(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】分配管ユニット、プレート式熱交換器および冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
F25B 41/45 20210101AFI20230314BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20230314BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
F25B41/45
F25B39/00 F
F25B1/00 304D
(21)【出願番号】P 2019027175
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-09-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】浅利 峻
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-522207(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074343(WO,A1)
【文献】特開平10-300384(JP,A)
【文献】特開2010-007956(JP,A)
【文献】特許第5946991(JP,B2)
【文献】特許第5665983(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 39/00 - 39/04
F25B 41/40 - 41/48
F28F 9/00 - 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、凝縮器として機能することが可能な第1熱交換器と、膨張装置と、プレート式熱交換器を有し蒸発器として機能することが可能な第2熱交換器とを、順に連通する冷媒配管を有する冷凍サイクル装置において、
前記プレート式熱交換器は、
複数のプレートを積層して形成され、前記複数のプレートの積層方向に沿って交互に配置される第1流路および第2流路を有し、前記第1流路は隣り合うプレート間に第1流体である冷媒を流通させ、前記第2流路は隣り合うプレート間に第2流体を流通させる熱交換器本体と、
管状に形成され、前記第1流路に連通する貫通孔を管壁に有する分配管ユニットと、を有し、
前記分配管ユニットは、固定部と、移動部と、圧力室と、を有し、
前記固定部は、前記熱交換器本体に固定され、前記貫通孔の一部を形成する固定孔を有し、
前記移動部は、前記固定部に対して第1方向に移動可能に形成され、前記貫通孔の一部を形成する移動孔を有し、
前記圧力室は、前記移動部により形成される前記第1方向の側壁と、前記冷媒配管と前記圧力室とを連通する圧力配管と、前記圧力配管に設けられた開閉弁と、を有し、
前記貫通孔の開口面積は、前記移動部の移動に伴って変化する、冷凍サイクル装置。
【請求項2】
前記固定孔および前記移動孔のうち少なくとも一方は、非円形孔であり、
前記非円形孔の前記第1方向の長さは、前記第1方向に交差する第2方向の長さより長く、
前記非円形孔の前記第1方向の中央から前記第1方向の第1端部までの開口面積と、前記第1方向の中央から前記第1方向の第2端部までの開口面積とが異なる、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記分配管ユニットは、その中心軸が前記複数のプレートの積層方向に沿うように配置され、
前記第1方向は、前記分配管ユニットの中心軸に沿う方向である、
請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記分配管ユニットは、その中心軸が前記複数のプレートの積層方向に沿うように配置され、
前記第1方向は、前記分配管ユニットの中心軸の周方向である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記圧力配管は、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間の前記冷媒配管と前記圧力室とを連通する第1圧力配管を含み、
前記開閉弁は、前記第1圧力配管に設けられた第1開閉弁を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、分配管ユニット、プレート式熱交換器および冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍サイクル装置の蒸発器として、プレート式熱交換器が利用されている。プレート式熱交換器は、プレート式熱交換器の内部に冷媒を分配する分配管ユニットを有する。冷凍サイクル装置は、様々な運転状態(負荷率)で運転される。様々な状況において高い性能を発揮することができる分配管ユニット、プレート式熱交換器および冷凍サイクル装置が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5946991号公報
【文献】特許第5665983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、様々な状況において高い性能を発揮することができる分配管ユニット、プレート式熱交換器および冷凍サイクル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷凍サイクル装置は、圧縮機と、凝縮器として機能することが可能な第1熱交換器と、膨張装置と、プレート式熱交換器を有し蒸発器として機能することが可能な第2熱交換器とを、順に連通する冷媒配管を有する。
前記プレート式熱交換器は、複数のプレートを積層して形成され、前記複数のプレートの積層方向に沿って交互に配置される第1流路および第2流路を有し、前記第1流路は隣り合うプレート間に第1流体である冷媒を流通させ、前記第2流路は隣り合うプレート間に第2流体を流通させる熱交換器本体と、管状に形成され、前記第1流路に連通する貫通孔を管壁に有する分配管ユニットと、を有する。
前記分配管ユニットは、固定部と、移動部と、圧力室と、を有し、前記固定部は、前記熱交換器本体に固定され、前記貫通孔の一部を形成する固定孔を有し、前記移動部は、前記固定部に対して第1方向に移動可能に形成され、前記貫通孔の一部を形成する移動孔を有し、前記圧力室は、前記移動部により形成される前記第1方向の側壁と、前記冷媒配管と前記圧力室とを連通する圧力配管と、前記圧力配管に設けられた開閉弁と、を有する。前記貫通孔の開口面積は、前記移動部の移動に伴って変化する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態の冷凍サイクル装置の回路図。
【
図2】第1の実施形態のプレート式熱交換器の斜視図。
【
図5】第1の実施形態の分配管ユニットの側面断面図。
【
図9】圧縮機の負荷率と圧力損失との関係を示すグラフ。
【
図10】圧縮機の負荷率と蒸発温度との関係を示すグラフ。
【
図11】第1の実施形態の第1変形例の冷凍サイクル装置の回路図。
【
図12】第1の実施形態の第2変形例のプレート式熱交換器における分配管ユニットの側面断面図。
【
図13】第1の実施形態の第3変形例のプレート式熱交換器における分配管ユニットの側面断面図。
【
図14】第1の実施形態の第4変形例のプレート式熱交換器における分配管ユニットの底面図。
【
図15】第2の実施形態のプレート式熱交換器における分配管ユニットの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の分配管ユニット、プレート式熱交換器および冷凍サイクル装置を、図面を参照して説明する。
本願において、直交座標系のX方向、Y方向およびZ方向が以下のように定義される(
図2参照)。X方向は、プレート式熱交換器10における複数のプレート14の積層方向である。+X方向は、プレート式熱交換器10の第1冷媒入出口11または第2冷媒入出口12に対する冷媒の流入方向である。Z方向は、プレート式熱交換器10の第1冷媒入出口11と第2冷媒入出口12とが並ぶ方向である。+Z方向は、第1冷媒入出口11から第2冷媒入出口12に向かう方向である。例えば、Z方向は鉛直方向であり、+Z方向は上方向である。Y方向は、X方向およびZ方向に直交する方向である。Y方向は、プレート式熱交換器10の第1冷媒入出口11と第2水入出口92とが並ぶ方向である。+Y方向は、第1冷媒入出口11から第2水入出口92に向かう方向である。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の冷凍サイクル装置の回路図である。冷凍サイクル装置1は、主に圧縮機2と、四方弁3と、第1熱交換器4と、膨張装置5と、第2熱交換器6と、これらに対して順に接続される冷媒配管8と、を有する。冷媒配管8には、R410A、R32、二酸化炭素(CO
2)等の冷媒(第1流体)が流通する。冷媒は、相変化しながら冷凍サイクル装置1を循環する。
【0009】
四方弁3は、冷媒配管8における冷媒の流通方向を逆転させる。四方弁3が
図1の状態にあるとき、冷媒は、圧縮機2、第1熱交換器4、膨張装置5、第2熱交換器6の順に流通する。このとき、第2熱交換器6は吸熱器(例えば蒸発器)として機能する。以下には、第2熱交換器6が蒸発器として機能する場合が説明される。この場合における冷媒の流通方向に基づいて、冷媒の流通方向の上流側および下流側が定義される。
【0010】
圧縮機2は、例えばロータリ式の圧縮機である。圧縮機2は、内部に取り込まれる低圧の気体冷媒を圧縮して高温・高圧の気体冷媒にする。圧縮機2の上流側には、アキュムレータ(気液分離器)2aが配置される。
【0011】
第1熱交換器4は、放熱器(例えば凝縮器)として機能する。第1熱交換器4は、圧縮機2から吐出される高温・高圧の気体冷媒から放熱して、高温・高圧の気体冷媒を高圧の液体冷媒にする。第1熱交換器4に隣接して、第1熱交換器4に送風するファン4aが設置される。
膨張装置5は、第1熱交換器4から送り込まれる高圧の液体冷媒の圧力を下げ、高圧の液体冷媒を低温・低圧の気液二相冷媒にする。
【0012】
第2熱交換器6は、吸熱器(例えば蒸発器)として機能する。第2熱交換器6は、膨張装置5から送り込まれる気液二相冷媒を低圧の気体冷媒にする。第2熱交換器6において、低圧の気液二相冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪うことで周囲が冷却される。第2熱交換器6を通過した低圧の気体冷媒は、アキュムレータ2aを介して、上述した圧縮機2の内部に取り込まれる。
【0013】
第2熱交換器6を流通する冷媒は、被冷却流体(第2流体)を冷却する。例えば、被冷却流体は水である。第2熱交換器6の内部には、冷媒流路(第1流路)15に加えて、水流路(第2流路)95が形成される。冷媒流路15は冷媒配管8に接続され、水流路95は水配管90に接続される。水配管90には、水を循環させるポンプ98が設けられる。これにより、冷凍サイクル装置1は、チラー(冷却水循環装置)として機能する。なお、被冷却流体は水以外の流体でもよい。
第2熱交換器6は、プレート式熱交換器10である。
【0014】
プレート式熱交換器10について詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態のプレート式熱交換器の斜視図である。
図3は、プレート式熱交換器の分解斜視図である。なお
図3では、分配管ユニット20の図示が省略されている。
図4は、
図2のA-A線におけるプレート式熱交換器10の側面断面図である。
図2に示されるように、プレート式熱交換器10は、熱交換器本体10aと、分配管ユニット20と、を有する。
【0015】
熱交換器本体10aは、複数のプレート14を有する。
プレート14は、YZ平面と平行に配置される。プレート14は、Z方向を長手方向としY方向を短手方向とする長方形状に形成される。プレート14は、四隅に円形状の孔を有する。-Y方向および-Z方向の孔は、第1冷媒入出口11である。-Y方向および+Z方向の孔は、第2冷媒入出口12である。+Y方向および+Z方向の孔は、第1水入出口91である。+Y方向および-Z方向の孔は、第2水入出口92である。プレート式熱交換器10が蒸発器として機能するとき、第1冷媒入出口11が冷媒の流入口であり、第2冷媒入出口12が冷媒の流出口である。また、第1水入出口91が水の流入口であり、第2水入出口92が水の流出口である。なお、第2水入出口92が水の流入口であり、第1水入出口91が水の流出口であってもよい。
【0016】
熱交換器本体10aは、複数のプレート14をX方向に積層して形成される。積層された複数のプレート14の周縁部は、ろう付け等により接合される。冷媒入出口11,12および水入出口91,92は、X方向に連続する。冷媒入出口11,12および水入出口91,92の-X方向の端部は開口し、冷媒配管に接続される。
図3に示されるように、冷媒入出口11,12および水入出口91,92の+X方向の端部は、端部プレート14zにより閉塞される。
【0017】
-X方向の端部から+X方向にかけて、第1プレート14a,第2プレート14b,第3プレート14cが順に積層される。
図4に示されるように、第1プレート14aと第2プレート14bとの間において、冷媒入出口11,12の周縁部が閉塞される。これにより、冷媒入出口11,12を流通する冷媒Rは、第1プレート14aと第2プレート14bとの間を流通しない。逆に、第1プレート14aと第2プレート14bとの間において、水入出口91,92の周縁部には開口が形成される。これにより、
図3に示されるように、第1プレート14aと第2プレート14bとの間に水流路95が形成される。
【0018】
一方、第2プレート14bと第3プレート14cとの間において、水入出口91,92の周縁部は閉塞される。これにより、水入出口91,92を流通する水Wは、第2プレート14bと第3プレート14cとの間を流通しない。逆に、
図4に示されるように、第2プレート14bと第3プレート14cとの間において、冷媒入出口11,12の周縁部には開口が形成される。これにより、第2プレート14bと第3プレート14cとの間に冷媒流路15が形成される。
【0019】
図3および
図4に示されるように、X方向に沿って冷媒流路15および水流路95が交互に配置される。冷媒流路15は、隣り合うプレート14の間に冷媒を流通させる。水流路95は、隣り合うプレート14の間に水を流通させる。冷媒流路15を流通する冷媒と水流路95を流通する水とは、両者間に配置されるプレート14を介して熱交換する。
図3に示されるように、プレート14には、ヘリンボーン型(V字型)の凹凸パターン17,18がZ方向に連続して形成される。隣り合うプレート14のV字パターン17,18は、相互に逆向きに形成される。凹凸パターン17,18により、プレート14の表面積が大きくなり、熱交換効率が向上する。
【0020】
冷媒は、冷媒流路15を-Z方向から+Z方向に流通する。重力に逆らって冷媒を流通させることにより、冷媒流路15における冷媒の流速が抑制されるので、熱交換効率が向上する。一方で水は、水流路95を+Z方向から-Z方向に流通する。すなわち、冷媒と水とは相互に逆方向に流通する(カウンターフロー)。これにより、冷媒と水とが温度差を有しながら流通するので、熱交換の機会が多くなって熱交換効率が向上する。
【0021】
分配管ユニット20について詳細に説明する。
図4に示されるように、分配管ユニット20は円管状に形成される。分配管ユニット20は、その中心軸が、X方向に沿うように配置される。分配管ユニット20は、頭部20aと、胴部20bと、を有する。
【0022】
頭部20aは、分配管ユニット20の-X方向の端部に配置される。頭部20aの外径は、第1冷媒入出口11の内径より大きい。頭部20aは、熱交換器本体10aの-X方向に配置される。頭部20aは、溶接等により熱交換器本体10aに固定される。頭部20aは、第1冷媒入出口11の-X方向の端部を閉塞する。頭部20aの-X方向の端部には、冷媒配管が接続される。
【0023】
胴部20bは、頭部20aの+X方向に配置される。胴部20bの外径は、第1冷媒入出口11の内径より小さく、X方向に沿って一定である。胴部20bは、第1冷媒入出口11の内部に配置される。胴部20bの+X方向の端部は閉塞される。胴部20bは、-Z方向の端部に複数の貫通孔22を有する。複数の貫通孔22は、分配管ユニット20の管壁に形成され、X方向に並んで配置される。
【0024】
冷媒は、頭部20aの-X方向の端部から、分配管ユニット20の内部に流入する。冷媒は、分配管ユニット20の内部を+X方向に流通する。冷媒は、胴部20bの複数の貫通孔22から第1冷媒入出口11に吐出される。これにより、冷媒が複数の冷媒流路15に分配されるので、熱交換効率が向上する。冷媒は、複数の貫通孔22から-Z方向に吐出される。これにより、冷媒流路15における冷媒の流速が抑制されるので、熱交換効率が向上する。X方向において、複数の貫通孔22は、複数の冷媒流路15と同じ位置に配置されることが望ましい。これにより、冷媒が複数の冷媒流路15に対して略均等に分配されるので、熱交換効率が向上する。
【0025】
図5は、分配管ユニットの側面断面図である。
図6は、貫通孔の拡大図である。
図5に示されるように、分配管ユニット20は、固定部30と、移動部40と、を有する。
固定部30は、熱交換器本体10aに固定される。固定部30は、固定管31と、操作室33と、を有する。固定管31はX方向に伸びる。固定管31の-X方向の端部は、冷媒配管に接続される。固定管31の+X方向の端部は閉塞される。固定管31は、-Z方向の端部に固定孔32を有する。固定孔32は、分配管ユニット20の貫通孔22の一部を形成する。
図6に示されるように、固定孔32は、-Z方向から見て円形状に形成される円形孔である。
【0026】
図5に示されるように、移動部40は、固定部30に対してX方向に移動可能に形成される。移動部40は、移動管41と、フランジ46と、を有する。移動管41は、固定管31の径方向の外側に配置される。移動管41はX方向に伸びる。移動管41の-X方向の端部には、フランジ46が形成される。移動管41の+X方向の端部は、開口してもよいし、閉塞されてもよい。移動管41は、-Z方向の端部に移動孔42を有する。移動孔42は、分配管ユニット20の貫通孔22の一部を形成する。
図6に示されるように、移動孔42は、-Z方向から見て非円形状に形成される非円形孔である。移動孔42の開口面積は、固定孔32の開口面積とは異なり、固定孔32の開口面積より大きい。
【0027】
図6に示されるように、移動孔42はX方向に伸びる。移動孔42のX方向の長さは、Y方向の長さより長い。移動孔42は、円形孔部43と、長孔部44と、を有する。円形孔部43は、移動孔42の-X方向の端部に配置される。円形孔部43は、-Z方向から見て円形状に形成される。円形孔部43の直径は、固定孔32の直径と同等である。長孔部44は、円形孔部43に連続して、円形孔部43の+X方向に配置される。長孔部44の長軸方向は、X方向に沿って伸びる。長孔部44の短軸方向の幅は、円形孔部43の直径より小さい。長孔部44は、円形孔部43より小径のドリルを使用して形成される。移動孔42のX方向の中央42cから-X方向の端部43eまでの開口面積43aは、X方向の中央42cから+X方向の端部44eまでの開口面積44aより大きい。
【0028】
固定部30の操作室33は、分配管ユニット20の頭部20aの内側に形成される。操作室33は、固定部30の周方向の全体に形成される。操作室33は、固定管31の径方向の外側に配置されるスリーブ34と、固定管31との間に形成される。操作室33の-X方向は、第1側壁35により閉塞される。操作室33の+X方向には、第2側壁36が配置される。第2側壁36は、スリーブ34から移動管41の外周面に向かって伸びる。
【0029】
移動部40のフランジ46は、操作室33の内部に配置される。操作室33は、フランジ46によりX方向に分割される。フランジ46の+X方向には、バネ収容室27が形成される。バネ収容室27の第2側壁36とフランジ46との間には、弾性体であるコイルバネ26が収容される。コイルバネ26は、X方向に圧縮された状態で収容され、フランジ46を-X方向に付勢する。フランジ46の-X方向には、圧力室28が形成される。圧力室28の+X方向の側壁は、移動部40のフランジ46により形成される。スリーブ34の周方向の一部には、圧力室28に開口する冷媒導入口38が形成される。
【0030】
図1に示されるように、冷凍サイクル装置1は、圧力配管52a,54aと、開閉弁52b,54bと、制御部50と、を有する。圧力配管52a,54aは、冷媒配管8と分配管ユニット20の圧力室28とを連通する。圧力配管52a,54aは、高圧配管(第1圧力配管)52aと、低圧配管(第2圧力配管)54aと、を有する。
【0031】
高圧配管52aは、第1熱交換器4と第2熱交換器6との間の冷媒配管8と、圧力室28とを連通する。高圧配管52aは、第1熱交換器4と膨張装置5との間の冷媒配管8と、圧力室28とを連通することが望ましい。これにより、冷媒配管8を流通する高圧の冷媒が、圧力室28に導入される。
低圧配管54aは、第2熱交換器6と圧縮機2との間の冷媒配管8と、圧力室28とを連通する。これにより、冷媒配管8を流通する低圧の冷媒が、圧力室28に導入される。
【0032】
開閉弁52b,54bは、高圧開閉弁(第1開閉弁)52bと、低圧開閉弁(第2開閉弁)54bと、を有する。高圧開閉弁52bは、高圧配管52aに設けられる。高圧配管52aおよび高圧開閉弁52bにより、高圧導入部52が形成される。低圧開閉弁54bは、低圧配管54aに設けられる。低圧配管54aおよび低圧開閉弁54bにより、低圧導入部54が形成される。
【0033】
図7は、分配管ユニットの動作の第1説明図である。
図1に示される高圧開閉弁52bが開弁され、低圧開閉弁54bが閉弁されると、
図5に示される圧力室28に高圧の冷媒が導入される。これにより、バネ収容室27の圧力が第1冷媒入出口11の圧力よりも大きくなるため、フランジ46を含む移動部40は、コイルバネ26の付勢力に抗して+X方向に移動する。したがって、移動孔42が+X方向に移動するため、
図7に示されるように、移動孔42の円形孔部43が固定孔32と重なる。これにより、貫通孔22の開口面積が大きくなる。
【0034】
図8は、分配管ユニットの動作の第2説明図である。
図1に示される高圧開閉弁52bが閉弁され、低圧開閉弁54bが開弁されると、
図5に示される圧力室28に低圧の冷媒が導入される。バネ収容室27の圧力は、第1冷媒入出口11の圧力と同等である。そのため、フランジ46を含む移動部40は、コイルバネ26の付勢力により-X方向に移動する。したがって、移動孔42が-X方向に移動するため、
図8に示されるように、移動孔42の長孔部44が固定孔32と重なる。これにより、貫通孔22の開口面積が小さくなる。
【0035】
図1に示される制御部50は、CPUやGPUなどのプロセッサを備えるマイクロコンピュータである。制御部50は、例えば、CPUなどのプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。また、制御部50のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0036】
制御部50は、圧縮機2の運転を制御するとともに、圧縮機2の回転数を監視する。制御部50は、圧縮機2の回転数に基づいて、開閉弁52b,54bの開閉を制御する。制御部50は、冷凍サイクル装置の蒸発温度および凝縮温度のうち少なくとも一方により補正された圧縮機2の回転数に基づいて、開閉弁52b,54bの開閉を制御してもよい。
【0037】
図9及び
図10に、貫通孔の穴径が異なる分配管ユニットを有するプレート式熱交換器を用いた試験結果を示す。
図9は、圧縮機の負荷率と圧力損失との関係を示すグラフである。
図10は、圧縮機の負荷率と蒸発温度との関係を示すグラフである。試験条件は、日本冷凍空調工業会が発行しているJRA4066に記載のIPLVc条件である。分配管ユニットの貫通孔が、冷媒に圧力損失を与える。分配管ユニットの貫通孔の開口面積が大きい場合に、圧力損失は小さくなる。分配管ユニットの貫通孔の開口面積が小さい場合に、圧力損失は大きくなる。負荷率は、圧縮機の最大出力に対する出力割合である。
【0038】
図9に示されるように、負荷率が大きいほど、分配管ユニットを流通する冷媒の速度が大きくなるので、圧力損失が大きくなる。
一般に、
図10に示される冷凍サイクル装置の蒸発温度が高いほど、冷凍サイクル装置の成績係数(性能)が高くなる。
図10に示されるように、負荷率が75%の場合には、圧力損失にかかわらず蒸発温度が同等になる。負荷率が75%を上回る場合には、圧力損失の小さい方が蒸発温度は高くなる。負荷率が75%を下回る場合には、圧力損失の大きい方が蒸発温度は高くなる。この結果から、負荷率が75%を上回る場合には、分配管ユニットの貫通孔の開口面積は大きい方が良い。負荷率が75%を下回る場合には、分配管ユニットの貫通孔の開口面積は小さい方が良い。
【0039】
一般に、圧縮機の負荷率が100%の場合の回転数(最大回転数)は一義的に決まる。より正しくは、圧縮機の能力と圧縮機の排除容積により決まる。本試験結果においては、負荷率が小さいほど、回転数も小さくなる。負荷率75%の回転数は、冷凍サイクル装置の蒸発温度および凝縮温度の影響を受けるため、最大回転数の72%程度になる。
図1に示される制御部50は、負荷率75%の回転数を所定回転数として、開閉弁52b,54bの開閉を制御する。
【0040】
制御部50は、圧縮機2の回転数が所定回転数を上回る場合に、高圧開閉弁52bを開弁し、低圧開閉弁54bを閉弁する。これにより、分配管ユニット20の貫通孔22の開口面積が大きくなる。これに伴って、圧力損失が小さくなるので、
図10に示されるように、蒸発温度が高くなる。したがって、プレート式熱交換器10および冷凍サイクル装置1は、高い性能を発揮する。
【0041】
制御部50は、圧縮機2の回転数が所定回転数を下回る場合に、高圧開閉弁52bを閉弁し、低圧開閉弁54bを開弁する。これにより、分配管ユニット20の貫通孔22の開口面積が小さくなる。これに伴って、圧力損失が大きくなるので、
図10に示されるように、蒸発温度が高くなる。したがって、プレート式熱交換器10および冷凍サイクル装置1は、高い性能を発揮する。
【0042】
以上に詳述されたように、実施形態のプレート式熱交換器10は、熱交換器本体10aと、分配管ユニット20と、を有する。分配管ユニット20は、固定部30と、移動部40と、を有する。固定部30は、熱交換器本体10aに固定される。固定部30は、貫通孔22の一部を形成する固定孔32を有する。移動部40は、固定部30に対してX方向に移動可能に形成される。移動部40は、貫通孔22の一部を形成する移動孔42を有する。貫通孔22の開口面積は、移動部40の移動に伴って変化する。
【0043】
プレート式熱交換器10を蒸発器として運転させた場合、冷凍サイクル装置の異なる負荷率に応じて、分配管ユニット20の貫通孔22の開口面積を変化させることができる。これにより、分配管ユニット20の圧力損失が最適化される。したがって、プレート式熱交換器10は、冷凍サイクル装置の負荷率が異なる様々な状況において高い性能を発揮することができる。すなわち、水温が目標値に到達するまでの時間が短縮される。また、必要とされる冷凍サイクル装置の台数が減少する。
【0044】
圧縮機2の回転数が所定回転数を上回る場合において、冷媒流路15を流通する冷媒の速度を第1速度V1とし、分配管ユニット20の貫通孔22の開口面積を第1開口面積A1とする。圧縮機2の回転数が所定回転数を下回る場合において、冷媒流路15を流通する冷媒の速度を第2速度V2とし、分配管ユニット20の貫通孔22の開口面積を第2開口面積A2とする。圧縮機2の回転数が小さいほど、冷媒流路15を流通する冷媒の速度は小さくなるので、第2速度V2は第1速度V1より小さい。前述されたように、第1開口面積A1は第2開口面積A2より大きい。すなわち、冷媒が冷媒流路15を第1速度V1で流通するときの貫通孔22の第1開口面積A1は、冷媒が冷媒流路15を第1速度V1より小さい第2速度V2で流通するときの貫通孔22の第2開口面積A2より大きい。
これにより、プレート式熱交換器10の状況に応じて、分配管ユニット20の圧力損失が最適化される。したがって、プレート式熱交換器10は、様々な状況において高い性能を発揮することができる。
【0045】
固定孔32および移動孔42のうち、移動孔42は非円形孔である。移動孔42のX方向の長さは、X方向に交差するY方向の長さより長い。移動孔42のX方向の中央42cから-X方向の端部までの開口面積43aと、X方向の中央42cから+X方向の端部までの開口面積44aとが異なる。
移動部40は、分配管ユニット20の中心軸に沿って移動する。
これにより、貫通孔22の開口面積が、移動部40の移動に伴って変化する。
【0046】
実施形態の冷凍サイクル装置1は、冷媒配管8を有する。冷媒配管8は、圧縮機2と、第1熱交換器4と、膨張装置5と、第2熱交換器6とを、順に連通する。第1熱交換器4は、凝縮器として機能する。第2熱交換器6は、前述されたプレート式熱交換器10を有し、蒸発器として機能する。前述された冷媒は、冷媒配管8を流通する。分配管ユニット20は、圧力室28を有する。圧力室28のX方向の側壁は、移動部40により形成される。冷凍サイクル装置1は、圧力配管52a,54aと、開閉弁52b,54bと、をさらに有する。圧力配管52a,54aは、冷媒配管8と圧力室28とを連通する。開閉弁52b,54bは、圧力配管52a,54aに設けられる。
これにより、圧力室28と第1冷媒入出口11との冷媒の圧力差を利用して移動部40を移動させる。モータで移動部40を移動させる場合と比べて、安価かつ迅速に移動部40を移動させることができる。
【0047】
図11は、第1の実施形態の第1変形例の冷凍サイクル装置の回路図である。第1変形例の冷凍サイクル装置101は、高圧導入部52のみを有し、低圧導入部54を有しない点で、第1の実施形態とは異なる。第1変形例のうち、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略される。後述する第2変形例から第4変形例についても同様とする。
【0048】
第1変形例の冷凍サイクル装置101は、高圧配管52aと、高圧開閉弁52bと、を有する。高圧配管52aは、第1熱交換器4と第2熱交換器6との間の冷媒配管8と、分配管ユニット20の圧力室28とを連通する。高圧開閉弁52bは、高圧配管52aに設けられる。
高圧開閉弁52bを開弁して、圧力室28に高圧の冷媒を導入すると、移動部40が+X方向に移動する。高圧開閉弁52bを閉弁して、高圧の冷媒の導入を停止すると、圧力室28の圧力が徐々に低下して、移動部40が-X方向に移動する。したがって、移動部40を双方向に移動させることができる。
【0049】
これに対して、
図1に示される第1の実施形態の冷凍サイクル装置1は、低圧配管54aと、低圧開閉弁54bと、をさらに有する。低圧配管54aは、第2熱交換器6と圧縮機2との間の冷媒配管8と、分配管ユニット20の圧力室28とを連通する。低圧開閉弁54bは、低圧配管54aに設けられる。
低圧配管54aにより圧力室28に低圧の冷媒を導入すると、圧力室28の圧力が瞬時に低下して、移動部40が-X方向に移動する。したがって、移動部40を迅速に双方向に移動させることができる。
【0050】
図12は、第1の実施形態の第2変形例のプレート式熱交換器における分配管ユニットの側面断面図である。第2変形例の分配管ユニット220は、コイルバネ26がバネ収容室27に代えて圧力室28に収容される点で、第1の実施形態とは異なる。
【0051】
第2変形例の分配管ユニット220では、弾性体であるコイルバネ26が圧力室28に収容される。コイルバネ26のX方向の両端部は、固定部30の第1側壁35および移動部40のフランジ46に固定される。コイルバネ26は、フランジ46を-X方向に付勢する。
圧力室28に高圧の冷媒が導入されると、フランジ46を含む移動部40は、コイルバネ26の付勢力に抗して+X方向に移動する。圧力室28に低圧の冷媒が導入されると、フランジ46を含む移動部40は、コイルバネ26の付勢力により-X方向に移動する。このように、第2変形例においても、移動部40を双方向に移動させることができる。
【0052】
図13は、第1の実施形態の第3変形例のプレート式熱交換器における分配管ユニットの側面断面図である。第3変形例の分配管ユニット320は、移動部40が移動管41に代えて移動曲板341を有する点で、第1の実施形態とは異なる。
【0053】
第3変形例の分配管ユニット320では、移動部40が移動曲板341を有する。移動曲板341は、第1の実施形態の移動管41の周方向の一部に相当する。移動曲板341は、周方向の中央部に移動孔42を有する。
図13に示されるように、移動曲板341は、固定管31の-Z方向の外周に沿って配置される。移動曲板341は、固定部30に対してX方向に移動可能に形成される。移動曲板341の周方向の両端部には、移動曲板341のX方向に沿った移動をガイドするガイド部材(不図示)が形成される。
第3変形例の分配管ユニット320を含むプレート式熱交換器10も、第1の実施形態と同様に、様々な状況において高い性能を発揮することができる。
【0054】
図14は、第1の実施形態の第4変形例のプレート式熱交換器における分配管ユニットの底面図である。第4変形例の分配管ユニット420は、固定孔432が非円形孔であり、移動孔442が円形孔である点で、第1の実施形態とは逆である。
【0055】
第4変形例の分配管ユニット420の移動孔442は円形孔であり、固定孔432は非円形孔である。第4変形例の固定孔432は、第1の実施形態の移動孔42を、X方向に反転させた形状である。すなわち、円形孔部43は、固定孔432の+X方向の端部に配置される。長孔部44は、円形孔部43の-X方向に配置される。
【0056】
圧力室28に高圧の冷媒が導入されると、移動部40が+X方向に移動する。移動孔442が、固定孔432の円形孔部43と重なる。これにより、貫通孔22の開口面積が大きくなる。一方、圧力室28に低圧の冷媒が導入されると、移動部40が-X方向に移動する。移動孔442が、固定孔432の長孔部44と重なる。これにより、貫通孔22の開口面積が小さくなる。
第4変形例の分配管ユニット420を含むプレート式熱交換器10も、第1の実施形態と同様に、様々な状況において高い性能を発揮することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態のプレート式熱交換器における分配管ユニットの底面図である。
図16は、
図15のB-B線における分配管ユニットの正面断面図である。第2の実施形態の分配管ユニット520は、移動部40が分配管ユニット520の中心軸の周方向に移動する点で、第1の実施形態とは異なる。第2の実施形態のうち、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略される。
【0058】
第2の実施形態の分配管ユニット520では、移動部40が分配管ユニット520の中心軸の周方向に移動可能に形成される。すなわち、移動部40は、X方向の周方向であるθ方向に移動可能である。
図15に示されるように、移動孔42はθ方向に伸びる。移動孔42のθ方向の長さは、X方向の長さより長い。移動孔42は、円形孔部43と、長孔部44と、を有する。円形孔部43は、移動孔42の-θ方向の端部に配置される。長孔部44は、円形孔部43の+θ方向に配置される。
【0059】
図16に示されるように、固定部30の操作室33は、θ方向の一部に形成される。移動部40は、移動管41の外周面にレバー46Lを有する。レバー46Lは、θ方向を厚さ方向とする平板状に形成される。レバー46Lは、移動部40の-X方向の端部に配置される。
図16に示されるように、レバー46Lは、操作室33の内部に配置され、操作室33をθ方向に分割する。レバー46Lの+θ方向には、バネ収容室27が形成される。コイルバネ26は、レバー46Lを-θ方向に付勢する。レバー46Lの-θ方向には、圧力室28が形成される。圧力室28の+θ方向の側壁は、移動部40のレバー46Lにより形成される。
【0060】
図16に示される圧力室28に高圧の冷媒が導入されると、レバー46Lを含む移動部40は、コイルバネ26の付勢力に抗して+θ方向に移動する。
図15に示される移動孔42が+θ方向に移動すると、移動孔42の円形孔部43が固定孔32と重なる。これにより、貫通孔22の開口面積が大きくなる。
図16に示される圧力室28に低圧の冷媒が導入されると、レバー46Lを含む移動部40は、コイルバネ26の付勢力により-θ方向に移動する。
図15に示される移動孔42が-θ方向に移動すると、移動孔42の長孔部44が固定孔32と重なる。これにより、貫通孔22の開口面積が小さくなる。
【0061】
このように、第2の実施形態の分配管ユニット520において、移動部40は、分配管ユニット20の中心軸の周方向であるθ方向に移動する。
第2の実施形態の分配管ユニット520を含むプレート式熱交換器10も、第1の実施形態と同様に、様々な状況において高い性能を発揮することができる。
【0062】
実施形態の冷凍サイクル装置1は、冷媒の圧力を利用して移動部40を移動させる。これに対して、冷凍サイクル装置は、モータの動力などを利用して移動部40を移動させてもよい。
実施形態の制御部50は、圧縮機の所定回転数を境にして二段階に移動部40を移動させる。これに対して、制御部50は、圧縮機の回転数など冷凍サイクル装置の運転状態に応じて無段階に移動部40を移動させてもよい。
実施形態の非円形孔は、円形孔部43と、長孔部44と、を有する。これに対して、非円形孔は、移動部40の移動方向である第1方向に交差する第2方向の幅が、第1方向の位置に応じて連続的に変化する三角孔などであってもよい。
【0063】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、貫通孔22の開口面積が移動部40の移動に伴って変化する分配管ユニット20を持つ。これにより、プレート式熱交換器10は、様々な状況において高い性能を発揮することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
1…冷凍サイクル装置、2…圧縮機、4…第1熱交換器、5…膨張装置、6…第2熱交換器、8…冷媒配管、10…プレート式熱交換器、10a…熱交換器本体、14…プレート、15…冷媒流路(第1流路)、20…分配管ユニット、22…貫通孔、30…固定部、32…固定孔、40…移動部、42…移動孔、52a…高圧配管(第1圧力配管)、52b…高圧開閉弁(第1開閉弁)、54a…低圧配管(第2圧力配管)、54b…低圧開閉弁(第2開閉弁)。