IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本多通信工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-光モジュール 図1
  • 特許-光モジュール 図2
  • 特許-光モジュール 図3
  • 特許-光モジュール 図4
  • 特許-光モジュール 図5
  • 特許-光モジュール 図6
  • 特許-光モジュール 図7
  • 特許-光モジュール 図8
  • 特許-光モジュール 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20230315BHJP
   G02B 6/38 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019080837
(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公開番号】P2020177182
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000243342
【氏名又は名称】本多通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 宏一郎
(72)【発明者】
【氏名】大久保 靖明
(72)【発明者】
【氏名】大井 茂弘
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 毅
(72)【発明者】
【氏名】後藤 直英
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-068843(JP,A)
【文献】特開2007-071912(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117470(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101509809(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27,6/30-6/34,6/42-6/43
G02B 6/24,6/255,6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子を有する本体組立体と、
光コネクタが接続されるレセプタクル組立体と
を備え、
前記レセプタクル組立体は、
円柱状の導光部材と、
前記光コネクタのフェルールと係合することにより、前記フェルールの中心軸を前記導光部材の中心軸に対して位置合わせする整列部材と、
前記本体組立体と係合することにより、前記導光部材の中心軸を前記光素子の光軸に対して位置合わせする係合部と、
前記レセプタクル組立体を前記本体組立体に着脱自在に係止する係止部と
を有
前記係合部は、
中心軸が前記導光部材の中心軸と一致している円筒状凸部を有し、
前記導光部材は、前記円筒状凸部の先端から突出し、
前記本体組立体は、
中心軸が前記光素子の光軸と一致し、前記円筒状凸部と係合する円筒状凹部と
前記円筒状凹部の底面から更に凹設され、前記導光部材と係合する係合凹部と
を有する、光モジュール。
【請求項2】
光素子を有する本体組立体と、
光コネクタが接続されるレセプタクル組立体と
を備え、
前記レセプタクル組立体は、
円柱状の導光部材と、
前記光コネクタのフェルールと係合することにより、前記フェルールの中心軸を前記導光部材の中心軸に対して位置合わせする整列部材と、
前記本体組立体と係合することにより、前記導光部材の中心軸を前記光素子の光軸に対して位置合わせする係合部と、
前記レセプタクル組立体を前記本体組立体に着脱自在に係止する係止部と
を有
前記係止部は、
前記導光部材の中心軸に対して略垂直な平板状のレセプタクル翼部を有し、
前記レセプタクル翼部は、
前記中心軸を中心とする円弧状に湾曲した係合溝を有し、
前記本体組立体は、更に、
前記光素子の光軸に対して略垂直な平板状であり、前記レセプタクル翼部に当接する本体翼部と、
前記本体翼部から前記光軸と略平行な方向へ向けて突出し、前記係合溝と係合して前記レセプタクル翼部が軸方向に移動するのを阻止する係合凸部と
を有する、光モジュール。
【請求項3】
前記係合部は、
中心軸が前記導光部材の中心軸と一致している円筒状凸部を有し、
前記本体組立体は、
中心軸が前記光素子の光軸と一致し、前記円筒状凸部と係合する円筒状凹部を有する、請求項の光モジュール。
【請求項4】
前記導光部材は、前記円筒状凸部の先端から突出し、
前記本体組立体は、更に、
前記円筒状凹部の底面から更に凹設され、前記導光部材と係合する係合凹部を有する、請求項の光モジュール。
【請求項5】
前記本体組立体は、更に、
前記中心軸に対して前記係合凸部と略対称に配置された第二の係合凸部を有する、
請求項2乃至いずれかの光モジュール。
【請求項6】
前記本体翼部は、貫通穴を有し、
前記係合凸部は、
前記貫通穴を貫通し、前記本体組立体を固定するための止めねじによって構成されている、
請求項2乃至いずれかの光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファイバスタブを有する光レセプタクルが記載されている。前記光レセプタクルに調芯アダプタをYAG溶接等で接合して固定し、光通信パッケージの素子を固定することにより、光通信用送受信モジュールを作製する。
このような光通信用送受信モジュールにおいて、ファイバスタブの先端にゴミや汚れなどの異物が付着すると、光伝送品質に大きな影響を与える。
特許文献1の光レセプタクルは、シェルを取り外すことができるので、シェルと、そのなかに配置されたスリーブとを取り外すことにより、ファイバスタブの先端を露出させることができ、これにより、ファイバスタブの先端を清掃して異物を除去することができる。
また、このようにファイバスタブの先端を露出させることができない場合は、例えば特許文献2に記載された清掃具を使用して、ファイバスタブの先端を清掃してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2016/117470号公報
【文献】特開平10-197757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたように光モジュールを分解して清掃するにしても、特許文献2に記載されたような清掃具を使用して清掃するにしても、専門の作業員が清掃するにはよいが、光モジュールを使用する一般の消費者が清掃しようとすると、手間がかかり、きれいに清掃できない可能性がある。
また、特許文献1に記載されたスリーブは、前記光レセプタクルに接続される光コネクタのフェルールを前記ファイバスタブと位置合わせするためのものである。前記スリーブの内側に異物が付着すると、前記フェルールを正しく位置合わせできなくなり、挿入損失が大きくなるため、前記スリーブの内側も清掃する必要がある。しかし、前記スリーブを清掃する場合にも、前記ファイバスタブを清掃する場合と同様の課題がある。
本発明は、一般消費者などがファイバスタブなどの導光部材やスリーブなどの整列部材を現場で清掃する必要をなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
光モジュールは、光素子を有する本体組立体と、光コネクタが接続されるレセプタクル組立体とを備える。前記レセプタクル組立体は、円柱状の導光部材と、前記光コネクタのフェルールと係合することにより、前記フェルールの中心軸を前記導光部材の中心軸に対して位置合わせする整列部材と、前記本体組立体と係合することにより、前記導光部材の中心軸を前記光素子の光軸に対して位置合わせする係合部と、前記レセプタクル組立体を前記本体組立体に着脱自在に係止する係止部とを有する。
前記係合部は、中心軸が前記導光部材の中心軸と一致している円筒状凸部を有してもよい。前記本体組立体は、中心軸が前記光素子の光軸と一致し、前記円筒状凸部と係合する円筒状凹部を有してもよい。
前記導光部材は、前記円筒状凸部の先端から突出してもよい。前記本体組立体は、更に、前記円筒状凹部の底面から更に凹設され、前記導光部材と係合する係合凹部を有してもよい。
前記係止部は、前記導光部材の中心軸に対して略垂直な平板状のレセプタクル翼部を有してもよい。前記レセプタクル翼部は、前記中心軸を中心とする円弧状に湾曲した係合溝を有してもよい。前記本体組立体は、更に、前記光素子の光軸に対して略垂直な平板状であり、前記レセプタクル翼部に当接する本体翼部を有してもよい。前記本体組立体は、更に、前記本体翼部から前記光軸と略平行な方向へ向けて突出し、前記係合溝と係合して前記レセプタクル翼部が軸方向に移動するのを阻止する係合凸部を有してもよい。
前記本体組立体は、更に、前記中心軸に対して前記係合凸部と略対称に配置された第二の係合凸部を有してもよい。
前記本体翼部は、貫通穴を有してもよい。前記係合凸部は、前記貫通穴を貫通し、前記本体組立体を固定するための止めねじによって構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0006】
前記光モジュールは、前記レセプタクル組立体を前記本体組立体から容易に取り外すことができるので、前記レセプタクル組立体を交換することにより、そのなかに含まれる前記導光部材や前記整列部材を容易に交換でき、前記導光部材や前記整列部材を現場で清掃する必要がない。また、光コネクタを接続していない光モジュールについては、前記レセプタクル組立体を取り外して保管しておくことにより、前記導光部材や前記整列部材に異物が付着するのを防ぐことができる。
円筒状凹部に円筒状凸部が係合すれば、前記導光部材の中心軸を前記光素子の光軸に容易に一致させることができる。円筒状凸部の先端から突出した導光部材に係合凹部が係合すれば、前記導光部材の中心軸を前記光素子の光軸に更に容易に一致させることができる。
係合溝に係合凸部が係合すれば、前記レセプタクル組立体を容易に着脱自在に係止できる。中心軸に対して対称に係合凸部を設ければ、前記レセプタクル組立体が安定して固定される。
止めねじを係合凸部として利用すれば、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】光モジュールの一例を示す斜視図。
図2】本体組立体の一例を示す斜視図。
図3】前記本体組立体を示す断面図。
図4】レセプタクル組立体の一例を反対側から見た斜視図。
図5】前記レセプタクル組立体を示す断面図。
図6】前記本体組立体に前記レセプタクル組立体を装着する様子を示す正面図。
図7】前記光モジュールを示す正面図。
図8】前記光モジュールを示す断面図。
図9】本体組立体の別の例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照する。光モジュール10は、光コネクタが接続され、例えば、前記光コネクタに接続された光ファイバを介して伝送された光を電気信号に変換して出力し、あるいは、電気信号を入力して前記光ファイバを介して伝送される光に変換する装置である。前記光モジュール10は、基板や筐体などに固定される本体組立体12と、前記本体組立体12に着脱可能に装着されたレセプタクル組立体13とを有する。
【0009】
図2及び3を参照する。前記本体組立体12は、円柱状の収容部21と、前記収容部21の一端に配置された本体翼部22(本体係止部)と、前記本体翼部22から突出した2つの係合凸部23a,23b(本体係止部)とを有する。
前記収容部21には、内部に光素子26が設けられている。前記光素子26は、例えば、電気信号を光に変換して所定の光軸に沿った方向へ放射する発光素子や、所定の光軸に沿った方向から入射した光を電気信号に変換する受光素子である。前記収容部21は、例えば前記光軸を中心とする円筒状である。
【0010】
前記本体翼部22は、前記光軸に対して垂直な平板状であり、例えば、前記光軸を中心とする円板を、前記光軸からの距離が等しい二枚の平行な平面で切断した形状である。このような形状とすることにより、複数の前記光モジュール10を比較的狭い間隔で並べて配置することができる。
前記係合凸部23a,23bは、前記光軸に対して対称に配置されている。前記係合凸部23a,23bは、それぞれ、円柱部231と、円板部232とを有する。前記円柱部231は、例えば前記光軸と平行な軸を中心とする円柱状であり、前記本体翼部22に対して、前記収容部21とは反対側に突出している。前記円板部232は、例えば前記光軸と平行な軸を中心とする円板状であり、前記円柱部231の先端に位置し、前記円柱部231よりも径が大きい。
なお、係合凸部は、二つに限らず、一つだけであってもよいし、三つ以上であってもよい。
【0011】
また、前記本体組立体12は、前記本体翼部22から凹設された円筒状凹部24(本体係合部)と、前記円筒状凹部24の底面から更に凹設された係合凹部25(本体係合部)とを有する。
前記円筒状凹部24は、例えば前記光軸を中心とする円筒状である。
前記係合凹部25は、例えば前記光軸を中心とする円筒状であり、前記円筒状凹部24よりも径が小さい。
前記光素子26は、光軸が前記円筒状凹部24及び前記係合凹部25の中心軸に一致するよう、あらかじめ精密に位置決めされ前記収容部21に固定されている。
【0012】
図4及び5を参照する。前記レセプタクル組立体13は、光コネクタに接続される接続部31と、前記接続部31の一端に配置されたレセプタクル翼部32(係止部)と、前記レセプタクル翼部32から突出した円筒状凸部34(係合部)と、前記円筒状凸部34から突出した導光部材36と、前記導光部材36に嵌合したフランジ部37と、前記導光部材36に係合した整列部材35とを有する。
前記接続部31は、接続される光コネクタの形状に対応する形状を有し、前記光コネクタと係合して所定の位置に保持する。
【0013】
前記導光部材36は、例えば、円柱状のフェルールの中心軸に沿って短い光ファイバが貫通したファイバスタブである。前記光ファイバの端面は、いずれも、光がまっすぐに反射して戻らないよう、斜めに切断されている。前記フェルールの端面は、いずれも、前記光ファイバの端面を斜めに切断するのを容易にするため、光ファイバの切断角度に合わせて斜めに傾斜している。ただし、最先端の部分は、前記係合凹部25の底面に押圧されたとき、押圧力で変形したり破損したりするのを防ぐため、中心軸に対して垂直である。なお、前記光ファイバの端面は、斜めに切断されていなくてもよく、中心軸に対して垂直に切断されていてもよいし、凸球面状に研磨されていてもよい。
前記導光部材36は、外径が前記係合凹部25の内径よりわずかに小さく、前記係合凹部25と係合することにより、前記中心軸が前記光軸に一致する。また、前記導光部材36が前記円筒状凸部34から突出した長さは、前記係合凹部25の深さとほぼ等しい。
前記整列部材35は、例えば円筒状であり、内径が前記導光部材36の外径とほぼ等しく、前記導光部材36と嵌合して固定されている。また、前記整列部材35の内径は、前記光モジュールに接続される光コネクタのフェルールの外径ともほぼ等しい。
【0014】
前記フランジ部37は、例えば、円環状であり、外径が前記導光部材36よりも大きい。前記フランジ部37は、前記導光部材36の先端から所定の距離の位置に固定されている。
前記円筒状凸部34は、例えば前記中心軸を中心とする円筒状であり、先端に前記フランジ部37と係合する凹部を有する。前記凹部に前記フランジ部37が嵌合することにより、前記導光部材36は、前記円筒状凸部34に対して固定される。
前記円筒状凸部34は、外径が前記円筒状凹部24の内径よりわずかに小さく、前記円筒状凹部24に係合する。これにより、前記レセプタクル組立体13は、前記中心軸が前記光軸に一致した状態を保ちつつ、前記中心軸を中心として回転させることができる。
【0015】
前記レセプタクル翼部32は、前記中心軸に対して垂直な平板状であり、例えば、前記本体翼部22に対応する外形を有する。前記レセプタクル翼部32の厚さは、前記円柱部231の長さ、ずなわち、前記本体翼部22と前記円板部232との間の距離とほぼ等しい。
前記レセプタクル翼部32は、前記中心軸を中心とする円弧状の係合溝321a,321bを有する。前記係合溝321a,321bの幅は、前記係合凸部23a,23bの前記円柱部231の径とほぼ等しく、前記円板部232の径より小さい。前記中心軸を中心として前記レセプタクル組立体13を回転させることにより、前記係合溝321a,321bを前記係合凸部23a,23bに係合させることができ、これにより、前記レセプタクル組立体13が軸方向に移動しないようにすることができる。
【0016】
図6~8を参照する。前記レセプタクル組立体13を前記本体組立体12に取り付けるには、例えば図6に示すように、中心軸を中心として前記レセプタクル組立体13が前記本体組立体12に対して傾いた状態とし、前記導光部材36及び前記円筒状凸部34を、前記係合凹部25及び前記円筒状凹部24に挿入する。
前記レセプタクル翼部32が前記本体翼部22に当接する位置まで挿入したら、前記中心軸を中心として前記レセプタクル組立体13を回転し、図7及び8に示すように、前記係合溝321a,321bを前記係合凸部23a,23bに係合させる。
前記導光部材36の先端は、前記円筒状凸部34に対して所定の位置に固定されているので、前記レセプタクル組立体13を前記本体組立体12に取り付けると、前記光素子に対して、あらかじめ定められた損失が最も小さくなる位置に配置される。
【0017】
このようにして組み立てた光モジュール10に光コネクタを接続すると、光コネクタのフェルールの先端が前記整列部材35に係合することにより、前記フェルールの中心軸が導光部材36の中心軸に一致する。
前記光コネクタのフェルールは、軸方向に付勢されているので、前記フェルールの先端が前記導光部材36に当接して、小さい損失で光結合する。前記導光部材36と前記光素子26との間も、小さい損失で光結合されているので、全体として挿入損失が小さくなる。
【0018】
このような光モジュール10において、例えば、光コネクタを接続しないまましばらく放置するなどして、前記導光部材36の前記光コネクタに接続される側の端面や前記整列部材35の内側に埃が溜まるなど、異物が付着する場合がある。そうすると、伝送損失が大きくなるので、前記導光部材36の端面や前記整列部材35の内側に付着した異物を除去する必要がある。
【0019】
専門の作業員が作業する場合は、専用の清掃具を使用して清掃すればよいので、前記レセプタクル組立体13を前記本体組立体12から取り外す必要はない。
しかし、一般の消費者が清掃をすると、必ずしもきれいに清掃できるとは限らず、事態を悪化させる可能性がある。
【0020】
このため、そのような場合は、まず、前記レセプタクル組立体13を前記本体組立体12から取り外す。そのためには、取り付け手順とは逆の手順を実行すればよく、まず、前記中心軸を中心として前記レセプタクル組立体13を回転して、図6に示す状態とし、その後、前記レセプタクル組立体13を軸方向に移動させて、前記本体組立体12から取り外す。
【0021】
そして、前記導光部材36や前記整列部材35を清掃するのではなく、新しいレセプタクル組立体13を用意して、前記レセプタクル組立体13全体を交換することにより、そのなかに含まれる前記導光部材36や前記整列部材35を新しいものに交換する。
交換した古いレセプタクル組立体13を、製造者など専門の作業員のいるところへ送付し、専門の作業員が導光部材36や整列部材35を清掃することによりリサイクルしてもよい。
また、専門の作業員が作業する場合であっても、現場で清掃するよりも設備が整った場所で清掃するほうが、作業効率が高く、確実に清掃できる。したがって、導光部材36をその場で清掃するのではなく、一般の消費者が作業する場合と同様、新しいものと交換してもよい。
【0022】
このように、前記光モジュール10は、前記導光部材36や前記整列部材35を簡単に交換することができるので、前記導光部材36や前記整列部材35を現場で清掃する必要がなく、清掃の失敗による挿入損失を抑えることができる。
【0023】
また、前記導光部材36や前記整列部材35に異物が付着する原因のひとつには、上述したように、前記光モジュール10に光コネクタを接続しないで放置しておくことがある。
そこで、何らかの理由で前記光モジュール10に光コネクタをしばらく接続しない場合は、前記本体組立体12から前記レセプタクル組立体13を取り外し、異物が付着しないよう保管しておいてもよい。そして、光コネクタを前記光モジュール10に接続する必要が生じたときに、保管しておいた前記レセプタクル組立体13を取り出して前記本体組立体12に取り付ける。これにより、前記導光部材36や前記整列部材35に異物が付着するのを防ぐことができ、前記導光部材36や前記整列部材35を清掃する必要がなくなる。
なお、前記本体組立体12から前記レセプタクル組立体13を取り外しておくと、今度は、前記本体組立体12のなかに埃などの異物が付着する可能性がある。そこで、前記レセプタクル組立体13の代わりに、ダミーのレセプタクル組立体などの蓋を前記本体組立体12に取り付けて、前記本体組立体12のなかに異物が付着するのを防いでもよい。
【0024】
また、将来光モジュールの必要数が増えた場合に備えて、その時点で必要な数より多くの光モジュールをあらかじめ設置しておく場合には、前記レセプタクル組立体13を保管しておくのではなく、最初に本体組立体12だけを設置しておき、必要に応じてレセプタクル組立体13を購入して、前記本体組立体12に取り付けてもよい。そうすれば、初期費用を抑えることができる。
【0025】
図9を参照する。変形例において、前記本体組立体12は、前記係合凸部23a,23bの代わりに、止めねじ28a,28bを有する。前記止めねじ28a,28bは、基板や筐体などに設けられたねじ穴と螺合することにより、前記本体組立体12を固定するためのものである。
前記止めねじ28a,28bは、それぞれ、先端に雄ねじが切られた円柱部281と、前記円柱部281の反対側の先端に設けられた円板部282と、前記円柱部281の中間に設けられた円板部283とを有する。
前記円柱部281のうち前記円板部282と前記円板部283との間の部分は、前記円柱部231に対応し、前記円板部282は、前記円板部232に対応する。前記円板部283は、前記円板部282と前記本体翼部22との間の距離を一定に保つために設けられている。
前記本体翼部22には、前記止めねじ28a,28bが挿通される貫通穴221a,221bが設けられている。また、前記貫通穴221a,221bの周りには、前記円板部283と係合する凹部が設けられている。
【0026】
このように、止めねじ28a,28bの端部を係合凸部23a,23bとして利用することにより、光モジュール10の製造コストを抑えることができる。
【0027】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0028】
10 光モジュール、12 本体組立体、21 収容部、22 本体翼部、221a,221b 貫通穴、23a,23b 係合凸部、231,281 円柱部、232,282,283 円板部、24 円筒状凹部、25 係合凹部、26 光素子、28a,28b 止めねじ、13 レセプタクル組立体、31 接続部、32 レセプタクル翼部、321a,321b 係合溝、34 円筒状凸部、35 整列部材、36 導光部材、37 フランジ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9