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特許7244914建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/00 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
E04F15/00 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019091403
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2020186566
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000213231
【氏名又は名称】株式会社中部コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 裕昭
【審査官】佐藤 史彬
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-174318(JP,A)
【文献】特開平08-302966(JP,A)
【文献】実開平04-090602(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物と、前記建物の外側で板状のタイルを貼り付けたテラスとの間に形成される隙間を覆う化粧蓋に用いられ、モルタル材を充填した上面に前記テラスに貼り付けられたタイルと同種の化粧蓋用タイルを接着剤を用いて貼り付けて前記隙間を覆う化粧蓋に用いられる化粧蓋用フレームであって、
前記化粧蓋用フレームは上面が開口した直方体形状をし、前記化粧蓋用フレームを構成する第1の側壁の高さを前記モルタル材を充填する高さとし、前記化粧蓋用フレームを構成する第2の側壁の高さを前記化粧蓋用タイルの下面と当接する高さであって、前記第1の側壁の高さよりも高い高さ位置としたことを特徴とする建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム。
【請求項2】
請求項1に記載の建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいて、
前記化粧蓋用フレームの第1の側壁とこれに対向する側壁よりなる第1の側壁対の高さを前記モルタル材を充填する高さとしたことを特徴とする建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいて、
前記化粧蓋用フレームの第2の側壁とこれに対向する側壁よりなる第2の側壁対の高さを前記化粧蓋用タイルの下面と当接する高さ位置としたことを特徴とする建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいて、
前記第1の側壁を前記建物と前記テラスとが互いに対向する各壁面に沿う方向で前記第2の側壁よりも長くなるように延出させたことを特徴とする建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいて、
前記化粧蓋用フレームには前記第2の側壁とこれに対向する側壁との間に配置されて前記第2の側壁と同じ高さで前記タイルを支持する支持板を設けたことを特徴とする建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋に用いられる化粧蓋用フレームに関し、特に、建物と、建物の外側で板状のタイルを貼り付けたテラスとの間に形成される隙間を覆う化粧蓋に用いられる化粧蓋用フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建物とテラスとの間の隙間を覆うグレーチング支持部材の発明が開示されている。このグレーチング支持部材は、建物と建物の屋外に設置されるテラスとの間に設置するグレーチングを支持するものであり、テラスの基礎に取り付けられるベース部材と、ベース部材に取り付けられるとともに、テラスの基礎から建物に向かって張り出すように配されてグレーチングを受ける受け部とを備えている。このグレーチング支持部材は受け部によってグレーチングを支持することで、建物とテラスとの間の隙間はグレーチングによって塞がれるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5746825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の屋外に設置されるテラスにはコンクリートの基礎の上面にタイルを貼り付けたものがある。建物とタイルを貼り付けたテラスとの間の隙間に上述したグレーチングを設置したときには、グレーチングがテラスと一体感を持たないので、建物とタイルを貼り付けたテラスとの間の隙間にはグレーチングに代えてテラスに貼り付けたのと同種のタイルをフレーム内に嵌め込んで貼り付けた化粧蓋が用いられることがある。タイルをフレーム内に嵌め込んで貼り付けた化粧蓋は、図9に示したように、上面が開口した浅い箱形をした直方体形状のフレームの上下方向の中間部までモルタル材を充填し、充填したモルタル材の上面に接着剤を塗布してフレーム内に収まる大きさとしたタイルをモルタル材に貼り付ける。
【0005】
図9に示したフレーム内にタイルを嵌め込むようにした化粧蓋では、タイルはフレームの側壁の上端と同じ高さでフレーム内に嵌め込まれているため、タイルの厚みを考慮してフレーム内にモルタル材を充填しなければならなく、フレームにモルタル材を適切な量で充填するのに十分な経験が必要であった。また、タイルはフレームに充填したモルタルの上面に塗布した接着剤によって貼着されているが、モルタルの上面に適切な量の接着剤を塗布しないと、タイルがフレームの側壁の上端と同じ高さとならなかったり、タイルがフレームの側壁の間からはみ出る接着剤によって汚れるおそれがあった。また、タイルをフレーム内に嵌め込むときには、フレームの水平方向の四方の側壁とタイルの水平方向の四方の辺部との間の隙間よりなる目地の間隔を均一とするのに十分な技術を必要としていた。さらに、この化粧蓋を建物とタイルを貼り付けたテラスとの間の隙間を覆うように設置したときに、この化粧蓋はフレームの側壁上面と、フレームの側壁とタイルとの間の接着剤による目地とが露出しているので、テラスのタイルと比してフレームの側壁上面と目地が目立つようになり、美観を損ねることになっていた。本発明は、建物とタイルを貼り付けたテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋に用いられ、タイルを貼り付けたテラスに対して美観を損なわないようにするとともに、化粧蓋を製作するのに熟練の技術を必要としない化粧蓋用フレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、建物と、建物の外側で板状のタイルを貼り付けたテラスとの間に形成される隙間を覆う化粧蓋に用いられ、モルタル材を充填した上面にテラスに貼り付けられたタイルと同種の化粧蓋用タイルを接着剤を用いて貼り付けて隙間を覆う化粧蓋に用いられる化粧蓋用フレームであって、化粧蓋用フレームは上面が開口した直方体形状をし、化粧蓋用フレームを構成する第1の側壁の高さをモルタル材を充填する高さとし、化粧蓋用フレームを構成する第2の側壁の高さを化粧蓋用タイルの下面と当接する高さであって、第1の側壁の高さよりも高い高さ位置としたことを特徴とする建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームを提供するものである。
【0007】
上記のように構成した建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋に用いられる化粧蓋用フレームは、上面が開口した直方体形状をし、化粧蓋用フレームを構成する第1の側壁の高さをモルタル材を充填する高さとし、化粧蓋用フレームを構成する第2の側壁の高さを化粧蓋用タイルの下面と当接する高さであって、第1の側壁の高さよりも高い高さ位置としたので、化粧蓋用フレーム内に充填するモルタル材の高さを第1の側壁の高さに合わせるだけで、化粧蓋用フレームにモルタル材を適切な量で充填することができるようになるだけでなく、化粧蓋用フレームの第2の側壁に化粧蓋用タイルの下面を当接させた状態で化粧蓋用タイルをモルタル材の上側に貼り付けることで、化粧蓋用タイルの高さを適切な高さ位置で位置決めすることができるようになる。
【0008】
上記のように構成した建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいては、化粧蓋用フレームの第1の側壁とこれに対向する側壁よりなる第1の側壁対の高さをモルタル材を充填する高さとするのが好ましい。このようにしたときには、鏝等の道具を第1の側壁とこれに対向する側壁との両方の上端に沿って移動させることで、化粧蓋用フレームに充填されるモルタル材を平坦にきれいに均すことができる。
【0009】
上記のように構成した建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいては、化粧蓋用フレームの第2の側壁とこれに対向する側壁よりなる第2の側壁対の高さを化粧蓋用タイルの下面と当接する高さ位置とするのが好ましい。このようにしたときには、化粧蓋用タイルを第2の側壁とこれに対向する側壁の両方で高さを位置決めすることができ、化粧蓋用タイルの高さを水平方向の2箇所で適切な高さ位置で合わせることができるようになる。
【0010】
上記のように構成した建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいては、第1の側壁を建物とテラスとが互いに対向する各壁面に沿う方向で第2の側壁よりも長くなるように延出させるのが好ましい。このようにしたときには、鏝等の道具を第2の側壁よりも長くなるように延出した第1の側壁に沿って移動させやすくなり、化粧蓋用フレームに充填されるモルタル材を平坦にきれいに均しやすくすることができる。
【0011】
上記のように構成した建物とテラスとの間の隙間を覆う化粧蓋用フレームにおいては、化粧蓋用フレームには第2の側壁とこれに対向する側壁との間に配置されて第2の側壁と同じ高さでタイルを支持する支持板を設けるのが好ましい。このようにしたときには、化粧蓋用タイルの下面は第2の側壁だけでなく支持板に当接されて位置決めされるので、化粧蓋用タイルの高さ位置を第2の側壁と支持板とで適切な高さ位置で合わせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の化粧蓋用フレームを用いた化粧蓋を建物とテラスとの間の隙間に設けた概略斜視図である。
図2図1の化粧蓋の長手方向と直交する方向の縦方向断面図である。
図3】化粧蓋を支持ブラケットに支持させた状態の斜視図である。
図4】化粧蓋用フレームの斜視図である。
図5】化粧蓋用フレームのA-A線に沿った一部省略縦方向断面図(a)、B-B線に沿った縦方向断面図である。
図6】化粧蓋用フレームにモルタルを充填した状態の図5に相当する縦方向断面図である。
図7】化粧蓋用フレームに充填したモルタルの上面にタイルを貼り付けた状態の図5に相当する縦方向断面図である。
図8】化粧蓋用フレームに支持板を設けた変形例の図7(a)に相当する一部省略縦方向断面図である。
図9】従来の化粧蓋の一部省略平面図(a)、長手方向に沿った一部省略縦方向断面図(b)及び長手方向と直交する方向の縦方向断面図(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の化粧蓋用フレームの一実施形態を化粧蓋の実施形態によって図面を参照して説明する。図1及び図2に示したように、建物Bと、建物Bの外側で板状のタイルを貼り付けたテラスTとの間には、建物BとテラスTが互いに対向する壁面に沿う方向を長手方向として延びる隙間Gが形成されており、本発明の化粧蓋用フレームを用いた化粧蓋10は、建物Bと、建物Bの外側で板状のタイルを貼り付けたテラスTとの間のこの隙間Gを覆うものである。
【0014】
図1及び図2に示したように、化粧蓋10は、上面が開口した直方体形状をした化粧蓋用フレーム20内に充填されたモルタル材30の上面にテラスTに貼り付けたタイルと同種の化粧蓋用タイル31を貼り付けて建物BとテラスTとの間の隙間Gを覆うものである。図2に示したように、化粧蓋10は、テラスTの基礎に固定され、隙間Gに延出する支持ブラケットT1に着脱可能に支持されている。図2及び図3に示したように、支持ブラケットT1はテラスTの基礎に固定される固定部T1aと、固定部T1aから隙間Gに延出して化粧蓋10を支持する支持部T1bとを備えている。支持部T1bのテラスTの基礎側には上側に突出する突部T1cが設けられており、突部T1cは化粧蓋10とテラスTとの間隔をテラスTに貼り付けられたタイルの目地と同じ間隔なるようにして、化粧蓋10をテラスTのタイルと一体的に配置させるスペーサの機能を有している。図2及び図3に示したように、化粧蓋10は、建物BとテラスTとの間の隙間Gに沿う方向を長手方向とした略直方体形状としたものである。化粧蓋10は、上面が開口する直方体形状をした化粧蓋用フレーム20を備え、化粧蓋用フレーム20内に充填したモルタル材30の上面に化粧蓋用タイル31を貼り付けたものである。
【0015】
図2及び図4に示したように、化粧蓋用フレーム20は、建物BとテラスTとの間にて隙間Gの長手方向を長手方向として延びる上面が開口した直方体形状をしている。化粧蓋用フレーム20は、建物BとテラスTとの互いに対向する各壁面に沿う方向に延びる一対の第1の側壁21を備えている。図4図5及び図6に示したように、第1の側壁21の高さはモルタル材30を充填する高さとなっており、化粧蓋用フレーム20内にモルタル材30を充填するときの高さを決めるための基準として用いられている。第1の側壁21は建物BとテラスTとの互いに対向する各壁面に沿う方向を長手方向として延びているので、鏝等のモルタル材30を平坦に均す道具を第1の側壁21の上端に沿って移動させることで、化粧蓋用フレーム20にモルタル材30を規定の量で充填させることができる。特にこの実施形態の化粧蓋用フレーム20の一対の第1の側壁21の両方の高さがモルタル材30を充填する高さとなっているため、鏝等のモルタル材を平坦に均す道具を一対の第1の側壁21の両方の上端に沿って移動させることで、化粧蓋用フレーム20に充填されるモルタル材30を平坦にきれいに均すことができる。
【0016】
図4図5及び図7に示したように、化粧蓋用フレーム20は、建物BとテラスTとの互いに対向する各壁面と水平方向に直交する方向に延びる一対の第2の側壁22を備えている。第2の側壁22の高さはモルタル材30の上側に貼り付ける化粧蓋用タイル31の下面と当接する高さとなっており、化粧蓋用フレーム20内に充填したモルタル材30の上側に化粧蓋用タイル31を貼り付けるときの基準として用いられている。
【0017】
図4に示したように、化粧蓋用フレーム20内にはアンカーバー23が設けられており、アンカーバー23は一対の第1の側壁21の間で一対の第1の側壁21と平行に配置されている。アンカーバー23の長手方向と直交する方向の断面形状はT字形をしており、化粧蓋用フレーム20内に充填したモルタル材30を化粧蓋用フレーム20に固定する機能を有している。また、アンカーバー23の高さも第1の側壁21と同じ高さとなっており、化粧蓋用フレーム20内にモルタル材30を充填するときの高さを決めるための基準として用いられている。また、化粧蓋用フレーム20内にはアンカーロッド24が設けられており、アンカーロッド24は一対の第2の側壁22の間で一対の第2の側壁22と平行に配置されている。アンカーロッド24は化粧蓋用フレーム20内に充填したモルタル材30を化粧蓋用フレーム20に固定する機能を有している。
【0018】
図2図6及び図7に示したように、化粧蓋用フレーム20内にはモルタル材30が充填されており、モルタル材30は上述した第1の側壁21の高さに平坦にならされている。モルタル材30の上側には接着剤32が塗布されており、接着剤32によってモルタル材30の上側に化粧蓋用タイル31が接着されている。化粧蓋用タイル31はテラスTに貼り付けたタイルと同種のものが用いられ、化粧蓋用タイル31は化粧蓋用フレーム20の外径と同じ大きさに切断加工されている。化粧蓋用タイル31の下面は第2の側壁22の上端に当接されており、化粧蓋用タイル31は第2の側壁22によって高さ方向に位置決めされている。
【0019】
化粧蓋用フレーム20を用いて化粧蓋10を作成するときには、先ず、図5に示した状態の化粧蓋用フレーム20内に適当量のモルタル材30を充填する。鏝等の道具を一対の第1の側壁21の上端に沿って移動させることで、図6に示したように、化粧蓋用フレーム20に適切な量のモルタル材30が充填されることになる。化粧蓋用フレーム20内に充填したモルタル材30を乾燥させて固化させた後で、固化させたモルタル材30の上面に適当量の接着剤32を塗布し、化粧蓋用フレーム20の外径と同じ大きさに切断加工した化粧蓋用タイル31を接着剤32を塗布したモルタル材30の上側に置く。化粧蓋用タイル31をモルタル材30の上側で下側に押し当てると、図7に示したように、化粧蓋用タイル31の下面が第2の側壁22の上端に当接して、化粧蓋用タイル31が化粧蓋用フレーム20に対して高さ方向に位置決めされる。また、化粧蓋用タイル31をモルタル材30に押し当てたときに、過剰に塗布された接着剤32は化粧蓋用タイル31とモルタル材30との間からはみ出ることになるが、はみ出た接着剤は化粧蓋用タイル31の斜め下側ではみ出ることになるので、化粧蓋用タイル31ははみ出た接着剤によって汚れないようになっている。
【0020】
上記のように構成した建物BとテラスTとの間の隙間Gを覆う化粧蓋10に用いられる化粧蓋用フレーム20は、上面が開口した直方体形状をし、化粧蓋用フレーム20を構成する第1の側壁21の高さをモルタル材30を充填する高さとし、化粧蓋用フレーム20を構成する第2の側壁22の高さを化粧蓋用タイル31の下面と当接する高さ位置とした。これによって、化粧蓋用フレーム20内に充填するモルタル材30の高さを第1の側壁21の高さに合わせるだけで、化粧蓋用フレーム20にモルタル材30を適切な量で充填することができるようになるだけでなく、化粧蓋用フレーム20の第2の側壁22に当接するように化粧蓋用タイル31を貼り付けることで、化粧蓋用タイル31の高さを適切な高さ位置で合わせることができるようになる。なお、この実施形態では化粧蓋用フレーム20の第1の側壁21とこれに対向する側壁とを同じ高さとしているが、本発明はこれに限られるものでなく、対向する側壁の高さを第1の側壁21の高さと異なる高さとしたものであっても同様の作用効果を得ることができる。また、この実施形態では化粧蓋用フレーム20の第2の側壁22とこれに対向する側壁とを同じ高さとしているが、本発明はこれに限られるものでなく、対向する側壁の高さを第2の側壁22の高さと異なる高さとしたものであっても同様の作用効果を得ることができる。
【0021】
また、化粧蓋用フレーム20の第1の側壁21に対向する側壁21の高さをモルタル材30を充填する高さとしており、第1の側壁21とこれに対向する側壁21よりなる第1の側壁対21,21の高さをモルタル材30を充填する高さとしている。これによって、鏝等の道具を第1の側壁21とこれに対向する側壁21との両方の上端に沿って移動させることで、化粧蓋用フレーム20に充填されるモルタル材30を平坦にきれいに均すことができる。
【0022】
また、化粧蓋用フレーム20の第2の側壁22とこれに対向する側壁22の高さを化粧蓋用タイル31の下面と当接する高さ位置としており、化粧蓋用フレーム20の第2の側壁22とこれに対向する側壁22よりなる第2の側壁対22,22の高さを化粧蓋用タイル31の下面と当接する高さ位置となっている。これによって、化粧蓋用タイル31を第2の側壁22とこれに対向する側壁22の両方で高さを位置決めすることができ、化粧蓋用タイル31の高さを水平方向の2箇所で適切な高さ位置で合わせることができるようになる。
【0023】
また、化粧蓋用フレーム20の第1の側壁21は建物BとテラスTとが互いに対向する各壁面に沿う方向で第2の側壁22よりも長くなるように延出させている。これによって、鏝等の道具を第2の側壁22よりも長くなるように延出した第1の側壁21に沿って移動させやすくなり、化粧蓋用フレーム20に充填されるモルタル材を平坦に均しやすくすることができる。
【0024】
次に、化粧蓋10の変形例について説明する。図8に示したように、化粧蓋10の変形例においては、化粧蓋用フレーム20には第2の側壁22とこれに対向する側壁22の間に配置されて第2の側壁22と同じ高さで化粧蓋用タイル31を支持する支持板25が設けられている。支持板25は第2の側壁22とこれに対向する側壁22に平行に配置されている。この変形例の化粧蓋10では、化粧蓋用タイル31の下面は第2の側壁22だけでなく支持板25に当接されて位置決めされるので、化粧蓋用タイル31の高さ位置を第2の側壁22と支持板25との2箇所で適切な高さ位置で合わせることができるようになる。
【0025】
この実施形態の化粧蓋用フレーム20は、第1の側壁21の高さにモルタル材30を充填し、充填したモルタル材30の上側に接着剤32を塗布するようにしたが、これに限られるものでなく、第2の側壁22の高さまたはこれよりも高い位置までモルタル材30を充填し、充填した固化する前のモルタル材30を接着剤として用いて化粧蓋用タイル31を第2の側壁22に当接させることで、化粧蓋用タイル31の高さを適切な高さ位置で位置決めすることができるようになる。
【符号の説明】
【0026】
10…化粧蓋、20…化粧蓋用フレーム、21…第1の側壁、22…第2の側壁、25…支持板、30…モルタル材、31…化粧蓋用タイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9