(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】液体残量消費のための双方向ポンピング器
(51)【国際特許分類】
B05B 11/00 20230101AFI20230314BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
B05B11/00 101Q
B05B11/00 101B
B05B11/00 101G
B65D47/34 110
(21)【出願番号】P 2021551869
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(86)【国際出願番号】 KR2020001971
(87)【国際公開番号】W WO2021015380
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0087756
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0013318
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521387866
【氏名又は名称】イ,ウン ソク
(73)【特許権者】
【識別番号】521387877
【氏名又は名称】ジャラム カンパニー,リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウン ソク
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国特許第10-2008-0057451(KR,B1)
【文献】特開2009-143617(JP,A)
【文献】特開2007-152276(JP,A)
【文献】特開昭61-241467(JP,A)
【文献】実開昭54-037516(JP,U)
【文献】特開2002-347866(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173465(JP,U)
【文献】特開平8-332423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 11/00
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を外部に排出することができるポンピング器において、
液体が保存されうる内部空間が具備され、前記内部空間と連通される結合孔が具備された容器と、
前記結合孔に結合され、内部に液体が保存されうる、第1チャンバと第2チャンバとが具備された本体部と、
前記第1チャンバと連通されながら、前記本体部に外部に延長される吸入管と、前記第1チャンバと前記吸入管との間に具備されながら、前記吸入管を開閉させる第1ベアリングと、
前記本体部にスライド移動自在に結合され、前記本体部外部に突出されるヘッド部を含むポンプ部と、
前記ポンプ部に結合され、前記ポンプ部と共にスライド移動自在であり、前記第1チャンバ内部においてスライド移動される第1ピストンと、
前記ポンプ部に結合され、前記ポンプ部と共にスライド移動自在であり、前記第2チャンバ内部においてスライド移動される第2ピストンと、
前記ポンプ部下部に具備され、前記ポンプ部に弾性復元力を加えるスプリングと、
前記第2チャンバに液体を流入させることができる吸入部と、
前記ポンプ部のヘッド部に具備され、前記第1チャンバと連通されながら、前記第1チャンバの流体を外部に排出させる第1吐出部と、
前記ポンプ部のヘッド部に具備され、前記第2チャンバと連通されながら、前記第2チャンバの流体を外部に排出させる第2吐出部と、を含み
、
前記容器を順方向に配したときは、前記第1チャンバの流体が、前記第1吐出部を介して排出され、
前記容器を逆方向に配したときは、前記第2チャンバの流体が、前記第2吐出部を介して排出される
ことを特徴とする液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【請求項2】
前記ポンプ部内部に具備され、前記第1チャンバと前記第1吐出部とを連結させる第1移動流路と、
前記ポンプ部内部に具備され、前記第2チャンバと前記第2吐出部とを連結させる第2移動流路と、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【請求項3】
前記容器の内部空間上面には、前記吸入部と前記内部空間とを連通させる連結流路が具備される
ことを特徴とする請求項1に記載の液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【請求項4】
前記吸入部と前記第2チャンバとの間には、前記第2チャンバを開閉させる第2ベアリングが具備され、
前記第2ベアリングは、前記ポンプ部の下降時、前記吸入部と前記第2チャンバとの間の空間を閉鎖させ、前記ポンプ部の上昇時、前記吸入部と前記第2チャンバとの間の空間を解放させる
ことを特徴とする請求項1に記載の液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【請求項5】
前記本体部には、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する区画部が具備される
ことを特徴とする請求項1に記載の液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【請求項6】
前記ポンプ部は、
前記第1ピストンが結合される第1ポンプ部と、前記第2ピストンが結合される第2ポンプ部と、を含み、
前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部は、連結部を介して連結される
ことを特徴とする請求項1に記載の液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【請求項7】
前記第1チャンバ上部には、空気排出孔が具備される
ことを特徴とする請求項1に記載の液体残量消費のための双方向ポンピング器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体残量消費のための双方向ポンピング器に係り、さらに詳細には、液体を保存する容器を順方向に配したとき、及び逆方向に配したときにおいて、液体を容器外に排出させる双方向ポンピング器を介し、液体の残量を最後まで消費することができる液体残量消費のための双方向ポンピング器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、シャンプー、リンス、ボディウォッシュ、台所用洗剤、化粧品のように、ある程度粘性を有している流体は、液体容器に入れられてユーザに流通される。該液体容器は、ふたが具備されながら、ふたを開閉して使用する液体容器があり、螺子型ポンピング器を使用し、螺子型ポンピング器を介し、液体容器内部の液体を外部に排出する液体容器がある。
【0003】
螺子型ポンピング器を使用する液体容器は、液体の種類により、粘性差があるために、液状物を容器から外部に排出させることができるように、それぞれの異なる吐出圧を有しており、それにより、1回吐出量も、製品ごとに違いがある。また、液体容器の高さや容量も、製品ごとに違いがあり、ポンピング器は、ほとんど使い捨てとして使用されている実情である。
【0004】
従来のポンピング器を使用する液体容器は、高さにより、吸入ホースの長さが異なるように形成されており、該液体容器内部に保存された液体を最大限容易に排出するために、液体容器底に完全に密着させず、少しの間隔を置きながら、吸入ホース末端を斜線に裁断して設ける。
【0005】
しかしながら、そのような従来のポンピング器を使用する液体容器は、次のような問題点がある。前述のように、吸入ホースは、液体容器内部に保存された液体を容易に排出するために、液体容器底に密着されず、容器底と離隔されている。それにより、従来のポンピング器を介しては、液体容器内液体を最後まで吐出させることが不可能であるという問題点がある。
【0006】
液体容器の底に残っている液体の残量が、かなり多いために、そのような液体残量を使用せずに捨てることは非経済的であるという問題点がある。また、該液体容器内部に残っている液体残量を使用せずに捨てることになれば、液体残量により、環境汚染が誘発されてしまうという問題点がある。
【0007】
液体容器内部に残っている液体残量を使用するために、液体容器を逆さまにしておいて、ふたを開けて使用することはできるが、液体がふた開き部の部分に集中しており、必要な量よりはるかに多量の液体が1回にあふれ出すという問題がある。
【0008】
また、液体容器内部に残っている液体残量を使用するために、液体容器内部に水を補充し、振って使用することもできるが、そのような場合、液体容器内部において、短時間に細菌繁殖及び細菌感染などが生じてしまい、ユーザに悪影響を及ぼすという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述の問題点を解決するためのものであり、詳細には、液体を保存する容器を順方向に配したとき、及び逆方向に配したときにおいて、液体を容器外に排出させる双方向ポンピング器を介し、液体の残量を最後まで消費することができる液体残量消費のための双方向ポンピング器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、液体が保存されうる内部空間が具備され、前記内部空間と連通される結合孔が具備された容器と、前記結合孔に結合され、内部に液体が保存されうる、第1チャンバと第2チャンバとが具備された本体部と、前記第1チャンバと連通されながら、前記本体部に外部に延長される吸入管と、前記第1チャンバと前記吸入管との間に具備されながら、前記吸入管を開閉させる第1ベアリングと、前記本体部にスライド移動自在に結合され、前記本体部外部に突出されるヘッド部を含むポンプ部と、前記ポンプ部に結合され、前記ポンプ部と共にスライド移動自在であり、前記第1チャンバ内部においてスライド移動される第1ピストンと、前記ポンプ部に結合され、前記ポンプ部と共にスライド移動自在であり、前記第2チャンバ内部においてスライド移動される第2ピストンと、前記ポンプ部下部に具備され、前記ポンプ部に弾性復元力を加えるスプリングと、前記第2チャンバに液体を流入させることができる吸入部と、を含むことを特徴とする。
【0011】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、前記ポンプ部のヘッド部に具備され、前記第1チャンバと連通されながら、前記第1チャンバの流体を外部に排出させる第1吐出部と、前記ポンプ部のヘッド部に具備され、前記第2チャンバと連通されながら、前記第2チャンバの流体を外部に排出させる第2吐出部と、をさらに含み、前記容器を順方向に配したときは、前記第1チャンバの流体が、前記第1吐出部を介して排出され、前記容器を逆方向に配したときは、前記第2チャンバの流体が、前記第2吐出部を介して排出されうる。
【0012】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、前記ポンプ部内部に具備され、前記第1チャンバと前記第1吐出部とを連結させる第1移動流路と、前記ポンプ部内部に具備され、前記第2チャンバと前記第2吐出部とを連結させる第2移動流路と、をさらに含んでもよい。
【0013】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器の前記容器の内部空間上面には、前記吸入部と前記内部空間とを連通させる連結流路が具備されうる。
【0014】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器の前記吸入部と前記第2チャンバとの間には、前記第2チャンバを開閉させる第2ベアリングが具備され、前記第2ベアリングは、前記ポンプ部の下降時、前記吸入部と前記第2チャンバとの間の空間を閉鎖させ、前記ポンプ部の上昇時、前記吸入部と前記第2チャンバとの間の空間を開放させる。
【0015】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器の前記本体部には、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する区画部が具備されうる。
【0016】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器の前記ポンプ部は、前記第1ピストンが結合される第1ポンプ部と、前記第2ピストンが結合される第2ポンプ部と、を含み、前記第1ポンプ部と前記第2ポンプ部は、連結部を介しても連結される。
【0017】
前述の問題点を解決するための本発明の、液体残量消費のための双方向ポンピング器の前記第1チャンバ上部には、空気排出孔が具備されうる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、液体残量消費のための双方向ポンピング器に係り、液体を保存する容器を順方向に配したとき、及び逆方向に配したときにおいて、液体を容器外に排出させる双方向ポンピング器を使用することにより、液体の残量を最後まで消費することができるという長所がある。
【0019】
また、本発明は、液体の残量を最後まで消費することにより、経済的に液体を使用することができるという長所があり、液体の残量が捨てられることを防止することにより、環境汚染を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器の側面図及び正面図。
【
図4】本発明の実施形態による、容器から分離された本体部とポンプ部との断面図。
【
図5】本発明の実施形態による、容器から分離された本体部とポンプ部とを示す図面。
【
図6】本発明の実施形態によるポンプ部を示す図面。
【
図7】本発明の実施形態による、第2チャンバの外壁と、第2ベアリング設置のための貫通孔と、を示す図面。
【
図8】本発明の実施形態による、ポンプ部が上部にスライド移動するとき、第2チャンバに液体が流入するところを示す図面。
【
図9】本発明の実施形態による、ポンプ部が上部にスライド移動するとき、第2チャンバに液体が流入するところを示す図面。
【
図10】本発明の実施形態による、ポンプ部が下部にスライド移動されながら、第2チャンバの液体が第2吐出部を介して外部に排出されることを示す図面。
【
図11】本発明の実施形態による、ポンプ部が下部にスライド移動されながら、第2チャンバの液体が第2吐出部を介して外部に排出されることを示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書は、本発明の権利範囲を明確にし、本発明が属する技術分野において当業者が本発明を実施することができるように、本発明の原理を説明し、本実施形態を開示する。開示された実施形態は、多様な形態にも具現される。
【0022】
本発明の多様な実施形態で使用されうる「含む」または「含んでもよい」のような表現は、発明(disclosure)された当該の機能、動作または構成要素の存在を示し、さらなる1以上の機能、動作または構成要素を制限するものではない。また、本発明の多様な実施形態において、「含む」または「有する」のような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に、「連結」、「結合」されていると言及されたときには、そのある構成要素が、その他の構成要素に、直接に、「連結」または「結合」されてもいるが、そのある構成要素と、その他の構成要素との間に、さらに他の構成要素が存在しうるとも理解されなければならないのである。一方、ある構成要素が他の構成要素に、「直接連結」されていたり、「直接結合」されていたりすると言及されたときには、そのある構成要素と、その他の構成要素との間に、さらに他の構成要素が存在するものではないと理解されるものである。
【0024】
本明細書で使用される第1、第2のような用語は、多様な構成要素の説明に使用されうるが、該構成要素は、用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0025】
本発明は、液体残量消費のための双方向ポンピング器に係わり、液体を保存する容器を順方向に配したとき、及び逆方向に配したときにおいて、液体を容器外に排出させる双方向ポンピング器を介し、液体の残量を最後まで消費することができる液体残量消費のための双方向ポンピング器に関する。以下、添付図面を参照し、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0026】
以下の説明において、容器110が順方向に配されるというのは、
図1のように、前記容器110を立てて使用することを示し、前記容器110が逆方向に配されるというのは、
図8ないし
図11のように、前記容器110を逆さにして使用することを示す。
【0027】
図1及び
図2を参照すれば、本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、容器110、第1チャンバ130と第2チャンバ140とが具備された本体部120、吸入管131、第1ベアリング132、ポンプ部200、第1ピストン221、第2ピストン231、第1吐出部211、第2吐出部212、スプリング160、吸入部141を含む。
【0028】
図2を参照すれば、前記容器110は、液体が保存されうる内部空間111が具備され、前記内部空間111と連通される結合孔112が具備されているのである。前記結合孔112は、外部に開かれている孔でもあり、前記結合孔112に、後述する前記本体部120が結合される。
【0029】
前記容器110は、液体を保存することができる容器であり、前記容器110は、液体を保存することができるものであるならば、多様な形状によってもなり、軟質、硬質、ガラスのような材質によっても作製される。前記容器110に保存される液体は、シャンプー、リンス、ボディウォッシュ、台所用洗剤、化粧品などにもなるが、前記容器110に保存されながら、双方向ポンピング器を介し、外部に排出されうる液体であるならば、前記液体は、多様な液体でもある。
【0030】
図3を参照すれば、前記本体部120は、内部に液体が保存されうる、前記第1チャンバ130と、前記第2チャンバ140とが具備されたものであり、前記本体部120は、前記結合孔112にも結合される。
【0031】
前記本体部120は、前記容器110を順方向に配したとき、液体が流入する前記第1チャンバ130と、前記容器110を逆方向に配したとき、液体が流入する前記第2チャンバ140とを含むものでわり、前記第1チャンバ130と前記第2チャンバ140は、区画部150を介し、互いに分離されうる。
【0032】
すなわち、前記第1チャンバ130と前記第2チャンバ140は、前記本体部120内部において、前記区画部150によって互いに分離された空間でもある。前記区画部150は、前記第1チャンバ130から前記第2チャンバ140に空気が通じないように、前記第1チャンバ130と前記第2チャンバ140とを区画することが望ましい。
【0033】
前記本体部120は、長手方向に延長されたハウジング形態にもなり、前記本体部120の中間部と下部とが、前記容器110内部空間に挿入された後、前記本体部120の上部が、前記結合孔112に結合される。
【0034】
前記本体部120を前記結合孔112に結合させるために、前記本体部120上部には、ふた部121が具備されうる。前記本体部120の中間部と下部とが、前記結合孔112を通過し、前記容器110内部空間に挿入された後、前記ふた部121を、前記結合孔112の外側に結合させれば、前記本体部120が、前記容器110に固定されうる。
【0035】
前記ふた部121には、螺子山または螺子溝が形成され、前記容器110の前記結合孔112の外側には、螺子山113または螺子溝が形成されうる。前記ふた部121と前記結合孔112の外側とが螺合されながら、前記本体部120が前記容器110に固定されうる。
【0036】
ただし、前記本体部120と前記容器110との結合は、螺合に限定されるものではなく、前記本体部120の上部を、前記容器110の前記結合孔112に結合させることができるものであるならば、多様な構成が使用されうるということは、言うまでもない。
【0037】
前記ふた部121の上部には、栓部122が具備され、前記栓部122は、後述する前記ポンプ部200を支持するためのものである。前記ポンプ部200は、前記本体部120内部を、上下スライド移動することができるが、前記栓部122は、前記ポンプ部200が上下スライド移動するとき、揺動しないように、前記ポンプ部200を支持することができるものである。
【0038】
図4及び
図5を参照すれば、前記本体部120は、長手方向にも延長されるが、前記第1チャンバ130は、前記第2チャンバ140の下部方向にも配される。ここで、下部方向というのは、前記容器110の底に向かう方向が下部方向でもある。
【0039】
前記吸入管131は、前記第1チャンバ130と連通されながら、前記本体部120の外部に延長されるのである。前記吸入管131は、前記容器110が順方向に配されたときに使用されるものであり、前記吸入管131は、前記本体部120から、前記容器110の下部方向に延長される管によってもなる。前記容器110が順方向に配されたとき、前記吸入管131を介し、前記第1チャンバ130に、前記容器110に保存されている液体が移動される。
【0040】
図4を参照すれば、前記第1ベアリング132は、前記第1チャンバ130と前記吸入管131との間に具備されながら、前記吸入管131を開閉させることができるものである。前記第1ベアリング132は、玉形態によってながら、前記吸入管131の入口にも配されるものであり、前記第1チャンバ130の圧力により、前記吸入管131を開閉させる。
【0041】
図2ないし
図4を参照すれば、前記ポンプ部200は、前記本体部120にスライド移動自在に結合されるものであり、前記本体部120外部に突出されるヘッド部210を含むのである。前記ヘッド部210は、前記ポンプ部200がスライド移動することができるようにする力が提供される地点でり、ユーザは、前記ヘッド部210を押すことにより、前記ポンプ部200を下部にスライド移動させることができる。
【0042】
前記スプリング160は、前記ポンプ部200の下部に具備されるものであり、前記ポンプ部200に弾性復元力を加えることができるのである。前記スプリング160は、前記本体部120内部にも配され、ストッパ161を介しても支持される。
【0043】
ユーザが、前記ヘッド部210を押し、前記ポンプ部200を下部にスライド移動させれば、前記スプリング160は、圧縮されながら、前記ポンプ部200に弾性復元力を加えることになり、ユーザの力が除去されれば、前記ポンプ部200は、前記スプリング160の弾性復元力により、上部にスライド移動することになる。
【0044】
図6を参照すれば、前記ポンプ部200には、前記ポンプ部200に結合され、前記ポンプ部200と共にスライド移動自在であり、前記第1チャンバ130内部においてスライド移動される第1ピストン221と、前記ポンプ部200に結合され、前記ポンプ部200と共にスライド移動自在であり、前記第2チャンバ140内部においてスライド移動される第2ピストン231と、が具備されている。
【0045】
前記第1ピストン221は、前記第1ピストン221の下部断面積が、前記第1チャンバ130の断面積と同一になされながら、前記第1チャンバ130内部においてスライド移動自在であり、前記第1ピストン221が、前記第1チャンバ130において上下スライド移動しながら、前記第1チャンバ130内部空間を弛緩させたり圧縮したりすることができる。
【0046】
前記第2ピストン231は、前記第2ピストン231の下部断面積が、前記第2チャンバ140の断面積と同一になされながら、前記第2チャンバ140内部においてスライド移動自在であり、前記第2ピストン231が、前記第2チャンバ140において上下スライド移動しながら、前記第2チャンバ140内部空間を弛緩させたり圧縮したりすることができる。
【0047】
前記ポンプ部200は、前記第1ピストン221が結合される第1ポンプ部220と、前記第2ピストン231が結合される第2ポンプ部230と、を含んでもよく、前記第1ポンプ部220と前記第2ポンプ部230は、連結部240を介しても連結される。
【0048】
前記第1ポンプ部220と前記第2ポンプ部230は、分離して組み立てられた後、前記連結部240を介しても連結され、前記第1ポンプ部220と前記第2ポンプ部230とを分離して作製した後、前記第1ポンプ部220と前記第2ポンプ部230とを組み立てることにより、作製の便宜性を向上させることができるという長所がある。
【0049】
ただし、それに限定されるものではなく、前記第1ポンプ部220と前記第2ポンプ部230は、一体にも作製される。
【0050】
前記ポンプ部200の前記ヘッド部210には、前記第1チャンバ130と連通されながら、前記第1チャンバ130の流体を外部に排出させる第1吐出部211と、前記第2チャンバ140と連通されながら、前記第2チャンバ140の流体を外部に排出させる第2吐出部212とが具備されうる。
【0051】
前記第1吐出部211と前記第2吐出部212は、前記ヘッド部210の内部に具備されるものであり、流体を外部に排出させることができる通路になるのである。前記ポンプ部200内部には、前記第1チャンバ130と前記第1吐出部211とを連結させる第1移動流路222と、前記第2チャンバ140と前記第2吐出部212とを連結させる第2移動流路232と、が具備されうる。
【0052】
前記第1移動流路222は、前記第1チャンバ130と前記第1吐出部211との間に連結された流体通路であり、前記第2移動流路232は、前記第2チャンバ140と前記第2吐出部21と2の間に連結された流体通路である。
【0053】
前記本体部120には、前記第2チャンバ140に液体を流入させる吸入部141が具備されうる。前記吸入部141は、前記容器110の内部空間111と連通されたものであり、前記容器110の内部空間111に保存されている液体は、前記吸入部141を介し、前記第2チャンバ140にも流入される。
【0054】
前記吸入部141は、前記容器110が逆方向に配されたときに使用されるものであり、前記吸入部141は、前記容器110の上部にも配されるのである。前記容器110を逆方向に配すれば、前記容器110の液体(液体残量)は、前記容器110の上部に集まることになる(ここで、前記容器110の上部というのは、前記容器110を順方向に配したときの上部を指す)。
【0055】
前記吸入部141は、液体残量を消費するために、前記第2チャンバ140に液体残量を移動させる入口にもなるものであり、そのために、前記吸入部141は、前記容器110の上部に配されることが望ましい。
【0056】
図3を参照すれば、前記容器110の内部空間111上面には、前記吸入部141と前記内部空間111とを連通させる連結流路114が具備されうる(ここで、前記容器110の内部空間110上面というのは、前記容器110を順方向に配したときの前記内部空間110の上面を指す)。
【0057】
前記連結流路114は、前記吸入部141と前記内部空間111とを連結させるものであり、前記内部空間111の液体は、前記連結流路114を介し、前記吸入部141に流入される。
【0058】
本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、前記容器110を順方向に配した場合には、前記第1チャンバ130の流体が、前記第1吐出部211から排出され、前記容器110を逆方向に配した場合には、前記第2チャンバ140の流体が、前記第2吐出部212から排出されうるのである。
【0059】
具体的には、前記容器110が順方向に配されたとき、前記容器110の内部空間111に保存された液体は、前記吸入管131→前記第1チャンバ130→前記第1移動流路222→前記第1吐出部211の順序に移動されても排出される。
【0060】
前記容器110が逆方向に配されたときは、前記容器110の内部空間111に保存された液体は、重力により、前記容器110の上部に集まることになり、前記容器110の上部に集まった液体は、前記容器110の上面に具備された前記連結流路114→前記吸入部141→前記第2チャンバ140→前記第2移動流路232→前記第2吐出部212の順序に移動されても排出される。
【0061】
前記吸入部141と前記第2チャンバ140との間には、前記第2チャンバ140を開閉させる第2ベアリング142が具備されうる。前記第2ベアリング142は、前記第2チャンバ140と前記吸入部141との間に具備されながら、前記第2チャンバ140を開閉させることができるものである。
【0062】
図4及び
図7を参照すれば、前記第2ベアリング142は、玉形態によってなされながら、前記第2チャンバ140の入口にも配されるのである。前記本体部120には、前記第2チャンバ140を形成する第2チャンバ外壁140aが具備されており、前記第2チャンバ外壁140a入口には、玉形態の前記第2ベアリング142が設置されうる貫通孔142aが具備されている。前記第2ベアリング142は、前記貫通孔142aに設置されながら、前記第2チャンバ140の圧力により、前記第2チャンバ140を開閉させることができるのである。
【0063】
前述のように、本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、前記容器110が順方向に配されている場合には、前記容器110内部の液体を、前記吸入管131→前記第1チャンバ130→前記第1移動流路222→前記第1吐出部211の順序に移動させて排出し、前記容器110が逆方向に配されている場合には、前記容器110内部の液体を、前記連結流路114→前記吸入部141→前記第2チャンバ140→前記第2移動流路232→前記第2吐出部212の順序に移動させて排出するのである。
以下においては、前述の本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器の作動方法について詳細に説明する。
【0064】
前記容器110が順方向に配されたとき、前記第1吐出部211を介し、前記容器110の液体が排出される過程について述べれば、次の通りである。ユーザが、前記ヘッド部210に力を加えれば、前記ポンプ部200が押されることになる。
【0065】
前記ポンプ部200が押されることにより、前記ポンプ部200に結合されている前記第1ピストン221が、前記第1チャンバ130下部にスライド移動されながら、前記第1チャンバ130を圧縮することになる。このとき、前記第1ベアリング132は、前記第1チャンバ130空間が圧縮されながら生じた圧縮力によって外部に押されながら、前記吸入管131の入口を塞ぐことになる(前記第1ベアリング132は、前記吸入管131の入口より直径が大きく形成された玉形態であり、前記吸入管131に挿入されず、前記吸入管131を塞ぐことができることになる)。
【0066】
ユーザが、前記ヘッド部210を押す力を解除すれば、前記ポンプ部200下部に具備された前記スプリング160の弾性復元力により、前記ポンプ部200は、上部にスライド移動され、前記ポンプ部200に結合されている前記第1ピストン221も、共に上部にスライド移動される。
【0067】
前記第1ピストン221が上部にスライド移動されることにより、前記第1チャンバ130の空間が弛緩されながら、前記第1ベアリング132が持ち上げられ、前記吸入管131を介し、前記容器110の内部空間111に具備された液体が、前記第1チャンバ130に流入される。
【0068】
ユーザが、前記ヘッド部210に再び力を加えれば、前記ポンプ部200が押されながら、前記ポンプ部200に結合されている前記第1ピストン221が、前記第1チャンバ130下部にスライド移動され、それにより、前記第1チャンバ130が圧縮される(このとき、前記第1ベアリング132は、前記吸入管131を再び塞ぐことになる)。
前記第1チャンバ130が圧縮されることにより、前記第1チャンバ130に流入された液体も圧縮力を受け、前記第1移動流路222に移動され、前記第1移動流路222に移動された液体は、前記第1吐出部211に沿って外部に排出される。ユーザが、前記ヘッド部210を押す力を解除すれば、前述の過程が反復されながら、前記第1チャンバ130に前記容器110内部の液体が流入する。
【0069】
前記容器110が逆方向に配されたとき、前記第2吐出部212を介し、前記容器110の液体が排出される過程について述べれば、次の通りである。前記容器110を逆方向に配する場合は、前記容器110を順方向に使用していて、前記容器110内部の液体が排出されないほどの液体残量が残っている場合である。
【0070】
ユーザは、前記吸入管131→前記第1チャンバ130→前記第1移動流路222→前記第1吐出部211の順序で液体を排出することができないために、残っている液体を使用するために、前記容器110を逆方向に配する。前記容器110を逆方向に配すれば、前記容器110の液体は、重力により、前記容器110の上部に集まることになる。ユーザは、液体残量を使用するために、前記容器110を逆方向に配した後、前記ヘッド部210に力を加えることになる。
【0071】
ユーザが、前記ヘッド部210に力を加えれば、前記ポンプ部200が押されることになる。前記ポンプ部200が押されることにより、前記ポンプ部200に結合されている前記第2ピストン231が、前記第2チャンバ140下部にスライド移動されながら、前記第2チャンバ140を圧縮することになる(上部は、前記容器110が順方向に配されたときの上方向を指し、下部は、前記容器110が順方向に配されたときの下方向を指す)。
【0072】
このとき、前記第2ベアリング142は、前記第2チャンバ140空間が圧縮されながら生じた圧縮力によって外部に押されながら、前記第2チャンバ140の入口を塞ぐことになる(前記第2ベアリング142は、前記第2チャンバ140の入口である貫通孔142aの直径より直径が大きく形成された玉形態であり、前記吸入部141に挿入されず、前記第2チャンバ140を塞ぐことができることになる)。
【0073】
図8及び
図9を参照すれば、ユーザが、前記ヘッド部210を押す力を解除すれば、前記ポンプ部200下部に具備された前記スプリング160の弾性復元力により、前記ポンプ部200は、上部にスライド移動され、前記ポンプ部200に結合されている前記第2ピストン231も、共に上部にスライド移動される。
【0074】
前記第2ピストン231が上部にスライド移動されることにより、前記第2チャンバ140の空間が弛緩されながら、前記第2ベアリング142が持ち上げられ、それにより、前記第2チャンバ140の入口が開かれることになる。
【0075】
前記容器110の内部空間111に具備された液体は、前記第2チャンバ140の空間が弛緩される力により、前記容器110の上面に具備された前記連結流路114を経て、前記吸入部141を介し、前記第2チャンバ140に流入される。
【0076】
図10及び
図11を参照すれば、ユーザが、前記ヘッド部210に再び力を加えれば、前記ポンプ部200が押されながら、前記ポンプ部200に結合されている前記第2ピストン231が、前記第2チャンバ140下部にスライド移動され、それにより、前記第2チャンバ140が圧縮される(このとき、前記第2ベアリング142は、前記第2チャンバ140の入口を再び塞ぐことになる)。
【0077】
前記第2チャンバ140が圧縮されることにより、前記第2チャンバ140に流入された液体も圧縮力を受け、前記第2移動流路232に移動され、前記第2移動流路232に移動された液体は、前記第2吐出部212に沿って外部に排出される。ユーザが、前記ヘッド部210を押す力を解除すれば、前述の過程が反復されながら、前記第2チャンバ140に前記容器110内部の液体が流入する。
【0078】
本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、前述の作動方法を介し、前記容器110が順方向に立てられたとき、及び逆方向に立てられたときにおいて、いずれも前記容器110内部の液体を排出することができるのである。
【0079】
ユーザは、前記容器110を順方向に使用していて、それ以上液体が排出されないとき、前記容器110を逆方向に配することになり、それを介し、液体残量をいずれも使用することができることになる。
【0080】
本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器の前記第1チャンバ130上部には、空気排出孔133が形成されうる。前述のように、前記本体部120内部において、前記第1チャンバ130と前記第2チャンバ140は、前記区画部150によって分離されている。
【0081】
前記区画部150により、前記第1チャンバ130と前記第2チャンバ140とを区画させることができるが、前記第1チャンバ130において上下スライド移動される前記第1ピストン221の圧力により、前記第1チャンバ130から前記第2チャンバ140に空気が移動される憂いもある。
【0082】
前記第1チャンバ130から前記第2チャンバ140に空気が移動することになれば、前記第2チャンバ140に保存された液体を、前記第2吐出部212に円滑に排出することができないために、前記第1チャンバ130から前記第2チャンバ140に空気が移動することを防止しなければならない。
【0083】
前記空気排出孔133は、それを防止するためのものであり、前記第1チャンバ130上部に具備されながら、前記第1チャンバ130の外部に空気を排出し、前記第1チャンバ130内部の圧力を低くすることができるのである。
【0084】
前記空気排出孔133を介し、前記第1チャンバ130の圧力を低くしながら、外部に空気を排出させることにより、前記第1チャンバ130から前記第2チャンバ140に空気が移動されることを防止することができることになる。
【0085】
前述の本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、次のような効果がある。
【0086】
従来のポンピング器の吸入ホースは、液体容器内部に保存された液体を容易に排出するために、液体容器底に密着させず、容器底と離隔されることにより、液体容器内液体を最後まで吐出させることが不可能であるという問題点がある。液体容器において、底に残っている液体の残量は、かなり多いために、そのように、液体残量を使用せずに捨てることは、非経済的であり、液体残量により、環境汚染が誘発されるという問題点がある。
【0087】
液体容器内部に残っている液体残量を使用するために、液体容器を逆さにしておき、ふたを開けて使用することはできるが、液体がふた開き部の部分に集中しており、必要な量よりはるかに多量の液体が1回にあふれ出すという問題がある。
【0088】
しかし、本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、液体を保存する容器を順方向に配したとき、及び逆方向に配したときにおいて、いずれも液体を容器外に排出させることができることにより、液体の残量を最後まで消費することができるという長所がある。
【0089】
特に、本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、液体を保存する容器を逆方向に配した場合、ポンプ部→第2ピストン→第2ベアリングを利用し、吸入部→第2チャンバ→第2移動流路→第2吐出部に液体を排出させることにより、液体残量を容易に使用することができるという長所がある。
【0090】
それと共に、本発明の実施形態による、液体残量消費のための双方向ポンピング器は、液体の残量を最後まで消費することにより、経済的に液体を使用することができるという長所があり、液体の残量が捨てられることを防止することにより、環境汚染を防止することができるという効果がある。
【0091】
以上、本発明につき、望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範疇を外れない範囲内において、さまざまな多くの変形が提供されうる。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。