(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20230315BHJP
A61G 5/02 20060101ALI20230315BHJP
A61G 5/12 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
A61H1/02 N
A61G5/02 701
A61G5/12 701
A61G5/12 702
A61G5/12 704
(21)【出願番号】P 2021523310
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2021083564
(87)【国際公開番号】W WO2021258800
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2021-04-21
(31)【優先権主張番号】202021188979.7
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521172310
【氏名又は名称】郭宝叶
【氏名又は名称原語表記】Guo, Baoye
【住所又は居所原語表記】No. 331, Beigong West Street, Beiguan, Weicheng District, Weifang, Shandong 261000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100121120
【氏名又は名称】渡辺 尚
(72)【発明者】
【氏名】郭宝叶
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2754603(CN,Y)
【文献】中国実用新案第205287412(CN,U)
【文献】特開2011-115522(JP,A)
【文献】特表2008-509793(JP,A)
【文献】実開平07-033791(JP,U)
【文献】特開2014-217587(JP,A)
【文献】特開平11-197185(JP,A)
【文献】特開2003-310665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
A61G 5/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子フレームを備え、前記車椅子フレームには、駆動後輪、方向転換前輪、シート、バックサポート及びグリップが取り付けられる腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子であって、前記車椅子フレームの前記駆動後輪から遠い一端にマウントが着脱可能に取り付けられ、前記マウントが前記シートの下方に位置し、前記マウントの底部にペダル歯車が回転可能に取り付けられ、前記ペダル歯車にペダルが設けられ、前記マウントの頂部に手回し歯車が回転可能に取り付けられ、前記手回し歯車に手回しハンドルが設けられ、
2つの前記駆動後輪の間に回転軸が設けられ、前記回転軸は前記車椅子フレームに回転可能に取り付けられ、2つの前記駆動後輪はそれぞれ前記回転軸の両端に固定して取り付けられ、前記回転軸に受動歯車が固定して取り付けられ、
前記マウントにチェーンサポート歯車がさらに回転可能に取り付けられ、前記チェーンサポート歯車が前記ペダル歯車に近接して設けられ、
前記手回し歯車、前記ペダル歯車、前記受動歯車及び前記チェーンサポート歯車の間には伝動チェーンが掛け回され、前記伝動チェーンを介して伝動可能に接続され
、
前記バックサポートの裏面にイオントフォレーシス装置が固定して取り付けられ、前記バックサポートのもたれ面には、前記イオントフォレーシス装置と接続される電極板が着脱可能に取り付けられ、
前記バックサポートのもたれ面には、薬袋を収容するための薬袋バッグがさらに取り付けられ、前記薬袋バッグは前記電極板に対応して設けられることを特徴とする腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項2】
前記マウントに保護シェルがさらに固定して取り付けられ、前記保護シェルは前記手回し歯車、前記ペダル歯車及び前記チェーンサポート歯車を覆って設けられることを特徴とする請求項1に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項3】
前記シート及び前記バックサポート内にマッサージクッションが設けられ、前記マッサージクッションが前記シート及び前記バックサポートの表層の下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項4】
前記電極板は面ファスナーを介して前記バックサポートに固定して取り付けられることを特徴とする請求項
1に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項5】
前記薬袋バッグは中空メッシュバッグであることを特徴とする請求項
4に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項6】
前記バックサポートの裏面にバイタルサイン検出器がさらに固定して取り付けられ、前記バイタルサイン検出器に電極パッドが接続されることを特徴とする請求項
1に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項7】
前記シートの底部に酸素発生器が固定して取り付けられることを特徴とする請求項
6に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【請求項8】
前記車椅子フレームの一方側のアームサポートに収納箱が設けられ、他方側のアームサポートにディスプレイが設けられることを特徴とする請求項
7に記載の腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療機器の技術分野に関し、特に腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
「リハビリテーション」とは、生活への適応を改善し、健康を改善し、老化を遅らせ、行動機能の喪失を予防するように、身体の本能を回復させることである。筋肉は身体機能をつなげて実行する機能を持ち、筋肉がないと、神経を介して動作を完成したり骨を動かしたりすることはできない。また、筋肉は骨骼を保護する役割を持ち、骨に対する打叩きや衝突の影響を軽減する。若者はフィットネスジムへ行ってトレーニングすることができるが、身体障害者や体の不自由な人は、長時間車椅子に座るか、ベッドに横になることしかできないため、トレーニング不足が深刻であり、特にこのような人々にとってトレーニングは非常に重要であり、機能の退行を減らし、寝たきりを予防するには、日常生活行動のリハビリトレーニングを維持する必要があり、それにより、人々の日常生活行動の能力及び生活のセルフケア能力を回復させる。
【0003】
車椅子は、傷者、病人、障害者が家でリハビリし、移転、受診、外出行動を行うための重要な移動ツールとして、身体障害者や体の不自由な人の移動を満たすことができるだけでなく、より重要なのは家族が病人を移動し介護することが容易になり、しかしながら、従来の車椅子は、機能が単一であり、利用者のリハビリトレーニングを容易にする機能がなく、身体障害者や体の不自由な人の移動機能を果たすが、車椅子に長時間乗ると、四肢のトレーニングや運動が不足し、リハビリに非常に不利であり、筋肉萎縮、だるい等の症状を引き起こしやすく、さらにほかの身体機能の低下を引き起こし、ひいては機能喪失につながる。
【0004】
特許番号がCN201910277129.Xの中国発明特許には、リハビリテーション機能を持つ多機能椅子が開示されており、車椅子フレームを備え、車椅子フレームに駆動輪、キャスター、シート、バックサポート及びグリップが取り付けられ、車椅子フレームに縦棒がさらに固定して取り付けられ、縦棒は、バックサポートに密着して設けられ、頂端に弾性棒が着脱可能に取り付けられ、弾性棒の両端にグリップが取り付けられ、縦棒に横棒がさらに固定して取り付けられ、横棒の両端に固定式回転円板が対応して取り付けられ、固定式回転円板に可動式回転円板が回転可能に取り付けられ、可動式回転円板と固定式回転円板との間にねじりバネが套設され、可動式回転円板にアームロッドが固定して取り付けられる。本発明は、機能が様々であり、身体障害者や体の不自由な人の移動機能を実現するとともに、利用者が車椅子で上肢から下肢への筋肉、関節のトレーニングを容易に行うことができ、リハビリトレーニングにより、身体機能の低下を効果的に回避でき、リハビリ効果が大幅に向上する。上記構造の多機能椅子は、利用者のリハビリトレーニングが容易になるが、相変わらず車椅子の移動は他人が押すか利用者が車椅子の後輪を回すことにより実現され、トレーニングと駆動走行との組合せを実現できず、また、利用者の背部、腰部、臀部及び脚部に対するマッサージ機能を持たず、利用者のバイタルサイン検出及びイオントフォレーシスの理学療法、治療機能を実現できず、高齢者、または呼吸器系の機能が低下している利用者にとっては、長時間トレーニングできない場合が多く、トレーニング量がリハビリテーションニーズを満たすことができず、リハビリ効果を直接影響する。
【0005】
したがって、腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子を開発することは、差し迫った研究課題であるだけでなく、良好な経済的利益及び産業上の利用可能性が期待でき、上記の事情に鑑みて、本発明はなされたのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来技術の欠陥を克服するために、本発明者は鋭意研究し、創造的な労働を重ねたところ、本発明はなされたのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明が解決しようとする技術的問題は、腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子を提供することであり、従来のリハビリトレーニング椅子はトレーニングと駆動走行の組合せを実現できず、マッサージ、イオントフォレーシスの理学療法、治療機能を持たず、高齢者または呼吸器系の機能が低下している利用者に対するトレーニング補助技術がないという問題を解決する。
【0008】
上記技術的問題を解決するために、本発明の技術案は以下の通りである。
【0009】
腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子であって、車椅子フレームを備え、前記車椅子フレームには、駆動後輪、方向転換前輪、シート、バックサポート及びグリップが取り付けられ、前記車椅子フレームの前記駆動後輪から遠い一端にマウントが着脱可能に取り付けられ、前記マウントが前記シートの下方に位置し、前記マウントの底部にペダル歯車が回転可能に取り付けられ、前記ペダル歯車にペダルが設けられ、前記マウントの頂部に手回し歯車が回転可能に取り付けられ、前記手回し歯車に手回しハンドルが設けられ、
2つの前記駆動後輪の間に回転軸が設けられ、前記回転軸は前記車椅子フレームに回転可能に取り付けられ、2つの前記駆動後輪はそれぞれ前記回転軸の両端に固定して取り付けられ、前記回転軸の中央に受動歯車が固定して取り付けられ、
前記マウントにチェーンサポート歯車がさらに回転可能に取り付けられ、前記チェーンサポート歯車は前記ペダル歯車に近接して設けられ、
前記手回し歯車、前記ペダル歯車、前記受動歯車及び前記チェーンサポート歯車の間には伝動チェーンが掛け回され、前記伝動チェーンは前記手回し歯車、前記ペダル歯車、前記受動歯車、前記方向転換歯車と噛合して設けられ、前記手回し歯車、前記ペダル歯車、前記受動歯車及び前記チェーンサポート歯車は前記伝動チェーンを介して伝動可能に接続される。
【0010】
改良された技術案として、前記マウントに保護シェルがさらに固定して取り付けられ、前記保護シェルは前記手回し歯車、前記ペダル歯車及び前記チェーンサポート歯車を覆って設けられる。
【0011】
改良された技術案として、前記シート及び前記バックサポート内にマッサージクッションが設けられ、前記マッサージクッションが前記シート及び前記バックサポートの表層の下方に位置する。
【0012】
改良された技術案として、前記バックサポートの裏面にイオントフォレーシス装置が固定して取り付けられ、前記バックサポートのもたれ面には、前記イオントフォレーシス装置と接続される電極板が着脱可能に取り付けられ、
前記バックサポートのもたれ面には、薬袋を収容するための薬袋バッグがさらに取り付けられ、前記薬袋バッグは前記電極板に対応して設けられる。
【0013】
さらに改良された技術案として、前記電極板は面ファスナーを介して前記バックサポートに固定して取り付けられる。
【0014】
さらに改良された技術案として、前記薬袋バッグは中空メッシュバッグである。
【0015】
改良された技術案として、前記バックサポートの裏面にバイタルサイン検出器がさらに固定して取り付けられ、前記バイタルサイン検出器に電極パッドが接続される。
【0016】
改良された技術案として、前記シートの底部に酸素発生器が固定して取り付けられる。
【0017】
改良された技術案として、前記車椅子フレームの一方側のアームサポートに収納箱が設けられ、他方側のアームサポートにディスプレイが設けられる。
【発明の効果】
【0018】
上記技術案によれば、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0019】
(1)設けられる該腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子は、身体障害者や体の不自由な人の移動機能を実現するとともに、トレーニング機能を持ち、利用者がリハビリトレーニングを容易に行うことができ、それにより身体機能の退行を回避し、日常生活及びセルフケア能力を回復させる目的を達成し、また、手回しハンドル及びペダルによって手足トレーニングを行うとともに、車椅子の駆動を実現し、自らの走行を実現することができる。
【0020】
(2)マウントに設けられる保護シェルは、利用者を保護し、トレーニング中に歯車やチェーンによる利用者の擦り傷及び衣服の汚れを回避するとともに、各歯車及びチェーンを保護し、ほこりや異物等の侵入を効果的に回避し、耐用年数を大幅に伸ばすことができ、該車椅子の外観はさらに美しくなる。
【0021】
(3)設けられるマッサージクッションは、利用者の背部、腰部、臀部及び太股に対する理学療法マッサージ機能を持ち、マッサージクッションの理学療法マッサージによって、血液循環を促進し、経絡を滑らかにすることができ、さらに利用者のリハビリトレーニングの効果を大幅に向上させる。
【0022】
(4)設けられるイオントフォレーシス装置は、使用時、所定の薬袋を薬袋バッグに入れ、イオントフォレーシス装置の作用下で、電極板と薬袋の組合せによって、薬物イオンに対して所定方向の推進力を発生させ、薬物中の有効成分を、皮膚粘膜を通過して人体により深く、より効果的に浸透させ、利用者に作用し、利用者の治療部位に対する理学療法、治療機能を実現し、利用者のリハビリ効果により寄与する。
【0023】
(5)電極板が面ファスナーを介してバックサポートに取り付けられる構造は、着脱が容易であり、メンテナンスや交換が容易であり、取付位置の微調整が可能であり、設けられる中空メッシュバッグ式の薬袋バッグは、薬袋の入れ・出しが容易であるとともに、薬袋が利用者に作用しやすく、治療効果がより良好である。
【0024】
(6)設けられるバイタルサイン検出器は、たとえば、血圧、血中脂質、血糖等の利用者のバイタルサインの検出を容易に実現でき、利用者のバイタルサインを効果的に監視でき、それにより基準を超えるバイタルをタイムリーに調整することに寄与し、電極パッドが利用者のこめかみ等のツボに装着されることも、理学療法及び脳血管等の疾患の予防、治療の効果を有する。
【0025】
(7)設けられる酸素発生器は、独立した酸素吸入チューブ、マスクと接続されることによって、呼吸器系の機能が低下している利用者は随時吸入でき、特にトレーニング時、高齢者や呼吸器系の機能が低下している利用者に対して大きな補助効果があり、利用者のトレーニングの困難度を低下させることができ、それにより高齢者や呼吸器系の機能が低下している利用者のリハビリテーショントレーニングのニーズを満たし、所定のトレーニング量に達し、良好なリハビリ効果を実現することができる。
【0026】
(8)アームサポートに設けられるディスプレイは、利用者の健康情報の表示を実現でき、利用者が自分の健康情報を簡単に把握でき、ディスプレイに表示されているトレーニング計画によって、利用者がリハビリプロジェクトのトレーニングをより合理的かつ計画的に行うことができ、使いやすく、実用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の具体的な実施形態または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態または従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。全図面において、類似の要素または部分は一般に類似の符号で示される。図面において、各要素または部分は必ずしも実際の縮尺に応じて描かれているものではない。
【0028】
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、具体的な実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。なお、これらの例示的な実施形態の用途及び目的は単に本発明を例示することに用いられ、本発明の実際の保護範囲を何らかの形態で限定するものではなく、さらに本発明の保護範囲をこれに限定するものでもない。
【0030】
図1及び
図2に示すように、本実施例は腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子を提供し、車椅子フレーム1を備え、車椅子フレーム1には、駆動後輪2、方向転換前輪3、シート4、バックサポート5及びグリップ6が取り付けられ、車椅子フレーム1の駆動後輪2から遠い一端にマウント7が着脱可能に取り付けられ、マウント7はシート4の下方に位置し、マウント7の底部にペダル歯車8が回転可能に取り付けられ、ペダル歯車8にペダル801が設けられ、マウント7の頂部に手回し歯車9が回転可能に取り付けられ、手回し歯車9に手回しハンドル901が設けられる。2つの駆動後輪2の間に回転軸が設けられ、回転軸は車椅子フレーム1に回転可能に取り付けられ、2つの駆動後輪2はそれぞれ回転軸の両端に固定して取り付けられ、回転軸の中央に受動歯車10が固定して取り付けられる。マウント7にチェーンサポート歯車11がさらに回転可能に取り付けられ、チェーンサポート歯車11はペダル歯車8に近接して設けられる。手回し歯車9、ペダル歯車8、受動歯車10及びチェーンサポート歯車11の間に伝動チェーン12が掛け回され、伝動チェーン12は手回し歯車9、ペダル歯車8、受動歯車10、方向転換歯車と噛合して設けられ、手回し歯車9、ペダル歯車8、受動歯車10及びチェーンサポート歯車11は伝動チェーン12を介して伝動可能に接続される。手回しハンドル901及びペダル801によって、手足トレーニングを実現するとともに、車椅子の駆動を実現し、トレーニング及び自らの走行のニーズを満たすことができる。
【0031】
本実施例では、マウント7の一端は取り付け板を介してボルトを用いて車椅子フレーム1に固定して取り付けられ、取り付けがしっかりし、着脱が容易である。
【0032】
本実施例では、車椅子の駆動をより省力化するために、ペダル歯車8及び手回し歯車9はいずれも受動歯車10の外径よりも大きい。
【0033】
マウント7に保護シェル13がさらに固定して取り付けられ、保護シェル13は手回し歯車9、ペダル歯車8及びチェーンサポート歯車11を覆って設けられ、設けられる保護シェル13は、利用者を保護し、トレーニング中に歯車やチェーンによる利用者の擦り傷及び衣服の汚れを回避するとともに、各歯車及びチェーンを保護し、ほこりや異物等の侵入を効果的に回避し、耐用年数を大幅に伸ばすことができ、該車椅子の外観はさらに美しくなる。
【0034】
シート4及びバックサポート5内にマッサージクッション14が設けられ、マッサージクッション14はシート4及びバックサポート5の表層の下方に位置し、本実施例では、マッサージクッション14は市販品をそのまま使用でき、これは当業者が周知するものであるため、ここでは詳細説明をしない。設けられるマッサージクッション14は、利用者の背部、腰部、臀部及び太股に対する理学療法マッサージ機能を持ち、マッサージクッション14の理学療法マッサージによって、血液循環を促進し、経絡を滑らかにすることができ、さらに利用者のリハビリトレーニングの効果を大幅に向上させる。
【0035】
バックサポート5の裏面にイオントフォレーシス装置15が固定して取り付けられ、バックサポート5のもたれ面には、イオントフォレーシス装置15と接続される電極板16が着脱可能に取り付けられ、バックサポート5のもたれ面には、薬袋を収容するための薬袋バッグ17がさらに取り付けられ、薬袋バッグ17は電極板16に対応して設けられる。本実施例では、イオントフォレーシス装置15は市販される数値制御周波数変調パルス治療装置を使用でき、ここでは詳細説明をしない。使用時、所要の薬袋を薬袋バッグ17に入れ、イオントフォレーシス装置15の作用下で、電極板16と薬袋の組合せによって、薬物イオンに対して所定方向の推進力を発生させ、薬物中の有効成分を、皮膚粘膜を通過して人体により深く、より効果的に浸透させ、利用者に作用し、利用者の治療部位に対する理学療法、治療機能を実現し、利用者のリハビリ効果により寄与する。
【0036】
本実施例では、車椅子のバックサポート5への電極板16の取り付けを実現するために、電極板16は面ファスナーを介してバックサポート5に固定して取り付けられ、着脱が容易であり、メンテナンスや交換が容易であるだけでなく、取付位置の微調整が可能である。
【0037】
本実施例では、薬袋バッグ17は中空メッシュバッグであり、中空メッシュバッグ式の薬袋バッグ17は、薬袋の入れ・出しが容易であるとともに、薬袋が利用者に作用しやすく、治療効果がより良好である。
【0038】
バックサポート5の裏面にバイタルサイン検出器18がさらに固定して取り付けられ、バイタルサイン検出器18に電極パッド19が接続され、バイタルサイン検出器18内に電極パッド19及び接続線を容易に収容するための収納ボックスが設置されてもよく、設けられるバイタルサイン検出器18は、たとえば、血圧、血中脂質、血糖等の利用者のバイタルサインの検出を容易に実現でき、利用者のバイタルサインを効果的に監視でき、それにより基準を超えるバイタルをタイムリーに調整することに寄与し、電極パッド19が利用者のこめかみ等のツボに装着されることも、理学療法及び脳血管等の疾患の予防、治療の効果を有する。バイタルサイン検出器18は既存の成熟した医療用検出機器であり、当業者が周知するものであるため、ここでは詳細説明をしない。
【0039】
シート4の底部に酸素発生器20が固定して取り付けられ、本実施例では、酸素発生器20は市販される、マイナス酸素イオン機能を持つ酸素発生噴霧複合機を使用できる。設けられる酸素発生器20は、独立した酸素吸入チューブ、マスクと接続されることによって、呼吸器系の機能が低下している利用者は随時吸入でき、特にトレーニング時、高齢者や呼吸器系の機能が低下している利用者に対して大きな補助効果があり、脳の低酸素症や脳虚血等の問題を改善し、利用者のトレーニングの困難度を低下させることができ、それにより高齢者や呼吸器系の機能が低下している利用者のリハビリテーショントレーニングのニーズを満たし、所定のトレーニング量に達し、良好なリハビリ効果を実現することができる。
【0040】
車椅子フレーム1の一方側のアームサポートに収納箱21が設けられ、他方側のアームサポートにディスプレイ22が設けられ、設けられるディスプレイ22は、利用者の健康情報の表示を実現でき、利用者が自分の健康情報を簡単に把握でき、ディスプレイ22に表示されているトレーニング計画によって、利用者がリハビリプロジェクトのトレーニングをより合理的かつ計画的に行うことができ、使いやすく、実用性が高い。本実施例では、接続を実現するように、ディスプレイ22にUSBインターフェースが設けられてもよく、また、該トレーニング椅子の使いやすさを向上させるように、ディスプレイ22内に音楽再生、気象放送、簡単な音声対話等の既存の成熟したスマートシステム機能(たとえば、従来の車載ディスプレイ22)が追加されてもよい。
【0041】
勿論、該腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子に電源がさらに設けられ、マッサージクッション14、イオントフォレーシス装置15、バイタルサイン検出器18、酸素発生器20及びディスプレイ22等の動作に電源を供給し、蓄電池を使用でき、シートの下方の車椅子フレーム1に取り付けられる。
【0042】
本実施例における腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子は、上記構造及び機能に加えて、特許番号がCN201910277129.X、発明名称がリハビリテーション機能を持つ多機能椅子である中国発明特許のほかの同じ機能を有するトレーニング構造を有し、ここでは詳細説明をしない。
【0043】
上記構造に基づく該腱ストレッチ・筋トレ多機能トレーニング椅子は、機能が様々であり、身体障害者や体の不自由な人の移動機能を実現するとともに、トレーニング機能を持ち、利用者がリハビリトレーニングを容易に行うことができ、それにより身体機能の退行を回避し、日常生活及びセルフケア能力を回復させる目的を達成し、手回しハンドル901及びペダル801によって手足トレーニングを行うとともに、車椅子の駆動を実現し、自らの走行を実現することができる。
【0044】
高齢者、特に体の不自由な人にとって、老化が加速すること、様々な慢性疾患に罹患すること、自由に行動できないこと、付き添い人がいないこと、運動が不能であること、体重が増加すること、屋外活動が不能であること、屋内に拘束されて太陽光を受けることも人に会うこともできないこと、社会や自然から離れている等の多くの障害の問題による苦しみ、孤独感、うつや悲しみは最も恐ろしいことである。しかし、老化、悲観、生きがいの喪失、及び様々な疾患の根本原因は、本能の低下である。人および身体の本能低下は長時間リハビリテーションしない結果であり、本能が低下すると、人の自信、将来のより良い生活への憧れ、夢や欲望、及び行動活動は次第に満足のいくものではなくなり、人々は歩行運動が少なくなることによって、筋肉が減少しまたは弛緩し、腱が収縮して短くなり、同時に、脳、心肺及び内臓の各臓器の機能の低下を必然的に伴い、様々な心理的問題、老化問題や一連の慢性疾患は徐々に悪化または発生する。
【0045】
筋肉があれば、その分、身体の本能があり、筋を1インチ長くすると、寿命が10年延ばされると考えられ、高齢者や体の不自由な人に向けて、筋肉を鍛えたり、腱を伸ばしたり、エネルギーを供給したりすることができ、様々なライフスタイルAIリハビリテーションエキスパート、AIスピーカー、心肺モニタリング等の様々なサービスを集積した多機能椅子が設計され、これは高齢者に対する無限の愛である。データによれば、行動しようとするがいつか自由かつ安全に行動できず、転んだため長時間寝たきりの苦しみを経験し、命まで奪われる高齢者はますます多くなる。このような機器は有酸素運動とエネルギー供給を組み合わせ、美しい音楽を楽しみながら全身の各部位の筋肉を鍛え、各部位の腱を伸ばす。その原理は、生体の本能を刺激して、このような外部の人工刺激に適応するために、身体の本能が筋肉を増やし、腱を伸ばすことである。カルシウム補給をされても明らかな効果が見られていない多くの高齢者の骨粗鬆症を迅速に改善するだけでなく、このプロセスは実際には本能を向上させるプロセスであり、このプロセスはさらに、マイナス酸素イオン/酸素エネルギー発生器と設計されたAIリハビリテーションエキスパートシステムとの相乗作用、および体、心、ライフスタイルのリハビリテーション、音楽等の補助的な指導有し、本能を迅速に向上させることができる。
【0046】
人間及び生命体の本能は一旦刺激されて向上すると、生命体の体、心及び各器官系の活力が増やし、機能が強化され、生活の状態が徹底的に改善される。それにより老化を遅らせ、慢性疾患を予防し、脳卒中や認知症を予防し、心肺機能を向上させることができ、高齢者が幸せな老後生活を送ることに非常に有益である。
【0047】
このような、筋肉を鍛え、腱を伸ばし、様々なエネルギーを供給することができ、屋外で存分に行動したり人と話したりして自然に溶け込むことができる身体・心トレーニング椅子は、高齢者の不可欠な生活パートナー及びライフサポートであり、市販される電動椅子との根本的な相違点は以下の通りであり、市販される電動椅子は、人々が椅子にいたきり本能が低下し続け、体重が増加し、自分の様々な能力を失い、さらに様々の疾患も伴うものであるが、本発明の椅子は、本能を向上させ、体、心、魂を全面的に更新し、生活の質を向上させ、活力に満ちた生活を送ることができるものである。
【0048】
なお、これらの実施例の用途は単に本発明を説明することに用いられ、本発明の保護範囲を限定するものではない。また、なお、本発明の技術的内容を閲覧した後、当業者は本発明に対して種々の変更、修正及び/または変形を行うことができ、すべてのこれらの同等形態は同様に本願の添付の特許請求の範囲に定められる保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0049】
1-車椅子フレーム、2-駆動後輪、3-方向転換前輪、4-シート、5-バックサポート、6-グリップ、7-マウント、8-ペダル歯車、801-ペダル、9-手回し歯車、901-手回しハンドル、10-受動歯車、11-チェーンサポート歯車、12-伝動チェーン、13-保護シェル、14-マッサージクッション、15-イオントフォレーシス装置、16-電極板、17-薬袋バッグ、18-バイタルサイン検出器、19-電極パッド、20-酸素発生器、21-収納箱、22-ディスプレイ。