(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-14
(45)【発行日】2023-03-23
(54)【発明の名称】装輪式運搬装置
(51)【国際特許分類】
B62B 7/06 20060101AFI20230315BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B62B7/06
B62B3/02 G
B62B3/02 B
(21)【出願番号】P 2022515896
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020075381
(87)【国際公開番号】W WO2021048302
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】201910858955.3
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010370191.6
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェン-ウェン・グオ
(72)【発明者】
【氏名】エル・シュエ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ショウフェン・フ
(72)【発明者】
【氏名】ミンシン・スン
(72)【発明者】
【氏名】チェン-ナン・チアン
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-067255(JP,A)
【文献】特開2003-054209(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0071452(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108820029(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 7/06
B62B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対して回動可能に結合されたスタンディングフレーム及びハンドルフレームであって、前記ハンドルフレームは、勾配の異なる第1の位置と第2の位置との間で前記スタンディングフレームに対して回転可能である、スタンディングフレーム及びハンドルフレームと、
第1の車輪を支持し、前記スタンディングフレームに回動可能に連結された第1の車輪取付部であって、前記第1の車輪は、前記第1の車輪取付部に対して第1の車輪軸を中心として回転可能である、第1の車輪取付部と、
前記スタンディングフレームに可動に連結された第1の車輪取付部ラッチを備えるロッキングアセンブリであって、前記第1の車輪取付部ラッチは、前記第1の車輪取付部に対して係合しそれにより前記スタンディングフレームに対して前記第1の車輪取付部を回転方向にロックするように構成され、且つ、前記第1の車輪取付部から係合解除されそれにより前記第1の車輪取付部をロック解除することによって、前記第1の車輪取付部が前記第1の車輪軸の配向を変更するために前記スタンディングフレームに対して回転可能となるように構成される、ロッキングアセンブリと、
リンクパーツを介して前記第1の車輪取付部ラッチに対して結合されたリンクアクチュエータであって、前記リンクアクチュエータは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するのに応答して、第1の方向又は第2の方向に可動となり、これにより前記第1の車輪取付部ラッチは、前記第1の車輪取付部に対して係合される又は前記第1の車輪取付部から係合解除される、リンクアクチュエータと、
前記ハンドルフレームに備えられた操作パーツと、前記第1の車輪取付部ラッチに対して前記操作パーツを結合するケーブルアセンブリとを備える解除機構であって、前記操作パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置にある場合に、前記第1の車輪取付部ラッチを前記第1の車輪取付部から係合解除させるように操作可能である、解除機構と
を備える、装輪式運搬装置。
【請求項2】
前記リンクアクチュエータは、前記スタンディングフレームに対して前記ハンドルフレームと共に回転可能である、請求項1に記載の装輪式運搬装置。
【請求項3】
前記リンクパーツは、ケーブル部分を備え、前記リンクアクチュエータは、前記第1の車輪取付部ラッチが前記第1の車輪取付部に係合しロックし得るように、前記リンクパーツを弛緩させるために、前記第2の位置から前記第1の位置へと前記ハンドルフレームと共に回転可能であり、前記第1の車輪取付部を係合解除しロック解除するように、前記リンクパーツを引き前記第1の車輪取付部ラッチを付勢するために、前記第1の位置から前記第2の位置へと前記ハンドルフレームと共に回転可能である、請求項2に記載の装輪式運搬装置。
【請求項4】
前記ケーブルアセンブリは、前記リンクパーツ又は前記第1の車輪取付部ラッチに連結されたケーブル部分を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項5】
前記ケーブルアセンブリは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するときに張力をかけられるか又は緩められる可撓性パーツを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項6】
前記可撓性パーツは、ケーブル部分、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、リボン、又はストリップを備える、請求項5に記載の装輪式運搬装置。
【請求項7】
前記ケーブルアセンブリは、前記操作パーツ及び前記可撓性パーツのそれぞれに連結されたケーブルをさらに備え、前記可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するときに、張力をかけられた状態になるか又は緩められるように前記ケーブルに対して可動である、請求項5又は6に記載の装輪式運搬装置。
【請求項8】
前記可撓性パーツは、前記リンクパーツに連結され、前記可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するときに、前記リンクパーツにより牽引される又は押されることによって移動して、張力をかけられた状態になるか又は緩められる、請求項5から7のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項9】
前記スタンディングフレームは、前記ハンドルフレームに回動可能に連結されたキャリアバーを備え、前記可撓性パーツは、前記キャリアバーに隣接する位置にて前記リンクパーツに連結される、請求項8に記載の装輪式運搬装置。
【請求項10】
第2の車輪を支持し、前記スタンディングフレームに回動可能に連結された第2の車輪取付部であって、前記第2の車輪は、前記第2の車輪取付部に対して第2の車輪軸を中心として回転可能であり、前記第1の車輪取付部及び前記第2の車輪取付部は、前記装輪式運搬装置の後部から前部へと延在する長手方向軸に沿って相互から離間される、第2の車輪取付部と、
前記スタンディングフレームに可動に連結された第2の車輪取付部ラッチを備える第2のロッキングアセンブリであって、前記第2の車輪取付部ラッチは、前記第2の車輪取付部に対して係合しそれにより前記スタンディングフレームに対して前記第2の車輪取付部を回転方向にロックするように構成され、前記第2の車輪取付部から係合解除しそれにより前記第2の車輪取付部をロック解除することによって、前記第2の車輪軸の配向を変更するために前記第2の車輪取付部が前記スタンディングフレームに対して回転可能となるように構成される、第2のロッキングアセンブリと
をさらに備え、
前記ケーブルアセンブリは、前記第2の車輪取付部ラッチに対して前記操作パーツをさらに結合し、前記操作パーツは、前記ハンドルフレームが前記第2の位置にある場合に、前記第2の車輪取付部ラッチを前記第2の車輪取付部から係合解除させるように操作可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項11】
前記リンクアクチュエータは、第2のリンクパーツを介して前記第2の車輪取付部ラッチに対して結合され、前記リンクアクチュエータは、前記ハンドルフレームが前記第2の位置から前記第1の位置へと回転するのに応答して、前記第1の車輪取付部ラッチを前記第1の車輪取付部に係合させ、前記第2の車輪取付部ラッチを前記第2の車輪取付部から係合解除させるように可動であり、前記リンクアクチュエータは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置から前記第2の位置へと回転するのに応答して、前記第2の車輪取付部ラッチを前記第2の車輪取付部に対して係合させ、前記第1の車輪取付部ラッチを前記第1の車輪取付部から係合解除させるように可動である、請求項10に記載の装輪式運搬装置。
【請求項12】
前記ケーブルアセンブリは、第1のリンクパーツ又は前記第1の車輪取付部ラッチに連結された第1のケーブル部分と、前記第2のリンクパーツ又は前記第2の車輪取付部ラッチに連結された第2のケーブル部分とを備える、請求項11に記載の装輪式運搬装置。
【請求項13】
前記ケーブルアセンブリは、第1の可撓性パーツ及び第2の可撓性パーツを備え、前記第1の可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置にある場合に、前記第1の車輪取付部ラッチを前記第1の車輪取付部から係合解除させるための牽引力を伝達するように構成され、前記第2の可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第2の位置にある場合に、前記第2の車輪取付部ラッチを前記第2の車輪取付部から係合解除させるための牽引力を伝達するように構成される、請求項11に記載の装輪式運搬装置。
【請求項14】
前記第1の可撓性パーツ及び前記第2の可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するときに、交互に張力をかけられるか又は緩められる、請求項13に記載の装輪式運搬装置。
【請求項15】
前記第1の可撓性パーツは、前記リンクパーツに連結され、前記第2の可撓性パーツは、前記第2のリンクパーツに連結され、前記ハンドルフレームが前記第2の位置から前記第1の位置へと回転するときに、前記第1の可撓性パーツは張力をかけられ、前記第2の可撓性パーツは緩められ、前記ハンドルフレームが前記第1の位置から前記第2の位置へと回転するときに、前記第2の可撓性パーツは張力をかけられ、前記第1の可撓性パーツは緩められる、請求項14に記載の装輪式運搬装置。
【請求項16】
幼児用ベビーカー装置として実装される、請求項1から15のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項17】
相互に対して回動可能に結合されたスタンディングフレーム及びハンドルフレームであって、前記ハンドルフレームは、勾配の異なる第1の位置と第2の位置との間で前記スタンディングフレームに対して回転可能である、スタンディングフレーム及びハンドルフレームと、
第1の車輪を支持し、前記スタンディングフレームに回動可能に連結された第1の車輪取付部であって、前記第1の車輪は、前記第1の車輪取付部に対して第1の車輪軸を中心として回転可能である、第1の車輪取付部と、
前記スタンディングフレームに可動に連結された第1の車輪取付部ラッチを備えるロッキングアセンブリであって、前記第1の車輪取付部ラッチは、前記第1の車輪取付部に対して係合しそれにより前記スタンディングフレームに対して前記第1の車輪取付部を回転方向にロックするように構成される、及び前記第1の車輪取付部から係合解除されそれにより前記第1の車輪取付部をロック解除することによって、前記第1の車輪軸の配向を変更するために前記第1の車輪取付部が前記スタンディングフレームに対して回転可能となるように構成される、ロッキングアセンブリと、
前記ハンドルフレームに可動にリンクされたリンクアクチュエータと、
前記ハンドルフレームに備えられた操作パーツと、前記第1の車輪取付部ラッチに対して前記操作パーツを結合するケーブルアセンブリとを備える解除機構であって、前記ケーブルアセンブリは、リンクパーツを介して前記リンクアクチュエータに連結された可撓性パーツを備える、解除機構と
を備え、
前記可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するときに、前記リンクパーツにより牽引される又は押されることによって移動して、張力をかけられた状態になるか又は緩められ、前記操作パーツは、前記可撓性パーツが張力をかけられ前記ハンドルフレームが前記第1の位置にある場合に、前記第1の車輪取付部ラッチを前記第1の車輪取付部から係合解除させるように操作可能である、装輪式運搬装置。
【請求項18】
前記リンクパーツは、前記第1の車輪取付部ラッチに連結され、前記リンクアクチュエータは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するのに応答して第1の方向又は第2の方向に可動となり、これにより前記第1の車輪取付部ラッチは、前記第1の車輪取付部に対して係合される又は前記第1の車輪取付部から係合解除され、前記第1の車輪取付部ラッチは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置にあり前記操作パーツが解除された場合に、前記第1の車輪取付部に対して係合される、請求項17に記載の装輪式運搬装置。
【請求項19】
前記ハンドルフレームは、前記スタンディングフレームに対して回動軸を中心として回動可能に結合され、前記リンクアクチュエータは、前記スタンディングフレームに対して前記回動軸を中心として前記ハンドルフレームと共に回転可能である、請求項17又は18に記載の装輪式運搬装置。
【請求項20】
前記可撓性パーツは、ケーブル部分、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、リボン、又はストリップを備える、請求項17から19のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項21】
前記ケーブルアセンブリは、前記操作パーツ及び前記可撓性パーツのそれぞれに連結されたケーブルをさらに備え、前記可撓性パーツは、前記ハンドルフレームが前記第1の位置と前記第2の位置との間で回転するときに、張力をかけられた状態になるか又は緩められるように前記ケーブルに対して可動である、請求項17から20のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【請求項22】
前記可撓性パーツは、張力をかけられ、前記ハンドルフレームが前記第1の位置にある場合に、前記第1の車輪取付部ラッチを前記第1の車輪取付部から係合解除させるように、前記操作パーツの作動によって発生した牽引力を伝達するように構成される、請求項21に記載の装輪式運搬装置。
【請求項23】
前記スタンディングフレームは、前記ハンドルフレームに回動可能に連結されたキャリアバーを備え、前記可撓性パーツは、前記キャリアバーに隣接する位置にて前記リンクパーツに連結される、請求項17から22のいずれか一項に記載の装輪式運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年9月11日に出願された中国特許出願第201910858955.3号及び2020年4月30日に出願された中国特許出願第202010370191.6号のそれぞれに基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、装輪式運搬装置に関する。
【背景技術】
【0003】
介護者は、乳児及び幼児を運ぶためにベビーカー装置を一般的に利用する。ほとんどのベビーカー装置は、車輪軸の配向を変更するためにベビーカーフレームに対して水平方向に自由回転し得る前輪と、水平方向に回転不能であり横方向に配向された固定車輪軸を有する後輪とを一般的に有する。その結果、かようなベビーカー装置は、スペースに限りのある環境においては方向転換することが容易でない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、より良好な操縦性を提供し得る、及び少なくとも前述の課題に対処することが可能である、改良された設計が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、水平配向において可制御的にロック及びロック解除され得るならびにより良好な操縦性をもたらし得る、車輪アセンブリを有する装輪式運搬装置について説明する。
【0006】
一実施形態によれば、装輪式運搬装置は、相互に対して回動可能に結合されたスタンディングフレーム及びハンドルフレームであって、ハンドルフレームが、勾配の異なる第1の位置と第2の位置との間でスタンディングフレームに対して回転可能である、スタンディングフレーム及びハンドルフレームと、第1の車輪を支持し、スタンディングフレームに回動可能に連結された第1の車輪取付部であって、第1の車輪が、第1の車輪取付部に対して第1の車輪軸を中心として回転可能である、第1の車輪取付部と、スタンディングフレームに可動に連結された第1の車輪取付部ラッチを備えるロッキングアセンブリであって、第1の車輪取付部ラッチが、第1の車輪取付部に対して係合しそれによりスタンディングフレームに対して第1の車輪取付部を回転方向にロックするように構成される、及び第1の車輪取付部から係合解除されそれにより第1の車輪取付部をロック解除することによって、第1の車輪取付部が第1の車輪軸の配向を変更するためにスタンディングフレームに対して回転可能となるように構成される、ロッキングアセンブリと、リンクパーツを介して第1の車輪取付部に対して結合されたリンクアクチュエータであって、リンクアクチュエータが、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するのに応答して、第1の方向又は第2の方向に可動となり、これにより第1の車輪取付部ラッチは、第1の車輪取付部に対して係合される又は第1の車輪取付部から係合解除される、リンクアクチュエータと、ハンドルフレームに備えられた操作パーツと、第1の車輪取付部ラッチに対して操作パーツを結合するケーブルアセンブリとを備える解除機構であって、操作パーツが、ハンドルフレームが第1の位置にある場合に、第1の車輪取付部ラッチを第1の車輪取付部から係合解除させるように操作可能である、解除機構とを備える。
【0007】
一実施形態によれば、リンクアクチュエータは、スタンディングフレームに対してハンドルフレームと共に回転可能である。
【0008】
一実施形態によれば、リンクパーツは、ケーブル部分を備え、リンクアクチュエータは、第1の車輪取付部ラッチが第1の車輪取付部に係合しロックし得るように、リンクパーツを弛緩させるために、第2の位置から第1の位置へとハンドルフレームと共に回転可能であり、第1の車輪取付部を係合解除しロック解除するように、リンクパーツを引き第1の車輪取付部ラッチを付勢するために、第1の位置から第2の位置へとハンドルフレームと共に回転可能である。
【0009】
一実施形態によれば、ケーブルアセンブリは、リンクパーツ又は第1の車輪取付部ラッチに連結されたケーブル部分を備える。
【0010】
一実施形態によれば、ケーブルアセンブリは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに張力をかけられるか又は緩められる可撓性パーツを備える。
【0011】
一実施形態によれば、可撓性パーツは、ケーブル部分、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、リボン、又はストリップを備える。
【0012】
一実施形態によれば、ケーブルアセンブリは、操作パーツ及び可撓性パーツのそれぞれに連結されたケーブルをさらに備え、可撓性パーツは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに、張力をかけられた状態になるか又は緩められるようにケーブルに対して可動である。
【0013】
一実施形態によれば、可撓性パーツは、リンクパーツに連結され、可撓性パーツは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに、リンクパーツにより牽引される又は押されることによって移動して、張力をかけられた状態になるか又は緩められる。
【0014】
一実施形態によれば、スタンディングフレームは、ハンドルフレームに回動可能に連結されたキャリアバーを備え、可撓性パーツは、キャリアバーに隣接する位置にてリンクパーツに連結される。
【0015】
一実施形態によれば、装輪式運搬装置は、第2の車輪を支持し、スタンディングフレームに回動可能に連結された第2の車輪取付部であって、第2の車輪が、第2の車輪取付部に対して第2の車輪軸を中心として回転可能であり、第1の車輪取付部及び第2の車輪取付部が、装輪式運搬装置の後部から前部へと延在する長手方向軸に沿って相互から離間される、第2の車輪取付部と、スタンディングフレームに可動に連結された第2の車輪取付部ラッチを備える第2のロッキングアセンブリであって、第2の車輪取付部ラッチが、第2の車輪取付部に対して係合しそれによりスタンディングフレームに対して第2の車輪取付部を回転方向にロックするように構成され、第2の車輪取付部から係合解除しそれにより第2の車輪取付部をロック解除することによって、第2の車輪軸の配向を変更するために第2の車輪取付部がスタンディングフレームに対して回転可能となるように構成される、第2のロッキングアセンブリとをさらに備え、ケーブルアセンブリは、第2の車輪取付部ラッチに対して操作パーツをさらに結合し、操作パーツは、ハンドルフレームが第2の位置にある場合に、第2の車輪取付部ラッチを第2の車輪取付部から係合解除させるように操作可能である。
【0016】
一実施形態によれば、リンクアクチュエータは、第2のリンクパーツを介して第2の車輪取付部ラッチに対して結合され、リンクアクチュエータは、ハンドルフレームが第2の位置から第1の位置へと回転するのに応答して、第1の車輪取付部ラッチを第1の車輪取付部に係合させ、第2の車輪取付部ラッチを第2の車輪取付部から係合解除させるように可動であり、リンクアクチュエータは、ハンドルフレームが第1の位置から第2の位置へと回転するのに応答して、第2の車輪取付部ラッチを第2の車輪取付部に対して係合させ、第1の車輪取付部ラッチを第1の車輪取付部から係合解除させるように可動である。
【0017】
一実施形態によれば、ケーブルアセンブリは、第1のリンクパーツ又は第1の車輪取付部ラッチに連結された第1のケーブル部分と、第2のリンクパーツ又は第2の車輪取付部ラッチに連結された第2のケーブル部分とを備える。
【0018】
一実施形態によれば、ケーブルアセンブリは、第1の可撓性パーツ及び第2の可撓性パーツを備え、第1の可撓性パーツは、ハンドルフレームが第1の位置にある場合に、第1の車輪取付部ラッチを第1の車輪取付部から係合解除させるための牽引力を伝達するように構成され、第2の可撓性パーツは、ハンドルフレームが第2の位置にある場合に、第2の車輪取付部ラッチを第2の車輪取付部から係合解除させるための牽引力を伝達するように構成される。
【0019】
一実施形態によれば、第1の可撓性パーツ及び第2の可撓性パーツは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転する場合に、交互に張力をかけられるか又は緩められる。
【0020】
一実施形態によれば、第1の可撓性パーツは、リンクパーツに連結され、第2の可撓性パーツは、第2のリンクパーツに連結され、ハンドルフレームが第2の位置から第1の位置へと回転するときに、第1の可撓性パーツは張力をかけられ、第2の可撓性パーツは緩められ、ハンドルフレームが第1の位置から第2の位置へと回転するときに、第2の可撓性パーツは張力をかけられ、第1の可撓性パーツは緩められる。
【0021】
一実施形態によれば、装輪式運搬装置は、幼児用ベビーカー装置である。
【0022】
一実施形態によれば、記載される装輪式運搬装置は、相互に対して回動可能に結合されたスタンディングフレーム及びハンドルフレームであって、ハンドルフレームが、勾配の異なる第1の位置と第2の位置との間でスタンディングフレームに対して回転可能である、スタンディングフレーム及びハンドルフレームと、第1の車輪を支持し、スタンディングフレームに回動可能に連結された第1の車輪取付部であって、第1の車輪が、第1の車輪取付部に対して第1の車輪軸を中心として回転可能である、第1の車輪取付部と、スタンディングフレームに可動に連結された第1の車輪取付部ラッチを備えるロッキングアセンブリであって、第1の車輪取付部ラッチが、第1の車輪取付部に対して係合しそれによりスタンディングフレームに対して第1の車輪取付部を回転方向にロックするように構成される、及び第1の車輪取付部から係合解除されそれにより第1の車輪取付部をロック解除することによって、第1の車輪軸の配向を変更するために第1の車輪取付部がスタンディングフレームに対して回転可能となるように構成される、ロッキングアセンブリと、ハンドルフレームに可動にリンクされたリンクアクチュエータと、ハンドルフレームに備えられた操作パーツと、第1の車輪取付部ラッチに対して操作パーツを結合するケーブルアセンブリとを備える解除機構であって、ケーブルアセンブリが、リンクパーツを介してリンクアクチュエータに連結された可撓性パーツを備える、解除機構とを備え、可撓性パーツは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに、リンクパーツにより牽引される又は押されることによって移動して、張力をかけられた状態になるか又は緩められ、操作パーツは、可撓性パーツが張力をかけられハンドルフレームが第1の位置にある場合に、第1の車輪取付部ラッチを第1の車輪取付部から係合解除させるように操作可能である。
【0023】
一実施形態によれば、リンクパーツは、第1の車輪取付部ラッチに連結され、リンクアクチュエータは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するのに応答して第1の方向又は第2の方向に可動となり、これにより第1の車輪取付部ラッチが、第1の車輪取付部に対して係合される又は第1の車輪取付部から係合解除され、第1の車輪取付部ラッチは、ハンドルフレームが第1の位置にあり操作パーツが解除された場合に、第1の車輪取付部に対して係合される。
【0024】
一実施形態によれば、ハンドルフレームは、スタンディングフレームに対して回動軸を中心として回動可能に結合され、リンクアクチュエータは、スタンディングフレームに対して回動軸を中心としてハンドルフレームと共に回転可能である。
【0025】
一実施形態によれば、可撓性パーツは、ケーブル部分、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、リボン、又はストリップを備える。
【0026】
一実施形態によれば、ケーブルアセンブリは、操作パーツ及び可撓性パーツのそれぞれに連結されたケーブルをさらに備え、可撓性パーツは、ハンドルフレームが第1の位置と第2の位置との間で回転するときに、張力をかけられた状態になるか又は緩められるようにケーブルに対して可動である。
【0027】
一実施形態によれば、可撓性パーツは、張力をかけられ、ハンドルフレームが第1の位置にある場合に、第1の車輪取付部ラッチを第1の車輪取付部から係合解除させるように、操作パーツの作動によって発生した牽引力を伝達するように構成される。
【0028】
一実施形態によれば、スタンディングフレームは、ハンドルフレームに回動可能に連結されたキャリアバーを備え、可撓性パーツは、キャリアバーに隣接する位置にてリンクパーツに連結される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】装輪式運搬装置の一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】装輪式運搬装置中に設けられた1つの車輪アセンブリを示す断面図である。
【
図3】装輪式運搬装置中に設けられた別の車輪アセンブリを示す拡大斜視図である。
【
図4】装輪式運搬装置中に設けられた作動アセンブリ及び解除機構のいくつかの構造的詳細を示す斜視図である。
【
図5】装輪式運搬装置中に設けられた作動アセンブリ及び解除機構のいくつかの構造的詳細を示す拡大図である。
【
図6】装輪式運搬装置のキャリアバー上の作動アセンブリ及び解除機構の一部分を示す斜視図である。
【
図7】装輪式運搬装置中に設けられた作動アセンブリ及び解除機構のさらなる構造的詳細を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示す解除機構の一変形例の構造を示す斜視図である。
【
図9】
図7に示す解除機構の他の変形例の構造を示す斜視図である。
【
図10】解除機構中に設けられた操作パーツのいくつかの構造的詳細を示す拡大図である。
【
図11】装輪式運搬装置中に設けられた解除機構の他の構造を示す平面図である。
【
図12】他の構成にある
図11に示す解除機構を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本願は、スタンディングフレームと、スタンディングフレームの下部に設けられた複数の車輪アセンブリとを備える、装輪式運搬装置を提供する。車輪アセンブリは、スタンディングフレームに対して水平配向において可制御的にロック及びロック解除され得るものであり、ロック解除された車輪アセンブリは、車輪軸の水平配向を変更するためにスタンディングフレームに対して回転し得る。必要に応じて、車輪アセンブリのいくつかがロックされる一方で他の車輪アセンブリがロック解除されるか、又は所望に応じてすべての車輪アセンブリが同時にロック解除され得る。したがって、この装輪式運搬装置は、使用時においてより高い自由度を有し、より良好な操縦性を有し得る。本明細書において説明される装輪式運搬装置の実施形態は、幼児用ベビーカー装置を含む。しかし、本明細書において説明される構造及び特徴を組み込み得る装輪式運搬装置としては、限定されないが、幼児用ベビーカー装置、手押し車、及びショッピングカート等が含まれ得る点が理解されよう。したがって、本明細書において説明される構造及び特徴は、車輪を有する任意のタイプの製品に対して広く該当し得るものとなり、本明細書において説明され特許請求されるような装輪式運搬装置は、以降で示す例に限定されないものと理解される。
【0031】
図1は、装輪式運搬装置100の一実施形態を示す斜視図であり、この装輪式運搬装置100は、幼児用ベビーカー装置の一例である。
図1を参照すると、装輪式運搬装置100は、相互に対して結合されたスタンディングフレーム104及びハンドルフレーム106からなるフレーム構造体102と、スタンディングフレーム104の下部に設けられた複数の車輪アセンブリ108及び110とを備え得る。
【0032】
一例の構造によれば、スタンディングフレーム104は、2つのレッグフレーム112及び114、2つの側部リンクバー116、2つの側部支持バー118、ならびに2つのキャリアバー120を備え得る。レッグフレーム112は、例えば後部レッグフレームであり、レッグフレーム114は、例えば前部レッグフレームであり得る。レッグフレーム112及び114はそれぞれ、スタンディングフレーム104の左側及び右側に対称的に配設された2つの側部セグメントをそれぞれ備えることが可能であり、例えばレッグフレーム112のための2つの側部セグメント112A及びレッグフレーム114のための2つの側部セグメント114Aをそれぞれ備えることが可能である。さらに、レッグフレーム112及び114はそれぞれ、2つの側部セグメントに固定的に連結された横方向セグメントをそれぞれ備えることが可能であり、例えばレッグフレーム112のための2つの側部セグメント112Aに固定的に連結された横方向セグメント112Bと、レッグフレーム114のための2つの側部セグメント114Aに固定的に連結された横方向セグメント114Bとをそれぞれ備えることが可能である。左右のそれぞれの側において、レッグフレーム112の側部セグメント112A及びレッグフレーム114の側部セグメント114Aは、それぞれ1つの側部リンクバー116に回動可能に結合されることが可能であり、1つの側部支持バー118は、側部セグメント112Aと114Aとの間に延在し、側部セグメント114Aに回動可能に結合されることが可能であり、これにより、レッグフレーム112及び114、側部リンクバー116、ならびに側部支持バー118は、装輪式運搬装置100を折り畳む及び広げる最中において相互に対して回転することが可能となる。
【0033】
ハンドルフレーム106は、2つのバーリンク装置122を介して左右の側にてそれぞれスタンディングフレーム104に回動可能に結合され得る。各バーリンク装置122は、バー122Aを備え得る。さらに具体的には、ハンドルフレーム106は、左右の側にて対称的に配設された2つの側部部分106Aと、2つの側部部分106Aに連結されたグリップ部分106Bとを備え得る。左右のそれぞれの側において、キャリアバー120は、側部リンクバー116に回動可能に連結された上方部分と、側部支持バー118、バーリンク装置122のバー122A、及びハンドルフレーム106の側部部分106Aのそれぞれに対して共通回動軸Rを中心として回動可能に連結された下方部分とを有し得る。バーリンク装置122のバー122Aは、レッグフレーム112の側部セグメント112A及びハンドルフレーム106の側部部分106Aのそれぞれに対して回動軸Rを中心として回動可能に連結され得る。この構造により、ハンドルフレーム106は、勾配の異なる2つの位置間で調節を行うためにスタンディングフレーム104及びバーリンク装置122に対して回動軸Rを中心として回転することが可能となり、これにより装輪式運搬装置100は、幼児が前方又は後方に向いた状態となる異なる方向へ押すことが可能となる。例えば、ハンドルフレーム106は、第1の位置(
図1に示すような)ではレッグフレーム112の側に向かって傾けられることが可能であり、第2の位置ではレッグフレーム114の側に向かって傾けられることが可能である。
【0034】
図1を参照すると、車輪アセンブリ108及び110のそれぞれが、車輪取付部を備え得る。この車輪取付部は、スタンディングフレーム104に回動可能に連結され、ほぼ水平方向に延在する車輪軸を中心として車輪取付部に対して回転可能な少なくとも1つの車輪を支持し、これにより、車輪取付部は、車輪軸の配向を変更するためにスタンディングフレーム104に対して回転可能となる。例えば、2つの車輪アセンブリ108が、レッグフレーム112の側部セグメント112Aの下方端部に設けられ、2つの車輪アセンブリ110が、レッグフレーム114の2つの側部セグメント114Aの下方端部のそれぞれに設けられることが可能である。各車輪アセンブリ108が、車輪取付部124を備え得る。この車輪取付部124は、レッグフレーム112に回動可能に連結され、ほぼ水平方向に延在する車輪軸126Aを中心として車輪取付部124に対して回転可能な少なくとも1つの車輪126を支持し、これにより、車輪取付部124は、車輪軸126Aの水平配向を変更するために回転可能となる。同様に、各車輪アセンブリ110が、車輪取付部128を備え得る。この車輪取付部128は、レッグフレーム114に回動可能に連結され、ほぼ水平方向に延在する車輪軸130Aを中心として車輪取付部128に対して回転可能な少なくとも1つの車輪130を支持し、これにより、車輪取付部128は、車輪軸130Aの水平配向を変更するために回転可能となる。車輪取付部124は、装輪式運搬装置100の後部から前部へ延在する装輪式運搬装置100の長手方向軸に沿って車輪取付部128から離間される。
【0035】
図2は、
図1との関連における1つの車輪アセンブリ108を示す断面図である。
図1及び
図2を参照すると、2つの車輪アセンブリ108は同一の構造を有し得る。各車輪アセンブリ108において、車輪取付部124は、回動車軸132を中心としてレッグフレーム112に回動可能に連結されることが可能であり、これにより車輪取付部124及びこの車輪取付部124に備えられた車輪126は、回動車軸132を中心として共に回転することが可能となる。一例の構造によれば、車輪取付部124は、回動車軸132を介してレッグフレーム112に回動可能に連結されるハウジング134を備え得る。車輪軸126Aを規定する車輪車軸136が、車輪取付部124に対して車輪126を回動可能に連結するために、ハウジング134を貫通して配設され得る。一例の構造によれば、車輪車軸136は、垂直方向摺動のためにハウジング134内部に組み付けられた摺動パーツ138を貫通して配設され、ばね140が、摺動パーツ138及びハウジング134のそれぞれに連結され得る。ばね140は、使用の最中に望ましくない衝撃エネルギーを放散するために車輪取付部124に対する車輪126の垂直方向変位に緩衝を与え得る。
【0036】
図2を参照すると、ロッキングアセンブリ142が、スタンディングフレーム104に対して車輪取付部124を回転方向にロック及びロック解除するために設けられる。ロッキングアセンブリ142は、スタンディングフレーム104に可動に連結された車輪取付部ラッチ144と、車輪取付部ラッチ144に連結されたロッキングばね146とを備え得る。一例の構造によれば、車輪取付部ラッチ144は、レッグフレーム112の側部セグメント112Aに摺動可能に連結され得る。さらに具体的には、側部セグメント112Aは、空洞部を有することが可能であり、車輪取付部ラッチ144は、側部セグメント112Aの空洞部内に摺動可能に受けられた細長形状部を有することが可能であり、これにより、車輪取付部ラッチ144は、空洞部外部に突出する又は内方へ後退するように摺動することが可能となる。ロッキングばね146は、側部セグメント112Aの空洞部内部に配設され、側部セグメント112A及び車輪取付部ラッチ144のそれぞれに連結された2つの端部を有することが可能である。ロッキングばね146は、車輪取付部124との係合のために外方に突出するように車輪取付部ラッチ144を付勢し得る。
【0037】
ロッキングアセンブリ142内において、車輪取付部ラッチ144は、下方に摺動することにより、車輪取付部124に対して係合しそれによってスタンディングフレーム104に対して車輪取付部124を回転方向にロックすることが可能であり、上方に摺動することにより、車輪取付部124から係合解除されて車輪取付部124をロック解除することによって、車輪取付部124をスタンディングフレーム104に対して回転可能にすることが可能である。ロッキングばね146は、車輪取付部ラッチ144を付勢して車輪取付部124に対して係合させるための付勢力を印加し得る。上述の同ロッキングアセンブリ142は、2つの車輪アセンブリ108のそれぞれに対して設けられ得る。
【0038】
図3は、
図1との関連における1つの車輪アセンブリ110を示す拡大斜視図である。
図1及び
図3を参照すると、車輪アセンブリ110は、先述と同一の構造を有することが可能であり、レッグフレーム114に回動可能に連結される車輪取付部128を備え得る。これにより車輪取付部128及びこの車輪取付部128に備えられた車輪130は、レッグフレーム114に対して共に回転することが可能となる。さらに、ロッキングアセンブリ148が、スタンディングフレーム104に対して車輪取付部128を回転方向にロック及びロック解除するために設けられ得る。ロッキングアセンブリ148は、車輪アセンブリ108のロッキングアセンブリ142と同様の構造を有し得る。一例の構造によれば、ロッキングアセンブリ148は、スタンディングフレーム104に可動に連結された車輪取付部ラッチ150と、車輪取付部ラッチ150に連結されたロッキングばね152とを備え得る。例えば、車輪取付部ラッチ150は、レッグフレーム114の側部セグメント114Aに摺動可能に連結されてもよく、ロッキングばね152は、側部セグメント114A及び車輪取付部ラッチ150のそれぞれに連結された2つの端部を有することが可能である。これにより、車輪取付部ラッチ150は、下方に摺動することにより、車輪取付部128に対して係合しそれによってスタンディングフレーム104に対して車輪取付部128を回転方向にロックすることが可能となり、上方に摺動することにより、車輪取付部128から係合解除され車輪取付部128をロック解除することが可能となり、それによって車輪軸130Aの水平配向を変更するために車輪取付部128はスタンディングフレーム104に対して自由に回転し得る。ロッキングばね152は、車輪取付部128に対して係合するように車輪取付部ラッチ150を付勢し得る。
【0039】
図4~
図11は、
図1~
図3との関連における装輪式運搬装置100の他の構造的詳細を示す概略図である。
図1~
図11を参照すると、装輪式運搬装置100は、作動アセンブリ220及び解除機構222をさらに備え得る。
【0040】
図1~
図5を参照すると、作動アセンブリ220は、ハンドルフレーム106ならびに車輪取付部ラッチ144及び150のそれぞれに対して結合され、車輪取付部ラッチ144及び150をハンドルフレーム106の位置に応じてロック状態とロック解除状態との間で切り替えるように解除機構222から独立して操作可能である。一例の構造によれば、作動アセンブリ220は、ハンドルフレーム106に対して結合されたリンクアクチュエータ226と、リンクアクチュエータ226に対して車輪取付部ラッチ144を結合するリンクパーツ228と、リンクアクチュエータ226に対して車輪取付部ラッチ150を結合するリンクパーツ230とを備えることが可能であり、車輪取付部ラッチ144及び150は、装輪式運搬装置100の同一側(すなわち左側又は右側)に配置された車輪アセンブリ108及び110のそれぞれに関連づけられる。
図4では、リンクパーツ228及び230は、仮想線で図示される。
【0041】
リンクアクチュエータ226は、第1の方向に移動することにより、リンクパーツ230を引き、車輪取付部ラッチ150を付勢して車輪取付部128から係合解除させ、同時にリンクパーツ228を弛緩させて、ロッキングばね146の付勢力下において車輪取付部ラッチ144を車輪取付部124に対して係合させ得る。さらに、リンクアクチュエータ226は、第1の方向とは逆の第2の方向に移動することにより、リンクパーツ228を引き、車輪取付部ラッチ144を付勢して車輪取付部124から係合解除させ、同時にリンクパーツ230を弛緩させて、ロッキングばね152の付勢力下において車輪取付部ラッチ150を車輪取付部128に対して係合させ得る。リンクアクチュエータ226は、ハンドルフレーム106がスタンディングフレーム104に対して勾配の異なる第1の位置と第2の位置との間で回転するのに応答して、第1の方向又は第2の方向に可動となるように、ハンドルフレーム106に可動にリンクされる。この実施形態では、リンクアクチュエータ226は、スタンディングフレーム104に対して回動軸Rを中心として回動可能に連結され、第1の方向及び第2の方向へとスタンディングフレーム104に対して共に回転することが可能である。一例の構造によれば、ハンドルフレーム106の側部部分106Aは、回動軸Rに沿って延在するシャフト部分170に固定的に連結されることが可能であり、リンクアクチュエータ226は、キャリアバー120に隣接して配設されることが可能であり、リンクアクチュエータ226中に設けられた穴226Aを貫通するシャフト部分170に係合することによってハンドルフレーム106に対して回転的に結合されることが可能であり、これにより、リンクアクチュエータ226及びハンドルフレーム106は、スタンディングフレーム104に対して回動軸Rを中心として共に回転し得る。リンクアクチュエータ226についての適切な構造の例としては、回転プレート及びリング等が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0042】
図1~
図5を参照すると、2つのリンクパーツ228及び230は、別個のケーブルとして提供された又は単一のケーブルから形成されたケーブル部分を備えることが可能であり、スタンディングフレーム104に沿って通され得る。適切なケーブルとしては、牽引力を伝達するために張力をかけられ得る任意の細長く可撓性を有する構造体が含まれ得、金属製のケーブル、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、及びストリップ等が含まれ得るが、これらに限定されない。一例の構造によれば、2つのリンクパーツ228及び230は、リンクアクチュエータ226に対して車輪取付部ラッチ144及び150をそれぞれ結合する2つのケーブル部分をそれぞれ備え得る。例えば、リンクパーツ228は、装着パーツ234を介してリンクアクチュエータ226に対して固定された、及び一方の端部が車輪取付部ラッチ144に対して固定された、ケーブル部分を備え得、リンクパーツ230は、装着パーツ234を介してリンクアクチュエータ226に対して固定された、及び一方の端部が車輪取付部ラッチ150に対して固定された、ケーブル部分を備え得る。リンクパーツ228は、例えば車輪取付部ラッチ144からレッグフレーム112の側部セグメント112A、側部リンクバー116、及びキャリアバー120に沿ってリンクアクチュエータ226まで延在することが可能である。リンクパーツ230は、例えば車輪取付部ラッチ150からレッグフレーム114の側部セグメント114A、側部リンクバー116、及びキャリアバー120に沿ってリンクアクチュエータ226まで延在することが可能である。リンクパーツ228及び230は、キャリアバー120に沿って相互に対して実質的に平行に延在し得る。
【0043】
一例の構造によれば、2つのリンクパーツ228及び230は、一体の単一リンクパーツを形成し得る単一のケーブルから形成されてもよく、このケーブルは、先述のようにフレーム構造体に沿って通されることが可能であり、車輪取付部ラッチ144及び車輪取付部ラッチ150に対してそれぞれ固定された第1の端部及び第2の端部と、リンクアクチュエータ226の周囲でループされ装着パーツ234を介してリンクアクチュエータ226に対して固定された中間部分とを有し得る。
【0044】
したがって、作動アセンブリ220において、リンクアクチュエータ226は、ハンドルフレーム106と共に第1の方向に回転することにより、リンクパーツ230(特に車輪取付部ラッチ144に対して固定されたリンクパーツ230の端部)を引き、それによって車輪取付部ラッチ150を付勢して車輪取付部128から係合解除させ車輪取付部128をロック解除し、同時にリンクパーツ228(特に車輪取付部ラッチ144に対して固定されたリンクパーツ228の端部)を弛緩させて、車輪取付部ラッチ144を車輪取付部124に係合させロックさせ得る。さらに、リンクアクチュエータ226は、第1の方向とは逆の第2の方向にハンドルフレーム106と共に回転することにより、リンクパーツ228(特に車輪取付部ラッチ144に対して固定されたリンクパーツ228の端部)を引き、それによって車輪取付部ラッチ144を付勢して車輪取付部124から係合解除させ車輪取付部124をロック解除し、同時にリンクパーツ230(特に車輪取付部ラッチ150に対して固定されたリンクパーツ230の端部)を弛緩させて、車輪取付部ラッチ150を車輪取付部128に係合させロックさせ得る。
【0045】
2つの車輪アセンブリ108及び110が、装輪式運搬装置100の左右のそれぞれの側に設けられるため、作動アセンブリ220は、左右の側にて対称的に配置することが可能である。
【0046】
図4~
図7を参照すると、解除機構222は、ハンドルフレーム106のグリップ部分106B上に設けられた操作パーツ224を備え得る。操作パーツ224は、ハンドルフレーム106が車輪取付部124及び128を同時にロック解除させる第1の位置及び第2の位置のいずれかにある場合に操作可能となる。これを目的として、解除機構222は、車輪取付部ラッチ144及び150に対して操作パーツ224を結合し得るケーブルアセンブリ236を備えることが可能であり、これにより操作パーツ224は、車輪取付部ラッチ144及び150が車輪取付部124及び128から同時にそれぞれ係合解除されるように、ケーブルアセンブリ236を引くように操作可能となる。
【0047】
一例の構造によれば、ケーブルアセンブリ236は、摺動パーツ238と、摺動パーツ238に連結された2つのケーブル部分240及び242と、摺動パーツ238及び操作パーツ224のそれぞれに連結されたケーブル244とを備え得る。2つのケーブル部分240及び242ならびにケーブル244は、牽引力を伝達するために張力をかけられ得る任意の細長く可撓性を有する構造体が含まれ得、金属製又はプラスチック製のケーブル、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、及びストリップ等が含まれ得るが、これらに限定されない。摺動パーツ238は、キャリアバー120に隣接して配設されることが可能であり、キャリアバー120の長手方向軸に沿って摺動し得る。2つのケーブル部分240及び242は、それぞれ摺動パーツ238に連結された2つの別個のケーブルとして提供されてもよく、又は摺動パーツ238に接触しこの摺動パーツ238にループされた単一のケーブルから形成されてもよい。ケーブル部分240は、例えばケーブル部分240の端部を車輪取付部ラッチ144に対して又はリンクアクチュエータ226と車輪取付部ラッチ144との間の位置にてリンクパーツ228に連結することにより、車輪取付部ラッチ144に対して結合され得る。ケーブル部分242は、例えばケーブル部分242の端部を車輪取付部ラッチ150に対して又はリンクアクチュエータ226と車輪取付部ラッチ150との間の位置にてリンクパーツ230に連結することにより、車輪取付部ラッチ150に対して結合され得る。
図7は、2つのケーブル部分240及び242がそれぞれ2つの留め部材246を介してリンクパーツ228及び230に対して装着され得る一構造を示す。
図8は、2つのケーブル部分240及び242が、リンクパーツ228及び230に重複して車輪取付部ラッチ144及び150のそれぞれに連結された端部をそれぞれ有し得る一変形例の構造を示し、ここでケーブル部分240及びリンクパーツ228は、相互に隣接してスリーブ248を貫通して案内され得、ケーブル部分242及びリンクパーツ230は、相互に隣接してもう1つのスリーブ248を貫通して案内され得る。
図9は、2つのケーブル部分240及び242が、リンクパーツ228及び230に重複して車輪取付部ラッチ144及び150のそれぞれに連結された端部をそれぞれ有し得る他の変形例の構造を示し、ここで2つのリンクパーツ228及び230ならびに2つのケーブル部分240及び242は、相互に分離された4つの別個のスリーブ250を貫通してそれぞれ案内され得る。ケーブル部分240及び242が車輪取付部ラッチ144及び150に連結された端部をそれぞれ有する構造では、ケーブル部分240及び242は、先述したように、リンクパーツ228及び230と同様にフレーム構造体に沿って通され得る。前述の構造により、ケーブル244に対して印加された牽引作用が、摺動パーツ238ならびにケーブル部分240及び242を付勢して移動させ、次いでこれが車輪取付部ラッチ144及び150をそれぞれ引くことによってロック解除方向へと移動され得る。
【0048】
図10は、操作パーツ224の構造的詳細を示す拡大図である。
図10を参照すると、操作パーツ224は、バレル252及びボタン254を備え得る。バレル252は、ハンドルフレーム106のグリップ部分106Bに回動可能に連結されることが可能であり、ケーブル244は、一方の端部がバレル252に対して固定され得る。ボタン254は、グリップ部分106Bに摺動可能に連結され、バレル252に回動可能に連結され得る。この構造により、ボタン254は、押されることにより、バレル252を付勢して回転させることによって、ケーブル244、摺動パーツ238、ならびにケーブル部分240及び242を引き移動させ得る。次いでこれにより、車輪取付部ラッチ144及び150がそれぞれ引かれてロック解除方向へと移動されることによって、車輪取付部124及び128が同時にロック解除され得る。
【0049】
2つの車輪アセンブリ108及び110が、装輪式運搬装置100の左右のそれぞれの側に設けられることにより、解除機構222は、左右の側にて対称的に配置され、同様に操作パーツ224に対して結合されることが可能となる。
【0050】
装輪式運搬装置100では、ハンドルフレーム106は、第1の位置においてレッグフレーム112の側に向かって傾けられ、第2の位置においてレッグフレーム114の側に向かって傾けられ得る。作動アセンブリ220のリンクアクチュエータ226は、第1の方向へとハンドルフレーム106と共に回転され得ることにより、ハンドルフレーム106が第2の位置から第1の位置へと回転するときにリンクパーツ230を引きリンクパーツ228を弛緩させて、これにより車輪取付部ラッチ150を車輪取付部128から係合解除させ車輪取付部128をロック解除させ、車輪取付部ラッチ144を車輪取付部124に係合させ車輪取付部124をロックし得る。対照的に、リンクアクチュエータ226は、第2の方向へとハンドルフレーム106と共に回転され得ることにより、ハンドルフレーム106が第1の位置から第2の位置へと回転するときにリンクパーツ228を引きリンクパーツ230を弛緩させて、これにより車輪取付部ラッチ144を車輪取付部124から係合解除させ車輪取付部124をロック解除させ、車輪取付部ラッチ150を車輪取付部128に係合させ車輪取付部128をロックし得る。
【0051】
ハンドルフレーム106が第1の位置にあり、操作パーツ224が解除されているときには、車輪取付部ラッチ144は、スタンディングフレーム104に対して車輪取付部124をロックするように車輪取付部124に係合され、車輪取付部ラッチ150は、車輪取付部128がスタンディングフレーム104に対して回転自在になるようにロック解除されるように、初期距離だけ車輪取付部128から係合解除された状態に維持される。ハンドルフレーム106が第1の位置にあるときに車輪取付部124及び128をロック解除するためには、介護者は、操作パーツ224を作動させることによりケーブルアセンブリ236を引き、リンクアクチュエータ226を動作させることなく車輪取付部ラッチ144を付勢して車輪取付部124から係合解除させ得る。また、ケーブルアセンブリ236を介して印加される牽引作用により、車輪取付部ラッチ150は、車輪取付部128からさらに離れるように移動されることが可能であり、それにより車輪取付部ラッチ150は、車輪取付部128から係合解除された状態に依然として留まる。したがって、車輪取付部124及び128は、ハンドルフレーム106が第1の位置にあるときに同時にロック解除され得る。
【0052】
ハンドルフレーム106が第2の位置にあり、操作パーツ224が解除されているときには、車輪取付部ラッチ150は、スタンディングフレーム104に対して車輪取付部128をロックするように車輪取付部128に係合され、車輪取付部ラッチ144は、車輪取付部124がスタンディングフレーム104に対して回転自在になるようにロック解除されるように、初期距離だけ車輪取付部124から係合解除された状態に維持される。ハンドルフレーム106が第2の位置にあるときに車輪取付部124及び128をロック解除するためには、介護者は、操作パーツ224を作動させることによりケーブルアセンブリ236を引き、リンクアクチュエータ226を動作させることなく車輪取付部ラッチ150を付勢して車輪取付部128から係合解除させ得る。また、ケーブルアセンブリ236を介して印加される牽引作用により、車輪取付部ラッチ144は、車輪取付部124からさらに離れるように移動されることが可能であり、それにより車輪取付部ラッチ144は、車輪取付部124から係合解除された状態に依然として留まることが可能となる。したがって、車輪取付部124及び128は、ハンドルフレーム106が第2の位置にあるときに同時にロック解除され得る。
【0053】
図11及び
図12は、
図1~
図4との関連における先述の解除機構の代替となり得る解除機構222の他の構造を示す2つの平面図である。
図1~
図4、
図11、及び
図12を参照すると、解除機構222は、操作パーツ224と、車輪取付部ラッチ144及び150に対して操作パーツ224を結合し得るケーブルアセンブリ258とを備え得る。ケーブルアセンブリ258は、先述と同様に操作パーツ224に連結されたケーブル244と、ケーブル244に連結された2つの可撓性パーツ260及び262とを備え得る。2つの可撓性パーツ260及び262は、牽引力を伝達するために張力をかけられ得る任意の可撓性を有する構造体が含まれ得、ケーブル部分、コード、ロープ、ワイヤ、ストリング、バンド、リボン及びストリップ等が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0054】
2つの可撓性パーツ260及び262は、留め部材264を介してケーブル244に連結されることが可能であり、2つの留め部材266及び268を介して作動アセンブリ220のリンクパーツ228及び230のそれぞれに連結され得る。作動アセンブリ220は、構造的に同様であり、前述のように動作することが可能である。可撓性パーツ260は、リンクアクチュエータ226と車輪取付部ラッチ144との間の位置にてリンクパーツ228に連結されることが可能であり、可撓性パーツ262は、リンクアクチュエータ226と車輪取付部ラッチ150との間の位置にてリンクパーツ230に連結されることが可能である。例えば、可撓性パーツ260及び262がリンクパーツ228及び230のそれぞれに連結される位置は、キャリアバー120に隣接することが可能である。一例の構造によれば、2つの可撓性パーツ260及び262は、2つの別個のケーブルとして提供され得る。他の例の構造によれば、2つの可撓性パーツ260及び262は、単一のケーブルから形成され得る。留め部材264と留め部材266との間の(すなわち可撓性パーツ260がケーブル244及びリンクパーツ228のそれぞれに連結される2つの位置の間の)可撓性パーツ260の長さは、留め部材264と留め部材268との間の(すなわち可撓性パーツ262がケーブル244及びリンクパーツ230のそれぞれに連結される2つの位置の間の)可撓性パーツ262の長さと実質的に同等であることが可能である。可撓性パーツ260及び262が、リンクパーツ228及び230を介してリンクアクチュエータ226に対してそれぞれ連結され得るため、リンクアクチュエータ226がハンドルフレーム106と共に回転されることにより、可撓性パーツ260及び262の相対変位が引き起こされ得る。
【0055】
ハンドルフレーム106が、勾配の異なる第1の位置と第2の位置との間でスタンディングフレーム104に対して回転されると、リンクパーツ228及び230は、リンクアクチュエータ226がハンドルフレーム106と共に回転することにより、それぞれ逆方向へと同時に移動し得る。これにより、可撓性パーツ260及び262は、牽引されて又は押されてケーブル244に対してそれぞれ移動されることによって、張力をかけられた状態になり得る又は緩められ得る。例えば、リンクパーツ228は、可撓性パーツ260を付勢してケーブル244に対して移動させることにより、ハンドルフレーム106が第2の位置から第1の位置へと回転する場合には張力をかけられた状態になり、ハンドルフレーム106が第1の位置から第2の位置へと回転する場合には緩められ得る。対照的に、リンクパーツ230は、可撓性パーツ262を付勢してケーブル244に対して移動させることにより、ハンドルフレーム106が第1の位置から第2の位置へと回転する場合には張力をかけられた状態になり、ハンドルフレーム106が第2の位置から第1の位置へと回転する場合には緩められ得る。これら2つの可撓性パーツ260及び262のうちの張力をかけられた一方は、ケーブル244からケーブル244に対して結合されたリンクパーツを介して牽引力を伝達し、それにより対応する車輪取付部ラッチをロック解除させ得る。その一方で、これら2つの可撓性パーツ260及び262のうちの緩められた一方は、ケーブル244に対して結合されたリンクパーツを介して牽引力を伝達することができない。したがって、ハンドルフレーム106が第1の位置又は第2の位置のいずれにあるかに応じて、操作パーツ224は、左右のそれぞれの側において同時に2つの車輪取付部ラッチ144及び150のうちの一方のみのロック解除を始動させるように操作可能となる。
【0056】
図11では、解除機構222のケーブルアセンブリ258は、レッグフレーム112の側に向かって傾けられたハンドルフレーム106の第1の位置に対応する構成で示される。ハンドルフレーム106が第1の位置にあり、操作パーツ224が解除されているときには、車輪取付部ラッチ144は、車輪取付部124に対して係合されることによりスタンディングフレーム104に対して車輪取付部124をロックし、車輪取付部ラッチ150は、車輪取付部128がスタンディングフレーム104に対して回転自在になるようにロック解除されるようにある距離だけ車輪取付部128から係合解除された状態に維持される。さらに、可撓性パーツ260は、張力をかけられた状態にあり、一方可撓性パーツ262は、緩んだ状態にある。
【0057】
ハンドルフレーム106が第1の位置にあるときに車輪取付部124及び128をロック解除するためには、介護者は、操作パーツ224を作動させることができ、これによりケーブル244を引っ張り移動させる牽引力が印加される。可撓性パーツ260が張力をかけられた状態にあることにより、牽引力は、ケーブル244から可撓性パーツ260を経由してリンクパーツ228へと実質的に伝達され、これによりリンクパーツ228は、車輪取付部ラッチ144を付勢して車輪取付部124から係合解除させ得る。他方において、緩んだ状態にある可撓性パーツ262は、ケーブル244からリンクパーツ230へと牽引力を伝達することは不可能であり、車輪取付部ラッチ150は、操作パーツ224の作動により影響を被らず、同一の距離だけ車輪取付部128から係合解除された位置に留まり得る。したがって、車輪取付部124及び128は、ハンドルフレーム106が第1の位置にあるときに同時にロック解除され得る。
【0058】
図12では、解除機構222のケーブルアセンブリ258は、レッグフレーム114の側に向かって傾けられたハンドルフレーム106の第2の位置に対応する構成で示される。ハンドルフレーム106が第2の位置にあり、操作パーツ224が解除されているときには、車輪取付部ラッチ150は、車輪取付部128に対して係合されることによりスタンディングフレーム104に対して車輪取付部128をロックし、車輪取付部ラッチ144は、車輪取付部124がスタンディングフレーム104に対して回転自在になるようにロック解除されるようにある距離だけ車輪取付部124から係合解除された状態に維持される。さらに、可撓性パーツ262は、張力をかけられた状態にあり、一方可撓性パーツ260は、緩んだ状態にある。
【0059】
ハンドルフレーム106が第2の位置にあるときに車輪取付部124及び128をロック解除するためには、介護者は、操作パーツ224を作動させることができ、これによりケーブル244を引っ張り移動させる牽引力が印加される。可撓性パーツ262が張力をかけられた状態にあることにより、牽引力は、ケーブル244から可撓性パーツ262を経由してリンクパーツ230へと実質的に伝達され、これによりリンクパーツ230は、車輪取付部ラッチ150を付勢して車輪取付部128から係合解除させ得る。他方において、緩んだ状態にある可撓性パーツ260は、ケーブル244からリンクパーツ228へと牽引力を伝達することは不可能であり、車輪取付部ラッチ144は、操作パーツ224の作動により影響を被らず、同一の距離だけ車輪取付部124から係合解除された位置に留まり得る。したがって、車輪取付部124及び128は、ハンドルフレーム106が第2の位置にあるときに同時にロック解除され得る。
【0060】
操作パーツ224が、左右のそれぞれの側において同時に2つの車輪取付部ラッチ144及び150のうちの一方のみのロック解除を始動させることにより、車輪取付部124及び128のすべてを同時にロック解除させるための作動は、比較的低い駆動力を必要とすることになる。したがって、操作パーツ224を作動させるために必要とされる労力が低下し、解除機構222の構成要素パーツが動作の最中に被る機械応力が低下し得る。
【0061】
本明細書において説明される装輪式運搬装置の利点は、自由度の高い態様でスタンディングフレームに対して車輪アセンブリをロック及びロック解除することが可能であることを含む。所要に応じて、車輪アセンブリのいくつかがロックされる一方で他の車輪アセンブリがロック解除されるか、又は所望に応じてすべての車輪アセンブリが同時にロック解除される。したがって、装輪式運搬装置は、使用時においてより高い自由度を有し、より良好な操縦性をもたらし得る。
【0062】
特定の実施形態の文脈において、装輪式運搬装置の実現を説明してきた。これらの実施形態は、例示として意図されたものであり非限定的なものである。多くの変更、修正、追加、及び改良が可能である。これらの及び他の変更、修正、追加、及び改良は、添付の特許請求の範囲内において定義されるような本発明の範囲内に含まれ得る。
【符号の説明】
【0063】
100 装輪式運搬装置
102 フレーム構造体
104 スタンディングフレーム
106 ハンドルフレーム
106A 側部部分
106B グリップ部分
108 車輪アセンブリ
110 車輪アセンブリ
112 レッグフレーム
112A 側部セグメント
112B 横方向セグメント
114 レッグフレーム
114A 側部セグメント
114B 横方向セグメント
116 側部リンクバー
118 側部支持バー
120 キャリアバー
122 バーリンク装置
122A バー
124 車輪取付部
126 車輪
126A 車輪軸
128 車輪取付部
130 車輪
130A 車輪軸
132 回動車軸
134 ハウジング
136 車輪車軸
138 摺動パーツ
140 ばね
142 ロッキングアセンブリ
144 車輪取付部ラッチ
146 ロッキングばね
148 ロッキングアセンブリ
150 車輪取付部ラッチ
152 ロッキングばね
170 シャフト部分
220 作動アセンブリ
222 解除機構
224 操作パーツ
226 リンクアクチュエータ
226A 穴
228 リンクパーツ
230 リンクパーツ
234 装着パーツ
236 ケーブルアセンブリ
238 摺動パーツ
240 ケーブル部分
242 ケーブル部分
244 ケーブル
246 留め部材
248 スリーブ
250 スリーブ
252 バレル
254 ボタン
258 ケーブルアセンブリ
260 可撓性パーツ
262 可撓性パーツ
264 留め部材
266 留め部材
268 留め部材
R 回動軸