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特許7245588米飯補充装置、米飯生成装置およびおむすび成形装置
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  • 特許-米飯補充装置、米飯生成装置およびおむすび成形装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】米飯補充装置、米飯生成装置およびおむすび成形装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20230316BHJP
【FI】
A23L7/10 G
A23L7/10 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018237435
(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公開番号】P2020096574
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】小根田 育冶
(72)【発明者】
【氏名】長島 光彦
(72)【発明者】
【氏名】竹田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】沢田 泰功
(72)【発明者】
【氏名】森 真路
(72)【発明者】
【氏名】並木 勝矢
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-282565(JP,A)
【文献】実開平02-134881(JP,U)
【文献】実開平01-084587(JP,U)
【文献】特開2005-160408(JP,A)
【文献】特開2017-104031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最終目標重量値よりも少ない重量で供給された米飯である主計量飯に、前記最終目標重量に対する不足重量分の米飯である補助計量飯を補充する米飯補充装置であって、
相互に対向配置されるとともに上下方向に複数段設置されたローラ対で構成され、前記不足重量分の米飯を下方へと送り出す米飯供給部と、
前記米飯供給部の下方に設置され、前記米飯供給部から送られた米飯を解す解し部材と、
前記解し部材から下方を向けて設けられた米飯落下路の下端に形成され、前記米飯落下路の軸方向に対して一方向に傾斜した補充口と、
スライド移動により前記補充口を開閉可能に設置され、前記解し部材で解されて前記米飯落下路を落下した米飯を前記主計量飯に落下補充するシャッタと、
を有し、
前記シャッタは、前記補充口を閉鎖した位置から斜め上方に移動して当該補充口を開放する、
ことを特徴とする米飯補充装置。
【請求項2】
最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした主計量飯を生成する米飯生成装置と、
前記米飯生成装置で生成された主計量飯を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に搬送される主計量飯に補助計量飯を補充する請求項1記載の米飯補充装置と、
を有することを特徴とする定量米飯生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の定量米飯生成装置と、
前記定量米飯生成装置で生成されたシート状の米飯に具材を載置する具材載置部と、
前記具材載置部で具材の載置されたシート状の米飯をおむすびに成形する成形装置と、
を有することを特徴とするおむすび製造装置。
【請求項4】
前記成形装置は、
シート状の米飯を折り畳む折り畳み手段と、
前記折り畳み手段により折り畳まれた米飯を圧縮しておむすびを成形する圧縮成形手段と、
を備えることを特徴とする請求項3記載のおむすび製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯補充装置、米飯生成装置およびおむすび成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアで販売される食品を製造する食品工場などにおいて、おむすびに成形したり弁当などに盛り付けられる米飯を目標重量に生成する米飯生成装置では、目標とした重量に対してある一定の割合の誤差が不可避的に生じてしまう。具体的には、計量誤差を例えば±10%とすると、200gの飯を1回の計量で出す場合、200gの±10%で±20g程度の誤差が生じる。
【0003】
そこで、米飯を重量精度よく生成する技術として、例えば特許文献1に記載のように、米飯生成装置の中に米飯補充装置を設けることにより、米飯を主計量と補助計量の2段階に分けて計量してから両者を一つにすることにより、最終目標重量値に沿った米飯を得る装置が知られている。
【0004】
この装置では、主計量で目標とする重量の例えば90%程度を狙って米飯(主計量飯)を生成した後に、補助計量で目標重量に対しての不足分の米飯(補助計量飯)を生成し、これを主計量飯に補充している。
【0005】
例えば200gの米飯を目標とする場合、先ず、主計量で200gの90%である180gを狙って米飯を出す。このとき、装置の計量誤差を±10%とすると、主計量で出された米飯は、誤差が180gの10%で±18g、つまり162g~198gとなる。次に補助計量で不足分の米飯を出すが、そのとき補助計量で出す米飯は最大で約40gとなり、補助計量で出される米飯の最大誤差は40gの10%で±4gになる。
【0006】
結果として、目標の200gに対して誤差が最大でも±4gとなることから、主計量、補助計量の2段階に分けて米飯を出した方が、1回の計量の誤差である±20gよりも精度が良くなる。
【0007】
ここで、主計量飯に関しては、飯を送り出すローラ対の対向間隔を米飯を極力圧縮しない程度に設定するなどして、ふっくらとした食感が出るようにしている。一方、補助計量飯については、飯密度を均一にして重量精度を追求するために、米飯を短冊状に圧縮成形している。
【0008】
このような短冊状の補助計量飯がふっくらとした主計量飯と一つになると、補助計量飯は全体の1割程度とはいうものの、ふっくらした米飯の中に圧縮された米飯が混在することにより大きく食感が損なわれてしまう。
【0009】
そこで、圧縮された補助計量飯を解してふっくらさせるために、例えば特許文献2に記載のように、補助計量後の米飯を解しローラで解す技術が提案されている。この特許文献2に記載の技術は、解しローラで解した米飯を、補充口に設置されて水平方向に回動するシャッタ上に蓄積しておき、主計量飯が当該シャッタの直下に到達したならばシャッタを回動させて補助計量飯を落下供給する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2001-037432号公報
【文献】特開2007-282565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前述した特許文献2に記載の技術においては、シャッタの回動時に一部の米飯がシャッタと補充口との間に挟まれて潰れてしまう。そして、潰れた米飯が主計量飯上に供給されると、やはり食感が損なわれてしまうことになる。
【0012】
また、前述した特許文献2に記載の技術においては、シャッタが回動して米飯が落下するようになっているので、米飯がシャッタの回転の影響を受けて斜め下方に落下することになる。すると、主計量飯に対する補助計量飯の実際の落下位置が、意図しない位置になってしまう。
【0013】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、最終目標重量に対して不足した重量の米飯を補充するための補助計量飯を、食感を損なうことなく主計量飯に補充することのできる米飯補充装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、最終目標重量に対して不足した重量の米飯を補充するための補助計量飯の主計量飯に対する落下位置をコントロールすることのできる米飯補充装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の米飯補充装置は、最終目標重量値よりも少ない重量で供給された米飯である主計量飯に、前記最終目標重量に対する不足重量分の米飯である補助計量飯を補充する米飯補充装置であって、相互に対向配置されるとともに上下方向に複数段設置されたローラ対で構成され、前記不足重量分の米飯を下方へと送り出す米飯供給部と、前記米飯供給部の下方に設置され、前記米飯供給部から送られた米飯を解す解し部材と、前記解し部材から下方を向けて設けられた米飯落下路の下端に形成され、前記米飯落下路の軸方向に対して一方向に傾斜した補充口と、スライド移動により前記補充口を開閉可能に設置され、前記解し部材で解されて前記米飯落下路を落下した米飯を前記主計量飯に落下補充するシャッタと、を有し、前記シャッタは、前記補充口を閉鎖した位置から斜め上方に移動して当該補充口を開放する、ことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明の定量米飯生成装置は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした主計量飯を生成する米飯生成装置と、前記米飯生成装置で生成された主計量飯を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に搬送される主計量飯に補助計量飯を補充する請求項1記載の米飯補充装置と、を有することを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明のおむすび成形装置は、請求項2記載の定量米飯生成装置と、前記定量米飯生成装置で生成されたシート状の米飯に具材を載置する具材載置部と、前記具材載置部で具材の載置されたシート状の米飯をおむすびに成形する成形装置と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の本発明のおむすび成形装置は、上記請求項3記載の発明において、前記成形装置は、シート状の米飯を折り畳む折り畳み手段と、前記折り畳み手段により折り畳まれた米飯を圧縮しておむすびを成形する圧縮成形手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
シャッタが補充口を閉鎖しているときには、解し部材で解された米飯はシャッタの斜面下部に集められるようにして補充口内に蓄積される。そして、シャッタが斜め上方にスライド移動あるいは下方に旋回して補充口を開放したときには、シャッタの斜面下部に蓄積された米飯は、潰されることなく補充口から主計量飯の上に落下補充される。したがって、食感を損なうことなく補助計量飯を主計量飯補充することが可能になる。
【0021】
また、シャッタが斜め上方にスライド移動あるいは下方に旋回して補充口を開放しているので、補助計量飯は真下に落下する。したがって、補助計量飯が意図しない位置に落下することがなくなり、補助計量飯の主計量飯に対する落下位置をコントロールすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態に係るおむすび製造装置を示す斜視図である。
図2図1の側面図である。
図3図1の平面図である。
図4図1のおむすび製造装置の一部である米飯シート生成部を構成する米飯補充部における米飯の蓄積動作を示す説明図である。
図5図1のおむすび製造装置の一部である米飯シート生成部を構成する米飯補充部における米飯の補充動作を示す説明図である。
図6】本発明の変形例の一つとしての米飯補充部における米飯の蓄積動作を示す説明図である。
図7】本発明の変形例の一つとしての米飯補充部における米飯補充動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
図1は本発明の一実施の形態に係るおむすび製造装置を示す斜視図、図2図1の側面図、図3図1の平面図、図4図1のおむすび製造装置の一部である米飯シート生成部を構成する米飯補充部における米飯の蓄積動作を示す説明図、図5図1のおむすび製造装置の一部である米飯シート生成部を構成する米飯補充部における米飯の補充動作を示す説明図である。
【0025】
図1図3に示すおむすび製造装置は、規定重量に計量されたシート状の米飯を生成する米飯シート生成部(定量米飯生成装置)M1と、米飯シート生成部M1で生成されたシート状の米飯に具材(おむすび用の具材)を載置する具材載置部M2と、具材の載置されたシート状の米飯をおむすびに成形する成形部(成形装置)M3とで構成されている。
【0026】
米飯シート生成部M1は、キャスタ1aによって移動し、伸縮可能な脚部1bによって固定設置できるようになった台座2上に第1の計量コンベア3、第2の計量コンベア4、搬送コンベア5が搬送方向上流側から下流側に沿って配置されている。また、第1の計量コンベア3の上方には、シート状の米飯(後述の図4図7にて示す主計量飯Rm)を生成する米飯生成部(米飯生成装置)7が配置され、第2の計量コンベア4の上方には、米飯生成部7で生成された米飯に所定重量の米飯(後述の図4図7にて示す補助計量飯Rs)を生成して補充することで最終目標重量値の米飯とする米飯補充部(米飯補充装置)8が配置されている。
【0027】
さらに、前述した搬送コンベア5の下流側には、規定重量値内の米飯を具材載置部M2へ送る一方、規定重量値外の米飯を下方のトレイTに落下排出する振分ローラ6が配置されている。そして、振分ローラ6の下流側には搬送コンベア12が設けられており、当該搬送コンベア12の搬送経路上には、シート状の米飯を前後から緩やかに圧縮して矩形に整えるとともに、具材の載置される具穴を形成する整形部13が設置されている。
【0028】
台座2の後側(図2および図3において右側)には、上下方向に延びる一対の縦レール9aに沿って米飯の入ったコンテナCを昇降させるリフタ9bが設けられている。このリフタ9bによってコンテナCは上部に設置されたホッパ10の位置まで持ち上げられ、リフタ9bの上端でホッパ10に向けて上下反転されることにより、コンテナC内の米飯がホッパ10に投入される。
【0029】
ホッパ10の下方には、投入された米飯を解すための解しローラ(図示せず)、解しローラに解された米飯を米飯生成部7に搬送するための搬送ローラ(図示せず)、および米飯を米飯補充部8に向けて搬送するための搬送ローラ(図示せず)が設けられている。
【0030】
なお、ホッパ10に隣接した位置には、作業者が所望する装置の動作設定を行うとともに設定された動作内容が表示される操作部11が設けられている。
【0031】
さて、前述した米飯生成部7では、最終目標重量値(例えば200g)よりも少ない重量に設定された設定重量値(例えば180g)を目標とした米飯が生成されて第1の計量コンベア3で計量されて搬送される。また、米飯補充部8では、第1の計量コンベア3で計量された米飯の重量から求められた重量、つまり最終目標重量に対して不足した重量(ここでは20g)を目標とした米飯が生成され、第1の計量コンベア3から第2の計量コンベア4へと搬送されてきた米飯、つまり米飯生成部7で生成された米飯の上に補充される。
【0032】
よって、第2の計量コンベア4では、米飯生成部7で生成された米飯である主計量飯と米飯補充部8で生成された米飯である補助計量飯とを合計した米飯が計量される。
【0033】
ここで、主計量飯を生成する米飯生成部7および補助計量飯を生成する米飯補充部8の構造について説明する。
【0034】
米飯生成部7内には、水平方向で一対となったローラ対(図示せず)が上下方向に複数段(例えば3段)配置されている。ローラ対は、上段から下段に向けて間隔が狭くなっており、米飯が上段のローラ対から下段のローラ対へ送られることによって、シート状に圧縮される。
【0035】
また、最下段のローラ対の下方には、複数段のローラ対から送り出されるシート状の米飯を分割するためのカッタ(図示せず)が配置されている。したがって、シート状に連続した米飯は、設定重量値に対応した断面積と高さとで決定されるタイミングでカッタにより分割されてシート状の米飯となり、第1の計量コンベア3に載せられて計量が行われる。
【0036】
次に、米飯補充部8内には、図4および図5に示すように、米飯供給部8aを構成するローラ対8aa,8ab,8acが設置されている。ローラ対8aa,8ab,8acは、水平方向に対向配置されるとともに、上下方向に複数段(本実施の形態では、上段のローラ対8aa、中段のローラ対8ab、下段のローラ対8acの3段)設置されている。そして、これらのローラ対8aa,8ab,8acが米飯を取り込むように回転することで、米飯が下方へと送り出される。また、ローラ対8aa,8ab,8acは、米飯生成部7のローラ対と同様に、上段から下段に向けて間隔が狭くなっており、米飯が上段のローラ対8aaから中段のローラ対8ab、下段のローラ対8acへと送られることによって圧縮され、最終目標重量に対して不足した重量分の米飯が断面積と高さとで計量される。
【0037】
米飯供給部8aの下方には、当該米飯供給部8aから送られた米飯を解す解しローラ(解し部材)8bが設置されている。この解しローラ8bは、外周面に多数の突起8baが形成されており、解しローラ8bの回転により米飯が突起8baに当たって解され、落下する。
【0038】
解しローラ8bから下方を向けて、当該解しローラ8bで解された米飯(補助計量飯Rs)が落下する米飯落下路8caが設けられている。この米飯落下路8caの下端には、米飯落下路8caの軸方向に対して一方向に傾斜した補充口8cが形成されている。そして、補充口8cには、解しローラ8bで解されて米飯落下路8caを落下した米飯を米飯生成部7で生成された米飯(主計量飯Rm)に落下補充するために補充口8cを開閉するシャッタ8dが設置されている。したがって、シャッタ8dは、傾斜した姿勢で補充口8cを閉鎖する。
【0039】
シャッタ8dは、傾斜配置されたシャッタガイド8eにスライド移動可能に支持されている。そして、図示しない駆動部で駆動されることにより、前述のように、傾斜した姿勢で補充口8cを閉鎖し、シャッタガイド8eに沿って斜め上方にスライド移動して補充口8cを開放する。
【0040】
したがって、このようなシャッタ8dが補充口8cを閉鎖しているときには、図4に示すように、解しローラ8bで解された補助計量飯Rsは、シャッタ8dの斜面下部に集められるように補充口8c内に蓄積される。また、シャッタ8dが補充口8cを開放したときには、図5に示すように、シャッタ8dの斜面下部に蓄積された補助計量飯Rsが、補充口8cから落下して主計量飯Rmの上に補充される。
【0041】
さて、図1図3に示すように、このような構成を備えた米飯シート生成部M1の搬送方向下流側には、米飯シート生成部M1から搬送されてきたシート状の米飯に具材を載置する具材載置部M2が配置されている。
【0042】
具材載置部M2は、伸縮可能な脚部20aによって固定設置できるようになった台座20bを備えている。そして、台座20b上には、梅干し、シャケ、タラコなどといった所定の具材をシート状の米飯に形成された具穴に載置する流れ作業を作業者が行う作業用コンベア21、および作業用コンベア21を通過した米飯の全体重量(具材の載置された米飯の重量)を計る第3の計量コンベア22が設けられている。また、第3の計量コンベア22の搬送経路上には、具材の有無をチェックする具材チェッカ23が設置されている。
【0043】
さらに、これらの図面に示すように、具材載置部M2の搬送方向下流側には、具材の載置されたシート状の米飯をおむすびに成形する成形部M3が配置されている。
【0044】
おむすび成形部M3は、キャスタ30aによって移動し、伸縮可能な脚部30bによって固定設置できるようになった台座30cを備えている。台座30c上には、シート状の米飯を搬送する搬送コンベア31、この搬送コンベア31の搬送方向と直交する方向にシート状の米飯を搬送する搬送コンベア32、搬送コンベア32に搬送された米飯をターンテーブル33a上で回転させながら成形機構33bで圧縮しておむすびを成形する圧縮成形部(圧縮成形手段)33、および圧縮成形部33で成形されたおむすびを次工程(フィルムシートなどを用いて包装を行う包装工程)に排出する排出コンベア34が設けられている。
【0045】
搬送コンベア31と搬送コンベア32との間には、搬送コンベア31で搬送されたシート状(矩形のシート状)の米飯の前後を斜めに圧縮して菱形のシート状の米飯にするとともにこれを搬送コンベア32に移送する移送成形部35が設置されている。また、搬送コンベア32の搬送経路上には、菱形のシート状に成形された米飯を折り畳んで三角形にする折り畳み部(折り畳み手段)36が設置されている。さらに、搬送コンベア32とターンテーブル33aとの間には、三角形に折り畳まれた米飯を搬送コンベア32からターンテーブル33aに移送する移送部37が設置されている。そして、ターンテーブル33aと排出コンベア34との間には、圧縮成形部33で成形されたおむすびを排出コンベア34に移送する移送部38が設置されている。
【0046】
さて、本実施の形態のおむすび製造装置では、以上に説明した米飯シート生成部M1、具材載置部M2および成形部M3を順次通過することで、所定の重量に生成されたシート状の米飯からおむすびが成形される。そして、米飯シート生成部M1では、米飯生成部7で生成された米飯(主計量飯Rm)に、米飯補充部8で生成された米飯(補助計量飯Rs)を補充することで、最終目標重量値に対して精度の高い重量の米飯を得ている。
【0047】
このとき、前述したように、米飯補充部8に設けられたシャッタ8dは、傾斜した姿勢で補充口8cを閉鎖し、斜め上方にスライド移動して補充口8cを開放するようになっている。
【0048】
したがって、シャッタ8dが補充口8cを閉鎖しているときには、解しローラ8bで解された補助計量飯Rsは、シャッタ8dの斜面下部に集められるようにして補充口8c内に蓄積される(図4)。そして、シャッタ8dが斜め上方にスライド移動して補充口8cを開放したときには、シャッタ8dの斜面下部に蓄積された補助計量飯Rsは、そのまま(つまり、シャッタ8dの開放動作により、シャッタ8dと補充口8cとの間に挟まれて潰されることなく、解しローラ8bで解された状態のまま)補充口8cから主計量飯Rmの上に落下補充される(図5)。これにより、食感を損なうことなく補助計量飯Rsを主計量飯Rmに補充することが可能になる。
【0049】
また、このように、補助計量飯Rsはシャッタ8dの斜面下部に集められるように補充口8c内に蓄積され(図4)、シャッタ8dが斜め上方にスライド移動することで、補充口8cが開放されて補助計量飯Rsが主計量飯Rmの上に落下補充される(図5)。したがって、補助計量飯Rsは、シャッタ8dの開放動作の影響で斜め下方に落下するのではなく、真下に落下する。これにより、補助計量飯Rsが意図しない位置に落下することがなくなり、補助計量飯Rsの主計量飯Rmに対する落下位置をコントロールすることが可能になる。
【0050】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0051】
たとえば、前述した場合では、シャッタ8dはスライド移動可能になっており、傾斜した姿勢で補充口8cを閉鎖し、斜め上方に移動して補充口8cを開放するようになっているが、図6および図7に示すように、旋回可能になっており、傾斜した姿勢で補充口8cを閉鎖し(図6)、下方に旋回して補充口8cを開放するようになっていてもよい(図7)。このような旋回構造のシャッタ8dであっても、シャッタ8dの斜面下部に蓄積された補助計量飯Rsは、シャッタ8dと補充口8cとの間に挟まれて潰されることなく、解しローラ8bで解された状態のままで主計量飯Rmの上に落下補充される。また、補助計量飯Rsは、シャッタ8dの開放動作の影響で斜め下方に落下するのではなく、真下に落下する。
【0052】
また、以上においては、本発明の一実施の形態である米飯補充部8と米飯生成部7とからなる米飯シート生成部M1をおむすび製造装置に適用した場合が説明されているが、米飯シート生成部M1で生成された米飯でおむすびを製造するのではなく、そのまま容器(トレイ状の弁当容器や丼容器など)に盛り付けるなど、様々な形で用いることができる。
【0053】
また、米飯をコンベアで搬送しながらおむすびを製造する場合であっても、成形部M3では、折り畳み部36で矩形シート状の米飯を折り畳み、折り畳まれた米飯を圧縮成形部33で圧縮しておむすびを成形するのではなく、折り畳むことなく圧縮して成形するようにしてもよい。
【0054】
さらに、本実施の形態のようにコンベアで搬送しながらおむすびを製造するのではなく、おむすび成形孔が周方向に複数形成されたターンテーブルを米飯シート生成部M1の下方に配置し、当該米飯シート生成部M1で生成された米飯を直接おむすび成形孔に投入するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上の説明では、三角形のおむすびが製造されるようになっているが、おむすびの形状は特に限定されるものではない。つまり、俵形、丸形、球形など、様々な形状を採用することができる。
【符号の説明】
【0056】
3 第1の計量コンベア
4 第2の計量コンベア
5 搬送コンベア
6 振分ローラ
7 米飯生成部(米飯生成装置)
8 米飯補充部(米飯補充装置)
8a 米飯供給部
8aa,8ab,8ac ローラ対
8b 解しローラ(解し部材)
8ba 突起
8c 補充口
8ca 米飯落下路
8d シャッタ
8e シャッタガイド
12 搬送コンベア
13 整形部
21 作業用コンベア
22 第3の計量コンベア
23 具材チェッカ
31 搬送コンベア
32 搬送コンベア
33 圧縮成形部(圧縮成形手段)
33a ターンテーブル
33b 成形機構
34 排出コンベア
35 移送成形部
36 折り畳み部(折り畳み手段)
37 移送部
38 移送部
M1 米飯シート生成部(定量米飯生成装置)
M2 具材載置部
M3 おむすび成形部(成形装置)
Rm 主計量飯
Rs 補助計量飯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7