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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】アナモルフィックレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/08 20060101AFI20230316BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20230316BHJP
【FI】
G02B13/08
G03B37/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020526064
(86)(22)【出願日】2019-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2019108977
(87)【国際公開番号】W WO2021056523
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-05-20
(31)【優先権主張番号】201910916059.8
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519333424
【氏名又は名称】広東思▲るい▼光学股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】322002001
【氏名又は名称】中山市▲あ▼中光▲でん▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHONGSHAN AZU OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 4, The Third Industrial District, Wuguishan Town Zhongshan, Guangdong, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(74)【代理人】
【識別番号】100187089
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウリン
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0284401(US,A1)
【文献】特開平06-082691(JP,A)
【文献】米国特許第10126533(US,B1)
【文献】米国特許第05930050(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナモルフィックレンズであって、
円柱状レンズを含むアナモルフィック群(11)と、
球状レンズを含む撮像群(12)と、から構成され、前記アナモルフィック群および前記撮像群が、物体側から画像側に対して配置され、
前記アナモルフィック群(11)は、前記物体側から前記画像側に、第1のレンズ(1)、第2のレンズ(2)、および第3のレンズ(3)から構成され、前記第1のレンズ(1)は、負の光パワー円柱状レンズであり、前記第2のレンズ(2)は、負の光パワー円柱状レンズであり、前記第3のレンズ(3)は、正の光パワー円柱状レンズであり、
前記撮像群(12)は、前記物体側から前記画像側に、第4のレンズ(4)、第5のレンズ(5)、第6のレンズ(6)、第7のレンズ(7)、第8のレンズ(8)、第9のレンズ(9)、および第10のレンズ(10)から構成され、前記第4のレンズ(4)は、正の光パワーメニスカス球状レンズであり、前記第5のレンズ(5)は、正の光パワー球状レンズであり、前記第6のレンズ(6)は、負の光パワー球状レンズであり、前記第7のレンズ(7)は、負の光パワー球状レンズであり、前記第8のレンズ(8)は、正の光パワー球状レンズであり、前記第9のレンズ(9)は、正の光パワー両凸球状レンズであり、前記第10のレンズ(10)は、正の光パワーメニスカス球状レンズである、アナモルフィックレンズ。
【請求項2】
前記第1のレンズ(1)は、負の光パワー両凹円柱状レンズである、請求項1に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項3】
前記第2のレンズ(2)および前記第3のレンズ(3)が共に積層されるように構成される、請求項1に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項4】
前記第2のレンズ(2)および前記第3のレンズ(3)が共に連結されるように構成される、請求項3に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項5】
前記第7のレンズ(7)および前記第8のレンズ(8)が共に積層されるように構成される、請求項1に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項6】
前記第5のレンズ(5)および前記第6のレンズ(6)が、共に積層されるように構成され、請求項1に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項7】
前記第5のレンズ(5)および前記第6のレンズ(6)は、それぞれ独立したレンズであり、前記第5のレンズ(5)は、正の光パワーメニスカス球状レンズであり、前記第6のレンズ(6)は、負の光パワーメニスカス球状レンズであり、前記第5のレンズ(5)の凹面および前記第6のレンズ(6)の凹面は、前記画像側に面する、請求項1に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項8】
前記アナモルフィック群(11)のレンズおよび前記撮像群(12)のレンズが、以下の
500<abs(f1-3/f4-10)、
45<f4-10<55、
1.60<f4-6/f4-10<2.10、および
0.60<f7-10/f4-10<0.80、の関係を満たすように構成され、
式中、f1-3はX方向における前記第1~前記第3のレンズの組み合わされた焦点距離を示し、f4-10は前記X方向における前記第4~前記第10のレンズの組み合わされた焦点距離を示し、f4-6は前記X方向における前記第4~前記第6のレンズの組み合わされた焦点距離を示し、f7-10は前記X方向における前記第7~前記第10のレンズの組み合わされた焦点距離を示す、請求項1~7のいずれかに記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項9】
前記アナモルフィック群(11)のレンズおよび前記撮像群(12)のレンズが、以下の
1.10<abs(f/f2-10)<1.40、
-0.80<f/f2-3<-0.70、
0.60<f/f4-6<0.90、
1.0<f9-10/f7-10<1.60、および
5.0<abs(f7-8/f7-10)<9.0、の関係を満たすように更に構成され、
式中、fは前記第1のレンズの前記X方向における焦点距離を示し、f2-10は前記X方向における前記第2~前記第10のレンズの組み合わされた焦点距離を示し、f2-3は前記X方向における前記第2~前記第3のレンズの組み合わされた焦点距離を示し、fは前記第4のレンズの前記X方向における焦点距離を示し、f9-10は前記X方向における前記第9~前記第10のレンズの組み合わされた焦点距離を示し、f7-8は前記X方向における前記第7~前記第8のレンズの組み合わされた焦点距離を示す、請求項8に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項10】
前記アナモルフィックレンズの最大外径が70mm未満である、請求項1~7のいずれかに記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項11】
前記アナモルフィックレンズが、50mmのY方向における焦点距離、および1.8のFストップ口径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のアナモルフィックレンズ。
【請求項12】
前記アナモルフィックレンズの質量が600グラム(g)未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載のアナモルフィックレンズ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、レンズ技術の分野、特にアナモルフィックレンズに関連する。
【背景技術】
【0002】
ウェブテクノロジーの迅速な開発により、写真やビデオをとることは普通の消費者にとって不可欠な部品となった。近年、5Gおよびその他の技術を販促することで、Vlogなどのより多くのビデオ共有が使用されている。より多くの個人が、携帯電話、カメラ、その他のツールを使用したショートフィルムやマイクロ映画を撮る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、市場の携帯電話、タブレット、カメラおよびその他の装置の現在の正常な撮影スクリーン比は16:9であるが、シネマのワイドドスクリーンビデオ比は2.4:1である。従って、ユーザは、取り込まれた画像またはビデオを編集するために、手動で編集またはデジタルでクロッピングする方法をとる必要がある。しかし、クロッピングまたは編集中に画像のピクセルを犠牲にする。
【0004】
ドイツのHawk、英国のCooke、ドイツのARRI、米国のPanavision、フランスのAngenieuxおよび香港のSLRなど、一部のプロ用のアナモルフィックレンズブランドが、通常専門顧客向けに仕立てられている。これらのフィルム機器の価格は一般に、数千ドル以上またはそれ以上に高価であり、アナモルフィックレンズは数キログラムの重量である。
【0005】
高価で品質の高いプロ用のアナモルフィックレンズは、通常のユーザには適していない。従って、アナモルフィックレンズのサイズを減少させ、レンズの重量を減少させる方法は、本発明の現在の実施形態で解決される技術的問題である。
【0006】
従って、本発明の実施形態は、品質は良好であるが、通常の消費者が買えないプロ用のアナモルフィックレンズにおいて欠点を技術的に解決すること試みる。本発明の態様は、以下の実施形態で技術的問題を解決するアナモルフィックレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
アナモルフィックレンズは、画像側への物体側の配置における円柱状レンズを含み得る。円柱状レンズは、円柱状レンズのアナモルフィック群および球状レンズを有する撮像群を含み得る。アナモルフィック群は、第1のレンズ、第2のレンズおよび第3のレンズを、物体側から画像側への順序で含んでもよい。第2のレンズは負の光パワー円柱状レンズであってもよく、また第3のレンズは正の光パワー円柱状レンズであり得る。
【0008】
一つの実施形態では、第1のレンズは、負の光パワー両凹円柱状レンズであり得る。
【0009】
別の実施形態では、第2のレンズおよび第3のレンズは共に連結され得る。
【0010】
画像側に向かう光の方向における撮像群は、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ、第8のレンズ、第9のレンズ、および第10のレンズを配置し得る。一つの実施形態では、第4のレンズは正の光パワーメニスカス球状レンズであってもよく、第5および第8のレンズは正の光パワーであってもよく、第6のレンズと第7のレンズは負の光パワー球状レンズであってもよく、第9のレンズは正のパワー両凸球状レンズであってもよく、第10のレンズは正のパワーメニスカス球状レンズであり得る。
【0011】
一つの実施形態では、第5のレンズおよび第6のレンズは、共に連結され得る。こうした配置では、第5のレンズは正の光パワーであってもよく、第6のレンズは負の光パワーレンズであり得る。
【0012】
一つの実施形態では、第5のレンズおよび第6のレンズは、共に独立し得る。こうした配置では、第5のレンズは、正の光パワーメニスカスレンズであってもよく、第6のレンズは負の光パワーメニスカスレンズであり得る。一つの実施形態では、第5のレンズおよび第6のレンズの凹面の表面は、画像側に向かって配置され得る。
【0013】
一つの実施形態では、アナモルフィック群を構成するレンズおよび撮像群を構成するレンズのパワー分布は、以下の
500<abs(f1-3/f4-10)、
45<f4-10<55、
1.60<f4-6/f4-10<2.10、
0.60<f7-10/f4-10<0.80、の関係を有し得る。
【0014】
別の実施形態では、アナモルフィック群を構成するレンズ、および撮像群を構成するレンズのパワー分布は、以下の
1.10<abs(f/f2-10)<1.40、
-0.80<f/f2-3<-0.70、
0.50<f/f4-6<0.80、
1.0<f9-10/f7-10<1.60、
5.0<abs(f7-8/f7-10)<9.0、の関係をまた有し得、
式中、fはX方向のレンズの焦点距離を表してもよくfの添字番号はアナモルフィックレンズの10個のレンズの数を表す。例えば、fは、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-10は、10個のレンズのX方向における、第1~第10のレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0015】
さらに別の実施形態では、アナモルフィックレンズの長さは、105mm未満であってもよく、アナモルフィックレンズの大きな外径は70mm未満であり得る。
【0016】
さらなる実施形態において、アナモルフィックレンズのY方向における焦点距離は50mmであってもよく、口径はFストップ1.8であり得る。
【0017】
さらなる実施形態では、アナモルフィックレンズの質量は600g未満であり得る。
【0018】
本発明の技術的解決は、以下の利点を含み得る。
【0019】
1. 本発明の実施形態によって提供されるアナモルフィックレンズは、アナモルフィック群としての物体側から画像側へ配置される円柱状レンズ、および球状レンズを含む撮像群を含み得る。アナモルフィック群は、連続的な順序で配置される第1のレンズ、第2のレンズ、および第3のレンズを含んでもよく、第2のレンズおよび第3のレンズは共に連結され得る。第1のレンズは、負の光パワー両凹円柱状レンズであってもよく、第2のレンズは正の光パワー円柱状レンズであってもよく、第3のレンズは正の光パワー円柱状レンズであり得る。
【0020】
鉛直方向から入射する光は変化しない一方で、水平方向に入射する光を「圧縮」するアナモルフィック群の円柱状レンズの光学特性を使用して、その後、撮像群は、そこを通過する光を包括的に補正することができる。こうした態様は、実際の撮影またはフィルムの分野の幅を増加させ得る、レンズの水平撮影に対する視野の角度を増加させてもよい。本発明の態様は、画像または膜の後処理または編集を必要としないので、ユーザが画像の編集の結果としてピクセルを犠牲にすることなく、ワイドドスクリーンビデオまたは写真の2.4:1の比率を得ることができる。同時に、アナモルフィック群が円柱状レンズ含んでもよいため、本発明の実施形態のアナモルフィックレンズは、アナモルフィック機能に加えて楕円形の焦点外フレア、仮想ラインフレアおよび他の光学特性をさらに含んでもよい。
【0021】
2.本発明の実施形態によって提供されるアナモルフィックレンズは、アナモルフィック群内のレンズおよび撮像群内のレンズのパワー分布関係:
500>abs(f1-3/f4-10)、45>f4-10>55、1.60>f4-6/f4-10>2.10、0.60>f7-10/f4-10>0.80、1.10>abs(f/f2-10)>1.40、-0.80>f/f2-3<-0.70、0.50>f4/f4-6>0.80、3.0>f10/f7-10>4.50、1.10>abs(f2-10/f1-10)>1.60、を含み得、式中、fはX方向のレンズの焦点距離を表わし、fの添字番号は、アナモルフィックレンズの10個のレンズの数を表わす。例えば、fは、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-10は、10個のレンズのX方向における、第1~第10のレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0022】
本発明の実施形態は、50mm、Fストップ1.8半フレームレンズの視野を水平方向に33%だけ増加させることができ、一方で鉛直視野は同じままであってもよく、結果として小さなサイズの50mmの大口径アナモルフィックレンズをもたらす。
【0023】
本発明の特定な実施形態または先行技術の技術的解決をより明瞭に説明するために、実施形態または従来技術の説明の使用に必要な図面を以下に簡単に導入する。明らかに、以下の図面は本発明の一部の実施形態である。当業者であれば、必要以上の創造的労働を伴うことなく、これらの図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施形態によるX方向の光学構造図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるY方向の光学構造図である。
図3】本発明の第2の実施形態によるX方向の光学構造図である。
図4】本発明の第2の実施形態によるY方向の光学構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の技術的な解決は、添付図面を参照しながら以下で明確かつ完全に説明し得る。明らかに、記述された実施形態は本発明の一部であり得るが、それら全てではない。本発明の実施形態に基づき、創造的な努力を伴わない当業者によって得られるその他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内に収まるものとする。
【0026】
本発明の説明において、用語「中央」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内側」、「外側」、等は、向きまたは位置関係を示すことを意図しており、それらは、図面に示されている向きまたは位置関係に基づいていてもよい。そして、本発明および簡略化された説明を説明する便宜のためだけであり得る。また、言及されるデバイスまたは要素は、本発明を限定するものとして解釈されないため、特定の向き、特定の構造および動作を有さなければならないことを示したり示唆したりするものではない。さらに、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、説明目的のみに使用されてもよく、相対的重要性を示すまたは暗示すると解釈されるべきではない。
【0027】
本発明の実施形態の説明では、「据付け」、「接続された」、および「接続された」という用語は、別段の指定がない限り、また限定されない限り、広い意味で理解されるべきである。例えば、それらは固定された接続または取り外し可能に、接続または統合されてもよく、機械的または電気的であってもよく、直接接続されてもよく、または中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、または二つの要素の内部通信であり得る。当業者であれば、本発明の実施形態の上記の用語の特定の意味は、ケースバイケースで理解され得る。
【0028】
さらに、以下に記述した本発明の異なる実施形態に関与する技術的特徴は、共に矛盾しない限り、共に組み合わせられてもよい。
【0029】
(第1の実施形態)
図1および図2に示すように、一つの実施形態は、50mm半フレーム大口径アナモルフィックレンズを含み得る。一つの実施形態では、下記のレンズは透明レンズであり得る。アナモルフィックレンズは、第1のレンズ1、第2のレンズ2、第3のレンズ3、第4のレンズ4、第5のレンズ5、第6のレンズ6、第7のレンズ7、第8のレンズ8、第9のレンズ9、第10のレンズ10を含み得る、物体側から画像側までの光路に沿って配置された10個のレンズを含み得る。
【0030】
一つの実施形態では、第1のレンズ1、第2のレンズ2、および第3のレンズ3は、円柱状レンズであり得る。第2のレンズ2および第3のレンズ3は共に連結され得る。第1のレンズ1とともに、アナモルフィック群11を形成する。第4のレンズ4、第5のレンズ5、第6のレンズ6、第7のレンズ7、第8のレンズ8、第9のレンズ9および第10のレンズ10、これらの7つのレンズは、一つの実施形態では球状レンズであり得る。第5のレンズ5および第6のレンズ6は共に連結されてもよく、第7のレンズ7および第8のレンズ8は共に連結され得る。これらの7つのレンズは、撮像群12を形成し得る。
【0031】
一つの実施形態では、第1のレンズ1は、負の光パワー両凹円柱状レンズであり得る。第2のレンズ2は負の円柱状レンズであってもよく、第3のレンズ3は正の光パワー円柱状レンズであり得る。第4のレンズ4は、正の光パワーメニスカス球状レンズであってもよく、第4のレンズ4の凹面は画像側に向かって配置されている。
【0032】
さらなる実施形態では、第5のレンズ5は、正の光パワー球状レンズであり得る。第6のレンズ6および第7のレンズ7は、負の光パワー球状レンズであり得る。第9のレンズ9は、正の光パワー両凸球状レンズであり得る。第10のレンズ10は、正の光パワーメニスカス球状レンズであってもよく、第10のレンズの凸面は物体側に向かって凸状であり得る。
【0033】
一つの実施形態で、レンズはユニットとして共に連結され得る。この実施形態では、第2のレンズ2および第3のレンズ3は共に連結され得る。第5のレンズ5および第6のレンズ6は共に連結されてもよく、第7のレンズ7および第8のレンズ8は共に連結され得る。従って、この実施形態のアナモルフィックレンズは、10個の要素および7つの群を含み得る。
【0034】
さらなる実施形態では、第2のレンズ2と第3のレンズ3、第6のレンズ6と第7のレンズ7、および第8のレンズ8と第9のレンズ9の組み合わせは、特定の制限はない。例えば、本実施例では、連結方法は接合を介し得る。代替的実施形態として、本発明の実施形態と区別するために、本発明の精神および範囲に基づいて、上述の組み合わせ方法は、ラミネーション、接着、統合成形等により修正することができる。そのような接合後、複合体または組み合わされたレンズの形状は、上記の実施例に従って適切に調整され得る。従って、これらの代替的アプローチはまた、本発明の範囲および趣旨内であり得る。
【0035】
さらなる実施形態では、実施例は、撮像群内の第4のレンズ4が独立したレンズであり得ることを提供し得る。代替的な実施形態として、第4のレンズ4は、二つまたは複数のレンズに分割されてもよく、または二つまたは複数のレンズを交換として共に連結されていてもよい。第4のレンズ4を交換する時、交換レンズが、例えば「0.60<f/f4-6<0.90」の光パワー関係を満たす限り。従って、実施例に基づき、レンズ数またはそれらの組み合わせに基づいてレンズを交換することによって本発明をめぐる区別する試み任意の試みは、本出願の概念内であり、また本発明の泉および範囲内になるべきである。
【0036】
さらなる実施形態では、実施例は、第5のレンズ5および第6のレンズ6が共に連結されることを提供し得る。代替の実施形態として、第5のレンズ5および第6のレンズ6は、二つ以上の独立レンズに分割され得る。さらに別の実施形態では、第5のレンズ5および第6のレンズ6の連結されたレンズは、単一のレンズと置き換えられてもよい。従って、実施例に基づいて、第5のレンズ5と第6のレンズ6を交換することによって本発明をめぐる区別する試み任意の試みは、レンズの種類や形状が変わっていたり、独立したレンズであったり、組み合わせたレンズであったりすることに関わらず、交換レンズが、例えば、「0.60<f/f4-6<0.90」の光パワーの関係を満たす限り、そのような交換は、依然として本発明の泉および範囲に含まれる。
【0037】
さらなる実施形態では、実施例は、第7のレンズ7および第8のレンズ8が共に連結されることを提供し得る。代替の実施形態として、第7のレンズ7および第8のレンズ8は、二つ以上の独立レンズに分割され得る。さらに別の実施形態では、第5のレンズ5および第6のレンズ6の連結されたレンズは、単一のレンズと置き換えられてもよい。従って、実施例に基づいて、第5のレンズ5と第6のレンズ6を交換することによる本発明をめぐる区別する任意の試みは、レンズの種類や形状の変化、またはそれが独立したレンズか組み合わせたレンズであるかに関わらず、交換レンズが、例えば、「5.0<abs(f7-8/f7-10)<9.0」の光パワーの関係を満たす限り、そのような交換は、依然として本発明の泉および範囲に含まれる。
【0038】
さらなる実施形態では、実施例は、第9のレンズ9および第10のレンズ10が共に独立していることを提供し得る。一つの実施形態では、第9のレンズ9および第10のレンズ10は、「1.0<f9-10/f7-10<1.60」の光パワー関係を満たし得る。従って、実施例に基づいて、第9のレンズ9、第10のレンズ10を、単一のレンズと連結された複数のレンズを有する複合レンズと交換する任意の試みは、レンズのタイプや形状の変化、またはそれらを変更するための組み合わせに関わらず、依然として、本発明の泉および範囲に含まれる。
【0039】
一つの実施形態では、各レンズの実際のパラメータの特定の数値は特に制限されない。この実施形態では、各レンズまたはレンズ群のパワーは、以下の
500<abs(f1-3/f4-10)、
45<f4-10<55、
1.60<f4-6/f4-10<2.10、
0.60<f7-10/f4-10<0.80、の数学的関係を満たし得、
各レンズの光パワーさらに以下の
1.10<abs(f/f2-10)<1.40、
-0.80<f/f2-3<-0.70、
0.60<f/f4-6<0.90、
1.0<f9-10/f7-10<1.60、
5.0<abs(f7-8/f7-10)<9.0、の数学的関係を満たし得、
式中、fはX方向(例えば、水平方向)のレンズの焦点距離を表してもよくfの添字番号はアナモルフィックレンズの10個のレンズの数を表す。例えば、fは、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-10は、10個のレンズのX方向における、第1~第10のレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0040】
以下の表は、上記の数学的関係を満たすこの実施形態の各レンズの実際のパラメータであり得る。
【0041】
【表1】
【0042】
一つの態様では、第1のレンズ1は、大きなアッベ数低分散レンズであり得る。
【0043】
一つの態様では、本発明のアナモルフィックレンズを適用する前に、焦点距離として、Fストップ1.8を有する所与の50mmレンズの視野は、V(鉛直)18.25度、H(水平)27.04度である。
【0044】
本発明の実施形態のアナモルフィックレンズを適用した後、焦点距離として、Fストップ1.8の所与の50mmレンズの視野は、V(鉛直)18.25度、H(水平)36.21度である。
【0045】
横方向に対するコントラスト視野試験の視界の角度は鉛直方向において変わらず、水平方向の比較の視野角変形は、36.21/27.04=1.339である。
【0046】
このような実施形態では、実際の幅比は2.35~2.40の範囲であるため、アナモルフィック比は1.33である。例えば、水平視野角は33%増加し、その結果、1.33倍のアナモルフィック撮影が達成され得る。
【0047】
本発明の実施形態によると、本発明の態様によるアナモルフィックレンズが製造される時、アナモルフィックレンズ自体の長さは、最大外径が70mm未満、および質量600g未満で105mm未満である。こうした寸法は、同様のタイプの写真カメラの交換可能なレンズよりもはるかに小さく、同時に、市場における同じ仕様のプロ用のシネマアナモルフィックレンズよりもはるかに小さい。
【0048】
さらなる実施形態では、レンズに使用される材料に対する制限はない。例えば、本発明の実施形態は、レンズ用の光グレードのガラスを使用し得る。
【0049】
さらに、本出願のレンズは、パーソナライズされたカスタム化および普遍的使用を達成するために、実際の使用の仕様に従って市場におけるさまざまなブランドのカメラの差し込みピンと互換性があるよう設計され得る。
【0050】
(第2の実施形態)
本発明の実施形態は、大口径を有する50mmの焦点距離の半フレームアナモルフィックレンズを提供し得る。一つの実施例では、実施例2は、図3および図4に示すように、第5のレンズ5と第6のレンズ6の組み合わされたレンズは、二つの独立したレンズであり得るという点で、実施例1とは異なる。一つの態様では、第5のレンズ5は、正の光パワーメニスカス球状レンズであってもよく、第5のレンズ5の凹面は画像側に面し得る。一つの実施形態では、第6のレンズ6は、負の光パワーメニスカス球状レンズであってもよく、第6のレンズ6の凹面は画像側に面し得る。
【0051】
この実施例では、実施例1と比較して、第5のレンズ5および第6のレンズ6が独立し得るので、アナモルフィックレンズは10個のレンズを含んでもよく、8個の群を含んでもよい。
【0052】
さらなる実施形態では、実施例1に基づき、第5のレンズ5および第6のレンズ6は交換され得る。交換されると、光路は変更され得る。そのため、レンズタイプまたは形状は、実施例1の光パワーを満たすために調整され得る。そのため、こうした調整は、レンズタイプ、形状、または数字を変更するために本発明をめぐって区別することを試みる一方、依然として、本発明の泉および範囲内にある。
【0053】
明らかに、前述の実施形態は、単に明確な説明であり、限定的なものではないという単なる例であり得る。当業者であれば、上記の説明の基礎に基づいて、他の異なる形態の変更または修正を行うことができる。全ての実施形態を説明する必要はなく、網羅することはできない。しかしながら、それによって導入された明白な変更または変形は、本発明によって作成された保護範囲内になる。
【符号の説明】
【0054】
1-第1のレンズ、2-第2のレンズ、3-第3のレンズ、4-第4のレンズ、5-第5のレンズ、6-第6のレンズ、7-第7のレンズ、8-第8のレンズ、9-第9のレンズ、10-第10のレンズ、11-第11のレンズ、12-第12のレンズ、13-アナモルフィック群、14-撮像群

図1
図2
図3
図4