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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230314BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230314BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V19/00 413
F21V19/00 414
F21V15/01 360
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019129015
(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公開番号】P2021015695
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
(72)【発明者】
【氏名】熊王 光
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-027870(JP,A)
【文献】特開2019-091537(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0372284(US,A1)
【文献】中国実用新案第207349947(CN,U)
【文献】特開2009-231154(JP,A)
【文献】特開2011-014317(JP,A)
【文献】特開平10-208533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 19/00
F21V 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が設けられているカバー部と、
一方の面が被取付部に取り付けられ他方の面が開口された本体ユニットと、を備え、
前記本体ユニットは、
前記本体ユニットの前記他方の面側に突出して設けられ、先端に前記カバー部が固定されるカバー部取付部材を備え、
前記カバー部は、
筒状のカバー側面部と、
光源からの光が射出される出射口を備える底面と、を備え、
前記カバー側面部の中心軸に沿って前記本体ユニットの前記他方の面を覆うように前記本体ユニットに取り付けられるものであり、
前記カバー側面部は、
内周面に固定された前記カバー部の内側に向かって突出するガイド金具を備え、
前記ガイド金具は、
前記カバー部取付部材に嵌合し、前記カバー側面部の前記中心軸に沿った方向に摺動自在に構成されている、照明器具。
【請求項2】
前記ガイド金具は、
前記カバー側面部の前記中心軸に垂直な断面において、前記カバー側面部の内側面から前記カバー部の内側に向かって延びる2つのガイド部を備え、
前記カバー部取付部材は、
前記2つのガイド部の間に位置する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記2つのガイド部の間隔は、
前記本体ユニット側が広く、前記底面側が狭い、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記ガイド金具は、
前記カバー側面部の前記中心軸に垂直な断面において、前記カバー側面部の内側面から前記カバー部の内側に向かって延びるガイド部を備え、
前記カバー部取付部材は、
前記カバー側面部の前記中心軸に垂直な断面において、前記カバー側面部の内側面に向かって開放された溝部を備え、
前記ガイド部は、
前記溝部の内側に位置する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記カバー部取付部材は、
先端に前記カバー部が固定される取付面を備え、
前記取付面は、
前記カバー側面部の前記中心軸方向の視点において、前記溝部よりも前記中心軸側に位置する、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記カバー部は、
外観面にガイド金具の位置を示すマーキングを備える、請求項1~5の何れか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、特にカバー部と本体ユニットとの位置決め構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井等に取り付けられた本体に内蔵部品を覆うカバーを取り付けて設置される照明器具が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の照明器具は、カバーの内側に係合爪と、円筒状の本体の側面に形成された係合溝とを備える。カバーに設けられた係合爪が本体の係合溝に位置合わせされた後、カバーを回転させることにより、カバーは、本体に係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-192332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具は、本体に対しカバーを回転させて取り付ける。そのため、カバー側にある光源部と本体側にある点灯装置とを接続する電線が、カバーを回転させたときにねじれ、断線、又は接続不良が生じる、という課題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためのものであり、カバーを本体に取り付ける際にカバー側と本体側とを接続する電線のねじれを抑制できる照明器具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光源が設けられているカバー部と、一方の面が被取付部に取り付けられ他方の面が開口された本体ユニットと、を備え、前記本体ユニットは、前記本体ユニットの前記他方の面側に突出して設けられ、先端に前記カバー部が固定されるカバー部取付部材を備え、前記カバー部は、筒状のカバー側面部と、光源からの光が射出される出射口を備える底面と、を備え、前記カバー側面部の中心軸に沿って前記本体ユニットの前記他方の面を覆うように前記本体ユニットに取り付けられるものであり、前記カバー側面部は、内周面に固定された前記カバー部の内側に向かって突出するガイド金具を備え、前記ガイド金具は、前記カバー部取付部材に嵌合し、前記カバー側面部の前記中心軸に沿った方向に摺動自在に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体ユニットに設けられたカバー部取付部材にカバー部に設けられたガイド金具を当接させることによりカバー部の位置決めが可能となり、カバー部を回転させることなくカバー部を本体に取り付けられる。これにより、照明器具は、本体ユニットとカバー部とを接続する電線がねじれることがなく、断線及び接触不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具1aを示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具1aを示す分解斜視図である。
図3図2のカバー組立体10の分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具1aの断面図である。
図5図4の光源部20周辺の拡大図である。
図6】実施の形態1に係る照明器具1aの光源部20の周辺の比較例の断面構造の説明図である。
図7】実施の形態1に係る照明器具1aの光源部20の周辺の断面構造の一例の説明図である。
図8】実施の形態1に係る照明器具1aの光軸Lに垂直な断面構造の説明図である。
図9】実施の形態1に係る照明器具1aのガイド金具12の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態における照明装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。更に、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
<照明器具1a>
図1は、実施の形態1に係る照明器具1aを示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明器具1aを示す分解斜視図である。図3は、図2のカバー組立体10の分解斜視図である。照明器具1aは、略円筒形状に形成された筐体50を備える。筐体50の天面80側の部分が、天井等の被取付部に防水パッキン90を介して取り付けられる。筐体50の底面は、カバー前面部11となっており、光源5(図5参照)からの光線が出射される部分である。
【0011】
図2に示されるように、照明器具1aは、天井等の被取付部に固定される。照明器具1aは、カバー組立体10と、点灯装置30と、本体ユニット60と、を備える。カバー組立体10は、カバー部10aに光源部20を固定して形成される。本体ユニット60は、本体構造部60aに電源端子台40が固定され、さらに点灯装置30が取り付けられる。本体構造部60aは、天面80を有し、被取付部に固定される部分である。また、照明器具1aのカバー部10aは、表示口15が複数形成されている。表示口15は、外部信号を受信する部分である。
【0012】
<カバー組立体10>
図3に示されるように、カバー組立体10は、カバー部10aと、光源部20と、放熱板27と、を備える。カバー部10aは、有底筒形状であり、筒部の内側に本体ユニット60に固定される電源端子台40及び点灯装置30、並びに当該カバー部10aに固定された光源部20を収納する。カバー部10aは、本体構造部60aと共に照明器具1aの筐体50の一部を構成している。カバー部10aは、有底筒形状の底部に相当するカバー前面部11と、筒部に相当するカバー側面部13とを有する。カバー部10aは、カバー側面部13の内側の面にガイド金具12が固定されている。カバー部10aは、有底筒形状の底面10e(図5参照)を形成するカバー前面部11に、光学制御部材21を露出させる出射口14が形成されている。カバー部10aのカバー前面部11の内部側の面である底面10eに光源部20及びパッキン22が固定される。また、カバー部10aの底面10eには信号受信部(図示せず)及びモニタパッキン23が固定される。光源部20、パッキン22、信号受信部、及びモニタパッキン23は、カバー前面部11と放熱板27との間に挟まれ、押圧されて固定される。なお、パッキン22は、レンズパッキンとも称する。
【0013】
<光源部20>
図4は、実施の形態1に係る照明器具1aの断面図である。図4は、光源5から射出される光線の光軸Lに沿った照明器具1aの断面構造を示している。図5は、図4の光源部20周辺の拡大図である。光源部20は、光源5及び光学制御部材21が取り付けられるホルダ9を備える。光源部20は、放熱板27が取り付けられ、放熱板27を介してカバー部10aの底面にビス10-3により固定される。光学制御部材21は、例えばレンズであり、光源5から出射される光線の進む方向及び範囲を制御する部材である。光学制御部材21は、中央部に光源5から光線が射出される方向、即ち光軸L方向に突出する光学制御部21aと、光学制御部21aから外側に向かって張り出して形成される鍔部21bと、を備える。鍔部21bは、L字リブ9bによりホルダ9に固定される。なお、光軸Lは、光源5が射出する光線の中心軸であり、実施の形態1においては、照明器具1aの中心軸と一致している。つまり、光軸Lは、カバー部10aのカバー側面部13が形成する筒体の中心軸と一致している。以下の説明において、照明器具1aの中心軸及びカバー側面部13が形成する筒体の中心軸の代わりに光軸Lを用いて構造を説明する場合がある。
【0014】
光源部20のホルダ9は、放熱板27に係合部9aを係合させて固定されている。放熱板27は、ビス10-3によりカバー前面部11側に引き寄せるようにして、カバー部10aの内部に固定されている。光源部20及びパッキン22は、放熱板27とカバー部10aのカバー前面部11との間に挟まれ、押圧されて固定されている。なお、ビス10-3は、カバー前面部11と放熱板27との間に配置されたねじパッキン10-4を貫通して、放熱板27に螺合している。ねじパッキン10-4は、カバー前面部11と放熱板27との間において圧縮されるため、筐体50の内部の気密性及び防水性が向上する。
【0015】
<光源部20の周辺部の構造>
図3及び図5に示される様に、光源部20とカバー前面部11との間にはパッキン22が配置され、パッキン22は、光学制御部材21と出射口14との間に生じる隙間を塞ぎ、筐体50の内部の防水性及び気密性を向上させるものである。また、パッキン22は、環状に形成されており、光学制御部材21の突出部である光学制御部21aの周囲を包囲する様に配置されている。換言すると、環状のパッキン22は、光軸Lを中心として光学制御部材21の光学制御部21aの外側を包囲している。
【0016】
<光源部20の周辺部の構造>
図5に示される様に、カバー部10aの出射口14の周囲は、カバー部10aの外側に向かって突出して形成されている。つまり、カバー部10aの内部から見ると、有底筒形状のカバー部10aの底面10eは、周囲の面10bよりも光線が出射される方向に向かって凹んだパッキン配置面10cを備える。パッキン配置面10cは、出射口14の周囲に環状に形成されている。また、パッキン配置面10cとその周囲の面10bとの間には、光軸Lに沿った方向に延びる接続面10dが形成されている。図5に示される断面形状において、パッキン22は、出射口14の周囲にL字形状に形成されている。そして、パッキン22は、パッキン配置面10cと接続面10dとに沿うように配置されている。
【0017】
<パッキン22>
パッキン22は、少なくとも内周部が厚く形成されている。パッキン22の内周部22aは、パッキン配置面10cと光学制御部材21との間で形成される隙間を塞ぐことができる厚みを備えている。つまり、パッキン22の内周部22aの厚み寸法は、パッキン配置面10cから光学制御部材21までの距離よりも大きい。図5においては、パッキン22の内周部22aは、圧縮されていない自然状態が示されているが、実際は、少なくとも図5において光学制御部材21と重なっている部分は、圧縮され又は変形する。
【0018】
光軸Lに沿った方向において、パッキン22の内周部22aのうち光学制御部材21とパッキン配置面10cとの間に挟まれている厚肉部分22bは、圧縮される。また、パッキン22の内周部22aの内周側先端部22cは、光学制御部材21の形状に沿って変形する。パッキン22の内周部22aは、内周側に向かうに従い光軸Lに沿った方向の厚さ寸法が小さくなるように形成されている。図5に示されているパッキン22のパッキン配置面10c側の面は、内周側の先端に到るまで平坦に形成されている。そして、パッキン22の光学制御部材21側を向いている面は、内周側に向かうに従いパッキン配置面10c側に傾斜する傾斜面22fを有する。
【0019】
パッキン22の内周部22aの厚肉部分22bは、圧縮され、図5における垂直方向に縮み、水平方向には膨らむ。すると、厚肉部分22bより内周側に位置する内周側先端部22cは、厚肉部分22bの変形の影響を受けて、内周側に移動する。このとき、内周側先端部22cは、光学制御部21a側に移動し、光学制御部21aに当接し変形する。内周側先端部22cは、光学制御部材21側の面に傾斜面22fを備えており、肉厚が内周側に向かって薄くなるように形成されている。そのため、内周側先端部22cは、出射口14からのはみ出しが抑制される。内周側先端部22cは、光学制御部材21の形状に沿って変形する。そのため、パッキン22と光学制御部材21との間に隙間が生じるのを抑制できる。また、パッキン22は、出射口14からのはみ出しが抑制されることにより、光学制御部材21から出射される光の光学特性を悪化させることがなく、照明器具1aの美観を悪化させることがない。
【0020】
また、パッキン22の外周部22dの光軸Lに沿った方向の寸法は、光軸Lに沿った方向におけるカバー部10aのパッキン配置面10cからその周囲の面10bまでの距離よりも大きくなるように形成されている。パッキン22の外周部22dは、光源部20の一部であるホルダ9とパッキン配置面10cとの間に挟まれて位置しており、圧縮されている。これにより、パッキン22は、照明器具1aの内部の気密性及び防水性を向上させることができる。
【0021】
また、パッキン22の内周部22aと外周部22dとの間は、接続部22eにより接続されている。パッキン22の接続部22eは、光軸Lに沿った方向における厚さ寸法が内周部22a及び外周部22dよりも小さく形成されている。従って、パッキン22の内周部22aと外周部22dとのそれぞれは、圧縮されるが、その変形の影響を互いに及ぼしにくい構造となっている。
【0022】
<比較例>
図6は、実施の形態1に係る照明器具1aの光源部20の周辺の比較例の断面構造の説明図である。図6(a)は、光源部20をカバー部10aのカバー前面部11に固定する前の状態を示している。図6(b)は、光源部20をカバー部10aのカバー前面部11に固定した状態を示している。図6(a)に示されている様に、比較例におけるパッキン122は、内周部122aが均一の厚さで形成されている。そして、図6(b)に示されている様に、パッキン122が圧縮された状態においては、内周部122aが内周側に向かって変形し、一部が出射口14からはみ出す。パッキン122は、内周部122aの一部又は全部が出射口14からはみ出すように変形する。そのため、照明器具1aの比較例においては、パッキン122とパッキン配置面10cとの間、又はパッキン122と光学制御部材21との間に部分的に隙間が生じる場合がある。これにより、照明器具1aの比較例においては、気密性及び防水性が低下するおそれがある。
【0023】
<パッキン22の変形例>
図7は、実施の形態1に係る照明器具1aの光源部20の周辺の断面構造の一例の説明図である。図7(a)は、光源部20をカバー部10aのカバー前面部11に固定する前の状態を示している。図7(b)は、光源部20をカバー部10aのカバー前面部11に固定した状態を示している。図7(a)に示される様に、パッキン22の内周部22aは、内周側に向かうに従い厚さ寸法が徐々に小さくなるように形成されている。つまり、パッキン22の内周部22aは、傾斜面22fを有している。図7(a)に示されているパッキン22の傾斜面22fは、パッキン配置面10c側を向いた傾斜面となっている。このようなパッキン22であっても、内周部22aの内周側先端部22cが内周側に向かうに従い薄くなるように形成されている。そのため、図7(b)に示される様に、パッキン22の内周部22aは、圧縮して変形した際に出射口14から内周部22aの一部がはみ出すのを抑制することができる。
【0024】
<本体ユニット60>
図2に示されている様に、本体ユニット60は、光軸Lに沿った方向に有底筒形状の本体構造部60aを備える。本体構造部60aは、有底筒形状の開口をカバー部10a側に向けている。本体構造部60aは、一方の面が被取付部に固定され、他方の面にカバー部10aが取り付けられる。カバー部10aは、本体ユニット60の他方の面側を覆う様に本体構造部60aに取り付けられる。なお、本体構造部60aの側面を構成する筒部60bは、カバー部10aと比較して短い。本体構造部60aの筒部60bの内側には、カバー部10a側に向かって突出するカバー部取付部材61aが設置されている。カバー部取付部材61aは、2箇所設置されており、本体構造部60aの中央部に固定される点灯装置30を挟むように一対配置されている。
【0025】
カバー部取付部材61aは、光軸Lに垂直な断面形状がコの字形に形成されている。また、カバー部取付部材61aのカバー部10a側の先端は、カバー部10aの底面10eに平行に設けられた取付面61bが形成されている。取付面61bにはねじ穴61cが形成されている。
【0026】
カバー部取付部材61aの先端に形成された取付面61bとカバー部10aの底面10eとは、ねじ10-1で締結される。取付面61bとカバー部10aの底面10eとの間には、ねじパッキンが挟まれ、ねじ10-1は、ねじパッキンを通して取付面61bに形成されたねじ穴61cに螺合する。この構成により、カバー部10aは、本体ユニット60側に引き寄せられて固定される。
【0027】
<ガイド金具12>
図8は、実施の形態1に係る照明器具1aの光軸Lに垂直な断面構造の説明図である。図8は、図4のB-B部の断面を示している。図8の断面において、カバー部取付部材61aは、ガイド金具12と組み合わされている。カバー部取付部材61aは、一方の面が開放された略直方体に形成されており、断面形状が外側に向かって開放されているコの字形になっている。また、ガイド金具12は、カバー部10aの内周面に沿った板状の接合部12aの両端からカバー部10aの内側に向かって延びる板状の2つのガイド部12bを備える。つまり、ガイド金具12も、図8に示される断面においてカバー部10aの内側に向かって開放されているコの字形になっている。ガイド部12bは、2つの側面部61dが位置する側から、カバー部取付部材61aを外側から挟むように位置している。
【0028】
ガイド金具12のガイド部12bとカバー部取付部材61aの2つの側面部61dとは、照明器具1aが組立てられた状態において、若干の隙間を持って位置している。この構成により、カバー部10aは、本体ユニット60の光軸L周りにおける回転方向位置が決まる。また、ガイド金具12とカバー部取付部材61aとは、光軸L方向、つまりカバー部10aを本体ユニット60に取り付ける方向に沿って摺動自在に嵌合している。そのため、カバー部10aは、本体ユニット60に対し回転方向の位置決めがされた状態で、本体ユニット60に取り付け可能な位置まで容易に案内される。
【0029】
図2に示される様に、ガイド金具12は、本体ユニット60側の端部において2つのガイド部12b同士の間隔が広く、カバー部10aの底面10e側において2つのガイド部12b同士の間隔が狭くなるように形成されている。つまり、ガイド部12bの内側面12cは、光軸Lに対し傾斜している。また、ガイド金具12は、カバー部10aの開口部16に近く、本体ユニット60とは当接しない位置に配置される。このように構成されることにより、カバー部10aと本体ユニット60とが組み合わされるときにガイド金具12がカバー部取付部材61aに案内される。そのため、カバー部10aと本体ユニット60との位置合わせが容易であり、照明器具1aは、組み立てが容易である。
【0030】
カバー部10aの外側からガイド金具12の位置を目視で確認することは難しい。特に、カバー部10aを持ち上げ、天井に取り付けられた本体ユニット60に取り付ける場合は、更にガイド金具12の位置の確認が困難となる。これを解決するために、カバー部10aのカバー側面部13の外側面にガイド金具12の位置を示すマーキングを表示してもよい。マーキングは、例えばプレス等で刻印されてもよいし、シール貼付により設けてもよい。
【0031】
カバー部10aを取り付ける際は、カバー部10aのマーキングをカバー部取付部材61aの先端に合わせながら、カバー部10aを本体ユニット60に向けて押し上げていく。これにより、ガイド金具12の位置をカバー部10aの開口部16側から覗き込んだり、ガイド金具12を触ってガイド金具12の位置を確認することなしに容易にカバー部10aと本体ユニット60の位置合わせが可能となる。
【0032】
図9は、実施の形態1に係る照明器具1aのガイド金具12の変形例である。ガイド金具12は、断面形状においてコの字形に形成されているカバー部取付部材61aの内側面に沿って案内されるように構成されていても良い。つまり、カバー部取付部材61aは、ガイド金具12を案内する溝部62を備え、ガイド部12dが溝部62の内側に位置するようにガイド金具12と嵌合する。このとき、カバー部取付部材61aの先端に設けられている取付面61bは、光軸Lが位置する方向に延びる様に形成される。つまり、取付面61bは、光軸Lに沿った方向の視点、溝部62よりも光軸L側に位置している。なお、実施の形態1において、光軸Lに沿った方向の視点は、照明器具1a又はカバー部10aの中心軸方向の視点と同じである。これにより、カバー部取付部材61aは、先端側から溝部62にガイド金具12を導入できる様に構成されている。また、2つのガイド部12b同士の間隔は、カバー部10aの開口部16側が狭く、カバー部10aの底面10e側が広くなるように形成されると良い。
【0033】
<照明器具1aの効果>
以上のように、実施の形態1に係る照明器具1aは、光源5及び光源5を覆う光学制御部材21を有する光源部20と、光源部20が固定され、光学制御部材21を露出させる出射口14が形成されたカバー部10aと、光源部20とカバー部20bとの間に挟まれ、出射口14の周囲に配置されるパッキン22と、を備える。パッキン22は、環状に形成され、パッキン22の少なくとも内周部22aの厚さは、外周側から内周側に向かうに従い薄くなるように形成されている。
この構成により、照明器具1aのパッキン22は、出射口14からのはみ出しを抑制することができ、光学制御部材21から出射される光の光学特性及び照明器具1aの美観を悪化させることがない。また、パッキン22の内周部22aの厚さは、外周側から内周側に向かうに従い薄くなるように形成されているため、押圧されることによる内周部22aの応力の集中を緩和させることができる。さらに、パッキン22の局部的な変形を抑制することができるため、パッキン22と光学制御部材21及びパッキン配置面10cとの間に隙間が生じにくく、パッキン22は、照明器具1aの内部の気密性及び防水性を向上させることができる。
【0034】
また、実施の形態1に係る照明器具1aによれば、光学制御部材21は、光源5から出射する光の光軸L方向に突出する光学制御部21aと、光軸Lに対し外側に向かって張り出して形成される鍔部21bと、を備える。パッキン22の内周部22aは、鍔部21bとカバー部10aとの間に挟まれ圧縮される。
この構成により、環状のパッキン22の内周部22aが全周に亘って光学制御部21aとカバー部10aとの間に挟まれ圧縮されている。従って、照明器具1aの外部から出射口14を経て照明器具1aの内部に至る経路は、パッキン22の内周部22aにより遮断される。そのため、照明器具1aの内部の気密性及び防水性が向上する。
【0035】
また、光源部20は、光源5及び光学制御部材21が固定されるホルダ9を備える。パッキン22の外周部22dは、ホルダ9とカバー部10aとの間に挟まれ圧縮される。
この構成により、さらにパッキン22の外周側の部分がホルダ9とカバー部10aとの間の隙間を閉塞するため、照明器具1aの内部の気密性及び防水性が向上する。
【0036】
また、カバー部10aは、出射口14の周囲に段差が形成され、パッキン22は、段差の内側に配置される。
この構成により、パッキン22の位置決めが容易になり、光学制御部材21に対するパッキン22の配置精度が向上する。このため、パッキン22が光源部20とカバー部10aとの間の所定の位置に配置され、光源部20とカバー部10aとの間の隙間を適正に閉塞できる。照明器具1aの内部の気密性及び防水性が向上する。
【0037】
また、カバー部10aは、有底筒形状に形成され、底面10eに出射口14が設けられ、光源部20は、カバー部10aの内部の底面10eに固定される。
この構成により、照明器具1aは、光源部20とカバー部10aとの間の隙間が閉塞されることにより、有底筒形状のカバー部10aの内部の気密性及び防水性を容易に向上させることができる。
【0038】
実施の形態1に係る照明器具1aは、光源が設けられているカバー部10aと、一方の面が被取付部に取り付けられ他方の面が開口された本体ユニット60と、本体ユニット60の他方の面側に突出して設けられ、先端にカバー部10aが固定されるカバー部取付部材61aと、を備える。カバー部10aは、筒状のカバー側面部13と、光源5からの光が射出される出射口14を備える底面10eと、を備える。カバー側面部13の中心軸に沿って本体ユニット60の他方の面を覆うように本体ユニット60に取り付けられる。カバー側面部13は、内周面に固定されたカバー部10aの内側に向かって突出するガイド金具12を備える。ガイド金具12は、カバー部取付部材61aに嵌合し、カバー側面部13の中心軸に沿った方向に摺動自在に構成されている。
このように構成されていることにより、カバー部10aは、本体ユニット60に対し光軸Lを中心とした回転方向の位置決めを容易に行うことができる。よって、カバー組立体10と本体ユニット60との間を接続する電線がねじれるのを抑制することができるため、照明器具1aは、電線の断線及び接続不良を抑制することができる。
【0039】
また、ガイド金具12は、カバー側面部13の中心軸に垂直な断面において、カバー側面部13の内側面からカバー部10aの内側に向かって延びる2つのガイド部12bを備える。そして、カバー部取付部材61aは、2つのガイド部12bの間に位置する。
また、2つのガイド部12bの間隔は、本体ユニット60側が広く、底面10e側が狭い。
または、ガイド金具12は、カバー側面部13の中心軸に垂直な断面において、カバー側面部13の内側面からカバー部10aの内側に向かって延びるガイド部12bを備える。そして、カバー部取付部材61aは、カバー側面部13の中心軸に垂直な断面において、カバー側面部13の内側面に向かって開放された溝部62を備える。ガイド部12bは、溝部62の内側に位置する。そして、カバー部取付部材61aは、先端にカバー部10aが固定される取付面61bを備える。そして、取付面61bは、カバー側面部13の中心軸方向の視点において、溝部62よりも中心軸側に位置する。
以上のように、ガイド金具12とカバー部取付部材61aとを用いたガイドは、必要に応じ、他の形態を取ることができる。つまり、照明器具1aは、カバー部10aとカバー部取付部材61aとの固定部の配置、内部の点灯装置30、又は光源部20の配置に応じてガイド金具12及びカバー部取付部材61aの形状を変更しても良い。
【0040】
また、カバー部10aは、外観面にガイド金具12の位置を示すマーキングを備えても良い。これにより、照明器具1aは、本体ユニット60とカバー部10aとの位置合わせが容易になり、組み立て作業性が向上する。
【符号の説明】
【0041】
1a 照明器具、5 光源、9 ホルダ、9a 係合部、9b L字リブ、10 カバー組立体、10-1 ねじ、10-3 ビス、10a カバー部、10b 面、10c パッキン配置面、10d 接続面、10e 底面、11 カバー前面部、12 ガイド金具、12a 接合部、12b ガイド部、12c 内側面、12d ガイド部、13 カバー側面部、14 出射口、15 表示口、16 開口部、20 光源部、20b カバー部、21 光学制御部材、21a 光学制御部、21b 鍔部、22 パッキン、22a 内周部、22b 厚肉部分、22c 内周側先端部、22d 外周部、22e 接続部、22f 傾斜面、23 モニタパッキン、27 放熱板、30 点灯装置、40 電源端子台、50 筐体、60 本体ユニット、60a 本体構造部、60b 筒部、61a カバー部取付部材、61b 取付面、61c ねじ穴、61d 側面部、80 天面、90 防水パッキン、101a 照明器具、110 カバー組立体、110a カバー部、122 パッキン、122a 内周部、L 光軸。
図1
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図9