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特許7245471保護フィルムの貼付方法及び保護フィルムの貼付装置
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  • 特許-保護フィルムの貼付方法及び保護フィルムの貼付装置 図1
  • 特許-保護フィルムの貼付方法及び保護フィルムの貼付装置 図2
  • 特許-保護フィルムの貼付方法及び保護フィルムの貼付装置 図3
  • 特許-保護フィルムの貼付方法及び保護フィルムの貼付装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】保護フィルムの貼付方法及び保護フィルムの貼付装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230316BHJP
   B65B 67/10 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
G09F9/00 313
B65B67/10 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020150543
(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公開番号】P2021028246
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2021-11-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年8月24日にウェブサイト(https://onlineshop.smt.docomo.ne.jp/options/detail.html?item-code=AYA69629)において発表
(73)【特許権者】
【識別番号】515071823
【氏名又は名称】株式会社 カンパーニュ
(73)【特許権者】
【識別番号】520333251
【氏名又は名称】合同会社武蔵野レーベル
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】中山 太吾
(72)【発明者】
【氏名】菅原 崇之
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1510202(KR,B1)
【文献】特開2015-203090(JP,A)
【文献】中国実用新案第210882810(CN,U)
【文献】特開2015-203089(JP,A)
【文献】中国実用新案第203359160(CN,U)
【文献】特開2013-057919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/10
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の定位置に保護フィルムが貼り付けられている分割された剥離フィルムの一端部に端末機器の端面幅の折曲部が形成され、該折曲部には端末機器の端面に形成された端子口に対応する位置に、該端子口に適合するコネクタが挿入不能な形状又は大きさの透孔が形成され、該透孔と前記端子口とに挿入可能な仮止めピンを前記透孔から前記端子口に挿入して前記分割された剥離フィルムを端末機器に位置決めし、その後、前記仮止めピンと反対側にある分割された剥離フィルムを保護フィルムから剥離して該保護フィルムを端末機器の表示画面に貼り付けし、続いて、前記仮止めピン側の分割された剥離フィルムを保護フィルムから剥離して該保護フィルムを端末機器の表示画面に貼り付けることを特徴とする保護フィルムの貼付方法。
【請求項2】
端部に端末機器の端面幅の折曲部が形成され該折曲部には端末機器の端面に形成された端子口に対応する位置に透孔が形成され上面の定位置に保護フィルムが貼り付けられた剥離フィルムと、前記透孔から前記端子口に挿入される仮止めピンと、を備え、前記透孔は、前記端子口に適合するコネクタが挿入不能な形状又は大きさであり、前記仮止めピンは、前記透孔と前記端子口とに挿入可能であることを特徴とする保護フィルムの貼付装置。
【請求項3】
前記仮止めピンには切り欠き部が設けられ、該切り欠き部に前記透孔の縁が係合することで該透孔からの前記仮止めピンの外れが防止されることを特徴する請求項2に記載の保護フィルムの貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン、タブレットなどの端末機器の表示画面に貼り付ける保護フィルムの貼付方法及び貼付装置に関するものである
【背景技術】
【0002】
端末機器は使用を継続すると表示画面にこすり傷や汚れが付着する。そのために表示画面に保護フィルムが貼付られることが多い。
【0003】
しかし、保護フィルムの貼り付けの際には位置ずれや、しわや気泡が生じ易いという問題があった。
【0004】
従来、保護フィルム貼付装置及び保護フィルムの貼付方法として、端末機器の収容部を有する治具を使用する発明が提案されている。
【0005】
該発明は携帯電子機器に貼付可能であり、少なくとも一部が透明性のあるシート体と、前記シート体の貼付面とは反対側の面である被保護面を被覆する保護部及び該保護部に連設された把持部を含む保護用剥離シートを有する保護フィルムと、その内面の少なくとも一部に、前記シート体が貼付される携帯電子機器の外縁が当接した状態で同携帯電子機器を有用可能に構成された収容部と、前記シート体が、前記収容部に収容された携帯電子機器の前記収容部とは反対側であり、かつ、同携帯電子機器の貼付位置に配置されるように前記把持部を取付け可能な取付部を有する保護フィルム用治具を備えるものである(特許文献1参照)。
【0006】
また、治具を必要としない保護フィルムの貼付方法及び位置決めシステムとして、表示部により表示面に画像が表示される電子機器の表示面に貼付される保護フィルムの貼付方法に適用される、として、保護フィルムの、表示面に貼付される面と反対側の面にカバーフィルムを設けるとともに、このカバーフィルムに第1の位置決め用マークを表示し、また、表示面のサイズを取得し、この表示面のサイズに応じて、第1の位置決め用マークに対応する第2の位置決め用マーク電子機器の表示面に描画して表示し、これら第1及び第2の位置決め用マークを用いて保護フィルムの表示面上の位置決めを行った状態で、この保護フィルムを表示面上に貼付するものである(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6693623号公報
【文献】特開2015-187710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来の発明は、いずれも高い精度で電子機器の表示画面に保護フィルムを貼り付けることを目的としている。本発明は治具あるいは複数の位置決め作業などを必要とせずに、保護フィルムの貼り付け作業を簡単に且つ精度よく行う方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成する本発明の保護フィルムの貼付方法は、上面の定位置に保護フィルムが貼り付けられている分割された剥離フィルムの一端部に端末機器の端面幅の折曲部が形成され、該折曲部には端末機器の端面に形成された端子口に対応する位置に、該端子口に適合するコネクタが挿入不能な形状又は大きさの透孔が形成され、該透孔と前記端子口とに挿入可能な仮止めピンを前記透孔から前記端子口に挿入して前記分割された剥離フィルムを端末機器に位置決めし、その後、前記仮止めピンと反対側にある分割された剥離フィルムを保護フィルムから剥離して該保護フィルムを端末機器の表示画面に貼り付けし、続いて、前記仮止めピン側の分割された剥離フィルムを保護フィルムから剥離して該保護フィルムを端末機器の表示画面に貼り付けることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
なお、前記仮止めピンは剥離フィルムの透孔に予め装着しておいてもよい。
【0011】
従来提供されている端末機器には、その端面(周囲)に電源、イヤホーン、その他の端子口が設けられている。本発明はそれらの端子口を利用し剥離フィルム及び保護フィルムの位置決めを行うことを特徴とする。
【0012】
さらに、前記の位置決めには上面の定位置に保護フィルムが貼り付けられて分割された剥離フィルムが準備される。ここで上面の定位置とは剥離フィルムを剥離した場合に保護フィルムが端末機器の表示画面に容易に位置することをいう。
【0013】
さらに前記分割された剥離フィルムにはその一端部に端末機器の端面幅の折曲部が形成されるとともに該折曲部には端末機器の端面の端子口に対応する位置に透孔が形成される。
【0014】
そして、剥離フィルムの透孔から端末機器の端子口に仮止めピンを挿入して分割された剥離フィルムが端末機器に位置決めされる。
【0015】
そして、その後、前記仮止めピンと反対側にある分割された剥離フィルムを保護フィルムから剥離して該保護フィルムを端末機器の表示画面に貼り付ける。
【0016】
続いて前記仮止めピン側の分割された剥離フィルムを保護フィルムから剥離して該保護フィルムを端末機器の表示画面に貼り付けられるものである。
【0017】
本発明の保護フィルムの貼付装置は、端部に端末機器の端面幅の折曲部が形成され該折曲部には端末機器の端面に形成された端子口に対応する位置に透孔が形成され上面の定位置に保護フィルムが貼り付けられた剥離フィルムと、前記透孔から前記端子口に挿入される仮止めピンと、を備え、前記透孔は、前記端子口に適合するコネクタが挿入不能な形状又は大きさであり、前記仮止めピンは、前記透孔と前記端子口とに挿入可能であることを特徴とする(請求項2)。
【0018】
なお、前記上面の定位置に保護フィルムが貼り付けられた分割された剥離フィルムの透孔の位置及び仮止めピンは、端末機器の各機種、例えば、メーカー、製品のサイズなどに応じて準備される。
【0019】
前記の保護フィルムの貼付装置によれば、前記保護フィルムの貼付方法を簡単に且つ精度よく実施することができる。
【0020】
また、本発明の保護フィルムの貼付装置は、前記仮止めピンには切り欠き部が設けられ、該切り欠き部に前記透孔の縁が係合することで該透孔からの前記仮止めピンの外れが防止されることを特徴する(請求項3)。
【0021】
前記の保護フィルムの貼付装置によれば、仮止めピンが剥離フィルムから容易に外れてしまうことを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、治具あるいは複数の位置決め作業などを必要とせずに、保護フィルムの貼付作業を簡単に且つ精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の一形態を示す貼付装置の斜視図である。
図2】貼付装置を端末機器に装着する過程を示す斜視図である。
図3】貼付装置が端末機器に装着された状態を示す側面図である。
図4】仮止めピンの一形態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。
図1は本発明の保護フィルムの貼付装置の全体平面図である。図中、1は略中央部で1a、1bに分割された剥離フィルム、2は剥離フィルム1の上面の定位置に貼り付けられた保護フィルムである。
【0025】
前記保護フィルム2は、図面実施例では、後に述べる端末機器Sの表示画面8に対応する形状とされている。
【0026】
本発明では、前記剥離フィルム1の一端部に端末機器Sの略端面幅(厚さ幅)の折曲部3が形成される。図中、4は折曲部3の折り曲げを容易にするために形成した一部切断線である。さらに、前記折曲部3の略中央には端末機器Sの端面(周囲)には、形成された端子口5に対応する位置に透孔6が形成される。
【0027】
図中、7は仮止めピンであり、前記剥離フィルム1の透孔6から端末機器Sの端子口5に挿入されて剥離フィルム1及び保護フィルム2を端末機器Sに位置決めするものである。
【0028】
ここで、前記剥離フィルム1の透孔の開口6は、端末機器Sの端子口5の形状とは異なる形状で形成されている。
【0029】
前記剥離フィルム1の透孔6の開口は、市販の充電コネクタ(「Lightning」(ライトニング)や「USB Type-C」)は挿入できない(または挿入しにくい)形状となっている(前記剥離フィルム1の透孔6の開口の形状が市販のコネクタと違う形状になっている。
【0030】
具体的には、市販のコネクタの形状よりも小さく形状で形成されている。なお、前記剥離フィルム1の透孔6の開口の形状は、市販の充電コネクタが挿入できない形状であればよく、例えば星形であってもよい。
【0031】
ここで、仮止めピン7は、前記剥離フィルム1の透孔6の開口に挿入できる形状で形成されている(仮止めピン7の形状は、当該透孔6の開口と同じ形状でもよい。また、当該透孔6の開口に挿入できるのであれば、当該透孔6の開口の形状と異なっていてもよい)。
【0032】
このため、仮止めピン7を用いれば、前記剥離フィルムの透孔6の開口を通じて剥離フィルム1及び保護フィルム2を端末機器Sに位置決めすることができる。(市販の充電コネクタは、前記剥離フィルムの透孔6の開口に挿入できないので、当該透孔6の開口を通じて剥離フィルム1及び保護フィルム2を端末機器Sに位置決めすることができない)。
【0033】
また、仮止めピン7が、前記剥離フィルム1の透孔の開口6とは異なる形状で形成されている場合には、前記剥離フィルム1の透孔の開口6に仮止めピン7が挿入されたときに、仮止めピン7が前記剥離フィルム1の透孔の開口6から容易に外れてしまう恐れがある。
【0034】
これを防止するため、仮止めピン7には、切り欠き部9が設けられていてもよい(図4参照)。この切り欠き部9に透孔6の縁が係合することで、透孔6からの仮止めピン7の外れが防止される。
【0035】
本発明の保護フィルムの貼付方法は、図2に示すように、上面の定位置に保護フィルム2が貼り付けられて分割された剥離フィルム1が端末機器Sの表示画面8上に重ね合わされ、その一端部に形成された折曲部3が端末機器Sの端面に折り曲げられ、剥離フィルム1の透孔6から端末機器Sの端子口5に仮止めピン7が挿入されて図3に示すように剥離フィルム1及び保護フィルム2が端末機器Sに位置決めされる。
【0036】
その後、前記仮止めピン7と反対側にある分割された剥離フィルム1aが保護フィルム2から剥離されて該保護フィルム2が端末機器Sの表示画面8の定位置に貼り付けられる。
【0037】
続いて、前記仮止めピン7側の分割された剥離フィルム1bを保護フィルム2から剥離して該保護フィルム2を端末機器Sの表示画面8に貼り付けるものである。
【0038】
なお、前記仮止めピン7側の剥離フィルム1bの剥離の際には仮止めピン7を抜き取って行われる。その場合にはすでに反対側の剥離フィルム1aが端末機器Sの表示画面8に貼り付けられているために位置ずれや、しわや気泡を発生するおそれはないものである。
【符号の説明】
【0039】
1(1a、1b)剥離フィルム
2 保護フィルム
3 折曲部
5 端子口
6 透孔
7 仮止めピン
8 端末機器の表示画面
9 切り欠き部
図1
図2
図3
図4