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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】医療用チューブ保護具
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20230315BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A61M39/10
A61G12/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022113174
(22)【出願日】2022-07-14
【審査請求日】2022-07-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】721010386
【氏名又は名称】西堀 健太
(72)【発明者】
【氏名】西堀 健太
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-512201(JP,A)
【文献】特開2002-360705(JP,A)
【文献】特開2016-101524(JP,A)
【文献】特開2005-193005(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0166756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
A61M 25/00
A61M 39/10
A61G 12/00
A41D 19/00
A61B 5/256,220
A61B 90/90
A44C 5/14
A44C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用チューブと隣り合う複数本の医療用チューブ保護具において、患者の皮膚を守り、医療用チューブと他の医療用チューブの接続部の劣化を防ぐ医療用チューブ保護具であり、前記医療用チューブ保護具は、シリコンでできた長方形状で、複数段の結合穴と前記結合穴に結合する複数個の結合突起とが設けられており、複数本の医療用チューブを結合させるものであり、複数本の隣り合う医療用チューブにおいて、一方の医療用チューブに装着された前記医療用チューブ保護具の前記結合突起を他方の医療用チューブ保護具の前記結合穴に選択して結合できることを特徴とする医療用チューブ保護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血液造影用チューブを使用された患者や、気管内チューブを使用された患者、栄養チューブを使用された患者、泌尿器用チューブを使用された患者等々、全ての医療用チューブを使用された患者に対して使用される医療用チューブ保護具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から医療用チューブを使用された患者には主に皮膚を守る為に、看護士を中心にチューブの接続部にガーゼを巻いてテープで留めておく、又はハンカチなどで医療用チューブ接続部を巻いた上からテープで止めておく事が常態化しており、それに代わる代用品に着目したモノが見当たらなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-40145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の医療用チューブ保護カバーは、チューブの使用時において、その両端が人体や医療機器に接続されている場合でも、容易に取り付けることのできる医療用チューブ保護カバーとして使用される医療品である。
これは患者が側臥位になった際などにチューブが折り曲がらない様に筒状のカバー部材で保護できる医療品である。
しかしこの医療用チューブには接続部を兼ね備えているものも多く、その部分は必然的にチューブの太さが太くなる為、上記の医療品では保護できない可能性が高い。又、医療用チューブ保護具全般に言える事だが、これ自体が患者の身体の近くで使用する医療品であるので、患者の血液や体液の付着、便や尿が付着し汚染する事は当然あるが、それに対しての対策は記載されていない事が多い。更に感染症予防や実際に感染症が発生した際は保護具自体を消毒液に浸透させる、熱湯に浸ける必要性があるが、消毒・熱湯消毒ができていないとう問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、医療用チューブと隣り合う複数本の医療用チューブ保護具において、患者の皮膚を守り、医療用チューブと他の医療用チューブの接続部の劣化を防ぐ医療用チューブ保護具であり、前記医療用チューブ保護具は、シリコンでできた長方形状で、複数段の結合穴と前記結合穴に結合する複数個の結合突起とが設けられており、複数本の医療用チューブを結合させるものであり、複数本の隣り合う医療用チューブにおいて、一方の医療用チューブに装着された前記医療用チューブ保護具の前記結合突起を他方の医療用チューブ保護具の前記結合穴に選択して結合できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明品の医療用チューブ保護具は医療用チューブと隣り合う複数本の医療用チューブ保護具において、患者の皮膚を守り、医療用チューブと他の医療用チューブの接続部の劣化を防ぐ医療用チューブ保護具であり、前記医療用チューブ保護具は、シリコンでできた長方形状で、複数段の結合穴と前記結合穴に結合する複数個の結合突起とが設けられており、複数本の医療用チューブを結合させるものであり、複数本の隣り合う医療用チューブにおいて、一方の医療用チューブに装着された前記医療用チューブ保護具の前記結合突起を他方の医療用チューブ保護具の前記結合穴に選択して結合できるとい効果がある。
又、複数本身体に医療用チューブが取り付けられている場合においてチューブ同士が絡まってしまう又は、何かの拍子で抜去されてしまう状況を軽減できるという効果がある。
更に汚染時や感染症発生時にはシリコンの特性と単純な構造の為、洗濯、乾燥、消毒液に浸けても繰り返し再利用する事ができるという効果がある。被介護者にとっては現状では入浴前や汚染時にチューブの接続部のテープ、ガーゼを剥がし取り、入浴後及び汚染処置後に再びガーゼを巻きテープを貼るという労力と時間をこの発明品によって軽減させる事ができる為、介護労力の削減と共に現状は使い捨てになっているガーゼ、テープ等へのコスト削減効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の医療用チューブ保護具の平面図である。
図2】同上の医療用チューブ保護具を医療用チューブへ装着図である。
図3】同上の医療用チューブ保護具同士の連結図である。
図4】同上の医療用チューブ保護具の使用図である。
図5】同上の医療用チューブ保護具の他の実地例図の平面図である。
図6】同上の医療用チューブ保護具の他の実地例図の平面図である。
図7】同上の医療用チューブ保護具の他の実地例図の平面図である。
図8】従来のガーゼとテープで留めた状態の医療用チューブ図である。
図9】従来のハンカチとテープで留めた医療用チューブ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実地の形態を図1乃至図3に基づいて詳説すると、医療用チューブ保護具1は、長方形の形の中に結合穴2を複数個設ける事で、医療用チューブTの太さ、接続部Sの大きさに問わずに丁度良い位置でこの医療用チューブを医療用保護具1に巻き付けて結合手段で結合させる事で患者の皮膚を守り、接続部Sの劣化を防ぐ事ができる。結合手段は、結合穴2と結合突起3とで構成されている。
【0009】
医療チューブ保護具1は結合突起3、結合穴2を含めシリコン等の比較的柔らかい素材で出来ており、医療用チューブTを医療用保護具1の上に置いて医療用保護具1を丸め、結合突起3を結合穴2に通し留める事で医療用保護具自体1が外れにくい構造になっている。
【0010】
この発明品である医療用チューブ保護具1は隣り合う医療用チューブT同士を連結させる事で医療用チューブT同士の絡まりを防ぐ事や、予期せぬチューブT抜去のリスクを軽減し、複数本ある医療用チューブTをまとめる事ができる構造になっている。
【0011】
この発明品はシリコンに複数個並列に設けられるとともに複数段の結合突起3と結合穴2が形成されている単純な構造の為、低コストで大量生産も可能である。
【0012】
この発明品である医療用チューブ保護具1は要介護者に使用している医療用チューブT太さ、接続部Sの大きさ、医療用チューブTの長短に合わせて、SSサイズ、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ、LLサイズとありニーズに合わせて選択し使用する事ができる。
【0013】
シリコンは、熱に強い、寒さに強い、電気を絶縁する、水をはじく、剥がしやすくなる、泡を消す、化学的に安定させる、そして無色透明、無味無臭という優れた性質を持っている為、長く安全に使用できるという特徴を持っている。
【0014】
この発明品である医療用保護具1は特許請求の範囲内において、シリコン以外の柔らかい素材(EVA樹脂、熱硬化性エラストマー)を使用する事や、本体の厚さ、長さ、大きさや結合突起3の形、大きさ、個数、結合穴2の大きさ、形、個数も含め変更する事も可能である。
【0015】
この発明品である医療用チューブ保護具1は、手術後でせん妄状態の患者や認知症の高齢者が医療用チューブを触り抜去される事例に対し、医療用チューブと足元のベッド柵に対し医療用チューブ保護具1を使用しベッド柵6と共に巻き付けておく事で抜去の可能性を軽減できる。
【0016】
この発明品である医療用保護具1は結合突起3を図5に示すような、三角形状結合突起7や図6に示すような、円弧型結合突起8に変える事で手早く結合穴2に指す事ができる。又、結合穴2の形状を図7に示すような、楕円形結合穴9に変える事でより指し込みやすい構造に変更する事も可能である。又、結合穴2の間隔も図8のように左寄り、右寄りに変化させる事で左右どちらかに圧を変える事ができ、接続部Sのように一か所だけ盛り上りのある箇所に対してより抜けにくくする構造にする事もできる。
【符号の説明】
【0017】
1 医療用チューブ保護具
2 結合穴
3 結合突起
4 隣り合うチューブ連結部
5 接続部の盛り上がり箇所
6 ベッド柵
7 三角形状結合突起
8 円弧型結合突起
9 楕円形結合穴
T 医療用チューブ
S 接続部
【要約】
【課題】
従来までの医療用チューブ保護具はチューブの折れ曲がりを防ぐ為のモノや透析液や輸血を流すチューブ自体だけの保護目的が多く、用途も限定的であ
った為、多種多様に存在する医療用チューブに対しての課題には対応できていない現状があった。
【解決手段】
この発明品である医療用チューブ保護具は、医療用チューブの接続部に巻いて患者の皮膚を守り、接続部の劣化を防ぐ医療用チューブ保護具であり、前記医
療用チューブ保護具は、シリコンでできた長方形に形成することで、課題を解決している。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9