(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】薄型直接式バックライトのための超広配光発光ダイオード(LED)レンズ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20230314BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20230314BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/60
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020200767
(22)【出願日】2020-12-03
(62)【分割の表示】P 2020506202の分割
【原出願日】2018-07-27
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/095923
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】フェン,チュンシア
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-003941(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0079230(KR,A)
【文献】特開2011-221190(JP,A)
【文献】特開2008-282744(JP,A)
【文献】特表2015-533027(JP,A)
【文献】特開2009-192915(JP,A)
【文献】特表2010-529689(JP,A)
【文献】特開2006-261663(JP,A)
【文献】特開2006-114863(JP,A)
【文献】特開2015-111626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0177234(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138564(US,A1)
【文献】特開2012-059988(JP,A)
【文献】国際公開第2012/023459(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0051043(US,A1)
【文献】特開2010-147447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
F21V 1/00-15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置であって、
入射面と出射面とを有するレンズであって、前記入射面は、発光ダイオードから放射された光の一部を前記レンズへと入射させ、前記出射面は凸状周辺部分に囲まれた凹状中央部分を有し、前記凸状周辺部分及び前記凹状中央部分は連続的に変化する曲率を有する、レンズと、
前記レンズの前記出射面に面して配置されるビームシェーピング要素であって、前記レンズから入射された光をシェーピングしてシェーピングされた光を形成するよう構成されるビームシェーピング要素と、
前記ビームシェーピング要素を前記レンズの出射面に固定する複数の突起、
を含み、
前記ビームシェーピング要素は、前記レンズの前記出射面に面して配置された複数の反射要素を含む面を有し、前記複数の反射要素により、前記レンズから入射された光の一部を反射させ、前記レンズから入射された光の他の一部を前記ビームシェーピング要素を通じて且つ前記レンズから離れる方向へ伝搬させる、発光装置。
【請求項2】
前記複数の反射要素は、
長方形ドットを含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の反射要素は、不規則パターンに配置される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の反射要素は、同じサイズ及び同じ形状を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の反射要素は、少なくとも幾つかの実質的に円形反射ドットを含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記反射要素のパターンは、前記ビームシェーピング要素の
底面に形成される反射コーティングで形成される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記反射コーティングは、アルミニウムフィルムを含む、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記レンズは、光学軸を定め、
前記ビームシェーピング要素は前記光学軸上に中心がある、請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記レンズは、光学軸に関して
回転対称
であり、
前記ビームシェーピング要素は前記光学軸上に中心がある、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記複数の突起は、前記ビームシェーピング要素を前記レンズの前記出射面の前記凸状周辺部分に固定する、請求項
1に記載の発光装置。
【請求項11】
方法であって、
発光ダイオードにより光を生成するステップと、
レンズの入射面により、前記発光ダイオードから放射された光の一部を前記レンズへと入射させるステップと、
前記レンズの出射面により、前記レンズへと入射された光の一部を、前記レンズの出射面に面して配置され
前記レンズの出射面に複数の突起により固定されるビームシェーピング要素へ入射させるステップであって、前記出射面は凸状周辺部分に囲まれた凹状中央部分を有し、前記凸状周辺部分及び前記凹状中央部分は連続的に変化する曲率を有する、ステップと、
前記ビームシェーピング要素により、前記レンズから入射された光をシェーピングしてシェーピングされた光を形成するステップであって、前記ビームシェーピング要素は、前記レンズの前記出射面に面して配置された複数の反射要素を含む面を有し、前記複数の反射要素により、前記レンズから入射された光の一部を前記レンズへ向けて反射させ、前記レンズから入射された光の他の一部を前記ビームシェーピング要素を通じて且つ前記レンズから離れる方向へ伝搬させるステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、輝度の均一性を向上するための発光装置及び光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)光源は、直接式バックライト照明のために一般的に且つ広く使用されている。コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話機、及び薄型液晶ディスプレイ(LCD)テレビ(TV)は、直接式LEDバックライトを使用するバックライトスクリーン装置の少数の例である。しかしながら、LEDの光強度分布範囲は狭いので、光を分布させることを助けるためにLEDの上にレンズが使用されることがある。
【0003】
直接式バックライトでは、バックライト装置の表面においてより均一な光出力を提供するために、レンズのアレイが光源の前に配置される。レンズの直ぐ上の光スポットのサイズに依存して、又はレンズのラジアン角が狭い場合、膨大な数のLEDが必要とされることがあり、したがってコストを増大させる。バックライトのために必要なLEDの数は、各々の個々のLED装置のスポットサイズを増大することにより削減できる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、光ホットスポットを生成することなく均一な光分布を達成し、必要な光源の数及び直接式バックライト装置の全体コストを削減する利点を有する光学レンズ及び発光装置設計を開示する。本開示は、目標表面において光の均一な分布を生成するための、光学レンズの上部にビームシェーピング要素を備える該光学レンズ、及びバックライト装置、又は該レンズ及びビームシェーピング要素を内蔵する他の発光装置に関する。開示のレンズ及び発光装置は、特に、バックライトの広い又は極めて広い転送機能が必要なとき、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】凹状光学レンズを備える例示的な発光ダイオード(LED)の断面図である。
【
図2】光学レンズ及びビームシェーピング要素を備える例示的なバックライト装置の断面図である。
【
図3】
図2に示した例示的なバックライト装置200の3次元(3D)透視(側面)図である。
【
図4A】例示的なドットパターンを示す、
図1に示した例示的なバックライト装置内のビームシェーピング要素の底面の平面図である。
【
図4B】例示的なドットパターンを示す、
図1に示した例示的なバックライト装置内のビームシェーピング要素の底面の平面図である。
【
図5】光学レンズ及びビームシェーピング要素を備える別の例示的なバックライト装置の断面図である。
【
図6】
図5に示した例示的なバックライト装置の3D透視(底面及び側面)図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ここで、LED装置は、発光装置又はバックライト装置と同義的に使用されることがある。したがって、LED光源又はいかなる他の種類の光源も、発光装置内で同様に使用されてよい。直接式バックライト産業における急速な発展は、新規な、より広範な且つより均一なレンズ設計の必要を生み出している。LEDレンズにより提供される遙かに広い光分布は、バックライトにおいて必要なLED装置の全体数を削減することにより、バックライトのコストを有意に低減できる。
図1は、凹状光学レンズ102(X-Z平面に示される断面)を備える、例示的なLED装置100(又は発光装置100)の断面図である。LED装置100は、限定ではないが、以下のコンポーネント:内側曲面112(光入射面112とも呼ばれる)及び外側曲面122(光出射面122とも呼ばれる)を含むレンズ10、光源104(例えば、LED)、基本面114、及び/又は拡散板116(又はより一般的には光受信部116)、を含んでよい。
【0007】
光源104は、光学レンズ102の中心及び下側部分に配置されてよい(例えば、レンズ102の光学軸Z上に中心がある)。例えば、赤色LED、青色LED、又は緑色LEDは、光源104として利用されてよい。光源104は、電力を光源104に加えるためにソケット及び端子(図示しない)を通じて回路基板(図示しない)に電気的に結合されてよい。拡散板116は、スクリーンバックライトにおいて、明るいスポットを低減し又は除去するために、光源104からの光を均一に分布させるために使用されてよく、様々な厚さ、不透明度又は反射率の多数のプラスチックシートを有してよい。
【0008】
凹状光学レンズ102の形状は、矢印により示すように、光源104から放射される光の光散乱角を増大し、それにより、LED装置100の上の光スポットを拡大する。光源104から放射された光は、先ず光入射面112で、次にレンズ102の光出射面122で屈折される。その結果、光源104からの光線は、扇形に広げられ、(例えば、レンズを有しない単一のLED光源と比べて)より広い領域に渡り分布される。一例では、外側曲面122は、レンズ102の光入射面112に向かって内側にへこんだ、光学Z軸上に中心のある陥凹部を含んでよい。
【0009】
しかしながら、光源104から生成された光の一部は、大部分は光出射面122の中心に周り(Z軸)にあるレンズ-空気の接触面で生じる全体的な内部反射のために反射される可能性がある。反射光の一部は、更に底面により反射されて、照明領域の中心に戻され、したがって、照明領域の中心における(Z軸の周りの)極めて強い光の「ホットスポット」に貢献する。したがって、レンズ102は、必要な放射角が広すぎないとき、光を分布するために良好に機能する。しかしながら、所要のスポットサイズが十分に大きいとき、凹状レンズ102を用いるバックライト装置100は、満足できない不均一な光分布パターンを生み出すことがある。
【0010】
省エネルギ方針の導入により、コスト削減は重要な課題になっている。多くの用途において、使用されるLED及びレンズの数を削減することによりコストを節約するために、スポットサイズ要件が増大している。したがって、LED装置におけるホットスポットの低減は、既存のレンズ構造及びLED装置設計に伴う未解決の課題であり続ける。コストを削減する例示的なアプローチは、高出力LEDを置き換えるための、低コスト中出力LEDの使用である。しかしながら、(高出力LEDの小さなダイサイズと比べて)中出力LEDにより標準的に採用される大きなダイサイズは、ホットスポット現象を更に悪化させることがある。コストを削減するための他の例示的なアプローチは、限定ではないが、使用されるLED、印刷回路基板(PCB)、及び/又はフォイル(フィルム)の数を削減することを含み得る。
【0011】
したがって、本開示の目的は、既存の光学レンズの前述の欠点を緩和し照明領域における均一な光分布を達成できる、光源のための光学レンズを提供することである。直接式バックライト産業における急速な発展は、新規な、より広範な且つより均一なレンズ設計の必要を生じている。
【0012】
ここに開示されるレンズ設計は、光ホットスポットを生成することなく、均一な光分布を可能にし、したがって、他のレンズと比べて、光のより広い転送機能を有し、直接式バックライト装置の全体コストを低減する。
【0013】
本開示は、目標表面において光の均一な分布を生成するための、LEDレンズの上部表面にビームシェーピング要素を備える該LEDレンズ、及びバックライト装置、又は該レンズを内蔵する他の発光装置に関する。発光装置は、光源(例えば、LED光源)、及びレンズ本体、を含む。したがって、LED光源は、その入射面内に収容され、LED光源から放射された光は、レンズ本体の垂直方向に放射される。ビームシェーピング要素は、レンズ本体の上部に固定され、レンズ本体の出射面(光出力表面)を通じて放射される光ビームを調整するよう構成される。垂直方向に放射される光の量は、少なくともビームシェーピング要素を用いて、バックライトの要件に従い調整されてよい。ビームシェーピング要素は、光を後方に又は他の方向へと放射して、中心の強度を低減し、発光装置の照明領域にあるホットスポットを軽減し、したがって、全体的なバックライトの均一性を向上する。開示のレンズは、バックライトの極めて広い転送機能が必要なとき、特に有用である。本開示は、以下に詳細に説明される。本開示は、バックライト装置及びLED光源に関して記載されるが、開示のレンズ設計は、他の光源及び光源装置と共に同様に使用され得ることが当業者により理解される。
【0014】
図2は、本開示による、例示的な発光装置200(例えば、バックライト装置)の断面図である。バックライト装置200は、限定ではないが、以下のコンポーネント:光入射面112(内側曲面212とも呼ばれる)及び光出射面222(外側曲面222とも呼ばれる)を含む光学レンズ202、レンズ202に結合されたLED光源204、レンズ202及びLED光源204に結合された基板206、及び/又はレンズ202の上に置かれ突起214によりレンズ202の上部に固定されたビームシェーピング要素210、を含んでよい。バックライト装置200は、図示されない他の要素を更に含んでよい。例えば、バックライト装置200は、ビームシェーピング要素210の上に置かれてよい拡散板(図示しない)を含んでよい。
【0015】
LED光源204は、円の中心(X,Y,Z)座標に位置し、レンズ202の光学軸Z上に中心がある。レンズ202の入射面212は、その下側部分にLED光源204を収容するよう構成される。
【0016】
LED光源204は、基板206の上に形成されてよい。基板206は、平面板であってよく、限定ではないが、以下の例示的な材料:セラミック、シリコン、サファイア、及び/又は炭化ケイ素を含む電気的絶縁材料により作られてよい。基板206の上面は、LED光源204と電気的に結合し、LED光源204に電力を提供する。
【0017】
レンズ202は、Z軸に関して中心対称である。入射面212は、LED光源204の中心部分に位置し、LED光源204から出てくる光を受ける。光出射面222は、所定の光分布を形成するよう配置され、中心Z軸に関して対称でもある。入射面212及び光出射面222の曲面及び相対位置は、バックライト装置200の放射角要件に従い調整されてよい。一例では、光出射面222は、レンズ102の光入射面112に向かって内側にへこんだ、光学Z軸上に中心のある陥凹部を含んでよい。ビームシェーピング要素210は、レンズ202の光出射面222の上部に突起214により固定されてよい。その結果、レンズ202及びビームシェーピング要素210は、それら個々の光拡散機能をより正確に実行できる。
【0018】
ビームシェーピング要素210のために使用される材料の例は、ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate:PMMA)、テレフタル酸ポリエチレン(polyethylene terephthalate:PET)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、ポリスチレン(polystyrene:PS)、又はガラスを含む。ビームシェーピング要素210のために使用される材料は、レンズ202のために使用される材料と同じ又は異なってよい。一例では、3つ以上の突起214が、ビームシェーピング要素210をレンズ202に固定するために使用されてよいが、任意の数の突起214が使用されてよい。一例では、複数の突起214の各々の高さは、ビームシェーピング要素210を基板206に水平にするために同じであってよい。別の例では、突起214は、光を遮るのを防ぐために可能な限り薄くされてよい。別の例では、突起214は、紫外線(ultra-violet:UV)接着剤、又は他の接着材料により、レンズ202に固定されてよい。しかしながら、突起の高さ、厚さ、及び数は、本開示の範囲内で他の値に調整されてよい。
【0019】
ビームシェーピング要素210は、光出射面222の中心部に固定されてよく、光学Z軸上に中心があってよい。本開示によると、光源204から生じ光出射面222から放射される光の一部は、ビームシェーピング要素210により反射され、一方で該光の他の部分は、ビームシェーピング要素210を通じて直接放射される。これは、ビームシェーピング要素210の底面216を、光の一部を放射し一部を反射するよう形成することにより達成され得る。一例では、ビームシェーピング要素210は、ビームシェーピング要素210の底面216上のドットパターンにより形成されてよい。したがって、ドットパターンは、光の一部を、ビームシェーピング要素210を通じて(例えば、ドットの間の空間を通じて)放射させ、一方では、光の他の部分を(例えば、ドットにより)反射させる。
図4A及び4Bを参照して、ドットパターンの例示的な設計を以下に更に詳述する。ビームシェーピング要素210のサイズ及び/又は位置は、レンズ202の中心部における光ホットスポットを減少させ又は除去するために、レンズ202から出てくるホットスポットサイズに従い調整されてよい。
【0020】
図3は、
図2に示した例示的なバックライト装置200の3次元(3D)透視(側面)図である。レンズ202の光出射面222から放射された光は、ビームシェーピング要素210の底へ入射し、ビームシェーピング要素210の底面216上のパターン(例えば、ドットパターン)の分布に従い光が調節される光領域を形成する。例えば、ドットパターンが使用される場合、光の一部は、ドットがある場所で反射され、光の別の部分は、ドットが存在しない場所で、ビームシェーピング要素210を通じて放射される。結果として、輝度(つまり、所与の方向に表面から放射される単位面積当たりの光の強度)がレンズ202の中心Z軸に集中することが防がれ、したがって、レンズ202の上のホットスポットを除去する。ビームシェーピング要素210のサイズ、高さ、及び/又は厚さは、例えばバックライト装置200の要件に基づき、変化し、調整されてよい。
【0021】
一例では、ビームシェーピング要素210は、組立許容範囲内で可能な限りレンズ202に近く配置されてよい(例えば、レンズ202からビームシェーピング要素210までの距離又はその間が0.2mm)。別の例では、ビームシェーピング要素210の厚さは、より多くの光を吸収することを回避するために可能な限り薄くされてよい。ビームシェーピング要素210のサイズは、レンズ202のホットスポットサイズに従い最適化されてよい。例えば、ビームシェーピング要素210のサイズは、ホットスポットサイズに比例してよい(例えば、大きなビームシェーピング要素210ほど、大きなホットスポットサイズのために使用される)。
【0022】
図4A及び
図4Bは、
図2に示した例示的なバックライト装置200内のビームシェーピング要素210の底面216の平面図であり、例示的なドットパターン213A及び213Bを示す。上述のように、ドットパターン213A又は213Bのようなパターンは、ビームシェーピング要素210の底面216上に形成されてよい。ドットパターン213A及び213Bは、光が明るすぎる場合、光がビームシェーピング要素210の底面216上のドットにより反射されるように、分布される。ドットパターンは、ドットの数、サイズ、位置、及び/又は形状を変化することにより、実施されてよい。例えば、ドットパターン213Aは、ドットパターン213Bと比べて、互いにより近く大きなドットを示す。円形ドットが示されるが、他の形状のドットが使用されてよい(例えば、ダイヤモンド形、楕円形、長方形、等)。さらに、ドットパターン213A及び213Bは、規則的であるように示されるが、不規則なドットパターンが使用されてよい。一例では、ドットパターンは、光を伝える代わりに光を反射するアルミめっきを施された表面(アルミニウムフィルム)のような、反射コーティングを用いて生成されてよい。例えば、アルミニウムフィルムは、入射してくる光の85%より多くを反射してよい。別の例では、ドットは、入射してくる光の一部(例えば、光の40%~50%)を吸収し及び光の残りの部分を反射するインクコーティングを用いて生成されてよい。
【0023】
図5は、本開示による、別の例示的な発光装置500(例えば、バックライト装置)の断面図である。バックライト装置500は、限定ではないが、以下のコンポーネント:光入射面512(内側曲面512とも呼ばれる)と、光出射面522(外側曲面522とも呼ばれる)と、支持土台538と、底面540とを含むレンズ502、レンズ502に結合されたLED光源504、レンズ502及びLED光源506に結合された基板504、及び/又は内面532と外面534とを含むビームシェーピング要素530、を含んでよい。バックライト装置200は、図示されない他の要素を更に含んでよい。
【0024】
LED光源504は、円の中心(X,Y,Z)座標に位置し、レンズ502の光学軸Z上に中心がある。
図5に示すように、レンズ502及びビームシェーピング要素530は、中心Z軸に関して中心対称である。ビームシェーピング要素530は、レンズ502の支持土台538に固定されてよい。ビームシェーピング要素530の内面532は、レンズ502の光出射面522から離れていてよい。言い換えると、ビームシェーピング要素530の内面532とレンズ502の光出射面522との間にギャップがあってよい。例えば、ギャップは、ビームシェーピング要素530及びレンズ502の組立衝突を回避するために、0.2mm以上であってよい。
【0025】
ビームシェーピング要素530の外面534は、光出射面522の曲率と同じ又は異なる曲率を有してよい。一例では、外面534、内面532、及び光出射面522は、同じ曲率を有しなくてよい。例えば、外面534又は内面532のいずれかが、光出射面522と同じ曲率を有してよく、或いは、外面534及び内面532の両方が出射面522と異なる曲率を有する。
【0026】
LED光源504から生成された光は、光入射面512を通って、レンズ502へと屈折する。光の一部は、光出射面522を通ってビームシェーピング要素530上へと、レンズ502の外へ直接屈折し、一方で、光の一部又は大部分は、全体的な内部反射により、光出射面522により反射される。反射光の一部は、レンズ502の底面540により、ビームシェーピング要素530の内面532を通じて、ビームシェーピング要素530の中心部(Z軸の周り)へと更に反射される。ビームシェーピング要素530へ屈折された光は、ビームシェーピング要素530を通じて更に伝達する。外面534の空気-表面の境界における全体的な内部反射の臨界角より大きな入射角を有する光は、全体的な内部反射のために反射される。したがって、ビームシェーピング要素530による反射は、発光装置500の上のホットスポットを除去する。
【0027】
一例では、ビームシェーピング要素530の内面532及び外面534は、滑らかな面であってよい。ビームシェーピング要素530は、Z軸の周りの中心部においてへこんでよい。その結果、ビームシェーピング要素530の中心軸Zを通る垂直断面は、実質的に「M」形の構成を有する。一例では、ビームシェーピング要素530は、材料を節約し及び材料吸収を低減するために、最も薄い位置において可能な限り薄くされてよい。例えば、ビームシェーピング要素530は0.4mmの厚さであってよい。ビームシェーピング要素530とレンズ502との間の空間又はギャップは、組立許容範囲を考慮して、少なくとも0.2mmであってよい。
【0028】
図6は、
図5に示した例示的なバックライト装置500からのビームシェーピング要素530(左側)及びレンズ502(右側)の3D透視(底面及び側面)図である。LED光源504から放射された光は、レンズ502の入射面512及び光出射面522により、次にビームシェーピング要素530の内面532及び外面534により、順に拡散される。光は、レンズ502及びビームシェーピング要素530により異なる程度で相違して拡散され、したがって、より不均一に分布されるようになる。ビームシェーピング要素530は、レンズ502の支持土台538の上面に固定されてよい。
【0029】
本開示によると、レンズを通じて放射された光の一部は、光学レンズのビームシェーピング要素から更に反射され屈折される。その結果、ホットスポットが除去される。上述の実施形態は、開示されたビームシェーピング要素の例を提供した。したがって、他の形状、材料、及び構造が、本開示の範囲内で光を方向付けるために使用されてよい。
【0030】
本開示では、光学レンズ及び/又はビームシェーピング要素は、限定ではないが、以下の材料:PMMA、PET、及び/又はガラスを含むいかなる材料から生成されてよい。ビームシェーピング要素のために使用される材料は、レンズのために使用される材料と同じ又は異なってよい。本開示は、例示的な実施形態を含む。したがって、当業者は、記載の要素を変更し、修正し、省略し、又は等価な要素により置き換えることができる。
【符号の説明】
【0031】
200 バックライト装置
202 レンズ
204 LED光源
206 基板
210 ビームシェーピング要素
212 光入射面
214 突起
222 光出射面