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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20230316BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021210099
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2018084627の分割
【原出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2022050470
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】飯田 泰行
(72)【発明者】
【氏名】金子 文吉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正雄
(72)【発明者】
【氏名】古澤 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】鶴丸 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 達也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 航
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-065137(JP,A)
【文献】特開2004-268638(JP,A)
【文献】特開2000-131583(JP,A)
【文献】特開2010-282108(JP,A)
【文献】特開2003-215433(JP,A)
【文献】特開平05-333362(JP,A)
【文献】特開平11-030764(JP,A)
【文献】特開2017-219799(JP,A)
【文献】特開平08-194150(JP,A)
【文献】特開平09-073071(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0088331(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107428250(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示光を形成する表示パネルと、前記表示光を透過するホットミラーと、を有し、表示光を出射する表示装置を備え、
前記表示装置は、前記表示パネルを露出し上縁及び下縁を有する周縁部と、前記周縁部に設けられ前記ホットミラーを支持する支持枠と、前記支持枠に設けられ前記ホットミラーと点接触する少なくとも3つの支持突起と、を有し、
前記支持枠は、前記上縁を前記下縁側に向って凸となる円弧状に形成する円弧部を有し、
少なくとも1つの前記支持突起は、前記円弧部に設けられることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
【請求項2】
前記ホットミラーは、前記表示パネルの前面側に配置されたホットミラーである
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項3】
前記周縁部及び前記支持枠及び前記支持突起は、
前記ホットミラーを前記ホットミラーの背面側で前記表示パネルと前記ホットミラーとを緩衝しつつ支持するパッキンに形成される
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項4】
前記円弧部に設けられる前記支持突起は、前記上縁の幅方向において最も前記下縁側に向って凸となる箇所に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項5】
前記ホットミラー及び前記パッキンと共に前記表示パネルを収容し、前記ホットミラーを露出するホルダ側開口を有するホルダをさらに備え、
前記ホルダ側開口は、前記周縁部と略同一形状を有することを特徴とする請求項3記載のヘッドアップディスプレイ。
【請求項6】
前記周縁部は、前記表示パネルの表示領域と略同一形状を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のヘッドアップディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載されるヘッドアップディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイは、表示画像を表示するための表示装置を有している。この表示装置は、例えば、表示パネル、及び表示パネル側へ照射する外光の一部を吸収するホットミラーを有している。ホットミラーは、表示パネルとの接触を緩衝するため、パッキンを介して表示パネルの前方に配置されている。パッキンには、表示パネルを露出させる開口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-174855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘッドアップディスプレイに対して、大きな表示画像を表示することが求められた場合、表示パネルの表示領域を大きくすることが考えられる。表示領域を大きくした場合、パッキンの開口も表示領域に合わせて大きくする必要がある。これに伴い、パッキンにおけるホットミラーを保持する領域が小さくなってしまい、ホットミラーを確実に保持することが困難になってしまう。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、大きな表示領域を確保しつつ、ホットミラーを確実に保持することができるヘッドアップディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るヘッドアップディスプレイは、上述した課題を解決するために、表示光を形成する表示パネルと、前記表示光を透過するホットミラーと、を有し、表示光を出射する表示装置を備え、前記表示装置は、前記表示パネルを露出し上縁及び下縁を有する周縁部と、前記周縁部に設けられ前記ホットミラーを支持する支持枠と、前記支持枠に設けられ前記ホットミラーと点接触する少なくとも3つの支持突起と、を有し、前記支持枠は、前記上縁を前記下縁側に向って凸となる円弧状に形成する円弧部を有し、少なくとも1つの前記支持突起は、前記円弧部に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るヘッドアップディスプレイにおいては、大きな表示領域を確保しつつ、ホットミラーを確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るヘッドアップディスプレイの実施形態を示す概略図。
図2】ヘッドアップディスプレイの断面図。
図3】表示パネルユニットを説明する分解斜視図。
図4】表示パネルユニットの正面図。
図5】(a)は図4のV-V線に沿う断面図、(b)は図5(a)のホルダ側支持突起及びパッキン側支持突起周辺の拡大図。
図6図4のVI-VI線に沿う断面図。
図7】ホルダを背面側から見た構成図。
図8】ホットミラーパッキンを前面側から見た構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るヘッドアップディスプレイの実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明に係るヘッドアップディスプレイは、例えば自動車やオートバイなどの車両や、船舶などに搭載される。本実施形態においては、本発明に係るヘッドアップディスプレイが自動車に搭載される例を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明に係るヘッドアップディスプレイの実施形態を示す概略図である。
図2は、ヘッドアップディスプレイ1の断面図である。
【0011】
ヘッドアップディスプレイ1(HUD1)は、車両10のインストルメントパネル11内部に配置されている。HUD1は、表示光Lを投影部材である車両10のフロントガラス13で車両10の運転者(視認者)14の方向に反射させ、虚像Vを表示する。すなわち、HUD1は、表示装置20から発せられる表示光Lをフロントガラス13に出射する。HUD1は、この出射によって得られた表示像(虚像)Vを運転者14に視認させる。これにより、運転者14は、風景と重畳された虚像Vを観察することができる。
【0012】
図2に示すように、HUD1は、表示光Lを発する表示装置20と、平面鏡30と、凹面鏡40と、ケース50と、から主に構成されている。
【0013】
表示装置20は、光源21と、表示パネル22と、ホットミラー23と、を主に有している。光源21は、配線基板24に実装された発光ダイオードである。表示パネル22は、TFT型の液晶表示素子である。表示パネル22は、光源21からの照明光を透過して表示光L(表示画像)を形成するように、光源21の前方側(図示真上)に配置されている。すなわち、光源21は、表示パネル22の背面側(図示直下)に配置され、表示パネル22は、光源21から発せられる光により、所定の情報(例えば車両10の速度やエンジン回転数)を表示する。ホットミラー23は、表示パネル22に表示された表示光Lを透過し、かつ赤外線を反射(及び吸収)する。ホットミラー23は、表示パネル22の前面側に配置されている。
【0014】
表示装置20は、表示光Lの出射側の面が平面鏡30に対向し、表示光Lの光軸が平面鏡30に交わるような位置や向きによって固定され保持されている。
【0015】
平面鏡30は、例えば合成樹脂材料からなる基材と、蒸着等により基材の表面に形成された反射膜と、を有している。平面鏡30は、表示装置20から出力された表示光Lを凹面鏡40に向けて反射させる。
【0016】
凹面鏡40は、例えば合成樹脂材料からなる基材と、蒸着等により基材の表面に形成された反射膜と、を有している。凹面鏡40は、平面鏡30で反射した表示光Lをフロントガラス13に向けて反射する。凹面鏡40は、拡大鏡としての機能を有し、表示光Lに係る表示画像を拡大してフロントガラス13へ反射する。これにより、運転者14は、表示画像が拡大された虚像Vを視認する。
【0017】
ケース50は、例えば黒色の遮光性合成樹脂材料からなり、略箱型形状に形成されている。ケース50は、空間部51と、開口窓部52と、この開口窓部52に配置される透光性カバー53と、を有している。空間部51は、ケース50の内部空間であり、表示装置20、平面鏡30、及び凹面鏡40を保持して収容する。開口窓部52は、凹面鏡40における凹面鏡40の配置位置の上部(フロントガラス13側)に設けられた開口である。透光性カバー53は、アクリル樹脂等の透光性の合成樹脂材料からなり、湾曲形状(曲面形状)に形成されている。
【0018】
次に、表示装置20の表示パネル22及びホットミラー23の支持構造について詳細に説明する。
【0019】
図3は、表示パネルユニット60を説明する分解斜視図である。
図4は表示パネルユニット60の正面図である。
図5(a)は図4のV-V線に沿う断面図、(b)は図5(a)のホルダ側支持突起75a及びパッキン側支持突起95a周辺の拡大図である。
図6は、図4のVI-VI線に沿う断面図である。
図7は、ホルダ70を背面側から見た構成図である。
図8は、ホットミラーパッキン90を前面側から見た構成図である。
【0020】
以下の説明において、「前面側」は図3における左側、図4における手前側を意味する。「背面側」は、図3における右側、図4における奥側を意味する。また、「上」は、図3及び図4における上方を意味する。「下」は、図3及び図4における下方を意味する。
【0021】
表示パネルユニット60は、表示パネル22と、ホットミラー23と、ホルダ70と、カバー78と、ホットミラーパッキン90と、拡散板80と、を有している。表示パネルユニット60は、ホルダ70及びカバー78により形成される空間に、表示パネル22、ホットミラー23、及び拡散板80を一体に収容した構成部品(ユニット)である。表示パネルユニット60は、ホットミラー23、表示パネル22、及び拡散板80の順に、これら部品を前面側から背面側に向う方向(ホルダ70からカバー78に向う方向)に収容している。
【0022】
ホルダ70は、例えば黒色の遮光性合成樹脂材料からなり、ホットミラー23及びホットミラーパッキン90と共に表示パネル22を支持する。ホルダ70は、ホルダ側開口71と、L字リブ74と、ホルダ側支持突起75a、75b、75cと、を有している。
【0023】
ホルダ側開口71は、周縁部72により形成されており、ホットミラー23を露出する。この周縁部72は、上縁72aと、下縁72bと、を有している。ホルダ側開口71(の形状)は、後述するパッキン側開口91と略同一形状を有している。すなわち、ホルダ70は、上縁72aを下縁72b側に向って凸となる円弧状に形成する円弧部73を有している。ホルダ70は、ホルダ側開口71の開口面積が、表示光Lの進行方向(ホルダ70の背面から前面の方向)に沿って徐々に大きくなるテーパー状になるように、ホルダ側開口71を形成している。ホルダ側開口71は、パッキン側開口91と略同一形状であるため、ホットミラー23を確実に覆い、不用意に露出させることがない。このため、ホルダ70は、ホットミラー23の端面23aを運転者14に視認させてしまうことを防止することができる。
【0024】
L字リブ74は、ホルダ70の背面であって、ホットミラー23の四隅が配置される箇所に設けられている。L字リブ74は、表示光Lと直交する面内においてホットミラー23を支持する。
【0025】
ホルダ側支持突起75a、75b、75c(区別しない場合は、単にホルダ側支持突起75という。)は、ホルダ70の背面であって、L字リブ74の内側に設けられている。ホルダ側支持突起75は、表示光Lの進行方向にホットミラー23を支持するため、ホットミラー23と接触(点接触)する突起である。ホルダ側支持突起75aは、上縁72a側の円弧部73であって、上縁72aの幅方向において、最も下縁72b側に向って凸となる箇所76aに設けられている。ホルダ側支持突起75b、75cは、下縁72b側であって、下縁72bの幅方向において、両端76b、76c(L字リブ74)に近い位置にそれぞれ設けられている。
【0026】
カバー78は、ホルダ70の背面側からホルダ70に嵌め合わされ固定されることにより、ホルダ70内にホットミラー23、ホットミラーパッキン90、表示パネル22、及び拡散板80を固定し、保持する。カバー78は、例えば、黒色の遮光性合成樹脂材料からなる。カバー78は、光源21の光の光路となる、略四角形のカバー側開口79を有している。
【0027】
ホットミラーパッキン90は、ホットミラー23の背面側で、表示パネル22とホットミラー23との接触を緩衝しつつ、ホットミラー23を支持している。ホットミラーパッキン90は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなる、黒色の部材である。ホットミラーパッキン90は、パッキン側開口91と、支持枠94と、3つのパッキン側支持突起95a、95b、95cと、を有している。
【0028】
パッキン側開口91は、周縁部92により形成されており、表示パネル22を露出する。パッキン側開口91は、表示パネル22の表示領域25(図4)と略同一形状を有する。周縁部92は、上縁92aと、下縁92bと、を有している。パッキン側開口91は、表示パネル22の端面22aが外光を反射して、この反射光が運転者14に視認されてしまうことを低減するよう、表示パネル22の表示領域25より外側が確実に覆われることにより端面22aを覆うように形成されている。
【0029】
支持枠94は、パッキン側開口91の周縁部92に設けられており、ホットミラー23を支持する部分である。具体的には、支持枠94は、ホルダ70のL字リブ74により表示光Lと直交する面内において支持されたホットミラー23を、ホットミラー23の背面側から挟み込むことにより支持する。支持枠94は、上縁92aを下縁92b側に向って凸となる円弧状に形成する円弧部93を有している。
【0030】
パッキン側支持突起95a、95b、95c(区別しない場合は、単にパッキン側支持突起95という。)は、支持枠94に設けられており、表示光Lの進行方向にホットミラー23を支持するため、ホットミラー23と接触(点接触)する突起である。パッキン側支持突起95aは、上縁92a側の円弧部93であって、上縁92aの幅方向において、最も下縁92b側に向って凸となる箇所96aに設けられている。パッキン側支持突起95b、95cは、下縁92b側であって、下縁92bの幅方向において、両端96b、96cに近い位置にそれぞれ設けられている。パッキン側支持突起95aが上縁92a側の支持枠94において最も枠幅が広い位置に設けられることで、製造性を向上させることができる。また、パッキン側支持突起95aが上縁92aの幅方向中心に設けられることで、パッキン側支持突起95b、95cと共にバランスよくホットミラー23が支持される。
【0031】
ホルダ側支持突起75及びパッキン側支持突起95は、それぞれホットミラー23を介して対向する位置に設けられ、ホットミラー23を挟み込むことにより支持している。例えば、図5(b)に示すように、ホルダ側支持突起75a及びパッキン側支持突起95aはホットミラー23を介して対向する位置で、ホットミラー23を挟み込むことにより支持している。ホルダ側支持突起75及びパッキン側支持突起95は、表示光Lの進行方向にホットミラー23を支持するため、少なくとも3つ設けられていればよい。また、少なくとも1つのホルダ側支持突起75(ホルダ側支持突起75a)及びパッキン側支持突起95(パッキン側支持突起95a)が、円弧部73、93に設けられていればよい。
【0032】
拡散板80は、例えば、拡散材料が含有された透明又は半透明の透光(透過)性のポリカーボネート樹脂からなり、半透明の乳白色である。拡散板80は、光源21の光を拡散し透過させる。
【0033】
このような表示パネルユニット60を有するHUD1は、HUD1の装置全体の寸法や、表示パネルユニット60と他の構成部品との配置との関係で、表示パネルユニット60(表示パネル22)の外形を大きくすることなく表示パネル22の表示領域25を大きくするよう、要求される場合がある。表示領域25を大きくするためには、表示パネル22の表示光Lを通過させるパッキン側開口91を大きくすることも求められる。しかし、表示パネルユニット60の外形を大きくすることなくパッキン側開口91を大きくすると、ホットミラーパッキン90におけるホットミラー23を支持する構造を設けるスペースを確保することが困難になってしまう。
【0034】
ここで、HUD1は、運転者14に歪まず適切な虚像Vを視認させるため、表示パネル22に表示する表示画像(表示光L)の上縁を下縁側に向って凸となるよう、円弧状に歪ませて表示させている。この歪んだ表示画像は、平面鏡30、凹面鏡40及びフロントガラス13を反射及び透過することにより、最終的に歪まず適切な虚像Vとして運転者14に視認されている。
【0035】
仮に、パッキン側開口91の形状を直線的な四辺を有する四角形にする場合、パッキン側開口91の形状は、表示画像の四隅を結ぶ直線に対応する形状となる。すなわち、表示画像の上縁が円弧状に形成された結果、表示画像が形成されず表示光Lを通過させる必要のない下に凸の円弧部分にまでパッキン側開口91は形成されることになる。
【0036】
そこで、本実施形態におけるHUD1は、パッキン側開口91の形状を直線的な四辺を有する四角形にすることなく、この表示画像の外形(表示領域25)に併せて上縁92a側に円弧部93を有する形状とした。これにより、表示画像を大きくし、パッキン側開口91の寸法を大きくした場合であっても、円弧部93にホットミラー23を支持する構造であるパッキン側支持突起95aを設けることができる。ゆえに、HUD1は、大きな表示領域25を確保しつつ、ホットミラー23を確実に保持することができる。
【0037】
また、パッキン側開口91の形状を、表示パネル22の表示領域25と略同一形状とした。これにより、HUD1は、パッキン側開口91を必要以上に広げることなく表示パネル22の端面22aにおける外光の反射を低減することができる。また、光源21からの照明光が表示パネル22の端面22aで反射し、この反射光が運転者14の目に届く虞のないHUD1を提供することができる。
【0038】
また、パッキン側開口91の開口を広げたことに伴い支持枠94の幅が小さくなり、周縁部92とホットミラー23の端面23aとの距離が近くなってしまう。これに対し、ホルダ70のホルダ側開口71の形状をパッキン側開口91と略同一形状とし、確実にホットミラー23の端面23aを遮蔽した。これにより、HUD1は、ホットミラー23の端面23aが運転者14から視認されることを防止することができる。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1 ヘッドアップディスプレイ(HUD)
10 車両
13 フロントガラス
14 運転者
20 表示装置
21 光源
22 表示パネル
22a 端面
23 ホットミラー
23a 端面
24 配線基板
25 表示領域
30 平面鏡
40 凹面鏡
50 ケース
51 空間部
52 開口窓部
53 透光性カバー
60 表示パネルユニット
70 ホルダ
71 ホルダ側開口
72 周縁部
72a 上縁
72b 下縁
73 円弧部
74 L字リブ
75、75a、75b、75c ホルダ側支持突起
76a 箇所
76b、76c 両端
78 カバー
79 カバー側開口
80 拡散板
90 ホットミラーパッキン
91 パッキン側開口
92 周縁部
92a 上縁
92b 下縁
93 円弧部
94 支持枠
95、95a、95b、95c パッキン側支持突起
96a 箇所
96b、96c 両端
L 表示光
V 虚像

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8