(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】ライナーを有する容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20230316BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B65D81/34 Z
B32B27/00 H
(21)【出願番号】P 2020549653
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(86)【国際出願番号】 US2018042431
(87)【国際公開番号】W WO2019177652
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-11-06
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】タイ,ポウル
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0022529(US,A1)
【文献】特開平08-047993(JP,A)
【文献】特表2011-523382(JP,A)
【文献】特表2005-529764(JP,A)
【文献】特開2012-091809(JP,A)
【文献】米国特許第3104012(US,A)
【文献】特開2001-72042(JP,A)
【文献】実開昭47-1538(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
B32B 27/00
B65D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を加熱するための容器であって、
材料の基層と、
前記基層の内面に取外し可能に取り付けられるライナーであって、該ライナーは、ヒートシール層によって前記基層に少なくとも部分的に取り付けられ、該ライナーは、該容器を加熱した後に前記基層から分離可能である、ライナーと、
ボトムパネルと、
前記ボトムパネルに沿って延在する側壁であって、前記側壁は、前記ボトムパネルから上方かつ外方に延在する下部と、該下部から延在する上部とを有し、前記側壁の前記下部及び前記上部は、中間折り線に沿って折り曲げ可能につながっており、前記下部は、前記ボトムパネルに対して斜めになっており、前記上部は、前記下部に対して斜めになっている、側壁と、
前記側壁から外方に延在するフランジとを備え、
前記側壁は、少なくとも前記ボトムパネルに折り曲げ可能につながっている端部パネルと、前記ボトムパネルに折り曲げ可能につながっているサイドパネルとを含み、
前記端部パネルは、前記側壁の前記下部に沿って前記ボトムパネルから前記中間折り線に延在する第1の下縁部と、前記側壁の前記上部に沿って前記中間折り線から前記フランジに延在する第1の上縁部とを含み、
前記サイドパネルは、前記側壁の前記下部に沿って前記ボトムパネルから前記中間折り線に延在する第2の下縁部と、前記側壁の前記上部に沿って前記中間折り線から前記フランジに延在する第2の上縁部とを含み、
前記第1の下縁部と前記第1の上縁部とは、前記容器の角でそれぞれ前記第2の下縁部と前記第2の上縁部に
当接する、容器。
【請求項2】
前記ライナーは、ポリエチレンテレフタレートを含み、前記ヒートシール層は、ポリエステルを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ヒートシール層は、シール材グレードの透明ポリエステルパッケージフィルムを含む、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記側壁は、前記ボトムパネルの周縁部に沿って前記ボトムパネルから上方に延在する、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記下部は、前記ボトムパネルに対して第1の角度で延在し、前記上部は、前記下部に対して第2の角度で延在し、前記第1の角度及び前記第2の角度のそれぞれは、鈍角である、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記ライナーは、前記ボトムパネル並びに前記側壁の前記下部及び前記上部のそれぞれの少なくとも一部に沿って前記基層に取外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記下部は、前記ボトムパネルの周縁部に沿って延在する、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
ボトムパネルと、該ボトムパネルに沿って延在する側壁とを備える容器を形成する方法であって、
ブランク、ライナー材料、及びヒートシール層を得ることであって、前記ブランクは前記ボトムパネル、前記ボトムパネルに折り曲げ可能につながっている端部パネル、前記ボトムパネルに折り曲げ可能につながっているサイドパネル、前記端部パネルから延在する第1のフランジ部、前記サイドパネルから延在する第2のフランジ部を含み、前記端部パネルは第1の下縁部と第1の上縁部とを含み、前記サイドパネルは第2の下縁部と第2の上縁部とを含んでいる、ブランク、ライナー材料、及びヒートシール層を得ることと、
前記ブランクを初期構成物へと形成することであって、前記初期構成物は、前記端部パネルと前記サイドパネルとを前記ボトムパネルに対して折り曲げて、前記第1の下縁部と前記第1の上縁部とは、前記容器の角でそれぞれ前記第2の下縁部と前記第2の上縁部に
当接し、前記第1のフランジ部と前記第2のフランジ部とによりフランジを形成する、前記ブランクを初期構成物へと形成することと、
前記ヒートシール層を活性化させることと、
前記ライナー材料の少なくとも一部を前記初期構成物の内面に付与し、前記ライナー材料及び前記初期構成物が、それぞれ前記容器のライナー及び基層を形成し、前記ライナーが前記ヒートシール層によって前記基層の前記内面に取外し可能に取り付けられるようにすることであって、前記ライナーは、前記容器を加熱した後に前記基層から分離可能であることと、
を含む、方法であって、
前記側壁は、少なくとも前記端部パネルと前記サイドパネルとを含み、前記フランジは、前記側壁から外方に延在し、前記側壁は、前記ボトムパネルから上方かつ外方に延在する下部と、中間折り線に沿って該下部から延在する上部とを有し、前記下部は、前記ボトムパネルに対して斜めになっており、前記上部は、前記下部に対して斜めになっており、
前記端部パネルの前記第1の下縁部と前記サイドパネルの前記第2の下縁部とのそれぞれは、前記ボトムパネルから前記中間折り線に延在し、前記端部パネルの前記第1の上縁部と前記サイドパネルの第2の上縁部とのそれぞれは、前記中間折り線から前記フランジに延在する、方法。
【請求項9】
前記ヒートシール層を活性化させることは、前記ヒートシール層を110℃~200℃の温度に加熱することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ブランク、前記ライナー材料、及び前記ヒートシール層を得ることは、前記ライナー材料の少なくとも片側に前記ヒートシール層を有するフィルムシートを得ることを含み、前記ヒートシール層を活性化させることは、前記フィルムシートを加熱することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ライナー材料の少なくとも一部を付与することは、前記フィルムシートの少なくとも一部を前記初期構成物の前記内面に向かって動かし、前記活性化したヒートシール層が前記初期構成物の前記内面に係合するようにすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ライナー材料の少なくとも一部を付与することは、前記ボトムパネル、前記側壁の前記下部、及び前記側壁の前記上部の少なくとも一部に沿って、前記活性化したヒートシール層を前記初期構成物の前記内面に係合させることを含み、前記下部は、前記ボトムパネルに対して第1の角度で延在し、前記上部は、前記下部に対して第2の角度で延在し、前記第1の角度及び前記第2の角度のそれぞれは、鈍角である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブランク、前記ライナー材料、及び前記ヒートシール層を得ることは、フィルムシートを得ることであって、前記フィルムシートは、前記ライナーを形成するためにポリエチレンテレフタレートを含み、ヒートシール材料は、前記ヒートシール層を形成するためのシール材グレードの透明ポリエステルパッケージフィルムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記ブランクを前記初期構成物へと形成することは、前記下部が前記ボトムパネルに対して第1の角度で延在するように前記下部を位置決めすることと、前記上部が前記下部に対して第2の角度で延在するように前記下部を位置決めすることを含み、前記第1の角度及び前記第2の角度のそれぞれは、鈍角である、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/649,159号明細書及び2018年3月16日に出願された米国仮特許出願第62/643,914号明細書の利益を主張する。
【0002】
[参照による援用]
2018年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/649,159号明細書及び2018年3月16日に出願された米国仮特許出願第62/643,914号明細書の開示は、引用することにより、全ての目的でその全体が本明細書に提示されているかのように本明細書の一部をなす。
【0003】
本開示は、ブランク、容器、トレイ、構成物、並びにブランクから容器を形成するための種々の形状部及び方法に関する。より具体的には、本開示は、概して、食品を加熱するのに好適な、ライナーを有する容器に関する。
【発明の概要】
【0004】
概して、本開示の1つの態様は、包括的には、食品を加熱するための容器に関する。この容器は、材料の基層と、基層の内面に取外し可能に取り付けられるライナーとを備える。ライナーは、ヒートシール層によって基層に少なくとも部分的に取り付けられ、ライナーは、容器を加熱した後に基層から分離可能である。容器は、ボトムパネルと、ボトムパネルに沿って延在する側壁とを備える。
【0005】
別の態様において、本開示は、包括的には、ボトムパネルと、ボトムパネルに沿って延在する側壁とを備える容器を形成する方法に関する。この方法は、ブランク、ライナー材料、及びヒートシール層を得ることと、ブランクを初期構成物へと形成することと、ヒートシール層を活性化させることと、ライナー材料の少なくとも一部を初期構成物の内面に付与し、ライナー材料及び初期構成物がそれぞれ容器のライナー及び基層を形成し、ライナーがヒートシール層によって基層の内面に取外し可能に取り付けられるようにすることとを含むことができる。ライナーは、容器を加熱した後に基層から分離可能とすることができる。
【0006】
別の態様において、本開示は、包括的には、食品を加熱するための容器に関する。この容器は、材料の基層と、基層の内面に取外し可能に取り付けられるライナーとを備えることができる。ライナーは、容器を加熱した後に基層から分離可能とすることができる。容器は、ボトムパネルと側壁とを更に備えることができる。側壁は、少なくとも、ボトムパネルに折り曲げ可能につながっている端部パネルと、ボトムパネルに折り曲げ可能につながっているサイドパネルとを含むことができる。側壁は、ボトムパネルに沿って延在する下部と、下部から中間折り線に沿って上方に延在する上部とを有することができる。
【0007】
別の態様において、本開示は、包括的には、食品を加熱するための容器を形成するブランクとライナー材料との組合せに関する。ブランクは、ボトムパネルと、ボトムパネルに折り曲げ可能につながっている端部パネルと、ボトムパネルに折り曲げ可能につながっているサイドパネルとを備えることができる。端部パネル及びサイドパネルは、ブランク及びライナー材料から容器が形成されると、ボトムパネルに沿って延在する下部と、下部から中間折り線に沿って上方に延在する上部とを有する側壁を少なくとも部分的に形成するようになっていることができる。ブランクは、容器の基層を形成するようになっていることができる。ライナー材料は、ブランク及びライナー材料から容器が形成されると、基層の内面に取外し可能に取り付けられるライナーを形成するようになっていることができる。ライナーは、ブランク及びライナー材料から形成された容器を加熱した後に、基層から分離可能とすることができる。
【0008】
別の態様において、本開示は、包括的には、容器を形成する方法に関する。この方法は、ボトムパネルと、ボトムパネルに折り曲げ可能につながっている端部パネルと、ボトムパネルに折り曲げ可能につながっているサイドパネルとを備えるブランク、及びライナー材料を得ることを含むことができる。この方法は、ブランクを初期構成物へと形成することと、ライナー材料の少なくとも一部を初期構成物の内面に取り付け、ライナー材料及び初期構成物が容器のそれぞれのライナー及び基層を形成し、ライナーがヒートシール層によって基層の内面に取外し可能に取り付けられるようにすることとを更に含むことができる。ライナーは、容器を加熱した後に基層から分離可能とすることができる。端部パネル及びサイドパネルは、ボトムパネルに沿って延在する下部と、下部から中間折り線に沿って上方に延在する上部とを有する側壁を少なくとも部分的に形成することができる。
【0009】
当業者は、添付図面を参照しながら実施形態の以下の詳細な説明を読むことで、上述した利点及び他の利点、並びに種々の更なる実施形態の利益を理解する。
【0010】
慣例によれば、以下で論じる図面の種々の特徴は、必ずしも縮尺どおりでない。図面における種々の特徴及び要素の寸法は、本開示の実施形態をより明確に例示するために拡大又は縮小されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1の例示的な実施形態に係る容器を形成するのに用いられるブランクの平面図である。
【
図2A】
図1のブランクと本開示の第1の例示的な実施形態に係るライナーとから形成される容器の斜視図である。
【
図2B】
図1のブランクと本開示の第1の例示的な実施形態に係るライナーとから形成される容器の斜視図である。
【
図4】本開示の1つの実施形態の容器を形成する装置の概略図である。
【
図5】本開示の1つの実施形態に係る容器の基層にライナーを付与する概略図である。
【
図6】本開示の第2の例示的な実施形態に係る容器を形成するのに用いられるブランクの平面図である。
【
図7】
図6のブランクと本開示の第2の例示的な実施形態に係るライナーとから形成される容器の斜視図である。
【
図9】本開示の第3の例示的な実施形態に係る容器を形成するのに用いられるブランクの平面図である。
【
図10】
図9のブランクと本開示の第3の例示的な実施形態に係るライナーとから形成される容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
対応する部分は、図面全体を通して対応する参照符号によって示されている。
【0013】
本開示は、包括的には、容器、構成物、トレイ、材料、パッケージ、要素、及び物品、並びにそのような容器、構成物、トレイ、材料、パッケージ、要素、及び物品を作製する方法の種々の態様に関する。いくつかの異なる態様、実施態様、及び実施形態が開示されているが、それらの種々の態様、実施態様、及び実施形態間の多くの相互関係、それらの組合せ、並びに変更が本明細書によって意図される。図示の1つの実施形態では、本開示は、食品又は種々の他の物品を保持する容器又はトレイを成形することに関する。しかし、他の実施形態では、容器又はトレイは、食品ではない他のものを入れる物品を形成するために用いることもできるし、加熱若しくは調理に用いてもよい。
【0014】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る基層7及びライナー9を有する容器5(
図2A及び
図2B)を形成するのに用いられるブランク3を示している。1つの実施形態において、基層は、板紙(例えば、漂白硫酸塩折り畳み箱用板紙(solid bleached sulphate folding boxboard)、又は、リサイクル可能及び/又はオーブン(図示せず)での使用に好適とすることができる他の好適な材料を含み、ライナー9は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)材料、又は他の任意の熱可塑性材料、又は植物油若しくはでん粉ベースのプラスチック等のバイオプラスチック等のプラスチック層を含む。例示的な一実施形態において、ライナー9は、ヒートシール層10(
図3A及び
図3B)によって基層7に少なくとも部分的に取り付けられるPET又は同様の材料を含む。例えば、ヒートシール層10は、バージニア州ホープウェル所在のDuPont Teijin Films U.S. Limited Partnership社から入手可能なMylar(商標)XMPOL12等の熱成形性のシール材グレードの透明ポリエステルパッケージフィルムを含むことができる。代替的に、ヒートシール層10は、任意の好適な熱成形シール材若しくは接着剤、任意の好適な熱若しくは圧力活性型接着剤、又は他の任意の好適な材料とすることができる。容器5は、対流式オーブン若しくは従来型の加熱オーブン又は電子レンジ等のオーブン(図示せず)内で食品(図示せず)を加熱するのに好適である。図示の実施形態では、ライナー9は、基層7に少なくとも部分的に取り付けられ、加熱中に食品に接触する。食品の加熱後、基層7及びライナー9は、基層7及びライナー9の双方を別個にリサイクル可能なように分離することができる。2011年2月11日に出願された米国特許出願第12/992,131号明細書に対応する、2011年10月27日に公開された米国特許出願公開第2011/0259784号明細書、及び2009年5月13日に出願された国際出願PCT/GB/2009/50506号は、全ての目的で引用することにより本明細書の一部をなす。
【0015】
ブランク3は、限定はしないが、板紙、ボール紙、紙、又はポリマーシート等の単層の材料から形成することができるが、代替的に、ブランクは、2つ以上の層を含む積層から形成することができる。1つの実施形態において、ブランク3は、ジョージア州アトランタ所在のGraphic Packaging International社から入手可能なMicroRite(商標)容器に一般的であるようなマイクロ波相互作用層(図示せず)を含むことができる。マイクロ波相互作用層は、箔、マイクロ波シールド、又は、電子レンジ内でマイクロ波エネルギーを遮蔽する及び/又は加熱を生じるのに好適な材料層を指す任意の他の項目若しくは要素を一般的に指すことができるか、又はそれらを要素のうちの1つとして有することができる。
【0016】
図1に示されているように、ブランク3は、縦方向L1及び横方向L2を有する。図示の実施形態では、ブランク3は、ボトムパネル11と、横折り線15においてボトムパネルに折り曲げ可能につながっている第1の端部パネル13と、横折り線19においてボトムパネルに折り曲げ可能につながっている第2の端部パネル17と、縦折り線23においてボトムパネル11に折り曲げ可能につながっている第1のサイドパネル21と、縦折り線27においてボトムパネルに折り曲げ可能につながっている第2のサイドパネル25とを有する。1つの実施形態において、ブランク3は、ボトムパネル11の周縁部の周りに延在する4つのパネル(2つの端部パネル13、17及び2つのサイドパネル21、25)を有し、したがって、4つの折り線15、19、23、27は、ボトムパネル11の矩形の周縁部を形成する。
【0017】
図1に示されているように、第1の端部パネル13は、横折り線29に沿って上部13bに折り曲げ可能につながっている下部13aを有し、第2の端部パネル17は、横折り線31に沿って上部17bに折り曲げ可能につながっている下部17aを有し、第1のサイドパネル21は、横折り線33に沿って上部21bに折り曲げ可能につながっている下部21aを有し、第2のサイドパネル25は、横折り線35に沿って上部25bに折り曲げ可能につながっている下部25aを有する。図示の実施形態では、それぞれのパネル13、17、21、25の下部13a、17a、21a、25aは、それぞれの折り線15、19、23、27に沿ってボトムパネル11に折り曲げ可能につながっている。1つの実施形態では、それぞれの端部パネル13、17の下部13a、17aのそれぞれは、2つの斜め下縁部37aを有し、それぞれの端部パネル13、17の上部13b、17bのそれぞれは、2つの斜め上縁部37bを有する。同様に、それぞれのサイドパネル21、25の下部21a、25aのそれぞれは、2つの斜め下縁部39aを有し、それぞれのサイドパネル21、25の上部21b、25bのそれぞれは、2つの斜め上縁部39bを有する。図示の実施形態では、ブランク3の各角部において、それぞれの端部パネル13、17及びサイドパネル21、25の隣り合う斜め下縁部37a、39aは、互いに対して第1の角度A1で延在し、それぞれの端部パネル13、17及びサイドパネル21、25の隣り合う斜め上縁部37b、39bは、互いに対して第2の角度A2で延在する。1つの実施形態において、角度A1は、角度A2よりも小さくすることができる。例示的な一実施形態において、第1の角度A1は、およそ25度とすることができ、第2の角度A2は、およそ70度又は80度とすることができる。代替的に、角度A1、A2は、本開示から逸脱することなく任意の好適な角度とすることができる。
【0018】
図示の実施形態では、端部パネル13、17及びサイドパネル21、25のそれぞれは、それぞれのパネルにおいて延在するそれぞれの折り線61、63、65、67によって少なくとも部分的に画定されるそれぞれのフランジ部分45、47、49、51を有する。1つの実施形態において、隣り合うフランジ部分45、47、49、51は、ブランク3が容器5へと形成されると、少なくとも部分的に重なるように構成される。ブランク3は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。更に、本開示から逸脱することなく、ボトムパネル11、端部パネル13、17、サイドパネル21、25、及び/又はフランジ部分45、47、49、51のうちの任意のものを省いてもよく、又は、別様な形状、配置、位置、及び/又は構成としてもよい。例えば、ブランク3は、任意の好適な数のパネル、及びボトムパネル11の周りの周縁部の任意の好適な形状を有することができる。
【0019】
図2A及び
図2Bに示されているように、容器5は、端部パネル13、17及びサイドパネル21、23をそれぞれの折り線15、19、23、27に沿って上方に折り曲げ、ボトムパネル11の周縁部の周りに延在する側壁77を形成することによって、ブランク3から形成することができる。1つの実施形態において、側壁77は、容器5の周縁部の周りにボトムパネル11から上方かつ外方に斜めに延在する。
図2A及び
図2Bに示されているように、それぞれのパネル13、17、21、25の下部13a、17a、21a、25aは、側壁77の下部77aを形成し、それぞれのパネル13、17、21、25の上部13b、17b、21b、25bは、側壁77の上部77bを形成する。折り線29、31、33、35は、協働して、側壁77の周りに延在する中間折り線99を少なくとも部分的に形成することができる。図示の実施形態では、端部パネル13、17及びサイドパネル21、23が上方に折り曲げられて側壁77を形成する際、隣り合う斜め下縁部37a、39a及び斜め上縁部37b、39bが、容器5の各角部90において、(例えば、係合する、当接する、少なくとも部分的に接触する、及び/又は僅かに離隔するように)互いに近づけられる。
図1、
図2A、及び
図2Bに示されているように、角度A1が角度A2とは異なる(例えば、より小さい)ため、側壁77の下部77a及び上部77bは、ボトムパネル11に対して異なる角度で延在する(
図3A)。例えば、
図3Aに示されているように、下部77aは、鈍角(例えば、90度よりも大きく180度よりも小さい)の角度A3でボトムパネル11から外方かつ上方に延在することができ、上部77bは、鈍角A4で下部77aから(例えば、下部77aよりも鉛直方向に近く又は鉛直方向で)上方に延在する。例示的な一実施形態において、ボトムパネル11から下部77aへの移行部及び下部77aから上部77bへの移行部は、90度よりも大きい角度とすることができ、これは、ライナー9と基部7との間の接触を増大させる(例えば、ライナー9の基部7に係合する表面積を増大させる)のに役立つことができる。
【0020】
図示の実施形態では、フランジ部分45、47、49、51は、それぞれの折り線61、63、65、67に沿って折り曲げられ、それぞれの端部パネル13、17及びサイドパネル21、25から外方に延在し、ボトムパネル11に対して概ね平行になる。
図2A及び
図2Bに示されているように、フランジ部分45、47、49、51は、容器5の周縁部の周りで側壁77から外方に延在するフランジ8を形成する。1つの実施形態において、側壁77は、ボトムパネル11の略全周にわたって延在することができ、フランジ8は、側壁77の略全周にわたって延在することができる。
図2A及び
図2Bに示されているように、側壁77及びボトムパネル11は、容器5の内部79を画定し、内部79に沿って延在する内面92を有する。本開示から逸脱することなく、フランジ8、側壁77、及び/又はボトムパネル11を省いてもよく、又は、別様な形状、配置、位置、及び/又は構成としてもよい。また、容器5は、本開示から逸脱することなく、フランジ8及び/又は容器の他の部分を補強することができる1つ以上の射出成形形状部を有することができる。
【0021】
図示の実施形態では、容器5は、ブランク3から形成される基層7の内面81に取り付けられるライナー9を更に備える。
図3A及び
図3Bに示されているように、ライナー9は、ヒートシール層10によって基層7に取り付けることができる(例えば、PETライナーの場合)。代替的に、ヒートシール層10は、本開示から逸脱することなく、基層7に取り付けることができる。代替的に、ヒートシール層10は、省くことができる(例えば、ポリエチレンライナーの場合)。ライナー9は、ボトムパネル11、側壁77、及びフランジ8の上に延在することができる。1つの実施形態において、
図2A、
図2B、及び
図3Aに示されているように、ライナー9は、フランジ8を越えて(例えば、ライナー9の縁部84がフランジ8の縁部86から外方に離隔するように)延在することができる。
図2A、
図2B、及び
図3Aに示されているように、ライナー9の縁部84は、容器5の外周縁部の周りに延在することができる。代替的に、ライナー9の縁部84は、(例えば、フランジ8の縁部86が容器5の周縁部の周りに延在するように)フランジ8の縁部86と位置合わせすることができ、及び/又は縁部86から内方に離隔することができる。図示の実施形態では、ライナー9は、ボトムパネル11、端部パネル13、17、サイドパネル21、25、及びフランジ部分45、47、49、51のそれぞれの少なくとも一部に取り付けることができる。1つの実施形態において、ライナー9は、基層7を側壁77及び容器5全体の形状において少なくとも部分的に保持することができる(例えば、端部パネル13、17及びサイドパネル21、25が互いに分離することを防ぐのに役立つことができる)。
図3A及び
図3Bに示されているように、ライナー9及びヒートシール層10の厚さは、容器5のライナー9及びヒートシール層10の構成を示すために誇張されている。ライナー9、ヒートシール層10、及び/又は基層7を含む容器5は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、位置、及び/又は構成とすることができる。
【0022】
図4は、ブランク3から形成される基層7と、基層7に取り付けられる内層9とを有する容器5を形成するシステム101及び方法の1つの実施形態を示している。
図4に示されているように、上記システムは、コンベヤ103によって容器形成機構120に運ばれるブランク3のスタック110を含む。1つの実施形態において、容器形成機構120は、ブランク3を折り曲げ及び/又はプレス形成して容器5にすることができる任意の好適な機構又は成形工具とすることができる。この成形工具は、2013年9月17日に発行された米国特許第8,534,460号明細書に開示されているような従来の成形工具と同様であり、同様の特徴及び/又は構成要素を有することができる。上記米国特許の内容全体は、全ての目的で引用することにより本明細書の一部をなす。また、成形工具は、2014年8月12日に発行された米国特許第8,801,995号明細書に開示されている成形工具又は他の任意の好適な成形工具アセンブリ等の同様の特徴及び構成要素を有することができる。上記米国特許の内容全体は、全ての目的で引用することにより本明細書の一部をなす。機構120は、端部パネル13、17及びサイドパネル21、25をボトムパネル11に対して折り曲げ、基層7のみを有するライナーなしの初期構成物130を形成する。初期構成物130は、コンベヤ105によって下側ダイ140に供給することができ、PETプラスチックフィルムシート150を、供給ローラー151から初期構成物130の上に供給することができる。1つの例示的な実施形態において、フィルムシート150は、およそ30ミクロン~150ミクロンの厚さを有する。1つの例示的な実施形態において、フィルムシート150は、およそ50ミクロンの厚さを有するPETフィルムとすることができる。代替的に、フィルムシート150は、任意の好適な厚さを有することができる。図示の実施形態では、複数のライナー9は、フィルムシート150から形成する(例えば、切り出す)ことができる。
【0023】
図示の実施形態では、シート150のロールは、事前に付与されたヒートシール層10と共に供給することができ、シート150は、ヒートシール層10が、初期構成物130に面するシート150の下面にあるように、供給ローラー151から繰り出すことができる。別の実施形態において、ヒートシール層10は、(例えば、スプレーアプリケーター又はローラー(図示せず)によって)供給ローラー151から繰り出された後のシート150に付与することができる。代替的に、ヒートシール層10は、省いてもよく(例えば、ポリエチレン又は他の好適な材料のシート150の場合)、又は、ヒートシール層は、ブランク3に対するコーティングとして事前に付与してもよい。
【0024】
1つの実施形態において、フィルムシート150は、容器5を形成する際にシート150の残りの部分からライナー9を分離するのに役立つミシン目又は他の特徴(図示せず)を有することができる。上側ダイ160は、PTFEコーティング、例えばTeflon(商標)コーティングを有するヒータープレート表面164を有する。代替的に、ヒータープレート表面164は、任意の好適な材料のコーティングを有することができ、又はコーティングを省いてもよい。
図4に概略的に示されているように、上側ダイ160は、シート150に真空及び/又は空気圧を印加するために、ヒータープレート表面164に複数の穴又はダクト162を有することができる。ダクト162は、およそ0.2ミリメートルの断面寸法(例えば、直径)をそれぞれ有することができ、ヒータープレート表面164上でクラスターとしてグループ化することができる(例えば、3つのダクト164のクラスター)。これらのクラスターは、ヒータープレート上で離隔することができる。別の実施形態において、ダクト162は、互いに均等に離隔することができ、及び/又はおよそ1ミリメートルの断面寸法を有することができる。ダクト162のこれらの例示的な形態は、熱及び空気圧/真空をシート150及びヒートシール層10に適切に(例えば、均一に)印加し、シート150及びヒートシール層10を初期構成物140に形成し、シート150及びヒートシール層10を初期構成物140に接着するのに役立つことができる。ダクト162及び/又はヒータープレート164を備える下側ダイ140及び/又は上側ダイ160は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、位置、及び/又は構成とすることができる。例えば、ヒータープレート164を省いてもよく、シート150に熱を代替的に(例えば、高温空気流によって)印加することができる。
【0025】
図示の実施形態では、下側ダイ140は、ライナー9が基層に付与される際、構成物130を組立て形状(
図4及び
図5に概略的に示されている)で保持することができ、空気式ラム142によって、上側ダイ160に向かって矢印Bの方向に上昇することができ、初期真空がダクト162に印加されると、ヒートシール層10を伴うフィルムシート150が上側ダイ160に向かって引っ張られる。図示の実施形態では、上側ダイ160は、好適な温度(例えば、およそ110℃~200℃又は他の任意の好適な温度)に加熱され、それにより、フィルムシート150及びヒートシール層10が軟化し、初期真空の影響によってドーム形状(図示せず)になる。1つの実施形態において、フィルムは、凹状のヒータープレート表面164に少なくとも部分的に合致して、ドーム形状を形成することができる。初期真空の代わりに又は初期真空に加えて、同様の又は等しい効果を有するフィルムシート150下の空気圧を使用することができる。
【0026】
図示の実施形態では、フィルムシート150及びヒートシール層10がドーム状になる際、ヒートシール層10は、シート150を初期構成物130に取り付ける又は接合する又は接着するために活性化される(例えば、粘着性を持つように温度が増大する)。したがって、フィルムシート150は、粘着性のヒートシール層10が間にある状態で、初期構成物130の凹部79の内面81に押し付けることができる。1つの実施形態において、シート150は、ダクト162にここで印加されている空気圧によって、及び/又はフィルムシート150の底部側から印加される更なる真空によって下方に付勢することができる。例えば、真空は、下側ダイ140を介して初期構成物130を通して印加することができ、それにより、シート150及びヒートシール層10を付与する間、下側ダイ140のキャビティ内に初期構成物130を保持するのに役立つことができる。1つの実施形態において、折り線15、19、23、27、29、31、33、35のうちの少なくともいくつかは、ブランク3における離隔した切れ目(例えば、切れ目-折り目型の折り線)によって少なくとも部分的に形成することができ、真空は、折り線15、19、23、27、29、31、33、35の切れ目を通してシート150に印加することができる。代替的に、真空圧が初期構成物130を通るように、他の孔(図示せず)を初期構成物130に設けてもよい。
【0027】
1つの実施形態において、空気圧及び/又は真空により、フィルムシート150のドーム形状が反転し、このときに粘着性かつ伸縮性であるヒートシール層10が、下側ダイ140上に支持された初期構成物130の内面81に滑らかに接着することができる。1つの実施形態において、ヒートシール層10の粘着性により、フィルムシート150のライナー9を形成する部分を基層7に接着させることができる。PTFEコート面164は、フィルムシート150が面164に接触しても、フィルムシート150のライナー材料部分(例えば、ライナー9)が解放されるために役立つことができる。ヒートシール層10が省かれた一実施形態において(例えば、ポリエチレンライナー材料の場合)、ライナー材料自体が、上側ダイ160による加熱に起因して粘着性を得ることができ、ライナー材料の粘着性により、ライナー材料を初期構成物130の内面81に接着することができる。図示の実施形態では、フィルムシート150の過剰な又は余分な部分は、容器5(ここでは、
図3Bに示されているように、ヒートシール層10が間にある状態で、構成物130から形成された基層7と、フィルムシート150から形成されたライナー9とを含む)の縁部から(例えば、切断装置(図示せず)によって)切断され、トレイサイズの孔を有するフィルムの不使用部分152を残す。1つの実施形態において、フィルムの不使用部分152は、フィルム150から内層9が除去されることで形成された孔の周りにそのまま残された辺縁部分を有し、フィルムの不使用部分152は、続いて巻取りリール153に至ることができるようになっている。代替的に又は更に、フィルムシート150は、犠牲キャリア層(図示せず)を有することができ、ライナー材料は、基層7に取り付けられると、そのキャリアシートから分離する。別の代替形態において、フィルムの不使用部分152は、例えば空気圧及び/又は真空圧によって除去される切れ端の形態であり得る。
【0028】
図示の実施形態では、下側ダイ140は、ラム142の方向を逆転させることによって下降し、ラム142が下降する際、下側ダイ140から容器5を取り出すために、製品支持プレート144により、支持している下側ダイ140からライナー付き容器5を押し出すことができる。1つの実施形態において、製品支持プレート144は、上方延長部146を有することができ、上方延長部146は、下側ダイ140を通って延在し、製品支持プレート144及び下側ダイ140の互いに対する相対移動に起因して、容器5の底部に係合する。図示の実施形態では、上方延長部146は、容器5を下側ダイ140に対して位置決めすることができ、プッシャーロッド、空気噴出、又は他の好適な機構によって、容器5を下流のコンベヤ107に押すことができるようになっている。その後、ライナー付き容器5は、コンベヤ107による包装及び/又は更なる処理に向けて搬送することができる。
【0029】
1つの実施形態において、上述のプロセスは、ライナー付き容器5の実質的に連続的な製造を可能にするように繰り返すことができる。上述のプロセスは、様々な製品において異なる材料を用いて使用することができるため、フィルムを加熱するステップを繰り返すことが必要となる場合があり、また、空気圧、真空、及び/又は別の好適な機構によって、フィルムをトレイに対して更に押し付けることが必要となる場合がある。特に、ライナーフィルムのより厚いシートが内層9に用いられ、様々な厚さの板紙又は他の材料が基層7に用いられる場合、フィルム9を基層7のトレイに効果的に接着するために、加熱して押し付けるステップを1回以上繰り返すことが必要となる場合がある。
【0030】
本明細書に記載のシステム101及び方法は、他の特徴、ステップを含むことができ、及び/又は、本明細書に記載の特徴及びステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、省いても変更してもよい。例えば、ヒータープレート164の代わりに又はヒータープレート164に加えて、フィルムシート150に任意の好適な方法で(例えば、高温空気流によって)熱を加えることができる。別の例において、フィルムシート150は、フィルムシート150の残りの部分を軟化及び/又は変形させることなく、ヒートシール層10を活性化(例えば、軟化)するように加熱することができる。
【0031】
図示の実施形態では、初期構成物130の形状は、ライナー9と基層7を伴うヒートシール層10との間の接触を増大させるのに役立つことができる。例えば、ボトムパネル11と側壁77の下部77aとの間及び側壁77の下部77aと上部77bとの間の角度は、90度よりも大きくすることができるため、初期構成物130の急な角部を少なくすることができる。例示的な一実施形態において、シート150をより急な角部(例えば、約90度以下の角部)に押し込むことは困難であり得る。したがって、側壁77の形状は、初期構成物130の角部の全て又は実質的に全てにおける場合を含め、ライナー9全体又は実質的にライナー9全体を、基層7に接触及び接着するのに役立つことができる。
【0032】
上述した製造プロセスは、容易にリサイクル可能な材料(例えば、板紙又はボール紙及び熱可塑性材料)から主に作製される容易にシール可能なトレイを製造する。必要な場合、ライナー及び基層が、使用後の基層及びライナーの選択的な分離を可能にしながら、容器に保持されている物品の加熱前、加熱中、及び/又は加熱後に取り付けられたままとなるのに十分な接着力を与えるように、基層7とライナー9との間の接着の度合いが制御可能であるため、板紙の基層は、(例えば、電子レンジ及び/又は従来型オーブンにおける加熱中に食品を保持する容器の使用後に)熱可塑性フィルムライナーから容易に取り外すことができる。上述したパラメーターを用いると、1つの例示的な実施形態において、内層9のフィルムに貼り付いた状態で残るのは基層7の材料の厚さの5%以下にしながら基層7及びライナー9が剥離するように、容器内の食品の加熱後に容器5の基層7及びライナー9が分離可能であることがわかった。分離された基層7の板紙及び内層9の熱可塑性フィルムは、板紙による内層9の材料の汚染を最小限にしながら別個の廃棄の流れ(例えば、1つは紙製品用及び1つはポリマー用)においてより容易にリサイクルすることができる。
【0033】
フィルムシート150及びヒートシール層10を初期構成物130に付与する前に加熱するためにヒータープレート164を使用することにより、フィルムシート150及びヒートシール層10の温度、ひいては初期構成物130の接着強度の制御をもたらすことが有利である。ヒータープレート164の使用は、選択加熱も可能にし、したがって、例えば、フィルムシート150及びヒートシール層10は、容器5のフランジ領域8においてより高温に加熱することができ、それにより、更に、フィルムシート150から形成されたライナー9が、容器5の残りの部分よりもフランジ8に強く接着し、フランジの領域においてライナー9に付与された更なるトレイシール用のフィルムが、容器5に対してより確実に固定されるようになる。1つの実施形態において、容器5に射出成形形状部は用いられず、より薄いプラスチックフィルムを使用することができるため、トレイのリサイクル不能な材料分を低減することができる。
【0034】
PETプラスチックフィルム150を上述したが、他のプラスチックフィルムを使用することができ、例えば、他のポリエステル系ポリマーを使用することができることが理解されよう。また、ポリエチレンフィルムを使用することができ、加熱されない食品パッケージ(例えば、サンドイッチパック)に好ましい。本開示は、1つの実施形態において、リサイクル可能な外層7に接合されたプラスチックの食品接触内層9の複合構成を有する食品パッケージであって、内層及び外層は、使用後に分離可能であり、分離後に内層に残るのは外層の厚さの5%以下になっている、食品パッケージを提供することがわかる。
【0035】
1つの実施形態において、蓋(図示せず)は、トレイ内に収容された食品を保存及び保護するのに用いられる薄いプラスチック層であるパッケージフィルムを含むことができ、容器5のフランジ8に取外し可能に取り付けることができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、及びエチレンビニルアルコール、又は他の好適な材料等の任意のプラスチックフィルムを、フランジ8のシール面に対してシールされる蓋を形成するのに用いることができる。更に、本開示から逸脱することなく、蓋とフランジ8のシール面との間に接着剤を用いることができる。
【0036】
図6は、本開示の第2の実施形態の容器205(
図7)を形成するブランク203の平面図である。第2の実施形態は、言及される変形及び当業者には理解される変形を除いて、第1の実施形態と概ね同様である。したがって、実施形態の同様又は同一の特徴には、同様又は類似の参照符号が付されている。
図6に示されているように、ブランク203は、ブランク203が、それぞれの斜め折り線252、254、256、258においてボトムパネル11にそれぞれ折り曲げ可能につながっているコーナーパネル251、253、255、257を有することを除いて、第1の実施形態のブランク3と同様である。
図6に示されているように、コーナーパネル251、253、255、257は、それぞれの隣り合う端部パネル13、17とサイドパネル21、25との間に配置される。1つの実施形態において、ブランク203は、8つの折り線15、17、23、27、252、254、256、258がボトムパネル11の八角形の周縁部を形成するように、ボトムパネル11の周縁部の周りに延在する8つのパネル(2つの端部パネル13、17、2つのサイドパネル21、25、及び4つのコーナーパネル251、253、255、257)を有する。
図6に示されているように、折り線15、17、23、27、252、254、256、258のそれぞれは、それぞれ隣接する折り線に対して斜めになっていることができ、それぞれ隣接する折り線のそれぞれに対して鈍角を形成することができる。
【0037】
図6に示されているように、コーナーパネル251、253、255、257のそれぞれは、それぞれの中間折り線269、270、271、272を有することができ、それにより、コーナーパネルのそれぞれが、それぞれの折り線269、270、271、272に沿ってそれぞれの上部251b、253b、255b、257bに折り曲げ可能につながっている下部251a、253a、255a、257aを有する。したがって、1つの実施形態において、コーナーパネル251、253、255、257の下部251a、253a、255a、257aは、端部パネル13、17の下部13a、17a及びサイドパネル21、25の下部21a、25aと協働して、側壁277の下部277aを形成することができ、コーナーパネル251、253、255、257の上部251b、253b、255b、257bは、端部パネル13、15の上部13b、17b及びサイドパネル21、25の上部21b、25bと協働して、側壁277の上部277bを形成することができる(
図7)。図示の実施形態では、フランジ部分273、274、275、276が、それぞれの折り線278、280、282、283に沿ってそれぞれのコーナーパネル251、253、255、257に折り曲げ可能につながっていることができ、フランジ部分45、47、49、51と協働してフランジ208を形成することができる。1つの実施形態において、ブランク203は、図示の及び引用することにより本明細書の一部をなす2017年7月20日に出願された米国特許出願第15/654,814号明細書に記載の第2の実施形態のブランクと同様とすることができる。ブランク203は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。
【0038】
図示の実施形態では、容器205は、第1の実施形態に関して上述したのと同様又は同一の方法で、ブランク203及び(例えば、フィルムシート150の)ライナー材料から形成することができる。したがって、容器205は、ブランク203から形成される基層207と、フィルムシート150から形成されるライナー209とを備えることができる。1つの実施形態において、ライナー209は、上述した第1の実施形態と同様に、ヒートシール層210(
図8)によって基層207に取り付けることができる。
図7に示されているように、コーナーフランジ部分273、274、275、276のそれぞれは、端部パネル及びサイドパネルのそれぞれ隣り合うフランジ部分の一部に重なり、フランジ208を形成することができる。
【0039】
図7に示されているように、横折り線229、231、縦折り線233、235、及び斜め折り線269、270、271、272は、協働して、側壁277の周りに延在する中間折り線299を形成することができる。更に、側壁277の下部277a及び上部277bは、中間折り線299からそれぞれ延在することができ、側壁277の下部及び上部は、互いに対して斜めになっている。1つの実施形態において、側壁277の上部及び下部は、協働して鈍角を形成することができ、側壁277の下部277aは、ボトムパネル11に対して鈍角を形成することができる。側壁277における鈍角は、基層207がライナー209とより完全に合致するようにすることができ、それにより、(例えば、容器205のパネル間の移行部において)基層207及びライナー209の表面間の接触を増大させることができる。
【0040】
1つの実施形態において、隣り合う端部パネル13、17とサイドパネル21、25との間に斜めに延在するコーナーパネル251、253、255、257を有する容器205は、概して、パネル間に鈍角のみを有し、直交角度を有しない。これにより、ライナー9を形成するライナー材料が、基層のより多くの表面積に接触することを可能にするのに役立ち得る(例えば、直角又は鋭角を有する基層と比べた場合。その場合、ライナー材料がそのような角部内に延在することはより困難であり得る)。したがって、側壁277の八角形状は、ライナー9が容器の基層の全面又は略全面に接着するのに役立ち得る。1つの実施形態において、側壁277の八角形状は、4つの直交辺を有する容器よりも丸い又は円形の側壁により一層近似することができる。容器205は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。
【0041】
図9は、本開示の第3の実施形態の容器305(
図10)を形成するブランク303の平面図である。第3の実施形態は、言及される変形及び当業者には理解される変形を除いて、先行の実施形態と概ね同様である。したがって、実施形態の同様又は同一の特徴には、同様又は類似の参照符号が付されている。
図9に示されているように、ブランク303は、ブランク303が、容器305(
図10)において2つのそれぞれの区画306a、306bを形成する2つのセクション304a、304bを有することを除いて、第1の実施形態の
図1のブランク3と同様である。1つの実施形態において、セクション304a、304bのそれぞれは、第1の実施形態のブランク3と同様である。第1のセクション304aは、それぞれの折り線315、319に沿って端部パネル313、317に折り曲げ可能につながっており、それぞれの折り線323、327に沿ってサイドパネル321、325に折り曲げ可能につながっているボトムパネル311を有する。端部パネル313、317のそれぞれは、それぞれの折り線329、331に沿ってそれぞれの上部313b、317bに折り曲げ可能につながっている下部313a、317aを有することができ、サイドパネル321、325のそれぞれは、それぞれの折り線333、335に沿ってそれぞれの上部321b、325bに折り曲げ可能につながっている下部321a、325aを備えることができる。フランジ部分345、347、351は、第1のセクション304aにおいてそれぞれの折り線361、363、367に沿ってそれぞれのパネル313、317、325に折り曲げ可能につながっている。第1のセクションは、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。
【0042】
図9に示されているように、第2のセクション304bは、それぞれの折り線316、320に沿って端部パネル314、318に折り曲げ可能につながっており、それぞれの折り線324、328に沿ってサイドパネル322、326に折り曲げ可能につながっているボトムパネル312を有して、第1のセクション304aと同様に構成することができる。端部パネル314、318のそれぞれは、それぞれの折り線330、332に沿ってそれぞれの上部314b、318bに折り曲げ可能につながっている下部314a、318aを有することができ、サイドパネル322、326のそれぞれは、それぞれの折り線334、336に沿ってそれぞれの上部322b、326bに折り曲げ可能につながっている下部322a、326aを備えることができる。フランジ部分346、348、352は、第2のセクション304bにおいてそれぞれの折り線362、364、368に沿ってそれぞれのパネル314、318、326に折り曲げ可能につながっている。第2のセクションは、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。
【0043】
図示の実施形態では、第1のセクション304a及び第2のセクション304bは、それぞれの折り線365、366に沿って第1のセクション304aのサイドパネル321及び第2のセクション304bのサイドパネル322に折り曲げ可能につながっている共通の中央フランジ部分349によってつながることができる。
図9に示されているように、フランジ部分345、346、347、348は、フランジ308が形成されるとフランジ部分345、346及び347、348が重なる部分に正方形の内側端部を有することができる(
図10)。1つの実施形態において、ブランク303の8つの角部のそれぞれにおいて隣り合う下縁部37a、39aは、互いに角度A1で延在することができ、上縁部37b、39bのそれぞれは、それぞれの折り線361、362、363、364、365、366、367、368に対して角度A5で延在することができる。1つの例において、角度A1は、およそ25度とすることができ、角度A5は、およそ80度とすることができる(また、隣り合う上縁部37b、39bは、互いに対しておよそ70度の角度で延在することができる)。ブランク303は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。例えば、セクション304a、304bは、異なるパネル(例えば、端部パネル)においてつながることができ、及び/又は、中央フランジ部分349は、つながれるパネルが折り線に沿ってつながるように、省いてもよい。
【0044】
図示の実施形態では、容器305(例えば、2区画容器)は、第1の実施形態に関して上述したものと同様又は同一の方法で、ブランク303及び(例えば、フィルムシート150の)ライナー材料から形成することができる。したがって、容器305は、ブランク303から形成される基層307と、フィルムシート150から形成されるライナー309とを備えることができる。1つの実施形態において、ライナー309は、上述したように、ヒートシール層310(
図11)によって基層307に取り付けることができる。
図10に示されているように、ブランク303の各セクション304a、304bは、容器305のそれぞれの区画306a、306bへと形成され、第1のセクション304aの端部パネル313、317及びサイドパネル321、325は、ボトムパネル311に対して折り曲げられ、第1の区画306aの第1の側壁377を形成し、第2のセクション304bの端部パネル314、318及びサイドパネル322、326は、ボトムパネル312に対して折り曲げられ、第2の区画306bの第2の側壁378を形成する。
図10に示されているように、側壁377、378は、フランジ部分345、346、347、348、352、352と協働して容器305のフランジ308を形成する中央フランジ部分349につながっている、区画306a、306b間に延在するそれぞれのサイドパネル321、322を含むことができる。1つの実施形態において、サイドパネル321、322及び中央フランジ部分349は、容器305を区画306a、306bに少なくとも部分的に分割する仕切り壁398を形成することができる。図示の実施形態では、側壁377は、ボトムパネル311の周縁部に沿って延在することができ、側壁377及びボトムパネル311は、第1の区画306aの内部379に沿って延在することができる。同様に、側壁378は、ボトムパネル312の周縁部に沿って延在することができ、側壁378及びボトムパネル312は、第2の区画306bの内部380に沿って延在することができる。
図10に示されているように、ライナー309は、ライナー309の縁部384が基部材料307の縁部386から離隔するように、基部材料307の縁部386を越えて延在することができる。
【0045】
図10に示されているように、折り線329、331、333、335及び折り線330、332、334、336は、協働して、それぞれの側壁377、378の周りに延在するそれぞれの中間折り線399を形成することができる。したがって、第1の側壁377の下部377a及び上部377bは、第1の区画306aにおいて中間折り線399からそれぞれ延在することができ、側壁377の下部及び上部は、互いに対して斜めになっている。1つの実施形態において、側壁377の上部及び下部は、協働して鈍角を形成することができ、側壁377の下部377aは、第1の区画306aにおいてボトムパネル311に対して鈍角を形成することができる。同様に、第2の側壁378の下部378a及び上部378bは、第2の区画306bにおいて中間折り線399からそれぞれ延在することができ、側壁378の下部及び上部は、互いに対して斜めになっている。1つの実施形態において、側壁378の上部及び下部は、協働して鈍角を形成することができ、側壁378の下部378aは、第2の区画306bにおいてボトムパネル312に対して鈍角を形成することができる。側壁377、378における鈍角は、基層307がライナー309とより完全に合致するようにすることができ、それにより、双方の区画306a、306bにおいて(例えば、容器305のパネル間の移行部において)基層307及びライナー309の表面間の接触を増大させることができる。
【0046】
容器305は、本開示から逸脱することなく、別様な形状、配置、及び/又は構成とすることができる。例えば、区画306a、306bのうちの一方又は双方は、図示の及び本開示の第2の実施形態に記載のコーナーパネルと同様又は同一の1つ以上のコーナーパネルを有することができる。
【0047】
本開示の種々の実施形態の特徴のうちの任意のものは、本開示の範囲から逸脱することなく、組み合わせたり、置き換えたり、又は本開示の他の実施形態の他の特徴を有して別様に構成したりすることができる。
【0048】
任意選択的に、本明細書に記載又は本明細書によって想定されるブランク又は他の構成物の1つ以上の部分は、ワニス、クレー、又は他の材料を単独で又は組み合わせてコーティングしてもよい。その場合、コーティングは、製品広告又は他の情報又は画像と共に重ねて印刷してもよい。ブランク又は他の構成物はまた、ブランクの表面積全体未満又は実質的にブランクの表面積全体がコーティング及び/又は印刷され得るように選択的にコーティング及び/又は印刷してもよい。
【0049】
本開示のブランク、容器又は他の構成物のうちの任意のものは、トレイ又は他の構成物に関連付けられる食品の加熱又は調理中にマイクロ波エネルギーの効果を変える、1つ以上の機能部を任意選択的に含むことができる。例えば、ブランク、トレイ、容器又は他の構成物は、1つ以上のマイクロ波エネルギー相互作用要素(以下では「マイクロ波相互作用要素」と称する場合がある)から少なくとも部分的に形成することができ、1つ以上のマイクロ波エネルギー相互作用要素は、食品の特定のエリアの加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを促進するか、食品の特定エリアの焼き過ぎ(overcooking)を防ぐようにその食品の特定のエリアをマイクロ波エネルギーから遮蔽するか、又は、食品の特定のエリアに向けて若しくは食品の特定のエリアから離してマイクロ波エネルギーを送る。各マイクロ波相互作用要素は、特定の構成物及び食品に対する必要若しくは所望に応じて、マイクロ波エネルギーを吸収するか、マイクロ波エネルギーを送るか、マイクロ波エネルギーを反射するか、又はマイクロ波エネルギーを向けるように、特定の構成に配置される1つ以上のマイクロ波エネルギー相互作用材料又はセグメントを含む。
【0050】
サセプタ又はシールドの場合、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、導電性又は半導性材料、例えば真空蒸着金属若しくは合金、又は金属インク、有機インク、無機インク、金属ペースト、有機ペースト、無機ペースト、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。好適であるものとすることができる金属及び合金の例としては、アルミニウム、クロム、銅、インコネル合金(ニオブを含有する、ニッケル-クロム-モリブデン合金)、鉄、マグネシウム、ニッケル、ステンレス鋼、スズ、チタン、タングステン及びそれらの任意の組合せ又は合金が挙げられるが、それらに限定されない。
【0051】
代替的には、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意選択的に導電性材料と併せて使用される金属酸化物、例えばアルミニウム、鉄及びスズの酸化物を含むことができる。好適であるものとすることができる別の金属酸化物はインジウムスズ酸化物(ITO)である。ITOは、より均一な結晶構造を有するため、ほとんどのコーティング厚さにおいて透明である。
【0052】
更に代替的には、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、好適な導電性、半導性若しくは非導電性の人工誘電体又は強誘電体を含むことができる。人工誘電体は、重合体又は他の好適なマトリクス又はバインダー中に導電性の細分された材料を含み、導電性金属、例えばアルミニウムのフレークを含むことができる。
【0053】
他の実施形態では、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、例えば米国特許第4,943,456号明細書、同第5,002,826号明細書、同第5,118,747号明細書及び同第5,410,135号明細書に開示されているように炭素を主成分とすることができる。
【0054】
更に他の実施形態では、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、電子レンジ内で電磁エネルギーの磁気部分と相互作用することができる。この種類の正しく選択されている材料は、材料のキュリー温度に達すると相互作用を失うことに基づいて自己制限することができる。そのような相互作用コーティングの例が米国特許第4,283,427号明細書に記載されている。
【0055】
他のマイクロ波エネルギー相互作用要素の使用も意図される。一例では、マイクロ波エネルギー相互作用要素は、衝突するマイクロ波エネルギーの大部分を反射するのに十分な厚さを有する、箔又は高い光学密度の蒸発材料を含むことができる。そのような要素は通常、約0.000285インチ~約0.005インチ、例えば約0.0003インチ~約0.003インチの厚さを概ね有する中実の「パッチ」の形態の、導電性の反射金属又は合金、例えばアルミニウム、銅又はステンレス鋼から形成される。他のそのような要素は、約0.00035インチ~約0.002インチ、例えば0.0016インチの厚さを有することができる。
【0056】
いくつかの場合では、マイクロ波エネルギー反射(又は反射性)要素は、食品が加熱中に焦げやすいか又は乾ききってしまいやすい場合、遮蔽要素として用いることができる。他の場合では、マイクロ波エネルギーを拡散するか又はその強度を低下させるために、より小さいマイクロ波エネルギー反射要素を用いることができる。そのようなマイクロ波エネルギー反射要素を用いる一例の材料が、Graphic Packaging International社(ジョージア州アトランタ所在)から、MicroRite(商標)パッケージング材料という商標名で市販されている。他の例では、マイクロ波エネルギーを食品の特定のエリアに誘導するために、複数のマイクロ波エネルギー反射要素を配置してマイクロ波エネルギー分散要素を形成することができる。所望であれば、そのループは、マイクロ波エネルギーを共鳴させる長さを有することができ、それによって、分散効果を高める。マイクロ波エネルギー分散要素は、米国特許第6,204,492号明細書、同第6,433,322号明細書、同第6,552,315号明細書及び同第6,677,563号明細書に記載されており、これらはそれぞれ引用することによってその全体が本明細書の一部をなす。
【0057】
所望であれば、本明細書に記載されるか又は本明細書によって意図される多くのマイクロ波エネルギー相互作用要素のいずれかを、実質的に連続的にする、すなわち実質的な破断部若しくは中断部を有しないものとすることができるか、又は例えばマイクロ波エネルギーを透過させる1つ以上の破断部若しくは開口を含むことによって不連続的とすることができる。破断部又は開口は、構造体全体を貫通するか、又は1つ以上の層のみを貫通することができる。そのような破断部又は開口の数、形状、サイズ及び位置決めは、形成される構成物の種類、構成物内若しくは構成物上で加熱される食品、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げの所望の程度、食品の均一な加熱を達成するためにマイクロ波エネルギーへの直接暴露が必要又は望ましいか否か、直接加熱による食品の温度変化の調節の必要性、並びに通気する必要があるのか否か、またどの程度までその必要があるのかに応じて、特定の用途に関して変わることができる。
【0058】
例示として、マイクロ波エネルギー相互作用要素は、食品の誘電加熱を行うために1つ以上の透過性エリアを含むことができる。しかし、マイクロ波エネルギー相互作用要素がサセプタを含む場合、そのような開口は全体的なマイクロ波エネルギー相互作用エリアを減らすため、食品の表面を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするために利用可能なマイクロ波エネルギー相互作用材料の量が減る。したがって、特定の食品の所望の全体的な加熱特性を達成するために、マイクロ波エネルギー相互作用エリア及びマイクロ波エネルギー透過性エリアの相対的な量のバランスをとることができる。
【0059】
別の例として、マイクロ波エネルギーが、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが意図されない食品の部分又は加熱環境に失われるのではなく、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされるべきエリアに効率的に集中することを確実にするために、サセプタの1つ以上の部分をマイクロ波エネルギー不活性であるように設計することができる。加えて、又は代替的には、食品、及び/又はサセプタを含む構成物の過熱又は炭化を防ぐように1つ以上の不連続部又は不活性領域を作ることが有益である場合がある。
【0060】
更に別の例として、サセプタは、サセプタ内での亀裂の伝播を制限し、それによって、サセプタの、食品への伝熱が少なくサセプタが高温になり過ぎる傾向があるエリアにおける過熱を制御する1つ以上の「ヒューズ」要素を組み込むことができる。ヒューズのサイズ及び形状は必要に応じて変えることができる。そのようなヒューズを含むサセプタの例は、例えば、米国特許第5,412,187号明細書、米国特許第5,530,231号明細書、2008年2月14日に公開された米国特許出願公開第2008/0035634号明細書、及び2007年11月8日に公開されたPCT出願公開第2007/127371号明細書において提供されており、これらはそれぞれ引用することによってその全体が本明細書の一部をなす。
【0061】
本明細書に提示されている寸法に関する情報の全ては、本開示の種々の実施形態の或る特定の態様、形状部等の例示を意図するものであり、本開示の範囲の限定は意図していない。ブランク、容器、成形工具、形状部の寸法、又は任意の他の寸法は、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に図示及び記載のものよりも大きく又は小さくすることができ、本開示の範囲から逸脱することなく各形状部の列挙されている寸法の範囲内又は各形状部の列挙されている寸法の範囲外とすることができる。
【0062】
本発明に係るブランクは、例えば、コーティングがされた板紙及び同様の材料から形成することができる。例えば、ブランクの内面及び/又は外面をクレーコートでコーティングすることができる。次に、クレーコート上に製品、広告、価格コード、及び他の情報又は画像を印刷してもよい。次に、ブランクに印刷されているあらゆる情報を保護するように、ブランクをワニスでコーティングすることができる。ブランクの片面又は両面を、例えば防湿層でコーティングすることもできる。
【0063】
例示的な実施形態によると、ブランクは、通常の紙よりも重く硬質であるような厚さ(caliper)の板紙で作製してもよい。ブランクは、ボール紙、硬化紙等の他の材料、又はカートンパッケージが少なくとも概して上述したように機能することを可能にするのに適した特性を有する任意の他の材料で作製することもできる。
【0064】
前述の説明は、本開示の種々の実施形態を例示及び説明するものである。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を上記構成内でなし得るので、上記説明に含まれるか又は添付図面に示されている全ての事項が、限定的な意味ではなく例示として解釈されることが意図される。更に、本開示の範囲は、上述の実施形態の種々の変更形態、組合せ及び変形形態等をカバーする。加えて、本開示は、選択された実施形態のみを図示及び説明しているが、種々の他の組合せ、変更形態及び環境が意図され、本明細書で述べられているような発明概念の範囲内にあり、上記教示と同等であり、及び/又は関連技術分野の技術若しくは知識内にある。更に、本開示の範囲から逸脱することなく、各実施形態の或る特定の特徴及び特性を選択的に入れ替え、他の説明された実施形態及び説明されていない実施形態に適用することができる。