(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】小分子インテグリン受容体-リガンドアゴニストアジュバントを含む免疫治療のための新規組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/39 20060101AFI20230314BHJP
A61K 31/381 20060101ALI20230314BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230314BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61K39/39
A61K31/381
A61P35/00
A61P43/00 121
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021078488
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2017556837の分割
【原出願日】2016-04-28
【審査請求日】2021-06-04
(32)【優先日】2015-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520478873
【氏名又は名称】セヴン ヒルズ ファーマ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】518094924
【氏名又は名称】テキサス ハート インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100111501
【氏名又は名称】滝澤 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】ウッドサイド ダーレン ジー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダースライス ピーター
(72)【発明者】
【氏名】マラーティー ウペンドラ ケイ
【審査官】菊池 美香
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-514562(JP,A)
【文献】国際公開第2012/068251(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/39
A61K 31/381
A61P 35/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)
精製タンパク質、ペプチド、細胞及び/又は細胞溶解物を含む抗原、及び、
(B)少なくとも1つの増強化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量、
を含むワクチン製剤であって、
(a)前記少なくとも一つの増強化合物は細胞のインテグリンのそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強することができ、前記抗原に対する免疫応答を増大させることができ、
(b)前記インテグリンはα4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2を含み、
(c)前記リガンドはVCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2を含み、
前記少なくとも1つの増強化合物が(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(ビス(チオフェン-2-イルメチル)カルバマート)である、前記ワクチン製剤。
【請求項2】
疾患又は障害を治療又は予防するためのワクチン製剤であって、
(A)
精製タンパク質、ペプチド、細胞及び/又は細胞溶解物を含む抗原、及び、
(B)少なくとも1つの増強化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量、
を含むワクチン製剤であって、
(a)前記少なくとも一つの増強化合物は細胞のインテグリンのそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強することができ、前記抗原に対する免疫応答を増大させることができ、
(b)前記インテグリンはα4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2を含み、
(c)前記リガンドはVCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2を含み、
前記少なくとも1つの増強化合物が(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(ビス(チオフェン-2-イルメチル)カルバマート)である、前記ワクチン製剤。
【請求項3】
インテグリンがα4β1、αLβ2又はそれらの混合物を含む、請求項1または2記載のワクチン製剤。
【請求項4】
少なくとも一つの増強化合物が、1以上のエフェクター細胞と対応するその標的細胞との間のインテグリン媒介結合を増強することができる、請求項1~3のいずれか1項記載のワクチン製剤。
【請求項5】
癌治療用である、請求項1~4のいずれか1項記載のワクチン製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年4月29日に出願された米国仮特許出願第62/154,554号に対する優先権及びその利益を主張する。
1. 発明の分野
本発明の実施形態は、癌、及び種々の疾病状態用のワクチン、養子細胞療法及び免疫療法を整えるために使用可能な、インテグリン-リガンド相互作用を促進する小細胞インテグリンリガンド模倣物に関する。
【背景技術】
【0002】
2. 関連技術の説明
感染性、自己免疫性、及びアレルギー性疾患、並びに癌等の他の疾病状態における免疫応答を増大させ得る安全かつ効果的なアジュバントについて満たされていない大きな要求がある。一般的に、アジュバントは、ワクチン抗原(又は免疫原)に対する免疫応答を増大させるために用いられる化合物又は他の薬剤である。科学文献には100を超えるアジュバントの記述があるにもかかわらず、現在ミョウバン(アルミニウム塩又はアルミニウムゲル)しか米国内での使用に対して認可されていない。これは、ほとんどのアジュバントが、容認できない副作用プロファイルを有し、生体適合性を欠いているためである。実際には、ジフテリア・破傷風・百日咳ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン、及び肝炎ウイルスワクチンに見られるミョウバンでさえ、注入部位反応を伴う可能性があり、累積アルミニウム毒性に対する可能性に関するますます厳しい監視に直面している。
癌分野では、癌ワクチン抗原に対する免疫応答(細胞性及び体液性の両方が含まれる)をブーストできる安全な効果的アジュバントについて満たされていない要求がある。一般に、癌ワクチンは、アジュバントなしで又はアジュバントとして特異的サイトカインを用いて投与されている。
【0003】
組換え単一免疫原癌ワクチンも記述されている。第3相臨床試験で失敗した1つの該製品は、GVAX(登録商標)ワクチン(Cell Genesys, Inc., South San Francisco, Calif.)である。この癌ワクチンは顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を分泌するように遺伝子修飾された細胞株で構成されている。このサイトカイン/ホルモンは、癌ワクチンに対する体の免疫応答を刺激する際に役割を果たす。細胞は安全のために照射される。GVAX(登録商標)ワクチン又は他の同様の手法による癌ワクチン接種は、従来の化学療法を超える限られた利益を提供した。
一部の研究は癌ワクチンアジュバントとして特異的サイトカイン、例えばGVAX(登録商標)ワクチン中のGM-CSF等を利用したが、当該サイトカインは典型的に免疫応答の特定の特徴のみを増強し、費用がかかり、非常に制御された貯蔵条件外では不安定な可能性がある。従って、当該技術分野では高い有効性及び生体適合性を示すアジュバントの改善について顕著な要求がある。
精製された可溶性の組換え及び合成抗原は、それらのより良い忍容性にもかかわらず、生きているか又は死滅した全生物ワクチンより免疫原性がずっと低いことが多い。従って、より安全なサブユニットワクチンの開発に向けた動きにより、さらに強力なアジュバントに対する主要求がもたらされた。特に、より容認できる安全性プロファイルで細胞性及び/又は体液性の両免疫応答をブーストできるアジュバントに対する緊急の要求がある。
【0004】
理想的な癌アジュバントに対する必要条件は、多くの理由のため通常のアジュバントとは異なる。第1に、ワクチンを受ける患者は、例えば、抗原提示機構障害、活性化T細胞の非応答性及び制御性T細胞による自己反応性の阻害増大のため免疫が低下している。第2に、腫瘍抗原は通常は事実上自己由来であるので免疫原性が乏しい。第3に、腫瘍はエスケープ機構を発現させて、腫瘍の免疫編集のように免疫系を回避し、MHCクラスI分子の低発現又は非発現、及び抑制性サイトカインの分泌を伴う可能性がある。第4に、頑強な免疫応答が所与の腫瘍抗原に対して惹起されるときでさえ、適応応答のエフェクター機能が免疫抑制経路(CTLA-4/B7、PD-1/PDL-1系、IDO1)の活性化によって制限される可能性があり、エフェクター機能が長く生きないことがある。従って、癌ワクチン用アジュバントは、免疫応答を予備刺激する際のみならず、エフェクター機能を促進する際にも予防ワクチンより強力である必要があり、その結果、毒性が高くなり、自己免疫反応を誘導することさえあり得る。
そのようなものとして、免疫応答の予備刺激及びエフェクター機能の増強における律速段階を選択的に標的にすることができる手法に対する明白な要求がある。インテグリンα4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2とそれらの同族リガンドとの間の細胞相互作用は、免疫系に有効な予備刺激及びエフェクター機能をもたらす細胞-細胞接着の重要なメディエーターである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、癌、及び種々の疾病状態用のワクチン、養子細胞療法及び免疫療法を整えるために使用可能なインテグリン-リガンド相互作用を促進する小細胞インテグリンリガンド模倣物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(1)ワクチン(癌ワクチンを含むがこれに限らない)のプライミング:(2)養子細胞療法の細胞溶解活性(γδT細胞、CTL、NK、iNKT);(3)免疫療法(抗CTLA-4及び抗PD-1療法等のネガティブチェックポイント遮断戦略を含むがこれに限らない);及び(4)生物学的療法(トラスツズマブ及びリツキサマブ(rituxamab)を含むがこれらに限らない)を増強し、それによって作用機構に抗体依存性細胞傷害性(antibody dependent cellular cytotoxicity)(ADCC)を含めるための組成物及び方法について記述する。
本発明は、添付の説明図と共に以下の詳細な説明を参照することによりさらに良く理解可能である。図中、同様の要素には同一の番号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】腫瘍標的細胞のナチュラルキラー細胞の細胞溶解のC4増強を示す。健常者の末梢血から新鮮単離CD56+ナチュラルキラー細胞を単離した。腫瘍標的細胞(赤白血病細胞株K562)の存在下でビヒクルコントロール(DMSO)、又は指示濃度のC4と共に細胞を4時間インキュベートした。データは、腫瘍細胞死滅の増加パーセントとして示してある。
【
図2】C4(100μM)の存在下又は非存在下で異なるエフェクター対標的比にて用いたナチュラルキラー細胞株NK-92を示す。K562細胞の比溶解を示す。全てのデータは、三通りの測定からのものであり、平均±SDとしてグラフに描いてある。
【
図3A】典型的な活性T細胞であるジャーカットT細胞の、VCAM-1で被覆された膜を横切るSDF-1α媒介遊走の増強におけるC4の活性を示す(
*p<0.05)。
【
図3B】典型的な活性T細胞であるジャーカットT細胞の、ICAM-1で被覆された膜を横切るSDF-1α媒介遊走の増強におけるC4の活性を示す(
*p<0.05)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に用いる定義
それらの慣例及び通常の意味に加えて、文脈により本明細書及び特許請求の範囲に入るのが許される場合に下記定義が当てはまる。
「医薬組成物」は、哺乳動物に医薬として投与するための、1種以上の化学物質、又はその医薬的に許容される塩と、適切な担体との混合物を指す。
「細胞療法薬」は、哺乳動物に医薬として投与するための、1種以上の細胞、1種以上の化学物質又はその医薬的に許容される塩と、適切な担体との混合物を指す。
「治療的に有効な量」は、治療する障害の1つ以上の症状を少なくともある程度まで軽減することになる投与化合物の量を指す。例えば、疾患の症状を予防、緩和又は改善するか又は治療対象の生存を延長させるのに有効な化合物の量である。
用語「治療的に無効な量」は、治療する障害の1つ以上の症状を少なくともある程度まで軽減しないことになる投与化合物の量を指す。例えば、化合物が、ある個体又は集団で有効である用量は、内因性又は後天性薬剤耐性によって、他の個体又は集団では有効でない。
用語「内因性耐性」は、特定の薬物又は薬物分類の寛容を許すその固有の構造特性又は機能特性を介して特定薬剤の活性に抵抗する細胞又は生物の生得的能力である。
用語「獲得耐性」は、特定の薬物又は薬物分類の寛容を許す固有の構造特性又は機能特性を介して特定薬剤の活性に抵抗する細胞又は生物の適応能力である。
疾患又は障害に関して、用語「治療」は、疾患又は障害の発症を予防し、阻止し、疾患又は障害の症状若しくは副作用を停止させ、退行させ、又はその軽減をもたらし、及び/又は治療対象の生存を延長させることを指す。
【0009】
本明細書で単独又は組み合わせて使用する用語「アルキル」は、飽和炭化水素から1個の水素原子の除去により導かれるC1-C12直鎖若しくは分岐置換若しくは非置換飽和鎖基を指す。アルキル基の代表例としては、とりわけ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、及びtert-ブチルが挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「アルケニル」は、2~10個の炭素原子を含有する置換若しくは非置換直鎖又は置換若しくは非置換分岐鎖アルケニル基を指す。該基の例としては、限定するものではないが、エテニル、E-ペンテニル、Z-ペンテニル、デセニル等が挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「アルキニル」は、2~10個の炭素原子を含有する置換若しくは非置換直鎖又は置換若しくは非置換分岐鎖アルキニル基を指す。該基の例としては、限定するものではないが、エチニル、プロピニル、プロパルギル、ブチニル、ヘキシニル、デシニル等が挙げられる。
「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」又は「アルコキシ」を修飾する用語「低級」は、特定官能基についてC1-C6単位を指す。例えば、低級アルキルは、C1-C6アルキルを意味する。
【0010】
本明細書で単独又は組み合わせて使用する用語「シクロアルキル」は、3~10個の炭素原子及び1~3個の環を有する置換若しくは非置換脂肪族環系を指し、限定するものではないが、とりわけ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、及びアダマンチルが挙げられる。シクロアルキル基は、置換されないか又は低級アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキサルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニル及びカルボキサミドから独立に選択される1、2又は3個の置換基で置換され得る。この用語は、シクロアルケニル及びシクロアルキニル基を包含する意図である。「シクロアルキル」にはシス形又はトランス形が含まれる。さらに、置換基は、架橋二環系のエンド位又はエキソ位のどちらにあってもよい。
本明細書で単独又は組み合わせて使用する用語「シクロアルケニル」は、4~8個の炭素原子及び1つ以上の二重結合を含有する環式炭素環を指す。該シクロアルケニル基の例としては、限定するものではないが、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロペンタジエニル等が挙げられる。
本明細書で使用する用語「シクロアルキルアルキル」は、低級アルキル基に付着したシクロアルキル基を指し、限定するものではないが、シクロヘキシルメチルが挙げられる。
【0011】
本明細書で使用する用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、I、Br、Cl又はFを指す。
本明細書で使用する用語「ハロアルキル」は、少なくとも1つのハロゲン置換基が付加している低級アルキル基、例えば、とりわけ、クロロメチル、フルオロエチル、トリフルオロメチル及びペンタフルオロエチルを指す。
単独又は組み合わせた用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基を指し、ここで、用語「アルキル」は、上記定義どおりである。適切なアルキルエーテル基の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等が挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「アルケノキシ」は、エノールエーテルでないという条件で、式アルケニル-O-の基を指し、式中、用語「アルケニル」は上記定義どおりである。適切なアルケノキシ基の例としては、限定するものではないが、アリルオキシ、E-及びZ-3-メチル-2-プロペノキシ等が挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「アルキノキシ」は、-イノールエーテルでないという条件で、式アルキニル-O-の基を指す。適切なアルキノキシの例としては、限定するものではないが、プロパルギルオキシ、2-ブチニルオキシ等が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用する用語「カルボキシル」は、-CO2Hを指す。
用語「チオアルコキシ」は、式アルキル-S-のチオエーテル基を指し、式中、「アルキル」は、上記定義どおりである。
本明細書で使用する用語「カルボキサルデヒド」は、-C(O)Rを指し、式中、Rは水素である。
本明細書で使用する用語「カルボキサミド」は、-C(O)NR2を指し、式中、Rは、水素、アルキル又は他の任意の適切な置換基である。
本明細書で使用する用語「アルコキシアルコキシ」は、RbO-RcO-を指し、式中、Rbは、上記定義どおりの低級アルキルであり、Rcは、アルキレンであり、ここで、アルキレンは、-(CH2)n'-であり、n'は、1~6の整数である。アルコキシアルコキシ基の代表例としては、とりわけ、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、及びt-ブトキシメトキシが挙げられる。
【0013】
本明細書で使用する用語「アルキルアミノ」は、RdNH-を指し、ここで、Rdは、低級アルキル基であり、例えば、とりわけ、エチルアミノ、ブチルアミノが挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「アルケニルアミノ」は、式アルケニル-NH--又は(アルケニル)2N-の基を指し、式中、用語「アルケニル」は、基がエナミンでないという条件で、上記定義どおりである。該アルケニルアミノ基の例は、アリルアミノ基である。
単独又は組み合わせた用語「アルキニルアミノ」は、式アルキニル-NH--又は(アルキニル)2N-の基を指し、式中、用語「アルキニル」は、基がアミンでないという条件で、上記定義どおりである。該アルキニルアミノ基の例は、プロパルギルアミノ基である。
本明細書で使用する用語「ジアルキルアミノ」は、ReRfN-を指し、ここで、Re及びRfは、低級アルキルから独立に選択され、例えば、とりわけ、ジエチルアミノ、及びメチルプロピルアミノが挙げられる。
本明細書で使用する用語「アミノ」は、H2N-を指す。
本明細書で使用する用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基を介して親分子部分に付加している上記定義どおりのアルコキシル基を指す。アルコキシカルボニルの例としては、とりわけ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、及びイソプロポキシカルボニルが挙げられる。
【0014】
単独又は組み合わせて本明細書で使用する用語「アリール」又は「芳香族」は、6~12個の炭素原子を有する置換若しくは非置換炭素環式芳香族基、例えば、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、アズレニル、フルオレニル及びアントラセニル;又はフリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2-ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8-ナフトリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキシアジニル、ピラゾロ[1,5-c]トリアジニル等から成る群より選択されるヘテロ環式芳香族基を指す。「アリールアルキル」及び「アルキルアリール」は、上記定義どおりの用語「アルキル」を用いる。環は、多置換であってもよい。芳香環が他の芳香環又は非芳香環と縮合して多環式環を形成してもよく、本明細書で使用する用語「芳香族」にも包含される。
【0015】
単独又は組み合わせた用語「アラルキル」は、アリール置換アルキル基を指し、ここで、用語「アルキル」及び「アリール」は、上記定義どおりである。適切なアラルキル基の例としては、限定するものではないが、フェニルメチル、フェネチル、フェニルヘキシル、ジフェニルメチル、ピリジルメチル、テトラゾリルメチル、フリルメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチル、チエニルプロピル等が挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「アラルケニル」は、アリール置換アルケニル基を指し、ここで、用語「アリール」及び「アルケニル」は、上記定義どおりである。
単独又は組み合わせた用語「アリールアミノ」は、式アリール-NRg-の基を指し、式中、「アリール」は、上記定義どおりである。適切なRgは、とりわけ、H、低級アルキル、アリール及びアラルキルから成る群より選択され得る。アリールアミノ基の例としては、限定するものではないが、フェニルアミノ(アニリド)、ナフチルアミノ(naphthlamino)、2-、3-、及び4-ピリジルアミノ等が挙げられる。
単独又は組み合わせた用語「ビアリール」は、式アリール-アリールの基であり、式中、用語「アリール」は、上記定義どおりである。
単独又は組み合わせた用語「チオアリール」は、式アリール-S--の基を指し、式中、用語「アリール」は、上記定義どおりである。チオアリール基の例は、チオフェニル基である。
単独又は組み合わせた用語「アロイル」は、式アリール-CO--の基を指し、式中、用語「アリール」は上記定義どおりである。適切な芳香族アシル基の例としては、限定するものではないが、ベンゾイル、4-ハロベンゾイル、4-カルボキシベンゾイル、ナフトイル、ピリジルカルボニル等が挙げられる。
【0016】
単独又は組み合わせた用語「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の環内N、O、又はS原子を含有する非芳香族3~10員環を指す。ヘテロシクリルは、任意にアリール縮合されていてもよい。ヘテロシクリルは、任意に、とりわけ、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルボキシアルキル、オキソ、アリールスルホニル及びアラルキルアミノカルボニルから成る群より独立に選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用する用語「アルキルヘテロシクリル」は、ヘテロシクリル基を介して親分子部分に付加している上記定義どおりのアルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に付加している上記定義どおりのヘテロシクリル基を指す。
【0017】
本明細書で使用する用語「アミナール」は構造RCH(NH2)(OH)のヘミアセタールを指す。
用語「電子求引性」又は「電子供与性」は、水素が分子の同位置を占有した場合に水素の能力に対して電子を求引又は供与する置換基の能力を指す。これらの用語は、当業者によく理解されており、参照によってここに援用するJ. March, 1985, pp.16-18によるADVANCED ORGANIC CHEMISTRYで論じられている。電子求引性基としては、とりわけ、ハロ、ニトロ、カルボキシル、低級アルケニル、低級アルキニル、カルボキサルデヒド、カルボキシアミド、アリール、四級アンモニウム、トリフルオロメチル、及びアリール低級アルカノイルが挙げられる。電子供与性基としては、とりわけ、ヒドロキシ、低級アルキル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、アリールオキシ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルメルカプト、及びジスルフィド等の基が挙げられる。当業者は、上記置換基が、様々な化学的条件下で電子供与特性及び電子求引特性を有し得ることを認めるであろう。さらに、本発明は、上で特定した基から選択される置換基のいずれの組み合わせをも企図する。
最も好ましい電子供与性又は電子求引性置換基は、ハロ、ニトロ、アルカノイル、カルボキサルデヒド、アリールアルカノイル、アリールオキシ、カルボキシル、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホキシド、ヘテロシクリル、グアニジン、四級アンモニウム、低級アルケニル、低級アルキニル、スルホニウム塩、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、アミン、低級アルキルメルカプト、メルカプトアルキル、アルキルチオ及びアルキルジチオである。
【0018】
上記用語の使用は、置換及び非置換部分を包含する意図である。置換は、1つ以上の基、例えばアルコール、エーテル、エステル、アミド、スルホン、スルフィド、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミン、ヘテロ原子、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、アルコキシアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アルキルヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、オキソ、アリールスルホニル及びアラルキルアミノカルボニル又は前段落の任意の置換基又は直接若しくは適切なリンカーによって付着した任意の当該置換基による置換であってよい。リンカーは、典型的に、-C-、-C(O)-、-NH-、-S-、-S(O)-、-O-、-C(O)O-又は-S(O)O-の任意の組み合わせを含有する1~3個の原子の短鎖である。環は、複数回置換され得る。
【0019】
用語「哺乳動物」には、ヒト及び他の動物が含まれる。
本明細書で使用する用語「ヘテロ原子」は、窒素、硫黄及び酸素を包含する。
本明細書で使用する用語「α」は、記載位置に直接隣接する位置を示す。
着色料、乳化剤、賦形剤、香味料、潤沢剤、保存料、又は溶媒等の不活性成分として一般的に用いられる無害の薬物を指して本明細書で使用する用語「不活性成分」は、他の薬物の調製では条例(21 CFR 201.117)のセクション502(f)(1)が適用されないものとする。
本明細書で使用する用語「賦形剤」は、活性薬物又は生成物以外の、安全性について適正に評価されたいずれの物質をも意味し、薬物送達システムに含められて、その製造中に薬物送達システムの加工を助け;安定性、生体適合性、又は患者の許容性を保護、支持、又は増強し;生成物同定に役立ち;或いは貯蔵又は使用中の薬物送達システムの全体的な安全性及び有効性のいずれの他の特質をも増強する(40 CFR 63.1251)。
本明細書で使用する用語「エフェクター細胞」は、標的細胞に結合し、貪食するか又は細胞溶解を誘導できる細胞を意味する。エフェクター細胞型としては、限定するものではないが、1)標的細胞に結合し、抗原特異的T細胞受容体によって活性される細胞傷害性Tリンパ球、2)標的細胞に結合し、フラグメント結晶化可能(Fc)受容体とモノクロナール抗体オプソニン化標的細胞との間の相互作用を介して標的細胞を溶解する単球、マクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞、及び好中球、3)抗原特異性と無関係の標的細胞に結合して溶解するNK及びNK変異体、4)限定するものではないが、CD3、CD8、又はCD4を含めた細胞表面マーカーを発現する、腫瘍から単離され、エクスビボで拡張される腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、5)腫瘍特異的T細胞受容体又は限定するものではないが、CD3、CD8、若しくはCD4を含めた細胞表面マーカーを所有するキメラ抗原受容体で遺伝子操作されたT細胞が挙げられる。
用語「養子T細胞」は、エフェクター機能ができる天然T細胞又は活性化T細胞に由来するエフェクター細胞である。
【0020】
本明細書で使用する用語「固形腫瘍」は、通常は嚢胞又は液性領域を含有しない異常な組織塊を意味する。固形腫瘍は良性(非癌)、又は悪性(癌)であり得る。それらを形成する細胞のタイプに合わせて異なるタイプの固形腫瘍が命名される。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、リンパ腫である。
本明細書で使用する用語「小細胞アゴニスト」は、通常のリガンドではなく、同族リガンド-受容体相互作用の安定剤と同義である。
【0021】
発明に用いる略語
本明細書では下記略語を使用する:Acはアセチルであり、AcOHは酢酸であり、ADCCは抗体依存性細胞傷害性であり、6-Ahx-OHは6-アミノヘキサン酸であり、APCは抗原提示細胞であり、BATDAはビス(アセトキシメチル)2,2':6',2''-テルピリジン-6,6''-ジカルボキシラートであり、BCGはカルメット・ゲラン桿菌(bacillus calmette-guerin)であり、Bnはベンジルであり、Bocはtert-ブチルオキシカルボニルであり、nBuはn-ブチルであり、nBuLiはn-ブチルリチウム、ヘキサン中1.6M(他の濃度の記述がない限り)であり、Cbzはベンジルオキシカルボニルであり、CDは表面抗原分類(cluster of differentiation)であり、CDIはN,N'-カルボニルジイミダゾールであり、COMUは(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウムヘキサフルオロホスファートであり、CTLは細胞傷害性Tリンパ球であり、CTLA-4は細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4であり、Dabは2,4-ジアミノブチリルであり、DBUは1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンであり、DCEは1,2-ジクロロエタンであり、DCHAはジシクロヘキシルアミンであり、DCMはジクロロメタン(塩化メチレン)、ジオキサンは1,4-ジオキサンであり、DIPEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、DMEDはN,N'-ジメチルエチレンジアミンであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、Etはエチルであり、EtOHはエタノールであり、FBSはウシ胎仔血清であり、Fcは結晶化可能フラグメント(fragment crystallizable)であり、FGFは線維芽細胞成長因子であり、Fmocは9H-フルオレン-9-イルメチルオキシカルボニルであり、G-CSFは顆粒球コロニー刺激因子であり、Gluはグルタミン酸であり、Glyはグリシンであり、HBTUはO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートであり、HMDSはヘキサメチルジシラザンであり、ICAM-1は細胞外接着分子-1であり、IDOはインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼであり、iNKTはインバリアントナチュラルキラーT細胞であり、iPrはイソプロピルであり、KHMDSはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドであり、LFAはリンパ球機能関連抗原であり、LFA-1はインテグリンαLβ2であり、Lysはリジンであり、LHMDSはリチウムビス(トリメチルシリル)アミドであり、MAdCAM-1は粘膜アドレシン細胞接着分子-1であり、Meはメチルであり、MeOHはメタノールであり、MHCは主要組織適合抗原であり、NKはナチュラルキラーであり、Nleはノルロイシンであり、NMMは4-メチルモルホリンであり、NSMCはN-スクシンイミジル-N-メチルカルバマートであり、OAcはアセタートであり、Ornはオルニチンであり、PBSはリン酸緩衝生理食塩水であり、PD1はプログラム細胞死1であり、PDL1はプログラム細胞死リガンド1であり、pTsOHはパラ-トルエンスルホン酸であり、Phはフェニルであり、RTは室温であり、SDF1αはストロマ細胞由来因子1αであり、tBuはtert-ブチルであり、TBSはトリス緩衝生理食塩水であり、TDAは2,2':6',2"-テルピジリン-6,6"-ジカルボン酸であり、TEAはトリエチルアミンであり、TILは腫瘍浸潤リンパ球であり、Tfaはトリフルオロアセチルであり、Th1はTヘルパー1であり、Th2はTヘルパー2であり、THFはテトラヒドロフランであり、Tolはトルエンであり、Tyrはチロシンであり、VCAM-1は血管細胞接着分子-1であり、Vehはビヒクルであり、VLAは最晩期活性化抗原であり、VLA-4はインテグリンα4β1であり、VLA-5はインテグリンα5β1であり、Zはベンジルオキシカルボニルである。
【0022】
発明の詳細な説明
我々は、癌、及び種々の他の疾病状態用のワクチン、養子細胞療法、及び免疫療法を整えるために使用可能な、インテグリン-リガンド相互作用を促進する小分子インテグリンリガンドを発明した。発明者らは、特定の小細胞分子又は化学物質が、癌、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、及び/又は種々の他の疾病状態のためのワクチン、養子細胞療法、及び免疫療法の治療有効性を増強できることを見出した。
特定実施形態では、本発明は、抗原と、有効量の1種又は複数の増強化合物とを含むワクチンの医薬製剤であって、前記増強化合物が、細胞のインテグリンの、それぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、前記抗原は、精製タンパク質、精製ペプチド、細胞又は細胞細胞溶解物である、医薬製剤に関する。他の実施形態では、製剤は抗癌ワクチンである。他の実施形態では、請求項1の医薬製剤は、非特異的アジュバント物質及び/又は特異的アジュバント物質をさらに含み、該物質は、抗原に反応して免疫応答を誘導することができる。他の実施形態では、非特異的アジュバント物質は、BCG、完全フロイントアジュバント、ミョウバン、及び/又はノスカピンから成る群より選択され、特異的アジュバント物質は、G-CSF、FGF、Toll様受容体アゴニスト、並びに/又はCTL-4、PD-1、PDL-1、及び/若しくはIDO-1から成る群より選択されるタンパク質を標的にする免疫チェックポイントインヒビターから成る群より選択される。特定実施形態では、増強化合物は特異的アジュバントである。
【0023】
特定実施形態では、本発明は、治療的に無効な用量の免疫チェックポイントインヒビター、細胞傷害性化学療法薬、癌ワクチンと組み合わせて、有効量の1種又は複数の増強化合物で患者を治療する方法であって、付随増強化合物が、細胞のインテグリンのそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、患者が癌と診断されたことがある、該方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、治療的に無効な用量の免疫チェックポイントインヒビター、細胞傷害性化学療法薬、癌ワクチンと組み合わせて、有効量の1種又は複数の増強化合物で患者を治療する方法であって、付随増強化合物が、細胞のインテグリンのそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、患者が、肺、前立腺、乳房、結腸、皮膚、脳、又は膵臓の固形腫瘍と診断されたことがあり、増強化合物が、腫瘍内注射され、特定器官若しくは組織に局所注入され、又は経腸若しくは非経口投与経路によって全身投与される、該方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、治療的に無効な用量の免疫チェックポイントインヒビター、細胞傷害性化学療法薬と組み合わせて、有効量の1種又は複数の増強化合物で患者を治療する方法であって、付随増強化合物が、細胞のインテグリンのそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、ICAM-2、及び/又はビトロネクチンが含まれ、患者が血液癌と診断されたことがあり、インテグリン模倣物が、経腸又は非経口投与経路によって全身投与される、該方法に関する。
【0024】
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したNK細胞、活性化NK細胞、操作されたNK細胞、又はNK細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、NK細胞、活性化NK細胞操作されたNK細胞、又はNK細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、治療的に無効な量のNK細胞、活性化NK細胞、操作されたNK細胞、又はNK細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したインバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞、活性化iNKT細胞、操作されたiNKT細胞、又はiNKT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、iNKT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたiNKT細胞、又はiNKT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、治療的に無効な量のiNKT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたiNKT細胞、又はiNKT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法に関する。
【0025】
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したγδT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたγδT細胞、又はγδT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、γδT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたγδT細胞、又はγδT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、γδT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたγδT細胞、又はγδT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法に関する。
【0026】
特定実施形態では、本発明は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)殺腫瘍活性を増強する目的でインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したCTL(限定するものではないが、腫瘍浸潤リンパ球、抗原特異的様式で拡張されたリンパ球、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたリンパ球が挙げられる)を含む医薬製剤に関する。
特定実施形態では、本発明は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)殺腫瘍活性を増強する目的でインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、CTL(限定するものではないが、腫瘍浸潤リンパ球、抗原特異的様式で拡張されたリンパ球、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたリンパ球が挙げられる)を含む医薬組成物で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)殺腫瘍活性を増強する目的でインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、治療的に無効な量のCTL(限定するものではないが、腫瘍浸潤リンパ球、抗原特異的様式で拡張されたリンパ球、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたリンパ球が挙げられる)を含む医薬組成物で患者を治療する方法に関する。
【0027】
特定実施形態では、本発明は、Fc領域を含有する治療抗体(抗体は、限定するものではないが、トラスツズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、アツムマブ(atumumab)、又はトシツモマブである)、及びインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、治療的に無効な量の、Fc領域を含有する治療抗体(抗体は、限定するものではないが、トラスツズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、アツムマブ、又はトシツモマブである)、及びインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で患者を治療する方法に関する。
特定実施形態では、本発明は、治療的に無効な量の、Fc領域を含有する治療抗体及びインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0028】
特定実施形態では、化学物質は、下記一般式(I)で与えられる。
R1-M1-N(R2)-M2-M3-M4-M5-M6-R3(I)
式中:
R1は、アリール及びアラルキルから成る群より選択され、
R2は、アルキル、アリール、又はアラルキルであり、
M1は、CH2であり、
M2は、COであり、
M3は、O、S、又はNR6であり、存在するときR6は、水素又は低級アルキルであり、
M4は、存在しないか又はCH2であり、
M5は、(CR11R12)であり、R11は、水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24、NR21COOR24、OCOR24、OR24、O(CH2CH2O)sR24、COOR24、アルキル、及びヒドロキシアルキルから成る群より選択され、sは1~6の整数であり、存在するときR21及びR22は、水素又は低級アルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR23は、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキル、アリール、アラルキル及びアルコキシカルボニルアルキルから成る群より選択され(但し、M3がNR6であり、M4が存在せず、かつR12がCONR22R23であるときは、R23は1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロピルでない)、存在するときR24は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキルから成る群より選択され、
M6は、(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、
R3は、水素、CONR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、NR15SO2R16、OCOR16、COOR16、OR16、SR16、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、グアナジノ、アルキル及びアリールから成る群より選択され、存在するときR13及びR15は、水素又は低級アルキルから独立に選択され、存在するときR14及びR16は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキルから成る群より独立に選択され、
存在するときR1、R2、R3、R12、R14、R16、R23及びR24は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、及び-OCO(ジアルキルアミノ)から成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。
【0029】
本発明の実施形態は、エフェクター細胞の腫瘍内バイオアベイラビリティーを高めることによってエフェクター細胞の効力及び又は有効性を高める方法であって、標的組織の中を直接組成物で満たすか、又は患者の中に全身注入する工程を含み、該組成物は、細胞のそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強できる有効量の1種又は複数の化学物質及び細胞のそれぞれのリガンドへのインテグリン媒介結合を増強できる追加量の1種又は複数の化学物質で処置したエフェクター細胞を含む、方法を提供する。特定実施形態では、これらの化合物によって標的にされるインテグリンとして、限定するものではないが、α4β1、α4β7、α5β1、αLβ2及びαvβ3が含まれる。種々の実施形態では、リガンドとして、限定するものではないが、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、ICAM-2、及びビトロネクチンが含まれる。
【0030】
他の実施形態では、化学物質は、下記一般式(I)によって与えらる。
R1-M1-N(R2)-M2-M3-M4-M5-M6-R3(I)
式中:
R1は、アリール及びアラルキルから成る群より選択され、
R2は、アルキル、アリール、又はアラルキルであり、
M1は、CH2であり、
M2は、COであり、
M3は、O、S、又はNR6であり、存在するときR6は、水素又は低級アルキルであり、
M4は、存在しないか又はCH2であり、
M5は、(CR11R12)であり、R11は、水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24、NR21COOR24、OCOR24、OR24、O(CH2CH2O)sR24、COOR24、アルキル、及びヒドロキシアルキルから成る群より選択され、sは1~6の整数であり、存在するときR21及びR22は、水素又は低級アルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR23は、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキル、アリール、アラルキル及びアルコキシカルボニルアルキルから成る群より選択され(但し、M3がNR6であり、M4が存在せず、かつR12がCONR22R23であるときは、R23は、1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロピルでない)、存在するときR24は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキルから成る群より選択され、
M6は、(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、
R3は、水素、CONR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、NR15SO2R16、OCOR16、COOR16、OR16、SR16、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、グアナジノ、アルキル及びアリールから成る群より選択され、存在するときR13及びR15は、独立に水素又は低級アルキルであり、存在するときR14及びR16は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキルから成る群より独立に選択され、
存在するときR1、R2、R3、R12、R14、R16、R23及びR24は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、及び-OCO(ジアルキルアミノ)から成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。
【0031】
他の実施形態では、化学物質は、下記一般式(I)で与えられる。
R1-M1-N(R2)-M2-M3-M4-M5-M6-R3(I)
式中、R1は、アリール及びアラルキルから成る群より選択され、R2は、アルキル、アリール、又はアラルキルであり、M1はCH2であり、M2はCOであり、M3は、O、S、又はNR6であり、存在するときR6は、水素又は低級アルキルであり、M4は、存在しないか又はCH2であり、M5は、(CR11R12)であり、R11は水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24、NR21COOR24、OCOR24、OR24、O(CH2CH2O)sR24、COOR24、アルキル、及びヒドロキシアルキルから成る群より選択され、sは1~6の整数であり、存在するときR21及びR22は、水素又は低級アルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR23は、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキル、アリール、アラルキル及びアルコキシカルボニルアルキルから成る群より選択され(但し、M3がNR6であり、M4が存在しないときは、R23は、1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロピルでない)、存在するときR24は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキル、並びにその混合物又は組み合わせから成る群より選択され、M6は、(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、R3は、水素、CONR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、NR15SO2R16、OCOR16、COOR16、OR16、SR16、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、グアナジノ、アルキル及びアリールから成る群より選択され、存在するときR13及びR15は、独立に水素又は低級アルキルであり、存在するときR14及びR16は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR1、R2、R3、R12、R14、R16、R23及びR24は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。他の実施形態では、化合物は、R1がアリール又はアラルキルであり、R2がアルキル又はアラルキルであり、M1がCH2であり、M2がCOであり、M3が存在しないか又はO若しくはCH2であり、M4が存在しないか又はCH2であり、M5が存在しないか又はO若しくは(CR11R12)であり、R11が水素であり、R12が、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24及びNR21COOR24から成る群より選択され、M6が、(CH2)q、(CH2)q-CH=CH--(CH2)r、(CH2)q-アリーレン-(CH2)r及び(CH2CH2O)qから成る群より選択され、q及びrが独立に0~6の整数であり、R3がCONR13R14であり、それぞれ存在するときR21及びR22が、水素及び低級アルキルの群から独立に選択され、存在するときR13、R14、R23及びR24が、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群よりそれぞれ独立に選択され、かつ存在するときR1、R2、R13、R14、R23及びR24が、置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。他の実施形態では、化合物は、R1がアリール又はアラルキルであり、R2がアルキル又はアラルキルであり、M1がCH2であり、M2がSO2又はCOであり、M3が存在しないか又はCH2であり、M4が存在しないか又はCH2であり、M5が存在しないか又は(CR11R12)であり、存在するときR11が水素であり、存在するときR12が、水素、アルキル、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24及びNR21COOR24から成る群より選択され、M6が(CH2)q、又はNR34(CH2)qであり、qが0~6の整数であり、R3が、CONR13R14、SO2NR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、及びNR15SO2R16から成る群より選択され、それぞれ存在するときR15、R16、R21及びR22が、水素、低級アルキル、及びアラルキルの群から独立に選択され、それぞれ存在するときR13、R14、R23及びR24が、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群よりそれぞれ独立に選択され、存在するときR34が、アルキル、アラルキル、COR35、及びSO2R35から成る群より選択され、存在するときR35が、アルキル、アリール、及びアラルキルから成る群より選択され、存在するときR1、R2、R13、R14、R15、R16、R23、R24、R34及びR35が置換されてないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、及び-OCO(ジアルキルアミノ)から成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、但し、M2がCOであるときは、M6がNR34(CH2)qであり、qが0でない。他の実施形態では、化学物質は、不活性成分又は賦形剤である。他の実施形態では、担体中の有効量は、1fMより多く、100nM未満である。他の実施形態では、担体中の有効量は、1fMより多く、50nM未満である。他の実施形態では、担体中の有効量は、1fMより多く、25nM未満である。
【0032】
他の実施形態では、化学物質は、下記一般式(I)で与えられる。
R1-M1-N(R2)-M2-M3-M4-M5-M6-R3(I)
式中、R1は、アリール及びアラルキルから成る群より選択され、R2は、アルキル、アリール、又はアラルキルであり、M1はCH2であり、M2はCOであり、M3は、O、S、又はNR6であり、存在するときR6は、水素又は低級アルキルであり、M4は、存在しないか又はCH2であり、M5は、(CR11R12)であり、R11は水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24、NR21COOR24、OCOR24、OR24、O(CH2CH2O)sR24、COOR24、アルキル、及びヒドロキシアルキルから成る群より選択され、sは1~6の整数であり、存在するときR21及びR22は、水素又は低級アルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR23は、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキル、アリール、アラルキル及びアルコキシカルボニルアルキルから成る群より選択され(但し、M3がNR6であり、M4が存在しないときは、R23は、1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロピルでない)、存在するときR24は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキル、並びにその混合物又は組み合わせから成る群より選択され、M6は、(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、R3は、水素、CONR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、NR15SO2R16、OCOR16、COOR16、OR16、SR16、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、グアナジノ、アルキル及びアリールから成る群より選択され、存在するときR13及びR15は、水素又は低級アルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR14及びR16は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクリルアルキルから成る群より独立に選択され、存在するとき、R1、R2、R3、R12、R14、R16、R23及びR24は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。他の実施形態では、化学物質は、R1がアリール又はアラルキルであり、R2がアルキル又はアラルキルであり、M1がCH2であり、M2がCOであり、M3が存在しないか又はO若しくはCH2であり、M4が存在しないか又はCH2であり、M5が存在しないか又はO若しくは(CR11R12)であり、R11が水素であり、R12が、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24及びNR21COOR24から成る群より選択され、M6が、(CH2)q、(CH2)q-CH=CH--(CH2)r、(CH2)q-アリーレン-(CH2)r及び(CH2CH2O)qから成る群より選択され、q及びrが独立に0~6の整数であり、R3がCONR13R14であり、それぞれ存在するときR21及びR22が、水素及び低級アルキルの群から独立に選択され、それぞれ存在するときR13、R14、R23及びR24が、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR1、R2、R13、R14、R23及びR24が、置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。他の実施形態では、化学物質は、R1がアリール又はアラルキルであり、R2がアルキル又はアラルキルであり、M1がCH2であり、M2がSO2又はCOであり、M3が存在しないか又はCH2であり、M4が存在しないか又はCH2であり、M5が存在しないか又は(CR11R12)であり、存在するときR11が水素であり、存在するときR12が、水素、アルキル、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24及びNR21COOR24から成る群より選択され、M6が(CH2)q、又はNR34(CH2)qであり、qが0~6の整数であり、R3が、CONR13R14、SO2NR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、及びNR15SO2R16から成る群より選択され、それぞれ存在するときR15、R16、R21及びR22が、水素、低級アルキル、及びアラルキルの群から独立に選択され、それぞれ存在するときR13、R14、R23及びR24が、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR34が、アルキル、アラルキル、COR35、及びSO2R35から成る群より選択され、存在するときR35が、アルキル、アリール、及びアラルキルから成る群より選択され、存在するときR1、R2、R13、R14、R15、R16、R23、R24、R34及びR35が、置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、及び-OCO(ジアルキルアミノ)から成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、但し、M2がCOであるときは、M6はNR34(CH2)qであり、qは0でない。他の実施形態では、化学物質は、不活性な成分又は賦形剤である。他の実施形態では、担体中の有効量は、1fMより多く、100nM未満である。他の実施形態では、担体中の有効量は、1fMより多く、50nM未満である。他の実施形態では、担体中の有効量は、1fMより多く、25nM未満である。
【0033】
ヒト又は下等動物に注入するために適切な媒体中で単独又は治療細胞と組み合わせたエクスビボ処置媒体中の開示化合物の濃度は、1fM(1フェムトモル濃度又は1×10-15M)と10μM未満との間であり得る。必要に応じて、投与目的に合わせて有効濃度を複数用量に分割することができ、結果として、単用量組成物は、細胞又は化合物の1日用量を構成するような量又はその約量を含有し得る。
他の実施形態では、存在するときR1、R2、R3、R12、R14、R16、R23及びR24基は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい。
【0034】
一部の実施形態は、化合物は、メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10R)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-7-メチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-9-メチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;エチル(6S,10R)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-7-メチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-メチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-{[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(6S,10S)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-10-フェニル-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-({[(1S)-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヒドロキシプロピル]カルバモイル}アミノ)ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-[(ベンジルカルバモイル)アミノ]ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-[(モルホリン-4-イルカルボニル)アミノ]ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-{[(3-メトキシプロピル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-{[(2-メトキシエチル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブチルカルバモイル)アミノ]ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-[(イソプロピルカルバモイル)アミノ]ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-[(メチルカルバモイル)アミノ]ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;tert-ブチル[(2R)-1-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;ベンジル{(5S)-6-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;メチル(9S,13S)-13-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-9-({[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}メチル)-3,11-ジオキソ-1-フェニル-2-オキサ-4,10,12-トリアザペンタデカン-15-オアート;(2S)-2-アセトアミドヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(3R)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-{[(2S)-2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキサノイル]アミノ}プロパノアート;メチル(3R)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-{[(2R)-2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキサノイル]アミノ}プロパノアート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-{[(2R)-2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキサノイル]アミノ}プロパノアート;メチル(6R,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6R,10R)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(2S)-2-{[ビス(2-チエニルメチル)-カルバモイル]アミノ}ヘキサノアート;メチル(2R)-2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキサノアート;3-[(2S)-1-ヒドロキシヘキサン-2-イル]-1,1-ビス(2-チエニルメチル)尿素;3-[(2R)-1-ヒドロキシヘキサン-2-イル]-1,1-ビス(2-チエニルメチル)尿素;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキサノアート;メチル{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル](メチル)アミノ}アセタート;メチル{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}アセタート;メチル{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル](ブチル)アミノ}アセタート;3-(3-ヒドロキシプロピル)-1,1-ビス(2-チエニルメチル)尿素;メチル(2R)-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}(フェニル)アセタート;tert-ブチル{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}アセタート;tert-ブチル{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル](ブチル)アミノ}アセタート;ベンジル{(5S)-6-{[ビス(4-メトキシベンジル)カルバモイル]オキシ}-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(4-メトキシベンジル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-(4-メトキシベンジル)-1-(4-メトキシフェニル)-3,8-ジオキソ-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-({[(1S)-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヒドロキシプロピル]カルバモイル}アミノ)ヘキシルビス(4-メトキシベンジル)カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルジベンジルカルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-ベンジル-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-フェニル-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(4-メチルベンジル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-メチルフェニル)-3,8-ジオキソ-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(4-クロロベンジル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-(4-クロロベンジル)-1-(4--クロロフェニル)-3,8-ジオキソ-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル(4-ブロモベンジル)(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-(4-ブロモベンジル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-2-(4-アジドベンジル)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルフェニル(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(6S,100S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-2-フェニル-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(3-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(3-チエニル)-2-(3-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[ブチル(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキシル]カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルブチル(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(3S,7S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-7-ブチル-5,10-ジオキソ-[1-(2-チエニルメチル)-9-オキサ-4,6,11-トリアザペンタデカン-1-オアート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[(2-メトキシエチル)(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキシル]カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル(2-メトキシエチル)(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(9S,13S)-13-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-9-ブチル-6,11-ジオキソ-5-(2-チエニルメチル)-2,7-ジオキサ-5,10,12-トリアザペンタデカン-15-オアート;(2S)-2-[({3-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}カルバモイル)アミノ]ヘキシル(2-メトキシエチル)(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-{[(4-ブロモベンジル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-{[(4-アジドベンジル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]チオ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-チア-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
【0035】
一部の実施形態では、一般式(I)を有し、式中、R1は、アリール又はアラルキルであり、R2は、アルキル、アリール又はアラルキルであり、M1は、CH2であり、M2は、COであり、M3は存在せず、M4は、存在しないか又はCH2であり、M5は(CR11R12)であり、M6は(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、R11は水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24、NR21COOR24、OCOR24、OR24、SCOR24、SR24、N3、CN、及びO(CH2CH2O)sR24から成る群より選択され、sは1~6の整数であり、存在するときR21及びR22は、水素、低級アルキル、又はアラルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR23は、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルコキシカルボニルアルキルから成る群より選択され、存在するときR24は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクリルアルキルから成る群より選択され、但し、M3及びM4が存在しないときは、R12は、下記式:
【0036】
【0037】
(式中、Aは、-O-、-S-、及び-NR26-から成る群より選択され、Eは、-CH2-、-O-、-S-、及び-NR27-から成る群より選択され、Jは、-O-、-S-、及び-NR28-から成る群より選択され、Tは、CO及び(CH2)bから成る群より選択され、bは0~3の整数であり、Lは、-(CH2)-、-O-、-S-、及び-NR29-から成る群より選択され、nは0~3の整数であり、Mは、CR30R31及び(CH2)uuから成る群より選択され、uは0又は1の整数であり、Xは、CO2B、PO3H2、SO3H、OPO3H2、CONHCOR32、CONHSO2R33、オキサゾリル、テトラゾリル及び水素から成る群より選択され、B、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32及びR33は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、チオアルコキシ、脂肪族アシル、-CF3、ニトロ、アミノ、シアノ、N(C1-C3アルキル)CO(C1-C3アルキル)、C1-C3アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ジ(C1-C3アルキル)アミノ、CO2(C1-C3アルキルアミノ)、CONH(C1-C3アルキルアミノ)、CH.dbd.NOH、PO3H2、OPO3H2、CON(C1-C3アルキル)2、ハロアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシアルコキシ、カルボキサルデヒド、カルボキサミド、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アロイル、アリールオキシ、アリールアミノ、ビアリール、チオアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクロイル、アルキルアリール、アラルケニル、アラルキル、アルキルヘテロ環式、ヘテロ環式アルキル、スルホニル、スルホンアミド、カルバマート、アリールオキシアルキル、カルボキシル及びCONH(ベンジル)から成る群より独立に選択され、B、X、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31及びR32は、置換されていないか又は少なくとも1つの電子供与性若しくは電子求引性基で置換されている)の基でなく、R3は、水素、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、NR15SO2R16、OCOR16、COOR16、アルキル、SR16、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、グアナジノ及びアリールから成る群より選択され、存在するときR13及びR15は、水素、低級アルキル、又はアラルキルであり、存在するときR14及びR16は、水素、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルから成る群より独立に選択され(但し、R3が水素、アルキル又はアリールであるときは、R12は水素でなく、かつR1がフェニルであるときは、R3はベンジルオキシカルボニルアミノであり、かつR12は水素であり、R2は2-メトキシベンジルでない)、存在するときR1、R2、R3、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R22、R23及びR24は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、又はその混合物及び組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい、化学物質を提供する。
【0038】
一部の実施形態では、化合物は、(2R)-2-({[(1S)-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヒドロキシプロピル]カルバモイル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({3-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-3-オキソプロピル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;(2S)-2-[(tert-ブチルカルバモイル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]--6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;tert-ブチル{(2R)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;(2S)-2-アセトアミド-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(5S)-5-アセトアミド-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;(2R)-2-アセトアミド-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(5S)-5-(ベンゾイルアミノ)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;(2S)-2-[(フェニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-[メチル(フェニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;2-[(フェニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;2-[メチル(フェニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;(2S)-2-[(メチルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-({[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]スルホニル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソ-5-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(3-メトキシベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(3-メトキシベンジル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(3-メトキシベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-6-[ビス(3-メトキシベンジル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-{[2-(2-チエニル)エチル](2-チエニルメチル)アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル[(5R)-5-
[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-{[2-(2-チエニル)エチル](2-チエニルメチル)アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-(ジベンジルアミノ)-6-オキソヘキシル]カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(4-ニトロベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(4-ニトロベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;tert-ブチル[(2R)-1-[(4-アミノベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-{[(ベンジルオキシ)-カルボニル]アミノ}-1-オキソヘキサン-2-イル]カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-[(4-アミノベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-{[(ベンジルオキシ)-カルボニル]アミノ}-1-オキソヘキサン-2-イル]カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[メチル(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[ブチル(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-[(ピリジン-4-イルメチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-[(ピリジン-3-イルメチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-6-アセトアミド-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(トリフルオロアセチル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(フェニルスルホニル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(ピリジン-3-イルカルボニル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(2-チエニルアセチル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-ヒドロキシ-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;tert-ブチル{(2S)-6-[(ベンジルスルホニル)アミノ]-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-6-[ベンジル(トリフルオロアセチル)アミノ]-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル[(1R)-2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソエチル]カルバマート;メチル(4S)-5-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-オキソペンタノアート;ベンジル{(3S)-4-[ビス(チオフェン-2-イルメチル)アミノ]-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-オキソブチル}カルバマート;ベンジル{(4S)-5-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-オキソペンチル}カルバマート;tert-ブチル{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}カルバマート;tert-ブチル{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}メチルカルバマート;N,N-ビス(2-チエニルメチル)-6-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキサンアミド;N-{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}チオフェン-2-カルボキサミド;N-{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド;N-ベンジル-N-{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}チオフェン-2-カルボキサミド;6-[ベンジル(2-チエニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;6-[メチル(2-チエニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;6-[(ベンジルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;6-[(2-チエニルアセチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;N-{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-N-(3-メトキシベンジル)チオフェン- -2-カルボキサミド;6-[(3-メトキシベンジル)(2-チエニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;6-[(ベンジルスルホニル)(3-メトキシベンジル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;tert-ブチル{6-[ビス(チオフェン-2-イルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-3-(4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロパン-2-イル]カルバマート;メチル(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキサノアート;(2S)-2-[アセチル(メチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(5S)-5-[アセチル(メチル)アミノ]-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イルアセタート;tert-ブチル{(2S)-6-[ベンジル(2-チエニルスルホニル)アミノ]-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-{ビス[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-{(2-チエニルメチル)[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-{(2-チエニルメチル)[2-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[2-(ジフルオロメトキシ)ベンジル]-(2-チエニルメチル)アミノ}-6-オキソヘキシル]カルバマート;tert-ブチル{6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;N-{6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-4-メトキシベンズアミド;N-{6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-4-メトキシ-N-(4-メトキシベンジル-)ベンズアミド;N-{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-N-メチルチオフェン-2-カルボキサミド;6-[(3-メトキシベンジル)(2-チエニルアセチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;tert-ブチル{4-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-4-オキソブチル}カルバマート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({4-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-4-オキソブチル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;6-{[(3-クロロプロピル)スルホニル]アミノ}-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ヘキサンアミド;6-(1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イル)-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ヘキサンアミド;N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-6-({[2-(モルホリン-4-イル)エチル]スルホニル}アミノ)ヘキサンアミド;3-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;tert-ブチル{3-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-3-オキソプロピル}ブチルカルバマート;3-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル](ブチル)アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;3-{ブチル[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;4-(1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イル)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ブタンアミド;N,N-ビス(2-チエニルメチル)-3-{[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}プロパンアミド;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-ヒドロキシ-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-シアノ-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-5-アジド-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;S-{(2R)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}エタンチオアート;tert-ブチル[(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-({[(4-ブロモベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル]カルバマート;4-アジドベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[(4-ブロモベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-[(4-アジドベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-{[(ベンジルオキシ)-カルボニル]アミノ}-1-オキソヘキサン-2-イル]カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[(4-ブロモベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(3-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(シクロプロピルメチル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
【0039】
一部の実施形態では、一般式(I)を有し、式中、R1は、アルキル、アリール又はアラルキルであり、R2は、アラルキル及びアルキルから成る群より選択され、但し、R1がアルキルであるときは、R2はアラルキルであり、M1はCO又はSO2であり(但し、M1がSO2であり、かつR1がフェニル、4-メチルフェニル又は2,4,6-トリメチルフェニルであるときは、R2はアルキル、2-フェネチル、ベンジル、又は2-メトキシ-2-オキソエチルでなく、M1がCOであり、かつR1が2-フリル、4-ピリジル、又は3,5-ジニトロフェニルであるときは、R2はアルキル、ベンジル又は2-(1H-インドール-2-イル)エチルでない)、M2は、存在しないか又はCH2であり、M3及びM4は、存在せず、M5は、(CR11R12)であり、R11は、水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24、NR21COOR24、CONR22R23、COOR24、O(CH2CH2O)sR24 ヒドロキシアルキル及びアルコキシアルキルから成る群より選択され、sは1~6の整数であり、M6は、(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、R3は、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、及びNR15SO2R16から成る群より選択され、存在するときR13、R21及びR22は、水素及び低級アルキルから成る群より独立に選択され、それぞれ存在するときR14、R15、R16、R23及びR24は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR1、R2、R3、R12、R14、R15、R16、R23及びR24は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい、化学物質を提供する。
【0040】
一部の実施形態では、化合物は、メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[ベンジル(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[ベンジル(フェニルスルホニル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[(2-チエニルカルボニル-)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[(2-チエニルアセチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-2-[ベンジル(イソブチルスルホニル)アミノ]-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサノアート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(2-チエニルメチル)(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(2-チエニルアセチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(メチルスルホニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(フェニルスルホニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(2-チエニルカルボニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;N,N'-ヘプタン-1,7-ジイルビス[N-(2-チエニルメチル)ベンズアミド];N,N'-ヘプタン-1,7-ジイルビス[N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド];ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-(2-チエニルメチル)アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(4-メトキシベンゾイル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;N,N'-ヘキサン-1,6-ジイルビス[N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド];N,N'-ヘキサン-1,6-ジイルビス[N-(3-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド];tert-ブチル{5-[(4-メトキシベンジル)(2-チエニルスルホニル)アミノ]ペンチル}カルバマート;N,N'-ペンタン-1,5-ジイルビス[N-(3-メトキシベンジル)チオフェン-2-スルホンアミド];N-(3-メトキシベンジル)-N-{5-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ペンチル}チオフェン-2-スルホンアミド;tert-ブチル{5-[(2-チエニルカルボニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ペンチル}カルバマート;N-(3-メトキシベンジル)-N-{5-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]ペンチル}チオフェン-2-カルボキサミド;N,N'-ペンタン-1,5-ジイルビス[N-(3-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド];及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
【0041】
一部の実施形態では、一般式(I)を有し、式中、R1は、アリール又はアラルキルであり、R2は、アルキル又はアラルキルであり、M1は、CH2であり、M2は、COであり、M3は、存在しないか又はO若しくはCH2であり、M4は、存在しないか又はCH2であり、M5は、存在しないか又はO若しくは(CR11R12)であり、R11は水素であり、R12は、水素、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24及びNR21COOR24から成る群より選択され、M6は、(CH2)q、(CH2)q-CH=CH--(CH2)r、(CH2)q-アリーレン-(CH2)r及び(CH2CH2O)qから成る群より選択され、q及びrは、独立に0~6の整数であり、R3は、CONR13R14であり、それぞれ存在するときR21及びR22は、水素及び低級アルキルの群から独立に選択され、それぞれ存在するときR13、R14、R23及びR24は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR1、R2、R13、R14、R23及びR24は、置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよい、化学物質が選択される。
【0042】
一部の実施形態では、化合物は、N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N-(3-メトキシベンジル)-N,N',N'-トリス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N,N'-トリス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N'-[2-(2-チエニル)エチル]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N-[2-(2-チエニル)エチル]-N,N',N'-トリス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N-ビス(ピリジン-4-イルメチル)-N',N'-ビス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N-ビス(ピリジン-3-イルメチル)-N',N'-ビス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N-ビス(3-メトキシベンジル)-N',N'-ビス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)ペンタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ヘキサンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)ヘキサンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(3-メトキシベンジル)ヘキサンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ヘプタンジアミド;2,2'-(1,3-フェニレン)ビス[N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド];N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)ヘプタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)オクタンジアミド;(3E)-N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ヘキサ-3-エンジアミド;2,2'-オキシビス[N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド];3-オキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4,7,10-トリオキサ-2-アザドデカン-12-イルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)スクシンアミドエタン-1,2-ジイルビス[ビス(2-チエニルメチル)カルバマート];N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)オクタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ピリジン-3,5-ジカルボキサミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ピリジン-2,6-ジカルボキサミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド;2,2'-(1,4-フェニレン)ビス[N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド];8-{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)キノリン-2-カルボキサミド;N,N'-ビス(4-メトキシベンジル)-N,N'-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンジアミド;tert-ブチル{(2S)-1,6-ビス[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1,6-ジオキソヘキサン-2-イル}カルバマート;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
【0043】
一部の実施形態では、一般式(I)を有し、式中、R1は、アリール又はアラルキルであり、R2は、アルキル又はアラルキルであり、M1はCH2であり、M2は、SO2又はCOであり、M3は、存在しないか又はCH2であり、M4は、存在しないか又はCH2であり、M5は、存在しないか又は(CR11R12)であり、存在するときR11は水素であり、存在するときR12は、水素、アルキル、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21SO2R24及びNR21COOR24から成る群より選択され、M6は(CH2)q、又はNR34(CH2)qであり、qは0~6の整数であり、R3は、CONR13R14、SO2NR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、及びNR15SO2R16から成る群より選択され、それぞれ存在するときR15、R16、R21及びR22は、水素、低級アルキル、及びアラルキルの群から独立に選択され、それぞれ存在するときR13、R14、R23及びR24は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル及びアラルキルから成る群より独立に選択され、存在するときR34は、アルキル、アラルキル、COR35、及びSO2R35から成る群より選択され、存在するときR35は、アルキル、アリール、及びアラルキルから成る群より選択され、存在するときR1、R2、R13、R14、R15、R16、R23、R24、R34及びR35は、置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(アラルキル)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、-NHSO2(アラルキル)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、及び-OCO(ジアルキルアミノ)から成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく、但し、M2がCOであるときは、M6はNR34(CH2)qであり、qは0でない、化学物質を提供する。
【0044】
一部の実施形態では、化合物は、N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-スルホンアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド;2-{ブチル[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル](ブチル)アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;N-{3-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]プロピル}-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-スルホンアミド;2-[(メチルスルホニル)(2-チエニルメチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}チオフェン-2-スルホンアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}-2-(2-チエニル)アセトアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}チオフェン-2-カルボキサミド;N,N-ビス(2-チエニルメチル)-2-{[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}エタンスルホンアミド;2-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;3-[{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}(ブチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;2-[{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}(メチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;2-[{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}(ブチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;3-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;3-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)プロパンアミド;3-({2-[ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;3-[{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}(メチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;3-[{2-[ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル]エチル}(メチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;(2S)-2-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-({2-[ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;2-(アセチル{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;2-(アセチル{2-[ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
【0045】
一部の実施形態では、化合物は、tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(シクロプロピルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルジイソブチルカルバマート;メチル(8S,12S)-12-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-8-ブチル-4-イソブチル-2-メチル-5,10--ジオキソ-6-オキサ-4,9,11-トリアザテトラデカン-14-オアート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(シクロプロピルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-]-6-オキソヘキシル}カルバマート;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
特定実施形態により、上記化合物又はその医薬的に許容される塩;及び医薬的に許容される担体を含む医薬製剤を提供する。
【0046】
特定実施形態により、インテグリン発現細胞の処置方法を提供する。インテグリンは、例えば、α4β1、α5β1、α4β7、αvβ3及びαLβ2の1種以上であり得る。一部の実施形態では、インテグリン発現細胞の処置方法は、少なくとも1種のインテグリン発現細胞をインビトロで前記インテグリンのアゴニストと接触させる工程を含み、前記アゴニストは、一般式(I)を有し、式中、R1及びR2は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル(heterocylcyl)及びヘテロシクリルアルキルから成る群より独立に選択され、M1及びM2の一方はCO又はSO2であり、他方は(CR4R5)lであり(但し、M2がCOであるときは、M3はO、S、NR6又は(CR7R8)mであり、かつM2がSO2又は(CR4R5)lであるときは、M3は(CR7R8)mである)、M4は、存在しないか又は(CR9R10)nであり、M5は、存在しないか又はO若しくは(CR11R12)pであり、M6は、存在しないか又は(CH2)q、(CH2)q-CH=CH-(CH2)r、(CH2)q-アリーレン-(CH2)r、(CH2CH2O)q、及びNR34(CH2)qから成る群より選択され、R3は、水素、OH、OR16、CONR13R14、NR15COOR16、NR15COR16、NR15CONR13R14、NR15SO2R16、OCOR16、COOR16、アルキル、アリール、アラルキル、SR16、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル及びグアナジノから成る群より選択され、存在するときR34は、アルキル、アラルキル、COR35、及びSO2R35から成る群より選択され、存在するときR35は、アルキル、アリール、及びアラルキルから成る群より選択され、存在するときR12は、水素、アルキル、OH、N3、CN、NR21CONR22R23、NR21COR24、NR21COOR24、NR21SO2R24、CONR22R23、COOR24、OCOR24、OR24、SCOR24、SR24、アジド、CN、及びO(CH2CH2O)sR24から成る群より選択され、それぞれ存在するときR4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R15、及びR21は、水素、低級アルキル及びアラルキルから成る群より独立に選択され、それぞれ存在するときR13、R14、R16、R22、R23及びR24は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキルから成る群より独立に選択され、l、m、n及びpは、独立に0~1の整数であり、q、r及びsは、独立に0~6の整数であり、それぞれ存在するときR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R22、R23、R24、R34及びR35は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アジド、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されている、化合物である。
【0047】
特定実施形態により、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法であって、インテグリン発現細胞をインビトロで上記インテグリンのアゴニストで処置する工程(ここで、前記インテグリンは、α4β1、α5β1、α4β7、αvβ3及びαLβ2から成る群より選択される);及び処置細胞をインテグリン結合性リガンドと接触させる工程を含む方法を提供する。
一部の実施形態では、上記方法に利用するインテグリンのアゴニストは、メチル(3R)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({(2R)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({(2R)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-[ビス(チオフェン-2-イルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({(2R)-1-[ビス(チオフェン-2-イル-メチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(3R)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-{[{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}(メチル)カルバモイル]アミノ}プロパノアート;メチル(3R)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-{[{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}(メチル)カルバモイル]アミノ}プロパノアート;メチル(3R)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;メチル(2R)-[({(2S)-1-[ビス(チオフェン-2-イルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバモイル)アミノ](フェニル)エタノアート;メチル3-[({(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;(2S)-2-[(イソプロピルカルバモイル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-[(メチルカルバモイル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-[(ベンジルカルバモイル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2R)-2-[(ベンジルカルバモイル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(5S)-5-[(ベンジルカルバモイル)アミノ]-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;(2S)-2-{[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル[(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソ-5-{[(ピリジン-3-イルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキシル]カルバマート;(2S)-2-{[(ピリジン-3-イルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-({[(6-メトキシピリジン-3-イル)メチル]カルバモイル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-({[3-(モルホリン-4-イル)ベンジル]カルバモイル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-{[(4-ヒドロキシベンジル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-({[4-(ジメチルアミノ)ベンジル]カルバモイル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル[(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-({[3-(モルホリン-4-イル)ベンジル]カルバモイル}アミノ)-6-オキソヘキシル]カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[({3-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}カルバモイル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;ベンジル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソヘキサン-2-イル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(エトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル[(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-(ブチリルアミノ)-6-オキソヘキシル]カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソ-5-[(3-フェノキシプロパノイル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される化合物である。
【0048】
他の実施形態では、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法に用いるインテグリンアゴニストは、一般式(I)を有し、式中、R1は、アルキル、アリール、及びアラルキルから成る群より選択され、R2は、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル及びヒドロキシアルキルから成る群より選択され、M1はCH2であり、M2はSO2であり;M3、M4、M5、及びM6は、独立に存在しないか又はCH2であり;R3は、アルキル、アリール、アラルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル及びシクロアルキルアルキルから成る群より選択され;R1、R2及びR3は、独立に置換されていないか又はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアリール、ヒドロキシル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、-NHCO(アルキル)、-NHCO(アリール)、-NHCO(ハロアルキル)、-NHSO2(アルキル)、-NHSO2(アリール)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、-OCO(アルキルアミノ)、-OCO(ジアルキルアミノ)、及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されている化合物から成る群より選択される。
【0049】
一部のさらなる実施形態によれば、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法に用いるインテグリンアゴニストは、N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;1-フェニル-N,N-ビス(2-チエニルメチル)メタンスルホンアミド;2-メチル-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパン-1-スルホンアミド;N-(3-メトキシベンジル)-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-(3-メトキシベンジル)-N-(2-チエニルメチル)プロパン-2-スルホンアミド;N-(3-メトキシベンジル)-2-メチル--(2-チエニルメチル)プロパン-1-スルホンアミド;N-(4-ヒドロキシベンジル)-3-メトキシ-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-[2-(2-チエニル)エチル]-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ジベンジルベンゼンスルホンアミド;N-(ピリジン-3-イルメチル)-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-ブチル-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-(3-ヒドロキシプロピル)-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-(2-メトキシエチル)-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-(2-メトキシエチル)-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-スルホンアミド;N,N-ビス(3-メトキシベンジル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ビス(4-メトキシベンジル)チオフェン-2-スルホンアミド;2-クロロ-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;3-クロロ-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;4-クロロ-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;3-メトキシ-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;4-メトキシ-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ビス(ピリジン-4-イルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ビス(ピリジン-3-イルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-(2-フリルメチル)-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ビス(2-フリルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N,N-ビス(3-メトキシベンジル)チオフェン-2-スルホンアミド;メチル3-[ビス(3-メトキシベンジル)スルファモイル]チオフェン-2-カルボキシラート;2-(ヒドロキシメチル)-N,N-ビス(3-メトキシベンジル)チオフェン-3-スルホンアミド;N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-3-メチルベンゼンスルホンアミド;N-フェニル-N-(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;N-フェニル-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-スルホンアミド;N-(3-メトキシベンジル)--フェニルチオフェン-2-スルホンアミド;N-(3-メトキシベンジル)-N-フェニルベンゼンスルホンアミド;3-(4-メトキシフェノキシ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパン-1-スルホンアミド;4-メチル-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;2-メチル-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;3-メチル-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ベンゼンスルホンアミド;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される。
【0050】
他の実施形態において、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法であって、前記インテグリンアゴニストが、メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-7-メチル-3,8-ジオキソ-1-(2--チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;(2S)-2-{[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(6S,10S)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-10-フェニル-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-[(ベンジルカルバモイル)アミノ]ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-({[(1S)-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヒドロキシプロピル]カルバモイル}アミノ)ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(6S,100R)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;ベンジル{(5S)-6-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;メチル(9S,13S)-13-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-9-({[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}メチル)-3,11-ジオキソ-1-フェニル-2-オキサ-4,10,12-トリアザペンタデカン-15-オアート;tert-ブチル[(2R)-1-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;tert-ブチル{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル](ブチル)アミノ}アセタート;ベンジル{(5S)-6-{[ビス(4-メトキシベンジル)カルバモイル]オキシ}-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(4-メトキシベンジル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-(4-メトキシベンジル)-1-(4-メトキシフェニル)-3,8-ジオキソ-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-({[(1S)-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヒドロキシプロピル]カルバモイル}アミノ)ヘキシルビス(4-メトキシベンジル)カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルジベンジルカルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-ベンジル-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-フェニル-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(4-メチルベンジル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート-メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-メチルフェニル)-3,8-ジオキソ-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(4-クロロベンジル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-2-(4-クロロベンジル)-1-(4--クロロフェニル)-3,8-ジオキソ-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-(4-ブロモベンジル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;メチル(6S,10S)-2-(4-アジドベンジル)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルフェニル(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-2-フェニル-1-(2-チエニル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(3-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(3-チエニル)-2-(3-チエニルメチル)-4-オキサ-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[ブチル(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキシル]カルバマート;(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルブチル(2-チエニルメチル)カルバマート;メチル(3S,7S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-7-ブチル-5,10-ジオキソ-11-(2-チエニルメチル)-9-オキサ-4,6,11-トリアザペンタデカン-1-オアート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[(2-メトキシエチル)(2-チエニルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキシル]カルバマート;(2S)-2-{[(4-ブロモベンジル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;(2S)-2-{[(4-アジドベンジル)カルバモイル]アミノ}ヘキシルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]チオ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;メチル(6S,10S)-10-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-ブチル-3,8-ジオキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4-チア-2,7,9-トリアザドデカン-12-オアート;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される化合物である、方法を提供する。
【0051】
一部の実施形態において、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法であって、インテグリンのアゴニストが、ベンジル{(5R)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(3-メトキシベンジル)(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-6-[ビス(3-メトキシベンジル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-[(ピリジン-3-イルメチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-[(ピリジン-4-イルメチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;(2S)-2-[メチル(フェニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;(2S)-2-({[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]スルホニル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(5R)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソ-5-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;tert-ブチル{(2S)-1-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1-オキソ-6-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキサン-2-イル}カルバマート;6-[メチル(2-チエニルスルホニル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;6-[(2-チエニルアセチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;ベンジル{(4S)-5-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-オキソペンチル}カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-{(2-チエニルメチル)[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソ-6-{(2-チエニルメチル)[2-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[2-(ジフルオロメトキシ)ベンジル]-(2-チエニルメチル)アミノ}-6-オキソヘキシル]カルバマート;tert-ブチル{6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;N-{6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-4-メトキシ-N-(4-メトキシベンジル)ベンズアミド;N-{6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}-N-メチルチオフェン-2-カルボキサミド;6-[(3-メトキシベンジル)(2-チエニルアセチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンアミド;メチル(3S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-[({4-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-4-オキソブチル}カルバモイル)アミノ]プロパノアート;6-{[(3-クロロプロピル)スルホニル]アミノ}-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ヘキサンアミド;3-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;3-{ブチル[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;ベンジル{(5S)-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-5-シアノ-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5R)-5-アジド-6-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(3-チエニルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-オキソヘキシル}カルバマート;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される化合物である、方法を提供する。
【0052】
他の実施形態において、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法であって、インテグリンのアゴニストが、N-(3-メトキシベンジル)-N,N',N'-トリス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N-[2-(2-チエニル)エチル]-N,N',N'-トリス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N-ビス(3-メトキシベンジル)-N',N'-ビス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N-ビス(ピリジン-4-イルメチル)-N',N'-ビス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ヘキサンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(3-メトキシベンジル)ヘキサンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)ヘキサンジアミド;(3E)-N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ヘキサ-3-エンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ペンタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)ペンタンジアミド;2,2'-オキシビス[N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド];N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)オクタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ヘプタンジアミド;3-オキソ-1-(2-チエニル)-2-(2-チエニルメチル)-4,7,10-トリオキサ-2-アザドデカン-12-イルビス(2-チエニルメチル)カルバマート;2,2'-(1,3-フェニレン)ビス[N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド];N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)ヘプタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)スクシンアミドエタン-1,2-ジイルビス[ビス(2-チエニルメチル)カルバマート];N,N,N',N'-テトラキス(4-メトキシベンジル)オクタンジアミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ピリジン-3,5-ジカルボキサミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ピリジン-2,6-ジカルボキサミド;N,N,N',N'-テトラキス(2-チエニルメチル)ピリジン-2,4-ジカルボキサミド;2,2'-(1,4-フェニレン)ビス[N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド];N,N'-ビス(4-メトキシベンジル)-N,N'-ビス(2-チエニルメチル)ヘキサンジアミド;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される化合物である、方法を提供する。
【0053】
別の実施形態では、インテグリン結合性リガンドへのインテグリン発現細胞の結合の増強方法は、メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[ベンジル(フェニルスルホニル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[ベンジル(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[(2-チエニルアセチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキサノアート;メチル(2S)-6-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-[(2-チエニルカルボニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキサノアート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(2-チエニルメチル)(2-チエニルスルホニル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(フェニルスルホニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(2-チエニルアセチル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(メチルスルホニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(2-チエニルカルボニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;ベンジル[(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-{[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-(2-チエニルメチル)アミノ}ヘキシル]カルバマート;ベンジル{(5S)-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-6-[(4-メトキシベンゾイル)(2-チエニルメチル)アミノ]ヘキシル}カルバマート;N,N'-ヘプタン-1,7-ジイルビス[N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド];N,N'-ヘプタン-1,7-ジイルビス[N-(2-チエニルメチル)ベンズアミド;N,N'-ヘキサン-1,6-ジイルビス[N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド];N,N'-ヘキサン-1,6-ジイルビス[N-(3-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド];tert-ブチル{5-[(4-メトキシベンジル)(2-チエニルスルホニル)アミノ]ペンチル}カルバマート;N-(3-メトキシベンジル)-N-{5-[(2-チエニルスルホニル)アミノ]ペンチル}チオフェン-2-スルホンアミド;tert-ブチル{(2S)-1,6-ビス[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-1,6-ジオキソヘキサン-2-イル}カルバマート;tert-ブチル{5-[(2-チエニルカルボニル)(2-チエニルメチル)アミノ]ペンチル}カルバマート;N-(3-メトキシベンジル)-N-{5-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]ペンチル}チオフェン-2-カルボキサミド;N,N'-ペンタン-1,5-ジイルビス[N-(3-メトキシベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド];及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択されるインテグリンアゴニスト化合物を利用する。
【0054】
さらなる実施形態では、インテグリン結合性リガンドへのインテグリン発現細胞の結合の増強方法は、N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}-N-(2-チエニルメチル)チオフェン-2-カルボキサミド;2-{ブチル[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;2-[(メチルスルホニル)(2-チエニルメチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;2-{[ビス(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}-N,N-ビス(2-チエニルメチル)エタンスルホンアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}チオフェン-2-スルホンアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}-2-(2-チエニル)アセトアミド;N-{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}チオフェン-2-カルボキサミド;N,N-ビス(2-チエニルメチル)-2-{[(2-チエニルメチル)カルバモイル]アミノ}エタンスルホンアミド;2-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;3-[{2-[ビス(2-チエニルメチル)アミノ]-2-オキソエチル}(ブチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;2-[{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}(メチル)アミノ]-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;3-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)プロパンアミド;3-({2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)プロパンアミド;2-(アセチル{2-[ビス(2-チエニルメチル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;2-(アセチル{2-[ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル]エチル}アミノ)-N,N-ビス(2-チエニルメチル)アセトアミド;及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択されるインテグリンアゴニスト化合物を利用する。
【0055】
一部の実施形態では、インテグリン結合性リガンドへの細胞の結合を増強する方法であって、前記インテグリンアゴニストが、tert-ブチル[(2S)-1-{[ビス(シクロプロピルメチル)カルバモイル]オキシ}ヘキサン-2-イル]カルバマート;(2S)-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルジイソブチルカルバマート;メチル(8S,12S)-12-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ブチル-4-イソブチル-2-メチル-5,10-ジオキソ-6-オキサ-4,9,11-トリアザテトラデカン-14-オアート;ベンジル{(5S)-6-[ビス(シクロプロピルメチル)アミノ]-5-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-]-6-オキソヘキシル}アルバマート(arbamate);及びその混合物又は組み合わせから成る群より選択される化合物である方法を提供する。
【0056】
ワクチン
背景
免疫応答の予備刺激及びエフェクター相中に、抗原提示細胞(APC)と呼ばれる細胞によって抗原が取り込まれる。次にAPCは、それらの細胞表面上の主要組織適合抗原(MHC)分子との関連でこの抗原を提示して、活性化するようにリンパ球を刺激し、増殖し、エフェクター細胞に分化し、これらが最終的に宿主を保護することができる。CD4+ T-ヘルパー1細胞(Th1細胞)は、直接APCと相互作用し、サイトカインを産生し、これがリンパ球の増殖並びにメモリーT細胞、及びエフェクター細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の最終的な発生を推進する。CD4+ T-ヘルパー2細胞(Th2細胞)は、直接抗原提示細胞と相互作用して、B細胞の活性化及び増殖を推進し、最終的に体液性抗体依存性免疫応答の生成をもたらす。抗原チャレンジに続く生産的免疫応答のためには直接的な細胞接触を通じて種々の細胞型間の情報交換が起こらなければならない。直接的な細胞-細胞接触は、細胞接着分子のインテグリンファミリーによって媒介される。
【0057】
インテグリン細胞接着分子は、非共有結合で会合したαとβのヘテロ二量体上で構成される細胞表面糖タンパク質である。18個の異なるα鎖が8個のβ鎖と化合して24個の異なるαβ対を形成する。白血球においては、インテグリンは接着カスケードに緻密に関与し、これが炎症又は損傷部位への白血球の輸送を支配する。インテグリンは適応免疫応答の発生においても重要な成分であり、これはワクチン接種プロセス中に容易に観察される。
免疫応答の予備刺激相においても、この相はリンパ球とAPCとの間の直接的な相互作用を必要とするので、インテグリンは必須である。インテグリンα4β1及びαLβ2は、両方ともAPCとのリンパ球の結合に重要であることが示され、かつリンパ球の活性化、増殖、分化及び陽性選択さえもたらす共刺激シグナルを提供できることが示されている。フィブロネクチンは、VLA-4及びVLA-5インテグリン分子の両方を介したシグナル伝達によってナイーブT細胞及びメモリーT細胞の増殖を促進する。これらのインテグリンを活性化してリンパ球とAPCとの間の効率的な結合を促進すると、インテグリン共刺激効果を増強することによって免疫応答を増大させることになる。いくつかの疾患では、現在のワクチン接種戦略は、長期防御免疫を生み出すためには不十分である。このことは、癌における腫瘍関連抗原に向けたワクチンの場合に特に当てはまる。我々は今や、米国特許出願公開第20130236434Al号及びVanderslice, P., Biediger, R.J., Woodside, D.G., Brown, W.S., Khounlo, S., Warier, N.D., Gundlach, C.W.t., Caivano, A.R., Bornmann, W.G., Maxwell, D.S., et al."Small molecule agonist of very late antigen-4 (VLA-4) integrin induces progenitor cell adhesion," J Biol Chem 288, 19414-19428 2013(Vanderslice et al.2013)に例示されたもののような、インテグリン:リガンド相互作用を促進する小分子化合物が効果的に、(1)現在のワクチン接種手法による予備刺激応答を安全に高めるための標的アジュバントとして機能し、かつ(2)体液性免疫応答及び自然免疫応答の両方のエフェクター機能を高めることを発見した。Biedigerら及びVandersliceらは、該インテグリンアゴニストを、標的組織内に高い保持率をもたらすそれらの能力と無関係に免疫応答の多くの態様を推進するために使用できる免疫調節薬として使用することを認識できなかった。これらのインテグリンアゴニストをさらに検討する際に、我々は、それらの使用が免疫応答の複数の態様に拡張できることを発見した。これについて以下に述べる。
【0058】
ワクチン実施形態
抗原及び有効量の1種又は複数の増強化合物を含むワクチンの医薬製剤であって、付随増強化合物は、細胞インテグリンのそれぞれのリガンドへの細胞インテグリンのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、抗原は、精製タンパク質、ペプチド、細胞、又は細胞溶解物である、医薬組成物。
抗原及び有効量の1種又は複数の増強化合物を含む抗癌ワクチンの医薬製剤であって、付随増強化合物は、細胞インテグリンのそれぞれのリガンドへの細胞インテグリンのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、抗原は、精製タンパク質、ペプチド、腫瘍細胞、又は腫瘍溶解物である、医薬製剤。
抗原、アジュバント及び有効量の1種又は複数の増強化合物を含む抗癌ワクチンの医薬組成物であって、付随増強化合物は、細胞インテグリンのそれぞれのリガンドへの細胞インテグリンのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、抗原は、精製タンパク質、ペプチド、腫瘍細胞、又は腫瘍溶解物であり、アジュバントは、抗原に反応して免疫応答を誘導できる非特異的又は特異的物質である、医薬組成物。非特異的アジュバントの例としては、BCG、完全フロイントアジュバント、ミョウバン、又はノスカピンが挙げられる。特異的アジュバントとしては、限定するものではないが、G-CSF、FGF、Toll様受容体アゴニスト、免疫チェックポイントインヒビター(CTL-4、PD-1、PDL-1、IDO-1)が挙げられる。インテグリン増強化合物は、特異的アジュバントと考えられる。
【0059】
治療的に無効な用量の免疫チェックポイントインヒビター、細胞傷害性化学療法、癌ワクチンと組み合わせて、有効量の1種又は複数の増強化合物で患者を治療する方法であって、付随増強化合物が、細胞インテグリンのそれぞれのリガンドへの細胞インテグリンのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、患者が癌と診断されたことがある、方法。
治療的に無効な用量の免疫チェックポイントインヒビター、細胞傷害性化学療法、癌ワクチンと組み合わせて、有効量の1種又は複数の増強化合物で患者を治療する方法であって、付随増強化合物が、細胞インテグリンのそれぞれのリガンドへの細胞インテグリンのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、及び/又はICAM-2が含まれ、患者が、肺、前立腺、乳房、結腸、皮膚、脳、又は膵臓の固形腫瘍と診断されたことがあり、増強化合物が、経腸若しくは非経口投与経路によって全身投与される、方法。
治療的に無効な用量の免疫チェックポイントインヒビター、細胞傷害性化学療法と組み合わせて、有効量の1種又は複数の増強化合物で患者を治療する方法であって、付随増強化合物が、細胞インテグリンのそれぞれのリガンドへの細胞インテグリンのインテグリン媒介結合を増強することができ、インテグリンとしては、α4β1、α4β7、α5β1、及び/又はαLβ2が含まれ、リガンドとしては、VCAM-1、フィブロネクチン、MAdCAM-1、ICAM-1、ICAM-2、及び/又はビトロネクチンが含まれ、患者が血液癌と診断されたことがあり、インテグリン模倣物が経腸又は非経口投与経路によって全身投与される、方法。
【0060】
養子細胞療法
背景
生産的免疫応答の成果の1つは、エフェクターリンパ球による特異的標的細胞の死滅である。全て癌治療薬として臨床研究中である抗原特異的CTL、ナチュラルキラー(NK)細胞、インバリアントNKT(iNKT)細胞、及びこれらの細胞の種々の操作された誘導体は、それらの意図した細胞標的に結合して直接死滅させる。CTL又はNK細胞とそれらの標的との間の結合形成は、細胞接着分子のインテグリンファミリー、特にインテグリンα4β1及びαLβ2によって媒介される細胞接着を必要とする。α4β1とα5β1フィブロネクチン受容体との架橋は、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害活性を増強する。これらの接着及び共刺激相互作用を増強することによって、インテグリン接着のアクティベーターがこの細胞溶解活性を助長し、ワクチン戦略でも養子細胞療法でもインビボ死滅を増やすことになる。これを
図1及び
図2に例示する。ワクチンベース戦略において単独で、又はエフェクター細胞と組み合わせて増強化合物を含む医薬組成物は、難治性癌を患う患者に特に有用である。
【0061】
養子細胞療法実施形態
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したNK細胞、活性化NK細胞、操作されたNK細胞、又はNK細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、NK細胞、活性化NK細胞、操作されたNK細胞、又はNK細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、治療的に無効な量のNK細胞、活性化NK細胞、操作されたNK細胞、又はNK細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したインバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞、活性化iNKT細胞、操作されたiNKT細胞、又はiNKT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、iNKT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたiNKT細胞、又はiNKT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、治療的に無効な量のiNKT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたiNKT細胞、又はiNKT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
【0062】
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したγδT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたγδT細胞、又はγδT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、γδT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたγδT細胞、又はγδT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
インテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、γδT細胞、活性化iNKT細胞、操作されたγδT細胞、又はγδT細胞株(及びその誘導体)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
【0063】
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)殺腫瘍活性を増強する目的でインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で処置したCTL(限定するものではないが、腫瘍浸潤リンパ球、抗原特異的様式で拡張されたリンパ球、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたリンパ球が挙げられる)を含む医薬製剤。
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)殺腫瘍活性を増強する目的でインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、CTL(限定するものではないが、腫瘍浸潤リンパ球、抗原特異的様式で拡張されたリンパ球、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたリンパ球が挙げられる)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)殺腫瘍活性を増強する目的でインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物と組み合わせて(前、間、又は後に)送達される、治療的に無効な量のCTL(限定するものではないが、腫瘍浸潤リンパ球、抗原特異的様式で拡張されたリンパ球、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたリンパ球が挙げられる)を含む医薬製剤で患者を治療する方法。
【0064】
抗体依存性細胞傷害性
背景
抗体依存性細胞傷害性(ADCC)は、抗体が細胞表面抗原に結合し、抗体のFc成分に対して活性化受容体を発現する好中球、マクロファージ、及びNK細胞等の免疫系のエフェクター細胞によって貪食のために細胞をオプソニン化する(食作用)及び/又は破壊する機構である。ヒト化モノクロナール抗体(mAb)トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))その他のインビボ作用機構はADCCを伴う。β2インテグリンファミリー(インテグリンCD11a/CD18(αLβ2又はLFA-1とも呼ばれる)が含まれる)は、ADCCの際のエフェクターと抗体オプソニン化標的細胞との間の直接結合の重要なメディエーターである。小分子インテグリンアクチベーターでADCCを増強すると、ADCCを促進し、Fc成分を有するいずれの治療抗体による補助療法としても役立つことになる。
治療抗体と組み合わせて増強化合物を含む医薬組成物は、微小残存病変、及び該治療抗体に対して難治性の疾患を治療する患者に有用である。
【0065】
ADCC実施形態
治療抗体(抗体は、Fc領域を含有し、限定するものではないが、トラスツズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、アツムマブ、又はトシツモマブである)、及びインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で患者を治療する方法。
治療的に無効な量の治療抗体(抗体は、Fc領域を含有し、限定するものではないが、トラスツズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、アツムマブ、又はトシツモマブである)、及びインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物で患者を治療する方法。
Fcフラグメントを含有する治療的に無効な量の治療抗体及びインテグリンの同族リガンドとのインテグリン媒介相互作用を活性化できる有効量の1種又は複数の化合物を含む医薬組成物。
【0066】
【0067】
抗体依存性細胞傷害性(ADCC)は、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球及びマクロファージ、並びに標的細胞に結合している抗体に結合できる受容体(CD16のような)を発現する他のエフェクター細胞によって媒介される。
NK細胞のようなエフェクター細胞とそれらの標的細胞との間の細胞接着は、インテグリン細胞接着分子によって媒介される。この接着は、細胞溶解性死滅活性にもADCCにも不可欠である。C4のような化合物及び式(I)の他の化合物は、腫瘍標的の細胞溶解性T細胞及びNK細胞依存性死滅に不可欠であり、かつインビボでのADCCのために必要とされるインテグリンα4β1及びαLβ2を標的にする。
C4及び/又は式(I)の他の化合物は、インテグリン細胞接着分子の積極的なアロステリックモジュレーターであり、インテグリンα4β1及びαLβ2(とりわけ)を刺激して、それらの同族リガンド(表II)と相互作用させる。
【0068】
表II
異なるクラスのインテグリンによって媒介される接着を
増幅する際のC4の活性(EC
50、μM)
【0069】
そのようなものとして、
図3A及び3Bに示すように、本化合物は、α4β1インテグリン基質血管細胞接着分子-1(VCAM-1)及びαLβ2インテグリン基質細胞間接着分子-1(ICAM-1)上の走化性細胞遊走を促すこともできる。
C4は細胞接着を活性化できるので、いくつかの異なる機構を介して免疫応答を増大させることが予想される。これは、リンパ球と抗原提示細胞との間の抗原提示を増大させることによる可能性がある。これは、免疫応答部位へ輸送するエフェクター細胞の増加を介する可能性もある。重要なことに、増大した免疫応答は、腫瘍標的細胞のより効率的な細胞溶解性エフェクター細胞死滅という結果であり得る。これは、単純NK細胞又はCTL媒介死滅との関連、又はADCCによる標的細胞死滅との関連の可能性がある。
【0070】
C4によるNK細胞溶解活性の増大
C4が標的にするα4β1及びαLβ2を含め、インテグリンは、腫瘍標的のCTL及びNK細胞依存性死滅に不可欠である。従って、細胞接着を促進することによって、C4は、エフェクター細胞による腫瘍標的死滅を増やすはずである。この一般概念を試験するため、C4がある場合、又は無い場合に標準的な細胞傷害性アッセイにおいて、新たに単離したNK細胞、又はNK細胞株NK92をK562腫瘍標的と混合した。C4は、K562腫瘍標的細胞のNK及びNK92媒介死滅を増強した。
図1及び
図2を参照されたい。この例の標的細胞は赤白血病細胞であるが、これらの結果は、固形腫瘍のみならず、インテグリンα4β1及びαLβ2用リガンドを発現する多くのこれらの腫瘍型に拡張可能である。
【0071】
チェックポイント遮断は、ADCCによって媒介される
黒色腫患者における抗CTLA4療法の有効性は、固形腫瘍における負の調節T細胞のADCC依存性選択的枯渇に一部は起因する。これは、黒色腫の動物モデルの事例に対して示されたこともある。抗CTLA-4 mAb(クローン9H10)を、GVAX(登録商標)と呼ばれるワクチンと併用投与すると、腫瘍の微小環境内で制御性T細胞がFc受容体保有細胞によって枯渇されるにつれて黒色腫退行が起こる。C4はADCCに関与する細胞溶解機構を増強できるので、C4は、黒色腫の実験モデルにおいて抗CTLA-4処置(特に抗CTLA-4 mAbクローン9H10による)の治療効果を増大できると仮定した。
【0072】
GVAX(登録商標)/抗CTLA-4処置のC4増強
B16-BL6黒色腫モデルでC4を試験して、現在のチェックポイント遮断療法抗CTLA-4への効果の可能性を判定した。手短には、30のC57BL/6を3群(n=10)にランダム化した。GVAX(登録商標)/抗CTLA-4のレジメンにC4を加えた。歴史的に、これらの処置レジメンは、最高で、20%の腫瘍のない生存をもたらす。日0に、B16-BL6細胞(2.5×104)を皮下注射した。GVAX(登録商標)/抗CTLA-4(クローン9H10)、又はIgGコントロールを日3、6、及び9に投与した。日11に、C4処置を週2回(1mg/kg)腫瘍内で開始し、30日間処置した。IgG群にはビヒクルコントロールを添加した。GVAX(登録商標)/抗CTLA-4処置群へのC4の添加は、顕著な生存期間中央値利益(表III)と共に長期の腫瘍のない生存の顕著な増加(表IV)を実証した。
【0073】
表III
C4は、抗CTLA-4と組み合わせて、転移性黒色腫を患うマウスの生存期間中央値を高める
【0074】
注:第0日に、C57BL/6マウスに2.5×104のB16BL6黒色腫細胞を移植し、第3、6、9日に、GVAX(登録商標)バックグラウンド下でC4(腫瘍内、1mg/kg、週2回30日間)がある場合と無い場合に抗CTLA-4(クローン9H10、Bioxcell、10mg/kg)で処置した。ログランクによるP値、イベントまでの時間は、200mm2の腫瘍負荷に基づいた。生存データの打ち切り日は100日であった。
【0075】
表IV
C4は、転移性黒色腫を患うマウスにおいて抗CTLA-4と併用して長期の腫瘍拒絶の発生率を高める
【0076】
注:カイ二乗によるP値は片側検定であった。100日間にわたって腫瘍注射部位で腫瘍の存在について動物を触診した。
C4は、チェックポイント遮断処置抗CTLA-4と併用して、生存期間中央値及び長期の腫瘍のない生存の顕著な増加を実証した。注目すべきことに、上記動物モデルデータは、このモデルでADCCによって治療効果をもたらすことが示されている同一の抗CTLA-4クローン、mAbクローン9H10を利用した。
C4及び式(I)の関連化合物は、ADCCに不可欠であるインテグリンによって媒介される細胞接着を増強する。インビボ腫瘍モデルにおいて、C4は、ADCCによって有効であることが知られているCTLA-4抗体、mAbクローン9H10の治療有効性を顕著に増強した。拡大解釈すれば、C4及び式(I)の関連化合物は、ADCCの増強によって効果的であると考えられる。
【0077】
抗体依存性細胞傷害性(ADCC)は、抗体が細胞表面抗原に結合し、抗体のFc成分に対して活性化受容体(例えば、Fc受容体)を発現する好中球、マクロファージ、及びNK細胞等の免疫系のエフェクター細胞によって貪食のために細胞をオプソニン化する(食作用)及び/又は破壊する機構である。
図4A~4Cを参照されたい。
図4A~4Cを参照すると、ADCCの機構が示されている。
図4Aから判断すると、腫瘍標的細胞が治療抗体と結合しないとADCCは生じない。
図4Bから判断すると、Fc受容体が治療抗体結合腫瘍標的細胞に結合するが、エフェクター細胞と標的細胞との間の弱い接着は、弱いADCCをもたらす。
図4Cから判断すると、エフェクター細胞上のFc受容体が治療抗体結合腫瘍標的に結合し、エフェクターと標的細胞との間のインテグリンによって媒介された強い接着が強いADCCをもたらす。
小分子インテグリンアクチベーターでADCCを増強すると、ADCCを促進し、ADCCを媒介し得るFc成分を有するいずれの治療抗体による補助療法としても役立つことになる。ここに提示した結果は、ADCC機構を介してインビボで作用するmAb 9H10の治療活性を増大させるC4の能力を実証する。拡大解釈すれば、この作用機構を適用して、ADCCが生じ得るいずれのmAb処置の治療有効性をも増強する可能性がある。
【0078】
ADCCに関する実験
試薬及び細胞株
記載する全てのアッセイでは、C4をDMSOに溶かして1mMのストック溶液を作製し、アッセイ緩衝液又は培地で希釈を行なって、1%DMSO(ビヒクル)中の所望最終作業濃度を得た。ヒトVCAM-1、MAdCAM-1 Fcキメラ、ICAM-1、及びSDF-1αはR&D Systems(Minneapolis, MN)から購入した。ヒト血清フィブロネクチンはSigma-Aldrich(St.Louis, MO)から購入した。細胞株NK-92、ジャーカット、K562、及びHSBはAmerican Type Culture Collection(Manassus, VA)から得、推奨培養基内で維持した。α4インテグリンを発現していない変異ジャーカット細胞株(ジャーカット[a4-])は、Dr. David Rose, University of California San Diego, La Jolla, CAから寄贈された。
【0079】
静的細胞接着アッセイ
50μLの50mMトリス-HCl(pH 7.4)、150mM NaCl、(TBS)中のリガンド(VCAM-1、MAdCAM-1、フィブロネクチン、又はICAM-1)を96ウェルプレートのウェルに添加し、4℃で一晩被覆させた。アゴニスト活性を評価するためのウィンドウを最大限にするため、リガンドの準最適被覆濃度を用いた。このリガンド濃度は、適切な細胞型に対するリガンド結合の用量反応曲線によって決まる≦5%接着をもたらすことになる当該濃度前後に相当する。全てのアッセイは、従前の記載どおりに行なった。手短に述べると、2×106の細胞を30分間カルセインAM(Molecular Probes)で標識し、洗浄し、結合緩衝液に再懸濁して、2%BSAで遮断したリガンド被覆プレートに添加した(2×105細胞/ウェル)。結合緩衝液は、1mM MgCl2及び50%FBSを含むPBS(VCAM-1及びICAM-1アッセイ)又は1mM MnCl2及び50%FBSを含むTBS(MAdCAM-1及びフィブロネクチンアッセイ)であった。37℃での30分のインキュベーション後、それぞれの結合緩衝液でプレートを3回洗浄し(血清が無い場合を除いて)、接着細胞を溶解させ、Tecan Safire2プレートリーダーで蛍光を測定した。各アッセイについて検量線を引いて蛍光単位を細胞数に換算した。各アッセイでは、細胞は、内因的に(ジャッカート/α4β1、K562/α5β1、ジャッカート(a4-)/αLβ2、HSB/αLβ2)又は組換え型(K562/α4β7)で適切なインテグリン受容体を発現した。組換えK562細胞株の生成は記述されている。
【0080】
遊走アッセイ
3μM孔径のトランスウェル(Transwell)(24ウェル、Costar, Cambridge, MA)で遊走アッセイを行なった。上部チャンバーを4℃で一晩50mLのTBS中10mg/mLのVCAM-1又は1μg/mLのICAM-1で前被覆してから室温にて1時間2%BSAで遮断した。遊走培地(1%FBS、100単位/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを補充したRPMI-1640)で洗浄した後、上部チャンバーを160μLの遊走培地中2×105細胞のジャーカット細胞(VCAM-1アッセイ)又はジャーカット(a4-)細胞(ICAM-1アッセイ)で充填した。下部チャンバーは、走化性を誘導するために5μg/mL(VCAM-1アッセイ)又は1μg/mL(ICAM-1アッセイ)のSDF-1αを補充した600μLの遊走培地を含有した。ジャーカット細胞は、上部チャンバーに添加する直前に指示濃度でビヒクル(1%DMSO)又はC4と混合した。37℃、5%CO2での4時間のインキュベーション後、上部チャンバーを除去し、下部チャンバー内の細胞を収集し、血球計数器で数えた。結果は、遊走した細胞の総数として表す。
【0081】
チェックポイント遮断黒色腫モデル
B16-BL6治療黒色腫モデルはよく記述されている。手短かに言えば、B16-BL6細胞(>90%生存率)をHBSS(4℃)中2.5×105細胞/mlで再懸濁した。第0日(d0)に、C57BL/6マウス(4~6週齢、雌)を2.5×104細胞(100μL)で接種した(皮下、側腹部)。d3に、適切な群はB16-GM-CSFワクチン(GVAX(登録商標))を受けた。GVAX(登録商標)調製は、確立された手順に従った。対数期成長B16-GM-CSF細胞は、B16-BL6細胞について上述したように収集したが、HBSS(4℃)中1×107細胞で再懸濁した。細胞を照射し(5000ラド)、反対側腹部に注入した(100μL、1×106細胞)。またd3に、全ての動物は抗CTLA-4(mAb 9H10、BioXcell、200μg/動物、週2回)を受けた。d11に、C4(25μL中1mg/kg、週2回、腫瘍内)、又はコントロールビヒクル(Veh、25μL)を適切な群に投与した。d12及びその後2日毎に、腫瘍成長について全ての動物を観察した。ノギスを用いて垂直の腫瘍径を測定した。苦悩について動物を毎日モニターし、1日2回生存を評価した。生存欠如を死亡、又は腫瘍サイズ>200mm2と定義した。
【0082】
NK細胞傷害性試験
ヒトNK細胞は、Multenyi BiotechからのCD56+磁気ビーズベース濃縮カラムを用いて(製造業者の説明書どおり)健常者から得た白血球除去(leukoreduction)フィルターから精製した。精製細胞は、フローサイトメトリーで測定すると常に>90% CD56+ポジティブであった。細胞傷害性試験のためには、対数的に成長するK562標的細胞をBATDA(ビス(アセトキシメチル)2,2':6',2''-テルピジリン-6,6''-ジカルボキシラート、Perkin Elmer DELFIA EuTDA Cytotoxicity Reagent, Catalogue # AD0116、製造業者の説明書どおり)で標識した。丸底96ウェルプレート内で、1×104のK562腫瘍標的細胞を100μLの培養基に加えた。この後にNK細胞を指示エフェクター対標的比で体積100μLの培養基に添加した。次にC4を指示濃度でウェルに加えた。37℃、5%CO2での4時間のインキュベーション後、培養上清を除去し、EuTDAを形成するためのDELFIA溶液の添加によって遊離したTDA(2,2':6',2"-テルピジリン-6,6"-ジカルボン酸)を検出し、Tecan Safire 2マルチモーダルプレートリーダーで蛍光を測定した。最高の細胞溶解の決定のため、上清の除去前に1.0%トリトンX100をコントロールウェルに添加した。TDAの自然遊離については、C4の存在下であるが、NKエフェクター細胞無しで上記と同様に標識化K562をインキュベートした。結果は、[(実験シグナル-自然遊離)/(総シグナル-自然遊離)]として計算した比溶解パーセントとして表される。
【0083】
本明細書で引用した全ての参考文献は、参照によって援用される。本発明をその好ましい実施形態を参照して開示したが、この説明を読むことで、当業者は、上述し、また以下に請求する本発明の範囲及び精神から逸脱せずに行なえる変更及び修正を認識することができる。