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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】色保護剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20230314BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 75/12 20060101ALI20230314BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61K8/87
A61Q5/10
C08L75/12
C08L91/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020514939
(86)(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 US2018050546
(87)【国際公開番号】W WO2019055445
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】62/557,825
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/655,275
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513048117
【氏名又は名称】リビング プルーフ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】カン,スヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジー,シャオシア
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,サラ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,リーン-ファーン
(72)【発明者】
【氏名】ビリャヌエバ,ディナラ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】スペングラー,エリック・ジー
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/161214(WO,A1)
【文献】特表2004-513138(JP,A)
【文献】特開2000-302837(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0251026(US,A1)
【文献】特表2005-529159(JP,A)
【文献】特開2005-220127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0184195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
C08L 75/00-75/16
C08L 91/00-91/08
C08G 18/00-18/87
C08G 71/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
染色された人間の毛髪における毛髪の色を保持する方法であって、150MPaより高いヤング率、5%~00%の破断伸び、及び10%未満の吸水率を有するカチオン性ポリウレタンを含む組成物を前記毛髪に適用することを含み
(i)前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、及びZ]X の塩
(式中、
(a)Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;及び
Xは、乳酸であり;
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、そしてV:Zのモル比は1:0.45である;
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.26であり、そしてV:Zのモル比は1:0.44である;
V:Wのモル比は1:0.20であり、V:Yのモル比は1:0.42であり、そしてV:Zのモル比は1:0.38である;
V:Wのモル比は1:0.28であり、V:Yのモル比は1:0.42であり、そしてV:Zのモル比は1:0.30である;
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.41であり、そしてV:Zのモル比は1:0.30である;
V:Wのモル比は1:0.28であり、V:Yのモル比は1:0.51であり、そしてV:Zのモル比は1:0.21である;
V:Wのモル比は1:0.28であり、V:Yのモル比は1:0.61であり、そしてV:Zのモル比は1:0.12である;又は
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.56であり、そしてV:Zのモル比は1:0.16であり;
(b)Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;
Xは、乳酸であり;及び
組成物はさらにリノール酸を含み、
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、そしてV:Zのモル比は1:0.45であり;又は
(c)Wは分子量が3,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD3K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;及び
Xは、乳酸であり;
V:Wのモル比は1:0.10であり、V:Yのモル比は1:0.78であり、そしてV:Zのモル比は1:0.12であり;又は
(ii)前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z及びZ ]X の塩
(式中、
(a)Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;
は、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)であり;及び
Xは乳酸であり、
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、V:Zのモル比は1:0.22であり、そしてV:Z のモル比は1:0.22であり;又は
(b)Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;
は、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)であり;
Xは、乳酸であり;及び
組成物はさらにリノール酸を含み:
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、そしてV:Zのモル比は1:0.22であり、そしてV:Z のモル比は1:0.22である、方法
【請求項2】
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、及びZ]X の塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
式中、
Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;及び
Xは、乳酸であり;
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、そしてV:Zのモル比は1:0.45である;
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.26であり、そしてV:Zのモル比は1:0.44である;
V:Wのモル比は1:0.20であり、V:Yのモル比は1:0.42であり、そしてV:Zのモル比は1:0.38である;
V:Wのモル比は1:0.28であり、V:Yのモル比は1:0.42であり、そしてV:Zのモル比は1:0.30である;
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.41であり、そしてV:Zのモル比は1:0.30である;
V:Wのモル比は1:0.28であり、V:Yのモル比は1:0.51であり、そしてV:Zのモル比は1:0.21である;
V:Wのモル比は1:0.28であり、V:Yのモル比は1:0.61であり、そしてV:Zのモル比は1:0.12である;又は
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.56であり、そしてV:Zのモル比は1:0.16である、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
式中、
Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;
Xは、乳酸であり;及び
組成物はさらにリノール酸を含み、
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、そしてV:Zのモル比は1:0.45である、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、
式中、
Wは分子量が3,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD3K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;及び
Xは、乳酸であり;
V:Wのモル比は1:0.10であり、V:Yのモル比は1:0.78であり、そしてV:Zのモル比は1:0.12である、方法。
【請求項6】
カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z及びZ ]X の塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
式中、
Wは分子量が1,000g/モルであるポリカーボネートジオール(PCD1K)であり;
Vはイソホロンジイソシアネート(IPDI)であり;
Yは1,4-ブタンジオール(BD)であり;
Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)であり;
は、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)であり;及び
Xは乳酸であり、
V:Wのモル比は1:0.29であり、V:Yのモル比は1:0.27であり、V:Zのモル比は1:0.22であり、そしてV:Z のモル比は1:0.22である、方法。
【請求項8】
組成物がさらにリノール酸を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カチオン性ポリウレタンが水中に分散されている、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記カチオン性ポリウレタンが粒子の形態である、請求項1~のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記カチオン性ポリウレタンが、0~0nmの平均粒径を有する均一な粒子を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記カチオン性ポリウレタンが、00~00nmの平均粒径を有する二峰性又は多峰性の粒子を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記カチオン性ポリウレタンが、前記組成物の総重量を基準として25%~35%の量で存在する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記組成物を、前記毛髪を染色する前、染色する間、又は染色した後に適用する、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記組成物を、前記毛髪を染色した後に適用する、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記組成物を、水を用いて毛髪に適用する、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2018年4月10日に出願された米国仮出願第62/655,275号、及び2017年9月13日に出願された米国仮出願第62/557,825号(これらの各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]長時間の高価な着色時間の後においても、彼らの毛髪を染色する消費者は、毛髪染料のかなりの部分が最初の数回の洗浄の間に失われると報告している。最も一般的な市販の毛髪染料は、毛髪の膨潤及び染料沈着のプロセスによって毛髪繊維内に沈着される大きな発色団(染料分子)から構成される。これらの発色団は、毛髪自体に共有結合していないので、それらは通常は日常の洗浄及びコンディショニングの間に毛髪から浸出する。これは消費者にとって厄介であり、美容院への日常的な訪問、及び化学物質(その幾つかは毛髪に永久的な損傷を引き起こし、環境に害を及ぼす可能性がある)の徹底的な使用を必要とする。毛髪を染色するためのより魅力的で環境により優しい方法の探求が続けられているが、色損失の量を減少させることができ、それによって美容院への訪問がより少なくなり、有害な化学物質の使用が減少する配合物に対する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明においては、特定のカチオン性ポリウレタンベースの組成物を適用することを含む毛髪中のカラー染料を保持する方法が提供される。例えば、図2a及び2bは、本発明のカチオン性ポリウレタンを含む洗浄溶液が、市販の色保護剤樹脂と比較した場合に最小の染料損失を与えることを示す。
【0004】
[0004]また、本発明においては、透析技術を使用することによって化粧品組成物の色保持能力を求めて評価する方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1-1】[0005]図1aは、毛髪染料の色損失を模倣する透析実験であり、透析チューブから浸出した染料を含むリザーバー試料は、0.8重量%のカチオン性WBPU溶液中に毛髪染料を含む透析チューブを浸漬した場合(左側)には、Merquat(登録商標)2003PR(ポリクオタニウム-53、Lubrizol Advanced Materials)及びMerquat(登録商標)100(ポリクオタニウム-6、Lubrizol Advanced Materials)の0.8重量%溶液中に毛髪染料を浸漬した場合(右側)と比較して、チューブからの染料損失がより少なくなることを示す。図1bは比色法を用いた色損失の定量であり、0.8重量%のカチオン性WBPUのリザーバー中に浸漬した場合には、0.8重量%のMerquat(登録商標)2003PR及びMerquat(登録商標)100のリザーバー中に浸漬した場合に対して、透析チューブからの色損失がより少ないことを示す。図1cは毛髪染料の色損失を模倣する透析実験であり、透析チューブから浸出した染料を含むリザーバー試料は、5重量%のカチオン性WBPU溶液中に毛髪染料を含む透析チューブを浸漬した場合には、N-Durhance(登録商標)A-1000(ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、Ashland)の5重量%溶液中に毛髪染料を浸漬した場合と比較して、チューブからの染料損失がより少なくなることを示す。図1dは比色法を用いた色損失の定量であり、5重量%のカチオン性WBPUのリザーバー中に浸漬した場合には、N-Durhance(登録商標)A-1000の5重量%のリザーバー中に浸漬した場合に対して、透析チューブからの色損失がより少ないことを示す。
図1-2】図1eは毛髪染料の色損失を模倣する透析実験であり、透析チューブから浸出した染料を含むコンディショナーのリザーバー試料は、0.3重量%のカチオン性WBPUを含むコンディショナー中に毛髪染料を含む透析チューブを浸漬した場合には、市販のコンディショナー中に毛髪染料を浸漬した場合と比較して、チューブからの染料損失がより少なくなることを示す。図1fは比色法(全彩度変化(ΔC))を用いた色損失の定量であり、0.3重量%カチオン性WBPUリザーバーを含むコンディショナー中に浸漬した場合には、ブランクコンディショナーまたは市販のコンディショナーを含むリザーバー中に浸漬した場合に対して、透析チューブからの色損失がより少ないことを示す。図1gは比色法(赤色の全変化(Δa))を用いた色損失の定量であり、0.3重量%カチオン性WBPUリザーバーを含むコンディショナー中に浸漬した場合には、ブランクコンディショナーまたは市販のコンディショナーを含むリザーバー中に浸漬した場合に対して、透析チューブからの色損失が少ないことを示す。
図2】[0006]図2aは、本発明のカチオン性ポリウレタンで処理し、水中に20回浸漬した毛束からの色損失(左側)、及び市販の色保護剤ポリマーのMerquat(登録商標)2003PR及びMerquat(登録商標)100からの色損失(右側)を示す。毛髪を水中に浸漬する前にカチオン性WBPUで処理した場合には、Merquat(登録商標)混合物で処理した場合よりも有意に少ない色損失がある。図2bは、本発明のカチオン性ポリウレタンで処理し、マイルドなラウレス硫酸ナトリウム(界面活性剤)溶液中に15回浸漬した毛髪からの色損失(左側)、及びマイルドなラウレス硫酸ナトリウム(界面活性剤)溶液中に15回浸漬した場合の市販の色保護剤ポリマーのN-Durhance(登録商標)A-1000からの色損失(右側)を示す。界面活性剤溶液中に浸漬する前に毛髪をカチオン性WBPUで処理した場合には、有意に少ない色損失がある。
図3】[0007]図3は、毛髪を新たに染色した消費者が、彼らの頭部の一方の側に本発明のカチオン性ポリウレタンを含む配合物を用いる長時間の洗浄及びコンディショニングを受け、頭部の他方の側に本発明のカチオン性ポリウレタンを有さない配合物を用いる長時間の洗浄及びコンディショニングを受けたin vivo実験からの色損失データを示す。比色データは、ΔEによって示されるように、カチオン性WBPUを含む処理を使用した場合には、11日間の洗浄にわたって色損失が減少することを示す。訓練された官能評価者によるブラインドテストでは、カチオン性WBPUを含む処理を使用した場合に、不利な視覚的又は官能的効果が観察されなかったと決定された。
【発明を実施するための形態】
【0006】
1.定義:
[0008]カチオン性ポリウレタン及び他の成分「から実質的に構成される」本明細書に記載される組成物、プロセス、又は方法は、示されるカチオン性ポリウレタンが、示される組成物、プロセス、又は方法において存在する唯一のポリウレタンであることを意味する。而して、「から実質的に構成される」又は「から実質的に構成」は、追加のポリウレタンを含めることを除いてすべての用語について開放型であり、即ち示されるカチオン性ポリウレタンのみが存在する。
【0007】
[0009]カチオン性ポリウレタン及び他の成分「から構成される」本明細書に記載される組成物、プロセス、又は方法は、示される成分のみが存在することを意味する。言い換えれば、「から構成される」は、特定されていない要素、工程、又は成分を排除する。「から構成される」及び「から構成」は互換的に使用される。
【0008】
[0010]「含む」は包含的又は開放型であり、追加の示されていない構成要素又は方法工程を排除しない。
[0011]本明細書で使用される「カチオン性ポリウレタン」とは、カルバメート(ウレタン)基を含み、pH≦7において全体で正味の正電荷を有する熱可塑性ポリマーを指す。幾つかの形態において、本明細書中に記載されるカチオン性ポリウレタンは、約3.7~約6.5、約3.7~約6.0、又は約3.7~約5.5のpHにおいて、全体で正味の正電荷を有する。特に明記しない限り、カチオン性ポリウレタンは、本明細書中で使用される場合、両性/カチオン性ポリウレタンを含む。しかしながら、一形態においては、カチオン性ポリウレタンは両性/カチオン性ポリウレタンを包含しない。
【0009】
[0012]本明細書で使用される「両性ポリウレタン」とは、カルバメート(ウレタン)基を含み、中和方法によってカチオン性又はアニオン性ポリウレタンの両方として作用し得る熱可塑性ポリマーを指す。「両性/カチオン性ポリウレタン」とは、記載された両性種が、酸、例えば乳酸で中和した際にカチオン性ポリウレタンとして作用するものであることを意味する。
【0010】
[0013]「ヤング率(又は弾性率、引張弾性率)」は、固体ポリマーフィルムの固さの尺度である。ヤング率Eは、応力-歪み曲線の弾性(初期、線形)部分において引張応力を伸長歪みで割ることによって計算することができる。カチオン性ポリウレタンのヤング率は、機械特性を測定するために規定されたプロトコルによって求めることができ、ASTM-D638、ASTM-D412、下記の実施例2に記載の試験ガイドラインに準拠して求められる。
【0011】
[0014]「破断伸び(破断歪み、極限伸びとしても知られる)」は、固体ポリマーフィルムの破断後の変化した長さと初期長さとの間の比である。カチオン性ポリウレタンの破断伸びは、機械特性を測定するために規定されたプロトコルによって求めることができ、ASTM-D638、ASTM-D412、下記の実施例2に記載の試験ガイドラインに準拠して求められる。
【0012】
[0015]「吸水率」は、固体ポリマーフィルムによって吸着される水の尺度である。固体ポリマーフィルムの吸水率を測定する方法は、実施例3において与えられる。
[0016]「官能スコア」は、毛髪固定剤の性能によって求められる。詳しくは、組成物が適用された毛束を90秒間ブロー乾燥する。毛束はデュプリケートで調製し、ランダムにブラインドにし、ブラインド条件下で訓練された官能分析者により-2~2のスケールで自然な感触及び全体的な官能特性について評価する。官能分析者は、毛髪の官能特性を評価する有意に長期の経験を有する、免許を受けたヘアスタイリスト及び化粧品科学者である。官能分析者は、完全に望ましくないとみなされる毛束に-2のスコア、完全に柔らかく、自然な感触及び外観の毛髪に+2のスコア、及びこれら2つの極値の間の中間スコアを割り当てる。
【0013】
[0017]本明細書中で使用される「毛髪の色を保持する」、「毛髪の色損失を減少させる」、「染色された毛髪の色損失を減少させる」、又は同様の記載は、比色法によって測定して、本発明の組成物で処理した染色された試料における毛髪の色損失に起因する全色変化(Δe)または全彩度変化(ΔC)が、染色したが本発明の組成物で処理していない毛髪における全色変化(ΔE)又は全彩度変化(ΔC)より少ないことを意味する。
【0014】
2.選択指標(Selection Markers):
[0018]本発明においては、染色した毛髪(例えば人間の毛髪)における色損失を減少させることができる化粧品組成物(例えば、ヘア製品)をもたらすことが見出されたWBPU特性の特定の組み合わせが提供される。これらの特性としては、例えば、幾つかの機械特性の組み合わせ、幾つかの化学特性の組み合わせ、又は機械特性及び化学特性の両方の組み合わせが挙げられる。
【0015】
ヤング率、破断伸び、及び吸水率:
[0019]本明細書に記載される機械特性の組み合わせは、ヤング率(例えば150MPaより高い)、破断伸び(例えば約15%~約300%)、及び疎水性(例えば10%未満の吸水率)を含む。
【0016】
[0020]一形態においては、カチオン性ポリウレタンのヤング率は約150MPaより高い。例えば、本発明の組成物中のカチオン性ポリウレタンのヤング率は、約160MPaより高く、約170MPaより高く、約180MPaより高く、約190MPaより高く、約200MPaより高く、約210MPaより高く、約220MPaより高く、約230MPaより高く、約240MPaより高く、約250MPaより高く、約260MPaより高く、約270MPaより高く、約280MPaより高く、約290MPaより高く、約300MPaより高く、約310MPaより高く、約320MPaより高く、約330MPaより高く、約340MPaより高く、約350MPaより高く、約360MPaより高く、約370MPaより高く、約380MPaより高く、約390MPaより高く、約400MPaより高く、約410MPaより高く、約420MPaより高く、約430MPaより高く、約440MPaより高く、約450MPaより高く、約460MPaより高く、約470MPaより高く、約480MPaより高く、約490MPaより高く、約500MPaより高く、約510MPaより高く、約520MPaより高く、約530MPaより高く、約540MPaより高く、又は550MPaより高くてよい。他の形態においては、カチオン性ポリウレタンのヤング率は、約150MPa~約500MPaである。例えば、本発明の組成物中のカチオン性ポリウレタンのヤング率は、約150MPa~約400MPa、約150MPa~約350MPa、約170MPa~約390MPa、約180MPa~約320MPa、約190MPa~約300MPa、約200MPa~約290MPa、又は約210MPa~約280MPaであってよい。
【0017】
[0021]一形態においては、カチオン性ポリウレタンの破断伸びは、約15%~約300%である。例えば、本発明の組成物中のカチオン性ポリウレタンの破断伸びは、約20%~約300%、約25%~約300%、約40%~約280%、約100%~約280%、約100%~約250%、約150%~約250%、約200%~約250%、約210%~約250%、約30%~約150%、約15%~約150%、約150%~約300%、約50%~約250%;約75%~約225%、又は約100%~約200%であってよい。破断伸びは、場合により、上記の段落で記載したヤング率値の1以上、又は本明細書の残りの部分で記載するヤング率値の任意の1つと組み合わさっていてよい。
【0018】
[0022]一形態においては、カチオン性ポリウレタンの吸水率は、約10%未満である。例えば、本発明の組成物中のカチオン性ポリウレタンの吸水率は、約9.5%未満、約9%未満、約8.5%未満、約8%未満、約7.5%未満、約7%未満、約6.5%未満、約6%未満、約5.5%未満、約5%未満、約4.5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.5%未満、約1%未満、約0.5%未満であってよく、又は約0%である。一形態においては、本発明の組成物中のカチオン性ポリウレタンの吸水率は、約0%~約10%である。例えば、吸水率は、約0%~約8%、約2%~約8%、又は約3%~約7%であってよい。吸水率は、上記の段落又は本明細書の残りの部分で記載した1以上のヤング率値、1以上の破断伸び値、又は両方と組み合わさっていてよい。
【0019】
[0023]下記の実施例のセクションにおいて示されるように、上記記載のヤング率、破断伸び、及び吸水率を有するカチオン性ポリウレタンは、例えば化学的手段によって染色された毛髪における色損失を最小にする。
【0020】
3.使用方法:
[0024]染色された人間の毛髪における毛髪の色を保持する方法であって、150MPaより高いヤング率、約15%~約300%の破断伸び、及び10%未満の吸水率を有するカチオン性ポリウレタンを含む組成物を毛髪に適用することを含む上記方法。また、染色された人間の毛髪における毛髪の色を保持する方法であって、150MPaより高いヤング率、約15%~約300%の破断伸び、及び10%未満の吸水率を有するカチオン性ポリウレタン;中和剤;及びオイルから実質的に構成される組成物を毛髪に適用することを含む上記方法も提供される。
【0021】
[0025]幾つかの形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約1,000g/モルであり;V:Wのモル比は約1:0.18~約1:0.32であり;V:Yのモル比は約1:0.24~約1:0.72であり;V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.47である)の塩である。1つの別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約2,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.08~約1:0.18であり;V:Yのモル比は1:0.36~約1:0.82であり;V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.49である)の塩である。別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約3,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.05~約1:0.13であり;V:Yのモル比は1:0.4~約1:0.85であり;V:Zのモル比は、1:0.08~約1:0.49である)の塩である。
【0022】
[0026]1つの別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、Z、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Zはエトキシル化ポリオールモノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約1,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.19~約1:0.33であり;V:Yのモル比は1:0.19~約1:0.7であり;V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.49であり;V:Zのモル比は、1:0~約1:0.03である)の塩である。別の形態においては、提供される組成物中のカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、Z、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Zはエトキシル化ポリオールモノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約2,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.09~約1:0.18であり;V:Yのモル比は1:0.31~約1:0.8であり;V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.51であり;V:Zのモル比は1:0~約1:0.03である)の塩である。別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、Z、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Zはエトキシル化ポリオールモノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約3,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.05~約1:0.13であり;V:Yのモル比は1:0.36~約1:0.83であり;V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.52であり;V:Zのモル比は、1:0~約1:0.03である)の塩である。
【0023】
[0027]別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、Z、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Zはヒドロキシル化アルキル酸モノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約1,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.19~約1:0.33であり;V:Yのモル比は1:0.14~約1:0.44であり;V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.47であり;V:Zのモル比は、1:0.05~約1:0.33である)の塩である。別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、Z、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Zはヒドロキシル化アルキル酸モノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約2,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.09~約1:0.18であり;V:Yのモル比は1:0.26~約1:0.53であり;V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.49であり;V:Zのモル比は1:0.05~約1:0.35である)の塩である。別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、式:[W、V、Y、Z、及びZ]X(式中、Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;YはC1-8アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;ZはC1-8アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;Zはヒドロキシル化アルキル酸モノマーから形成される生成物であり;Xは中和イオンであり;Wの分子量は約3,000g/モルであり;V:Wのモル比は1:0.05~約1:0.13であり;V:Yのモル比は1:0.3~約1:0.56であり;V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.5であり;V:Zのモル比は1:0.05~約1:0.35である)の塩である。
【0024】
[0028]更に別の形態においては、Vはイソホロンジイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;Yは1,4-ブタンジオールモノマーから形成される生成物であり;Zは3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオールモノマーから形成される生成物である。更に別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、次式:
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
又は
【0028】
【化3】
【0029】
(式中、nは6~21であり、mは19~31である)の塩である。
[0029]幾つかの形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、PU-363、PU-399、PU-400、PU-377、PU-404、PU-378、PU-383、PU-398、PU-401、PU-402、PU-403、PU-385、PU-376、PU-408、PU-409、PU-396、PU-413、PU-414、PU-362、及びPU-372から選択される。別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、PU-362、PU-376、PU-377、PU-378、及びPU-404から選択される。更に別の形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、PU-363、PU-377、及びPU-378から選択される。
【0030】
[0030]幾つかの形態において、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは水中に分散される。
[0031]幾つかの形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは粒子の形態である。
【0031】
[0032]幾つかの形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、約20~約80nmの平均粒径を有する均一な粒子を含む。
[0033]幾つかの形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、約100~約300nmの平均粒径を有する二峰性又は多峰性の粒子を含む。
【0032】
[0034]幾つかの形態においては、提供される方法におけるカチオン性ポリウレタンは、組成物の総重量を基準として25%~35%の量で存在する。
[0035]幾つかの形態においては、提供される方法において記載される組成物は中和剤を更に含む。中和剤は、例えば、乳酸のような酸中和剤であってよい。幾つかの形態においては、中和剤:C1-8アミノアルキルジオールモノマーの比は約0.8~約1.2である。
【0033】
[0036]幾つかの形態においては、提供される方法において記載される組成物はオイルを更に含む。オイルは、鉱油、動物油、植物油、又は合成油から選択することができる。一形態においては、オイルはリノール酸又は複数の脂肪酸の混合物である。例としては、フレグランスオイル、皮膚軟化剤、モノテルペノイド、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪エステル、脂肪エーテル、フッ素化小分子(例えば、ペルフルオロメチルシクロペンタン、ペルフルオロペルヒドロフェナントレン、ペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルデカリン、及びペルフルオロペルヒドロベンジルテトラリン)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。別の形態においては、オイルは、組成物の総重量を基準として約0.2~約1.65%の範囲の量で存在する。別の形態においては、オイルは、組成物の総重量を基準として約0.2~約0.25%の量で存在する。
【0034】
[0037]本発明方法の一形態においては、組成物は、毛髪を染色する前、染色する間、又は染色した後に適用する。他の形態においては、組成物は、毛髪を染色する前、又は染色した後に適用する。更に他の形態においては、組成物は毛髪を染色した後に適用する。
【0035】
[0038]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は水を用いて毛髪に適用する。
[0039]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は、毛髪に適用された場合、テクスチャ及び外観を変化させる。
【0036】
[0040]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は、毛髪に適用された場合、ホールド性も改善し、即ち、所定のカール又はスタイルに成形された毛髪は長い時間そのカール又はスタイルを保持する。
【0037】
[0041]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は、毛髪に適用された場合、十分なスタイラビリティも与え、即ち、毛髪に適用された組成物は、スタイルを形成及び維持するために十分な固さ及び柔軟性を提供する。
【0038】
[0042]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は、毛髪に適用された場合、浮き毛を最小にもし、即ち、所定のカール又はスタイルに適合しない個々の毛髪繊維を最小にする。
【0039】
[0043]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は、毛髪に適用された場合、カール形状を保持もし、即ち、所定のカールに成形された毛髪は長い時間そのカールを保持する。
【0040】
[0044]本発明方法の一形態においては、本発明の組成物は、毛髪に適用された場合、ナチュラルカールの増強も与え、即ち、ナチュラルカールする傾向がある毛髪は、より鮮明でより散らばっていないカールパターンを示す。
【0041】
[0045]本発明方法における組成物には、抗酸化剤を更に含ませることができる。好適であり得る抗酸化剤としては、アチェオイル、α-リポ酸、緑茶及び白茶、レチノール、ビタミンC、ビタミンE、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、コエンザイムQ10(CoQ-10)、イソフラボン、ポリフェノール、クルクミン、ウコン、ポメグラネート、ローズマリー、グルタチオン、セレン、及び亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
[0046]代表的な形態においては、毛髪を染色する前、染色する間、及び/又は染色した後に、有効量の本明細書に記載される組成物を、乾燥又は湿った毛髪上に噴霧又は塗布することができる。本明細書で使用される「有効量」とは、色の保護を与えるのに十分な量を意味する。
【0043】
[0047]また、化粧品組成物の色保持性を求める方法であって、化粧品組成物及び少なくとも1種類のカラー染料を含む溶液に対して透析を行う工程;及び一定時間にわたって色損失を定量的に評価する工程;を含む上記方法も提供される。一形態においては、「一定時間にわたって色損失を定量的に評価する」とは、実施例4に記載の式、即ち式:
【0044】
【化4】
【0045】
に従って、全色損失ΔE又は全彩度損失ΔCを評価することを意味する。
[0048]一形態においては、透析を行う工程は、対象の毛髪染料を透析チューブ内に配置すること、及び次に毛髪染料を含む透析チューブを、対象の組成物を含むリザーバー浴内に配置することを含む。
【実施例
【0046】
実施例1.カチオン性水性ポリウレタンの化学組成:
[0049]主としてポリカーボネートジオール、1,4-ブタンジオール(BD)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及び3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DMAPD)を用いて、カチオン性水性ポリウレタンを合成し;選択的に、非イオン性連鎖延長剤のTegomer D3403(エトキシル化ポリエーテル-1,3-ジオール)及び2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)を、それぞれカチオン性水性ポリウレタン中に導入して所望の物理特性を達成した。弱酸の乳酸を中和剤として使用した。各モノマーについて、NCOに対するモル比を表1に示す。更に、有益なオイルをカチオン性水性ポリウレタン中に導入して、改善された官能特性を提供することもできた。
【0047】
【表1】
【0048】
[0050]全体として、本発明のカチオン性水性ポリウレタンは、本明細書で規定する最適の物理特性:(1)>150MPaのヤング率、(2)15%~300%の破断伸び、及び(3)(a)添加剤を含まないWBPUについては10%未満、(b)添加剤を含むWBPUについては8%未満の吸水率を有していた。表2を参照。
【0049】
【表2】
【0050】
[0051]カチオン性水性ポリウレタンの粒径及び分布は、2つのタイプに分けることができる。化学組成によって、1つのタイプのカチオン性水性ポリウレタンは、均一な粒径分布を示し、平均粒径は約20~約80nmの範囲であった。他のタイプのカチオン性水性ポリウレタンは、100~約300nmの範囲の平均粒径、及び粒径の大きな標準偏差によって示されるように、大きな粒径及び二峰性/多峰性の粒径分布を示した。表3を参照。
【0051】
【表3】
【0052】
実施例2.機械的性能:
[0052]ヤング率は、一軸の引張又は圧縮下にある際に長さの変化に耐える材料の能力の尺度である。より高いヤング率は、通常は材料がより剛性であることを示す。破断伸び(破断歪みとしても知られている)は、試験片の破断後の変化した長さと初期長さとの間の比である。より高い破断伸びは、材料が破断に抵抗する能力を表す。
【0053】
[0053]本明細書に開示されるポリウレタンの幾つかについてのヤング率及び破断伸びの、幾つかの市販のポリウレタン製品に対する比較を行った。ヤング率及び破断伸びは、機械特性を測定するために規定されたプロトコルによって求めることができ、ASTM-D638、ASTM-D412、試験ガイドラインに準拠して求められる。詳しくは、以下のプロトコルを使用して、ポリウレタンの乾燥フィルムのヤング率及び破断伸び(又は極限伸び)を求めることができる。試験は、完了するまで試料当たり約10~20分を必要とする。
【0054】
[0054]材料:
・>25gのポリウレタン水性分散液;
・テフロン(登録商標)シート上に彫付された試料あたり1個の清浄な長方形の型(2mm×20mm×45mm);
・1枚の清浄なカミソリ刃;
・スコッチテープ;
・伸長グリップ形状体を装備した汎用試験機。
【0055】
[0055]試料の調製:
1.それぞれのストック溶液から10重量%のWBPU溶液25gを調製する。
2.2.5mLの調製した溶液を、それぞれの型(2mm×20mm×45mm)内に適用し、2日間乾燥させて、WBPUフィルムを与える。
【0056】
3.乾燥した後、スパチュラを用いてフィルムを型から取り出す。
4.カミソリ刃を使用して角を切断し、幅約15mm、厚さ約150~300ミクロンのフィルムを得る。フィルムに気泡がないことを確認する。
【0057】
5.試験フィルムにラベルを付ける。
6.試料あたり4枚のテープ(20mm)を切断し、それらを試料片の両側に接着させ、グリップ内における試料の保持性を改善するためにドッグボーン形状の試料を作製する。調製した試験フィルムをデシケーターに1~2時間保存してそれらを完全に乾燥させる。試験のために、デシケーターから一度に1つの試料を取り出す。
【0058】
[0056]試料の試験:
1.汎用試験機について登録されている荷重を平衡にして0ニュートンの読み値になるようにする。
【0059】
2.キャリパを使用して、上部及び下部の伸長グリップ形状体の間の距離を20mmに設定する。
3.試料を伸長グリップ内に取り付け、しっかりと固定し、スコッチテープが見えないようにし、試料が両方の垂直面内で可能な限り垂直に近いようにする。
【0060】
4.2~5Nの力が記録されるまで形状体を離すことによって、試料をわずかに延伸する。
5.100mm/分の速度で汎用試験機において引張試験運転を開始し、試料が破断したら試験を停止する。
【0061】
6.破断伸びは、材料が破断する時点の伸びにおいて計算される。
7.ヤング率は、>0.99のR値を用いてその領域への線形フィットの勾配を計算することによって、変形の最初の弾性部分の間のモジュラスとして計算される。
【0062】
(a)低いモジュラス及び高い伸び(Avalure UR 450(PPG-17/IPDI/DMPAコポリマー)、C1004(ポリウレタン-35)、Polyderm PE/PA ED(ポリウレタン-58)、Polyderm PE/PA(ポリウレタン-18)):これは劣ったカールホールド性をもたらす(例えば、ホールド性は一時的、一過性、又は長持ちしない);又は
(b)高いモジュラス及び低い伸び(DynamX(ポリウレタン-14及びAMP-アクリレートコポリマー)、DynamX/H2O(ポリウレタン-14及びAMP-アクリレートコポリマー/水)、Luviset PUR(ポリウレタン-1):これは操作後に低い性能を有する脆性な材料をもたらす(例えば、樹脂が脆性であるか、又は破断する)。
【0063】
実施例3.ポリウレタンの疎水性/吸水率:
[0057]WBPU乾燥フィルムの高湿度環境下での吸水特性は、それらの長期間持続するホールド性能に関連していた。したがって、WBPU乾燥フィルムの予測的なin vitro評価及びin vivo評価を可能にするためには、かかる吸水特性を再現可能に且つ正確に評価できることが重要である。高湿度環境下でのWBPU乾燥フィルムの吸水能力を求めるために、以下のプロトコルを使用することができる。試験は、完了するまで試料セットあたり約2~3日を必要とする。
【0064】
[0058]材料
・>15gのWBPU溶液。
・試料あたり1個の清浄な細胞培養ペトリ皿(直径60mm×高さ15mm)。
【0065】
・温度及び相対湿度(RH)を制御する柔軟性を有する湿度チャンバ。
[0059]試料の試験:
1.それぞれのストック溶液から、10重量%のWBPU溶液15gを調製する。
【0066】
2.それぞれの試料について細胞培養ペトリ皿にラベルを付け、それらの空の重量(Wpd)を測定する。
3.調製した溶液4mLをそれぞれのペトリ皿に適用する(WBPUあたり3つの試料であり、湿度チャンバー内において25℃及び50%RHで20時間平衡化させる)。
【0067】
4.平衡化後、試料の重量(W)を測定して、記録する。
5.試料を25℃及び90%RHの湿度チャンバーに配置し、20時間高湿度に平衡化させる。
【0068】
6.最終試料重量(W)を測定して、記録する。
[0060]試料の分析:
次式を用いて吸水率(%)を計算する。
【0069】
【化5】
【0070】
実施例4.染料の保持:
[0061]本明細書に開示されるポリウレタンの存在下で失われた毛髪染料についての比色データを収集し、幾つかの市販の色保護剤樹脂中で失われた毛髪染料と比較した。色損失は、各試料についてのL、a、およびb値(白/黒スケール(L)、赤/緑スケール(a)、および青/黄スケール(b)上で試料の色を示すように割り当てることができる数値である)の変化を評価することによって求められる。色損失を求めるために使用したプロトコルは、下記の一般手順に従って比色計を使用して集めた。試験は、完了までに試料あたり約5分を必要とする。
【0071】
1.純白の較正標準試料への比色計の較正を行う。
2.溶液を分析するために、溶液を含むシンチレーションバイアルを比色計の試料台上に配置し、L、a、及びb値を記録する。
【0072】
3.対象の全ての試料について繰り返す。
4.全色損失ΔEを、下式に従って計算する:
【0073】
【化6】
【0074】
(式中、Lは対象のL値であり、Lは当初のL値であり;
は対象のa値であり、aは当初のa値であり;
は対象のb値であり、bは当初のb値である)
5.全彩度損失ΔCを、下式に従って計算する:
【0075】
【化7】
【0076】
(式中、aは対象のa値であり、aは当初のa値であり;
は対象のb値であり、bは当初のb値である)
[0062]本発明のカチオン性ポリウレタンは、種々のポリマー系において色素損失を最小にし、したがって着色処理された毛髪からの色素損失を遅延させるか又は防止するのに十分な特性を含むことが見出された。ここでは、色保持の評価のための新規な方法である透析を用いて、カチオン性WBPUについて得られたin vitro及びin vivo色保護の結果をモデル化した。それぞれの透析実験において、対象の毛髪染料(15g)を、毛髪ケラチンのような生体材料の細孔サイズを模倣する0.5~1kDaの細孔サイズを有する透析チューブ内に懸濁した。次に、透析チューブを、カチオン性WBPU又は市販の色保護剤樹脂のような対象の樹脂を含む大きなリザーバー浴(300g)内に浸漬した。1つの実験においては、赤色の毛髪染料を含む透析チューブ試料を調製し、次に0.8重量%のカチオン性WBPU、又は0.8重量%のMerquat(登録商標)2003PR及びMerquat(登録商標)100のいずれかの中に浸漬した。異なる時点で採取したリザーバーの試料は、カチオン性WBPUの存在下での透析チューブからは、Merquat混合物と比較して少ない毛髪染料が失われることを視覚的に示す(図1a)。結果を、リザーバーに失われた染料の定量的比色評価によって確認した(図1b)。別の実験では、赤色の毛髪染料を含む透析チューブ試料を調製し、次に5重量%のカチオン性WBPU、又は5重量%のN-DurHance(登録商標)A-1000のいずれかの中に浸漬した。異なる時点で採取したリザーバーの試料は、カチオン性WBPUの存在下での透析チューブからは、N-DurHance(登録商標)A-1000と比較して少ない毛髪染料が失われることを視覚的に示す(図1c)。結果は、リザーバーに失われた染料の定量的比色評価によって確認した(図1d)。
【0077】
[0063]通常の染料洗浄を模倣する制御されたin vitro実験中において、赤色の毛髪染料で染色された毛束を、カチオン性ポリウレタン又はN-DurHance(登録商標)A-1000のいずれかを含む溶液で処理した。予め赤色の毛髪染料で染色した1.5gの毛束を、5%のカチオン性WBPU又はN-DurHance(登録商標)A-1000の溶液0.5gで被覆し、30秒間静置した後、50mLのDI水のジャー内に10回浸漬した。カチオン性WBPUの処理は、一般的な色保護ポリマーのN-DurHance(登録商標)A-1000(右側)と比較して、遙かに少ない色素損失をもたらした(左側)。図2a及び2bを参照。結果は、カチオン性WBPUを含む洗浄溶液が、N-DurHance(登録商標)A-1000毛束溶液と比較して最小の染料損失をもたらすことを明確に示す。
【0078】
[0064]図3は、毛髪を新たに染色した消費者が、彼らの頭部の一方の側に本発明のカチオン性ポリウレタンを含む配合物を用いる長時間の洗浄及びコンディショニングを受け、彼らの頭部の他方の側に本発明のカチオン性ポリウレタンを有さない配合物を用いる長時間の洗浄及びコンディショニングを受けたin vivo実験からの色損失データを示す。比色データは、ΔEによって示されるように、カチオン性WBPUを含む処理を使用した場合には、11日間の洗浄にわたる色損失が減少することを示す。訓練された官能評価者によるブラインドテストでは、カチオン性WBPUを含む処理を使用した場合に、不利な視覚的又は官能的効果が観察されなかったと決定された。
【0079】
[0065]本出願全体を通して引用される全ての参考文献(文献、発行特許、公開特許出願
、及び同時係属中の特許出願を含む)の内容は、参照によりその全体が本明細書中にに明
示的に組み込まれる。他に定義されていない限りにおいて、本明細書において使用される
すべての技術用語及び科学用語は、当業者に一般に知られている意味と合致する。
本明細書は発明の以下の態様を包含する。
[1]
染色された人間の毛髪における毛髪の色を保持する方法であって、150MPaより高いヤング率、約15%~約300%の破断伸び、及び10%未満の吸水率を有するカチオン性ポリウレタンを含む組成物を前記毛髪に適用することを含む上記方法。
[2]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、及びZ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
Xは、中和イオンであり;
Wの分子量は約1,000g/モルであり:
V:Wのモル比は1:0.18~約1:0.32であり;
V:Yのモル比は1:0.24~約1:0.72であり;そして
V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.47である)の塩である、[1]に記載の方法。
[3]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、及びZ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約2,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.08~約1:0.18であり;
V:Yのモル比は1:0.36~約1:0.82であり;そして
V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.49である)の塩である、[1]に記載の方法。
[4]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、及びZ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約3,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.05~約1:0.13であり;
V:Yのモル比は1:0.4~約1:0.85であり;そして
V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.49である)の塩である、[1]に記載の方法。
[5]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z、及びZ ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
はエトキシル化ポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約1,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.19~約1:0.33であり;
V:Yのモル比は1:0.19~約1:0.7であり;
V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.49であり;そして
V:Z のモル比は1:0~約1:0.03である)の塩である、[1]に記載の方法。
[6]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z、及びZ ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
はエトキシル化ポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約2,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.09~約1:0.18であり;
V:Yのモル比は1:0.31~約1:0.8であり;
V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.51であり;そして
V:Z のモル比は1:0~約1:0.03である)の塩である、[1]に記載の方法。
[7]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z、及びZ ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
はエトキシル化ポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約3,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.05~約1:0.13であり;
V:Yのモル比は1:0.36~約1:0.83であり;
V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.52であり;そして
V:Z のモル比は1:0~約1:0.03である)の塩である、[1]に記載の方法。
[8]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z、及びZ ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
はヒドロキシル化アルキル酸モノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約1,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.19~約1:0.33であり;
V:Yのモル比は1:0.14~約1:0.44であり;
V:Zのモル比は1:0.08~約1:0.47であり;そして
V:Z のモル比は1:0.05~約1:0.33である)の塩である、[1]に記載の方法。
[9]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z、及びZ ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
はヒドロキシル化アルキル酸モノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約2,000g/モルであり;
V:Wのモル比は1:0.09~約1:0.18であり;
V:Yのモル比は、1:0.26~約1:0.53であり;
V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.49であり;そして
V:Z のモル比は1:0.05~約1:0.35である)の塩である、[1]に記載の方法。
[10]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:[W、V、Y、Z、及びZ ]X
(式中、
Wはポリカーボネートポリオールモノマーから形成される生成物であり;
Vはポリイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
YはC 1-8 アルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
ZはC 1-8 アミノアルキルジオールモノマーから形成される生成物であり;
はヒドロキシル化アルキル酸モノマーから形成される生成物であり;
Xは中和イオンであり;
Wの分子量は約3,000g/モルであり;
V:Wのモル比は、1:0.05~約1:0.13であり;
V:Yのモル比は1:0.3~約1:0.56であり;
V:Zのモル比は1:0.09~約1:0.5であり;そして
V:Z のモル比は1:0.05~約1:0.35である)の塩である、[1]に記載の方法。
[11]
Vがイソホロンジイソシアネートモノマーから形成される生成物であり;
Yが1,4-ブタンジオールモノマーから形成される生成物であり;そして
Zが3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオールモノマーから形成される生成物である、[2]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]
前記カチオン性ポリウレタンが、式:
【化8】

【化9】
又は
【化10】

(式中、nは6~21であり、mは19~31である)の塩である、[1]に記載の方法。
[13]
前記カチオン性ポリウレタンが、PU-363、PU-399、PU-400、PU-377、PU-404、PU-378、PU-383、PU-398、PU-401、PU-402、PU-403、PU-385、PU-376、PU-408、PU-409、PU-396、PU-413、PU-414、PU-362、及びPU-372から選択される、[1]に記載の方法。
[14]
前記カチオン性ポリウレタンが、PU-362、PU-376、PU-377、PU-378、及びPU-404から選択される、[1]に記載の方法。
[15]
前記カチオン性ポリウレタンが、PU-363、PU-377、及びPU-378から選択される、[1]に記載の方法。
[16]
前記カチオン性ポリウレタンが水中に分散されている、[1]~[15]のいずれかに記載の方法。
[17]
前記カチオン性ポリウレタンが粒子の形態である、[1]~[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]
前記カチオン性ポリウレタンが、約20~約80nmの平均粒径を有する均一な粒子を含む、[1]~[17]のいずれかに記載の方法。
[19]
前記カチオン性ポリウレタンが、約100~約300nmの平均粒径を有する二峰性又は多峰性の粒子を含む、[1]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20]
前記カチオン性ポリウレタンが、前記組成物の総重量を基準として25%~35%の量で存在する、[1]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21]
前記組成物が中和剤を更に含む、[1]~[19]のいずれかに記載の方法。
[22]
前記中和剤が酸中和剤である、[21]に記載の方法。
[23]
前記中和剤が乳酸である、[22]に記載の方法。
[24]
前記中和剤:C 1-8 アミノアルキルジオールモノマーの比が約0.8~約1.2である、[21]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25]
前記組成物がオイルを更に含む、[1]~[23]のいずれかに記載の方法。
[26]
前記オイルが、鉱油、動物油、植物油、又は合成油から選択される、[25]のいずれかに記載の方法。
[27]
前記オイルがリノール酸又は複数の脂肪酸の混合物である、[25]又は[26]に記載の方法。
[28]
前記オイルが、前記組成物の総重量を基準として約0.2~約1.65%の範囲の量で存在する、[25]~[27]のいずれかに記載の方法。
[29]
前記オイルが、前記組成物の総重量を基準として約0.2~約0.25%の量で存在する、[25]~[28]のいずれかに記載の方法。
[30]
前記組成物を、前記毛髪を染色する前、染色する間、又は染色した後に適用する、[1]~[29]のいずれかに記載の方法。
[31]
前記組成物を、前記毛髪を染色した後に適用する、[1]~[30]のいずれかに記載の方法。
[32]
前記組成物を、水を用いて毛髪に適用する、[1]~[31]のいずれかに記載の方法。
[33]
化粧品組成物の色保持性を求める方法であって、前記化粧品組成物及び少なくとも1種類のカラー染料を含む溶液に対して透析を行う工程;及び一定時間にわたって色損失を定量的に評価する工程;を含む上記方法。
図1-1】
図1-2】
図2
図3