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特許7244522電気的に動作可能である光源を有するグレージング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】電気的に動作可能である光源を有するグレージング
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20230314BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20230314BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20230314BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20230314BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20230314BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
C03C27/12 N
C03C27/12 D
C03C27/12 F
C03C27/12 L
B60J1/00 J
B32B7/12
B32B7/025
B32B7/023
H05B33/02
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020535306
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2018074519
(87)【国際公開番号】W WO2019048712
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】1714590.5
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520084515
【氏名又は名称】ピルキントン オートモーティブ フィンランド オイ
【氏名又は名称原語表記】PILKINGTON AUTOMOTIVE FINLAND OY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195556
【弁理士】
【氏名又は名称】柿沼 公二
(72)【発明者】
【氏名】ユハ アルタマ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンネ イロネン
【審査官】大塚 晴彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-082217(JP,A)
【文献】特表2014-525647(JP,A)
【文献】特表2017-507874(JP,A)
【文献】特表2009-534245(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0046355(US,A1)
【文献】特表2009-512977(JP,A)
【文献】特開2010-232041(JP,A)
【文献】国際公開第2017/103427(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/00 29/00
B32B 1/00 -43/00
H05B 33/02
H01L 27/32
H01L 31/12
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層グレージングであって、
グレージング材料の第1のペインと、
グレージング材料の第2のペインと、
接着性中間層材料の第1のプライと、
接着性中間層材料の第2のプライと、
電気デバイスと、を備え、
接着性中間層材料の前記第1および前記第2のプライ、ならびに前記電気デバイスが、グレージング材料の前記第1のペインと前記第2のペインとの間に存在し、
前記電気デバイスが、接着性中間層材料の前記第1のプライと前記第2のプライとの間に存在し、前記電気デバイスが、第1の主面および第2の反対側主面を有する基材を含み、
さらに、前記基材の前記第1の主面の上に、前記基材上に搭載された少なくとも1つの(第1の)電気的に動作可能である光源と電気的に導通する1つ以上の導電性経路が存在し、
前記基材の前記第2の主面の少なくとも一部の上に、前記基材の前記第2の主面から前記基材の前記第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在する、積層グレージング。
【請求項2】
前記基材が、一体構造であり、かつ/または前記基材が、光学的に透明である、請求項1に記載の積層グレージング。
【請求項3】
前記基材が、ポリエステルを含む、請求項1または請求項2に記載の積層グレージング。
【請求項4】
前記基材が、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項3に記載の積層グレージング。
【請求項5】
前記赤外線反射膜が、金属を含む少なくとも1つの層を含む、または前記赤外線反射膜が、銀を含む少なくとも1つの層を含む、または前記赤外線反射膜が、1つ以上の金属層および1つ以上の誘電体層を含む、または前記赤外線反射膜が、1つ以上の金属酸化物層および1つ以上の誘電体層を含む、または前記赤外線反射膜が、複数の非金属層を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項6】
接着性中間層材料の前記第1および前記第2のプライのうちの少なくとも一方が、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンコポリマー、ポリウレタン、またはイオノプラスト中間層材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項7】
前記電気的に動作可能である光源が、前記基材の前記第1の主面から離れてビームを放射するように、前記基材の前記第1の主面の上に配列されている、請求項1~のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項8】
前記第1の電気的に動作可能である光源が、前記基材の前記第2の主面に向かってビームを放射するように、前記基材の前記第1の主面の上に配列されている、請求項1~のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項9】
第1および第2の導電性経路を電源供給部に電気的に接続すると、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンするように配列された前記少なくとも2つ(第1および第2)の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面の上に存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源の第1の電気入力と電気的に導通する第1の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面の上に存在し、かつ前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源の第2の電気入力と電気的に導通する第2の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面の上に存在しており、さらに、前記基材の前記第1の主面の上の前記第1の導電性経路を、電源供給部の第1の出力端子に電気的に接続すると、かつ電気的に接続すること、および前記電源供給部の第2の出力端子への前記基材の前記第1の主面の上の前記第2の導電性経路、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンする、請求項1~のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項11】
前記第1および/または前記第2の導電性経路が、導電性インクを含んでおり、前記導電性インクが、印刷プロセスにより前記基材の前記第1の主面に塗布されている、請求項または請求項10に記載の積層グレージング。
【請求項12】
前記電気デバイスが、前記基材の前記第1の主面の上に複数の電気的に動作可能である光源を含み、各電気的に動作可能である光源が、前記基材の前記第1の主面の上の少なくとも1つの導電性経路と電気的に導通する、請求項1~11のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項13】
前記赤外線反射膜が、前記基材の前記第2の主面全体の上に存在する、請求項1~12のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項14】
前記第1の電気的に動作可能である光源が、前記基材の前記第1の主面の上に搭載されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項15】
前記電気的に動作可能である光源が、発光ダイオードである、請求項1~14のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項16】
前記赤外線反射膜が、前記基材の前記第2の主面に直接接触している、請求項1~15のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項17】
前記1つ以上の導電性経路のうちの少なくとも1つが、前記基材の前記第1の主面に直接接触している、請求項1~16のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項18】
第1の主面と、第2の反対側主面と、を有する基材を備える電気デバイスであって、前記基材の前記第1の主面の上に、前記基材上の少なくとも1つの(第1の)電気的に動作可能である光源と電気的に導通する少なくとも2つの(第1のおよび第2の)導電性経路が存在し、前記基材の前記第2の主面の少なくとも一部の上に、前記基材の前記第2の主面から、前記基材の前記第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在し、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面に直接接触しており、さらに、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記第1および第2の導電性経路を電源供給部に電気的に接続すると、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンするように配列されている、電気デバイス。
【請求項19】
前記基材の前記第1の主面の上の第1の導電性経路を、電源供給部の第1の出力端子に電気的に接続すると、かつ電気的に接続すること、および前記電源供給部の第2の出力端子への前記基材の前記第1の主面の上の第2の導電性経路、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンするように、前記基材の前記第1の主面の上の前記第1の導電性経路が、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源の第1の電気入力と電気的に導通し、かつ前記基材の前記第1の主面の上の前記第2の導電性経路が、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源の第2の電気入力と電気的に導通する、請求項18に記載の電気デバイス。
【請求項20】
前記基材が、一体構造である、請求項18または請求項19に記載の電気デバイス。
【請求項21】
前記基材が、ポリエステルを含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の電気デバイス。
【請求項22】
前記基材が、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項21に記載の電気デバイス。
【請求項23】
前記赤外線反射膜が、金属を含む少なくとも1つの層を含み、または前記赤外線反射膜が、1つ以上の金属層および1つ以上の誘電体層を含み、または前記赤外線反射膜が、1つ以上の金属酸化物層および1つ以上の誘電体層を含み、または前記赤外線反射膜が、複数の非金属層を含む、請求項1822のいずれか一項に記載の電気デバイス。
【請求項24】
前記赤外線反射膜が、前記基材の前記第2の主面全体の上に存在する、請求項1823のいずれか一項に記載の電気デバイス。
【請求項25】
前記第1の電気的に動作可能である光源が、発光ダイオードである、請求項1824のいずれか一項に記載の電気デバイス。
【請求項26】
前記第1の電気的に動作可能である光源が、前記基材の前記第1の主面の上に搭載されている、請求項1825のいずれか一項に記載の電気デバイス。
【請求項27】
前記赤外線反射膜が、前記基材の前記第2の主面に直接接触している、請求項1826のいずれか一項に記載の電気デバイス。
【請求項28】
第1の主面と、第2の反対側主面と、を有する基材を備える電気デバイスであって、前記基材の前記第1の主面の上に、前記基材上の少なくとも1つの(第1の)電気的に動作可能である光源と電気的に導通する少なくとも2つの(第1のおよび第2の)導電性経路が存在し、前記基材の前記第2の主面の少なくとも一部の上に、前記基材の前記第2の主面から、前記基材の前記第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在し、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面に直接接触しており、さらに、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記第1および第2の導電性経路を電源供給部に電気的に接続すると、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンするように配列されている、電気デバイスと、グレージング材料の少なくとも1つのペインと、を備えるグレージングを作製するための、アセンブリ。
【請求項29】
第1の主面と、第2の反対側主面と、を有する基材を備える電気デバイスであって、前記基材の前記第1の主面の上に、前記基材上の少なくとも1つの(第1の)電気的に動作可能である光源と電気的に導通する少なくとも2つの(第1のおよび第2の)導電性経路が存在し、前記基材の前記第2の主面の少なくとも一部の上に、前記基材の前記第2の主面から、前記基材の前記第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在し、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面に直接接触しており、さらに、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記第1および第2の導電性経路を電源供給部に電気的に接続すると、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンするように配列されている、電気デバイスと、グレージング材料のペインと、を備えるグレージングペインであって、前記電気デバイスが、接着性中間層材料の少なくとも1つのプライによって、グレージング材料の前記ペインに取り付けられている、グレージングペイン。
【請求項30】
積層グレージングを作製する方法であって、
(i)グレージング材料の第1のペイン、接着性中間層材料の第1のプライ、電気デバイス、接着性中間層材料の第2のプライ、およびグレージング材料の第2のペインの順序で、これらを含む未積層スタックを提供するステップであって、
前記電気デバイスが、第1の主面と、第2の反対側主面と、を有する基材を備える電気デバイスであって、前記基材の前記第1の主面の上に、前記基材上の少なくとも1つの(第1の)電気的に動作可能である光源と電気的に導通する少なくとも2つの(第1のおよび第2の)導電性経路が存在し、前記基材の前記第2の主面の少なくとも一部の上に、前記基材の前記第2の主面から、前記基材の前記第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在し、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記基材の前記第1の主面に直接接触しており、さらに、前記第1のおよび第2の導電性経路が、前記第1および第2の導電性経路を電源供給部に電気的に接続すると、前記少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンするように配列されている、電気デバイスである、提供するステップと、
(ii)グレージング材料の前記第1のペインをグレージング材料の前記第2のペインに接合するように、前記未積層スタックを一緒に積層するステップと、を含む、方法。
【請求項31】
グレージング材料の前記第1および/または前記第2のペインが、ガラスを含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレージング材料のペイン、および基材上の電気的に動作可能である光源を備えるグレージングに関し、そのようなグレージングを作製する際に有用である電気デバイスに関する。
【0002】
積層グレージングは、周知であり、典型的には、ポリビニルブチラール(PVB)などの接着性中間層材料のプライを用いて一緒に接合される2つのガラスプライを備える。
【0003】
積層グレージングの2つのガラスペインの間に、発光ダイオードを組み込むことが、知られている。WO2004/062908A2にあるように、ガラスペインのうちの一方の上に設けられた導電性コーティングに発光ダイオードを取り付けることが知られている。
【0004】
US2009/0114928A1は、発光ダイオードに基づく発光構造体について記載しており、その発光構造体は、第1の電極と関連付けられた実質的に平面である主面を有する第1の誘電体素子と、第1の電極に面し、かつ異なる平面に置かれている第2の電極と関連付けられた実質的に平面である主面を有する第2の誘電体素子と、第1の面、および第2の対向面の上に、第1および第2の電気接点を含む半導体チップを含む少なくとも第1の発光ダイオードと、を備え、第1の電気接点は、第1の電極に電気的に接続され、第2の電気接点は、第2の電極に電気的に接続され、少なくとも第1の素子は、紫外域または可視域内の放射光を少なくとも部分的に送出する。
【0005】
US2016/0020399A1は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイおよびその製造方法について記載している。
【0006】
JP2014082217Aは、有機EL素子を含む有機ELパネルを含む有機ELデバイス、および選択反射膜について記載している。
【0007】
CN102751440は、ポリマーフィルム基材、アノード、有機エレクトロルミネッセンス層、および順次一緒に積層されるカソードを含むフレキシブルな有機エレクトロルミネッセンスデバイスについて記載している。
【0008】
また、WO2004/009349A1にあるように、配線板上に発光ダイオードを搭載し、2つのガラスプライの間に配線板を積層することも知られている。WO2004/009349A1に記載されている配線板は、基材および導電層を含むフレキシブルな回路を含む。その基材は、ポリエステルを含んでもよく、導電層は、基材と直接接触する導電性インクであってもよい。
【0009】
JP2011/245705Aは、透明プラスチックフィルムの表面上に熱線シールド層および接着剤層を形成することにより製造されている熱線シールド膜について記載しており、ガラスに接着剤で貼り付けることにより使用され、膜温度が太陽光の照射により高くなったときでさえも、外観不良を起こさない熱線シールド膜を提供している。
【0010】
US2017/0003503A1は、いくつかの領域において垂直方向に非線形連続くさび挿入物を有する積層ガラスペインのための熱可塑性フィルムについて記載している。その熱可塑性フィルムは、第1の領域を有する連続的な非線形くさび角度プロファイルを有しており、その第1の領域は、透過時の二重画像を回避するために、少なくともいくつかの領域において、一定であるかまたは調節可能であるかのくさび角度を有する。
【0011】
WO2007/122426A1からは、エレクトロルミネッセンス材料が温度に敏感であることが知られている。エレクトロルミネセンスランプが2つのガラスペインの間に積層される場合、エレクトロルミネセンスランプ上以外に入射し得る赤外線の量を低減するために、赤外線反射手段が、ガラスペインの間に設けられている。赤外線反射手段は、ガラスペインのうちの一方の上に、またはガラスシートと一緒に接合するために使用されるタイプの中間層材料のプライの上に、またはポリエチレンテレフタレート(「PET」)のプライなどの中間層材料のさらなるプライの上に、コーティングとして設けられてもよく、具体的には、膜のための基材として設けられてもよい。
【0012】
そのような先行技術解決策に伴う問題は、そのような膜を積層グレージングの中に組み込むために、ガラスペインのうちの一方の上には存在しない赤外線反射膜を設けることによって、接着性中間層材料の少なくとも2つのプライが、膜のどちらかの片側に必要とされることである。次いで、電気デバイスは、接着性中間層材料のこれらの2つのプライのうちの一方と、ガラスペインに接合するために設けられた接着性中間層材料の別のプライとの間に配置され得る。このため、具体的には、電気デバイスおよび赤外線がガラスペインと同一の広がりを持つ場合、接着性中間層材料の少なくとも3つのプライが必要とされる。
【0013】
したがって、本発明は、第1の態様から、積層グレージングであって、グレージング材料の第1のペインと、グレージング材料の第2のペインと、接着性中間層材料の第1のプライと、接着性中間層材料の第2のプライと、電気デバイスと、を備え、接着性中間層材料の第1および第2のプライ、ならびに電気デバイスが、グレージング材料の第1のペインと第2のペインとの間に存在し、電気デバイスが、接着性中間層材料の第1のプライと第2のプライとの間に存在し、電気デバイスが、第1の主面および第2の反対側主面を有する基材を含み、さらに、基材の第1の主面の上に、基材上に搭載された少なくとも1つの(第1の)電気的に動作可能である光源と電気的に導通する1つ以上の導電性経路が存在し、基材上の第2の主面の少なくとも一部の上に、基材の第2の主面から基材の第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在する、積層グレージングを提供する。
【0014】
片側に導電性経路を、他方側に赤外線反射膜を有する基材を提供することによって、積層グレージングの個々の層の間に好適な層間積層を維持しながら、電気デバイスを積層グレージングの中に組み込むことがはるかに簡単である。本発明によれば、上部に電気的に動作可能である光源を搭載すること(基材の片側に)、および赤外線反射膜のための担持体として(基材の反対側に)の両方のために、同じ基材が使用される。基材の第2の主面の少なくとも一部の上に赤外線反射膜を有することによって、電気デバイスを積層グレージングの中に組み込む場合、そのような膜を担持する別個の担持体プライ、またはそのような膜を(コーティングとして)担持するグレージング材料のシートを使用する必要がない。
【0015】
また、赤外線反射膜を設けることにより、太陽光制御機能を有する積層グレージングをもたらし、その機能は、ある特定の自動車および建築用途において有用であり得る。
【0016】
電気的に動作可能である光源としては、発光ダイオードが好ましい。誤解を避けるために、積層グレージングは、グレージング材料の第1のペインと、グレージング材料の第2のペインと、接着性中間層材料の第1のプライと、接着性中間層材料の第2のプライと、電気デバイスと、を備え、接着性中間層材料の第1および第2のプライ、ならびに電気デバイスが、グレージング材料の第1のペインと第2のペインとの間に存在し、電気デバイスは、接着性中間層材料の第1のプライと第2のプライとの間にあり、電気デバイスは、第1の主面および第2の反対側主面を有する基材を含み、さらに、基材の第1の主面の上に、基材上に搭載された少なくとも1つの(第1の)発光ダイオードと電気的に導通する1つ以上の導電性経路が存在し、基材上の第2の主面の少なくとも一部の上に、基材の第2の主面から基材の第1の主面に通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在する、ことが好ましい。
【0017】
基材は、一体構造であることが好ましい。基材が一体構造である場合、基材は、単一の材料シートであり、積層体として一緒に接合された複数の異種材料シート(ポリビニルブチラールのシートにより一緒に接合された2つのガラスなど)ではない。
【0018】
基材は、ポリエステルを含むことが好ましい。
【0019】
基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むことが好ましい。
【0020】
基材は、プラスチックシートであることが好ましく、PETシートであることがより好ましい。
【0021】
基材は、光学的に透明であることが好ましい。光学的波長領域は、380nm~780nmである。
【0022】
接着性中間層材料の第1および第2のプライのうちの少なくとも一方は、ポリビニルブチラールを含むことが好ましい。
【0023】
接着性中間層材料の第1および第2のプライのうちの少なくとも一方は、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマーを含むことが好ましい。
【0024】
接着性中間層材料の第1および第2のプライのうちの少なくとも一方は、ポリウレタン、具体的には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含むことが好ましい。
【0025】
接着性中間層材料の第1および第2のプライのうちの少なくとも一方は、デュポン社からのSentryGlas(登録商標)などのイオノプラスト中間層材料を含むことが好ましい。
【0026】
好ましくは、積層グレージングは、少なくとも一方向に湾曲している。好ましくは、少なくとも1つの方向の曲率半径は、500mm~20000mm、より好ましくは1000mm~8000mmである。
【0027】
グレージング材料の第1および/または第2のペインは、ガラスを含むことが好ましく、ソーダ石灰シリカガラスを含むことがより好ましい。典型的なソーダ石灰シリカガラス組成物は、(重量で)SiOが69~74%、Alが0~3%、NaOが10~16%、KOが0~5%、MgOが0~6%、CaOが5~14%、SOが0~2%、Feが0.005~2%である。ガラス組成物はまた、他の添加物、例えば、正常には2%までの量で存在する精製助剤を含んでもよい。
【0028】
赤外線反射膜は、基材の第2の主面に直接接触していることが好ましい。
【0029】
1つ以上の導電性経路のうちの少なくとも1つは、基材の第1の主面に直接接触していることが好ましい。
【0030】
積層グレージングは、フロントガラス、サイドウィンドウ、リアウィンドウ、またはルーフウィンドウ、すなわちサンルーフなどの車載用グレージングの一部であることが好ましい。
【0031】
第1の電気的に動作可能である光源は、基材の第1の主面の上に搭載されることが好ましい。
【0032】
第1の電気的に動作可能である光源は、基材の第1の主面から離れて光ビームを放射するように、基材の第1の主面の上に配列されることが好ましい。
【0033】
第1の電気的に動作可能である光源は、基材の第1の主面から離れて、かつ基材の第2の主面に向かってではなく光ビームを放射するように、基材の第1の主面の上に配列されることが好ましい。
【0034】
第1の電気的に動作可能である光源は、基材の第2の主面に向かって光ビームを放射するように、基材の第1の主面の上に配列されることが好ましい。
【0035】
第1および第2の導電性経路を好適な電源供給部に電気的に接続すると、少なくとも1つの電気的に動作可能である光源がスイッチオンして光ビームを放射するように配列された少なくとも2つ(第1および第2)の導電性経路が、基材の第1の主面の上に存在することが好ましい。第1および/または第2の導電性経路は、導電性インクを含むことが好ましい。導電性インクは、光学的に不透明であることが好ましい。
【0036】
電気デバイスは、基材の第1の主面の上に複数の電気的に動作可能である光源、具体的には、複数の発光ダイオードを含み、各電気的に動作可能である光源は、基材の第1の主面の上の少なくとも1つの導電性経路と電気的に導通することが好ましい。基材の第1の主面の上の複数の電気的に動作可能である光源は、マトリクス形式で配列されることが好ましい。複数の電気的に動作可能である光源は、第1の波長範囲において光を放射するための少なくとも1つの電気的に動作可能である光源、および第1の波長範囲と異なる第2の波長範囲において光を放射するための少なくとも1つの電気的に動作可能である光源を含むことが好ましい。複数の電気的に動作可能である光源内の、電気的に動作可能である各々の光源は、同じタイプであることが好ましい。
【0037】
赤外線反射膜は、基材の第2の主面全体の上に存在することが好ましい。
【0038】
いくつかの実施形態では、赤外線反射膜は、金属、具体的には、銀を含む少なくとも1つの層を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、赤外線反射膜は、1つ以上の金属層(もしくは酸化物層)、およびは1つ以上の誘電体層を含み、典型的には多層スタックを形成する。この多層スタック構造は、繰り返し構造であり、膜の反射率を高めることができる。他の同様な金属の中で、銀、金、銅、ニッケル、およびクロムは、多層スタック内の金属層として使用することができ、酸化インジウム、酸化アンチモンなどは、金属酸化物層として使用することができる。シリコン、アルミニウム、チタン、バナジウム、スズ、または亜鉛の酸化物などの誘電体の層の間に挟まれた銀の1つまたは2つの層を含む膜は、典型的な多層スタックである。一般的に、赤外線反射膜が形成される1つ以上の層は、数十ナノメートルのオーダーの厚さである。
【0040】
上述した(金属/誘電体)nベースの膜に対する代替案としては、赤外線反射膜は、複数の非金属層を含んでもよく、その結果、赤外線反射膜は、帯域フィルタとして機能する(帯域は、電磁スペクトルの赤外線領域の近くに合焦される)。
【0041】
いくつかの実施形態では、赤外線反射膜は、基材の第2の主面と直接接触している。
【0042】
いくつかの実施形態では、基材は、当該基材の第2の主面の上に1つ以上のコーティング層を備え、赤外線反射膜は、その1つ以上のコーティング層の上に存在する。そのような実施形態では、基材の第2の主面の上の1つ以上のコーティング層は、赤外線反射膜の一部を形成するものとみなされてもよい。
【0043】
第2の態様から、本発明は、第1の主面および第2の反対側主面を有する基材を含む電気デバイスを提供しており、基材の第1の主面の上に、基材上に搭載された少なくとも1つ(第1)の電気的に動作可能である光源と電気的に導通する1つ以上の導電性経路が存在し、基材の第2の主面の少なくとも一部の上に、基材の第2の主面から基材の第1の主面まで通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在する。
【0044】
例えば、本発明の第1の態様を参照して説明されたタイプのグレージングの中に電気デバイスを組み込む場合、第1の電気的に動作可能である光源を担持するために使用される基材の第2の主面の少なくとも一部の上に赤外線膜を有することによって、そのような膜を担持する別個の担持体プライ、または基材の主面のコーティングとしてそのような膜を担持するグレージング材料のシートを使用する必要がない。
【0045】
赤外線反射膜は、基材の第2の主面全体の上に存在することが好ましい。
【0046】
第1の電気的に動作可能である光源は、発光ダイオードであることが好ましい。誤解を避けるために、電気デバイスは、第1の主面および第2の反対側主面を有する基材を含み、基材の第1の主面の上に、基材上に搭載された少なくとも1つの(第1の)発光ダイオードと電気的に導通する1つ以上の導電性経路が存在し、基材上の第2の主面の少なくとも一部の上に、基材の第2の主面から基材の第1の主面に通過する赤外線の量を低減するための赤外線反射膜が存在することが好ましい。
【0047】
基材は、一体構造であることが好ましい。基材が一体構造である場合、基材は、単一の材料シートからなり、積層体として一緒に接合された複数の異種材料シート(ポリビニルブチラールのシートにより一緒に接合された2つのガラスなど)ではない。
【0048】
基材は、ポリエステルを含むことが好ましい。
【0049】
基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むことが好ましい。
【0050】
基材は、プラスチックシートであることが好ましく、PETシートであることがより好ましい。
【0051】
赤外線反射膜は、基材の第2の主面に直接接触していることが好ましい。
【0052】
1つ以上の導電性経路のうちの少なくとも1つは、基材の第1の主面に直接接触していることが好ましい。
【0053】
赤外線反射膜は、金属を含む少なくとも1つの層を含むことが好ましく、銀または金を含む少なくとも1つの層を含むことがさらに好ましい。
【0054】
赤外線反射膜は、1つ以上の金属層(または金属酸化物層)、および1つ以上の誘電体層を含み、典型的には、多層スタックを形成する。この多層スタック構造は、繰り返し構造であり、膜の反射率を高めることができる。他の同様な金属の中で、銀、金、銅、ニッケル、およびクロムは、多層スタック内の金属層として使用することができ、酸化インジウム、酸化アンチモンなどは、金属酸化物層として使用することができる。シリコン、アルミニウム、チタン、バナジウム、スズ、または亜鉛の酸化物などの誘電体の層の間に挟まれた銀の1つまたは2つの層を含むフィルムは、典型的な多層スタックである。一般的に、赤外線反射膜が形成される1つ以上の層は、数十ナノメートルのオーダーの厚さである。
【0055】
上述した(金属/誘電体)ベースの膜に対する代替案としては、赤外線反射膜は、複数の非金属層を含んでもよく、その結果、赤外線反射膜は、帯域フィルタとして機能する(帯域は、電磁スペクトルの赤外線領域の近くに合焦される)。
【0056】
第1の電気的に動作可能である光源は、基材の第1の主面の上に搭載されることが好ましい。
【0057】
いくつかの実施形態では、基材は、当該基材の第2の主面の上に1つ以上のコーティング層を備え、赤外線反射膜は、その1つ以上のコーティング層の上に存在する。そのような実施形態では、基材の第2の主面の上の1つ以上のコーティング層は、赤外線反射膜の一部を形成するものとみなされてもよい。
【0058】
第3の態様から、本発明は、グレージング、具体的には、窓のためのアセンブリを提供し、このアセンブリは、本発明の第2の態様に係る電気デバイス、およびグレージング材料の少なくとも1つのペインを備える。
【0059】
アセンブリは、電気デバイスをグレージング材料の少なくとも1つのペインに取り付けるための手段を含むことが好ましい。
【0060】
アセンブリは、電気デバイスをグレージング材料の少なくとも1つのペインに取り付けるための接着性中間層材料の少なくとも1つのプライ含むことが好ましい。
【0061】
第4の態様から、本発明は、本発明の第2の態様に係る電気デバイス、およびグレージング材料、具体的には、ガラスのペインを備えるグレージングペインを提供しており、その電気デバイスは、接着性中間層材料の少なくとも1つのプライによって、グレージング材料のペインに取り付けられる。
【0062】
接着性中間層材料の少なくとも1つのプライは、ポリビニルブチラールを含むことが好ましい。
【0063】
好ましくは、接着性中間層材料の少なくとも1つのプライは、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマーを含む。
【0064】
好ましくは、接着性中間層材料の少なくとも1つのプライは、ポリウレタン、具体的には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。
【0065】
接着性中間層材料の少なくとも1つのプライは、デュポン社からのSentryGlas(登録商標)などのイオノプラスト中間層材料を含むことが好ましい。
【0066】
第5の態様から、本発明の態様は、積層グレージングを作製する方法を提供し、この方法は、(i)グレージング材料の第1のペイン、接着性中間層材料の第1のプライ、電気デバイス、接着性中間層材料の第2のプライ、およびグレージング材料の第2のペインの順序で、これらを含む未積層スタックを提供するステップであって、電気デバイスが、本発明の第2の態様に係る電気デバイスである、提供するステップと、(ii)未積層スタックを一緒に積層して、グレージング材料の第1のペインをグレージング材料の第2のペインに接合させるステップと、を含む。
【0067】
未積層スタックは、約100℃~150℃の温度で積層されることが好ましい。
【0068】
未積層スタックは、約5~15気圧の圧力で積層されることが好ましい。
【0069】
グレージング材料の第1および/または第2のペインは、ガラス、具体的には、ソーダ石灰シリカガラスを含むことが好ましい。
【0070】
グレージング材料の第1および/または第2のペインは、一体構造のガラス、具体的には、ソーダ石灰シリカガラスのシートであることが好ましい。
【0071】
ここで、以下の図面(縮尺通りではない)を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】配線板上に搭載された発光ダイオードを組み込む既知の積層グレージングの概略断面図を示す。
図2図1に示した積層グレージングの概略分解組立断面図を示す。
図3】配線板上に搭載された発光ダイオードを組み込む別の既知の積層グレージングの概略断面図を示す。
図4図3に示した積層グレージングの概略分解組立断面図を示す。
図5】本発明に係る配線板上に搭載された発光ダイオードを組み込む積層グレージングの概略断面図を示す。
図6図5に示した積層グレージングの概略分解組立断面図を示す。
図7】本発明に係る電気デバイスの概略等角図を示す。
図8図7に示した電気デバイスの概略平面図を示す。
図9図7および8に示した電気デバイスの概略断面図を示す。
図10】本発明に係る積層グレージングの概略等角分解組立図を示す。
図11図10に示した積層グレージングの概略断面図を示す。
図12】本発明に係るグレージングペインの概略分解組立断面図を示す。
図13】本発明に係る二重グレージングユニットペインの概略断面図を示す。
【0073】
図1および2を参照すると、ポリビニルブチラール(PVB)の第1のプライ9、および第2のプライ11を使って、ガラスの第2のペイン5に接合されたガラスの第1のペイン3を備える積層グレージング1が示されている。PVBの第1のプライ9と第2のプライ11との間には、第1の主面15a、および第2の反対側主面15bを有する基材15を含む電気デバイス13が存在する。基材15は、厚さ0.1mm~0.2mmを有するポリエチレンテレフタレート(PET)の光学的に透明なシートである。
【0074】
発光ダイオード17は、基材15の第1の主面15aの上に搭載されている。当技術分野で知られているように、発光ダイオードは、電気的に動作可能な光源である。発光ダイオード17は、第1の電気入力および第2の電気入力を有し、発光ダイオード17の第1の電気入力を好適な電源供給部の第1の出力端子に電気的に導通させると、また、発光ダイオード17の第2の電気入力を好適な電源供給部の第2の出力端子に電気的に導通させると、電力が、発光ダイオードに供給されて、発光ダイオード17を「オン」にスイッチし、すなわち発光ダイオードは、光が発光ダイオードによって放射されない非通電状態から、光が発光ダイオードによって放射する通電状態に移行する。
【0075】
導電性経路(図示せず)は、第1の主面15aの上にあり、発光ダイオード17の電気入力と電気的に導通して電力をその発光ダイオードに供給している。適宜、導電性経路は、スクリーン印刷またはインクジェット印刷などの印刷プロセスによって第1の主面15aに塗布される導電性インクであり、その結果、導電性経路は、基材15の第1の主面15aと直接接触している。
【0076】
ガラスの第1のペイン3は、PVBの第1のプライ9に面するペインの主面の上に、光学的に透明である太陽光制御コーティング7を有する。太陽光制御コーティング7は、当技術分野で既知のタイプの赤外線反射膜を含み、少なくとも1つの銀の層を含むことができる。当技術分野では、主面の上に光学的に透明である太陽光制御コーティング7を有するガラスのペイン3は、周知であり、通常、コーティングされたガラスペイン、またはコーティングされたガラスシートと呼ばれる。太陽光制御コーティング7および基材15が接着性を持たないため、PVBのプライ9は、コーティングされたガラスペインを基材15の第1の主面15aに接合するために必要とされる。同様に、PVBのプライ11は、第2のガラスペイン5を基材15の第2の主面15bに接合するために必要とされる。
【0077】
図3および4を参照すると、PVBの第1、第2、および第3のプライ29、31、および33を含む中間層構造によって、ガラスの第2のペイン25に接合されたガラスの第1のペイン23を含む積層グレージング21が示されている。上述したように、PVBの第1のプライ29と第2のプライ31との間には、基材15の上に搭載された発光ダイオード17を有する電気デバイス13が存在する。
【0078】
PVBの第2のプライ31と第3のプライ33との間には、赤外線反射膜27が担持体プライ28の上に存在し、すなわち赤外線反射膜は、担持体プライ28上のコーティングである。図3および4では、コーティングされた担持体プライは、数字30によって表記され、すなわち、コーティングされた担持体プライ30は、担持体プライ28の主面の上にある赤外線反射膜27から成る。上部に赤外線反射膜を含むコーティングを伴って提供されたそのような担持体プライは、Eastman社(www.eastman.com)および3M社(www.3m.com)を含む会社から市販されている。先行技術の例が、GB2080339BおよびWO2004/016416A2に記載されている。
【0079】
この例では、担持体プライ28は、PETであり、赤外線反射膜27は、少なくとも1つの銀層を含む多層コーティングである。
【0080】
コーティングされた担持体プライ30を積層グレージング21の中に組み込むためには、担持体プライ28および赤外線反射膜27には接着性がないため、コーティングされた担持体プライ30をPVBの第2のプライ31とPVBの第3のプライ33との間に配置する必要がある。
【0081】
図3および4では、コーティングされた担持体プライ30は、担持体プライ28がPVBの第2のプライ31に面し、赤外線反射膜27がPVBの第3のプライ33に面するように配列されてもよいことに留意されたい。
【0082】
図1~4は、当技術分野における既知の積層グレージングを説明している。
【0083】
図5および6は、本発明に係る積層グレージング41を示す。
【0084】
積層グレージング41は、PVBの第1のプライ49、および第2のプライ51を含む中間層構造によって接合された第1のガラスペイン43、および第2のガラスペイン45を含む。PVBの第1のプライ49と第2のプライ51との間に、電気デバイス50が存在する。電気デバイス50は、第1の主面46a、および反対側の第2の主面(ラベル表示せず)を有する基材46を含む。発光ダイオード47(前述した発光ダイオード17と同じである)は、基材46の第1の主面46aの上に搭載されている。発光ダイオード47は、第1の電気入力および第2の電気入力を有し、その結果、発光ダイオード47の第1の電気入力を好適な電源供給部の第1の出力端子に電気的に導通させ、また発光ダイオード47の第2の電気入力を好適な電源供給部の第2の出力端子に電気的に導通させると、電力が、発光ダイオードに供給されて、発光ダイオード47を「オン」にスイッチし、すなわち発光ダイオードは、光が発光ダイオードによって放射されない非通電状態から、光が発光ダイオードによって放射される通電状態に移行する。
【0085】
前述したように、導電性経路は、また、発光ダイオード47と電気的に導通する第1の主面46aの上にも存在する。第1の導電性経路は、第1の主面46aの上にあり、かつ直接接触しており、第1の導電性経路は、発光ダイオード47の第1の電気入力と電気的に導通している。第2の導電性経路もまた、第1の主面46aの上にあり、かつ直接接触しており、第2の導電性経路は、発光ダイオード47の第2の電気入力と電気的に導通している。第1の導電性経路を好適な電源供給部の第1の出力端子に電気的に導通させ、第2の導電性経路を好適な電源供給部の第2の出力端子に電気的に導通させると、電力が、発光ダイオード47に供給されて、発光ダイオード47を「オン」にスイッチする。
【0086】
基材46は、PETであり、厚さ0.1mmを有する。
【0087】
赤外線反射膜48が、基材46の第2の主面の上に存在し、かつその主面に直接接触している。赤外線反射膜48は、少なくとも1つの銀層を含む多層コーティングである。
【0088】
PVBの第1のプライ49は、片側の上で第1のガラスペイン43と直接接触し、かつ他方の反対側の上で電気デバイス50と直接接触している。
【0089】
PVBの第2のプライ51は、片側の上で第2のガラスペイン45と直接接触し、かつ他方の反対側の上で電気デバイス50と直接接触している。
【0090】
図5および6から明らかであるように、PVBの第2のプライ51は、PET基材46の上に存在する赤外線反射膜と直接接触し、発光ダイオードは、PET基材46の反対側の上に存在する。
【0091】
積層グレージング41では、個々のすべての構成要素は、電気デバイス以外、全く同一のスタックとして配列されることが好ましく、その理由は、これ以降にさらに詳細に説明されるように、電気デバイスの一部が積層グレージングの周辺部を超えて延在して、電気的接続を導電性経路まで作製され得ることを可能にすることが好ましいからである。すなわち、第1のガラスペイン43が、PVBの第1のプライ49と同一の広がりを持つこと、ガラスの第2のペイン45が、PVBの第2のプライ51と同一の広がりを持つこと、PVBの第1のプライ49が、PVBの第2のプライ51と同一の広がりを持つこと、および電気デバイス50がPVBの第1のプライ49と第2のプライ51との間に延在して、積層グレージング41を通る赤外線を十分に阻止し、同時に電気デバイス50を駆動するための電力を依然として確保することができることが好ましい。
【0092】
図7は、図5および6に関連して説明した電気デバイス50と類似の電気デバイス60の概略等角図を示しており、主な違いは、電気デバイス60が、基材の上に搭載された発光ダイオードを、1つではなく3つ有することである。
【0093】
電気デバイス60は、第1の主面64、および反対側の第2の主面(ラベル表示せず)を有する基材62を含む。基材62は、単一のPETシートであり、これは、より大型のPETシートから、必要に応じて、好適に切断されてもよい。基材62は、典型的には、モノリシックと呼ばれ得る。
【0094】
基材62の第1の主面64の上に、3つの発光ダイオード65、66、および67が搭載されている。各発光ダイオードは、同じ色、すなわち同じ波長の光を放射することができ、または2つ以上の発光ダイオードは、異なる色の光を放射することができる。発光ダイオード65、66、および67のうちの少なくとも1つは、例えば、波長約800nmの赤外線ビームを放射してもよい。
【0095】
各発光ダイオード65、66、67は、前述したように、それぞれの発光ダイオードに電力を供給するためのそれぞれの電気入力対(第1の電気入力および第2の電気入力)を有する。
【0096】
また、第1の主面64の上には、一対の電気接点である、第1の電気接点68および第2の電気接点69がある。第1の電気接点68および第2の電気接点69は、導電性インクを使用して、好適にスクリーン印刷されてもよい。
【0097】
第1の電気接点68は、導電性線路70a、70b、70c、70d、70e、および70fを介して、発光ダイオード65、66、および67の各々の第1の電気入力と電気的に導通している。
【0098】
第2の電気接点69は、導電性線路71a、71b、71c、71d、71e、および71fを介して、発光ダイオード65、66、および67の各々の第2の電気入力と電気的に導通している。
【0099】
図7および8から明かであるように、3つの発光ダイオード65、66、67は、一対の電気接点68、69と並列に電気的に接続されている。
【0100】
必要に応じて、発光ダイオード65、66、67のうちの1つ以上は、一対の電気接点68、69と直列に電気的に接続されてもよい。
【0101】
一対の電気接点68、69は、基材62の端部72の上に存在する。電気デバイス60が、例えば、図5に示すタイプの積層グレージングの中に組み込まれている場合、端部72は、PVBの第1のプライ49と第2のプライ51との間、またはガラスの第1のペイン43と第2のペイン45との間には置かれず、その結果、好適な電源供給部が、一対の電気接点68、69に電気的に接続されて発光ダイオード65、66、67に電力を供給することができる。
【0102】
基材62の第2の主面の上には、赤外線反射膜を含むコーティング74がある。コーティングは、基材62の第2の主面に直接接触している。図示されたものに対する代替の実施形態では、基材62の第2の主面の上に、中間コーティングが存在してもよく、コーティング74は、基材62の第2の主面の上の中間コーティングの上に配設される。基材の第2の主面の上の中間コーティングを使用して、コーティング74が上部に配設される前に、基材の第2の主面に他の特性を提供することができる。
【0103】
電気デバイス60は、様々な方法で作製されてもよい。
【0104】
既に基材の主面の上に赤外線反射膜を有する(すなわち、基材の主面に直接接触している)基材62を使用し、次いで好適な導電性インクを使用して基材のコーティングされていない側に導電性経路を印刷して、その結果、導電性経路が、基材の以前にはコーティングされていない側と直接接触することが好ましい。次いで、各発光ダイオードは、この表面上に搭載されてもよく、各発光ダイオードの電気入力は、導電性接着剤を使用して、導電性経路に電気的に接続することができる。上記のように、上部に赤外線反射膜を含むコーティングと一緒に設けられる好適な担持体膜は市販されている。
【0105】
第1の代替方法としては、基材のどちらの主面の上にもコーティングがないPETシートを使用して、電気デバイスを作製することができる。まず、導電性経路をPETシートの一方の主面に印刷し、その後、PETシートの反対側の主面の上に赤外線反射膜を堆積することができる。次いで、発光ダイオードの電気入力を導電性経路に電気的に接続し、PETシートの上に搭載する。
【0106】
第2の代替方法としては、これは、本質的に第1の代替方法と同じであるが、PETシートの一方の主面に導電性経路を印刷した後、発光ダイオードの電気入力を導電性経路に電気的に接続し、PETシートの上に搭載する。その後、赤外線反射膜を、上部に導電性経路を有さない、PETシートの他方の主面の上に堆積する。
【0107】
図8は、電気デバイス60の平面図、すなわち、図7に示した矢印76の方向に見た場合の図である。
【0108】
図8に示すように、導電性経路70aは、一方の端部において第1の電気接点68に、かつ他方の端部において導電性ノード70gに電気的に導通している。
【0109】
導電性経路70bは、一方の端部において発光ダイオード65の第1の電気入力に、かつ他方の端部において導電性ノード70gに電気的に導通している。
【0110】
導電性経路70cは、一方の端部において導電性ノード70gに、かつ他方の端部において導電性ノード70hに電気的に導通している。
【0111】
導電性経路70dは、一方の端部において発光ダイオード66の第1の電気入力に、かつ他方の端部において導電性ノード70hに電気的に導通している。
【0112】
導電性経路70eは、一方の端部において電性ノード70hに、かつ他方の端部において導電性ノード70iに電気的に導通している。
【0113】
導電性経路70fは、一方の端部において発光ダイオード67の第1の電気入力に、かつ他方の端部において導電性ノード70iに、電気的に導通している。
【0114】
導電性経路71aは、一方の端部において第2の電気接点69に、かつ他方の端部において導電性ノード71gに電気的に導通している。
【0115】
導電性経路71bは、一方の端部において発光ダイオード65の第2の電気入力に、かつ他方の端部において導電性ノード71gに電気的に導通している。
【0116】
導電性経路71cは、一方の端部において導電性ノード71gに、かつ他方の端部において導電性ノード71hに電気的に導通している。
【0117】
導電性経路71dは、一方の端部において発光ダイオード66の第2の電気入力に、かつ他方の端部において導電性ノード71hに電気的に導通している。
【0118】
導電性経路71eは、一方の端部において電性ノード71hに、かつ他方の端部において導電性ノード71iに、電気的に導通している。
【0119】
導電性経路71fは、一方の端部において発光ダイオード67の第2の電気入力に、かつ他方の端部において導電性ノード71iに、電気的に導通している。
【0120】
導電性経路70a、70b、70c、70d、70e、70f、71a、71b、71c、71d、71e、および71f、ならびに導電性ノード70g、70h、70i、71g、71h、71iは、すべて、基材62の第1の主面64に直接接触している。また、第1の電気接点68および第2の電気接点69は、基材62の第1の主面64に直接接触していることが好ましい。
【0121】
導電性経路70a、70b、70c、70d、70e、70f、71a、71b、71c、71d、71e、および71f、ならびに導電性ノード70g、70h、70i、71g、71h、71iは、すべて、同じ導電性インクを使用して同じ印刷動作で印刷されてもよい。
【0122】
第1の電気接点68および第2の電気接点69は、導電性経路および/または導電性ノードをスクリーン印刷するために使用されるのと同じ導電性インクを使用して好適にスクリーン印刷されてもよい。また、第1の電気接点68および第2の電気接点69は、導電性経路および/または導電性ノードを印刷するために使用される同じ印刷動作で印刷されることが好ましい。
【0123】
図7および8に示した実施形態の代替方法では、上述したように、導電性ノードは存在しないが、導電性線路が、依然として電気的に導通している。
【0124】
図9は、図8の線A‐A’に沿って見た電気デバイス60の概略断面図である。
【0125】
発光ダイオード65は、矢印65’の方向に光ビームを放射するように配列されている。発光ダイオード66は、矢印66’の方向に光ビームを放射するように配列されている。発光ダイオード67は、矢印67’の方向に光ビームを放射するように配列されている。
【0126】
任意のまたはすべての発光ダイオード65、66、67は、反対方向に光ビームを放射するように配列されてもよい。これは、矢印67’’の方向への光ビーム、すなわち、基材62および赤外線の反射膜74の厚みを通過する光ビームを(想像線で)示す発光ダイオード67について説明されている。
【0127】
図7~9には、3つの発光ダイオードのみが示されているが、4つ以上の発光ダイオードがあってもよく、または基材62の第1の主面64の上に搭載される発光ダイオードは、ほんの1つまたは2つであってもよい。
【0128】
図10は、別の積層グレージング81の概略分解組立斜視図を示す。図11は、線B‐B’を通る、図10の積層グレージング81の概略断面図を示す。
【0129】
この例では、積層グレージング81は、中間層構造87上の手段によって第2のガラスペイン85に接合された第1のガラスペイン83を含む。中間層構造87は、接着性中間層材料の3つのプライ(すなわち、PVB、EVA、またはそれらの組み合わせのプライ)89、91、および93から成る。接着性中間層材料の第1のプライ89は、第1のガラスペイン83と同一の広がりを持つ。接着性中間層材料の第2のプライ91は、第2のガラスペイン85と同一の広がりを持つ。接着性中間層材料の第3のプライ93は、中間層材料の第1のプライ89と第2のプライ91との間に配置され、内部に電気デバイス60を収容するための切り取り領域を有する。この切り取り領域は、接着性中間層材料の第3のプライの一方の縁端部に沿って存在し、それらの他の3つの遠端部は、接着性中間層材料の第1および第2のプライのそれぞれの縁端部と整列されている。
【0130】
図10は、従来の積層プロセスを使用して、例えば、好適な高温および高圧を用いて一緒に積層され、最終的な積層グレージング81を製造することができる未積層の構成要素のスタックの図である。
【0131】
図11に示すように、最終的な積層グレージング81では、電気デバイス60は、接着性中間層材料の第1のプライ89と第2のプライ91との間に存在し、接着性中間層材料の第3のプライ93の切り取り領域内に置かれる。そのような構造により、接着性中間層材料の余分な第3のプライ(2つのプライ接着剤中間層構造と比較して)が、接着性中間層材料の第1のプライと第2のプライとの間に電気デバイス60の厚みを収容するのをより容易にするため、積層がより単純になる。
【0132】
最終的な積層グレージング81では、接着性中間層材料の第1のプライ89は、第1のガラスペイン83に隣接かつ直接接触し、接着性中間層材料の第2のプライ91は、第2のガラスペイン85に隣接かつ直接接触している。接着性中間層材料の第3のプライ93は、接着性中間層材料の第1のプライ89および第2のプライ91の両方に直接接触している。
【0133】
図11は、図10の線B‐B’を通る概略断面図であり、部分72が積層グレージング81の周辺を超えてどのように延在しているか、それにより、電力が電気接点68、69を介して電気デバイス60にどのように供給され得るかを例示している。
【0134】
接着性中間層材料の第1、第2、および第3のプライ89、91、93のうちの少なくとも1つは、PVBまたはEVAであってもよい。
【0135】
図12は、この例において、電気デバイスが、3つではなく、1つのみの発光ダイオードを有することを除き、図7~9を参照して説明したタイプの電気デバイス113を備えるグレージングペイン101の分解組立断面図を示す。
【0136】
グレージングペイン101は、ガラスペイン103、PVBまたはEVAなどの接着性中間層材料のプライ105、および電気デバイス113を含む。
【0137】
電気デバイス113は、接着性中間層材料のプライ105によって、ガラスペイン103に固定されている。
【0138】
電気デバイス113は、片側に発光ダイオード107および関連する導電性経路を有し、他方側に赤外線反射膜111を有するPET基材109から成る。
【0139】
図12では、発光ダイオードは、ガラスペイン103と基材109との間に存在するように配列されているが、赤外線反射膜111が接着性中間層材料のプライ105とPET基材109との間に存在するように、電気デバイス113は、反対方向に面するように構成されてもよい。
【0140】
図12では、接着性中間層材料の1つのみのプライ105が、グレージングペイン101内に存在しているが、接着性中間層材料の2つ以上のプライが存在してもよく、接着性中間層材料の1つのプライは、ガラスペイン103に隣接および直接接触し、接着性中間層材料の第2のプライは、電気デバイス113に隣接および直接接触してもよい。
【0141】
図13は、図12のグレージングペイン101を含む二重グレージングユニット110の一部の概略断面図を示す。当技術分野では既知であるように、二重グレージングユニットは、多くの場合、断熱グレージングユニット、または略してIGUと呼ばれている。IGUは、対向するペイン間に空気間隙を有する2つ以上のグレージングペインと共に知られている。
【0142】
二重グレージングユニット110は、空気間隙119を画定するための周辺シール117によってグレージングペイン115から離間されたグレージングペイン101を含む。また、スペーサバー118は、周辺シール117に隣接してグレージングペイン101、115の間隙を維持するのに役立つことができる。
【0143】
グレージングペイン115は、ガラスであってもよく、熱的に強化されてもよい。
【0144】
以前の図では、積層グレージングは、平坦(または平面)であるように示されているが、少なくとも1つの方向に湾曲している積層グレージングを提供することは、本発明の範囲内である。好ましくは、少なくとも1つの方向の曲率半径は、500mm~20000mm、より好ましくは1000mm~8000mmである。
【0145】
ガラスペインについて記載された上記の例では、ガラスペインにとって好適なガラス組成物は、ソーダ石灰シリカガラス組成物である。典型的なソーダ石灰シリカガラス組成物は、(重量で)、SiOが69~74%、Alが0~3%、NaOが10~16%、KOが0~5%、MgOが0~6%、CaOが5~14%、SOが0~2%、Feが0.005~2%である。そのようなガラスは、フロート法を用いて製造されてもよい。
【0146】
他のガラス組成物としては、例えば、ホウケイ酸ガラスが使用されてもよい。
【0147】
さらに、上記の例の任意またはすべてのガラスペインは、他のタイプのグレージング材料、例えば、ポリカーボネートなどのプラスチック材料のペインに置き換えることができる。
【0148】
さらに、上記の例では、電磁スペクトルの可視領域(380nm~780nmの波長)内の光を放射する発光ダイオードを使用しているが、電磁スペクトルの他の領域、例えば、赤外または紫外領域で放射する発光ダイオードが使用されてもよい。
【0149】
本発明は、太陽光制御および照明機能の両方を必要とするグレージングが求められる場合に、特定の利点を提供する。上文に記載されたように、電気デバイスを組み込むことによって、太陽光制御機能が、グレージングに提供することができ、照明装置に入射され得る熱をより少なくすることができる。同じ基材を使用して、基材の片側に電気デバイス(または複数のデバイス)、および反対側に赤外線反射膜の両方を担持することができるという理由から、従来の太陽光制御膜を担持体プライ上に使用することと比較して、より少ない接着性中間層材料のプライしか必要とせず、それによって、より薄い(したがって、重くない)積層グレージングを製造し得る利点を提供することができる。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13