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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】衛生用品の接続装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/14 20060101AFI20230315BHJP
   E03C 1/324 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
E03D11/14
E03C1/324
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020561944
(86)(22)【出願日】2019-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2019052131
(87)【国際公開番号】W WO2019145569
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】18153796.0
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18153793.7
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18153795.2
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18153797.8
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520280656
【氏名又は名称】ゲベリット インターナショナル アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アロイス ディートヘルム
(72)【発明者】
【氏名】フアネス ブラウリオ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ニーダーベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ワイス
(72)【発明者】
【氏名】マウルス ツウィッカー
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02223042(GB,A)
【文献】米国特許第03251073(US,A)
【文献】実開昭51-019550(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 11/14
E03C 1/12-1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場に位置を固定して配置される少なくとも1つの導管(4)を有する、現場に固定して予め組み込まれた接続構造(3)に、衛生用品(2)を接続するための、受入空間と、接続装置(1)とを有する前記衛生用品を含む機構であって、
前記接続装置(1)は、
少なくとも1つの軸受側パイプライン部(6)を有する軸受要素(5)を備え、前記パイプライン部は、前記軸受要素(5)上に配置されるとともに、前記位置を固定して配置される現場の導管(4)への導水接続のために及び衛生用品側接続ポイント(7)への導水接続のために構成され、
前記現場に固定して予め組み込まれた接続構造(3)に対する前記衛生用品(2)の位置、特に高さ位置を調整するために、前記軸受要素(5)は、調整動き(E)に沿って前記衛生用品(2)に対して移動できるように、前記衛生用品(2)上に移動可能に配置され
前記接続装置は前記受入空間に配置されることを特徴とする機構
【請求項2】
前記接続装置(1)は、前記軸受要素(5)上に配置される少なくとも1つの固定ポイント(8)をさらに備え、前記固定ポイント(8)は前記接続構造(3)の固定要素(9)を受け入れるように構成され、前記固定要素は現場に位置を固定して配置され、
前記固定ポイント(8)は、前記少なくとも1つのパイプライン部(6)から一定の距離にあることを特徴とする、請求項1に記載の機構
【請求項3】
前記軸受要素(5)は、前記衛生用品(2)に対するその位置の調整が完了した後、前記衛生用品(2)に固定して接続できることを特徴とする、請求項1又は2に記載の機構
【請求項4】
前記軸受要素(5)と前記衛生用品(2)との間の前記固定された接続は機械的に固定された接続であり、
前記機械的に固定された接続は、好ましくは、形状結合及び/又は力結合による接続であることを特徴とする、請求項3に記載の機構
【請求項5】
前記パイプライン部(6)は補償部(10)を有し、この補償部(10)を用いて、前記軸受要素(5)と前記衛生用品(2)との間の前記調整動き(E)中に生じる調整ずれを、前記少なくとも1つの軸受側パイプライン部(6)と前記衛生用品側接続ポイント(7)との間で補償できることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の機構
【請求項6】
前記軸受要素(5)は、前記衛生用品(2)に固定して接続できる支持要素(11)上に移動可能に取り付けられ、前記支持要素(11)を介して前記衛生用品(2)に接続できることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の機構
【請求項7】
前記軸受要素(5)と前記支持要素(11)は、少なくとも1つの長手方向ガイドを介して互いに接続されることを特徴とする、請求項6に記載の機構
【請求項8】
設置状態において、前記長手方向ガイドの少なくとも1つは垂直に向いており、及び/又は、前記長手方向ガイドのさらなる少なくとも1つは水平に向いていることを特徴とする、請求項7に記載の機構
【請求項9】
前記軸受要素(5)に、2つのパイプライン部(6)が互いに対して一定の距離で取り付けられ、これら2つのパイプライン部の一方が洗浄水用管路であり、これら2つのパイプライン部の他方が廃水用管路であることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の機構
【請求項10】
前記受入空間は、前記衛生用品が固定されるべき壁に対して開口するように構成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の機構
【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載の機構と、現場に位置を固定して配置される少なくとも1つの導管(4)を有する現場に固定して予め組み込まれた接続構造(3)とを含む接続システムであって、前記接続構造(3)の個々の部材(4,9)の互いの間の相対位置が予め決められた位置を有し、及び、前記軸受要素の対応する部材(6,8)の位置が、前記接続構造の位置と同一であることを特徴とする接続システム。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載の機構を組付けるための方法であって、
第1の工程において、前記軸受要素(5)を前記衛生用品(2)に接続し、前記軸受要素(5)の前記少なくとも1つのパイプライン部(6)を前記衛生用品側接続ポイント(7)に接続し、
第2の工程において、前記衛生用品(2)を前記軸受要素(5)に対し移動させて、前記衛生用品(2)の高さを調整でき、及び
第3の工程において、前記軸受側パイプライン部(6)を、現場に位置を固定して配置される前記導管(4)に接続することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記第3の工程において、前記衛生用品(2)を壁(W)に固定して接続することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
記第3の工程において、前記軸受要素(5)の固定ポイント(8)を前記現場の固定要素(9)に接続することを特徴とする、請求項2~10のいずれかに記載の機構のための請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記高さ位置の調整が完了した後、前記軸受要素(5)を、形状結合及び/又は力結合及び/又は摩擦結合により前記衛生用品(2)に接続することを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
記軸受要素(5)を、前記支持要素(11)を介して前記衛生用品(2)に接続することを特徴とする、請求項6~8のいずれかに記載の機構のための請求項12~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記高さ位置の調整が完了した後、前記軸受要素(5)を、形状結合及び/又は力結合及び/又は摩擦結合により前記支持要素(11)に接続することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の衛生用品の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生用品、例えば、便器又は洗面台等を接続するための装置は、従来技術から知られている。例えば、特許文献1は、対応する装置を開示する。
【0003】
さらに、従来技術から、組付け枠又は類似の組付け部材を壁の後ろに配置して、こうした組付け部材上で導水管や他の固定部材の高さを調整できることが知られている。例えば、組付け枠の調整可能な足元支柱体によって、又は単に様々な高さに組付け部材を配置することによって調整できる。
【0004】
欠点としては、背後に組付け枠又は組付け部材が配置される前方壁を組み立てた後では、接続部の高さ、従って衛生用品の高さを調整することがもはやできないこと、又は費用が高額となることである。しかしながら、さらなる技術的要因、例えば、直接予測できないバスルーム内の床構造の厚さや、ユーザーの要望を考慮できるようにするには、こうした調整が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2010/143965号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術から始めて、本発明は、従来技術の欠点を克服する、衛生用品の接続装置を明示するという目的に基づく。具体的には、本発明の目的は、組付け時に衛生用品の高さ位置の調整が可能な接続装置を明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、請求項1の主題によって達成される。従って、接続装置は、現場に位置を固定して配置される少なくとも1つの導管を有する、現場に固定して予め組み込まれた接続構造に、衛生用品を接続するために用いられる。当該接続装置は、少なくとも1つの軸受側パイプライン部を有する軸受要素を備え、このパイプライン部は、軸受要素上に配置されるとともに、位置を固定して配置される現場の導管への導水接続のために及び衛生用品側接続ポイントへの導水接続のために構成される。現場に固定して予め組み込まれた接続構造に対する衛生用品の位置、特に高さ位置を調整するために、上記軸受要素は、調整動きに沿って衛生用品に対して移動できるように衛生用品上に配置することができる。つまり、軸受要素は、衛生用品に対して移動可能であり、衛生用品上に配置される。この移動の結果、現場の導管とパイプライン部との間の接続に悪影響を与えることなく、衛生用品の高さ位置を調整することができる。つまり、設置状態において、衛生用品の高さ位置とは無関係に、軸受要素は接続構造に対応する高さにある。軸受要素と衛生用品との間のこの移動可能性によって、軸受要素を、接続構造に対しては移動不可能に配置することができる。
【0008】
上記接続装置は、衛生用品の高さ位置を簡単な方法で調整することができ、特に、接続構造の設置が完了した後に調整することができるという利点を有する。このようにして、衛生用品の高さ位置を、接続構造の高さとは独立に調整することができる。
【0009】
先行技術に対し、衛生用品の高さ調整に関連する部材はもはや壁の背後に隠されておらず、衛生用品との接続のために、壁の、衛生用品が配置されるべき側からアクセスすることができるという利点がさらに提供される。
【0010】
現場に予め組み込まれた接続構造は、軸受要素の、接続構造に面する側の接続構造に適合するように構成される。軸受要素側の接続構造は、少なくとも軸受側パイプライン部分を有する。この適合する形状によって、接続装置の簡単な接続が可能であり、同時に、軸受要素に対する衛生用品の移動可能性によって簡単な高さ調整が可能となる。
【0011】
「衛生用品」とは、便器、小便器、洗面器、ビデ、又は、壁及び対応する接続構造と共に配置される他の種類の衛生用品である。
【0012】
衛生用品と軸受要素との間の接続に関する「移動可能に配置できる」という表現は、衛生用品と軸受要素が、これら2つの部材が互いに対して移動できるように互いと接続されていることを意味すると理解される。
【0013】
衛生用品と軸受要素との間の調整動きは、好ましくはガイドされた動きである。好ましくは、軸受要素及び衛生用品はガイドを介して、特に長手方向のガイドを介して互いに接続され、このガイドによって上記調整動きを実現することができる。
【0014】
好ましくは、接続装置は、軸受要素上に配置される少なくとも1つの固定ポイントをさらに備え、この固定ポイントは、接続構造の固定要素を受け入れるように構成され、上記固定要素は現場に位置を固定して配置され、前記固定ポイントは、少なくとも1つのパイプライン部から一定の距離にある。
【0015】
現場に位置を固定して配置される固定要素は、現場の接続構造の一部である。特に好ましくは、現場に位置を固定して配置される固定要素は、ねじ付きロッドである。
【0016】
好ましくは、軸受要素上の固定ポイントは、ねじ付きロッドと係合させることのできるねじ山を有する。上記係合により、衛生用品を壁に固定することができる。ねじ山は、固定ポイントに設置されるねじ付き要素の一部であってよい。
【0017】
特に好ましくは、互いに離間した2つの固定ポイントが配置される。この場合、2つの固定ポイントは特に同じ高さにある。
【0018】
上記少なくとも1つの固定ポイントは、軸受要素において、少なくとも1つのパイプライン部から一定の距離にある。現場においては、固定要素も同様に、現場に位置を固定して配置される導管に対して同一の位置又は同一の距離にある。
【0019】
しかしながら、代替として、衛生用品を、他の方法で壁に接続することもできる。こうした代替案では、軸受要素は固定ポイントを持たず、固定ポイントは衛生用品に一体化されている。例えば、ねじ付き要素をガイドすることのできる細長い穴又は他の開口部が挙げられる。
【0020】
好ましくは、軸受要素は、衛生用品に対するその位置の調整が完了した後、衛生用品に固定して接続できる。このようにして、軸受要素は衛生用品に対して固定される。
【0021】
特に好ましくは、軸受要素と衛生用品との間の固定された接続は、機械的に固定された接続であり、機械的に固定された接続とは、好ましくは、形状結合及び/又は力結合による接続である。
【0022】
好ましくは、上記パイプライン部は補償部を有し、この補償部を用いて、軸受要素と衛生用品との間の調整動き中に、少なくとも1つの軸受側パイプライン部と衛生用品側接続ポイントとの間に生じる調整ずれを補償できる。このようにして、軸受要素の簡単な移動可能性、よって高さに関する簡単な調整可能性がある場合、パイプライン部と衛生用品との間のとりわけ簡単で、とりわけ水密な接続を提供することができる。
【0023】
第1の変形形態では、上記補償部は、パイプライン部における偏向部によって、及び、軸受要素上の軸受ポイントにおけるパイプライン部の旋回可能な取り付けによって提供され、高さ調整時、パイプライン部は軸受ポイント内で旋回される。特に好ましくは、衛生用品側の接続ポイントへの入口の領域で、パイプライン部は、洗浄水流入部及び廃水流出部のそれぞれに密閉部を備えて取り付けられ、この密閉部は、パイプライン部の、衛生用品側接続ポイントの中心軸に対する横方向の変位に対応できるように構成される。
【0024】
第2の変形形態では、パイプライン部の補償部は、柔軟に変形可能なパイプ部の形で構成され、この柔軟に変形可能なパイプ部分は、好ましくは、ひだ状ベローズ又はゴムベローズである。
【0025】
好ましくは、軸受要素は、衛生用品に固定して接続することができる支持要素上に移動可能に取り付けられ、この支持要素を介して衛生用品に接続することができる。支持要素は、衛生用品と固定して接続される。これに代わるものとして、支持要素を省略して、軸受要素を衛生用品に直接接続することもできる。
【0026】
好ましくは、軸受要素及び支持要素は、少なくとも1つの長手方向ガイドを介して互いに接続される。
【0027】
好ましくは、互いから間隔をおいて配置される2つの長手方向ガイドが存在する。
【0028】
好ましくは、設置状態において、上記長手方向ガイドの少なくとも1つは垂直に向いており、及び/又は、上記長手方向ガイドのさらなる少なくとも1つは水平に向いている。
【0029】
特に好ましい実施形態において、2つのパイプライン部分が、互いに対し一定の距離で軸受要素に取り付けられ、これら2つのパイプライン部の一方が洗浄水用管路で、これら2つのパイプライン部の他方が廃水用管路である。よって、前記実施形態では、現場の接続構造も同様に、2つの現場の導管、つまり、洗浄水用管路に供給するためのきれいな水用の導管と、接続装置の廃水用管路に接続される廃水用導管とを有する。これら2つの現場の導管の間の軸間距離は、2つのパイプライン部の間の軸間距離に相当する。このとき、2つの衛生用品側接続ポイントも配置される。好ましくは、2つのパイプライン部の間の軸間距離は、2つの衛生用品側接続ポイントの間の軸間距離よりも大きい。これら2つの軸間距離の差は、高さ調整の最大ずれに対応することが好ましい。
【0030】
上記特に好ましい実施形態では、2つの固定ポイントが衛生用品側に配置され、これらのポイントは2つのパイプライン部から一定の距離にある。現場には、位置を固定して配置される2つの固定要素が同様に配置される。
【0031】
上記特に好ましい実施形態では、壁付け便器の固定のために、2つのパイプライン部と2つの固定ポイントの距離及び位置は、好ましくは、DIN規格DIN EN 33:2011-11に対応する。同様に、現場の導管と2つの現場の固定要素の距離と位置は、DIN規格DIN EN 33:2011-11に対応することが好ましい。
【0032】
他の特に好ましい実施形態では、前記要素の距離と位置は、衛生用品に適したDIN規格に対応する。
【0033】
接続システムには、上記明細書に記載の接続装置と、現場に位置を固定して配置される少なくとも1つの導管を有する現場に固定して予め組み込まれた接続構造とが含まれ、該接続構造の個々の部材の互いの間の相対位置は予め決められた位置を有し、軸受要素の対応する部材の位置は、接続構造の位置と同一である。
【0034】
特に好ましくは、衛生用品側の接続構造及び現場の接続構造は、上述のDIN規格に従って構成される。
【0035】
機構には、受入空間と上記明細書に記載の接続装置とを備える衛生用品が含まれ、接続装置は、衛生用品の受入空間に配置される。
【0036】
好ましくは、パイプライン部の上記補償部は、便器の受入空間内にある。特に好ましくは、補償部は、軸受要素と衛生用品側接続ポイントとの間にある。
【0037】
好ましくは、受入空間は、衛生用品が固定される壁に対して開口するように構成される。
【0038】
前述の請求項のいずれかに記載の接続装置又は機構を組付けるための方法は、
第1の工程において、軸受要素を、任意で支持要素を介して、衛生用品に接続し、軸受要素の少なくとも1つのパイプライン部を、衛生用品側接続ポイントに接続し、
第2の工程において、衛生用品を軸受要素に対して移動させて、衛生用品の高さを調整することができ、
第3の工程において、軸受側パイプライン部を、現場に位置を固定して配置される導管に接続する、ことを特徴とする。
【0039】
好ましくは、第3の工程において、衛生用品を壁に固定して接続し、特に、第3の工程で、軸受側固定ポイントを現場の固定要素に接続する。
【0040】
補償部が存在する場合、補償部は、軸受要素と衛生用品との間のずれ(offset)に従って変形し、補償する。
【0041】
高さ位置の調整が完了した後、軸受要素は、形状結合及び/又は力結合及び/又は摩擦結合により、衛生用品又はに接続される。
【0042】
さらなる実施形態を、従属請求項に明記する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して以下に説明するが、これらは単に説明のためのものであり、限定として解釈されてはならない。
【0044】
図1図1は、第1の実施形態による接続装置を備えた衛生用品の概略図である。
図2図2は、図1の衛生用品の、組付け前の高さ位置が異なる2つの図である。
図3図3は、図1の衛生用品の、組付け後の高さ位置が異なる2つの図である。
図4図4は、第2の実施形態による接続装置を備えた衛生用品の2つの図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1~4には、接続装置1の概略図が示される。ここで、図1~3は接続装置1の第1の実施形態を、図4は接続装置1の第2の実施形態を示す。
【0046】
接続装置1は、衛生用品2を、現場に固定して予め組み込まれた接続構造3に接続するために用いられる。現場に固定して予め組み込まれた接続構造3は、壁Wから突出している。衛生用品2は、床Bから距離をおいて組付けられるものであり、接続装置1を用いて、及び、接続装置1と衛生用品2との又は現場の接続構造3との相互作用を用いて、衛生用品の高さ位置を床Bの方向に調整できる。調整動きに参照符号Eを付する。
【0047】
図の実施形態において、現場に固定して予め組み込まれた接続構造3は、現場に位置を固定して配置される少なくとも1つの導管4と、現場に固定して配置される固定要素9とを含む。図1~3の実施形態では導管が1つだけ示され、図4の実施形態では導管が2つ示されている。図示されない他の実施形態では、固定要素を省略でき、現場の接続構造3は単一の導管のみを備える。この実施形態では、固定は他の部材によって解決される。
【0048】
接続装置1は、少なくとも1つの軸受側パイプライン部6を有する軸受要素5を備える。軸受側パイプライン部6の数は、現場の導管4の数に相当する。軸受側パイプライン部6は軸受要素5上に取り付けられ、位置を固定して配置される現場の導管4への導水接続のために及び衛生用品側接続ポイント7への導水接続のために用いられる。図の実施形態では、軸受要素5は少なくとも1つの固定ポイント8をさらに備える。少なくとも1つの固定ポイント8は、現場に位置を固定して配置される少なくとも1つの固定要素9を受け入れるために用いられる。この接続によって、衛生用品2は、機械的に固定して壁Wに接続される。少なくとも1つの固定ポイント8は、軸受要素5上に、少なくとも1つのパイプライン部6から一定の距離又は所定の距離で配置される。
【0049】
現場に固定して予め組み込まれた接続構造3に対する又は床Bに対する衛生用品2の高さ位置を調整するために、軸受要素5は、衛生用品2上に移動可能に配置されるか、又は取り付けられる。よって、軸受要素5を衛生用品2に対して動かすことができ、又は、衛生用品2を軸受要素5に対して動かすことができる。この移動可能性を、図2を参照してより詳細に説明する。図2の概略図の左側には、軸受要素2、衛生用品2に対してその最上位置に示される。衛生用品2は、最下位置に置かれている。衛生用品2は、軸受要素5に対して動かすことができる。図の変形形態では、衛生用品は上方に動かされる。図2の右側では、衛生用品2は、その最上位置にある。明らかなように、床Bに対する衛生用品2の高さは、上記移動可能性により調整される。衛生用品2は、床B及び接続構造3に対して、及び、軸受要素3に対しても動かせるが、軸受要素3は、接続構造3に対して固定された位置にある。これは、現場の導管4と軸受側パイプライン部6との間の衛生工学的な接続を常に同じ条件で行うことができるという利点を有する。ここに移動可能性は必要ない。
【0050】
衛生用品2側では、パイプライン部6と衛生用品側接続ポイント7との間に調整ずれが生じる。この調整ずれは、補償部10で補償することができ、この補償部10は、パイプライン部6の一部である。他の種類の補償も考えられる。図の実施形態では、パイプライン部6は、上述の補償部10を備える。補償部10は、軸受要素5と衛生用品側接続ポイント7との間の調整ずれを補償する。
【0051】
両方の実施形態において、衛生用品取付者は、現地の接続構造3の高さとは独立に、現場で衛生用品の高さ位置に対処することができる。衛生用品2と軸受要素5との間の相対位置の調整が完了した後、衛生用品取付者は、図3に示すように、軸受側パイプライン部6を、現場に位置を固定して配置される導管4につなぎ、固定ポイント8と固定要素9との間を接続することができる。このようにして、衛生用品2は、壁Wに対して固定して配置される。
【0052】
衛生用品2に対する軸受要素5の位置の調整が完了した後、前記軸受要素は衛生用品2に固定して接続される。軸受要素5と衛生用品2との間のこの固定接続は、好ましくは機械的に固定された接続である。特に、形状結合及び/又は力結合による接続であり、ねじ接続又はクランプ接続が特に好ましい。
【0053】
図の実施形態では、軸受要素5は、支持要素11を介して間接的に衛生用品2に接続される。支持要素11と軸受要素5との間の接続に参照符号13を付す。この場合、支持要素11は衛生用品2に固定して接続される。例えば、支持要素11は一種のフレーム要素であってよく、衛生用品2の受入空間12に固定して取り付けられるか、又は衛生用品2に固定して一体化されている。
【0054】
軸受要素5は、移動可能に支持要素11に接続される。好ましくは、軸受要素5及び支持要素11は、少なくとも1つの長手方向ガイドを介して接続される。衛生用品2と軸受要素5との間の移動可能性は、上記長手方向ガイドによって得られる。
【0055】
図1~4に示される実施形態では、支持要素11と軸受要素5との間、又は軸受要素5と衛生用品2との間の長手方向ガイドは、実質的に垂直Vに向いている。つまり、衛生用品2を垂直方向に調整することが実質的に可能である。しかしながら、この長手方向ガイドを水平に向けて、又は他の種類のガイドを設けて、衛生用品2の位置を調整できるようにすることも考えられる。
【0056】
図4には、接続装置1のさらなる実施形態が示される。ここで、衛生用品2は、例えば、便器又は小便器又は洗面台の形態で構成されており、2つのパイプライン部6が、軸受要素5上に互いに対して一定の距離で取り付けられている。パイプライン部のうちの一方は、きれいな水を供給するために用いられ、2つのパイプライン部の他方は廃水用管路を表す。現場の接続構造側にも同様に、2つの導管4、つまりきれいな水用の導管と廃水用導管とが配置される。この場合、きれいな水用の導管は上側のパイプライン部に接続され、廃水用導管は下側のパイプライン部に接続される。
【0057】
さらに、軸受要素5上には、固定ポイント8も配置され、固定ポイント8は固定要素9に接続される。
【0058】
しかしながら、接続構造3は、1つ以上の固定要素9を有することもでき、その場合、追加の固定ポイント8が軸受要素5上に配置される。
【0059】
固定ポイント8及び2つのパイプライン部6は、互いに対して所定の位置で軸受要素5上に配置される。同様に、接続構造3の側には、2つの導管4及び少なくとも1つの現場側の固定要素9が、互いに対して一定の距離で配置される。
【0060】
図3及び4は、さらに、衛生用品2の最下位置と最上位置との間の高さずれHを示す。
【符号の説明】
【0061】
1 接続装置
2 衛生用品
3 現場の接続構造
4 現場の導管
5 軸受要素
6 パイプライン部
7 衛生用品側接続ポイント
8 固定ポイント
9 現場の固定要素
10 補償部
11 支持要素
12 受入空間
13 接続部

B 床
W 壁
E 調整動き
図1
図2
図3
図4