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特許7245719ロボットシステム、および、商品管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】ロボットシステム、および、商品管理装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019102477
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020196068
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年12月19日 華為技術日本株式会社に販売
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】村里 創
(72)【発明者】
【氏名】大塚 美行
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-255214(JP,A)
【文献】特開2011-251828(JP,A)
【文献】特開2006-174232(JP,A)
【文献】特開2017-167902(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0334646(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品と付属品とを容器に収容する作業を行うロボットであって、前記製品と前記容器とのいずれか一方は、第1識別情報を有した第1読取対象であり、前記付属品は、第2識別情報を有した第2読取対象であり、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを撮像する撮像部を備えた前記ロボットと、
前記撮像部の出力から第1識別情報と前記第2識別情報とを読み取る読取部と、
憶部と、
前記ロボットの作業を制御する制御部であって、前記作業の対象としている前記第1読取対象と前記第2読取対象とを撮像の対象とし、または前記撮の対象としている前記第1読取対象と前記第2読取対象とを前記作業の対象として、前記作業を行わせる際に撮像を行わせて、有している前記第1識別情報と前記第2識別情報との読み取りが成功し、前記作業の対象とされた前記第1読取対象と前記第2読取対象との組み合せに対して、当該第1読取対象が有する前記第1識別情報と、当該第2読取対象が有する前記第2識別情報と、の組み合せを、前記記憶部に記憶する前記制御部と、を備える
ロボットシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記ロボットに前記作業を繰り返させて、各作業では、前記付属品の収容と前記製品の収容とを連続させる
請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記作業の対象としている前記第1読取対象と前記第2読取対象とを前記作業ごとの撮像の対象として、当該対象から読み取られた第1識別情報と第2識別情報とを対応づけて前記記憶部に記憶させる
請求項1または2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2読取対象の収容完了前に、前記第2読取対象の読取を実行させて、前記第2識別情報の読取が成功した場合に、当該第2識別情報を有する前記第2読取対象の収容を完了させる
請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記作業は、前記製品と複数の前記付属品とを前記容器に収容することであり、
前記制御部は、前記作業の対象に含まれる全ての付属品について、前記第2読取対象の収容完了前に、前記第2読取対象の読取を実行させる
請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記制御部は、前記製品の収容完了前に前記第2読取対象の収容を完了させる
請求項4または5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記第1読取対象は、前記製品であり、
前記制御部は、前記第2読取対象の読取前に、前記第1読取対象の読取を実行させて、前記第1識別情報の読取が成功した場合に、当該第1識別情報を有する前記第1読取対象の収容を完了させる
請求項6に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1識別情報の読取が失敗した場合に、当該第1識別情報を有する前記第1読取対象を対象とした前記作業を終了する
請求項7に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2識別情報の読取が失敗した場合に、当該第2識別情報を有する前記第2読取対象を対象とした前記作業を終了する
請求項8に記載のロボットシステム。
【請求項10】
製品と付属品とが容器に収容された商品を管理する商品管理装置であって、
前記製品と前記容器とのいずれか一方が、第1識別情報を有した第1読取対象であり、
前記付属品が、第2識別情報を有した第2読取対象であり、
前記製品と前記付属品とを前記容器に収容する作業を行うロボットは、前記作業の対象としている前記第1読取対象と前記第2読取対象とを撮像の対象として前記第1識別情報と前記第2識別情報とを撮像する撮像部を備え、
前記商品管理装置は、
記憶部と、
前記撮像部の出力から第1識別情報と前記第2識別情報とを読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った前記第1識別情報と前記第2識別情報とを前記撮像ごとに対応づけて前記記憶部に記憶させる制御部と、を備える
商品管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品と付属品とを容器に収容するロボットシステム、および、商品管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの電化製品は、商品として取り引きされる際に、充電ケーブルや製品仕様書などの付属品と共に、化粧箱などの容器に収容されている。電化製品、付属品、および、容器の各々は、商品を構成する商品構成物である。各商品構成物は、通常、当該商品構成物を識別するための識別情報を有している。例えば、化粧箱に貼り付けられた二次元コードは、当該二次元コードを有した化粧箱と他の化粧箱とを識別するためのシリアル番号を情報として含む。例えば、充電ケーブルの外表面に印字された数字列は、当該充電ケーブルと他の充電ケーブルとを識別するためのシリアル番号を示す。
【0003】
上述のような商品を管理するシステムは、各製品がどの容器に収容されているかを把握するために、コードリーダーなどの読取機で読み取られた識別情報を用いている。例えば、特許文献1に記載の商品管理システムは、生産管理側コンピューターと管理倉庫側コンピューターとを備えて、生産管理側コンピューターは、製品を識別するための製品識別情報と、容器を識別するための容器識別情報と、を関連付けた出荷情報を作成する。そして、管理倉庫側コンピューターは、生産管理側コンピューターから出荷情報を取得し、容器から読み取られた容器識別情報に関連付けられた製品識別情報が出荷情報の中に存在すれば、当該製品識別情報に対応する製品が入荷したものと判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】再公表特許第2005/115890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、返品された容器にはじめから収容されていた付属品を特定することや、交換対象となる付属品とはじめに同梱されていた製品を特定することなどのように、出荷後の商品に対して商品構成物の組み合わせを特定することは、商品構成物の多様化が高まる近年において、より高い精度を求められている。
本発明の目的は、商品構成物の組み合わせの検知精度を向上可能なロボットシステム、および、商品管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのロボットシステムは、製品と付属品とを容器に収容する作業を行うロボットであって、前記製品と前記容器とのいずれか一方は、第1識別情報を有した第1読取対象であり、前記付属品は、第2識別情報を有した第2読取対象であり、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを撮像する撮像部を備えた前記ロボットと、前記撮像部の出力から第1識別情報と前記第2識別情報とを読み取る読取部と、前記読取部で読み取られた前記第1識別情報と前記第2識別情報とを対応づけて記憶する記憶部と、を備える。そして、このロボットシステムは、前記ロボットの作業を制御する制御部であって、前記作業を行う際に撮像を行わせて、前記記憶部で識別情報が対応づけられる前記第1読取対象と前記第2読取対象との組み合わせを、前記作業の対象である前記第1読取対象と前記第2読取対象との組み合わせとする前記制御部と、を備える。
【0007】
上記ロボットシステムによれば、単一のロボットが、第1読取対象と第2読取対象とを対象として収容を行い、その際、第1読取対象と第2読取対象とを対象として各識別情報の撮像を行う。そして、制御部が、識別情報が対応づけられる第1読取対象と第2読取対象との組み合わせを、作業の対象である第1読取対象と第2読取対象との組み合わせとする。これにより、ロボットが実際の作業に用いた第1読取対象と第2読取対象との組み合わせ、すなわち、実際の商品を構成している商品構成物の組み合わせと、識別情報が対応づけられた商品構成物の組み合わせと、が一致する精度を高めることが可能となる。ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を高めることが可能となる。
【0008】
上記ロボットシステムにおいて、前記制御部は、前記ロボットに前記作業を繰り返させて、各作業では、前記付属品の収容と前記製品の収容とを連続させてもよい。
【0009】
相互に異なる対象を用いた2以上の作業が重畳するとなれば、各作業に用いられる対象を作業間で取り違える可能性が高まってしまう。この点、上記構成によれば、1組の商品構成物を対象とした作業と、他の1組の商品構成物を対象とした作業とが、相互に重畳することが抑えられる。そのため、制御部は、作業の対象である第1読取対象と第2読取対象との組み合わせを、より高い精度のもとで把握できる。結果として、商品構成物の組み合わせの検知精度を、より高めることが可能となる。
【0010】
上記ロボットシステムにおいて、前記制御部は、前記作業の対象としている前記第1読取対象と前記第2読取対象とを前記作業ごとの撮像の対象とし、当該対象から読み取られた第1識別情報と第2識別情報とを対応づけて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0011】
上記構成によれば、第1読取対象と第2読取対象とを対象とした作業が行われているときに、その第1読取対象と第2読取対象とを対象とした撮像が行われる。すなわち、製品が容器に収容される作業の途中に、その製品と容器とのいずれか一方の第1識別情報が撮像される。また、付属品が容器に収容される作業の途中に、その付属品の第2識別情報が撮像される。そのため、識別情報が対応づけられた第1読取対象と第2読取対象との組み合わせと、実際の商品を構成している第1読取対象と第2読取対象との組み合わせとの一致の精度を、より高めることが可能となる。
【0012】
上記ロボットシステムにおいて、前記制御部は、前記第2読取対象の収容完了前に、前記第2読取対象の読取を実行させて、前記第2識別情報の読取が成功した場合に、当該第2識別情報を有する前記第2読取対象の収容を完了させてもよい。
【0013】
上記構成によれば、収容完了前の第2読取対象を用いて、第2識別情報の読取が実行される。第2識別情報の撮像と読取とは、第2読取対象の姿勢の変更や、第2読取対象の位置の変更などを要する場合がある。この点、収容完了前の第2読取対象を対象とした撮像と読取とであれば、これらの処理が容易ともなる。結果として、第2識別情報の検知精度、ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を、より高めることが可能となる。
【0014】
上記ロボットシステムにおいて、前記作業は、前記製品と複数の前記付属品とを前記容器に収容することであり、前記制御部は、前記作業の対象に含まれる全ての付属品について、前記第2読取対象の収容完了前に、前記第2読取対象の読取を実行させてもよい。この構成によれば、複数の付属品が含まれる商品において、商品構成物の組み合わせの検知精度を高めることが可能となる。
【0015】
上記ロボットシステムにおいて、前記制御部は、前記第2読取対象の収容完了前に、前記第2読取対象の読取を実行させて、前記製品の収容完了前に前記第2読取対象の収容を完了させてもよい。
先行して収容される第2読取対象は、後続して収容される製品によって、一部分を覆われてしまうことが少なくない。一部分を覆われた第2読取対象では、第2識別情報を読み取ることが、さらに困難なものとなる。この点、上記構成によれば、製品に先駆けて収容される第2読取対象について、第2読取対象の収容完了前に、第2識別情報の読取が実行される。そして、第2読取対象の収容完了よりも第2識別情報の読取を先行させることによる効果が、より顕著なものとなる。
【0016】
上記ロボットシステムにおいて、前記第1読取対象は、前記製品であり、前記制御部は、前記第2読取対象の読取前に、前記第1読取対象の読取を実行させて、前記第1識別情報の読取が成功した場合に、当該第1識別情報を有する前記第1読取対象の収容を完了させてもよい。
【0017】
上記構成によれば、収容完了前の第1読取対象を用いて、第1識別情報の読取が実行される。第1識別情報の撮像と読取とは、第1読取対象の姿勢の変更や第1読取対象の位置の変更などを要する場合がある。そのため、収容完了前の第1読取対象を対象とした撮像と読取とであれば、これらの処理が容易ともなる。結果として、第1識別情報の検知精度、ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を、より高めることが可能となる。
【0018】
上記ロボットシステムにおいて、前記制御部は、前記第1識別情報の読取が失敗した場合に、当該第1識別情報を有する前記第1読取対象を対象とした前記作業を終了してもよい。
【0019】
上記構成によれば、第1識別情報の読取を失敗した製品が容器に収容されてしまうこと、あるいは、第1識別情報の読取を失敗した容器に製品が収容されてしまうことが抑えられる。結果として、第1識別情報の読取を再度実行するために、容器に一度収容された製品をその容器から取り出すことなどの負荷を軽減することもできる。
【0020】
上記ロボットシステムにおいて、前記制御部は、前記第2識別情報の読取が失敗した場合に、当該第2識別情報を有した前記第2読取対象を対象とした前記作業を終了してもよい。
【0021】
上記構成によれば、第2識別情報の読取を失敗した第2読取対象が容器に収容されてしまうことが抑えられる。結果として、第2識別情報の読取を再度実行するために、容器に一度収容された付属品をその容器から取り出すことなどの負荷を軽減することができる。
【0022】
上記課題を解決するための商品管理装置は、製品と付属品とが容器に収容された商品を管理する商品管理装置である。前記製品と前記容器とのいずれか一方が、第1識別情報を有した第1読取対象であり、前記付属品が、第2識別情報を有した第2読取対象である。前記製品と前記付属品とを前記容器に収容する作業を行うロボットは、前記作業の対象としている前記第1読取対象と前記第2読取対象とを撮像の対象として前記第1識別情報と前記第2識別情報とを撮像する撮像部を備える。そして、前記商品管理装置は、記憶部と、前記撮像部の出力から第1識別情報と前記第2識別情報とを読み取る読取部と、前記読取部が読み取った前記第1識別情報と前記第2識別情報とを前記撮像ごとに対応づけて前記記憶部に記憶させる制御部と、を備える。
【0023】
上記構成によれば、ロボットが、第1読取対象と第2読取対象とを対象とした収容を行っているときに、その第1読取対象と第2読取対象とを対象とした撮像が、ロボットの撮像部で行われる。そして、制御部は、撮像部の出力から読取部が読み取った第1識別情報と第2識別情報とを、読取ごとに対応づけて、記憶部に記憶させる。すなわち、製品が容器に収容される途中に、その製品と容器とのいずれか一方の第1識別情報が読み取られる。また、付属品が容器に収容される途中に、その付属品の第2識別情報が読み取られる。これにより、ロボットが実際の作業に用いた第1読取対象と第2読取対象との組み合わせ、すなわち、実際の商品を構成している第1読取対象と第2読取対象との組み合わせと、識別情報が対応づけられた第1読取対象と第2読取対象との組み合わせと、が一致する精度を高めることが可能となる。ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るロボットシステム、および、商品管理装置によれば、商品構成物の組み合わせの検知精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ロボットシステムの一実施形態におけるロボットの構成を示す構成図。
図2】一実施形態におけるコントローラーの構成を示すブロック図。
図3】一実施形態におけるロボットシステムでの作業の流れを示すフローチャート。
図4】一実施形態における商品履歴データの一例を示すデータ構成図。
図5】一実施形態における商品履歴データの他の例を示すデータ構成図。
図6】一実施形態における商品履歴データの他の例を示すデータ構成図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1図6を参照して、ロボットシステム、および、商品管理装置の一実施形態を説明する。まず、ロボットシステムの構成を説明し、次いで、ロボットが作業を実行するときの処理の流れを説明する。
図1が示すように、ロボットシステム10は、ロボット20、作業台30、および、コントローラー40を備える。
【0027】
ロボット20は、作業台30に並べられた複数の商品構成物の撮像と、複数の商品構成物を用いた収容と、を作業として行う。作業台30は、商品構成物を外部から受け入れる。作業台30に受け入れられた商品構成物は、ロボット20の作業によって商品として加工される。コントローラー40は、ロボット20が実行する作業の進捗を管理する。
【0028】
1つの商品を構成する複数の商品構成物は、1つの商品を構成する1組の商品構成物である。作業台30に載置される商品構成物は、1組の商品構成物であってもよいし、2組以上の商品構成物であってもよい。また、作業台に載置される商品構成物は、1組の商品構成物と、他組のなかの一部の商品構成物と、を含んでもよい。
【0029】
商品構成物は、製品と当該製品の付属品とを含む。本実施形態の商品構成物は、3種類の付属品M1,M2,M3と、1種類の製品M4とを含む。製品M4は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの電化製品である。付属品M1は、例えば、製品M4に1つずつの製品仕様書である。付属品M2は、例えば、製品M4に1つずつの充電ケーブルである。付属品M3は、例えば、製品M4に1つずつの電源アダプターである。
【0030】
商品構成物は、容器を含む。本実施形態の容器は、容器本体31と蓋体32とから構成される化粧箱である。容器本体31は、例えば、上面を開口した箱体状を有して、3種類の付属品M1,M2,M3、および、製品M4を収容できる大きさを有する。蓋体32は、例えば、下面を開口した箱体状を有して、容器本体31の開口を閉じる。
【0031】
商品構成物は、各別の識別情報を1つずつ有している。例えば、付属品M1は、当該付属品M1と他の付属品M1とを識別するための付属品識別情報を有する。付属品識別情報は、例えば、数字列、文字列、一次元コード、および、二次元コードのなかのいずれか1つとして記述されている。付属品識別情報は、例えば、付属品M1の外表面に印刷されている。
【0032】
例えば、製品M4は、当該製品M4と他の製品M4とを識別するための製品識別情報を有する。製品識別情報もまた、例えば、数字列、文字列、一次元コード、および、二次元コードのなかのいずれか1つとして記述されている。製品識別情報は、例えば、製品M4の外表面に記録されている。
【0033】
例えば、容器本体31は、当該容器本体31と他の容器本体31とを識別するための容器識別情報を有する。容器識別情報もまた、例えば、数字列、文字列、一次元コード、および、二次元コードのなかのいずれか1つとして記述されている。容器識別情報は、例えば、容器本体の裏面に記録されている。
【0034】
作業台30は、商品を配置するための商品配置部MAを備える。商品は、容器本体31に蓋体32を被せた外形を有して、3種類の付属品M1,M2,M3、および、製品M4を容器本体31の内部に収容している。
【0035】
ロボット20は、ヘッド21、ボティ22、右アーム23R、および、左アーム23Lを備える。ボティ22は、ヘッド21、右アーム23R、および、左アーム23Lと接続されて、ヘッド21、右アーム23R、および、左アーム23Lを駆動可能に支持している。
【0036】
ヘッド21は、ヘッドカメラ21Aを備える。ヘッドカメラ21Aは、作業台30に並べられた商品構成物を撮像可能に構成されている。
右アーム23R、および、左アーム23Lは、複数のエンドエフェクターを備え、作業台30に並べられた商品構成物を作業台30から持ち上げること(ピック)、および、持ち上げた商品構成物を所定位置に置くこと(プレイス)を可能に構成されている。右アーム23R、および、左アーム23Lは、撮像部の一例であるアームカメラ23Aを備える。アームカメラ23Aは、ピックされた商品構成物の識別情報を撮像可能に構成されている。
なお、撮像は、例えば、一次元に配列された撮像素子によって反射光の強度を検出すること、および、二次元に配列された撮像素子によって反射光の強度を検出すること、を含む。すなわち、撮像は、バーコードを読み取るための一次元画像を得ること、および、二次元コードを読み取るための二次元画像を得ること、を含む。
【0037】
図2が示すように、コントローラー40は、制御部41、読取部42、駆動部43、記憶部44、および、出力部45を備える。コントローラー40は、商品管理装置の一例である。
【0038】
制御部41は、中央演算処理装置、および、メモリを備える。制御部41は、各種の処理を全てソフトウェアで処理するものに限らない。例えば、制御部41は、各種の処理のうちの少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。制御部41は、ASICなどの1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(マイクロコンピュータ)、あるいは、これらの組み合わせ、を含む回路としても構成される。なお、以下では、制御部41が、記憶部44に記憶された商品生産プログラムを読み出して、読み出された商品生産プログラムを実行し、それによって、読取部42、駆動部43、記憶部44、および、出力部45の駆動を制御して、撮像や収容の作業と、読取や記憶などの処理と、を行う例を説明する。
【0039】
制御部41は、作業台30に並べられている商品構成物について、当該商品構成物の撮像を、駆動部43によるヘッドカメラ21Aの駆動を通じ、ヘッドカメラ21Aに実行させる。読取部42は、作業台30に並べられている商品構成物について、当該商品構成物が撮像された画像を入力して、作業台30に並べられている商品構成物の種類、位置、および、姿勢などの状態を読み取る。制御部41は、読取部42が読み取った商品構成物の状態を用いて、ピック候補の決定、プレイス候補の決定、商品構成物のピック、および、商品構成物のプレイスを制御する。
【0040】
制御部41は、プレイス候補に決定された容器本体31について、当該容器本体31が有する容器識別情報の撮像を、駆動部43によるアームカメラ23Aの駆動を通じ、アームカメラ23Aに実行させる。読取部42は、制御部41が入力する制御信号に応じ、プレイス候補に決定された容器本体31について、当該容器本体31の識別情報を含む画像を入力して、容器本体31の容器識別情報を読み取る。制御部41は、読取部42が読み取った容器識別情報を用いて、今回の商品に関わる識別情報の対応づけを実行する。
【0041】
制御部41は、ピック候補に決定された付属品M1,M2,M3について、当該付属品M1,M2,M3が有する付属品識別情報の撮像を、駆動部43によるアームカメラ23Aの駆動を通じ、アームカメラ23Aに実行させる。読取部42は、制御部41が入力する制御信号に応じ、ピック候補に決定された付属品M1,M2,M3について、当該付属品の付属品識別情報を含む画像を入力して、付属品M1,M2,M3の付属品識別情報を読み取る。制御部41は、読取部42が読み取った付属品識別情報を用いて、今回の商品に関わる識別情報の対応づけを実行する。
【0042】
制御部41は、ピック候補に決定された製品M4について、当該製品M4が有する製品識別情報の撮像を、駆動部43によるアームカメラ23Aの駆動を通じ、アームカメラ23Aに実行させる。読取部42は、制御部41が入力する制御信号に応じ、ピック候補に決定された製品M4について、当該製品M4の製品識別情報を含む画像を入力して、製品M4の製品識別情報を読み取る。制御部41は、読取部42が読み取った製品識別情報を用いて、今回の商品に関わる識別情報の対応づけを実行する。
【0043】
駆動部43は、制御部41から入力される制御信号に応じて、商品構成物のピック、および、商品構成物のプレイスを実行するための駆動信号を生成し、生成された駆動信号をロボット20に出力する。駆動部43は、制御部41から入力される制御信号に応じて、ヘッドカメラ21Aによる撮像を実行するための駆動信号を生成し、生成された駆動信号をヘッドカメラ21Aに出力する。駆動部43は、制御部41から入力される制御信号に応じて、アームカメラ23Aによる撮像を実行するための駆動信号を生成し、生成された駆動信号をアームカメラ23Aに出力する。
【0044】
記憶部44は、商品構成物の撮像、商品構成物を用いた収容、読取部42による読取、および、識別情報の対応づけを行うための商品生産プログラムを記憶する。制御部41は、記憶部44が記憶する商品生産プログラムを読み出し、商品生産プログラムに従って、商品構成物の撮像、商品構成物を用いた収容、読取部42による読取、および、識別情報の対応づけを行う。
制御部41は、識別情報の対応づけとして、商品履歴ファイル44Fを記憶部44に記憶させる。商品履歴ファイル44Fは、収容の作業に用いられている各商品構成物の識別情報を、収容の作業ごとに、相互に対応づけている。
【0045】
例えば、商品履歴ファイル44Fは、今回の商品を生産する作業において、今回の作業に用いている製品M4から読み取られた製品識別情報と、今回の作業に用いている付属品M1,M2,M3から読み取られた付属品識別情報と、を対応づける。この例において、製品M4は、第1読取対象の一例であり、製品識別情報は、第1識別情報の一例である。付属品M1,M2,M3は、第2読取対象の一例であり、付属品識別情報は、第2識別情報の一例である。
【0046】
また、例えば、商品履歴ファイル44Fは、今回の商品を製造する作業において、今回の作業に用いている容器本体31から読み取られた容器識別情報と、今回の作業に用いている付属品M1,M2,M3から読み取られた付属品識別情報と、を対応づける。この例において、容器本体31は、第1読取対象の一例であり、容器識別情報は、第1識別情報の一例である。付属品M1,M2,M3は、第2読取対象の一例であり、付属品識別情報は、第2識別情報の一例である。
【0047】
出力部45は、外部の出力装置に接続されている。出力装置は、例えば、ロボットシステム10が設置された工場内に位置する他のコンピューターである。出力部45は、制御部41から入力される制御信号に応じて、商品履歴ファイル44Fを出力装置に出力する。
【0048】
次に、ロボットシステム10が実行する作業の流れについて説明する。
ロボットシステム10が実行する作業は、制御部41が商品生産プログラムを実行することによって行われる。なお、商品履歴ファイル44Fが、製品識別情報と付属品識別情報とを対応づける例と、容器識別情報と付属品識別情報とを対応づける例とは、撮像および読取の対象が異なる一方で、それ以外の作業の流れは同様である。そのため、以下では、商品履歴ファイル44Fが、製品識別情報と付属品識別情報とを対応づける例について説明する。
【0049】
まず、制御部41は、付属品M1,M2,M3、製品M4、容器本体31、および、蓋体32の状態を、ヘッドカメラ21Aによる撮像の結果と、読取部42による読取の結果と、から把握する。制御部41は、付属品M1,M2,M3、製品M4、容器本体31、および、蓋体32の状態に基づいて、ピック候補となる付属品M1,M2,M3、製品M4、および、蓋体32を決定し、また、プレイス候補となる容器本体31を決定する。
【0050】
次いで、図3が示すように、制御部41は、ピック候補に決定された製品M4について、当該製品M4が有する製品識別情報の撮像を、アームカメラ23Aに実行させる。次いで、制御部41は、ピック候補に決定された製品M4について、読取部42に製品識別情報を読み取らせる(ステップS11)。制御部41は、製品識別情報の読取が成功したか否かを判断する(ステップS12)。制御部41は、製品識別情報の読取が失敗したと判断した場合(ステップS12でNO)、今回の商品に関わる生産を異常終了する。
【0051】
なお、製品識別情報の読取が成功したか否かの判断は、例えば、以下の方法で行われる。すなわち、制御部41は、記憶部44に予め登録されている製品識別情報を参照し、読み取られた製品識別情報が登録済みである場合、製品識別情報の読取が成功したものと判断する。これに対して、制御部41は、読み取られた製品識別情報が登録済みでない場合、製品識別情報の読取が失敗したものと判断する。あるいは、制御部41は、読み取られた製品識別情報が予め設定された形式と合致する場合、製品識別情報の読取が成功したものと判断する。これに対して、制御部41は、読み取られた製品識別情報が予め設定された形式と合致しない場合、製品識別情報の読取が失敗したものと判断する。
【0052】
制御部41は、製品識別情報の読取が成功したと判断した場合(ステップS12でYES)、今回読み取られた製品識別情報を登録するための商品履歴ファイル44Fを作成する(ステップS13)。商品履歴ファイル44Fは、例えば、今回読み取られた製品識別情報を名称として作成されると共に、今回読み取られた製品識別情報をテキストデータとして含める。次いで、制御部41は、製品識別情報の読取が成功した製品M4、すなわち、ピック候補に決定された製品M4を、左アーム23Lにピックさせる(ステップS14)。
【0053】
次いで、制御部41は、ピック候補に決定された付属品M1について、当該付属品M1が有する付属品識別情報の撮像を、アームカメラ23Aに実行させる。次いで、制御部41は、ピック候補に決定された付属品M1について、読取部42に付属品識別情報を読み取らせる(ステップS15)。制御部41は、付属品識別情報の読取が成功したか否かを判断する(ステップS16)。制御部41は、製品識別情報の読取が失敗したと判断した場合、今回の商品に関わる生産を異常終了する(ステップS16でNO)。
【0054】
なお、付属品識別情報の読取が成功したか否かの判断は、製品識別情報での判断と同じく、例えば、以下の方法で行われる。すなわち、制御部41は、記憶部44に予め登録されている付属品識別情報を参照し、読み取られた付属品識別情報が登録済みである場合、付属品識別情報の読取が成功したものと判断する。これに対して、制御部41は、読み取られた付属品識別情報が登録済みでない場合、付属品識別情報の読取が失敗したものと判断する。あるいは、制御部41は、読み取られた付属品識別情報が予め設定された形式と合致する場合、付属品識別情報の読取が成功したものと判断する。これに対して、制御部41は、読み取られた付属品識別情報が予め設定された形式と合致しない場合、付属品識別情報の読取が失敗したものと判断する。
【0055】
制御部41は、付属品識別情報の読取が成功したと判断した場合(ステップS16でYES)、今回読み取られた付属品識別情報を、ステップS13で作成した商品履歴ファイル44Fに追加する(ステップS17)。すなわち、制御部41は、現在ピックされている製品M4の製品識別情報が登録されている商品履歴ファイル44Fに、ピック候補に決定された付属品M1の付属品識別情報をテキストデータとして追加する。そして、制御部41は、付属品識別情報の読取が成功した付属品M1、すなわち、ピック候補に決定された付属品M1を、右アーム23Rにピックさせる(ステップS18)。
【0056】
次いで、制御部41は、商品を構成する付属品M1,M2,M3の全てについて、付属品識別情報の読取が完了したか否かを判断する(ステップS19)。そして、制御部41は、商品を構成する付属品M1,M2,M3の全てについて、付属品識別情報の読取を完了するまで、付属品M1、付属品M2、付属品M3の順に、ステップS15からステップS18までの処理を繰り返す(ステップS19でNO)。
【0057】
続いて、制御部41は、商品を構成する付属品M1,M2,M3の全てについて、付属品識別情報の読取を完了したと判断すると(ステップS19でYES)、現在ピックしている付属品M1,M2,M3の全てを、プレイス候補に決定された容器本体31にプレイスする(ステップS21)。すなわち、制御部41は、ピック候補に決定された付属品M1,M2,M3の全てにおいて付属品識別情報の読取が成功した場合に限り、付属品M1,M2,M3の全てを、プレイス候補に決定された容器本体31に収容する。一方、制御部41は、ピック候補に決定された付属品M1,M2,M3のなかに付属品識別情報の読取が失敗した付属品M1,M2,M3が存在する場合、今回の商品に関わる生産を異常終了する。
【0058】
次いで、制御部41は、現在ピックしている製品M4を、プレイス候補に決定された容器本体31にプレイスし、容器本体31に蓋体32を被せる(ステップS22)。すなわち、制御部41は、ピック候補に決定された商品構成物の全てにおいて識別情報の読取が成功した場合に限り、商品構成物の全てを、プレイス候補に決定された容器本体31に収容して、今回の商品に関わる生産を正常終了する。一方、制御部41は、ピック候補に決定された商品構成物のなかに識別情報の読取が失敗した商品構成物が存在する場合、今回の商品に関わる生産を異常終了する。
【0059】
図4は、商品の生産が正常終了した場合に作成される商品履歴ファイル44Fの一例である。図5は、付属品M2について付属品識別情報の読取が失敗した場合に作成される商品履歴ファイル44Fの一例である。図6は、同一の製品識別情報を用いて2つの商品が生産された場合に作成される商品履歴ファイル44Fの一例である。
【0060】
なお、図4から図6では、製品M4の製品識別情報を「Device1」「Device2」「Device3」と示す。また、付属品M1の付属品識別情報を「Temp1」と示し、付属品M2の付属品識別情報を「Temp2」と示し、付属品M3の付属品識別情報を「Temp3」と示す。また、図6では、他の付属品M1の付属品識別情報を「Temp11」と示し、他の付属品M2の付属品識別情報を「Temp12」と示し、他の付属品M3の付属品識別情報を「Temp13」と示す。
【0061】
図4が示すように、制御部41は、生産が正常終了した商品について、製品M4の製品識別情報に、1つの付属品M1の付属品識別情報と、1つの付属品M2の付属品識別情報と、1つの付属品M3の付属品識別情報と、を対応づけている。この商品履歴ファイル44Fを参照すれば、「Device1」を製品識別情報とする製品M4が、「Temp1」を付属品識別情報とする付属品M1と共に、1つの商品を構成していることが特定される。また、「Device1」を製品識別情報とする製品M4が、「Temp2」を付属品識別情報とする付属品M2、および、「Temp3」を付属品識別情報とする付属品M3と共に、1つの商品を構成していることが特定される。
【0062】
一方、図5が示すように、制御部41は、付属品M2について付属品識別情報の読取が失敗した例について、製品M4の製品識別情報に、付属品M1の付属品識別情報のみを対応づけている。この商品履歴ファイル44Fを参照すれば、「Device2」を製品識別情報とする製品M4が、商品として生産される途中で、付属品M2について付属品識別情報の読取が失敗し、それによって異常終了していることが特定される。
【0063】
他方、図6が示すように、制御部41は、生産が正常終了した商品のなかでも、同一の製品識別情報を用いて2つの商品が生産された例では、製品M4の製品識別情報に、2つの付属品M1の付属品識別情報と、2つの付属品M2の付属品識別情報と、2つの付属品M3の付属品識別情報と、を対応づけている。この商品履歴ファイル44Fを参照すれば、「Device3」を製品識別情報とする製品M4が、2度にわたり商品として生産されていることが特定される。すなわち、「Device3」を製品識別情報とする製品M4を含む2つの商品が存在し、いずれか一方の製品M4が非正規品であることが特定される。すなわち、商品に紛れ込んだ非正規品を特定することが可能ともなる。
【0064】
以上、上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)単一のロボット20が、付属品M1,M2,M3と製品M4とを対象として収容を行い、その際、付属品M1,M2,M3と製品M4とを対象として各識別情報の撮像を行う。そして、制御部41は、識別情報が対応づけられる製品M4と付属品M1,M2,M3との組み合わせを、作業の対象である製品M4と付属品M1,M2,M3との組み合わせとする。
【0065】
これにより、ロボット20が実際の作業に用いた製品M4と付属品M1,M2,M3との組み合わせ、すなわち、実際の商品を構成している商品構成物の組み合わせと、識別情報が対応づけられた商品構成物の組み合わせと、が一致する精度を高めることが可能となる。ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を高めることが可能となる。
【0066】
(2)特に、製品識別情報の撮像を行う機器、付属品識別情報の撮像を行う機器、および、作業を行うロボット20が、相互に協調していない場合、識別情報とそれを有した個体とを関連付けるためには、撮像された個体を、それが収容されるまで追跡する構成が、別途必要となる。この点、上記実施形態によれば、個体と当該個体の識別情報との関連付けが、ロボット20による収容の作業のなかに組み込まれている。それゆえに、商品構成物の組み合わせの検知精度を高めるための構成について、簡素化を図ることが可能ともなる。
【0067】
(3)製品M4と付属品M1,M2,M3とから構成される1組の商品構成物を用いた作業の期間と、他の1組の商品構成物を用いた作業の期間とが、相互に重畳するとなれば、各作業に用いられる対象を、一方の作業と他方の作業との間で、取り違える可能性が高まってしまう。
【0068】
この点、上記実施形態によれば、製品M4と付属品M1,M2,M3とから構成される1組の商品構成物を用いた作業が終了するまで、他の1組の商品構成物を用いた作業が行われることがない。そのため、1組の商品構成物を対象とした作業の期間と、他の1組の商品構成物を対象とした作業の期間とが、相互に重畳することがない。結果として、制御部41は、作業の対象である製品M4と付属品M1,M2,M3との組み合わせを、より高い精度のもとで把握できる。
【0069】
(4)ピック候補に決定された製品M4と付属品M1,M2,M3とについて、これらを対象とした撮像と読取とが行われる。そして、識別情報の読取が成功した製品M4と付属品M1,M2,M3とについて、ピックとプレイスとが実行される。すなわち、ピック候補の決定からはじまる収容の作業が行われているときに、その作業の対象が、撮像と読取との対象となる。
【0070】
そのため、識別情報が対応づけられた製品M4と付属品M1,M2,M3との組み合わせと、実際の商品を構成している製品M4と付属品M1,M2,M3との組み合わせとの一致の精度を、より高めることが可能となる。
【0071】
(5)収容完了前の付属品M1,M2,M3を用いて、付属品識別情報の撮像と読取とが実行される。付属品識別情報の撮像と読取とには、付属品M1,M2,M3の姿勢の変更や、付属品M1,M2,M3の位置の変更などを要する場合がある。この点、収容完了前の付属品M1,M2,M3を対象とした撮像と読取とによれば、これらの処理が容易ともなる。結果として、付属品識別情報の検知精度、ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を、より高めることが可能となる。
【0072】
(6)また、付属品識別情報の読取が成功した場合に、当該付属品識別情報を有する付属品M1,M2,M3の収容が実行される。そのため、付属品識別情報の読取が失敗した状態で商品が生産されることを抑制できる。
【0073】
(7)複数の付属品M1,M2,M3が含まれる商品において、上記(1)から(6)に準じた効果を得ることが可能ともなる。また、複数の付属品M1,M2,M3が含まれる商品であれば、付属品M1,M2,M3の数量が多い分だけ、出荷後の商品に対して商品構成物の組み合わせを特定することの要請が高まる。そのため、上記実施形態に記載の構成が、より有益なものとなる。
【0074】
(8)先行して収容される付属品M1,M2,M3は、後続して収容される製品M4によって、一部分を覆われてしまうことが少なくない。例えば、充電ケーブルや電源アダプターなどの付属品は、容器の内部において、スマートフォンやタブレット端末に、その一部分を覆われてしまう。一部分を覆われた付属品M1,M2,M3に対しては、付属品識別情報の読取が、さらに困難なものとなる。
【0075】
この点、上記実施形態によれば、製品M4に先駆けて収容される付属品M1,M2,M3について、付属品M1,M2,M3の収容完了前に、付属品識別情報の読取が実行される。そのため、付属品M1,M2,M3の収容完了よりも付属品M1,M2,M3の読取を先行させることによる効果が、より顕著なものとなる。
【0076】
(9)収容完了前の製品M4を用いて、製品識別情報の撮像と読取とが実行される。製品識別情報の撮像と読取とは、製品M4の姿勢の変更や、製品M4の位置の変更などを要する場合がある。そのため、収容完了前の製品M4を対象とした撮像と読取とであれば、これらの処理が容易ともなる。結果として、製品識別情報の検知精度、ひいては、商品構成物の組み合わせの検知精度を、より高めることが可能となる。
【0077】
(10)また、製品識別情報の読取が成功した場合に、当該製品識別情報を有する製品M4の収容が実行される。そのため、製品識別情報の読取が失敗した状態で商品が生産されることを抑えることが可能ともなる。
【0078】
(11)製品識別情報の読取を成功した製品M4が容器本体31に収容されて、製品識別情報の読取を失敗した製品M4については、商品の生産が異常終了する。これにより、製品識別情報の読取を失敗した製品M4が容器本体31に収容されてしまうことを抑えられる。結果として、製品識別情報の読取を再度実行するために、容器本体31に一度収容された製品M4を容器本体31から取り出すことなどの負荷を軽減することもできる。
【0079】
(12)付属品識別情報の読取を成功した付属品M1,M2,M3が容器本体31に収容されて、付属品識別情報の読取を失敗した付属品M1,M2,M3については、商品の生産が異常終了する。これにより、付属品識別情報の読取を失敗した付属品M1,M2,M3が容器本体31に収容されてしまうことを抑えられる。結果として、付属品識別情報の読取を再度実行するために、容器本体31に一度収容された付属品M1,M2,M3を容器本体31から取り出すことなどの負荷を軽減することもできる。
【0080】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・制御部41は、撮像と読取との完了後にピックを開始させる構成に限らず、例えば、商品構成物のピック後に当該商品構成物の撮像と読取とを開始させる構成であってもよい。
【0081】
例えば、制御部41は、ピック候補に決定された商品構成物をピックさせた後に、当該商品構成物の読取が成功した場合、当該商品構成物を容器本体31にプレイスさせてもよい。また、制御部41は、ピック候補に決定された商品構成物をピックさせた後に、当該商品構成物の読取が失敗した場合、当該商品構成物をピック前の位置にプレイスさせてもよい。この構成であっても、ピック候補に決定された商品構成物について、これらを対象とした撮像、読取、および、識別情報の対応づけが行われるため、上記効果に準じた効果は得られる。
【0082】
また、制御部41は、例えば、商品構成物の収容完了後に当該商品構成物の読取を実行させる構成であってもよい。例えば、制御部41は、ピック候補に決定された商品構成物をピックさせてプレイスさせた後に、当該商品構成物の読取を実行させてもよい。この構成においても、ピック候補に決定された商品構成物について、これらを対象とした撮像、読取、および、識別情報の対応づけが行われるため、上記効果に準じた効果は得られる。
【0083】
・制御部41は、ピック候補に決定された商品構成物を読取の対象とする構成に限らず、例えば、読取の候補に決定された商品構成物を、ピック候補に決定する構成であってもよい。この際、制御部41は、読取が成功した商品構成物を、ピック候補に決定する構成が好ましい。
【0084】
なお、制御部41は、読取が成功した複数の商品構成物のなかから商品を構成する1組の商品構成物を決定して、当該1組の商品構成物において識別情報を対応づけ、当該1組の商品構成物を、ピック候補に決定してもよい。あるいは、制御部41は、商品構成物の種類ごとに読取を行い、各種類のなかで読取が成功した単一の商品構成物を、その都度、ピック候補に決定してもよい。
【0085】
・コントローラー40は、読取部42が省略された構成とすることもできる。この際、ロボット20が読取部42を搭載して、読取部42による読取の結果をコントローラー40に送信する。
【0086】
・制御部41のなかで識別情報を対応づける機能は、コントローラー40と通信可能に接続された外部コンピューターなどが備えてもよい。この際、コントローラー40は、読取部42による読取の結果を、商品構成物を用いた収納の作業ごとに、外部コンピューターに送信する。外部コンピューターは、商品構成物を用いた収納の作業ごとに、読取部42による読取の結果、すなわち、商品構成物の識別情報を受信し、受信された識別情報を相互に対応づける。
【符号の説明】
【0087】
M1,M2,M3…付属品、M4…製品、MA…商品配置部、10…ロボットシステム、20…ロボット、21…ヘッド、21A…ヘッドカメラ、22…ボティ、23A…アームカメラ、23L…左アーム、23R…右アーム、30…作業台、31…容器本体、32…蓋体、40…コントローラー、41…制御部、42…読取部、43…駆動部、44…記憶部、44F…商品履歴ファイル、45…出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6