(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】飲料製造装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20230315BHJP
A47J 31/32 20060101ALI20230315BHJP
A47J 31/34 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B67D1/04 C
A47J31/32
A47J31/34
(21)【出願番号】P 2019571440
(86)(22)【出願日】2018-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2018067114
(87)【国際公開番号】W WO2019002293
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】102017210727.8
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518245593
【氏名又は名称】フレーツィオ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エムプル,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ダニエル
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-211659(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299000(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0305932(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105286638(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料物質で充填されたカートリッジ(3)を受け入れるためのカートリッジ受容部を有するカートリッジマウント(1)を有する、飲料を製造するための装置であって、
前記カートリッジ受容部が、受容開口部(2)を備え、
前記カートリッジ受容部が、前記カートリッジ(3)に水を導入するための水供給部と前記カートリッジ(3)に圧縮空気を導入するための圧縮空気供給部とを有し、
前記カートリッジ受容部が、装填位置と作業位置との間で移行可能であり、前記装填位置において前記カートリッジ(3)を前記受容開口部(2)に挿入可能であり、又は、前記受容開口部(2)から回収可能であり、前記作業位置において水及び圧縮空気を前記カートリッジ(3)に導入することによって、及び、水が飲料物質と相互作用することによって、前記カートリッジ(3)内で飲料を製造可能であり、及び、前記カートリッジ(3)の飲料出口から排出可能であり、
前記カートリッジ受容部が、第1保持要素(11)及び第2保持要素(12)を有し、
前記第1保持要素(11)が、前記受容開口部(2)を有し、
前記第1保持要素(11)が、前記カートリッジ(3)の長手方向軸を垂直方向とする軸方向で前記第2保持要素(12)の上方に配置されて、前記カートリッジ受容部を前記装填位置から前記作業位置に、又は、前記作業位置から前記装填位置に移行するために、前記第2保持要素(12)に対して移動可能に構成され、
前記第2保持要素(12)が、さらなる受容開口部(2’)を有し、
前記第1保持要素(11)の前記受容開口部(2)と前記第2保持要素(12)の前記さらなる受容開口部(2’)とが前記軸方向に沿って互いに一致するか、又は、前記軸方向に沿って互いにオフセットされるように、前記第1保持要素(11)と前記第2保持要素(12)とが、互いに対して配置され、
前記軸方向の前記第1保持要素(11)及び前記第2保持要素(12)が、前記装填位置において相互に離間され、前記作業位置において前記装填位置と比較して互いに近づけられることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置が、前記カートリッジ受容部を前記装填位置から前記作業位置に、又は、前記作業位置から前記装填位置に移行するためのハンドレバー(4)を有し、
前記ハンドレバー(4)が、前記第1保持要素(11)及び/又は前記第2保持要素(12)に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カートリッジ受容部が前記装填位置にある第1作動位置と前記カートリッジ受容部が前記作業位置にある第2作動位置との間で、前記ハンドレバー(4)が、旋回可能であり、
前記ハンドレバー(4)が、前記第1作動位置において前記カートリッジ受容部を少なくとも部分的に取り囲むハンドルを含むことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料製造装置に基づく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、交換可能なカートリッジを使用して飲料を製造する装置を提供することであり、ここで、装置へのカートリッジの装填及び取り外しが、単純化され、従来技術の装置と比べて簡単な操作性をユーザに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
カートリッジによって飲料を製造するための装置は、米国特許出願公開第2004/191372A1号明細書から知られている。
この明細書は、コーヒー顆粒が含まれたカートリッジによってコーヒー飲料を製造可能であるコーヒーマシンを開示する。
このため、カートリッジは、ユーザによって、スイング式に開ける製造チャンバに手動で入れられる。
カートリッジによって飲料を製造するためのさらなる装置は、米国特許出願公開第2016/272414A1号明細書、米国特許出願公開第2016/068334A1号明細書、米国特許出願公開第2015/335197A1号明細書および米国特許出願公開第2011/210140A1号明細書から知られている。
【0004】
本発明の目的は、特許請求項1で特許請求されたような装置によって達成される。
【0005】
本発明の装置は、装置の外部からアクセス可能な受容開口部にカートリッジが受け入れられるという利点を有している。
ここで、受容開口部は、2つの別個の保持要素によって形成され、第1保持要素は、他方の保持要素に対して移動可能である。
このようにして、ユーザによるカートリッジの簡単な挿入が可能になり、正しい向きでのカートリッジの確実な固定が、作業位置で保証される。
カートリッジマウントは、操作が簡単であるのと同時に、可動部品がほとんどないのでメンテナンスが少ない。
加えて、カートリッジの挿入及び装填位置から作業位置への移行は、飲料調製の合計時間を最小化するように、可動部分の短い経路で実行される。
【0006】
本発明の説明は、本発明の他の主題にも、同様に適用され、逆もまた同様である。
【0007】
本発明は、カートリッジを支持及び/又は案内するカートリッジマウントを有する装置に関する。
カートリッジは、飲料基体及び/又は食品基体が配置される空洞を有している。
前記基体は、液体であり、特に、濃縮物であり、飲料又は食品の製造のために溶媒、特に、水と混合され、その後、マウントの下に配置される装置の支持板の上に立てられる容器、特に、グラスに集められる。
飲料基体及び/又は食品基体は、カフェイン、二酸化炭素、果物及び/又は砂糖を含有する炭酸清涼飲料及びジュースなどのソフトドリンク、ビール(混合)飲料、又はその他のアルコール又はノンアルコール(混合)飲料用の液体プレミックス成分を含む。
【0008】
カートリッジは、ボトル形状であるように、カートリッジネックを有する。
カートリッジは、開口部が下向きに、すなわち、重力方向に向けられた状態でカートリッジマウントに挿入される。
【0009】
本発明によれば、カートリッジ受容部は、第1保持要素及び第2保持要素を有し、第1保持要素は、受容開口部を有し、第1保持要素は、カートリッジ受容部を装填位置から作業位置に、又は、作業位置から装填位置に移行するために、第2保持要素に対して移動可能であるように構成される。
第2保持要素は、作業位置で第1保持要素と形状合致式及び/又は圧力嵌め式に相互作用する間隙を有する。
これにより、装填位置で第1保持要素に挿入されたときにカートリッジがカートリッジネックの全周に沿って保持されるため、装置の安定性が向上する。
ここで、第2保持要素は、第1保持要素を作業位置で固定する。
【0010】
本発明によれば、第2保持要素が、さらなる受容開口部を有し、第1保持要素及び第2保持要素が、受容開口部とさらなる受容開口部が一致しかつ軸方向に沿って互いにオフセットされるように配置されるような方法で、互いに対して配置されることが提供される。すなわち、本発明によれば、第2保持要素が、さらなる受容開口部を有し、第1保持要素及び第2保持要素が、前記第1保持要素の受容開口部と前記第2保持要素のさらなる受容開口部が前記軸方向に沿って互いに一致するか、又は、前記軸方向に沿って互いにオフセットされるように配置されるような方法で、互いに対して配置されることが提供される。
受容開口部及び/又はさらなる受容開口部は、円形又は楕円形であるように設けられている。
そのような場合、2つの実質的に一致したリング要素が提供され、前記2つの実質的に一致したリング要素は、作業位置においてロック式に相互作用するように配置されるので、装置の安定性が著しく増加する。
この場合、カートリッジは、カートリッジネックの円周に沿って、例えば、第1保持要素及び第2保持要素がU字形であるように構成される場合のように、1つだけではなく2つの要素で保持されるからである。
さらに、カートリッジの長手方向軸に平行であるように提供されるこのような軸方向の変位は、より安定しており、カートリッジの、例えば、滑りによる不正確な位置決めのリスクが最小限に抑えられる。
【0011】
本発明によれば、軸方向の第1保持要素及び第2保持要素が装填位置において相互に離間され、作業位置において装填位置と比較して互いに近づけられる。
垂直方向、したがって、軸方向の第1保持要素は、第2保持要素の上方に配置される。換言すると、前記カートリッジ(3)の長手方向軸を垂直方向とする軸方向の第1保持要素は、前記カートリッジ(3)の長手方向軸を垂直方向とする軸方向で第2保持要素の上方に配置される。
このようにして、カートリッジマウントの安定したコンパクトな構造を実現することができる。
【0012】
さらなる実施形態によれば、第1保持要素が、リング状構成要素を含み、第2保持要素が、リング状構成要素の方向に開いたU字形凸状部を有し、第1保持要素は、第2保持要素に対して回転軸の周りで傾きを調整することが可能である。
リング状構成要素は、装填位置で第2保持要素に対して傾きを調整され、作業位置のリング構造要素の断面は、第2保持要素の主延在面に平行である。
これにより、カートリッジが、リング状構成要素によってカートリッジネックの全周で保持されると同時に、リング状構成要素の傾きにより、ユーザが、カートリッジを簡単に挿入できるため、単純な操作が可能になるのと同時に高い安定性が保証される。
【0013】
さらなる実施形態によれば、装置は、カートリッジ受容部を装填位置から作業位置に、又は、作業位置から装填位置に移行するためのハンドレバーを有し、ハンドレバーは、第1保持要素及び/又は第2保持要素に連結される。
ハンドレバーは、カートリッジ受容部が作業位置で可逆的にロックされるように、機構と相互作用する。
これにより、カートリッジ受容部を位置間で移行することが、簡単な方法で可能になる。
レバーのおかげで、移行のためのユーザに必要とされる力に関する労力が少なくなる。
【0014】
さらなる実施形態によれば、カートリッジ受容部が、装填位置にある第1作動位置と、カートリッジ受容部が、作業位置にある第2作動位置との間でハンドレバーが旋回可能であり、ハンドレバーは、第1作動位置において、カートリッジ受容部を少なくとも部分的に取り囲むハンドルを含む。
このようにして、装置の人間工学的な簡単な操作が有利に達成される。
加えて、ハンドルが、カートリッジ受容部を部分的に取り囲むので、さらなる安全性が実現される。
【0015】
本発明を
図1~
図8を用いて、以下で説明する。
これらの説明は、単なる例であり、本発明を制限するものではない。
説明は、本発明による装置に、同様に本発明による方法に適用される。
同一部品は、同じ参照番号で識別されている。
個々の図面には、左から右、上から下に番号が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態による装置で使用されるようなカートリッジを示す。
【
図2】本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第1実施形態のカートリッジマウントを示す。
【
図3】本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第2実施形態のカートリッジマウントを示す。
【
図4】本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第3実施形態のカートリッジマウントを示す。
【
図5】装填位置から作業位置へ移行中の第4の実施形態による本発明のカートリッジマウントを示す。
【
図6】本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の本発明の第5実施形態によらないカートリッジマウントを示す。
【
図7】本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第6実施形態のカートリッジマウントを示す。
【
図8】本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第7実施形態のカートリッジマウントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態による装置で使用されるようなカートリッジ3が、
図1に示されている。
ここでは、カートリッジ3は、円筒形に構成され、及び、水供給部と完成飲料用出口とが設けられたカートリッジネック31を一端に有するように構成されている。
ここで、このタイプのカートリッジ3は、他の任意の形状を有することもできる。
ここで、重要なのは、カートリッジ3を装置に挿入できること、及び、特に、カートリッジネック31がしっかりと保持されるように装置のカートリッジマウント1と相互作用できることである。
カートリッジ3は、水との相互作用により、飲料を形成する飲料物質を含む。
【0018】
本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第1実施形態のカートリッジマウント1が、
図2a~
図2dに複数の中間ステップにおいて示されている。
ここに示されるカートリッジマウント1は、飲料調製装置の一部であるが、飲料調製装置は、明確にするために、ここでは示されていない。
ここでの飲料調製サイクルの開始が、
図2aに示されている。
ここでは、カートリッジ受容部は、半円形の間隙を有する第1保持要素11を備え、第1保持要素11は、第2保持要素12から離間され、第2保持要素12は、第1保持要素11とともに円形の受容開口部2を形成し、カートリッジマウント1を装填位置に移行させる。
この目的のために、前記第1保持要素11は、ここでは、直線的に提供される変位方向Aに沿って変位する。
【0019】
ここでは、カートリッジ3は、円錐台の形状で提供され、第1保持要素11の間隙に挿入され、そこで、カートリッジ3は、その形状と重力により、形状合致式に保持される。
これは、
図2bに示されている。
【0020】
飲料を調製するために、カートリッジマウント1は、装填位置から作業位置に移動され、作業位置で、第1保持要素11及び第2保持要素12は、互いに接触し、円形の受容開口部2の形態を提供する。
その結果、第1保持要素11及び第2保持要素12は、相互作用すると、カートリッジ3を適所に保持又は固定する(円の)周辺部を含む。
【0021】
この目的のために、図示の実施形態によれば、第2保持要素12に取り付けられているが、同様に、第1保持要素11に取り付けることもできるハンドレバー4は、ここで、垂直位置から水平位置に移行される。
第1保持要素11は、対応する機構、例えば、歯車によって、ハンドレバー4の移動により、第2保持要素12に近づけられる。
これは、
図2cに示される。
【0022】
最後に、作業位置が、
図2dに示される。
カートリッジ3は、カートリッジ受容部によって保持され、カートリッジ受容部内で、カートリッジネック31が、第1保持要素11及び第2保持要素12の間に挟まれる。
ハンドレバー4は、第1保持要素11、第2保持要素12の主延在面に平行になるように水平位置に置かれる。
【0023】
カートリッジ受容部が誤って開くのを防ぐために、ハンドレバー4が作業位置においてカートリッジ受容部を可逆的にロックするような方法で、カートリッジマウント1を提供することができる。
これは、例えば、ナックル継手によって行うことができる。
カートリッジ受容部を作業位置から装填位置に再度移行するために、ユーザは、この場合、ハンドレバー4を水平位置から垂直位置に、初期抵抗に抗して移動する必要がある。
【0024】
カートリッジ受容部は、水をカートリッジ3に導入するための水供給部(図示せず)と、圧縮空気をカートリッジ3に導入するための圧縮空気供給部とを有している。
ここでは、水供給部及び圧縮空気供給部は、例えば、第2保持要素12上に配置することができ、それに接続することができる。
動作中、水が、カートリッジ3に導入され、水は、カートリッジ3内の飲料物質と相互作用して飲料を作り出す。
圧縮空気をカートリッジ3に導入することにより、飲料は、カートリッジ3から排出され、飲料は、装置の飲料出口を介して飲料容器、例えば、グラス又はコップに分配される。
【0025】
飲料が調製された後、カートリッジ受容部は、作業位置から装填位置に移行され、このとき、空のカートリッジ3は、処分される。
これは、手動又は自動で行うことができる。
【0026】
図3aから
図3dは、本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第2実施形態のカートリッジマウント1を示す。
第2実施形態は、本明細書において、
図1a~
図1dと併せて記載した第1実施形態に対応し、第1実施形態に関する説明が参照される。
【0027】
相違点は、ハンドレバー4が、装填位置で水平位置をとり、カートリッジ受容部を装填位置から作業位置に移行するために垂直位置に移動され、そこで、ハンドレバー4は、カートリッジ3の長手方向軸と平行になるように整列されることである。
【0028】
ここで、ハンドレバー4は、カートリッジ3を作業位置において、カートリッジマウント1から取り外すことができないように、少なくとも部分的にカートリッジ3の上方に配置される。
【0029】
図4a~
図4dは、本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第3実施形態のカートリッジマウント1を示す。
図示のカートリッジマウント1の機能モードに関して、先の説明を参照されたい。
この第3実施形態と前述の実施形態との違いを、以下で説明する。
【0030】
図示の第3実施形態によれば、第1保持要素11は、リング構造要素の形態で提供される。
したがって、第1保持要素11は、カートリッジネック31を完全に取り囲み、それを固定する。
【0031】
ここで、作業位置にあるリング構造要素は、第2保持要素12のU字形の間隙にほぼ完全に配置される。
ここで、装填位置にあるリング構造要素は、線形変位方向Aに沿って間隙から離間される。
ここでは、線形変位方向Aは、上述のように、第2保持要素12の主延在面と平行になるように設けられる。
【0032】
ここでも、装填位置と作業位置の間の、又は、その逆の移動は、各々ハンドレバー4によって行われるが、ハンドレバー4は、ここでは、第1実施形態及び第2実施形態とは対照的に、第2保持要素12の片側のみに配置される。
ここでは、ハンドレバー4は、ユーザがより快適にレバーを操作できるように、より広いグリップを有している。
【0033】
第2実施形態のように、第3実施形態によるハンドレバー4は、作業位置において垂直に整列される。
【0034】
カートリッジ3は、円筒形であって、カートリッジネック31は、より小さい直径を有している。
その結果、肩部が、例えば、カートリッジネック31の上に形成され、肩部によって、カートリッジ3は、第1保持要素11のリング構造要素に載ることができる。
【0035】
装填位置から作業位置へ移行中の第4実施形態による本発明のカートリッジマウント1が、
図5a~
図5dに示されている。
図示のカートリッジマウント1の一般的機能モードに関して、先の説明が参照される。
この第4実施形態と前述の実施形態との差について、以下で説明する。
【0036】
図示の第4実施形態によれば、第1保持要素11と第2保持要素12は、両方とも環状に構成され、第1保持要素11は、受容開口部2を有し、第2保持要素12は、さらなる受容開口部2’を有している。
ここで、装填位置にある第1保持要素11、第2保持要素12の両方は、互いに軸方向に離れており、すなわち、開口を通る中心軸に平行である。
ここで、第1保持要素11及び第2保持要素12は、同じ直径、特に、内径を有するが、第1保持要素11及び第2保持要素12は、ここに示されるように、異なる直径を有することもできる。
【0037】
しかしながら、この第4実施形態によれば、いずれの場合にも、第1保持要素11及び第2保持要素12は、互いに一致するように配置される。換言すると、第1保持要素11及び第2保持要素12は、前記軸方向に沿って互いに一致するように配置される。
これは、受容開口部2、さらなる受容開口部2’が円形である場合、両方の第1保持要素11、第2保持要素12の中心軸が同一であることを意味する。
【0038】
装填位置で、カートリッジ3は、第1保持要素11に軸方向に挿入される。
ここで、作業位置への移行は、例えば、第1保持要素11のリム形フランジに対する圧力によって行われる。
対応する機構及び/又はハンドレバーが、ここでも使用できる。
【0039】
作業位置で、第1保持要素11と第2保持要素12は、互いに近づけられる。
水供給部及び圧縮空気供給部が、流体的にカートリッジ3の供給部に接続され、及び/又は、飲料出口が流体的にカートリッジ3の出口に接続されるという事実によって作業位置を定義できる。
【0040】
図6aから
図6dは、本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第5実施形態のカートリッジマウント1を示している。
ここでも、第1実施形態及び第2実施形態に関連する説明が参照される。
【0041】
ここでも、装填位置と作業位置との間の移行が、変位方向Aに沿った線形の並進によって行われる。
ここで、第1保持要素11及び第2保持要素12は、互いに部分的に変位可能であることができるように配置される。
装填位置において第1保持要素11と第2保持要素12によって形成された受容開口部2は、カートリッジ3が挿入される長穴の形状を有している。
【0042】
その後、第1保持要素11は、作業位置にある受容開口部が円形の形状を有するまで、第2保持要素12の方向に変位される。
かくして、カートリッジは、意図しない動きに対して形状合致式及び/又は圧力嵌め式に固定される。
【0043】
装填位置と作業位置との間のカートリッジ受容部の移行が、ここで起こり、この際、ユーザは、引き出しのように第1保持要素11を直接変位する。
しかしながら、移動を促進するためにハンドレバー4が設けられること、及び/又は、ユーザがより良いグリップを得ることができるように、第1保持要素が、例えば、間隙又は凹状グリップの形態のグリップを有している。
【0044】
図7aから
図7dは、本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第6実施形態のカートリッジマウント1を示す。
装置の一般的な機能モードに関して、上記が参照される。
この場合の第1保持要素11は、円錐台状の設計を有し、第2保持要素12に背く第1保持要素11の側に配置されたハンドレバー4を有している。
【0045】
ここで、第1保持要素11は、回転軸Bを介して第2保持要素12に接続され、第2保持要素12に対して傾きを調整できる。
これは、
図7bに示される。
図示の第6実施形態によれば、第1保持要素11は、第2保持要素12の間隙に部分的に配置され、前記間隙は、第1保持要素11の形状に対応する形状を有している。
【0046】
カートリッジ受容部を装填位置に移行するために、ユーザは、ハンドレバー4を握り、第1保持要素11の傾きを調整し、第1保持要素11は、第2保持要素12の主延在面に対して角度をなすように配置され、水平に対して、例えば、30°~60°の角度で、特に、45°の角度で傾けられる。
【0047】
カートリッジ3、好ましくは、第1保持要素11の内面に適合された形状を有するそのカートリッジネック31は、第1保持要素11に挿入され、カートリッジ受容部は、第1保持要素11の傾斜を調整することによって作業位置へ移行される。
【0048】
装填位置における第1保持要素11の傾けられた配置のために、ユーザは、カートリッジ3を装置に快適に挿入することが可能であり、及び、第1保持要素11は、ハンドレバー4及び回転軸B周りの傾き調整により、簡単な方法で作業位置へ移行されることが可能である。
【0049】
最後に、
図8a~
図8dは、本発明によらない、装填位置から作業位置へ移行中の第7実施形態のカートリッジマウント1を示している。
第7実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態及び第6実施形態と類似しているため、それらの各説明が原則的に参照される。
【0050】
第6実施形態と同様に、第1保持要素11も、同様に、第2保持要素12に対して回転軸Bの周りで傾き調整できるように配置される。
しかしながら、第1保持要素11及び第2保持要素12は、ここでは、第1実施形態と同様に、それぞれ半円形又はU字形の間隙を有し、その結果、円形の受容開口部2が作業位置において形成される。
【0051】
装填位置にある第1保持要素11は、第2保持要素12に対して90°の角度で旋回する。
カートリッジ3をカートリッジマウント1に挿入できる限り、多くのさらなる角度も可能である。
【0052】
ここで、カートリッジネック31は、部分的に取り囲むカラーを有し、カラーは、第2保持要素12の対応する形状の受容チャネルと形状合致式及び/又は圧力嵌め式に相互作用するように提供される。
その結果、カートリッジ3は、カラーがチャネル又は溝に係合するように、第2保持要素12の間隙に横方向に挿入される。
【0053】
カートリッジ受容部を作業位置に移行するために、第1保持要素11を、第1保持要素11と一体のハンドレバー4によって上方に旋回する。
前記第1保持要素11が、第2保持要素12と一緒に、カートリッジ3が保持される連続面、又は、円形の受容開口部2を形成するまで旋回する。
カートリッジマウント1は、作業位置における第1保持要素11の意図しない旋回を防止するようにロック機構を備えている。
【0054】
飲料が調製された後、第1保持要素11は、任意選択的にロック機構を解除した後、再び下方へ旋回され、カートリッジ3は、カートリッジ受容部の線形の並進によって回収され、その後、処分される。
【符号の説明】
【0055】
1 ・・・カートリッジマウント
2 ・・・受容開口部
2’ ・・・さらなる受容開口部
3 ・・・カートリッジ
4 ・・・ハンドレバー
11 ・・・第1保持要素
12 ・・・第2保持要素
31 ・・・カートリッジネック
A ・・・変位方向
B ・・・回転軸