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  • 特許-ボツリヌス毒素の安定化液状組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】ボツリヌス毒素の安定化液状組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/02 20060101AFI20230315BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230315BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230315BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230315BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230315BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A61K38/02
A61K9/08
A61K47/26
A61K47/18
A61P21/00
A61P21/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021528885
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 KR2019016669
(87)【国際公開番号】W WO2020111852
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0151983
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0101723
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521218788
【氏名又は名称】ヒュオンス バイオファーマ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUONS BIOPHARMA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ワンソプ ポウル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン-モク
(72)【発明者】
【氏名】パク、キ-シク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】イ、エ-ヨン
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/135722(WO,A1)
【文献】特表2012-512162(JP,A)
【文献】特表2010-515713(JP,A)
【文献】特表2010-532784(JP,A)
【文献】特表2019-529530(JP,A)
【文献】特表2014-509644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00-38/58
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリソルベート80及びセリンを有効成分として含む、ボツリヌス毒素の安定化液状組成物であって、
ポリソルベート80:セリンの組成比は、1(mg/mL):0.526(mg/mL)以上であり、
前記組成物は、ボツリヌス毒素40U/mL当たり0.01mg/mL以上のポリソルベート80を含む、組成物
【請求項2】
前記組成物は、メチオニンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物において、ポリソルベート80:セリン:メチオニンの組成比は、1(mg/mL):0.526~5.255(mg/mL)0.03(mg/mL)であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1~請求項のいずれかに記載のボツリヌス毒素の安定化液状組成物と、ボツリヌス毒素を有効成分として含む、液状製剤の薬剤学的組成物。
【請求項5】
セリンの濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり5mM以上であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
メチオニンの濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり0.5mM未満であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ボツリヌス毒素は、ボツリヌスA型、B型、C型、D型、E型、F型、及びG型からなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ボツリヌス毒素は、複合体化タンパク質を含有しない形態又は複合体化タンパク質を含有する複合体の形態であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
ポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物をボツリヌス毒素に混合する段階を含む、ボツリヌス毒素の安定化方法であって、
ポリソルベート80:セリンの組成比は、1(mg/mL):0.526(mg/mL)以上であり、
前記組成物は、ボツリヌス毒素40U/mL当たり0.01mg/mL以上のポリソルベート80を含む、方法
【請求項10】
ポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物のボツリヌス毒素の安定化のための使用であって、
ポリソルベート80:セリンの組成比は、1(mg/mL):0.526(mg/mL)以上であり、
前記組成物は、ボツリヌス毒素40U/mL当たり0.01mg/mL以上のポリソルベート80を含む、使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボツリヌス毒素の安定性の改善に効果のある安定化液状組成物及びその製造方法、並びに前記安定化液状組成物を含むボツリヌス毒素の安定性が改善された薬剤学的組成物に関する。
【0002】
本出願は、2018年11月30日付で出願された韓国特許出願第10-2018-0151983号及び2019年8月20日付で出願された韓国特許出願第10-2019-0101723号に基づく優先権を主張し、該出願の明細書及び図面に開示されたすべての内容は、本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
クロストリジウム属には、形態及び機能によって分類される127種以上が属している。嫌気性、グラム陽性バクテリア・クロストリジウム・ボツリヌス(Clostridium botulinum)は、強力なポリペプチド神経毒素であるボツリヌス毒素(以下、本明細書において、「毒素」も同じ意味で使用する)を生成するが、これはヒト及び動物にボツリヌス症(botulism)として知られている神経麻痺性の病気を起こす。ボツリヌス毒素中毒の症状は、歩行障害、嚥下障害及び言語障害から呼吸器筋肉の麻痺及び死亡につながることもある。
【0004】
ボツリヌス毒素の1ユニット(unit)は、それぞれ約18-20gで計量される雌のスイスウェブスターマウスに腹腔内注射時のLD50と定義される。ボツリヌス毒素の1ユニットは、雌のスイスウェブスターマウスのグループの50%を殺すボツリヌス毒素の量である。
【0005】
免疫学的に区別される7種のボツリヌス神経毒素の特徴が分析され、これらは、それぞれボツリヌス神経毒素血清型(serotype)A、B、C、D、E、F及びGであり、これらのそれぞれは、類型-特異性抗体で中和して区別される。ボツリヌス毒素の異なる血清型によって、これらが影響を及ぼす動物種及びこれらが引き起こす麻痺の重症度及び持続期間において差がある。ボツリヌス毒素は、高い親和性でコリン作動性モーターニューロンに明らかに結合し、神経細胞へ位置を移し、アセチルコリンのシナプス前放出を遮断する。
【0006】
ボツリヌス毒素は、例えば、活動亢進性骨格筋を特徴とする神経筋肉障害の治療のための臨床的な状況において使用されてきた。ボツリヌス毒素A型は、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって12歳以上の患者の本態性眼瞼けいれん、斜視及び片側顔面けいれんに対して承認され、頸部筋緊張異常症及び眉間(顔面)シワ治療と多汗症の治療に対して承認された。FDAは、さらに頸部筋緊張異常症及び眉間(顔面)シワの治療に対してボツリヌス毒素B型を承認した。
【0007】
ボツリヌス毒素A型は、pH4-6.8の希水溶液に溶解性であることが知られている。約7以上のpHにおいて安定化非-毒素タンパク質が神経毒素から分離され、その結果、毒性が漸進的に失われるが、特にpH及び温度が上昇するにつれてそうである。酵素が一般的にそうであるように、ボツリヌス毒素(これは細胞内ペプチデイズである)の生物学的活性は、その三次元形状に、最低限部分的に依存的である。毒素の量をミリリットル当たりミリグラムから数ナノグラムを含有する溶液で希釈することは、例えば、毒素が表面に付着して可用毒素の量を減少させる傾向のようなかなりの困難性がある。また、毒素は、毒素含有薬剤学的組成物が製剤化されてから数ヶ月又は数年後に使用されることもあるが、タンパク質の特性上、容易に酸化されたり、小さな断片に分解されるという問題がある。そこで、安定化剤により毒素を安定化する必要がある。
【0008】
そこで、従来には、前記問題を解決するためにボツリヌス毒素タンパク質の薬剤化過程において、安定化剤として、主にアルブミン、スクロース、トレハロース及び/又はゼラチンが使用されてきた。
【0009】
例えば、後述するように、ボツリヌス毒素含有薬剤学的組成物には、安定化剤としてアルブミンを用いている。
【0010】
商用化されて入手可能なボツリヌス毒素含有薬剤学的組成物は、カリフォルニア州のアーバイン所在のAllergan,Incから商用化されて入手可能な商標名BOTOX(ボツリヌス毒素A型精製された神経毒素複合体)として販売される。それぞれのBOTOXの100ユニットバイアルは、約5ngの精製されたボツリヌス毒素A型複合体、0.5mgのヒト血清アルブミン、及び0.9mgの塩化ナトリウムから構成され、真空-乾燥形態であり、保存剤なしに(0.9%塩化ナトリウム注入)滅菌生理食塩水として復元されるように製造される。他の商用化されて入手可能なボツリヌス毒素-含有薬剤学的組成物には、Dysport(ボツリヌス毒素薬剤学的組成物中にラクトース及びヒト血清アルブミンを有するクロストリジウムボツリヌスA型毒素ヘマグルチニン複合体、英国のバークシャー所在のIpsen Limitedから商用化されて入手可能、使用前に0.9%塩化ナトリウムとして復元されるべき粉末)、及びMyoBlocTM(ボツリヌス毒素B型、ヒト血清アルブミン、コハク酸ナトリウム、及び塩化ナトリウムを含む約pH56注射溶液、カリフォルニア州のサンディエゴ所在のSolstice Neurosciencesから商用化されて入手可能)が含まれる。神経毒性成分(150kDa毒素分子)及びボツリヌス毒素複合体(300kDa~900kDa)は、例えば、カリフォルニア州のキャンベル所在のList Biological Laboratories,Inc;英国のポートンダウン所在のthe Centre for Applied Microbiology and Research;Wako(日本、大阪)、またミズーリ州のセントルイス所在のSigma Chemicalsから入手可能である。
【0011】
上述したように、主にアルブミンが多く用いられる理由は、アルブミンは、薬剤学的組成物においてタンパク質の活性成分を安定化できるだけでなく、ヒト患者に注射される場合、免疫原性が無視できるほどであるという長所があるからである。しかし、アルブミンのような血液製品は、患者が血液由来の病原菌又は伝染性微生物に感染する潜在的な危険性をもたらすことができ、特にウイルスの感染やタンパク質によって伝達されるクロイツフェルト-ヤコブ病のような疾病の媒介を完全に排除することができず、これまで知られていなかった病原物質に感染する危険性さえもある。そこで、上述のアルブミンを安定化剤として使用する場合、このような感染物質の伝染のリスクを減少させるため、製造工程中において、供与者や供与部位の選別が行われるとともに、感染物質の除去及び/又は不活性化させる過程が含まれなければならない。
【0012】
この他にゼラチンを用いる場合もあるが、これも動物から得られるタンパク質であるため、アルブミンと同様に疾病を媒介することができ、薬剤化過程においても使用しないことが勧告されている。
【0013】
ボツリヌス毒素タンパク質の薬剤化の過程において、動物源に由来しない安定化剤を用いる技術として、大韓民国登録特許公報第10-0799400号には、酵母から生産される組換えアルブミン(rSA)を薬剤化に用いる方法が開示されているが、組換えアルブミン(rSA)の生産及び分離回収の過程で新たな抗原性構造であるネオエピトープ(Neoepitope)が発生し、薬剤の収容者に免疫反応を誘発する可能性を完全に排除できない。
【0014】
また、大韓民国登録特許公報第10-0665469号には、ボツリヌス毒素、多糖類(ヒドロキシエチルデンプンを含む)、及びアミノ酸として、リシン、グリシン、ヒスチジン、又はアルギニンを含む薬剤学的組成物が開示されている。しかし、前記特許の薬剤学的組成物は、凍結乾燥形態の製剤のための組成物であり、保管条件も冷凍又は冷蔵に限られている。凍結乾燥形態のボツリヌス毒素は、使用直前に凍結された製剤を溶かしたり、希釈する過程が必要であり、この過程で誤差が生じることもある。また、凍結乾燥形態のボツリヌス毒素は、使用上の不便さがあり、プレフィルドシリンジ形態(prefilled syringe type)で開発することが不可能であるという問題点が存在する。
【0015】
ボツリヌス毒素を安定化させるための組成物に関連して、米国公開特許公報第2007-0134199号には、ポリソルベートを含む非イオン性界面活性剤、及びアミノ酸としてグルタミンとグルタミン酸又はアスパラギンとアスパラギン酸を含む組成物が開示されている。前記特許の液状組成物にボツリヌス毒素を希釈して冷蔵条件である4℃で保管する場合、8ヶ月が経っても安定しているが、常温の37℃で保管する場合、1ヶ月以内に活性が減少する結果を示し、常温でボツリヌス毒素を含む薬剤学的液状組成物を安定化させるには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、動物源に由来しないので、人体に安全であり、室温の条件でもボツリヌス毒素の活性が維持されるようボツリヌス毒素液の安定性を向上させる安定化液状組成物及び安定性が向上されたボツリヌス毒素液を提供することにある。
【0017】
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記のような目的を達成するため、本発明は、ポリソルベート80及びセリンを有効成分として含む、ボツリヌス毒素の安定化液状組成物を提供する。
【0019】
本発明の一具現例として、ポリソルベート80に対してセリンの組成比は、1(mg/mL):5(mM)以上であることを特徴とする、組成物を提供する。
【0020】
本発明のさらに他の具現例として、組成物は、メチオニンをさらに含むことを特徴とする、組成物を提供する。
【0021】
本発明のさらに他の具現例として、組成物においてポリソルベート80:セリン:メチオニンの組成比は、1(mg/mL):5~50(mM):0.2(mM)であることを特徴とする、組成物を提供する。
【0022】
また、本発明は、ボツリヌス毒素の安定化液状組成物と、ボツリヌス毒素を有効成分として含む液状製剤の薬剤学的組成物を提供する。
【0023】
本発明の一具現例として、ポリソルベート80の濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり、0.001mg以上であることを特徴とする、組成物を提供する。
【0024】
本発明の一具現例として、セリンの濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり5mM以上であることを特徴とする、組成物を提供する。
【0025】
本発明の一具現例として、メチオニンの濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり、0.5mM未満であることを特徴とする、組成物を提供する。
【0026】
本発明の一具現例として、ボツリヌス毒素は、ボツリヌスA型、B型、C型、D型、E型、F型、及びG型からなる群から選ばれたものであることを特徴とする、組成物を提供する。
【0027】
好ましくは、前記ボツリヌス毒素は、複合体化タンパク質を含有しない形態又は複合体化タンパク質を含有する複合体の形態であることを特徴とする、組成物を提供する。
【0028】
また、本発明は、ポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物をボツリヌス毒素に混合する段階を含む、ボツリヌス毒素の安定化方法を提供する。
【0029】
また、本発明は、ポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物のボツリヌス毒素の安定化の用途を提供する。
【0030】
また、本発明は、ボツリヌス毒素の安定化のために使用される薬剤を生産するためのポリソルベート80及びセリンの用途を提供する。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、動物源に由来しない安定化剤を用いるため、ボツリヌス毒素薬剤学的組成物が投与された患者が血液由来病原菌又は伝染性微生物に感染する潜在的な危険性から安定性が保障されうる。また、本発明は、常温条件下でも長期間ボツリヌス毒素の活性が維持されるため、保管及び流通の安定性が確保されうる。また、凍結乾燥過程が不要であるので、製造の利便性が向上した効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1は、ポリソルベート80の濃度変化に伴い、ボツリヌス毒素液投与時の死亡率の変化を示したグラフである。
図2は、セリンの濃度変化に伴い、ボツリヌス毒素液投与時の死亡率の変化を示したグラフである。
図3は、メチオニンの追加によるセリンの濃度変化に伴い、ボツリヌス毒素液投与時の死亡率の変化を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものだけで、下記実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0034】
本発明は、ポリソルベート80及びセリンを有効成分として含む、ボツリヌス毒素の安定化液状組成物と、そして、前記ボツリヌス毒素の安定化液状組成物及びボツリヌス毒素を有効成分として含む液状製剤の薬剤学的組成物に関する。
【0035】
また、本発明は、ポリソルベート80及びセリンを用いてボツリヌス毒素の安定性を向上させる方法に関する。
【0036】
本発明者らは、動物由来のタンパク質を使用しないため安全性が確保され、メチオニンとポリソルベート20組み合わせのボツリヌス毒素の安定化液状組成物の代替剤として室温条件又は冷蔵保管でも長期間安定性を有する安定化剤を確保するための実験を行った。その結果、セリンとポリソルベート80の組み合わせが室温条件下でもボツリヌス毒素の活性を長期間維持することに優れた効果があることを確認し、本発明を完成した。
【0037】
本発明において、「安定性又は安定化」は、ボツリヌス毒素の活性が維持されることを意味し、例えば、ボツリヌス毒素の活性が試験前又は特定の条件下にある前と比較し、10%以上、20%%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%で維持されることを意味し、好ましくは、50%以上、最も好ましくは、100%で維持されることを意味する。例えば、ボツリヌス毒素を注入した個体数を比較し、(ボツリヌス毒素を注入した個体のうち死亡個体数/ボツリヌス毒素注入個体数)×100の値が10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%で維持されることを意味し、好ましくは、50%以上、最も好ましくは、100%で維持されることを意味する。ボツリヌス毒素の活性は、当業界に公知された様々な方法により測定されてもよく、例えば、PearceL.B.et al 1994 Measurement of Botulinum Toxin Activity:Evaluation of the Lethality Assay.Toxicology and Applied Pharmacology」128:69-77」の論文に記された致死率アッセイ方法を参考して毒素の活性を測定した。本発明の実験例によれば、製造されたボツリヌス毒素液状組成物0.1mL(3又は4ユニット/0.1mL/マウス)をそれぞれ4週齢ICR(Institute of Cancer Research,USA)雌マウス5匹若しくは10匹に腹腔注射後、72時間の間観察して死亡率を確認した。また、「安定性又は安定化」される条件は、室温条件における保管や流通の安定性を意味してもよいが、これに制限されるものではない。具体的な実施例によれば、35~45℃/50~80%RHの条件、好ましくは、40℃/70%RHの条件を意味してもよい。
【0038】
本発明によるボツリヌス毒素の安定化液状組成物は、ポリソルベート80及びセリンを有効成分として含む。
【0039】
また、本発明による液状製剤の薬剤学的組成物は、前記ボツリヌス毒素の安定化液状組成物及びボツリヌス毒素を有効成分として含む。すなわち、ポリソルベート80及びセリンと、ボツリヌス毒素を有効成分として含む。
【0040】
本発明において、「セリン」は、化学式がHOCCH(NH)CHOHである化合物であって、その立体異性体を含む。前記「セリン」は、当業界に公知された様々な方法により得ることができ、化学的に合成する方法、動物の体内で合成されたセリンを分離する方法、又は商業的に流通される化合物を入手する方法などがあり、例えば、3-ホスホヒドロキシパイルベイトとNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)から形成された3-ホスホグリセリン酸塩の酸化過程から始まり、グルタミン酸とのアミノ基転移反応で3-ホスホセリンとリン酸基を除去する方法でセリンを製造してもよいが、これに制限されるものではない。本発明において、液状製剤の薬剤学的組成物に含まれるセリンの濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり5mM以上であってもよく、好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり5~100mMであり、より好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり15~100mMであり、最も好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり15~50mMである。ボツリヌス毒素40unitあたり5mM以下の濃度では、長期間保管時、セリンによるボツリヌス毒素の安定化効果が一定水準以下で現れることがあり、100mMを超える場合には、超過による上昇効果がこれ以上現れないことがあり、非経済的な場合がある。
【0041】
本発明において、「ポリソルベート(Polysorbate)80」は、化学式がC6412426である化合物であって、非イオン性界面活性剤であり、可溶性である。モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸、エマゾール4130、Tween80、又はツイン79などと称し、例えば、可塑剤、ゲル化剤、界面活性剤、基剤、糖衣剤、防水剤、付着防止剤、賦形剤、分散剤、崩解剤、湿潤剤、安定化剤、軟化剤、緩衝剤、溶剤、溶解補助剤、乳化剤、腸溶皮剤、コーティング剤、脱色剤、懸濁化剤又は滑沢剤の目的で食品ないし化粧品の添加剤として使用される。当業界に公知された様々な方法で製造されてもよく、自然界で分離したり、化学的に合成してもよい。本発明において、液状製剤の薬剤学的組成物に含まれるポリソルベート80の濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり0.001mg以上であってもよく、好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり0.1~5mgであり、より好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり0.1~2mgであり、最も好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり0.5~2mgである。ボツリヌス毒素40unitあたり0.001mg以下の濃度では、長期間保管時、ポリソルベート80によるボツリヌス毒素の安定化効果が一定水準以下で現れることがあり、5mgを超える場合には、超過による上昇効果がこれ以上現れないことがあり、非経済的な場合がある。
【0042】
本発明のボツリヌス毒素の安定化液状組成物において、ボツリヌス毒素20unitあたりポリソルベート80に対してセリンの組成比は、1(mg/mL):5(mM)以上であってもよく、好ましくは、1(mg/mL): 5~50(mM)であってもよく、さらに好ましくは、1(mg/mL):15~50(mM)であってもよい。ポリソルベート80に対してセリンの組成比が1(mg/mL):5(mM)未満の場合には、長期間保管時、ボツリヌス毒素の安定化効果が一定水準以下で現れることがある。
【0043】
本発明において、「ボツリヌス毒素」は、ボツリヌスA型、B型、C型、D型、E型、F型、及びG型からなる群から任意に選ばれてもよく、好ましくは、ボツリヌスA型であってもよい。前記ボツリヌス毒素は、複合体化タンパク質を含有しない形態又は複合体化タンパク質を含有する複合体形態をすべて含んでもよい。自然的に形成する複合体化タンパク質を含有せず、A、B、C、D、E、F、又はG型のクロストリジウムボツリヌスに由来するボツリヌス毒素タンパク質の分子量は、約150KDaである。しかし、クロストリジウムボツリヌスバクテリアによって毒素タンパク質が生産されるとき、ボツリヌス毒素タンパク質は、ボツリヌス毒素タンパク質の作用を補助及び保護する様々なヘマグルチニン(Hemagglutinin)タンパク質及び非ヘマグルチニンタンパク質と様々な複合体を形成して生産される。自然的に形成する複合体化タンパク質を含有するボツリヌス毒素A型は、約900kDa、500kDa、又は300kDaの分子量を持つ複合体の形態であり、B型とC型は、約500kDaの分子量を持つ複合体の形態であり、D型は、約300kDa、又は500kDaの分子量を持つ複合体の形態であり、E型とF型は、約300kDaの分子量を持つ複合体の形態である。本発明において、ボツリヌス毒素1ユニット(Unit)は、体重が18~20gの雌性スイスウェブスターマウス(Swiss Webster Mice)に腹腔内注射による死亡率が50%であるLD50と定義できる。
【0044】
本発明によるボツリヌス毒素の安定化液状組成物に有効成分として、セリン及びポリソルベート80の他、メチオニンがさらに含まれてもよい。
【0045】
本発明において、液状製剤の薬剤学的組成物に含まれるメチオニンの濃度は、ボツリヌス毒素40unitあたり0.5mM未満であってもよく、より好ましくは、ボツリヌス毒素40unitあたり0.2~0.4mMであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0046】
本発明のボツリヌス毒素の安定化液状組成物において、ボツリヌス毒素20unitあたりポリソルベート80:セリン:メチオニンの組成比は、1(mg/mL):2.5~50(mM):0.2(mM)であってもよく、好ましくは、1(mg/mL):5~50(mM):0.2(mM)であってもよく、さらに好ましくは、1(mg/mL):7.5~30(mM):0.2(mM)であってもよく、よりさらに好ましくは、1(mg/mL):7.5~25(mM):0.2(mM)であってもよい。ポリソルベート80:セリン:メチオニンの組成比は、1(mg/mL):2.5未満50超過(mM):0.2(mM)である場合には、長期間保管時、ボツリヌス毒素の安定化効果が一定水準以下で現れることもある。
【0047】
本発明によるボツリヌス毒素の安定化液状組成物又は/及びこれを含む液状製剤の薬剤学的組成物は、有効成分以外に薬剤学的に許容される担体を含んでもよい。このとき、薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常用いられるものであって、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾアート、プロフィールヒドロキシベンゾアート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びミネラルオイルなどを含むが、これに限定されるものではない。また、前記成分の他に潤滑剤、湿潤剤、甘味料、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などをさらに含んでもよい。
【0048】
本発明の薬剤学的組成物は、目的とする方法によって経口投与するか、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内又は局所に適用)してもよく、投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び時間によって異なるが、当業者によって適切に選ばれてもよい。
【0049】
本発明の薬剤学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量水準は、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出割合、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素及びその他の医学分野によく知られている要素によって決定されてもよい。
【0050】
本発明に他の薬剤学的組成物は、個別治療剤として投与するか、他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次的または同時に投与されてもよく、単一または多重投与されてもよい。前記要素をすべて考慮し、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定されてもよい。併用して投与される製剤は、制限されず、例えば、前記第2の組成物は、アミノグリコシド(Aminoglycoside)系抗生剤又は筋肉・神経伝達を妨害する薬物(ツボクラリン系筋弛緩剤)であってもよい。
【0051】
また、本発明は、ポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物をボツリヌス毒素に混合する段階を含む、ボツリヌス毒素の安定化方法を提供する。
【0052】
また、本発明は、ポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物のボツリヌス毒素の安定化の用途及びボツリヌス毒素の安定化のために使用される薬剤を生産するためのポリソルベート80及びセリンの用途を提供する。
【0053】
また、本発明の「個体」とは、ボツリヌス毒素の投与を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒト又は非-ヒト霊長類、マウス(mouse)、イヌ、ネコ、ウマ及びウシなどの哺乳類を意味する。
【0054】
本発明において、「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明のポリソルベート80及びセリンを含む液状組成物と、ボツリヌス毒素を提供することを意味する。
【0055】
本発明によるボツリヌス毒素の安定化液状組成物は、セリンとポリソルベート80を混合する段階を含んで製造される。
【0056】
また、本発明による液状製剤の薬剤学的組成物は、セリンとポリソルベート80を混合してボツリヌス毒素の安定化液状組成物を製造する段階と、前記ボツリヌス毒素の安定化液状組成物とボツリヌス毒素を混合する段階を含んで製造される。すなわち、液状製剤の薬剤学的組成物は、安定化剤としてポリソルベート80とセリンを含む。
【0057】
必要に応じて、前記段階の他に、一つ以上の段階がさらに含まれてもよく、順序は関係がない。例えば、前記ボツリヌス毒素の安定化液状組成物は、セリンとポリソルベート80を混合する段階にメチオニンをさらに混合する段階が含まれてもよい。
【実施例
【0058】
<実施例>
1.ボツリヌス毒素液状組成物の製造
適正濃度に調整されたボツリヌス毒素の安定化液状組成物を用いてボツリヌス毒素液を希釈し、最終的にボツリヌス毒素液の濃度を適正濃度に調節してボツリヌス毒素液状組成物を製造した。
【0059】
<実験例>
1.ボツリヌス毒素の安定化液状組成物の選別試験
クロストリジウムボツリヌス毒素A型の安定化剤を選別するため、様々な安定化剤を用いてボツリヌス毒素の安定化液状組成物の組成を選別する実験を行った。
【0060】
下記表1に示した組成のボツリヌス毒素の安定化液状組成物を用いて、ボツリヌス毒素液の濃度を300unit/mLとなるようにボツリヌス毒素液を製造した。
【0061】
対照群は、Innotox特許製剤のように20mMメチオニン、2mg/mLポリソルベート20を10%salineに溶かして製造した。そして、実験群(実施例1~実施例7)は、2mg/mLポリソルベート80を10%salineに溶かしたものとそれぞれの20mM安定化剤をNormal Salineに溶かして製造した。
【0062】
製造されたボツリヌス毒素液を40℃/70%RHの条件で安定性チャンバーに保管しながら、一定期間ごとにサンプリングした。サンプリングされたボツリヌス毒素液1mLに注射用水(Normal Saline)9mLを入れて10倍に希釈し、希釈されたサンプルを4週齢ICR(Institute of Cancer Research、USA)の雌マウス5匹に3unit/0.1mlで腹腔注射した(1unit=LD50)。腹腔注射後に72時間観察しながら死亡したマウスの数及びそれによる死亡率を確認した。
【0063】
その結果、表1に示したように、実施例1、4と対照群の他には、安定性が急激に低下することが確認できた。すなわち、実施例1、4と対照群においてのみ、ボツリヌス毒素の活性が長期間維持された。
【0064】
前記結果から、セリンとポリソルベート80の組み合わせがメチオニンとポリソルベート80の組み合わせを代替できる安定化剤であることが分かった。
【0065】
【表1】
【0066】
但し、本安定性実験は生きているマウスを対象としたが、その特性上、同一組成のボツリヌス毒素の液状組成物で安定性実験を行う場合にもマウスの状態によって異なる結果を示すことができる。
【0067】
2.ポリソルベート80の濃度変化によるボツリヌス毒素の安定性試験
ボツリヌス毒素の安定化液状組成物の組成でセリンとポリソルベート80の組み合わせを選別し、ポリソルベート80の濃度変化によるボツリヌス毒素の安定性実験を行った。
【0068】
下記表2に示した組成のボツリヌス毒素の安定化液状組成物を用いて、ボツリヌス毒素液の濃度を40unit/mLとなるようにボツリヌス毒素液を製造した。実験群は、5mMセリンと0.001~2mg/mLのポリソルベート80を10%Normal Salineに溶かして製造した。具体的な実験方法は、前記実験例1に示したように同様に行った。但し、10匹のマウスを用いており、腹腔注射する濃度は、4unit/0.1mlとした。
【0069】
表2及び図1にポリソルベート80の濃度変化によるボツリヌス毒素の安定性実験結果を示した。ポリソルベート80の濃度が0.1mg/mL以上であれば、すべての濃度においてある程度以上の安定性を示したが、ポリソルベート80の濃度が0.1mg/mL、0.5mg/mL及び2mg/mLである場合、6週次まで死亡率が50%以上であり、ポリソルベート80の濃度が0.5mg/mL及び2mg/mLである場合、10週次までも10%の死亡率が確認できた。
【0070】
【表2】
【0071】
3.セリンの濃度変化によるボツリヌス毒素の安定性試験
ボツリヌス毒素の安定化液状組成物の組成で選別されたセリンとポリソルベート80の組み合わせにおいて、セリンの濃度変化によるボツリヌス毒素の安定性実験を行った。
【0072】
下記表3に示した組成のボツリヌス毒素の安定化液状組成物を用いて、ボツリヌス毒素液の濃度を40unit/mLとなるようにボツリヌス毒素液を製造した。対照群は、Innotox特許製剤のように20mMメチオニン、2mg/mLポリソルベート20を10%salineに溶かして製造した。実験群は、0.1mg/mLポリソルベート80と5~50mMセリンを10%Normal Salineに溶かして製造した。具体的な実験方法は、前記実験例1に記載されたように行った。但し、10匹のマウスを用いており、腹腔注射する濃度は、4unit/0.1mlとした。
【0073】
表3及び図2にセリンの濃度変化によるボツリヌス毒素の安定性実験結果を示した。セリンの濃度が5mM、15mM及び50mMである場合、6週次まで死亡率が50%以上であるところ、ボツリヌス毒素活性が維持されることが分かった。特に、セリンの濃度が50mMである場合、12週次までも死亡率が50%以上であるところ、20mMメチオニンと2mg/mLポリソルベート20の組み合わせと比較し、より長期間ボツリヌス毒素の安定性が維持されることが分かった。
【0074】
【表3】
【0075】
4.メチオニンの追加によるボツリヌス毒素の安定性試験
ボツリヌス毒素の安定化液状組成物の組成から選別されたセリンとポリソルベート80の組み合わせにおいてメチオニンの追加によるボツリヌス毒素の安定性実験を行った。
【0076】
下記表4に示した組成のボツリヌス毒素の安定化液状組成物を用いて、ボツリヌス毒素液の濃度を40unit/mLとなるようにボツリヌス毒素液を製造した。対照群は、Innotox特許製剤のように20mMメチオニン、2mg/mLポリソルベート20を10%salineに溶かして製造した。実験群は、2mg/mLポリソルベート80、5~50mMセリンと0.4mMメチオニンを10%Normal Salineに溶かして製造した。具体的な実験方法は、前記実験例1に記載されたように同様に行った。但し、10匹のマウスを用いており、腹腔注射する濃度は、4unit/0.1mlとした。
【0077】
【表4】
【0078】
その結果、表4及び図3に示したように、対照群に対して、すべての製剤のメチオニン、セリンとポリソルベート80の組み合わせによってボツリヌス毒素液の安定性が向上することが分かった。
【0079】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を持つ者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形可能であることが分かるだろう。したがって、前述した実施例は、すべての面で例示的であり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によるポリソルベート80及びセリンは、液状ボツリヌス毒素の安定性の向上及び投与の容易性のための組成物などに有効に用いられるものと期待される。
図1
図2
図3