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特許7244234屈折率分布型(GRIN)スポークレンズ及び動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】屈折率分布型(GRIN)スポークレンズ及び動作方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/00 20060101AFI20230314BHJP
   H01Q 15/08 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
G02B3/00 B
H01Q15/08
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018153887
(22)【出願日】2018-08-20
(65)【公開番号】P2019056902
(43)【公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】15/710,159
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】コリン・アンソニー・マイナー・ディール
(72)【発明者】
【氏名】コーリー・マッキニー・タッカー
【審査官】植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/011722(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/003939(WO,A1)
【文献】米国特許第5677796(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0322703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/00- 3/14
G02B 1/00- 1/08
H01Q15/00-19/32
H01Q21/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部分(104)と、
前記中心部分(104)と接触し、周縁領域に延在する複数のスポーク部分(108、112)であって、前記複数のスポーク部分(108、112)が、前記中心部分(104)から前記周縁領域まで延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分(108、112)を含む、複数のスポーク部分(108、112)と、を含み、
前記中心部分(104)及び前記複数のスポーク部分(108、112)が、前記複数のスポーク部分(108、112)の間に複数のキャビティ領域(110)を画定し、
前記中心部分(104)、前記複数のスポーク部分(108、112)、及び前記複数のキャビティ領域(110)が、前記中心部分(104)からの半径方向距離に基づく複数の有効誘電率を有する屈折率分布型(GRIN)レンズ(100)に含まれ、
前記複数のスポーク部分(108、112)の各スポーク部分(108、112)が、前記中心部分から前記周縁領域に向かうにつれて太くなる幅を有する、装置。
【請求項2】
前記複数のスポーク部分(108、112)に結合され、前記周縁領域を画定する外側リング構造(120)をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のスポーク部分(108、112)の各スポーク部分(108、112)が、テーパー形状(422)を有する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のモノリシックスポーク部分(108、112)の幅(W1、W2、W3、W4)が、前記テーパー形状(422)を形成するために前記半径方向距離に基づいて変化する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のスポーク部分(108、112)の数が、前記GRINレンズ(100)に関連付けられた周波数と関係する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の有効誘電率が、連続的な範囲の有効誘電率(412)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記GRINレンズがさらに、集束された電磁信号(314)を送信するために、電磁信号(312)を集束し、または集束された電磁信号(318)を受信するために、電磁信号(314)を集束するように構成された、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
集束された電磁信号(314)を前記GRINレンズ(100)を介して送信するように構成されたアンテナ(304)または集束された電磁信号(318)を前記GRINレンズ(100)を介して受信するように構成されたアンテナ(308)をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
屈折率分布型(GRIN)レンズ(100)において電磁信号(312)または電磁信号(314)を受信する段階と、
前記GRINレンズ(100)の中心部分(104)からの半径方向距離に基づき、さらに前記GRINレンズ(100)の中心部分(104)及び複数のスポーク部分(108、112)によって画定される複数のキャビティ領域(110)に基づく、複数の有効誘電率に基づいて、前記GRINレンズ(100)において前記電磁信号(312)または前記電磁信号(314)を変更する段階と、を含み、
前記複数のスポーク部分(108、112)が、前記GRINレンズ(100)の前記中心部分(104)から周縁領域へ延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分(108、112)を含み、
前記複数のスポーク部分(108、112)の各スポーク部分(108、112)が、前記中心部分から前記周縁領域に向かうにつれて太くなる幅を有する、方法。
【請求項10】
前記電磁信号(314)を集束して、電磁信号(318)を受信器アンテナ(308)に送信する段階をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電磁信号(314)が、通信チャンネル(320)を介して送信器アンテナ(304)から受信される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の有効誘電率が、連続的な範囲の有効誘電率(412)を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のスポーク部分(108、112)の数が、前記電磁信号(312)または前記電磁信号(314)の周波数に関係する、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
集束された前記電磁信号(314)を送信し、または集束された前記電磁信号(318)を受信するように、前記GRINレンズ(100)が前記電磁信号(312)または前記電磁信号(314)を集束する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記GRINレンズ(100)を通して、アンテナ(304)が集束された前記電磁信号(314)を送信し、またはアンテナ(308)が集束された前記電磁信号(318)を受信する、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電磁信号を集束するレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、電磁(Electromagnetic、EM)信号を使用して通信しうる。例えば、データは、EM信号を使用して表され、EM信号は1つの電子デバイスのアンテナから別の電子デバイスのアンテナへ、無線ネットワークなどの通信ネットワークを介して提供されうる。
【0003】
長距離通信に関して、アンテナからのEM信号は、皿構造(例えばパラボラディッシュ)またはレンズ、例えば屈折率分布型(Gradient Index、GRIN)レンズを用いて集束されうる。皿構造またはレンズは重く、大きくなることがあり、これはコストを増大させうる。皿構造またはレンズの大きさを低減することにより、EM信号の増幅率が減少する可能性があり、これはEM信号の信号品質を低下させることとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な例において、本装置は、中心部分と、中心部分と接触し、周縁領域に延在する複数のスポーク部分と、を含む。複数のスポーク部分が、中心部分から周縁領域まで延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分を含み、中心部分及び複数のスポーク部分が、複数のスポーク部分の間に複数のキャビティ領域を画定する。中心部分、複数のスポーク部分、及び複数のキャビティ領域が、中心部分からの半径方向距離に基づく複数の有効誘電率を有する屈折率分布型(GRIN)レンズに含まれる。
【0005】
別の例において、本方法は、GRINレンズにおいて電磁波形を受信する段階を含む。本方法はさらに、複数の有効誘電率に基づいて、GRINレンズにおいて電磁波形を変更する段階を含む。複数の有効誘電率は、GRINレンズの中心部分からの半径方向距離に基づき、さらにGRINレンズの中心部分及び複数のスポーク部分によって画定される複数のキャビティ領域に基づく。複数のスポーク部分が、GRINレンズの中心部分から周縁領域へ延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分を含む。
【0006】
別の例において、本装置は、中心部分と、中心部分と接触し、周縁領域へ延在する複数のスポーク部分と、を含む。中心部分及び複数のスポーク部分は、複数のスポーク部分の間に複数のキャビティ領域を画定する。複数のキャビティ領域は、中心部分から周縁領域まで延在する少なくとも第1のモノリシックキャビティ領域を含む。中心部分、複数のスポーク部分、及び複数のキャビティ領域は、中心部分からの半径方向距離に基づく複数の有効誘電率を有するGRINレンズに含まれる。
【0007】
説明された特徴、機能及び利点は、様々な実施形態で独立に達成され、またはさらに別の実施形態と組み合わされてもよく、そのさらなる詳細は以下の説明及び図面を参照して明らかにされうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ハブアンドスポーク構成を有する屈折率分布型(GRIN)レンズの1つの例の特定の態様の斜視図を示す概略図である。
図2図1のGRINレンズの特定の態様の平面図を示し、さらに図1のGRINレンズの態様の詳細図を示す別の概略図である。
図3図1のGRINレンズを含む通信システムの一例を示す図である。
図4図1のGRINレンズの特定の例に関するグラフを示す図である。
図5図1のGRINレンズの動作方法の一例を示すフロー図である。
図6】本開示に従う、コンピュータ実装された方法の実施形態及び、コンピュータ実行可能なプログラム命令(またはコード)をサポートするように構成された汎用計算デバイスを含む計算環境のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的な例において、屈折率分布型(GRIN)レンズは、「ハブアンドスポーク」構成を有する。GRINレンズは、3D印刷プロセスを用いて製造されてもよく、これによってGRINレンズに関するコストを低減する。例えば、GRINレンズのスポークの数及び幅は、GRINレンズの機能する周波数を変更するために変更されてもよく、各周波数ごとに新しいレンズ構成を生成するのに比べてコスト及び複雑さを低減する。
【0010】
GRINレンズのスポークは、テーパー形状を有する。例えば、GRINレンズの幅は、GRINレンズのハブからの半径方向距離の関数として減少しうる。結果的に、GRINレンズの有効誘電率は半径方向距離の関数として「連続的に」変化し、誘電率の「離散的な」変化を有する従来のGRINレンズと比べてレンズの性能が向上する。
【0011】
図1は、屈折率分布型(GRIN)レンズ100の特定の例示的な例の特定の態様を示している。GRINレンズ100はハブアンドスポーク構成を有し、(例えば、従来のGRINデバイスのように「離散的に」または「段階的に」誘電率が変化するのではなく)GRINレンズ100の中心部分104からの半径方向距離に基づいて変化する「連続的に」変化する誘電率に基づいて、電磁放射を集束するように構成される。
【0012】
特定の例において、GRINレンズ100は、通信システムに含まれる。例えば、GRINレンズ100は、送信アンテナから提供された電磁(EM)信号を集束するように構成されうる。代替的に、または追加的に、GRINレンズ100は、送信アンテナから(例えば通信ネットワークを介して)受信され、受信アンテナへ提供されることとなるEM信号を集束するように構成されうる。例示的な例において、システムは、GRINレンズ100を通してEM信号を送信または受信するように構成されたアンテナを含む。
【0013】
GRINレンズ100は、中心部分104及び、中心部分104と接触した複数のスポーク部分を含む。例えば、複数のスポーク部分は、第1のスポーク部分108及び第2のスポーク部分112を含む。
【0014】
中心部分104及び複数のスポーク部分は、複数のスポーク部分の間の複数のキャビティ領域を画定する。例えば、第1のスポーク部分108及び第2のスポーク部分112は、キャビティ領域110を画定する。例示的な例において、複数のキャビティ領域は、エアギャップまたは真空ギャップに対応する。別の実装例において、複数のキャビティ領域のうち1つまたは複数は、複数のスポーク部分に含まれる第1の材料とは異なる第2の材料(例えば、プラスチックまたはその他の材料)などの材料で満たされ、またはそのような材料を含みうる。第2の材料は、第1の材料とは異なる誘電率を有しうる。
【0015】
複数のスポーク部分は、GRINレンズ100の周縁領域へ延在する。図1の例において、GRINレンズ100は、外側リング構造120を含む。別の実装例において、外側リング構造120は省略されうる。図1において、外側リング構造120は複数のスポーク部分に結合され、GRINレンズ100の周縁領域を画定する。
【0016】
特定の例において、中心部分104は、GRINレンズ100の複数のスポーク部分に関連付けられた誘電率よりも大きな誘電率に関連付けられる。この例において、GRINレンズ100は凸レンズに対応し、電磁信号を集束するように構成されうる。別の例において、GRINレンズは凹レンズのような別のレンズに対応しうる。この場合、中心部分104は、GRINレンズ100の複数のスポーク部分に関連付けられた誘電率よりも小さな誘電率に関連付けられうる。さらに、GRINレンズ100の複数のスポーク部分は、中心部分104または外側リング構造120に向かってテーパー形状でありうる(例えば、複数のスポーク部分の幅は、中心部分104からの半径方向距離とともに増大または減少しうる)。いくつかの実装例において、外側リング構造120は、GRINレンズ100から省略される(例えば、複数のスポーク部分は中心部分104で接続するが、GRINレンズ100の周縁部分で接続しない)。別の実装例において、中心部分104はGRINレンズ100から省略される(例えば、複数のスポーク部分は外側リング構造120で接続するが、GRINレンズ100の中心で接続しない)。
【0017】
複数のスポーク部分は、少なくとも第1のモノリシックスポーク部分を含む。特定の例において、複数のスポーク部分の各スポーク部分は、中心部分104から周縁領域へ延在するモノリシックスポーク部分に対応する。本明細書で使用されるように、「モノリシック」スポーク部分は、直線を形成する少なくとも何らかの材料を含む連続的な領域を含むスポーク部分を指す。モノリシックスポーク部分の特定の例示的な例が、図2を参照してさらに説明される。
【0018】
GRINレンズ100は、中心部分104からの半径方向距離に基づく、複数の有効誘電率を有する(例えば、GRINレンズ100の各半径は、特定の有効誘電率に関連付けられる)。本明細書で使用されるように、「有効」誘電率は、GRINレンズ100の一部分に関連付けられた平均誘電率を指し、平均誘電率はGRINレンズ100の別の部分の誘電率に影響される。例えば、有効誘電率は、その部分への距離に基づいて別の誘電率に重みづけをする重みづけ平均を用いて決定されうる。特定の例において、有効誘電率は、GRINレンズ100を製造するために使用される1つまたは複数の材料の誘電率によって、及びGRINレンズ100のキャビティの誘電率(これは1にほぼ等しくなりうる)によって影響される。
【0019】
特定の例において、GRINレンズ100のスポーク部分はテーパー形状を有し、スポーク部分の幅は、テーパー形状を形成するために中心部分104からの半径方向距離に基づいて変化する。結果的に、この例において、複数の有効誘電率が、複数のスポーク部分のテーパー形状に基づいて連続的な範囲の有効誘電率を含む。さらに例示すると、複数のスポーク部分の「スムーズな」テーパー形状は、GRINレンズ100の有効誘電率の「スムーズな」遷移をもたらしうる(例えば、有効誘電率の不連続な、または段階的な変化の代わりに)。GRINレンズ100に関する誘電率の特定の例示的な例が、さらに図4を参照して説明される。
【0020】
GRINレンズ100は、高さLを有しうる。いくつかの実装例において、高さLは、GRINレンズ100の各部分において実質的に一定でありうる。別の実装例において、高さLは、例えば高さLが中心位置104からの半径方向距離に従って増加するか、または減少するように、中心位置104からの半径方向距離に従って変化しうる。
【0021】
特定の例において、GRINレンズ100に含まれるスポーク部分の数は、GRINレンズ100に関する周波数に関連する。例えば、スポーク部分の数は、GRINレンズ100に提供されることとなる信号の特定の周波数または周波数範囲に基づいて選択されうる。
【0022】
特定の例において、GRINレンズ100は、光通信ネットワークなどの通信ネットワークを介して送信されることとなる、または受信されることとなるEM信号を集束する(例えば、コリメートする)ように構成される。GRINレンズ100は、遠距離場高利得信号を送信または受信するためにEM放射を集束するように構成されうる。
【0023】
特定の例において、GRINレンズ100は、例示的な例として、3D印刷プロセスまたは焼成プロセスなどの、付加的コンピュータ処理製造プロセスを用いて製造される。代替的に、または追加的に、GRINレンズ100は、例示的な例としてミリングプロセスなどの、除去的コンピュータ処理製造プロセスを用いて製造されうる。特定の例において、GRINレンズは、例示的な例として、フォトリソグラフィとエッチングの複合プロセスなどの、1つまたは複数の付加的コンピュータ処理製造プロセス並びに1つまたは複数の付加的及び1つまたは複数の除去的コンピュータ処理製造プロセスの組合せを用いて製造される。
【0024】
GRINレンズ100は、単一の材料または複数の材料を用いて(例えば、例示的な例として、主材料及び1つまたは複数のドーパント材料を用いて)製造されうる。例を示すと、図1の例において、GRINレンズ100は、主材料130及びドーパント材料132を含む。図1の例は主材料130及びドーパント材料132を、外側リング構造120に含まれるものとして示しているが、主充填材料130及びドーパント材料132は、(外側リング構造120に含まれることに代えて、またはそれに加えて)GRINレンズ100のスポーク部分の1つもしくは複数、またはGRINレンズ100の中心部分104に含まれうることは了解されるべきである。
【0025】
GRINレンズ100は、中心部分104からの距離に基づき、勾配関数に従う誘電率を有する。例えば、誘電率は、中心位置104からの距離が大きくなるほど減少しうる。特定の応用例に応じて、GRINレンズ100は、小型軽量アンテナとして(例えば、重いパラボラディッシュアンテナの代替として)、モバイルデバイスのための薄型高利得アンテナとして、低出力スイッチビームアンテナとして(例えば、フェーズドアレイの代替として)、ホーンアンテナとして、別のデバイスとして、またはそれらの組合せとして実装されうる。
【0026】
図1のGRINレンズ100は、特定のデバイスに関するコストを低減しうる。例えば、GRINレンズ100は、より大きなデバイス(例えば、重いパラボラディッシュアンテナ)の代わりに実装されてもよく、これは送信デバイス、受信デバイスまたはその両方のコスト及び複雑さを低減しうる。
【0027】
図2は、図1のGRINレンズ100の特定の態様の平面図を示している。図2はさらに、図1のGRINレンズの一部の詳細図250を示している。
【0028】
詳細図250は、第1のスポーク部分108、キャビティ領域110及び第2のスポーク部分112の特定の例示的な態様を示している。図2において、スポーク部分108、112は、中心部分104から外側リング構造120に延在するモノリシックスポーク部分に対応する。図2はまた、キャビティ領域110が、中心部分104から外側リング構造120へ延在するモノリシックキャビティ領域に対応することも示している。本明細書で使用されるように、「モノリシック」キャビティ領域は、連続的なキャビティ領域を指しうる。
【0029】
スポーク部分108、112はそれぞれ、中心部分104からの半径方向距離に従って変化するテーパー形状を有する。例えば、図2において、中心部分104からの第1の半径方向距離における第1のスポーク部分108の第1の幅W1は、中心部分104からの第2の半径方向距離における第1のスポーク部分108の第2の幅W2とは異なる。例えば、第1の半径方向距離は第2の半径方向距離よりも小さくてもよく、第1の幅W1は第2の幅W2よりも小さくてもよい。別の例として、中心部分104からの第3の半径方向距離における第2のスポーク部分112の第3の幅W3は、中心部分104からの第4の半径方向距離における第2のスポーク部分112の第4の幅W4とは異なる。例えば、第3の半径方向距離は第4の半径方向距離よりも小さくてもよく、第3の幅W3は第4の幅W4よりも小さくてもよい。特定の例において、第1の幅W1は第3の幅W3に対応し、第1の半径方向距離は第3の半径方向距離に対応する。特定の例において、第2の幅W2は第4の幅W4に対応し、第2の半径方向距離は第4の半径方向距離に対応する。
【0030】
さらに、図2の例において、スポーク部分108、112はそれぞれ、「双」テーパー形状を有し、このときスポーク部分108、112の断面積は、中心部分104からの特定の距離まで、中心部分104からの半径方向距離とともに増大し、特定の距離を超えると半径方向距離に従って減少する。例えば、図2において、中心部分104からの第5の半径方向距離における第1のスポーク部分108の第5の幅W5は第2の幅W2よりも小さい。別の例において、中心部分104からの第6の半径方向距離における第2のスポーク部分112の第6の幅W6は第4の幅W4よりも小さい。
【0031】
図2はスポーク部分108、112の特定の形態を示しているが、その他の例も本開示の範囲内にあることは了解されるべきである。例えば、「双」テーパー形状ではなく、スポーク部分108、112は「単一」テーパー形状を有しうる(例えば、スポーク部分108、112の断面積が、スポーク部分108、112の延在部分全体にわたって中心部分104からの距離とともに増大する)。別の例として、スポーク部分108、112は「逆」双テーパー形状を有しうる(例えば、スポーク部分108,112の断面積は、中心部分104から特定の距離まで、中心部分104からの半径方向距離とともに減少し、特定の距離を超えると半径方向距離とともに増大する)。他の例において、スポーク部分108、112は、1つまたは複数の別の形状を有しうる。
【0032】
特定の例において、GRINレンズ100は、ある充填比gを有する(例えば、gは、GRINレンズ100のキャビティ体積に対するスポーク部分体積の比を示す)。充填比gは、GRINレンズ100のスポーク部分の数、もしくはGRINレンズ100のスポーク部分の幅の1つまたは複数に基づく。例示的な例として、充填比gはg=(Nw)/(2πr)に従って決定されてもよく、NはGRINレンズ100のスポークの数を示し、wはGRINレンズ100の特定の半径rにおけるスポークの幅を示す。
【0033】
GRINレンズ100は、有効誘電率ε_lens=ε_0(1-(α/2)r^2)を有する自己集束(SELFOC)構成を有してもよく、rはGRINレンズ100の特定の半径を示し、ε_0はGRINレンズ100の中心部分104の誘電率(例えば、GRINレンズ100を製造するのに使用される材料の誘電率)を示し、αは定数(例えば、GRINレンズ100に関する「最大」及び「最小」誘電率に基づいて決定される値)を示す。特定の例において、α=2(ε_0-ε_min)/(ε_o(R^2))であり、ε_minは、GRINレンズ100の縁における「最小」誘電率(例えば、外側リング構造120の有効誘電率)を指し、RはGRINレンズ100の「最大」半径(例えば、中心部分104から外側リング構造120までの半径方向距離)を指す。
【0034】
GRINレンズ100のスポーク部分の幅は、充填比gに基づいて、有効誘電率ε_lensに基づいて、1つもしくは複数の別のパラメータに基づいて、またはそれらの組合せに基づいて決定されうる。特定の例において、GRINレンズ100の有効誘電率ε_effは、ε_eff=g(ε_0-1)+1に対応する。有効誘電率ε_effは特定の値(例えば、GRINレンズ100の所望の有効誘電率)に設定されてもよく、GRINレンズ100のスポーク部分の幅は数式1に基づいて決定されてもよい。
【0035】
【数1】
【0036】
特定の例示的な例において、GRINレンズ100の高さは、GRINレンズ100の特定の焦点距離を決定するために選択される。例えば、特定の例において、背面焦点距離(back focal length、bfl)は、GRINレンズ100の背面からGRINレンズ100の焦点までの距離に対応しうる。非限定的な例示的な例において、bfl=1/(N*sqrt(α)*tan(L*sqrt(α)))であり、LはGRINレンズ100の高さを指す。その他の例において、GRINレンズ100の焦点距離は異なるものであってもよく、1つまたは複数の別のパラメータを用いて決定されてもよい。
【0037】
図2を参照して説明された1つまたは複数の態様は、特定のデバイスに関するコストを低減しうる。例えば、図2の1つまたは複数の態様は、GRINレンズ100の特定の態様を設計して特定の仕様に合わせるために使用されうる。例示的な例において、有効誘電率は、数式1に従ってGRINレンズ100のスポーク部分の幅を選択する(または変化させる)ことによって達成され(または変更され)てもよく、これによって、異なる有効誘電率のそれぞれについてレンズを再設計する技術と比較して、コスト及び複雑さを低減しうる。
【0038】
図3は、図1のGRINレンズに対応する1つまたは複数のGRINレンズを含む通信システム300の例を示している。
【0039】
通信システム300は、送信器アンテナ304を含む。図3において、送信器アンテナ304は、EM信号312を発生させ、EM信号312を図1のGRINレンズ100のようなGRINレンズに提供するように構成される。GRINレンズ100は、EM信号312を変更して(例えばEM信号312を集束することによって)EM信号314を発生させるように構成される。
【0040】
EM信号314は、通信チャンネル320(例えば、例示的な例として、無線通信チャンネルまたは光ファイバー通信チャンネル)を介して1つまたは複数の受信器デバイスに提供されうる。例えば、GRINレンズ(例えばGRINレンズ100)は、通信チャンネル320を介してEM信号314を受信し、EM信号314を変更して(例えばEM信号314を集束することによって)、EM信号318を生成するように構成されうる。EM信号318は、EM信号312に対応しうる。EM信号318は、受信器アンテナ308に提供されうる。
【0041】
図3の通信システム300の1つまたは複数の態様は、特定のデバイスに関するコストを低減しうる。例えば、GRINレンズ100は、通信システム300内のより大きなデバイス(例えば、重いパラボラディッシュアンテナ)に代えて実装されてもよく、これによって送信器デバイス、受信器デバイスまたはその両方のコスト及び複雑さを低減しうる。
【0042】
図4は、図1のGRINレンズの特定の例に関するグラフを示す図である。図4のグラフは例示のために提供されたものであり、その他の例も本開示の範囲内にあることは了解されるべきである。
【0043】
図4は、第1のグラフ410を示している。第1のグラフ410の横座標は、GRINレンズ100の中心部分104からの半径方向距離に対応し、第1のグラフ410の縦座標は、GRINレンズ100の有効誘電率に対応する。第1のグラフ410は、GRINレンズ100が連続的な範囲の有効誘電率412を有しうることを示している。図4の例は、連続的な範囲の有効誘電率412が、放物線、または実質的に放物線の分布を有しうることを示している。別の実装例において、例示的な例として、連続的な範囲の有効誘電率412は、連続的な範囲の有効誘電率412の軸方向分布または連続的な範囲の有効誘電率412の半径方向分布などの別の分布を有しうる。
【0044】
図4は、第2のグラフ420も示している。第2のグラフ420は、GRINレンズ100の1つまたは複数のスポーク部分に対応しうる。第2のグラフ420の横座標は中心部分104からの半径方向距離に対応し、第2のグラフ420の縦座標はGRINレンズ100のスポーク部分の断面積に対応する。第2のグラフ420は、GRINレンズ100のスポーク部分がテーパー形状422を有しうることを示しており、スポーク部分の断面積は、中心部分104からの半径方向距離とともに減少する。図4の例は、テーパー形状422が、指数関数的に減少する、または実質的に指数関数的に減少する分布を有しうることを示している。別の実装例において、テーパー形状422は、別の分布(例えば線形分布またはその他の分布)を有しうる。
【0045】
図4は、さらに第3のグラフ430を示している。第3のグラフ430の横座標は、GRINレンズ100に関する周波数に対応し、第3のグラフ430の縦座標はGRINレンズ100のスポーク部分の数に対応する。例えば、GRINレンズ100のスポーク部分の数を増加させると、GRINレンズ100に関する周波数が増大することとなりうる。GRINレンズ100のスポーク部分の数を増加させると、スポーク部分の幅を減少さえることとなり、スポーク部分の間のキャビティの大きさを減少させることとなり、GRINレンズ100の均一性を増大させることとなりうる。いくつかの応用例において、GRINレンズ100の均一性を増大させると、より高い周波数のEM信号をより多く送信することとなりうる(スポーク幅を減少させることによって均一性を減少させた場合と比べて)。図4の例は、GRINレンズ100に関する周波数が、GRINレンズ100のスポークの数とともに対数関数的に増大しうることを示している。別の実装例において、周波数は別の分布(例えば、線形分布またはその他の分布)に関連付けられうる。
【0046】
図1の1つまたは複数の態様は、特定のデバイスに関するコストを低減しうる。例えば、GRINレンズ100に関する周波数は、第3のグラフ430に従ってGRINレンズ100のスポーク部分の数を選択(または変更)することによって達成(または変更)されてもよく、これは、異なる周波数のそれぞれに対してレンズを再設計する技術と比較してコスト及び複雑さを低減しうる。
【0047】
図5は、図1のGRINレンズの動作方法500の例を示すフロー図である。
【0048】
本方法500は、502においてGRINレンズで電磁波形を受信する段階を含む。例えば、GRINレンズ100は、送信器アンテナ304からEM信号312を受信しうる。別の例として、GRINレンズ100は、通信チャンネル320を介して送信器デバイスからEM信号314を受信しうる。
【0049】
本方法500はさらに、504において、複数の有効誘電率に基づいてGRINレンズで電磁波形を変更する段階を含む。例えば、GRINレンズは、EM信号312を変更してEM信号314を発生しうる。別の例として、GRINレンズ100は、EM信号314を変更してEM信号318を発生しうる。
【0050】
複数の有効誘電率は、GRINレンズの中心部からの半径方向距離に基づく。複数の有効誘電率はさらに、GRINレンズの中心部分及び複数のスポーク部分によって画定された複数のキャビティ領域に基づく。例えば、有効誘電率412の連続的な範囲は、中心部分104からの半径方向距離に基づき、キャビティ領域110を含む複数のキャビティ領域及びスポーク部分108、112を含む複数のスポーク部分に関連付けられた誘電率に基づく。複数の誘電率は、GRINレンズを製造するために使用される材料の誘電率に基づき、さらに複数のキャビティに関連付けられた誘電率(例えば、ほぼ1である誘電率)に基づきうる。複数のスポーク部分は、GRINレンズの中心部分から周縁領域まで延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分を含む。例えば、スポーク部分108、112の1つまたは両方は、中心部分104から外側リング構造120まで延在するモノリシックスポーク部分に対応しうる。
【0051】
特定の例において、本方法500はさらに、電磁波形を受信器アンテナに(例えば、通信チャンネル320などの通信チャンネルを介して)送信する段階を含みうる。例えば、送信器アンテナ304は、電磁波形を受信器アンテナ308へ送信しうる。別の例において、電磁波形は、通信チャンネルを介して送信器アンテナから受信されうる。例えば、GRINレンズ100は、送信器アンテナ304から通信チャンネル320を介してEM信号314を受信しうる。
【0052】
特定の例において、複数の有効誘電率は、連続的な範囲の有効誘電率412などの連続的な範囲の有効誘電率を含む。例示的な例において、複数のスポーク部分の数は、電磁波形の周波数に関連する。特定の非限定的な例として、GRINレンズ100のスポーク部分の数は、図4の第3のグラフ430に従って電磁波形の周波数に基づいて選択されうる。さらに例えば、GRINレンズ100のスポーク部分の数を増加させると、スポーク部分の幅を減少し、スポーク部分間のキャビティの大きさを減少し、GRINレンズ100の均一性を増大させ、その結果、より高い周波数のEM信号の送信がより大きくなりうる。
【0053】
図6は、本開示に従うコンピュータで実装された方法及びコンピュータで実行可能なプログラム命令(またはコード)の実施形態をサポートするように構成された汎用計算デバイス610を含む計算環境600のブロック図を示している。例えば、計算デバイス610またはその一部は、図5の方法500の1つまたは複数の動作を開始、実行または制御するための命令を実行しうる。計算デバイス610またはその一部はさらに、本明細書で説明された方法のいずれかに従う命令を実行しうる。
【0054】
計算デバイス610は、1つまたは複数の通信構成要素690を含みうる。1つまたは複数の通信構成要素690は、GRINレンズ100を含む。図6の例において、1つまたは複数の通信構成要素690はさらに、送信器アンテナ304及び受信器アンテナ308を含む。
【0055】
計算デバイス610はプロセッサ620を含みうる。プロセッサ620は、システムメモリ630、1つもしくは複数のストレージデバイス640、1つもしくは複数の入力/出力インターフェース650、1つもしくは複数の通信インターフェース660またはそれらの組合せと通信しうる。システムメモリ630は、揮発性メモリデバイス(例えばランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス)、不揮発性メモリデバイス(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)デバイス、プログラム可能読み出し専用メモリ及びフラッシュメモリ)、またはその両方を含みうる。システムメモリ630は、オペレーティングシステム632を保存してもよく、これは計算デバイス610を起動するための基本入出力システムを、計算デバイス610を使用者、その他のプログラム及びその他のデバイスと相互作用可能にするための完全なオペレーティングシステムとともに含みうる。システムメモリ630は、システム(プログラム)データ636を保存しうる。
【0056】
システムメモリ630は、プロセッサ620によって実行可能な1つまたは複数のアプリケーション634を含みうる。例として、1つまたは複数のアプリケーション634は、本明細書で説明された1つまたは複数の動作、例えば図5の方法500の1つまたは複数の動作を開始し、制御し、または実行するための、プロセッサ620によって実行可能な命令を含みうる。例示的な例として、1つまたは複数のアプリケーション634は、1つまたは複数の通信構成要素690の動作と関連した(例えば無線通信ネットワークにおける無線通信と関連した)信号を発生し、制御するための、プロセッサ620によって実行可能な命令を含みうる。代替的に、または追加的に、命令は、1つまたは複数のその他の動作を開始し、実行し、または制御するために、プロセッサ620によって実行可能でありうる。
【0057】
プロセッサ620はまた、1つまたは複数のストレージデバイス640と通信しうる。例えば、1つまたは複数のストレージデバイス640は、磁気ディスク、光学ディスク、またはフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性ストレージデバイスを含みうる。ストレージデバイス640は、取り外し可能、または取り外し不可能なメモリデバイスの両方を含みうる。ストレージデバイス640は、オペレーティングシステム、オペレーティングシステムのイメージ、アプリケーション及びプログラムデータを保存するように構成されうる。具体的な実施形態において、システムメモリ630、ストレージデバイス640またはその両方は、有体的なコンピュータ可読媒体を含む。
【0058】
プロセッサ620はまた、使用者の相互作用を容易にするように、計算デバイス610が1つまたは複数の入力/出力デバイス670と通信することを可能にする1つまたは複数の入力/出力インターフェース650と通信しうる。プロセッサ620は、入力/出力インターフェース650を介して受信される使用者の入力に基づいて、相互作用イベントを検出しうる。さらに、プロセッサ620は、入力/出力インターフェース650を介してディスプレイデバイスに表示を送信しうる。プロセッサ620は、1つまたは複数の通信インターフェース660を介して、デバイスまたはコントローラ680と通信しうる。
【0059】
例示的な例において、非一時的コンピュータ可読保存媒体(例えばシステムメモリ640)は、プロセッサ(例えばプロセッサ620)によって実行されると、プロセッサに動作を開始させ、実行させ、または制御させる命令を含む。動作は、図5の方法500を参照して説明された1つまたは複数の動作などの、本明細書で説明された1つまたは複数の動作を含む。
【0060】
さらに、本開示は、以下の項目に従う実施形態を含む。
【0061】
項目1 中心部分と、
前記中心部分と接触し、周縁領域に延在する複数のスポーク部分であって、前記複数のスポーク部分が、前記中心部分から前記周縁領域まで延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分を含む、複数のスポーク部分と、を含み、
前記中心部分及び前記複数のスポーク部分が、前記複数のスポーク部分の間に複数のキャビティ領域を画定し、
前記中心部分、前記複数のスポーク部分、及び前記複数のキャビティ領域が、前記中心部分からの半径方向距離に基づく複数の有効誘電率を有する屈折率分布型(GRIN)レンズに含まれる、装置。
【0062】
項目2 前記複数のスポーク部分に結合され、前記周縁領域を画定する外側リング構造をさらに含む、項目1に記載の装置。
【0063】
項目3 前記複数のスポーク部分の各スポーク部分が、テーパー形状を有する、項目1または2に記載の装置。
【0064】
項目4 前記第1のモノリシックスポーク部分の幅が、前記テーパー形状を形成するために前記半径方向距離に基づいて変化する、項目3に記載の装置。
【0065】
項目5 前記複数のスポーク部分の数が、前記GRINレンズに関連付けられた周波数と関係する、項目1から4のいずれか一項に記載の装置。
【0066】
項目6 前記複数の有効誘電率が、連続的な範囲の有効誘電率を含む、項目1から5のいずれか一項に記載の装置。
【0067】
項目7 前記GRINレンズがさらに、遠距離場高利得信号を送信または受信するために、電磁放射を集束するように構成された、項目1から6のいずれか一項に記載の装置。
【0068】
項目8 電磁信号を前記GRINレンズを介して送信または受信するように構成されたアンテナをさらに含む、項目1から7のいずれか一項に記載の装置。
【0069】
項目9 屈折率分布型(GRIN)レンズにおいて電磁波形を受信する段階と、
前記GRINレンズの中心部分からの半径方向距離に基づき、さらに前記GRINレンズの中心部分及び複数のスポーク部分によって画定される複数のキャビティ領域に基づく、複数の有効誘電率に基づいて、前記GRINレンズにおいて前記電磁波形を変更する段階と、を含み、
前記複数のスポーク部分が、前記GRINレンズの前記中心部分から周縁領域へ延在する少なくとも第1のモノリシックスポーク部分を含む、方法。
【0070】
項目10 前記電磁波形を受信器アンテナに送信する段階をさらに含む、項目9に記載の方法。
【0071】
項目11 前記電磁波形が、通信チャンネルを介して送信器アンテナから受信される、項目9または10に記載の方法。
【0072】
項目12 前記複数の有効誘電率が、連続的な範囲の有効誘電率を含む、項目9から11のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
項目13 前記複数のスポーク部分の数が、前記電磁波形の周波数に関係する、項目9から12のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
項目14 中心部分と、
前記中心部分と接触し、周縁領域に延在する複数のスポーク部分と、を含み、
前記中心部分及び前記複数のスポーク部分が、前記複数のスポーク部分の間に複数のキャビティ領域を画定し、前記複数のキャビティ領域が、前記中心部分から前記周縁領域まで延在する少なくとも第1のモノリシックキャビティ領域を含み、
前記中心部分、前記複数のスポーク部分、及び前記複数のキャビティ領域が、前記中心部分からの半径方向距離に基づく複数の有効誘電率を有する屈折率分布型(GRIN)レンズに含まれる、装置。
【0075】
項目15 前記複数のスポーク部分に結合され、前記周縁領域を画定する外側リング構造をさらに含む、項目14に記載の装置。
【0076】
項目16 前記複数のスポーク部分の少なくとも1つが、テーパー形状を形成するために前記半径方向距離に基づいて変化する幅を有する、項目14または15に記載の装置。
【0077】
項目17 前記GRINレンズに関連づけられた周波数が、前記複数のスポーク部分の数に対応する、項目14から16のいずれか一項に記載の装置。
【0078】
項目18 前記複数の有効誘電率が、前記複数のスポーク部分のテーパー形状に基づく連続的な範囲の有効誘電率を含む、項目14から17のいずれか一項に記載の装置。
【0079】
項目19 前記GRINレンズが、遠距離場高利得信号を送信または受信するように、電磁放射を集束するようにさらに構成された、項目14から18のいずれか一項に記載の装置。
【0080】
項目20 前記GRINレンズを通して、電磁信号を送信または受信するように構成されたアンテナをさらに含む、項目14から19のいずれか一項に記載の装置。
【0081】
前述の実施形態は例示的なものであり、本開示を限定しない。多くの改良及び変更が、本開示の原理に従って可能であることは理解されるべきである。
【0082】
本明細書で説明された実施形態の図は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図されている。図は、本明細書で説明された構造または方法を利用する装置及びシステムの要素及び特徴の全てを完全に説明するものとして働くことを意図されていない。その他多くの実施形態が、本開示を参照すれば、当業者には明らかになりうる。その他の実施形態は、構造的または論理的な置換及び変更が、本開示の範囲を逸脱することなくなされうるように、本開示から利用され、得られうる。例えば、方法の段階は、図面に示されたのとは異なる順序で実行されてもよく、1つまたは複数の方法の段階が省略されてもよい。したがって、本開示及び図面は、限定的ではなくむしろ例示的であるものと考えられるべきである。
【0083】
さらに、具体的な実施形態が本明細書において例示され、説明されたが、同じ、または類似の結果を達成するために設計されたいかなる後続の構成も、図示された特定の実施形態と置き換えられうることは了解されるべきである。この開示は、様々な実施形態の任意の、及び全ての後続の適用または変形をカバーするものと意図される。前述の実施形態の組合せ、及び本明細書で具体的に説明されなかったその他の実施形態は、説明を参照することによって当業者には明らかになるであろう。
【0084】
本開示の要約書は、特許請求の範囲の意味または範囲を解釈または限定するために使用されないとの理解のもと提出される。さらに、前述の発明の詳細な説明において、様々な特徴は、本開示を合理化する目的のために1つにグループ化され、または単一の実施形態において説明されうる。この開示は、特許請求される実施形態が、各請求項において簡単に記載されたよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、特許請求される対象物は、開示された実施形態のいずれかの特徴の全てよりも少ないものとされうる。
【符号の説明】
【0085】
100 屈折率分布型(GRIN)レンズ
104 中心部分
108 第1のスポーク部分
110 キャビティ領域
112 第2のスポーク部分
120 外側リング構造
130 主材料
132 ドーパント材料
300 通信システム
304 送信器アンテナ
308 受信器アンテナ
312、314、318 EM信号
320
410 第1のグラフ
412 有効誘電率
420 第2のグラフ
422 テーパー形状
430 第3のグラフ
500 GRINレンズの動作方法
600 計算環境
610 汎用計算デバイス
620 プロセッサ
630 システムメモリ
632 オペレーティングシステム
634 アプリケーション
636 システム(プログラム)データ
640 ストレージデバイス
650 入力/出力インターフェース
660 通信インターフェース
690 通信構成要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6