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特許7245186静電的方法により粉末コーティングされるストランド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】静電的方法により粉末コーティングされるストランド
(51)【国際特許分類】
   B29B 11/16 20060101AFI20230315BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20230315BHJP
   B29C 70/20 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B29B11/16
C08J5/04 CEZ
B29C70/20
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020024932
(22)【出願日】2020-02-18
(62)【分割の表示】P 2017521566の分割
【原出願日】2015-10-26
(65)【公開番号】P2020090103
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】1460259
(32)【優先日】2014-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508349735
【氏名又は名称】ポルシェ アンデュストリ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(72)【発明者】
【氏名】ロマン ペレ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー メルレ
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-027078(JP,A)
【文献】特開2008-007682(JP,A)
【文献】特開2013-022930(JP,A)
【文献】特開平07-097465(JP,A)
【文献】特開2014-122449(JP,A)
【文献】特開2013-100616(JP,A)
【文献】特開2007-023468(JP,A)
【文献】特開2013-163805(JP,A)
【文献】特開2004-090352(JP,A)
【文献】特開2012-167252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 11/16、15/08-15/14
C08J 5/04-5/10、5/24
B29C 70/00-70/88
D06M 13/00-15/715
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機材料の一方向性繊維及び熱可塑性のポリマーマトリックスを用いて形成された、含浸された連続テープであって、前記テープは熱可塑性のポリマーマトリックスのコアに含浸されており、前記テープは如何なる切断もなく、如何なるスプライスもない、単一片で長い長さにおいて製造されており、テープの重量に対して、30%~75%に含まれるポリマーレベルを含み、単一片において、100m以上の長さにわたって、2~10mmに含まれる一定の幅を有し、標準偏差が、0.04~0.15mmに含まれる、テープ。
【請求項2】
前記テープが、5mm~10mmの範囲の一定の幅を有する、請求項1記載のテープ。
【請求項3】
100m以上の単一片の長さにわたって、6.35mmの平均幅を有し、標準偏差が0.04~0.05mmに含まれることを特徴とする、請求項1または2に記載のテープ。
【請求項4】
前記ポリマーレベルがテープの重量に対して30%~50%に含まれることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項5】
前記ポリマーレベルがテープの重量に対して30%~40%に含まれることを特徴とする、請求項に記載のテープ。
【請求項6】
70%~100%に含まれるポリマー含浸レベルを有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項7】
90%~98%に含まれるポリマー含浸レベルを有することを特徴とする、請求項に記載のテープ。
【請求項8】
No.1のキャリバーと、250TUの質量と、7.5°の角度とを持つテープのテーバー剛性度が、NF ISO2493-2標準(第2部:テーバー試験機)に従って、45~65TSUに含まれることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項9】
No.1のキャリバーと、250TUの質量と、7.5°の角度とを持つテープのテーバー剛性度が、NF ISO2493-2標準(第2部:テーバー試験機)に従って、50~60TSUに含まれることを特徴とする、請求項に記載のテープ。
【請求項10】
熱可塑性のポリマーが含浸された、無機材料の一方向性繊維及び熱可塑性のポリマーマトリックスを用いて形成された連続テープであって、テープの重量に対して、25%~75%に含まれるポリマーレベルを含み、前記テープは如何なる切断もなく、如何なるスプライスもない、単一片で長い長さにおいて製造されており、前記テープのフィラメントの総量のうち20~50%の量で、ポリマー中に取り込まれない内側フィラメントを含み、前記ポリマーがテープ表面に外側の連続シースを形成し、前記連続テープは、単一片において、100m以上の長さにわたって、2~10mmに含まれる一定の幅を有し、標準偏差が、0.04~0.15mmに含まれる、テープ。
【請求項11】
前記テープが、5mm~10mmの範囲の一定の幅を有する、請求項10記載のテープ。
【請求項12】
前記ポリマーレベルがテープの重量に対して30%~50%に含まれることを特徴とする、請求項1011のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項13】
前記ポリマーレベルがテープの重量に対して30%~40%に含まれることを特徴とする、請求項12に記載のテープ。
【請求項14】
30%~70%に含まれるポリマー含浸レベルを有することを特徴とする、請求項1013のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項15】
40%~60%に含まれるポリマー含浸レベルを有することを特徴とする、請求項14に記載のテープ。
【請求項16】
No.1のキャリバーと、250TUの質量と、7.5°の角度とを持つテープのテーバー剛性度が、NF ISO2493-2標準(第2部:テーバー試験機)に従って、5~25TSUに含まれることを特徴とする、請求項1015のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項17】
前記無機材料が炭素であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項18】
前記熱可塑性のポリマーが、280℃以上の融点又は転移温度を有する熱可塑性のポリマーであることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項19】
前記熱可塑性のポリマーが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)、又はポリエーテルイミド(PEI)であることを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項20】
0.04~0.15mmに含まれる標準偏差が、500m以上の単一片の長さにわたっていることを特徴とする、請求項1~19のいずれか1項に記載のテープ。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載のテープを含む、複合部品。
【請求項22】
前記熱可塑性のポリマーが、前記テープ上に粉末の形態で、そして加熱されて堆積される、請求項1または10に記載のテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性又は熱硬化性の有機マトリックスを含む連続した強化材を含む複合体の技術分野に関する。それは、より詳細には、自動繊維積層(AFP)により又はフィラメント巻取り、プルトルージョン、編み組み、3Dプリンティングにより、複合体材料を製造するのに使用される半製品に関する。これらの複合体は、「間接」法を対象とし、それは、最終複合体の有機マトリックス全体が、半製品上に既に存在することを意味する。テープが堆積され支持体上にもたらされると、堆積パラメータに従って、ある割合の孔を含有するプレフォームが得られる。最終的に、最終部品中における狙いの孔レベルと、プレフォームの質とに依存して、部品を統合するための工程は、オートクレーブ中又はオーブン中で行われる。
【背景技術】
【0002】
航空、油又は自動車の分野においては、これらの高い競争分野で競争力を保つように、生産性、精度、したがって質を上げるために、製造方法を自動化することが必須になっている。さらに、これらの分野は、一般的に高い機械特性を持つ高品質の製品を要求する。炭素繊維の使用、特に一方向性繊維の使用は、その要求を満たすことができる。しかしながら、その要求が満たされると、これらの適用のための主要なパラメータは質である。実際に、航空学においては、全ての構造部品が異なる製造工程で制御され、次いで、品質外コストは極めて大きいことがある。さらに、高いTgを持つポリマー及び炭素のような、使用される高性能の材料の費用は、競争力を高くするために、極めて低い廃棄物レベルを有することを要する。最終的に、機械の遊休時間を減らすために、半製品の調整は最適化されるべきであり、これは、堆積中に処分されるべき任意の欠陥を含有しない極めて長いコイルの使用を要する。本発明に係る半製品が開発されたのは、これらの要求を満たすためである。
【0003】
このタイプの製品は、一般的に、別々に又はライン上で行われることがある幾つかの工程において得られる。第1工程は、炭素の幾つかのストランドで形成された一方向性の炭素ウェブを得ることからなる。フィラメントが並べられ、炭素の表面での質量が調整された後、ウェブは液相中で、すなわち含浸相中で、ポリマー分散体中に浸される。フィラメントがポリマーで充填された後、このポリマーを溶かして液相を排出するために、ウェブが加熱される。最終的に、ウェブが統合された後、それは制御された幅を持つテープとして切断され、次いで、コイルに巻かれる。この方法の主要な欠点は、切断することでフィラメントをテープのエッジから突き出させること、及び、切断することがフィラメントと完全に平行でない場合、フィラメントがテープの長手方向に厳密に配向されないことである。
【0004】
欧州特許第1007309号明細書では、せん断の適用を伴うポリマーの浴中で、炭素又はガラスタイプの無機材料中に糸ストランドを含浸することによって連続テープを製造することを記載している。この方法は、25~75wt%の範囲のポリマーレベルを持つ、間接法用のテープを製造することを意図する。例1では、0.64cm×0.023cmの寸法を有するテープを製造するための、含浸浴中、次いで、この寸法を持つ長方形断面のダイ中へのガラス糸のストランドの経路、を説明している。したがって、これは、製造速度が制限される(1.676cm/分に達する速度が述べられている)溶融ルートを通じた含浸方法であり、含浸は、ポリマーの粘度に直接依存し、それはあらゆるタイプのポリマーで作業することができない。さらに、この方法は、強化部における不連続部、したがって、潜在的に機械特性の減少をもたらす「スプライス」を作ることなく、極めて長い(100m超の)コイルを有することができない。他の欠点としては、水又は溶媒を除去するためのエネルギーコストと、溶媒を使用する場合における環境への影響とがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の対象は、如何なる切断もなく、如何なるスプライスもない、単一片で長い長さを持ち、供給コイルのストランド(麻くず)の長さに達することができ、例えば、1000メートル超を達成することができ、極めて小さい標準偏差及び/又はポリマーの分布の良好な管理によって特徴付けることができる極めて一定の幅を有する、強化テープを製造及び提案することである。
【0006】
本発明の別の対象は、制御されたポリマーレベルを持つそのようなテープを製造及び提案することである。
【0007】
本発明の別の対象は、構成フィラメントがテープの長手方向と厳密に平行である、そのようなテープを製造及び提案することである。
【0008】
したがって、本発明の対象は、そのようなテープを連続的に製造することができる方法を提案することである。
【0009】
本発明の別の対象は、柔軟であり、特に、その柔軟性を容易に調整することができる、好ましくは非脆性である、そのようなテープを製造及び提案することである。
【0010】
本発明の更なる他の対象は、競争力のある価格でそのようなテープを製造及び提案することである。
【0011】
これらの対象は、フィラメントのストランドからテープを連続的に製造するための方法で達成される。本発明の対象は、熱可塑性又は熱硬化性のポリマーマトリックスが含浸された、強化フィラメントのテープを製造するための方法と、その長さ全体にわたって一定の幅を有し、フィラメントがテープの長さと平行な方向に沿って延びるテープとである。この方法を、供給コイルからのストランド、又は同時に、同数の供給コイルから出る並列した複数(2つ以上)のストランドの処理に適用することができる。供給コイルは、特に、最近使用されるタイプ、最も一般的には交差コイル(ストランドが横方向にかつ交差した巻取りで巻かれている)又は任意選択で単純な横方向の巻取りを持つコイルであることができる。
【0012】
この方法は、方法が、各ストランド(1つ又は複数のストランドが同時に処理されることがある)について、ストランドを持つ供給コイルからテープを保管するためのコイルまでの、以下の製造工程:
a)供給コイルと保管コイルの間で張力を操作する工程と、
b)ストランドを、長手軸、いわゆる機械軸と一致するライン上で並進して移動するストランドに配向するように案内して、保管コイルに近接する範囲まで伸ばす工程と、
c)任意選択で、テープの幅より大きい所定の幅に、ストランドを横方向に拡幅する工程と、
d)ストランドの幅を操作する工程と、
e)任意選択で、好ましくは挟み込み又はパディングで、ストランドを引っ張る工程と、
f)ストランドを接地する工程と、
g)静電粉末コーティングによって、好ましくは約20~約75%の質量のポリマー含有量で、ストランド上に粉末としてポリマーを堆積して、含浸テープを得る工程と、
h)ポリマーを溶融又は軟化させる工程と、
i)テープの幅及び厚さを較正する工程と、
j)任意選択で、テープの幅及び/又は厚さを測定する工程と、
k)保管コイル上にテープを巻取る工程と
を含む点で、特に特徴付けられる。
【0013】
本発明によれば、ストランドは、フィラメント(又は繊維)の集合体からなるものとして規定され、約1000~約80000のフィラメント、好ましくは3000~約24000のフィラメントを含む。本発明の範囲内で使用されるストランドは、好ましくは、炭素、セラミックス、ガラス、シリカ、玄武岩、及びアラミド、又はさらに複合体材料の分野で使用される任意の他の材料、例えば、金属フィラメント若しくは繊維(そのフィラメントは天然若しくは合成源のものであることができる)の中から選択される材料である。炭素が特に好ましい。使用することができるセラミックスは、特に、炭化ケイ素及び耐火性酸化物、例えば、アルミナ及びジルコニアである。初期ストランドは、既に平らにされた形状又はおおよそ円形として存在することがある。一般的に、ストランドは、交差して巻かれた平坦なストランドコイルにおいて示される。好ましい実施形態において、炭素ストランドは、約1000~約80000のフィラメント、好ましくは約3000~約24000のフィラメントを含んで使用される。
【0014】
ストランドと、熱可塑性又は熱硬化性のポリマーとで形成された平坦な複合体はテープと称される。製造の最後では、このテープは、有利には、堆積オートマタ(ロボット)上で直接使用することができるコイル又は支持体上に保管される。巻取りは、ワイヤ-ワイヤタイプ(テープがエッジ間で巻取られ、この方法が好ましい)であるか又は交差タイプであることができる。
【0015】
ストランド又はテープを形成するフィラメントは、連続フィラメントであることが好ましい。使用されるフィラメントは、一般的に、実質的に円形の断面(円形フィラメント)、又は好ましくは実質的に平行6面体若しくは楕円形部(平坦フィラメント)を有する。ストランドは、不規則な幅を有し、以下の表で説明されるように、フィラメントの数及びそれらのタイターに従って、炭素ストランドの幅を与える。
【0016】
【表1】
【0017】
任意のタイプの炭素糸を使用することができる。好ましくは、引張弾性率が220~241GPaに含まれ、引張破断応力が2450~4830MPaに含まれる高抵抗(HR)糸、引張弾性率が242~300GPaに含まれ、引張破断応力が3450~6400MPaに含まれる中弾性(IM)糸、及び、引張弾性率が345~600GPaに含まれ、引張破断応力が3450~5520MPaに含まれる高弾性(HM)糸を使用することができる(ASM Handbook、ISBN 0-87170-703-9,ASM International 2001参照)。
【0018】
a)において、張力が両方のコイルの間で操作されるか又は調整されることが述べられ、それは、連続的に生じるストランド及びテープが、供給コイルと保管コイルの間で張力がかけられて維持されることを意味する。本方法のライン全体に沿う張力は、ストランド、次いでテープが通過する装置及び工程に応じて変えることができる。この張力は、特に、約5~約50Nに含まれることがあり、その間で変えることができる。工程b)におけるストランドの案内は、機械軸へのその正確なアライメントを可能にする。案内工程は、特に、ストランドの横方向の巻取りを抑制することができ、及び/又は供給コイル上で交差して巻かれたストランドを巻出すことに関する横移動を取り除くことができる。案内は、特に、少なくとも含浸テープが冷却されるまで、機械軸(その軸における位置取りは、所定の高さでの位置取りを含み、それは機械軸の位置取りである)上の完全に並んだライン又は軌道上に、供給コイルから生じたストランドを戻すことができるように配向された、少なくとも1組の少なくとも2つのバーを使用することができる。例えば、90°の1組の2つのバーを使用することができる。第1バーは、ストランドの走行方向に対して90°で配向された、コイルの軸と平行であり、ストランドは、供給コイルの横方向の巻取りのため、第1バー上で左から右にスライドする。この第1バーは、方法の残部におけるストランドのアライメントを調整することができる。それはまた、特に、円形の初期ストランドの場合において、しかしそれのみでなく、ストランドを平坦化させることができる。次いで、ストランドは、第1バーに対して90°に配向されかつ機械軸と垂直に、第1バーの下に位置し、ストランドを平坦に保つことができ、方法の続きのためにストランドの高さを調整することができる、第2バーと接触して通過する。
【0019】
第1実施形態によれば、ストランドは、最初は、常に最終のテープの幅より大きい幅を有する。
【0020】
第2実施形態によれば、ストランドの幅は、常に又は時折(ワンオフ)、最終のテープの幅と比べて、等しいか、近いか又は小さい。この場合において、工程c)におけるストランドの拡幅が提供される。機械軸に戻されたストランドは横方向に拡幅される。ストランドの横方向の拡幅は、テープの定格幅より大きい幅で達成される。この工程は、ストランドが、この工程を受けるにつれて徐々に、最終のテープの定格幅より大きい幅を常に有することを保証する。これを行うために、ストランドは、特に、その幅を常に最終のテープの定格幅より大きくするようにストランドを拡幅することができる、1つ又は複数のバー部材、例えば拡幅バーを含む、拡幅装置を通過することができる。特に、約10mm~約100mmに含まれる径を有するバーを使用することができる。好ましくは、バーは、少ない研磨面を有し、例えば、クロム、アルミニウム又はセラミックスである。所望の幅を得るために、バーを加熱し、及び/又はそれらを振動させることができ、それにより拡幅を促進する。
【0021】
工程d)において、ストランドの幅は操作されるか又は調整され、それは、ストランドの幅を、較正装置中にそれを通過させることによって、所定の値に減らすことを意味する。工程c)において拡幅されたストランドの場合では、幅は、特に、最大の拡幅した幅と最終のテープの定格幅との間に含まれる所定の値に減らされる。この幅の操作を行うために、特に、ストランドを、ストランドを所定の幅に較正する溝の中を通過させることができる。特に、拡幅した後の幅は、最終のテープの定格幅の約1.5~約4.5倍、例えば、約2~約3倍である。例えば、較正幅は、約6.35mmの定格のテープに対して約10mm~約29mmである。
【0022】
この工程より下流で、ストランドが強い張力下にある(ストランドあたり5kg以下の張力であることがある)そのパスのある時間で、工程e)において、その幅を維持し、保管コイルに向かって進むための移動をストランドに適用するために、ストランドを引っ張ることが好ましい。この工程は、特に、ストランドを挟み込み、それを供給コイルと反対方向に移動させることができる装置によって達成することができる。特に、フーラード又は同様の装置を使用することができる。
【0023】
ここまでのこのストランドに基づいて製造されたワークは、極めて異なる質、例えば、変化する幅を有する初期ストランドを用いて作業すること、一定の粉末レベルを保証すること、及び最終のテープの幅の分散を大きく改善することができる。
【0024】
幅を測定するための工程を、以下で説明されるように、レーザーを用いて達成することができる。
【0025】
ストランド及びテープの走行速度は、特に、約5~約50m/分、特に約10~約40m/分、典型的に約15~約35m/分に含まれることができる。このスピードは、異なる工程、特に粉末コーティング工程に適応される。
【0026】
静電粉末コーティングを可能とするために、ストランドの接地f)は、有利には、粉末コーティングとできる限り近くで、したがって、この工程より少し上流で行われる。
【0027】
粉末コーティング工程g)は、最終テープ中のマトリックス分布並びに最終複合体製品中の繊維/マトリックスレベルを決める。好ましくは、静電散粉法が使用される。ストランドは、接地された1つ又は複数のバー、例えば、1つ又は複数の拡幅バーと接触して通過することで接地される。
【0028】
散粉工程は、第1乾燥流動化工程を含む。流動化は、小サイズのポリマー粒子間でガスのパスを有することから成る。ガス摩擦が、床の全ての粒子の重量を埋め合わせるための十分な力をもたらす場合、粒子床が流動化されていると称される。乾燥流動床の使用は、より多くの量の粉末を堆積することができ、圧力ポットに比べてより多くの粉末で作業することができる。
【0029】
静電粉末コーティングのための1つ又は複数のガン又はノズルは、コロナ放電の原理を使用して使用されるのが好ましい。これは、ガンの先端と、地面に接続された被覆されるべき部品の間で、高い電位差を適用することからなる。先端での電場が、クーロン力によって周囲の媒体の電子を加速し、空気中に存在する分子をイオン化する。アバランシェ効果によって、周囲の媒体を導電性にする自立した方法が得られる。このイオン化した媒体を横切る粉末粒子は、それらの表面での電子の加速により帯電する。次いで、それらは地面に接続されたストランドに向かう電場により駆動される。非導電性のフィラメントのストランドについては、噴霧、金属化又は導電性ポリマーの使用による粉末コーティングの前に、表面が導電化される。
【0030】
本発明の範囲内において、粉末の堆積は、ノズル、好ましくはフラットノズルが設置された1つ又は2つのガンの使用により達成される。このタイプの設備は、地面にそれ自体が接続されたストランドの周囲に、粉末雲をもたらすことができる。次いで、繊維の周りに位置する粉末は、ストランドの周囲全体に薄い堆積層をもたらすためのその軌道を修正するストランドによって引き付けられる。好ましくは、一方のガンはストランドの上に位置し、他方は下に位置する。
【0031】
ガンの制御は、両方のガンの独立した制御を可能とする中央ユニットを通じて達成される。調整することができるパラメータは、
-噴射圧力:それはガンに流動床の粉末を運ぶことができる
-希釈圧力:ガンに導くパイプ中で粉末を希釈することができる追加の圧力
-張力及び強度:これらのパラメータの両方は、カソードで放散された強度及び張力を制御することができる
である。
【0032】
これらのパラメータの調整により、繊維上に堆積した粉末レベル及び堆積の一定性を調整することができる。調整は、各ストランド/マトリックスの組に対して適応されるべきである。
【0033】
場合により、炭素テープは、粉末コーティングの間、複数のフィラメント束に分割される。この選択の使用により、ストランドの被覆を保証するために、第1粉末コーティングのパスが、鉛直に又は束に分離されたストランドの近くで得られること、及び、第2粉末コーティングのパスが、もう少し先で、テープが再度接合される(次いで、1つの部分が、いくぶん明確に、隣接する束を分離することができる、あるポリマーが堆積されることを除いて、束に分離される前のようなテープ構造になるように、互いにより近くに移動する傾向を有する隣接する束)ラインの位置で得られることが可能になる。束の数及びそれらをどのように得るかは後で取り組む。この実施形態に関するより詳細は例4において与えられる。
【0034】
粉末が糸に堆積された後、次いで、これはテープと言い表され、したがって、それは、ポリマーマトリックスが含浸された、長手方向に配向された繊維強化部からなる。テープコイルの長さは、糸に関していかなる長さ制限なく、糸が出るコイルに等しいか又は実質的に等しいことができる。
【0035】
拡幅したストランド上に適用される質量のポリマーマトリックスレベルは、特に、約20、25又は30%~約75%、特に約20、25又は30%~約50%、より具体的には約30%~約40%に含まれることができる。この特に高いレベルは、間接法においてテープを使用することができる。このレベルは、以下で確認されるように、30又は40%超の大きな値に達することができ、柔軟であり良好に統合される。
【0036】
ストランドの含浸の段階では、繊維を含浸するポリマーは、その粒子が特に約10μm~約300μm、好ましくは約30μm~約200μmに含まれる径を有する、粉末の形態である。
【0037】
方法は、粉末コーティングの間、ストランドへの付着を可能とする軟化点を有する、任意のタイプの流動化粉末に適用することができる。これらの粉末の中から、より具体的には以下の熱可塑性及び熱硬化性ポリマーを挙げることができる:ポリアミド(特に、PA6、PAI2、PAU、PA6.6、PA6.10、PA6.12)、コ-ポリアミド(CoPA)、ポリアミドブロックエーテル又はエステル(PEBAX、PEBA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエステル(特に、ポリエチレンテレフタレート-PET-、ポリブチレンテレフタレート-PBT-)、コ-ポリエステル(CoPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアセタール(POM、・・・)、ポリオレフィン(特に、PP、HDPE、LDPE、LLDPE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU、・・・)ポリフェニレンスルホン(PPSU、・・・)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド、液晶ポリマー(LCP)、フェノキシ、ブロックコポリマー、例えば、スチレン-ブタジエン-メチルメタクリレートコポリマー(SBM)、ブチル-メチルメタクリレートメチルメタクリレート-アクリレートコポリマー(MAM)及びそれらの混合物、エポキシ、ビスマレイミド、フェノールポリマー。
【0038】
本発明の特徴によれば、熱可塑性材料はある熱可塑性材料である。最初に、これは、高性能の熱可塑性材料、すなわち、280℃以上の融点又は転移温度を有する材料であることができる。それは、特に、PEEK、PPS、PEKK、PEI、又はそれらの少なくとも2つの混合物から選択することができる。
【0039】
本発明は、それらの架橋温度未満の軟化温度を有する粉末として、熱硬化性ポリマーを使用することと互換性がある。このタイプの粉末は、非架橋熱硬化性ポリマーの配合によって得られ、20、25又は30%~75%に含まれる非架橋熱硬化性ポリマーのレベルを持つテープを得ることができる。次いで、このテープは、自動繊維積層法又はフィラメント巻取り法で使用することができ、架橋温度に達した後に架橋が活性化される。熱硬化性ポリマーが含浸されたこのテープは、テープの積層の後、如何なる噴射又は注入工程なしに、複合体部を作ることができ、また、室温において限られた時間で保管を可能とする。
【0040】
工程h)において、粉末の溶融又は軟化は、散粉工程のすぐ後に、特に、1つ又は複数の、特に2つのオーブン、好ましくは短い又は中程度の赤外線オーブン中を通過することで行うことができる。1つ又は複数のオーブンの管理は、好ましくは、方法のより良好な安定性のため、電力において達成される。それからまた、各ストランド/マトリックスの組に対してだけでなく、走行速度及び狙いの粉末レベルに応じて、調整が適応されるべきである。ポリマーに適用される温度は、あらゆる場合で、(例えば、半結晶ポリマーについての)その融点より大きいか又は含浸を可能にする粘性のある状態への粉末ポリマーパスを有するのに十分である。PEEKについては、温度は300~450℃、より具体的には350~450℃に含まれることができる。
【0041】
狙いの幅に対する工程i)におけるテープの較正は、例えば、幅の変位が、形成するための堆積自動装置によりテープを自動堆積する際に品質外を引き起こすため、測定する特性である。幅が小さすぎると「ギャップ」をもたらし、幅が大きすぎると「重なり」及び堆積ヘッドでの詰まりをもたらす。
【0042】
低い幅の分散を得るために、カレンダー加工前に、完全な糸のアライメントを有することが必要であり、それは、方法全体に沿って及び較正段階で保証される。したがって、溶融より上流において、機械軸と、特に下流に位置した較正装置と一致させるために、テープのアライメントを提供することが可能である。したがって、1つ又は複数のバー、特に傾いたバーを使用することが可能である。
【0043】
好ましくは、工程i)において、テープはカレンダー加工されることがある。このカレンダー加工は、機械軸上でアライメントすることができるか又はこれに貢献することができる。特に、カレンダー加工は、まだ溶融状態にある熱可塑性又は熱硬化性の材料をストランドに含浸することを確実にすることができ、好ましくは、カレンダーは冷却される。この段階での材料の温度により、成形されるために十分に流体になることが可能となる。カレンダー加工は、圧力及び温度を管理することができる少なくとも2つの冷却ローラ間で、テープのパスを有することによって達成することができる。この装置において、カレンダー加工は、多かれ少なかれテープ中にマトリックスを浸透させることができ、また、場合によりテープを拡幅することができる。
【0044】
含浸レベルは、テープの横方向におけるマトリックスの分布を考慮する。低い含浸レベルは、実施形態に従って、ストランドの周囲でのみ(例えば、炭素中で)ポリマーの分布を持つ中空テープを有し、それによって、フィラメントを保護し、テープに極めて大きい柔軟性を保証するポリマーシース(又は連続層)を形成することを意味する。言い換えると、それは、ポリマーマトリックス中に取り込まれた減少した割合のフィラメントを有する。この実施形態において、カレンダー加工の圧力は、好ましくは1bar未満であり、典型的には約0.1~0.9bars、特に約0.1~0.6barsに含まれる。このタイプの製品は、極めて小さい曲率半径を持つ複雑形状をドレーピングすることに対して特別な関心があるものである。
【0045】
反対に、別の実施形態によれば、高い含浸レベルは、ポリマーが、幅及び厚さの方向において(例えば、炭素の)フィラメント間で実質的に均一に分布されたテープに相当する。この場合において、ポリマーは、シースによってテープのフィラメントを保護するが、次いで、それは、前述の場合のように、連続的な外側層を必ずしも形成しない。しかしながら、それは、ポリマーマトリックス中に取り込まれた高い割合のフィラメントを有する。この実施形態において、カレンダー加工の圧力は、好ましくは1bar以上であり、典型的に、約1~約4barsに含まれる。含浸レベルを増加させることにより、互いに対するフィラメントのスライドが防止され、それによりフィラメントの柔軟性が低減される。
【0046】
本発明によれば、温度パラメータは、オーブンの出口及び/又はカレンダー加工の前で、例えば赤外高温計による温度の測定によって連続的に追跡することができる。
【0047】
カレンダー加工は、特にテープの厚さにおいて、第1較正を確実にする。
【0048】
工程i)は、横方向較正装置若しくは幅方向較正装置を通過することでテープの幅の較正、又は、幅及び厚さ両方の較正を含むことができる。好ましくは、工程i)は、一方ではカレンダー加工を含み、他方では幅の較正若しくは幅及び厚さの較正を含む。
【0049】
好ましくは、較正は、横方向及び厚さ方向の両方でなされる。特に、少なくとも2つの対向形態の較正、特に対向する溝によって較正することが可能である。較正は、有利には、テープに対して所望の定格幅に調整される。異なる実施形態は、以下で説明される。
【0050】
冷却は、オーブンの出口とコイルの間で段階的に行われる。冷却装置を提供することは必須でない。較正i)の最後でのカレンダー加工は、十分な温度で、例えば、半結晶ポリマーのガラス転移温度と融点の間に含まれる温度で行われる。コイルの前で、達した温度は、ポリマーがもはや変形することができない温度であり、例えば、それは、半結晶ポリマーのガラス転移温度Tg未満である。
【0051】
テープの幅及び/又は厚さは、以下の方法を使用することでテープを製造する間に、好ましくはその標準偏差を持ち、連続的に、j)において測定することができる。その較正より下流かつコイル上へのその保管より上流で、幅及び/又は厚さのワンオフ測定が、レーザーにより、xcmごと(例えば、50cmごと又は1メートルごと)に行われ、そのデータは、幅の値を収集し標準偏差を計算するコンピュータ処理ユニット又はコンピュータによって処理される。有利には、レーザーは、レーザー光線を発するエミッターと、1列の受信セルを含むレシーバーとで形成されて使用される。エミッターは、幅が測定された場合、その平坦面の1つに面する、テープの一方の側上に設置される。レシーバーは、幅の測定について常にその他の平坦面に面する、テープの他方の側上に設置される。レシーバー上に投影されたテープの影は、極めて正確に幅(又は厚さ)を決定することができる。
【0052】
工程k)におけるコイルは、好ましくは自動堆積自動装置と互換性のある支持体上にテープを巻取ることからなる。それは、2つの異なる方法、張力又は速度で行うことができる。張力による巻取りについては、保管コイルを含むピンが、例えば、ダンサーアームによって巻戻されて、テープの張力情報に応じて、その回転速度を適応させる。このタイプのコイルは、極めてきれいなコイルを有することができ、ラインの始めにテープを引き出す、フーラードのような装置の持つ速度の如何なる従属関係を要さない。速い巻取りの場合において、ピンのスピードは設定値として入力され、両装置間のスピードの差による張力の如何なる問題を防ぐために、巻取り装置はサーボ制御されなければならず、フーラードのような駆動装置でなければならない。張力をかけた装置が好ましい。
【0053】
コイル、したがって、テープを製造するための速度は、約5~約50m/分、特に約10~約40m/分、典型的に約15~約35m/分に含まれることができる。
【0054】
本発明で説明される方法は、単一のストランドから、及び、複数の(2つ以上の)ストランドから、テープを製造することができる。
【0055】
実施形態において、炭素の表面の質量は増加する。これに対して、所与の表面の質量を得るために、少なくとも2つ、好ましくは2つの炭素テープが重ねられる。例えば、6.35mmに較正された12K 800texの2つの炭素テープは、2×126=252g/m2の表面の質量を得るために重ねられる。両方の糸の関連は、ポリマーが溶融した後に、散粉前の拡幅の際に又は散紛後に達成することができる。両方の場合において、前に説明した巻出し部材及び案内部材を複製することが必要である。次に、第1の場合においては、両方の糸のフィラメントの混合物は、糸を拡幅するために使用されるバー装置全てに沿って達成される。ラインの続きは、静電散粉の調整のみを修正せず、オーブンの電力を調整しなければならない。集合化が散粉の後に行われた場合、両方の散粉された糸の案内は、較正の前に適応されなければならず、ラインの残部は不変のままである。
【0056】
本発明の別の対象は、本発明の方法によって製造することができるテープである。本発明によれば、連続強化テープは、約20、25又は30%~約75%、特に約20、25又は30%~約50%、より具体的には約30%~約40%に含まれる質量レベルで、熱可塑性又は熱硬化性のポリマーがコアに実質的に均一にコーティングされ、及び/又は、実質的に含浸された、無機材料の一方向性フィラメントで形成されて製造される。テープは、100、500、1000又は5000m以上、或いはそれ以上の(如何なるスプライスのない)単一片の長さにおいて、所定の制御された一定の幅のものであり、好ましくは、0.02~0.15mm、好ましくは0.02~0.05(端は含まれる)の標準偏差を持つ。この標準偏差は、連続供給ストランドの長さから製造されたテープ全体の長さにわたって実際に存在する。xメートルのストランドを持つコイルから、その幅及び準拠した標準偏差と実質的に等しい長さを持つテープが製造される。この標準偏差は、典型的に、上で説明したように、レーザー測定によって測定される。さらに、テープは、如何なるフィラメントの切断なく、単一片で、すなわち、如何なるスプライスなく、その長さ全体にわたって連続である。その構成のフィラメントは、テープの長手方向に実質的に平行である(又は長手方向に完全に並べられる)。この製品は、1つ又は複数のストランドから、複合体部を製造するための間接法が対象である。テープは一定の幅を有し、それは、特に約2~約75mm、より具体的には5mm~約10mmに含まれることができる。熱可塑性又は熱硬化性の材料のレベルは、以下でわかるように、柔軟で良好に統合されつつ、30又は40%超の大きい値に達することができる。標準偏差は、以下の式を使用することで計算される。
【数1】
【0057】
テープの幅は、上で説明した方法を使用することで、テープの製造中に、連続的にその標準偏差と共に測定することができ、それにより、テープの全体の長さにわたって又は破片上で、標準偏差を得ることができる。製造ラインの外側で、本発明に係るテープを特徴付けるために、テープを巻出すことによって、及び、例えばレーザー測定で1mごとに幅のワンオフ測定を行うことによって、同一の方法で処理することができる。
【0058】
本発明の対象はまた、熱可塑性又は熱硬化性のポリマーがコアに均一にコーティングされ及び/又は含浸された、一方向性の無機材料フィラメント、好ましくは炭素フィラメントで形成され、テープの重量に対して、約20、25又は30wt%~約75wt%、特に約20、25又は30wt%~約50wt%、好ましくは約30wt%~約40wt%に含まれるポリマーレベルを含む、含浸された及び/又は統合された連続テープである。このテープは、特に、説明される3つの形態、すなわち、中空である、コアに含浸され実質的に統合されている、フィラメント束がコアに含浸され実質的に統合されている、の3つの形態において確認することができる。テープは一定幅を有し、特に、標準偏差が0.02~0.15mm、好ましくは0.02~0.05mm(端は含まれる)に含まれる。このテープの幅は、特に約2~約75mm、より具体的には約5~約10mmに含まれることができる。実施形態において、テープは、好ましくは、特に100、500、1000、又は5000m以上の一片の長さ、初期ストランドの長さにわたって、6.35mm±0.15mmの仕様の平均幅を有し、標準偏差が0.02~0.05mmに含まれる。したがって、例えば、6.35mmの平均幅を持ち、0.02~0.05mmに含まれる標準偏差を持つテープを有することが可能である。
【0059】
第1実施形態において、テープは、周囲で、例えばその2つの長手エッジ上で含浸され統合され、熱可塑性又は熱硬化性の材料は、実質的に連続なシースを形成する周囲で、例えば、テープのエッジに沿ってフィラメントを含浸する。好ましくは、このテープは、図6中の例として図示されるように、幅方向において及び長さ方向において、テープの一方の端部から他方の端部まで、ポリマーの連続体を実質的に形成する溶融又は軟化ポリマーで、全体又は主要部において被覆されるということに関連する、特定の表面状態を有する。表面(外層)でのポリマーの平均厚さは、有利には、約10~約100μm、好ましくは約25~約100μmに含まれることができる。テープは、その内側に、特定の割合の、ポリマーで含浸されていない(ポリマー中に取り込まれた)フィラメントを含む。この割合は、特に、テープのフィラメントの総量のうち約20、25又は30~約50%を示すことがある(これは、適切な倍率を用いて、部分の画像処理により、含浸及び非含浸表面を分析することによって、決定することができる。顕微鏡又は任意の他のデジタル画像装置(カメラ、ビデオカメラなど)での観察は、ポリマー中に取り込まれた及び含浸された繊維の領域の裸繊維の領域、並びに、実質的に又は全体的に任意のフィラメントのないポリマー領域を区別することができる)。このテープは、テープのコアが非含浸フィラメントで形成され、コアが結果として非含浸又は非統合である点において、中空であると考えられる。
【0060】
第2実施形態において、テープは、コアに含浸され及び/又は実質的に統合される、すなわち、それは、その内側に、ポリマーが含浸された高い割合のフィラメントを含む。この割合は、特に、テープのフィラメントの総量のうち約80~約100%を示すことができる。好ましくは、このテープは、図7中の例として図示されるように、その幅方向において及びその長さ方向において、テープの一方の端部から他方の端部まで、不連続相を形成する溶融又は軟化ポリマーで、部分的に被覆されるということに関連する、特定の表面状態を有する。このテープは、コアに含浸されていると言える。実施形態において、ポリマー中に取り込まれたフィラメントの割合は、80%~99、98、97、96、95又は90%に含まれる。典型的な間隔は90~100%、特に95~100%である。表面(外層)でのポリマーの平均厚さは、有利には、約10~約100μm、好ましくは25~100μmに含まれることができる。
【0061】
この含浸テープ及び実質的にコアに含浸されたテープの特定の実施形態によれば、フィラメントは束として分布する。フィラメントは、分離され、ポリマーにより被覆されたフィラメントの少なくとも2つの束として、テープの長手方向に延びる。束は、特に、横平面上で多かれ少なかれ個別に扱われる。束の数を、テープの幅に従って適応することができることが容易に理解される。典型的に2~50、特に5~50、好ましくは10~30の束を提供することができる。束は、特に、ポリマー単独で又は任意選択でわずかなフィラメントを含有したポリマーによって、互いから分離される。含浸製品は、約200~約6000μmに含まれる幅と、約50~約250μmに含まれる高さとを持つ束としてのフィラメントの分布により特徴付けることができ、その間隔が約25~約100μmに含まれる。繊維束は、繊維の横方向のおいて強い結合を有するテープを形成するために、ポリマーが全体的に又は部分的に含浸される。さらに、この製品は、ポリマーの薄いシース(外層)を有する。表面でのポリマーの平均厚さは、有利には、約10~約100μm、好ましくは約25~約100μmに含まれることができる。
【0062】
含浸レベルの測定は、ポリマーが含浸されたテープの表面を、製品の全体の表面積(含浸表面積+孔の表面積)により割ることで、テープの断面の画像分析(特に、顕微鏡又はカメラ若しくはデジタルカメラの使用)によって行うことができる。良好な質の画像を得るために、標準研磨樹脂中でその横方向に切断テープをコーティングすること、及び、少なくとも6倍の倍率を用いて顕微鏡での試料の観察を可能とする標準手順で研磨することが好ましい。含浸レベルに関して、典型的に、約30~約70%、好ましくは約40%~約60%の中空製品;約70~約100%、好ましくは約90~約98%の含浸製品;約70%~約100%、好ましくは約90~約100%の束構造を持つ含浸製品である。
【0063】
ポリマーシースの厚さの測定は、同様のツールで、特に、テープの断面から顕微鏡により行われる(試料の調製は含浸レベルの測定向けのものと同一である)。
【0064】
テープの柔軟性は、NF ISO2493-2標準(第2部:テーバー試験機)に従って、剛性計テーバーモデル150D(Taber Industries,North Tonawanda,New York,USA)によって特徴付けることができる。全ての測定は、No.1のキャリバー、いわゆる極感度キャリバーで行われ、使用される屈曲角度は7.5°で、88TSUの定格プレートレットに対する参照プレートレットの平均は88.3TSU(テーバー剛性単位)である。
【0065】
250TU(テーバー単位)の質量を持つ中空テープのテーバー剛性度は、約5~約25TSU、より具体的には約10~約20TSUに含まれる。
【0066】
この同一の装置を用いて、コアに含浸されたテープの剛性度は、約45~約65TSU、より具体的には約50~約60TSUに含まれる。同一の測定が、コアに含浸したテープにおいて500TUの質量で行うことができ、次いで、テーバー剛性度は、約20~約40TSU、より具体的には約25~約35TSUに含まれる。
【0067】
これは、典型的に約65~約85TSU、より具体的には約70~約80TSUに含まれる標準の含浸(含浸浴)で得られたテープのテーバー剛性度と比較されるべきである。
【0068】
100%未満の、ポリマーマトリックスに取り込まれたある割合のフィラメントを持つ、本発明に係るテープは、液相中で標準の含浸によって得られたテープとは異なり、テープがそれ自体上で重ねられた場合、破壊しない優れた特殊性を有する。理論に拘束されることを意図しないが、マトリックス中にセットされない、特に炭素の、ある割合のフィラメントは、テープの変形の際に、互いの上でスライドすることができると考えられる。100%未満、好ましくは99、98,97、96、95又は90%以下のポリマーマトリックスに取り込まれたフィラメントの割合を有する本発明に係るテープは、折り曲げる際に壊れなく、それは、それらがそれら自体上で折り曲げられた場合に壊れることがある標準の含浸によって得られたテープの場合とは異なる。この結果は、本発明に係るテープが、極めて減少した曲率半径と共に、優れた折り曲げ機能を有することである。
【0069】
本発明の対象はまた、本発明に係る方法を適用することができる及び本発明に係るテープを製造することができる設備である。この設備は、特に、以下の部材を含む。
【0070】
a)少なくとも1つのブレーキ付きコイルホルダのピン。
【0071】
b)機械軸に糸を巻出す及び/又は並べるための装置;代替的に、上で説明したように、如何なる巻取りがないストランドの供給コイルを有する場合は、その装置は機械軸に糸を並べるための装置であり、その装置は、例えば、コイルを出るストランドの走行方向に対して約90°に配向されたコイルの軸と平行である第1バーと、第1バーに対して約90°で配向され、機械軸に垂直である第1バーの下に位置した第2バーとである、90°をなす1組の2つのバーを含むことができる。
【0072】
c)任意選択で、ストランドを横方向に拡幅するための装置であって、特に、機械軸と垂直である少なくとも1つ、好ましくは複数(典型的には2~7つ)のバーを含み、この機械軸の上又は下に位置した少なくとも1つのバー(それはストランドに張力を与えて、その開口をもたらすことができる)を含むタイプの、特に、フィラメントの横方向の拡幅をもたらす、ストランドに張力を提供する原理で動作するバー装置;バーは、特に、約10~約100mmに含まれる径を有することができ;好ましくは、それらは少ない研磨面を有し、例えば、クロム、アルミニウム又はセラミックスであり;それらは加熱される及び/又は振動されることがあり;それらは一定の円筒形、長円形又は楕円形又は一定でない断面を有することができ、それらは直線又は曲線であることができ、それらはブレーキをかけることができるか又はできない。
【0073】
d)ストランドの長さを操作又は調整することができる、幅の較正のための装置。この装置は、特に、ストランドのフィラメントを溝の幅に戻すための溝を備えた部分を含むことができる。溝の幅は、有利には、製造されるべきテープの幅によって決定することができ、例えば、較正幅(又は溝の幅)は、最終のテープの定格幅の1.5~4.5倍、特に2~3倍である。
【0074】
e)任意選択で、例えば、その幅を維持するため及び保管コイルに向けて進むための移動をストランドに適用するために、ストランドを挟み込むことができるフーラード又は同様の装置によって、少なくとも1つのローラが回転駆動する、好ましくは2つのローラを含む、ストランドを挟み込む又は引っ張るための装置;フーラード又は同様の装置は、特に、互いに上に位置した少なくとも2つのローラを含むことができ、それらのうち少なくとも一方を、材料に、この場合ではそれらの間を通過するストランドに圧力を適用するために、他方に向けて動かすことができ、それらのうち少なくとも1つは回転駆動する。
【0075】
f)任意選択で、上で説明したように、ストランドの幅を測定するための装置、特にレーザー。
【0076】
g)設置された、(好ましくは、良好な導電性の金属で、非研磨面を持つ)少なくとも1つの金属部品。この金属部品は、有利には、以下で説明される粉末コーティング装置のできる限り近くに設置することができる。これは1つ又は複数(典型的には2つ)の金属バーであることができる。
【0077】
h)少なくとも1つの静電散粉装置又は静電粉末コーティング装置。好ましくは、散粉装置は、流動状態で維持された粉末を保管するためのチャンバーを持つ流動化装置又は乾燥流動化装置を含む。好ましくは、それは、コロナ放電の原理を使用する静電散粉のための1つ又は複数のガン又はノズルが設置された散粉チャンバーを含む。ガン又はノズルは、管の近くで流動化した粉末を保管するためのチャンバーに接続される。好ましくは、粉末コーティング装置は、特に、噴射圧力、希釈圧力、張力、及びカソードで放散された強度を調整することができる、1つ又は複数のガンのための中央制御ユニットを含む。動作の詳細は上で説明された。
【0078】
i)任意選択で、粉末コーティング装置の下で、炭素テープを幾つかの束のフィラメントに分割するためのシステム。初期テープを分割するためのこのシステムは、決まった方法でフィラメントを分離することができる(上記の束の数、したがって溝などの数の例)、くし状部又は任意の他の溝付き部材(例えば、バーであって、その表面がバーの外周上で広がる筋又は溝を有する)を使用することで、達成することができる。目的は、含浸レベルを増加するためにストランドのコアに粉末を堆積することである。
【0079】
この分割装置の使用は、第1散粉ガンが、鉛直に又は束に分離されたテープの近くで、したがって、鉛直に又は分離装置の近くに又はすぐ下流に設置され、第2散粉ガンが、粉末コーティング装置のさらに下流において、束が互いに近づく位置に置かれることが好ましく、この第2ガンはテープを被覆することができる。粉末コーティング装置内の具体的な位置は容易に決めることができる。
【0080】
j)オーブンのような少なくとも1つの加熱ユニット。好ましくは、1つ又は複数の短い又は中程度の赤外線オーブンが使用される。1つ又は複数のオーブンの管理は、好ましくは電力で行われる。それらの電力は適用されたポリマーに適応される。
【0081】
k)任意選択で、機械軸と、特に以下で説明する較正装置と一致させるためのテープを並べるための装置。したがって、1つ又は複数のバー、特に傾いたバーを使用することができる。
【0082】
l)任意選択で、カレンダーであって、好ましくはそのカレンダーは冷却される。カレンダーに適用される圧力は好ましくは調整可能である。
【0083】
m)少なくとも2つの較正形態、特に溝、対向する溝、を含むことができる横方向及び厚さ方向の較正装置であって、すなわち、一方の形態がストランドの一方の面に接触して作用し、他方の形態がテープの他方の面に接触している較正装置。形態の幅は、有利には、テープについての所望の定格幅に調整される。実施形態において、第1溝は、入口で広げられるが、最終テープについての所望の定格幅、例えば6.35mmに等しい定格幅を有する。この溝は、テープの下側面又は上側面と接触している。第2溝は、テープの他方の面と接触しており、それはまた、最終テープについての所望の定格幅、例えば、6.35mmに等しい定格幅を有する。この溝は、例えば、ルーレット盤上で機械加工することができる。両方の溝は、互いに対してだけでなく、テープの走行に対しても完全に並べられなくてはならず、例えば、それらの位置を極めて正確に調整することができるバーニア上に設置することができる。異なる実施形態が、例において説明される。
【0084】
n)任意選択で、上で及び例において説明したように、テープの幅を測定するための装置、特にレーザー。この測定装置は、好ましくは、測定速度(例えば、xcmごと、例えば、50cmごと又は1メートルごと)を調整するためのコンピュータ又はプログラムプロセッサに接続されることができ、テープコイルの製造の全てに沿って測定された値を記録し、及び/又は標準偏差を計算する。
【0085】
o)少なくとも1つの保管コイルホルダのピンであって、好ましくはこのピンは、例えば、1つ又は複数(典型的に2つ)の戻しバーによって、高さ方向に機械軸に対して動かされる。このピンは、例えば、交差方法又は糸間において巻取ることができる、従来の巻取り装置の部品であることができる。ピンは、特に、速度又は張力においてサーボ制御されることがある。
【0086】
好ましい特徴によれば、部材b)、c)、d)、e)、g)、h)、i)、j)、k)及びl)、又は好ましくはn)は、ストランド、次いでテープが任意の感知できる横方向ズレ移動を受けないように機械軸上に並べられる。また好ましくは、部材e)、g)、h)、i)、j)及びk)、又は好ましくはd)は、ストランド、次いでテープが任意の横方向ズレ移動又は高さの感知できる移動を受けないように機械軸に完全に並べられる。バー拡幅装置c)は、それに関しては、ストランドの入口及び出口が、横方向に及びまた好ましくは高さにおいて、機械軸上に完全に並べられることにより達成されるように配置されることが好ましい。
【0087】
駆動装置が提供される。それらは、形成されたテープを巻取るための装置のピンを回転駆動するための装置を含む。それらはまた、e)においてフーラード又は同様のものを含む。これらの駆動装置は、有利には、サーボ制御されることができ、製造ライン全体に沿ってストランド、次いでテープの張力を操作することができる。
【0088】
設備は、複数のストランドから複数のテープを同時に製造することができる幾つかの製造ラインを含むことができる。
【0089】
本発明はまた、本発明に係るテープから製造されたか又は本発明の方法に従って製造された部品又は複合物品に関する。これらの部品又は複合物品は、ブランクを形成するようにテープを設置した後に、例えばオートクレーブ中又はオーブン中で、高温状態の下で統合されたテープ、一片又は物品を用いて全体的に又は部分的に形成される。実施形態において、部品又は物品は、独占的に又は主に、本発明に係るテープで形成されるか又は本発明の方法に従って製造される。
【0090】
本発明はまた、物品又は複合体部品の製造のための、本発明に係るテープ使用に関し、そのような製造方法は、ブランクを形成するためにテープの積層と、次いで、特にオートクレーブ中又はオーブン中で、高温条件の下での部品又は物品の統合とを含む。テープは、エッジ間で及び/又は重ね合わせて積層することができ、重ね合わせは1つ又は複数の適応角度に従って達成することができる。積層は、自動繊維積層(AFP:自動繊維積層)によってか又はフィラメント巻取り、プルトルージョン、編み組み、3Dプリンティングによって達成することができる。積層は、支持体又は型で達成することができる。
【0091】
本発明は、非限定の例として挙げられた実施形態により、及び、図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】本発明に係る設備の概略的例示である。
図2】本発明に係る異なる較正装置の概略的例示である。
図3】本発明に係る異なる較正装置の概略的例示である。
図4】本発明に係る異なる較正装置の概略的例示である。
図5】浴中での含浸を含む標準方法で製造されたテープの概略的例示である。
図6】本発明の第1実施形態により製造されたテープの概略的例示である。
図7】本発明の第2実施形態により製造されたテープの概略的例示である。
図8】mでの計量に従って、製造されたテープの1mごとで行われた幅測定を示すグラフである。
図9】mでの計量に従って、製造されたテープの1mごとで行われた幅測定を示すグラフである。
図10】フィラメントの束を含むテープの断面の概略的例示である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
数字符号1はストランドコイル2、例えば、炭素フィラメントストランドを言い表す。このコイルは、調整可能なブレーキを備えたピン(図示せず)上に設置される。第1バー3は、コイル1の軸と平行であり、ストランド2の走行方向に対して90°で配向され、ストランド2は、供給コイル2の巻取りの影響のため、第1バー上で左から右にスライドする。結果として、第2バー4は、第1バーの下に位置し、第1バーに対して90°で配向され、機械軸と垂直である。一連の7つの拡幅バーが図示される。5として参照されるそれらのうち4つは、ストランドがそれらの上側部と接するように設置され、6として参照されるその他の3つは、機械軸の下に配置され、ストランドが幅において拡幅されるように圧力を適用することで、それらの下側部にストランドを接するようにする。較正装置7は、ストランドが通過する溝を有し、それによりその中で所望の幅に較正される。フーラード8は、その次に位置し、このフーラードは、ストランド2を挟み込み、供給コイルと反対方向に移動させるために設計される。ストランドの幅を測定するためのレーザー装置は、9として図示される。地面に接続された2つの金属バー10及び11は、一方10についてはストランドの下側面と、他方の面11については上側面と接触している。これらのバーは、ストランドに特定の圧力を適用する。
【0094】
12において、静電散粉ユニットが、図示されていない流動化装置から生じる流動ポリマー粉末が供給される2つの散粉ガン13を含んで図示される。一方のガンは、ストランドの一方の面に向けて配向したそのスプレーノズルを有し、他方のガンは、ストランドの他方の面に向けて配向する。ユニットは、筐体の内側を走行する、ストランド2上に決まった量の熱可塑性又は熱硬化性の材料を連続堆積するのを確実にするように調整可能である。
【0095】
数字符号14は、好ましくは短い又は中程度のいずれかの、一方が他方の前に位置した両方の赤外線オーブンを示し、それらは、温度が制御され、この制御は電力によりなされる。次いで、溶融ポリマーが含浸されたストランドは、冷却カレンダー15の中を通過する。カレンダーは、2つのローラと、それらの間を通過するストランド上に、そのローラによって付与された圧力を調整するためのデバイスと、を含む。次いで、ストランドは、較正装置16の中を通過し、その例が図2~4を参照して説明される。テープの幅を測定するためのレーザー装置は、17として図示され、それは、幅の記録及び標準偏差の計算を可能とするコンピュータ又はプロセッサに接続される。その装置は、ユーザーの意思に従って、決められた間隔でワンオフ測定を行う。レーザー装置の前の経路の段階で、厳密に言えば、テープ18は形成される。次いで、テープは、2つの遊動輪19及び20と、回転駆動されるピン(図示せず)上の設置された保管コイル21とを含む、テープを巻取るための装置によって管理される。
【0096】
重要な特徴によれば、部材4、5、7、8、14、15及び16の(ストランド又はテープと接触する)活性面は、ストランド、次いでテープが、形成された際に、任意の横方向又は感知できる高さの移動を受けないように機械軸上で完全に並べられる。
【0097】
図2において、図1の設備において、特に装置16として使用することができる較正装置の第1実施形態が図示される。それは、フレア部24及び直線部25で形成された溝23が掘られたプレート22を含む。溝の幅は、製造されるべきテープの幅と等しい。数字符号26は、一部分において挿入される、溝の直線部25よりもわずかに狭い幅を持つ、平坦な線対称の面を有するルーレットを示す。動作中、ストランドは溝23の底を通過すること及びルーレットが溝23の部分25の内側で圧力を適用することが理解される。装置(図示せず)、例えば、バーニアは、この動作を行うことができる。これは、ストランドに付与される圧力を調整することができる。
【0098】
図3において、同一のプレート22が再度示される。プレートより下流のルーレット26の位置で、ルーレット27が、平坦な底を持つ周辺溝28を含んで配置され、その幅は製造されるべきテープの幅と等しい。動作する際は、ストランド2は溝23の底、次いで、それに圧力を適用するルーレット27の溝28を通過する。図示されていない装置、例えば、バーニアは、ストランドに付与された圧力を調整するために、機械軸に対して高さにおける溝の平坦な底を高く位置付けることができる。
【0099】
図4において、それぞれが平坦な底を持つ周辺溝30を含む連続した3つのルーレット29が使用され、その幅は製造されるべきテープの幅と等しい。第1及び第3ルーレットは、機械軸の上に設置され、第2ルーレットは下に設置される。動作する際は、ストランド2は第1ルーレットの下側部、次いで、第2ルーレットの上側部、最後に、第3ルーレットの下側部で、溝30の底に接触して通過する。図示されていない装置、例えば、バーニアは、ストランドに付与された圧力を調整するために、機械軸に対して溝の平坦な底を高く位置付けることができる。
【実施例
【0100】
例1:図1の設備を使用することで、34%の質量のポリマーレベルと6.35mmの幅とを持つ炭素/PEEKテープを得ること。
東邦テナックス製の炭素フィラメントHR HTS45 E23の平坦ストランドと、780~810texに含まれるタイターとで開始し、ストランドの幅を3~7mmで変化させ、巻取られ交差した。
【0101】
Victrex製のPEEK 150PB粉末、粒度d10=30μm、d50=60μm、d90=100μm。
【0102】
炭素繊維のストランドを加熱して、次いで、2.5~4.5kgに含まれるバー拡幅の後に、張力下で、バー拡幅によって8~12mmに含まれる幅に拡幅した。次いで、繊維を10mmの幅を持つ溝中、次いで、繊維を引っ張ることができるフーラード中を通過させた。散粉エリアに入る前に、繊維を、地面に接続された2つのバーに接触して通過させた。
【0103】
散粉コーティング工程を、流動化槽と、2つのガンと、制御中央ユニットとを含むSAMES設備により行った。狙いの粉末レベルを得るために、単一のガンを使用し、その調整を以下の表で示した。
【0104】
【表2】
【0105】
流動化槽の圧力を2barsに調整し、それにより、均一かつ定常流動化状態を有することができた。
【0106】
次に、ポリマーの溶融を、それらの電力の50~70%に調整した、ランプ(平均IR)SOPARAを含む2つの赤外線ラジアンローラ間でテープのパスを有することで行った。これらは、75cmの長さと、それぞれ2.3kWの電力とを持つ、商標SOPARAのIRテープラジアンであった。
【0107】
テープを第1相でカレンダー加工し、次いで、6.35mm±0.05mmの定格幅を持つ溝中を通過させることで、較正を行った。
【0108】
幅の測定を、LASER Mikeモデル911(0.003mの測定精度)を用いて行い、1000mのコイルの製造において、1mごとに収集したデータを図8に示した。
【0109】
テープの平均幅は6.37mmで、標準偏差は0.04mmであった。
【0110】
巻取りを、巻取り装置SAHMを用いて、15~20m/分に含まれる値で、張力をかけて行った。
【0111】
図6は、0.6×3の倍率で双眼拡大鏡を用いて観測したテープの表面の概略図である。数字符号104は、比較的連続的なポリマーコーティングを示し、数字符号105で示された離散した領域上に炭素フィラメントが示される。
【0112】
例2:図1の設備を使用することで、34%の質量のポリマーレベルと6.35mmの幅とを持つ炭素/PEEKテープを得ること。
Toray製の炭素フィラメントHM M46JB 12K 50Bの円形ストランドと、445texのタイターとで開始し、ストランド幅を2~5mmで変化させ、巻取られ交差した。
【0113】
Victrex製のPEEK粉末150PB、粒度d10=30μm、d50=60μm、d90=100μm。
【0114】
炭素繊維のストランドを加熱して、2.5~4.5kgに含まれるバー拡幅の後に、張力下で、バー拡幅によって5~8mmに含まれる幅に拡幅した。次いで、繊維を、8mmの幅を持つ溝中、次いで、繊維を引っ張ることができるフーラード中を通過させた。散粉エリアに入る前に、繊維を、地面に接続された2つのバーに接触して通過させた。
【0115】
散粉コーティング工程を例1のように行った。流動槽の圧力を2barsに調整して、それにより、均一かつ定常の流動化状態を有することができた。次に、ポリマーの溶融を、それらの電力の50~70%に調整した、ランプSOPARA(75cmの長さとそれぞれ3kWの電力)を持つ2つの赤外線ラジアンの下で、テープのパスを有することで行った。
【0116】
較正を、テープを第1相でカレンダー加工し、次いで、6.35mm±0.05mmの定格幅を持つ溝中を通過させることで行った。
【0117】
幅の測定を、例1のようにLASER Mikeを用いて行い、150mのコイルの製造中、1mごとに収集したデータを図9に示した。
【0118】
平均の幅は6.16mmで、標準偏差は0.13mmであった。
【0119】
巻取りを、巻取り装置SAHMを用いて、5~20m/分に含まれる速度で、張力をかけて行った。
【0120】
図7は、0.6×3の倍率で双眼拡大鏡を用いて観測したテープの表面の概略図である。数字符号106は、炭素フィラメントを示し、今回、表面に残ったポリマーは、準連続コーティングを形成しなかったが、離散領域107を形成した。
【0121】
図6及び図7と比較して、図5では、浴中での浸漬による標準の含浸方法で得たものを示す。数字符号101は、表面でのポリマーの連続領域を示し、符号102はポリマーの離散クラスタを示し、符号103は裸フィラメントを示す。
【0122】
例3:複合物品の製造
自動繊維積層の自動装置(AFP)をプログラムして、製造されるべき部品のブランクが形成されるまで、支持体上に、例1に係る又は例2に係るテープを堆積した。自動装置は、エッジ間にテープを配置し、それによって、折り曲げ部を形成し、次いで、前述の折り曲げ部上に別の折り曲げ部を重ね合わせ、その重ね合わせは、ブランクのための製造プログラムに従って、1つ又は複数の適応角度に従って得ることができる。次いで、形成されたブランクを、第1サブ例に従ってオーブン中で積層し、第2のサブ例に従ってオートクレーブ中で積層した。統合化をその端部で行い、統合された複合部品を得た。
【0123】
複合部品を、例1に係るテープで形成するのに成功した。
【0124】
例4:フィラメントの束を含むテープの製造
散粉装置12において、周囲に溝を持つバーを設置し、その溝は典型的に約0.25~約2mmに含まれることがある、束の狙いの幅に依存する幅を有していた。テープを、普遍的又は断続的方法で、このバーに接触させて、ストランドを束に分離することを確実にした。第1散粉ガンにより、特に、そのバーよりすぐ下流で、束に分離したストランド上に粉末を発射させた。第2ガンを、少し下流、特にさらに数センチメートル下流において、束が互いに近づく位置に配置した。
【0125】
図10において概略的に確認できる、本出願から生じた含浸製品は、200~6000μmに含まれる幅と、間隔(ポリマー領域109)が25~100μmに含まれる50~250μmに含まれる高さとを持つ束108としてのフィラメントの分布によって特徴付けられる。さらに、この製品は、25~100μmに含まれる厚さを持つ薄いシース110を有する。この製品は、フィラメントに対して横方向の良好な結合を有する。その表面状態は、中空製品で乾燥された表面状態と同様であることができる。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)熱可塑性又は熱硬化性のポリマーマトリックスが含浸された強化フィラメントから、長さ全体にわたって一定の幅を有するテープを製造するための方法であって、前記フィラメントが、供給コイルから出るフィラメントのストランドから、前記テープの長さ方向に平行な方向に沿って伸び、ストランドの供給コイルから、含浸され統合されたテープの保管コイルまで、以下の工程:
a)前記供給コイルと前記保管コイルの間で張力を管理する工程と、
b)前記ストランドを、長手軸、いわゆる機械軸と一致するラインにわたって並進して移動するストランドを得るように案内して、前記保管コイルに近接する範囲まで伸ばす工程と、
c)任意選択で、前記テープの定格幅より大きい所定の幅に、前記ストランドを横方向に拡幅する工程と、
d)前記ストランドの幅を管理する工程と、
e)任意選択で、好ましくは挟み込みによって又はフーラードを用いて、前記ストランドを引っ張る工程と、
f)前記ストランドを接地する工程と、
g)静電粉末コーティングによって、約20~約75%の質量のポリマーレベルで、前記ストランド上に粉末としてポリマーを堆積して、含浸されたテープを得る工程と、
h)前記ポリマーを溶融又は軟化させる工程と、
i)前記テープの幅及び厚さを較正する較正工程と、
j)任意選択で、前記テープの幅を測定する工程と、
k)前記保管コイル上に前記テープを巻取る工程と
を含む方法。
(付記2)前記静電粉末コーティングが、流動床として維持されたポリマー粉末で行われ、次いで、1つ又は複数の静電散粉ガンにより堆積される、付記1に記載の方法。
(付記3)前記較正工程h)において、前記テープがカレンダー加工され、次いで、横方向に較正される、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)冷却されたカレンダーでカレンダー加工を行う、付記3に記載の方法。
(付記5)較正が、横方向及び厚さの両方において行われる、付記3又は4に記載の方法。
(付記6)較正が、少なくとも2つの対向した溝により、又は、少なくとも1つの溝と対向した平面とで行われる、付記5に記載の方法。
(付記7)較正が、前記テープについての所望の定格幅に向けて行われる、付記1~6のいずれか1項に記載の方法。
(付記8)前記ストランドを横方向に拡幅する工程c)が、前記ストランドを拡幅することで、前記テープの定格幅より大きい所定の幅に向けて行われ、次いで、前記ストランドが所定の値に較正される、付記1~7のいずれか1項に記載の方法。
(付記9)工程g)において、前記テープが束に分離され、第1散粉が、束に分離されたテープ上に行われ、次いで、前記束を、第2散粉を行う前に接合させておく、付記1~8のいずれか1項に記載の方法。
(付記10)熱可塑性又は熱硬化性のポリマーのコアにコーティングされ及び/又は含浸された無機材料、好ましくは炭素の一方向性繊維を用いて形成された、含浸された又は統合された連続テープであって、テープの重量に対して、約30%~約75%、特に約30%~約50%、より具体的には約30%~約40%に含まれるポリマーレベルを含み、好ましくは、単一片において、100、500、1000又は5000m以上の長さにわたって、特に、約2~約75mm、より具体的には約5~約10mmに含まれる一定の幅を有し、標準偏差が、0.02~0.15mm、好ましくは0.02~0.05mmに含まれる、テープ。
(付記11)好ましくは、100、500、1000又は5000m以上の単一片の長さにわたって、約6.35mmの平均幅を有し、標準偏差が0.02~0.05mmに含まれることを特徴とする、付記10に記載のテープ。
(付記12)熱可塑性又は熱硬化性のポリマーが含浸された無機材料、好ましくは炭素の一方向性繊維を用いて形成された連続テープであって、テープの重量に対して、約25%~約75%、特に約25%~約50%、より具体的には約30%~約40%に含まれるポリマーレベルを含み、好ましくは、前記テープのフィラメントの総量のうち20、25又は30~約50%の量で、ポリマー中に取り込まれない内側フィラメントを含み、前記ポリマーが外側の連続シースを形成した、テープ。
(付記13)熱可塑性又は熱硬化性のポリマーがコアに含浸された無機材料、好ましくは炭素の一方向性繊維を用いて形成された連続テープであって、テープの重量に対して、約25%~約75%、特に約25%~約50%、より具体的には約30%~約40%に含まれるポリマーレベルを含み、前記フィラメントが、分離されて前記ポリマーで被覆された少なくとも2つの束のフィラメントとして、前記テープの長手方向に伸びた、テープ。
(付記14)No.1のキャリバーと、250TUの質量と、7.5°の角度とを持つテープのテーバー剛性度が、NF ISO2493-2標準(第2部:テーバー試験機)に従って、約5~約25TSU、好ましくは約10~約20TSUに含まれることを特徴とする、付記9~13のいずれか1項に記載のテープ。
(付記15)80%~99、98、97、96、95又は90%のフィラメントが、ポリマー中に取り込まれ、前記ポリマーによって覆われたことを特徴とする、付記9、11及び14のいずれか1項に記載のテープ。
(付記16)No.1のキャリバーと、250TUの質量と、7.5°の角度とを持つテープのテーバー剛性度が、NF ISO2493-2標準(第2部:テーバー試験機)に従って、約45~約65TSU、好ましくは約50~約60TSUに含まれることを特徴とする、付記9、11、14及び15のいずれか1項に記載のテープ。
(付記17)付記9~16のいずれか1項に記載のテープを含むか又は付記1~8のいずれか1項に記載の方法によって製造された、統合された複合部品。
(付記18)付記1~8のいずれか1項に記載の方法を適用することができる設備、又は、付記9~16のいずれか1項に記載のテープを製造するための設備であって、
a)少なくとも1つのブレーキ付きのコイルホルダのピンと、
b)糸を機械軸に並べるための巻出し装置と、
c)任意選択で、横方向に拡幅する装置と、
d)幅の較正のための装置と、
e)任意選択で、挟み込み及び引張装置と、
f)任意選択で、ストランドの幅を測定するための装置と、
g)接地された少なくとも1つの金属部品と、
h)少なくとも1つの静電粉末コーティング装置と、
i)少なくとも1つのオーブンと、
j)任意選択で、機械軸と一致させるようにテープを並べるための装置と、
k)任意選択で、カレンダーと、
l)横方向及び厚さの較正装置と、
m)任意選択で、テープの幅を測定するための装置と、
n)少なくとも1つの保管コイルホルダのピンと
を含むことを特徴とする、設備。
(付記19)前記粉末コーティング装置が、コロナ放電の原理を使用する静電粉末コーティングのための1つ又は複数のガン又はノズルと、乾燥流動化装置とを含むことを特徴とする、付記18に記載の設備。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10