(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】セラミックケース内の密閉された電気接続部の製造方法及びそのケースを含む画像増倍管
(51)【国際特許分類】
H01J 9/12 20060101AFI20230315BHJP
H01J 31/50 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
H01J9/12 Z
H01J31/50 D
H01J9/12 A
(21)【出願番号】P 2020524499
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 FR2018052732
(87)【国際公開番号】W WO2019092353
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-22
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517348189
【氏名又は名称】フォトニス フランス
【氏名又は名称原語表記】PHOTONIS FRANCE
【住所又は居所原語表記】Avenue Roger Roncier, 19100 Brive, France
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーソン,ステファン
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06483231(US,B1)
【文献】特開2007-042641(JP,A)
【文献】特開昭63-033175(JP,A)
【文献】特開2007-220924(JP,A)
【文献】特開2012-084817(JP,A)
【文献】特開2011-176021(JP,A)
【文献】国際公開第2009/051178(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 9/12
H01J 9/14
H01J 9/32
H01J 9/36
H01J 31/50
H01J 5/50
H01J 29/08
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像増倍管のセラミックパッケージの壁を貫通したリークタイトな電気接続部を製造する方法であって、
該
画像増倍管のセラミックパッケージが、第1のオリフィスを介してパッケージの内側の面に開口し、第2のオリフィスを介してパッケージの外側の面に開口した穴を備え、
以下の工程を特徴とする方法:
- 金属結合層(510)、拡散障壁(520)、及び、湿潤剤層(530)を連続的に蒸着することにより、穴を金属化してビア(via)を得る工程(500);
- インジウム又はAuSn、AuGe、AgSn、InSnから選択される共晶で作製された溶加材(filler metal)の一部を第1及び第2のオリフィス上に蒸着する工程(540);
- 前記溶加材の一部を溶融し、リークタイトとなるように溶融した溶加材でビアを閉塞する工程(550)。
【請求項2】
前記金属結合層が、タングステン、モリブデン、チタン及びクロムから選択される金属で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の
画像増倍管のセラミックパッケージの壁を貫通したリークタイトな電気接続部を製造する方法。
【請求項3】
前記拡散障壁が、ニッケル、クロム、ニッケル-クロム合金及び白金から選択される金属で作製されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
画像増倍管のセラミックパッケージの壁を貫通したリークタイトな電気接続部を製造する方法。
【請求項4】
前記湿潤剤層が、金又は銀で作製されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の
画像増倍管のセラミックパッケージの壁を貫通したリークタイトな電気接続部を製造する方法。
【請求項5】
AuSn共晶が金80%と錫20%で構成され、AuGe共晶が金88%とゲルマニウム12%で構成され、AgSn共晶が錫96.5%と銀3.5%で構成され、InSn共晶がインジウム52%と錫48%で構成される(パーセンテージは質量比である)ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の
画像増倍管のセラミックパッケージの壁を貫通したリークタイトな電気接続部を製造する方法。
【請求項6】
管体を形成するセラミックパッケージ(210)と、フォトカソードが蒸着され第一端で管を閉じる内側の面上の入力窓(220)と、蛍光体スクリーンが蒸着された内側の面上の出力窓(230)と、セラミックパッケージの肩部(211)に設けられたMCPと呼ばれるマイクロチャネルプレート(240)を備えた画像増倍管であって、
該セラミックパッケージが、その壁を貫通する電気接続部を備え、外部接続ピンを用いてMCPの電極と接続し
、
該セラミックパッケージは、第1のオリフィスを介してパッケージの内側の面に開口し、第2のオリフィスを介してパッケージの外側の面に開口した穴を備え、
前記穴は金属結合層(510)、拡散障壁(520)、及び、湿潤剤層(530)により金属化されており、
前記穴はインジウム又はAuSn、AuGe、AgSn、InSnから選択される共晶で作製された溶加材で塞がれている、画像増倍管。
【請求項7】
セラミックパッケージが、その上部に垂直な環状の停止部(219)を有し、
前記停止部が、セラミックパッケージ(210)の一体部分であり、
パッケージ上に接合したとき、入力窓の内側の面が該停止部に載っており、
前記停止部が、フォトカソードとMCPの上面との間の所定の距離を固定していることを特徴とする請求項6に記載の画像増倍管。
【請求項8】
入力窓と出力窓が、インジウム又はInSn(インジウム52%、錫48%)、AuSn(金80%、錫20%)、AuGe(金88%、ゲルマニウム12%)及びAgSn(錫96.5%、銀3.5%)から選択される共晶系材料(パーセンテージは質量比である)で作製されたシールを用いて、セラミックパッケージ上に接合することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像増倍管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像増倍管の製造の分野に関する。それは特に暗視システムにおける用途を有する。
【背景技術】
【0002】
暗視システムは、暗い環境を観察者に知覚可能にできる画像増倍装置を使用する。より正確には、画像増倍装置は、環境から放出される放射線、特に少量の可視光と赤外線を収集し、それを増幅して、人間の目で知覚可能な環境の画像を出力部に提供する。画像増倍装置からの出力における光信号は、記録装置によって記録することができ、外部モニタに表示することができ、又は、観察者によって直接観察することができる。後者の場合、画像増倍装置は、出力光信号を人間の目に直接伝達するために、人間が頭部に装着する暗視ゴーグル又は双眼鏡に使用される。その目的は、通常、小型軽量の暗視システムを有することである。
【0003】
本出願人の名前による国際特許出願である特許文献1には、小型の画像増倍管が開示されている。
【0004】
この画像増倍管100は、
図1に示されている。それは、ほぼ環状の形状の管体を形成する、セラミックパッケージ110を本質的に含む。軸AAを有する管体は、その一端が入力窓120で閉じられており、反対側の端が出力窓130で閉じられている。入力窓は、一般にガラス製であり、フォトカソード125の光子放出層が蒸着された内側の面を含む。また出力窓も一般的にガラス製(例えば、光ファイバの束)であり、蛍光体スクリーン135が蒸着された内側の面を含む。
【0005】
マイクロチャネルプレート又はMCP140は、入力窓と出力窓との間に配置され、セラミックハウジング110の内側の端部に載っている。それは、フォトカソードと平行な入力面と、蛍光体スクリーンと平行な出力面とを有する。
【0006】
入射面の入射光子は、十分に高いエネルギーを有していれば、フォトカソードに光電子を発生させる。このようにして放出された光電子は、MCPへの静電場によって加速され、増倍して二次電子が得られる。MCPからの出力の二次電子は、静電場によって加速され、十分なエネルギーを有していれば、光子を生成することができる蛍光体スクリーン135に到達する。光子は、出力窓を介して又は光ファイバを介して管の外に伝送される。
【0007】
この増倍管の特徴は、セラミックパッケージの製造にある。これは、MCPをフォトカソードから少し離れた位置に配置するための多層セラミック基板で構成されている。多層セラミック基板内に設計された金属製トラック(図示せず)は、MCPを外部接続ピン150に接続することを可能にし、それによりフォトカソードに対してそれを正に分極させる。
【0008】
入力窓と出力窓は、アセンブリをリークタイトにし、管内の真空を維持するために、セラミックパッケージ上に接合されている。入力窓の接合はInSnシール141を用いて行われ、出力窓の接合はインジウムシール142を用いて行われる。さらに、MCPは、インジウムマイクロボールを用いた接合により環状管体に保持されている。
【0009】
最後に、セラミックパッケージの上面と入力窓との間に配置されたスペーサ141は、フォトカソードの内側の面とMCPの入力面との間の所定の距離を保証する。
【0010】
しかしながら、この画像増倍管は従来の管よりも著しくコンパクトではあるが、いくつかの限界がある。
【0011】
第一に、入力窓と環状のパッケージとの間にセラミックスペーサが存在するため、管の機械的強度が最適ではない。パッケージは、衝撃が発生したときに移動する可能性があり、フォトカソードに対するMCPの幾何学的な位置調整の欠陥(特に平行性の欠陥、MCPとフォトカソードとの間の設定された距離が尊重されないこと)につながる可能性がある。これは、パルス応答の均一性、すなわち変調伝達関数(MTF)の均一性を損なう可能性があり、増倍画像の解像度を低下させる可能性がある。
【0012】
さらに、MCPの電極を外部接続ピンで接続する多層セラミック基板の金属製トラックは、セラミックパッケージのリークタイトの欠陥や管の寿命の短縮の原因となる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、上述の欠点を克服し、セラミックパッケージ内のリークタイトな電気接続部を製造する方法、特に画像増倍管のための方法を開示することである。本発明の第2の目的は、管の機械的強度を提供し、入力窓に対するMCPの幾何学的位置を維持するためのリークタイトなセラミックパッケージを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、セラミックパッケージ、特に画像増倍管のセラミックパッケージの壁を貫通したリークタイトな電気接続部を製造する方法によって定義される。セラミックパッケージは、第1のオリフィスを介してパッケージの内側の面に開口し、第2のオリフィスを介してパッケージの外側の面に開口した穴を備える。該方法は、以下の工程を含む:
- 金属結合層、拡散障壁、及び、湿潤剤層を連続的に蒸着することにより、穴を金属化してビア(via)を得る工程;
- インジウム又はAuSn、AuGe、AgSn、InSnから選択される共晶で作製された溶加材(filler metal)の一部を第1及び第2のオリフィス上に蒸着する工程;
- 前記溶加材の一部を溶融し、リークタイトとなるように溶融した溶加材でビアを閉塞する工程。
【0016】
有利には、結合層は、タングステン、モリブデン、チタン及びクロムから選択される金属で構成される。
【0017】
拡散障壁は、好ましくは、ニッケル、クロム、ニッケル-クロム合金及び白金から選択される金属で作製される。
【0018】
湿潤剤層は、有利には、金又は銀で作製される。
【0019】
好ましくは、AuSn共晶は金80%と錫20%で構成され、AuGe共晶は金88%とゲルマニウム12%で構成され、AgSn共晶は錫96.5%と銀3.5%で構成され、InSn共晶はインジウム52%と錫48%で構成される。パーセンテージは質量比である。
【0020】
また本発明は、管体を形成するセラミックパッケージと、フォトカソードが蒸着され第一端で管を閉じる内側の面上の入力窓と、蛍光体スクリーンが蒸着された内側の面上の出力窓と、セラミックパッケージの肩部に設けられたMCPと呼ばれるマイクロチャネルプレートを備えた画像増倍管に関する。セラミックパッケージは、その壁を貫通する電気接続部を備え、外部接続ピンを用いてMCPの電極と接続している。電気接続部は上述の方法を用いて作製される。
【0021】
有利には、セラミックパッケージは、その上部に垂直な環状の停止部を有する。前記停止部はセラミックパッケージの一体部分である。パッケージ上に接合したとき、入力窓の内側の面はこの停止部に載っている。前記停止部はフォトカソードとMCPの上面との間の所定の距離を固定している。
【0022】
入力窓と出力窓は、インジウム又はInSn(インジウム52%、錫48%)、AuSn(金80%、錫20%)、AuGe(金88%、ゲルマニウム12%)及びAgSn(錫96.5%、銀3.5%)から選択される共晶系材料で作製されたシールを用いて、セラミックパッケージ上に接合することができる。パーセンテージは質量比である。
【0023】
有利には、セラミックパッケージは、セラミック粒子の射出成形と、それに続く焼結によって作製される。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図を参照して本発明の好ましい実施形態を理解した後に、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】既に説明した
図1は、従来技術で既知の画像増倍管の構造の垂直断面図である。
【
図2】既に説明した
図2は、本発明の一実施形態による画像増倍管の構造の垂直断面図である。
【
図4】
図4は、
図2の構造の画像増倍管に使用されているセラミックパッケージを示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態によるセラミックパッケージ内のリークタイトな電気接続部の製造方法を図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による画像増倍管の断面図である。
【0027】
上述の従来技術のように、画像増倍管200は、管体を形成するセラミックパッケージ210と、その内側にフォトカソードが蒸着された入力窓220と、蛍光体スクリーンが蒸着された内側の面上の出力窓230を含む。
【0028】
入力窓と出力窓は、一般にガラスレンガの形で作製される。出力窓の外側の面には、増倍された画像を伝送するための光ファイバの束を接続することができる。
【0029】
管200は、光軸OZに沿った実質的に円筒形の形状を有する。その代わりに、管200は、断面が正方形、長方形、六角形又は他の形状である形状を有してもよい。座標系(R,Z)が示される。ここでは、Rは管の半径方向であり、Zは管200内の光子及び電子の伝搬方向と逆方向に向けられたOZ光軸に平行な管の軸方向である。この慣例では、管の上部は入力窓で構成され、管の下部は出力窓で構成される。
【0030】
マイクロチャネルプレートつまりMCP240は、フォトカソードに面したセラミックパッケージの肩部211上に支持されている。入力窓は、セラミックパッケージの一体部分を形成し、この肩部に張り出す垂直な停止部219上に載っている。フォトカソードの光電子放出層とMCPの入力表面との間の距離は、セラミックパッケージの形状によって、より正確には肩部に対する停止部の高さとMCPの厚さによって完全に決定される。セラミックパッケージに垂直な停止部を組み込むことで、モノリシックアセンブリを形成し、管内の構成要素の数を減少させる手段を提供する。そして、その剛性を強化し、幾何学的制約が尊重される範囲も改善する。
【0031】
垂直電気接続部215は、MCPの電極を外部接続ピン(図示せず)に接続できるように、セラミックパッケージの肩部に設けられている。
【0032】
入力窓220は、セラミックパッケージの上部の環状表面217上に、例えば、それ自体公知の方法で、インジウム製の接合シールを用いて、リークタイトになるように接合される。出力窓は、セラミックパッケージ上で同様に密封される。
【0033】
インジウムに代わるものとしては、接合シールは、インジウム52%、錫48%のInSn、金80%、錫20%のAuSn、金88%、ゲルマニウム12%のAuGe、錫96.5%、銀3.5%のAgSnから選択される高融点の共晶系材料で構成することができる。パーセンテージは質量比である。
【0034】
セラミックパッケージは、セラミック射出成形(CIM)技術を用いて製造できる。この技術は、セラミック微粒子の含有量が多い有機材料からなる原料を金型に注入し、金型内に高温高圧を発生させることからなる。成形後、溶剤に溶解して有機バインダーを除去した後、熱処理を行う。こうして得られた生成物は、焼結又は共焼結することができる。
【0035】
この射出成形とそれに続く焼結により、層の焼結によって得られるものよりもはるかに高い精度で複雑な幾何学的形状を得ることができる。換言すると、このようにして作製されたセラミックパッケージは、幾何学的により良好に画定され、従来技術による多層セラミックパッケージで可能なものよりも、より正確な寸法許容差を尊重することができる。したがって、セラミックパッケージの形状に依存するフォトカソードとMCPとの間の平行度及び距離の制約は、より尊重される。
【0036】
【0037】
この図は、MCP240及び入力窓220がその上に支持されたセラミックパッケージ210を示し、パッケージのもう一方の端は出力窓230によって閉じられている。
【0038】
セラミックパッケージ210は環状の形状であり、中央の凹部212が増倍管のアクティブエリアの範囲を定める。パッケージの上部の形状は、パッケージの中心から周囲に向かって動作する、MCPが支持される環状の肩部、入力窓が支持される環状の停止部219、及び、入力窓が接合する環状の外周面210を含む。
【0039】
【0040】
底面図では、環状の底部216によって支持された肩部211が示される。肩部と環状の底部は、環状の底部から放射状に延びるリブ213によって接続している。環状の底部の内側は、中央の凹部212を画定する。ビア215は、肩部211を貫通し、その下面214上に開口する。これらのビアは、以下に説明する通り、金属又は金属共晶によってその両端が閉じている。
【0041】
このように閉じられたビアは、管がリークタイトであることを保証する一方、MCPの電極と外部接続ピンとの間の電気接続部を作製する。MCPの電極は少なくとも2つあり、1つの電極は上面に接続され、1つの電極は下面に接続されており、これは肩部に少なくとも2つのビアが存在することを必要とする。明らかに、電極がセグメント化されている場合は特に、2つを超えるビアが存在できる。
【0042】
電気接続部は、
図5を参照して以下に説明するように、一般的に得られる。
【0043】
電気接続部を作製する方法は、単に穴を備えた未完成のセラミックパッケージに適用可能である。これらの穴は、肩部を通過し、その上面と下面に開口している。
【0044】
この方法は、3つの工程500、540及び550を含む。
【0045】
第1工程は、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、カソードスパッタリング又は電解析出によって行われる金属化工程である。
【0046】
この第1の工程は、穴の内側の面に金属結合層を蒸着することからなる第1のサブステップ510を含む。結合層の機能は、セラミック表面に結合し[セラミック金属結合(ceramo-metallic bond)の形成]、上部層が順番にこの結合層に結合できるようにすることである。結合層の金属は、有利には、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)及びクロム(Cr)から選択されるであろう。
【0047】
次に、拡散障壁と呼ばれる第2の金属層を結合層上に直接蒸着する(520)。この層の機能は、結合層とセラミックとの間の界面が損傷しないように、上部層からセラミックへの金属の移行を防止することである。拡散障壁の金属は、有利には、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(NiCr)合金、又は白金(Pt)から選択されるであろう。この層は、底部金属層としても機能する。
【0048】
最後に、530において、酸化に対する保護を提供する薄いAu又はAg層を蒸着する。これは、後続の溶融工程において湿潤剤として作用する。
【0049】
湿潤剤層の蒸着後、540において、湿潤剤層上に、例えばボール、ランド、リボンの一部、又は、より一般的には任意の予備成形物の形状で溶加材を蒸着する。この予備成形物は、ビアの金属化された穴を閉塞するように配置される。
【0050】
溶加材はインジウム又は金80%、錫20%のAuSn、金88%、ゲルマニウム12%のAuGe、錫96.5%、銀3.5%のAgSn、インジウム52%、錫48%のInSnから選択される共晶である。パーセンテージは質量比である。
【0051】
次いで、溶加材の予備成形物を溶融温度まで加熱する。溶融した溶加材は、底部金属層上に蒸着した湿潤剤により底部金属層を覆い、拡散障壁に移行する。溶融した金属がビアを閉塞し、固化することでリークタイトになる。