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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】潤滑装置
(51)【国際特許分類】
   B21B 27/10 20060101AFI20230315BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20230315BHJP
   B01F 25/4314 20220101ALI20230315BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20230315BHJP
   B05B 13/02 20060101ALI20230315BHJP
   B21B 45/02 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B21B27/10 B
B01F25/40
B01F25/4314
B05B1/14 Z
B05B13/02
B21B27/10 C
B21B27/10 Z
B21B45/02 310
B21B45/02 320C
B21B45/02 320D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021507600
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2019009033
(87)【国際公開番号】W WO2020036328
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0095521
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ユ、 スク―ジン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、 ワン―キ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 キュン-ソク
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-514686(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1546191(KR,B1)
【文献】特開平03-193128(JP,A)
【文献】実開昭51-130979(JP,U)
【文献】特開平06-190428(JP,A)
【文献】特開昭62-197206(JP,A)
【文献】特開昭63-076714(JP,A)
【文献】特開昭63-077564(JP,A)
【文献】特開昭63-076713(JP,A)
【文献】特開平08-039111(JP,A)
【文献】特開昭53-131257(JP,A)
【文献】特開昭62-269733(JP,A)
【文献】特表2007-508133(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0106585(KR,A)
【文献】米国特許第04202193(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 27/00-35/14
B21B 45/00-45/08
B01F 21/00-25/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともオイルを含む2以上の流体を混合して潤滑液を形成する混合手段と、
上記混合手段で提供された潤滑液を噴射し、噴射対象物の幅方向に移動可能に個別制御される複数個の噴射部材が形成された噴射手段と
を含み、
前記混合手段は、
オイルタンク及び冷却水タンクと連結され、冷却水噴射方向とオイル噴射方向とを交差させて潤滑液を形成する第1混合手段と、
前記第1混合手段と前記噴射手段との間に設置され、潤滑液の経路を変更させる混合誘導部材によって前記第1混合手段により混合された潤滑液を再混合させる第2混合手段と
を含み、
前記第1混合手段は、
内部空間が形成された混合タンクと、
前記混合タンクの内部に配置され、複数個のオイルノズルが形成されたオイルヘッダと、
前記混合タンクの内部に配置され、複数個の冷却水ノズルが形成された冷却水ヘッダと
を備え、
前記オイルノズルのオイル噴射方向と前記冷却水ノズルの冷却水噴射方向とが互いに交差するように設置され、
前記混合タンクの内部空間の上段領域には、交差するように配置された前記オイルヘッダ及び前記冷却水ヘッダが複数個の列をなすように配置される、潤滑装置。
【請求項2】
前記第2混合手段は、
前記第1混合手段と前記噴射手段との間に設置される混合チャンバーと、
前記混合チャンバーの内部に配置され、潤滑油の経路を変更させて潤滑液の再混合を誘導する混合誘導部材と
を含む、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項3】
前記混合誘導部材は、
異なる方向に交差するように設置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するように設置される複数個の誘導ユニットを備え、
前記複数個の誘導ユニットは、
前記混合チャンバーの内部で長さ方向に互いに連結され、連結地点で前記経路可変板の端部が互いに交差するように接合されることを特徴とする、請求項2に記載の潤滑装置。
【請求項4】
前記混合誘導部材は、
異なる方向に配置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するように接合される複数個の誘導ユニットが互いに連結されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の潤滑装置。
【請求項5】
前記誘導ユニットは、
設定された第1方向に配置される第1経路可変板と、
前記第1経路可変板と交差するように第2方向に設置され、前記第1経路可変板と交差点を形成する第2経路可変板と、
前記第1経路可変板と前記第2経路可変板との間を連結するように、前記交差点を中心に対向するように設置される一対の第3経路可変板と
を備える、請求項4に記載の潤滑装置。
【請求項6】
前記第1経路可変板及び前記第2経路可変板は、
半円形の平板部材が径方向の交差点を基準に「X」字型に交差するように設置され、
前記第1経路可変板は上方に円弧面が配置され、前記第2経路可変板は下方に円弧面が配置されることを特徴とする、請求項5に記載の潤滑装置。
【請求項7】
前記第1経路可変板と前記第3経路可変板との間の交差ライン、または前記第2経路可変板と第3経路可変板との間の交差ラインの少なくともいずれか一側の交差ラインには混合誘導穴が形成されることを特徴とする、請求項5に記載の潤滑装置。
【請求項8】
前記噴射手段は、
噴射フレーム上で移動可能に設置され、噴射対象物に潤滑液を噴射する複数個の噴射部材と、
前記複数個の噴射部材にそれぞれ設置され、前記噴射部材を個別に移動させる複数個の噴射駆動部材と
を備える、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項9】
圧延対象物の引出/引込の有無、及び圧延対象物の幅を感知する感知手段と、
前記感知手段により提供された前記圧延対象物の進入時期及び前記圧延対象物の幅によって、少なくとも前記噴射手段の噴射時期及び幅方向の噴射範囲を制御する制御手段と
をさらに含む、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項10】
前記噴射手段は、
中央領域に配置され、前記感知手段が圧延対象物の進入を感知する際、噴射対象物に潤滑液を噴射する第1噴射部材と、
前記第1噴射部材の幅方向の両側に配置され、前記感知手段が設定された幅以下の圧延対象物を感知する際、前記第1噴射部材とともに潤滑液を噴射する第2噴射部材と、
前記第2噴射部材の幅方向の両側に配置され、設定された幅を超える圧延対象物を感知する際、前記第1噴射部材及び前記第2噴射部材とともに潤滑液を噴射する第3噴射部材と
を備える、請求項9に記載の潤滑装置。
【請求項11】
前記第1噴射部材、前記第2噴射部材、前記第3噴射部材は、
それぞれ別途に備えられた前記混合手段と連結され、前記制御手段により個別に制御されることを特徴とする、請求項10に記載の潤滑装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物の欠陥を防止するための潤滑装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述される内容は、単に本発明に対する背景情報を提供するものであって、従来技術を構成するものではないことを明らかにする。
【0003】
一般的に、圧延過程において圧延荷重が高いと、圧延装置の設計寿命及び摩耗によくない影響を及ぼす。
【0004】
圧延荷重を下げるために、圧延中に油と水の潤滑液を噴射してロールと鋼板との間の摩擦力を減らす。
【0005】
そして、表面が敏感であるステンレス鋼材の場合、圧延中にロールと鋼板表面との固着により、表皮層が脱落するスティッキングという表面欠陥が頻繁に発生する問題点がある。
【0006】
したがって、ロールと鋼板表面との垂直荷重を減らして表面欠陥を下げるために油と水の潤滑液を噴射して圧延を行う。
【0007】
潤滑剤を噴射する際、工程条件によって鋼板の幅方向に対応しないと、スリップが発生し、現場ラインが停止して操業中断が発生するおそれがあるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一側面として、圧延中の鋼材表面に発生する欠陥を低減させることができる潤滑装置を提供する。
【0009】
本発明は、一側面として、潤滑液を均一に混合することができる潤滑装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための一側面として、本発明は、少なくともオイルを含む2以上の流体を混合させて潤滑液を形成する混合手段;及び、上記混合手段で提供された潤滑液を噴射して、噴射対象物の幅方向に移動可能に個別制御される複数個の噴射部材が形成された噴射手段;を含む潤滑装置を提供する。
【0011】
好ましくは、混合手段はオイルタンク及び冷却水タンクと連結され、供給されたオイル及び冷却水を混合させて潤滑液を形成する第1混合手段として備えられることができる。
【0012】
好ましくは、第1混合手段と上記噴射手段との間に設置され、潤滑液を再混合させる第2混合手段;をさらに含むことができる。
【0013】
好ましくは、第1混合手段は冷却水噴射方向とオイル噴射方向とを交差させ、冷却水とオイルを混合して潤滑液を形成することができる。
【0014】
好ましくは、第1混合手段は冷却水噴射方向とオイル噴射方向とを交差させ、冷却水とオイルを潤滑液と混合する第1混合方式と、潤滑液の経路を変更させる混合誘導部材によって潤滑液を混合する第2混合方式との組み合わせにより潤滑液を混合することができる。
【0015】
好ましくは、第2混合手段は上記第1混合手段と上記噴射手段との間に設置される混合チャンバー;及び、上記混合チャンバーの内部に配置され、潤滑油の経路を変更させて潤滑液の再混合を誘導する混合誘導部材;を含むことができる。
【0016】
好ましくは、混合誘導部材は異なる方向に交差するように設置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するように設置される複数個の誘導ユニットを備え、上記複数個の誘導ユニットは、上記混合チャンバーの内部で長さ方向に互いに連結され、連結地点で上記経路可変板の端部が互いに交差するように接合されることができる。
【0017】
好ましくは、混合誘導部材は異なる方向に配置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するように接合される複数個の誘導ユニットは互いに連結されることができる。
【0018】
好ましくは、誘導ユニットは設定された第1方向に配置される第1経路可変板;上記第1経路可変板と交差するように第2方向に設置され、上記第1経路可変板と交差点を形成する第2経路可変板;及び、上記第1経路可変板と上記第2経路可変板との間を連結するように上記交差点を中心に対向するように設置される一対の第3経路可変板;を備えることができる。
【0019】
好ましくは、第1経路可変板及び上記第2経路可変板は、半円形の平板部材が径方向の交差点を基準に「X」字型に交差するように設置され、上記第1経路可変板は上方に円弧面が配置され、上記第2経路可変板は下方に円弧面が配置されることができる。
【0020】
好ましくは、第1経路可変板と上記第3経路可変板との間の交差ライン、または上記第2経路可変板と第3経路可変板との間の交差ラインの少なくともいずれか一側の交差ラインには混合誘導穴が形成されることができる。
【0021】
好ましくは、噴射手段は噴射フレーム上で移動可能に設置され、噴射対象物に潤滑液を噴射する複数個の噴射部材;及び、上記複数個の噴射部材にそれぞれ設置され、上記噴射部材を個別に移動させる複数個の噴射駆動部材;を備えることができる。
【0022】
好ましくは、圧延対象物の引出/引込の有無、及び圧延対象物の幅を感知する感知手段;及び、上記感知手段によって提供された上記圧延対象物の進入時期及び上記圧延対象物の幅によって、少なくとも上記噴射手段の噴射時期及び幅方向の噴射範囲を制御する制御手段;をさらに含むことができる。
【0023】
好ましくは、噴射手段は中央領域に配置され、上記感知手段が圧延対象物の進入を感知する際、噴射対象物に潤滑液を噴射する第1噴射部材;上記第1噴射部材の幅方向の両側に配置され、上記感知手段が設定された幅以下の圧延対象物を感知する際、上記第1噴射部材とともに潤滑液を噴射する第2噴射部材;及び、上記第2噴射部材の幅方向の両側に配置され、設定された幅を超える圧延対象物を感知する際、上記第1噴射部材及び上記第2噴射部材とともに潤滑液を噴射する第3噴射部材;を備えることができる。
【0024】
好ましくは、第1噴射部材、上記第2噴射部材、上記第3噴射部材は、それぞれ別途に備えられた上記混合手段と連結され、上記制御手段によって個別に制御することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例によると、圧延中の鋼材表面に発生する欠陥を低減させることができる効果がある。
【0026】
本発明の一実施例によると、潤滑液を均一に混合することができる効果がある。
【0027】
本発明は、熱間圧延工程中の潤滑液(冷却水+圧延油)の噴射時の工程条件による幅方向の混合物の流量制御と、冷却水及び圧延油の均一混合化をなす装置及び方法に関するものであって、熱間圧延中の鋼材表面に発生する欠陥を解決し、圧延荷重を下げる効果を発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の潤滑装置が適用された圧延スタンドを示す図面である。
図2a】本発明の一実施例による潤滑装置を概略的に示す図面である。
図2b】本発明の他の一実施例による潤滑装置を概略的に示す図面である。
図3a】本発明の潤滑装置が圧延対象物の幅を感知して潤滑液を噴射する状態を示す図面である。
図3b】本発明の潤滑装置が圧延対象物の幅を感知して潤滑液を噴射する状態を示す図面である。
図4a】本発明の潤滑装置の第1混合手段の一実施例を示す図面である。
図4b】本発明の潤滑装置の第1混合手段の一実施例を示す図面である。
図5a】本発明の潤滑装置の第2混合手段の一実施例を示す図面である。
図5b図5aの潤滑装置の圧延油及び冷却水の混合概念を示す図面である。
図6a】本発明の潤滑装置の第1噴射モードを示す図面である。
図6b】本発明の潤滑装置の第2噴射モードを示す図面である。
図6c】本発明の潤滑装置の第3噴射モードを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0030】
以下、図面を参照して本発明の一実施例による潤滑装置について具体的に説明する。
【0031】
図1図6cを参照すると、本発明の一実施例による潤滑装置は、混合手段100及び噴射手段200を含み、追加的に感知手段300及び制御手段400を含むことができる。
【0032】
図1図2bを参照すると、潤滑装置は少なくともオイルを含む2以上の流体を混合させて潤滑液を形成する混合手段100と、上記混合手段100で提供された潤滑液を噴射して、噴射対象物Rの幅方向に移動可能に個別制御される複数個の噴射部材230が形成された噴射手段200と、を含むことができる。
【0033】
混合手段100は少なくともオイルを含む2以上の流体を混合させて潤滑液を形成することができる。
【0034】
一例として、混合手段100は圧延油などのオイル及び水を均一に混合することができる。
【0035】
噴射手段200は混合手段100で混合された潤滑液を噴射対象物Rに噴射することができる。
【0036】
このとき、噴射手段200には噴射対象物Rの幅方向に移動可能に個別制御される複数個の噴射部材230が形成され、複数個の噴射部材230の位置が変更されながら噴射対象物Rに均一に潤滑液を噴射することができる。
【0037】
噴射手段200は噴射対象物Rである圧延ロールに潤滑液を噴射し、圧延ロールと鋼板との間の摩擦力を減らし、圧延荷重を下げることができる。
【0038】
混合手段100は圧延油及び水を混合して潤滑液を形成し、上記噴射手段200は、噴射対象物Rである圧延ロールに上記潤滑液を噴射することができる。
【0039】
混合手段100は圧延油及び水を混合して潤滑液を形成し、噴射手段200は噴射対象物Rである圧延ロールに圧延油と水から構成された潤滑液を噴射し、圧延ロールと鋼板との間の摩擦力を減らし、圧延荷重を下げることができる。
【0040】
また、混合手段100はオイル及び水が不均一に混合された状態で噴射した時に発生し得る圧延対象物Sの蛇行や圧延対象物Sの表面欠陥を防止できる効果がある。
【0041】
そして、噴射手段200は圧延対象物Sの幅に合わせて潤滑油を噴射することで、圧延対象物Sの幅に合わせた潤滑油を用いて潤滑油の使用量を削減できる効果がある。
【0042】
潤滑装置の混合手段100は、オイルタンク500及び冷却水タンク600と連結され、供給されたオイル及び冷却水を混合させて潤滑液を形成する第1混合手段101として備えられることができる。
【0043】
潤滑装置は第1混合手段101と上記噴射手段200との間に設置され、潤滑液を再混合させる第2混合手段102をさらに含むことができる。
【0044】
すなわち、混合手段100は、第1混合手段101から構成されるか、第1混合手段101及び第2混合手段102の組み合わせによって構成されることができる。
【0045】
図2a及び図2bを参照すると、混合手段100はオイルタンク500及び冷却水タンク600と連結され、供給されたオイル及び冷却水を混合させて潤滑液を形成する第1混合手段101と、上記第1混合手段101と上記噴射手段200との間に設置され、潤滑液を再混合させる第2混合手段102のうち少なくとも上記第1混合手段101を備えることができる。
【0046】
図2a及び図2bを参照すると、オイルタンク500は、圧延油が供給される貯蔵タンクであり、オイルタンク500と第1混合手段101との間には、オイルの移動経路であるオイル配管P1が形成されることができる。
【0047】
オイル配管P1には、制御弁Vが設置され、オイルタンク500でオイルの移動を調節することができる。
【0048】
冷却水タンク600は冷却水が供給される貯蔵タンクであり、冷却水タンク600と第1混合手段101との間には、冷却水の移動経路である冷却水配管P2が形成されることができる。
【0049】
冷却水配管P2には制御弁Vが設置され、冷却水タンク600で冷却水の移動を調節することができる。
【0050】
潤滑液配管P3は混合手段100から噴射手段200に潤滑液が移動する経路である。
【0051】
潤滑液配管P3には制御弁Vが設置され、混合手段100で噴射手段200方向の潤滑液の移動を調節することができる。
【0052】
もちろん、潤滑液配管P3は第1混合手段101と第2混合手段102との間、及び第2混合手段102と噴射手段200との間に設置されることができる。
【0053】
一例として、図2a及び図2bを参照すると、混合手段100はオイルタンク500及び冷却水タンク600と連結され、供給されたオイル及び冷却水を混合させて潤滑液を形成する第1混合手段101と、上記第1混合手段101と上記噴射手段200との間に設置され、潤滑液を再混合させる第2混合手段102と、を備えることができる。
【0054】
第1混合手段101は、オイルタンク500及び冷却水タンク600と連結され、供給されたオイル及び冷却水を混合させて潤滑液を形成することができる。
【0055】
第1混合手段101は、オイルタンク500からオイル配管P1を介して混合タンク110に供給されたオイルと、冷却水タンク600から冷却水配管P2を介して混合タンク110に供給された冷却水とを交差させることにより、混合させて潤滑液を形成することができる。
【0056】
しかし、第1混合手段101によってオイル及び冷却水が混合された潤滑液が噴射対象物Rに噴射される前に潤滑液のオイルの一部が分離される可能性がある。
【0057】
したがって、第1混合手段101により混合された潤滑液を噴射対象物Rに噴射する前に、第2混合手段102により潤滑液を再混合することで、潤滑液を効果的に混合することができる。
【0058】
第2混合手段102は、第1混合手段101と上記噴射手段200との間に設置され、上記第1混合手段101により混合された潤滑液を再混合させることができる。
【0059】
一例として、第2混合手段102は、混合誘導部材170によって潤滑液の経路が様々な方向に変更されるように誘導し、潤滑液を微細化して潤滑液を再混合させることができる。
【0060】
図4aを参照すると、第1混合手段101は、冷却水噴射方向とオイル噴射方向とを交差させ、冷却水及びオイルを混合して潤滑液を形成することができる。
【0061】
すなわち、第1混合手段101には、冷却水噴射方向とオイル噴射方向とを交差させ、冷却水及びオイルを潤滑液として混合する第1混合方式が適用されることができる。
【0062】
図4a及び図4bを参照すると、第1混合手段101は、混合タンク110、オイルヘッダ120、及び冷却水ヘッダ130を備えることができる。
【0063】
第1混合手段101は、内部空間が形成された混合タンク110と、混合タンク110の内部に配置され、複数個のオイルノズル121が形成されたオイルヘッダ120と、混合タンク110の内部に配置され、複数個の冷却水ノズル131が形成された冷却水ヘッダ130と、を備え、上記オイルノズル121のオイル噴射方向と、上記冷却水ノズル131の冷却水噴射方向とは互いに交差するように設置されることができる。
【0064】
一例として、混合タンク110の内部空間の上段領域には、交差するように配置されたオイルヘッダ120及び冷却水ヘッダ130が複数個の列をなすように配置されることができる。
【0065】
もちろん、混合タンク110の内部空間の上段領域には、交差するように配置されたオイルヘッダ120及び冷却水ヘッダ130が一つだけ配置されることができる。
【0066】
図2a及び図4aを参照すると、オイルはオイルタンク500からオイル配管P1を介して混合タンク110の内部に供給され、オイル配管P1に連結されたオイルヘッダ120に形成された複数個のオイルノズル121を介してオイルが噴射されることができる。
【0067】
冷却水は冷却水タンク600から冷却水配管P2を介して混合タンク110の内部に供給され、冷却水配管P2に連結された冷却水ヘッダ130に連結された複数個の冷却水ノズル131を介して冷却水が噴射されることができる。
【0068】
このとき、オイルノズル121及び冷却水ノズル131はそれぞれに対応する数が設置され、オイルノズル121及び冷却水ノズル131は、互いに交差するように設置される。そして、噴射されたオイル及び冷却水が交差しながら、混合されて潤滑液が形成されることができる。
【0069】
一例として、冷却水ノズル131は混合タンク110から下方に冷却水を噴射し、オイルノズル121は冷却水と交差するように横方向にオイルを噴射することができる。
【0070】
具体的に冷却水ノズル131の冷却水噴射方向と、オイルノズル121のオイル噴射方向とは垂直に交差するように構成されることができる。
【0071】
このとき、冷却水の流量がオイルの流量に比べて非常に多いため、冷却水及びオイルが混合された潤滑液の噴射方向は、冷却水噴射方向に収束することができる。
【0072】
冷却水と圧延油の流量比は、約400:1程度の比率から構成されることができる。
【0073】
したがって、噴射される圧延油などのオイルに多量の冷却水を高速で噴射して冷却水の噴射圧力により圧延油が冷却水と均一に混合されるように誘導することができる。
【0074】
混合タンク110には、オイル配管P1または冷却水配管P2が引き込まれる引込口、潤滑液が引き出される引出口が形成されることができる。
【0075】
図4bを参照すると、第1混合手段101は冷却水噴射方向及びオイル噴射方向を交差させて冷却水及びオイルを潤滑液として混合する第1混合方式と、潤滑液の経路を変更させる混合誘導部材170によって潤滑液を混合する第2混合方式の組み合わせにより潤滑液を混合することができる。
【0076】
第1混合手段101は、混合タンク110の内部において、第1混合方式と第2混合方式が同時に適用されることができる。
【0077】
一例として、第1混合手段101は、冷却水噴射方向及びオイル噴射方向を交差させ、冷却水及びオイルを混合して潤滑液を1次的に混合し、潤滑液の経路を変更させて混合を誘導する混合誘導部材170により2次的に潤滑液を混合して均一な混合を誘導することができる。
【0078】
図4bを参照すると、第1混合手段101は混合タンク110、オイルヘッダ120、冷却水ヘッダ130、及び混合誘導部材170を備えることができる。
【0079】
混合タンク110の内部の高さ方向の上側領域に冷却水噴射方向及びオイル噴射方向を交差させ、冷却水及びオイルを混合して潤滑液を混合する第1混合方式が適用されることができる。
【0080】
その後、混合タンク110の内部の高さ方向の中央領域に潤滑液の経路を変更させる混合誘導部材170によって潤滑液を混合する第2混合方式が適用されることができる。
【0081】
図4bを参照すると、第1混合手段101の第1混合方式は、内部空間が形成された混合タンク110と、混合タンク110の内部に配置され、複数個のオイルノズル121が形成されたオイルヘッダ120と、混合タンク110の内部に配置され、複数個の冷却水ノズル131が形成された冷却水ヘッダ130と、を備え、上記オイルノズル121のオイル噴射方向と、上記冷却水ノズル131の冷却水噴射方向は互いに交差して潤滑液が混合されることができる。
【0082】
第1混合手段101の第2混合方式は、潤滑液の経路を変更させる混合誘導部材170によって潤滑液を混合することができる。
【0083】
一例として、混合誘導部材170は、異なる方向に配置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するよう接合される複数個の誘導ユニット170Uが互いに連結され、潤滑液の移動過程での潤滑液の経路を多様に変更しながら潤滑液が混合されることができる。
【0084】
第1混合手段101の第2混合方式は、混合誘導部材170によって達成することができ、図5aに示された混合誘導部材170の構成が適用されることはもちろんである。
【0085】
そして、混合誘導部材170に関する追加的な実施例と関連した内容は後述する。
【0086】
タンク本体の内部には、横方向に設置される隔壁111が形成され、隔壁111を境界として第1混合方式が適用される領域と、第2混合方式が適用される領域が区分されることができる。
【0087】
このとき、冷却水及びオイルの潤滑液は、第1混合方式が適用される領域と、第2混合方式が適用される領域に沿って順に移動しながら均一に混合されることができる。
【0088】
第1混合方式が適用される領域と第2混合方式が適用される領域に移動する部分では、隔壁111の少なくとも一部が除去され、その部分を介して潤滑液が移動することができる。
【0089】
第2混合方式が2回以上適用される場合、2つの第2混合方式の適用領域の間にも横方向に隔壁111が形成され得ることは言うまでもない。
【0090】
このとき、2つの第2混合方式が適用される領域間を移動する部分では、隔壁111の少なくとも一部が除去され、その部分を介して潤滑液が移動することができる。
【0091】
図5a及び図5bを参照すると、第2混合手段102は、上記第1混合手段101と上記噴射手段200との間に設置される混合チャンバー150、及び上記混合チャンバー150の内部に配置され、混合チャンバー150の内部に引き込まれた潤滑油の経路を変更させて潤滑液の再混合を誘導する混合誘導部材170を含むことができる。
【0092】
図5aを参照すると、混合誘導部材170は、異なる方向に交差するように設置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するように設置される複数個の誘導ユニット170Uを備え、上記複数個の誘導ユニット170Uは、上記混合チャンバー150の内部で長さ方向に互いに連結され、連結地点179で上記経路可変板の端部が互いに交差するように接合されることができる。
【0093】
そして、それぞれの誘導ユニット170Uは、2つ以上の経路可変板が交差するように設置され、潤滑液の分岐方向が多方向に分岐することができ、潤滑液が均一に混合することができる。
【0094】
図5aを参照すると、複数個の誘導ユニット170Uは、上記混合チャンバー150の長さ方向に互いに連結され、連結地点179を形成する隣接した誘導ユニット170Uの経路可変板の端部が互いに交差するように接合されることができる。
【0095】
図5bを参照すると、混合誘導部材170は、異なる方向に配置される少なくとも2以上の経路可変板が交差するように接合される複数個の誘導ユニット170Uが互いに連結されることができる。
【0096】
経路可変板は耐食性が大きいステンレス鋼板などの金属板から構成されることができる。
【0097】
経路可変板は板の面を境界として両側に移動する潤滑液を分岐させることができる。
【0098】
すなわち、経路可変板は板の面を境界として上下方向または左右方向に潤滑液を分岐させてオイル及び冷却水が均一に混合されるように誘導することができる。
【0099】
図5bを参照すると、それぞれの誘導ユニット170Uは、2つ以上の経路可変板が交差するように設置され、潤滑液の分岐方向が多方向に分岐することができ、潤滑液が微細化されて均一に混合することができる。
【0100】
複数個の連結ユニットは連結地点179を形成しながら連結されるが、隣接した2つの誘導ユニット170Uの経路可変板が連結地点179で交差するように設置され、潤滑液の分岐方向が多方向に分岐することができ、潤滑液が均一に混合することができる。
【0101】
好ましくは、連結地点179を形成する隣接した誘導ユニット170Uの経路可変板が互いに垂直に交差するように接合されることができる。
【0102】
一例として、複数個の誘導ユニット170Uは長さ方向に連結され、流体の移動経路上で潤滑油などの流体の混合を誘導することができる。
【0103】
図5aを参照すると、誘導ユニット170Uは設定された第1方向に配置される第1経路可変板171と、上記第1経路可変板171と交差するように第2方向に設置され、上記第1経路可変板171と交差点178を形成する第2経路可変板173と、上記第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を連結するように上記交差点178を中心に対向するように設置される一対の第3経路可変板175と、を備えることができる。
【0104】
第3経路可変板175は、第1経路可変板171と上記第2経路可変板173とにそれぞれ交差するように設置され、上記第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を塞ぐように連結して移動する流体の経路を様々な方向に変更可能にさせて潤滑液を混合することができる。
【0105】
一対の第3経路可変板175は、上記交差点178を中心に対向するように設置され、上記第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を塞いで連結することができる。
【0106】
一対の第3経路可変板175は、交差点178を中心に対向するように2つ設置されることができる。
【0107】
第3経路可変板175は、交差点178で上記第1経路可変板171と上記第2経路可変板173の径方向の端部まで延長形成される三角形状の板から構成され、第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を塞いで連結することができる。
【0108】
図5aを参照すると、第1経路可変板171及び上記第2経路可変板173は、半円形の平板部材が径方向の交差点178を基準に「X」字型に交差するように設置され、上記第1経路可変板171は上方に円弧面が配置され、上記第2経路可変板173は下方に円弧面が配置されることができる。
【0109】
第1経路可変板171及び上記第2経路可変板173は、半円形の平板部材から構成されることにより、混合チャンバー150の内壁と半円形の平板部材の円弧との間に離隔空間が形成されることができ、離隔空間を介して潤滑液が移動することができる。
【0110】
第1経路可変板171及び上記第2経路可変板173は、平板部材の厚さ方向に交差するように結合され、平面上で「X」字型に交差されて交差点178を形成することができる。
【0111】
このとき、第3経路可変板175は、平面上で「X」字型の交差空間に沿って上記第1経路可変板171及び上記第2経路可変板173を連結するように設置される平板部材で形成されることができる。
【0112】
一例として、第3経路可変板175は、交差点178で上記第1経路可変板171及び上記第2経路可変板173の径方向の端部まで延長形成される三角形状の板から構成され、第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を塞いで連結することができる。
【0113】
図5aを参照すると、第1経路可変板171と上記第3経路可変板175との間の交差ライン、または上記第2経路可変板173と第3経路可変板175との間の交差ラインの少なくともいずれか一側の交差ラインには、混合誘導穴177が形成されることができる。
【0114】
第3経路可変板175は、第1経路可変板171と上記第2経路可変板173とにそれぞれ交差するように設置され、上記第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を塞ぐように連結して移動する流体の経路を様々な方向に変更可能にさせて潤滑液を混合することができる。
【0115】
隣接した経路可変板が連結される部分である交差ライン上に混合誘導穴177が形成され得ることはもちろんである。
【0116】
オイル及び冷却水が混合された潤滑液は、狭い通路の混合誘導穴177を潤滑液が通過することにより、再び均一に混合されることができる。
【0117】
図示されていないが、第1経路可変板171、第2経路可変板173、及び第3経路可変板175上には、潤滑液が流動可能な混合誘導穴177が形成されることができる。
【0118】
そして、隣接した経路可変板が連結される部分である交差ライン、第1経路可変板171、第2経路可変板173、及び第3経路可変板175上には、それぞれ潤滑液が流動可能な混合誘導穴177が形成され得ることはもちろんである。
【0119】
一対の第3経路可変板175は、上記交差点178を中心に対向するように設置され、上記第1経路可変板171と上記第2経路可変板173との間を塞いで連結することができる。
【0120】
もちろん、第3経路可変板175は、第1経路可変板171と第2経路可変板173との間を塞ぐように連結されるが、経路可変板または経路可変板が交差する交差ライン上には、流体が貫通する混合誘導穴177が形成されることができる。
【0121】
第3経路可変板175と第1経路可変板171との間の交差ライン、または第3経路可変板175と第2経路可変板173との間の交差ラインの少なくともいずれか一側の交差ラインには、混合誘導穴177が形成されることができる。
【0122】
このとき、混合誘導穴177は、第3経路可変板175と第1経路可変板171との間の交差ラインに沿って形成されるか、第3経路可変板175と第2経路可変板173との間の交差ラインに沿って形成されることができる。
【0123】
図6a~図6cを参照すると、噴射手段200は、噴射フレーム210上で移動可能に設置され、噴射対象物Rに潤滑液を噴射する複数個の噴射部材230と、上記複数個の噴射部材230にそれぞれ設置され、上記噴射部材230を個別に移動させる複数個の噴射駆動部材270と、を備えることができる。
【0124】
噴射部材230は、噴射対象物Rの幅方向に延長形成される噴射フレーム210上に離隔して複数個が設置されることができる。
【0125】
噴射部材230は、噴射フレーム210上で移動可能に設置され、噴射対象物Rに潤滑液を噴射することができる。
【0126】
噴射駆動部材270は、噴射対象物Rの幅方向に延長形成される駆動フレーム250上に離隔して複数個が形成され、それぞれの噴射部材230を個別に移動させることができる。
【0127】
噴射手段200は、噴射フレーム210、噴射部材230、駆動フレーム250、及び噴射駆動部材270を備えることができる。
【0128】
噴射フレーム210及び上記駆動フレーム250は、高さ方向に平行に離隔設置されることができる。
【0129】
噴射部材230の一側には、潤滑液が噴射されるノズル部材231が形成され、他側にはラックギア233が形成されることができる。
【0130】
噴射駆動部材270は、駆動フレーム250上に離隔して設けられた複数個の駆動モータ271と、それぞれの駆動モータ271に設置されて回転駆動し、噴射部材230のラックギア233と噛合されるピニオンギア273と、を備えることができる。
【0131】
噴射部材230に形成されるラックギア233が噴射駆動部材270のピニオンギア273に噛合され、噴射駆動部材270の駆動モータ271によりピニオンギア273が回転されてラックギア233を移動させることによって噴射部材230が噴射対象物Rの幅方向に移動することができる。
【0132】
図1図2bを参照すると、潤滑装置は圧延対象物Sの引出/引込の有無、及び圧延対象物Sの幅を感知する感知手段300と、上記感知手段300によって提供された上記圧延物Sの進入時期、上記圧延対象物Sの幅によって、少なくとも上記噴射手段200の噴射時期、及び幅方向の噴射範囲を制御する制御手段400と、をさらに含むことができる。
【0133】
図1を参照すると、感知手段300は圧延対象物Sの移動経路上で圧延スタンドTの前に設置されることができる。
【0134】
また、感知手段300は圧延対象物Sの移動経路上で圧延スタンドTの前及び後に設置されることができる。
【0135】
図3aおよび図3を参照すると、感知手段300は移送される圧延対象物Sの幅方向に複数個の感知センサーが離隔して設置されることができ、感知センサーはレーザーセンサーから構成されることができる。
【0136】
感知手段300は圧延対象物Sの移送方向上で圧延スタンドTの前に設置されて圧延スタンドTに引出/引込される圧延対象物Sを感知することができる。
【0137】
また、感知手段300は、圧延スタンドTの後に設置されて引き出される圧延対象物Sを感知することができる。
【0138】
感知手段300は離隔して設置された複数個の感知センサーが圧延対象物Sを感知する数に応じて圧延対象物Sの幅を感知することができる。
【0139】
一例として、図面を参照すると、5つの感知センサーが幅方向に離隔して設置されることができる。
【0140】
広幅の圧延対象物Sが進入する際、5つの感知センサーが圧延対象物Sを感知して広幅の圧延対象物Sを感知することができる。
【0141】
狭幅の圧延対象物Sが進入する際、中央領域に3つの感知センサーが狭幅の圧延対象物Sを感知することができる。
【0142】
制御手段400は感知手段300によって提供された上記圧延対象物Sの進入時期及び上記圧延対象物Sの幅によって、噴射手段200の噴射時期、混合物の噴射量、及び混合物の幅方向の噴射範囲を制御することができる。
【0143】
制御手段400は感知手段300で感知した圧延対象物Sの情報により、複数個の噴射部材230の作動の有無、及び複数個の噴射部材230の位置を制御することができる。
【0144】
図6a~図6cを参照すると、噴射手段200は中央領域に配置され、上記感知手段300が圧延対象物Sの進入を感知する際、噴射対象物Rに潤滑液を噴射する第1噴射部材230-1と、上記第1噴射部材230-1の幅方向の両側に配置され、上記感知手段300が設定された幅以下の圧延対象物Sを感知する際、上記第1噴射部材230-1とともに潤滑液を噴射する第2噴射部材230-2と、上記第2噴射部材230-2の幅方向の両側に配置され、設定された幅を超える圧延対象物Sを感知する際、上記第1噴射部材230-1及び上記第2噴射部材230-2とともに潤滑液を噴射する第3噴射部材230-3と、を備えることができる。
【0145】
第1噴射部材230-1、第2噴射部材230-2、第3噴射部材230-3には、それぞれ噴射駆動部材270が設置され、制御手段400により個別制御されて圧延対象物Sの幅方向に移動することができる。
【0146】
これにより、第1噴射部材230-1、第2噴射部材230-2、第3噴射部材230-3は、圧延対象物Sの幅に合わせて噴射フレーム210上で位置が調節されることができる。
【0147】
第1噴射部材230-1は噴射フレーム210の中央領域に配置されることができ、少なくとも一つ以上の噴射部材230が設置されることができる。
【0148】
第2噴射部材230-2は、第1噴射部材230-1の設置領域から外れた両側面の部分に配置されることができ、第2噴射部材230-2は、第1噴射部材230-1の一側面に少なくとも一つ以上の噴射部材230が設置されることができる。
【0149】
第2噴射部材230-2は、第1噴射部材230-1を間に挟んで対称となる形態と位置に配置された状態で潤滑液を噴射することができる。
【0150】
第3噴射部材230-3は、第2噴射部材230-2の設置領域から外れた両側面の部分に配置されることができ、第3噴射部材230-3は、第3噴射部材230-3の一側面に少なくとも一つ以上の噴射部材230が設置されることができる。
【0151】
一例として、噴射手段200は2つの第1噴射部材230-1、2つの第2噴射部材230-2、2つの第3噴射部材230-3を含むことができる。
【0152】
一例として、第1噴射部材230-1は噴射フレーム210の中央領域に2つが配置されることができ、2つの第1噴射部材230-1の両側にそれぞれ一つの第2噴射部材230-2が配置され、第2噴射部材230-2の両側にそれぞれ一つの第3噴射部材230-3が配置されることができる。
【0153】
制御手段400は、上記感知手段300によって圧延対象物Sの進入を感知する際、上記第1噴射部材230-1が潤滑液を噴射する第1噴射モードM1と、上記感知手段300が設定された幅以下の圧延対象物Sを感知する際、上記第1噴射部材230-1及び上記第2噴射部材230-2が一緒に潤滑液を噴射する第2噴射モードM2と、上記感知手段300に設定された幅を超える圧延対象物Sを感知する際、上記第1噴射部材230-1、上記第2噴射部材230-2、及び第3噴射部材230-3が一緒に潤滑液を噴射する第3噴射モードM3を備えることができる。
【0154】
第1噴射モードM1において、感知手段300が複数個の圧延スタンドTを含む圧延設備で圧延対象物Sの進入時期を感知する場合、第1噴射部材230-1が噴射対象物Rである圧延ロールの中央領域に潤滑油を噴射して圧延対象物Sである鋼板などを圧延することができる。
【0155】
一例として、第1噴射モードM1では、第1-1混合手段101-1、第2-1混合手段102-1が作動し、第1噴射部材230-1が制御手段400により制御されて圧延対象物Sに潤滑液を噴射することができる。
【0156】
このように噴射対象物Rである圧延ロールの中央領域のみに潤滑油を噴射する理由は、圧延対象物Sの引出/引込時、潤滑油を噴射対象物Rである圧延ロール全体に噴射する場合には、圧延対象物Sの蛇行またはスリップによって操業ラインが停止し、操業中断が発生するなどの問題点があるためである。
【0157】
もちろん、感知手段300は、複数個の圧延スタンドTを含む圧延設備で圧延対象物Sが引き出される時期を感知するように構成されることができる。
【0158】
第2噴射モードM2において、感知手段300が設定された幅以下の圧延対象物Sを感知する際、上記第1噴射部材230-1及び上記第2噴射部材230-2が一緒に潤滑液を噴射して圧延設備が圧延対象物Sを圧延することができる。
【0159】
一例として、第2噴射モードM2では、第1-1混合手段101-1、第2-1混合手段102-1、第1-2混合手段101-2、及び第2-2混合手段102-2が作動し、第1噴射部材230-1及び第2噴射部材230-2が制御手段400によって制御され、圧延対象物Sに潤滑液を噴射することができる。
【0160】
第3噴射モードM3において、感知手段300に設定された幅を超える圧延対象物Sを感知する際、上記第1噴射部材230-1、上記第2噴射部材230-2、及び第3噴射部材230-3が一緒に潤滑液を噴射することができる。
【0161】
一例として、第3噴射モードM3では、第1-1混合手段101-1、第2-1混合手段102-1、第1-2混合手段101-2、第2-2混合手段102-2、第1-3混合手段101-3、及び第2-3混合手段102-3が作動し、第1噴射部材230-1、第2噴射部材230-2、及び第3噴射部材230-3が制御手段400によって制御され、圧延対象物Sに潤滑液を噴射することができる。
【0162】
図6b及び図6cを参照すると、第2噴射モードM2と第3噴射モードM3では鋼板などの圧延対象物Sの幅によって、第2噴射部材230-2と第3噴射部材230-3の幅方向の位置が調節されることができる。
【0163】
このように本発明の潤滑装置は制御手段400によって第1噴射モードM1で圧延対象物Sに潤滑油を噴射することができ、鋼板などの圧延対象物Sと圧延ロールなどの噴射対象物Rの表面固着によって圧延対象物Sの表皮層が脱落する表面欠陥の発生を防止することができ、圧延荷重の上昇による圧延ロール及びベアリングなどの圧延設備の寿命短縮を防止することができる効果がある。
【0164】
このように本発明の潤滑装置は制御手段400によって第1噴射モードM1で圧延対象物Sに潤滑油を噴射することができ、潤滑油を噴射対象物Rの圧延ロール全体に噴射する場合に発生し得る圧延対象物Sの蛇行またはスリップによる操業ラインの停止を防止することができる。
【0165】
このように本発明の潤滑装置は制御手段400によって第2噴射モードM2、第3噴射モードM3に調節され、圧延対象物Sに潤滑油を噴射することで圧延対象物Sの幅に合わせて潤滑油を用いて潤滑油の使用量を削減することができる効果がある。
【0166】
2aを参照すると、上記第1噴射部材230-1、上記第2噴射部材230-2、上記第3噴射部材230-3は、それぞれ別途に備えられた上記混合手段100と連結され、上記制御手段400によって個別に制御することができる。
【0167】
2aを参照すると、第1噴射部材230-1、上記第2噴射部材230-2、上記第3噴射部材230-3は、それぞれ別途に備えられた第1混合手段101、第2混合手段102と連結されることができ、制御手段400によって個別に制御することができる。
【0168】
一例として、第1噴射部材230-1は第1-1混合手段101-1、第2-1混合手段102-1と連結され、第2噴射部材230-2は第1-2混合手段101-2、第2-2混合手段102-2と連結され、第3噴射部材230-3は第1-3混合手段101-3、第2-3混合手段102-3と連結されることができる。
【0169】
第1噴射部材230-1は第1-1混合手段101-1、第2-1混合手段102-1は制御手段400によって互いに連動して制御され、第2噴射部材230-2は第2-1混合手段102-1、第2-2混合手段102-2は制御手段400によって互いに連動して制御され、第3噴射部材230-3は第1-3混合手段101-3、第2-3混合手段102-3は制御手段400によって互いに連動して制御されることができる。
【0170】
2aを参照すると、第1混合手段101は第1噴射部材230-1と連結される第1-1混合手段101-1と、第2噴射部材230-2と連結される第1-2混合手段101-2と、上記第3噴射部材230-3と連結される第1-3混合手段101-3と、を備えることができる。
【0171】
第1-1混合手段101-1、第1-2混合手段101-2、第1-3混合手段101-3は、それぞれオイルタンク500と冷却水タンク600と連結されてオイル及び冷却水を供給することができ、供給されたオイル及び冷却水を混合させて潤滑液を形成することができる。
【0172】
第1-1混合手段101-1及び第1噴射部材230-1は、フレキシブル管などから構成された潤滑液配管P3を媒介として連結され、第1-1混合手段101-1と第1噴射部材230-1との間には、第2-1混合手段102-1が設置されることができる。
【0173】
第1-2混合手段101-2及び第2噴射部材230-2は、フレキシブル管などから構成された潤滑液配管P3を媒介として連結され、第1-2混合手段101-2と第2噴射部材230-2との間には、第2-2混合手段102-2が設置されることができる。
【0174】
第1-3混合手段101-3及び第3噴射部材230-3は、フレキシブル管などから構成された潤滑液配管P3を媒介として連結され、第1-3混合手段101-3と第3噴射部材230-3との間には、第2-3混合手段102-3が設置されることができる。
【0175】
図2bを参照すると、第1噴射部材230-1、上記第2噴射部材230-2、上記第3噴射部材230-3は、一つの第1混合手段101に連結されることができる。
【0176】
第1噴射部材230-1、上記第2噴射部材230-2、上記第3噴射部材230-3は、それぞれ個別に備えられた第2混合手段102と連結することができ、制御手段400によって個別に制御することができる。
【0177】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0178】
100 混合手段
101 第1混合手段
101-1 第1-1混合手段
101-2 第1-2混合手段
101-3 第1-3混合手段
102 第2混合手段
102-1 第2-1混合手段
102-2 第2-2混合手段
102-3 第2-3混合手段
110 混合タンク
111 隔壁
120 オイルヘッダ
121 オイルノズル
130 冷却水ヘッダ
131 冷却水ノズル
150 混合チャンバー
170 混合誘導部材
170U 誘導ユニット
171 第1経路可変板
173 第2経路可変板
175 第3経路可変板
177 混合誘導穴
178 交差点
179 連結地点
200 噴射手段
210 噴射フレーム
230 噴射部材
230-1 第1噴射部材
230-2 第2噴射部材
230-3 第3噴射部材
231 ノズル部材
233 ラックギア
250 駆動フレーム
270 噴射駆動部材
271 駆動モータ
273 ピニオンギア
300 感知手段
310 感知センサー
400 制御手段
500 オイルタンク
600 冷却水タンク
M1 第1噴射モード
M2 第2噴射モード
M3 第3噴射モード
P1 オイル配管
P2 冷却水配管
P3 潤滑液配管
R 噴射対象物
S 圧延対象物
T 圧延スタンド
V 制御弁
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c