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特許7244205フォトニック結晶ファイバ、その作製方法、及びスーパーコンティニューム光源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】フォトニック結晶ファイバ、その作製方法、及びスーパーコンティニューム光源
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/02 20060101AFI20230314BHJP
   C03C 25/42 20060101ALI20230314BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20230314BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20230314BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20230314BHJP
   G02F 1/365 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
G02B6/02 451
G02B6/02 356A
G02B6/02 376A
G02B6/02 411
C03C25/42
G02B6/032 Z
G02B6/036
G02B6/44 331
G02F1/365
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2017532646
(86)(22)【出願日】2015-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-02-22
(86)【国際出願番号】 DK2015050395
(87)【国際公開番号】W WO2016095923
(87)【国際公開日】2016-06-23
【審査請求日】2018-12-07
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】PA201470800
(32)【優先日】2014-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506179491
【氏名又は名称】エヌケイティー フォトニクス アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】NKT PHOTONICS A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アルケスクヨーア、トマス タンゴーア
(72)【発明者】
【氏名】バイグ、カスパー ラウア
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブセン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】リンスー、イェンス クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】イェスパセン、キム ギ.
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン、イェペ
(72)【発明者】
【氏名】マク、マルティン ディベンダール
(72)【発明者】
【氏名】ペデルセン、マルティン エルランド ヴェスターゴーア
(72)【発明者】
【氏名】トムセン、カーステン エル.
【合議体】
【審判長】瀬川 勝久
【審判官】山村 浩
【審判官】金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-515940(JP,A)
【文献】米国特許第6661957(US,B1)
【文献】特開2003-192397(JP,A)
【文献】特開2010-169965(JP,A)
【文献】特開平10-95628(JP,A)
【文献】国際公開第2008/062834(WO,A1)
【文献】特開2009-188094(JP,A)
【文献】国際公開第2013/131877(WO,A1)
【文献】特開2004-279745(JP,A)
【文献】特開2006-221031(JP,A)
【文献】特開2005-37570(JP,A)
【文献】特開2010-256905(JP,A)
【文献】特開2012-233977(JP,A)
【文献】特開2014-206734(JP,A)
【文献】特開平9-309742(JP,A)
【文献】特開2009-175271(JP,A)
【文献】特開2007-71950(JP,A)
【文献】国際公開第2009/107260(WO,A1)
【文献】特開2010-135801(JP,A)
【文献】特開2004-361526(JP,A)
【文献】特表2010-541006(JP,A)
【文献】国際公開第2010/73821(WO,A1)
【文献】特開2013-127503(JP,A)
【文献】特表2005-538029(JP,A)
【文献】特開2012-68646(JP,A)
【文献】William J. Wadsworth et al., “Supercontinuum generation in photonic crystal fibers and optical fiber tapers: a novel light source”,Journal of the Optical Society of America B,Optical Society of America,September 2002,Vol. 19, Issue 9, pp.2148-2155
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02,6/032,6/036
G02F 1/365
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細構造化ファイバの長手方向軸に沿って延びる固体コアと、
前記コアを取り囲むクラッディング領域とからなる微細構造化ファイバにおいて、
少なくとも前記クラッディング領域が、少なくとも一定の長さ区間内で前記微細構造化ファイバの前記長手方向軸に沿って延びる2つ以上の含有物を含んでなり、
前記微細構造化ファイバが、少なくとも前記長さ区間にて選択した一定の長さ区間内で、水素及び重水素のうちの少なくとも一方を含み、
前記微細構造化ファイバが、少なくとも前記選択した一定の長さ区間内で、前記クラッディング領域を取り囲む主コーティングをさらに含み、前記主コーティングが、Tを下回る温度で前記水素及び重水素のうちの少なくとも一方に対して気密性があり、Tが、50℃<T<250℃であり、前記主コーティングが、Tを上回る温度では水素及び重水素のうちの少なくとも一方の拡散のために開いており、Tが、Tより大きく、
少なくとも前記選択した一定の長さ区間内の前記クラッディング領域が、前記2つ以上の含有物を含む内側クラッディング領域と、前記内側クラッディング領域を取り囲む外側クラッディング領域とからなり、前記内側クラッディング領域の最も外側の含有物と前記主コーティングとの間の径方向距離が、少なくとも約10μmであり、前記主コーティングが、炭素を含んでなり、前記内側クラッディング領域と前記主コーティングとの間の材料が、シリカを含んでなるとともに、水素及び重水素のうちの少なくとも一方のためのリザーバを形成する、微細構造化ファイバ。
【請求項2】
前記2つ以上の含有物が、前記コアを取り囲む少なくとも2つの含有物リングを含むパターンで配置される、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項3】
前記2つ以上の含有物が気体含有物である、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項4】
前記外側クラッディング領域に設けられた含有物である外側含有物をさらに備え、前記内側クラッディング領域に設けられた含有物である内側含有物が、前記外側含有物の直径douterより大きい直径dinnerを有する、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項5】
少なくとも前記選択した一定の長さ区間内の前記コアのコア直径が、約10μm以下である、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項6】
少なくとも前記選択した一定の長さ区間内の最も内側の含有物と前記コアとの中心間距離が、約50μm未満である、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項7】
少なくとも1つの波長に対する前記微細構造化ファイバの異常分散が、1000nm~1100nmである、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項8】
前記微細構造化ファイバの前記コアが、1064nmで空間的に単一モードである、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項9】
前記微細構造化ファイバの前記コアが、1030nmで単一モードである、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項10】
少なくとも前記微細構造化ファイバの前記コアが、本質的にゲルマニウムを含まない、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項11】
少なくとも前記微細構造化ファイバの前記コアが、本質的に活性材料を含まない、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項12】
前記主コーティングの厚さが、約5nm~約25μmである、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項13】
は約50℃~約300℃の範囲にある所定の温度である、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項14】
前記微細構造化ファイバが、前記主コーティングの外側に機械的保護のための少なくとも1つの追加のコーティングを含む、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項15】
前記微細構造化ファイバが、少なくとも1つの先細りした長さ区間を含み、前記先細りした長さ区間の第1の端部内の前記コアが、コア直径D1を有し、前記先細りした長さ区間の第2の端部内の前記コアが、コア直径D2を有し、D1がD2より大きい、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項16】
前記先細りした長さ区間の前記第1の端部が、前記ファイバの入射端にあり、又は前記ファイバの前記入射端から前記長さに沿って最高5cmにある、請求項15に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項17】
前記微細構造化ファイバが、2つ以上の継ぎ合わせたファイバ長さ区間を含み、少なくとも1つの継ぎ合わせたファイバ長さ区間が、前記選択した一定の長さ区間であり、又は前記選択した一定の長さ区間を含む、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項18】
前記微細構造化ファイバが、
第1の長さL1を有する第1の長さ区間であって、前記微細構造化ファイバの前記含有物が、少なくとも前記長手方向軸に直交する前記第1の長さ区間の第1の断面において、
第1のピッチΛ1、
第1の含有物直径d1、及び
第1の含有物相対サイズd1/Λ1を有する、第1の長さ区間と、
第2の長さL2を有する第2の長さ区間であって、前記微細構造化ファイバの前記含有物が、少なくとも前記長手方向軸に直交する前記第2の長さ区間の第2の断面において、
第2のピッチΛ2、
第2の含有物直径d2、及び
第2の含有物相対サイズd2/Λ2を有する、第2の長さ区間とからなり、
前記第1の長さL1及び前記第2の長さL2の少なくとも1つが、前記選択した一定の長さ区間からなる、請求項1に記載の微細構造化ファイバ。
【請求項19】
請求項1に記載の微細構造化ファイバの製造方法において、
前記微細構造化ファイバの前記コア及び前記クラッディング領域に対するプリフォーム構造を含むプリフォームを作製する工程と、
前記プリフォームを延伸して、前記微細構造化ファイバの前記コア及びクラッディング領域を得る工程と、
少なくとも前記微細構造化ファイバの前記選択した一定の長さ区間を水素及び重水素のうちの少なくとも一方の添加にかける工程と、
少なくとも前記微細構造化ファイバの前記選択した一定の長さ区間に前記主コーティングを施す工程とを備える、方法。
【請求項20】
前記主コーティングを施す前に前記微細構造化ファイバを水素及び重水素のうちの少なくとも一方の添加にかける工程を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック結晶ファイバ(PCF)、フォトニック結晶ファイバを作製する方法、及びそのようなフォトニック結晶ファイバ、微細構造化光ファイバからなるスーパーコンティニューム光源、ならびにスーパーコンティニューム光放射源に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶ファイバは、背景材料内に典型的には規則的なアレイで配置された複数の含有物(クラッディング特徴又は微細構造と呼ばれることもある)を有するクラッディング領域によって取り囲まれたコアを有するファイバである。以下、フォトニック結晶ファイバをフォトニック結晶ファイバ又は微細構造化光ファイバと呼ぶ。含有物は、気体、液体、又は固体の含有物とすることができる。原則的に、含有物は空隙である可能性もあるが、実際にはそれらの空隙は通常、いくつかの気体分子を含む。
【0003】
このタイプのファイバは、当技術分野ではよく知られており、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献1に記載されている。
微細構造化ファイバは、たとえば、石英ガラスから作ることができる。石英ガラスに他の材料を加えて、その屈折率を変更することができ、又は光の増幅、感度などの作用を提供することができる。
【0004】
クラッディング含有物間の中心間隔は、ピッチ(Λ)として定義される。フォトニック結晶ファイバは通常、コアのサイズ、及び含有物のサイズと含有物の間隔又はピッチ(Λ)との比によって、少なくとも部分的に特徴付けられる。クラッディング含有物のサイズ及びピッチを調節することによって、ファイバのゼロ分散波長(ZDW:zero dispersion wavelength)を調節することができる。
【0005】
フォトニック結晶ファイバは、概して、高パワー光源での使用に適している。光ファイバ内で比較的大きいパワーを案内することは、外科用及び/又は治療用の光の案内、光学的感知、ならびに材料処理などのいくつかの商業的な応用例にとって重要となり得る。そのような応用例の中には、ファイバ内での光エネルギーの輸送及び非線形作用の利用が挙げられ、これらは一般的に、ファイバ内の光パワーがより大きい場合により顕著である。光パワーは、連続波(CW:continuous wave)、パルス波、又はそれらの混合物とすることができる。ファイバ内で光パワーが大きくなることは、比較的控えめな平均パワーを有しながら大きいピーク・パワーを得られるパルス光で、特に顕著となり得る。
【0006】
光ファイバによって搬送される平均パワー/スペクトル密度の1つの制限は、ファイバの損傷閾値である。特に、フォトニック結晶ファイバがスーパーコンティニューム生成に適用され、フォトニック結晶ファイバの入射端(入力端と呼ばれることもある)を介してフォトニック結晶ファイバへ高パワー光が送出される場合、送出される光のピーク・パワーに応じて、フォトニック結晶ファイバが時間とともに分解することが判明している。さらに、入射端に隣接又は近接するファイバ区間は、入射端からの距離が長ければ長いほど、分解により露出されることが判明している。
【0007】
特許文献4は、コア材料及び任意選択でクラッディング材料に水素及び/又は重水素を添加することによって、フォトニック結晶ファイバへ送出される高パワー光によって引き起こされる分解を軽減する方法について記載している。この添加の結果、ファイバの寿命
がある程度増大することが判明した。特許文献3では、この方法は、水素及び/又は重水素の添加後にフォトニック結晶ファイバをアニーリング及び/又は高パワー放射にかけることによってさらに改善された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2012195554号明細書
【文献】米国特許第8406594号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011116283号明細書
【文献】米国特許第8145023号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、耐分解性が非常に高いスーパーコンティニューム生成に適したフォトニック結晶ファイバを提供することである。
1実施形態では、目的は、スーパーコンティニューム生成に使用されるときでも長い寿命を有するスーパーコンティニューム生成に適したフォトニック結晶ファイバを提供することである。
【0010】
さらなる目的は、高い耐分解性を有するフォトニック結晶ファイバからなるスーパーコンティニューム光源、ならびにそのようなスーパーコンティニューム光源の好適な応用例を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記その他の目的は、特許請求の範囲に定義された本明細書に後述する本発明又はその実施形態によって解決される。
本発明又はその実施形態は、複数の追加の利点を有することが分かっており、そのような追加の利点は、以下の説明から当業者には明らかになるであろう。
【0012】
本発明のフォトニック結晶ファイバ(PCF)は、長手方向軸を有し、長手方向軸の長さに沿って延びるコアと、コアを取り囲むクラッディング領域とからなる。少なくとも、クラッディング領域は、少なくとも微細構造化された長さ区間内でフォトニック結晶ファイバの長手方向軸に沿って延びる含有物の形の複数の微細構造を含む。フォトニック結晶ファイバは、耐分解性の長さ区間を有し、この長さ区間は、フォトニック結晶ファイバの全長さ又は単にその長さ区間とすることができる。
【0013】
「耐分解性の長さ区間」という語句は、このファイバ長さ区間が、他の従来技術のファイバ長さ区間に対して、経時的に非常に高い耐分解性を有することを示すために使用される。
【0014】
フォトニック結晶ファイバは、少なくとも前記微細構造化された長さ区間内の耐分解性の長さ区間内で、水素及び/又は重水素を含み、フォトニック結晶ファイバは、少なくとも耐分解性の長さ区間内で、クラッディング領域を取り囲む主コーティングをさらに含み、この主コーティングは、Tを下回る温度で前記水素及び/又は重水素に対して気密性があり、ここでTは少なくとも約50℃である。有利には、Tは、少なくとも使用中のフォトニック結晶ファイバの最大予想温度前後である。それによって、経時的及び/又は使用中にファイバから拡散する水素及び/又は重水素が最小になる。好適には、Tは、50℃<Th<250℃である。1実施形態では、Tは最高約150℃である。
【0015】
「気密」という用語は、本明細書では、コーティングを通る水素原子及び/又は重水素
原子のあらゆる拡散が、1日当たり約1%未満であることを意味するために使用され、この拡散は、ラマン分光法を使用して、たとえば大気状態(すなわち、ファイバが空気中に1バールで配置される)において関連温度で測定され、あるいは赤外分光法によって、H2に対して約1240nmもしくは約1870nm又はD2に対して約1715nmで、H2(もしくはD2)の吸収線を測定することによって測定される。好適には、気密コーティングにより、拡散を1日当たり0.5%未満、約0.1%未満、1日当たり約0.01%未満などにすることが可能になる。
【0016】
「含有物」という用語は、背景材料中の含有物を意味し、含有物は、含有物を取り囲む背景材料とは別の屈折率を有する。含有物は、たとえば、空気、窒素、もしくは任意の他のガスなどの気体含有物、背景材料及び/もしくはドープ材料(F、Ge、P、Bなどの屈折率を変化させる材料)とは別のガラス・タイプなどの固体含有物、真空含有物、又はそれらの任意の組合せとすることができる。有利には、含有物の少なくとも一部は気体又は真空の含有物である。気体含有物は、水素及び/又は重水素の貯蔵所として作用することができることが判明しており、それらの含有物は、耐分解性の長さ区間の両側で閉じられる。
【0017】
「径方向距離」という語句は、長手方向軸から径方向に求められる距離を意味する。
「実質上」という用語は、本明細書では、通常の生成物の分散及び公差が含まれることを意味すると見なされるべきである。
【0018】
クラッディング領域は、均質な背景材料を有することができ、又はそれぞれの背景材料が互いに異なるいくつかの領域を有することができることに留意されたい。背景材料は、有利には、シリカであり、任意選択でドープされる。1実施形態では、たとえば米国特許第8600207号明細書に記載されているように、クラッディング領域は、内側クラッディング領域と、内側クラッディング領域を取り囲む外側クラッディング領域とからなり、内側クラッディング領域の背景材料は、外側クラッディング領域の背景材料とは異なる。
【0019】
1実施形態では、クラッディング領域は、内側クラッディング領域と、内側クラッディング領域を取り囲む外側クラッディング領域とからなり、内側クラッディング領域の背景材料は、外側クラッディング領域の背景材料と同じ屈折率を有する。この実施形態では、内側クラッディング領域及び外側クラッディング領域が同じ背景材料を有することが有利である。内側クラッディング領域と外側クラッディング領域の違いは、たとえば、含有物のサイズ、タイプ、及び/又は数の違いである。クラッディング領域は、光をコアに閉じ込めるものであり、有利には、含有物は、平均屈折率に影響を与えて光を閉じ込めるように配置される。これは、含有物がコアに比較的近接しているべきであることを意味し、好適には、含有物の少なくとも一部とコアとの中心間距離は、最高約50μm、好適には最高約40μm、最高約30μmなど、最高約15μmなどである。
【0020】
クラッディング領域、含有物、及びコアの材料について説明するとき、水素及び/又は重水素の量は材料の一部として含まない。
1実施形態では、クラッディング領域の背景材料及びコア材料は、実質上純シリカである。
【0021】
1実施形態では、クラッディング領域の背景材料及びコア材料は、フッ化物でドープされたシリカである。
少なくとも耐分解性の長さ区間内でコア材料がフッ化物でドープされる場合、光によって誘起される分解に対してさらに高い耐性を実現することができることが判明している。
【0022】
有利には、少なくとも耐分解性の長さ区間のコア内のH2又はD2の形の水素及び/又は重水素の含有量は、少なくとも約0.001ppm、少なくとも約0.01ppmなど、約0.1~約10000ppmなどを含む。水素及び/又は重水素の量は、たとえば、上記で説明したように、それぞれの水素又は重水素の吸収ピークでその結果生じる吸収を求めることによって決定することができる。
【0023】
耐分解性の長さ区間は、任意の長さを有することができる。有利には、耐分解性の長さ区間は、フォトニック結晶ファイバの端部から延びる。1実施形態では、耐分解性の長さ区間は、フォトニック結晶ファイバの入射端から延びる。入射端は、フォトニック結晶ファイバへ光を送出するポンプ・レーザに光学的に結合され又は結合されるように適合された端部である。それによって、耐分解性の長さ区間は、高パワー光がフォトニック結晶ファイバへ送出されるように位置決めすることができる。従来技術のフォトニック結晶ファイバの主な損傷は、フォトニック結晶ファイバの入射端に近接して生じることが観察されている。フォトニック結晶ファイバの入射端で水素及び/又は重水素の十分な添加を確保することによって、負荷応力による損傷に対するフォトニック結晶ファイバの耐性がますます大きくなり、フォトニック結晶ファイバ全体に対する寿命がさらに長くなる。
【0024】
本出願では、「含有物リング」という語句は、典型的にはコアに対して実質上等しい距離を有し、コアを取り囲む円形又は非円形のリング内に位置合わせされるクラッディング含有物を指す。典型的には、含有物リングは、完全に円形ではなく、六角形の形状など、複数の緩やかな角を有する形状である。好適には、含有物リングの含有物はすべて、実質上同じサイズであり、好適には同じ材料である。
【0025】
1実施形態では、クラッディング領域内の複数の含有物は、コアを取り囲む少なくとも2つの含有物リングを含むパターンで配置される。
スーパーコンティニューム生成にとって非常に良好なフォトニック結晶ファイバを得るために、中心間距離(ピッチΛとも呼ばれる)は、有利には、少なくとも約1μm、約1.5μm~約5μmなど、又はそれ以上である。含有物直径(d)は、有利には、少なくとも約0.5μm、約1μm~約3μmなどである。相対的な直径/ピッチd/Λは、好適には、約0.4~約0.85である。
【0026】
含有物直径又は含有物の直径は、含有物の特徴的直径とも呼ばれる。「特徴的直径」という語句は、含有物(クラッディング特徴とも呼ばれる)のサイズの尺度である。クラッディング特徴が円形である場合、特徴的直径は、クラッディング特徴の円の直径である。クラッディング特徴が非円形である場合、特徴的直径は、1実施形態では、クラッディング特徴の最大の長さ及び最小の長さの平均として決定され、別の実施形態では、特徴的直径は、当該クラッディング特徴の計算又は測定された面積に対応する面積を有する円の直径である。
【0027】
含有物は、等しい直径を有しても異なる直径を有してもよく、それぞれの含有物の含有物直径は、上述したように、ファイバの長さに沿って等しくても異なってもよい。
含有物及びその直径の様々な好適な組合せの実施形態は、コア、クラッディング領域、及び含有物の構造に関する同時係属出願である、本願明細書に援用するDKPA201470146に開示されている。PA201470146は、本発明のフォトニック結晶ファイバの好適な実施形態を開示しているが、その違いは、少なくともPA201470146に開示されているフォトニック結晶ファイバの長さ区間が、本明細書に記載する水素及び/又は重水素ならびに気密コーティングを含む耐分解性の長さ区間になるように、又はそのような耐分解性の長さ区間を含むように、修正されていることである。
【0028】
1実施形態では、それぞれの含有物の含有物直径(d)は、ファイバの長さに沿って等
しい。1実施形態では、それぞれの含有物の含有物直径(d)は、ファイバの長さの少なくとも1区間に沿って異なり、たとえば先細りした区間に沿って異なる。
【0029】
含有物は、上記のように、原則的に、任意の種類の材料を含むことができ、又は任意の種類の材料からなることができ、含有物は通常、それぞれの含有物が埋設され又は含まれる背景材料とは異なる屈折率を有する材料を含む。適した含有物材料の例は、上記で開示した。
【0030】
1実施形態では、含有物は、空気孔、たとえば低い圧力又は周囲の圧力(大気圧)で空気を有する空気孔などの気体含有物を含む。好適には、気体含有物は、前記耐分解性の長さ区間の両側で閉じられる。
【0031】
1実施形態では、耐分解性の長さ区間は、任意選択でフォトニック結晶ファイバの閉じた端部を除く、フォトニック結晶ファイバの全長さである。
フォトニック結晶ファイバの端部を閉じることによって、フォトニック結晶ファイバからの水素及び/又は重水素の拡散がさらに低減され、またそれにより、フォトニック結晶ファイバ全体の耐分解性、それによって寿命が増すことが判明している。
【0032】
フォトニック結晶ファイバの端部は、たとえば、短い端部区間内でフォトニック結晶ファイバを押しつぶすことによって、又は短い固体シリカの長さ区間をそれぞれの端部に溶融することによって、閉じることができる。
【0033】
有利には、閉じた端部のそれぞれの長さは、光を損失するリスクを低減させるために、フォトニック結晶ファイバの長さに沿って比較的短い。有利には、閉じた端部のそれぞれのフォトニック結晶ファイバの長さは、最高約3mm、最高約2mmなど、最高約1mmなど、最高約0.5mmなど、最高約0.3mmなど、最高約0.2mmなどである。
【0034】
1実施形態では、少なくとも耐分解性の長さ区間のクラッディング領域内の複数の含有物は、内側含有物を含む内側クラッディング領域と、外側含有物を含む外側クラッディング領域とからなる。この実施形態は、スーパーコンティニューム生成にとって非常に良好なフォトニック結晶ファイバを提供することが判明している。有利には、内側含有物は、外側含有物より大きい。好適には、内側含有物は、少なくとも1つの含有物リングを含み、外側含有物は、少なくとも1つの外側含有物リングを含む。1実施形態では、より好適には、内側含有物の直径dinnerは、外側含有物の直径douterより少なくとも約15%、少なくとも約20%など、少なくとも約25%など、少なくとも約30%など大きい。それによって、青色光の範囲内でも高い安定性を有するスーパーコンティニューム生成のためのフォトニック結晶ファイバが提供される。さらに、耐分解性の長さ区間のため、非常に大きいパワーで動作する場合でも、フォトニック結晶ファイバの寿命は長くなる。
【0035】
1実施形態では、dinnerは、好適には、少なくとも約1.5μm、約1.8~約4μmなど、約2~約2.5μmなどである。
1実施形態では、douterは、好適には、約2.5μm未満、約0.8~約2μmなど、約1~約1.8μmなどである。
【0036】
有利には、内側クラッディング領域の背景材料及び外側クラッディング領域の背景材料は同一であり、また任意選択で、コア材料とも同一である。有利には、内側クラッディング領域の背景材料及び外側クラッディング領域の背景材料、ならびに任意選択でコア材料は、実質上純シリカであり、又は任意選択で、フッ素でドープされたシリカである。
【0037】
有利には、外側クラッディング領域は、少なくとも3つの外側含有物リングを含む。
含有物の構造及び配置は、1実施形態では、同時係属出願のDKPA201470146に記載されているとおりであり、たとえばDKPA201470146の図2a及び図3aに記載及び図示されているとおりであるが、フォトニック結晶ファイバは、本明細書に記載する水素及び/又は重水素ならびに気密コーティングを含む耐分解性の長さ区間になるように、又はそのような耐分解性の長さ区間を含むように、修正される。
【0038】
1実施形態では、少なくとも耐分解性の長さ区間内のクラッディング領域は、含有物を含む内側クラッディング領域と、内側クラッディング領域を取り囲む外側クラッディング領域とからなり、内側クラッディング領域の最も外側の含有物と主コーティングとの間の径方向距離は、少なくとも約10μmである。任意選択で、内側クラッディング領域と主コーティングとの間の材料は、水素及び/又は重水素のためのリザーバを形成する。
【0039】
内側クラッディング領域の最も外側の含有物と主コーティングとの間に比較的大きい径方向距離を有することによって、水素及び/又は重水素のためのリザーバを大きい面積で形成することができ、このリザーバは、水素及び/又は重水素がコア内で消費されるにつれて、徐々にコアへ拡散することができ、それによってコア内で比較的安定した十分な水素及び/又は重水素濃度を維持することができる。
【0040】
1実施形態では、内側クラッディング領域と主コーティングとの間の材料は、水素及び/又は重水素のためのリザーバを形成し、たとえば水素のためのリザーバは、多孔質のシリカである。
【0041】
1実施形態では、内側クラッディング領域と主コーティングとの間の水素のためのリザーバは、内側クラッディング領域の背景材料より水素及び/又は重水素に対して高い吸着容量を有するガラス又はプラスチックを含む。
【0042】
当業者であれば、いくつかの水素及び/又は重水素添加試験によって、適した材料を見出すことが可能である。
コアは、原則的に任意のサイズを有することができる。コアが大きければ大きいほど、フォトニック結晶ファイバへ送出することができるパワーも大きくなるが、コアが大きくなりすぎた場合、帯域幅を所望の範囲まで広げることが困難になり得る。広い安定したスーパーコンティニューム光を提供するために、コアの直径は、少なくとも約1μm、好適には少なくとも約2μmであることが有利である。それによって、スーパーコンティニューム生成に必要なパワー及び/又は概して大きいパワーに光ファイバが耐えることが可能であることが確実になる。
【0043】
1実施形態では、少なくとも耐分解性の長さ区間内のコアのコア直径は、約10μm以下、約8μm以下など、約6μm以下などである。1実施形態では、コア直径は、約3μmからの範囲内、約3μm~約7μmなどである。
【0044】
1実施形態では、コアは含有物によって画定され、すなわちコアを取り囲む含有物は異なる屈折率を有し、それによってコアを形成する。
有利には、フォトニック結晶ファイバは、上述したように、シリカから作られ、任意選択でドープされる。
【0045】
1実施形態では、コア及び/又はクラッディング領域の材料はドープされる。
1実施形態では、少なくとも耐分解性の長さ区間内の最も内側の含有物とコアとの中心間距離は、約50μm未満、好適には約40μm未満、約30μm未満など、約10μm未満などである。
【0046】
コアは固体コアである。
「固体コア」という用語は、コアが固体の材料からできており、実質上空隙を構成する気体がないことを意味する。1実施形態では、コアは微細構造化コアである。
【0047】
有利には、コアは、任意選択で固体の微細構造を含む固体コアである。
コアは、1実施形態では、実質上純シリカである。
上述したように、フォトニック結晶ファイバの非常に有益な特性は、クラッディング含有物のサイズ及びピッチを調節することによって、ファイバのゼロ分散波長(ZDW)を調節することができることである。
【0048】
1実施形態では、少なくとも1つの波長に対するフォトニック結晶ファイバの異常分散は、1000nm~1100nmである。好適には、フォトニック結晶ファイバの異常分散は、約1030nm又は1064nmである。
【0049】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバのコアは、ポンプ波長で単一モードである。
有利には、フォトニック結晶ファイバのコアは、1064nmで空間的に単一モードである。
【0050】
空間的に単一モードとは、長さ2mのファイバの場合、より高次のモードの損失が基本モードより少なくとも19.3dB高いことを意味する。これは、たとえば、S^2法を使用して測定することができる。「大モード面積ファイバにおけるモード・コンテンツの空間及びスペクトル分解撮像(Spatially and spectrally resolved imaging of modal content in large mode-area fibers)」、ジェイ ダブル ニコルソンら(J.W.Nicholson et al)、Optics Express、vol.16、Issue 10、7233頁、2008を参照されたい。
【0051】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバのコアは、1030nmで単一モードである。
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバのコアは、1064nm又は1030nmなどのポンプ波長でマルチモードである。
【0052】
有利には、少なくともフォトニック結晶ファイバのコアは、本質的にゲルマニウムを含まない。ゲルマニウムを含む結果、シリカ内に特定の構造的欠陥が生じ得ることが判明しており、したがって、ゲルマニウム含有量は可能な限り低いことが望ましい。水素及び/又は重水素はまた、ゲルマニウムによって誘起される構造的欠陥に対する耐性を増大させることが判明しており、したがってフォトニック結晶ファイバがゲルマニウムを含む場合、水素及び/又は重水素の添加を増大させることができる。
【0053】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバ全体が、本質的にゲルマニウムを含まない。1実施形態では、フォトニック結晶ファイバ全体が、本質的にドープされていないシリカである。1実施形態では、フォトニック結晶ファイバの少なくとも一部が、フッ素により、たとえば1000ppmを上回るレベルでドープされる。
【0054】
本発明では、「本質的にゲルマニウムを含まない」という語句は、ゲルマニウムの濃度がゼロを含めて約10ppm未満であることを意味する。
本発明では、「本質的にドープされていない」という語句は、Ge、B、F、P、Al、及び/又は希土類元素ErもしくはYbなどの活性材料など、屈折率を変化させるドー
パントの濃度が、1000ppmを下回るレベルであることを意味する。1実施形態では、ドーパントのレベルはさらに低く、約1ppm以下などである。
【0055】
1実施形態では、少なくともフォトニック結晶ファイバのコアは、本質的に希土類イオンなどの活性材料を含まない。
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバ全体が、活性イオンを含まない。
【0056】
本発明では、「本質的に活性材料を含まない」という語句は、希土類元素Er又はYbなどの活性材料の濃度が、1000ppmを下回るレベルであることを意味する。好適には、活性材料のレベルはさらに低く、約1ppm以下などである。
【0057】
主コーティングは、上記で定義した気密コーティングを提供する任意の材料から作ることができる。
主コーティングに適した材料の例には、窒化物(窒化炭素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、及び/もしくは酸窒化ケイ素など)、炭素、アルミニウム、金属ガラス、又は上記の1つもしくは複数を含む組合せを含む材料が挙げられる。
【0058】
主コーティングに対する特に好適な材料は、炭素である。
主コーティングの厚さは、材料のタイプに応じて決定される。概して、比較的小さい厚さで気密性を有する主コーティングに対する材料を選択し、それによって、亀裂の形成という実質的なリスクをもたらすことなく、フォトニック結晶ファイバの高い可撓性及び屈曲性を確保することが望ましい。
【0059】
1実施形態では、主コーティングの厚さは、約5nm~約10μm、10nm~約5μmなど、約20nm~約1μmなどである。
1実施形態では、主コーティングの厚さは約30nmである。
【0060】
金属の主コーティングの場合、厚さは、有利には、15μm~60μmである。
1実施形態では、主コーティングは、To’を上回る温度で水素及び/又は重水素に対して開いた拡散であり、ここでTはTより大きい。それによって、コーティングを施した後、水素及び/又は重水素をフォトニック結晶ファイバに添加することができる。これにより、機械的でありかつ防塵式の取扱い中に主コーティングがファイバを保護するため、フォトニック結晶ファイバを作製する好適な実施形態が提供される。さらに、より均質かつ正確な含有量の水素及び/又は重水素を添加することができる。主コーティングがなければ、フォトニック結晶ファイバは、添加された水素及び/又は重水素を添加直後から失い始め、実際には、主コーティングを施す前に、望ましくないほど大量の水素及び/又は重水素が失われ得ることが判明している。したがって、添加後に主コーティングが施される場合、より大量の水素及び/又は重水素がフォトニック結晶ファイバにまず添加されることが望ましい。
【0061】
好適には、Tは、少なくとも約25℃であり、好適には、Tは、約50℃~約300℃の間隔、少なくとも約70℃など、少なくとも約100℃などである。1実施形態では、Tは1バールで求められる。1実施形態では、Tは100バールで求められる。
【0062】
概して、Tは、使用中のフォトニック結晶ファイバの温度(又は予想温度)より大きいことが望ましい。他方では、Tは、有利には、材料を変形させるリスクを冒してまで材料の軟化温度を増大させるべきでない。
【0063】
フォトニック結晶ファイバは、有利には、主コーティングの上又は下に1つ又は複数の追加のコーティングを含むことができる。
そのような追加のコーティングは、追加の機械的保護の提供、主コーティング内の亀裂のリスクの低減、ならびに/又は最も外側の外観及び/もしくは触感の提供という目的を有することができる。
【0064】
追加のコーティングは、好適には高分子コーティングであり、有利には、アクリレート、ポリイミド、ポリウレタン、シリコーン、又はそれらの任意の組合せを含む。
1実施形態では、主コーティングが炭素である場合、追加のコーティングは、アルミニウム、金、銅、ニッケル、金属ガラス、もしくは組合せなどの金属、又は上記の金属の少なくとも1つを含む合金である。
【0065】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、少なくとも1つの先細りした長さ区間を含み、先細りした長さ区間の第1の端部内のコアは、コア直径D1を有し、先細りした長さ区間の第2の端部内のコアは、コア直径D2を有し、D1はD2より大きく、好適には、D2は、D1の最高約0.95倍、D1の約0.1~約0.9倍などである。有利には、第1の端部は入射端である。
【0066】
たとえばPCT/DK2014/050205に記載されているように、フォトニック結晶ファイバを先細りさせることによって、フォトニック結晶ファイバのスーパーコンティニューム生成特性を増大させることができることが判明している。1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、PCT/DK2014/050205に記載されているとおりであるが、その違いは、フォトニック結晶ファイバが、本明細書に記載する水素及び/又は重水素ならびに気密コーティングを含む耐分解性の長さ区間になるように、又はそのような耐分解性の長さ区間を含むように、修正されていることである。
【0067】
好適には、先細りした長さ区間の第1の端部は、ファイバの入射端にあり、又はファイバの入射端から長さに沿って最高5cmにあり、好適には、先細りした長さ区間の第1の端部は、耐分解性の長さ区間に隣接しており、又は耐分解性の長さ区間内に含まれる。
【0068】
それによって、フォトニック結晶ファイバは、ピーク・パワーが非常に大きい場合、分解から特に保護される。
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、いかなる継ぎ目も含まない。
【0069】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、2つ以上の継ぎ合わせたファイバ長さ区間を含み、少なくとも1つの継ぎ合わせたファイバ長さ区間は、耐分解性の長さ区間であり、又は耐分解性の長さ区間を含む。
【0070】
最適のスーパーコンティニュームを提供するために、たとえばPCT/DK2014/050206に記載されているように、異なる特性を有するファイバ長さ区間を含むファイバが有利となり得ることが判明している。
【0071】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、耐分解性の長さ区間を含み、又は耐分解性の長さ区間からなる第1の長さ区間と、第1の長さ区間に継ぎ合わせた第2の長さ区間とからなり、第2の長さ区間の水素及び/又は重水素の含有量は、耐分解性の長さ区間より少ない。
【0072】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、
・第1の長さL1を有する第1の長さ区間であって、光ファイバの含有物が、少なくとも長手方向軸に直交する第1の長さ区間の第1の断面において、第1のピッチΛ1、第1の含有物直径d1、及び第1の含有物相対サイズd1/Λ1を有する、第1の長さ区間と、
・第2の長さL2を有する第2の長さ区間であって、光ファイバの微細構造要素が、少なくとも長手方向軸に直交する第2の長さ区間の第2の断面において、第2のピッチΛ2、第2の含有物直径d2、及び第2の含有物相対サイズd2/Λ2を有する、第2の長さ区間とからなり、
・第1の長さL1及び第2の長さL2の少なくとも1つが、耐分解性の長さ区間を含み、又は耐分解性の長さ区間からなる。
【0073】
ファイバの長さ区間の1つ又は複数は、先細りさせることができる。
1実施形態では、本発明のフォトニック結晶ファイバは、PCT/DK2014/050206に記載されているとおりであるが、その違いは、少なくともPCT/DK2014/050206に開示されているフォトニック結晶ファイバの長さ区間が、本明細書に記載する水素及び/又は重水素ならびに気密コーティングを含む耐分解性の長さ区間になるように修正されていることである。
【0074】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、少なくともフォトニック結晶ファイバの入射端から延び又はフォトニック結晶ファイバの入射端から最高約5cm延びるモードフィールド適合長さ区間内に、フォトニック結晶ファイバの長さに沿って延びるモード・アダプタを備える。好適には、モードフィールド適合長さ区間の長さは、少なくとも約5cm、少なくとも約10cmなど、少なくとも約20cmなどである。有利には、モードフィールド適合長さ区間は、耐分解性の長さ区間内に部分的又は完全に含まれる。
【0075】
本発明はまた、フォトニック結晶ファイバを作製する方法を含み、この方法は、
・フォトニック結晶ファイバのコア及びクラッディング領域に対するプリフォーム構造を含むプリフォームを作製する工程と、
・プリフォームを延伸して、フォトニック結晶ファイバのコア及びクラッディング領域を得る工程と、
・少なくともフォトニック結晶ファイバの耐分解性の長さ区間を水素及び/又は重水素の添加にかける工程と、
・少なくともフォトニック結晶ファイバの耐分解性の長さ区間に主コーティングを施す工程とからなる。
【0076】
好適には、耐分解性の長さ区間は、任意選択でフォトニック結晶ファイバの閉じた端部を除く、フォトニック結晶ファイバの全長さである。有利には、閉じた端部は上述したとおりである。
【0077】
1実施形態では、この方法は、主コーティングを施す前にフォトニック結晶ファイバを水素及び/又は重水素の添加にかける工程を含む。
主コーティングを施す前に水素及び/又は重水素の添加が実行される場合、水素及び/又は重水素の添加は、少なくとも約P1の圧力及び少なくとも約T1の温度で水素及び/又は重水素を含むチャンバ内に、フォトニック結晶ファイバを少なくともt1の持続時間にわたって配置する工程を含む。
【0078】
水素及び/又は重水素の比較的速い添加を提供するために、有利には、温度及び任意選択で圧力を上昇させる。
1実施形態では、T1は、好適には、少なくとも40℃、約50℃~約250℃など、約100℃~約800℃など、最高約500℃など、最高約200℃などである。実際には、フォトニック結晶ファイバの材料により、温度T1に対する上限が設定される。
【0079】
添加時間t1は、好適には、少なくとも約1時間、約2時間~約200時間など、約24時間~約96時間などである。
添加圧力P1は、好適には、約1バールから、1バール超~約250バールなど、約50バール~約200バールなど、約100バール~約200バールなどである。
【0080】
この実施形態では、主コーティングは、数時間内の添加で施されることが望ましい。なぜなら、そうでない場合は、添加された水素及び/又は重水素の多くがファイバから拡散し得るためである。好適には、主コーティングは、添加の終了から約5時間以内、約2時間以内などで、フォトニック結晶ファイバに施される。
【0081】
好適な実施形態では、この方法は、主コーティングを施した後にフォトニック結晶ファイバを水素及び/又は重水素の添加にかける工程を含む。
それによって、添加された水素及び/又は重水素はほとんど、添加後にフォトニック結晶ファイバから拡散せず、上述したように、フォトニック結晶ファイバの品質を増大させることができる。さらに、添加される水素及び/又は重水素の量をより少なくすることができ、その結果、添加時間をより少なくすることができる。
【0082】
好適には、この方法は、
・フォトニック結晶ファイバのコア及びクラッディング領域に対するプリフォーム構造を含むプリフォームを作製する工程と、
・プリフォームを延伸して、フォトニック結晶ファイバのコア及びクラッディング領域を得る工程と、
・フォトニック結晶ファイバに主コーティングを施す工程と、
・少なくとも約Tの温度でフォトニック結晶ファイバを水素及び/又は重水素にかける工程と、
・フォトニック結晶ファイバをT以下に冷却する工程とからなる。
【0083】
冷却は、受動的冷却(単にフォトニック結晶ファイバをたとえば室温で冷ます)、又は能動的冷却、たとえばフォトニック結晶ファイバに冷風を吹き付けることによって、実行することができる。
【0084】
1実施形態では、水素及び/又は重水素を添加する前に主コーティングが施される場合、添加は、好適には、少なくとも約P2の圧力及び少なくとも約T2>Tの温度で水素及び/又は重水素を含むチャンバ内に、フォトニック結晶ファイバを少なくともt2の持続時間にわたって配置する工程を含む。
【0085】
1実施形態では、T2は、好適には、少なくとも50℃、約75℃~約250℃など、約100℃~約200℃など、又はそれ以上である。実際には、施される主コーティング又は任意の追加のコーティングの材料により、温度T2に対する上限が設定され、これは、いくつかのタイプの主コーティングに対して、温度T2を最高約500℃又はさらに最高約800℃とすることができることを意味する。
【0086】
添加時間T2は、好適には、少なくとも約1時間、約2時間~約200時間など、約24時間~約96時間などである。
添加圧力P2は、好適には、約1バールから、1バール超~約250バールなど、約50バール~約200バールなど、約100バール~約200バールなどである。
【0087】
フォトニック結晶ファイバが気体含有物を含む場合、フォトニック結晶ファイバを作製する方法は、好適には、耐分解性の長さ区間の両側で気体含有物を閉じる工程を含む。この方法は、好適には、フォトニック結晶ファイバの両端で気体含有物を閉じる工程を含む。
【0088】
1実施形態では、この方法は、フォトニック結晶ファイバを水素及び/又は重水素の添加にかける前に気体含有物を閉じる工程を含み、それによって水素及び/又は重水素が含有物を介して拡散するリスクを低減させる。
【0089】
1実施形態では、この方法は、ファイバの端部で気体含有物を閉じる前にフォトニック結晶ファイバを水素及び/又は重水素の添加にかける工程を含む。1実施形態では、添加は、閉じられていない気体含有物を介して添加し、それに続いてファイバの端部で気体含有物を閉じる工程を含むことができる。この実施形態では、添加前に主コーティングを施すことができる。
【0090】
主コーティングの材料ならびにその厚さは、上述したとおりとすることができる。
1実施形態では、化学気相成長(CVD)又は類似したもしくは修正された堆積方法によって、主コーティングをフォトニック結晶ファイバに施す。
【0091】
1実施形態では、主コーティングは炭素コーティングであり、この方法は、化学気相成長処理によって主炭素コーティングを施す工程を含む。有利には、CVD処理は、ファイバを反応器の反応器チャンバに通す工程と、反応器チャンバ内のファイバを少なくとも約700℃の温度の反応器ガスにかける工程とを含む。好適には、温度は、約700℃~約1100℃、約700℃~約900℃などの間隔である。900℃を上回る温度は、ダイヤモンド状の構造を有する炭素コーティングの形成をもたらし得る。
【0092】
ファイバを炭素コーティングする方法は、たとえば、米国特許第5000541号明細書に記載されているとおりとすることができる。
反応器ガスは、有利には、炭素質の組成物を含むことができ、好適には、アセチレン(C)などのアルキン(C2n-2)、及び/又はエタン(C)などのアルケン(C2n+2)を含み、ここでnは2~10、2~4などである。好適には、反応器ガスは、実質上酸素を含まない。
【0093】
延伸塔内でファイバを延伸した直後に主炭素コーティングを施すことが非常に効果的であることが判明している。それによって、主コーティングを施す前にファイバの表面が汚染されないことが確実になり、炭素コーティングを施す前に反応器ガスに対する反応温度を下回るまでファイバを冷ますことなく、ファイバを延伸した直後に主炭素コーティングを施すことによって、炭素コーティング前にファイバを再加熱する必要がなくなることがさらに判明している。代替実施形態では、ファイバは反応温度まで再加熱される。反応チャンバ内の反応温度は、有利には、少なくとも約700℃、約800℃~約1100℃などである。
【0094】
有利には、反応器は、延伸塔の一体部分であり、好適にはそれにより、ファイバは、反応器チャンバに通され、炭素コーティングが施されてから巻き取られ、すなわちインライン処理にかけられる。
【0095】
1実施形態では、この方法は、炭素コーティング上へ追加のコーティングを施す工程を含む。追加のコーティングは、好適には、上述した高分子コーティング又は金属コーティングなどである。追加のコーティングは、好適には、ファイバを巻き取る前に延伸塔内で炭素コーティング上へ施される。
【0096】
1実施形態では、主コーティングは金属コーティングであり、この方法は、ファイバを液体金属溶融物に通すことによって主金属コーティングを施す工程を含み、溶融物に入るときのファイバの温度は、金属溶融物の温度より低い。
【0097】
金属溶融物の温度は、金属のタイプに依存する。1実施形態では、金属コーティングは、ファイバを水に浸し、少なくとも部分的に冷ました後に、好適にはインライン処理でファイバを巻き取る前に、延伸塔内でファイバに施される。
【0098】
1実施形態では、この方法は、たとえば主コーティングの外側に少なくとも1つの追加のコーティングを施す工程を含む。
本発明はまた、上述したフォトニック結晶ファイバと、フォトニック結晶ファイバの入射端へポンプ・パルスを送出するように配置されたポンプ源とからなるスーパーコンティニューム光源を含む。
【0099】
1実施形態では、フォトニック結晶ファイバは、ポンプ・パルスの帯域幅に対して広くした帯域幅を有するスーパーコンティニューム光を生成するように配置される。
有利には、フォトニック結晶ファイバは、ポンプ・パルスの帯域幅に対して少なくとも約100%、少なくとも約200%など広くした帯域幅を有するスーパーコンティニューム光を生成するように配置される。
【0100】
1実施形態では、生成されるスーパーコンティニュームは、少なくともオクターブに及ぶ帯域幅を有する。
ポンプ源は、十分に高いエネルギーのポンプ・パルスを提供することが可能な任意の種類のポンプ源、たとえばMOPAなどのモード・ロックのポンプ源とすることができ、パルス・ピッカ(ゲーティング手段)を有しても有していなくてもよい。
【0101】
ポンプ・パルスは、好適には、相対的に高いピーク・パワーを有する。1実施形態では、パルス源によって生成されるポンプ・パルスは、フォトニック結晶ファイバの入射端で少なくとも約5kW、少なくとも約10kWなど、少なくとも約15kWなど、少なくとも約20kWなどのピーク・パワーを有する高ピーク・パワー・パルスである。
【0102】
1実施形態では、パルス源によって生成されるポンプ・パルスのパルス幅は、最高約200ps、最高約100psなど、最高約50psなど、最高約30psなど、最高約10psなど、最高約8psなど、最高約5psなど、最高約3psなど、最高約1psなどである。
【0103】
有利には、パルス源によって生成されるポンプ・パルスのパルス幅は、少なくとも約200fs、少なくとも約1psなど、少なくとも約5psなどである。
好適には、パルス源によって生成されるポンプ・パルスの繰返し率は、少なくとも約100kHz、少なくとも約10kHz、少なくとも約1MHzなどであり、繰返し率は、好適には、たとえば電気光学変調器(EOM:electro-optic modulator)、音響光学変調器(AOM:acousto-optic modulator)、又は音響光学同調フィルタ(AOTF:acousto-optic tunable filter)を使用して同調可能であり、AOTFは、同時に波長フィルタとして作用する。
【0104】
1実施形態では、パルス源によって生成されるポンプ・パルスの波長は、約900nm~約1100nm、約1030又は約1064nmなどである。
1実施形態では、スーパーコンティニューム光源の平均出力パワーは、少なくとも約1W、少なくとも約5Wなど、少なくとも約10Wなど、少なくとも約20Wなど、少なくとも約50Wなど、少なくとも約100Wなど、又はさらに少なくとも約500Wである。概して、本発明のフォトニック結晶ファイバの耐分解性の長さ区間のため、所望の高出力パワーを有すると同時に驚くほど長い寿命を有する高パワー・スーパーコンティニューム光源を提供することが可能になることが判明している。
【0105】
1実施形態では、スーパーコンティニューム光源の出力は、約600nm未満、約550nm未満など、約450nm未満など、約420nm未満など、約410nm未満など、約400nm未満など、約380nm未満など、約360nm未満などの波長を含む。
【0106】
1実施形態では、スーパーコンティニューム光源の出力は、約1800nm超、約2000nm超など、約2200nm超などの波長を含む。
1実施形態では、スーパーコンティニューム光源は、スーパーコンティニューム源の出力をフィルタリングして、中心波長λ1及び出力帯域幅BW1を有するフィルタリングされたSC出力にするように配置されたスペクトル・フィルタリング・ユニットをさらに備え、中心波長λ1及び出力帯域幅BW1の少なくとも1つは同調可能である。出力帯域幅BW1は、有利には(少なくとも1回の同調において)約5nm未満である。スペクトル・フィルタリング・ユニットは、たとえば、AOTFを含む。
【0107】
本発明はまた、上述したスーパーコンティニューム光源からなる照射源を備える。好適には、照射源は、誘導放出抑制に適している。
1実施形態では、照射源は、蛍光撮像、蛍光寿命撮像(FLIM:Fluorescence Lifetime Imaging)、全反射照明蛍光(TIRF:Total
Internal Reflection Fluorescence)顕微鏡法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET:fluorescence resonance energy transfer)、広帯域分光法、ナノフォトニクス、フロー・サイトメトリー、計測などの工業検査、ガス感知などのリングダウン分光法、ハイパースペクトル分光法、たとえば果物の作物分析、及び飛行時間分光法(TCSPC:time of flight spectroscopy)などの分析分光法、単一分子撮像、ならびに/又はこれらの組合せに適合される。
【0108】
1実施形態では、顕微鏡は、好適には、蛍光寿命撮像(FLIM)、全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法に基づく、光学蛍光顕微鏡などの光学蛍光顕微鏡である。
1実施形態では、分光器は、好適には、広帯域分光器である。
【0109】
本発明はまた、光干渉断層撮影法(OCT:Optical Coherence Tomography)のための光干渉断層撮影器を備え、断層撮影器は、上述した照射源を備える。
【0110】
本発明はまた、上述した照射源を備える工業検査を含む。
範囲及び好適な範囲を含む上述した本発明の特徴及び本発明の実施形態はすべて、そのような特徴を組み合わせない特有の理由がない限り、本発明の範囲内で様々な形式で組み合わせることができる。
【0111】
本発明の上記及び/又は追加の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の以下の例示的かつ非限定的な説明によって、さらに解明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図1】本発明の1実施形態のフォトニック結晶ファイバの横断面図。
図2】本発明の別の実施形態のフォトニック結晶ファイバの横断面図。
図3】本発明のさらに別の実施形態のフォトニック結晶ファイバの横断面図。
図4a】本発明の1実施形態によるフォトニック結晶ファイバの側面図。
図4b】本発明の1実施形態によるフォトニック結晶ファイバの第1の長さ区間の横断面図。
図4c】本発明の1実施形態によるフォトニック結晶ファイバの第2の長さ区間の横断面図。
図5】本発明によるスーパーコンティニューム放射光源の1実施形態の概略図。
図6】主コーティング及び追加のコーティングがインライン処理で施される、炭素コーティングを施すための反応器を備えるコーティング・ステーションを備える延伸塔の概略図。
図7】主コーティング及び追加のコーティングがインライン処理で施される、金属コーティングを施すためのコーティング・ステーションを備える延伸塔の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0113】
これらの図は概略図であり、見やすいように簡略化されていることがある。全体にわたって、同一の部分又は対応する部分に対して同じ参照番号が使用される。
本発明のさらなる適用可能範囲は、後述する説明から明らかになるであろう。しかし、詳細な説明及び特有の例は、本発明の好適な実施形態を示すが、この詳細な説明から本発明の精神及び範囲内の様々な変更及び修正が当業者には明らかになるため、例示のみを目的として記載されていることを理解されたい。
【0114】
図1に示すフォトニック結晶ファイバは、コア1と、コア1を取り囲むクラッディング領域2、3とを有する。フォトニック結晶ファイバは、図示しない長さ及び長手方向軸を有し、この長手方向軸は、図示の実施形態では、コアの中心軸に一致する。クラッディング領域は、内側クラッディング領域2及び外側クラッディング領域3からなる。内側クラッディング領域は、含有物の形の複数の微細構造を含み、含有物は、フォトニック結晶ファイバの長手方向軸に沿って延びる。上述したように、含有物は、任意の材料を含むことができるが、有利には、空気含有物などの気体含有物である。有利には、含有物は、耐分解性の長さ区間の各端部など、ファイバの長さに沿って1つ又は複数の位置で押しつぶされており、1実施形態では、耐分解性の長さ区間は、上述したように、実質上フォトニック結晶ファイバの全長さである。
【0115】
理解されるように、フォトニック結晶ファイバの横断面図は、フォトニック結晶ファイバの耐分解性の長さ区間内の横断面図であり、耐分解性の長さ区間は、上述したように、フォトニック結晶ファイバの全長さ又はフォトニック結晶ファイバの長さの一部のみからなることができる。
【0116】
フォトニック結晶ファイバには、好適には水素分子及び/又は重水素分子(H2/D2)の形の図示しない水素及び/又は重水素が添加される。水素及び/又は重水素は通常、コア1とクラッディング領域2、3の両方に存在する。フォトニック結晶ファイバは、Tを下回る温度で水素及び/又は重水素に対して気密性がある主コーティング4を含む。様々なタイプの好適な主コーティングを上述した。
【0117】
フォトニック結晶ファイバは、機械的保護ならびに任意選択でフォトニック結晶ファイバへの所望の外観及び/又はテキスチャの提供のために、追加のコーティング5を含む。
使用の際、上述したように、フォトニック結晶ファイバが高いピーク・パワーの光にかけられるとき、この光は、コア材料内に欠陥を引き起こし得る。この作用は、様々な化学反応によって引き起こされると考えられており、光によって誘起される分解又は光黒化と呼ばれることもある。水素及び/又は重水素は、材料に化合することによって分解を緩和し、たとえば遊離基を消滅させることが判明されている。
【0118】
コア1内の水素及び/又は重水素が費やされるにつれて、新鮮な水素及び/又は重水素がクラッディング領域2、3からコア1へ移動する。水素及び/又は重水素に対して気密性がある主コーティング4のため、フォトニック結晶ファイバが使用中であるとき、又は使用前に保管されているとき、水素及び/もしくは重水素の必要とされる量を比較的低く
することができ、かつ/又はフォトニック結晶ファイバは、長時間、最高数年など、たとえば3、4、もしくはさらに5年以上にわたって、過度の分解から保護される。
【0119】
フォトニック結晶ファイバは、有利には、上述したようにシリカからできており、たとえばドープされる。
図2に示すフォトニック結晶ファイバは、コア11と、コア11を取り囲むクラッディング領域12とを有する。フォトニック結晶ファイバは、図示しない長さ及び長手方向軸を有し、この長手方向軸は、図示の実施形態では、コア11の中心軸に一致する。クラッディング領域12は、クラッディング背景材料12b内の含有物の形の複数の微細構造12aを含む。含有物12aは、フォトニック結晶ファイバの長手方向軸に沿って延びる。上述したように、含有物は、任意の材料を含むことができるが、有利には、空気含有物などの気体含有物である。有利には、含有物は、耐分解性の長さ区間の各端部など、ファイバの長さに沿って1つ又は複数の位置で押しつぶされており、1実施形態では、耐分解性の長さ区間は、上述したように、実質上フォトニック結晶ファイバの全長さである。
【0120】
複数の含有物12aは、コアを取り囲むいくつかの含有物リングを含むパターンで、クラッディング領域内に配置される。コアを取り囲む最も内側の含有物リングを、点線のリング12cで示す。
【0121】
理解されるように、フォトニック結晶ファイバの横断面図は、フォトニック結晶ファイバの耐分解性の長さ区間内の横断面図であり、耐分解性の長さ区間は、上述したように、フォトニック結晶ファイバの全長さ又はフォトニック結晶ファイバの長さの一部のみからなることができる。
【0122】
フォトニック結晶ファイバは、Tを下回る温度で水素及び/又は重水素に対して気密性がある主コーティング14を含む。様々なタイプの好適な主コーティングを上述した。
フォトニック結晶ファイバは、クラッディングとしてのあらゆる作用を有するのに十分なほどコア11から遠い追加の材料層16を含む(すなわち、材料層16の材料の屈折率は、コアの光案内に影響しない)。
【0123】
クラッディング領域の含有物12aの最も外側と主コーティング14との間の径方向距離17は、少なくとも約10μmである。
追加の材料層16は、クラッディング背景材料12bと同じ又は異なる材料とすることができる。追加の材料層16は、有利には、水素及び/又は重水素に対して高い容量を有し、それによって水素及び/又は重水素に対するリザーバとして作用するように選択される。
【0124】
フォトニック結晶ファイバには、上述したように、図示しない水素及び/又は重水素が添加される。水素及び/又は重水素は通常、コア11とクラッディング領域12の両方、ならびに追加の材料層16内に存在する。
【0125】
使用の際、上述したように、フォトニック結晶ファイバが高いピーク・パワーの光にかけられるとき、コア11内の水素及び/又は重水素が費やされるにつれて、新鮮な水素及び/又は重水素がクラッディング領域12及び材料層16からコア11へ移動する。水素及び/又は重水素に対して気密性がある主コーティング14のため、フォトニック結晶ファイバが使用中であるとき、又は使用前に保管されているとき、水素及び/もしくは重水素の必要とされる量を比較的低くすることができ、かつ/又はフォトニック結晶ファイバは、長時間、最高数年など、たとえば3、4、もしくはさらに5年以上にわたって、過度の分解から保護される。
【0126】
フォトニック結晶ファイバは、有利には、上述したようにシリカからできており、たとえばドープされる。
図3に示すフォトニック結晶ファイバは、コア21と、コア21を取り囲むクラッディング領域22、23とを有する。フォトニック結晶ファイバは、図示しない長さ及び長手方向軸を有し、この長手方向軸は、図示の実施形態では、コア21の中心軸に一致する。
【0127】
クラッディング領域は、内側クラッディング領域22及び外側クラッディング領域23からなる。内側クラッディング領域22は、内側クラッディング背景材料22b内に内側含有物22aを含む。外側クラッディング領域23は、外側クラッディング背景材料22b内に外側含有物23aを含む。
【0128】
内側含有物22aは、2つの内側含有物リングを含み、外側含有物23aは、5つの外側含有物リングを含む。
含有物22a、23aは、フォトニック結晶ファイバの長手方向軸に沿って延びる。上述したように、含有物は、任意の材料を含むことができるが、有利には、空気含有物などの気体含有物である。有利には、含有物は、耐分解性の長さ区間の各端部など、ファイバの長さに沿って1つ又は複数の位置で押しつぶされており、1実施形態では、耐分解性の長さ区間は、上述したように、実質上フォトニック結晶ファイバの全長さである。
【0129】
内側クラッディング領域22の背景材料22b及び外側クラッディング領域23の背景材料23b、ならびに任意選択でコア材料は、有利には、シリカなどの同じ材料であり、任意選択でフッ素ドープされる。
【0130】
理解されるように、フォトニック結晶ファイバの横断面図は、フォトニック結晶ファイバの耐分解性の長さ区間内の横断面図であり、耐分解性の長さ区間は、上述したように、フォトニック結晶ファイバの全長さ又はフォトニック結晶ファイバの長さの一部のみからなることができる。
【0131】
フォトニック結晶ファイバは、Tを下回る温度で水素及び/又は重水素に対して気密性がある主コーティング24を含む。様々なタイプの好適な主コーティングを上述した。
フォトニック結晶ファイバは、クラッディングとしてのあらゆる作用を有するのに十分なほどコア21から遠い追加の材料層26を含む。
【0132】
追加の材料層26は、この実施形態では、クラッディング背景材料23bと同じである。
内側クラッディング領域の内側含有物22aの最も外側と主コーティング24との間の径方向距離27は、少なくとも約10μmである。
【0133】
フォトニック結晶ファイバには、上述したように、図示しない水素及び/又は重水素が添加される。水素及び/又は重水素は通常、コア21とクラッディング領域22、23の両方、ならびに追加の材料層26内に存在する。
【0134】
使用の際、上述したように、フォトニック結晶ファイバが高いピーク・パワーの光にかけられるとき、コア21内の水素及び/又は重水素が費やされるにつれて、新鮮な水素及び/又は重水素がクラッディング領域22、23及び材料層26からコア21へ移動する。
【0135】
図4a、図4b、及び図4cは、2つの継ぎ合わせたファイバ長さ区間を含むフォトニック結晶ファイバ30の1実施形態を示し、少なくとも1つの継ぎ合わせたファイバ長さ区間は、上述した耐分解性の長さ区間であり、又はそのような耐分解性の長さ区間を含む
。このタイプのファイバは、継ぎ合わせた縦続接続型光ファイバとも呼ばれる。図4bは、第1の長さ区間31の横断面図であり、図4cは、第1の長さ区間に継ぎ合わされた第2の長さ区間32の横断面図である。好適には、少なくともフォトニック結晶ファイバの第1の長さ区間31は、上述した耐分解性の長さ区間である。
【0136】
フォトニック結晶ファイバ30は、第1の波長λ、たとえば約900nm~約1100nmを有する光をフォトニック結晶ファイバ30の入射端34内へ送出する際に、スーパーコンティニューム光を生成するように配置される。
【0137】
光ファイバ30は、その長さに沿って、第1の長さ区間31と、第2の長さ区間32と、第1の長さ区間32と第2の長さ区間33との間の継ぎ目33とからなる。光ファイバ30は、任意選択で、含有物を閉じるために、図示しないエンド・キャップを含むことができる。
【0138】
第1の長さ区間31は、第1のコア直径Wを有するコア41aと、第1のピッチΛ、第1の含有物直径d、及び第1の含有物相対サイズΛ/dを有するクラッディング領域42aとを有する。第1の長さ区間は、Tを下回る温度で水素及び/又は重水素に対して気密性がある主コーティング44aを含む。様々なタイプの好適な主コーティングを上述した。少なくとも第1の長さ区間には、水素及び/又は重水素が添加される。
【0139】
第2の長さ区間32は、第2のコア直径Wを有するコア41bと、第2のピッチΛ、第2の含有物直径d、及び第2の含有物相対サイズΛ/dを有するクラッディング領域42bとを有する。
【0140】
有利には、第1のコア直径W、第1のピッチΛ、第1の含有物直径d、及び第1の含有物相対サイズΛ/dの寸法の少なくとも1つは、第2の長さ区間32の第2のコア直径W、第2のピッチΛ、第2の含有物直径d、及び第2の含有物相対サイズΛ/dの対応する寸法とは異なる。
【0141】
第1の長さ区間31全体にわたって、ファイバの寸法は実質上一定であり、第2の長さ区間32全体にわたって、ファイバの寸法は実質上一定である。
第1の長さ区間31及び第2の長さ区間32のそれぞれの長さは、この実施形態では、それぞれ1~10m及び10mである。しかし、これらの長さは単なる例として記載されており、ファイバ長さ区間は、原則的に、任意の他の長さを有することができることを理解されたい。
【0142】
図5は、スーパーコンティニューム光源の概略図である。スーパーコンティニューム光源50は、上述した耐分解性の長さ区間を有するフォトニック結晶ファイバ54と、ポンプ源52とからなる。フォトニック結晶ファイバは、入射端55及び出力端56という2つの端部を有する。図5で、フォトニック結晶ファイバ54の入射端55は、ポンプ源52からのポンプ・パルスのモードを適合させるモード・アダプタ58を有し、又はモード・アダプタ58に光学的に接続される。図5で、モード・アダプタ58は、光ファイバ54より大きいかのように示されているが、これは例示のみを目的としており、実際には、モード・アダプタは、任意の適した外寸、たとえば光ファイバ54の外寸に類似の外寸を有することができる。光ファイバ54の出力端56は、自由端であるかのように示されているが、出力端は、エンド・キャップを有することもあり、又はさらなる機器に継ぎ合わされることもある。
【0143】
ポンプ光源52は、供給ファイバ57及びモード・アダプタ58を介してフォトニック結晶ファイバ54内へ光を送出するように配置された出力53を有し、フォトニック結晶
ファイバ内にスーパーコンティニューム・スペクトルが生成され、フォトニック結晶ファイバの出力端56から出力される。供給ファイバ57は、たとえば省略してもよく、又はたとえばレンズなどの光学素子に置き換えてもよい。
【0144】
図6に示す延伸塔は、プリフォーム63aからフォトニック結晶ファイバ63を延伸する処理にある。プリフォームは、フォトニック結晶ファイバ内の気体含有物の圧力を制御する1つ又は複数の圧力チャンバからなる圧力制御チャンバ61内に密閉される。底部が炉62内へ延び、炉62では、プリフォームの底部が加熱されて、フォトニック結晶ファイバ63の延伸が可能になる。フォトニック結晶ファイバの速度、及びそれによるフォトニック結晶ファイバ直径は、フォトニック結晶ファイバを延伸塔の様々なステーションに通す延伸ホイール69によって制御される。フォトニック結晶ファイバ63の速度は調整可能であり、炉62の温度及びフォトニック結晶ファイバ63の速度を調整することによって、ファイバの直径を調整することができる。フォトニック結晶ファイバは監視ステーション67aを通過し、監視ステーション67aでは、炉62からのフォトニック結晶ファイバの直径がインラインで監視される。
【0145】
フォトニック結晶ファイバ63は、監視ステーション67aから出て、主炭素コーティングを施すためのコーティング・ステーションへ進む。
フォトニック結晶ファイバ63は反応器64の反応器チャンバを通過し、矢印で示すように、反応器内で実質上一定の量の新鮮なガスを維持するように、連続する流れで反応ガスが導入及び排出される。
【0146】
フォトニック結晶ファイバ63が反応器64に入るときに十分に高い温度を有することを確実にするために、反応器は、フォトニック結晶ファイバ63が炉62を離れる位置に比較的近接して位置決めされることが望ましい。別法として、反応器の前にオーブンを位置決めして、フォトニック結晶ファイバ63を予熱することができるが、後者の代替実施形態は、オーブンの追加のコストがかかるため好ましくない。
【0147】
炭素層の厚さは、たとえば、反応ガス内の反応性の炭素質ガスの濃度を調整することによって、又はフォトニック結晶ファイバ速度を変化させることによって、調整することができる。
【0148】
炭素コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、反応器から出て、追加のコーティングを施すための追加のコーティング・ステーションへ進む。追加のコーティング・ステーションは、図示の実施形態では、高分子コーティング・ステーション65である。コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、コーティング・ステーションから出て、同心性モニタ67bへ進み、さらに硬化ステーション66へ進み、硬化ステーション66では、高分子コーティングが光によって硬化される。
【0149】
コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、硬化ステーション66から出て、ファイバ直径を監視する追加のモニタ67cへさらに進む。コーティングされたフォトニック結晶ファイバ63は、延伸ホイール69から出て、スプール68上へ巻き取られる。
【0150】
コーティングされたフォトニック結晶ファイバ63には、有利には、添加チャンバ内でスプール68上のコーティングされたフォトニック結晶ファイバを水素及び/又は重水素にかけることによって、スプール上で水素又は重水素を添加することができる。
【0151】
図7に示す延伸塔は、プリフォーム73aからフォトニック結晶ファイバ73を延伸する処理にある。プリフォームは、フォトニック結晶ファイバ内の気体含有物の圧力を制御する1つ又は複数の圧力チャンバからなる圧力制御チャンバ71内に密閉される。底部が
炉72内へ延び、炉72では、プリフォームの底部が加熱され、ファイバ73は所望の厚さまで延伸される。ファイバの速度は、フォトニック結晶ファイバ73を延伸塔の様々なステーションに通す延伸ホイール79によって制御される。ファイバは、炉72から出て、監視ステーション77aを通過し、監視ステーション77aでは、ファイバの直径がインラインで監視される。
【0152】
フォトニック結晶ファイバ73は、監視ステーション77aから出て、主金属コーティングを施すためのコーティング・ステーション74へ進む。
コーティング・ステーション74は、比較的高い温度の液体金属溶融物を含むが、均一のコーティング層を確保するために、ファイバは、溶融物の温度を下回る温度を有するべきである。コーティング・ステーション74の前に送風機又は類似の冷却手段を適用して、冷気70を吹き付けてフォトニック結晶ファイバ73を冷却することができる。
【0153】
適した溶融物温度を表1に示す。
【0154】
【表1】
フォトニック結晶ファイバ73は、ファイバ延伸速度に等しい所望の速度で金属溶融物を通過する。金属コーティングの厚さは、たとえば、コーティング・ステーション74の溶融物チャンバ内の溶融物の量又はファイバ速度を調整することによって調整することができる。
【0155】
金属コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、コーティング・ステーション74から出て、追加のコーティングを施すための追加のコーティング・ステーション75へさらに進む。追加のコーティング・ステーション75は、図示の実施形態では、高分子コーティング・ステーション75である。コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、コーティング・ステーション75から出て、同心性モニタ77bへ進み、さらに硬化ステーション76へ進み、硬化ステーション76では、高分子コーティングが光によって硬
化される。
【0156】
コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、硬化ステーション76から出て、ファイバ直径を監視する追加のモニタ77cへさらに進む。コーティングされたフォトニック結晶ファイバは、延伸ホイール79から出て、スプール78上へ巻き取られる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7