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特許7245403建物における行動予知システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】建物における行動予知システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20230316BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230316BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20230316BHJP
【FI】
G06N20/00 130
F24F11/46
F24F11/64
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018169914
(22)【出願日】2018-09-11
(65)【公開番号】P2020042584
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】502305722
【氏名又は名称】伊藤 庸一郎
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 庸一郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 太輔
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-232903(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0225585(US,A1)
【文献】特開2017-036976(JP,A)
【文献】特開2014-021924(JP,A)
【文献】佐々木 渉 ほか,「スマートホームデータの時系列分析に基づく宅内行動生起タイミングの予測」,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム論文集 情報処理学会シンポジウムシリーズ [CD-ROM],一般社団法人情報処理学会,2018年07月,第2018巻, 第1号,pp.1220-1226
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00-99/00
F24F 11/00-11/89
G06Q 10/04
G06Q 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定時間ごとおよび建物のエリアごとに計測された電力データのうち、同一の前記エリアの第1の時間の電力データと第2の時間の電力データを比較して前記第2の時間の使用電力が前記第1の時間の使用電力よりも増加しているか、あるいは減少しているかを判定することに基づいて、前記第2の時間での前記エリアのそれぞれにおける人の在/不在状況を判定する手段であって、前記第1の時間は、前記第2の時間よりも過去の時間を示す、手段と、
前記判定された人の在/不在状況の事例を学習する手段と、
前記学習された事例に基づいて、前記建物のそれぞれのエリアにおける所定時間経過後の人の在/不在状況を予知する手段と、
を備えた、システム。
【請求項2】
前記予知する手段は、天気、気温、曜日、時間の1つまたは複数と同様の条件を満たす過去の事例に基づいて、前記建物における所定時間経過後の人の在/不在状況を予知する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
エキスパートシステムを備えたデバイスであって、
一定時間ごとおよび建物のエリアごとに計測された電力データを受信し、
同一の前記エリアの第1の時間の電力データと第2の時間の電力データを比較して前記第2の時間の使用電力が前記第1の時間の使用電力よりも増加しているか、あるいは減少しているかを判定し、
前記電力データを比較した判定結果に基づいて、前記第2の時間での前記エリアのそれぞれにおける人の在/不在状況を判定し、前記第1の時間は、前記第2の時間よりも過去の時間を示し、
前記判定された人の在/不在状況の事例を学習し、
前記学習された事例に基づいて、前記建物のそれぞれのエリアにおける所定時間経過後の人の在/不在状況を予知する、デバイス。
【請求項4】
前記デバイスはさらに、天気、気温、曜日、時間の1つまたは複数と同様の条件を満たす過去の事例に基づいて、前記建物における所定時間経過後の人の在/不在状況を予知する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
コンピュータにより実施される方法であって、
一定時間ごとおよび建物のエリアごとに計測された電力データのうち、同一の前記エリアの第1の時間の電力データと第2の時間の電力データを比較して前記第2の時間の使用電力が前記第1の時間の使用電力よりも増加しているか、あるいは減少しているかを判定することに基づいて、前記第2の時間での前記エリアのそれぞれにおける人の在/不在状況を判定することであって、前記第1の時間は、前記第2の時間よりも過去の時間を示す、ことと、
前記判定された人の在/不在状況の事例を学習することと、
前記学習された事例に基づいて、前記建物のそれぞれのエリアにおける所定時間経過後の人の在/不在状況を予知することと、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物における行動予知システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内の人の移動および在室状況については、画像解析または人感センサ等により把握が可能であった。
【0003】
例えば、特許文献1には、宅内に配置されている複数の人感センサにより、人が在室しているかどうかを検知する技術が開示されている。また、特許文献1には、空気調和制御装置10を身に付けているユーザが移動する方向を求めて、移動しようとしている部屋の候補を推定する技術が開示されている。さらに、特許文献1には、過去の行動パターンを保存し、ユーザの移動先を推定する際に参照することで、同じ時間帯での居場所の確率に基づいて推定精度を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-114014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、人が在室しているかどうかを検知するために、宅内に人感センサを複数配置する必要がある。特許文献1に記載された発明はまた、ユーザの過去の行動パターンを保存してユーザの移動先を推定するために、ユーザが空気調和制御装置10を常時身に付ける必要がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、建物内にセンサを設置することなく、および人が何らかのデバイスを身に付けること、または携帯することなく、建物における人の行動予知を行う建物における行動予知システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である、建物における行動予知システムは、一定時間ごとおよびエリアごとに計測された電力データに基づいて、人の在/不在状況を判定する手段と、判定された人の在/不在状況の事例を学習する手段と、学習された事例に基づいて、建物における所定時間経過後の人の行動を予知する手段をさらに備える。さらに、予知する手段は、天気、気温、曜日、時間の1つまたは複数と同様の条件を満たす過去の事例に基づいて、建物における所定時間経過後の人の行動を予知する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建物内にセンサを設置することなく、および人が何らかのデバイスを身に付けること、または携帯することなく、建物における人の行動予知が可能となる。また、人が意識することなく、安定的かつ継続的にデータの取得が可能となる。さらに、行動予知に基づいて、所定時間経過後の人の行動に則した建物内の設備の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る室内環境制御システムの全体の構成を例示する図である。
図2】本発明の実施形態に係る行動予知の処理フローを例示する図である。
図3】本発明の実施形態に係る電力データを例示する図である。
図4】本発明の実施形態に係る人の在/不在状況を判定した事例データを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。複数の図面において同一の符号は同一の要素を表し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る室内環境制御システムの全体の構成を例示する図である。図1は、概略的に、建物100、分電盤101、室内環境制御部102、デバイス110、エキスパートシステム111、Webサーバ120、ネットワーク130およびネットワーク140が例示される。建物100とデバイス110はネットワーク130を介して接続されており、デバイス110とWebサーバ120はネットワーク140を介して接続されている。
【0012】
建物100は、例えば、一戸建ての住宅、マンション等の集合住宅の専有部分、オフィスビルの専有部分等とすることができ、複数の部屋を備える。各部屋は1つまたは複数のコンセントを備え、分電盤101から電力の供給を受けることができる。各部屋の電気機器はコンセントに接続され、供給された電力により動作する。電気機器は、例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、照明器具、エアコン、PC等とすることができる。
【0013】
分電盤101は、建物100内の各部屋に電力を供給することができる周知の分電盤に、以下の機能が備えられている。分電盤101は、一定時間ごと(例えば、1時間ごと)、および部屋または分岐別電力によって規定される廊下、洗面所等の空間(以下、総称して「エリア」という。)ごとに使用電力、電力ピーク値を計測することができる。分電盤101はまた、計測したエリア、使用電力、電力ピークに計測日時の情報を含めた測定データをテキストデータとしてCSV(comma-separated values)ファイル等のデータファイルを作成することができる。分電盤101はまた、ネットワークインタフェースを備え、ネットワーク130を介して、作成されたCSVファイル等のデータファイルをデバイス110に送信することができる。使用電力等の計測器、データファイルの作成およびネットワークインタフェースは、分電盤101と接続可能なように構成された外部の機器としてもよい。
【0014】
室内環境制御部102は、外部から制御可能なエアコン、湿度調整機、空気清浄機等とすることができる。室内環境制御部102は、建物内の室温、湿度等の室内環境情報をエリアごとに取得してもよい。取得された室内環境情報は、ネットワーク130を介して、デバイス110に送信される。室内環境制御部102はまた、デバイス110により作成された室内環境の制御情報に基づいて、温度、湿度等の室内環境を制御することができる。室内環境の制御情報は、例えば、所定の時間経過後に人が寝室に在室するという行動予知がなされた場合、所定の時間経過後の寝室の室温を調整するように室内環境制御部102を制御する内容としてもよい。
【0015】
デバイス110は、分電盤101とネットワーク130を介して通信できる装置であり、例えば、PC、タブレット、スマートフォン等とすることができる。デバイス110には、過去の使用電力、電力ピーク値等に基づいて、所定の時間経過後の人の行動予知ができるエキスパートシステム111(例えば、株式会社ソラ・ユニバーサルアーカイブス製 商品名「SORA Thinkeye」)が組み込まれている。
【0016】
エキスパートシステム111は、一定時間ごとの使用電力、電力ピーク値に基づいて、建物における人の在/不在状況を判定し、在/不在状況について事例集積し、事例学習を自動で行い、使用電力の増減と人の行動との相関関係を求めることができる。在/不在状況の判定は、エリアごとにある時点の使用電力と所定の時間後の使用電力を比較して、使用電力の増減を確認することにより行われる。在/不在状況の判定は、例えば寝室のある時点の使用電力よりも寝室の所定の時間経過後の使用電力が増加していた場合、寝室に人が移動した(在室の状態になった)と判定することができる。在/不在状況の判定はまた、リビングの現在の使用電力よりもリビングの所定の時間経過後の使用電力が減少していた場合、リビングから人が移動した(不在の状態になった)と判定することができる。使用電力の比較は所定の閾値を使用してもよく、使用電力の増減が所定の閾値内である場合、人の在/不在状況は変わらないと判定してもよい。エキスパートシステム111は、エリアごとの使用電力の増減の順序に着目することで、人が移動した部屋および行動パターンを把握することができる。エキスパートシステム111はさらに、複数のエリアの使用電力に着目することで、複数の人の行動パターンを把握することができる。
【0017】
エキスパートシステム111は、使用電力の増減に基づく在/不在状況の多量の事例(例えば、1万時間分、2万時間分等)を集積して事例学習することができる。エキスパートシステム111は、例えば、所定の時間経過後にリビング等の特定のエリアにおける使用電力が減少すると判定された在/不在状況の事例を学習することができる。エキスパートシステム111はまた、例えば、所定の時間にリビングの使用電力が減少する一方で寝室の使用電力が増加する等の複数エリアにおける使用電力の相関を含めて、判定された在/不在状況の事例を学習することができる。エキスパートシステム111は、気温、天気、湿度等の外部環境情報、および/または曜日、時間等の情報と関連付けて事例の学習を行うことができる。
【0018】
エキスパートシステム111はさらに、過去の事例と同様の条件が満たされた場合、所定の時間経過後にどの部屋に人が在室するかの行動予知を行うことができる。行動予知は、例えば過去の2万時間分の事例のうち、現在と同じ曜日、時間等の条件を満たす事例に基づいて、所定の時間経過後には人がリビングに在室する等の行動予知が可能となる。行動予知の条件はさらに、気温、天気、湿度等の外部環境情報を組み合わせてもよい。
【0019】
エキスパートシステム111はまた、建物における所定の時間後の行動予知に基づいて、環境の変化に対応させた室内環境の制御情報を作成することができる。例えば、所定の時間経過後には人が寝室に在室するという行動予知が行われた場合、所定の時間経過後の寝室の室温、湿度等を調整するための室内環境の制御情報を作成することができる。室内環境の制御情報は、Webサーバ120から受信した天気、気温、湿度等の外部環境情報に基づいて制御範囲が調整されてもよい。エキスパートシステム111は、建物100に室内環境の制御情報を送信し、室内環境制御部102により、室温、湿度等の調整を行わせることができる。このようにすることで、適切なタイミングで快適な居住環境を提供することができる。
【0020】
Webサーバ120は、民間の気象予報会社等のサーバとすることができ、ネットワーク140を介して、天気、気温、湿度等の外部環境情報をデバイス110に送信することができる。
【0021】
ネットワーク130は、建物100とデバイス110との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。ネットワーク140は、デバイス110とWebサーバ120との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る行動予知の処理フローを例示する図である。以下、建物100の分電盤101がエリアごとに使用電力等の情報を取得する場合について説明する。
【0023】
ステップS201において、分電盤101は、一定時間ごと(例えば、1時間ごと)、およびエリアごとに使用電力、電力ピーク値を計測し、計測日時の情報を含めたCSVファイル等のテキストデータを作成する。分電盤101は、ネットワーク130を介して、作成されたCSVファイル等のテキストデータをデバイス110に送信する。
【0024】
ステップS202において、デバイス110は、ネットワーク140を介して、Webサーバ120から外部環境情報を受信する。外部環境情報は、民間の気象予報会社が提供している天気、気温、湿度等の情報とすることができる。
【0025】
ステップS203において、デバイス110のエキスパートシステム111は、エリアごとに在/不在状況を判定する。在/不在状況の判定は、エリアごとにある時点の使用電力と所定の時間後の使用電力を比較して、使用電力の増減を確認することにより行われる。在/不在状況の判定は、例えば寝室のある時点の使用電力よりも寝室の所定の時間経過後の使用電力が増加していた場合、寝室に人が移動した(在室の状態になった)と判定することができる。在/不在状況の判定はまた、リビングの現在の使用電力よりもリビングの所定の時間経過後の使用電力が減少していた場合、リビングから人が移動した(不在の状態になった)と判定することができる。使用電力の比較は所定の閾値を使用してもよく、使用電力の増減が所定の閾値内である場合、人の在/不在状況は変わらないと判定してもよい。
【0026】
ステップS204において、デバイス110のエキスパートシステム111は、使用電力の増減に基づく在/不在状況の多量の事例(例えば、1万時間分、2万時間分等)を集積して事例学習を行う。エキスパートシステム111は、例えば、所定の時間にリビングの使用電力が減少する一方で寝室の使用電力が増加する等により判定された在/不在状況の事例を学習することができる。エキスパートシステム111は、気温、天気、湿度等の外部環境情報、および/または曜日、時間等の情報と関連付けて事例の学習を行ってもよい。
【0027】
ステップS205において、デバイス110のエキスパートシステム111は、過去の事例と同様の条件が満たされた場合、所定の時間経過後にどの部屋に人が在室するかの行動予知を行うことができる。行動予知は、例えば過去の2万時間分の事例のうち、現在と同じ曜日、時間等の条件を満たす事例に基づいて、所定の時間経過後には人がリビングに在室する等の行動予知が可能となる。行動予知の条件はさらに、気温、天気、湿度等の外部環境情報を組み合わせてもよい。
【0028】
このようにすることで、建物内にセンサを設置することなく、および人が何らかのデバイスを身に付けることなく、建物における人の行動予知が可能となる。
【0029】
別の実施形態において、デバイス110のエキスパートシステム111は、所定の時間経過後に人が在室していると行動予知されたエリアの室内環境を制御してもよい。例えば、現在は寝室に在室していないが、所定の時間経過後には在室していると行動予知された場合、建物100の室内環境制御部102によって寝室の所定の時間経過後の室温、湿度を制御してもよい。このようにすることで、室温の急激な変化等を防止し、快適な居住空間を提供することが可能となる。すなわち、行動予知に基づいて、人の将来の行動に則した建物内の設備の制御を行うことができる。
【0030】
また、別の実施形態において、建物100の室内環境制御部102により取得された室内環境情報に基づいて事例集積および事例学習を行ってもよい。このようにすることで、在室する人の好みに応じた室内環境(例えば、空調の設定温度および湿度等)を把握することができるため、在室する人に応じて室内環境を制御することができる。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る電力データを例示する図である。図3は、デバイス110が分電盤101から受信したCSVファイルに、Webサーバ120から受信した外部環境情報等を追加したデータを例示している。CSVファイルは、データ項目として計測時、気温、天気、使用電力(総合)、エリア別の使用電力、電力ピーク値等を例示し、各データの値の一部を例示しているが、これら以外のデータ項目を含むことも可能である。図3のデータの値は、例えば16時に計測したリビングの使用電力が0.07(kWh)であり、18時に計測したリビングの使用電力が0.11(kWh)であることを示している。
【0032】
図4は、本発明の実施形態に係る人の在/不在状況を判定した事例データを例示する図である。図4は、図3のCSVファイルに基づいて、エリアごとに所定の時間経過後の電力データを比較した結果を例示している。図4において、所定の時間は2時間として例示するがこれに限られない。比較結果は例えば、図3において16時に計測したリビングの使用電力が0.07(kWh)であり、18時に計測したリビングの使用電力が0.11(kWh)であったため、図4において16時の行かつリビングの列が「増」となる。したがって、リビングにおいて、16時には人が不在の状態であったが、2時間後の18時には人が在室の状態になると判定することができる。比較結果は同様に、図3において18時に計測したダイニングの使用電力が0.06(kWh)であり、20時に計測したダイニングの使用電力が0.02(kWh)であったため、図4において18時の行かつダイニングの列が「減」となる。したがって、ダイニングにおいて、18時には人が在室の状態であったが、2時間後の20時には人が移動した(不在の状態になった)と判定することができる。比較結果は同様に、図3において16時に計測した寝室の使用電力が0.03(kWh)であり、18時に計測した寝室の使用電力が0.03(kWh)であったため、図4において16時の行かつ寝室の列が「変わらず」となる。したがって、寝室において16時の人の在/不在状況と2時間後の在/不在状況は変化がないと判定することができる。
【0033】
説明のため各処理を分けて記載したが、各処理を統合、連携させ、それぞれが有する処理の一部または全部を他の処理が行うように実装されてもよい。
【0034】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解することができる。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
100 建物
101 分電盤
102 室内環境制御部
110 デバイス
111 エキスパートシステム
120 Webサーバ
130、140 ネットワーク
図1
図2
図3
図4