合流する。
【0082】
室内側回路RC2に流入した冷媒は、室内膨張弁41に流入し、室内膨張弁41の開度に応じて冷凍サイクルにおける低圧になるまで減圧され(
図3のg-h参照)、その後、室内熱交換器42に流入する。
【0083】
室内熱交換器42に流入した冷媒は、室内ファン45によって送られる室内空気流と熱交換を行って蒸発し、ガス冷媒になる(
図3のh-a参照)。室内熱交換器42から流出したガス冷媒は、室内側回路RC2から流出する。
【0084】
室内側回路RC2から流出した冷媒は、ガス側連絡回路RC3bを流れて、室外側回路RC1に流入する。室外側回路RC1に流入した冷媒は、第1配管P1を流れ、四路切換弁13及び第2配管P2を経て、アキュームレータ12に流入する。アキュームレータ12に流入した冷媒は、一時的に溜められた後、再び圧縮機11に吸入される。
【0085】
(2-2)逆サイクル運転時の冷媒の流れ
逆サイクル運転時には、四路切換弁13が逆サイクル状態に制御され、冷媒回路RCに充填された冷媒が、主として、室外側回路RC1(圧縮機11)、ガス側連絡回路RC3b、運転室内ユニットの室内側回路RC2(室内熱交換器42及び室内膨張弁41)、液側連絡回路RC3a、室外側回路RC1(室外第2制御弁17、過冷却器15、室外第1制御弁16、室外熱交換器14、圧縮機11)の順に循環する。
【0086】
具体的に、逆サイクル運転が開始されると、室外側回路RC1内において、冷媒が圧縮機11に吸入されて高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機11では、運転室内ユニットで要求される熱負荷に応じた容量制御が行われる。圧縮機11から吐出されたガス冷媒は、第4配管P4及び第1配管P1を経て室外ユニット10から流出し、ガス側連絡回路RC3bを経て運転室内ユニットの室内側回路RC2に流入する。
【0087】
室内側回路RC2に流入した冷媒は、室内熱交換器42に流入して、室内ファン45によって送られる室内空気流と熱交換を行って凝縮する。室内熱交換器42から流出した冷媒は、室内膨張弁41に流入し、室内膨張弁41の開度に応じて冷凍サイクルにおける低圧になるまで減圧される。その後、冷媒は、室内側回路RC2から流出する。
【0088】
室内側回路RC2から流出した冷媒は、液側連絡回路RC3aを経て室外側回路RC1に流入する。室外側回路RC1に流入した冷媒は、第9配管P9、室外第2制御弁17、第8配管P8、過冷却器15(メイン流路151)、第7配管P7、室外第1制御弁16及び第6配管P6を経て、室外熱交換器14の液側出入口に流入する。
【0089】
室外熱交換器14に流入した冷媒は、室外熱交換器14において、室外ファン25によって送られる室外空気流と熱交換を行って蒸発する。その後、冷媒は、室外熱交換器14のガス側出入口から流出し、第5配管P5、四路切換弁13及び第2配管P2を経て、アキュームレータ12に流入する。アキュームレータ12に流入した冷媒は、一時的に溜められた後、再び圧縮機11に吸入される。
【0090】
(3)分岐管ユニット50の詳細
分岐管ユニット50は、連絡回路RC3において、分岐部分BPを構成するためのユニットである。分岐管ユニット50は、工場や現場等で施工前に予め組み立てられ、施工現場で他の配管(ここでは室外ユニット側連絡配管CP1及び室内ユニット側連絡配管CP2)と接続される。
【0091】
冷媒回路RCに配置される各分岐管ユニット50は、第1分岐管ユニット51、及び連絡回路RC3においてトラップを構成する機能を有する第2分岐管ユニット60のいずれかである。各分岐部分BPにおいては、第1分岐管ユニット51及び第2分岐管ユニット60のうち最適なほうが選択される。
【0092】
(3-1)第1分岐管ユニット51
図4は、第1分岐管ユニット51の概略構成図である。なお、本実施形態において、x方向とy方向とは直交する。第1分岐管ユニット51は、それぞれ主管52、複数(ここでは2本)の支管54で構成される支管群55、及び接続管部58を含む。第1分岐管ユニット51において、主管52と、各支管54と、は接続管部58を介して接続されて連通している。
【0093】
主管52は、主としてx方向(
図4、
図6等参照)に沿って延びる。主管52は、設置状態において接続管部58よりも室外ユニット10側に位置する。主管52は、いずれかの室外ユニット側連絡配管CP1と1対1に対応しており、設置状態において一端521が対応する室外ユニット側連絡配管CP1に接続される。主管52は、他端522が接続管部58の第1接続部581に接続されている。主管52は、接続されている各支管54へ流れる冷媒、又は各支管54から流れる冷媒、の流路を形成する。
【0094】
各支管54は、主としてx方向(
図4、
図6等参照)に沿って延びる。各支管54は、設置状態において接続管部58よりも対応する室内ユニット40側に位置する。各支管54は、設置状態において一端541が接続管部58の第2接続部582に個別に接続される。各支管54は、いずれかの室内ユニット側連絡配管CP2と1対1に対応しており、他端542が対応する室内ユニット側連絡配管CP2に接続されている。
【0095】
接続管部58は、第1分岐管ユニット51における主管52と、支管群55(各支管54)と、を接続する。本実施形態において、接続管部58は、
図4に示されるように、y方向から見て略U字状又は略C字状に湾曲している。接続管部58は、主管52に接続される第1接続部581を有する。接続管部58は、対応する支管54に接続される第2接続部582を複数(第1分岐管ユニット51に含まれる支管54の数と同数、ここでは2つ)有する。接続管部58は、一端側に第1接続部581を有し、他端側が2つに分岐して各分岐先の端部において第2接続部582をそれぞれ有する。
【0096】
(3-2)第2分岐管ユニット60
図5は、第2分岐管ユニット60の概略構成図である。なお、本実施形態において、x方向とy方向とは直交する。
【0097】
第2分岐管ユニット60は、それぞれ主管70、複数(ここでは2本)の支管80で構成される支管群88、及び接続管部90を含む。第2分岐管ユニット60において、主管70と、各支管80と、は接続管部90を介して接続されて連通している。
【0098】
主管70(特許請求の範囲記載の「主管」に相当)は、室外ユニット側連絡配管CP1から流れる冷媒を接続管部90へ送る配管、又は接続管部90から流れる冷媒を室外ユニット側連絡配管CP1へ送る配管である。主管70は、設置状態において接続管部90よりも室外ユニット10側に位置する。主管70は、いずれかの室外ユニット側連絡配管CP1と1対1に対応している。主管70は、主としてx方向(
図5、
図7等参照)に沿って延びる第1主管部71を有している。本実施形態において、第1主管部71の末端は主管70の一端701を構成し、第1主管部71の先端は主管70の他端702を構成している。主管70は、設置状態において末端(701)が対応する室外ユニット側連絡配管CP1に接続される。主管70は、先端(702)が接続管部90の第1接続部901に接続されている。主管70は、接続されている各支管80へ流れる冷媒、又は各支管80から流れる冷媒、の流路を形成する。なお、本実施形態において、主管70の構成態様は、第1分岐管ユニット51の主管52と略同一である。
【0099】
本実施形態において、支管群88には、2本の支管80(80a及び80b)が含まれている。各支管80(特許請求の範囲記載の「支管」に相当)は、設置状態において接続管部90よりも対応する室内ユニット40側に位置する。各支管80は、設置状態において一端801が接続管部90の第2接続部902に個別に接続される。各支管80は、いずれかの室内ユニット側連絡配管CP2と1対1に対応しており、他端802が対応する室内ユニット側連絡配管CP2に接続されている。
【0100】
各支管80の寸法は、設置環境や設計仕様に応じて適宜選定される。本実施形態において、各支管80の寸法は、液側連絡回路RC3aを構成するうえで適した寸法(具体的には、2分以上6分以下で設定される)。なお、ここでの、「2分」「6分」は、慣用されている配管サイズの呼び径である。具体的にここでの「2分」は、1/4インチであり外径は6.35mm(又はこれに近似する値)で内径4.75mm(又はこれに近似する値)である。また、ここでの「6分」は、3/4インチであり外径は19.05mm(又はこれに近似する値)で内径16.95mm(又はこれに近似する値)である。
【0101】
各支管80は、x方向(特許請求の範囲記載の「第1方向」に相当)に沿って延びる部分と、x方向に交差するy方向(特許請求の範囲記載の「第2方向」に相当)に沿って延びる部分を含む。具体的に支管80は、第1延伸部81と、第2延伸部82と、折返し部83と、第3延伸部84と、第4延伸部85と、を含んでいる。本実施形態において、支管80の各部分(81-85)は、第1延伸部81、第2延伸部82、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85の順に連続的に延びており、一体に構成されている。
【0102】
第1延伸部81(特許請求の範囲記載の「第5部分」に相当)は、主としてx方向(すなわち主管70の延伸方向)に沿って延びる部分である。第1延伸部81は、支管80における他の部分(第2延伸部82―第4延伸部85)よりも主管70側に位置する。すなわち、第1延伸部81は、設置状態で、連絡回路RC3において支管80の他の部分(第2延伸部82、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85)よりも室外ユニット10側に位置する。本実施形態において、第1延伸部81の一端は、支管80の一端801に相当し、設置状態において接続管部90の第2接続部902に接続される。第1延伸部81の他端は、第2延伸部82に接続されている。第1延伸部81は、設置状態において、流入する冷媒を接続管部90及び第2延伸部82の一方から他方へと送る。
【0103】
第2延伸部82(特許請求の範囲記載の「第2部分」に相当)は、主としてy方向(すなわち主管70の延伸方向に交差する方向)に沿って延びている。本実施形態において、第2延伸部82は、第1延伸部81及び主管70の延伸方向に対して直角に延びている。第2延伸部82は、第1延伸部81と折返し部83との間で延びている。折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85よりも主管70側に位置する。すなわち、第2延伸部82は、設置状態で、連絡回路RC3において、第1延伸部81よりも室内ユニット40側に位置し、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85よりも室外ユニット10側に位置する。第2延伸部82の一端は、第1延伸部81に接続される。第2延伸部82の他端は折返し部83に接続される。第2延伸部82は、設置状態において、流入する冷媒を第1延伸部81及び折返し部83の一方から他方へと送る。
【0104】
折返し部83(特許請求の範囲記載の「折返し部分」に相当)は、主としてy方向(第2延伸部82が延びる方向)に沿って延びてから湾曲してx方向に沿って延び、さらに湾曲してy方向(第3延伸部84が延びる方向)に沿って延びる部分である。折返し部83は、第2延伸部82と折返し部83との間で延びて、両者を接続する部分である。折返し部83は、第3延伸部84及び第4延伸部85よりも主管70側に位置する。すなわち、折返し部83は、設置状態で、連絡回路RC3において、第2延伸部82と第3延伸部84の間に位置し、第1延伸部81及び第2延伸部82よりも室内ユニット40側に位置し、第3延伸部84及び第4延伸部85よりも室外ユニット10側に位置する。折返し部83の一端は、第2延伸部82の他端に接続される。折返し部83の他端は第3延伸部84に接続される。折返し部83は、設置状態において、流入する冷媒を第2延伸部82及び第3延伸部84の一方から他方へ折り返す冷媒流路を構成する。なお、折返し部83は、図ではx方向に直線的に延びる部分を有するように示されているが、U字状に曲げられた管で構成されていても良い。このようなU字状の管で構成した方が、冷媒の圧力損失の影響を低減することができる。
【0105】
第3延伸部84(特許請求の範囲記載の「第3部分」に相当)は、主としてy方向(すなわち主管70の延伸方向に交差する方向)に沿って延びる部分である。第3延伸部84の延伸方向は、第2延伸部82の延伸方向とは反対方向である。第3延伸部84は、折返し部83と第4延伸部85との間で延びて、両者を接続する部分である。第3延伸部84は、第4延伸部85よりも主管70側に位置する。すなわち、第3延伸部84は、設置状態で、連絡回路RC3において、第1延伸部81、第2延伸部82及び折返し部83よりも室内ユニット40側に位置し、第4延伸部85よりも室外ユニット10側に位置する。第3延伸部84の一端は、折返し部83の他端に接続される。第3延伸部84の他端は第4延伸部85に接続される。第3延伸部84は、設置状態において、流入する冷媒を折返し部83及び第4延伸部85の一方から他方へと送る。
【0106】
第4延伸部85(特許請求の範囲記載の「第4部分」に相当)は、主としてx方向(すなわち主管70の延伸方向)に沿って延びる部分である。第4延伸部85は、第3延伸部84の延伸方向に対して直角に延びる。第4延伸部85の延伸方向は、第1延伸部81の延伸方向と同一である。第4延伸部85は、設置状態において、第3延伸部84と室内ユニット側連絡配管CP2との間で延びて、両者を繋ぐ部分である。第4延伸部85は、設置状態で、連絡回路RC3において、第1延伸部81、第2延伸部82、折返し部83及び第3延伸部84よりも室内ユニット40側に位置する。第4延伸部85の一端は、第3延伸部84の他端に接続される。第4延伸部85の他端は、支管80の他端802に相当し、設置状態において対応する室内ユニット側連絡配管CP2に接続される。第4延伸部85は、設置状態において、流入する冷媒を第3延伸部84及び室内ユニット側連絡配管CP2の一方から他方へと送る。
【0107】
接続管部90は、第2分岐管ユニット60における主管70と、支管群88(各支管80)と、を接続する。本実施形態において、接続管部90は、
図5に示されるように、y方向から見て略U字状又は略C字状に湾曲している。接続管部90は、主管70に接続される第1接続部901を有する。接続管部90は、対応する支管80に接続される第2接続部902を複数(第2分岐管ユニット60に含まれる支管80の数と同数、ここでは2つ)有する。接続管部90は、一端側に第1接続部901を有し、他端側が2つに分岐して各分岐先の端部において第2接続部902をそれぞれ有する。なお、本実施形態において、接続管部90の構成態様は、第1分岐管ユニット51の接続管部90と略同一である。
【0108】
(3-3)分岐管ユニット50の設置態様
図6は、第1分岐管ユニット51の設置態様の一例を示した模式図である。
図7は、第2分岐管ユニット60の設置態様の一例を示した模式図である。
図6及び
図7では、分岐管ユニット50が、天井裏空間SPa(対象空間SPの天井裏の空間)に設置される例が示されている。なお、
図6及び
図7中、上、下、左、右の各方向が示されており、左右方向は
図4又は
図5のx方向に対応し、上下方向は
図4又は
図5のy方向に対応する。ここでは、左右方向は水平方向に含まれ、上下方向は鉛直方向に含まれる。すなわち、本実施形態では、分岐管ユニット50の設置状態において、x方向は水平方向に相当し、y方向は鉛直方向に相当する。また、
図6及び
図7において、左右方向に直交する前後方向は、
図4又は
図5のz方向に対応し水平方向に含まれる。
【0109】
分岐管ユニット50は、天井裏空間SPaにおいて、室外ユニット側連絡配管CP1及び室内ユニット側連絡配管CP2とともに設置される。天井裏空間SPaは、対象空間SPの天井の上面(天井裏底面C1)と、屋根又は上階の床(天井裏天面C2)と、の間において形成される狭小空間である。天井裏空間SPaは、水平方向の寸法が大きく、鉛直方向の寸法が小さい空間である。
【0110】
本実施形態において、第1分岐管ユニット51及び第2分岐管ユニット60は、
図6及び
図7に示されるように、各支管(54、80)が水平方向(ここでは延伸方向xに交差するz方向)に並び、且つ各支管(54、80)の延伸方向と主管(52、70)の延伸方向とが一致する(ここでは両者の向きは異なるが両者の延伸方向はともに水平方向となる)ような姿勢で配置されている。これに関連して、天井裏空間SPaにおいて、室内ユニット側連絡配管CP2の主たる延伸方向(ここでは左右方向、すなわち水平方向)と室外ユニット側連絡配管CP1の主たる延伸方向(ここでは左右方向、すなわち水平方向)とが略同一となっている。すなわち、鉛直方向の長さが狭小な天井裏空間SPaにおいて、第1分岐管ユニット51及び第2分岐管ユニット60は、室内ユニット側連絡配管CP2の主たる延伸方向(ここでは左右方向、すなわち水平方向)と室外ユニット側連絡配管CP1の主たる延伸方向(ここでは左右方向、すなわち水平方向)とが略同一となるような姿勢で配置されている。
【0111】
室外ユニット側連絡配管CP1は、室内ユニット側連絡配管CP2の主たる延伸方向(
図6及び
図7では右方向)に沿って延びて、第1分岐管ユニット51又は第2分岐管ユニット60との接続部分(主管の一端521又は701)に接合されている。室外ユニット側連絡配管CP1、室内ユニット側連絡配管CP2、第1分岐管ユニット51及び/又は第2分岐管ユニット60は、天井裏天面C2に固定された取付具(図示省略)を装着されることで、天井裏空間SPaにおいて天吊り設置されている。室外ユニット側連絡配管CP1、室内ユニット側連絡配管CP2、第1分岐管ユニット51及び第2分岐管ユニット60は、結露防止のための断熱材95で被覆されている。
【0112】
図6では、第1分岐管ユニット51が、主管52及び各支管54が左右方向(すなわち水平方向)に沿って延びるような姿勢で、天井裏空間SPaにおいて設置されている。
【0113】
図7では、第2分岐管ユニット60が、主管70と支管80の第1延伸部81、折返し部83及び第4延伸部85とがそれぞれ左右方向(すなわち水平方向)に沿って延び、支管80の第2延伸部82及び第3延伸部84が上下方向(すなわち鉛直方向)に沿って延びるような姿勢で、天井裏空間SPaにおいて設置されている。ここで、第2分岐管ユニット60では、支管80のうち、第2延伸部82が、主管70の延伸方向と交差(ここでは直交)する方向(ここではy方向)に沿って延びている。そして、第2延伸部82は、
図7に示されるように、上方向に沿って延びるような姿勢で配置されている。すなわち、第2延伸部82は、設置状態において、上方に向かって延びる「立上り部V1」(上方延伸部)を構成する。
【0114】
係る立上り部V1(第2延伸部82)は、支管80に含まれる他の各部(81、83―85)のいずれか又は全てとともに、トラップ部T1として機能する。トラップ部T1は、正サイクル運転中、運転状態にある室内ユニット40(運転室内ユニット)と運転停止状態にある室内ユニット40(以下、「停止室内ユニット」と称する)とが混在する場合に、接続管部90から流れる冷媒に関して停止室内ユニット側へ流れることを抑制する部分である。
【0115】
(4)第2分岐管ユニット60の機能
第2分岐管ユニット60は、トラップ部T1を構成する「トラップ構成部」としても機能する。第2分岐管ユニット60は、正サイクル運転中、
図8に示すような態様で冷媒が流れる。
図8は、正サイクル運転中の第2分岐管ユニット60における冷媒の流れの一例を示した模式図である。
図8における二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れる方向を表わしている。なお、
図8では、支管群88のうち一方の支管80のみを描画している。
【0116】
第2分岐管ユニット60では、正サイクル運転中、室外ユニット側連絡配管CP1から流れる気液二相状態の冷媒が、主管70に流入する。主管70の一端701に流入した冷媒は、他端702側(室内ユニット40側)へと水平方向に流れ接続管部90に流入する。接続管部90の第1接続部901に流入した冷媒は、分岐して各第2接続部902側へ流れ各支管80に流入する。運転室内ユニットに連通する支管80へと流入した冷媒は、一端801側から他端802側へと流れた後、室内ユニット側連絡配管CP2へ流入する。より詳細には、第1延伸部81において水平方向に沿って流れた冷媒は、第2延伸部82に流入して上方向に沿って流れ、折返し部83に流入する。折返し部83に流入した冷媒は、流れ方向を転換して水平方向に沿って流れた後、再度流れ方向を転換して下方向に沿って流れ、第3延伸部84へ流入する。第3延伸部84に流入した冷媒は、下方向に沿って流れた後、第4延伸部85へ流入する。第4延伸部85に流入した冷媒は水平方向に沿って流れ、室内ユニット側連絡配管CP2に流入する。
【0117】
正サイクル運転中、運転室内ユニットと停止室内ユニットとが混在する場合には、第2分岐管ユニット60においては、
図9に示すような態様で冷媒が流れる。
図9は、正サイクル運転中、運転室内ユニットと停止室内ユニットとが混在する場合における冷媒の流れの一例を示した模式図である。
図9において参照符号「R」は気液二相状態の冷媒を表わしており、参照符号「G」はトラップ部T1において充満したガス冷媒(ガス溜まり)を表わしている。また、
図9における二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れる方向を表わしている。
【0118】
正サイクル運転中、運転室内ユニットと停止室内ユニットとが混在する場合には、室外ユニット側連絡配管CP1から流れる気液二相状態の冷媒が、主管70に流入する。主管70に流入した冷媒は、室内ユニット40側へと流れ接続管部90に流入する。接続管部90に流入した冷媒は、分岐して各支管80に流入する。運転室内ユニットに連通する支管80(
図9では後側の支管80)へと流入した冷媒は、一端801側から他端802側へと流れた後、室内ユニット側連絡配管CP2へ流入する。一方、停止室内ユニットに連通する支管80(
図9では前側の支管80)では、トラップ部T1(ここでは主として立上り部V1)が抵抗となり、当該支管80の一端801に流入した冷媒の流れが減衰する。これに関連して、トラップ部T1においては、気液二相状態の冷媒のうちガス冷媒が充満する事態(ガス溜まりG)が生じる。すなわち、トラップ部T1は、ガス状態の冷媒を充満させる。これにより、当該支管80の一端801に流入した気液二相状態の冷媒が、他端802側へ流れることが抑制される。その結果、停止室内ユニット側に冷媒が流れることが抑制され、運転室内ユニットにおける冷媒循環量不足が抑制される。すなわち、運転室内ユニットにおける性能低下が抑制される。
【0119】
(5)第2分岐管ユニット60の設置場所について
第2分岐管ユニット60は、正サイクル運転中、運転室内ユニットと停止室内ユニットとが混在する場合に、ガス状態の冷媒を充満させ、当該支管80の一端801に流入した気液二相状態の冷媒が他端802側へ流れることを抑制するトラップ部T1、を構成する「トラップ構成部」として機能する。冷媒回路RCにおいて、第2分岐管ユニット60によって構成される分岐部分BPの位置は、設計仕様や設置環境に応じて適宜選定される。すなわち、第2分岐管ユニット60は、冷媒回路RCにおいて、空調システム100に含まれる各室内ユニット40の設置態様や、連絡配管の据付高さ又は分岐態様等に応じて、正サイクル運転中、運転室内ユニットと停止室内ユニットとが混在する場合に、停止室内ユニット側に冷媒が流れることを抑制して運転室内ユニットにおける冷媒循環量不足を抑制するうえで、効果的な位置に配置される。
【0120】
本実施形態において、第2分岐管ユニット60は、最も室外ユニット10側(すなわち、正サイクル運転時に最も上流側)に位置する液側分岐部分BPa(
図2に示される液側分岐部分BL1)に配置されている。具体的に、液側分岐部分BL1においては、主管70が第1液側連絡配管L1に接続され、第1支管80aが第2液側連絡配管L2に接続され、第2支管80bが第3液側連絡配管L3に接続されている。これにより、例えば、対象空間SP1に設置される室内ユニット40(具体的には40a及び40b)、及び対象空間SP2に設置される室内ユニット40(具体的には40c及び40d)のうち、一方が正サイクル運転で運転状態にある場合に、他方が運転停止状態となった場合でも、液側分岐部分BL1において他方(停止室内ユニット)へ連通する支管80のトラップ部T1によって、停止室内ユニット側へ冷媒が流れることが抑制されるようになっている。これに関連して、運転室内ユニットにおいて冷媒循環量が不足する事態となることが抑制されており、信頼性低下が抑制されている。
【0121】
また、本実施形態では、設置状態において後側に位置する第1支管80a(
図9参照)は、対象空間SP1に設置される室内ユニット40a及び40b等に連通する第2液側連絡配管L2(
図1、
図2参照)に接続されている。また、設置状態において前側に配置される第2支管80b(
図9参照)は、対象空間SP2に設置される室内ユニット40c及び40d等に連通する第3液側連絡配管L3(
図1、
図2参照)に接続されている。
【0122】
なお、第2分岐管ユニット60の設置場所や、トラップ部T1の構成態様及び構成部分については据付け説明書等により、施工を行うサービスマンに指示がなされる。
【0123】
(6)第2分岐管ユニット60の施工について
第2分岐管ユニット60は、予め組み立てられた状態で施工現場に搬入される。第2分岐管ユニット60は、施工現場において、他の連絡配管(CP1、CP2)と接合されることで設置される。この際、支管80は、設置環境等に適合するように必要に応じて適宜切断されたうえで、他の連絡配管と接合される。なお、第2分岐管ユニット60の施工方法については据付け説明書等により、施工を行うサービスマンに指示がなされる。
【0124】
(7)特徴
(7-1)
上記実施形態に係る第2分岐管ユニット60では、施行性向上が促進される。
【0125】
従来、室外ユニットと複数台の室内ユニットとを有する空調システムでは、室外ユニット及び室内ユニット間の液側冷媒流路は冷媒連絡配管によって構成されるところ、設計仕様や設置環境によっては冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要があるケースが想定される。
【0126】
例えば、冷媒連絡配管は、室内ユニットの台数に応じた本数の支管を含むのが通常であるが、一部の室内ユニットの設置高さが他の室内ユニットに対して低い場合や、建物の構造(天井裏空間の梁等)により冷媒連絡配管の施行態様に制約を受ける場合には、一部の支管が他の支管に対して設置高さが低いケースや下がり勾配が大きいケースが生じる。係る場合に冷媒の偏流や滞留等を抑制すべく、冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要が生じうる。
【0127】
また、例えば、特許文献1のように気液二相搬送を行う場合には、充填冷媒量が通常より小さいことから、運転停止状態の室内ユニット(停止室内ユニット)に連通する支管が液状態の冷媒で満たされておらず、運転状態の室内ユニット(運転ユニット)に送られるべき冷媒が分岐部分から停止室内ユニットに連通する支管へ流入することが考えられる。特に停止室内ユニットに連通する支管が、運転ユニットに連通する支管に対して設置高さが低いケースや下がり勾配が大きいケースにおいては、停止室内ユニットに連通する支管へ冷媒が流れやすい。このため、気液二相搬送を行う場合には、停止室内ユニットにおいて冷媒が流れこんで滞留し、運転ユニットにおける冷媒循環量が正常に確保されない、という事態を抑制すべく、冷媒連絡配管においてトラップを設ける必要が生じうる。
【0128】
一方、係る冷媒連絡配管は、施工現場においてサービスマンによって施工されるところ、通常、天井裏空間等の狭小空間に設置される。このため、施工現場においてトラップを設ける作業に要する労力や時間が大きくなりやすく、施行性に優れないケースが想定される。
【0129】
上記実施形態における第2分岐管ユニット60(「配管ユニット」に相当)は、液側連絡配管La(「冷媒連絡配管」に相当)に接続され、液側連絡配管Laとともに液側連絡回路RC3a(「液側冷媒流路」に相当)を形成し、冷媒を分岐又は合流させる第2分岐管ユニット60であって、複数の支管80と、主管70と、を備える。液側連絡配管Laは、室外ユニット10と複数の室内ユニット40との間で液側連絡回路RC3aを形成する。主管70は、各支管80と連通する。主管70は、各支管80へ流れる冷媒又は各支管80から流れる冷媒の流路を形成する。主管70は、設置状態で液側連絡回路RC3aにおいて支管80よりも室外ユニット10側に位置する。主管70は、第1主管部71(「第1部分」に相当)を含む。第1主管部71は、x方向(「第1方向」に相当)に沿って延びる。少なくとも1つの支管80は、第2延伸部82(「第2部分」に相当)を含む。第2延伸部82は、y方向(「第2方向」に相当)に沿って延びる。y方向は、x方向とは交差する方向である。x方向は、設置状態における水平方向である。y方向は、設置状態における鉛直方向である。
【0130】
上記実施形態における第2分岐管ユニット60では、室外ユニット10と複数の室内ユニット40との間で液側連絡配管Laとともに液側連絡回路RC3aを形成し、主管70はx方向(設置状態における水平方向)に沿って延びる第1主管部71を含み、少なくとも1つの支管80は、x方向とは交差するy方向(設置状態における鉛直方向)に沿って延びる第2延伸部82を含む。これにより、設置状態において支管80の第2延伸部82が鉛直方向に沿って延び、トラップ部T1(トラップ)として機能しうる。すなわち、「トラップ構成部」としての機能を有する第2分岐管ユニット60の主管70及び各支管80を施工現場において液側連絡配管Laに適宜接続することでトラップ部T1が簡易に構成される。よって、液側連絡流路を形成する液側連絡配管Laにおいてトラップ部T1を設ける必要があるケースにおいて、施工現場において、トラップ部T1を構成するように配管を曲げたり、配管を接続したりする作業が軽減される。その結果、液側連絡配管Laが狭小空間に設置される場合においてもトラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が軽減される。よって、施行性向上が促進される。
【0131】
なお、ここでの「x方向に沿って延びる」は、延伸方向が必ずしもx方向(設置状態における水平方向)に一致する状態のみならず、延伸方向がx方向に対して若干傾斜している状態も含む。例えば、x方向に対して所定角度(例えば30度)の範囲内で傾斜して延びる状態については、「x方向に沿って延びる」ものとして解釈する。
【0132】
また、「y方向に沿って延びる」は、延伸方向が必ずしもy方向(設置状態における鉛直方向)に一致する状態のみならず、延伸方向がy方向に対して若干傾斜している状態も含む。例えば、y方向に対して所定角度(例えば30度)の範囲内で傾斜して延びる状態については、「y方向に沿って延びる」ものとして解釈する。
【0133】
(7-2)
上記実施形態では、少なくとも1つの支管80は、第3延伸部84(「第3部分」に相当)と、折返し部83(「折返し部分」に相当)と、を含む。第3延伸部84は、設置状態で液側連絡回路RC3a(「液側冷媒流路」に相当)において、第2延伸部82(「第2部分」に相当)よりも室内ユニット40側に位置する。第3延伸部84は、y方向に沿って延びる。折返し部83は、設置状態で液側連絡回路RC3aにおいて、第2延伸部82と第3延伸部84との間に位置する。折返し部83は、第2延伸部82と第3延伸部84とを接続する。これにより、トラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が特に軽減されている。よって、施行性向上が特に促進されている。
【0134】
(7-3)
上記実施形態では、少なくとも1つの支管80は、第4延伸部85(「第4部分」に相当)を含む。第4延伸部85は、設置状態で液側連絡回路RC3a(「液側冷媒流路」に相当)において第3延伸部84(「第3部分」に相当)よりも室内ユニット40側に位置する。第4延伸部85は、x方向に沿って延びる。これにより、第2分岐管ユニット60の主管70の端部および支管80の端部それぞれを、施工現場において水平方向に延びる液側連絡配管La(CP1、CP2)に接続することが可能となっている。このため、液側連絡配管Laが狭小空間に設置される場合においてトラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が特に軽減され、施行性向上が特に促進されている。
【0135】
(7-4)
上記実施形態では、少なくとも1つの支管80は、第1延伸部81(「第5部分」に相当)を含む。第1延伸部81は、設置状態で液側連絡回路RC3a(「液側冷媒流路」に相当)において第2延伸部82(「第2部分」に相当)よりも室外ユニット10側に位置する。第1延伸部81は、x方向に沿って延びる。これにより、トラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が特に軽減されている。よって、施行性向上が特に促進されている。
【0136】
(7-5)
上記実施形態では、x方向とy方向とは、略直角に交差する。これにより、主管70及び各支管80に液側連絡配管Laが接続されることでトラップ部T1がより簡易に構成されるようになっている。このため、液側連絡配管Laが狭小空間に設置される場合においてもトラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が特に軽減され、施行性向上が特に促進されている。
【0137】
なお、ここでの「略直角に交差する」については、x方向とy方向とが90度に交差する場合のみならず、x方向とy方向とが90度に対して若干傾斜して交差する場合を含む。具体的には、x方向とy方向とが、所定角度の範囲内(例えば60度以上120度以内)で交差する場合については、「略直角に交差する」ものとして解釈する。
【0138】
(7-6)
上記実施形態では、支管80のサイズは、2分以上6分以下である。これにより、液側連絡回路RC3a(液側冷媒流路)を構成する配管として一般的なサイズの支管80を用いて液冷媒流路が形成される場合に、トラップ部T1がより簡易に構成されるようになっている。
【0139】
(7-7)
上記実施形態では、液側連絡回路RC3a(「液側冷媒流路」に相当)を介して室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒は、気液2相状態で液側連絡回路RC3aに流入する。これにより、気液二相搬送を行う空調システム(すなわち、液側連絡配管Laにおいてトラップ部T1を設ける必要が特に生じうる場合)において、トラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が軽減され、施行性向上が促進されている。
【0140】
(7-8)
上記実施形態に係る空調システム100は、室外ユニット10と、複数の室内ユニット40と、液側連絡配管La(「冷媒連絡配管」に相当)と、第2分岐管ユニット60(「配管ユニット」に相当)と、を備えている。
【0141】
(8)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0142】
(8-1)変形例1
上記実施形態における第2分岐管ユニット60では、支管群88に含まれる各支管80(第1支管80a及び第2支管80b)が、第1延伸部81、第2延伸部82、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85をそれぞれ有していた。すなわち、各支管80において、それぞれ立上り部V1(すなわちトラップ部T1)が配置されていた。しかし、必ずしも各支管80が第1延伸部81、第2延伸部82、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85をそれぞれ有している必要はない。すなわち、各支管80において、それぞれ立上り部V1(すなわちトラップ部T1)が配置される必要はない。
【0143】
例えば、第2分岐管ユニット60は、
図10に示される第2分岐管ユニット60a(「分岐管ユニット」に相当)のように構成されてもよい。
図10は、第2分岐管ユニット60aの概略構成図である。
図10において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60aについて、第2分岐管ユニット60とは相違する部分を説明する。
【0144】
第2分岐管ユニット60aでは、第1支管80a及び第2支管80bに代えて第1支管80a´及び第2支管80b´を有している。第1支管80a´は、第1支管80aとは異なり、第1延伸部81、第2延伸部82、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85をそれぞれ有していない。これに関連して、第1支管80a´においては、立上り部V1(すなわちトラップ部T1)が配置されていない。
【0145】
また、第2支管80b´では第3延伸部84のy方向の寸法が、第2支管80bよりも大きい。これに関連して、設置状態において、第4延伸部85及び第4延伸部85に接続される室内ユニット側連絡配管CP2の据付高さは、第1支管80a´よりも低い。つまり、第2支管80b´は第1支管80a´よりも据付高さが低い部分を有する。すなわち、第2分岐管ユニット60aは、トラップ部T1が、支管群88のうち据付高さが他の支管80(第1支管80a´)よりも低い部分を含む支管80(第2支管80b´)に設けられるように構成されている。
【0146】
このような第2分岐管ユニット60aが第2分岐管ユニット60に代えて配置される場合においても、一部の室内ユニット40が運転状態にあり他の室内ユニット40が運転停止状態にある時に、(停止室内ユニットに連通する第2支管80b´の)トラップ部T1においてガス冷媒が充満される。特に停止室内ユニットに連通する支管80(ここでは第2支管80b´)が、運転ユニットに連通する支管80(ここでは第1支管80a´)に対して設置高さが低いケースや下がり勾配が大きい部分を含む場合においても、停止室内ユニットに連通する支管80(ここでは第2支管80b´)に冷媒が流れこむことが的確に抑制される。その結果、第2支管80b´に連通する停止室内ユニット側に冷媒が流れることが抑制される。よって、第1支管80a´に連通する運転室内ユニットにおける冷媒循環量不足が抑制される。
【0147】
また、第2分岐管ユニット60aが用いられることにより、施工現場においてトラップ部T1が簡易に構成可能となる。このため、液側連絡配管Laが狭小空間に設置される場合においてもトラップを設ける作業に要する労力や時間が軽減され、施行性向上が促進される。
【0148】
なお、各支管80において、それぞれ立上り部V1(すなわちトラップ部T1)が配置される必要はない、という点は、後述する第2分岐管ユニット60b-60g(
図11-
図18参照)についても同様である。
【0149】
(8-2)変形例2
第2分岐管ユニット60は、例えば
図11に示される第2分岐管ユニット60bのように構成されてもよい。
図11は、第2分岐管ユニット60bの概略構成図である。
図11において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60bについて、第2分岐管ユニット60とは相違する部分を説明する。
【0150】
第2分岐管ユニット60bでは、支管群88は、支管80に代えて支管80Aを有している。支管80Aは、支管80とは異なり、第1延伸部81´、第2延伸部82´、折返し部83´、第3延伸部84´及び第4延伸部85´を有している。支管80Aにおいて、第2延伸部82´のx方向に対する傾斜角度は、支管80の第2延伸部82よりも小さい。また、第3延伸部84´のx方向に対する傾斜角度は、支管80の第3延伸部84よりも小さい。これに関連して、支管80Aは、螺旋状を呈するように折り返される。すなわち、支管80Aは、一端801から他端802の間において360度折り返されるように、第1延伸部81´、第2延伸部82´、折返し部83´、第3延伸部84´及び第4延伸部85´が構成されており、これに関連して立上り部V1を含むトラップ部T1が構成されている。
【0151】
このような第2分岐管ユニット60bが第2分岐管ユニット60に代えて配置される場合においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0152】
また、第2分岐管ユニット60bでは、少なくとも1つの支管80Aは、螺旋状を呈するように折り返される。これにより、第2分岐管ユニット60の主管70の室外ユニット10側の端部および支管80Aの室内ユニット40側の端部それぞれを、施工現場において水平方向に延びる液側連絡配管La(CP1、CP2)に接続することが可能となる。このため、液側連絡配管Laが狭小空間に設置される場合においてトラップ部T1を設ける作業に要する労力や時間が特に軽減され、施行性向上が特に促進される。
【0153】
(8-3)変形例3
第2分岐管ユニット60は、例えば
図12に示される第2分岐管ユニット60cのように構成されてもよい。
図12は、第2分岐管ユニット60cの概略構成図である。
図12において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60cについて、第2分岐管ユニット60とは相違する部分を説明する。
【0154】
第2分岐管ユニット60cは、接続管部90に代えて接続管部90Aを有している。接続管部90Aは、接続管部90とは異なり、y方向(すなわち、主管70の延伸方向に交差する方向であって、設置状態における上方向)に延びるように配置されている。すなわち、接続管部90Aは、x方向から見て略U字状又は略C字状を呈するように主管70及び支管群88と接続されている。
【0155】
また、第2分岐管ユニット60cでは、支管群88が支管80に代えて支管80Bを有している。支管80Bは、支管80とは異なり、第1延伸部81を有していない。また、支管80Bは、第2延伸部82よりもy方向の寸法が小さい第2延伸部82aを、第2延伸部82に代えて有している。
【0156】
第2分岐管ユニット60cでは、立上り部V1及びトラップ部T1が、支管80Bとともに接続管部90Aによって構成されている。すなわち、第2分岐管ユニット60cでは、主管70の延伸方向はx方向(設置状態における水平方向)であり、接続管部90Aの延伸方向はy方向(設置状態における鉛直方向)であり、立上り部V1は接続管部90A及び対応する支管80Bに跨って配置される。このような第2分岐管ユニット60cが第2分岐管ユニット60に代えて配置される場合においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0157】
(8-4)変形例4
第2分岐管ユニット60cは、例えば
図13に示される第2分岐管ユニット60dのように構成されてもよい。
図13は、第2分岐管ユニット60dの概略構成図である。
図13において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60dについて、第2分岐管ユニット60cとは相違する部分を説明する。
【0158】
第2分岐管ユニット60dは、主管70に代えて主管70Aを有している。主管70Aは、x方向(設置状態における「水平方向」)に沿って延びる第1主管部71と、y方向(設置状態における「鉛直方向」)に沿って延びる第2主管部72(特許請求の範囲記載の「第6部分」に相当)とを有している。第1主管部71の末端は、主管70Aの一端701´を構成しており、設置状態において室外ユニット側連絡配管CP1に接続される。第1主管部71の先端は第2主管部72の末端に接続される。第2主管部72は、第1主管部71と、接続管部90A及び第2延伸部82aと、の間に位置している。第2主管部72の先端は、主管70Aの他端702´を構成しており、接続管部90Aに接続されている。すなわち、主管70Aは、一端701´からx方向に沿って延びた後、y方向に延びて接続管部90Aに接続される。これに関連して第2分岐管ユニット60dでは、立上り部V1及びトラップ部T1が、支管80B、接続管部90A及び主管70A(第2主管部72)によって構成されている。すなわち、第2分岐管ユニット60dでは、主管70A及び接続管部90Aの延伸方向はy方向(設置状態における鉛直方向)であり、立上り部V1は主管70A、接続管部90A及び対応する支管80Bに跨って配置される。
【0159】
第2分岐管ユニット60dでは、主管70Aは、y方向に沿って延びる第2主管部72(「第6部分」に相当)を含み、第2主管部72は第1主管部71(「第1部分」に相当)と第2延伸部82a(「第2部分」に相当)との間に位置する。このような第2分岐管ユニット60dが第2分岐管ユニット60に代えて配置される場合においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0160】
なお、第2分岐管ユニット60dは、
図14に示す第2分岐管ユニット60d´のように、主管70Aにおいて第1主管部71が省略されてもよい。係る場合、第2主管部72の末端は、主管70Aの一端701´を構成しており、設置状態において室外ユニット側連絡配管CP1に接続される。
【0161】
(8-5)変形例5
第2分岐管ユニット60dは、例えば
図15に示される第2分岐管ユニット60eのように構成されてもよい。
図15は、第2分岐管ユニット60eの概略構成図である。
図15において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60eについて、第2分岐管ユニット60dとは相違する部分を説明する。
【0162】
第2分岐管ユニット60eは、主管70Aに代えて主管70Bを有しており、接続管部90Aに代えて接続管部90B(特許請求の範囲記載の「接続管」に相当)を有している。
【0163】
主管70Bは、x方向(設置状態における水平方向)に沿って延びてからy方向(設置状態における下方向)に沿って延びる第3主管部73(特許請求の範囲記載の「第7部分」に相当)と、第3主管部73よりも支管群88側でy方向(設置状態における下方向)に沿って延びる第4主管部74(特許請求の範囲記載の「第7部分」及び「第8部分」に相当)と、を有している。第3主管部73の末端は、主管70Bの一端701´´を構成しており、設置状態において室外ユニット側連絡配管CP1に接続される。第3主管部73の先端は第4主管部74の末端に接続される。第4主管部74の先端は、主管70Bの他端702´´を構成しており、接続管部90B(接続管部90Bの両端部902´間)に接続されている。すなわち、主管70Bは、一端701´´からx方向に沿って延びた後、y方向に延びて他端702´´において接続管部90Bに接続される。
【0164】
図16は、第2分岐管ユニット60eにおける接続管部90B周辺の拡大図である。接続管部90Bは、
図16に示されるように、x方向及び/又はz方向(設置状態における水平方向)に沿って延びて支管群88に含まれる支管80Bの数に応じて分岐してから、各分岐先においてy方向(設置状態における上方向)に折り返して延びて支管80Bの第2延伸部82aに接続される接続管延伸部91を有している。接続管延伸部91は、第2分岐管ユニット60eにおいて、主管70Bから流れる冷媒を上方向に折り返す部分である。接続管部90Bは、複数の端部902´を有し、各端部902´においていずれかの支管80Bの第2延伸部82aに接続されている。接続管部90Bは、支管群88に含まれる各支管80Bの末端(主管70側の端部)同士を接続する。
【0165】
第2分岐管ユニット60eでは、立上り部V1及びトラップ部T1が、支管80B及び接続管部90B(接続管延伸部91)によって構成されている。すなわち、第2分岐管ユニット60eでは、主管70Bはy方向(設置状態における下方向)に沿って延び、接続管部90Bは、主管70Bから流れる冷媒を上方向に折り返す接続管延伸部91を含み、立上り部V1は接続管部90B及び対応する支管80Bに跨って配置される。
【0166】
第2分岐管ユニット60eは、接続管部90B(「接続管」に相当)を備える。第2分岐管ユニット60eでは各支管80は、第2延伸部82a(「第2部分」に相当)を含む。接続管部90Bは、各第2延伸部82aの室外ユニット10側の端部同士を接続する。主管70は、第4主管部74(「第8部分」に相当)を含む。第4主管部74は、設置状態で液側連絡回路RC3a(「液側冷媒流路」に相当)において第1主管部71よりも室内ユニット40側に位置する。接続管部90Bは、x方向に沿って延びる。接続管部90Bは、端部902´を複数有する。接続管部90Bの端部902´は、いずれかの第2延伸部82aに接続される。第4主管部74は、y方向に沿って延びる。第4主管部74は、室内ユニット40側の端部が、接続管部90Bの端部間に接続される。室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒は、設置状態で、第4主管部74においては下方向に沿って流れる。室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒は、設置状態で、第2延伸部82aにおいては上方向に沿って流れる。このような第2分岐管ユニット60eが第2分岐管ユニット60に代えて配置される場合においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0167】
(8-6)変形例6
第2分岐管ユニット60eは、例えば
図17に示される第2分岐管ユニット60fのように構成されてもよい。
図17は、第2分岐管ユニット60fの概略構成図である。
図17において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60fについて、第2分岐管ユニット60eとは相違する部分を説明する。
【0168】
第2分岐管ユニット60fでは、第2分岐管ユニット60eとは異なり、接続管部90Bが省略されている。また、第2分岐管ユニット60fは、主管70Bに代えて主管70B´を有している。主管70B´は、第3主管部73及び第4主管部74に加えて、第5主管部75を有している。第5主管部75は、第3主管部73よりも支管群88側でy方向(設置状態における下方向)に沿って延びた後、x方向及び/又はz方向(設置状態における水平方向)に沿って延びて支管群88に含まれる支管80Bの数に応じて分岐してから、各分岐先においてy方向(設置状態における上方向)に折り返して延びて支管80Bの第2延伸部82aに接続される部分である。第2分岐管ユニット60fでは、第5主管部75は、x方向に沿って延びる部分を含み、特許請求の範囲記載の「第1部分」に相当する。
【0169】
また、第4主管部74は、設置状態で、液側連絡回路RC3aにおいて第5主管部75よりも室外ユニット10側に位置する。また、第2分岐管ユニット60fでは、設置状態で、室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒が、第4主管部74においては下方向に沿って流れる。すなわち、第2分岐管ユニット60fでは、第4主管部74は、特許請求の範囲記載の「第7部分」に相当する。
【0170】
第2分岐管ユニット60fでは、主管70B´は、第3主管部73(「第7部分」に相当)及び第4主管部74(「第7部分」に相当)を含む。第3主管部73及び第4主管部74は、設置状態で液側連絡回路RC3aにおいて第5主管部75(「第1部分」に相当)よりも室外ユニット10側に位置する。第3主管部73及び第4主管部74は、y方向に沿って延びる。室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒は、設置状態で、第3主管部73及び第4主管部74においては下方向に沿って流れる。室外ユニット10から室内ユニット40へ流れる冷媒は、設置状態で、第2延伸部82aにおいては上方向に沿って流れる。
【0171】
係る第2分岐管ユニット60fを用いても、第2分岐管ユニット60eが用いられる場合と同様の効果を奏する。
【0172】
(8-7)変形例7
第2分岐管ユニット60eは、例えば
図18に示される第2分岐管ユニット60gのように構成されてもよい。
図18は、第2分岐管ユニット60gの概略構成図である。
図18において二点鎖線矢印は、正サイクル運転時における冷媒の流れ方向を示している。以下、第2分岐管ユニット60gについて、第2分岐管ユニット60eとは相違する部分を説明する。
【0173】
第2分岐管ユニット60gは、主管70Bに代えて主管70Cを有している。主管70Cは、主管70Bとは異なり、第3主管部73が省略されている。これに関連して、第4主管部74の末端は、主管70Bの一端701´´を構成しており、設置状態において室外ユニット側連絡配管CP1に接続される。
【0174】
第2分岐管ユニット60gでは、第2分岐管ユニット60eと同様、立上り部V1及びトラップ部T1が、支管80B及び接続管部90Bによって構成されている。第2分岐管ユニット60に代えて第2分岐管ユニット60gが配置される場合においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0175】
(8-8)変形例8
上記実施形態では、第2分岐管ユニット60によって、最も室外ユニット10に近い液側分岐部分BPaである液側分岐部分BL1が構成される場合について説明した。しかし、第2分岐管ユニット60によって構成される分岐部分BPについては、設計仕様や設置環境に応じてトラップ部T1を構成する必要性に鑑みて適宜選択されればよい。例えば、
図2に示される液側分岐部分BL2、BL3、BL4、BL5、及びBL6のいずれか又は全てが第2分岐管ユニット60によって構成されてもよい。
【0176】
(8-9)変形例9
第2延伸部82は、第1延伸部81又は主管70の延伸方向に対して必ずしも直角に延びる必要はない。すなわち、第1延伸部81又は主管70の延伸方向に対する第2延伸部82の傾斜角度は90度よりも小さい角度であってもよい。例えば、第2延伸部82は、第1延伸部81又は主管70の延伸方向に対して30度から60度の傾斜角度で、y方向に沿って延びていてもよい。
【0177】
(8-10)変形例10
上記実施形態では、第2分岐管ユニット60については、それぞれ別体に構成された主管70、接続管部90、及び各支管80が接合されることで構成されていた。しかし、第2分岐管ユニット60は、主管70、接続管部90、及び各支管80のいずれか又は全てが一体に成形されることで構成されてもよい。例えば、単一の配管を曲げることで構成されてもよい。また例えば、第2分岐管ユニット60は、複数の配管が接合されて構成されてもよい。
【0178】
(8-11)変形例11
第2分岐管ユニット60に含まれる主管70、接続管部90、及び各支管80のそれぞれの構成態様は、適宜選択されればよい。すなわち、主管70、接続管部90、及び各支管80のそれぞれについては、単一の配管を曲げることで構成されてもよいし、複数の配管が接合されて構成されてもよい。
【0179】
(8-12)変形例12
上記実施形態では、第2分岐管ユニット60が所定の分岐部分BPの全てを構成する場合について説明した。しかし、第2分岐管ユニット60は、必ずしも分岐部分BPの全てを構成する必要はなく、分岐部分BPの一部のみを構成してもよい。すなわち、第2分岐管ユニット60は、他の配管(例えば室外ユニット側連絡配管CP1及び室内ユニット側連絡配管CP2のいずれか又は全てや、その他の配管ユニット)とともに、分岐部分BPを構成してもよい。
【0180】
(8-13)変形例13
上記実施形態では、第2分岐管ユニット60が、予め組み立てられた状態で施工現場に搬入される場合について説明した。しかし、これに限定されず、第2分岐管ユニット60は、施工現場において、各部が接合又は切除されることによって組み立てられても良い。例えば、第2分岐管ユニット60は、他の部分と分離された状態の主管70、接続管部90、各支管80のいずれか/全てが施工現場において他の部分と接合されることで、組み立てられてもよい。また、例えば、第2分岐管ユニット60は、主管70、接続管部90、各支管80のいずれか/全てが施工現場において必要に応じて切除されることで、組み立てられてもよい。
【0181】
また、例えば主管70に含まれる部分のいずれか/全ては、施工現場において、主管70に含まれる他の部分と接合されることで組み立てられてもよい。また、例えば、主管70に含まれる部分のいずれか/全てが、施工現場において必要に応じて切除されることで、組み立てられてもよい。
【0182】
また、例えば接続管部90に含まれる部分のいずれか/全ては、施工現場において、主管70に含まれる他の部分と接合されることで組み立てられてもよい。また、例えば、接続管部90に含まれる部分のいずれか/全てが、施工現場において必要に応じて切除されることで、組み立てられてもよい。
【0183】
また、例えば支管80に含まれる部分(例えば81-85)のいずれか/全ては、施工現場において、主管70に含まれる他の部分と接合されることで組み立てられてもよい。また、例えば、支管80に含まれる部分(例えば81-85)のいずれか/全てが、施工現場において必要に応じて切除されることで、組み立てられてもよい。
【0184】
(8-14)変形例14
上記実施形態において、支管80が、第1延伸部81、第2延伸部82、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85で構成される場合について説明した。しかし、支管80の構成態様については、必ずしもこれに限定されず、上記実施形態における作用効果との間に矛盾が生じない限り、適宜変更が可能である。例えば、支管80は、第1延伸部81、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85のいずれか/全てを有していなくてもよい。また、例えば、支管80は、第1延伸部81、折返し部83、第3延伸部84及び第4延伸部85以外の部分を、追加的に有していてもよい。
【0185】
(8-15)変形例15
上記実施形態において、支管80が2分以上6分以下のサイズで構成される場合について説明した。この点、支管80の内径及び/又は外径は、一端から他端にかけて必ずしも一様である必要はなく、部分的に拡大又は縮小する部分を有していてもよい。
【0186】
(8-16)変形例16
上記実施形態において、x方向は設置状態における左右方向に対応し、z方向は設置状態における前後方向に対応していた。しかし、これに限定されず、x方向が設置状態における前後方向に対応し、z方向が設置状態における左右方向に対応していてもよい。
【0187】
(8-17)変形例17
図7に示される第2分岐管ユニット60の設置態様に関しては、あくまでも一例であり、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能であり、必要に応じて、前後反転、左右反転、及び/又は上下反転されてもよい。
【0188】
(8-18)変形例18
上記実施形態では、第2分岐管ユニット60において支管群88は、2本の支管80(80a、80b)を有していた。しかし、支管群88は3本以上の支管80を有していてもよい。係る場合、立上り部V1(上方延伸部)は、設計仕様や設置環境に応じて所定の支管80に適宜構成されればよい。
【0189】
(8-19)変形例19
上記実施形態における冷媒回路RCの構成態様は、必ずしも
図1に示す態様に限定されず、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。
【0190】
例えば、室外第1制御弁16については、必ずしも必要ではなく、適宜省略が可能である。係る場合、逆サイクル運転時に、室外第2制御弁17に室外第1制御弁16の機能を担わせてもよい。
【0191】
また、例えば、室外第2制御弁17については、必ずしも室外ユニット10内に配置される必要はなく、室外ユニット10外(例えば液側連絡配管La上)に配置されてもよい。
【0192】
また、例えば、室内膨張弁41については、必ずしも室内ユニット40内に配置される必要はなく、室内ユニット40外(例えば液側連絡配管La上)に配置されてもよい。
【0193】
また、例えば、過冷却器15や室外第3制御弁18については、必ずしも必要ではなく、適宜省略されてもよい。また、
図1に示されない機器が新たに追加されてもよい。
【0194】
また、例えば、冷媒回路RCには、室内ユニット40毎に正サイクル運転と逆サイクル運転を個別に行うことを可能とすべく、各室内ユニット40に流入する冷媒の流れを切り換える冷媒流路切換ユニットが、室外ユニット10と各室内ユニット40との間に配置されてもよい。
【0195】
(8-20)変形例20
上記実施形態における空調システム100では、1台の室外ユニット10に対して複数(4台以上)の室内ユニット40が連絡配管(Ga、La)で直列又は並列に接続されていた。この点、室外ユニット10及び/又は室内ユニット40の台数及びその接続態様については、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。例えば、複数台の室外ユニット10が直列又は並列に配置されてもよい。
【0196】
(8-21)変形例21
上記実施形態では、冷媒回路RCを循環する冷媒としてR32が用いられていた。しかし、冷媒回路RCで用いられる冷媒は、特に限定されず他の冷媒であってもよい。例えば、冷媒回路RCでは、R407CやR410A等のHFC系冷媒が用いられてもよい。
【0197】
(8-22)変形例22
上記実施形態において本発明は、空調システム100に適用されていた。しかし、これに限定されず、本発明は、冷媒回路を有する他の冷凍装置(例えば給湯器やヒートポンプチラー等)にも適用可能である。
【0198】
(8-23)変形例23
上記実施形態において第2分岐管ユニット60は、正サイクル運転中、気液2相搬送を行う空調システム100に適用されていた。しかし、第2分岐管ユニット60は、液搬送を行う空調システムにおいて適用されることを必ずしも妨げられるものではない。
【0199】
(9)
以上、本発明の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本開示は、配管ユニット又は空調システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0201】
10 :室外ユニット
40 :室内ユニット
40a、40b :室内ユニット
40c、40d :室内ユニット
50 :分岐管ユニット
51 :第1分岐管ユニット
60、60a-60g:第2分岐管ユニット(配管ユニット)
70、70A、70B、70B´、70C:主管
71 :第1主管部(第1部分)
72 :第2主管部(第6部分)
73 :第3主管部(第7部分)
74 :第4主管部(第7部分、第8部分)
75 :第5主管部(第1部分)
80、80A、80B:支管
80a、80a´:第1支管
80b、80b´:第2支管
81、81´ :第1延伸部(第5部分)
82、82´、82a:第2延伸部(第2部分)
83、83´ :折返し部(折返し部分)
84、84´ :第3延伸部(第3部分)
85、85´ :第4延伸部(第4部分)
88 :支管群
90、90A、90B:接続管部(接続管)
91 :接続管延伸部
95 :断熱材
100 :空調システム
701、701´、701´´:主管の一端
702、702´、702´´:主管の他端
801 :支管の一端
802 :支管の他端
901 :第1接続部
902 :第2接続部
902´ :接続管部の端部(接続管の端部)
B1 :建物
BP :分岐部分
BPa、BL1―BL6:液側分岐部分
BPb :ガス側分岐部分
C1 :天井裏底面
C2 :天井裏天面
CP1 :室外ユニット側連絡配管
CP2 :室内ユニット側連絡配管
G :ガス溜まり
Ga :ガス側連絡配管
G1-G5 :第1ガス側連絡配管-第5ガス側連絡配管
La :液側連絡配管(冷媒連絡配管)
L1―L5 :第1液側連絡配管-第5液側連絡配管
P1―P14 :第1配管-第14配管
RC :冷媒回路
RC1 :室外側回路
RC2 :室内側回路
RC3 :連絡回路
RC3a :液側連絡回路(液側冷媒流路)
RC3b :ガス側連絡回路
SP、SP1、SP2:対象空間
SPa :天井裏空間
T1 :トラップ部
V1 :立上り部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0202】