(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】キャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体
(51)【国際特許分類】
H01P 1/207 20060101AFI20230316BHJP
H01R 13/26 20060101ALI20230316BHJP
H01R 12/51 20110101ALI20230316BHJP
【FI】
H01P1/207 Z
H01R13/26
H01R12/51
(21)【出願番号】P 2020568964
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(86)【国際出願番号】 KR2019007081
(87)【国際公開番号】W WO2019240489
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0067398
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0069125
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナム シン パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘ キム
(72)【発明者】
【氏名】スン ホ ジャン
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/093176(WO,A2)
【文献】特開2007-006529(JP,A)
【文献】特開平08-031479(JP,A)
【文献】実開平03-044868(JP,U)
【文献】特開2007-305531(JP,A)
【文献】特開2003-332009(JP,A)
【文献】特開2013-008467(JP,A)
【文献】特開平11-150347(JP,A)
【文献】特開2004-227948(JP,A)
【文献】特表2017-535183(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0131153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/00- 1/08
H01P 1/20- 1/219
H01P 7/00- 7/10
H01R 12/00-12/91
H01R 13/00-13/08
H01R 13/15-13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に電極パッドが備えられた外部部材と、
前記外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、
前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結し、前記所定距離に存在する組立公差を吸収しつつ、前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを備え、
前記電極パッドと前記RF信号連結部との間に位置する前記端子部は、
前記電極パッドに接触して備えられ、組立者が提供する組立力によって弾性変形する一側端子と、
前記一側端子と連結され、
端子挿入口内で動かないように固定され、下端部が前記RF信号連結部にソルダ固定された他側端子と、
外部部材の電極パッドに接点するようにラウンド形成され、組立者が提供する組立力によって弾性変形することで組立公差を吸収する弾性変形部として機能するラウンド接点部と、
前記ラウンド接点部から下方に延び、前記RF信号連結部から延長形成されたプレート部位に固定される垂直連結部とを含
み、
前記一側端子は、電極パッドに接触するようにラウンド形成された接点部と、前記接点部の下端から垂直に延び、他側端子に固定される端子固定部とを含み、
前記接点部には、組立者が提供する組立力による弾性変形可能性を高めるために、離隔した複数の領域に分けるための端子切開部が設けられている、キャビティフィルタ。
【請求項2】
前記一側端子および前記他側端子は、導電性材質からなる、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項3】
前記端子挿入口内に挿入配置されるが、前記端子部の一部を取り囲むように配置された誘電体をさらに含む、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項4】
前記端子挿入口内に挿入配置されるが、前記端子部の一部を固定させる補強プレートをさらに含む、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項5】
前記他側端子の上端部は、前記一側端子の下端部の内側に収容される、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項6】
一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、
前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結し、前記所定距離に存在する組立公差を吸収しつつ、前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを備え、
前記電極パッドと前記RF信号連結部との間に位置する前記端子部は、
前記電極パッドに接触して備えられ、組立者が提供する組立力によって弾性変形する一側端子と、
前記一側端子と連結され、
端子挿入口内で動かないように固定され、下端部が前記RF信号連結部にソルダ固定された他側端子と、
外部部材の電極パッドに接点するようにラウンド形成され、組立者が提供する組立力によって弾性変形することで組立公差を吸収する弾性変形部として機能するラウンド接点部と、
前記ラウンド接点部から下方に延び、前記RF信号連結部から延長形成されたプレート部位に固定される垂直連結部とを含
み、
前記一側端子は、電極パッドに接触するようにラウンド形成された接点部と、前記接点部の下端から垂直に延び、他側端子に固定される端子固定部とを含み、
前記接点部には、組立者が提供する組立力による弾性変形可能性を高めるために、離隔した複数の領域に分けるための端子切開部が設けられている、コネクティング構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体(CAVITY FILTER AND CONNECTOR INCLUDED IN THE SAME)に関し、より詳しくは、組立性および大きさを考慮してフィルタと印刷回路基板との間のコネクタ締結構造を改善したMassive MIMOアンテナ用キャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分の記述内容は単に本実施例についての背景情報を提供するに過ぎず、従来技術を構成するものではない。
【0003】
MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータ伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分する空間多重化(Spatial multiplexing)手法である。そのため、送受信アンテナの個数を同時に増加させることにより、チャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて、同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保するようになる。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が用いられることが予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のセル(Cell)運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、Massive MIMO技術はFD-MIMO(Full Dimension)とも呼ばれる。
【0005】
Massive MIMO技術では、アンテナ素子の個数増加に伴い、それによる送受信機とフィルタの個数も併せて増加する。また、2014年ベースで全国的に20万箇所以上の基地局が設置されている状況である。すなわち、実装空間を最小化し実装が容易なキャビティフィルタの構造が必要になり、個別的にチューニングされたキャビティフィルタがアンテナに実装された後も同一のフィルタ特性を提供するようにするRF信号線連結構造が要求される。
【0006】
キャビティ構造を有するRFフィルタは、金属性導体で形成されたボックス構造の内部に導体の共振棒などで構成された共振器が具備され、固有の周波数の電磁場だけを存在させることで共振によって超高周波の特性周波数のみ通過する特徴を有する。このようなキャビティ構造の帯域通過フィルタは、挿入損失が少なく高出力に有利で、移動通信基地局アンテナのフィルタとして多様に活用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、よりスリムでコンパクトな構造を有し、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されたキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造を有するキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の目的は、RFピンの分離タイプの場合、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して信号の損失が発生するのを防止できるキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、電気的な連結が必要な2つの部材間の組立公差を吸収しながら一定の接点面積を維持させるとともに、その設置が非常に簡明なキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0011】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための、本発明によるキャビティフィルタの実施形態は、一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、前記端子部は、前記電極パッドと前記RF信号連結部との間に位置するいずれか一部が弾性変形する動作で端子挿入口内の組立公差を吸収するように備えられる。
【0013】
ここで、前記端子部は、前記端子挿入口内に単数個の単一端子部で備えられる。
【0014】
また、前記端子部は、前記電極パッドに接触して備えられ、組立者が提供する組立力によって弾性変形する一側端子と、前記一側端子と連結され、前記端子挿入口内で動かないように固定され、下端部が前記RF信号連結部にソルダ固定された他側端子とを含むことができる。
【0015】
また、前記端子部は、前記電極パッドに接触して備えられるが、組立者が提供する組立力によって前記端子挿入口内で動くように備えられた一側端子と、前記一側端子と連結され、前記一側端子から提供される組立力によって弾性変形し、前記RF信号連結部にソルダ固定された他側端子とを含むことができる。
【0016】
また、前記一側端子の上端部は、記号文字である「疑問符」形状に形成されてもよい。
【0017】
また、前記一側端子および前記他側端子は、導電性材質からなってもよい。
【0018】
また、前記端子挿入口内に挿入配置されるが、前記端子部の一部を取り囲むように配置された誘電体をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記端子挿入口内に挿入配置されるが、前記端子部の一部を固定させる補強プレートをさらに含むことができる。
【0020】
また、前記一側端子および前記他側端子のいずれか1つには、上下方向に長く形成された複数のテンション切開部が備えられ、前記テンション切開部は、前記一側端子に備えられるが、前記他側端子の上端部が前記一側端子の下端部の内部に収容される。
【0021】
また、前記単一端子部で備えられた前記端子部は、前記端子挿入口の直下方一側に備えられたRF信号連結部に連結されるように折曲形成される。
【0022】
また、前記単一端子部で備えられた前記端子部は、前記組立力によって弾性変形する弾性変形部が形成される。
【0023】
また、前記弾性変形部は、一部が切開されたリング形状に形成されてもよい。
【0024】
また、前記弾性変形部は、上下ジグザグ状に折曲形成されてもよい。
【0025】
本発明によるコネクティング構造体の一実施形態は、一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、前記端子部は、前記電極パッドと前記RF信号連結部との間に位置するいずれか一部が弾性変形する動作で端子挿入口内の組立公差を吸収するように備えられる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されてよりスリムでコンパクトな構造設計が可能で、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造設計が可能であり、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して安定的な連結が可能なため、アンテナの性能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】例示的なMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図であり、
【
図2】本発明の一実施形態によるキャビティフィルタがアンテナボードと制御ボードとの間に積層された状態を示す断面図であり、
【
図3】本発明の一実施形態によるキャビティフィルタの構造を底側から眺めた平面透視図であり、
【
図4】第1実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
【
図5】本発明の第1実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図6】
図4の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
【
図7】本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図8】本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図9】
図7の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
【
図10】本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図11】本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図13】本発明の第4実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図14】本発明の第4実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図16】本発明の第5実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図17】本発明の第5実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図19】本発明の第6実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図20】本発明の第6実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図22】本発明の第7実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図23】本発明の第7実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図25】本発明の第8実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図26】本発明の第8実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図28】本発明の第9実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図29】本発明の第9実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図31】本発明の第10実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図32】本発明の第10実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図34】本発明の第11実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図35】本発明の第11実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図37】本発明の第12実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
【
図38】本発明の第12実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
【
図40】本発明によるコネクティング構造体の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳しい説明は省略する。
【0029】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使われる、辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0030】
図1は、例示的なMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図である。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタが含まれたアンテナアセンブリが内蔵されるアンテナ装置1の例示的な外形を示したに過ぎず、実際の積層時の外形を限定するものではない。
【0032】
アンテナ装置1は、ヒートシンク(Heat sink)が形成されたハウジング2と、ハウジング2に結合されたレドーム(radome)3とを含む。ハウジング2とレドーム3との間にはアンテナアセンブリが内蔵可能である。
【0033】
ハウジング2の下部には、例えば、ドッキング(docking)構造によりパワーサプライユニット(PSU、Power Supply Unit)4が結合され、パワーサプライユニット4は、アンテナアセンブリに備えられた通信部品を動作させるための動作電源を提供する。
【0034】
通常、アンテナ組立体は、前面に複数のアンテナ素子6が配列されるアンテナボード5の背面にキャビティフィルタ(Cavity filter)7がアンテナの個数だけ配置され、関連するPCBボード8が次に積層される構造を有する。キャビティフィルタ7は、実装前に個別的に仕様に合わせた周波数特性を有するように細部的にチューニングおよび検証されて用意できる。このようなチューニングおよび検証過程は、実装状態と同じ特性の環境で迅速に行われることが好ましい。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタがアンテナボードと制御ボードとの間に積層された状態を示す断面図である。
【0036】
本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20は、
図2を参照すれば、
図1に示された通常のRFコネクタ90を排除可能なため、その連結が容易になり、より低い高さプロファイルを有するアンテナ構造を提供することができる。
【0037】
また、高さ方向の両面にRF連結部を具備するが、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20で連結することにより、アンテナボード5あるいはPCBボード8に振動および熱変形が発生してもRF連結が同一に維持されて周波数特性の変化がないという利点がある。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタの構造を底側から眺めた平面透視図である。
【0039】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20は、RF信号連結部31(
図4以下の図面符号31参照)を含み、内部が中空の第1ケース(図面符号表記せず)と、第1ケースを覆う第2ケース(図面符号表記せず)と、第1ケースの長手方向の両側にキャビティフィルタ20の高さ方向に備えられた端子部(
図4の図面符号40参照)と、端子部40の両側に備えられた組立穴23を含むフィルタモジュール30とを含む。端子部40は、第1ケースに備えられた端子挿入口25を貫通して外部部材8、例えば、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッド(図面符号表記せず)とRF信号連結部31とを電気的に連結する。
【0040】
このような端子部40は、RF信号連結部31によって、図面上、その下端が支持され、上側でアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8が密着結合される時、アンテナボードまたはPCBボードのような外部部材8の一面に形成された電極パッドに対して常時接点しながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を解消することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20において、端子部40は、一体型で備えられる。このように端子部40が一体型で備えられた場合には、組立者による所定の組立力が供給されると、上述した組立公差の解消のために、端子部40をなす一部が弾性変形する弾性体で備えられることが好ましい。ただし、端子部40が一体に形成された一体型フィルタは、その一端と他端との間まで電気的な流れの断絶が予見されないことから、別途に側面テンションを付加するための別の形状設計を必要としない。
【0042】
しかし、本発明の一実施形態において、端子部40が必ずしも一体型で備えられるべきではなく、2つの部材に分離された分離型フィルタで備えられてもよい。このように、端子部40が2つの部材に分離された分離型フィルタで備えられた場合、組立公差の解消は、分離された一側端子50と他側端子60とが上述した所定の組立力によって互いにオーバーラップされて移動しながら全体長さが収縮可能に備えられ、組立力が除去される時、その全体長さが伸長して復元されるように別の弾性部材80が備えられる。ただし、端子部40が一側端子50と他側端子60とに分離されて備えられることから、互いにオーバーラップされて移動する時、電気的な流れの断絶が発生する恐れがあるので、一側端子50および他側端子60のいずれか1つが弾性体で備えられるか、側面テンションを付加するための別の形状変更が必須として要求される。
【0043】
ここで、「側面テンション」という用語は、上述のように、一側端子50と他側端子60との間の電気的な流れの断絶を防止するために、一側端子50および他側端子60のいずれか1つが他の1つに向かって長手方向と異なる方向に伝達する力と定義することができる。
【0044】
一方、アンテナ装置の特性上、上述した端子部40の形状変更の設計時には、上述した端子挿入口25内でのインピーダンスマッチング設計が並行されなければならないが、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例の詳細な説明では、端子挿入口25内でのインピーダンスが整合された状態であることを前提として記述する。したがって、
図4以下の図面により説明する本発明によるキャビティフィルタの実施例の構成のうち、端子挿入口25内に端子部40とともに挿入される誘電体または補強プレートのような構成の外形は、インピーダンスマッチング設計によってそれぞれ異なる形状を取ることができる。
【0045】
図4は、第1実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図5は、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図6は、
図4の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0046】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、
図4~
図6に示すように、外部部材8の一面に(特に、電極パッド(図面符号表記せず))に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部31と、外部部材8の電極パッドとRF信号連結部31とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差の解消が可能になると同時に電極パッドとRF信号連結部との間の電気的な流れが断絶されるのを防止する構造を有する端子部40とを含む。
【0047】
ここで、外部部材8は、
図2に示すように、他面にアンテナ素子が配置されたアンテナボードまたは増幅器(Power Amplifier、PA)、デジタルボード(Digital board)およびTX Calibrationが一体のワンボード(one-board)で備えられたPCBボードのいずれか1つを通称する用語であり得る。
【0048】
以下では、
図3のように、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例を構成する外観構成を第1ケースおよび第2ケースに区分せず、端子挿入口25が備えられたフィルタ本体21と通称し、図面符号21で指し示す。
【0049】
フィルタ本体21には、
図4および
図5に示すように、端子挿入口25が中空形態で備えられてもよい。端子挿入口25の形態は、後述する複数の実施例に適用されるインピーダンスマッチング設計によって異なる形態を有することができる。
【0050】
フィルタ本体21の一面、特に、後述する端子部40のうち一側端子50が備えられた側の一面にはワッシャ設置部27が溝加工されて形成される。ワッシャ設置部27は、後述するスターワッシャ90の外側枠部位が係止されて上側に離脱することが防止されるように端子挿入口25よりも大きい内径を有するように溝加工形成されてもよい。
【0051】
同時に、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、ワッシャ設置部27に設置固定されるスターワッシャ90をさらに含むことができる。
【0052】
以下、本発明の第1実施例だけでなく、後述する本発明のすべての実施例に共通してスターワッシャ90が備えられるものとして前提して説明する。したがって、第1実施例以外の他の実施例において別途にスターワッシャ90に関する具体的な説明がなくてもこれを含むものと理解されなければならない。
【0053】
スターワッシャ90は、リング形状に備えられた固定段91がワッシャ設置部27に固定され、固定段91からアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッド側の中心に向かって上方傾斜して形成された複数の支持段92を含むことができる。
【0054】
このようなスターワッシャ90は、組立者によってアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例を組立てる場合、上述した組立穴を通した、図示しない締結部材などによる締結力に対して、複数の支持段92がアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に支持されながら弾性力を付加することができる。
【0055】
このような複数の支持段92の弾性力の付加は、端子部40の電極パッドに対する接触面積を均一に維持させることができる。
【0056】
また、スターワッシャ90のリング形状の固定段91が電気的な信号を伝達するように備えられた端子部40の外側を取り囲むように備えられて、一種の接地端子(Ground terminal)の役割を果たすことができる。
【0057】
さらに、スターワッシャ90は、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例のアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の間に存在する組立公差を解消する役割を果たす。
【0058】
ただし、スターワッシャ90によって吸収される組立公差は、後述のように、端子挿入口25内に存在するものとして、端子部40によって吸収される組立公差とは区別される概念である。すなわち、本発明の実施例によるキャビティフィルタは、単一の組立過程で別の部材によって少なくとも2箇所で全体的な組立公差を吸収するように設計されることで、より安定的な結合をはかることができる。
【0059】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部40は、
図4~
図6に示すように、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドとRF信号連結部31との間に配置されて、組立者の組立力が提供されると、全部または一部の形状が変形しながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収するように備えられる。
【0060】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20では、端子部40が導電性材質からなるが、単数個の単一端子部で備えられ、上述のように、組立力による形状変形のための弾性変形部54が備えられてもよい。
【0061】
上述した端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収するための技術的構成として、端子部40を2つ以上備えるが、端子部40を構成する各端子(仮に、一側端子および他側端子の2つに区分されるものとする)が組立力によって互いにオーバーラップされて移動するように配置される構造を採用することができ、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20におけるように、端子部40を単数個の単一端子部で備えるが、その一部が組立力によって形状変形する構造を採用することができる。
【0062】
端子部40を単一端子部で備える場合、2つ以上の端子に分けられる場合とは異なり、電気的な流れの断絶の問題は予見されないので、2つ以上の端子の間に側面テンションを付加するための別のテンション切開部は備える必要がない。
【0063】
ただし、端子部40を単一端子部で採用する場合、上述のように、端子挿入口25内に存在する組立公差の吸収のために、それ自体で長手方向に対して伸縮可能な弾性変形部54を有することが好ましい。
【0064】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部40は、
図4~
図6に示すように、上下方向に伝達される組立力によって端子部40の上端と下端との間の距離が伸縮するように外周面の一部が面取りされた複数の弾性変形部54が形成される。
【0065】
複数の弾性変形部54は、端子部40の円周形態の外周面の一部が一側から他側方向に所定高さだけ面取り形成されるが、上下方向に複数個が形成され、隣接する弾性変形部54の面取り方向は互いに反対方向に形成されてもよい。同時に、隣接する弾性変形部54の面取り部位は、少なくとも一部が重なるように形成されてもよい。
【0066】
したがって、組立者による組立力によって、端子部40の上端部である接点部53が押圧される場合、弾性変形部54の面取りされた入口部位が積層された板スプリングのように近接するように形状変形しながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。
【0067】
同時に、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、
図4~
図6に示すように、端子挿入口25内に配置され、端子部40の下端部56が貫通して支持される補強プレート95をさらに含むことができる。
【0068】
補強プレート95には、端子部40の下端部56が貫通する端子貫通ホール97が形成される。このような補強プレート95は、端子挿入口25内に備えられた挿入口支持段28にその枠の下面が支持可能である。
【0069】
このような補強プレート95は、端子部40の下端部を支持することにより、組立者が提供する組立力によって端子部40が過度に下方に移動することを制限することにより、結果として、RF信号連結部31を補強する役割を果たす。
【0070】
このように、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、単一端子部で備えられた端子部40によって電気的な流れが断絶されないようにすると同時に、端子挿入口25内で組立力による伸縮が可能なため、端子挿入口25内に存在する組立公差を解消することができる。
【0071】
しかし、端子挿入口25内で端子部40自体が伸縮可能に備えられる場合、必ずしも単一の端子部で備えられることに限定されるべきではなく、実施例によっては、端子部40を電極パッドに接点する一側端子と、RF信号連結部31に固定される他側端子とに分けて備えられるが、2つのいずれか1つが自体で予想される組立公差だけ伸縮可能に備えられれば十分であると見なされる。これについては、後述する実施例により具体的に説明する。
【0072】
図7は、本発明の第2実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図8は、
図7の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図9は、
図7の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0073】
本発明の第2実施例によるキャビティフィルタ20は、
図7~
図9に示すように、第1実施例によるキャビティフィルタ20と対比して、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに接点するようにラウンド形成されたラウンド接点部152と、ラウンド接点部152から直下方に延び、RF信号連結部31から延長形成されたプレート部位に形成されたソルダホール32にソルダ固定される垂直連結部151とを含む端子部150を含むことができる。
【0074】
ここで、ラウンド接点部152は、略記号文字である「疑問符(?)」の上部断面形状を有するようにラウンド形成されてもよい。
【0075】
同時に、端子挿入口25内にはインピーダンスマッチング設計のための誘電体170が挿入され、誘電体170には垂直連結部151の貫通する端子貫通ホール173が形成される。
【0076】
上記のように構成された本発明の第2実施例によるキャビティフィルタ20は、組立者の組立力が端子部150に提供される場合、弾性変形部に相当するラウンド接点部152の先端が下方に押圧されながら弾性変形する動作で、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。
【0077】
図10は、本発明の第3実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図11は、
図10の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図12は、
図10の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0078】
本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20は、
図10~
図12に示すように、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに接点するようにラウンド形成されたラウンド接点部252と、ラウンド接点部252から直下方に延びた連結端子部251と、連結端子部251の下端から端子挿入口25の直下方一側に備えられたRF信号連結部(図面符号表記せず)に向かって折曲延長された折曲連結部253とを含む端子部240を含むことができる。この場合には、別途にRF信号連結部から水平に延長形成されるプレートのような構成は削除されることが好ましい。
【0079】
ここで、ラウンド接点部252は、略記号文字である「疑問符(?)」の上部断面形状を有するようにラウンド形成され、連結端子部251と折曲連結部253は、ラウンド接点部252を除いて、下端部が略直交して折曲げられた英語文字である「L」字の下部断面形状を有するように折曲形成されてもよい。
【0080】
同時に、端子挿入口25内には、インピーダンスマッチング設計のための誘電体270が挿入され、誘電体270には、連結端子部251の貫通する端子貫通ホール273が形成される。
【0081】
上記のように構成された本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20は、組立者の組立力が端子部240に提供される場合、弾性変形部に相当するラウンド接点部252の先端が下方に押圧されながら弾性変形する動作で、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。
【0082】
図13は、本発明の第4実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図14は、
図13の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図15は、
図13の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0083】
本発明の第4実施例によるキャビティフィルタ20は、
図13~
図15に示すように、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに接点するように上下垂直に形成された垂直接点部352と、垂直接点部352と一体に形成され且つRF信号連結部31としてプレート形態で延びた部位に形成されたソルダホール32にソルダ固定される垂直連結部351と、垂直接点部352と垂直連結部351との間にジグザグ状に折曲げられた折曲部353とを含む端子部340を含むことができる。
【0084】
上記のように構成された本発明の第4実施例によるキャビティフィルタ20は、組立者の組立力が単一端子部340に提供される場合、弾性変形部に相当する折曲部353が上下方向に折れながら弾性変形する動作で、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。
【0085】
その他、端子貫通ホール371が形成された誘電体370の構成およびその他の構成は、第3実施例によるキャビティフィルタ20と類似または同一に備えられるので、具体的な説明は省略する。
【0086】
図16は、本発明の第5実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図17は、
図16の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図18は、
図16の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0087】
本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20は、
図16~
図18に示すように、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに接点するように上下垂直に形成された垂直接点部451と、垂直接点部451の下端から端子挿入口25の直下方一側に備えられたRF信号連結部31に向かって折曲延長された水平連結部453とを含む端子部440を含むことができる。この場合にも、別途にRF信号連結部31から水平に延長形成されるプレートのような構成は削除されることが好ましい。
【0088】
本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20の端子部440の構成のうち垂直接点部451は、第4実施例によるキャビティフィルタ20の端子部340の構成のうち垂直接点部352に対応し、第5実施例によるキャビティフィルタ20の水平連結部453は、第3実施例によるキャビティフィルタ20の端子部240の構成のうち折曲連結部253に対応する構成である。
【0089】
このように構成された本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20は、水平連結部453がRF信号連結部31に対して片持ち梁状に固定されることから、組立者の組立力によって垂直接点部451の押圧力は、一種のモーメントとして作用しながら水平連結部453が下方に傾く動作で弾性変形して端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。したがって、第5実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部440は、別の弾性変形部が可視的に形成されるのではなく、水平連結部453の固定点を除いた端子部440全体の弾性変形によって組立公差を吸収することができる。
【0090】
図19は、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図20は、
図19の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図21は、
図19の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0091】
本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、
図19~
図21に示すように、組立者が提供する組立力によって自体弾性変形し、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に形成された電極パッドに接点可能に配置された一側端子550と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子560とを含む端子部540を含むことができる。
【0092】
ここで、一側端子550は、電極パッドに上側が接触するようにラウンド形成された接点部551と、接点部551の下端から水平に延び、他側端子560に固定される端子固定部552とを含むことができる。
【0093】
同時に、他側端子560の上端部561には、一側端子550の端子固定部552が挿入される固定溝564が形成され、他側端子560の下端部562は、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32に挿入されてソルダ固定される。
【0094】
また、他側端子560の固定溝564の下側に相当する外周面には、一側端子550の過度な弾性変形を防止するストップリブ563が外側に突出して備えられる。
【0095】
一側端子550は、端子固定部552が他側端子560の固定溝564に固定された状態であって、組立者の組立力が提供されない場合には、接点部551の先端部がストップリブ563のリブ面に対して所定距離上側に離隔して位置し、組立者の組立力が提供されるにつれて弾性変形しながらストップリブ563に係止される。
【0096】
したがって、組立者の組立力が提供されない状態で、ストップリブ563のリブ面と接点部551の先端部との間の離隔距離は、少なくとも端子挿入口25内に存在する組立公差を全部吸収できる程度の長さに設計されることが好ましい。
【0097】
一方、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、
図19および
図20に示すように、端子挿入口25内に配置されるが、他側端子560が貫通して固定される端子貫通ホール571が形成された誘電体570をさらに含むことができる。
【0098】
このように形成された本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、組立者の組立力が提供されると、一側端子550が弾性変形部として、ラウンド形成された接点部551が弾性変形する動作で端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。
【0099】
また、一側端子550と他側端子560は、いずれも導電性材質からなり、他側端子560の固定溝564に一側端子550の端子固定部552が強固に固定されることから、別途に側面テンションを付加するためのテンション切開部の具備が要求されない。
【0100】
図22は、本発明の第7実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図23は、
図22の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図24は、
図22の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0101】
本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20は、
図22~
図24に示すように、組立者が提供する組立力によって自体弾性変形し、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に形成された電極パッドに接点可能に配置された一側端子650と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子660とを含む端子部640を含むことができる。
【0102】
このような構成からなる本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20は、第6実施例によるキャビティフィルタ20と対比して、一側端子650の端子固定部652が他側端子660の上面に密着固定される。一側端子650と他側端子660の固定方法は、ソルダ方式で固定できることはもちろん、その他の締結部材などを用いたいかなる方式による固定も可能である。
【0103】
また、本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20は、第6実施例によるキャビティフィルタ20と対比して、ストップリブ663が他側端子660の上面661の一部が下方に切開された段差面として形成される。
【0104】
端子挿入口25内のインピーダンスマッチングのために挿入される誘電体670およびその他の構成は、第6実施例によるキャビティフィルタ20と類似または同一に備えられるので、具体的な説明は省略する。
【0105】
図25は、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図26は、
図25の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図27は、
図25の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0106】
本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、
図25~
図27に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に形成された電極パッドに接点可能に配置された一側端子750と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、RF信号連結部31の上面に支持されるように備えられ、組立者が提供する組立力によって自体弾性変形する他側端子760とを含む端子部740を含むことができる。
【0107】
同時に、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、端子挿入口25内に配置され、一側端子750が貫通するように配置された端子貫通ホール797が形成された補強プレート795をさらに含むことができる。
【0108】
本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部740は、組立者から提供される組立力によって補強プレート795に形成された端子貫通ホール797のガイドを受けながら、図面上、上下方向に移動可能である。
【0109】
すなわち、一側端子750は、上述したアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに接点する所定の接点面を形成する接点部753を含み、組立者が提供する組立力によって補強プレート795の端子貫通ホール797を貫通して上下に移動可能に備えられる。同時に、一側端子750の外周面には、補強プレート795の端子貫通ホール797の下面枠部位に係止されて、外側への任意離脱を防止する離脱防止リブ752が形成される。
【0110】
一方、他側端子760は、一側端子750の下端面に固定される固定段762と、固定段762の一側から下方にラウンド延長され、RF信号連結部31の上面に弾性支持される弾性支持部761とを含むことができる。
【0111】
弾性支持部761の先端は、組立者の組立力が提供されると、一側端子750が下方に押圧される動作で弾性変形するが、一側端子750の下端部に段付きに切開形成されたストップリブ755のリブ面を限度にして弾性変形可能である。
【0112】
上記のように構成された本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、第7実施例のキャビティフィルタ20と比較すれば、一側端子750と他側端子760が上下反転した形態を取る。同時に、第8実施例によるキャビティフィルタ20において、誘電体770は、第1実施例によるキャビティフィルタ20の補強プレート95とインピーダンス整合設計が可能な範囲でそのまま代替できる構成である。
【0113】
その他の構成は、すべて第7実施例によるキャビティフィルタ20と類似または同一の構成で備えられるので、その具体的な説明は省略する。
【0114】
図28は、本発明の第9実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図29は、
図28の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図30は、
図28の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0115】
本発明の第9実施例によるキャビティフィルタ20は、
図28~
図30に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に形成された電極パッドに接点可能に配置された一側端子850と、端子挿入口25のうち下側に配置されるが、RF信号連結部31の上面に固定され、組立者が提供する組立力によって自体弾性変形する他側端子860とを含む端子部840を含むことができる。
【0116】
ここで、端子部840のうち他側端子860は、RF信号連結部31の上面に固定される固定段861と、一側端子850の下部面に弾性支持されるようにラウンドに備えられて弾性変形する弾性支持部862とを含むことができる。
【0117】
本発明の第9実施例によるキャビティフィルタ20は、他側端子760の弾性支持部762がRF信号連結部31の上面を支持する上述した第8実施例によるキャビティフィルタ20とは異なり、他側端子860の弾性支持部862が一側端子850の下端に支持されるように構成される。
【0118】
その他、端子挿入口25内に配置される端子貫通ホール897が形成された補強プレート895は、第9実施例によるキャビティフィルタ20と類似または同一の構成で備えられるので、具体的な説明は省略する。
【0119】
図31は、本発明の第10実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図32は、
図31の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図33は、
図31の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0120】
本発明の第10実施例によるキャビティフィルタ20は、
図31~
図33に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置されるが、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に形成された電極パッドの一面に固定された一側端子950と、上端部961が端子挿入口25内に固定され、下端部962がRF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子960とを含む。
【0121】
ここで、一側端子950は、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドと常時接点となるようにその一面に固定される固定段952と、固定段952の一端から下方にラウンド折曲延長されて他側端子960の上端部961の上面に弾性支持されて組立者が提供する組立力によって弾性変形する弾性支持部951とを含むことができる。
【0122】
一方、他側端子960は、
図32に示すように、上端部961が端子挿入口25内に備えられた補強プレート995の端子貫通ホール997を通して貫通するように配置されるが、下端部962がRF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される。同時に、他側端子960の外周面には、補強プレート995の端子貫通ホール997の下面枠側に係止されて、端子挿入口25の外側に他側端子960の離脱を防止するための離脱防止リブ963が形成される。
【0123】
このような構成からなる本発明の第10実施例によるキャビティフィルタ20は、その端子部940が第9実施例によるキャビティフィルタ20の端子部840が上下反転した形態を取る。
【0124】
すなわち、本発明の第10実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部940のうち一側端子950の固定段952は、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドに対して密着固定できる。
【0125】
ここで、一側端子950と他側端子960は、物理的に互いに分離された形態で備えられるが、
図32に示すように、組立者の組立力が提供されると、一側端子950の弾性支持部951が弾性変形する弾性変形部として、持続的に他側端子960の上部面を支持することから、端子挿入口25内の組立公差を吸収すると同時に電気的な流れの断絶を防止することができる。
【0126】
図34は、本発明の第11実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図35は、
図34の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図36は、
図34の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0127】
本発明の第11実施例によるキャビティフィルタ20は、
図34~
図36を参照すれば、端子挿入口25内に配置されるが、上側に配置されたアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドと接点可能に配置された接点部1051と、接点部1051の下端から端子挿入口25の直下方一側に備えられたRF信号連結部31に向かって折曲延長された水平連結部1052と、接点部1051と水平連結部1052との間に配置され、水平方向にジグザグ折曲連結された弾性端子部1053とを含む端子部1040を含むことができる。この場合にも、別途にRF信号連結部31から水平に延長形成されるプレートのような構成は削除されることが好ましい。
【0128】
また、本発明の第11実施例によるキャビティフィルタ20は、端子部1040の構成のうち接点部1051の上端部および水平連結部1052の一部を除いた残りを取り囲むように端子挿入口25内に配置される誘電体1060をさらに含むことができる。
【0129】
誘電体1060の上面1061には、接点部1051の上端部が上部に貫通して突出するように接点部側貫通ホール1065が形成され、誘電体1060の下側1062の外周面には、水平連結部1052が水平に貫通する連結部側貫通ホール1064が形成される。
【0130】
同時に、誘電体1060の接点部側貫通ホール1065には、水平方向に連結されたガイドバー1063が備えられ、ガイドバー1063は、接点部1051が形成された上端部に上下に長く切開形成されたガイドスロット1054を貫通するように備えられることにより、組立者が提供する組立力による弾性端子部1053の弾性変形時、接点部1051の上下方向の移動が安定的にガイドできる。ここで、弾性端子部1053は、組立者が提供する組立力による端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収する弾性変形部としての役割を果たすことができる。
【0131】
図37は、本発明の第12実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図38は、
図37の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、
図39は、
図37の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0132】
本発明の第12実施例によるキャビティフィルタ20は、
図37~
図39に示すように、端子挿入口25のうち上側に配置され、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に形成された電極パッドに接点可能に備えられた一側端子1150と、端子挿入口25のうち下側に配置され、RF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される他側端子1160とを含む端子部1140を含むことができる。
【0133】
ここで、一側端子1150は、すでに説明した第6実施例によるキャビティフィルタ20と同じく、電極パッドに上側が接触するようにラウンド形成された接点部1151と、接点部1151の下端から垂直に延び、他側端子1160に固定される端子固定部1152とを含むことができる。
【0134】
一方、本発明の第12実施例によるキャビティフィルタ20と、第6実施例によるキャビティフィルタ20との相違点は、一側端子1150の接点部1151が少なくとも3つに分けられるように複数の端子切開部1153が形成されるという点である。すなわち、一側端子1150の接点部1151は、
図39に示すように、3つに分けられるように2つの端子切開部1153が形成されて、組立者が提供する組立力による弾性変形の可能性がさらに増大できる。
【0135】
同時に、一側端子1150の端子固定部1152は、他側端子1160の上端部1161の側面にソルダ方式または締結部材による締結方式など、多様な方式のいずれか1つの方式で固定できる。
【0136】
また、他側端子1160の外周面には、一側端子1150のうち接点部1151の過度な弾性変形を防止するストップリブ1163が外側に突出して備えられる。
【0137】
一方、端子挿入口25内のインピーダンスマッチングのために挿入される誘電体1170およびその他の構成は、第6実施例によるキャビティフィルタ20と類似または同一に備えられるので、具体的な説明は第6実施例による説明に代える。
【0138】
図40は、本発明によるコネクティング構造体の一実施形態を示す断面図である。
【0139】
これまで説明した本発明によるキャビティフィルタの多様な実施例は、一つのモジュールに製作されて、アンテナボードまたはPCBボードのような外部部材8の一面に付着する形態で実現されることに限定して説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしもこれに限定されるものではなく、
図40に示すように、モジュール形態への製作の如何に関係なく、外部部材8の一面に備えられた電極パッドとの間に備えられて、他の連結部材31’との電気的な連結をはかる端子部40が備えられたコネクティング構造体1’として実現される変形実施も可能であろう。
【0140】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能であろう。
【0141】
したがって、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されてよりスリムでコンパクトな構造設計が可能で、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造設計が可能であり、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して安定的な連結が可能でアンテナの性能低下を防止できるキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供する。
【符号の説明】
【0143】
20:キャビティフィルタ
21:フィルタ本体
25:端子挿入口
27:設置溝
30:フィルタモジュール
31:RF信号連結部
32:ソルダホール
40:端子部
50:一側端子
60:他側端子
70:誘電体
71:端子貫通ホール
80:弾性部材
95:補強プレート