(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】回転伝達機構およびチェーンブロック
(51)【国際特許分類】
B66D 3/20 20060101AFI20230316BHJP
B66D 3/26 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B66D3/20 L
B66D3/26 Z
(21)【出願番号】P 2020015082
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000129367
【氏名又は名称】株式会社キトー
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 司
(72)【発明者】
【氏名】小野 仁
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-162110(JP,U)
【文献】特開2013-151347(JP,A)
【文献】特開2007-007887(JP,A)
【文献】特開2000-334789(JP,A)
【文献】特開2000-183125(JP,A)
【文献】実開昭56-113127(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0264212(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/00-5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤ部材のシャフト部材と、回転体の回転シャフトとの間で回転を伝達させる回転伝達機構であって、
前記シャフト部材と交差する方向に沿って配置されるパネル部材と、
前記シャフト部材の端部側に直接的または間接的に取り付けられ、前記パネル部材のうち前記ギヤ部材とは反対側に配置されると共に、該シャフト部材と一体的に回転する駆動プーリと、
前記回転体が固定されると共に前記パネル部材を挟んで前記ギヤ部材とは反対側で前記パネル部材と対向配置される取付部材を有し、前記パネル部材に対して前記回転体を取り付けるための取付機構と、
前記回転体の前記回転シャフトの端部側に連結されている従動プーリと、
前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に掛け渡される駆動ベルトと、
前記パネル部材に取り付けられると共に、前記回転シャフトを回転自在な状態で保持する軸受と、
を備えることを特徴とする回転伝達機構。
【請求項2】
請求項1記載の回転伝達機構であって、
前記パネル部材には、挿通孔が設けられていて、
当該挿通孔の存在により、前記パネル部材は、前記駆動プーリを取り付けるプーリ受け部材の挿通部分または前記シャフト部材の挿通部分に対して干渉しない状態で、前記シャフト部材の軸方向に直交する方向に移動可能に設けられている、
ことを特徴とする回転伝達機構。
【請求項3】
請求項1または2記載の回転伝達機構であって、
前記駆動ベルトに対してテンションを付与するためのテンション調整機構が設けられている、
ことを特徴とする回転伝達機構。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転伝達機構を備える、
ことを特徴とするチェーンブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転伝達機構およびチェーンブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
モータの駆動力を利用して荷を昇降させる電気チェーンブロックは、複数のギヤを備えるギヤユニットを内蔵しており、このギヤユニットを介してロードシーブまで駆動力を伝達している。このような電気チェーンブロックとしては、たとえば特許文献1に示すものがあり、モータからの駆動力を、ギヤユニットを介してロードシーブへと伝達している。
【0003】
また、特許文献2には、シャフト部材に対してエンコーダ装置を後付けする際に、エンコーダ装置の回転シャフトにカップリングを取り付けると共に、そのカップリングにアダプタ部材および位置決めピンを介して芯出しする構成について開示されている。この特許文献2に開示の構成では、アダプタ部材の挿入ボス部が、カップリングの取付用穴に挿入されると共に、位置決めピンのテーパピンが、シャフト部材のセンター穴に挿入されることで、芯出しを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-48093号公報
【文献】特開2017-132560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電気チェーンブロックにおいて、たとえばエンコーダ装置のような別途の部材を、ギヤユニットの所定のギヤ部材の軸(回転軸)の一端部に後付けにて連結する場合がある。このような場合には、通常は、カップリングを用いて連結することになる。しかし、カップリングを用いるためには、ギヤ部材の先端側に、カップリングの取付用穴への連結のための突出部位が形成されている必要があるが、そのような突出部位はギヤ部材には通常存在しないので、先端側に突出部位が存在するギヤ部材を新規に加工する必要がある。
【0006】
そこで、上記のようなギヤ部材の加工の工数等を削減するために、特許文献2に開示のような構成を実現している。しかしながら、特許文献2に開示の構成においては、アダプタ部材と締結部材との間で、ガタ付きが生じる場合がある。その場合には、芯出しを行うことが難しいか、または芯出しを行うための別途の部材が必要となる。
【0007】
また、ギヤユニットの回転軸の一端部に対し、エンコーダ装置のような別途の部材を連結する場合、基本的には同じ軸線上に配置されることで、両者の芯出しがなされる。しかしながら、このような構成では、回転軸の軸線方向の寸法が大きくなるので、製品の大型化を招く、という問題もある。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、後付けで回転シャフトの一端部に回転体を連結する場合に、ガタ付きが生じるのを低減できると共に、小型化を図ることが可能な回転伝達機構およびチェーンブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、ギヤ部材のシャフト部材と、回転体の回転シャフトとの間で回転を伝達させる回転伝達機構であって、シャフト部材と交差する方向に沿って配置されるパネル部材と、シャフト部材の端部側に直接的または間接的に取り付けられ、パネル部材のうちギヤ部材とは反対側に配置されると共に、該シャフト部材と一体的に回転する駆動プーリと、回転体が固定されると共にパネル部材を挟んでギヤ部材とは反対側でパネル部材と対向配置される取付部材を有し、パネル部材に対して回転体を取り付けるための取付機構と、回転体の回転シャフトの端部側に連結されている従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡される駆動ベルトと、パネル部材に取り付けられると共に、回転シャフトを回転自在な状態で保持する軸受と、を備えることを特徴とする回転伝達機構が提供される。
【0010】
また、上述の発明において、パネル部材には、挿通孔が設けられていて、当該挿通孔の存在により、パネル部材は、駆動プーリを取り付けるプーリ受け部材の挿通部分またはシャフト部材の挿通部分に対して干渉しない状態で、シャフト部材の軸方向に直交する方向に移動可能に設けられている、ことが好ましい。
【0011】
また、上述の発明において、ベルト機構には、駆動ベルトに対してテンションを付与するためのテンション調整機構が設けられている、ことが好ましい。
【0012】
また、チェーンブロックに係る本発明は、上述の各発明に係る回転伝達機構を備える、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、後付けで回転シャフトの一端部に回転体を連結する場合に、ガタ付きが生じるのを低減できると共に、小型化を図ることが可能な回転伝達機構およびチェーンブロックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の各実施の形態に係るチェーンブロックの本体の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すチェーンブロックのうち、ギヤユニットおよびボディ付近の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1に示すチェーンブロックが備えるボディのうち、ギヤボックス部側を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示すチェーンブロックのうち、パネル板付近の構成を示す側面から見た断面図である。
【
図5】
図1に示すチェーンブロックのうち、パネル板付近の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態に係る、回転伝達機構12を備えるチェーンブロック10について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を用いて説明することとする。XYZ直交座標系においてX方向とは、
図2においてロードシーブ部材50の軸方向とし、X1側は
図2における左上側を指し、X2側はそれとは逆の右下側を指す。また、Z方向とは、荷が吊り下げられる方向を指し、Z1側は
図1および
図2における紙面奥側を指し、Z2側はそれとは逆の紙面手前側を指す。また、Y方向は、X方向およびZ方向に直交する方向を指し、Y1側は
図2における左下側を指し、Y2側はそれとは逆の右上側を指す。
【0016】
<チェーンブロックの全体構成について>
図1は、チェーンブロック10の本体11の全体構成を示す斜視図である。
図2は、チェーンブロック10のうち、ギヤユニット30およびボディ40付近の構成を示す分解斜視図である。
図1および
図2に示すように、チェーンブロック10は、モータユニット20と、ギヤユニット30と、ボディ40と、ロードシーブ部材50と、コントロールユニット80等を備えている。
【0017】
図1および
図2に示すチェーンブロック10では、モータユニット20からの駆動力が、ギヤユニット30に伝達され、所定の減速比で減速された後に、ボディ40内に配置されているロードシーブ部材50に駆動力が伝達され、ロードシーブ部材50が回転させられる。
【0018】
ここで、ロードシーブ部材50には、図示を省略するロードチェーンが掛け回されており、そのロードチェーンを巻き上げまたは巻き下げることで、図示を省略するフックと、本体11との間の距離を相対的に変化させ、荷を吊り上げることができる。
【0019】
<ギヤユニット、ボディおよびギヤケースの構成について>
次に、ギヤユニット30、ボディ40およびギヤケース70について説明する。
図2に示すように、ボディ40とギヤケース70の間のギヤ収納空間GS(
図3参照)には、ギヤユニット30が収納されている。ギヤユニット30は、ピニオンギヤ31と、第1従動ギヤ体32と、第2従動ギヤ体33と、ロードギヤ34とを備えている。
【0020】
ピニオンギヤ31は、モータユニット20のモータ軸(図示省略)と連結されている。
図2に示すように、ピニオンギヤ31は、ロードギヤ34と同軸になるように設けられている。ただし、ピニオンギヤ31の回転は、ロードギヤ34には直接伝達されない。すなわち、ロードギヤ34は、中空部分を有するロードシーブ部材50の端部側とスプライン結合されることで、ロードギヤ34とロードシーブ部材50とは一体的に回転する。しかしながら、ピニオンギヤ31は、ロードシーブ部材50の中空部分に挿通されているが、かかるロードシーブ部材50とピニオンギヤ31との間では、互いに回転自在となっている。
【0021】
なお、ピニオンギヤ31は、上述のようにロードシーブ部材50の中空部分に挿通されるが、そのロードシーブ部材50は、軸受B1,B2によって回転自在に軸支される。また、オイルシールOS1もロードシーブ部材50の外周側に取り付けられ、後述する収納凹部42内に供給される潤滑油が漏れるのを防止している。なお、ロードシーブ部材50は、図示を省略するロードチェーンの金属輪を入り込ませるチェーンポケット51を備えている。
【0022】
なお、ピニオンギヤ31の一端側(X1側)は、ギヤケース70の底部71に存在する凹嵌部72に対して、軸受B3を介して軸支されている(
図2参照)。
【0023】
図3は、ボディ40のうち、ギヤボックス部41側を示す斜視図である。
図3に示すように、ピニオンギヤ31は、第1従動ギヤ体32の第1大径従動ギヤ32aと噛み合う。この第1従動ギヤ体32には、第1大径従動ギヤ32aの他に、第1大径従動ギヤ32aよりも歯数が少なく小径の第1小径従動ギヤ32bも一体的かつ同軸に設けられている。
【0024】
なお、
図2および
図3に示すように、ギヤボックス部41の内部には、第1従動ギヤ体32を支持するための支持プレート60が、たとえばネジ等を介して取り付けられている。支持プレート60には、軸受B4が嵌め込まれる凹嵌部が設けられていて、その軸受B4を介して、第1従動ギヤ体32の他端側(X2側)が軸支される。
【0025】
また、第1従動ギヤ体32の一端側(X1側)は、ギヤケース70側の軸受B5を介して回転自在に軸支されるが、この軸受B5は、底部71に形成されている存在する凹嵌部73に嵌め込まれている。それにより、第1従動ギヤ体32の両端側が回転自在に軸支される構成となっている。
【0026】
次に、第2従動ギヤ体33について説明する。第1小径従動ギヤ32bには、第2従動ギヤ体33の第2大径従動ギヤ33aが噛み合っている。この第2従動ギヤ体33には、第2大径従動ギヤ33aの他に、第2大径従動ギヤ33aよりも歯数が少なく小径の第2小径従動ギヤ33bも一体的かつ同軸に設けられている。なお、第2従動ギヤ体33は、ギヤ部材に対応する。
【0027】
図4は、第2従動ギヤ体33とエンコーダ装置120を連結した状態を示す部分的な断面図である。
図4に示すように、第2従動ギヤ体33は、シャフト部材331を備えている。また、第2従動ギヤ体33は、上述した第2大径従動ギヤ33aおよび第2小径従動ギヤ33bの他に、フリクションクラッチを構成する軸受B6と、クラッチ摩擦板332と、皿ばね333等を有している。かかる第2従動ギヤ体33のうち、シャフト部材331の他端側(X2側)には、第2小径従動ギヤ33bが形成されている。
【0028】
また、
図4に示すように、シャフト部材331には、スプライン部331aが形成されていて、そのスプライン部331aには、一対のクラッチ摩擦板332が、スプライン結合されている。したがって、クラッチ摩擦板332は、シャフト部材331と一体的に回転する。
【0029】
ここで、一対のクラッチ摩擦板332は、第2大径従動ギヤ33aを挟み込んでいる。また、それぞれのクラッチ摩擦板332は、皿ばね333によってそれぞれ押圧されている。皿ばね333は、スペーサSP1と、段差部334の間で挟持されることにより、クラッチ摩擦板332を押圧する付勢力を与える。なお、スペーサSP1の一端側(X1側)には、軸受B7が隣接していて、その軸受B7の一端側(X1側)にはスペーサSP2を介してオイルシールOS2が取り付けられている。さらに、シャフト部材331の一端側(X1側)に存在するネジ部331bには、ナットN1が捻じ込まれている。したがって、ナットN1をネジ部331bに捻じ込むと、段差部334の間に、スペーサSP1、軸受B7およびスペーサSP2を介して、捻じ込み力が皿ばね333に伝達され、それによってクラッチ摩擦板332が押圧される。
【0030】
また、ギヤケース70には、上述した軸受B7、スペーサSP2およびオイルシールOS2を嵌め込むための凹嵌部74が設けられている。この凹嵌部74は、ギヤケース70の底部71を、X方向の一方側(X1側)に向かうように窪ませている部分である。なお、凹嵌部74の底部には、シャフト部材331やナットN1を挿通させるための挿通孔74aが設けられている。したがって、シャフト部材331の一端側(X1側)は、後述する電装品収納部76に突出する。また、挿通孔74aの周囲には、オイルシールOS2を受け止めるための段部74bが設けられている。
【0031】
また、第2従動ギヤ体33の他端側(X2側)は、ギヤボックス部41の底部411に存在する凹嵌部(図示省略)に嵌め込まれる軸受B8を介して軸支されている。
【0032】
<電装品収納部および電装品収納部について>
次に、電装品収納部76およびコントロールユニット80について説明する。ギヤケース70の一方側(X1側)には、凹形状部75が設けられている。また、凹形状部75を覆うように、コントローラカバー90が取り付けられ、その内部には、電装品を外部から保護するための電装品収納部76が形成される。この電装品収納部76には、上述したようなシャフト部材331の一端側(X1側)の他に、コントローラや、起動回数をカウントするためのカウンタ、インバータ等の電装品が収納されている。なお、ギヤケース70の一方側と、コントローラカバー90と、その内部に収納される各種の電装品によって、コントロールユニット80が構成される。
【0033】
<回転伝達機構について>
次に、回転伝達機構12について説明する。回転伝達機構12は、シャフト部材331からエンコーダ装置120の回転シャフト122に回転を伝達するための機構であり、パネル板100と、取付機構110と、ベルト機構130とを主要な構成要素としている。以下、エンコーダ装置120を含めて、順次説明する。
【0034】
図4に示すように、電装品収納部76には、パネル板100が設けられている。パネル板100は、たとえば金属や樹脂を材質としていて、コントロールユニット80や端子台等を始めとする各種の電装品を取り付ける部材である。また、パネル板100は、エンコーダ装置120およびベルト機構130を取り付けるための部材である。このパネル板100は、ギヤケース70に対して、たとえばネジ等を介して取り付けられている。それにより、コントローラカバー90を取り外しても、エンコーダ装置120の取り付け状態に影響を与えずに済む。したがって、コントローラカバー90をギヤケース70から取り外した際に、ベルト機構130の駆動ベルト133が緩まずに済む。
【0035】
なお、パネル板100においては、エンコーダ装置120を将来的に取り付けるためのスペースの分を確保した状態で、端子台等がパネル板100に取り付けられている(
図5参照)。しかしながら、このようなスペースを確保せずに、エンコーダ装置120を取り付ける際に、端子台等のパネル板100に対する取付部位を移動させるようにしても良い。
【0036】
このパネル板100には、取付機構110が取り付けられている。取付機構110は、エンコーダ装置120を取り付けるための機構である。取付機構110には、取付板111と、脚部材112と、締結部材113とを有している。取付板111は、脚部材112および締結部材113を介して、パネル板100に取り付けられるが、それらパネル板100と取付板111との間には、所定の隙間S1が設けられている。
【0037】
なお、脚部材112は、たとえば3本以上設けられている。この脚部材112は、両ねじボルト112aと、スペーサ112bとを備えている。そして、両ねじボルト112aは、スペーサ112bに挿通され、そのスペーサ112bがパネル板100と取付板111の間に位置した状態で、ナット等の締結部材113が捻じ込まれることで、所定の隙間S1が維持される。
【0038】
ここで、取付板111には、エンコーダ装置120の装置本体121が取り付けられる。装置本体121は、取付板111のうち、隙間S1とは反対側の面に取り付けられている。
【0039】
回転シャフト122の端部側は、軸受B10によって軸支されている。軸受B10は、パネル板100に形成された軸孔101に挿入状態で固定されている。この回転シャフト122には、従動プーリ131が回転自在な状態で取り付けられている。従動プーリ131は、ベルト機構130のうち、エンコーダ装置120側(回転シャフト122)に取り付けられている部材である。
【0040】
なお、エンコーダ装置120は、基本的には、チェーンブロック10の組み付けが完了した後に、後付けで取り付けるオプションパーツとなっており、回転体に対応する。エンコーダ装置120は、パルス数のカウントによって位置検出や、速度検出、および上昇か下降か等の検出を行うためのものである。本実施の形態のエンコーダ装置120は、アブソリュート形のロータリエンコーダであっても良く、インクリメンタル形のロータリエンコーダであっても良い。
【0041】
<ベルト機構について>
次に、ベルト機構130について説明する。ベルト機構130は、従動プーリ131と、駆動プーリ132と、これらの間に掛け渡される駆動ベルト133と、テンション調整機構140とを備えている。
【0042】
従動プーリ131は、上述したように、回転シャフト122に取り付けられている。ただし、回転シャフト122に対する従動プーリ131の取り付け位置を位置決めするために、回転シャフト122には、スペーサ123が取り付けられている。スペーサ123は、従動プーリ131よりも装置本体121側に配置されている。したがって、従動プーリ131は、装置本体121よりも軸受B10側(すなわちパネル板100側)に近接して配置されている。このため、従動プーリ131および駆動プーリ132は、パネル板100側に近接して配置されている。
【0043】
ここで、上記の構成とは逆に、回転シャフト122が設けられずに、パネル板100から離れた側(すなわち装置本体121側)に、従動プーリ131が近接した状態で配置される場合を考える。この場合、パネル板100に対する脚部材112の取り付け剛性を高くしないと、従動プーリ131と駆動プーリ132の間隔が変動してしまう虞がある。特に、駆動ベルト133のテンションを高くすると、取付板111自体が、駆動プーリ132側に向かうようにパネル板100に対して寄せられる(平行移動する)虞がある。また、装置本体121側で駆動ベルト133のテンションを受ける場合、駆動ベルト133の駆動に伴って、装置本体121に振動が発生し易くなる。
【0044】
これに対して、本実施の形態では、上記のように、スペーサ123の存在によって、従動プーリ131および駆動プーリ132は、パネル板100側に近接して配置されている。このため、パネル板100の剛性に基づいて従動プーリ131と駆動プーリ132の間隔が定められる。したがって、ベルト機構130の駆動ベルト133のテンションを高くしても、従動プーリ131と駆動プーリ132の間隔を維持することができる。また、パネル板100に近い側で、駆動ベルト133のテンションを受け止めることができるので、その駆動ベルト133のテンションを高くしても、装置本体121側に振動が伝わり難くなる。
【0045】
また、駆動ベルト133をパネル板100側に近づけることができるので、装置本体121をパネル板100側に近づける配置とすることができる。それにより、軸方向の寸法を小さくすることが可能となる。
【0046】
なお、駆動プーリ132は、シャフト部材331の端部側に対し、たとえば止めネジ等を介して取り付けられている。なお、駆動プーリ132がシャフト部材331の軸方向に移動するのを防止するために、シャフト部材331の軸方向(X方向)の一端部(X1側)にはスナップリングが取り付けられている。また、駆動プーリ132よりも軸方向(X方向)の他方側(X2側)にはプーリ受け部材335が取り付けられていて、そのプーリ受け部材335は、パネル板100の挿通孔102に挿通されている。
【0047】
なお、プーリ受け部材335は、駆動プーリ132を取り付ける部材であると共に、シャフト部材331の端部側に取り付けるための部材である。すなわち、シャフト部材331が、駆動プーリ132を取り付けるのに十分な長さを有していないため、プーリ受け部材335のような、シャフト部材331を実質的に軸方向に延長するための部材を取り付けている。
【0048】
かかるプーリ受け部材335は、
図4に示すように、軸固定部335aと、プーリ取付部335bとを有している。軸固定部335aは、図示を省略する穴部を有していて、その穴部にシャフト部材331の一端部を差し込んだ状態で、たとえばネジを介して固定するための部分である。一方、プーリ取付部335bは、その外周側に駆動プーリ132を取り付けるための部分である。したがって、軸固定部335aは、プーリ取付部335bよりも大径に設けられている。
【0049】
なお、プーリ受け部材335は、挿通孔102の内周壁に非接触の状態で位置しているが、その挿通孔102の大きさは、プーリ受け部材335の軸固定部335aの外径よりも十分に大きく設けられている。このため、軸固定部335aを挿通孔102に挿通させた状態で、パネル板100を軸方向(X方向)に直交するYZ平面に平行に移動させることができる。それにより、駆動プーリ132と従動プーリ131の間の距離を調整することができる。なお、このような距離の調整を行うためには、挿通孔102の直径は、軸固定部335aの外径に対して、1.1倍以上であれば上記の調整が良好に行えるが、1.3倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2.0倍以上であることがさらに好ましい。
【0050】
なお、軸固定部335aの外周側に、軸受を取り付けるようにしても良い。この場合には、軸受の外径と挿通孔102の直径とが同等の大きさとなる。また、上記のようなプーリ受け部材335を設けずに、シャフト部材331の長さを延伸するようにしても良い。この場合には、シャフト部材331の一端側(X1側)に、駆動プーリ132が直接取り付けられる状態となる。
【0051】
なお、上記のように、パネル板100は、駆動プーリ132に対して軸方向(X方向)に直交するYZ平面に平行に移動させるためには、ギヤケース70に対するパネル板100のネジ等による取付部位を、たとえば長孔状または大き目の孔状に設けることが好ましい。このような長孔状または大き目の孔状の寸法としては、上記の軸固定部335aの外径と挿通孔102の直径の寸法差以上とすることが好ましい。
【0052】
ここで、従動プーリ131、駆動プーリ132、シャフト部材331および回転シャフト122の関係は次の通りである。すなわち、シャフト部材331と回転シャフト122とは、軸方向(X方向)において重なり合う部分L1を有している。しかも、その重なり合う部分L1には、従動プーリ131と駆動プーリ132とが配置されている。
【0053】
このような配置により、チェーンブロック10の軸方向(X方向)の寸法が低減されている。なお、回転シャフト122は、エンコーダ装置120の装置本体121から突出しているが、その突出部分では、回転シャフト122の半分以上が、シャフト部材331に対し、軸方向(X方向)において重なり合っている。すなわち、重なり合う部分L1は、回転シャフト122の装置本体121からの突出部分の半分以上を占めている。
【0054】
また、駆動プーリ132から従動プーリ131に駆動力を良好に伝達させるためには、駆動ベルト133は、歯付のタイミングベルトであることが好ましい。この場合、従動プーリ131および駆動プーリ132は、歯付のタイミングプーリとなる。ただし、駆動ベルト133は、タイミングベルト以外に、平ベルト等のようなその他のベルトを用いるようにしても良い。その場合には、従動プーリ131および駆動プーリ132も、駆動ベルト133に対応するプーリとなる。
【0055】
なお、エンコーダ装置120を取り付ける前の段階では、従動プーリ131と駆動ベルト133とをセットで準備しておくことが好ましい。この場合には、エンコーダ装置120をパネル板100に組み付け易くなる。
【0056】
また、テンション調整機構140は、駆動ベルト133のテンションを付与するための機構である。このテンション調整機構140は、アーム支持部141と、アーム部材142と、アイドルローラ143と、スペーサ144と、付勢バネ145とを備えている。なお、かかるテンション調整機構140の各部品が組み付けられることで、1つのユニットとしてユニット化されていることで、テンション調整機構140をパネル板100に組み付ける際の作業性が向上している。しかしながら、テンション調整機構140は、1つのユニットにユニット化されていなくても良い。
【0057】
アーム支持部141は、支持軸部141aを備えていて、その支持軸部141aがパネル板100に対して挿通されつつ、その挿通方向に移動しないようにパネル板100に対して取り付けられている。この支持軸部141aには、アーム部材142の軸支部142aの軸孔(図示省略)に挿通され、さらにスペーサ144にも挿通されている。また、支持軸部141aの一端側のネジ部は、パネル板100のうちギヤユニット30側に突出した状態で、ナット141bが捻じ込まれ、支持軸部141aの他端側には、スナップリングR2が係止されている。このため、支持軸部141aは、アーム部材142を回動自在としつつ、支持軸部141aの軸方向に移動しない状態で支持している。
【0058】
アーム部材142は、上述した支持軸部141aに支持される軸支部142aと、ローラ支持部142bとを有している。ローラ支持部142bは、軸支部142aと一体的に設けられているが、本実施の形態では、軸支部142aは、ローラ支持部142bよりもパネル板100側に位置するように設けられている。言い換えると、アーム部材142を側面視した場合、軸支部142aとローラ支持部142bとは段形状に設けられているが、ローラ支持部142bの方が軸支部142aよりもパネル板100から離れている。このため、ローラ支持部142bのうち、アイドルローラ143をパネル板100側に位置させることが可能となっている。また、アーム部材142は、上記のような段形状を有しているので、軸方向(X方向)においてアーム部材142の寸法が大きくなるのを防止している。
【0059】
上記のローラ支持部142bの軸孔(図示省略)には、ローラ軸146が挿通されているが、そのローラ軸146は、ナット等によって軸孔から抜け止めされている。このローラ軸146には、アイドルローラ143が挿通されている。アイドルローラ143は駆動ベルト133に当接する部材であり、ローラ軸146に対して回転自在に設けられている。このようなアイドルローラ143としては、部品点数を少なくするためにベアリング等を用いることが可能であるが、ベアリング以外の部材をアイドルローラ143とすることは勿論可能である。
【0060】
ここで、上述したスペーサ144の外周側には、付勢バネ145の巻回部分が位置している。この付勢バネ145の一端部145aは、パネル板100の孔部等に係止されていると共に、他端部145bは、軸支部142aに係止されている。この付勢バネ145は、たとえば捩じりバネであり、アイドルローラ143を駆動ベルト133に押し付ける付勢力を与えている。このようなテンション調整機構140により、駆動ベルト133が緩まない状態で、駆動プーリ132から従動プーリ131に駆動力を伝達するように構成されている。
【0061】
また、パネル板100には、保護カバー150も取り付けられている。保護カバー150は、駆動プーリ132とテンション調整機構140の大部分、軸方向(X方向)の他方側(X2側)から覆う部材である。ここで、従動プーリ131は、取付板111によって軸方向(X方向)の一方側(X1側)から覆われている。このため、従動プーリ131と駆動プーリ132とは、軸方向(X方向)の一方側(X1側)から保護された状態となっている。
【0062】
<効果について>
以上のような構成の回転伝達機構12においては、ギヤ部材(第2従動ギヤ体33)のシャフト部材331と、回転体(エンコーダ装置120)の回転シャフト122との間で回転を伝達させる。この回転伝達機構12は、シャフト部材331と交差する方向に沿って配置されるパネル部材(パネル板100)を備える。また、回転伝達機構12は、シャフト部材331の端部側に取り付けられ、パネル部材(パネル板100)の挿通孔102を介してパネル部材(パネル板100)のうちギヤ部材(第2従動ギヤ体33)とは反対側に配置されると共に、シャフト部材331と一体的に回転する駆動プーリ132を備える。また、回転伝達機構12は、回転体(エンコーダ装置120)が固定されると共にパネル部材(パネル板100)を挟んでギヤ部材(第2従動ギヤ体33)とは反対側でパネル部材(パネル板100)と対向配置される取付部材(取付板111)を有し、パネル部材(パネル板100)に対して回転体(エンコーダ装置120)を取り付けるための取付機構110と、回転体(エンコーダ装置120)の回転シャフト122の端部側に連結されている従動プーリ131を備える。また、回転伝達機構12は、駆動プーリ132と駆動ベルト133との間に掛け渡される駆動ベルト133を備える。また、軸受B10は、パネル部材(パネル板100)に取り付けられると共に、回転シャフト122を回転自在な状態で保持されている。
【0063】
このため、駆動ベルト133の有する柔軟性を利用して、ガタ付きが生じない構成を実現することが可能となる。また、手間のかかる芯出しを行う必要がなくなる。
【0064】
ここで、現状の回転伝達機構は、アダプタ部材や締結部材を用いてシャフト部材331と回転シャフト122とを連結している。この場合、ガタ付きが生じたり、ガタ付きを解消するための芯出しが難しくなる。しかしながら、本実施の形態の回転伝達機構12は、ベルト機構130を用いていて、そのベルト機構130の駆動ベルト133は、柔軟性を有している。このため、アダプタ部材や締結部材を用いてシャフト部材331と回転シャフト122とを連結する構成と比較すると、上記のように、ガタ付きが生じない構成を実現することが可能となり、また、手間のかかる芯出しを行う必要がなくなる。
【0065】
また、軸受B10は、パネル部材(パネル板100)に取り付けられると共に、この軸受B10は、回転シャフト122を回転自在な状態で保持している。このため、駆動ベルト133の張力が作用する場合でも、軸受B10でその荷重を受け止めることができ、回転シャフト122の回転を安定的な状態とすることができる。
【0066】
また、本実施の形態では、パネル部材(パネル板100)には、挿通孔102が設けられていて、当該挿通孔102の存在により、パネル部材(パネル板100)は、駆動プーリ132を取り付けるプーリ受け部材335の挿通部分に対して干渉しない状態で、シャフト部材331の軸方向(X方向)に直交する方向に移動可能に設けられている。
【0067】
このため、パネル部材(パネル板100)を軸方向(X方向)に直交する方向に移動させることで、駆動ベルト133のテンションを調整することが可能となる。
【0068】
なお、本実施の形態では、回転シャフト122のうち、従動プーリ131よりも回転体(エンコーダ装置120)の装置本体121側には、スペーサ123が配置されていて、駆動プーリ132は、装置本体121側よりもパネル部材(パネル板100)側に配置されている。
【0069】
ここで、装置本体121側に、従動プーリ131が近接している場合、パネル板100に対する脚部材112の取り付け剛性を高くしないと、従動プーリ131と駆動プーリ132の間隔が変動してしまう虞がある。また、装置本体121側で駆動ベルト133のテンションを受ける場合、駆動ベルト133の駆動に伴って、装置本体121に振動が発生し易くなる。
【0070】
これに対して、本実施の形態では、上記のように、スペーサ123が装置本体121側に配置されることで、従動プーリ131および駆動プーリ132は、パネル板100側に近接して配置されている。このため、パネル板100の剛性を利用することができるので、ベルト機構130の駆動ベルト133のテンションを高くしても、従動プーリ131と駆動プーリ132の間隔を維持することができる。また、パネル板100に近い側で、駆動ベルト133のテンションを受け止めることができるので、その駆動ベルト133のテンションを高くしても、装置本体121側に振動が伝わり難くなる。
【0071】
また、駆動ベルト133をパネル板100側に近づけることができるので、装置本体121をパネル板100側に近づける配置とすることができる。それにより、軸方向(X方向)の寸法を低減することが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態では、ベルト機構130には、駆動プーリ132に対してテンションを付与するためのテンション調整機構140が設けられている。このため、テンション調整機構140を用いて駆動ベルト133にテンションを与えることができ、駆動ベルト133が緩むのを防止することが可能となる。
【0073】
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0074】
上述の実施の形態では、パネル部材としてパネル板100について説明している。しかしながら、パネル部材は板状のパネル板100に限られるものではない。たとえば、網状の部材、柱状の部材、ブロック状の部材等、板状の部材とは異なるものをパネル部材としても良い。また、上述の実施の形態では、パネル板100は、シャフト部材331に対して直交する方向に沿って配置している。しかしながら、パネル板100は、シャフト部材331に対して直交方向の配置に限られず、若干傾斜した方向(すなわち直交以外の交差する方向)に沿って配置されていても良い。
【0075】
また、上述の実施の形態においては、第2従動ギヤ体33は、メカニカルブレーキの機能を備えるように構成しても良い。メカニカルブレーキの機能を備える場合、第2大径従動ギヤ33aと第2小径従動ギヤ33b以外にラチェット歯(図示省略)を同軸的に取り付け、そのラチェット歯にバネ部材で付勢されつつ係止する爪部材(図示省略)をギヤボックス部41に回動自在に取り付ける。このようにすることで、一方向に回転するが意図せぬ逆転は防止可能なメカニカルブレーキを構成することができる。
【0076】
また、上述の各実施の形態では、エンコーダ装置120等のような回転体を後付けで取り付ける場合について説明している。しかしながら、回転体を後付けする場合のみならず、回転体がチェーンブロックに初期の段階で取り付けられている場合にも、本発明を適用可能である。また、上述の各実施の形態では、ギヤ部材として第2従動ギヤ体33を用いる場合について説明している。しかしながら、ギヤ部材は、ギヤユニット30における第2従動ギヤ体33以外の他のギヤ部材(たとえば第1従動ギヤ体32)としても良く、ギヤユニット30に追加的に設けられるギヤ部材としても良い。
【0077】
また、上述の実施の形態では、回転体としてエンコーダ装置120について説明している。しかしながら、回転体は、エンコーダ装置120には限られない。たとえば、回転式のレベルスイッチ、回転式のポテンショメータ、回転式のトルクセンサ等を始めとして、種々のものを回転体としても良い。
【符号の説明】
【0078】
10…チェーンブロック、11…本体、12…回転伝達機構、20…モータユニット、30…ギヤユニット、31…ピニオンギヤ、32…第1従動ギヤ体、32a…第1大径従動ギヤ、32b…第1小径従動ギヤ、33…第2従動ギヤ体(ギヤ部材に対応)、33a…第2大径従動ギヤ、33b…第2小径従動ギヤ、34…ロードギヤ、40…ボディ、41…ギヤボックス部、42…収納凹部、50…ロードシーブ部材、51…チェーンポケット、60…支持プレート、70…ギヤケース、71…底部、72,73,74…凹嵌部、74a…挿通孔、74b…段部、75…凹形状部、76…電装品収納部、80…コントロールユニット、90…コントローラカバー、100…パネル板(パネル部材に対応)、101…軸孔、102…挿通孔、110…取付機構、111…取付板(取付部材に対応)、112…脚部材、112a…両ねじボルト、112b…スペーサ、113…締結部材、120…エンコーダ装置(回転体に対応)、121…装置本体、122…回転シャフト、123…スペーサ、130…ベルト機構、131…従動プーリ、132…駆動プーリ、133…駆動ベルト、140…テンション調整機構、141…アーム支持部、141a…支持軸部、141b…ナット、142…アーム部材、142a…軸支部、142b…ローラ支持部、143…アイドルローラ、144…スペーサ、145…付勢バネ、145a…一端部、145b…他端部、146…ローラ軸、150…保護カバー、331…シャフト部材、331a…スプライン部、331b…ネジ部、332…クラッチ摩擦板、333…皿ばね、334…段差部、335…プーリ受け部材、335a…軸固定部、335b…プーリ取付部、411…底部、B1~B10…軸受、GS…ギヤ収納空間、L1…重なり合う部分、N1…ナット、OS1,OS2…オイルシール、S1…隙間、SP1,SP2…スペーサ