(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】インテリジェント制御システム、緊急始動電源及びインテリジェントバッテリークリップ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230315BHJP
G05F 1/569 20060101ALI20230315BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20230315BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20230315BHJP
H02J 9/04 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
H02J7/00 T
G05F1/569
H02J7/34 G
H02H7/18
H02J9/04
(21)【出願番号】P 2021136544
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】202010963095.2
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520460937
【氏名又は名称】深▲せん▼市華思旭科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CARKU TECHNOLOGY CO.,LIMITED
【住所又は居所原語表記】Room 103,Building A,Qixing Creative Squaure,Gaofeng Community,Dalang Street,Longhua District Shenzhen,Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】レイ ユィン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジフォン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ミン
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0081472(US,A1)
【文献】特開2000-069679(JP,A)
【文献】登録実用新案第3192305(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
G05F 1/569
H02J 7/34
H02H 7/18
H02J 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェント制御システムであって、
マイクロコントローラユニット(MCU)、負荷検出モジュール、スイッチ制御モジュール
、及び電源出力ポートを含み、
前記電源出力ポートは
、負荷に電気的に接続され
るために用いられ、
前記スイッチ制御モジュール
の第一端は
、緊急始動電源の内部バッテリーパックに接続さ
れるために用いられ、前記スイッチ制御モジュールの第二端は、前記電源出力ポートを介して前記負荷に電気的に接続され
るために用いられ、
前記負荷検出モジュールは
、前記負荷の状態
及び前記負荷の電圧を検出するために用いら
れ、
前記MCUは、前記負荷の状態に応じて、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる、
ことを特徴とするインテリジェント制御システム。
【請求項2】
前記負荷検出モジュールは前記負荷の状態を検出するために用いられることは、前記負荷検出モジュールは前記負荷の極性接続識別を実行することを含み、
前記MCUは、前記負荷の状態に応じて、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御することは、前記負荷検出モジュールによって前記負荷の極性逆接続を検出したとき、前記MCUは前記スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項3】
前記スイッチ制御モジュールの制御端は前記MCUからの制御信号を受信し、前記負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項4】
前記負荷検出モジュールは、電圧比例演算回路及びフィルタ回路を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項5】
前記電圧比例演算回路は、第一レジスタ、第二レジスタ、第三レジスタ及び第一ダイオードを含み、前記フィルタ回路は、第四レジスタ及び第一キャパシターを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項6】
前記第一レジスタの第一端は電源端に接続されており、前記第三レジスタの第一端は前記負荷の第一端に接続されており、前記第一レジスタの第二端は、前記第二レジスタの第一端、前記第三レジスタの第二端、前記第四レジスタの第一端及び前記第一ダイオードの負極に接続されており、前記第四レジスタの第二端は、前記第一キャパシターの第一端及び前記MCUの第一入力端に接続されており、前記第二レジスタの第二端、前記第一ダイオードの正極及び前記第一キャパシターの第二端は接地される、
ことを特徴とする請求項5に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項7】
前記MCUは、前記MCUの第一入力端によってアナログ電圧信号を受信するために用いられ、
前記MCUは、さらに、前記アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間の下限値より小さい場合、前記負荷が極性逆接続されていることを確定し、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御するために用いられ、
前記MCUは、さらに、前記アナログ電圧信号に基づいて前記負荷の電圧を確定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項6に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項8】
前記MCUは、さらに、前記アナログ電圧信号に対応する電圧値が前記第一電圧区間の上限値より大きい場合、前記負荷が極性正接続されていることを確定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項9】
前記MCUは、さらに、前記負荷が極性正接続されている場合、前記アナログ電圧信号に対応する電圧値の下降勾配が予め設定された勾配閾値より大きいと検出されると、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態になるように制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項10】
前記MCUは、さらに、前記アナログ電圧信号に対応する電圧値が前記第一電圧区間にある場合、前記負荷の正極及び負極が短絡されたことを確定し、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項7に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項11】
前記MCUは、さらに、前記アナログ電圧信号に対応する電圧値が第二電圧区間にある場合、前記電源出力ポートと前記負荷との間の電気接続が異常であると確定するために用いられ、前記第一電圧区間と前記第二電圧区間は交差しない、
ことを特徴とする請求項7に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項12】
前記負荷検出モジュールは、極性検出回路及び電圧検出回路を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項13】
前記極性検出回路は、第五レジスタ、第六レジスタ、第七レジスタ、第八レジスタ、第九レジスタ、第二キャパシター及び第二ダイオードを含み、前記電圧検出回路は、第十レジスタ、第十一レジスタ、第十二レジスタ、第三キャパシター及び第三ダイオードを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項14】
前記第五レジスタの第一端は、電源端に接続されており、前記第五レジスタの第二端は、前記第六レジスタの第一端、前記第八レジスタの第一端、前記第九レジスタの第一端に接続されており、前記第八レジスタの第二端は、前記第二キャパシターの第一端及び前記極性検出回路の出力端に接続されており、前記第九レジスタの第二端は、前記第七レジスタの第一端及び前記第二ダイオードの正極に接続されており、前記第二ダイオードの負極は、前記負荷の第一端及び前記第十一レジスタの第一端に接続されており、前記第十一レジスタの第二端は、前記第十レジスタの第一端及び前記第十二レジスタの第一端に接続されており、前記第十二レジスタの第二端は、前記第三キャパシターの第一端及び前記電圧検出回路の出力端に接続されており、前記第六レジスタの第二端、前記第七レジスタの第二端、前記第十レジスタの第二端、前記第二キャパシターの第二端、前記第三キャパシターの第二端は接地される、
ことを特徴とする請求項13に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項15】
前記MCUは、前記MCUの第二入力端によって、前記極性検出回路の出力端から出力される極性電圧信号を受信するために用いられ、
前記MCUは、さらに、前記極性電圧信号に対応する電圧値が第三電圧区間内にある場合、前記負荷が極性逆接続されていることを確定し、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項14に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項16】
前記MCUは、さらに、前記極性電圧信号に対応する電圧値が第四電圧区間内にある場合、前記負荷が極性正接続されていることを確定するために用いられ、前記第三電圧区間と前記第四電圧区間は交差しない、
ことを特徴とする請求項15に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項17】
前記
MCUは、さらに、前記負荷が極性正接続されている場合、前記
MCUの第三入力端によって前記電圧検出回路の出力端から出力される負荷電圧信号を受信し、前記負荷電圧信号に基づいて前記負荷の電圧を確定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項16に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項18】
前記負荷検出モジュールは、第一スイッチ、第二スイッチ、第三スイッチ、第四スイッチ及び負荷レジスタを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項19】
前記第一スイッチの第一端及び前記第四スイッチの第一端は、前記負荷の第一端に接続されており、前記第二スイッチの第一端及び前記第三スイッチの第一端は、前記負荷の第二端に接続されており、前記第一スイッチの第二端及び前記第二スイッチの第二端は、前記内部バッテリーパックの正極に接続されており、前記第三スイッチの第二端及び前記第四スイッチの第二端は、前記負荷レジスタの第一端に接続されており、前記負荷レジスタの第二端は、前記内部バッテリーパックの負極に接続されている、
ことを特徴とする請求項18に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項20】
前記MCUは、さらに、前記第一スイッチ及び前記第三スイッチがオンになり、前記第二スイッチ及び前記第四スイッチがオフになる場合、前記負荷レジスタの第一電流を検出するために用いられ、
前記MCUは、さらに、前記第一
スイッチ及び前記第三スイッチがオフになり、前記第二スイッチ及び前記第四スイッチがオンになる場合、前記負荷レジスタの第二電流を検出するために用いられ、
前記MCUは、さらに、前記第一電流が前記第二電流より大きい場合、前記負荷が極性逆接続されていることを確定するために用いられ、
前記MCUは、さらに、前記第一電流が前記第二電流より小さい場合、前記負荷が極性正接続されていることを確定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項19に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項21】
前記負荷検出モジュールは、第五スイッチ及び第六スイッチをさらに含み、
前記第五スイッチの第一端は前記負荷の第一端に接続され、前記第五スイッチの第二端は前記内部バッテリーパックの正極に接続され、前記第六スイッチの第一端は前記負荷の第二端に接続され、前記第六スイッチの第二端は前記内部バッテリーパックの負極に接続される、
ことを特徴とする請求項19に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項22】
前記インテリジェント制御システムは、ウェイクアップモジュールをさらに含み、
前記ウェイクアップモジュールは、前記負荷の電圧が第一閾値より高い場合、前記ウェイクアップモジュールの出力端から前記MCUに中断信号を送信するために用いられ、前記中断信号は、前記MCUをスリープ状態又はスタンバイ状態から正常動作状態へ切り替えるために用いられる、
ことを特徴とする請求項
1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項23】
前記ウェイクアップモジュールは、第一電圧比較器、第二電圧比較器、第四ダイオード、第五ダイオード及び第十三レジスタを含み、
電源端は、前記第一電圧比較器の電力供給端、前記第二電圧比較器の電力供給端、前記第十三レジスタの第一端に接続されており、前記第一電圧比較器の接地端及び前記第二電圧比較器の接地端は接地されており、
前記第一電圧比較器の非反転入力端子は、第一基準電圧を送信するための伝送線に接続されており、前記第一電圧比較器の反転入力端子は、アナログ電圧信号又は負荷電圧信号を送信するための伝送線に接続されており、前記第一電圧比較器の出力端は前記第四ダイオードの負極に接続されており、前記第四ダイオードの正極は、前記第十三レジスタの第二端及び前記第五ダイオードの正極、及びウェイクアップモジュールの出力端に接続されており、
前記第二電圧比較器の非反転入力端子は、前記アナログ電圧信号又は前記負荷電圧信号を送信するための伝送線に接続されており、前記第二電圧比較器の反転入力端子は、
第二基準電圧を送信するための伝送線に接続されており、前記第二電圧比較器の出力端は、前記第五ダイオードの負極に接続されている、
ことを特徴とする請求項22に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項24】
前記インテリジェント制御システムは、安定化電源モジュールをさらに含み、前記安定化電源モジュールは、第六ダイオード、第七ダイオード及びロウドロップアウト(LDO)レギュレータを含み、前記第六ダイオードの正極は前記内部バッテリーパックの正極に接続されており、前記第六ダイオードの負極は前記第七ダイオードの負極及び前記LDOレギュレータの入力端に接続されており、前記第七ダイオードの正極は前記負荷の正極に接続されており、前記LDOレギュレータの出力端は前記電源端である、
ことを特徴とする請求項
6又は23に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項25】
前記インテリジェント制御システムは、キー入力モジュールをさらに含み、
前記キー入力モジュールは、キー起動信号を受信すると、前記MCUに中断信号を送信し、前記中断信号は、前記MCUをスリープ状態又はスタンバイ状態から正常作動状態に切り替えるために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項26】
前記インテリジェント制御システムは、電流検出器をさらに含み、
前記電流検出器は、前記電源出力ポートと前記負荷との間に設置されており、前記内部バッテリーパックが前記負荷に放電するときの放電電流を検出するために用いられ、
前記放電電流が過電流閾値又は短絡閾値より大きい場合、前記電流検出器は前記MCUに過電流保護信号又は短絡保護信号を送信し、
前記MCUは、前記過電流保護信号及び前記短絡保護信号のうちの少なくとも1つに基づいて、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項27】
前記インテリジェント制御システムは、双方向電流検出センサーをさらに含み、
前記双方向電流検出センサーは、前記電源出力ポートと前記負荷との間に設置されており、前記内部バッテリーパックが放電状態にあるか充電状態にあるかを検出するために用いられ、
前記内部バッテリーパックが充電状態にある場合、前記双方向電流検出センサーは前記MCUに充電保護信号を送信し、
前記MCUは、前記充電保護信号に基づいて、前記スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項28】
前記インテリジェント制御システムは、状態表示モジュールをさらに含み、
前記状態表示モジュールは、前記MCUに接続されており、前記インテリジェント制御システムの状態表示を実現し、前記状態表示は、作動状態表示とアラームプロンプトを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項29】
前記負荷は容量性負荷である、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項30】
前記容量性負荷は、バッテリー、スーパーキャパシタ及びリチウムバッテリーのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせを含む、
ことを特徴とする請求項29に記載のインテリジェント制御システム。
【請求項31】
緊急始動電源であって、
請求項1~30のいずれか一項に記載のインテリジェント制御システム及び内部バッテリーパッ
クを含
む、
ことを特徴とする緊急始動電源。
【請求項32】
インテリジェントバッテリークリップであって、
請求項1~30のいずれか一項に記載のインテリジェント制御システム及び電源入力ポー
トを含み、
前記電源入力ポートは、緊急始動電源の内部バッテリーパックに電気的に接続され
るために用いられる、
ことを特徴とするインテリジェントバッテリークリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子回路の技術分野に関し、特にインテリジェント制御システム、緊急始動電源及びインテリジェントバッテリークリップに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されているインテリジェントバッテリークリップ及び緊急始動電源が自動車用蓄電池に電気的に接続される時の極性検出の設計原理は以下のとおりである。マイクロコントローラユニット(microcontroller unit,MCU)は、光電絶縁部材(例えば、重要検出部材としてのフォトカプラである)の出力信号に応じて、極性接続が正しいか否かを判断する。
【0003】
光電絶縁部材は、環境に敏感であり、応答時間が遅く、使用寿命が短く、故障し易い欠点を有するので、光電絶縁部材からMCUに送信される信号の遅延が比較的長いか、さらには通常の出力信号さえ送信できない。外部と自動車用蓄電池の接続が異常である(極性逆接続など)場合、光電絶縁センサーのスイッチング速度が比較的遅く、又は光電絶縁センサーが故障しているので、MCUは異常接続又は極性逆接続に迅速に応答することができず又は応答することができず、従って出力回路のコンポーネント(例えば、電源スイッチユニット)を切断することができず、その結果、システムの内部回路やバッテリーに損傷を招き、深刻な状況ではセキュリティ事故を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一態様では、インテリジェント制御システムが提供される。インテリジェント制御システムは、マイクロコントローラユニット(MCU)、負荷検出モジュール、スイッチ制御モジュール、緊急始動電源、負荷及び電源出力ポートを含む。電源出力ポートは、負荷に電気的に接続される。スイッチ制御モジュールは、緊急始動電源の内部バッテリーパックに接続された第一端と、電源出力ポートを介して負荷に電気的に接続された第二端と、MCUからの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられ、負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0005】
本発明の第二態様では、緊急始動電源が提供される。緊急始動電源は、マイクロコントローラユニット(MCU)、内部バッテリーパック、スイッチ制御モジュール及び負荷検出モジュールを含む。スイッチ制御モジュールは、内部バッテリーパックに電気的に接続された第一端と、負荷に電気的に接続された第二端と、MCUからの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられ、負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0006】
本発明の第三態様では、インテリジェントバッテリークリップが提供される。インテリジェントバッテリークリップは、マイクロコントローラユニット(MCU)、電源入力ポート、電源出力ポート、スイッチ制御モジュール及び負荷検出モジュールを含む。電源入力ポートは、緊急始動電源の内部バッテリーパックに電気的に接続される。電源出力ポートは、負荷に電気的に接続される。スイッチ制御モジュールは、電源入力ポートを介して内部バッテリーパックに電気的に接続された第一端と、電源出力ポートを介して負荷に電気的に接続された第二端と、MCUからの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられ、負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、本発明の実施形態又は従来の技術の技術方案をより明確に説明するために、本発明の実施形態又は従来の技術の説明に使用される図面について簡単に説明する。明らかに、以下説明される図面は、本発明の一部の実施形態だけのものであり、当業者であれば、これらの図面から創造的な努力なしに他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、本願の実施形態に係るインテリジェント制御システムの構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本願の実施形態に係る負荷検出モジュールの構造を示す図である。
【
図3】
図3は、本願の実施形態に係る、
図2に示された負荷検出モジュールに基づいて得られたカーバッテリーの異なる状態でのシミュレーション結果の概略図である。
【
図4】
図4は、本願の実施形態に係る別の負荷検出モジュールの構造を示す図である。
【
図5】
図5は、本願の実施形態に係る、
図4に示された負荷検出モジュールに基づいて得られたカーバッテリーの異なる状態でのシミュレーション結果の概略図である。
【
図6】
図6は、本願の実施形態に係る別の負荷検出モジュールの構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本願の実施形態に係る別のインテリジェント制御システムの構造を示す図である。
【
図8】
図8は、本願の実施形態に係るウェイクアップモジュールの構造を示す図である。
【
図9】
図9は、本願の実施形態に係るウェイクアップ回路のシミュレーション結果の概略図である。
【
図10】
図10は、本願の実施形態に係る安定化電源モジュールの構造を示す図である。
【
図11】
図11は、本願の実施形態に係る別のインテリジェント制御システムの構造を示す図である。
【
図12】
図12は、本願の実施形態に係る緊急始動電源の構造を示す図である。
【
図13】
図13は、本願の実施形態に係るインテリジェントバッテリークリップの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態の添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術的手段を、明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の一部の実施形態だけのものであり、全ての実施形態ではない。本明細書に説明される実施形態から創造的な努力なしに当業者が得ることができるすべての別の実施形態は、本発明の範囲に入るものとする。
【0009】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された「第一」、「第二」などの用語は、特定の順序を説明するために用いられるものではなく、異なる対象を区別するために用いられる。「含む」、「有する」という用語、及びそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、リストされたステップ又はユニットに限定されず、選択的にリストされていない他のステップ又はユニットを含むことができ、又は選択的にこれらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含むこともできる。
【0010】
本明細書で言及される「実施形態」という用語は、実施形態に記載された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書の各位置に「実施形態」という用語が出現する場合、必ず同じ実施形態ではなく、他の実施形態と排他的な独立又は選択的な実施形態でもない。当業者は、本明細書に記載された実施形態は他の実施形態と組み合わせることができることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0011】
本発明の実施形態は、インテリジェント制御システム、緊急始動電源及びインテリジェントバッテリークリップを提供する。絶縁部材を採用する負荷検出モジュールと比較して、負荷が極性逆接続されているか否か迅速に検出することができる。負荷が極性逆接続されていることが検出されると、マイクロコントローラユニット(MCU)はスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御することができ、従って制御システムのセキュリティと信頼性を向上させる。
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
本実施形態は、インテリジェント制御システム、緊急始動電源及びインテリジェントバッテリークリップを提供し、異常接続又は極性逆接続された場合、迅速に出力回路の構成要素を切断することができ、セキュリティ及び制御システムの信頼性を向上させる。
【0014】
本実施形態に係わるインテリジェント制御システムは、マイクロコントローラユニット(MCU)、負荷検出モジュール(又は電圧検出モジュールと呼ばれることもできる)、スイッチ制御モジュール、緊急始動電源、負荷及び電源出力ポートを含む。電源出力ポートは、負荷に電気的に接続される。スイッチ制御モジュールは、緊急始動電源の内部バッテリーパックに接続された第一端と、電源出力ポートを介して負荷に電気的に接続された第二端と、MCUからの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられ、負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0015】
1つの実施形態において、負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられることは、負荷検出モジュールは負荷の極性接続識別を実行することを含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御することは、負荷検出モジュールによって負荷の極性逆接続を検出したとき、MCUはスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御することを含む。
【0016】
1つの実施形態において、負荷検出モジュールは、さらに負荷の電圧を検出するために用いられる。
【0017】
1つの実施形態において、負荷検出モジュールは、電圧比例演算回路及びフィルタ回路を含む。
【0018】
1つの実施形態において、電圧比例演算回路は、第一レジスタ、第二レジスタ、第三レジスタ及び第一ダイオードを含む。フィルタ回路は、第四レジスタ及び第一キャパシターを含む。
【0019】
1つの実施形態において、第一レジスタの第一端は電源端に接続されている。第三レジスタの第一端は負荷の第一端に接続されている。第一レジスタの第二端は、第二レジスタの第一端、第三レジスタの第二端、第四レジスタの第一端及び第一ダイオードの負極に接続されている。第四レジスタの第二端は、第一キャパシターの第一端及びMCUの第一入力端に接続されている。第二レジスタの第二端、第一ダイオードの正極及び第一キャパシターの第二端は接地される。
【0020】
1つの実施形態において、MCUは、MCUの第一入力端によってアナログ電圧信号を受信するために用いられる。MCUは、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間の下限値より小さい場合、負荷が極性逆接続されていることを確定し、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。MCUは、さらに、アナログ電圧信号に基づいて負荷の電圧を確定するために用いられる。
【0021】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間の上限値より大きい場合、負荷が極性正接続されていることを確定するために用いられる。
【0022】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、負荷が極性正接続されている場合、アナログ電圧信号に対応する電圧値の下降勾配が予め設定された勾配閾値より大きいと検出されると、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態になるように制御するために用いられる。
【0023】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間にある場合、負荷の正極及び負極が短絡されたことを確定し、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0024】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第二電圧区間にある場合、電源出力ポートと負荷との間の電気接続が異常であると確定するために用いられ、第一電圧区間と第二電圧区間は交差しない。
【0025】
1つの実施形態において、負荷検出モジュールは、極性検出回路及び電圧検出回路を含む。
【0026】
1つの実施形態において、極性検出回路は、第五レジスタ、第六レジスタ、第七レジスタ、第八レジスタ、第九レジスタ、第二キャパシター及び第二ダイオードを含む。電圧検出回路は、第十レジスタ、第十一レジスタ、第十二レジスタ、第三キャパシター及び第三ダイオードを含む。
【0027】
1つの実施形態において、第五レジスタの第一端は、電源端に接続されている。第五レジスタの第二端は、第六レジスタの第一端、第八レジスタの第一端、第九レジスタの第一端に接続されている。第八レジスタの第二端は、第二キャパシターの第一端及び極性検出回路の出力端に接続されている。第九レジスタの第二端は、第七レジスタの第一端及び第二ダイオードの正極に接続されている。第二ダイオードの負極は、負荷の第一端及び第十一レジスタの第一端に接続されている。第十一レジスタの第二端は、第十レジスタの第一端及び第十二レジスタの第一端に接続されている。第十二レジスタの第二端は、第三キャパシターの第一端及び電圧検出回路の出力端に接続されている。第六レジスタの第二端、第七レジスタの第二端、第十レジスタの第二端、第二キャパシターの第二端、第三キャパシターの第二端は接地される。
【0028】
1つの実施形態において、MCUは、MCUの第二入力端によって、極性検出回路の出力端から出力される極性電圧信号を受信するために用いられる。MCUは、さらに、極性電圧信号に対応する電圧値が第三電圧区間内にある場合、負荷が極性逆接続されていることを確定し、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0029】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、極性電圧信号に対応する電圧値が第四電圧区間内にある場合、負荷が極性正接続されていることを確定するために用いられ、第三電圧区間と第四電圧区間は交差しない。
【0030】
1つの実施形態において、MUCは、さらに、負荷が極性正接続されている場合、MUCの第三入力端によって電圧検出回路の出力端から出力される負荷電圧信号を受信し、負荷電圧信号に基づいて負荷の電圧を確定するために用いられる。
【0031】
1つの実施形態において、負荷検出モジュールは、第一スイッチ、第二スイッチ、第三スイッチ、第四スイッチ及び負荷レジスタを含む。
【0032】
1つの実施形態において、第一スイッチの第一端及び第四スイッチの第一端は、負荷の第一端に接続されている。第二スイッチの第一端及び第三スイッチの第一端は、負荷の第二端に接続されている。第一スイッチの第二端及び第二スイッチの第二端は、内部バッテリーパックの正極に接続されている。第三スイッチの第二端及び第四スイッチの第二端は、負荷レジスタの第一端に接続されている。負荷レジスタの第二端は、内部バッテリーパックの負極に接続されている。
【0033】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、第一スイッチ及び第三スイッチがオンになり、第二スイッチ及び第四スイッチがオフになる場合、負荷レジスタの第一電流を検出するために用いられる。MCUは、さらに、第一イッチ及び第三スイッチがオフになり、第二スイッチ及び第四スイッチがオンになる場合、負荷レジスタの第二電流を検出するために用いられる。MCUは、さらに、第一電流が第二電流より大きい場合、負荷が極性逆接続されていることを確定するために用いられる。MCUは、さらに、第一電流が第二電流より小さい場合、負荷が極性正接続されていることを確定するために用いられる。
【0034】
1つの実施形態において、負荷検出モジュールは、第五スイッチ及び第六スイッチをさらに含み、第五スイッチの第一端は負荷の第一端に接続され、第五スイッチの第二端は内部バッテリーパックの正極に接続され、第六スイッチの第一端は負荷の第二端に接続され、第六スイッチの第二端は内部バッテリーパックの負極に接続される。
【0035】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、ウェイクアップモジュールをさらに含む。ウェイクアップモジュールは、負荷の電圧が第一閾値より高い場合、ウェイクアップモジュールの出力端からMCUに中断信号を送信するために用いられる。中断信号は、MCUをスリープ状態又はスタンバイ状態から正常動作状態へ切り替えるために用いられる。
【0036】
1つの実施形態において、ウェイクアップモジュールは、第一電圧比較器、第二電圧比較器、第四ダイオード、第五ダイオード及び第十三レジスタを含む。電源端は、第一電圧比較器の電力供給端、第二電圧比較器の電力供給端、第十三レジスタの第一端に接続されており、第一電圧比較器の接地端及び第二電圧比較器の接地端は接地されている。第一電圧比較器の非反転入力端(non-inverting input terminal)は、第一基準電圧を送信するための伝送線(transmission line)に接続されており、第一電圧比較器の反転入力端(inverting input terminal)は、アナログ電圧信号又は負荷電圧信号を送信するための伝送線に接続されている。第一電圧比較器の出力端は、第四ダイオードの負極に接続されており、第四ダイオードの正極は、第十三レジスタの第二端及び第五ダイオードの正極、及びウェイクアップモジュールの出力端に接続されている。第二電圧比較器の非反転入力端は、アナログ電圧信号又は負荷電圧信号を送信するための伝送線に接続されており、第二電圧比較器の反転入力端は、第二基準電圧を送信するための伝送線に接続されている。第二電圧比較器の出力端は、第五ダイオードの負極に接続されている。
【0037】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、安定化電源モジュールをさらに含む。安定化電源モジュールは、第六ダイオード、第七ダイオード及びロウドロップアウト(low-dropout,LDO)レギュレータを含み、第六ダイオードの正極は内部バッテリーパックの正極に接続されており、第六ダイオードの負極は第七ダイオードの負極及びLDOレギュレータの入力端に接続されており、第七ダイオードの正極は負荷の正極と接続されており、ここで、LDOレギュレータの出力端は電源端である。
【0038】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、キー入力モジュールをさらに含む。キー入力モジュールは、キー起動信号を受信すると、MCUに中断信号を送信する。中断信号は、MCUをスリープ状態又はスタンバイ状態から正常作動状態に切り替えるために用いられる。
【0039】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、電流検出器をさらに含む。電流検出器は、電源出力ポートと負荷との間に設置されており、内部バッテリーパックが負荷に放電するときの放電電流を検出するために用いられる。放電電流が過電流閾値又は短絡閾値より大きい場合、電流検出器はMCUに過電流保護信号又は短絡保護信号を送信する。MCUは、過電流保護信号及び短絡保護信号のうちの少なくとも1つに基づいて、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御する。
【0040】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、双方向電流検出センサーをさらに含む。双方向電流検出センサーは、電源出力ポートと負荷との間に設置されており、内部バッテリーパックが放電状態にあるか充電状態にあるかを検出するために用いられる。内部バッテリーパックが充電状態にある場合、双方向電流検出センサーはMCUに充電保護信号を送信する。MCUは、充電保護信号に基づいて、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御する。
【0041】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、状態表示モジュールをさらに含む。状態表示モジュールは、MCUに接続されており、インテリジェント制御システムの状態表示を実現する。状態表示は、作動状態表示とアラームプロンプトを含む。
【0042】
1つの実施形態において、負荷は容量性負荷である。
【0043】
1つの実施形態において、容量性負荷は、バッテリー、スーパーキャパシタ及びリチウムバッテリーのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせを含む。
【0044】
本実施形態に係わる緊急始動電源は、マイクロコントローラユニット(MCU)、内部バッテリーパック、スイッチ制御モジュール及び負荷検出モジュールを含む。スイッチ制御モジュールは、内部バッテリーパックに電気的に接続された第一端と、負荷に電気的に接続された第二端と、MCUからの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられ、負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0045】
本実施形態に係わるインテリジェントバッテリークリップは、マイクロコントローラユニット(MCU)、電源入力ポート、電源出力ポート、スイッチ制御モジュール及び負荷検出モジュールを含む。電源入力ポートは、緊急始動電源の内部バッテリーパックに電気的に接続される。電源出力ポートは、負荷に電気的に接続される。スイッチ制御モジュールは、電源入力ポートを介して内部バッテリーパックに電気的に接続された第一端と、電源出力ポートを介して負荷に電気的に接続された第二端と、MCUからの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュールは負荷の状態を検出するために用いられ、負荷検出モジュールは非絶縁部材を含む。MCUは、負荷の状態に応じて、スイッチ制御モジュールがスイッチオン状態又はスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0046】
本発明の実施形態に係わるインテリジェント制御システムは、非絶縁部材を含む負荷検出モジュールによって、負荷に対して極性接続識別を実行し、且つ負荷の電圧を検出することができる。絶縁部材を含む負荷検出モジュールと比較して、本発明の負荷検出モジュールは、負荷が極性逆接続されているか否かを迅速に検出することができる。負荷が極性逆接続されていることを検出した場合、MCUはスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御して、出力回路内のコンポーネントをすばやく切断することができ従って制御システムのセキュリティ及び信頼性を向上させることができる。
【0047】
図1は、本願の実施形態に係るインテリジェント制御システムの構造を示す図である。
図1に示されたように、本実施形態に係わるインテリジェント制御システムは、マイクロコントローラユニット(MCU)10、負荷検出モジュール20、スイッチ制御モジュール30、緊急始動電源40、負荷50及び電源出力ポート60を含む。電源出力ポート60は、負荷50に電気的に接続される。スイッチ制御モジュール30は、緊急始動電源40の内部バッテリーパック41に接続された第一端と、電源出力ポート60を介して負荷50に電気的に接続された第二端と、MCU10からの制御信号を受信するように構成された制御端と、を含む。負荷検出モジュール20は負荷50に対して極性接続識別を実行するために用いられ、負荷検出モジュール20は非絶縁部材を含む。MCU10は、負荷検出モジュール20によって負荷50が極性逆接続されていることを検出した場合、スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0048】
1つの実施形態において、負荷検出モジュール20は、負荷50の電圧を検出するために用いられる。
【0049】
本願の実施形態に係るインテリジェント制御システムは、負荷50が極性逆接続されているか否かを検出するために用いられ、且つ負荷50の電圧を検出することもできる。
【0050】
負荷50は、容量性負荷であることができ、自動車用蓄電池(「カーバッテリー」とも呼ばれる)、スーパーキャパシタ、リチウムバッテリーのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせを含むことができる。自動車用蓄電池は、自動車蓄電池とも呼ばれる。自動車用蓄電池は、従来の鉛酸蓄電池を含むことができる。負荷が極性逆接続されている場合、負荷が所在する電流ループが損傷する可能性がある(例えば、ループ内のコンポーネントが焼損したり、緊急始動電源40の内部バッテリーパック41が損傷したりするなど)。
【0051】
自動車用蓄電池は、自動車がエンジンを始動するとき、スターター(例えば、自動車モーター)に強大な始動電流を供給して、エンジンを始動させることができる。自動車のエンジンを始動した後、自動車の発電機を駆動して発電機を始動することができる。発電機は、スターターを除いた自動車内の全ての電気機器(例えば、車載エアコン、オーディオ、シガーライター、ワイパーなど)に電力を供給することができる。発電機が過負荷になると、自動車用蓄電池は発電機が電気機器に電力を供給するように助けることもできる。エンジンがアイドリングしているとき、自動車用蓄電池は電気機器に電力を供給することもできる。 発電機は自動車用蓄電池を充電することもできる。
【0052】
スイッチ制御モジュール30は、パワーエレクトロニクススイッチ、リレー、電界効果トランジスタ(field effect transistor,FET)のうちのいずれか1つであることができる。FETは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide-semiconductor field effect transistor,MOSFET)を含むことができる。スイッチ制御モジュール30は、高レベルでスイッチオン状態になり、低レベルでスイッチオフ状態になる。スイッチ制御モジュール30がスイッチオン状態になると、緊急始動電源40の内部バッテリーパック41は、電源出力ポート60を介して負荷50に電気的に接続される。この場合、内部バッテリーパック41は、負荷50にエネルギーを供給することができる。スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になると、緊急始動電源40の内部バッテリーパック41と負荷50の接続が切断される。負荷検出モジュール20によって負荷50が極性逆接続されていることを検出した場合、制御システム全体の損傷を回避するために、MCU10はスイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるように制御する。
【0053】
緊急始動電源40は、自動車緊急始動電源とも呼ばれ、車で旅行するユーザーのために開発した多機能携帯型移動電源である。緊急始動電源40は、自動車用蓄電池の電気量が不足である場合、又は他の理由で自動車を始動できない場合、自動車を始動するためのバックアップ電源として機能することができる。
【0054】
緊急始動電源40は、内部電池パック41を含むことができる。内部電池パック41は、鉛酸蓄電池又はリチウムポリマー電池(例えば、リチウム電池)であることができる。緊急始動電源40は、自動車用蓄電池にエネルギー補足を提供することができ、又は自動車のエンジンを始動するときに必要とするエネルギー出力として使用されることもできる。
【0055】
電源出力ポート60は、負荷50に電気的に接続されている。負荷50の電気量が不足である場合、内部バッテリーパック41は、電源出力ポート60を介して負荷50を充電することができる。自動車が始動された場合、負荷50は自動車の発電機によって充電することもできる。内部バッテリーパック41の電気量が不足である場合、自動車の発電機によって内部バッテリーパック41を充電することができる。自動車の発電機は、負荷50及び内部バッテリーパック41を同時に充電することができる。
【0056】
電源出力ポート60は、バッテリークリップのクリップ(バッテリークリップの正極性クリップ及び負極性クリップを含む)に対応することができる。
【0057】
非絶縁部材は、絶縁センサーがない部材を指し、絶縁センサーは光カプラーを含むことができる。
【0058】
本出願の実施形態に係わるインテリジェント制御システムは、非絶縁部材を含む負荷検出モジュールによって、負荷に対して極性接続識別を実行し、且つ負荷の電圧を検出することができる。絶縁部材を含む負荷検出モジュールと比較して、本出願の負荷検出モジュールは、負荷が極性逆接続されているか否かを迅速に検出することができる。負荷が極性逆接続されていることを検出した場合、MCUはスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御して、制御システムのセキュリティ及び信頼性を向上させることができる。
【0059】
負荷検出モジュール20は、負荷50に対して極性接続識別を実行することができ、負荷50の電圧を検出することもできる。
【0060】
図2を参照すると、
図2は、本願の実施形態に係る負荷検出モジュールの構造を示す図である。
図2に示されたように、負荷検出モジュール20は、電圧比例演算回路21及びフィルタ回路22を含む。電圧比例演算回路21は、第一レジスタR1、第二レジスタR2、第三レジスタR3及び第一ダイオードD1を含む。フィルタ回路22は、第四レジスタR4及び第一キャパシターC1を含む。第一レジスタR1の第一端は電源端VDDに接続されている。第三レジスタR3の第一端は負荷50の第一端に接続されている。第一レジスタR1の第二端は、第二レジスタR2の第一端、第三レジスタR3の第二端、第四レジスタR4の第一端及び第一ダイオードD1の負極に接続されている。第四レジスタR4の第二端は、第一キャパシターC1の第一端及びMCU10の第一入力端に接続されている。第二レジスタR2の第二端、第一ダイオードD1の正極及び第一キャパシターC1の第二端は接地される。
【0061】
電圧比例演算回路21(R1、R2、R3、及びD1を含む)とローパスフィルタ回路22(R4及びC1を含む)が連携して、負荷50が電源出力ポートと接続されているときの極性接続識別を実行し、且つ負荷50の電圧を検出する。
【0062】
以下、
図2の負荷50として自動車用蓄電池(又はカーバッテリーとも呼ばれる)を取り上げて説明する。
【0063】
MCU10は、MCU10の第一入力端によってアナログ電圧信号(即ち、
図2に示されたEP_VSN_TO_MCU_AD)を受信するために用いられる。MCU10は、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間の下限値より小さい場合、負荷50が極性逆接続されていることを確定し、スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。MCU10は、MUC10の第一入力端(例えば、A/D入力ポート)を介してアナログ電圧信号EP_VSN _TO_MCU_ADを受信してから、アナログ-デジタル(A/D)変換結果及び数学演算に基づいて、カーバッテリーの極性接続が正確であるか否かを判断することができ、且つカーバッテリーの電圧を正確に取得することができる。A/D変換後のアナログ電圧信号EP_VSN _TO_MCU_ADの電圧値が第一電圧区間の下限値より小さい場合、負荷50は極性逆接続されていると判断する。A/D変換後のアナログ電圧信号EP_VSN _TO_MCU_ADの電圧値が第一電圧区間の上限値より大きい場合、負荷50は極性正接続されていると判断する。
【0064】
一例として、第一電圧区間を1~1.15Vの範囲に設定し、第一電圧区間の上限値は1.15Vであり、第一電圧区間の下限値は1Vである。電圧区間は比較的狭く設定されており、これは、比較的低い検出精度(即ち、比較的高い検出誤差)による誤判定を回避するためである。
【0065】
具体的には、MCU10は、負荷50が極性逆接続されていると判断すると、ドライバU1に閉信号(即ち、
図2に示されたSW_Drive_from_MCU)を送信し、ドライバU1によってスイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるように制御する。ドライバU1は、直流-直流(DC-DC)ドライバであることができる。ドライバU1は、スイッチ制御モジュール30を駆動して、スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態又はスイッチオン状態になるようにする。 例えば、MCU10からドライバU1に送信されたSW_Drive_from_MCUが低レベルパルスである場合、ドライバU1は、スイッチ制御モジュール30を駆動して、スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるようにする。MCU10からドライバU1に送信されたSW_Drive_from_MCUが高レベルパルスである場合、ドライバU1は、スイッチ制御モジュール30を駆動して、スイッチ制御モジュール30がスイッチオン状態になるようにする。
【0066】
MCU10は、さらに、アナログ電圧信号に基づいて、負荷50の電圧を確定するために用いられる。
【0067】
本出願の実施形態において、アナログ電圧信号EP_VSN_TO_MCU_ADの大きさと負荷50の電圧は所定の比例係数を構成し、比例係数は電圧比例演算回路21のR1、R2及びR3に関連する。MCU10は、アナログ電圧信号に対応する電圧値及び電圧比例演算回路21の比例係数に基づいて、負荷50の電圧を計算することができる。
【0068】
1つの実施形態において、MCU10は、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間の上限値より大きい場合、負荷50が極性正接続されていることを確定するために用いられる。
【0069】
1つの実施形態において、MCU10は、さらに、負荷50が極性正接続されている場合、アナログ電圧信号に対応する電圧値の下降勾配が予め設定された勾配閾値より大きいと検出されると、スイッチ制御モジュール30がスイッチオン状態になるように制御するために用いられる。
【0070】
本出願の実施形態において、負荷50はカーバッテリーであることを例として説明する。カーバッテリー点火シナリオにおいて、自動車エンジンを始動するために、カーバッテリーが点火される場合、カーバッテリーの電圧は急激に低下し、カーバッテリーの電圧の下降勾配が予め設定された勾配閾値より大きいことが検出される。この場合、MCUは、スイッチ制御モジュール30がスイッチオン状態になるように制御し、緊急始動電源のバッテリーパックによってカーバッテリーを充電することができる。
【0071】
1つの実施形態において、MCU10は、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第一電圧区間にある場合、負荷50の正極及び負極が短絡されたことを確定し、スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0072】
1つの実施形態において、MCU10は、さらに、アナログ電圧信号に対応する電圧値が第二電圧区間にある場合、電源出力ポートと負荷50との間の電気接続が異常であると確定するために用いられ、第一電圧区間と第二電圧区間は交差しない。
【0073】
一例として、第二電圧区間は、1.2~1.35Vの範囲に設定される。同様に、電圧区間は比較的狭く設定されており、これは、比較的低い検出精度(即ち、比較的高い検出誤差)による誤判定を回避するためである。
【0074】
本出願の実施形態に係わる負荷検出モジュール20は、電圧比例演算回路21及びフィルタ回路22によって、負荷に対して極性接続識別を実行し、且つ負荷の電圧を検出することができる。絶縁部材を含む負荷検出モジュールと比較して、本発明の負荷検出モジュールは、負荷が極性逆接続されているか否かを迅速に検出することができる。負荷が極性逆接続されていることを検出した場合、MCUはスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御して、制御システムのセキュリティ及び信頼性を向上させることができる。
【0075】
以下、カーバッテリーを負荷50の例として、負荷検出モジュール20の原理を簡単に説明する。
【0076】
カーバッテリーの正極が電源出力ポートの負極に接続され、カーバッテリーの負極が電源出力ポートの正極に接続されると、極性逆接続になる。カーバッテリーは第一ダイオードD1及び第三レジスタR3を介して放電ループを形成する。第二レジスタR2の電圧降下が第一ダイオードD1のターンオン電圧を超えると、-0.7V付近で負にクランプされる。
【0077】
図3は、本願の実施形態に係る、
図2に示された負荷検出モジュールに基づいて得られた異なる状態のカーバッテリーのシミュレーション結果の概略図である。
図3のシミュレーション結果に示されたように、DCスイープシミュレーション後、X軸は、カーバッテリーの電圧が0Vから20Vに変化することを表し、Y軸は、負荷検出モジュール20によってカーバッテリーの電圧に対して計算を実行した後のシミュレーション結果を表す。アナログ電圧信号の名前はEP_VSN_TO_MCU_ADであり、EP_VSN_TO_MCU_ADはMCUのA/D入力ポート(即ち、MCUの第一入力端)に電気的に接続される。MCUはA/D変換結果と数学的演算に基づいて、カーバッテリーの極性接続が正しいか否かを判断し、カーバッテリーの電圧を正確に取得する。
【0078】
図3の2#シミュレーション曲線の結果に示されたように、アナログ電圧信号EP_VSN_TO_MCU_ADに対応する電圧値が予め設定された閾値Aよりも低い場合、MCUは、カーバッテリーと製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)の出力ポートが極性逆接続されていると判断する。この場合、内部のスイッチ制御モジュールはスイッチオフ状態に保持され、緊急始動電源のバッテリーパックがカーバッテリーに出力することを禁止する。
図3のシミュレーション結果に対応する予め設定された閾値Aは、1.07Vである。
【0079】
図3の3#シミュレーション曲線の結果に示されたように、アナログ電圧信号EP_VSN_TO_MCU_ADの電圧値が予め設定された閾値Aよりも高い場合、MCUは、カーバッテリーと製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)の出力ポートが正確に極性接続(極性正接続)されていると判断する。従って、MCUのA/Dポート(即ち、MCUの第一入力端)に接続された電圧信号EP_VSN_TO_MCU_ADは線形正比例でカーバッテリーの電圧(バッテリー電圧とも呼ばれる)に従う。
【0080】
正しい極性接続の場合、MCUのA/D入力ポート(即ち、MCUの第一入力端)はバッテリー電圧の下降スロープが設定されたスロープ閾値に達することを検出すると、MCUはスイッチ制御モジュールにイネーブル出力信号を出力して、スイッチ制御モジュールはスイッチオン状態になり、緊急始動電源のバッテリーパックがカーバッテリーに出力するようにする。
【0081】
図3の4#シミュレーション曲線の結果に示されたように、MCUのA/D入力ポート(即ち、MCUの第一入力端)の電圧値が予め設定された閾値Bと等しいとき、MCUは、カーバッテリーと外部製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)は電気的に接続されていないと判断し、又は車内にバッテリー負荷がないと判断する。この場合、外部から強制的にキーを押すことにより、スイッチ制御モジュールをトリガーしてスイッチオン状態になることができ、緊急始動電源のバッテリーパックがカーバッテリーに出力するようにする。
図3のシミュレーション結果に対応するプリセット閾値Bは、1.27Vである。
【0082】
図3の1#シミュレーション曲線の結果に示されたように、MCUのA/D入力ポート(即ち、MCUの第一入力端)の電圧値が予め設定された閾値Aと等しいとき、MCUは、カーバッテリーの正極及び負極が短絡していると判断する。この場合、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御され、緊急始動電源のバッテリーパックがカーバッテリーに出力することを禁止する。
【0083】
図4は、本願の実施形態に係る別の負荷検出モジュールの構造を示す図である。
図4に示されたように、負荷検出モジュール20は、極性検出回路23及び電圧検出回路24を含む。極性検出回路23は、第五レジスタR5、第六レジスタR6、第七レジスタR7、第八レジスタR8、第九レジスタR9、第二キャパシターC2及び第二ダイオードD2を含む。電圧検出回路24は、第十レジスタR10、第十一レジスタR11、第十二レジスタR12、第三キャパシターC3及び第三ダイオードD3を含む。第五レジスタR5の第一端は、電源端VDDに接続されている。第五レジスタR5の第二端は、第六レジスタR6の第一端、第八レジスタR8の第一端、第九レジスタR9の第一端に接続されている。第八レジスタR8の第二端は、第二キャパシターC2の第一端及び極性検出回路23の出力端に接続されている。第九レジスタR9の第二端は、第七レジスタR7の第一端及び第二ダイオードD2の正極に接続されている。第二ダイオードD2の負極は、負荷50の第一端及び第十一レジスタR11の第一端に接続されている。第十一レジスタR11の第二端は、第十レジスタR10の第一端及び第十二レジスタR12の第一端に接続されている。第十二レジスタR12の第二端は、第三キャパシターC3の第一端及び電圧検出回路24の出力端に接続されている。第六レジスタR6の第二端、第七レジスタR7の第二端、第十レジスタR10の第二端、第二キャパシターC2の第二端、第三キャパシターC3の第二端は接地される。MCU10は、MCU10の第二入力端によって、極性検出回路23の出力端から出力される極性電圧信号(即ち、
図4に示されたPolarity_det_TO_MCU)を受信するために用いられる。MCU10は、さらに、極性電圧信号に対応する電圧値が第三電圧区間内にある場合、負荷50が極性逆接続されていることを確定し、スイッチ制御モジュール30がスイッチオフ状態になるように制御するために用いられる。
【0084】
一例として、第三電圧区間は、0.45Vより低く設定されることができる。
【0085】
極性検出回路23の第五レジスタR5、第六レジスタR6、第七レジスタR7、第九レジスタR9及び第二キャパシターC2は比例分圧回路を構成する。第八レジスタR8及び第二ダイオードD2はローパスフィルタを構成する。
【0086】
電圧検出回路24の第十レジスタR10、第三ダイオードD3及び第十一レジスタR11は比例分圧回路を構成する。第三ダイオードD3と第十レジスタR10は並列に接続され、MCUの第三入力端が受け取る電圧が-0.7V以上になるように保護するために用いられる。第十二レジスタR12及び第三キャパシターC3は別のローパスフィルタを構成する。
【0087】
1つの実施形態において、MCUは、さらに、極性電圧信号に対応する電圧値が第四電圧区間内にある場合、負荷50が極性正接続されていることを確定するために用いられ、第三電圧区間と第四電圧区間は交差しない。
【0088】
一例として、第四電圧間隔は、0.45~0.6Vの範囲に設定されることができる。
【0089】
1つの実施形態において、MUC10は、さらに、負荷50が極性正接続されている場合、MUC10の第三入力端によって電圧検出回路の出力端から出力される負荷電圧信号(
図4に示されるCar_BAT_Sens_TO_MCU)を受信し、本出願の実施形態に係わる負荷検出モジュール20は負荷電圧信号に基づいて負荷の電圧を確定するために用いられる。
【0090】
本出願の実施形態に係わる負荷検出モジュール20は、極性検出回路23によって負荷50に対して極性接続識別を実行することができ、電圧検出回路24によって負荷50の電圧を検出することができる。絶縁部材を含む負荷検出モジュールと比較して、本発明の負荷検出モジュールは、負荷が極性逆接続されているか否かを迅速に検出することができる。負荷が極性逆接続されていることを検出した場合、MCUはスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御して、制御システムのセキュリティ及び信頼性を向上させることができる。
【0091】
以下、負荷50の例としてカーバッテリーを取り上げて、負荷検出モジュール20の原理を簡単に説明する。
【0092】
カーバッテリーが極性逆接続されているとき、電圧信号Polarity_det_TO_MCUは設定された電圧閾値(例えば、0.45V)よりも小さい。カーバッテリーが極性正接続されているとき、電圧信号Polarity_det_TO_MCUは第四電圧区間(例えば、0.45~0.6V)内にあり、電圧信号Car_BAT_Sens_TO_MCUは線形比例でカーバッテリーの電圧に従う。
【0093】
図5は、本願の実施形態に係る、
図4に示された負荷検出モジュールに基づいて得られた異なる状態のカーバッテリーのシミュレーション結果の概略図である。
図5のシミュレーション結果に示されたように、DCスイープシミュレーション後、X軸は、カーバッテリーの電圧が0Vから20Vに変化することを表し、Y軸は、負荷検出モジュール20がカーバッテリーの電圧に対して計算を実行した後、極性電圧信号Polarity_det_TO_MCU及び負荷電圧信号Car_BAT_Sens_TO_MCUの回路シミュレーション結果を表す。Polarity_det_TO_MCUはMCUの1つのA/D入力ポート(即ち、MCUの第二入力端)に電気的に接続され、Car_BAT_Sens_TO_MCUはMCUの他のA/D入力ポート(即ち、MCUの第三入力端)に電気的に接続される。MCUはCar_BAT_Sens_TO_MCUの電圧信号に基づいて、数学的演算によってカーバッテリーの電圧を正確に取得する。
【0094】
図5の1#シミュレーション曲線の結果に示されたように、極性電圧信号Polarity_det_TO_MCUに対応する電圧値が第四電圧区間(例えば、0.45~0.6V)内にあるとき、MCUは、カーバッテリー及び製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)の出力ポートが正確に極性接続(極性正接続)されていると判断する。
【0095】
図5の2#シミュレーション曲線の結果に示されたように、カーバッテリー及び製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)の出力ポートが極性正接続されている場合、MCUのA/Dポート(即ち、MCUの第三入力端)に接続された電圧信号Car_BAT_Sens_TO_MCUは線形正比例でバッテリー電圧に従う。
【0096】
図5の3#シミュレーション曲線の結果に示されたように、極性電圧信号Polarity_det_TO_MCUの電圧値が第三電圧区間(例えば、0.45V未満)内にあるとき、MCUは、カーバッテリー及び製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)の出力ポートが極性逆接続されていると判断する。この場合、MCUは、内部スイッチ制御モジュールをスイッチオフ状態に保持し、緊急始動電源のバッテリーパックがカーバッテリーに出力することを禁止する。
【0097】
図5の4#シミュレーション曲線の結果に示されたように、カーバッテリー及び製品(例えば、緊急始動電源又はインテリジェントバッテリークリップ)の出力ポートが極性逆接続されている場合、MCUのA/Dポート(即ち、MCUの第三入力端)に接続された電圧信号Car_BAT_Sens_TO_MCUは線形反比例でバッテリー電圧に従う。
【0098】
図6を参照すると、
図6は、本願の実施形態に係る別の負荷検出モジュールの構造を示す図である。
図6に示されたように、負荷検出モジュールは、第一スイッチS1、第二スイッチS2、第三スイッチS3、第四スイッチS4及び負荷レジスタR
Lを含む。第一スイッチS1の第一端及び第四スイッチS4の第一端は、負荷50の第一端51に接続されている。第二スイッチS2の第一端及び第三スイッチS3の第一端は、負荷50の第二端52に接続されている。第一スイッチS1の第二端及び第二スイッチS2の第二端は、内部バッテリーパック41の正極BAT+に接続されている。第三スイッチS3の第二端及び第四スイッチS4の第二端は、負荷レジスタR
Lの第一端に接続されている。負荷レジスタR
Lの第二端は、内部バッテリーパック41の負極BAT-に接続されている。MCU10は、さらに、第一スイッチS1及び第三スイッチS3がオンになり、第二スイッチS2及び第四スイッチS4がオフになる場合、負荷レジスタR
Lの第一電流を検出するために用いられる。MCU10は、さらに、第一イッチS1及び第三スイッチS3がオフになり、第二スイッチS2及び第四スイッチS4がオンになる場合、負荷レジスタR
Lの第二電流を検出するために用いられる。MCU10は、さらに、第一電流が第二電流よりも大きい場合、負荷50が極性逆接続されていることを確定するために用いられる。MCU10は、さらに、第一電流が第二電流より小さい場合、負荷50が極性正接続されていることを確定するために用いられる。
【0099】
1つの実施形態において、
図6に示されたように、負荷検出モジュールは、第五スイッチS5及び第六スイッチS6をさらに含む。内部バッテリーパック41と負荷50との間に電気的に接続された第五スイッチS5及び第六スイッチS6は、内部バッテリーパック41の電力出力を制御するためのスイッチ制御モジュールとして機能する。第五スイッチS5の第一端は負荷50の第一端51に接続され、第五スイッチS5の第二端は内部バッテリーパック41の正極BAT+に接続され、第六スイッチS6の第一端は負荷50の第二端52に接続され、第六スイッチS6の第二端は内部バッテリーパック41の負極BAT-に接続される。
【0100】
本出願の実施形態において、負荷50の例としてカーバッテリーを取り上げて説明する。
【0101】
S5及びS6は高電力電子スイッチ(high-power electronic switches)であり、点火していないときはスイッチオフ状態にある。S1、S2、S3及びS4は低電力電子スイッチ(low-power electronic switches)である。S1~S4のスイッチオン状態とスイッチオフ状態との間の切り替えを制御することにより、ループ内のRLを流れる電流を比較して、内部バッテリーパック41とカーバッテリーが極性逆接続であるか極性正接続であるかを判断する。
【0102】
具体的には、低電力電子スイッチS1及びS3がオン(導通)になり、低電力電子スイッチS2及びS4がオフになると、MCUは負荷レジスタR
L上の電流I
1を検出する。この場合、
図6の電流ループは、 カーバッテリー50の第一端51、S1、BAT+、BAT-、R
L、S3、カーバッテリー50の第二端52を含む。低電力電子スイッチS2及びS4がオン(導通)になり、低電力電子スイッチS1及びS3がオフになると、MCUは負荷レジスタR
L上の電流I
2を検出する。この場合、
図6の電流ループは、BAT+、S2、カーバッテリー50の第二端52、カーバッテリー50の第一端51、S4、R
L、BAT-を含む。
【0103】
I1<I2である場合、内部バッテリーパック41とカーバッテリーは極性正接続されていることを意味し、この場合、カーバッテリー50の第一端51はカーバッテリー50の正極であり、カーバッテリー50の第二端52はカーバッテリー50の負極である。I1>I2である場合、内部バッテリーパック41とカーバッテリーは極性逆接続されていることを意味する。I1=I2=0である場合、カーバッテリーは内部バッテリーパック41に接続されていないことを意味し、この場合、カーバッテリー50の第一端51はカーバッテリー50の負極であり、カーバッテリー50の第二端52はカーバッテリー50の正極である。
【0104】
本出願の実施形態に係わる負荷検出モジュール(第一スイッチS1、第二スイッチS2、第三スイッチS3、第四スイッチS4及び負荷レジスタRLを含む)は、負荷に対して極性接続識別を実行することができる。絶縁部材を含む負荷検出モジュールと比較して、本発明の負荷検出モジュールは、負荷が極性逆接続されているか否かを迅速に検出することができる。負荷が極性逆接続されていることを検出した場合、MCUはスイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御して、制御システムのセキュリティ及び信頼性を向上させることができる。
【0105】
図7を参照すると、
図7は、本願の実施形態に係る別のインテリジェント制御システムの構造を示す図である。
図7は、
図1に基づく詳細図である。
図7に示されたように、インテリジェント制御システムは、ウェイクアップモジュール70をさらに含む。ウェイクアップモジュール70は、負荷50の電圧が第一閾値より高い場合、ウェイクアップモジュール70の出力端からMCU10に中断信号を送信するために用いられる。中断信号は、MCU10をスリープ状態又はスタンバイ状態から正常動作状態へ切り替えるために用いられる。
【0106】
1つの実施形態において、
図8に示されたように、ウェイクアップモジュール70は、第一電圧比較器X1、第二電圧比較器X2、第四ダイオードD4、第五ダイオードD5及び第十三レジスタR13を含む。電源端VDDは、第一電圧比較器X1の電力供給端、第二電圧比較器X2の電力供給端、第十三レジスタR13の第一端に接続されており、第一電圧比較器X1の接地端及び第二電圧比較器X2の接地端は接地されている。第一電圧比較器X1の非反転入力端子は、第一基準電圧VREF_Aを送信するための伝送線(transmission line)に接続されており、第一電圧比較器X1の反転入力端子は、アナログ電圧信号(
図2に示されたEP_VSN_TO_MCU_AD)又は負荷電圧信号(
図4に示されたCar_BAT_Sens_TO_MCU)を送信するための伝送線に接続されている。第一電圧比較器X1の出力端は、第四ダイオードD4の負極に接続されており、第四ダイオードD4の正極は、第十三レジスタR13の第二端及び第五ダイオードD5の正極、及びウェイクアップモジュール70の出力端に接続されている。第二電圧比較器X2の非反転入力端子は、アナログ電圧信号又は負荷電圧信号を送信するための伝送線に接続されており、第二電圧比較器X2の反転入力端子は、第二基準電圧VREF_Bを送信するための伝送線に接続されている。第二電圧比較器X2の出力端は、第五ダイオードD5の負極に接続されている。
【0107】
第一基準電圧VREF_A及び第二基準電圧VREF_Bは、同じでもよく、同じではなくてもよい。
【0108】
第二電圧比較器X2の非反転入力端子と第一電圧比較器X1の反転入力端子は、同じ入力信号を有し、入力信号は
図2のEP_VSN_TO_MCU_ADであることができ、又は
図4のCar_BAT_Sens_TO_MCUであることができる。
【0109】
負荷の例としてカーバッテリーを取り上げると、カーバッテリーの電圧が設定された第一閾値(例えば、5V)よりも高い場合、12Vのカーバッテリーにとって、カーバッテリーの電圧が5V未満の場合、おそらくカーバッテリーは使用できないことを示し、この状況では、MCUをウェイクアップして、カーバッテリーに対して極性検出と電圧検出を実行する必要がある。
【0110】
図9を参照すると、
図9は、本願の実施形態に係るウェイクアップ回路のシミュレーション結果の概略図である。
図9に示されたように、カーバッテリーの電圧が設定された第一閾値(例えば、5V)よりも高い場合、カーバッテリーが正接続状態にあるか、それとも逆接続状態にあるかに係わらず、ウェイクアップモジュール70は、高レベルから低レベルへの遷移信号(
図8に示されたWake_up_to_MCU)を出力して、MCUの中断入力ポートに送信することができ、従ってMCUをウェイクアップする。
図9から、第一基準電圧VREF_Aと第二基準電圧VREF_Bが異なるように設定されていることを分かる。
【0111】
図10を参照すると、
図10は、本願の実施形態に係る安定化電源モジュールの構造を示す図である。
図10に示されたように、安定化電源モジュール80は、第六ダイオードD6、第七ダイオードD7及びロードロップアウト(low-dropout,LDO)レギュレータを含み、第六ダイオードD6の正極は内部バッテリーパック41の正極に接続されており、第六ダイオードD6の負極は第七ダイオードD7の負極及びLDOレギュレータの入力端Vinに接続されており、第七ダイオードD7の正極は負荷50の正極と接続されており、ここで、LDOレギュレータの出力端Voutは電源端VDDである。
【0112】
安定化電源モジュール80は、正しいDC電圧(入力)を受け取り、設定された正確な電圧を出力して、インテリジェント制御システム内の各機能モジュール又は関連する電子部品に電力を供給する。安定化電源モジュール80の入力端は、内部バッテリーパックの正極及び負荷の正極に接続されている。安定化電源モジュール80は、インテリジェント制御システムの各機能モジュールに安定したVDD(例えば、3.3V又は5V)を提供することができる。
【0113】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、キー入力モジュールをさらに含む。キー入力モジュールは、キー起動信号を受信すると、MCUに中断信号を送信する。中断信号は、MCUをスリープ状態又はスタンバイ状態から正常作動状態に切り替えるために用いられる。
【0114】
MCUは、キー入力モジュールからキー起動信号を受信して、レベルトリガーウェイクアップを行う。MCUは起動されてから正常作動状態に入り、対応する状態表示信号を状態表示モジュールに出力する。
【0115】
いくつかのシナリオでは、例えば、カーバッテリーの電圧が5Vより小さい場合、ウェイクアップモジュール70は正常に作動することができない。この場合、ユーザーはキー入力モジュールを押すことができ、キー入力モジュールによってMCUをスリープ状態又はスタンバイ状態から正常の動作状態に切り替えることができる。
【0116】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、電流検出器をさらに含む。 電流検出器は、電源出力ポートと負荷との間に設置されており、内部バッテリーパックが負荷に放電するときの放電電流を検出するために用いられる。放電電流が過電流閾値又は短絡閾値より大きい場合、電流検出器はMCUに過電流保護信号又は短絡保護信号を送信する。MCUは、過電流保護信号及び短絡保護信号のうちの少なくとも1つに基づいて、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御する。
【0117】
本出願の実施形態において、内部バッテリーパックがスイッチオンされたスイッチ制御モジュールを介してカーバッテリーに放電するとき、放電された出力電流は電流検出器(例えば、電流感知抵抗器又は導体)で流れる。電流の流れにより発生する電圧は増幅した後、MCUのA/D入力ポートに送信され、A/D変換と数学的計算を行って、放電された出力電流を間接的に取得する。MCUは、実際の出力電流値を過電流状態又は短絡状態の設定された閾値と比較する。実際の出力電流値が過電流状態又は短絡状態の設定された閾値よりも大きい場合、スイッチ制御モジュールはオフになり、出力ループが切断される。本出願の実施形態は、電流検出器を設置することにより、インテリジェント制御システムは出力過電流及び外部負荷短絡に対する保護メカニズムを有する。
【0118】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、双方向電流検出センサーをさらに含む。双方向電流検出センサーは、電源出力ポートと負荷との間に設置されており、内部バッテリーパックが放電状態にあるか充電状態にあるかを検出するために用いられる。内部バッテリーパックが充電状態にある場合、双方向電流検出センサーはMCUに充電保護信号を送信する。MCUは、充電保護信号に基づいて、スイッチ制御モジュールがスイッチオフ状態になるように制御する。
【0119】
本出願の実施形態において、自動車の補助始動が完了すると、自動車内の発電機が作動し始める。カーバッテリーの電圧は、緊急始動電源の内部バッテリーパックの電圧よりも高い場合がある。その結果、電流の逆流や内部バッテリーパックを充電することのような危険な現象が発生する。エンジンに発電機が搭載されているので、エンジンを始動すると、エンジンモーターが回転し、発電機を駆動して発電機が発電し始める。この場合、発電機はカーバッテリーと内部バッテリーパックを充電する。これは電流の逆流である。本出願の実施形態において、双方向電流検出センサは、出力電流の方向及び電流値を検出するために使用される。MCUは双方向電流検出センサーからの出力を受信し、通常の始動出力は放電方向に対応する。検出された電流の方向が充電方向である場合、スイッチ制御モジュールがオフになり、出力ループが切断される。
【0120】
1つの実施形態において、インテリジェント制御システムは、状態表示モジュールをさらに含む。状態表示モジュールは、MCUに接続されており、インテリジェント制御システムの状態表示を実現する。状態表示は、作動状態表示とアラームプロンプトを含む。
【0121】
本出願の実施形態において、状態表示モジュールは、発光ダイオード(LED)ランプ、又はLEDランプとブザーとの組み合わせによって構成される。
【0122】
上述したインテリジェント制御システムは、緊急始動電源、バッテリークリップ及び負荷を含む。緊急始動電源は、内部バッテリーパックを含む。バッテリークリップは、電源出力ポート及び電源入力ポートを含む。負荷は、自動車用蓄電池(又はカーバッテリーとも呼ばれる)などであることができる。バッテリークリップの電源入力ポートは内部バッテリーパックに接続されており、バッテリークリップの電源出力ポートはカーバッテリーに接続されている。具体的には、バッテリークリップの電源入力ポートの正極は、内部バッテリーパックの正極に接続され、バッテリークリップの電源入力ポートの負極は、内部バッテリーパックの負極に接続される。バッテリークリップの電源出力ポートの正極はバッテリークリップの正極クリップ(正極クリップは、通常赤色である)に対応し、バッテリークリップの電源出力ポートの負極はバッテリークリップの負極クリップ(負極クリップは、通常黒色である)に対応する。一般的に、バッテリークリップの正極クリップはカーバッテリーの正極をクランプし、バッテリークリップの負極クリップはカーバッテリーの負極をクランプする。この場合、バッテリークリップの電源出力ポートの正極はカーバッテリーの正極に接続され、バッテリークリップの電源出力ポートの負極はカーバッテリーの負極に接続され、カーバッテリーは極性正接続されている。ある場合、ユーザーの不適切な操作や専門家でない保守担当者による誤操作によって、バッテリークリップの正極クリップがカーバッテリーの負極をクランプし、バッテリークリップの負極クリップがカーバッテリーの正極をクランプして、カーバッテリーは極性逆接続される現象が発生する。
【0123】
図11を参照すると、
図11は、本願の実施形態に係る別のインテリジェント制御システムの構造を示す図である。
図11に示されたように、インテリジェント制御システムは、緊急始動電源、バッテリークリップ及び負荷を含む。
図11は、バッテリークリップと負荷が極性正接続されていることを示している。
【0124】
図12に示されたように、インテリジェント制御システムのMCU、負荷検出モジュール及びスイッチ制御モジュールは、緊急始動電源と統合することができる。
図13に示されたように、インテリジェント制御システムのMCU、負荷検出モジュール及びスイッチ制御モジュールは、バッテリークリップと統合することもでき、この場合、バッテリークリップは、インテリジェントバッテリークリップとも呼ばれる。
【0125】
本出願の実施形態によって提供されるインテリジェント制御システム、緊急始動電源及びインテリジェントバッテリークリップを詳細に説明した。本明細書では、具体的な例示を採用して本出願の原理及び実施形態を説明したが、上述した実施形態は、ただ本出願の方法及びそのコアアイデアを理解するのを助けるために用いられる。当業者であれば、本願の技術方案の要旨から逸脱することなく、本願の技術方案に対する補正が可能であることを理解すべきである。上述したように、本明細書の内容は、本出願を制限するためのものではない。