IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウーシー・バイオシティ・バイオファーマシューティクス・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許7245832ピリミジンスルファミド系誘導体、その製造方法およびその医薬における使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】ピリミジンスルファミド系誘導体、その製造方法およびその医薬における使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/14 20060101AFI20230316BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20230316BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20230316BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20230316BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230316BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230316BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230316BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20230316BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230316BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
C07D405/14 CSP
C07D417/14
C07D471/04 106A
C07D491/107
A61K31/506
A61P43/00 111
A61P3/10
A61P9/12
A61P13/12
A61P9/14
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020528076
(86)(22)【出願日】2018-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2018116196
(87)【国際公開番号】W WO2019101039
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】201711168111.3
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522048993
【氏名又は名称】ウーシー・バイオシティ・バイオファーマシューティクス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ユンフ
(72)【発明者】
【氏名】レイ マオイ
(72)【発明者】
【氏名】リ ジュンミアオ
(72)【発明者】
【氏名】シュ ユ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ラン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シューフイ
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-517855(JP,A)
【文献】Morimoto, Hiroshi; Shimadzu, Hideshi; Kushiyama, Emi; Kawanishi, Hiroyuki; Hosaka, Toshihiro; Kawase, Yasushi; Yasuda, Kosuke; Kikkawa, Kohei; Yamauchi-Kohno, Rikako; Yamada, Koichiro,Potent and Selective ET-A Antagonists. 1. Syntheses and Structure-Activity Relationships of N-(6-(2-(Aryloxy)ethoxy)-4-pyrimidinyl)sulfonamide Derivatives,Journal of Medicinal Chemistry,2001年,44(21),,3355-3368
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 405/14
C07D 417/14
C07D 471/04
C07D 491/107
A61K 31/506
A61P 43/00
A61P 3/10
A61P 9/12
A61P 13/12
A61P 9/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【化1】
(ただし、
はH、F、Cl、Br、I、OHおよびNHから選ばれ、
はHおよびC1-3アルキル基から選ばれ、前記C1-3アルキル基は任意に1、2または3個のRで置換され、
はH、C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、-C1-3アルキル-C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基および-C1-3アルキル-3~7員ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、-C1-3アルキル-C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基または-C1-3アルキル-3~7員ヘテロシクロアルキル基は任意に1、2または3個のRで置換され、
あるいは、RとRは連結して任意に1、2または3個のRで置換さている、一つの3~8員環を形成し、
環Bは3~7員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から選ばれ、前記3~7員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基は任意に1、2または3個のRで置換され、
Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-6アルキル基およびC1-6ヘテロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基またはC1-6ヘテロアルキル基は任意に1、2または3個のR’で置換され、
R’はそれぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CHF、CHF、CFおよびEtから選ばれ、
前記C1-6ヘテロアルキル基、3~7員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基はそれぞれ1、2、3または4個の独立にN、-O-、-S-、-NH-、-S(=O)-および-S(=O)-から選ばれるヘテロ原子またはヘテロ原子団を含む。)
【請求項2】
RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-3アルキル基、C1-3アルキル-S(=O)-基およびC1-3アルキル-O-基から選ばれ、前記C1-3アルキル基、C1-3アルキル-S(=O)-基またはC1-3アルキル-O-基は任意に1、2または3個のR’で置換され、
あるいは、RはHおよびMeから選ばれ、
あるいは、RはH、C1-4アルキル基、C1-4アルキル-O-C1-4アルキル基、シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロプロピル基、-C1-3アルキル-テトラヒドロフリル基および-C1-3アルキル-テトラヒドロピラニル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルキル-O-C1-4アルキル基、シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロプロピル基、-C1-3アルキル-テトラヒドロフリル基または-C1-3アルキル-テトラヒドロピラニル基は任意に1、2または3個のRで置換されている請求項1に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、Et、
【化2】
から選ばれ、前記Me、Et、
【化3】
は任意に1、2または3個のR’で置換され、
あるいは、RはH、Me、Et、
【化4】
から選ばれ、前記Me、Et、
【化5】
は任意に1、2または3個のRで置換されている請求項2に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CHF、CHF、CF、Et、
【化6】
から選ばれ、
あるいは、RはH、Me、Et、
【化7】
から選ばれる請求項3に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
とRは連結して任意に1、2または3個のRで置換されている、一つの6~8員ヘテロシクロアルキル基を形成している請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
構造単位
【化8】

【化9】
から選ばれ、前記
【化10】
は任意に1、2または3個のRで置換されている請求項5に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
構造単位
【化11】

【化12】
から選ばれる請求項6に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
環Bはテトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ピロリジニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基およびイミダゾリル基から選ばれ、前記テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ピロリジニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基またはイミダゾリル基は任意に1、2または3個のRで置換されている請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
構造単位
【化13】
は、
【化14】
から選ばれる請求項8に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
【化15】
から選ばれる請求項1~のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
(ただし、
、R またはR の定義は請求項1~で定義された通りである。)
【請求項11】
【化16】
から選ばれる化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
【化17】
から選ばれる請求項11に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
活性成分として治療有効量の請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物。
【請求項14】
ET受容体拮抗剤として使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
ET 受容体拮抗剤として使用するための、請求項13に記載の薬物組成物。
【請求項16】
肺動脈性肺高血圧症、原発性高血圧、難治性高血圧、糖尿病性腎臓病や脳血管痙攣の治療において使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
肺動脈性肺高血圧症、原発性高血圧、難治性高血圧、糖尿病性腎臓病や脳血管痙攣の治療において使用するための、請求項13に記載の薬物組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の引用]
本願は以下の優先権を要求する:
CN201711168111.3、出願日2017/11/21。
【0002】
[技術分野]
本発明は、一連のピリミジンスルファミド系化合物、およびET受容体拮抗剤関連疾患を治療する薬物の製造におけるその使用に関する。具体的に、式(I)で表される誘導体化合物、その互変異性体およびその薬学的に許容される組成物に関する。
【0003】
[背景技術]
エンドセリン(Endothelin、ET)は、21個のアミノ酸を含有するペプチド異性体ファミリーで、いずれも6個の同様のアミノ酸残基からなる疎水性C末端および2つの鎖内ジスルフィド結合を有する。人体にET-1、ET-2およびET-3という、異なる遺伝子によってコードされる3種類の異性体があり、中では、ET-1の血管収縮作用が最も強く、静脈に対する収縮強度が動脈の3~10倍で、疾患を引き起こす主な異性体である。ET-1は、エンドセリンファミリーのうち、含有量が最も多く、機能が最も重要な一つで、主に血管内皮で発現されるが、心臓、腎臓、肺、副腎などの臓器の非血管組織にも分布している。
【0004】
ETの機能は血圧を調整する血管因子のみならず、多くの細胞過程(たとえば増殖、アポトーシスや遷移)に関与して組織肥大化、再構築、線維化および炎症につながるホルモンでもある。多くの疾患、たとえば肺動脈性肺高血圧症、高血圧、敗血症、アテローム性動脈硬化、急性心筋梗塞、うっ血性心不全、偏頭痛や喘息などにおいて、血漿および組織では、ET-1レベルが向上する。そのため、エンドセリン受容体拮抗剤は非常に将来性のある治療剤として幅広く研究されている。
【0005】
エンドセリン受容体は、G蛋白質共役型受容体に属し、現在、主にET、ETおよびETの3種類があり、組織および器官によって分布が異なり、3つのエンドセリンサブタイプに対する親和力も異なり、生理作用の違いも大きい。エンドセリンET受容体は、主に平滑筋細胞に分布し、選択的にET-1と結合し、血管平滑筋の収縮を仲介する。エンドセリンET受容体は、ETB1とETB2の2つのサブタイプに分かれ、前者は内皮細胞に分布し、内皮由来弛緩因子(EDRF)、プロスタサイクリン(PGI)および一酸化窒素(NO)の放出を仲介し、血管の拡張を引き起こし、後者は血管平滑筋に位置し、作用はET受容体と同様に直接静脈血管の収縮を仲介し、ET-1、ET-2およびET-3に対するエンドセリンET受容体の親和力は同等である。ET受容体はET-3選択的受容体で、主にニューロン細胞に分布し、神経伝達物質として作用する。ET-1は主にETおよびET受容体を通して作用を発揮する。エンドセリン受容体拮抗剤はET受容体拮抗剤、ET受容体拮抗剤およびET/ET二重拮抗剤の3種類に分かれ、多くの疾患、たとえばくも膜下出血、心不全、肺動脈性肺高血圧症、原発性高血圧、難治性高血圧、神経因性炎症、糖尿病性腎臓病、巣状分節性糸球体硬化症、腎不全、神経因性炎症、ならびに腎不全および心筋梗塞後の脳血管痙攣などにおけるその臨床前および/または臨床の作用効果はすでに証明された。高選択性のET受容体拮抗剤はET-1の強い血管収縮作用を抑制しながら、非選択性のET/ET受容体二重拮抗剤の一部の不良反応を避けることで、臨床における副作用を減少させる。
【0006】
特許WO200205355では、化合物マシテンタンが公開され、当該化合物はエンドセリンの作用に関連する疾患の治療に有用である。
【0007】
【化1】
【0008】
[発明の概要]
本発明は、式(I)で表される化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0009】
【化2】
【0010】
ただし、
はH、F、Cl、Br、I、OHおよびNHから選ばれ、
はHおよびC1-3アルキル基から選ばれ、前記C1-3アルキル基は任意に1、2または3個のRで置換され、
はH、C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、-C1-3アルキル-C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基および-C1-3アルキル-3~7員ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、-C1-3アルキル-C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基または-C1-3アルキル-3~7員ヘテロシクロアルキル基は任意に1、2または3個のRで置換され、
あるいは、RとRは連結して任意に1、2または3個のRで置換されている、一つの3~8員環を形成され、
環Bは3~7員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基から選ばれ、前記3~7員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテロアリール基は任意に1、2または3個のRで置換され、
Rはそれぞれ独立にH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-6アルキル基およびC1-6ヘテロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基またはC1-6ヘテロアルキル基は任意に1、2または3個のR’で置換され、
R’はそれぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CHF、CHF、CFおよびEtから選ばれ、
前記C1-6ヘテロアルキル基、3~7員ヘテロシクロアルキル基および5~6員ヘテ
ロアリール基はそれぞれ1、2、3または4個の独立にN、-O-、-S-、-NH-、-S(=O)-および-S(=O)-から選ばれるヘテロ原子またはヘテロ原子団を含む。
【0011】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、C1-3アルキル基、C1-3アルキル-S(=O)-基およびC1-3アルキル-O-基から選ばれ、前記C1-3アルキル基、C1-3アルキル-S(=O)-基またはC1-3アルキル-O-基は任意に1、2または3個のR’で置換され、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0012】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、Et、
【0013】
【化3】
から選ばれ、前記Me、Et、
【0014】
【化4】
は任意に1、2または3個のR’で置換され、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0015】
本発明の一部の形態において、上記RはH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CHF、CHF、CF、Et、
【0016】
【化5】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0017】
本発明の一部の形態において、上記RはHおよびMeから選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記RはH、C1-4アルキル基、C1-4アルキル-O-C1-4アルキル基、シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロプロピル基、-C1-3アルキル-テトラヒドロフリル基および-C1-3アルキル-テトラヒドロピラニル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルキル-O-C1-4アルキル基、シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロブチル基、-C1-3アルキル-シクロプロピル基、-C1-3アルキル-テトラヒドロフリル基または-C1-3アルキル-テトラヒドロピラニル基は任意に1、2または3個のRで置換され、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0018】
本発明の一部の形態において、上記RはH、Me、Et、
【0019】
【化6】
から選ばれ、前記Me、Et、
【0020】
【化7】
は任意に1、2または3個のRで置換され、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0021】
本発明の一部の形態において、上記RはH、Me、Et、
【0022】
【化8】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0023】
本発明の一部の形態において、上記RとRは連結して任意に1、2または3個のRで置換さている、一つの6~8員ヘテロシクロアルキル基を形成している。
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
から選ばれ、前記
【0026】
【化11】
は任意に1、2または3個のRで置換されており、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0027】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0030】
本発明の一部の形態において、上記環Bはテトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ピロリジニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基およびイミダゾリル基から選ばれ、前記テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ピロリジニル基、チアゾリル基、ピラゾリル基またはイミダゾリル基は任意に1、2または3個のRで置換され、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0031】
本発明の一部の形態において、上記構造単位
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
から選ばれ、ほかの変量は本発明で定義された通りである。
【0034】
本発明の別の一部の形態は、上記各変量の任意の組み合わせから得られる。
本発明の一部の形態において、上記化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩は、以下のものから選ばれる:
【0035】
【化16】
【0036】
ただし、
R、RまたはRは本発明で定義された通りである。
また、本発明は、以下から選ばれる化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩を提供する:
【0037】

【化17】
【0038】
本発明の一部の形態において、上記化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩は、以下のものから選ばれる:
【0039】
【化18】
【0040】
また、本発明は、活性成分として治療有効量の上記の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。
また、本発明は、ET受容体拮抗剤に関連する薬物の製造における、上記の化合物またはその薬学的に許容される塩あるいは上記組成物の使用を提供する。
【0041】
本発明の一部の形態において、上記ET受容体拮抗剤に関連する薬物の製造における使用は、肺動脈性肺高血圧症、原発性高血圧、難治性高血圧、糖尿病性腎臓病や脳血管痙攣などの適応症に使用される薬物である。
【0042】
[定義と説明]
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語および連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語または連語は、特別に定義されない場合、不確定または不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品またはその活性成分を指す。本明細書で用いられる「薬学的に許容される」は、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対するもので、これらは信頼できる医学的判断の範囲内にあり、ヒトおよび動物の組織との接触に適し、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応またはほかの問題または合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0043】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸または塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液または適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アンモニアまたはマグネシウムの塩あるいは類似の塩を含む。本発明の化合物に比較的に塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液または適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩および有機酸塩、さらにアミノ酸(たとえばアルギニンなど)の塩、およびグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、前記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定の化合物は、塩基性および酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩または酸付加塩に転換することができる。
【0044】
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基または塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水または有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸または塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基または酸と反応させて製造する。
【0045】
本発明の化合物は、特定の幾何または立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、すべてのこのような化合物を想定し、シスおよびトランス異性体、(-)-および(+)-エナンチオマー、(R)-および(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、およびそのラセミ混合物ならびにほかの混合物、たとえばエナンチオマーまたはジアステレオマーが豊富に含まれる混合物を含み、すべてのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル基などの置換基にほかの不斉炭素原子が存在してもよい。すべてのこれらの異性体およびこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0046】
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」または「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
別途に説明しない限り、用語「シス-トランス異性体」または「幾何異性体」とは二重結合または環構成炭素原子の単結合が自由に回転できないことによるものである。
【0047】
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つまたは複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
別途に説明しない限り、「(D)」または「(+)」は右旋を、「(L)」または「(-)」は左旋を、「(DL)」または「(±)」はラセミを表す。
【0048】
別途に説明しない限り、楔形実線結合(
【0049】
【化19】
)および楔形点線結合(
【0050】
【化20】
)で一つの立体中心の絶対配置を、棒状実線結合(
【0051】
【化21】
)および棒状点線結合(
【0052】
【化22】
)で一つの立体中心の相対配置を、波線(
【0053】
【化23】
)で楔形実線結合(
【0054】
【化24】
)または楔形点線結合(
【0055】
【化25】
)を、あるいは波線(
【0056】
【化26】
)で棒状実線結合(
【0057】
【化27】
)および棒状点線結合(
【0058】
【化28】
)を表す。
【0059】
本発明の化合物は、特定のものが存在してもよい。別途に説明しない限り、用語「互変異性体」または「互変異性体の形態」とは室温において、異なる官能基の異性体が動的平衡にあり、かつ快速に互いに変換する。互変異性体が可能であれば(溶液において)、互変異性体の化学的平衡に達することが可能である。たとえば、プロトン互変異性体(proton tautomer)(プロトトロピー互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)は、プロトンの移動を介する相互変換、たとえばケト-エノール異性化やイミン-エナミン異性化を含む。原子価互変異性体(valence
tautomer)は、一部の結合電子の再構成による相互変換を含む。中では、ケト-エノール互変異性化の具体的な実例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシ-3-ペンテン-2-オンの二つの互変異性体の間の相互変換である。
【0060】
別途に説明しない限り、用語「一つの異性体を豊富に含む」、「異性体が豊富に含まれる」、「一つのエナンチオマーを豊富に含む」または「エナンチオマーが豊富に含まれる」とは、それにおける一つの異性体またはエナンチオマーの含有量が100%未満で、かつ当該異性体またはエナンチオマーの含有量が60%以上、または70%以上、または80%以上、または90%以上、または95%以上、または96%以上、または97%以上、または98%以上、または99%以上、または99.5%以上、または99.6%以上、または99.7%以上、または99.8%以上、または99.9%以上である。
【0061】
別途に説明しない限り、用語「異性体の過剰量」または「エナンチオマーの過剰量」とは、二つの異性体または二つのエナンチオマーの間の相対百分率の差の値である。たとえば、その一方の異性体またはエナンチオマーの含有量が90%で、もう一方の異性体またはエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体またはエナンチオマーの過剰量(ee値)は80%である。
【0062】
光学活性な(R)-および(S)-異性体ならびにDおよびL異性体は、不斉合成またはキラル試薬またはほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つのエナンチオマーを得るには、不斉合成またはキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要のエナンチオマーを提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(たとえばアミノ基)または酸性官能基(たとえばカルボキシ基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸または塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、さらに本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離されたエナンチオマーを得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィー法はキラル固定相を使用し、か
つ任意に化学誘導法(たとえばアミンからカルバミン酸塩を生成させる。)と併用する。本発明の化合物は、当該化合物を構成する一つまたは複数の原子には、非天然の比率の原子同位元素が含まれてもよい。たとえば、三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)またはC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。また、たとえば、水素を重水素で置換して重水素化薬物を形成し、重水素と炭素からなる結合は水素と炭素からなる結合よりも強固で、未重水素化薬物と比べ、重水素化薬物は毒性・副作用の低下、薬物の安定性の増加、治療効果の増強、薬物の生物半減期の延長などの優勢がある。本発明の化合物のすべての同位元素の構成の変換は、放射性の有無を問わず、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0063】
「任意の」または「任意に」とは後記の事項または状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項または状況が生じる場合およびその事項または状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0064】
用語「置換される」とは、特定の原子における任意の一つまたは複数の水素原子が置換基で置換されることで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素および水素の変形体を含んでもよい。置換基が酸素(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。酸素置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換される」とは、置換されていてもよく、置換されていなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0065】
変量(たとえばR)のいずれかが化合物の組成または構造に1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0~2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0066】
連結基の数が0の場合、たとえば-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
そのうちの一つの変量が単結合の場合、それで連結している2つの基が直接連結しており、たとえばA-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA-Zになる。
【0067】
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、たとえばA-XにおけるXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。挙げられた置換基に対してどの原子を通して置換された基に連結するか明示しない場合、このような置換基はその任意の原子を通して結合してもよく、たとえば、ピリジル基は置換基としてピリジン環における炭素原子のいずれかを通して置換された基に結合してもよい。挙げられた連結基に対してその連結方向を明示しない場合、その連結方向は任意で、たとえば、
【0068】
【化29】
における連結基Lは-M-W-で、この時-M-W-は左から右への読む順と同様の方向で環Aと環Bを連結して
【0069】
【化30】
を構成してもよく、左から右への読む順と反対の方向で環Aと環Bを連結して
【0070】
【化31】
を構成してもよい。前記連結基、置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせで安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0071】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ」とはヘテロ原子またはヘテロ原子団(すなわち、ヘテロ原子を含有する原子団)を表し、炭素(C)と水素(H)以外の原子およびこれらのヘテロ原子を含有する原子団、たとえば酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、-O-、-S-、=O、=S、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O)、-S(=O)-、および任意に置換された-C(=O)N(H)-、-N(H)-、-C(=NH)-、-S(=O)N(H)-または-S(=O)N(H)-を含む。
【0072】
別途に定義しない限り、「環」は置換または無置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基あるいはヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、連結環、スピロ環、縮合環または橋架け環を含む。環における原子の数は、通常、環の員数と定義され、たとえば「5~7員環」とは環状に並ぶ5~7個の原子を表す。別途に定義しない限り、当該環は任意に1~3個のヘテロ原子を含む。そのため、「5~7員環」はたとえばフェニルピリジンおよびピペリジル基を含む。一方、用語「5~7員ヘテロシクロアルキル基環」はピリジル基およびピペリジル基を含むが、フェニル基を含まない。用語「環」はさらに少なくとも一つの環を含む環系を含み、その中の各「環」はいずれも独立に上記定義に準じる。
【0073】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環基」とは安定したヘテロ原子またはヘテロ原子団を含有する単環または二環または三環で、飽和、部分不飽和または不飽和(芳香族)のものでもよく、炭素原子と1、2、3または4個の独立にN、OおよびSから選ばれる環ヘテロ原子を含み、ここで、上記任意のヘテロ環がベンゼン環と縮合して二環を形成してもよい。窒素および硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNOおよびS(O)pで、pは1または2である)。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちNまたはNRで、ここで、RはHまたは本明細書で定義されたほかの置換基である)。当該ヘテロ環は、任意のヘテロ原子または炭素原子の側基に結合して安定した構造を形成してもよい。形成した化合物が安定したものであれば、ここに記載されたヘテロ環は炭素または窒素の位置における置換が生じてもよい。ヘテロ環における窒素原子は任意に第四級アンモニウム化されてもよい。一つの好適な形態は、ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計が1を超える場合、これらのヘテロ原子はお互いに隣接しない。もう一つの好適な形態は、ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計が1以下である。本明細書で用いられるように、用語「芳香族ヘテロ環基」または「ヘテロアリール基」とは、安定した5、6、7員の単環または二環あるいは7、8、9または10員の二環式ヘテロ環基の芳香環で、炭素原子と1、2、3または4個の独立にN、Oお
よびSから選ばれる環ヘテロ原子を含む。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちNまたはNRで、ここで、RはHまたは本明細書で定義されたほかの置換基である)。窒素および硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNOおよびS(O)pで、pは1または2である)。注意すべきのは、芳香族ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計が1以下であることである。橋架け環もヘテロ環の定義に含まれる。一つまたは複数の原子(すなわちC、O、NまたはS)が2つの隣接しない炭素原子または窒素原子と連結すると橋架け環になる。好適な橋架け環は、一つの炭素原子、二つの炭素原子、一つの窒素原子、二つの窒素原子および一つの炭素-窒素基を含むが、これらに限定されない。注意すべきのは、一つの架け橋はいつも単環を三環に変換させることである。橋架け環において、環における置換基も架け橋に現れてもよい。
【0074】
ヘテロ環化合物の実例は、アクリジニル、アゾシニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾメルカプトフリル基、ベンゾメルカプトフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾテトラゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリニル基、カルバゾリル基、4aH-カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾジヒドロピラニル基、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル基、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフリル基、フリル基、フラザニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリル基、1H-インダゾリル基、インドールアルケニル(indolealkenyl)、ジヒドロインドリル基、インドリジニル基、インドリル基、3H-インドリル基、イソベンゾフリル基、イソインドリル基、イソジヒドロインドリル基、イソキノリニル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、モルホリル基、ナフチリジニル基、オクタヒドロイソキノリニル基、オキサジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、オキサゾリジニル基、オキサゾリル基、インドキシル、ピリミジニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル、フェナジン、フェノチアジン、ベンゾヒポキサンチニル基、フェノキサジニル基、フタラジニル基、ピペラジル基、ピペリジル基、ピペリドニル基、4-ピペリドニル基、ピペロニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリル基、ピリダジル基、ピロロオキサゾール、ピロロイミダゾール、ピロロチアゾール、ピリジル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、2H-ピロリル基、ピロリル基、キナゾリニル基、キノリニル基、4H-キノリジジニル基、キノキサリニル基、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラゾリル基,6H-1,2,5-チアジアジニル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,2,5-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、チアントレニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル、チエニル基、チエノオキサゾリル基、チエノチアゾリル基、チエノイミダゾリル基、チエニル基、トリアジル基、1H-1,2,3-トリアゾリル基、2H-1,2,3-トリアゾリル基、1H-1,2,4-トリアゾリル基、4H-1,2,4-トリアゾリル基およびキサンテニル基を含むが、これらに限定されない。さらに、縮合環およびスピロ環の化合物を含む。
【0075】
特別に定義しない限り、用語「炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基など)自身あるいは別の置換基の一部として、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和のもの(たとえばアルキル基)、単不飽和のもの(たとえばアルケニル基、アルキニル基、アリール基)または多不飽和のものでもよく、単置換のもの(たとえばメチル基)、二置換のもの(メチレン基)または多置換のもの(メチン基)でもよく、2価または多価の原子団を含んでもよく、所定の数の炭素原子を有する(たとえばC-C12は1~12個の炭素を表し、C1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C
、C11およびC12から、C3-12はC、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12から選ばれる。)。「炭化水素基」は、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基を含み、前記脂肪族炭化水素基は鎖状および環状を含み、具体的にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含むが、これらに限定されず、前記芳香族炭化水素基は6-12員の芳香族炭化水素基、たとえばベンゼン、ナフタレンなどを含むが、これらに限定されない。一部の実施例において、用語「炭化水素基」は直鎖、分枝鎖の原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和、単不飽和または多不飽和のものでもよく、2価または多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素原子団の実例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、(シクロヘキシル)メチル基、シクロプロピルメチル基、およびn-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などの原子団の同族体および異性体などを含むが、これらに限定されない。不飽和炭化水素基は一つまたは複数の二重結合または三重結合を有し、実例は、ビニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、クロチル基、2-イソペンテニル基、2-(ブタジエニル)基、2,4-ペンタジエニル基、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル基、1-及び3-プロピニル基、3-ブチニル基、及びより高級の同族体と異性体を含むが、これらに限定されない。
【0076】
特別に定義しない限り、用語「ヘテロ炭化水素基」またはその下位概念(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基など)自身あるいはもう一つの用語と合わせたものは、所定の数の炭素原子および少なくとも一つのヘテロ原子からなる、安定した直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組み合せを表す。一部の実施例において、用語「ヘテロアルキル基」自身あるいはもう一つの用語と合わせたものは、所定の数の炭素原子および少なくとも一つのヘテロ原子からなる、安定した直鎖または分枝鎖のアルキル原子団あるいはその組み合せを表す。一つの典型的な実施例において、ヘテロ原子はB、O、NおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロ原子またはヘテロ原子団はヘテロ炭化水素基の内部の任意の箇所に位置してもよく、当該炭化水素基の分子のほかの部分と連結する箇所を含むが、用語「アルコキシ基」、「アルキルアミノ基」および「アルキルチオ基」(またはチオアルコキシ基)は通常の表現で、それぞれ一つの酸素原子、アミノ基または硫黄原子を通して分子のほかの部分と連結するアルキル基を指す。実例は、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-CH-CH=N-OCHおよび-CH=CH-N(CH)-CHを含むが、これらに限定されない。多くとも二個のヘテロ原子が連続してもよく、例えば、-CH-NH-OCHが挙げられる。
【0077】
別途に定義しない限り、用語「環状炭化水素基」、「ヘテロ環状炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基など)自身あるいはほかの用語と合わせたものは、それぞれ環化した「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を表す。また、ヘテロ炭化水素基またはヘテロ環状炭化水素基(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基)について、ヘテロ原子は当該基が分子のほかの部分に付着した位置を占めてもよい。環状炭化水素基の実例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、3-シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロ基の非制限的な実例は、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)基、1-ピペリジル基、2-ピペリジル基、3-ピペリジル基、4-モルホリル基、3-モルホリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロフリルインロール-3-イル、テトラヒドロ
チエン-2-イル基、テトラヒドロチエン-3-イル基、1-ピペラジル基および2-ピペラジル基を含む。
【0078】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロシクロアルキル基」自身あるいはほかの用語と合わせたものは、それぞれ環化した「ヘテロアルキル基」を表す。また、当該「ヘテロシクロアルキル基」について、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキル基の分子のほかの部分との連結位置を占めてもよい。一部の実施形態において、前記ヘテロシクロアルキル基は4~6員ヘテロシクロアルキル基で、もう一部の実施形態において、前記ヘテロシクロアルキル基は5~6員ヘテロシクロアルキル基である。ヘテロシクロアルキル基の実例は、アゼチジル基、オキセタニル基、チエタニル基、ピロリジニル基、ピラゾリニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、イソオキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、1,2-オキサジニル基、1,2-チアジニル基、ヘキサヒドロピリダジニル基、ホモピペラジル基、ホモピペリジニル基やオキセパニル基を含むが、これらに限定されない。
【0079】
特別に定義しない限り、用語「アルキル基」は直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を表し、単置換のもの(たとえば-CHF)でも多置換のもの(たとえば-CF)でもよく、1価のもの(たとえばメチル基)、2価のもの(たとえばメチレン基)または多価のもの(たとえばメチン基)でもよい。アルキル基の例は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(たとえば、n-プロピル基やイソプロピル基)、ブチル基(たとえば、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基)、ペンチル基(たとえば、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)などを含む。
【0080】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキル基」は任意の安定した環状または多環炭化水素基を含み、炭素原子のいずれも飽和のもので、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよい。このようなシクロアルキル基の実例は、シクロプロピル基、ノルボルナニル基、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロデカンなどを含むが、これらに限定されない。
【0081】
別途に定義しない限り、用語「ハロ」または「ハロゲン」そのものまたはもう一つの置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基とポリハロアルキル基を含む。例えば、用語「ハロ(C-C)アルキル基」とは、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-クロロブチル基および3-ブロモプロピル基などを含むが、これらに限定されない。別途に定義しない限り、ハロアルキル基の実例は、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基およびペンタクロロエチル基を含むが、これらに限定されない。
【0082】
「アルコキシ基」とは酸素橋で連結された特定の数の炭素原子を有する上記アルキル基を表し、別途に定義しない限り、C1-6アルコキシ基はC、C、C、C、CおよびCのアルコキシ基を含む。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基およびS-ペントキシ基を含むが、これらに限定されない。
【0083】
別途に定義しない限り、用語「アリール基」とは、多不飽和の芳香族炭化水素置換基を表し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のものまたは多価のものでもよく、単環または多環(たとえば1-3個の環で、ここで、少なくとも1個の環が芳香族のものである)でもよく、一つに縮合してもよく、共役結合してもよい。用語の「ヘテロアリール基」とは1-4個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)である。一
つの例示的な実例において、ヘテロ原子はB、N、OおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロアリール基はヘテロ原子を通して分子のほかの部分と連結してもよい。アリール基またはヘテロアリール基の非制限的な実施例は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、フェニルオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キノリル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-ビフェニル基、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、3-ピラゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、ピラジニル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、2-フェニル-4- オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、3 -イソオキサゾリル基、4-イソオキサゾリル基、5-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、4-チアゾリル基、5-チアゾリル基、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、5-ベンゾチアゾリル基、プリニル基、2-ベンゾイミダゾリル基、5-インドリル基、1-イソキノリル基、5-イソキノリル基、2-キノキサリニル基、5-キノキサリニル基、3-キノリル基および6-キノリル基を含む。上記アリール基およびヘテロアリール基の環系の置換基はいずれも後記の許容される置換基から選ばれる。
【0084】
別途に定義しない限り、アリール基はほかの用語と合わせて使用する場合(たとえばアリーロキシ基、アリールチオ基、アルアルキル基)上記で定義された通りのアリール基およびヘテロアリール基環を含む。そのため、用語「アルアルキル基」とはアリール基がアルキル基に付着した原子団(たとえばベンジル基、フェネチル基、ピリジルメチル基など)を含み、その炭素原子(たとえばメチレン基)がたとえば酸素に置換されたアルキル基、たとえばフェノキシメチル基、2-ピリジルオキシメチル3-(1-ナフトキシ)プロピル基などを含む。
【0085】
用語「脱離基」とは別の官能基または原子で置換反応(たとえば求核置換反応)で置換されてもよい官能基または原子を指す。たとえば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、塩素、臭素、ヨウ素、たとえばメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、p-ブロモベンゼンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル基、たとえばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基などのアシルオキシ基を含む。
【0086】
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」または「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基、トリクロロアセチル基またはトリフルオロアセチル基)のようなアシル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基のようなアルコキシカルボニル基、ベントキシカルボニル(Cbz)基および9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基のようなアリールメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、トリフェニルメチル(Tr)基、1,1-ビス(4’-メトキシフェニル)メチル基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル基、エチル基およびt-ブチル基のようなアルキル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基)のようなアシル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、9-フルオレニルメチル(Fm)基およびジフェニルメチル(DPM)基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基およびt-ブチルジメチルシリル(TBS
)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。
【0087】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態および当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0088】
本発明の化合物は様々な用途または適応症に有用で、本願で挙げられた具体的な用途または適応症を含むが、これらに限定されない。
本発明に使用される溶媒は市販品として入手可能である。本発明は下記略号を使用する。aqは水を、HATUはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを、EDCはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩を、m-CPBAは3-クロロ過安息香酸を、eqは当量、等量を、CDIはカルボニルジイミダゾールを、DCMはジクロロメタンを、PEは石油エーテルを、DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを、DMSOはジメチルスルホキシドを、EtOAcは酢酸エチルを、EtOHはエタノールを、MeOHはメタノールを、CBzはアミン保護基のベントキシカルボニル基を、BOCはアミン保護基のt-ブチルカルボニル基を、HOAcは酢酸を、NaCNBHはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを、r.t.は室温を、O/Nは一晩行うことを、THFはテトラヒドロフランを、BocOはジカルボン酸ジ-t-ブチルを、TFAはトリフルオロ酢酸を、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを、SOClは塩化チオニルを、CSは二硫化炭素を、TsOHはp-トルエンスルホン酸を、NFSIはN-フルオロ-N-(ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホニルアミドを、NCSは1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを、n-BuNFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを、iPrOHは2-プロパノールを、mpは融点を、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを、DEAはジエチルアミンを、ACNはアセトニトリルを表す。
【0089】
化合物は人工的にまたはChemDraw(登録商標)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。
技術効果:本発明の化合物は、いずれもヒトET受容体に対する、非常に高い体外拮抗活性を示し、そしてET/ETの選択性はいずれも10000倍超である。本発明の化合物はPXRを介してCYP3Aを発現させる誘導作用の特徴付け実験において対照のマシテンタンよりも良い。ヒト肝臓ミクロソームシトクロムP450Pの5つの主なアイソザイムに対する抑制作用の特徴付け実験において、本発明の化合物はいずれもマシテンタンよりも良い。本発明の化合物は、胆汁酸トランスポーターに対する抑制作用がマシテンタンよりも遥かに弱いため、顕著に肝臓毒性が生じるリスクを低下させる。本発明の化合物はSDラットおよびビーグル犬のいずれの体内においても優れた薬物動態学の特徴を有する。
【発明を実施するための形態】
【0090】
[具体的な実施形態]
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の何らの不利な制限にもならない。ここで、本発明を詳しく説明し、その具体的な実施例の形態も公開したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に様々な変更や改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
【0091】
参照例1:断片BB-1
【0092】
【化32】
【0093】
合成経路:
【0094】
【化33】
【0095】
工程1:化合物BB-1-2の合成
室温において、化合物BB-1-1(30.00 g, 211.97 mmol, 18.40 mL)をジクロロメタン(200 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、ゆっくりt-ブタノール(15.71 g, 211.97 mmol, 20.40 mL)のジクロロメタン(100 mL)溶液を入れ(滴下時間:約1時間)、反応混合物を室温に昇温させて1時間撹拌した。目的化合物BB-1-2(粗製品)を反応溶媒のジクロロメタンに残し、そのまま次の工程の反応に使用した。
【0096】
工程2:化合物BB-1-3の合成
室温において、化合物2,2,2-トリフルオロエチルアミン(8.00 g, 80.77 mmol, 6.35 mL)およびトリエチルアミン(24.52 g, 242.30 mmol, 33.59 mL)をジクロロメタン(100.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、ゆっくり化合物BB-1-2(80.77 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を入れ(滴下時間:約1時間)、反応混合物を室温に昇温させて14時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(150
mL)を入れ、ジクロロメタン(100 mL)で抽出し、有機相を捨てた。水相を1M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-1-3(白色の固体、15.00 g、粗製品)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 3.55 (q, J=9.8 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H).
【0097】
工程3:化合物BB-1-4の合成
室温において、化合物BB-1-3(15.00 g, 53.91 mmol)を水(150.00 mL)に入れ、反応混合物を110℃に加熱して1時間撹拌した。反応完
了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-1-4(黄色の固体、7.50 g、粗製品)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 7.51 (t, J=7.0 Hz, 1H), 6.83 (s, 2H), 3.69-3.54 (m, 2H). 19F NMR (400 MHz, DMSO_d) δ: -70.81 (s, 3F).
【0098】
工程4:化合物BB-1-5の合成
室温において、化合物BB-1-4(1.56 g, 8.78 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(1.97 g, 17.55 mmol)をジメチルスルホキシド(80.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で1時間撹拌した。その後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(2.00 g, 8.78 mmol)を上記反応混合物に入れ、反応混合物を室温で続いて10時間撹拌した。反応完了後、水(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~4/1、体積比)、目的化合物BB-1-5(黄色の固体、1.90 g、収率:58.56%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 8.60 (s, 1H), 7.51 (t, J=7.0 Hz, 1H), 6.83 (s,
1H), 3.84 (q, J=9.6 Hz, 2H).
【0099】
工程5:化合物BB-1の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.73 g, 15.42 mmol)をエチレングリコール(52.68 g, 848.46 mmol, 47.46 mL)およびエチレングリコールジメチルエーテル(10 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-1-5(1.90 g, 5.14 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20 mL)溶液を上記溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して続いて16時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、2M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(60 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=8/1~3/1、体積比)、目的化合物BB-1(黄色の固体、1.55 g、収率:76.31%)を得た。MS-ESI m/z: 394.7 [M+H], 396.7 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.33 (s,
1H), 6.04 (s, 1H), 4.53 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.93 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.67 (q, J=8.6 Hz, 2H). 19F NMR (400 MHz, CDCl) δ: -71.87 (s, 3F).
参照例2:断片BB-2
【0100】
【化34】
【0101】
合成経路:
【0102】
【化35】
【0103】
工程1:化合物BB-2-1の合成
室温において、エチルアミンの塩酸塩(5.00 g, 61.32 mmol)およびトリエチルアミン(18.61 g, 183.96 mmol, 25.49 mL)をジクロロメタン(100.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、ゆっくり化合物BB-1-2(61.32 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を滴下し(滴下時間:約1時間)、反応混合物を室温に昇温させて16時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(150 mL)を入れ、ジクロロメタン(100
mL)で抽出し、有機相を捨てた。水相を1M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-2-1(白色の固体、6.00 g、粗製品)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 5.07 (t, J=5.6 Hz, 1H), 3.13-3.01 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.16 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0104】
工程2:化合物BB-2-2の合成
室温において、化合物BB-2-1(7.02 g, 31.30 mmol)を水(200.00 mL)に入れ、反応混合物を110℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-2-2(黄色の油状物、2.87 g、粗製品)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 4.80 (s, 2H),
4.57 (s, 1H), 3.23-3.14 (m, 2H), 1.24 (t, J=7.3 Hz, 3H).
【0105】
工程3:化合物BB-2-3の合成
室温において、化合物BB-2-2(2.87 g, 23.12 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(5.19 g, 46.24 mmol)をジメチルスルホキシド(80.00 mL)に入れた後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(5.27
g, 23.12 mmol)を上記反応混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で10時間撹拌した。反応完了後、水(150 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液か
ら減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~4/1、体積比)、目的化合物BB-2-3(黄色の固体、2.40 g、収率:32.89%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 8.59 (s, 1H), 2.96 (q, J=7.1
Hz, 2H), 1.02 (t, J=7.0 Hz, 3H).
【0106】
工程4:化合物BB-2の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.50 g, 13.41 mmol)をエチレングリコール(33.30 g, 536.49 mmol, 30.00 mL)およびエチレングリコールジメチルエーテル(10 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-2-3(1.41 g, 4.47 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20 mL)溶液を一括で上記溶液に入れ、反応混合物を100℃に加熱して続いて16時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、2M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(60 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=8/1~3/1、体積比)、目的化合物BB-2(黄色の固体、1.36 g、収率:87.21%)を得た。MS-ESI m/z: 340.7 [M+H], 342.7 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.38 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 5.54 (t, J=5.9 Hz, 1H), 4.60 (t, J=4.8 Hz, 2H), 4.00 (t, J=4.0 Hz, 2H), 3.19-3.03 (m, 2H), 2.45 (br s, 1H),
1.21 (t, J=7.2 Hz, 3H).
参照例3:断片BB-3
【0107】
【化36】
【0108】
合成経路:
【0109】
【化37】
【0110】
工程1:化合物BB-3-1の合成
室温において、n-プロピルアミン(7.61 g, 128.70 mmol, 10.57 mL)およびトリエチルアミン(14.21 g, 140.40 mmol, 19.47 mL)をジクロロメタン(100.00 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、ゆっくり化合物BB-1-2(117.00 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を上記反応液に入れ(滴下時間:約0.5時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応完了後、水(200 mL)を入れ、ジクロロメタン(200 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-3-1(白色の固体、21.00 g、収率:75.32%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 2.93 (t, J=7.0 Hz, 2H), 1.58-1.48 (m, 2H), 1.46-1.37 (s, 9H), 0.88 (t, J=7.4 Hz, 3H).
【0111】
工程2:化合物BB-3-2の合成
室温において、化合物BB-3-1(20.00 g, 83.93 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-3-2(無色の油状物、10.00 g、収率:86.22%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 6.44 (s, 2H), 2.88-2.78 (m, 2H), 1.52-1.43 (m, 2H), 0.87 (t, J=7.5 Hz, 3H).
【0112】
工程3:化合物BB-3-3の合成
室温において、化合物BB-3-2(18.19 g, 131.66 mmol)をジメチルスルホキシド(300.00 mL)に溶解させた後、カリウムt-ブトキシド(19.70 g, 175.54 mmol)を入れ、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。その後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(20.00 g, 87.77 mmol)を上記反応液に入れ、反応混合物を室温で続いて48時間撹拌した。反応完了後、飽和食塩水(1000 mL)を入れ、10%希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(500 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-3-3(白色の固体、15.00 g、収率:51.85%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.58 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 5.52-5.54 (m, 1H), 3.07 (q, J=6.8 Hz, 2H), 1.59-1.64 (m, 2H),
0.96 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0113】
工程4:化合物BB-3の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(10.21 g, 91.02 mmol)をエチレングリコール(56.50 g, 910.19 mmol)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した。その後、化合物BB-3-3(15.00 g, 45.51 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(50.00 mL)溶液を上記溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して続いて48時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(200 mL)を
入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(200 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-3(黄色の固体、7.10 g、収率:40.13%)を得た。MS-ESI m/z: 354.8 [M+H], 356.8 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.39 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 5.59-5.62 (m, 1H), 4.83-4.75
(m, 2H), 4.02-4.00 (m, 2H), 3.04 (q, J=6.8 Hz, 2H), 2.05 (br s, 1H) 1.63-1.57 (m, 2H), 0.95 (t, J=7.2 Hz, 3H).
参照例4:断片BB-4
【0114】
【化38】
【0115】
合成経路:
【0116】
【化39】
【0117】
工程1:化合物BB-4-1の合成
室温において、化合物2-メトキシエチルアミン(2.00 g, 26.63 mmol, 2.33 mL)およびトリエチルアミン(5.39 g, 53.26 mmol, 7.38 mL)をジクロロメタン(100.00 mL)に溶解させた後、反応混合物を0℃に冷却し、ゆっくり化合物BB-1-2(26.63 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を上記反応液に入れ(滴下時間:約0.5時間)、反応混合物を室温に昇温させて15時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが5になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-
4-1(白色の固体、6.00 g、収率:88.59%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.37 (s, 1H), 5.50 (br s, 1H), 3.53 (t, J=5.0 Hz, 2H), 3.40 (s,
3H), 3.26 (d, J=4.8 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H).
【0118】
工程2:化合物BB-4-2の合成
室温において、化合物BB-4-1(6.00 g, 23.59 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-4-2(黄色の固体、2.00 g、収率:54.99%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 5.52 (br s, 2H), 3.58-3.48 (m, 2H), 3.41-3.19 (m, 5H).
【0119】
工程3:化合物BB-4-3の合成
室温において、化合物BB-4-2(1.12 g, 7.24 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(2.22 g, 19.75 mmol)をジメチルスルホキシド(20.00 mL)に入れ、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(1.50 g, 6.58 mmol)を上記反応液に入れ、反応混合物を室温で続いて6時間撹拌した。反応完了後、水(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが6になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=30/1、体積比)、目的化合物BB-4-3(黄色の固体、1.40 g、収率:61.56%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.57 (s, 1H), 7.89 (br s, 1H), 5.99 (br s, 1H), 3.36 (br d, J=2.3 Hz, 2H), 3.32-3.20 (m, 5H).
【0120】
工程4:化合物BB-4の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.36 g, 12.15 mmol)をエチレングリコール(22.20 g, 357.66 mmol, 20.00 mL)に入れ、反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-4-3(1.40 g, 4.05 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(10.00 mL)溶液を上記溶液に入れ、反応混合物を110℃に加熱して続いて12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(50 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが3になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=20/1、体積比)、目的化合物BB-4(黄色の固体、1.20 g、収率:76.63%)を得た。MS-ESI m/z: 370.8 [M+H], 372.8 [M+H]H NMR (400MHz,CDCl) δ: 8.39 (s, 1H), 7.64 (br s, 1H), 6.03-5.94 (m, 1H), 4.65-4.54 (m, 2H), 3.99 (d,
J=3.0 Hz, 2H), 3.49 (t, J=5.0 Hz, 2H), 3.33-3.19 (m, 5H), 2.39 (t, J=5.3 Hz, 1H).
参照例5:断片BB-5
【0121】
【化40】
【0122】
合成経路:
【0123】
【化41】
【0124】
工程1:化合物BB-5-1の合成
室温において、化合物2-エトキシエチルアミン(5.00 g, 56.09 mmol)およびトリエチルアミン(11.35 g, 112.18 mmol, 15.55 mL)をジクロロメタン(50.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃に冷却した後、化合物BB-1-2(56.09 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を上記反応液に滴下し、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応完了後、水(80 mL)を入れ、ジクロロメタン(80 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-5-1(白色の固体、11.00 g、収率:73.09%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.41 (s, 1H), 5.43 (t, J=5.7 Hz, 1H), 3.50 (t, J=5.0 Hz, 2H), 3.46-3.40 (m, 2H), 3.19 (q, J=5.5 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.14 (t, J=7.0 Hz, 3H).
【0125】
工程2:化合物BB-5-2の合成
室温において、化合物BB-5-1(10.00 g, 37.27 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(80 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽
和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-5-2(白色の固体、5.20 g、収率:82.95%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 5.02 (t, J=5.8 Hz, 1H), 5.00-4.88 (m, 2H), 3.63-3.57 (m, 2H), 3.55 (d, J=7.0 Hz, 2H), 3.33 (d, J=5.0 Hz, 2H), 1.22 (t, J=6.2 Hz, 3H).
【0126】
工程3:化合物BB-5-3の合成
室温において、化合物BB-5-2(5.00 g, 29.72 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(10.01 g, 89.17 mmol)をジメチルスルホキシド(50.00 mL)に入れ、反応混合物を35℃に加熱して0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(6.77 g, 29.72 mmol)を上記反応液に入れ、反応混合物を35℃で続いて12時間撹拌した。反応完了後、塩酸(0.5 M, 50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~3/1、体積比)、目的化合物BB-5-3(浅黄色の固体、2.10 g、収率:16.76%)を得た。MS-ESI m/z: 358.9 [M+H], 360.8 [M+H+2]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.49 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 5.99 (t, J=5.5 Hz, 1H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.34 (d, J=7.0 Hz, 2H), 3.18 (d, J=4.7 Hz, 2H), 1.05 (t, J=6.9 Hz, 3H).
【0127】
工程4:化合物BB-5の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.87 g, 16.68 mmol)をエチレングリコール(33.30 g, 536.49 mmol, 30.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-5-3(2.00 g, 5.56 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20.00 mL)溶液を上記溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、希塩酸(0.5M, 50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-5(浅黄色の固体、1.30 g、収率:60.69%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.38 (s, 1H), 7.67 (br
s, 1H), 6.09 (d, J=5.0 Hz, 1H), 4.72-4.52 (m, 2H), 4.00 (br s, 2H), 3.62-3.50 (m, 2H), 3.47-3.36 (m, 2H), 3.31-3.20 (m, 2H), 2.46 (br s, 1H), 1.21-1.05 (m, 3H).
参照例6:断片BB-6
【0128】
【化42】
【0129】
合成経路:
【0130】
【化43】
【0131】
工程1:化合物BB-6-1の合成
室温において、化合物2-n-プロポキシエチルアミン(5.00 g, 48.47
mmol)およびトリエチルアミン(9.81 g, 96.94 mmol, 13.44 mL)をジクロロメタン(50.00 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃に冷却した後、化合物BB-1-2(48.47 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をゆっくり上記反応液に滴下し、反応混合物を室温に昇温させて12時間撹拌した。反応完了後、水(80 mL)を入れ、ジクロロメタン(80 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-6-1(白色の固体、11.00 g、収率:80.37%)を得た。
【0132】
工程2:化合物BB-6-2の合成
室温において、化合物BB-6-1(11.00 g, 38.96 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(80 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-6-2(白色の固体、5.60 g、収率:78.87%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 5.01-4.96 (m, 1H), 4.90 (br s, 2H), 3.58-3.66
(m, 2H), 3.41-3.47 (m, 2H), 3.34 (d, J=
4.5 Hz, 2H), 1.55-1.68 (m, 2H), 0.90-0.96
(m, 3H).
【0133】
工程3:化合物BB-6-3の合成
室温において、化合物BB-6-2(5.00 g, 27.44 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(9.24 g, 82.32 mmol)をジメチルスルホキシド(50.00 mL)に入れ、反応混合物を35℃に加熱して0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(6.25 g, 27.44 mmol)を上記反応液に入れ、反応混合物を35℃で続いて12時間撹拌した。反応完了後、塩酸(0.5 M, 50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~3/1、体積比)、目的化合物BB-6-3(浅黄色の固体、2.00 g、収率:18.15%)を得た。MS-ESI
m/z: 372.8 [M+H], 374.8 [M+H+2]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.48 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 5.96 (t, J=5.6 Hz, 1H), 3.43-3.47 (m, 2H), 3.24 (t, J=6.6 Hz, 2H), 3.18 (d, J=4.7 Hz, 2H), 1.43 (d, J=7.2 Hz,
2H), 0.81 (t, J=7.4 Hz, 3H).
【0134】
工程4:化合物BB-6の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.80 g, 16.06 mmol)をエチレングリコール(33.30 g, 536.49 mmol, 30.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-6-3(2.00 g, 5.35 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20.00 mL)溶液を上記溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、塩酸(0.5M, 30 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-6(浅黄色の固体、1.20 g、収率:56.18%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.39 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 6.08 (t, J=5.7 Hz, 1H), 4.56-4.65 (m, 2H), 3.97-4.03 (m, 2H), 3.52-3.57 (m, 2H), 3.33 (t, J=6.6 Hz, 2H), 3.24 (q, J=5.5 Hz, 2H), 2.44 (br s, 1H), 1.44-1.59 (m, 2H), 0.90 (t, J=7.4Hz, 3H).
参照例7:断片BB-7
【0135】
【化44】
【0136】
合成経路:
【0137】
【化45】
【0138】
工程1:化合物BB-7-1の合成
室温において、n-ブチルアミン(2.83 g, 38.64 mmol, 3.82 mL)およびトリエチルアミン(3.91 g, 38.64 mmol, 5.36 mL)をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、反応混合物を0℃に冷却した後、化合物BB-1-2(46.37 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を上記反応液に滴下し(滴下時間:約0.5時間)、反応混合物を室温に昇温させて16時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去した。得られた残留物をジクロロメタン(200 mL)に入れ、それぞれ1M希塩酸(80 mL)および水(100 mL×2)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-7-1(白色の固体、3.00 g、収率:30.77%)を得た。
NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.98 (q, J=8.0 Hz, 2H), 1.47 (t, J=4.0 Hz 2H), 1.24-1.38 (m, 11H), 0.86 (t, J=4.0 Hz, 3H).
【0139】
工程2:化合物BB-7-2の合成
室温において、化合物BB-7-1(3.00 g, 11.89 mmol)を水(150.00 mL)に入れ、反応混合物を110℃に加熱して0.5時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、ジクロロメタン(50 mL)で抽出し、有機相を捨て、水相を酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-7-2(無色の油状物、1.10 g、収率:60.78%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 3.06 (q, J=8.0 Hz, 2H), 1.46-1.54 (m, 2H), 1.32 (s, 2H), 0.87 (t, J=8.0 Hz, 3H).
【0140】
工程3:化合物BB-7-3の合成
室温において、化合物BB-7-2(1.10 g, 7.23 mmol)をジメチルスルホキシド(50.00 mL)に溶解させた後、カリウムt-ブトキシド(1.22
g, 10.85 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。その後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(1.98 g, 8.68 mmol)を上記反応液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて3時間撹拌した。反応完了後、飽和食塩水(50 mL)を入れ、10%希塩酸でpHが
4~5になるように調整し、酢酸エチル(80 mL)で抽出した。有機相を合併し、水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-7-3(白色の固体、350.00 mg、収率:9.58%)を得た。MS-ESI m/z: 342.7 [M+H], 344.7 [M+H+2]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.49 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 5.41 (t, J=6.0 Hz, 1H), 3.00 (q, J=7.2 Hz,
2H), 1.47 (q, J=7.6 Hz, 2H), 1.28 -1.32
(m, 2H), 0.84 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0141】
工程4:化合物BB-7の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(343.36 mg, 3.06 mmol)をエチレングリコール(3.17 g, 51.00 mmol, 2.85 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-7-3(350.00 mg, 1.02 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20.00 mL)溶液を一括で上記溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて15時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、氷水(50 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(20
mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に分取クロマトグラフィープレートを通させ(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=20/1、体積比)、目的化合物BB-7(黄色の固体、300.00 mg、収率:79.66%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.30 (s,
1H), 7.54 (s, 1H), 5.44 (t, J=6.0 Hz, 1H), 4.52 (t, J=4.8 Hz, 2H), 3.92 (q, J=3.2 Hz, 2H), 2.98 (q, J=6.8 Hz, 2H), 2.31
(t, J=6.0 Hz, 1H), 1.45 (q, J=8.0 Hz, 2H), 1.26-1.32 (m, 2H), 0.83 (t, J=7.2 Hz, 3H).
参照例8:断片BB-8
【0142】
【化46】
【0143】
合成経路:
【0144】
【化47】
【0145】
工程1:化合物BB-8-1の合成
室温において、シクロブチルアミン(5.00 g, 70.30 mmol, 6.02 mL)およびトリエチルアミン(8.54 g, 84.36 mmol, 11.70 mL)をジクロロメタン(100.00 mL)に溶解させ、反応混合物を0℃に冷却した後、化合物BB-1-2(84.36 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を上記反応液に滴下し(滴下時間:約0.5時間)、反応混合物を室温に昇温させて15時間撹拌した。反応完了後、水(8 mL)を入れ、水(100 mL×3)を入れて抽出した。水相を合併し、1M希塩酸でpHが5になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-8-1(白色の固体、12.00 g、収率:68.19%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 5.35 (d, J=9.8 Hz, 1H),
3.94-3.84 (m, 1H), 3.15 (d, J=7.3 Hz, 1H), 2.38-2.30 (m, 2H), 2.03-1.90 (m, 2H),
1.77-1.61 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).
【0146】
工程2:化合物BB-8-2の合成
室温において、化合物BB-8-1(5.00 g, 19.98 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-8-2(白色の固体、2.90 g、収率:96.63%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 4.72-4.48 (m, 2H), 4.07-3.81 (m, 1H), 2.47-2.25 (m, 2H), 2.04-1.90 (m, 2H), 1.83-1.65 (m,
2H).
【0147】
工程3:化合物BB-8-3の合成
室温において、化合物BB-8-2(2.90 g, 19.31 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(4.33 g, 38.62 mmol)をジメチルスルホキシド(80.00 mL)に入れ、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(3.52 g, 15.45 mmol)を上記反応液に入れ、反応混合物を室温で続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(150 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが6になるように調整し、酢酸エチル(200 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~3/1、体積比)、目的化合物BB-8-3(黄色の固体、2.50 g、収率:37.90%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.59 (s, 1H),
7.82 (s, 1H), 5.71 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.10-3.74 (m, 1H), 2.30-2.17 (m, 2H), 1.94-1.79 (m, 2H), 1.74-1.58 (m, 2H).
【0148】
工程4:化合物BB-8の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(2.46 g, 21.96 mmol)をエチレングリコール(22.20 g, 357.66 mmol, 20.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-8-3(2.50 g, 7.32 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(80.00 mL)溶液を上記溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて15時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(200 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(200 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-8(黄色の固体、1.1 g、収率:40.92%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.41 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 5.72 (br d, J=8.8 Hz, 1H),
4.81-4.42 (m, 2H), 4.03-3.96 (m, 2H), 3.96-3.87 (m, 1H), 2.31-2.16 (m, 2H), 1.93-1.79 (m, 2H), 1.73-1.61 (m, 2H).
参照例9:断片BB-9
【0149】
【化48】
【0150】
合成経路:
【0151】
【化49】
【0152】
工程1:化合物BB-9-1の合成
室温において、シクロプロピルメチルアミン(5.00 g, 70.30 mmol)およびトリエチルアミン(14.23 g, 140.60 mmol, 19.49
mL)をジクロロメタン(100.00 mL)に溶解させ、反応混合物を0℃に冷却した後、化合物BB-1-2(70.30 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を入れ(滴下時間:約0.5時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて15時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが5になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-9-1(白色の固体、11.00 g、収率:62.51%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 2.94 (dd, J=4.0, 6.8 Hz, 2H), 1.53-1.44 (m, 9H), 1.11-0.94 (m, 1H), 0.64-0.52 (m, 2H), 0.30-0.12 (m, 2H).
【0153】
工程2:化合物BB-9-2の合成
室温において、化合物BB-9-1(10.00 g, 39.95 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-9-2 (白色の固体、5.00 g、収率:83.33%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.64-4.54 (m, 2H), 3.64 (br s, 1H), 3.03-2.86
(m, 2H), 1.16-0.98 (m, 1H), 0.63-0.42 (m, 2H), 0.29-0.10 (m, 2H).
【0154】
工程3:化合物BB-9-3の合成
室温において、化合物BB-9-2(4.94 g, 32.91 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(4.92 g, 43.88 mmol)をジメチルスルホキシド(80.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(5.00 g, 21.94 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが6になるように調整し、酢酸エチル(200 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1
0/1~3/1、体積比)、目的化合物BB-9-3(白色の固体、5.00 g、収率:66.71%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.57 (s, 1H), 7.80 (br s, 1H), 5.63 (t, J=5.4 Hz, 1H), 2.96 (t, J=6.7 Hz, 2H), 1.09-0.86 (m, 1H), 0.62-0.39 (m, 2H), 0.26-0.03 (m, 2H).
【0155】
工程4:化合物BB-9の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(4.93 g, 43.91 mmol)をエチレングリコール(22.20 g, 357.66 mmol, 20.00 mL)に入れ、反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-9-3(5.00 g, 14.64 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(80.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、反応混合物を110℃に加熱して続いて15時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(200 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが3になるように調整し、酢酸エチル(200 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-9(黄色の油状物、3.50 g、収率:65.10%)を得た。H NMR (400MHz,
CDCl): 8.45-8.29 (m, 1H), 7.68 (br s, 1H), 5.74 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.73-4.52 (m, 2H), 4.04-3.93 (m, 2H), 2.93 (t, J=6.5 Hz, 2H), 2.04 (s, 1H), 1.11-0.78 (m, 1H), 0.62-0.41 (m, 2H), 0.14 (q, J=5.0 Hz, 2H).
参照例10:断片BB-10
【0156】
【化50】
【0157】
合成経路:
【0158】
【化51】
【0159】
工程1:化合物BB-10-1の合成
0℃において、シクロブチルメチルアミンの塩酸塩(5.00 g, 41.12 mmol)、トリエチルアミン(10.40 g, 102.80 mmol, 14.25 mL)およびジクロロメタン(50.00 mL)を化合物BB-1-2(41.12
mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて18時間撹拌した。反応完了後、水(60 mL)を入れ、ジクロロメタン(60 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-10-1(黄色の固体、7.20 g、収率:66.24%)を得た。
【0160】
工程2:化合物BB-10-2の合成
室温において、化合物BB-10-1(7.00 g, 26.48 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を110℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-10-2(無色の油状物、3.80 g、収率:87.38%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 5.10-4.92 (m, 2H), 3.15-3.10 (m, 2H), 2.54-2.50 (m, 1H), 2.07-2.04 (m, 2H), 1.90-1.88 (m, 2H), 1.88-1.69 (m, 2H).
【0161】
工程3:化合物BB-10-3の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(3.14 g, 28.00 mmol)を化合物BB-10-2(2.30 g, 14.00 mmol)のジメチルスルホキシド(40.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(3.19 g, 14.00 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(80 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(40 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(40 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物BB-10-3(黄色の固体、3.10 g、収率:62.29%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.49 (s,
1H), 7.79 (s, 1H), 5.45 (t, J=6.0 Hz, 1H), 3.03-2.98 (m, 2H), 2.53-2.33 (m, 1H), 2.04-1.98 (m, 2H), 1.84-1.78 (m, 2H), 1.63-1.57 (m, 2H).
【0162】
工程4:化合物BB-10の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.89 g, 16.88 mmol)をエチレングリコール(15.79 g, 254.55 mmol, 14.23 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-10-3(3.00 g, 8.44 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(30.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を120℃に加熱して続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(60 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2、体積比)、目的化合物BB-10(黄色の固体、2.50 g、収率:77.73%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.39 (s, 1H), 7.65 (br s, 1H), 5.52 (t, J=6.0 Hz, 1H), 4.71-4.49
(m, 2H), 4.02 (br d, J=3.8 Hz, 2H), 3.12-3.01 (m, 2H), 2.60-2.47 (m, 1H), 2.43 (br s, 1H), 2.09-2.01 (m, 2H), 1.98-1.77 (m, 2H), 1.74-1.64 (m, 2H).
参照例11:断片BB-11
【0163】
【化52】
【0164】
合成経路:
【0165】
【化53】
【0166】
工程1:化合物BB-11-1の合成
室温において、化合物BB-1-2(78.00 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をゆっくり3-メトキシ-n-プロピルアミン(6.95 g, 78.00 mmol, 7.99 mL)およびトリエチルアミン(15.79 g, 156.00 mmol, 21.63 mL)のジクロロメタン(50.00 mL)溶液に入れ(滴下時間:約0.5時間)、反応混合物を室温に昇温させて18時間撹拌した。反応完了後、水(200 mL)を入れ、ジクロロメタン(150 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-11-1(白色の固体、16.00 g、収率:76.45%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 3.42 (t, J=5.8 Hz, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.15-3.04 (m, 2H), 1.91-1.64 (m, 2H), 1.43 (s, 9H).
【0167】
工程2:化合物BB-11-2の合成
室温において、化合物BB-11-1(16.00 g, 59.63 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-11-2(無色の油状物、8.50 g、収率:84.74%)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 6.49-6.38 (m, 3H), 3.37-3.32 (m, 2H), 3.23-3.19 (m, 3H), 2.96-2.82 (m, 2H), 1.73-1.63 (m, 2H).
【0168】
工程3:化合物BB-11-3の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(2.67 g, 23.78 mmol)を化合物BB-11-2(2.00 g, 11.89 mmol)のジメチルスルホキシド(10.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(2.71 g, 11.89 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(60 mL)を入れ、0.5M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留
物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物BB-11-3(白色の固体、3.30 g、収率:77.21%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 8.59 (s, 1H), 3.29-3.25 (m, 2H), 3.16 (s, 3H), 2.96 (t, J=6.9 Hz, 2H), 1.70-1.62 (m, 2H).
【0169】
工程4:化合物BB-11の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(2.06 g, 18.35 mmol)をエチレングリコール(30.24 g, 487.25 mmol, 27.25 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-11-3(3.30 g, 9.18 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(10.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて24時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(60
mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2、体積比)、目的化合物BB-11(黄色の油状物、2.20 g、収率:61.34%)を得た。
NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.51-8.08 (m, 1H), 7.65 (s, 1H), 6.10 (t, J=5.9 Hz, 1H),
4.67-4.45 (m, 2H), 4.01 (d, J=3.8 Hz, 2H), 3.53-3.39 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 3.26-3.13 (m, 2H), 2.46 (br s, 1H), 1.85 (q, J=6.0 Hz, 2H).
参照例12:断片BB-12
【0170】
【化54】
【0171】
合成経路:
【0172】
【化55】
【0173】
工程1:化合物BB-12-1の合成
0℃において、化合物BB-1-2(74.19 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をゆっくり3-エトキシプロピル-1-アミン(7.65 g, 74.19 mmol, 8.90 mL)およびトリエチルアミン(22.52 g, 222.58 mmol, 30.85 mL)のジクロロメタン(40.00 mL)溶液に入れ(滴下時間:約1時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて14時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水 (200 mL)を入れ、ジクロロメタン(100 mL)で抽出し、有機相を捨て、水相を1 M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-12-1(黄色の固体、17.00 g、粗製品)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 10.80 (s, 1H), 7.51 (t,
J=5.8 Hz, 1H), 3.40-3.37 (m, 2H), 2.93 (q, J=6.4 Hz, 2H), 2.51 (s, 2H), 1.74-1.61 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.10 (t, J=6.8
Hz, 3H).
【0174】
工程2:化合物BB-12-2の合成
室温において、化合物BB-12-1(17.00 g, 60.21 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を110℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-12-2(黄色の油状物、9.00g、粗製品)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 6.46 (s,
2H), 6.41 (t, J=6.2 Hz, 1H), 3.43-3.37 (m, 4H), 2.90 (q, J=6.4 Hz, 2H), 1.75-1.60 (m, 2H), 1.10 (t, J=7.0 Hz, 3H).
【0175】
工程3:化合物BB-12-3の合成
室温において、化合物BB-12-2(1.60 g, 8.78 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(1.97 g, 17.55 mmol)をジメチルスルホキシド(20.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で1時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(2.00 g, 8.78 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて11時間撹拌した。反応完了後、水
(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~4/1、体積比)、目的化合物BB-12-3(黄色の固体、1.30 g、収率:39.64%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 8.59 (s, 1H), 3.34-3.29 (m, 4H), 2.98 (t, J=6.8 Hz, 2H), 1.69-1.61 (m, 2H), 1.06 (t, J=6.8 Hz, 3H).
【0176】
工程4:化合物BB-12の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.17 g, 10.44 mmol)をエチレングリコール(35.63 g, 574.20 mmol, 32.10 mL)およびエチレングリコールジメチルエーテル(10.00 mL)混合液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-12-3(1.30 g, 3.48 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20.00 mL)溶液を一括で上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して続いて15時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、2M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(60 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/3、体積比)、目的化合物BB-12(白色の固体、1.10 g、収率:79.17%)を得た。MS-ESI m/z: 398.9
[M+H], 400.9 [M+H+2]H NMR (400MHz,
CDCl) δ: 8.29 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 6.02 (t, J=6.0 Hz, 1H), 4.52 (t, J=4.6 Hz, 2H), 3.99-3.87 (m, 2H), 3.46-3.31 (m, 4H), 3.11 (q, J=6.4 Hz, 2H), 2.38 (t, J=6.0 Hz, 1H), 1.80-1.71 (m, 2H), 1.14 (t, J=7.0 Hz, 3H).
参照例13:断片BB-13
【0177】
【化56】
【0178】
合成経路:
【0179】
【化57】
【0180】
工程1:化合物BB-13-1の合成
0℃において、化合物BB-1-2(49.43 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をゆっくりテトラヒドロフラン-2-イルメチルアミン(5.00 g, 49.43
mmol, 5.10 mL)およびトリエチルアミン(10.00 g, 98.86 mmol, 13.70 mL)のジクロロメタン(50.00 mL)溶液に入れ(滴下時間:約0.5時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて18時間撹拌した。反応完了後、水(100 mL)を入れ、ジクロロメタン(90 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-13-1(白色の固体、8.30 g、収率:59.90%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 5.75 (d, J=4.8 Hz, 1H), 4.02 (dd, J=3.9, 6.7 Hz, 1H), 3.88-3.64 (m, 2H), 3.30-2.83 (m, 2H),
2.06-1.76 (m, 3H), 1.71-1.18 (m, 10H).
【0181】
工程2:化合物BB-13-2の合成
室温において、化合物BB-13-1(8.00 g, 28.54 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-13-2(無色の油状物、4.90 g、収率:95.27%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 5.18-5.01 (m, 1H), 4.07-3.91 (m, 1H), 3.86-3.61 (m, 2H), 3.27-2.90 (m, 2H),
1.96-1.74 (m, 3H), 1.62-1.41 (m, 1H).
【0182】
工程3:化合物BB-13-3の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(3.86 g, 34.40 mmol)を化合物BB-13-2(3.10 g, 17.20 mmol)のジメチルスルホキシド(20.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(3.92 g, 17.20 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(60 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物BB-13-3(黄色の固体、2.10 g、収率:32.85%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.65-8.36
(m, 1H), 8.08-7.70 (m, 1H), 5.99-5.80 (m, 1H), 4.08-3.90 (m, 1H), 3.82-3.55 (m, 2H), 3.25-3.13 (m, 1H), 3.04-2.89 (m, 1H),
1.98-1.72 (m, 3H), 1.60-1.44 (m, 1H).
【0183】
工程4:化合物BB-13の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.27 g, 11.30 mmol)をエチレングリコール(10.58 g, 170.40 mmol, 9.53 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-13-3(2.10 g, 5.65 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(30.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を120℃に加熱して続いて15時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(60 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2、体積比)、目的化合物BB-13(黄色の油状物、1.80 g、収率:78.35%)を得た。MS-ESI m/z: 396.8 [M+H], 398.8 [M+H+2]
参照例14:断片BB-14
【0184】
【化58】
【0185】
合成経路:
【0186】
【化59】
【0187】
工程1:化合物BB-14-1の合成
0℃において、化合物BB-1-2(43.41 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をテトラヒドロピラン-4-イルメチルアミン(5.00 g, 43.41 mmol)およびトリエチルアミン(8.79 g, 86.82 mmol, 12.04 mL)のジクロロメタン(50.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて12時間撹拌した。反応完了後、水(80 mL)を入れ、ジクロロメタン(80 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-14-1(灰白色の油状物、5.20 g、収率:40.69%)を得た。
【0188】
工程2:化合物BB-14-2の合成
室温において、化合物BB-14-1(5.00 g, 16.99 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(80 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-14-2(淡黄色の油状物、1.70 g、収率:51.51%)を得た。
【0189】
工程3:化合物BB-14-3の合成
35℃において、化合物BB-14-2(1.70 g, 8.75 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(2.95 g, 26.25 mmol)のジメチルスルホキシド(50.00 mL)混合物を0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(1.99 g, 8.75 mmol)を入れ、反応混合物を35℃で続いて12時間撹拌した。反応完了後、0.5 M希塩酸(50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-14-3(黄色の固体、1.20 g、収率:12.80%)を得た。MS-ESI m/z: 384.8 [M+H], 386.8 [M+H+2]
【0190】
工程4:化合物BB-14の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.05 g, 9.33 mmol)をエチレングリコール(33.30 g, 536.49 mmol, 30.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-14-3(1.20 g, 3.11 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(20.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、0.5 M希塩酸(30 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1、体積比)、目的化合物BB-14(淡黄色の固体、200.00 mg、収率:14.59%)を得た。 MS-ESI
m/z: 410.9 [M+H], 412.9 [M+H+2]H NMR (400MHz,CDCl) δ: 8.38 (s, 1H), 7.62 (br s, 1H), 5.65 (t, J=6.5 Hz, 1H), 4.60
(t, J=4.8 Hz, 2H), 4.05-3.89 (m, 4H), 3.38 (t, J=10.8 Hz, 2H), 2.93 (t, J=6.5 Hz, 2H), 1.86-1.75 (m, 1H), 1.71-1.61 (m, 2H), 1.31-1.22 (m, 2H).
参照例15:断片BB-15
【0191】
【化60】
【0192】
合成経路:
【0193】
【化61】
【0194】
工程1:化合物BB-15-1の合成
0℃において、化合物BB-1-2(31.32 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をゆっくり2-メチルスルホニルエチルアミンの塩酸塩(5.00 g, 31.32 mmol)およびトリエチルアミン(6.34 g, 62.64 mmol, 8
.68 mL)のジクロロメタン(50.00 mL)混合液に入れ(滴下時間:約0.5時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて18時間撹拌した。反応完了後、水(100 mL)を入れ、ジクロロメタン(100 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、それぞれ1M希塩酸(50 mL)および飽和食塩水(80 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-15-1(白色の固体、5.00 g、収率:52.81%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 11.04 (s, 1H), 7.83 (br s, 1H), 3.44 (br s, 2H), 3.35-3.30 (m, 2H), 3.02 (s, 3H), 1.44 (s, 9H).
【0195】
工程2:化合物BB-15-2の合成
室温において、化合物BB-15-1(4.80 g, 15.87 mmol)を水(100.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(100 mL)で抽出し、有機相を捨て、水相を減圧で濃縮し、目的化合物BB-15-2(無色の油状物、2.10 g、収率:65.43%)を得た。1H NMR (400MHz, MeOD) δ: 3.55-3.47 (m, 2H), 3.41-3.35 (m, 2H), 3.06-3.02 (s, 3H).
【0196】
工程3:化合物BB-15-3の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(2.22 g, 19.78 mmol)を化合物BB-15-2(2.00 g, 9.89 mmol)のジメチルスルホキシド(20.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(2.25 g, 9.89 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて15時間撹拌した。反応完了後、水(60 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物BB-15-3(黄色の固体、1.80 g、収率:43.98%)を得た。MS-ESI m/z: 392.8 [M+H], 394.8 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.60 (s, 1H), 6.36 (br s, 1H), 3.66 (q, J=6.0 Hz,
2H), 3.46-3.25 (m, 2H), 3.09-2.82 (m, 3H).
【0197】
工程4:化合物BB-15の合成
40℃および窒素ガスの保護下において、エチレングリコール(4.28 g, 68.95 mmol, 3.86 mL)およびカリウムt-ブトキシド(513.07 mg, 4.57 mmol)の混合物を0.5時間撹拌した後、化合物BB-15-3(0.9 g, 2.29 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(30.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を60℃に加熱して3時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(60 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2、体積比)、目的化合物BB-15(淡黄色の油状物、327.27 g、収率:33.40%)を得た。MS-ESI m/z: 440.9 [M+Na], 442.9 [M+Na+2]
参照例16:断片BB-16
【0198】
【化62】
【0199】
合成経路:
【0200】
【化63】
【0201】
工程1:化合物BB-16-1の合成
0~5℃において、化合物BB-1-2(9.19 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液をゆっくり3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの塩酸(900.00 mg, 7.53 mmol)およびトリエチルアミン(2.28 g, 22.58 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液に入れ(滴下時間:約1時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて16時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(20 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(25 mL×4)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-16-1 (白色の固体、1.90 g、収率:96.19%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 3.56-3.68
(m, 4H), 1.55-1.59 (m, 2H), 1.51 (s, 9H), 0.69-0.74 (m, 1H), 0.41-0.45 (m, 1H).
【0202】
工程2:化合物BB-16-2の合成
室温において、トリフルオロ酢酸(3.30 g, 28.96 mmol)を一括で化合物BB-16-1(1.90 g, 7.24 mmol)のジクロロメタン(10.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物から減圧で溶媒を除去し、化合物BB-16-2(灰白色の固体、1.44 g、収率:72.00%、トリフルオロ酢酸塩)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 3.28-3.36 (m, 4H), 1.54-1.59 (m, 2H), 0.61-0.69 (m, 1H), 0.44-0.58 (m, 1H).
【0203】
工程3:化合物BB-16-3の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.75 g, 15.63 mmol)を化合物BB-16-2のトリフルオロ酢酸塩(1.44 g, 5.21 mmol)のジメチルスルホキシド(30.00 mL)混合液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(1.42 g, 6.25 mmol)を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で続いて16時間撹拌した。反応完了後、氷水(60 mL)を入れ、4M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物BB-16-3(褐色の固体、1.40 g、収率:74.14%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.59 (s, 1H), 7.80 (br
s, 1H), 3.73-3.79 (m, 2H), 3.66-3.72 (m,
2H), 1.58-1.62 (m, 2H), 0.69-0.76 (m, 1H), 0.33 (q, J=4.3 Hz, 1H).
【0204】
工程4:化合物BB-16の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(760.78 mg, 6.78 mmol)をエチレングリコール(22.20 g, 357.67 mmol)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-16-3(799.18 mg, 2.26 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(10.00 mL)溶液を上記混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて39時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に氷水(60 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(60 mL×2)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(120 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物BB-16(黄色の固体、520.00 mg、収率:59.45%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.38 (s, 1H), 7.63 (br s, 1H), 4.55-4.61 (m, 2H), 3.94-4.02 (m, 2H), 3.69-3.74 (m, 2H), 3.64-3.69 (m, 2H), 2.48 (br s, 1H), 1.49-1.58 (m, 2H), 0.62-0.71 (m, 1H), 0.30-0.37 (m, 1H).
参照例17:断片BB-17
【0205】
【化64】
【0206】
合成経路:
【0207】
【化65】
【0208】
工程1:化合物BB-17-1の合成
0℃において、化合物BB-1-2(12.39 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液を1滴ずつ2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン(1.17 g, 11.80 mmol)およびトリエチルアミン(3.58 g, 35.40 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液に滴下し(滴下時間:約1時間)、反応混合物を室温に昇温させて16時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、残留物に水(20 mL)を入れ、5M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(25 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-17-1(白色の固体、1.70 g、収率:51.76%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.07 (br s, 1H), 4.79 (s, 4H); 4.34 (s, 4H), 1.52 (s, 9H).
【0209】
工程2:化合物BB-17-2の合成
室温において、化合物BB-17-1(1.70 g, 6.11 mmol)を水(10.00 mL)に入れ、反応混合物を100℃に加熱して1時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物BB-17-2(白色の固体、920.00 mg、収率:84.49%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 4.78 (s, 4H), 4.39 (br s, 2H), 4.04 (s, 4H).
【0210】
工程3:化合物BB-17-3の合成
室温において、化合物BB-17-2(920.00 mg, 5.16 mmol)およびカリウムt-ブトキシド(1.50 g, 13.37 mmol)をジメチルスルホキシド(15.00 mL)に入れ、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(1.41 g, 6.19 mmol)を上記反応液に入れ、反応混合物を室温で続いて18時間撹拌した。反応完了後、氷水(40 mL)を入れ、4M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(40 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(120 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=10/1、体積比)、目的化合物BB-17-3(褐色の固体、430.00 mg、収率:16.43
%)を得た。MS-ESI m/z: 368.8 [M+H], 370.8 [M+H+2]
【0211】
工程4:化合物BB-17の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(390.49 mg, 3.48 mmol)をエチレングリコール(15.23 g, 245.36 mmol)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-17-3(430.00 mg, 1.16 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(10.00 mL)溶液をゆっくり上記混合物に滴下し、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて48時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に氷水(30 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×4)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(120 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール=10/1、体積比)、目的化合物BB-17(黄色の固体、150.00 mg、収率:30.86%)を得た。MS-ESI m/z: 417.0 [M+Na], 417.0 [M+Na+2]
参照例18:断片BB-18
【0212】
【化66】
【0213】
合成経路:
【0214】
【化67】
【0215】
工程1:化合物BB-18-2の合成
0℃において、カリウムt-ブトキシド(7.22 g, 64.31 mmol)のテトラヒドロフラン(50 mL)溶液を1滴ずつメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(22.97 g, 64.31 mmol)のテトラヒドロフラン(100 mL)懸濁液に滴下し、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて1時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、一括で化合物BB-18-1(10.00 g, 42.87 mmol)のテトラヒドロフラン(50 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて続いて64時間撹拌した。反応完了後、順に水(50 mL)および石油エーテル(50 mL)を入れ、分液した。水相を石油エーテル(50
mL×2)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(150 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1、体積比)、目的化合物BB-18-2(無色の油状物、5.20 g、収率:48.56%)を得た。MS-ESI m/z: 232.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.40-7.29 (m, 5H),
5.15 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 3.51 (t, J=5.8 Hz, 4H), 2.19 (t, J=5.8 Hz, 4H).
【0216】
工程2:化合物BB-18-3の合成
-40℃において、トリフルオロ酢酸(10.25 g, 89.92 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液を1滴ずつジエチル亜鉛(1 M, 89.92 mL)のジクロロメタン(50 mL)溶液に滴下し、窒素ガスの保護下で反応混合物を-40℃で0.5時間撹拌した後、ジヨードメタン(24.08 g, 89.92 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液を上記混合液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合液を-40℃で続いて0.5時間撹拌した。その後、化合物BB-18-2(5.20 g, 22.48 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させてさらに16時間撹拌した。反応完了後、それぞれジクロロメタン(30 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80 mL)を入れ、5分間撹拌し、沈殿が析出し、沈殿をろ過で除去して分液し、有機相を飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1、体積比)、黄色の油状物を得、黄色の油状物をさらに分取HPLCによって分離し、化合物BB-18-3(淡黄色の油状物、4.00 g、収率:47.46%)を得た。MS-ESI m/z: 246.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.40-7.29 (m, 5H), 5.15 (s, 2H), 3.57-3.47 (m, 4H), 1.35 (br s, 4H), 0.34 (s, 4H).
【0217】
工程3:化合物BB-18-4の合成
室温において、化合物BB-18-3(1.50 g, 6.11 mmol)のテトラヒドロフラン(15.00 mL)溶液に湿潤パラジウム炭素(150.00 mg,純度:10%)を入れ、水素ガス(3.5 MPa)の雰囲気において反応混合物を室温で40時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をろ過し、塩酸/酢酸エチル(4 M, 10 mL)を15分間撹拌し、減圧で濃縮して化合物BB-18-4(黄色の固体、900.00 mg、収率:99.76%、塩酸塩)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO_d) δ: 9.13 (br s, 2H), 3.02 (br s, 4H), 1.54 (t, J=5.0 Hz, 4H), 0.37 (s,
4H).
【0218】
工程4:化合物BB-18-5の合成
0℃において、化合物BB-18-4(1.20 g, 8.13 mmol, 塩酸塩)のジクロロメタン(20 mL)溶液を1滴ずつ化合物BB-1-2(8.54 mmol,粗製品)のジクロロメタン溶液、トリエチルアミン(3.29 g, 32.52
mmol)およびジクロロメタン(10 mL)の混合液に滴下し(滴下時間:約1時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて16時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(20 mL)を入れ、4 M希塩酸(10
mL)でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(25 mL×4)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、化合物BB-18-5(淡黄色の固体、1.32 g、収率:55.91%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.05 (br s, 1H), 3.47-3.40 (m, 4H),
1.52 (s, 9H), 1.50-1.47 (m, 4H), 0.38 (s, 4H).
【0219】
工程5:化合物BB-18-6の合成
室温において、トリフルオロ酢酸(1.53 g, 13.42 mmol)を一括で化合物BB-19-5(580.00 mg, 2.00 mmol)のジクロロメタン(3.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、化合物BB-18-6(淡黄色の固体、600.00 mg、収率:98.50%、トリフルオロ酢酸塩)を得た。H NMR (400
MHz, CDCl)δ: 3.23 (t, J=5.5 Hz, 4H), 1.50 (t, J=5.5 Hz, 4H), 0.36 (s, 4H).
【0220】
工程6:化合物BB-18-7の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(1.39 g, 12.42 mmol)を一括で化合物BB-18-6(1.26 g, 4.14 mmol, トリフルオロ酢酸塩)のジメチルスルホキシド(10.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、5-ブロモ-4,6-ジクロロピリミジン(1.04 g, 4.55 mmol)を上記反応混合物に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温でさらに20時間撹拌した。反応完了後、氷水(20 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(120 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、化合物BB-18-7(黄色の油状物、600.00 mg、収率:35.86%)を得た。H NMR (400
MHz, CDCl) δ: 8.53 (s, 1H), 4.40 (br s, 1H), 3.20-3.28 (m, 4H), 1.49-1.55 (m, 4H), 0.35 (s, 4H).
【0221】
工程7:化合物BB-18の合成
室温において、カリウムt-ブトキシド(353.46 mg, 3.15 mmol)をエチレングリコール(16.03 g, 258.27 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(3.00 mL)溶液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を40℃に加熱して0.5時間撹拌した後、化合物BB-18-7(400.00 mg,
1.05 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(5.00 mL)溶液を上記反応液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を110℃に加熱して続いて40時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に氷水(30 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をクロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1、体積比)、化合物BB-18(黄色の油状物、180.00 mg、収率:42.09%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.37 (s, 1H), 4.61-4.56 (m, 2H), 4.01-3.97 (m, 2H), 3.54-3.47 (m, 4H), 1.52-1.45 (m, 4H),
0.36-0.31 (m, 4H).
実施例1:WX001
【0222】
【化68】
【0223】
合成経路:
【0224】
【化69】
【0225】
工程1:化合物WX001-2の合成
0℃において、塩化チオニル(58.11 g, 488.46 mmol, 35.43 mL)をゆっくり化合物WX001-1(80 g, 444.06 mmol)のメタノール(400 mL)溶液に滴下し(滴下時間:約0.5時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて10時間撹拌した。反応終了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(300 mL)を入れ、酢酸エチル(300 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(300 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、化合物WX001-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 6.80-6.71 (m, 3H),
5.94 (s, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.55 (s, 2H).
【0226】
工程2:化合物WX001-3の合成
0℃において、化合物WX001-2(35 g, 180.24 mmol)のジメ
チルカーボネート(118.51 g, 1.32 mol, 110.76 mL)溶液をゆっくり水素化ナトリウム(10.81 g, 270.36 mmol, 純度:60%)のジメチルカーボネート(118.51 g, 1.32 mol, 110.76 mL)混合液に滴下し(滴下時間:約1時間)、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて15時間撹拌した。反応終了後、氷水(500 mL)を入れ、酢酸エチル(300 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(300 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1、体積比)、化合物WX001-3を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.00-6.93 (m, 1H), 6.85-6.77 (m, 2H), 5.98 (s, 2H), 4.58 (s, 1H), 3.78 (s, 6H).
【0227】
工程3:化合物WX001-4の合成
0℃において、ナトリウム塊(10.94 g, 475.78 mmol)を分けて無水メタノール(150 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、化合物WX001-3(40 g, 158.59 mmol)のメタノール(100 mL)溶液を上記反応液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温に昇温させて続いて15時間撹拌した後、ホルムアミジン酢酸塩(19.81 g, 190.31 mmol)を一括で上記反応液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温でさらに15時間撹拌した。反応完了後、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に2 M希塩酸(200 mL)を入れ、そして室温で30分間撹拌したが、その間大量の白色の固体が析出した。反応混合物をろ過し、ケーキをメタノール(50 mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、真空乾燥して 化合物WX001-4を得た。
【0228】
工程4:化合物WX001-5の合成
室温において、化合物WX001-4(24 g, 103.36 mmol)を塩化ホスホリル(594.00 g, 3.87 mol, 360.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃に加熱して5時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、反応液をゆっくり氷水(1000 mL)に注ぎ、そして室温で0.5時間撹拌した後、酢酸エチル(1000 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(1000 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1、体積比)、化合物WX001-5を得た。H NMR
(400MHz, CDCl) δ: 8.78 (s, 1H), 6.96 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.78 (dd, J=2.5, 4.0 Hz, 2H), 6.09 (s, 2H).
【0229】
工程5:化合物WX001-6の合成
室温において、化合物2-(5-ブロモピリミジン-2-イル)オキシエタノール(8.06 g, 36.79 mmol)および化合物WX001-5(11 g, 40.88 mmol)をトルエン(100 mL)に溶解させた後、0℃に冷却し、カリウムt-ブトキシド(9.17 g, 81.76 mmol)を分けて入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応完了後、反応液に0℃で0.5 M希釈塩酸(100 mL)を入れ、酢酸エチルで抽出した(100 mL×3)。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=5/1、体積比)、化合物WX001-6を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.54-8.48 (m, 3H), 6.86-6.74 (m, 3H), 6.02 (s, 2H),
4.80-4.74 (m, 2H), 4.73- 4.64 (m, 2H).
【0230】
工程6:化合物WX001の合成
室温において、化合物アミノスルファミド(1.52 g, 15.83 mmol)および化合物WX001-6(6.5 g, 14.39 mmol)をジメチルスルホキシド(100 mL)に溶解させた後、一括で炭酸カリウム(5.97 g, 43.17 mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム・三水和物(9.08 g, 28.78 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を70℃に加熱して5時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、0.5 M希塩酸(100 mL)および水(500 mL)を入れ、酢酸エチルで抽出した(400 mL×3)。有機相を合併し、飽和食塩水(500 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=3/1、そしてジクロロメタン/酢酸エチル=5/1、体積比)、目的化合物WX001を得た。MS-ESI m/z: 510.8 [M+H], 512.8 [M+H+2]H NMR (400MHz, DMSO_d) δ: 9.29 (s, 1H), 8.72 (s, 2H), 8.46 (s, 1H), 7.21 (s, 2H), 6.91 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.76-6.61 (m, 2H), 6.05 (s, 2H), 4.69-4.62 (m, 2H), 4.62-4.54 (m, 2H).
実施例2:WX002
【0231】
【化70】
【0232】
合成経路:
【0233】
【化71】
【0234】
工程1:化合物WX002-2の合成
室温において、化合物WX002-1(8.00 g, 37.37 mmol)、ビ
ス(ピナコラト)ジボロン(11.39 g, 44.84 mmol)および酢酸カリウム(7.33 g, 74.74 mmol)を1,4-ジオキサン(100.00 mL)に入れた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(5.47 g, 7.47 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して10時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、ろ過、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(30 mL)を入れ、酢酸エチル(100
mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=20/1、体積比)、目的化合物WX002-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.92 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.89 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.0 Hz, 1H), 1.30 (s, 12H).
【0235】
工程2:化合物WX002-3の合成
室温において、化合物BB-2(250.00 mg, 732.75 μmol)および化合物WX002-2(287.04 mg, 1.10 mmol)を1,4-ジオキサン(15.00 mL)に入れた後、炭酸カリウム(303.82 mg, 2.20 mmol)の水(5.00 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を室温で0.5時間撹拌した後、窒素ガスの保護下で反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(160.85 mg, 219.83 μmol)を上記混合液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して11時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×1)で抽出し、有機相を捨てた。水相を3 M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、体積比)、目的化合物WX002-3を得た。MS-ESI m/z: 395.9 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.01 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.31 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 5.52 (t, J=6.0 Hz, 1H), 4.44 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.08-2.98 (m, 2H), 2.58 (br s, 1H),
1.15 (t, J =7.2 Hz, 3 H).
【0236】
工程3:化合物WX002の合成
室温において、水素化ナトリウム(194.20 mg, 4.86 mmol, 純度:60%)を無水テトラヒドロフラン(20.00 mL)に入れた後、それぞれ化合物WX002-3(240.00mg, 606.89 μmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液および5-ブロモ-2-クロロピリミジン(234.78
mg, 1.21 mmol)の無水テトラヒドロフラン(1 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を70℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(30 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離し(移動相:アセトニトリル/水、アルカリ性系:NHHCOおよびNH・HO)、目的化合物WX002を得た。MS-ESI m/z: 552.0 [M+H], 554.0 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.08 (s, 1
H), 8.52 (s, 1H), 8.43 (s, 2H), 8.04 (d,
J=2.0 Hz, 2H), 7.34 (dd, J=8.5, 1.3 Hz,
1H), 6.87 (br s, 1H), 5.58 (s, 1H), 4.74 (t, J=4.4 Hz, 2H), 4.62 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.15-3.02 (m, 2H), 1.21 (t, J=7.3 Hz, 3H).
実施例2における合成方法を参照し(工程2におけるのBB-2を断片2における相応する構造に換え)、表1における各実施例を合成した。
【0237】
【表1】
【0238】
各実施例のLCMSとHNMRのデータは表2を参照する。
【0239】
【表2】
【0240】
実施例8:WX008
【0241】
【化72】
【0242】
合成経路:
【0243】
【化73】
【0244】
工程1:化合物WX008-2の合成
室温において、化合物WX008-1(3.00 g, 14.92 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(7.58 g, 29.84 mmol)および酢酸カリウム(4.39 g, 44.76 mmol)を1,4-ジオキサン(30.00 mL)に入れた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(3.28 g, 4.48 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して16時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、ろ過、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(30 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~100/1、体積比)、目的化合物WX008-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ:7.38 (dd, J=7.8, 0.8 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.85 (d, J=7.8 Hz, 1H), 5.97 (s, 2H), 1.35 (s,
12H).
【0245】
工程2:化合物WX008-3の合成
室温において、化合物BB-3(300.00 mg, 14.92 mmol)、化合物WX008-2(419.04 mg, 1.69 mmol)およびリン酸カリウム(537.83 mg, 2.53 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20.00 mL)に入れた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(185.39 mg, 4.48 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して16時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×1)で抽出し、有機相を捨てた。水相を3 M希塩酸でpHが5~6になるように調整し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2、体積比)、目的化合物WX008-3を得た。MS-ESI m/z: 397.0 [M+H]
【0246】
工程3:化合物WX008の合成
室温において、水素化ナトリウム(145.30 mg, 3.63 mmol, 純度:60%)を無水テトラヒドロフラン(20 mL)に入れた後、それぞれ化合物WX008-3(180.00 mg, 454.06 μmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液および5-ブロモ-2-クロロピリミジン(175.66 mg, 908.13 μmol)の無水テトラヒドロフラン(1 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を70℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(30 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離し(移動相:アセトニトリル/水、中性系)、目的化合物WX008を得た。MS-ESI m/z: 552.8 [M+H], 554.8 [M+H+2]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.49 (s, 2H), 8.43 (s, 1H), 6.87 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.73-6.68 (m, 2H),
6.03 (s, 2H), 5.61 (t, J=6.2 Hz, 1H), 4.73 (q, J=5.0 Hz, 2H), 4.64 (t, J=4.8 Hz, 2H), 2.96 (q, J=6.8 Hz, 2H), 1.64-1.57
(m, 2H), 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3H).
実施例8における合成方法を参照し(工程2におけるのBB-3を断片2に換え)、表
3における各実施例を合成した。
【0247】
【表3】
【0248】
各実施例のLCMSとHNMRのデータは表4を参照する。
【0249】

【表4】
【0250】
実施例23および実施例24:WX023およびWX024
【0251】
【化74】
【0252】
合成経路:
【0253】
【化75】
【0254】
化合物WX021(500.00 mg, 839.74 μmol)を臨界流体クロマトグラフィー(分離条件、クロマトグラフィーカラム:Chiralpak AD-3
50×4.6mm I.D., 3 μm;移動相:A:二酸化炭素、B:イソプロパノール(0.05% ジエチルアミン)、40%;カラム温度:40℃;波長:220 nm)によって分離し、保持時間が1.149 minのサンプルとしてWX023(ee%:100%)を、そして保持時間が3.199 minのサンプルとしてWX024(ee%:100%)を得た。
【0255】
実施例25:WX025
【0256】
【化76】
【0257】
合成経路:
【0258】
【化77】
【0259】
工程1:化合物WX025-2の合成
室温において、化合物WX025-1(400.00 mg, 2.03 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(618.60 mg, 2.44 mmol)、酢酸カリウム(597.72 mg, 6.09 mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(297.09 mg, 406.03 μmol)をジオキサン(20.00 mL)に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を100℃に加熱して15時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(100 mL)を入れ、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物WX025-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.70 (s, 1H), 7.99-7.98 (m, 1H), 7.51 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 1.36 (s, 12H).
【0260】
工程2:化合物WX025-3の合成
室温において、化合物BB-3(300.00 mg, 844.57 μmmol)、化合物WX025-2(309.24 mg, 1.27 mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(123.59 mg, 168.91 μmol)および炭酸カリウム(350.18 mg, 2.53 mmol)をジオキサン(20.00 mL)および水(2.00 mL)混合液に入れ
、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して10時間撹拌しながら反応させた。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、1 希塩酸でpHが5になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/2、体積比)、目的化合物WX025-3を得た。MS-ESI m/z: 393.0 [M+H]
【0261】
工程3:化合物WX025の合成
室温において、水素化ナトリウム(83.08 mg, 2.08 mmol, 純度:60%)の乾燥テトラヒドロフラン(20 mL)混合物に順に一括で化合物WX025-3(180.00 mg, 346.76 μmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)溶液および5-ブロモ-2-クロロピリミジン(67.07 mg, 346.76 μmol)のテトラヒドロフラン(1 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を70℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(50 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取HPLCによって分離し(移動相:アセトニトリル/水、アルカリ性系:NHHCOおよびNH・HO)、目的化合物WX025を得た。MS-ESI m/z: 549.0 [M+H], 551.0 [M+H+2]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.53 (s, 1H), 8.46-8.44 (m, 3H), 8.03 (s, 1H), 7.62 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.62 (s, 1H), 5.64 (s, 1H), 4.78-4.76 (m, 2H), 4.67-4.65 (m, 2H), 3.02-3.00 (m, 2H), 1.65-1.63 ( m, 2H), 0.99 (t,J=7.2 Hz, 3H).
実施例25における合成方法を参照し(工程2におけるのBB-3を断片2に換え)、表5における各実施例を合成した。
【0262】
【表5】
【0263】
各実施例のLCMSとHNMRのデータは表6を参照する。
【0264】
【表6】
【0265】
実施例28:WX028
【0266】
【化78】
【0267】
合成経路:
【0268】
【化79】
【0269】
工程1:化合物WX028-2の合成
室温において、化合物WX028-1(2.00 g, 10.15 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.87 g, 15.23 mmol)および酢酸カリウム(2.99 g, 30.45 mmol)をアセトニトリル(30.00 mL)に入れた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(1.11 g, 1.52 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を60℃に加熱して16時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去した。得られた残留物に水(20 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(80 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレート(溶離剤:石油エーテル)によって分離して目的化合物WX028-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.99 (s, 1H), 7.72-7.69 (m, 1H), 7.69 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.64-7.61 (m, 1H), 6.80 (d, J=1.2 Hz, 1H), 1.39 (s, 12H).
【0270】
工程2:化合物WX028-3の合成
室温において、化合物WX028-2(1.50 g, 6.15 mmol)のメタノール(30.00 mL)溶液に湿潤パラジウム炭素(50.00 mg,純度:10%)を入れ、水素ガス(15 psi)の雰囲気において、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、目的化合物WX028-3を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.32 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.21 (m, 2H), 4.55
(t, J=8.5 Hz, 2H), 3.22 (t, J=8.5 Hz, 2H), 1.34 (s, 12H).
【0271】
工程3:化合物WX028-4の合成
室温において、化合物BB-18(250.00 mg, 613.83 μmol)および化合物WX028-3(226.60 mg, 920.74 μmol)のジオキサン(20.00 mL)溶液に炭酸カリウム(254.51 mg, 1.84 mmol)の水(2.00 mL)溶液および[(ジ(1-アダマンチル)-N-n-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノ-ビフェニル)]パラジウムクロリド(40.00 mg)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を60℃に加熱して16時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、水(15 mL)を入れ、1 希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(60 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物WX028-4を得た。MS-ESI m/z: 447.2 [M+H]
【0272】
工程4:化合物WX028の合成
室温において、水素化ナトリウム(300.00 mg, 7.50 mmol, 純度:60%)の乾燥テトラヒドロフラン(15.00 mL)混合物に順に一括で化合物WX028-4(220.00 mg, 492.70 μmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.50 mL)溶液および5-ブロモ-2-クロロピリミジン(190.61 mg, 985.40 μmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を75℃に加熱して1.5時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(20 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物WX028を得た。MS-ESI m/z: 603.1
[M+H], 605.1 [M+H+2]H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.48 (s, 2H), 8.46 (s, 1H), 7.23 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.69 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 4.74-4.70 (m, 2H), 4.66-4.64 (m, 2H), 4.63-4.59 (m, 2H), 3.49-3.44 (m, 4H), 3.25 (t, J=8.5 Hz, 2H), 1.48-1.44 (m, 4H), 0.34 (s, 4H).
実施例28における合成方法を参照し(工程3におけるのBB-18を断片2に換え)、表7における各実施例を合成した。
【0273】
【表7】
【0274】
各実施例のLCMSとHNMRのデータは表8を参照する。
【0275】
【表8】
【0276】
実施例33:WX033
【0277】
【化80】
【0278】
合成経路:
【0279】
【化81】
【0280】
工程1:化合物WX033-2の合成
【0281】
室温において、化合物WX033-1(2.50 g, 12.69 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.44 g, 25.38 mmol)および酢酸カリウム(3.74 g, 38.07 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20.00 mL)に入れた後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(1.86 g, 2.54 mmol)を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を90℃に加熱して12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、水(100 mL)を入れ、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=30/1~20/1、体積比)、目的化合物WX033-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ:8.14 (s, 1H), 7.79 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.64 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.79 (d, J=1.5 Hz, 1H), 1.39 (s, 12H).
【0282】
工程2:化合物WX033-3の合成
室温において、化合物WX033-2(500.00 mg, 2.05 mmol)をメタノール(30.00 mL)に溶解させた後、湿潤パラジウム炭素(200.00
mg,純度:10%)を入れ、水素ガス(15 psi)の雰囲気において反応混合物を40℃に加熱して48時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、珪藻土でろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去して目的化合物WX033-3を得た。H NMR (400
MHz, CDCl) δ: 7.62 (s, 1H), 7.60-7.50 (m, 1H), 6.78-6.77 (m,1H), 4.60-4.56 (t, J=8.8 Hz, 2H), 3.22-3.17 (t, J=8.8 Hz, 2H), 1.33(s, 12H).
【0283】
工程3:化合物WX033-4の合成
室温において、化合物BB-3(500.00 mg, 703.81 μmmol)、化合物WX033-3(259.82 mg, 粗製品)、炭酸カリウム(291.82 mg, 2.11 mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(103.00 mg, 140.76 μmol)をジオキサン(20.00 mL)および水(2.00 mL)混合液に入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を80℃に加熱して10時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、減圧で溶媒を除去し、得られた残留物に水(100 mL)を入れ、1M希塩酸でpHが5になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物WX033-4を得た。MS-ESI m/z: 395.0 [M+H]
【0284】
工程4:化合物WX033の合成
室温において、水素化ナトリウム(75.43 mg, 1.89 mmol, 純度:60%)の無水テトラヒドロフラン(20.00 mL)混合物に、順に一括で化合物WX033-4(140.00 mg, 314.28 μmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.00 mL)溶液および5-ブロモ-2-クロロピリミジン(121.58 mg, 628.56 μmol)のテトラヒドロフラン(1 mL)溶液を入れ、窒素ガスの保護下で反応混合物を70℃に加熱して2時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50 mL)を入れ、1 M希塩酸でpHが4~5になるように調整し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液から減圧で溶媒を除去し、得られた残留物を分取クロマトグラフィープレートによって分離し(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、体積比)、目的化合物WX033を得た。MS-ESI m/z: 551.1 [M+H], 553.1 [M+H+2]
H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.50 (s, 2H),
8.43 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.01-6.97 (m, 2H), 6.83-6.78 (m, 1H), 5.65 (s, 1H),
4.73-4.71 (m, 2H), 4.65-4.61 (m, 4H), 3.25-3.20 (m, 2H), 2.98-2.93 (m, 2H), 1.60-1.56 (m, 2H), 0.96 (t, J=7.6Hz, 3H).
実施例33における合成方法を参照し(工程3におけるのBB-3を断片2に換え)、表9における各実施例を合成した。
【0285】
【表9】
【0286】
各実施例のLCMSとHNMRのデータは表10を参照する。
【0287】
【表10】
【0288】
実験例1:ヒトET受容体拮抗効果の体外テスト
実験目的:
蛍光検出方法によって化合物のヒトET受容体作動剤で誘導された細胞質Ca2+イオンシグナルの変化に対する作用を測定することによって、化合物のSK-N-MC細胞において内因的発現されるヒトET受容体における拮抗剤活性を評価した。ET受容体拮抗効果の機能活性はEurofins-Cerep SAにおいて現行の標準操作プロトコールによってテストした。
【0289】
実験プラン:
1.細胞を1%FCSdで補充されたDulbecco’s改良Eagle培地溶液(DMEM, Invitrogen)に懸濁させた後、5×10個細胞/ウェルの密度で384ウェルプレートに分配した(100 μL/ウェル)。
【0290】
2.20 mM 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸(Hepes, Invitrogen)(pH7.4)で補充されたHank’s平衡塩溶液(HBSS, Invitrogen)においてプロベネシドと蛍光プローブ(Fluo4 NW, Invitrogen)を混合し、さらに各ウェルに入れた後、37℃
で細胞と60分間平衡化させ、さらに22℃で細胞と15分間平衡化させた。
【0291】
3.測定プレートをマイクロプレートリーダー(CellLux,PerkinElmer)にセットし、被験化合物と陽性対照の適切な濃度のDMSO溶液またはHBSS緩衝液を入れ、5分間後、さらに1 nMエンドセリン-1またはHBSS緩衝液(バックグラウンド対照)を入れた後、遊離細胞質基質のCa2+イオン濃度に比例する蛍光強度の変化値を測定した。
【0292】
4.結果は1 nMエンドセリン-1の対照に相応する百分率の抑制である。
5.標準陽性対照はBQ-123で、各実験においていくつかの濃度で測定し、Prismでデータを分析し、濃度-リスポンスの曲線が得られ、化合物のIC50値を計算した。
【0293】
実験例2:ヒトET受容体拮抗効果の体外テスト
実験目的:
蛍光検出方法によって化合物のヒトET受容体作動剤で誘導された細胞質Ca2+イオンシグナルの変化に対する作用を測定することによって、化合物の形質移入CHO細胞において発現されるヒトET受容体における拮抗剤活性を評価した。ET受容体拮抗効果の機能活性はEurofins-Cerep SAにおいて現行の標準操作プロトコールによってテストした。
【0294】
実験プラン:
1.細胞をDMEM緩衝液(Invitrogen)に懸濁させた後、3×10細胞/ウェルの密度で384ウェルプレートに分配した(100 μL/ウェル)。
【0295】
2.20 mM Hepes(Invitrogen)(pH7.4)で補充されたHBSS緩衝液( Invitrogen)においてプロベネシドと蛍光プローブ(Fluo4 Direct, Invitrogen)を混合し、さらに各ウェルに入れた後、37℃で細胞と60分間平衡化させ、さらに22℃で細胞と15分間平衡化させた。
【0296】
3.測定プレートをマイクロプレートリーダー(CellLux,PerkinElmer)にセットし、被験化合物と陽性対照の適切な濃度のDMSO溶液またはHBSS緩衝液を入れ、5分間後、さらに0.3 nMエンドセリン-1またはHBSS緩衝液(バックグラウンド対照)を入れた後、遊離細胞質基質のCa2+イオン濃度に比例する蛍光強度の変化値を測定した。
【0297】
4.結果は0.3 nMエンドセリン-1の対照に相応する百分率の抑制である。
5.標準陽性対照はBQ-788で、各実験においていくつかの濃度で測定し、Prismでデータを分析し、濃度-リスポンスの曲線が得られ、化合物のIC50値を計算した。
【0298】
【表11】
【0299】
結論:
本発明の化合物はいずれもヒトET受容体に対する非常に高い体外拮抗活性を示し、本発明の化合物はET対ETの選択性がいずれも10000倍超であった。
【0300】
実験例3:ヒトプレグナンX受容体(PXR)試験
実験目的:
PXRによるCYP3A発現に対する化合物の誘導作用を評価した。
【0301】
実験材料と装置:
【0302】
【表12】
【0303】
実験プラン:
1.無菌条件において、DPX2細胞を解凍した。
2.DPX2細胞液を96ウェルプレートに分配し(100μL/ウェル)、プレートを5%CO2/37℃のインキュベーターで一晩置いた。
【0304】
3.37℃の水浴において定量仕込み培地を解凍した。室温において陽性対照であるリファンピシンを解凍した。定量仕込み培地において一連の被験化合物および陽性対照の希釈液を調製した。吸引の過程で細胞に影響しないように、慎重に各ウェルから培地を吸い取って捨てた。100μLの各濃度の被験化合物を標識しておいたウェルに移した。陽性対照群およびブランク群は操作が同様である。プレートをインキュベーターに戻して24時間暴露させた。
【0305】
4.酵素活性テスト:
(1)7μLのルシフェリン(Luciferin)-IPAを7 mLの定量仕込み培地に入れ、上下反転で混合し、ルシフェリン-IPA試薬槽に注いだ。
【0306】
(2)インキュベーターから96ウェルプレートを取り出し、慎重に培地を各ウェルから吸い取った。各ウェルに50μLの上記ルシフェリン-IPA試薬を入れ、細胞プレートをインキュベーターに戻して60分間培養した。
【0307】
(3)インキュベート期間では、P450-Glo緩衝液をルシフェリン検出試薬に入れ、上下反転で均一に混合した。
(4)インキュベーターから96ウェルプレートを取り出し、そして各ウェルの相応する位置が元の細胞プレートと一致するように、各ウェルから40μLの溶液を相応する白
色の96ウェルプレートに移した。
【0308】
(5)P450-Glo(商標)溶液を複製プレートに移した後、10 mLの細胞滴定緩衝液(CTF buffer)を15 mL無菌錐形管に移し、さらに5μLのCellTiter-Fluor(商標)試薬を入れ、上下反転で均一に混合した。
【0309】
(6)マルチチャンネルマイクロピペットで、元の培養細胞の96ウェルプレートに軽く100μLのCellTiter-Fluor(商標)試薬を入れ、さらに細胞プレートをインキュベーターに戻して60分間インキュベートした。
【0310】
(7)複製プレートの各ウェルに40μLのルシフェリン検出試薬/P450-Glo緩衝液を入れ、撹拌し、室温で20分間インキュベートした。
(8)ルシフェリン検出試薬と20分間インキュベートした後、光度計(読み取り時間を1~5秒にした)によって白色96ウェルプレートの各ウェルの蛍光を測定した。比較的に高い増益の設定を使用するべきである。
【0311】
(9)ONE-Glo(商標)ルシフェラーゼ検出緩衝液をONE-Glo(商標)検出試薬に入れ、上下反転で均一に混合した。
(10)37度で60分間インキュベートした後、インキュベーターから元の96ウェルプレートを取り出し、マイクロプレートリーダーを蛍光モードに設定し、そして励起波長を380~400 nmに、発光波長を505 nmにセットし、各ウェルの蛍光強度を測定した。
【0312】
(11)マイクロプレートリーダーから細胞プレートを取り出し、各ウェルに100μLのONE-Glo(商標)検出試薬を入れたプレートを振とうで均一に混合し、室温で5分間インキュベートした。
【0313】
(12)マイクロプレートリーダーを5秒予備振とうおよび5秒読み取りに設定し、各ウェルの蛍光強度を測定した。高い装置増益(感度)の設定を使用するべきである。
5.PXRに対する薬物の活性化効果は誘導倍率(fold induction)で反映し、すなわち、各群の誘導倍率=薬物処理群のルシフェラーゼ活性値/溶媒対照群のルシフェラーゼ活性値で、そしてそれに基づいてそのCYP3A4に対する誘導効果を予測した。
【0314】
標準陽性対照はリファンピシンで、各実験において6つの濃度で測定し、Prismでデータを分析し、濃度-リスポンスの曲線が得られ、化合物のEC50値を計算した。
実験結果:
測定結果を表12に示す。
【0315】
【表13】
【0316】
結論:
本発明の化合物WXはPXRによるCYP3A発現に対する誘導作用が弱く、化合物マシテンタンはPXRによるCYP3A発現に対する誘導作用が強かった。そのため、PX
RによるCYP3A発現に対する誘導作用の特徴付け実験において、WX013はマシテンタンよりも良い。
【0317】
実験例4 ヒト肝臓ミクロソームシトクロムP450のアイソザイム抑制試験
実験目的:
研究項目の目的は、CYPアイソザイムの5イン1プローブ基質で被験品のヒト肝臓ミクロソームシトクロムP450アイソザイム(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4)に対する抑制活性を評価することである。
【0318】
実験プラン:
混合ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)はCorning Inc. (Steuben, New York, USA)から購入され、使用前はいずれも-80℃未満の条件において保存された。希釈された一連の濃度の被験品の使用液をヒト肝臓ミクロソーム、プローブ基質および循環系の補因子を含有するインキュベート系に入れ、被験品を含まずに溶媒を含有する対照を酵素活性対照(100%)とした。プローブ基質からの代謝物のサンプルにおける濃度は、液体クロマトグラフ-タンデム質量分析(LC-MS/MS)法によって測定された。SigmaPlot (V.11)によって被験品の平均百分率活性を濃度に対して非線形回帰分析を行った。3または4パラメーター曲線フィッティング方程式でIC50値を計算した。
【0319】
実験結果:
測定結果を表13に示す。
【0320】
【表14】
【0321】
結論:
本発明の化合物WX005、WX013およびWX025は、CYPの五つの主なアイソザイムのいずれに対する抑制作用も非常に弱く、マシテンタンはは、CYPの四つの主なアイソザイムに対する抑制作用が弱かったが、アイソザイムCYP2C9に対する抑制作用が中等であった。そのため、ヒト肝臓ミクロソームシトクロムP450の5つの主なアイソザイムに対する抑制作用の特徴付け実験において、WX005、WX013およびWX025はいずれもマシテンタンよりも良かった。
【0322】
実験例5:胆汁酸トランスポーター(BSEP)に対する化合物の抑制作用の試験
実験目的:
本実験は、LC/MS/MSで胆汁酸トランスポーター(BSEP)の基質であるタウロコール酸TCAに対する吸収能力を検出する方法によって、被験化合物の胆汁酸トラン
スポーターの輸送過程において抑制作用があるかどうか評価した。
【0323】
実験材料:
【0324】
【表15】
【0325】
溶液の調製:
1.緩衝液A:
50 mM HEPES pH 7.4,100 mM KNO, 10 mM Mg(NO, 50 mMショ糖。
【0326】
2.緩衝液B:
10 mM TRIS pH 7.4,100 mM KNO, 10 mM Mg(NO, 50 mMショ糖。
【0327】
3.ATP緩衝液:
緩衝液Aで調製し、12 mLの緩衝液Aに8.16 mM ATP、4.08 μMタウロコール酸を含有させた。
【0328】
4.AMP緩衝液:
緩衝液Aで調製し、12 mLの緩衝液Aに8.16 mM AMP、4.08 μMタウロコール酸を含有させた。
【0329】
5.BSEP-Hi5-VT Vesicle溶液:
緩衝液AでBSEP-Hi5-VTを5 μg/μL含有する溶液を調製した。
サンプルの用意:
1.化合物をDMSOで100 mMに希釈し、さらに3倍連続希釈で11つの濃度にし、最低濃度は0.169 μMであった。
【0330】
2.陽性対照はグリベンクラミド(Glyburide)の20 mM DMSO溶液で、さらに2倍連続希釈で11つの濃度にし、最低濃度は19.5 μMであった。
実験プラン:
1.ECHOでそれぞれ0.3μLの化合物のDMSO溶液または希釈されたDMSOを化合物プレートの相応するウェルに移した。
【0331】
2.それぞれ14.7μLのATP緩衝液を化合物および0%効果(ZPE)に相応するウェルに入れた。
3.それぞれ14.7μLのAMP緩衝液を100%効果(HPE)に相応するウェルに入れた。
【0332】
4.25℃の条件において、プレートを10分間振とうした。
5.それぞれすべてのウェルにBSEP-Hi5-VT Vesicle溶液を15μL入れ、そして25℃の条件においてさらに40分間振とうした。
【0333】
6.直ちにすべてのウェルに0.5 Mエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)溶液を5μL入れ、さらに緩衝液Bを65μL入れ、全部の反応が完了した。
7.装置で反応終了後の化合物プレートから95μLの液体をろ過プレートに移した。
【0334】
8.ろ過プレートの下に液体受け取りプレートをセットした後、遠心機で液体を除去し、そして受け取りプレートの液体を捨てた。
9.ろ過プレートに緩衝液Bを90μL入れ、ろ過プレートの下に液体受け取りプレートをセットした後、遠心機で液体を除去し、そして受け取りプレートの液体を捨て、ろ過プレートを計3回洗浄した。
【0335】
10.ろ過プレートを一晩自然乾燥した。
11.翌日に、80μLのメタノール/水(80/20、体積比)溶液をろ過プレートに入れた。
【0336】
12.ろ過プレートに膜を貼り付けた後、プレートを15分間振とうした。
13.ろ過プレートの下に新しい液体受け取りプレートをセットし、そして5分間遠心し、ろ過プレートにおけるすべての液体をろ過で受け取りプレートに移した。
【0337】
14.液体受け取りプレートに内部標準溶液を15μL/ウェルで入れ、密封膜でプレートを封じた。
15.LC/MS/MSによって受け取りプレートにおけるタウロコール酸の含有量を検出した。
【0338】
各実験においていくつかの濃度で測定し、Prismでデータを分析し、濃度-リスポンスの曲線が得られ、化合物のIC50値を計算した。
実験結果:
実験結果を表14に示す。
【0339】
【表16】
【0340】
結論:
本発明の化合物WX013は(BSEP)に対する抑制作用が非常に弱かったが、マシテンタンはそれに対する抑制作用が強かった。そのため、WX013は胆汁酸トランスポーターに対する抑制作用がマシテンタンよりも遥かに弱いため、顕著に肝臓毒性が生じるリスクを低下させる。
【0341】
実施例6:化合物のラットにおける薬物動態学の評価
実験目的:
本研究はSD雄ラットを被験動物とし、LC/MS/MS法によって定量的にラットに被験化合物を静脈注射または経口投与した異なる時点の血漿における薬物濃度を測定することにより、ラット体内における被験化合物の薬物動態学の特徴を評価した。
【0342】
実験材料:
スプラーグ-ダウレイ(SD)ラット(雄、200~300g、7~10週齢、北京維通利華または上海SLAC)。
【0343】
実験操作:
被験化合物の清澄溶液を尾静脈からSDラット体内(一晩断食)に注射したか、あるいはSDラット(一晩断食)に経口胃内投与した。静脈注射による投与は0時間(投与前)ならびに投与後0.0833、0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間で頚静脈穿刺によって200μLの血液を採取し、EDTA-K2を入れた抗凝血管(江蘇康健医療用品有限公司)に置き、4℃で、当該抗凝管において混合物を十分にボルテックスで混合した後、13000回/分で10分間遠心して血漿を取った。経口胃内投与は0時間(投与前)ならびに投与後0.5、1、2、4、6、8および24時間で頚静脈穿刺によって200μLの血液を採取し、EDTA-K2を入れた抗凝血管(江蘇康健医療用品有限公司)に置き、当該抗凝管において混合物を十分にボルテックスで混合した後、13000回/分で10分間遠心して血漿を取った。LC-MS/MS法によって血漿における薬物濃度を測定し、WinNonlin(商標) Version 6.3 (Pharsight, Mountain View, CA)薬物動態学ソフトを使用し、非コンパートメントモデルの対数線形台形法で関連薬物動態学的パラメーターを計算した。
【0344】
実験結果:
測定結果を表15に示す。
【0345】
【表17】
【0346】
結論:
本発明の化合物WX001およびWX013はラット体内における血漿クリアランスが低く(<5mL/min/kg)、経口胃内投与の生物利用能が高かった(>70%)。
【0347】
実施例7:ビーグル犬における化合物の薬物動態学の評価
実験目的:
本研究は雄ビーグル犬を被験動物とし、LC/MS/MS法によって定量的にビーグル犬に被験化合物を静脈注射または経口投与した異なる時点の血漿における薬物濃度を測定することにより、被験化合物のビーグル犬体内における薬物動態学の特徴を評価した。
【0348】
実験材料:
ビーグル犬(雄、6~15 kg、6ヶ月以上、北京瑪斯生物技術有限公司)。
実験操作:
被験化合物の清澄溶液を尾静脈からビーグル犬ト体内(一晩断食)に注射したか、あるいはビーグル犬(一晩断食)に経口胃内投与した。静脈注射による投与は0時間(投与前)ならびに投与後0.0833、0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間で末梢血管から約500μLの血液を採取し、EDTA-K2を入れた抗凝血管(江蘇康健医療用品有限公司)に置いた。経口胃内投与は0時間(投与前)ならびに投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間で末梢血管から約500μLの血液を採取し、EDTA-K2を入れた抗凝血管(江蘇康健医療用品有限公司)に置いた。4℃で、抗凝管において混合物を十分にボルテックスで混合した後、13000回/分で10分間遠心して血漿を取った。LC-MS/MS法によって血漿における薬物濃度を測定し、WinNonlin(商標) Version 6.3 (Pharsight, Mountain View, CA)薬物動態学ソフトを使用し、非コンパートメントモデルの対数線形台形法で関連薬物動態学的パラメーターを計算した。
【0349】
実験結果:
測定結果を表16に示す。
【0350】
【表18】
【0351】
結論:
本発明の化合物WX001およびWX013はビーグル犬体内における血漿クリアランスが低く(<5mL/min/kg)、経口胃内投与の生物利用能が高かった(>50%)。