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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】開封済みチェック機能付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 55/02 20060101AFI20230314BHJP
   B65D 77/40 20060101ALI20230314BHJP
   B65D 43/00 20060101ALN20230314BHJP
【FI】
B65D55/02
B65D77/40
B65D43/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021173899
(22)【出願日】2021-10-25
【審査請求日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】202111121142.X
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】506396375
【氏名又は名称】南部化成股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】王東章
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0079568(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0239208(US,A1)
【文献】特開2008-222286(JP,A)
【文献】特開2021-075337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0016936(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 55/02
B65D 77/40
B65D 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のボックスと第2のボックスとを備えた開封済みチェック機能付き容器であって、
前記第1のボックスは、第1の本体部と延伸部を含み、前記延伸部は前記第1の本体部の角となる端部から延伸するように形成され、
前記延伸部はグリップと第1の止部と切り取り線を含み、前記第1の止部は凸部と前記凸部の裏面に設けた凹部を含み、前記グリップは前記第1の本体部から延伸するように形成され、前記切り取り線は前記グリップと前記第1の止部を連接し、
前記第2のボックスは、第2の本体部と、湾曲部と、第2の止部を含み、前記湾曲部は折り曲げゾーンを含み且つ前記第2の本体部の角となる端部から延伸するように形成され、
前記第2の止部は前記湾曲部に位置し、前記第2の止部は開口を有する内側止部と突起を有する外側止部を含み、前記内側止部と前記外側止部は前記折り曲げゾーンの両側に位置し、前記第1のボックスと前記第2のボックスが組み合わされたとき、前記湾曲部は前記折り曲げゾーンに沿うように折り曲げられ、
前記第1の止部の前記凸部が前記第2の止部の前記内側止部の開口内に嵌め合わさり、前記第2の止部の前記外側止部の突起が前記第1の止部の前記凹部内に嵌め合わさることで前記第1のボックスと前記第2のボックスの相対的な位置が定まり、
前記第1のボックスと前記第2のボックスが分離したとき、前記切り取り線が断裂することによって、前記第1の止部を前記グリップから離脱させると共に、前記第1の止部は前記第2の止部に固定されることを特徴とする、
開封済みチェック機能付き容器。
【請求項2】
前記グリップは凹部構造を含み、前記切り取り線は前記凹部構造の周縁に位置することにより前記第1の止部を連接し、前記第1の止部を前記凹部構造の内部に収容させることを特徴とする請求項1に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項3】
前記グリップは複数の湾曲エリアを更に含み、前記複数の湾曲エリアは前記凹部構造の両端に位置し、前記第1の止部が前記グリップから離脱したとき、前記凹部構造と前記複数の湾曲エリアを露出させることを特徴とする請求項2に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項4】
前記グリップは前記凹部構造の両側に位置する複数の滑り止めバンプエリアを含み、前記複数の滑り止めバンプエリアの外縁には前記湾曲エリアが形成されることを特徴とする請求項3に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項5】
記内側止部は前記湾曲部の前記第2のボックス寄りに位置し、前記外側止部は前記湾曲部の前記第2のボックスから遠い側に位置し、前記湾曲部が前記折り曲げゾーンに沿って折り曲げられたとき、前記外側止部は前記第1の止部に嵌め合わされ、且つ前記第1の止部は前記内側止部内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項6】
前記内側止部は第1の垂直方向へ向かって突起し、前記外側止部は第2の垂直方向へ向かって突起し、前記第1の垂直方向と前記第2の垂直方向は互いに相反する方向であることを特徴とする請求項5に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項7】
前記内側止部の内径は前記外側止部の内径より広く、前記第1の止部の内径は前記外側止部の内径より僅かに広めに形成することにより、前記外側止部が前記第1の止部内に密着するように嵌め合わせられ、前記第1の止部の内径を前記内側止部の内径より狭くすることで、前記第1の止部を前記内側止部内に収容させることを特徴とする請求項5に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項8】
前記第1の止部を前記内側止部内に収納するとき、前記内側止部は水平面の中心点に投影したとき、前記第1の止部の中心点は前記水平面の中心点とは異なる位置に投影されることにより、前記内側止部を前記第1の止部と位置が異なるように配置させることを特徴とする請求項5に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項9】
前記湾曲部の間には第1の折れ線と第2の折れ線を含み、前記第1の折れ線と前記第2の折れ線の間には前記折り曲げゾーンが形成されることを特徴とする請求項1に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項10】
前記第1のボックスは更に第1のスナップ構造を含み、前記第1のスナップ構造は前記第1の本体部の前記開口端側の縁部を取り囲み、前記第2のボックスは第2のスナップ構造を更に含み、前記第2のスナップ構造は前記第2の本体部の前記開口端側の縁部を取り囲み、前記第1のスナップ構造と前記第2のスナップ構造が結合して、前記第1の本体部と前記第2の本体部の間に密閉空間を形成させることを特徴とする請求項1に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【請求項11】
連接部を含み、前記第1のボックスは更に相対する第1の側辺と第2の側辺を含み、前記連接部を前記第1のボックスの前記開口端側に形成された前記第1の側辺に位置させることにより、前記第1のボックスと前記第2のボックスを連接し、前記第1のボックスを、前記連接部を中心として前記第2のボックスに対して回転させることにより、前記延伸部は前記第1のボックスの前記第2の側辺の角となる端部に位置することを特徴とする請求項1に記載の開封済みチェック機能付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に関し、特に、容易に開封されてしまうことを防止すると共に、開封してしまった後は開封前と同じ状態に戻すことができないようにした開封済みチェック機能付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場に出回っている様々な種類のプラスチック容器(箱、カップ、ボウル等)は、主に中に食品等を入れるために使用される。一方、現在の店舗における販売では、ほとんどの食品が透明な材料で形成された容器の中に詰められている。このため、消費者が購入する際に食品である内容物の状態を知ることができ、消費者の購入意欲を高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、店舗側からみれば、内容物の状態を分かりやすい状態で展示販売していても、悪意ある操作や行為から外箱又はプラスチック容器を開封する悪質な客が多少なりとも存在する。
また、店舗側としては、客にこのような行動をされると、盗難される恐れがある他、こっそりと不適切な物や添加物をプラスチック容器内の中身に入れられてしまう場合がある。
また、仮に不適切な物や添加物を中身の食品に混入されなかったとしても、無断でプラスチック容器等を開封されてしまうと、内容物の品質が劣化してしまう場合があり、その後、店舗側と客側との間で責任の所在をもめる原因ともなりかねず、いずれにせよ店舗側にとっては非常に迷惑である。
これらの問題を防ぐために、外箱やプラスチック容器等にテープやシールを貼る店舗もあるが、外箱等を開けた後でも、テープやシールの粘着力がまだ残っているので、客がその気になれば開封後にテープやシールを再び貼り直すことができてしまう。このため、外箱やプラスチック容器等にテープやシールを貼れば一定程度の防止効果は見込めるものの、悪質な客による外箱等の開封を完全には見抜くことができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような問題に鑑みて、本発明は以下の構成を備える。
第1のボックスと第2のボックスとを備えた開封済みチェック機能付き容器であって、前記第1のボックスは、第1の本体部と延伸部を含み、前記延伸部は前記本体部の角となる端部から延伸するように形成され、前記延伸部はグリップと第1の止部と切り取り線を含み、前記グリップは前記第1の本体部から延伸するように形成され、前記切り取り線は前記グリップと前記第1の止部を連接し、前記第2のボックスは、第2の本体部と、湾曲部と、第2の止部を含み、前記湾曲部は折り曲げゾーンを含み且つ前記第2の本体部の角となる端部から延伸するように形成され、前記第2の止部は前記湾曲部に位置し、前記第1のボックスと前記第2のボックスが組み合わされたとき、前記湾曲部は前記折り曲げゾーンに沿うように折り曲げられ、前記第1の止部は前記第2の止部に嵌め合わさって前記第1のボックスと前記第2のボックスの相対的な位置が定まり、前記第1のボックスと前記第2のボックスが分離したとき、前記切り取り線が断裂することによって、前記第1の止部を前記グリップから離脱させると共に、前記第1の止部は前記第2の止部に固定される。
また、本発明による開封済みチェック機能付き容器は、前記グリップは凹部構造を含み、前記切り取り線は前記凹部構造の周縁に位置することにより前記第1の止部を連接し、前記第1の止部を前記凹部構造の内部に収容させる。
また、前記グリップ部は複数の湾曲エリアを更に含み、前記複数の湾曲エリアは前記凹部構造の両端に位置し、前記第1の止部が前記グリップから離脱したとき、前記凹部構造と前記複数の湾曲エリアを露出させる。
また、前記グリップは前記凹部構造の両側に位置する複数の滑り止めバンプエリアを含み、前記複数の滑り止めバンプエリアの外縁には前記湾曲エリアが形成される。
また、前記第2の止部は内側止部と外側止部を含み、前記内側止部と前記外側止部は前記折り曲げゾーンの両側に位置し、且つ、前記内側止部は前記湾曲部の前記第2のボックス寄りに位置し、前記外側止部は前記湾曲部の前記第2のボックスから遠い側に位置し、前記湾曲部が前記折り曲げゾーンに沿って折り曲げられたとき、前記外側止部は前記第1の止部に嵌め合わされ、且つ前記第1の止部は前記内側止部内に収容される。
また、前記内側止部は第1の垂直方向へ向かって突起し、前記外側止部は第2の垂直方向へ向かって突起し、前記第1の垂直方向と前記第2の垂直方向は互いに相反する方向である。
また、前記内側止部の内径は前記外側止部の内径より広く、前記第1の止部の内径は前記外側止部の内径より僅かに広めに形成することにより、前記外側止部が前記第1の止部内に密着するように嵌め合わせられ、前記第1の止部の内径を前記内側止部の内径より狭くすることで、前記第1の止部を前記内側止部内に収容させる。
また、前記第1の止部を前記内側止部内に収納するとき、前記内側止部は水平面の中心点に投影したとき、前記第1の止部の中心点は前記内側止部の前記水平面の中心点とは異なる位置に投影されることにより、前記内側止部を前記第1の止部と位置が異なるように配置させる。
また、前記第1のボックスは更に第1のスナップ構造を含み、前記スナップ構造は前記第1の本体部の前記開口端側の縁部を取り囲み、前記第2のボックスは第2のスナップ構造を更に含み、前記第2のスナップ構造は前記第2の本体部の前記開口端側の縁部を取り囲み、前記第1のスナップ構造と前記第2のスナップ構造が結合して、前記第1の本体部と前記第2の本体部の間に密閉空間を形成させる。
また、連接部を含み、前記第1のボックスは更に相対する第1の側辺と第2の側辺を含み、前記連接部を前記第1のボックスの前記開口端側に形成された前記第1の側辺に位置させることにより、前記第1のボックスと前記第2のボックスを連接し、前記第1のボックスを、前記連接部を中心として前記第2のボックスに対して回転させることにより、前記延伸部は前記第1のボックスの前記第2の側辺の角となる端部に位置する。
【発明の効果】
【0005】
本発明による開封済みチェック機能付き容器は、開封後には、グリップと第1の止部が分離した状態となり復元することができない。このため、店舗側又は(後から買おうとする)他の顧客からみれば前の客が容器を開封したか否かが一目で分かるので、当該他の顧客が購入しなければ足り、結果として従来のように不適切な物や添加物が入れられている商品を誤って購入して食べてしまったり、顧客と店舗側との間で開封か否かの口論が起きるケースを減らせる。また悪意ある操作や行為の抑止と早期発見が期待され、食品の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態による開封済みチェック機能付き容器が閉じられた状態の斜視図である。
図2a】本発明の実施形態による開封済みチェック機能付き容器が開かれた状態の斜視図である。
図2b図2aにおけるエリア2bの拡大図である。
図3a】本発明の実施形態を説明する開放状態における第1の要部拡大図である。
図3b】本発明の実施形態を説明する開放状態における第2の要部拡大図である。
図4a】本発明の実施形態を説明する閉じた状態における第1の要部拡大図である。
図4b】本発明の実施形態を説明する閉じた状態における第2の要部拡大図である。
図5a】本発明の実施形態において閉じた後に再び開いた状態の第1の要部拡大図である。
図5b】本発明の実施形態において閉じた後に再び開いた状態の第2の要部拡大図である。
図6】本発明の実施形態を説明する開放状態における第3の要部拡大図である。
図7】本発明の実施形態を説明する閉じた状態における第3の要部拡大図である。
図8】本発明の実施形態において閉じた後に再び開いた状態の第3の要部拡大図である。
図9】本発明の他の実施形態を説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の詳細な特徴と利点が、以下の実施形態で詳細に説明される。その内容は、当業者であれば本発明の技術的内容を理解でき、実施することもできる。そして、本願の明細書に記載された内容、特許請求の範囲、及び図面によって、当業者であれば、本発明に関連する目的と利点を容易に理解することができる。
【0008】
以下、発明を詳細に説明するために様々な実施形態を以下に挙げるが、以下の複数の実施形態はあくまでも例としてのみ使用され、技術的範囲の解釈が本発明の実施形態で説明したものに限定されるものではない。
なお、本発明においては容易に理解をさせたいために、周知技術と周知の工程については説明を省略する場合がある。また、本発明の実施形態の技術的特徴を明確に示すために、本発明の実施形態では一部の構成要素を図示せずに省略している場合がある。また、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する場合があり、関連する構成要素については下一桁が異なるように、且つ近い番号の符号を使用している。
また、本願における説明では特別に記載がある場合を除き、「一」又は「前記」、「該」は単数である場合に加えて、複数である場合もある。また、本発明で使用されている「含む」、「具備する」、「有する」等といった記載は、その記載された構成、特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、のうちの少なくとも一つの構成等を備えるという意味であって、その他の構成等を含むものを一律に排除する主旨ではない。
【0009】
図1図2a、図2b及び図3aを参照して本発明を説明する。ここで、図1は本発明の実施形態による開封済みチェック機能付き容器が閉じられた状態の斜視図である。また、図2aは本発明の実施形態による開封済みチェック機能付き容器が開かれた状態の斜視図である。更に、図2bは図2aにおけるエリア2bで囲まれた構成の拡大図である。また、図3aは本発明の実施形態を説明する開放状態における第1の要部拡大図である。
本発明の開封済みチェック機能付き容器1は、第1のボックス11と第2のボックス12を含む。図1図2a、及び図3aにおいて、第1のボックス11は、深さ(垂直方向における長さ)があり、広い収容スペースが形成され、且つ底面側に位置するボックスである。
すなわち、図2aの角度から見ると、下側(底)には後述する底部1102が形成されており閉じられた状態である。一方、この底部1102とは反対側は開口が形成されており、全体として略四角形の小鉢のような形状をしている。
一方、第2のボックス12は、深さが浅く収容スペースも少ない上部に設けられる蓋(カバー)としての役割を果たすが、本発明はこれには限られない。
第1のボックス11は、主として第1の本体部110と、第1のボックス11の開口側に位置する延伸部111から構成される。第1の本体部110の一方の側(図2aでいうと上側)は上述のように開口が形成された中空のボックスである。また、全体としてみると4つの角が形成されたボックス型をしている。
延伸部111はこれら4つのうちの2つの角に形成されており、垂直方向と直交する水平方向に張り出している。また、詳しくは後述するが、図2aの例では(後述する)第1の側辺110aとは当該開口を介して対向する側に形成された(後述する)第2の側辺110b側の2つの角にそれぞれ延伸部111が形成されている。
なお、第1のボックス11と第2のボックスを閉じ合わせたときに内部に不適切な添加物が入れられなければ足りるので、必ずしも2つの角にそれぞれ延伸部111を設ける必要はなく、例えば、第1のボックス11を略三角形のボックスに形成すれば延伸部111は1つでも足りる場合がある。また、4角形のボックスでも延伸部111の数は1つでも足りる場合がある。
前述の説明における角となる端部は、略直方体である第1の本体部110の4つの角に限られず、実際の要求に基づいて四角形を三角形や五角形や円形にしても良い。また、本実施形態では4つの角を直角としても勿論差し支えないが、本実施形態では内容物を取りやすくするために、4つの角はあえて直角ではなく丸みを帯びた角、つまり円弧状としている。これにより、4つの角の近辺に内容物が付着していても箸でつまむ際に角の隙間に内容物が挟まりにくいので摘まみ取りやすい。
ここで、延伸部111は、主として、グリップ112、第1の止部113、及び図3aに示す切り取り線114から構成される。グリップ112は、第1の本体部110の角となる端部から水平方向へ延伸するように形成されている。ここで、水平方向とは図3aの矢印Zの方向が垂直方向であるとすると、この垂直方向Zと直交する奥行方向(X)と、前記Z方向とX方向のいずれにも直交する横方向(Y)の両者を含む概念である。換言すると、グリップ112は奥行方向(X)にも延伸しており、横方向(Y)にも延伸していて、全体として鍔状に形成されている。
【0010】
図2aに示されるように、グリップ112は、開口部に隣接する第1の本体部110の側壁1101から延伸し、第1の本体部110の底面に形成された底壁1102に平行である。なお、延伸部111の延伸方向は水平方向ではなく、多少底面側に傾くように延伸していても差し支えない。要するに、第1のボックス11の上に第2のボックスを載せるように蓋をした際に、両者の間に大きな隙間ができず、不適切な物や添加物を入れることができなければ足りる。
【0011】
図3aと図3bを参照して説明する。ここで、図3bは本発明の実施形態を説明する開放状態における第2の要部拡大図である。ここで、切り取り線114は、グリップ112と第1の止部113とを接続する。
また、グリップ112と第1の止部113は一体的に形成することができ、切り取り線114は例えばナイフやカッターの様な刃物で切り取り線114に沿って力を加えることにより切り取ることができる。そして、このようにして切り取り線114で両者の間を切り裂くと、第1の止部113は、切り取り線114に沿うように切り裂かれて、グリップ112から分離する。
【0012】
図3bを再度参照して本発明による実施形態を説明する。グリップ112は、凹部構造1121を更に備える。ここで、凹部構造1121は、図3bの底面視にて略U字型であり、切り取り線114は、凹部構造1121の周辺に位置し、凹部構造1121の形状と同一又は近似したU字型に形成されている。したがって、グリップ112は、切り取り線114を介して第1の止部113に接続され、その結果、第1の止部113は、凹部構造1121内に収容される。
【0013】
再度図3bを参照して説明する。本実施形態では、グリップ112は、凹部構造1121の両端に配置された複数の湾曲エリア115を更に含む。
第1の止部113がグリップ112から分離されると、凹部構造1121と、凹部構造1121の両脇に位置する複数の湾曲エリア115が後述する図5bに示すように露出する。ここで、湾曲エリア115の端部は、使用者がグリップ112付近を握って使用する際に誤って接触して怪我をしないように、滑らかな湾曲形状に形成されており、尖った部分が無く快適な手触りを実現でき、使用者が怪我をし難い。
さらに、湾曲エリア115と凹部構造1121は、同一平面上に配置される。このことは、第1の止部113が、第1の垂直方向(図3bのZ軸方向)に沿って、湾曲エリア115と凹部構造1121で形成される同一平面に対して垂直に突起するように形成されることを意味する。その結果、第1の止部113は前記第1の垂直方向とは反対方向である第2の垂直方向に開口(第2の方向側開口)が形成された中空管構造を形成する。そして、第2の止部123を前記第2の方向側開口側から当該中空管構造内に収容することができる。
ここで、第1の止部113は円筒状の中空管構造であってもよく、第1の垂直方向の断面は、一般に、上側から下側(要するに、第2の方向側開口)に向かって徐々に径が広く形成される。なお、径の広さはこれには限られず、全て同じでも良い。
【0014】
再度図3bを参照して説明する。本実施形態では、グリップ112は、凹部構造1121の両側に配置された複数の滑り止めバンプエリア116を更に備えていてもよい。
また、複数の滑り止めバンプエリア116の外縁には、湾曲エリア115が形成されている。ここで、複数の滑り止めバンプエリア116は、保持抵抗を増大させるものであり、使用中にユーザの手から第1のボックス11が滑り落ちないようにするためのものである。よって、滑り止めバンプエリア116にはそれぞれ奥行方向Xと横方向に規則的に配置された複数の突起が形成されている。
【0015】
次に、図2a、図3a、及び図3bを参照して説明する。第2のボックス12は、主として、第2の本体部120、湾曲部122、及び第2の止部123から構成される。
第2の本体部120は、片側に開口部を有する中空の箱であり、全体としては一面に開口が形成された直方体、又は四角形の小鉢型である。また、4つの角となる端部を有し、湾曲部122は、4つの角となる端部のうちの1つ又は2つに配置される。
換言すると、湾曲部122は、第2の本体部120の一つの角である端部又は二か所の角である端部から、開口に対して遠ざかる方向へ延伸することによって形成される。
また、第2の本体部120の角となる端部には、図2aに示すように湾曲部122が配置され、第1の本体部110の角となる端部には延伸部111が配置されており、両者は形成された開口同士を重ね合わせるように繋ぎ合わせると互いに対応する。
ここで、湾曲部122は折り曲げゾーン1221を備える。本発明の実施態様では、図3aと図5aに示されるように、湾曲部122には、第1の折れ線P1と第2の折れ線P2が更に形成される。そして、第1の折れ線P1と第2の折れ線P2との間に折り曲げゾーン1221が形成される。
【0016】
図3aと図3b、図4aと図4bを参照して説明する。図4aと4bは、それぞれ、本発明の実施形態のうち第1のボックス11と第2のボックスの開口側同士が隣り合うように重ね合わせて、両者を繋ぎ合わせる(閉じる)際の要部拡大図である。ここで、第2の止部123は、湾曲部122上に配置することができる。
本実施形態では、第2の止部123は、内側止部1231と外側止部1232を更に備える。ここで、内側止部1231と外側止部1232は、それぞれ、湾曲部122の両側に形成される。
さらに、内側止部1231は、第2のボックス12に近い湾曲部122に配置され、外側止部1232は、第2のボックス12から離れた湾曲部122に配置されと共に、内側止部1231の一端に連接される。湾曲部122が折り曲げゾーン1221に沿って曲げられると、外側止部1232が第1の止部113に形成された開口に嵌められるように取り付けられると共に、第1の止部113の突起した部分は内側止部1231に挿入される(図4a、図4bを参照)。
また、本発明の実施形態では、内側止部1231は、湾曲部122に対して第1の垂直方向に突出している。すなわち、図3bに示されているように、Z軸の正の方向(図3bにおいて上側)に向けて突出している。
外側止部1232は、湾曲部122に対して第2の垂直方向(図3bに示されるように、Z軸の負の方向、つまり、Z軸において上述した正の方向とは逆方向である負の方向、要するに図3bにおいて下側)に突出している。つまり、上述のように、第1の垂直方向と第2の垂直方向は反対方向である。
また、内側止部1231と外側止部1232は、それぞれ中空円筒形状(円筒状の中空管構造)であり、一方の端部には開口が形成されている。また、本実施形態では、Z軸方向における内側止部1231と外側止部1232の中空部における径の広さは、それぞれ自身の開口側に近づくにつれてに徐々に径の太さが広がっている。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、内側止部1231と外側止部1232の形状は、実際の要求に基づいて適宜設計変更しても良い。
さらに、本発明による実施形態では、内側止部1231の内径は、外側止部1232の内径よりも広い。また、第1の止部113の内径は、外側止部1232の内径よりも僅かに広く形成されており、外側止部1232を第1の止部113の開口側からしっかりと挿入できる程度の広さに形成されている。ここでいう僅かに広いとは、挿入することはできるが引き抜く際には容易には外れない程度に密着して嵌められる程度に広いという意味である。
また、第1の止部113の内径は、内側止部1231の内径よりも狭く形成されているので、第1の止部113は、内側止部1231の開口に挿入できる。
従って、図3b、図4a、及び図4bに示されるように、第1のボックス11と第2のボックス12が組み合わされるとき、内側止部1231は、第1の止部113に収容される。換言すると、第1の止部113の突起した部分は内側止部1231の開口内部に収容される。
外側止部1232は、第1の止部113に収容されるように、折り曲げゾーン1221を利用して、上側からから下に曲げられる。つまり、図3bを参照して説明すると、外側止部1232は、折り曲げゾーン1221を回転軸として時計回りに180度回転し、外側止部1232は第1の止部113の開口側から回り込むようにして第1の止部113の開口内に挿入されて、両者が固定される。このようにして、第1の止部113は、第2の止部123によってしっかりとロックされる。
これらを整理して並べると、最終的には、図3bにおいて一番下側に位置する外側止部1232に対して上から覆い被さるように第1の止部113が配置され、更に、この第1の止部113に対して上から覆い被さるように内側止部1231が配置されることとなる。
【0017】
図4a、図4b、図5a、及び図5bを参照して説明する。ここで、図5aは本発明の実施形態において閉じた後に再び開いた状態の第1の要部拡大図であり、図5bは本発明の実施形態において閉じた後に再び開いた状態の第2の要部拡大図である。
第1の止部113は切り取り線114によりグリップ112に接続されているので、ユーザがグリップ112に連接している第1の止部113と共に第2の止部123を組み立て前の状態に戻すように、摘まんで180度反時計回りに回転させると、切り取り線114に沿って第2の止部123と共に第1の止部113もが切り離される。
すなわち、上述のように、互いにしっかりと固定された関係である外側止部1232と第1の止部113は、グリップ112から一緒に分離されることとなる。
このとき、使用者は、第1のボックス11と第2のボックス12を部分的に分離することにより、開封済みチェック機能付き容器1を開けることができる。また、引き剥がされた第1の止部113は、再びグリップ112と接続できなくなるので、開封済みチェック機能付き容器1が既に過去に開封されたことをユーザーが知ることができる。
しっかりと取り付けられた関係にある外側止部1232と第1の止部113がグリップ112から分離する際、第1の止部113の内径は内側止部1231の内径よりも狭いため、外側止部1232と第1の止部113を内側止部1231から引き抜く際にスムーズに且つ内側止部1231からの摩擦抵抗をほとんど受けずに外すことができる。
そして、第1の止部113を伴って外側止部1232が内側止部1231の延長線上に並ぶように(図5bにて反時計回りに)回転すると、湾曲部122は、もはや半分に折りたたまれた状態ではなくなる(図5bを参照)。
【0018】
図5aと図5bを参照して説明する。本実施形態では、第1の止部113が内側止部1231に格納されるとき、内側止部1231を水平面(図示せず)の中心点に投影したとき、第1の止部113の中心点は、前記内側止部の水平面の中心点とは異なる点に投影されるため、第1の止部113は内側止部1231とはずれた構造となる(位置が異なるように配置される)。
このようにして、第1の止部113と外側止部1232がグリップ112から一緒に分離されると、第1の止部113も内側止部1231から分離する。そして、内側止部1231から、外側止部1232が分離された後は、折り曲げゾーン1221の元に戻ろうとする力によって、図5bに示すように、内側止部1231の延長線上に外側止部1232が位置するように復元され、外側に第1の止部113と外側止部1232が飛び出しているので確認し易い。
【0019】
図5bと図2bを再度参照して説明する。第1のボックス11の第1の本体部110の開口側には第1のスナップ構造1113を備え、第2のボックス12の第2の本体部120の開口側には第2のスナップ構造1213を備えている。
本実施形態では、第1のスナップ構造1113は凸構造であり、第2のスナップ構造1213は前記の凸構造と嵌合可能な形状の凹溝構造であるが、これには限定されない。例えば、第1のスナップ構造1113の方を凹溝構造とする一方、第2のスナップ構造1213をこの溝構造と嵌合可能な形状の凸構造としても良い。
ここで、第1のスナップ構造1113は、第1の本体部110における開口側の縁を取り囲み、第2のスナップ構造1213は第2の本体部120の開口側の縁を取り囲む。
したがって、第1のスナップ構造1113と第2のスナップ構造1213とが互いに固定されると、開封済みチェック機能付き容器1は密閉状態となる。すなわち、第1のスナップ構造1113と第2のスナップ構造1213とを組み合わせて、第1の本体部110と第2の本体部120との間に閉空間を形成する。
これにより、外側止部1232と第1の止部113がグリップ112から分離された後でも、第1のボックス11と第2のボックス12を互いにロックして、隙間ができないようにシールする効果を達成することができる。
ここで、第1のスナップ構造1113と第2のスナップ構造1213が第1のボックス11と第2のボックス12を互いにロックするように取り囲む構造であることは、単なる例示であり、両者の間に隙間ができなければ足り、他の構造を採用しても良い。
なお、上記の説明は、第1のボックス11が下側に位置する収容ボックスであり、第2のボックス12が上カバー(蓋)としての用途を果たす例を記載している。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
図6図8を参照して説明する。第1のボックス11は上カバーとして機能し、第2のボックス12は下側に位置する収容ボックスとして機能する。なお、図示は省略するが、第1のボックス11と第2のボックス12は、両方とも内容物を収容可能なボックス構造でも良い。
【0021】
図1図2aを参照して説明する。本発明による開封済みチェック機能付き容器1は更に連接部13を備える。
第1のボックス11は、第1の側辺110aと第2の側辺110bが互いに開口を介して相対するように位置する(要は反対側の辺に形成されている)。そして、連接部13は、第1のボックス11の第1の側辺110aに配置され、第1のボックス11と第2のボックス12とを接続する。第1のボックス11は、連接部13を中心として第2のボックス12に対して回転する。なお、第2のボックス12を、連接部13を中心として第1のボックス11に対して回転させて蓋をしても良い。
ここで、一対の延伸部111は、第1のボックス11の第2の側辺110b側のコーナーにそれぞれ位置する。換言すると、連接部13と延伸部111は、それぞれ、第1のボックス11の反対側に配置されることになるが、これには限定されない。
【0022】
図9を参照して説明する。本発明の他の実施形態としては、本発明の開封済みチェック機能付き容器1は、図2aに示した連接部13を備える必要がない。
ここで、第1のボックス11の開口側の四隅には、それぞれ延伸部111形成されている。また、第2のボックス12の開口側の四隅にもそれぞれ湾曲部122が設けられている。
第1のボックス11と第2のボックス12は、開口側の四隅のそれぞれに設けられた延伸部111と湾曲部122を利用して結合される。そしてこの実施形態では、第1のボックス11は、第2のボックス12に対して回転しないが、第2のボックス12から直接分離することができる。
なお、延伸部111に形成された第1の止部113と湾曲部122に形成された内側止部1231と外側止部1232を利用した固定方法は上述した実施形態と同じなので説明を省略する。
【0023】
以上のように、本発明の開封済みチェック機能付き容器1では、開封後、グリップ112と第1の止部113が分離し、その状態から復元させることができないので、使用者又は店舗関係者は容易に本発明による開封済みチェック機能付き容器1が開封されたかどうか判断できる。そのため、見ただけで容器が開封されたか否かを容易に判断でき、不適切な物や添加物がこっそりと入れられる心配も軽減でき、開封したか否かで店舗側と顧客との間で言い争いになる心配も軽減できる。
【0024】
本発明は好ましい実施形態を例に挙げて説明したが、当然、本件発明の権利範囲は実施例で説明した範囲に限定されるものではない。よって、本発明の精神から逸脱しない範囲で簡単な変更や改変をしたものであっても、本発明の特許請求の範囲の発明特定事項を備えたものであれは本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0025】
1 開封済みチェック機能付き容器
2b エリア
11 第1のボックス
110 第1の本体部
110a 第1の側辺
110b 第2の側辺
1101 側壁
1102 底壁
111 延伸部
1113 第1のスナップ構造
112 グリップ
1121 凹部構造
113 第1の止部
114 切り取り線
115 湾曲エリア
116 滑り止めバンプエリア
12 第2のボックス
120 第2の本体部
1213 第2のスナップ構造
122 湾曲部
P1 第1の折れ線
P2 第2の折れ線
1221 折り曲げゾーン
123 第2の止部
1231 内側止部
1232 外側止部
13 連接部
Z 第1の垂直方向
X 奥行方向
Y 横方向
【要約】
【課題】開封してしまった後は開封前と同じ状態に戻すことができないようにした開封済みチェック機能付き容器を提供する。
【解決手段】第2の止部は湾曲部に位置し、第1のボックスと第2のボックスが組み合わされたとき、湾曲部は折り曲げゾーンに沿うように折り曲げられ、第1の止部は第2の止部に嵌め合わさって第1のボックスと第2のボックスの相対的な位置が定まり、第1のボックスと第2のボックスが分離したとき、切り取り線が断裂することによって、第1の止部をグリップから離脱させると共に、第1の止部は第2の止部に固定される。
【選択図】図2
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9