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特許7244906回転駆動装置、およびそれを備える回転操作棒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】回転駆動装置、およびそれを備える回転操作棒
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
H02G1/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019044547
(22)【出願日】2019-03-12
(65)【公開番号】P2020150620
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000207311
【氏名又は名称】大東電材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】龍 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】柳原 正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信也
(72)【発明者】
【氏名】小畑 昇一
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104577623(CN,A)
【文献】特開2005-261107(JP,A)
【文献】特開2015-112687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部が回転操作棒の回転ハンドル取付穴に取り付けられる回転軸と、
前記回転軸を電動で回転駆動させる電動駆動部と、
前記回転軸に対してオフセットされた手動ハンドルとを備えており、
前記手動ハンドルには、前記電動駆動部で前記回転軸を回転駆動させる際に前記回転操作棒に係合させて前記手動ハンドルが共回りするのを防止する、前記回転操作棒に係脱可能な反力保持部が設けられている
回転駆動装置。
【請求項2】
前記手動ハンドルは前記回転軸の中心軸に対して起倒可能になっており、
前記手動ハンドルが一方の状態にあるとき、前記反力保持部が前記回転操作棒に係合しており、
前記手動ハンドルが他方の状態にあるとき、前記反力保持部は前記回転操作棒から離間しており、かつ、前記手動ハンドルを用いて前記回転軸を回転駆動させることができることを特徴とする
請求項に記載の回転駆動装置。
【請求項3】
前記反力保持部を前記回転操作棒から離間させた状態において、前記電動駆動部が回転しないようにする軸ロック機構をさらに備えている
請求項1または2に記載の回転駆動装置。
【請求項4】
前記電動駆動部は、前記回転軸を正転あるいは逆転させることができるようになっている
請求項1からのいずれか1項に記載の回転駆動装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の回転駆動装置を備える
回転操作棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電線工事において、例えば、架空電線の被覆を剥いだり、絶縁テープを巻いたりする作業に使用される回転操作棒に取り付けて使用される回転駆動装置、およびそれを備える回転操作棒に関する。
【背景技術】
【0002】
架空電線(以下、単に「電線」という。)を切断して分岐させたり、電線同士を互いに接続させるために電線被覆を剥いだりする、いわゆる配電線工事において、絶縁棒を使用して充電部に直接触れることなく間接的に当該工事を行う技術が普及している。
【0003】
そのような工事において、電線の被覆を剥いだり、絶縁テープを巻いたりする作業に回転操作棒が使用されている。
【0004】
従来は、この回転操作棒に取り付けた回転ハンドルを手動で回していたが、省力化のために当該回転ハンドルに代えて電動ドライバーを回転操作棒に取り付けて回す作業も行われている。
【0005】
一般に、上記電動ドライバーとしてはガンタイプのものが使用される。このため、ガンタイプの電動ドライバーで回転操作棒を回そうとしたとき、当該回転操作棒が回転反力を受けて作業者の手が強く振られてしまうことがあった。
【0006】
さらに言えば、ガンタイプの電動ドライバーを回転操作棒に取り付けたり、取り外したりする作業は不便であり、かつ、手元が狂って電動ドライバー等を落下させてしまうおそれもあった。
【0007】
このような問題に対応するため、例えば、特許文献1に開示されている遠隔絶縁回転操作具のように、回転操作棒に回転させるための駆動部を内蔵させて操作ボタンを設ける等したものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2012-175815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されているような回転操作具に買い換えると、従前より保有している手動式の回転操作棒が無駄になってしまうおそれがあることから、コスト面で問題があった。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従前より保有している手動式の回転操作棒に後付けして、電動あるいは手動の回転操作棒として使用することのできる回転駆動装置、およびそれを備える回転操作棒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、
先端部が回転操作棒の回転ハンドル取付穴に取り付けられる回転軸と、
前記回転軸を電動で回転駆動させる電動駆動部と、
前記回転軸に対してオフセットされた手動ハンドルとを備えており、
前記手動ハンドルには、前記電動駆動部で前記回転軸を回転駆動させる際に前記回転操作棒に係合させて前記手動ハンドルが共回りするのを防止する、前記回転操作棒に係脱可能な反力保持部が設けられている
回転駆動装置が提供される。
【0013】
好適には、前記手動ハンドルは前記回転軸の中心軸に対して起倒可能になっており、前記手動ハンドルが一方の状態にあるとき、前記反力保持部が前記回転操作棒に係合しており、前記手動ハンドルが他方の状態にあるとき、前記反力保持部は前記回転操作棒から離間しており、かつ、前記手動ハンドルを用いて前記回転軸を回転駆動させることができる。
【0014】
好適には、前記反力保持部を前記回転操作棒から離間させた状態において、前記電動駆動部が回転しないようにする軸ロック機構を備えている。
【0015】
好適には、前記電動駆動部は、前記回転軸を正転あるいは逆転させることができるようになっている。
【0016】
本発明の他の局面によれば、
上記回転駆動装置を備える回転操作棒が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従前より保有している手動式の回転操作棒に後付けして、電動あるいは手動の回転操作棒として使用することのできる回転駆動装置、およびそれを備える回転操作棒を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明が適用された第1実施形態に係る回転駆動装置10を示す斜視図である。
図2】本発明が適用された第1実施形態に係る回転駆動装置10を示す正面図である。
図3】本発明が適用された第1実施形態に係る回転駆動装置10を示す一部断面図である。
図4】回転操作棒100の一例を示す正面図である。
図5】本発明が適用された第1実施形態に係る回転駆動装置10の、反力保持部64を引いた状態を示す斜視図である。
図6】本発明が適用された第1実施形態に係る回転駆動装置10の、反力保持部64を引いた状態を示す正面図である。
図7】第1実施形態に係る回転駆動装置10を回転操作棒100に取り付け、反力保持部64も回転操作棒100に係合させた状態を示す正面図である。
図8】第1実施形態に係る回転駆動装置10を回転操作棒100に取り付け、反力保持部64を回転操作棒100から離間させた状態を示す正面図である。
図9】本発明が適用された第2実施形態に係る回転駆動装置10を示す斜視図である。
図10】第2実施形態に係る回転駆動装置10を回転操作棒100に取り付け、反力保持部64も回転操作棒100に係合させた状態を示す正面図である。
図11】本発明が適用された第2実施形態に係る回転駆動装置10の、反力保持部64を回転操作棒100から離間させる位置にした状態を示す斜視図である。
図12】第2実施形態に係る回転駆動装置10を回転操作棒100に取り付け、反力保持部64を回転操作棒100から離間させた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態に係る回転駆動装置10の構成)
図1から図3は、本発明が適用された第1実施形態に係る回転駆動装置10を示す。この回転駆動装置10は、大略、本体部11と、回転軸12と、電動駆動部14と、手動ハンドル16とを備えている。
【0020】
本体部11は、回転軸12の一部および電動駆動部14を収容する駆動部ケース50と、当該駆動部ケース50の側面から突出するように形成されたグリップ部52とで一体的に形成されている。
【0021】
回転軸12は、その先端部18が回転操作棒100(後述)に設けられた回転ハンドル取付穴102に取り付けられる(嵌挿される)部材である。この先端部18の断面形状は、回転ハンドル取付穴102の形状に合わせて、例えば、正六角形に形成されている。なお、回転軸12の先端部18には、抜け止めとしてボールプランジャー13が配設されているが、このボールプランジャー13は本件発明の必須構成要素ではない。
【0022】
電動駆動部14は、上記回転軸12を電動で回転駆動させるための部分であり、大略、モーター20と、ギア22と、バッテリー24と、スイッチ26とを有している。このうち、モーター20およびギア22は、本体部11における駆動部ケース50内に収容されており、バッテリー24は、本体部11におけるグリップ部52の側面に着脱自在に取り付けられている。また、スイッチ26は、グリップ部52における、バッテリー24が取り付けられているのとは反対側の側面に配置されている。
【0023】
モーター20は、回転軸12と同一軸上に配設された部材であり、ギア22を介して回転軸12と連結されている。また、モーター20は、バッテリー24からの電力を受けて回転軸12を回転させるようになっている。
【0024】
バッテリー24は、モーター20を回転させる電力を蓄えておくものであり、充電時等の必要に応じて着脱できるようにして、駆動部ケース50の側面に取り付けられている。なお、バッテリー24の形式としては、例えば、リチウムイオンバッテリーや、ニッケル・カドミウムバッテリーが考えられるが、必要な容量の電力を蓄えられるものであれば、どのような形式のものでもよい。
【0025】
スイッチ26としては、モーター20を正転あるいは逆転させることができるものが使用されているが、これに代えて、正転のみ、あるいは、逆転のみができるものであってもよい。
【0026】
手動ハンドル16は、回転軸12に対してオフセットされた部材であり、本実施形態では、本体部11におけるグリップ部52の先端部(駆動部ケース50に接続する端とは反対側の端部)において回転軸12と略平行な方向に形成された手動ハンドル取付孔30に取り付けられ(嵌挿され)ている。
【0027】
なお、本明細書全体を通して「手動ハンドル16が回転軸12に対してオフセットした状態」とは、回転軸12の中心軸と手動ハンドル16の中心軸とが互いに離間し、かつ、平行な位置関係にあることをいう。
【0028】
手動ハンドル16について詳述すると、当該手動ハンドル16は、大略、ハンドルグリップ部60と、ハンドル中央部62と、反力保持部64とを有している。
【0029】
ハンドルグリップ部60は、後述するように作業者が回転駆動装置10を手動で操作する際に握る略円柱状の部分であり、ハンドル中央部62に対して一直線状になる状態と、ハンドル中央部62に対して折れた状態とを選択できるようになっている。つまり、ハンドルグリップ部60は、ハンドル中央部62の一端に対して起倒自在に取り付けられている。
【0030】
ハンドル中央部62は、グリップ部52の先端部において回転軸12と略平行な方向に形成された手動ハンドル取付孔30に嵌挿された略円柱状の部材であり、その一端には、上述のようにハンドルグリップ部60が起倒自在に取り付けられてり、他端には、反力保持部64が取り付けられている。また、このハンドル中央部62は、手動ハンドル取付孔30に対して摺動自在になっている。
【0031】
反力保持部64は、回転操作棒100に対して係脱可能な部分であり、電動駆動部14を用いて回転軸12を回転駆動させる際に回転操作棒100に係合させることにより、当該電動駆動部14からの回転力(反力)で手動ハンドル16が電動駆動部14と共回りするのを防止できるようになっている。
【0032】
反力保持部64について詳述すると、本実施形態の反力保持部64は、手動ハンドル16の中心軸と略直交する方向に延びており、中央部にハンドル中央部62の他端が接続されている中央部材66と、この中央部材66の両端から、手動ハンドル16の中心軸に対して略平行な方向にそれぞれ突出する一対の側部材68とを有している。これにより、反力保持部64は、その断面形状が略「コ」字状に形成されている。一対の側部材68および中央部材66で囲まれた内側空間70に、回転操作棒100が嵌まるようになっている。
【0033】
(回転操作棒100の構成)
次に、上述した回転駆動装置10が取り付けられる回転操作棒100について説明する。回転操作棒100は、図4に示すように、大略、長尺の棒本体104と、当該棒本体104の内部において回転可能に収容されている回転棒106と、棒本体104の内部において回転棒106の手元側端に接続されている回転機構108と、回転駆動装置10の回転軸12が接続され、回転軸12の回転力が回転機構108を介して回転棒106に伝達される回転ハンドル取付穴102とを有している。
【0034】
回転ハンドル取付穴102に取り付けた回転駆動装置10の回転軸12を回転させることにより、回転機構108を介して回転棒106の先端が回転する。この回転棒106の先端を電線の被覆を剥ぐ皮剥ぎ装置や、電線に絶縁テープを巻回する装置等に取り付けて、所望の動作をさせることができる。
【0035】
(第1実施形態に係る回転駆動装置10を用いた回転操作棒100の操作手順)
次に、第1実施形態に係る回転駆動装置10を用いて回転操作棒100の操作を行う手順について説明する。最初に、図5および図6に示すように、ハンドルグリップ部60を把持してハンドル中央部62を引き、反力保持部64をグリップ部52側に引いた状態にしておく。
【0036】
次に、図7に示すように、回転駆動装置10における回転軸12の先端を回転操作棒100の回転ハンドル取付穴102に挿設する。
【0037】
然る後、ハンドル中央部62と一直線状にしたハンドルグリップ部60を把持して当該ハンドル中央部62を回転操作棒100に向けて押し込み、反力保持部64の内側空間70に回転操作棒100の棒本体104を嵌め込む。最後に、ハンドルグリップ部60をハンドル中央部62に対して折れた状態にする。
【0038】
この状態で、本体部11のグリップ部52に設けたスイッチ26をオン(正転または逆転)にすると、バッテリー24からの電力を受けたモーター20が回転し、その回転力がギア22を介して回転軸12に伝達されて、当該回転軸12が回転する。この結果、電動の回転操作棒100として回転棒106の先端を回転させることができる。
【0039】
これに代えて、手動の回転操作棒100として回転棒106の先端を回転させる場合には、図8に示すように、ハンドルグリップ部60をハンドル中央部62に対して一直線状となるように戻し、然る後、反力保持部64が回転操作棒100から離間する方向に手動ハンドル16全体を引き出す。
【0040】
このようにして、反力保持部64が回転操作棒100に係合した状態を解除させた後、ハンドルグリップ部60を把持した状態で回転軸12を中心にして手動ハンドル16全体を回転させる。
【0041】
これにより、回転軸12が回転して、手動の回転操作棒100として回転棒106の先端を回転させることができる。
【0042】
(第1実施形態に係る回転駆動装置10の特徴)
上述した第1実施形態に係る回転駆動装置10によれば、従前より保有している手動式の回転操作棒100に後付けして、電動あるいは手動の回転操作棒100として使用することができる。
【0043】
また、手動ハンドル16に回転操作棒100に係合する反力保持部64が設けられているので、回転操作棒100を電動で使用する場合、回転軸12を回転させようとするモーター20の回転力の反力によって手動ハンドル16が共回りするのを防止できる。
【0044】
(第2実施形態に係る回転駆動装置10の構成および特徴)
上述した第1実施形態に係る回転駆動装置10に代えて、図9に示すような、第2実施形態に係る回転駆動装置10にしてもよい。
【0045】
具体的には、第1実施形態では、ハンドル中央部62と一直線状にしたハンドルグリップ部60を把持して手動ハンドル16全体を本体部11に対して摺動させることにより、反力保持部64を回転操作棒100に係合・離間させるようになっていた。この点、第2実施形態では、手動ハンドル16の一端が本体部11に対して起倒自在に取り付けられており、本体部11に対して手動ハンドル16を折り曲げた状態にすることにより、図10に示すように、手動ハンドル16の他端部に形成された反力保持部64が回転操作棒100と係合する。
【0046】
この状態で、本体部11のグリップ部52に設けたスイッチ26をオン(正転または逆転)にすると、バッテリー24からの電力を受けたモーター20が回転し、その回転力がギア22を介して回転軸12に伝達されて、当該回転軸12が回転する。この結果、電動の回転操作棒100として回転棒106の先端を回転させることができる。
【0047】
逆に、図11に示すように、本体部11に対して手動ハンドル16を図中下方向に一直線状にすることで、図12に示すように、反力保持部64が回転操作棒100から離間し、さらに、反力保持部64が延びる方向に直交する方向に突設されたハンドルグリップ部60が回転軸12に対してオフセットした状態になる。
【0048】
このようにして、反力保持部64が回転操作棒100に係合した状態を解除させた後、ハンドルグリップ部60を把持した状態で回転軸12を中心にして手動ハンドル16全体を回転させる。
【0049】
これにより、回転軸12が回転して、手動の回転操作棒100として回転棒106の先端を回転させることができる。
【0050】
(変形例1)
上述した実施形態における電動駆動部14のギア22に、軸ロック機構を追加してもよい。この軸ロック機構は、手動ハンドル16における反力保持部64を回転操作棒100から離間させた状態のとき、電動駆動部14におけるモーター20やギア22といった回転軸12に接続された部材が回転しないようにする機構である。
【0051】
このような軸ロック機構を設けることにより、手動で回転駆動装置10を使用する場合において、回転軸12を中心として手動ハンドル16を回転させたときに、電動駆動部14のモーター20やギア22が回ってしまい回転軸12を回転させることができない不具合を回避できる。
【0052】
この軸ロック機構は、手動ハンドル16における反力保持部64の動作(回転操作棒100への係合・離間動作)に応じて機械的に実現してもよいし、センサー等を用いて電気的に実現してもよい。
【0053】
(変形例2)
また、手動ハンドル16における反力保持部64が回転操作棒100と係合する位置にないとスイッチ26を操作してもモーター20が動作しないようにしてもよい。これにより、反力保持部64が回転操作棒100と係合していないにもかかわらずモーター20を動作させてしまい、本体部11や手動ハンドル16が回転軸12を中心として不所望に回転してしまう不具合を回避できる。
【0054】
このような安全機構は、機械的に実現してもよいし、センサー等を用いて電気的に実現してもよい。
【0055】
(変形例3)
上述した実施形態において、電動駆動部14のスイッチ26は、本体部11のグリップ部52に設けられていたが、スイッチ26の位置はこれに限定されるものではなくどの位置に配設してもよい。
【0056】
(変形例4)
上述した実施形態において、反力保持部64は略「コ」字状に形成されているが、モーター20を正転あるいは逆転の一方向にのみ回転させる場合には、一対ではなく1つの側部材68で反力保持部64を構成してもよい。
【0057】
この場合、1つの側部材68を中央部材66のどちらの端から突出させるかについては、モーター20の回転方向に応じて、モーター20を動作させたときに本体部11や手動ハンドル16が回転軸12を中心として不所望に回転してしまうのを防止しやすい方の端を選択すればよい。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
10…回転駆動装置、11…本体部、12…回転軸、13…ボールプランジャー、14…電動駆動部、16…手動ハンドル、18…(回転軸12の)先端部、20…モーター、22…ギア、24…バッテリー、26…スイッチ、30…手動ハンドル取付孔
50…駆動部ケース、52…グリップ部
60…ハンドルグリップ部、62…ハンドル中央部、64…反力保持部、66…中央部材、68…側部材、70…内側空間
100…回転操作棒、102…回転ハンドル取付穴、104…棒本体、106…回転棒、108…回転機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12