(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】コンテナ回動装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/23 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
B65G65/23
(21)【出願番号】P 2020037213
(22)【出願日】2020-03-04
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】520076532
【氏名又は名称】株式会社KP産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 厚
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-113580(JP,U)
【文献】実開昭48-082659(JP,U)
【文献】特開平11-020952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 7/00; 7/08
B65G 47/04;47/16
B65G 65/23
B65B 35/00-35/58
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ回動装置であって、
本体枠と、
前記本体枠に水平に設けられた回転支持軸により回転自在に軸支された可動台と、
前記本体枠に設けられ、前記回転支持軸よりも高い位置
から、索体を巻取り及び繰出し可能な巻取駆動部とを有し、
前記可動台は、前記回転支持軸から所定距離だけ離れて位置し、コンテナを載置可能な載置部と、
前記回転支持軸と前記載置部の間に設けられ、前記回転支持軸に対して前記載置部を支持するとともに、前記コンテナに当接可能な載置支持部と、
前記載置部の端部又は端部近傍に設けられた動滑車部とを有し、
前記巻取駆動部からの
前記索体が、前記可動台に設けられた前記動滑車部に巻き掛けられた状態で、当該索体の端部が、前記本体枠の、前記回転支持軸よりも高い位置
から固定取付部に固定され、
前記巻取駆動部による前記索体の巻取り及び繰出しにより、前記可動台及び当該可動台に載置される前記コンテナを傾動可能又は回動可能に構成されて
おり、
前記動滑車部は、前記回転支持軸に対して平行な旋回軸と、前記旋回軸まわりに旋回可能な索輪とを有し、
前記巻取駆動部からの前記索体が、前記可動台に設けられた前記動滑車部の前記索輪に巻き掛けられた状態で、当該索体の端部が、前記固定取付部に固定されている
ことを特徴とするコンテナ回動装置。
【請求項2】
前記動滑車部は、第1の動滑車及び第2の動滑車を有し、
前記第1の動滑車は、前記載置部の載置面に対して反対側の面側に、隙間をあけて設けられ、前記回転支持軸に対して平行な第1の旋回軸と、前記載置部の回転支持軸方向の一方の側面よりも外側に配置され、前記第1の旋回軸まわりに旋回可能な第1の索輪とを有し、
前記第2の動滑車は、前記載置部の載置面に対して反対側の面側に、隙間をあけて設けられ、前記回転支持軸に対して平行な第2の旋回軸と、前記載置部の回転支持軸方向の他方の側面よりも外側に配置され、前記第2の旋回軸まわりに旋回可能な第2の索輪とを有し、
前記巻取駆動部からの索体が、前記可動台に設けられた前記第1の動滑車の前記第1の索輪に巻き掛けられ、前記載置部の載置面に対して反対側の面側を通り、前記第2の動滑車の前記第2の索輪に巻き掛けられた状態で、当該索体の端部が、前記固定取付部に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ回動装置。
【請求項3】
前記本体枠に設けられ、前記回転支持軸よりも高く、前記巻取駆動部又は前記固定取付部よりも低い位置に配置された定滑車を有し、
前記可動台の回転位置に応じて、前記動滑車部と前記巻取駆動部との間の索体、又は前記動滑車部と前記固定取付部との間の
前記索体が、前記定滑車に対して接離自在となるように構成されている
ことを特徴とする請求項1
または2の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【請求項4】
前記回転支持軸よりも低い位置に配置され、前記可動台及び前記コンテナの傾動により、前記コンテナの内部から外部へ移動した物品を受ける、受け部を有することを特徴とする請求項1から
3の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【請求項5】
前記回転支持軸よりも高い位置に配置され、前記コンテナへ物品を搬送する収容用搬送部を有することを特徴とする請求項1から
3の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【請求項6】
前記本体枠は、前記回転支持軸よりも上方に設けられ、前記可動台が回動状態で、前記コンテナに当接して当該コンテナの転倒を防止する転倒防止部材を有することを特徴とする請求項1から
4の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【請求項7】
前記可動台の前記載置部に載置される
前記コンテナと当該載置部との間に設けられ、前記コンテナの上端部が前記回転支持軸と略同じ高さとなる補助台を有することを特徴とする請求項1から
6の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【請求項8】
前記動滑車部、前記可動台又は前記索体の可動領域のみに保護用カバー部材を有することを特徴とする請求項1から
7の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【請求項9】
前記コンテナの傾きの角度、又は前記可動台の回転角を検出する角度検出部と、
前記コンテナに収容されている物品の量を検知する物品量検知部と、
前記角度検出部による検出結果、及び前記物品量検知部による検知結果に基づいて、前記巻取駆動部により、索体の巻取りや繰出しの制御を行う制御部とを有する
ことを特徴とする請求項1から
8の何れか1項に記載のコンテナ回動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ回動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば玉ねぎ、じゃがいもなどの野菜等が大量にコンテナに収容されており、コンテナを持ち上げ傾けて、そのコンテナに収容されている野菜等を、他の場所へ移す装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-148608号公報
【文献】特開2001-88942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、重量が重いコンテナを傾動させるために動力源として油圧シリンダを用いており、特許文献2に記載の装置では、昇降可能なリフト部を設けることを要し、複雑な構造である。
また、例えば野菜をベルトコンベア等で搬送し、コンテナに収容する場合、高い位置から野菜を落下させると、野菜に大きな力が加わり、キズや破損等が生じる虞がある。
このため、簡単な構造で、安価な、コンテナ回動装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコンテナ回動装置は、少なくとも以下の構成を具備する。
コンテナ回動装置は、本体枠と、
前記本体枠に水平に設けられた回転支持軸により回転自在に軸支された可動台と、
前記本体枠に設けられ、前記回転支持軸よりも高い位置から、索体を巻取り及び繰出し可能な巻取駆動部とを有し、
前記可動台は、前記回転支持軸から所定距離だけ離れて位置し、コンテナを載置可能な載置部と、
前記回転支持軸と前記載置部の間に設けられ、前記回転支持軸に対して前記載置部を支持するとともに、前記コンテナに当接可能な載置支持部と、
前記載置部の端部又は端部近傍に設けられた動滑車部とを有し、
前記巻取駆動部からの前記索体が、前記可動台に設けられた前記動滑車部に巻き掛けられた状態で、当該索体の端部が、前記本体枠の、前記回転支持軸よりも高い位置から固定取付部に固定され、
前記巻取駆動部による前記索体の巻取り及び繰出しにより、前記可動台及び当該可動台に載置される前記コンテナを傾動可能又は回動可能に構成されており、
前記動滑車部は、前記回転支持軸に対して平行な旋回軸と、前記旋回軸まわりに旋回可能な索輪とを有し、
前記巻取駆動部からの前記索体が、前記可動台に設けられた前記動滑車部の前記索輪に巻き掛けられた状態で、当該索体の端部が、前記固定取付部に固定されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るコンテナ回動装置の一例を示す図であり、詳細には(a)はコンテナ回動装置の正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は平面図である。
【
図2】コンテナ回動装置の本体枠、可動台(反転テーブル)、索体、動滑車、定滑車、巻取駆動部等の一例を説明するための斜視図である。
【
図3】本体枠(本体フレーム)と非傾状態の可動台と回動軸と軸受の一例を示す図であり、詳細には(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【
図4】可動台に設けられている動滑車(シーブ)の一例を示す図であり、詳細には(a)は側面図、(b)は正面図である。
【
図5】可動台の載置部の左右両側に設けられている動滑車部(バランスシーブ)の一例を示す図である。
【
図6】本体枠の支柱に設けられている定滑車(中間シーブ)の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図7】コンテナ回動装置の可動台の載置部にコンテナを載置した状態の一例を示す正面図である。
【
図8】コンテナ回動装置の動作の一例を説明するための図であり、詳細には、(a)は物品を収容したコンテナを可動台の載置部に載置した状態の一例を示す図、(b)は索体の巻取りにより可動台が回転支持軸を回転中心として回転しながら上方へ回動しコンテナが傾斜した状態の一例を示す図である。
【
図9】コンテナ回動装置の動作の一例を説明するための図であり、詳細には(a)は可動台(コンテナ等)が回転支持軸を回転中心として90°回転した状態の一例を示す図であり、(b)は可動台(コンテナ等)が回転支持軸を回転中心として約130°回転した状態の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係るコンテナ回動装置の動作の一例を説明するための図であり、詳細には(a)はコンテナ回動装置の可動台(コンテナ等)が上方に位置し収容用搬送部により農作物等の物品をコンテナ内に移動している状態の一例を示す図、(b)は物品の収容状況に応じて可動台(コンテナ等)を回動しながら降下させている状態の一例を示す図、(c)は物品をコンテナに収容した非傾状態の可動台(コンテナ等)の一例を示す図であり、(d)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置は、本体枠と、本体枠に水平に設けられた回転支持軸により回転自在に軸支された可動台と、本体枠に設けられ、回転支持軸よりも高い位置に配置され、索体を巻取り及び繰出し可能な巻取駆動部とを有し、可動台は、回転支持軸から所定距離だけ離れて位置し、コンテナを載置可能な載置部と、回転支持軸と載置部の間に設けられ、回転支持軸に対して載置部を支持するとともに、コンテナに当接可能な載置支持部と、載置部の端部又は端部近傍に設けられた動滑車部(バランスシーブ等)とを有する。コンテナ回動装置は、巻取駆動部からの索体が、可動台に設けられた動滑車部に巻き掛けられた状態で、当該索体の端部が、本体枠の、回転支持軸よりも高い位置に設けられた固定取付部に固定されている。コンテナ回動装置は、巻取駆動部による索体の巻取り及び繰出しにより、可動台及び当該可動台に載置されるコンテナを傾動可能又は回動可能に構成されている。
コンテナは、例えば上部に開口部が形成された容器であり、少なくとも開口部から物品を収納及び取り出し可能である。コンテナとしては、例えばメッシュパレット等を採用することができる。メッシュパレットは、複数の枠等で側面や底面等が構成されており、側面の枠や底面の枠の隙間は、物品が通り抜けない間隔に規定されている。
【0008】
コンテナは、例えばリフト等の運搬装置により運搬可能であり、コンテナ回動装置はコンテナを容易に着脱自在に載置することができる。
【0009】
コンテナに収容される物品(収容物)としては、例えば、野菜、果物などの農作物、電化製品、中古品、廃棄物、おしぼり、鉱物、金属等を挙げることができる。農作物としては、例えば、玉ねぎ、じゃがいも等を挙げることができる。
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るコンテナ回動装置100の一例を示す概念図である。詳細には、
図1(a)はコンテナ回動装置100の正面図、
図1(b)は側面図、
図1(c)は背面図、
図1(d)は平面図である。
図2はコンテナ回動装置100の本体枠110、可動台120(反転テーブル)、索体w、動滑車、定滑車、巻取駆動部M等の一例を説明するための斜視図である。
【0012】
コンテナ回動装置100は、例えば、野菜カゴ転倒装置、又はコンテナ転倒装置ともいう。
図1,2に示すように、コンテナ回動装置100は、本体枠110(本体フレーム)、可動台120(反転テーブル)、回転支持軸131、索体wを巻取り及び繰出し可能な巻取駆動部M(ワイヤホイスト等)、フック等の固定取付部Fなどを有する。可動台120(反転テーブル)は、載置部123、載置支持部122、動滑車部1280(バランスシーブ)等を有する。
また、コンテナ回動装置100は、巻取駆動部Mの巻取りや繰り出しを指示する操作部(不図示)を有する。索体wは、例えばワイヤ、ベルト、紐、チェーンなどである。
また、本実施形態では、本体枠110に定滑車K1、K2が設けられている。
【0013】
本体枠110(本体フレーム)は、本実施形態では、
図1に示すように、可動台120を回転支持軸131を介して回動自在に支持する一対の支柱111(111L,111R)、この支柱111L,111Rよりも後方に所定距離だけ離れた位置に配置された支柱114(114L,114R)、支柱111よりも前方に配置された支柱116(116L,116R)等を有する。
支柱114(114L,114R)と支柱116(116L,116R)は、その下端が矩形状の本体下枠119に接続され、上端が矩形状の本体上枠117に接続されている。本体下枠119と本体上枠117の横幅(左右方向の長さ)は、可動台120の横幅よりも長くなるように規定されている。
【0014】
本実施形態では、支柱111(111L,111R)は、支柱114(114L,114R)と支柱116(116L,116R)の中央よりも後側(支柱114側)にずれた位置に配置されており、その下端が本体下枠119に接続されており、上端が前後方向に水平に配置された水平枠118に接続されている。水平枠118は、本体上枠117よりも低く設定されている。
また、水平枠118の高さは、可動台120の高さの約2倍に設定されている。可動台120の高さは、可動台120の下端から回転支持軸131までの高さと略等しい。
【0015】
支柱111Lと支柱111Rの間には、横幅方向(左右方向)に水平な回転支持軸131が設けられている。詳細には、本実施形態では、回転支持軸131は、軸受部113により支柱111Lと支柱111Rに接続されている。
なお、本体枠110には、補強部材を適宜所定の位置に設けてもよい。
【0016】
巻取駆動部M(ワイヤホイスト等)は、本体枠110の回転支持軸131よりも高い位置に設けられ、ワイヤ等の索体wを巻取り及び繰出し可能に構成されている。本実施形態では、巻取駆動部Mは、回転支持軸131よりも後方側、詳細には、左側後方の支柱114Lの上端よりも後方側に設けられている。
【0017】
固定取付部Fは、本体枠110の回転支持軸131よりも高い位置に設けられ、ワイヤ等の索体wの端部が取り付け固定されている。本実施形態では、固定取付部Fは、回転支持軸131よりも後方側、詳細には、右側後方の支柱114Rの上端よりも後方側に設けられている。
なお、固定取付部Fと巻取駆動部Mの位置関係は、逆であってもよい。
【0018】
本体枠110は、後方に、可動台120及びコンテナ200の傾動により、コンテナ200の内部から外部へ移動した物品を受ける、受け部11(出口シュート等)を有する。この受け部11は、回転支持軸131よりも後方で低い位置に設けられている。受け部11は、例えば両側面に立設する壁部11a、壁部11aから中央に向かって下がるように傾斜した傾斜面部11bなどを有してもよい。受け部11に移動した物品は、例えばベルトコンベア(不図示)等の搬送装置で搬送される。
【0019】
また、本体枠110の支柱111近傍の内側には、可動台120及びコンテナ200の傾動により、コンテナ200から左右両側へ物品がこぼれ落ちることを防止する、こぼれ防止部材9を設けてもよい。こぼれ防止部材9としては、例えば板状のゴムや樹脂などの弾性体や、金属板等を採用することができる。
【0020】
なお、本体枠110の支柱114には、可動台120及びコンテナ200が回動、反転した時に、コンテナ200が可動台120から外れて後方へ転倒するのを防止するための転倒防止部材7が設けられている。この転倒防止部材7は、支柱114に、回転支持軸131よりも上方で後方側の位置に設けられており、例えば横幅方向(左右方向)に水平な棒状部材や突起状部材であり、コンテナ200の後方への転倒前に、コンテナに当接可能に構成されている。また、転倒防止部材7としては、バネやエアシリンダ等を採用してもよく、可動台120及びコンテナ200が所定角度以上(例えば90°以上)回動、反転するときに、コンテナ200に当接可能に設けられ、また逆に可動台120やコンテナ200を非傾状態(初期状態)に戻すときに、コンテナ200を可動台120の載置部123に向けて付勢することで、コンテナと可動台120の載置部123とのズレを低減することができる。また、転倒防止部材7としては、上述した横幅方向(左右方向)に水平な棒状部材や突起状部材にバネやエアシリンダ等を設けてもよい。
【0021】
図1,2,3に示すように、可動台120は、本体枠110に横幅方向(左右方向)に水平に設けられた回転支持軸131により回転自在に軸支されている。詳細には、可動台120は、回転支持軸131から軸方向に対して直交する方向に所定距離だけ離れて位置し、コンテナ200を載置可能な矩形状枠等の載置部123(反転テーブルの下枠等)と、回転支持軸131と載置部123の間に設けられ、回転支持軸131に対して載置部123を支持するとともに、コンテナ200に当接可能な載置支持部122(122L,122R)と、載置部123の端部又は端部近傍に設けられた動滑車部1280(第1の動滑車128L(動滑車128Rという),第2の動滑車128R(動滑車128Rという))等を有する。
具体的には、可動台120は、幅方向(左右方向)に水平な上部水平部材121を有し、この上部水平部材121には、その両端部に、回転支持軸131の軸受部材121Uが複数設けられている。上部水平部材121の上部中央部には、可動台回動時に、物品のこぼれ落ちを防止するガイド部材GPBが設けられていることが好ましい。また、複数の軸受部材121Uの間にガイド部材GPAを設けてもよい。ガイド部材GPB,GPAは、回転支持軸131よりも僅かに高く、又は同じ高さとなるように規定されていることが好ましい。
【0022】
載置支持部122(122L,122R)は、可動台120が初期状態(非傾状態)で、上部水平部材121の下面に垂直に接続されており、下端が載置部123に接続されている。載置支持部122Lと載置支持部122Rは、横幅方向(左右方向)に所定距離だけ離れて配置されており、その中央部に補強部材122Cが設けられていてもよい。
【0023】
本実施形態では、可動台120の載置部123は、可動台が非傾状態で、載置支持部122(122L,122R)の下端から直角に前方向に延設された矩形状の下枠である。詳細には、載置部123の矩形状の下枠は、前枠部材1231、後枠部材1232、横枠部材1233,1234により構成されている。載置部123の上面は、コンテナ200が載置可能な載置面となっている。
【0024】
図1,2,4,5に示すように、本実施形態では、動滑車部1280は、可動台120(反転テーブル)の左右両側(回転支持軸方向の両側)に設けられた2つの動滑車、詳細には、第1の動滑車128L及び第2の動滑車128Rを有する。
【0025】
詳細には、第1の動滑車128Lは、旋回軸1281L(第1の旋回軸)、第1の索輪1282L、支持部材1283L等を有する。
旋回軸1281Lは、載置部123の載置面に対して反対側の面側に、隙間128sをあけて設けられており、回転支持軸131に対して平行となるように規定されている。具体的には、旋回軸1281Lは、2つの板状の旋回軸支持部材1285により、載置部123の底面に対して隙間128sをあけて設けられている。
第1の索輪1282Lは、載置部123の回転支持軸方向の一方の側面よりも外側に配置され、第1の旋回軸1281Lまわりに旋回可能に、支持部材1283Lにより支持されている。第1の索輪1282Lの回転軸は、旋回軸1281Lに対して所定距離だけ離れた位置で、旋回軸1281Lに対して直交方向となるように規定されている。
上述した隙間128sには、ワイヤ等の索体wが通るように配置される。可動台120の回動時に、第1の索輪1282Lが旋回したとしても、索体wがこの隙間128s内を通るように、第1の動滑車128Lが構成されている。
【0026】
同様に、第2の動滑車128Rは、旋回軸1281R(第2の旋回軸)、第2の索輪1282R、支持部材1283R等を有する。
旋回軸1281Rは、載置部123の載置面に対して反対側の面側に、隙間128sをあけて設けられており、回転支持軸131に対して平行となるように規定されている。具体的には、旋回軸1281Rは、2つの板状の旋回軸支持部材1285により、載置部123の底面に対して隙間128sをあけて設けられている。旋回軸1281Rは、旋回軸1281Lと同一直線上に配置されていることが好ましい。
第2の索輪1282Rは、載置部123の回転支持軸方向の他方の側面よりも外側に配置され、第2の旋回軸1281Rまわりに旋回可能に、支持部材1283Rにより支持されている。第2の索輪1282Rの回転軸は、旋回軸1281Rに対して所定距離だけ離れた位置で、旋回軸1281Rに対して直交方向となるように規定されている。
上述した隙間128sには、ワイヤ等の索体wが通るように配置される。可動台120の回動時に、第2の索輪1282Rが旋回したとしても、索体wが隙間128s内を通るように、第2の動滑車128Rが構成されている。
【0027】
巻取駆動部Mからの索体wが、可動台120に設けられた第1の動滑車128L、第2の動滑車128Rに巻き掛けられた状態で、当該索体wの端部が、本体枠110に設けられた固定取付部Fに固定される。
【0028】
図1,2,6に示すように、本体枠110の支柱116(116R,116L)には、定滑車K1,K2(中間シーブ)が設けられている。なお、定滑車K1,K2は水平枠118に設けられていてもよい。定滑車K1(K2)は、可動台120の回転位置に応じて、動滑車部1280と巻取駆動部Mとの間の索体w、又は動滑車部1280と固定取付部Fとの間の索体wが、定滑車K1(K2)に対して接離自在となるように構成されている。
【0029】
次に、コンテナ回動装置100の動作の一例を説明する。
図7、
図8(a)に示すように、コンテナ回動装置100は、初期状態では可動台120が非傾状態となっており、可動台120の載置部123に、コンテナ200が載置される。コンテナ200には、物品Bとして、じゃがいもや玉ねぎ等の農作物が収容されている。
巻取駆動部Mからの索体wが、定滑車K1に巻き掛けられ、可動台120の動滑車128L、動滑車128Rに巻き掛けられ、定滑車K2に巻き掛けられ、索体wの端部が固定取付部Fに固定されている。
【0030】
次に、
図8(b)に示すように、巻取駆動部Mにより索体wを巻き取った場合、可動台120の載置部の端部に設けられた動滑車128L,128Rに上向きに大きな力が働き、可動台120が回転支持軸131を回転中心として回動する。
図8(b)に示した例では、可動台120及びコンテナ200が約45°(初期状態を0°とする)だけ上方に回動した状態となっている。
コンテナ200に収容されている物品Bの一部分は、回転支持軸131を越えて後方の受け部11(出口シュート)へ移動する。また、コンテナ200内の物品Bの全重量が少なくなり、巻取駆動部Mにより索体wを巻き取る力が小さくなる。
また、
図8(b)に示す例では、受け部11(出口シュート)に移動した物品Bが、例えばベルトコンベア等の搬送装置(不図示)により、所定の場所へ移動する。
【0031】
次に、
図9(a)に示すように、巻取駆動部Mにより索体wをさらに巻き取った場合、可動台120が回転支持軸131を回転中心として回動し、可動台120及びコンテナ200が約90°上方に回動した状態となっている。
図9(a)に示す例では、コンテナ200内の物品Bが約半分の量となり、巻取駆動部Mにより索体wを巻き取る力が小さくなる。
【0032】
次に、巻取駆動部Mにより索体wをさらに巻き取った場合、
図9(b)に示すように、可動台120の動滑車128L,128Rが、定滑車K1,K2よりも高い位置となり、巻取駆動部Mからの索体wが、定滑車K1から離間した状態で、直接可動台120の動滑車128Lに巻き掛けられ、動滑車128Rに巻き掛けられ、定滑車K2から離間して、索体wの端部が固定取付部Fに固定される。
図9(b)に示す例では、可動台120及びコンテナ200が約130°上方に回動した状態となっている。コンテナ200内の物品Bが全て受け部11(出口シュート)へ移動する。
この際、転倒防止部材7により、コンテナ200の後方への転倒が防止される。
【0033】
図9(b)に示す例では、可動台120及びコンテナ200の重心が回転支持軸131の上方で前側に位置している。
巻取駆動部Mにより索体wを繰り出すと、可動台120及びコンテナ200が自重により、回転支持軸131を回転中心として下方へ回動し、初期状態(非傾状態、0°)に戻る(不図示)。
そして、空のコンテナ200を可動台120から取り外す。
必要に応じて、物品が収容されている次のコンテナ(新たなコンテナ)をコンテナ回動装置100の可動台120の載置部に載置し、上述した動作を繰り返す。
【0034】
<第2実施形態>
次に、
図10を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るコンテナ回動装置の動作の一例を説明する。
本実施形態では、コンテナ回動装置は、受け部の代わりに、コンテナ200へ物品を搬送する収容用搬送部5を有する。なお、本実施形態では、コンテナ回動装置の前後が第1実施形態と逆となるように使用することになる。
収容用搬送部5は、例えばベルトコンベア等の搬送装置であり、回転支持軸131よりも高い位置に配置されている。
また、
図10に示す例では、巻取駆動部M及び固定取付部Fは、回転支持軸131よりも高い位置で、回転支持軸131よりも前側で、支柱116の上方位置に配置されており、定滑車が設けられていない。つまり、
図10に示す例では、簡単な構造で、コンテナ200に物品を収容するコンテナ回動装置を提供することができる。
なお、第1実施形態で示したコンテナ回動装置に、コンテナ200へ物品を搬送する収容用搬送部5を設けて、コンテナ200に物品を収容してもよい。
【0035】
先ず、
図10(a)に示すように、巻取駆動部Mにより索体wを巻取り、空のコンテナ200及び可動台120を傾斜姿勢とする(約80°)。そして、ベルトコンベア等の収容用搬送部5により、物品Bを後方から前方に搬送し、回転支持軸131を越えて、コンテナ200内に物品Bを収容する。
【0036】
そして、
図10(b),
図10(c)に示すように、コンベア等の収容用搬送部5により複数の物品(農作物等)をコンテナ200へ搬送しながら、コンテナ200へ収容された物品の量に応じて、巻取駆動部Mにより索体wを繰り出し、コンテナ200及び可動台120を起立姿勢となるように回動させる。すなわち、可動台120及びコンテナ200を回動しながら、コンテナ200に農作物等の物品Bを収容することで、物品の破損やキズを低減することができる。
【0037】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100は、本体枠110(本体フレーム)と、本体枠110に水平に設けられた回転支持軸131により回転自在に軸支された可動台120(反転テーブル、又は揺動台等)と、本体枠110に設けられ、回転支持軸131よりも高い位置に配置され、索体w(ワイヤ、ロープ、チェーン等)を巻取り及び繰出し可能な巻取駆動部M(駆動モータ又はワイヤホイスト等)などを有する。
可動台120は、回転支持軸131から軸方向に対して直交する方向に所定距離だけ離れて位置し、コンテナ200を載置可能な載置部123(反転テーブルの下枠等)と、回転支持軸131と載置部123の間に設けられ、回転支持軸131に対して載置部123を支持するとともに、コンテナ200に当接可能な載置支持部122と、載置部123の端部又は端部近傍に設けられた動滑車部1280(128L,128R)とを有する。
このコンテナ回動装置100では、巻取駆動部Mからの索体wが、可動台120に設けられた動滑車部1280(128L,128R)に巻き掛けられた状態で、当該索体wの端部が、本体枠110の、回転支持軸131よりも高い位置に設けられた固定取付部F(フック等)に固定されている。つまり、回転支持軸131及び索体wにより可動台120が支持されている。
また、コンテナ回動装置100は、巻取駆動部Mによる索体wの巻取り及び繰出しにより、可動台120及び当該可動台120に載置されるコンテナ200を傾動可能又は回動可能に構成されている。
コンテナ200は、例えば起立姿勢で上部に開口部を有し、農作物等の物品を収容可能である。
つまり、コンテナ回動装置100は、コンテナ200に収容されている物品と、コンテナ200と、可動台120の全重量を、回転支持軸131と動滑車部1280を介した索体wとにより分散して支持し、さらに巻取駆動部Mからの索体wの端部(先端)が動滑車部1280を介して固定取付部Fに固定された構造となっているので、巻取駆動部Mにかかる力が小さい。すなわち、巻取駆動部Mとして、高価で高駆動力の駆動モータを用いることなく、比較的小さい駆動力の駆動モータ(ワイヤホイスト等)を採用することができ、簡単な構造で、重量物(農作物等の物品など)を収容したコンテナ200を容易に傾動、回転、反転することが可能な、安価な、コンテナ回動装置100を提供することができる。
【0038】
また、コンテナ回動装置100は、回転支持軸131よりも低い位置に配置され、可動台120及びコンテナ200の傾動により、コンテナ200の内部から外部へ移動した物品を受ける、受け部11(出口シュート等)を有する。詳細には、受け部11が本体枠110に設けられている。すなわち、コンテナ200の傾動により、物品がコンテナ200の内部から受け部11(出口シュート等)に移動する。
そして、物品は、受け部11(出口シュート等)から、例えばベルトコンベア等の搬送装置により、分別装置等の所定の装置や、所定の場所に移動する。
つまり、簡単な構造で、傾斜姿勢又は反転姿勢のコンテナ200からの物品を受け部11により受ける、コンテナ回動装置100を提供することができる。
【0039】
また、最初に、空のコンテナ200及び可動台120を傾斜姿勢とし、回転支持軸よりも高い位置に配置された、コンベア等の収容用搬送部5により複数の物品(農作物等)をコンテナ200へ搬送しながら、コンテナ200及び可動台120を起立姿勢となるように回動させることで、コンテナ200に収容される農作物等の物品の破損やキズなどを低減するコンテナ回動装置を提供することができる。
【0040】
また、例えば操作者が有線式又は無線式の操作部(不図示)を操作して、巻取駆動部Mの索体wの巻取り、繰出しを指示することにより、その指示に応じて巻取駆動部Mが索体wの巻取りや繰出しを行うことで、可動台120及び当該可動台120に載置されるコンテナ200が傾動可能又は回動可能である。
また、コンテナ回動装置100は、コンテナ200の傾きの角度、又は可動台120の回転角を検出する角度検出部と、コンテナに収容されている物品の量を検知する物品量検知部と、角度検出部による検出結果、及び物品量検知部による検知結果に基づいて、巻取駆動部Mにより、索体wの巻取りや繰出しの制御を行う制御部とを有してもよく、可動台120及び当該可動台120の姿勢を容易に自動制御可能である。
【0041】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100の動滑車部1280は、回転支持軸131に対して平行な旋回軸(1281L,1281R)と、旋回軸(1281L,1281R)まわりに旋回可能な索輪1282(1282L,1282R)とを有する。
動滑車部1280の索輪1282は、旋回軸(1281L,1281R)に対して所定距離だけ離れて旋回軸(1281L,1281R)まわりに旋回自在に配置されており、詳細には、索輪1282は、支持部材1283により、旋回軸(1281L,1281R)(旋回軸線)に対して旋回自在に支持されている。
また、索輪1282の回転軸は、旋回軸(1281L,1281R)に対して直交方向となるように規定されており、詳細には、索輪1282は、支持部材1283に対して、その回転軸により回転自在に軸支されている。
つまり、動滑車部1280の索輪1282は、旋回軸(1281L,1281R)に対して偏心した位置で旋回自在に構成されている。
【0042】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100の動滑車部1280は、可動台120(反転テーブル)の左右両側(回転支持軸方向の両側)に設けられた2つの動滑車、詳細には、第1の動滑車128L及び第2の動滑車128Rを有する。
【0043】
第1の動滑車128Lは、旋回軸1281L、第1の索輪1282L、支持部材1283L等を有する。
旋回軸1281Lは、載置部123の載置面に対して反対側の面側に、隙間をあけて設けられており、回転支持軸131に対して平行となるように規定されている。
第1の索輪1282Lは、載置部123の回転支持軸方向の一方の側面よりも外側に配置され、第1の旋回軸1281Lまわりに旋回可能に、支持部材1283Lにより支持されている。第1の索輪1282Lの回転軸は、旋回軸1281Lに対して所定距離だけ離れた位置で、旋回軸1281Lに対して直交方向となるように規定されている。
【0044】
第2の動滑車128Rは、旋回軸1281R、第2の索輪1282R、支持部材1283R等を有する。
旋回軸1281Rは、載置部123の載置面に対して反対側の面側に、隙間をあけて設けられており、回転支持軸131に対して平行となるように規定されている。
第2の索輪1282Rは、載置部123の回転支持軸方向の他方の側面よりも外側に配置され、第2の旋回軸1281Rまわりに旋回可能に、支持部材1283Rにより支持されている。第2の索輪1282Rの回転軸は、旋回軸1281Rに対して所定距離だけ離れた位置で、旋回軸1281Rに対して直交方向となるように規定されている。
旋回軸1281Lの旋回軸線は、旋回軸1281Rの旋回軸線と同一直線上に位置するように規定されていることが好ましい。
【0045】
そして、巻取駆動部M(駆動モータ等)からの索体wが、可動台120に設けられた第1の動滑車128Lの第1の索輪1282Lに巻き掛けられ、可動台120の載置部123の載置面に対して反対側の面側を通り、第2の動滑車128Rの第2の索輪1282Rに巻き掛けられた状態で、当該索体wの端部が、固定取付部Fに固定されている。
巻取駆動部Mが索体wを巻取る、又は繰り出すことにより、可動台120及びコンテナ200を回転支持軸131を回転中心として傾動、回動することができる。
なお、巻取駆動部Mと固定取付部Fの位置が互いに逆であってもよい。詳細には、巻取駆動部M(駆動モータ等)からの索体wが、可動台120に設けられた第2の動滑車128Rの第2の索輪1282Rに巻き掛けられ、載置部123の載置面に対して反対側の面側を通り、第1の動滑車128Lの第1の索輪1282Lに巻き掛けられた状態で、当該索体wの端部が、固定取付部Fに固定されていてもよい。
【0046】
すなわち、可動台120は、回転支持軸131により回転自在に支持されるとともに、第1の動滑車128L、第2の動滑車128Rを介して索体w(ワイヤ等)により支持されており、巻取駆動部M(駆動モータ等)にかかる力が小さい。すなわち、巻取駆動部Mとして、比較的小さい駆動力の駆動モータ(ワイヤホイスト等)を採用することができる。
また、索体wが、載置部123の載置面に対して反対側の面側を通っているので、可動台120が初期姿勢(非傾動状態)のとき、コンテナ200を、可動台120の載置部123に容易に載置することができ、又はコンテナ200を載置部123から容易に取り除くことができる。
【0047】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100は、本体枠110に設けられた定滑車K1,K2(中間シーブ等)を有する。
定滑車K1,K2は、回転支持軸131よりも高く、巻取駆動部M、固定取付部Fよりも低い位置に配置されている。詳細には、定滑車K1,K2は、可動台120が非傾姿勢(初期状態)で、可動台120に設けられた動滑車部(第2の動滑車128R、第1の動滑車128L)の上方の位置に、本体枠110に設けられている。
具体的には、定滑車K1は第2の動滑車128Rの上方位置に配置されており、定滑車K2は第1の動滑車128Lの上方位置に配置されている。
巻取駆動部M及び固定取付部Fは、回転支持軸131よりも高い位置、且つ定滑車K1,K2よりも高い位置に設けられている。なお、本実施形態では、巻取駆動部M及び固定取付部Fは、回転支持軸131の上方、且つ回転支持軸131よりも後方位置に、本体枠110に設けられている。
【0048】
また、コンテナ回動装置100は、可動台120の回転位置に応じて、動滑車部(第2の動滑車128R)と巻取駆動部Mとの間の索体wが、定滑車K2に対して接離自在となるように構成されている。また、コンテナ回動装置100は、可動台120の回転位置に応じて、動滑車部(第1の動滑車128L)と固定取付部Fとの間の索体wが、定滑車K1に対して接離自在となるように構成されている。
【0049】
例えば、巻取駆動部M、定滑車K2、可動台120の動滑車128Lが直線上に位置した状態、または、それよりも可動台120の動滑車128Lが下方に位置する場合に、索体w(ワイヤ等)が定滑車K2に当接し、巻き掛けられている状態である。
同様に、固定取付部F、定滑車K1、可動台120の動滑車128Rが直線上に位置した状態、または、それよりも可動台120の動滑車128Rが下方に位置する場合に、索体w(ワイヤ等)が定滑車K2に当接し、巻き掛けられている状態である。
【0050】
具体的には、初期状態(非傾状態、0°)では、巻取駆動部Mからの索体wは、定滑車K2に巻き掛けられ、定滑車K2から下方に位置する、可動台120の動滑車128Lに巻き掛けられ、可動台120の載置部123の載置面に対して反対の面側を通って、動滑車128Rに巻き掛けられ、動滑車128Rの上方に位置する定滑車K1に巻き掛けられ、回転支持軸131よりも後方に位置する固定取付部Fに固定されている。つまり、動滑車128L、128Rには、上向きの力が働く。
【0051】
可動台120が回動し、巻取駆動部M、定滑車K2、可動台120の動滑車部1280が直線上に位置した状態よりも、可動台120の動滑車部1280が上方に位置する場合、ワイヤ等の索体wが定滑車K2と離間した状態となる。同様に、固定取付部F、定滑車K1、可動台120の動滑車部1280が直線上に位置した状態よりも、可動台120が上方に位置する場合、ワイヤ等の索体wが定滑車K1と離間した状態となる。
すなわち、可動台120の動滑車部1280には、索体wにより、巻取駆動部M、及び固定取付部Fに向けて力が働く。
【0052】
比較例として、例えば、定滑車K1,K2を設けずに、回転支持軸131の上方で、回転支持軸131よりも後側に配置された巻取駆動部M(又は固定取付部)からの索体wが、台車の動滑車128L,128Rに巻き掛けられた装置(比較例)では、巻取駆動部Mにより索体wを巻き取ると、動滑車128L,128Rには上方斜め後方に向かって力が働く。すなわち、動滑車128L,128Rに巻き掛けられている索体wには、力の上向きの成分が比較的小さくなるので、大量の野菜等の物品を収容したコンテナ及び可動台を上方に回動させるには、高出力の巻取駆動モータを要する。
【0053】
一方、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100は、可動台120及びコンテナ200が、初期位置(非傾状態、0°)、又は僅かに傾動した状態では、可動台120の動滑車128L,128Rの上方位置に、定滑車K1,K2が本体枠110(本体フレーム)に設けられ、定滑車K1,K2、及び動滑車128L,128Rに索体wが巻き掛けられているので、動滑車128L,128Rには上方向に比較的大きな力が働くので、巻取駆動部Mとしては、比較的低出力で安価な駆動モータを採用することができる。
【0054】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100の巻取駆動部M及び固定取付部Fは、回転支持軸131よりも上方に配置され、回転支持軸131は、巻取駆動部M(又は固定取付部F)と、可動台120の動滑車部1280との間に配置され、巻取駆動部M及び固定取付部Fは、可動台120の回転支持軸131を回転中心とした回動による、動滑車部1280の動線よりも半径方向外側に配置されているので、コンテナ200が載置された可動台120が回転支持軸131を回転中心として回動した場合であっても、コンテナ200及び可動台120の重心が、可動台120の動滑車部1280の動線よりも半径方向内側に位置するので、可動台120の回動時に本体枠110が倒れ難い構造となっている。
【0055】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100の本体枠110は、回転支持軸131よりも上方に設けられ、可動台120が回動状態で、コンテナ200に当接して当該コンテナ200の転倒を防止する転倒防止部材7を有する。
すなわち、簡単な構成で、転倒防止部材7を設けることにより、コンテナ200が回動状態、反転状態となった場合であっても、コンテナ200が転倒防止部材7に当接することで、コンテナ200が可動台120から外れて転倒することを防止することができる。また、コンテナ回動装置100は、規定よりも高さ等のサイズの異なるコンテナであっても、可動台120が回動状態で、そのコンテナが転倒防止部材7に当接することで転倒を防止可能となっている。また、転倒防止部材7として、水平な棒状又は突起状の転倒防止部材を採用した場合には安価な転倒防止部材7を提供することができる。
【0056】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100は、コンテナ200の上端部が回転支持軸131と略同じ高さとなるように、可動台120の載置部123に載置されたコンテナ200と当該載置部123との間に設けられる補助台(不図示)を有してもよい。
すなわち、規定よりも高さ等のサイズの異なる、例えば比較的小さいコンテナであっても、補助台を設けることにより、そのコンテナの上端部が回転支持軸131と略同じ高さとなり、回動時に、コンテナに収容されている物品を回転支持軸131を越えて容易に移動させることができる。つまり、異なる高さの補助台を準備することにより、様々なサイズのコンテナに対応することができる。この補助台は可動台120に固定部材により着脱自在に固定されてもよい。
【0057】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置100は、動滑車部、可動台120又は索体wの可動領域のみに保護用カバー部材(不図示)を有してもよい。
すなわち、例えば石や砂利などの物から、動滑車部、可動台120又は索体wを保護することにより、簡単な構成で、装置の動作不良などを防止可能なコンテナ回動装置100を提供することができる。
【0058】
また、本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置についてまとめると、以下のように記載することができる。
本体(本体枠110)に回転支持軸131を介して接続された可動台120は、動滑車(128L,128R等)を有している。
巻き上機(巻取駆動部M)から繰り出された索体wは、固定滑車(定滑車K2)を通じて鉛直下に有る可動台120の動滑車(128L)に巻き付き、反対方向に有る動滑車(128R)に巻き付き、鉛直上にある固定滑車(定滑車K1)を通じて固定フック(固定取付部F)に固定される。
巻き上機(巻取駆動部M)が索体wを巻き取り、可動台120が本体下部のフレームから離れた時に、荷重(可動台重量、コンテナ重量、農産物等荷の重量、の合計重量)の半分が回転支持軸131を通じて本体(本体枠110)に受け取られ、また半分は索体wを通じて巻き上機(巻取駆動部M)とフック(固定取付部F)に受け取られる。
ここで注視するのは、荷重の本体側にかかる重量(力)と可動台120の動滑車(128L,128R)にかかる重量(力)は半々である。また、この索体wにより巻き上機(巻取駆動部M)とフック(固定取付部F)それぞれに重量(力)が別れるということである。すなわち、巻き上機(巻取駆動部M)は荷重の1/4+余力(例えば5kN)で稼働可能ということである。
これらを可能にするのは、固定滑車と動滑車を用いたことと、その固定滑車の取付位置と動滑車取付位置が重要である。また、上記図で示したそれぞれの構成要素の位置は、本体を小さく作る上で最低限の場所(位置)である。
本発明の実施形態に係るコンテナ回動装置は、油圧式(比較例)と比べて、必要とする力の差は極端に小さい。
また、可動台120(回転台)が回動し、回転支持軸131の水平線上に可動台120の動滑車(128L,128R)が移動した状態では、コンテナに収容されていた荷(物品)はすでにコンテナの外へ出始めていて全体の荷重は軽くなってきている。この水平位置から上方へ可動台120やコンテナが上がるに連れて荷は減り、重量の変わらない可動台120とコンテナ200は回転支持軸131を通して本体(本体枠110)にかかり、最上部の130度の位置では、索体wにかかる重量(力)はわずかである。
例えば、従来例として油圧シリンダーを備え、可動台載置支持部を後方から押し上げ130度回転させる装置(従来例)では、可動台載置支持部中間より上方にシリンダーロッド用軸が設けられ、シリンダーは65度から75度の角度で下方及び後方にシリンダー受け軸が設けられる。荷重はその前方にあるため、シリンダーにかかる重量は、荷重の3倍~4倍(70~80kN)である。
一方、本発明に係るコンテナ回動装置では、上述したように、巻き上機(巻取駆動部M)にかかる力が比較的小さいので、低駆動力で安価な巻き上機(巻取駆動部M)を採用することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的、構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0060】
例えば、上述した実施形態では、コンテナ回動装置の可動台120(揺動台)にコンテナが着脱自在に設けられていたが、この実施形態に限られるものではなく、可動台120にコンテナ200が固定されていてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態では、巻取駆動部M(駆動モータ、又はワイヤホイスト等)が1つであったが、2つの巻取駆動部を本体枠に設けてもよい。
【符号の説明】
【0062】
5…収容用搬送部
100…コンテナ回動装置(コンテナ転倒装置、コンテナ傾動装置又は野菜カゴ転倒装置ともいう)
110…本体枠(本体フレーム等)
120…可動台(反転テーブル等)
122…載置支持部(反転テーブルの垂直部材等)
123…載置部(反転テーブルの下枠等)
128L…第1の動滑車
128R…第2の動滑車
131…回転支持軸
200…コンテナ(物品を収容する容器)
1280…動滑車部(バランスシーブ等)
1281L,1281R…旋回軸(第1の旋回軸、第2の旋回軸)
1282(1282L,1282R)…索輪(第1の索輪、第2の索輪)
F…固定取付部(フック等)
K1,K2…定滑車
M…巻取駆動部(駆動モータ、又はワイヤホイスト等)
w…索体(ワイヤ等)