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特許7244635並列接続電池セットの充放電管理方法、電子装置及び電気システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】並列接続電池セットの充放電管理方法、電子装置及び電気システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021517969
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2021076382
(87)【国際公開番号】W WO2021190196
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】202010230929.9
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520124888
【氏名又は名称】東莞新能安科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Poweramp Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xinghui Road, Songshan Lake Park, Dongguan City, Guangdong Province, 523000, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鍾 弟
(72)【発明者】
【氏名】曽 思
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-271286(JP,A)
【文献】特開2015-080334(JP,A)
【文献】特表2010-521947(JP,A)
【文献】特表2019-532605(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103414224(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105098920(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108206560(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110266066(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110281811(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110783989(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110838737(CN,A)
【文献】中国実用新案第202260493(CN,U)
【文献】米国特許第4553081(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0194707(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0336767(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0055405(US,A1)
【文献】国際公開第2012/049965(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/056263(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列接続電池セットの充放電管理方法であって、
複数の電池セットの電圧値及び荷電状態を取得するステップと、
前記電池セットの電圧値及び荷電状態を、それぞれ基準電圧値及び基準荷電状態と比較するステップと、
比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップと、
パワーバスにアクセスした前記電池セットの数を取得するステップと、
エネルギー蓄積インバータの充電限流値I charge および放電限流値I discharge を決定するステップとを含み、
電池セットを動的に合併する過程では、前記エネルギー蓄積インバータは、前記充電限流値I charge および前記放電限流値I discharge に従って充電または放電を行うことを特徴とする並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項2】
前記基準電圧値は、前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしていない場合には、前記複数の電池セットの電圧値のうちの最小値を前記基準電圧値とする方法で取得可能であることを特徴とする請求項1に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項3】
前記基準荷電状態は、前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしていない場合には、前記複数の電池セットの荷電状態のうちの最小値を前記基準荷電状態とする方法で取得可能であることを特徴とする請求項1に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項4】
前記基準電圧値は、さらに、前記電池セットがパワーバスに既にアクセスしているときに、パワーバスに既にアクセスしている前記電池セットの電圧値のうちの最小値を前記基準電圧値とする方法で取得可能であることを特徴とする請求項1に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項5】
前記基準荷電状態は、さらに、前記電池セットがパワーバスに既にアクセスしているときに、パワーバスに既にアクセスしている前記電池セットの荷電状態のうちの最小値を前記基準荷電状態とする方法で取得可能であることを特徴とする請求項1に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項6】
前記充電限流値Ichargeは、以下の式を満たし、
charge=a×k×P
ここで、aは電池セットのIC電流であり、kは充電限流係数であり、Pはパワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数であることを特徴とする請求項に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項7】
前記放電限流値Idischargeは、以下の式を満たし、
discharge=a×k×P
ここで、aは電池セットのIC電流であり、kは放電限流係数であり、Pはパワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数であることを特徴とする請求項に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項8】
前記比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップは、さらに、
前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしていない場合、前記複数の電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値よりも小さいか否か、及び、前記複数の電池セットの荷電状態と前記基準荷電状態との差分がいずれも第2の閾値よりも小さいか否か、を判断することと、
前記複数の電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値より小さく、且つ、前記複数の電池セットの荷電状態と前記基準荷電状態との差分がいずれも第2の閾値より小さいであれば、前記複数の電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項9】
前記比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップは、さらに、
少なくとも1つの電池セットが既にパワーバスにアクセスし、且つ電池セットが充電状態にある場合、パワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値と基準電圧値との差分が第1の区間内にあるか否か、且つパワーバスにアクセスしていない電池セットの荷電状態と前記基準荷電状態との差分が第2の区間内にあるか否かを判断し、
パワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の区間内にあり、且つパワーバスにアクセスしていない電池セットの荷電状態と基準荷電状態との差分が第2の区間内にあれば、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御することを含むことを特徴とする請求項に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項10】
前記比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップは、さらに、
少なくとも1つの電池セットがパワーバスにアクセスし、且つパワーバスにアクセスしていない電池セットが放電状態にある場合、前記基準電圧値と前記パワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値との差分が第3の区間内にあるか否か、且つ前記基準荷電状態とパワーバスにアクセスしていない電池セットの荷電状態との差分が第4の区間内にあるか否かを判断し、
前記基準電圧値とパワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値との差分がいずれも第3の区間内にあり、且つ、前記基準荷電状態とパワーバスにアクセスしていない電池セットの荷電状態との差分がいずれも第4の区間内にあれば、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御することを含むことを特徴とする請求項に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項11】
前記並列接続電池セットの充放電管理方法は、さらに、
電池セットに故障警告が発生する場合には、この故障警告情報を受信することと、
全ての電池セットがパワーバスから切断するか又は故障した電池セットが単独でパワーバスから切断するように制御することと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の並列接続電池セットの充放電管理方法。
【請求項12】
複数の電池セットと、
請求項1~11の何れか一項に記載の充放電管理方法を実行するための電池管理ユニットと、を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項13】
電気システムであって、
エネルギー蓄積インバータと、請求項12に記載する電子装置と、を備え、
前記電子装置は、前記複数の電池セットと一々対応する複数のスイッチをさらに備え、各スイッチは、前記電池セットと前記エネルギー蓄積インバータとの間に接続されていることを特徴とする電気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は電源技術分野に関し、特に並列接続電池セットの充放電管理方法、電子装置及び電気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池のパワーおよび航続時間に対するユーザ需要の高まりに従って、シングル電池セットの方式を採用すると、必ず電池セットの電池セルのエネルギー密度及び容量を増加させ、電池セットの体積および重量を増加させ、電池セットの開発、製造、輸送および実装コストを増加させる。一方、電池セットの並列方式を採用すると、開発の観点から、一セットの低容量方案を設計するだけでよく、開発者の開発と安全基準認証のコストを削減した。
【0003】
電池セットの並列接続の肝心なところは、親機電池セットが子機電池セットの状態情報をリアルタイムに監視する必要があり、電池セットの故障時に、親機電池セットがエネルギー蓄積インバータ(PCS)に故障情報を適時にフィードバックし、そこで、PCSがすぐにパワーを下げるか、または負荷を遮断して、並列に接続した電池セットの安全運行を確保する。
【0004】
従来のエネルギー貯蔵システムの並列技術には、以下のような問題がある。
【0005】
1.電池セットは、静置、電圧が一致している場合に並列に接続しなければならず、充放電の時に、電池セットの電圧を人工的に調整しなければならず、実装デバッグの複雑さやコストを増やした。
2、電池セットが充放電の場合に並列を行うため、電圧のみを並列の唯一の根拠とするしかなく、電池セットの並列接続時に、ループの流れが大きいことによるパワー回路焼失のリスクが増加した。
【0006】
上記の課題を解決するための解決手段として、以下の解決策が提出された。
【0007】
1、並列接続された各電池セットが並列に先立って、手動で電池セットの総電圧の調整を行い、各々の電池セットの総電圧を一つの固定電圧値まで充電または放電し、全ての電池セットの総電圧の調整が完了すると、各電池セットを並列接続して使用する。
2、並列の各電池セットが充放電過程において並列に接続されるが、並列の参考基準は電池セットの電圧だけであり、且つ並列過程の充放電電流は後段負荷に依存するが、充放電過程では、パワー回路に先に合併される電池セットの電圧が上昇又は低下し、合併されていない電池セットの電圧が一致すると、前記合併されていない電池セットをパワー回路に並列的に接続する。
【0008】
しかしながら、従来技術における解決策には、以下の欠点がある。
【0009】
1、解決策1において、電池セットの電圧を手動で調整する必要があり、電池セットの並列接続はスマートではなく、実装デバッグの複雑さやコストが増加する。
2、解決策2において、電池セットが並列接続する時の参考基準が単一であり、充放電電流は制限されず、並列の電池セット間の電圧が一致するが実際の容量の差が大きく、並列後の電池セットの間のループ電流が大きすぎて、電池セットのセル、パワー回路、及び素子もループ大電流によって、ダメージされる。
<先行技術文献>
<特許文献>
[特許文献1]CN105814768A
[特許文献2]CN108206560A
【発明の概要】
【0010】
これに鑑みて、電池セットのコンビネーションの自動化度を高め、コンビネーションシステムの適応性を強化し、コンビネーションの実行効率を高め、運営維持コストをさらに低減し、ユーザの体験度を向上させることができる並列接続電池セットの充放電管理方法、電子装置及び電気システムを提供する必要がある。
【0011】
本発明の一実施形態は、並列接続電池セットの充放電管理方法を開示する。前記並列接続電池セットの充放電管理方法は、複数の電池セットの電圧値及び荷電状態を取得するステップと、前記電池セットの電圧値及び荷電状態を、それぞれ基準電圧値及び基準荷電状態とを比較するステップと、比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップと、を含む。
【0012】
本願の幾つかの態様によれば、前記基準電圧値は、以下の方法で取得可能である。前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしアクセスしていない場合には、前記複数の電池セットの電圧値のうちの最小値を前記基準電圧値とする。
【0013】
本願の幾つかの態様によれば、前記基準荷電状態は、以下の方法で取得可能である。前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしていない場合には、前記複数の電池セットの荷電状態のうちの最小値を前記基準荷電状態とする。
【0014】
本願の幾つかの態様によれば、前記基準電圧値は、以下の方法で取得されてもよい。前記電池セットがパワーバスに既にアクセスしている場合、パワーバスに既にアクセスしている前記電池セットの電圧値のうちの最小値を前記基準電圧値とする。
【0015】
本願の幾つかの態様によれば、前記基準荷電状態は、以下の方法で取得されてもよい。前記電池セットがパワーバスに既にアクセスしている場合、パワーバスに既にアクセスしている前記電池セットの荷電状態のうちの最小値を前記基準荷電状態とする。
【0016】
本願の幾つかの態様によれば、前記並列接続電池セットの充放電管理方法は、さらに、パワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数を取得することと、エネルギー蓄積インバータの充電限流値Ichargeおよび放電限流値Idischargeを決定することと、を含む。
【0017】
本願の幾つかの態様によれば、前記充電限流値Ichargeは、以下の式を満たす。
【0018】
Icharge=a×k1×Pm。
【0019】
ここで、aは電池セットのIC電流であり、k1は充電限流係数であり、Pmはパワーバスにアクセスした前記電池セットの数である。
【0020】
本願の幾つかの態様によれば、前記放電限流値Idischargeは、以下の式を満たす。
【0021】
Idischarge=a×k2×Pm。
【0022】
ここで、aは電池セットのIC電流であり、k2は放電限流係数であり、Pmはパワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数である。
【0023】
本願の幾つかの態様によれば、前記比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップは、前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしアクセスしていない場合、前記複数の電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値よりも小さいか否か、及び、前記複数の電池セットの荷電状態と前記基準荷電状態との差分がいずれも第2の閾値よりも小さいか否か、を判断することと、前記複数の電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値より小さく、且つ前記複数の電池セットの荷電状態と前記基準荷電状態との差分がいずれも第2の閾値より小さいであれば、前記複数の電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御することと、をさらに含む。
【0024】
本願の幾つかの態様によれば、前記比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップは、少なくとも1つの電池セットが既にパワーバスにアクセスし、且つ電池セットが充電状態にある場合、パワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットの電圧値と基準電圧値との差分が第1の区間内にあるか否か、且つパワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットの荷電状態と前記基準荷電状態との差分が第2の区間内にあるか否かを判断し、パワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の区間内にあり、且つパワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットの荷電状態と基準荷電状態との差分が第2の区間内にあれば、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御することをさらに含む。
【0025】
本願の幾つかの態様によれば、前記比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なうステップは、少なくとも1つの電池セットがパワーバスにアクセスし、且つパワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットが放電状態にある場合、前記基準電圧値と前記パワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値との差分が第3の区間内にあるか否か、且つ前記基準荷電状態とパワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットの荷電状態との差分が第4の区間内にあるか否かを判断し、前記基準電圧値とパワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値との差分がいずれも第3の区間内にあり、且つ、前記基準荷電状態とパワーバスにアクセスしアクセスしていない電池セットの荷電状態との差分がいずれも第4の区間内にあれば、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御することをさらに含む。
【0026】
本願の幾つかの態様によれば、前記並列接続電池セットの充放電管理方法は、電池セットに故障警告が発生する場合には、この故障警告情報を受信することと、全ての電池セットがパワーバスから切断するか又は故障した電池セットが単独でパワーバスから切断するように制御することと、をさらに含む。
【0027】
また、本発明の一実施形態は、電子装置を開示する。前記電子装置は、複数の電池セットと、上述のような充放電管理方法を実行する電池管理ユニットと、を備える。
【0028】
本発明の幾つかの態様によれば、前記電子装置は、前記複数の電池セットと一々対応する複数のスイッチをさらに備え、各スイッチは、電池セットとエネルギー蓄積インバータとの間に接続されている。本願の一実施形態は、電気システムをさらに開示する。前記電気システムは、エネルギー蓄積インバータと、上記の電子装置と、を備え、前記電子装置は、前記複数の電池セットと一々対応する複数のスイッチをさらに備え、各スイッチは、電池セットと前記エネルギー蓄積インバータとの間に接続されている。
【0029】
本願の実施形態に係る並列接続電池セットの充放電管理方法、電子装置及び電気システムは、複数の電池セットの電圧値及び荷電状態を取得し、且つ前記電池セットの電圧値及び荷電状態を、それぞれ基準電圧値及び基準荷電状態と比較して、比較結果に基づいて前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なう。このように、本願発明が提供する技術提案は、電池セットのコンビネーションの自動化度を高め、コンビネーションシステムの適応性を強化し、コンビネーションの実行効率を高め、運営維持コストをさらに低減し、ユーザの体験度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態による並列接続電池セットのコンビネーションシステムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態による並列接続電池セットの充放電管理方法のフローチャートである。
図3】本発明の他の実施形態による並列接続電池セットの充放電管理方法のフローチャートである。
図4】本発明の他の実施形態による並列接続電池セットの充放電管理方法のフローチャートである。
図5】本発明の他の実施形態による並列接続電池セットの充放電管理方法のフローチャートである。
図6】本発明の他の実施形態による並列接続電池セットの充放電管理方法のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による並列接続電池セットの充放電管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願実施形態の図面を参照しながら、本願実施形態における技術提案を明確且つ完全に説明する。説明した実施形態は、全ての実施形態ではなく、本願の一部の実施形態であることは明らかである。
【0032】
図1に示すように、図1は、本発明の一実施形態に係る並列接続電池セット10のコンビネーションシステムの構成図である。
【0033】
本願の実施形態に係る電気システムは、電子装置100と、エネルギー蓄積インバータ20とを含む。本願実施形態における電子装置100は、エネルギー蓄積インバータ20に電気的に接続されており、並列接続電池セット10を備えていてもよい。
【0034】
具体的には、前記並列接続電池セット10は、複数の並列接続された電池セット(図1は3つの電池セット10a、10b、10cのみを例として説明し、3つよりも多くまたは少なくてもよい)を含むことができる。
【0035】
各電池セット10a、10b、10cは、正極B+および負極B-を含み、電池セット10a~10cの各々の正極B+は、一体に連結して並列接続電池セット10の正極を構成し、電池セット10a~10cの各々の負極B-は、一体に連結して並列接続電池セット10の負極を構成する。並列接続電池セット10の出力は、エネルギー蓄積インバータ20の直流入力側に合流する。具体的には、各電池セット10a、10b、10cの負極B-は、前記エネルギー蓄積インバータ20のパワーバスラインP-に電気的に接続され、各電池セット10a、10b、10cの正極B+は、スイッチKを介して前記エネルギー蓄積インバータ20のパワーバスラインP+に電気的に接続されている。本願の実施形態において、前記スイッチの数は、前記電池セットの数と同じであり且つ一々対応している。即ち、各電池セットのパワーラインは、対応するスイッチKを介してパワーバスラインP+、P-に並列的に接続されることが可能である。
【0036】
本願一実施形態では、各電池セット10a、10b、10cは、内部バスインタフェースおよび外部バスインタフェースをさらに備え、内部バスインタフェースは内部バス通信機能を実現し、外部バスインタフェースは外部バス通信機能を実現することができる。また、内部バス通信機能は各電池セット10a~10cの間の内部通信を実現するために用いられ、外部バス通信機能は親機とエネルギー蓄積インバータ20との間の通信を実現するために用いられる。
【0037】
好ましい一実施形態において、前記内部バス及び外部バスは、CAN通信バス又はRS485通信バスであってもよい。
【0038】
本発明の一実施形態において、並列接続電池セット10のうちの一つの電池セットは親機であってもよく、残りの電池セットは子機であってもよい。
【0039】
また、いずれの電池セットにも、電池管理ユニットが設置されており、この中で、各電池セットの電池セルは対応する電源管理ユニットによって管理される。つまり、本願の実施形態では、複数のスイッチKは、それぞれ対応する電池管理ユニットによってスイッチ状態が制御されることができる。具体的には、本願の実施形態では、電池セット10aは親機であり、電池セット10b、10cは子機である。電池セット10aには、電池管理ユニットBMU1が設けられており、電池セット10b、10cには、電池管理ユニットBMU2、BMU3がそれぞれ設けられている。
【0040】
次に、子機における電池管理ユニットは、対応する電池セットのデータ情報及び状態を、内部バスを介して親機における電池管理ユニットに送信する。これにより、親機における電池管理ユニットは、各電池管理ユニット(親機の電池管理ユニットを含む)のデータ情報および状態をまとめて分析し、且つ対応する制御パラメータを算出し、内部バスを介して各電池管理ユニットをそれぞれ制御するとともに、外部バスを介してエネルギー蓄積インバータ20とデータのやり取りと運転スケジュールを行うこともできる。
【0041】
図2に示すように、図2は本願の一実施形態による並列接続電池セットの充放電管理方法の手順のフローチャートである。前記並列接続電池セットの充放電管理方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0042】
ステップS21では、複数の電池セットの電圧値及び荷電状態を取得する。
【0043】
本願の実施形態では、各子機の電池管理ユニットは、対応する電池セットのデータ情報及び状態を、内部バスを介して親機の電池管理ユニットに送信する。例えば、上記の電池セット10aにおける電池管理ユニットBMU1は、電池管理ユニットBMU2、BMU3により、電池セット10b、10cの電圧値及び充電状態を取得してもよい。
【0044】
荷電状態(State of Charge,SOC)とは、電池の残容量と、当該電池のフル容量との比を意味する。
【0045】
ステップS22では、前記電池セットの電圧値及び荷電状態を、それぞれ基準電圧値及び基準荷電状態と比較する。
【0046】
具体的には、パワーを動的に合併する際に、各電池セットの総電圧値と基準電圧値とを比較するとともに、各電池セットの荷電状態と基準荷電状態とを比較する必要がある。
【0047】
ここで、パワーを動的に合併する際の基準電圧値と基準荷電状態は、いずれも親機の電池管理ユニットによって算出される。
【0048】
好ましい一実施形態において、前記基準電圧値は、以下の方法により取得可能である。前記複数の電池セット10a~10cがいずれもパワーバスにアクセスしていなければ、前記複数の電池セット10a~10cの電圧値のうちの最小値を前記基準電圧値とする。
【0049】
好ましい一実施形態において、前記基準荷電状態は、以下の方法で取得可能である。前記複数の電池セット10a~10cがいずれもパワーバスにアクセスしていなければ、前記複数の電池セット10a~10cの荷電状態のうちの最小値を前記基準荷電状態とする。
【0050】
他の好ましい実施形態において、前記基準電圧値は、以下の方法で取得されてもよい。前記複数の電池セット10a~10cの中にパワーがパワーバスにアクセスした電池セットが存在していれば、パワーバスに既にアクセスした前記電池セットの電圧値のうちの最小値を前記基準電圧値とする。
【0051】
さらに他の好ましい実施形態において、前記基準荷電状態は、以下の方法で取得されてもよい。前記複数の電池セット10a~10cの中にパワーがパワーバスにアクセスした電池セットが存在していれば、パワーバスに既にアクセスした前記電池セットの荷電状態のうちの最小値を前記基準荷電状態とする。
【0052】
ステップS23では、比較結果に基づいて、前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なう。
【0053】
本願の実施形態では、前記親機の電池管理ユニットは、前記基準電圧値および前記基準荷電状態が特定された後に、前記電池セットの電圧値および荷電状態を、それぞれ基準電圧値および基準荷電状態と比較して、比較結果に基づいて前記複数の電池セットを充放電管理することができる。
【0054】
パワーを動的に合併することは、エネルギー蓄積インバータ20の協力を必要とする。即ち、電池セットを動的に合併する過程では、エネルギー蓄積インバータは、親機の電池管理ユニットで算出された限流値に従って充電または放電を行う必要がある。
【0055】
好ましい一実施形態において、図3に示すように、親機の電池管理ユニットは、充電限流値及び放電限流値を計算し、具体的には、以下のステップで行ってもよい。
【0056】
ステップS31では、パワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数を取得する。
【0057】
本願の実施形態では、前記親機の電池管理ユニットは、パワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数を取得する。
【0058】
ステップS32では、エネルギー蓄積インバータの充電限流値及び放電限流値を決定する。
【0059】
本願の実施形態では、エネルギー蓄積インバータの充電限流値をIchargeと表記し、前記放電限流値をIdischargeと表記する。
【0060】
具体的には、前記充電電流値Ichargeは、以下の式を満たす。
【0061】
charge=a×k×P(1)
【0062】
ここで、aは電池セットのIC電流であり、kは充電限流係数であり、Pはパワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数である。
【0063】
さらに、前記放電限流値Idischargeは、以下の式を満たす。
【0064】
discharge=a×k×P(2)
【0065】
ここで、aは電池セットのIC電流であり、kは放電限流係数であり、Pはパワーバスに既にアクセスした前記電池セットの数である。
【0066】
本願の実施形態では、パワーバスに電池セットのパワーがアクセスしていない場合、即ち、P=0であり、上記の式から分かるように、エネルギー蓄積インバータの充電限流値Ichargeと放電限流値Idischargeも0に等しい。
【0067】
好ましい一実施形態では、図4に示すように、前記電池管理ユニットは、前記電池セットの電圧値及び荷電状態と、基準電圧値及び基準荷電状態との比較結果に基づいて、前記複数の電池セットの充放電管理方式を特定する。具体的には、以下のステップによって実現される。
【0068】
ステップS41では、前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしていないことが決定される。
【0069】
本願の実施形態では、前記親機の電池管理ユニットは、各子機の電池管理ユニットからフィードバックされる電池セットのデータ情報及び状態に基づいて、前記複数の電池セットがいずれもパワーバスにアクセスしていないか否かを判断してもよい。
【0070】
具体的には、各電池セットのパワーがいずれもパワーバスにアクセスしていなく、即ち、本願の実施形態における電池セット10a、10b、10cがいずれもパワーバスにアクセスしていないか場合、電池セット10aの電池管理ユニットBMU1が外部バスを通じてエネルギー蓄積インバータに送信する充電限流値Ichargeおよび放電限流値Idischargeはいずれも0である。このとき、パワーを動的に合併する際の基準電圧値を複数の電池セットの電圧値のうちの最小値に決定し、且つパワーを動的に合併する際の基準荷電状態を複数の電池セットの荷電状態のうちの最小値に決定する。
【0071】
ステップS42では、前記複数の電池セット10a~10cの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値よりも小さく、且つ、前記複数の電池セット10a~10cの荷電状態と前記基準荷電状態との差分がいずれも第2の閾値よりも小さいか否かを判断する。「はい」であれば、ステップS43に進む。
【0072】
本願の実施形態では、前記電池セット10aの電池管理ユニットBMU1は、収集した電池セット毎の総電圧と基準電圧値とを比較するとともに、収集した電池セット毎の荷電状態と基準荷電状態とを比較する。
【0073】
次に、電池セット10aの電池管理ユニットBMU1は、前記複数の電池セットの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値より小さいか否か、且つ、前記複数の電池セットの荷電状態と基準荷電状態との差分がいずれもが第2の閾値より小さいか否かを判断する。
【0074】
ステップS43では、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御する。
【0075】
本願の実施形態では、前記複数の電池セット10a~10cの電圧値と基準電圧値との差分がいずれも第1の閾値より小さく、且つ、前記複数の電池セット10a~10cの荷電状態と前記基準荷電状態との差分もいずれも第2の閾値より小さい場合、前記電池セット10aの電池管理ユニットBMU1は、各電池セットのパワーを合併させるための命令を送信し、次に、各電池管理ユニットBMU1、BMU2、BMU3はスイッチKを切り、前記複数の電池セット10a~10cは順次にパワーバスにアクセスする。これにより、各電池セットのパワーがパワーバスにアクセスするように合併して、パワー合併完成の標識が設定される。
【0076】
他の好ましい実施の形態では、図5に示すように、前記電池管理ユニットは、前記電池セットの電圧値及び荷電状態と、基準電圧値及び基準荷電状態との比較結果に基づいて、前記複数の電池セットの充放電管理方式を特定する。具体的には、以下のステップで実現される。
【0077】
ステップS51では、少なくとも1つの電池セットがパワーバスにアクセスし、且つ電池セットが充電状態にあることが特定される。
【0078】
本願の実施形態では、少なくとも1つの電池セットがパワーバスに既にアクセスし且つ電池セットが充電状態にあると特定された場合、親機の電池管理ユニットは、外部バスを通じて、充電限流値Ichargeおよび放電限流値Idischargeをエネルギー蓄積インバータ20に送信する。これにより、エネルギー蓄積インバータ20は、それなりの充電限流値及び放電限流値に従って充放電電流を出力する。
【0079】
ステップS52では、パワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値と基準電圧値との差分が第1の区間内にあるか否か、かつ、荷電状態と前記基準荷電状態との差分が第2の区間内にあるか否かを判断する。「はい」であれば、ステップS53に進む。
【0080】
例えば、本願の実施形態では、前記電池セット10aが既にパワーバスにアクセスしていたが、電池セット10b、10cがパワーバスにアクセスしていない場合、前記電池管理ユニットBMU1は、電池セット10b、10cの電圧値と基準電圧値との差分が第1の区間内にあるか否かを判断する。また、前記電池管理ユニットBMU1は、電池セット10b、10cの荷電状態と基準荷電状態との差分が第2の区間内にあるか否かを判断する。
【0081】
ステップS53では、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御する。
【0082】
本願の実施形態では、パワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値と基準電圧値との差分が第1の区間内にあり、且つ、荷電状態と前記基準荷電状態との差分も第2の区間内にある場合、前記親機の電池管理ユニットBMU1は、各電池セットのパワーを合併させるための命令を送信し、次に電池管理ユニットはスイッチKを切り、パワーバスにアクセスしていない電池セットが順次にパワーバスにアクセスする。これにより、各電池セットのパワーがパワーバスにアクセスするように合併して、パワー合併完成の標識が設定される。他の好ましい実施形態では、図6に示すように、前記電池管理ユニットは、前記電池セットの電圧値及び荷電状態と、基準電圧値及び基準荷電状態との比較結果に基づいて、前記複数の電池セットの充放電管理方式を特定する。具体的には、以下のステップで実現される。
【0083】
ステップS61では、少なくとも1つの電池セットがパワーバスに既にアクセスし、且つ電池セットが放電状態にあることが特定される。
【0084】
本願の実施形態では、少なくとも1つの電池セットがパワーバスに既にアクセスし、且つ電池セットが放電状態にある場合、親機の電池管理ユニットは、外部バスを通じて、充電限流値Ichargeおよび放電限流値Idischargeをエネルギー蓄積インバータ20に送信する。これにより、エネルギー蓄積インバータ20は、それなりの充電限流値及び放電限流値に従って充放電電流を出力する。
【0085】
ステップS62では、前記基準電圧値とパワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値との差分が第3の区間内にあるか否か、且つ、前記基準荷電状態とパワーバスにアクセスしていない電池セットの荷電状態との差分が第4の区間内にあるか否かを判断する。「はい」であれば、ステップS63に進む。
【0086】
例えば、本願の実施形態では、電池セット10aがパワーバスに既にアクセスしていたが、電池セット10b、10cがパワーバスにアクセスしていない場合、前記電池管理ユニットBMU1は、基準電圧値と電池セット10b、10cの電圧値との差分が第3の区間内にあるか否かを判断する。また、前記電池管理ユニットBMU1は、基準荷電状態と電池セット10b、10cの荷電状態との差分が第4の区間内にあるか否かを判断する。
【0087】
ステップS63では、電池セットが順次にパワーバスにアクセスするように制御する。
【0088】
本願の実施形態では、前記基準電圧値とパワーバスにアクセスしていない電池セットの電圧値との差分が第3の区間内にあり、且つ、前記基準荷電状態とパワーバスにアクセスしていない電池セットの荷電状態との差分も第4の区間内にある場合には、前記親機の電池管理ユニットBMU1は、各電池セットのパワーを合併させるための命令を送信し、次に電池管理ユニットはスイッチKを切り、パワーバスにアクセスしていない電池セットが順次にパワーバスにアクセスする。これにより、各電池セットのパワーがパワーバスにアクセスするように合併して、パワー合併完成の標識が設定される。
【0089】
また、エネルギー蓄積インバータ20の充電や放電の継続に伴い、前記親機の電池管理ユニットは、基準電圧値と基準荷電状態とをリアルタイムに算出して更新する。パワーが合併されていない電池セットは、充電または放電中に電圧値と荷電状態とが1つずつパワー合併条件を満たして、パワーバスにアクセスし、電池セットのパワー合併完成の標識は1つずつ設定される。合併される電池セットの数が1つずつ増えるにつれて、充電限流値Ichargeおよび放電限流値Idischargeも、全ての電池セットがパワー合併を完成し、全ての電池セットのパワー合併完成標識が設定され、親機がパワー合併完成の総標識を設定し、基準電圧値及び基準荷電状態の計算から退出し、充電限流値Ichargeおよび放電限流値Idischargeの計算方法がパワー合併モード限流方法からエネルギー蓄積システムの通常運転モードの充放電限流方法に変更され、即ち、エネルギー蓄積システムの全ての電池セットがパワー合併モードを終了するまでリアルタイムに計算して更新する。エネルギー蓄積インバータは、親機電池管理ユニットからのパワー合併完成総標識及び通常運転モードの充放電限流値を受信すると、エネルギー蓄積システムと同期して通常運転モードに移行する。
【0090】
本願の実施形態では、各電池セットの電池管理ユニット(例えば、電池セット10b内のBMU2)に故障警告が発生する場合、親機の電池管理ユニット(例えば、電池セット10a内のBMU1)は、各電池セットの故障警告情報を受信すると、全ての電池セットがパワーバスから切断するか又は障害した電池セットを単独でパワーバスから切断する。パワーが切断された電池セットは、パワー合併完成標識の設定をクリアして、親機における電池管理ユニットBMU1は、パワー合併完成総標識をクリアして、エネルギー蓄積システムは、通常運転モードから退出し、再びパワー合併判断モードに入る。
【0091】
図7は、本発明の一実施形態による並列接続電池セットの充放電管理システム30の模式図である。本実施形態において、前記並列接続電池セットの充放電管理システム30は、前記電池管理ユニットBMU1に格納され、且つ前記電池管理ユニットBMU1によって実行される1つ又は複数のモジュールに分割される。前記電池管理ユニットBMU1が前記コンピュータプログラムを実行する際に、前記並列接続電池セットの充放電管理方法の実施形態におけるステップを実現して、本願発明を完成する。前記1つ又は複数のモジュールは、特定の機能を達成することができる一連のコンピュータプログラム命令セグメントであってもよく、これらの命令セグメントは、前記並列接続電池セットの充放電管理システム30の電子装置100での実行過程を説明するために使用される。例えば、前記並列接続電池セットの充放電管理システム30は、図7に示される取得モジュール301と、比較モジュール302と、制御モジュール303とに分割されてもよい。
【0092】
前記取得モジュール301は、複数の電池セットの電圧値および荷電状態を取得する。
【0093】
前記比較モジュール302は、前記電池セットの電圧値および荷電状態を、それぞれ基準電圧値および基準荷電状態と比較する。
【0094】
前記制御モジュール303は、比較結果に基づいて前記複数の電池セットに対して充放電管理を行なう。
【0095】
前記並列接続電池セットの充放電管理システム30により、電池セット10a~10cを充放電管理することができ、電池セットのコンビネーションの自動化の程度を向上させ、コンビネーションシステムの適応性を向上させ、コンビネーションの実行効率を高め、運営維持コストをさらに低減し、ユーザの体験度を向上させることができる。詳細は、上述した並列接続電池セットの充放電管理方法の実施例を参照でき、ここでは説明を省略する。
【0096】
なお、以上説明したモジュール分割は、論理的な機能分割であり、実際に実現される際に他の分割方式があり得る。また、本願の各実施形態における各機能モジュールは同一の処理ユニットに統合されてもよいし、各モジュールが単独で物理的に存在してもよいし、2つ又は2つ以上のモジュールが同一のユニットに統合されてもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ハードウェアプラスソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。
【0097】
以上の実施形態が本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではなく、本出願の実質的精神範囲内において、以上の実施形態に対して行った適切な変更と変化も本出願の保護範囲内に属される。
【符号の説明】
【0098】
100 電子装置
10 並列接続電池セット
10a、10b、10c 電池セット
20 エネルギー蓄積インバータ
30 並列接続電池セットの充放電管理システム
K スイッチ
BMU1、BMU2、BMU3 電池管理ユニット
301 取得モジュール
302 比較モジュール
303 制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7