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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】疑似体験装置、疑似体験システム
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/02 20060101AFI20230315BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20230315BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20230315BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20230315BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A63G31/02
A63F9/00 505Z
G09B9/00 Z
A63B69/00 A
G06F3/01 510
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019083558
(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2020178869
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】519152803
【氏名又は名称】株式会社ロジリシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野々村 哲弥
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-232093(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0240454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
A63F 9/00
G09B 1/00- 9/56
A63B 69/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において、対象者がバンジージャンプを体験するための疑似体験装置であって、
前記仮想空間の情景映像を表示する表示部と、
直方体形状の支持部材に少なくとも1つ取り付けられたレールと、
前記レール上を移動が可能となるように取り付けられた台車と、
前記対象者と前記台車とを接続する第1ベルトと、
前記台車の移動に応じて前記第1ベルトを巻き上げる第1ベルト固定部と、
を備え、
前記第1ベルト固定部は、前記対象者を立位状態から倒立状態に変化させ、
前記表示部は、前記台車の移動、および前記第1ベルトの巻き上げによって、前記情景映像を変化させる、
疑似体験装置。
【請求項2】
前記第1ベルト固定部は、前記台車の移動速度に応じて前記第1ベルトを巻き上げる、請求項1に記載の疑似体験装置。
【請求項3】
前記レールは、センサを備え、
前記第1ベルト固定部は、前記センサが検出する結果に応じて前記第1ベルトを巻き上げる、請求項1に記載の疑似体験装置。
【請求項4】
前記レールは、センサを備え、
前記表示部は、前記センサが検出する結果に応じて前記情景映像を変化させる、請求項1に記載の疑似体験装置。
【請求項5】
前記対象者と前記台車とを接続する第2ベルトを備える、請求項1に記載の疑似体験装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の疑似体験装置と、
対象者の頭部に装着され、前記対象者の前記頭部の動作を検出して仮想空間の映像を表示するVR装置と、
を備える、疑似体験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、仮想空間におけるバンジージャンプを体験する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、VRゴーグル等を頭部に装着し、仮想空間においてバンジージャンプを体験する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】メディアフロント・ジャパン株式会社 VRジャングルアドベンチャーシリーズ インターネット〈URL:https://mediafront.co.jp/showcase/vr-bungee-jump.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、利用者は座位の状態、かつベルト等を把持することによってバンジージャンプを体験している。このことによって、仮想空間における利用者の没入感が損なわれる虞があった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、没入感を妨げることなくバンジージャンプを体験できる環境を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この疑似体験装置は、仮想空間において、対象者がバンジージャンプを体験するための装置である。疑似体験装置は、仮想空間の情景映像を表示する表示部と、直方体形状の支持部材に少なくとも1つ取り付けられたレールと、レール上を移動が可能となるように取り付けられた台車と、対象者と台車とを連結する第1ベルトと、台車の移動に応じて第1ベルトを巻き上げる巻き上げ部とを備える。巻き上げ部は、対象者を立位状態から倒立状態に変化させる。表示部は、台車の移動、および第1ベルトの巻き上げによって情景映像を変化させる。
【0007】
この構成では、対象者は、没入感を損なうことなくバンジージャンプを体験できる。
【0008】
この疑似体験装置の巻き上げ部は、台車の移動速度に応じて第1ベルトを巻き上げてもよい。
【0009】
この構成では、対象者の移動速度に応じた処理を行うことができ、対象者は臨場感のあるバンジージャンプを体験できる。
【0010】
この疑似体験装置のレールはセンサを備えていることが好ましい。巻き上げ部は、センサが検出する結果に応じて第1ベルトを巻き上げてもよい。
【0011】
この構成では、対象者の動作に応じた処理を行うことができ、対象者はさらに臨場感のあるバンジージャンプを体験できる。
【0012】
この疑似体験装置のレールは、センサを備えていることが好ましい。表示部は、センサが検出する結果に応じて情景映像を変化させてもよい。
【0013】
この構成では、対象者の動作に応じた情景映像を体験することができ、対象者はさらに臨場感のあるバンジージャンプを体験できる。
【0014】
この疑似体験装置は、対象者と台車とを連結する第2ベルトを備えていることが好ましい。
【0015】
この構成では、対象者の安全性がさらに確保される。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、没入感を妨げることなくバンジージャンプを体験できる環境を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の斜視図である。
図2図1における台車のA-A線における断面概要図である。
図3】(A)-(C)は、本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の台車の動作を示す断面図である。
図4】(A)-(C)は、本発明の第1の実施形態に係る対象者の動きを示す断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の動作概要図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の動作概要図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の動作概要図である。
図8】(A)-(C)は、本発明の第2の実施形態に係る疑似体験装置の台車の動作を示す断面図である。
図9】(A)-(C)は、本発明の第3の実施形態に係る疑似体験装置の台車の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置のブロック図である。図2図1における台車のA-A線における断面概要図である。図3(A)-図3(C)は、本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の台車の動作を示す断面図である。図4(A)-図4(C)は、本発明の第1の実施形態に係る対象者の動きを示す断面図である。図5は本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の動作概要図である。図6は本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の動作概要図である。図7は本発明の第1の実施形態に係る疑似体験装置の動作概要図である。
【0019】
(対象者の装着物の構成)
対象者200は、VR装置250を装着している。対象者200は、VR装置250を装着することによって視覚的に仮想空間を体験する。VR装置250は、仮想空間を体験するためのゴーグル形状の装置であり、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計等を備える。なお、VR装置250が本発明の「表示部」に対応する。
【0020】
VR装置250は、対象者200の頭部に装着され、頭部が前後、左右、上下に動くことを検出することによって、仮想空間内のX軸、Y軸、Z軸に反映する。このことによって、対象者200は仮想空間におけるバンジージャンプを体験できる。
【0021】
(疑似体験装置の構成)
まず、疑似体験装置10の外観構成について説明する。図1図2に示すように、疑似体験装置10は、支持部材110、レール120、台車130を備える。支持部材110は、複数の支柱で形成されている。支持部材110は、この支柱によってX軸、Y軸、Z軸を有する略直方体形状を形成している。なお、支柱は金属であることが好ましいが、少なくとも一定以上の重量を支えることができる素材であればよい。
【0022】
支持部材110は、支柱X1と、支柱X1に平行な支柱X2を備える。支柱X1と支柱X2はY軸方向において対向する。また、支持部材110はY軸方向の支柱Y1と、Y軸方向において支柱Y1に対向する位置に支柱Y2を備える。支持部材110のXY平面は、支柱X1と支柱X2と支柱Y1と支柱Y2によって形成される。このXY平面が支持部材110の天面に相当する。
【0023】
さらに、支持部材110は、Z軸方向に延びる支柱Z1、支柱Z2、支柱Z3、支柱Z4を備える。支持部材110の天面は、支柱Z1、支柱Z2、支柱Z3、支柱Z4で支えられている。より具体的には、支持部材110の天面の四隅が支柱Z1、支柱Z2、支柱Z3、支柱Z4によって支えられる構造である。
【0024】
レール120は、略直方体形状である。支持部材110の天面において、レール120の長手方向はY軸方向に平行であり、レール120の短手方向はX軸方向に平行である。レール120は、支持部材110の天面において、支柱X1と支柱X2を跨ぐように複数配置されている。レール120には、溝125が形成されている。
【0025】
台車130は、略直方体形状である。支持部材110の天面において、台車130の長手方向がX軸方向に平行であり、台車130の短手方向がY軸方向に平行である。台車130は複数のタイヤ135を備えている。なお、台車130とは、車輪やベアリング等の部品を用いて機能を満たすものであれば良く、形状は限定されない。
【0026】
図1図2に示すように、台車130はレール120上に配置されている。より具体的には、台車130が有する複数のタイヤ135は、レール120の溝125に収まるように配置されている。このことによって、台車130はレール120上を移動可能となる。すなわち、台車130は、支持部材110の天面をX軸方向に沿って、支柱X1と支柱X2の間を移動可能である。
【0027】
(対象者と台車を繋ぐ構成)
次に、疑似体験装置10に、対象者200を台車130に固定する構成について説明する。疑似体験装置10の台車130には、第1固定部140と第2固定部150が形成されている。なお、第1固定部140が本発明の「第1ベルト固定部」に対応する。
【0028】
第1固定部140は、台車130の略中心に形成されている。第2固定部150は、台車130のX軸方向における両端部に形成されている。
【0029】
第1ベルト145と第2ベルト155は、帯状かつ所定の長さで形成されている。また、第1ベルト145と第2ベルト155は、対象者200の体重および、対象者200の移動に伴う力を支えることができる素材であればよい。
【0030】
第1ベルト145の一方端は第1固定部140に接続されており、第1ベルト145の他方端は、対象者200の足首付近に固定されている。言い換えれば、第1ベルト145は第1固定部140と対象者200の足首付近とを固定する。第1固定部140は、巻き上げ部を有しており、後述する対象者200の動作に応じて、第1ベルト145を巻き上げる。なお、第1固定部140は、例えばスプリングバランサーであり、スプリングが有する張力によって第1ベルト145を巻き上げる。
【0031】
また、第2ベルト155の一方端は第2固定部150に接続されており、第2ベルト155の他方端は、対象者200の体幹部分に固定されている。この第2ベルト155を備えることによって、対象者200を確実に固定することができ、対象者200の安全性が向上する。
【0032】
図3(A)、図3(B)、図3(C)を用いて疑似体験装置10の台車130の動作を示す。
【0033】
図3(A)に示すように、台車130を平面視した際の左端(以下、台車130の左端)は支柱X1の位置に配置されている。対象者200は、支柱X1の位置から支柱X2の方向(Y軸方向)に向けて、倒れ込む動作を行う。この際、台車130に備えられているタイヤ135が回転することによって、台車130はY軸方向に沿って移動する。
【0034】
図3(B)に示すように、台車130がY軸方向に沿って移動することによって台車130の左端は支柱X1から距離D1の位置に配置される。最終的には、図3(C)に示すように、Y軸方向における台車130を平面視した際の右端(以下、台車130の右端)は支柱X2に到達し、台車130の左端は支柱X1から距離D2の位置に移動する。
【0035】
このように、対象者200の動作に応じて、台車130は支柱X1から支柱X2まで、レール120上を移動する。
【0036】
第1固定部140は、この動きに連動して第1ベルト145を巻き上げる。
【0037】
図3(A)-図3(C)の台車130の動作に基づいて、対象者200と第1固定部140と第1ベルト145のより具体的な動きを図4(A)-図4(C)、図5図6図7を用いて説明する。
【0038】
図3(A)、図4(A)、図5は、対象者200が動作を開始する前の初期状態を示す。図4(A)、図5に示すように、第1固定部140は、第1ベルト145を巻き上げていない状態である。図3(A)に示す台車130が支柱X1に接している状態において、対象者200は立位の状態(立位状態)である。
【0039】
図3(A)、図4(A)、図5の状態ではVR装置250は傾き等を検出せず、VR装置250には、仮想環境における対象者200が装着するVR装置250の動きに応じた映像が表示されている。
【0040】
図3(B)、図4(B)、図6は、対象者200が倒れ込む動作を行った際の状態を示す。図4(B)、図6に示すように、第1固定部140は、第1ベルト145を巻き上げる。図3(B)に示す台車130の左端が支柱X1から距離D1の位置に配置される状態において、対象者200は傾いている状態である。
【0041】
図3(B)、図4(B)、図6の状態では、VR装置250は、対象者200が傾いている状態を検出し、仮想環境における情景映像を変化させる。より具体的には、VR装置250は、対象者200がバンジージャンプを開始し落下し始める状態の情景映像を表示する。
【0042】
図3(C)、図4(C)、図7は、対象者200が倒れ込む動作を行った後の状態を示す。図4(C)、図8(C)に示すように、第1固定部140は、第1ベルト145を完全に巻き上げる。すなわち、図3(C)に示す台車130の左端が支柱X1から距離D2の位置に配置される状態において、対象者200は倒立している状態である。
【0043】
図3(C)、図4(C)、図7では、VR装置250は、対象者200が倒立している状態を検出し、仮想環境における情景映像を変化させる。より具体的には、VR装置250は、対象者200がバンジージャンプにおいて落下している状態の情景映像を表示する。
【0044】
上述のとおり、第1固定部140は、対象者200の動作に連動して、第1ベルト145を巻き上げる。このことによって、対象者200は倒立状態となる。すなわち、対象者200は、実空間でバンジージャンプを行う際と同様の体験を行うことができる。
【0045】
また、対象者200の能動的な倒れ込むという動作を契機に、仮想空間内でのバンジージャンプを視覚的に体験することができるため、対象者200の没入感が妨げられない。
【0046】
(第2の実施形態)
図8(A)-図8(C)は、本発明の第2の実施形態に係る疑似体験装置の台車の動作を示す断面図である。
【0047】
第2の実施形態においては、第1の実施形態と比較して、レール120Aに照度センサ160A,160B,160Cが配置されている点で異なる。その他の点については、第1の実施形態と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0048】
図8(A)、図8(B)、図8(C)を用いて疑似体験装置10Aの台車130の動作を示す。レール120Aの溝125には、複数の照度センサ160A,160B,160Cが配置されている。
【0049】
本実施形態では、支柱X1付近に照度センサ160Aを配置し、支柱X2付近に照度センサ160Cを配置し、支柱X1と支柱X2の略中間位置に照度センサ160Bを配置する例について説明する。しかしながら、照度センサ160A,160B,160Cの配置位置、個数については、この限りではない。
【0050】
図8(A)に示すように、台車130の左端は支柱X1の位置に配置されている。対象者200は、支柱X1の位置から支柱X2の方向(Y軸方向)に向けて、倒れ込む動作を行う。この際、台車130に備えられているタイヤ135が回転することによって、台車130はY軸方向に沿って移動する。
【0051】
この際、照度センサ160Aは、台車130とZ軸上で重なる位置に配置されている。このことによって、照度センサ160Aは明るさを検出しない。照度センサ160Bおよび照度センサ160Cは、明るさを検出する。
【0052】
図8(B)に示すように、台車130がY軸方向に沿って移動することによって、照度センサ160Bは、台車130とZ軸上で重なる位置に配置される。このことによって、照度センサ160Bは明るさを検出しない。照度センサ160Aおよび照度センサ160Cは、明るさを検出する。
【0053】
最終的には、図8(C)に示すように、台車130の右端は支柱X2に到達する。このことによって、照度センサ160Cは明るさを検出しない。照度センサ160Aおよび照度センサ160Bは、明るさを検出する。
【0054】
照度センサ160A,160B,160Cは、第1固定部140と通信可能である。また、第1固定部140は制御部(図示を省略)と通信可能である。このように構成することで、制御部は、照度センサ160A,160B,160Cから受信した結果に基づいた情報をVR装置250に送信し、情景映像を変化させる。また、制御部は、第1固定部140の巻き上げ部の制御を行い、第1固定部140は第1ベルト145を巻き上げてもよい。この際、巻き上げ部は例えばモータを有し、制御部は該モータに対する制御を行う構造であることが好ましい。
【0055】
このような構成であっても、第1固定部140は、対象者200の動作に応じて、第1ベルト145を巻き上げる。このことによって、対象者200は倒立状態となる。すなわち、対象者200は、実空間でバンジージャンプを行う際と同様の体験を行うことができる。
【0056】
また、対象者200の能動的な倒れ込むという動作を契機に、仮想空間内でのバンジージャンプを体験することができるため、対象者200の没入感が妨げられない。
【0057】
(第3の実施形態)
図9(A)-図9(C)は、本発明の第3の実施形態に係る疑似体験装置の台車の動作を示す断面図である。
【0058】
第3の実施形態においては、第1の実施形態と比較して、台車130に加速度センサ165が配置されている点で異なる。その他の点については、第1の実施形態と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0059】
図9(A)、図9(B)、図9(C)を用いて疑似体験装置10Bの台車130の動作を示す。台車130の右端には、加速度センサ165が配置されている。加速度センサ165は、制御部(図示を省略)と通信可能である。また、第1固定部140は制御部と通信可能である。該制御部は加速度センサ165が検知する加速度に応じて、第1固定部140を制御する。
【0060】
本実施形態では、台車130の右端に加速度センサ165が配置されている例について説明する。しかしながら、加速度センサ165の配置位置、個数については、この限りではない。
【0061】
図9(A)に示すように、台車130の左端は支柱X1の位置に配置されている。対象者200は、支柱X1の位置から支柱X2の方向(Y軸方向)に向けて、倒れ込む動作を行う。この際、台車130に備えられているタイヤ135が回転することによって、台車130はY軸方向に沿って移動する。
【0062】
この際、対象者200の動作に伴い、台車130は加速度G0で動作する。
【0063】
図9(B)に示すように、台車130がY軸方向に移動することによって、台車130は加速度G1で動作する。
【0064】
最終的には、図9(C)に示すように、Y軸方向における台車130の右端は支柱X2に到達する。この際、台車130は加速度G2で動作する。
【0065】
このように構成することで、制御部(図示を省略)は、加速度G0,G1,G2の値に基づき、第1固定部140の巻き上げ部の制御を行う。すなわち、台車130の加速度に基づいて、第1固定部140は第1ベルト145を巻き上げる。
【0066】
加速度センサ165は、第1固定部140と通信可能である。また、第1固定部140は制御部(図示を省略)と通信可能である。このように構成することで、制御部は、加速度センサ165から受信した結果に基づいた情報をVR装置250に送信し、情景映像を変化させる。また、制御部は、第1固定部140の巻き上げ部の制御を行い、第1固定部140は第1ベルト145を巻き上げてもよい。この際、巻き上げ部は例えばモータを有し、制御部は該モータに対する制御を行う構造であることが好ましい。
【0067】
このような構成であっても、対象者200の動作に応じて、第1ベルト145が巻き上げられ、対象者200は倒立状態となる。すなわち、対象者200は、実空間でバンジージャンプを行う際と同様の体験を行うことができる。
【0068】
また、対象者200の能動的な倒れ込むという動作を契機に、仮想空間内でのバンジージャンプを体験することができるため、対象者200の没入感が妨げられない。
【0069】
上述の構成では、制御部は、加速度G0,G1,G2の値に基づいて、第1固定部140の制御を行う構成について示した。しかしながら、加速度G0から加速度G1への変位、また加速度G1から加速度G2への変位に応じて、制御部は第1固定部140の制御を行う構成であってもよい。また、制御部は加速度ではなく、台車の移動速度に応じた制御を行う構成であってもよい。
【0070】
また、疑似体験装置は、対象者に臨場感を与えるために、対象者の視覚を含む五感を刺激する(風、匂い、音等)構成を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
D1、D2…距離
G0、G1、G2…加速度
X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、Z4…支柱
10、10A、10B…疑似体験装置
110…支持部材
120、120A…レール
125…溝
130…台車
135…タイヤ
140…第1固定部
145…第1ベルト
150…第2固定部
155…第2ベルト
160A、160B、160C…照度センサ
165…加速度センサ
200…対象者
250…VR装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9