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特許7245902サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法
<図1A>
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図1A
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図1B
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図1C
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図1D
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図1E
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図2A
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図2B
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図3
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図4
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図5
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図6
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図7
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図8
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図9
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図10
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図11
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図12
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図13
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図14
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図15
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図16
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図17
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図18
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図19
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図20
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図21
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図22
  • 特許-サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法 図23
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】サブシステムを備える濾過管を形成するための生産システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20230316BHJP
   B08B 3/12 20060101ALI20230316BHJP
   B01D 39/00 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
B23K26/38 B
B08B3/12
B01D39/00 B
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021517282
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019053312
(87)【国際公開番号】W WO2020069230
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】62/738,919
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518185956
【氏名又は名称】シンフュエル アメリカズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヨンワン
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/073356(WO,A1)
【文献】特表2017-525569(JP,A)
【文献】特表2011-512259(JP,A)
【文献】特開2015-147240(JP,A)
【文献】特開2001-062800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0129039(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0249729(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0208302(US,A1)
【文献】中国実用新案第207783927(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0209890(US,A1)
【文献】特開2018-080998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
B01D 39/00
B08B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過管を形成するべく管を加工および検査するための生産システムであって、前記生産システムは、複数のサブシステム間で管を移動させるように構成された単一の6軸ロボットアームを備え、
前記複数のサブシステムは、複数の管を保持するように構成された管出し入れブシステムを含み、
前記単一の6軸ロボットアームは前記管出し入れブシステムから加工する管を引き出すように構成され、
前記複数のサブシステムは更に、
前記単一の6軸ロボットアームによって内部に配置された前記管を受容および検査するように構成された検査システムであって、異常、欠陥および品質問題のうちの少なくとも一つを判定するべく、前記管の表面を走査することによって前記管を検査する検査システムと、
前記単一の6軸ロボットアームによって移動されてきた前記管を受容し、前記管の壁におよび壁を貫通するように複数のスロット、複数の穴および複数の孔のうちの少なくとも一つを切設して、液体から固体を濾過する濾過管を形成するように構成されたレーザカットシステムと、を含
前記単一の6軸ロボットアームは、少なくとも前記管出し入れサブシステム、前記検査システムおよび前記レーザカットシステムの間で各管を移動させるように構成されている、生産システム。
【請求項2】
前記レーザカットシステムによって切設された前記を処理するための後処理システムを更に備え、
前記単一の6軸ロボットアームは、前記レーザカットシステムから前記後処理システムへと前記管を移動させるように構成される、請求項1に記載の生産システム。
【請求項3】
前記検査システムは、前検査システムおよび後検査システムを含み、
前記前検査システムは、前記管出し入れサブシステムから前記単一の6軸ロボットアームによって引き出された前記管を受容して検査するように構成され、前記管の表面を走査することにより検査して、前記管に寸法異常および欠陥のうちの少なくとも一方が存在するか判定する、ならびに、前検査に合格した管に前記寸法異常および欠陥のうちの少なくとも一方がないことを判定するように構成されており、
前記後検査システムは、前記単一の6軸ロボットアームによって回収された前記管を受容および検査するように構成され、前記管の前記表面を走査することにより前記管を検査して、前記レーザカットシステムによって切設された後の前記管の少なくとも品質および空隙率を判定し、後検査に前記管それぞれが合格したかを判断するように構成され、
前記単一の6軸ロボットアームは更に、前記後検査システムから前記管を移動させるように構成される、請求項1に記載の生産システム。
【請求項4】
前記管出し入れブシステムによって保持される前記複数の管は、(a)未加工且つ未検査の管、(b)前記検査システムによる検査の結果、不合格となった管、および、(c)前記レーザカットシステムによって切設された後に検査に合格した管であって、濾過管として使用可能な管、を含み、
前記単一の6軸ロボットアームは、未加工であり且つ前記検査システムによる検査を行っていない前記複数のから、管を引き出すように構成されており、
前記単一の6軸ロボットアームは更に、前記を前記検査システムから前記管出し入れサブシステムと移動させるように構成されている、請求項1に記載の生産システム。
【請求項5】
前記管出し入れサブシステムは、前記未加工且つ未検査の管を収容する第1トレイ、検査に不合格の管を収容する第2トレイ、および、濾過管として使用可能な管を収容する第3トレイを有する、請求項4に記載の生産システム。
【請求項6】
前記第1、第2および第3トレイはそれぞれ、前記生産システムが配置されている床に延びる水平面に対して0°でない角度で固定されるように構成されている、請求項5に記載の生産システム。
【請求項7】
前記第1、第2および第3トレイはそれぞれ、トレイの面に沿って管を受容およびガイドするための受け入れスロットを有する、請求項5に記載の生産システム。
【請求項8】
前記検査システムは、前記管の前記表面を走査するためのレーザ光学マイクロメータを有する、請求項1に記載の生産システム。
【請求項9】
前記検査システムは、検査の間に前記管の前記表面を走査するためのカメラを有する、請求項1に記載の生産システム。
【請求項10】
前記検査システムは、フレームと、前記管を水平方向に固定するように構成された固定装置と、前記管を前記検査システムに対して回転させる回転装置とを有する、請求項1に記載の生産システム。
【請求項11】
前記検査システムは、固定された前記管に対して水平方向に移動するように構成されており、前記管が前記回転装置によって回転されている状態で、前記管の前記表面を走査して検査する、請求項10に記載の生産システム。
【請求項12】
前記検査システムは、前記検査システムを固定された前記管に対して移動させるために、モータと前記フレームに取り付けられた一対のトラッキングレールとを更に有する、請求項10に記載の生産システム。
【請求項13】
前記後処理システムは、前記管を洗浄するための、洗浄システム、超音波槽、電解研磨システム、ビーズブラストシステム、サンドブラストシステムおよび研磨洗浄装置のうちの少なくとも1つを有する、請求項2に記載の生産システム。
【請求項14】
前記後処理システムは、前記管をすすぐためのすすぎ剤が入ったすすぎ槽を有する、請求項2に記載の生産システム。
【請求項15】
前記後処理システムは、前記管を乾燥するように構成された乾燥機を有し、
記乾燥機は乾燥システムの一部であり、前記管の前記表面を乾燥させるべく、記管に対して水平方向に移動するように構成される、請求項2に記載の生産システム。
【請求項16】
前記生産システムは更なるレーザカットシステムを備え、
前記更なるレーザカットシステムは、前記単一の6軸ロボットアームによって前記レーザカットシステム内に配置された前記管の壁におよび壁を貫通するように複数のスロット、複数の穴および複数の孔のうちの少なくとも一つを切設して、液体から固体を濾過する濾過管を形成するように構成される、請求項1に記載の生産システム。
【請求項17】
管を複数のサブシステム間を移動させるように構成された単一の6軸ロボットアームを備える生産システムを用いて濾過管を加工および検査する方法であって、
前記複数のサブシステムは、複数の管を保持するように構成された管出し入れサブシステムと、検査システムと、レーザカットシステムとを含み、
前記方法は、
前記単一の6軸ロボットアームを使用して前記管出し入れサブシステムへと前記管を移動させる工程と、
前記単一の6軸ロボットアームを使用して検査のために前記検査システムへと移動させる工程と、
前記検査システムを使用して前記管の表面を走査することにより前記管を検査する工程であって、前記管に常、および品質問題のうちの少なくとも一つが存在するか判定し、前記管が検査に合格または不合格かを決定する工程と、
検査を行った前記管を前記単一の6軸ロボットアームを使用して前記レーザカットシステムまたは別の場所へと移動させ、不合格であった管を前記単一の6軸ロボットアームを使用して前記管出し入れサブシステムへと移動させる工程と、
検査に合格した管に対して、前記レーザカットシステムを使用して前記管の壁におよび壁を貫通して、複数のスロット、複数の穴および複数の孔のうちの少なくとも一つを切設して、液体から固体を濾過する濾過管を形成する工程と、を備える方法。
【請求項18】
前記生産システムは、前記レーザカットシステムによって切設された各管を処理するための後処理システムを更に備え、
前記単一の6軸ロボットアームは、前記レーザカットシステムから前記後処理システムへと前記管を移動させるように構成され、
前記方法は更に、
前記単一の6軸ロボットアームを使用して、切設された前記管を前記レーザカットシステムから前記後処理システムへと移動させる工程と、
前記後処理システムを使用して前記レーザカットシステムによって切設された前記管を後処理する工程と、を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記切設する工程の後に、前記方法は更に、
前記単一の6軸ロボットアームを使用して、前記管を前記レーザカットシステムから前記検査システムへと移動させる工程と、
前記検査システムを使用して前記管の前記表面を走査することにより前記管を検査する工程であって、前記レーザカットシステムによって切設された後の前記管の少なくとも品質および空隙率を判定して前記管が検査に合格したかを判定する工程と、を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記単一の6軸ロボットアームは、検査に不合格となった管を第1トレイに集め、検査に合格となった管を第2トレイに集めるように構成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記検査システムはレーザ光学マイクロメータを有し、
前記検査システムを使用して前記管を検査する工程は、前記レーザ光学マイクロメータからのレーザで前記管の前記表面を走査することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記検査システムはカメラを有し、
前記検査システムを使用して前記管を検査する工程は、前記カメラを用いて前記管の前記表面を走査することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記検査システムによって前記検査する工程は、前記検査システムの少なくとも一部を前記管に対して水平に移動させること、回転装置を用いて前記管を回転させること、および、前記管の前記表面を走査することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記後処理システムは、洗浄システム、超音波槽、電解研磨システム、ビーズブラストシステム、サンドブラストシステムおよび研磨洗浄装置のうちの少なくとも1つを有し、 前記管を前記後処理する工程は、前記洗浄システム、前記超音波槽、前記電解研磨システム、前記ビーズブラストシステム、前記サンドブラストシステムおよび前記研磨洗浄装置のうちの少なくとも1つを使用して前記管を洗浄することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記後処理システムは更に、すすぎ剤が入ったすすぎ槽を有し、
前記管を前記後処理する工程は更に、前記管をすすぐことを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記後処理システムは乾燥機を有し、
前記管をそれぞれ前記後処理する工程は更に、前記管に対して前記乾燥機を水平方向に移動させることにより前記管を乾燥させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記単一の6軸ロボットアームは、前記検査システムによる前記管の検査結果に基づき、前記検査システムからの検査済み管を、前記レーザカットシステムに移動させるか、または前記管出し入れサブシステムに戻すように構成される、
請求項1に記載の生産システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第62/738,919号(出願日:2018年9月28日)に基づく優先権を主張するものであり、この米国特許仮出願の開示は、参照により全体として明示的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、濾過管を加工および形成するための生産システムに関する。
【背景技術】
【0003】
濾過は、石油やガスの処理から食品加工業に至るまで、様々な産業用の流体(気体または液体)から固体を分離するために典型的に用いられる重要な方法である。濾過に依存する多くの工業プロセスにおいては、濾過媒体の取り替え頻度が非常に高く、大幅なコスト増や用いられる濾過媒体の固形廃棄物の処理または回収の問題の発生につながる。
【0004】
産業用途に現在利用可能な濾過媒体は多種多様である。濾過管を用いた濾過部材およびその組立品は、様々な産業分野で液体から固体を濾過することに成功している。
【0005】
濾過工程の精度を高めるためには、濾過管自体やその孔に欠陥がないように成形することが重要である。
【0006】
また、安定した製品を製造するためにおよびお客様に満足していただくために、濾過管の検査は必要である。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一側面では、濾過管を形成するために管を加工および検査するための生産システムを提供する。生産システムは、管を複数のサブシステム間で移動させるための6軸ロボットアームを備える。前記複数のサブシステムは、複数の管を保持するように構成された管出し入れシステムと、検査システムと、レーザカットシステムとを含む。ロボットアームは、管出し入れサブシステムから加工を行う管を引き出すように構成されている。検査システムは、ロボットアームによってその中に置かれた管を受け取り、検査するように構成されている。検査システムは、管の表面を走査することによって管を検査し、異常、欠陥および品質問題の有無を判定するように構成される。レーザカットシステムは、レーザカットシステムへと管を移動させるロボットアームを介して、管を受け取るように構成されている。レーザカットシステムは、流体から固体を濾過するように構成された濾過管を形成するべく、複数のスロット、穴および/または孔を管の壁におよび壁を貫通して切設するように構成されている。
【0008】
ある実施形態では、ロボットアームは管をレーザカットシステムから後処理システム、例えば、レーザカットシステムによって切設された管を洗浄する洗浄システムへと移動させるように構成される。ある実施形態では、検査システムは、前検査システムおよび後検査システムを含む。ロボットアームは、検査に基づいて管をトレイに移動させるようにさらに構成されてもよい。例えば、検査に合格し濾過管として使用可能な管は、管出し入れサブシステム内の1つのトレイへと誘導され、不合格の管は別のトレイに誘導される。
【0009】
本発明の別の側面では、管を複数のサブシステム間を移動させるように構成された6軸ロボットアームを備える生産システムを用いて濾過管を加工および検査する方法を提供する。前記複数のサブシステムは、複数の管を保持するように構成された管出し入れシステムと、検査システムと、レーザカットシステムとを含む。当該方法は、前記ロボットアームを使用して前記管出し入れシステムへと前記管を移動させる工程と、前記ロボットアームを使用して検査のために前記検査システムへと移動させる工程と、前記検査システムを使用して前記管の表面を走査することにより前記管を検査する工程であって、前記管に寸法異常および欠陥のうちの少なくとも一方が存在するか判定し、前記管が検査に合格または不合格かを決定する工程と、検査を行った前記管を前記ロボットアームを使用して前記レーザカットシステムまたは別の場所へと移動させ、異常および/または欠陥を有する不合格であった管を前記ロボットアームを使用して前記管出し入れシステムへと移動させる工程と、を備える。前記方法は更に、検査に合格した管に対して、前記レーザカットシステムを使用して前記管の壁におよび壁を貫通して、複数のスロット、複数の穴および複数の孔のうちの少なくとも一つを切設する工程を備える。
【0010】
一実施形態において、前記生産システムには、後処理システムが設けられる。前記方法は更に、前記ロボットアームを使用して、切設された前記管を前記レーザカットシステムから前記後処理システムへと移動させる工程と、前記レーザカットシステムによって切設された前記管に対して、前記後処理システムを使用して後処理技術(例えば、洗浄)を適用する工程と、を備える。
【0011】
前記方法は、前記ロボットアームを使用して、前記管を、前記レーザカットシステムまたは前記後処理システムから前記検査システムへと移動させる工程と、前記検査システムを使用して前記管の前記表面を走査することにより前記管を検査する工程であって、前記レーザカットシステムによって切設された後の前記管の少なくとも品質および空隙率を判定して前記管が検査に合格したかを判定する工程と、を更に備えてもよい。
【0012】
本開示の上記以外の特徴及び効果は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】一実施形態に係る、濾過管を形成するために、濾過管を加工および検査するための生産システムであって、ロボットアームおよびサブシステムを備えるシステムの概略図である。
【0014】
図1B】ロボットアームおよびサブシステムを備える一実施形態に係る別の生産システムの概略図である。
図1C】ロボットアームおよびサブシステムを備える一実施形態に係る別の生産システムの概略図である。
図1D】ロボットアームおよびサブシステムを備える一実施形態に係る別の生産システムの概略図である。
図1E】ロボットアームおよびサブシステムを備える一実施形態に係る別の生産システムの概略図である。
【0015】
図2A図1Aに概略的に描かれている実施形態において、濾過管を形成するために濾過管を加工および検査し、ロボットアームおよびサブシステムを備える生産システムの上面図または俯瞰図である。
【0016】
図2B図2Aの生産システムに備えられ得るサブシステムを上から見た透視図である。
【0017】
図3図2Aおよび図2Bに示したサブシステム間を管を移動させる例示的な方法を描いた概略なフローチャートである。
【0018】
図4】一実施形態に係る図2Aおよび図2Bの生産システムにおける管出し入れシステムサブシステムの斜視図である。
【0019】
図5図4の管出し入れシステムサブシステムを示す別の図である。
【0020】
図6】一実施形態に係る図2Aおよび図2Bの生産システムの、前検査システムと後検査システムを含む検査システムを示す等角図である。
【0021】
図7図6の検査システムの特徴を模式的に示した側面図である。
【0022】
図8図6の検査システムの特徴を模式的に示した上面図である。
【0023】
図9図6の検査システムの構成要素を示した詳細図である。
【0024】
図10】一実施形態に係る、前検査システムおよび後検査システムが備え得る図9の構成要素の俯瞰図および斜視図である。
【0025】
図11】一実施形態に係る図2Aおよび図2Bの生産システムのレーザカットシステムの等角図である。
【0026】
図12図11のレーザカットシステムの構成要素を示した詳細図である。
【0027】
図13】一実施形態に係る図2Aおよび図2Bの生産システムの後処理システムを上から見た斜視図である。
【0028】
図14】一実施形態に係る図13の後処理システムの一部を構成する例示的な超音波浴装置およびすすぎ装置を示す斜視図である。
【0029】
図15】一実施形態に係る図13の後処理システムの一部である乾燥装置の斜視図である。
【0030】
図16図2Aおよび図2Bの生産システムを上から見た透視図であり、管出し入れシステムサブシステムにおいて本開示の方法を開始するロボットアームを示している。
【0031】
図17】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
図18】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
図19】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
図20】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
図21】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
図22】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
図23】一実施形態に係る方法の様々な工程と、図2Aおよび図2Bの生産システムのサブシステムにおけるロボットアームおよび管の動きとを示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書に開示される生産システム100は、濾過管を製造するために、濾過管を加工して検査するのに使用され、前検査または後検査に合格しない濾過管は廃棄される。システム100は、当該システムの多数のサブシステム、装置またはステーション間で処理される濾過管を移動させるロボットアーム102を備える。図1Aに模式的に示される一実施形態において、システム100は、ロボットアーム102と共に、管出し入れシステムサブシステム120、検査システム122(例えば、前検査サブシステム124および後検査サブシステム126を含む)、レーザカットシステムもしくはサブシステム128(またはスロッティングサブシステムまたは穴開けサブシステム)、および、後処理サブシステム130(例えば、レーザカットされた管を処理するためのものであり、例えば、一実施形態において、乾燥ステーション、水洗槽および/または洗浄システムを含む)を備える。別の実施形態では、システム100は、1つ以上のレーザカットシステム128を備える。すなわち、追加のレーザカットシステムが含まれてもよい。図1Bは、別の実施形態に係るシステム100の概略的な例を示しており、ロボットアーム102、管出し入れシステムサブシステム120、検査システム122(例えば、加工前検査サブシステム124および加工後検査サブシステム126を含む)、第1レーザカットシステム128Aおよびおよび第2レーザカットシステム128B、ならびに、後処理サブシステム130(例えば、乾燥ステーション、水洗槽および/または超音波槽を含む)を備える。さらなる別の実施形態では、後処理サブシステムは設けられない。例えば、図1Cに示すさらなる別の実施形態では、システム100は、ロボットアーム102、管出し入れシステムサブシステム120、検査システム122およびレーザカットシステム128を備える。これに代えて、図1Dは別の実施形態に係るシステム100の概略的な例を示しており、ロボットアーム102、管出し入れシステムサブシステム120、検査システム122(例えば、前検査サブシステム124および後検査サブシステム126を含む)、第1レーザカットシステム128Aおよびおよび第2レーザカットシステム128B、ならびに、後処理サブシステム130(例えば、乾燥ステーション、水洗槽および/または超音波槽を含む)を備える。図1A図1Dに示されたシステム100のそれぞれは、そこで使われる可能性のある配置およびサブシステムの例を示している(それらの詳細については以下に説明する)。さらに別の実施形態では、図1A図1Dのシステムのいずれかにおいて、検査システム122が設けられなくてもよい。例えば、図1Eはシステム100のさらに別の実施形態を示しており、ロボットアーム102、管出し入れシステムサブシステム120、レーザカットシステム128、および、必要に応じて後処理システム130を備える。システム100に含まれるシステム/サブシステム/ステーションの数および種類は、本明細書に添付の図面に示された例に限定されることを意図するものではない。また、追加のまたは第2レーザカットシステムのみが示されているが、さらに別のレーザカットシステム、例えば、第3のレーザカットシステムがシステム100に設けられてもよい。このように、システム100は、実施形態に応じて複数のレーザカットシステムを備えてもよい。また、システム100におけるサブシステムの向きや配置は、図示された例示的な実施形態に限定されることを意図していない。
【0033】
図1Bおよび図1Dに示すような第2のまたは追加のレーザカットシステムを設けることにより、システムの生産速度を上げる(例えば、2倍にする)に寄与する。例えば、2つのレーザカットシステムが設けられる場合、その他のサブシステム(検査システム、後処理、ロボットアーム等)がそれぞれ1つずつ設けられてもよい。これは、各サブシステムにおける処理時間は異なり、場合によっては、管をカットするのにかかる時間と比較して、その他のサブシステムの処理時間が短くなる場合もあるからである。このように構成することによりコスト削減が図れる可能性がある。また、2つ目のカットシステムを設置するのにそれほど大きな面積を必要としないため、設置面積の縮小が可能である。
【0034】
図2A図2Bおよび図16には、図1Aの概略図に示される一実施形態に係る生産システム100の例示的なレイアウトの概念が示されている。以下の説明は、図2A図2B(したがって、図1A)のシステム100およびサブシステムの具体的な参照を含み得るが、図1B図1Cおよび図1Dに示されるシステムおよびサブシステムについても、図1A図2Aおよび図2Bおよび図3図23を参照して説明したのと同様のまたは同じ特徴および特性を含み得ることは理解されるべきである。
【0035】
図2Aは、空間内に設けられた生産システム100のサブシステムの上面図である。図16に示される一実施形態では、システム100は、部分的に囲まれた空間内にサブシステムまたはステーションを実質的に収容するように構成されたハウジングを形成する壁または外部ガードを有するフレーム103を備える。別の実施形態では、フレーム103が設けられなくてもよい。上記の空間またはハウジングは、長さL、幅Wおよび高さHを有し、床F上に配置される。
【0036】
一実施形態では、システム内のレイアウトは、オペレータまたは技術者がシステムの一部またはサブシステムの場所に入り作業を行うための、床Fに沿ったアクセスエリアおよび/または通路を含んでもよい。例えば、オペレータ、技術者または作業者は、必要に応じて、サブシステムに設けられた部品のメンテナンス、変更および/または修理作業を行うために、システム100に接近してもよい。ハウジングに接近およびシステムに接近するために、システムの側面の1つ、例えば、前面に、出入り口および/またはヒンジ式のドアを備えてもよい。一実施形態では、ロボットアーム102およびサブシステムへの接近を可能とするために、アクセスドア104(図16参照)がフレーム103の前部に配置されている。出入り口またはアクセスドア104の位置を変更してもよく、例えば、サブシステムの配置に応じて変更してもよい。
【0037】
生産システム100は、上記空間/フレーム103に隣接しておよびその外側に配置されたワークステーション106および多数のその他のステーション108、110を備えてもよい。例えば、ワークステーション106および/またはステーション108、110は、生産システム100の性能を監視および制御するために、ディスプレイ画面、入力装置、コントローラ、コンピュータ等を備えるオペレータのための作業空間を提供してもよい。例えば、ワークステーション108および/またはステーション108、110は、システム100の様々な部分を制御する1つまたは複数のコンピュータまたはコントローラ118を有してもよい。コンピュータが使用される実施形態では、コンピュータは、汎用コンピュータまたは専用のコンピュータであってもよい。本明細書に記載されている様々な構成要素およびその機能性を実装するために、コンピュータハードウェアおよびソフトウェアプラットフォームが使用されてもよい。コンピュータは、プログラム命令を実行するための、1つまたは複数のプロセッサの形態である中央処理装置を含んでもよい。コンピュータまたはコントローラは、例えば、ロボットアーム102およびサブシステムの各装置に指示を行うようにプログラムされたまたは保存されたプログラムを有してもよい。メモリ(RAMまたはROM)等の有形で非一時的な媒体の形態であるデータ記憶が、通信バスと共に、コンピュータまたはコントローラに設けられてもよい。本明細書に開示されている濾過管を加工する方法は、コンピュータまたはコントローラに関連付けられた記憶媒体に格納されてもよい。有形で非一時的なストレージ型の媒体としては、本明細書に説明されるシステムの構成要素のコンピュータ、(複数の)プロセッサ等もしくはソフトウェアプログラミングのためのストレージを提供し得る関連モジュールに対するメモリまたはその他ストレージのいずれかもしくは全てを含み得る。
【0038】
一実施形態において、生産システムは、加工される濾過管を摘んで把持し、複数のサブシステム間を移動させるように構成された6軸ロボットアーム102を備える。ロボット技術および/またはオートメーション技術の当業者であれば一般的に理解しているように、6軸ロボットアームは、6つの軸で動作するように設計されている。すなわち、前後(後方および前方)、上下および左右に移動して動作するように設計されている。一般的に、このようなロボットアームは、複数のアーム、ジョイントベアリング、エンドエフェクタ、構造フレーム、コントローラおよび複数のサーボモータから構成されており、コントローラの指示に従ってアームの各パーツを異なる方向に動かすことができる。サブシステム間で濾過管を移動させるために、エンドエフェクタは、濾過管を掴んで持ち上げる把持機構またはロボットのハンドの役割を果たします。このようなロボットアームは一般的に知られており、ここではその特徴を詳しく説明しない。
【0039】
一実施形態では、複数のサブシステムは、複数の濾過管を保持するように構成された管出し入れシステムサブシステム120(本明細書では「管格納ユニット」とも称される)、検査システム122、レーザカットサブシステム128および必要に応じて設けられる後処理サブシステム130を含み得る。これらのサブシステムは、図4図15を参照してより詳細に説明される。ロボットアーム102およびサブシステムのレイアウトを利用して生産プロセスおよび検査プロセスを自動化することにより、本明細書に開示された生産システム100およびその方法の工程は、より高品質な製品を提供し、および、一貫性があり顧客が満足するようなより高い精度で濾過管を生産する。本開示の生産システムは、例えば、プロセスの自動化によってオペレータの関与を低減および/または最小化し、これにより、運用コストを低減すると共に、以下の説明に基づいてさらに明らかになる他の利点を提供する。
【0040】
図4図15に示された装置を指して「システム」および「サブシステム」という用語を使用する場合、本願においては互換的に使用されている。サブシステムという用語は、単に、生産システム100全体として見た場合に、その一部として提供されているシステムを指すことを意味する。さらに、本明細書に示されているようなサブシステムは例示的なものであり、これに限定することを意図していない。すなわち、その他のシステムが生産システム100の一部として含まれてもよい、および/または、本明細書で説明したシステムが全体のシステム100から取り外されてもよい(例えば、図1B図1Cおよび/または図1Dに示すように)。
【0041】
図2Aに示される実施形態では、6軸ロボットアーム102は、上記空間の近くまたは中央に設けられており(例えば、フレーム103内またはフレーム103が設けられない)、ロボットアーム102の左側に管出し入れシステムサブシステム120および検査システム124、126が設けられ、ロボットアーム102の右側に後処理システム130が設けられ、その奥にレーザカットシステム128が設けられてシステムに組み込まれている(例示のため、フレーム103が設けられていない場合のシステムにおける例示的なサブシステムの配置を図2Bに示している)。別の実施形態として、ステーションの位置を変更してもよい。別の実施形態では、検査システム122はロボットアームの右側に配置され、管出し入れシステム120はシステム100の前部に配置される。図に示されているようなサブシステムのレイアウトは例示的なものであり、これに限定することを意図していない。
【0042】
生産システム100のこれらの部分の一般的な機能は次の通りである。ロボットアーム102は、管格納ユニットまたは入出力サブシステム120から加工する管を引き出し、管それぞれを上記のサブシステム間で移動させるように構成されている。一実施形態では、各サブシステムは、レーザカットシステム128について生産を滞らせることがないように、約1時間以内にその機能を完了するように設計されている。検査システム122(例えば、前検査システム124および後検査システム126を含む)は、管出し入れシステムサブシステム120からロボットアーム102によって引き出された管を受け取り、検査するように構成されている。本開示では、「未加工の管」とは、レーザシステムによって管にスロット、穴および/または孔が切設または形成される前の管を指す。管それぞれに行われる「前検査」は、未加工の管を検査することを含む。一実施形態によれば、前検査システム124は、未加工の管の表面を走査することにより未加工の管を検査して、当該管の寸法異常および/または欠陥の有無を判定し、異常および/または欠陥のない管を前検査に合格した管と判定するように構成されている。レーザカットシステム128は、前検査システム124からレーザカットシステム128へと管を移動させるロボットアーム102を介して、前検査に合格した管を受け取るように構成されている。レーザカットシステム128は、流体から固体を濾過するように構成された濾過管を形成するべく、複数のスロット、穴および/または孔を各管の壁におよび壁を貫通して切設するように構成されている。後処理システム130は、レーザカットシステム128によってカットされた管を処理する、すなわち、管に穴が開けられたまたはスロッティングされた後に当該管を処理するものである。後検査システム126は、ロボットアーム102が回収した管を後処理システム130から受け取り、検査するように構成される。本開示において、「加工済の管」(またはスロット付き管またはカット済管)とは、スロット、穴および/または孔がレーザシステムによって管に切設または形成された後の管を指す。管の「後処理」は、例えば、レーザシステムを用いて管に穴を開けた後に、当該管の洗浄、すすぎ、乾燥および/または検査することを含み得る。加工済の管の「後検査」には、加工されたまたは穴が開けられた管をそれぞれ検査することを含む。一実施形態では、後検査システム126は、レーザカットシステム128によって穴開けされた後の管のスロット/穴の少なくとも品質および空隙率(ポロシティ)を判定するべく、各管の表面を走査することにより加工済の管を検査して、管を後検査において合格とするかを決定する。後検査は、レーザカットシステムによるレーザカット後に行われてもよいし、後処理システムによる処理後に行われてもよい。本明細書に記載されている「濾過管」とは、加工され、後検査(および前検査)に合格し、フィルタとして使用可能に構成された管を指す。完成品の濾過管は、穴開けおよび検査されており、例えば、顧客および/またはメーカーに出荷する準備ができた状態となっている。
【0043】
以下でさらに説明するように、前検査システム124および後検査システム126は、1つの検査サブシステム122(またはステーション)の一部であってもよいし、1つの検査サブシステム122(またはステーション)に含まれていてもよい。さらに、サブシステムの各々は、床F上の空間/フレーム103内での各サブシステムの移動および配置を可能にする別個の、構造的なフレームおよび/またはテーブルを備えるか、またはその上に配置されてもよい。
【0044】
開示される生産システムを使用する方法は、図3の概略図に概して示されており、また、図16図23により詳細に示されている。例えば、一実施形態では、本方法は、濾過管各々について、ロボットアーム102を使用して管格納ユニットまたは管出し入れシステムサブシステム120から加工する管を引き出す工程(例えば、図16を参照)、ロボットアーム102を使用して検査のために管を前検査システム124(または検査サブシステム122)へと移動させる工程(例えば、図17を参照)、前検査システム124を使用して管の表面をスキャンすることにより管を検査し、当該管の寸法異常および/または欠陥および/または品質問題の有無を判定し、前記異常および/または欠陥および/または品質問題のない管を当該前検査に合格した管と判定するまたは欠陥のある管を不合格と判定する工程、ならびに、事前検査に合格した後ロボットアーム102を用いて前検査済みの管をレーザカットシステム128に移動させる、または、欠陥のある管(すなわち、異常および/または欠陥および/または品質問題があると判断された管)をロボットアーム102を使って管出し入れシステムサブシステム120に戻す工程を備える。流体から固体を濾過するように構成された濾過管を形成するべく、本方法では、検査に合格した管に対して、レーザカットシステム128を使用して各管の壁に、複数のスロット、穴および/または孔を切設する工程を備える(例えば、図18を参照)。システム100が、必要に応じて図2Aおよび図2Bに示すような後処理システム130を備える場合、本方法は、ロボットアーム102を使用して穴開けされた管をレーザカットシステムから後処理システム130に移動させる工程と、レーザカットシステム128によって穴開けされた管を後処理システム130を使用して処理する工程とをさらに備える(例えば、以下でさらに説明する図19図21を参照)。方法はまた、ロボットアーム102を使用して、穴開けされた管をレーザカットシステム128からまたはこれに代えて後処理システム130(含まれる場合)から、後検査システム126(または検査サブシステム122)へと移動させる工程(例えば、図22を参照)と、後検査システム126を使用して管の表面をスキャンすることによって管を検査してレーザカットシステムによってカットされた後の各管のスロット/穴の少なくとも品質および空隙率を判定し、管を後検査に合格とするか否かを決定する工程を備える。後検査の結果に応じて、ロボットアーム102は管を後検査システムから管出し入れシステムサブシステム120へと移動させ、検査に合格したか否かに基づいて管を適切なまたは特定の容器またはトレイに配置するように構成されている(例えば、図23を参照)。
【0045】
上記方法におけるサブシステムそれぞれの使用に関しては以下に詳細に説明する。
【0046】
管出し入れシステム
【0047】
次に、図4図15を参照して、各サブシステムの例示的な特徴を説明する。図4は、検査、レーザカットおよび後処理(例えば、洗浄)のために管を投入する、および、処理後にレーザカットされた管を送出するのに使用される管出し入れシステムサブシステム120の特徴を示す。入出力サブシステム120は、サブシステム120をロボットアーム102の近く、例えば、空間/フレーム103の左側に配置するための構造フレーム121を有してもよい。構造フレーム121は、例えば、フレーム103およびその保護領域内に部分的または大部分が収容されるように配置されてもよい。一般的に、入出力サブシステム120は、例えば、フレーム103またはハウジング(図2A参照)を介してオペレータがアクセス可能な第1の側(例えば、左側または外側)と、例えば、ロボットアーム102が空間/フレーム103/ハウジングの中央位置または中央付近に配置されている場合に、ロボットアーム102がアクセス可能な第1の側に対向する第2の側(例えば、右側または内側)側とを有してもよい。一実施形態では、未加工の管は、第1の側(例えば、左側または外側)から入出力サブシステム120へと投入され、反対側である第2の側(例えば、右側または内側)において未加工の管を受け取りロボットアーム102がそこから各管を把持して取り出すことができるようになっている。加工済の管は、入出力サブシステム120に第2の側(例えば、右側または内側)からロボットアーム102によって投入され、オペレータによって第1の側から取り出されてもよい。
【0048】
図4に示すような一実施形態では、管出し入れシステムサブシステム120は、未加工かつ未検査の管、前検査システム124または後検査システム126による検査において不合格となった濾過管、および、検査に合格して濾過管として使用可能な管を保持する。一実施形態では、入出力サブシステム120は、第1トレイまたは上段トレイ132、第2トレイまたは中段トレイ134、および、第3トレイまたは下段トレイ136を有してもよい。一実施形態では、上段トレイ132は未加工および未検査の管を保持してもよく、中段トレイ134はサブシステム124または126のいずれかによる検査に不合格であった管を保持してもよく、下段トレイ136は検査に合格し濾過管として使用可能な管を保持してもよい。未加工の管は、例えば、オペレータまたは技術者によって、第1の側/左側の上段トレイ132に装填されてもよく、加工済みの管は、同じ側の下側トレイ136から取り出されてもよいトレイという言葉の使用は、構造的にこれに制限することを意図したものではなく、例えば、上記トレイのそれぞれを、複数の管を保持するための「容器」と称する場合もある。
【0049】
図示された実施形態では、各トレイ132、134および136は、その中に、実質的に長手方向または水平方向に管を受け入れて整列させるための、それぞれ幅W1、W2およびW3を有する受け面を有してもよい。図5は、トレイ132、134および136と、管出し入れシステムサブシステム120に関連する例示的な構成要素の一部とを示す別の図である。一実施形態では、トレイ132、134および136は、その両端部の間でトレイの表面の長さ方向に沿って管が案内されるように、管を受け入れるための受け入れスロットを第1の端部(例えば、左端)および/または第2の端部に有してもよい。また、トレイの第1端部および第2端部に1つまたは複数のストッパまたはレッジを設けることにより、受け取った管がトレイの端部を越えて移動するのを制限してもよい。一実施形態では、各トレイ132、134、136は、水平面、例えば、生産システム100が載置される床Fに沿って延びる平面に対して、ゼロでない角度で固定されるように構成されている。例えば、一実施形態では、上段トレイは、床Fの水平面に対して上向きに延びる鋭角αになるように構成されている。これにより、トレイ132の第1端部から挿入された未加工の管が移動して第2の端部に集まり、ロボットアーム102が容易にアクセスすることができる。一実施形態では、第2トレイおよび第3トレイは、床Fの水平面に対して下向きに延びる角度βになるように構成されている。これにより、トレイ134、136の第2端部に挿入された不合格の管および加工済みの管が第1の端部に移動して集まり、オペレータが容易にアクセスし、これら管を除去することができる。一実施形態では、トレイ132、134および/または136のいずれかは、トレイを構造フレーム121にヒンジで接続するためのヒンジを有してもよい。この場合、トレイ132、134および/または136の角度位置の調整および変更が可能になる。さらに、トレイ132、134および136の1つまたは複数は、それに関連するロックまたは固定システムを有してもよい。例えば、未加工の管を上段トレイ132に投入する場合、オペレータはまず、トレイ132を下向きの角度(例えば、角度βのような角度)に配置し、管を第1端部からトレイ132上に追加する。追加した後、トレイ132を上向きに延びる角度αに移動させることにより、管がトレイの幅方向に沿って第2端部まで移動する。トレイを固定するために使用されるロックまたは固定装置の種類は、特に限定されない。例えば、ロックは、ロック内にクリップを受容するためのスロットを有するブラケット(例えば、フレーム121に設けられている)を備えてもよい、または、トレイ(複数可)を所望の角度で固定する別個の装置を備えてもよい。
【0050】
また、図5には、管出し入れシステム120に必要に応じて設けられる追加の中継位置133が示されている。この追加の中継位置133は、例えば、加工されるべき次の管を保持するためのスロットを有するフレームであってもよい。このフレームは、第1トレイ132に隣接して、上にまたは近くに配置されてもよい。
【0051】
検査システム
【0052】
図6は、一実施形態に係る検査サブシステム122の概略が示されている。先に述べたように、図示された例示的な実施形態では、前検査サブシステム124および後検査サブシステム126は一緒に提供されてもよく、例えば、両方とも同じ構造フレーム138に対して取り付けられている。したがって、検査システム122は、2つの目的のために設けられている。第1に、未加工管の前検査、第2に、カットまたはスロッティングされ、後処理(例えば、洗浄および/またはリンスおよび/または乾燥)された後の加工済の管の後検査を行うことができる。フレーム138は、検査サブシステム122をロボットアーム102の近くに、例えば、空間/フレーム103の側方または左方に向けて配置する。フレーム138は、例えば、フレーム103およびその保護領域内に部分的または大部分が収容されるように配置されてもよい。システム122は、例えば、長さLI、幅WIおよび高さHIを有する空間内に画定されてもよい。
【0053】
フレーム138は概して水平方向に延在しており、カットの前後の各管(例えば、ここでは説明のために図示されている管135)を、1つ以上の検査装置による検査を行うために固定する、例えば、当該管の長手方向の両端に配置される1つ以上の固定装置140を備えてもよい。図7および図8に模式的に示されている実施形態では、固定装置140はそれぞれ、圧縮ばね137を介して付勢された管把持ロッド145を含むバネ式ロッドを有する。このバネ式ロッドは、検査される管(135)を保持および支持するのに使用されてもよい。一実施形態では、ロッドは、検査される管の内径を介してまたは管の内径から当該管を保持および支持するように構成される。さらに、一実施形態では、固定装置140のうちの少なくとも1つは、取り付けられた管を長手方向または水平方向の軸A-Aに沿って検査装置に対して相対的に回転させるために、当該固定装置に関連付けられた回転装置142、例えば、サーボモータ147を有する。一実施形態では、複数の固定装置140はそれぞれ回転装置142を有する。バネ付きロッドは、例えば、2つのベアリング139および147によって支持され、ベースプレート151によって更に支持されてもよい。装置142を使用して、バネ付きロッドは、バネ付勢支持するべく軸方向に移動し、また、管を検査している間に管135と一緒に回転するように径方向にも移動するように構成されてもよい。サブシステム122の装置140で使用されるベアリングとしては、直線運動ベアリングおよび/または回転ベアリングの両方が含まれてもよい。一実施形態では、固定装置140は、コネクタ149を介してベースプレート142に接続されている空気圧式ピストンアクチュエータ141および空気圧式ピストンロッド143によって制御されて、検査中に管(135)を所定の位置に保持するべくバネ付勢されたロッドを濾過管に押し付けることを可能にしている。ピストンアクチュエータ141は、検査処理中に管135を保持するおよび解放するのに使用されてもよい。一実施形態では、ピストンアクチュエータ141が完全に延伸している時に装置は開いていると考えられ、管を取り外すことができる。ピストンアクチュエータ141が後退した時には装置は閉じた状態と考えられ、管は所定の位置に固定される。装置が閉じた位置にある時、バネ137は、ロッド145を管135に押し付け、これにより管は所定の位置にしっかりと保持される。
【0054】
図6および図7においては144として表されている検査装置124、126は、フレーム138上に配置されているトレイ146(図10参照)に取り付けられた状態で示されている。検査装置124、126は、リニアガイドレール駆動軸163によって駆動されるリニアガイドレールモータ161(図8参照)を介して、レール150に沿って移動するように制御されてもよい。これにより、検査装置144は、管135を検査する際に(軸A-Aに沿って)前方および後方に直線的に移動するように制御されてもよい。図9および図10を参照して説明したように、検査装置144は、一実施形態において、管の前検査のためのレーザキャリパ/マイクロメータ124、および、管の後検査のためのビジョン検査カメラ166を備えてもよい。
【0055】
管135は、管の両端に設けられたバネ137および管把持ロッド145によって所定の位置に保持される。上述したように、管把持ロッド145は、モータ147および回転ベアリング139を介して検査中に管135を回転させることができる。空気圧ピストンアクチュエータ141は、モータ/回転ベアリングのベースプレートの再配置を可能にする。前検査と後検査とでは管の長さが異なるため、このピストンアクチュエータにより、ステージまたはトレイ146の位置を変更することができる。
【0056】
図9および図10は、一実施形態に係る、前検査および後検査のサブシステム124、126に関連する例示的な検査装置144をより詳細に示した図である。サブシステム124、126は、ガイドブラケット152と共にトレイ146に取り付けられている。ガイドブラケット152は、トレイ146の上部に固定されたブロック156にヒンジ接続部158またはヒンジロッドを介して回動可能に取り付けられ得るガイドプレート154を含む。ガイドプレート154は、管135の直径に合ったおよび/または管135の直径よりも僅かに大きい、丸みを帯びた切欠き部分160を有してもよい。また、ブラケット152は、管135を誘導および固定するために、管135の表面を配置させるように設計された多数のベアリング157を有してもよい。一実施形態では、8つのベアリング157が設けられている。ベアリング157は、管135と接触するおよび接触しないようにブラケット152と共に枢動するように設計されている。また、ガイドブラケット152を固定された管135に向かってまたは離れる方向に移動させるために、空気圧アーム162(例えば、ピストン)をトレイ146に取り付けてもよい。ブラケット152は、空気圧により開位置と閉/保持位置との間で移動してもよく、例えば、正の空気圧によって管を中心に閉位置に固定するためにブラケット152を互いに向かって移動させ、空気を発射することによって管を解放するための開位置にブラケット152を互いに遠ざけることができるようにしてもよい。例えば、図10は、ガイドブラケット152が管から離れた開放位置にある状態を示している。固定装置140を用いて管がレーザカットシステム128内に固定した後、アーム162を作動させてガイドブラケット152をヒンジ接続部158を中心に移動または枢動させて、図9に示すように、切欠き部分が管135を実質的に取り囲むように配置してもよい。次に、トレイ146およびサブシステム124、126のそれぞれは、フレーム138に取り付けられたリニアスライド148(片側が図6に示されている)および動作制御システムを使用して、固定された管135に対して長手方向軸A-Aに沿って水平に移動するように構成されてもよく、回転装置142によって回転される時に管の表面を検査およびスキャンする。一実施形態では、動作制御システムは、フレーム138の上部に設けられたまたは取り付けられた一対の平行なリニアガイド/トラッキングレール150に沿ってリニアスライド148およびトレイ146を移動させるための別個のモータを備えてもよい。
【0057】
一実施形態では、検査対象の管(135)を、その両端が固定装置140の2つの支持ロッドの間に入るように配置してもよい。固定装置140のいずれかまたはそれぞれに設けられた空気圧式のピストンアクチュエータを制御して、管を固定および/または解放することができる。一実施形態では、一方の支持ロッドを回転装置142(サーボモータ)によって回転させ、他方の支持ロッドをバネで固定してもよい。上述のハードウェア(例えば、トレイ146、サブシステム)は、検査プロセスの間、フレーム138のレール150に沿って直線的に軸方向に管に対して移動するように構成され、サーボモータによって動力が供給される。2つのサーボモータおよび2つの空気ピストンアクチュエータが、検査システム122の動作制御の一部として使用されてもよい。
【0058】
図には明示されていないが、レール150に沿って移動させるために、図6図9に例示されたスライドと同様なリニアスライド148をトレイ146の反対側に設けてもよい。
【0059】
作業の次の段階、例えば、レーザカットマシン/システムへと移る前に、検査システム122の前検査システム124に入ってくる管を品質管理のために検査するように設計されている。全ての管について、スロット、穴および/または孔を管上/中に切設する前に、管の直径および真円度を検査してもよい。穴開けを成功させるためには、管は事前に規定された仕様でなければならない。管が指定された許容誤差を上回っていることが判明した場合、その管は不合格となり、不合格品箱へと廃棄される。管が指定された許容誤差内であることが確認された場合、管はレーザカットマシンへの移動が許可され、作業が続行される。
【0060】
一実施形態では、前検査システム124は、未加工管の表面を走査するレーザ光学マイクロメータ164を備える。図10は、例示的なレーザ光学マイクロメータ164の一部をより詳細に示している。レーザ光学マイクロメータ164は、レーザカットの前に、管の直径、真円度および真直度、ならびに、管表面の欠陥を測定するように設計されてもよい。この前検査により、規格外の管がレーザカットシステム128に送られるのを防ぐことができる。これは、管が理想的なまたは所定の形状や寸法から大きく外れていると、適切にカットがなされないからである。当業者であれば一般的に理解しているように、レーザ光学マイクロメータは、LEDなどの光源、コンデンサ、拡散板、光学レンズおよびセンサヘッドを備える。レーザ光学マイクロメータは、回転する光学素子を用いてレーザで径路を走査し、測定対象物によって遮られなかった光を受光器で検出する。対象物(この場合、検査対象の管または管の特徴)が光を遮って受光器に光が届かないことを利用して、対象物の寸法値が得られる。レーザによって管の表面を走査し、管が要求された仕様であることを確認する。一実施形態では、回転装置142を介して管を回転させて管の直径を測定し、管の直径、真円度または真直度における欠陥や不一致を検出する。
【0061】
レーザ光学マイクロメータ164によるプロセスの境界は、例えば、最適または望ましいと判断される設計範囲または寸法範囲に基づいて、オペレータが設定してもよい。
【0062】
一実施形態では、レーザ光学マイクロメータに加えてまたは代えて、その他のマイクロメータおよび/またはゲージを前検査プロセスに使用してもよい。例えば、一実施形態では、後検査システムに関して後述するカメラのような、各管の表面を検査のために走査するマシンビジョンシステムおよび/またはカメラを、前検査に使用してもよい。
【0063】
前検査の間、前述したように、検査に合格した管はレーザカットサブシステム128上に送られ、ロボットアーム102によって摘み上げられてシステムに移動される。検査に不合格だった管は、ロボットアーム102によって摘み上げられて移動し、例えば、管出し入れシステムサブシステム120の中段トレイ134である不合格品箱に入れられる。
【0064】
一実施形態では、後検査システム126は、加工済の管の表面を走査するためのカメラ166およびバックライト153を有するマシン可視検査システムを備える。図10は、例示的なマシン可視検査システムの一部をより詳細に示している。前述したように、後検査サブシステム126は、レーザカットされた後の管を検査する(そして、必要に応じてシステム130を介して後処理される)。後検査サブシステム126は、全ての管が所望の仕様を満たしていることを保証すべく、レーザカット後にカットされた管が所望の仕様を満たしているかどうかを検証する。例えば、マシンビジョン検査では、管のスロット/穴の寸法および空隙率を測定する。一実施形態では、カメラ166は、管の表面を走査して、管が要求された仕様になっていることを確認するように構成される。例えば、カメラ166は、スロット/穴の品質を確認するために使用されてもよく、レーザカットシステム128を介して濾過管に切設されたスロット/穴の平均の幅および長さならびに空隙率を計算する。バックライト153は、管内のスロット、穴および/または孔の品質の判定を支援するために使用される。例えば、バックライト153が点灯して光っている時に、管の任意の空隙またはスロットをカメラ166によって観察し、管のスロット、穴および/または孔を通って(光っていない領域と比較して)光りが届いていることを利用して空隙率が測定されてもよい。一般的に、このシステムは、指定されたカット形状が達成されているかを確認するために、カットの品質を検査するように設計されている。また、システムは、例えば、スロット/穴/孔の平均的な長さおよび幅を記録し、完成した管それぞれの空隙率を計算してもよい。
【0065】
後検査の間、管が所望の仕様を満たしていない場合、管ははじかれて、例えば、ワークステーション106を介してオペレータにその旨が通知されてもよい。必要に応じて、はじかれた管は、ロボットアーム102によって摘み上げられて移動され、検査サブシステム122から管出し入れシステムサブシステム120の中段トレイ134に送られてもよい。検査に合格した管は、ロボットアーム102を介して、完成した管のホルダ、すなわち管出し入れシステムサブシステム120の下段トレイ136に送られ、そこでパッケージ化され、出荷の準備がなされてもよい。
【0066】
マシンビジョンシステムのプロセス境界は、例えば、最適または望ましいと判断された設計または寸法範囲に基づいて、オペレータまたは顧客によって設定されてもよい。一実施形態では、検査システムの境界は、管の所望のカットに基づいて設定されてもよい。空隙率、スロット/穴の長さ、および、スロット/穴の幅は様々に設定されてもよく、顧客の要求に基づいて設定されてもよい。
【0067】
一実施形態では、マシンは、マイクロスロッティングされた管を1~1.64メートルの長さでレーザカットして製造するように設計されてもよい。一実施形態では、後検査システム126は、管にレーザカットされたスロット、穴および/または孔の空隙率の範囲が約1%以上約50%以下、スロット/穴/孔の長さが約0.1mm以上約10mm以下、スロット/穴/孔の幅が約1μm以上約1000μm以下の範囲で測定するように構成されている。別の実施形態では、製造および検査における空隙率の範囲は約5%~25%、スロットの長さは約0.5mm~3.0mm、スロットの幅は約10μm~100μmである。さらに別の実施形態では、本システムは、目標空隙率が15%のマイクロスロッティングされた管を1時間以内に製造するように設計されていてもよい。この管は、幅が約30μm~50μm、長さが約1mmのマイクロスロットまたは細孔を有する。本システムでカットおよび加工される管の長さは様々である。
【0068】
検査サブシステム122は、検査工程の間、トレイ146に設けられた光学マイクロメータ124とマシンビジョンカメラ/システム(166)の両方をレールに沿って、つまり管135の長さ方向に沿って移動させると共に、回転装置142を介して管を回転させることによって機能する。この動作制御により、検査のために管の外側の領域全てに完全にアクセスすることができる。検査サブシステム122の長さは、レーザカット前の管の長さ(これは投入トレイのサイズとほぼ同じ)に対応しており、動作制御システムは前検査を行うために、カットされていない管の全長に対応するような範囲で動作してもよい。
【0069】
一実施形態では、Keyence Corporationが製造したレーザ光学マイクロメータおよび/またはビジョンシステムを、検査サブシステム122の前検査システム124および/または後検査システム126の一部として実装してもよい。
【0070】
レーザカットシステム
【0071】
図11には、一実施形態に係るレーザカットサブシステム128の概略が示されている。レーザカットサブシステム128は、マイクロスロット、マイクロホールおよび/またはマイクロポア(本明細書および本開示全体で、それぞれ単に「スロット」、「穴」および「孔」とも称される)を濾過管に切設し、それによって濾過管が形成される。濾過管は、材料が管を通して濾過される時に流体から固体を濾過するように構成されている。レーザカッターは、フレーム170に取り付けられたテーブル面168上に配置されてもよい。レーザカットサブシステム128は、ロボットアーム102の近く、例えば、空間/フレーム103の背面に向かって配置されてもよい。しかしながら、システム128は、その他のサブシステムに対して、任意の位置に配置されてもよい。さらに、図1A図1Eを参照して説明したように、任意の数のシステム128が含まれてもよい。フレーム170および/またはレーザカットシステム128は、例えば、フレーム103およびその保護領域内に部分的または大部分が収容されるように配置されもよい。
【0072】
一実施形態によれば、レーザサブシステム128は、同日に出願された「LASER CUTTING SYSTEM FOR CUTTING ARTICLES AND FORMING FILTRATION TUBES(物品をカットし、濾過管を形成するレーザカットシステム)」と題された同時係属米国特許出願番号62/738,853号(代理人整理番号036635-0458817)明細書に記載されているようなレーザシステムであってもよく、本明細書では同じ譲受人に譲渡されたものであり、その全体が参照により組み込まれる。
【0073】
一実施形態では、レーザカットサブシステム128は、レーザビームを発射するための発射システムを含む。発射システムは、レーザビームを提供するように構成されたレーザ源と、少なくとも1つのミラーと、集束対物レンズと、ガス源と、発射ノズルとを備える。発射ノズルは、ガス源からのガスおよびレーザ源からのレーザビームを物品に向けて発射するように構成され、物品に沿って所定のパターンで複数のスロット、穴および/または孔を切設する。第1ステージは、レーザビームによってカットされる物品を長手方向に保持するために設けられてもよく、(a)物品に向けてガスおよびレーザビームを発射する間に物品を軸方向に回転させる、および、(b)レーザビームが物品に発射される時に物品を発射ノズルに対して長手方向に移動させる、ように構成されてもよい。また、第1ステージで保持された物品に対して発射ノズルを相対的に移動させるための第2ステージを設けてもよい。レーザビームおよびガス源の作動、ならびに、第1ステージおよび第2ステージの移動を制御するためのコントローラが、レーザカットシステム128に含まれてもよい。一実施形態では、システム128は、レーザビームを対象に向けるために、回転可能なマウントを介して回転するように構成された第1ミラーおよび第2ミラーを備える。さらに、発射ノズルの画像を撮影するためのカメラおよび/または画像の焦点を合わせるためのリレーレンズが、システム128に設けられてもよい。システム128は、必要に応じて、物品をカットするのに使用されるレーザビームからのエネルギー量を測定するための監視装置、および/または、レーザによってカットされる時に物品/管に向けて冷却剤を放出するための冷却剤源および冷却剤放出ノズルを有してもよい。
【0074】
図12は、一実施形態において、レーザカットシステム128に関連する特徴の組立の例を示す。レーザカットシステム128は、レーザビームを提供するように構成されたレーザ源と、レーザビームを管135に向けて発射するための発射ノズルとを備えてもよい。第1ステージは、各物品を長手方向に保持し、物品に向けたガスおよびレーザビームの発射中に物品を軸方向に回転させ、発射ノズルに対して物品を長手方向に移動させてもよい。第2ステージは、第1ステージによって保持されている物品に対して発射ノズルを相対的に移動させるようにシステムに設けられている。制御装置は、レーザビームおよびガス源の作動ならびに第1ステージおよび第2ステージの移動を制御する。モータ、チャック、エアコレットは、レーザ光源から発射されたレーザ光に対して管を回転させ、管に、スロット、穴および/または孔を所望のパターンに合わせて切設する。把持部は、レーザカットの際に、管を保持およびガイドするのに役立つ。
【0075】
また、レーザカットサブシステム128は、真空ボックス172および管軸受支持部174を有してもよい。図11に図示された実施形態では、真空ボックス172はマシン面およびテーブル面168の左側に設けられている。別の実施形態では、真空ボックス172は、右側に配置されてもよく、ロボットアームが管を投入および取り出しする時に開閉できるようになっている。水平面から垂直に上方に延びる多数の管ベアリング支持ブラケット174が、テーブル面168に沿って間隔を置いて配置されている。軸受支持ブラケット174はそれぞれ、管の表面を支持し、レーザヘッドの近傍で管を案内するために角度を付けて設けられた一組の全方向移送ボールを含んでもよい。一実施形態では、ブラケット174の少なくともいくつかは、互いに対して斜めに配置されたボールを有する。別の実施形態では、ボールは、管の表面を下から支えるために実質的に垂直に配置されてもよい。
【0076】
真空ボックス172は、真空モータと、一実施形態では、それに接続されたホースとを有する。ホースの接続サイズまたは直径は、管を流れる空気流の望ましいの量に基づいて決定されてもよい。真空ボックスの真空モータの間に設けられるホースの接続サイズまたは直径は、約30mm以上約80mm以下の間の範囲であってもよい。一実施形態では、ホースは約76mmの直径を有している。無論、このような寸法は例示的なものであり、いかなる態様にも限定することを意図したものではない。
【0077】
後処理サブシステム
【0078】
図13図15は、一実施形態に係る、必要に応じて設けられる後処理サブシステム130の概要を示している。具体的には、図13は、管がレーザカットサブシステム128によってスロッティング/カットされた後(および検査サブシステム122によって検査された後)に、管を処理することができる後処理サブシステム130の特徴を示している。一実施形態では、後処理システム130は、カットされた管を洗浄するための洗浄システムを含む。カットプロセスの結果として、管の内部および/または外部に残っている剥離したスラグおよび粒子を洗浄により移動させて除去する。後処理サブシステム130は、ロボットアーム102がアクセスする可能な範囲にサブシステムの部品を、例えば、空間/フレーム103の右側に配置するための構造フレーム180(図14を参照)を備えてもよい。構造フレーム180は、例えば、フレーム103およびその保護領域内に部分的または大部分が収容されるように配置されてもよい。
【0079】
図13の部分俯瞰図に示すように、一実施形態では、後処理サブシステム130は、1つのサブシステムまたは装置を備えてもよい、または、複数のサブシステムまたは装置を備えてもよい。例示的な図示の実施形態では、後処理サブシステム130は、複数のアイテム、例えば、第1の(例えば、前)容器182、第2の(例えば、中)容器184および第3の(例えば、後)容器186を有し、これらの各々は、ロボットアーム102を介してその開放された上部からアクセス可能であってもよく、その中に処理された管を挿入してもよい。一実施形態では、第1の容器182は洗浄容器である。一実施形態では、第1の容器182は、超音波槽182であり、第2の容器184はすすぎ槽184であり、第3の容器186は乾燥システムの一部である容器である。
【0080】
一実施形態では、超音波槽182およびすすぎ槽184は構造フレーム180に設けられ、乾燥システムは別のフレームに設けられてもよい。
【0081】
図14は、フレーム180上にタンク182,184を配置する例を示したものである。タンクおよびフレームは、例えば、長さLC、幅WCおよび高さHCを有する空間に画定されてもよい。
【0082】
生産システム100の動作中、加工された管は、ロボットアーム102によってレーザカットサブシステム128から移動され、超音波槽182に入れられてもよい。超音波槽182では、槽182およびその内容物に超音波電流を印加することによって、加工済の管を超音波洗浄する。超音波槽182は上部に開口部を有し、その中に置かれる様々な長さの管を収容可能な大きさの壁を有している。超音波槽182には、管を洗浄するために、例えば、水、超音波洗浄剤または溶媒が収容される。超音波槽182は、一定の時間、例えば、約5分から約20分の間作動させて、管を洗浄してもよい。超音波槽182は、管の表面または内部に残された剥がれたデブリを除去および取り除いてもよい。
【0083】
上記の実施形態では、レーザカットされた管の後処理および洗浄のために超音波槽182を使用する例を説明したが、カットされた管を洗浄するのに、超音波の使用に限定することを意図していない。一実施形態では、レーザカットされた管は、これらに限定されないが、電解研磨システムおよび/または研磨洗浄装置と、ビーズブラストまたはサンドブラスト等の方法および/またはそのような洗浄方法の組み合わせを含む別の方法を用いて洗浄されてもよい。したがって、後処理システム130の一部として使用される洗浄システムまたは装置は、いかなる態様に限定されることを意図するものではなく、任意の数の洗浄システムおよび/または処理が使用されてもよい。
【0084】
前述のように、例示的な図示の実施形態では、後処理システム130は、カットされた管を後処理するための複数の装置を備える。一実施形態では、ロボットアーム102は次に、管を把持して超音波槽182(または他の洗浄装置/システム)から、すすぎ槽184内へと管を移動させてもよい。すすぎ槽184は上部に開口部を有し、その中に置かれる様々な長さの管を収容可能な大きさの壁を有する。一実施形態では、すすぎ槽184の長さは処理される管の長さに基づいて設定される。すすぎ槽184は、管をすすぐためのリンス剤または流体をその中に保持する。一実施形態では、リンス剤は水である。超音波槽182の後にすすぎ槽184を配置および/または使用することにより、すすぎ槽184では、超音波洗浄で残った微細なゴミを洗い流すと共に超音波槽182で使用された超音波洗剤を除去する。洗浄システム130は、すすぎ水を攪拌するためのポンプおよびノズルを有する。すすぎ槽184に設けられた配管183にポンプ181を取り付けて、タンク内のすすぎ液(例えば、水)をポンプで循環させてもよい。すすぎは、管に付着したごみの除去を行うべく一定時間行われてもよい。すすぎの後、管は、ロボットアーム102によってすすぎタンク184から取り出される。このすすぎ工程は必要に応じて行われ、必須ではない。さらに、図示されているすすぎ槽184は一例にすぎず、必ず設けられる必要はない。例えば、ホース、スプリンクラーまたはその他の装置を使用した他のすすぎ技術が、後処理の一部として利用されてもよい。別の実施形態では、管のすすぎは、当該管を事前に洗浄することなく行われてもよい。
【0085】
すすぎが行われた後および/またはすすぎ槽184から取り出された後、一実施形態では、図15に示す乾燥サブシステム186へと管を移動させてもよい。乾燥サブシステム186は、洗浄およびすすぎが行われた後の管を乾燥させるように設計されている。一実施形態では、洗浄を行わずに乾燥サブシステムを使用してもよい。別の実施形態では、洗浄またはすすぎを行わずに、単に、レーザカットの結果として管上または管内に残った粒子、削りかす、スラグまたは破片を取り除くまたは吹き飛ばすために乾燥サブシステム186が使用されてもよい。水や破片で詰まったスロット/穴/孔では、マシンビジョン検査においてバックライトで照らすことができないため、管は検査する前に完全に乾燥していなければならない。一実施形態では、管の取り扱いについて、検査サブシステム122と同様の概念および構成要素を使用して乾燥サブシステム186を構成してもよい。例えば、乾燥システム186は、構造フレーム188と、その中に受容した管を(フレーム103の幅Wに対して)水平方向または長手方向に固定するように構成された固定装置192とを備えてもよい。フレーム188は、フレーム180と同一であってもよいし、フレーム180とは別個のものであってもよい。フレーム188は、例えば、長さLD、幅WDおよび高さHDを有する空間で定義されてもよい。
【0086】
一実施形態では、固定装置190はそれぞれ、検査されている管(135)を保持および支持するために使用されるバネ付きロッドを含む。一実施形態では、ロッドは、検査される管の内径を介してまたは管の内径から当該管を保持および支持するように構成される。バネ付きロッドは、例えば、2つのベアリングによって支持されてもよく、バネ付勢による支持を行うべく軸方向に移動し、また管が検査されている間に管と一緒に回転するように半径方向に移動可能に構成されてもよい。一実施形態では、固定装置192は、空気圧式ピストンアクチュエータによって制御され、検査中に管(135)を所定の位置に保持するために、バネ付きロッドをチューブに押し付けることができる。固定装置192のうちの少なくとも1つは、そこに取り付けられた管を長手方向または水平方向の軸B-Bに沿ってシステムに対して相対的に回転させるためにそれに関連付けられた回転装置190、例えば、サーボモータを含む。一実施形態では、複数の固定装置192はそれぞれ回転装置190を有する。
【0087】
また、乾燥システム186は、当該システム186に固定されている管を乾燥させるために、管に向けて送風するためのノズルを有する乾燥機198、温風送風機またはヒートガンおよびエアノズル199を備えてもよい。乾燥システム186はまた、動作制御装置(第2のサーボモータを含む)および少なくとも1つのリニアスライド194を備えてもよい。乾燥機198およびエアノズル199を固定された管に対して相対的に移動させるために、制御装置およびスライドは、フレーム188に取り付けられた一対のガイド/トラッキングレール196と関連付けられてもよい。一実施形態では、乾燥機198およびエアノズル199は、管の表面を乾燥させるために、(レール196に沿って装置を案内するサーボモータおよびスライド194を介して)管に対して軸B-Bに沿って水平方向に前後に移動可能に構成されている。乾燥システム186の固定装置(複数可)192は、空気ノズル199および/または温風送風機が上を平行移動する間に、固定された管をモータ190を介して回転させてもよい。乾燥システム186の空気ノズル199は、水を大方除去するために使用されてもよい。温風送風機/乾燥機198および空気ノズル199は、各装置の送風ノズルから空気を供給するように設計されたコンプレッサ(図示せず)に接続されてもよい。一実施形態では、空気ノズル199が最初に起動される。ほとんどの水が取り除かれた後、温風送風機または乾燥器198が起動され、加熱された空気を供給して管に吹き付けて残りの水を蒸発させてもよい。別の実施形態では、空気ノズル199と乾燥機198とを交互に作動させる。さらに別の実施形態では、空気ノズル199と乾燥機198とを同時に作動させる。
【0088】
後処理サブシステム130の乾燥システム186によって管が乾燥されると、ロボットアーム102は管を把持して、後検査サブシステム126による検査を行うために検査サブシステム122に移動させる。
【0089】
上述した各実施例、すなわち超音波槽182、すすぎ槽184および/または乾燥サブシステム186の使用は任意であり、必ずしも後処理サブシステム130の一部である必要はないことに留意されたい。すなわち、後処理サブシステム130は、単一の装置、例えば、超音波槽182、電解研磨装置、研磨洗浄装置等のみを含んでいてもよい。別の実施形態では、後処理サブシステム130は、すすぎ槽だけを含んでもよいし、乾燥システム/エアノズルだけを含んでもよい。
【0090】
図3を参照して概して説明した生産システム100を使用する方法における先に述べた工程に加えて、その後に、さらなる工程が本方法に含まれることがあり、これは、上記の説明だけでなく、図16図23に図示された工程を見ることによって理解されるべきである。図16は、生産システム全体の等角図である。このセクションは、他の多くのセクションと同様に、ステムをどのように配置し、追加のステーションをどのように追加または削除するかについて柔軟に対応することができる。また、生産部品長さ、直径、材質、全体の大きさ可変であり、これらのパラメータのいずれ変更できる
【0091】
ロボットアームによって各サブシステムとの間で管が移動され搬送される。このプロセスは、ロボットアームが管補充装置から管を取り出し、検査システムに配置することから始まる。検査システムでは、管が仕様の範囲内であることを確認するために、真円度や不完全性等をチェックする。承認された管は、レーザカットマシンに運ばれる。後処理サブシステムを備えたシステムでは、スロッティング/カットされた管は後処理サブシステムに移動され、そこで後処理(例えば、一実施形態では、超音波洗浄、すすぎ、乾燥をそれぞれ行う)が行われる。後処理後、管は検査システムに戻され、スロット/孔および空隙率が要求された仕様の範囲内であることを確認する。これに代えて、スロッティング/カットされた管をレーザカットマシンから検査システムへと移動させてもよい。承認された管は、管保管庫または完成品として送られ、そこでパッケージ化され、出荷の準備が行われる。
【0092】
プロセス全体が自動化され、様々なシステムの通信方法を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、コントローラまたはコンピュータ(例えば、ワークステーション106、108、110にある)によって制御されてもよい。オペレータは生産中にデスクの前にいる必要はなく、何らかの理由で誰かが介入する必要がある場合には、ライトが点灯して合図される。例えば、後検査システムを使用して管を検査した後、本方法は、ロボットアームにより管を後検査システムから管出し入れシステムサブシステム120へと移動させる工程を備えてもよい(図23は、濾過管として使用可能な管を下段トレイ136に移動させている様子を示す)。また、本方法は、ロボットアームが、検査に不合格となった各管を第2/中段トレイ134に集める工程を備えてもよい。さらに、管を検査する工程は、レーザ光学マイクロメータから発射されるレーザで管の表面を走査することにより前検査システムにおいて管を検査すること(図17参照)、および/または、カメラで管の表面を走査することにより後検査システムにおいて管を検査すること(図22参照)を含んでもよい。さらに、検査は、前検査システムおよび/または後検査システムの少なくとも一部を管に対して水平に移動させること、回転装置を用いて管を回転させること、および、管の表面を走査することを含んでもよい。管の後処理は、レーザカット後に管を処理することを含み得る。一実施形態では、後処理は、管を移動させて、例えば、超音波槽(図19参照)または他の洗浄装置/システムで管を洗浄すること、洗浄の後に管を移動させてすすぎ槽において管をすすぐこと(図20参照)、および、管を移動させて乾燥機および/または乾燥システムで管を乾燥すること(図21参照)を含んでもよい。管を乾燥させることは、乾燥機を当該管に対して水平に移動させて、管の表面を乾燥させることを含んでもよい。また、乾燥工程は、乾燥機がチューブの長さに沿って移動する際に、回転装置を用いてチューブを回転させることを含んでもよい。
【0093】
生産システム100で加工される管の長さは、例えば、1.1メートル、1.64メートル(1640mm)等様々である。したがって、サブシステム(検査システム、管後処理システム、管出し入れシステム)の各部の長さは、加工される管の長さに基づいて大きく/小さくしてもよい。また、レーザカットマシンの支持部の長さも、管の長さに応じて変更されてもよい。
【0094】
上記の例示的な実施形態において本開示の原理が明確にされたが、本開示の実施に使用される構造、配置、比率、要素、材料および構成要素に対して様々な変形を加えることが可能であることは当業者であれば理解できる。
【0095】
したがって、そのような変形例であっても本開示の特徴が完全に及び有効に達成されることが理解できる。しかし、上記に示した望ましい具体的な実施形態は、本開示の機能的及び構造的な原理を例示することを目的として説明および図示されたものであり、本開示の原理の範囲内において変更可能であるものと認められたい。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲の意図および範囲に含まれる全ての変形例を包含する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23