IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有機合成薬品工業株式会社の特許一覧

特許7245456かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20230316BHJP
【FI】
A23L7/109 B
A23L7/109 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019520299
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 JP2018019936
(87)【国際公開番号】W WO2018216755
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2017102521
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000246398
【氏名又は名称】有機合成薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】神長 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】野田 哲治
(72)【発明者】
【氏名】石井 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】小林 鉄哉
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-130809(JP,A)
【文献】特開2015-213434(JP,A)
【文献】特開昭55-165775(JP,A)
【文献】特開2005-021150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/109
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
AGRICOLA/CAplus/CABA/FSTA/(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離のα-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩を含む、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の麺線熟成における硬化抑制剤。
【請求項2】
前記遊離のα-アミノ酸又はその塩を含む、請求項1に記載のかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の麺線熟成における硬化抑制剤。
【請求項3】
遊離のα-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩の、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の麺線熟成における硬化を抑制するための使用。
【請求項4】
遊離のα-アミノ酸又はその塩の、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するための請求項3に記載の使用。
【請求項5】
かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するために、遊離のα-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩をかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮に添加することを特徴とする、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の麺線熟成における硬化抑制方法。
【請求項6】
かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するために、遊離のα-アミノ酸又はその塩をかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮に添加することを特徴とする、請求項5に記載のかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の麺線熟成における硬化抑制方法。
【請求項7】
前記遊離のα-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩のかん水含有麺の全体重量に対する添加量が、0.3重量%~3重量%である、請求項5又は6に記載のかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の麺線熟成における硬化抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤に関する。本発明によれば、かん水含有麺の麺線熟成又はかん水含有ワンタンの皮の熟成において麺又は皮が過剰に硬化することを抑制することができる。
【背景技術】
【0002】
中華麺は、小麦粉、かん水、及び水を用いて製造される。かん水を使用することにより、中華麺特有のコシ(弾力性)及び色合いを得ることができる。具体的には、かん水の作用により形成されたグルテンによって、弾力性のある柔軟な中華麺のコシが得られると考えられる。また、かん水により小麦粉に含まれるフラボノイドが、黄色化し、中華麺に独特な色を与えるとものである。特に、中華麺独特のコシは、麺線状態で保存熟成させることで得られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭63-157950号公報
【文献】特開2005-253460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、麺線熟成が進みすぎると、中華麺が固くなりすぎるという欠点を有していた。
本発明の目的は、麺線熟成によるかん水含有麺の硬化を抑制する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、麺線熟成によるかん水含有麺の硬化を抑制する手段について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、かん水含有麺の製造工程において、アミノ酸又はその塩を添加し、麺線熟成を行うことにより、かん水含有麺の過度な硬化を防止できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩を含む、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤、
[2]前記α-アミノ酸又はその塩を含む、[1]に記載のかん水含有麺又はワンタンの皮の硬化抑制剤、
[3]α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩の、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するための使用、
[4]α-アミノ酸又はその塩の、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するための[3]に記載の使用、
[5]かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するために、α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩をかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮に添加することを特徴とする、かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制方法、
[6]かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するために、α-アミノ酸又はその塩をかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮に添加することを特徴とする、[5]に記載のかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制方法、又は
[7]前記α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩のかん水含有麺の全体重量に対する添加量が、0.3重量%~3重量%である、[5]又は[6]に記載のかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制方法、
に関する。
従来、グリシンをキレート剤として用い、生日本そばの色調を改良したことが開示されている(特許文献1)。また、グリシンは、静菌作用又は殺菌作用を有することが知られている(特許文献2)が、かん水含有麺の硬化抑制剤として使用するものではなかった。
【発明の効果】
【0006】
本発明の硬化抑制剤によれば、かん水含有麺の麺線熟などにおける過度な硬化を抑制することができる。また、アミノ酸又はその塩を添加した麺は透明感のある麺となり、多加水麺などで好まれる透明感のある物性も得ることができる。更に、アミノ酸又はその塩を添加した麺は、沸点が低い高地においても、茹で上げることが可能である。
本発明の硬化抑制剤を用いることにより、麺を非常に柔らかくすることが可能であり、高齢者用の麺として最適である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[1]かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤
本発明のかん水含有麺の硬化抑制剤は、α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩を含む。本発明の硬化抑制剤は、かん水含有麺の麺線熟成における麺の過度な硬化、及びかん水含有ワンタンの皮の熟成における過度な硬化を抑制することができる。
【0008】
《かん水含有麺》
かん水含有麺としては、かん水を含んでいる麺である限りにおいて、限定されるものではないが、中華麺、ラーメンの麺、及び焼きそばの麺などを挙げることができる。また、本発明は、かん水及び小麦粉を含み、その混合物を熟成させるワンタンの皮にも、適用することができる。
かん水とは、アルカリ塩水溶液であり、小麦粉に混合して麺を製造することにより、麺に柔らかさ及び弾力性(コシ)を付与することができる。また、中華麺に特有の感触及び色合いを付与することができる。
かん水の有効成分としては、炭酸塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸水素ナトリウム)、ピロリン酸塩(例えば、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、又はピロリン酸四ナトリウム)、ポリリン酸塩(例えば、ポリリン酸カリウム、又はポリリン酸ナトリウム)、メタリン酸(メタリン酸カリウム、又はメタリン酸ナトリウム)、又はリン酸塩(リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、又はリン酸三ナトリウム)を挙げることができる。
小麦粉に対するかん水の添加量は、かん水中の有効成分の含有量、及び好みのコシを得るために、適宜調整することができる。
【0009】
《アミノ酸》
本発明に用いるアミノ酸又はその塩は、α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩である。また、α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸は、D型、L型、又はその混合物でもよい。本明細書において、α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩をまとめて「アミノ酸」と称することがある。
本明細書においてα-アミノ酸は、カルボキシル基が結合しているα炭素にアミノ基も結合しているアミノ酸を意味し、RCH(NH)COOHという構造を有する。具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンを挙げることができる。なお、プロリンは、厳密にはイミノ酸であるが、本発明の効果が得られるため、本明細書においては、α-アミノ酸に含めるものとする。
本明細書において、β-アミノ酸は、カルボキシル基が結合しているα炭素の隣のβ炭素にアミノ基が結合しているアミノ酸を意味し、RCH(NH)CHCOOHという構造を有する。具体的には、β-アラニンを挙げることができる。
本明細書において、γ-アミノ酸は、β炭素の隣のγ炭素にアミノ基が結合しているアミノ酸を意味し、RCH(NH)CHCHCOOHという構造を有する。具体的には、γ-アミノ酪酸(GABA)を挙げることができる。
本発明のかん水含有麺等の硬化抑制剤に含まれるアミノ酸及びその塩は、特に限定されるものではなく、前記のアミノ酸及びその塩を制限なく使用することができる。
アミノ酸の塩も、特に限定されるものではないが、ナトリウム塩、又はカリウム塩を使用することができる。
【0010】
本発明の硬化抑制剤のかん水含有麺等におけるアミノ酸又はその塩の含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、麺等の全体重量に対して、好ましくは0.3重量%~3重量%である。前記の範囲であることにより、麺のコシがありながら、過度な硬化が抑制されたかん水含有麺を得ることができる。アミノ酸又はその塩の含有量が、3重量%を超えると、麺が切れやすくなることがある。
【0011】
[2]かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するための使用
本発明の使用は、α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩をかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化を抑制するために用いるものである。
かん水含有麺等の硬化を抑制するための使用における「かん水含有麺」「かん水含有ワンタンの皮」、及び「α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩」は、前記「かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤」の項に記載の物を用いることができる。
【0012】
本発明のかん水含有麺等の硬化を抑制するための使用におけるアミノ酸又はその塩の使用量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、麺等の全体重量に対して、好ましくは0.3重量%~3重量%である。前記の範囲であることにより、麺のコシがありながら、過度な硬化が抑制されたかん水含有麺を得ることができる。アミノ酸又はその塩の使用量が、3重量%を超えると、麺が切れやすくなることがある。
【0013】
[3]かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制方法
本発明のかん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制方法は、かん水含有麺等の硬化を抑制するために、α-アミノ酸又はその塩をかん水含有麺等に添加することを特徴とする。
かん水含有麺等の硬化抑制方法における「かん水含有麺」「かん水含有ワンタンの皮」、及び「α-アミノ酸、β-アミノ酸、若しくはγ-アミノ酸、又はその塩」は、前記「かん水含有麺又はかん水含有ワンタンの皮の硬化抑制剤」の項に記載の物を用いることができる。
【0014】
本発明のかん水含有麺等の硬化抑制方法におけるアミノ酸又はその塩の添加量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、麺等の全体重量に対して、好ましくは0.3重量%~3重量%である。前記の範囲であることにより、麺のコシがありながら、過度な硬化が抑制されたかん水含有麺を得ることができる。アミノ酸又はその塩の添加量が、3重量%を超えると、麺が切れやすくなることがある。
【0015】
《作用》
本発明において、アミノ酸又はその塩が、かん水含有麺の過度な硬化を抑制できる機構は、明確には解析されていないが以下のように推定することができる。しかしながら、本発明は以下の説明によって、限定されるものではない。
中華麺はかん水(アルカリ)によりグルテンの性質が変化し、熟成され特有のコシが得られる。本発明に用いるアミノ酸又はその塩はアルカリでの緩衝作用を有しており、その緩衝作用が麺線熟成を抑制していると推定される。
【実施例
【0016】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
《比較例1》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0018】
《実施例1》
グリシン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例1と同様の方法で生中華麺を得た。
【0019】
《実施例2》
グリシン10.26g(3.0重量%)を用いた以外は実施例1と同様の方法で生中華麺を得た。
【0020】
《実施例3》
グリシン17.10g(5.0重量%)を用いた以外は実施例1と同様の方法で生中華麺を得た。
【0021】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で1分45秒間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー5人にて評価した。
コシについて、比較例1を標準とし、その差を比較、評価した。
【0022】
【表1】
【0023】
《比較例2》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0024】
《実施例4》
グリシン1.026g(0.3重量%)を用いた以外は比較例2と同様の方法で生中華麺を得た。
【0025】
《実施例5》
グリシン1.710g(0.5重量%)を用いた以外は比較例2と同様の方法で生中華麺を得た。
【0026】
《実施例6》
グリシン2.394g(0.7重量%)を用いた以外は比較例2と同様の方法で生中華麺を得た。
【0027】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー5人にて評価した。
コシについて、比較例2を標準とし、その差を比較、評価した。
【0028】
【表2】
【0029】
《比較例3》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90ml、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を室温で1日間、冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0030】
《実施例7》
グリシン1.026g(0.3重量%)を用いた以外は比較例3と同様の方法で生中華麺を得た。
【0031】
《実施例8》
グリシン1.710g(0.5重量%)を用いた以外は比較例3と同様の方法で生中華麺を得た。
【0032】
《実施例9》
グリシン2.394g(0.7重量%)を用いた以外は比較例3と同様の方法で生中華麺を得た。
【0033】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー5人にて評価した。
コシについて、比較例3を標準とし、その差を比較、評価した。
【0034】
【表3】
【0035】
《比較例4》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0036】
《実施例10》
グリシン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例4と同様の方法で生中華麺を得た。
【0037】
《実施例11》
グリシン6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例4と同様の方法で生中華麺を得た。
【0038】
《実施例12》
グリシン10.26g(全重量に対して3.0重量%)を用いた以外は比較例4と同様の方法で生中華麺を得た。
【0039】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー3人にて評価した。
コシについて、比較例4を標準とし、その差を比較、評価した。
【0040】
【表4】
【0041】
《比較例5》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を室温で1日間、冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0042】
《実施例13》
グリシン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例5と同様の方法で生中華麺を得た。
【0043】
《実施例14》
グリシン6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例5と同様の方法で生中華麺を得た。
【0044】
《実施例15》
グリシン10.26g(全重量に対して3.0重量%)を用いた以外は比較例5と同様の方法で生中華麺を得た。
【0045】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー5人にて評価した。
コシについて、比較例5を標準とし、その差を比較、評価した。
【0046】
【表5】
【0047】
《比較例6》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0048】
《実施例16》
グリシン1.02g(全重量に対して0.3重量%)を用いた以外は比較例6と同様の方法で生中華麺を得た。
【0049】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー4人にて評価した。
コシについて、比較例6を標準とし、その差を比較、評価した。
【0050】
【表6】
【0051】
《比較例7》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を室温で1日間、冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0052】
《実施例17》
グリシン1.02g(全重量に対して0.3重量%)を用いた以外は比較例7と同様の方法で生中華麺を得た。
【0053】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー3人にて評価した。
コシについて、比較例7を標準とし、その差を比較、評価した。
【0054】
【表7】
【0055】
《比較例8》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0056】
《実施例18》
DL-アラニン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例8と同様の方法で生中華麺を得た。
【0057】
《実施例19》
DL-アラニン6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例8と同様の方法で生中華麺を得た。
【0058】
《実施例20》
DL-アラニン10.26g(全重量に対して3.0重量%)を用いた以外は比較例8と同様の方法で生中華麺を得た。
【0059】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー7人にて評価した。
コシについて、比較例8を標準とし、その差を比較、評価した。
【0060】
【表8】
【0061】
《比較例9》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を室温で1日間、冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0062】
《実施例21》
DL-アラニン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例9と同様の方法で生中華麺を得た。
【0063】
《実施例22》
DL-アラニン6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例9と同様の方法で生中華麺を得た。
【0064】
《実施例23》
DL-アラニン10.26g(全重量に対して3.0重量%)を用いた以外は比較例9と同様の方法で生中華麺を得た。
【0065】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー4人にて評価した。
コシについて、比較例9を標準とし、その差を比較、評価した。
【0066】
【表9】
【0067】
《比較例10》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0068】
《実施例24》
L-グルタミン酸ナトリウム3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例10と同様の方法で生中華麺を得た。
【0069】
《実施例25》
L-グルタミン酸ナトリウム6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例10と同様の方法で生中華麺を得た。
【0070】
《実施例26》
L-グルタミン酸ナトリウム10.26g(全重量に対して3.0重量%)を用いた以外は比較例10と同様の方法で生中華麺を得た。
【0071】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー4人にて評価した。
コシについて、比較例10を標準とし、その差を比較、評価した。
【0072】
【表10】
【0073】
《比較例11》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を室温で1日間、冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0074】
《実施例27》
L-グルタミン酸ナトリウム3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例11と同様の方法で生中華麺を得た。
【0075】
《実施例28》
L-グルタミン酸ナトリウム6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例11と同様の方法で生中華麺を得た。
【0076】
《実施例29》
L-グルタミン酸ナトリウム10.26g(全重量に対して3.0重量%)を用いた以外は比較例11と同様の方法で生中華麺を得た。
【0077】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー5人にて評価した。
コシについて、比較例11を標準とし、その差を比較、評価した。
【0078】
【表11】
【0079】
《比較例12》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を室温で1日間、冷蔵庫で2日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0080】
《実施例30》
グリシン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例12と同様の方法で生中華麺を得た。
【0081】
《実施例31》
DL-アラニン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例12と同様の方法で生中華麺を得た。
【0082】
《実施例32》
L-グルタミン酸ナトリウム3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例12と同様の方法で生中華麺を得た。
【0083】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー4人にて評価した。
コシについて、比較例12を標準とし、その差を比較、評価した。
【0084】
【表12】
【0085】
《比較例13》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0086】
《実施例33》
グリシン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例13と同様の方法で生中華麺を得た。
【0087】
《実施例34》
L-グルタミン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例13と同様の方法で生中華麺を得た。
【0088】
《実施例35》
L-グルタミン酸3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例13と同様の方法で生中華麺を得た。
【0089】
《実施例36》
L-スレオニン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例13と同様の方法で生中華麺を得た。
【0090】
《実施例37》
L-ヒスチジン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例14と同様の方法で生中華麺を得た。
【0091】
《実施例38》
L-アスパラギン酸ナトリウム3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例13と同様の方法で生中華麺を得た。
【0092】
《実施例39》
GABA3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例13と同様の方法で生中華麺を得た。
【0093】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー5人にて評価した。
コシについて、比較例13を標準とし、その差を比較、評価した。
【0094】
【表13】
【0095】
《比較例14》
ヌードルメーカーHR2365/01(フィリップス社)を用い、強力粉250g、かん水5.95重量%を含む水90mL、塩2g、を加えて5分間混合し、1.6mm角の麺を得た。得られた麺を冷蔵庫で8日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0096】
《実施例40》
グリシン1.71g(全重量に対して0.5重量%)を用いた以外は比較例14と同様の方法で生中華麺を得た。
【0097】
《実施例41》
グリシン3.42g(全重量に対して1.0重量%)を用いた以外は比較例14と同様の方法で生中華麺を得た。
【0098】
《実施例42》
グリシン6.84g(全重量に対して2.0重量%)を用いた以外は比較例14と同様の方法で生中華麺を得た。
【0099】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を沸騰水中で2分間茹で上げ、ラーメンスープの入ったどんぶりに移し、パネラー4人にて評価した。
コシについて、比較例14を標準とし、その差を比較、評価した。
【0100】
【表14】
【0101】
《比較例15》
小麦粉80kg、水24.0357kg、(かん水成分約1.76%)、塩1408gを混合し、圧延、カットして、麺を得た。得られた麺を1日間、3日間麺線熟成を行い、生中華麺を得た。
【0102】
《実施例43》
グリシン800g(全重量に対して0.25重量%)を用いた以外は比較例15と同様の方法で生中華麺を得た。
【0103】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を茹で上げパネラー2名にて評価した。
見た目、食感、のびについて評価した。
【0104】
【表15】
【0105】
《比較例16》
小麦粉80kg、水24.0357kg、(かん水成分約1.76%)、塩1408gを混合し、圧延、カットして、麺を得た。得られた麺を2日間冷凍し、これを解凍することで生中華麺を得た。
【0106】
《実施例44》
小麦粉10kg、水3.0045kg、塩176gを混合し、常法により麺を得た。得られた麺にかん水52.9g(水の1.76%)とグリシン50g(全重量に対して0.38重量%)を振り掛け、生中華麺を得た。
【0107】
《評価方法》
上記比較例及び実施例で得られた生中華麺を茹で上げパネラー1名にて評価した。見た目、食感、のびについて評価した。
【0108】
【表16】