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特許7246138映像処理装置、映像処理方法、テレビジョン受像機、制御プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】映像処理装置、映像処理方法、テレビジョン受像機、制御プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20230317BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230317BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20230317BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 642A
G09G3/20 641Q
G09G3/20 621K
G09G3/20 612U
G09G3/20 621F
G09G3/20 611D
G09G3/20 641G
G02F1/133 505
H04N5/66 102B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018073382
(22)【出願日】2018-04-05
(65)【公開番号】P2019184743
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】森 智彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 誠
(72)【発明者】
【氏名】市川 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎司
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-010714(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024307(WO,A1)
【文献】特開2006-352303(JP,A)
【文献】特開2008-284128(JP,A)
【文献】特開2005-250457(JP,A)
【文献】特開2005-202322(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0054594(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0379970(US,A1)
【文献】特開2017-049443(JP,A)
【文献】特開2003-241721(JP,A)
【文献】特開2005-322143(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107610665(CN,A)
【文献】特表2010-511900(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0124934(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/109286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G02F 1/133
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部と、補正部とを備えた映像処理装置であって、
上記取得部は映像信号を取得し、
上記補正部は、
上記取得部が取得した映像信号が、可変フレームレートの映像信号であるかを判断し、
上記可変フレームレートの映像信号を取得したと判断した場合に、
電圧を印加し始めるときの印加電圧を一時的に高め、所望の画素電圧に達するまでの時間を短縮するオーバードライブ補正に対し、
上記可変フレームレートのフレーム間隔が固定フレームのフレーム間隔より長い場合、上記固定フレームレートの映像信号を取得したときに印加する印加電圧より低い印加電圧にするように制御する
ことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
上記補正部は、
電圧を印加し始めるときの印加電圧を、固定フレームレートの映像信号を取得したときに、電圧を印加し始めてから1フレーム後に所望の明度に達するように設定された印加電圧より低い印加電圧を印加するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
上記補正部は、
上記取得部から入力される映像信号内に、表示画面のリフレッシュレートと同期をとる為の信号が検出できない場合に、上記可変フレームレートの映像信号を受信したと判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項4】
上記補正部は、
異なる色の画素を混ぜて配置することで中間色を表現するディザリング補正をオフにする
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の映像処理装置。
【請求項5】
上記補正部は、
対象の画素の過去1フレーム分のソース電位の積算値を参照して算出した補正値で、ソース電圧を補正し、1フレーム間において意図せずに変動するソース電位を所期の電位に維持するシャード―補正をオフにする
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の映像処理装置。
【請求項6】
装置による映像処理方法であって、
映像信号を取得する取得ステップと、
上記取得ステップにおいて取得した映像信号が、可変フレームレートの映像信号であるかを判断し、
上記可変フレームレートの映像信号を取得したと判断した場合に、
電圧を印加し始めるときの印加電圧を一時的に高め、所望の画素電圧に達するまでの時間を短縮するオーバードライブ補正に対し、
上記可変フレームレートのフレーム間隔が固定フレームのフレーム間隔より長い場合、上記固定フレームレートの映像信号を取得したときに印加する印加電圧より低い印加電圧にするように制御する補正ステップとを含むことを特徴とする映像処理方法。
【請求項7】
請求項1からまでの何れか1項に記載の映像処理装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項8】
請求項1からまでの何れか1項に記載の映像処理装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記取得部及び上記補正部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
請求項に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一様態は、映像処理装置、映像処理方法、テレビジョン受像機、制御プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可変的なタイミングにより走査が可能な、G-SYNC(登録商標)対応の液晶表示装置が知られている。また、可変フレームレートの映像を伝送可能な通信インターフェース規格として、HDMI2.1(登録商標)が知られている。
【0003】
以下の特許文献1では、入力された可変フレームレートの映像信号に対して適切な電圧設定を行うディスプレイ装置が開示されている。また、以下の特許文献2では、転写の発生を抑制可能な表示制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特願2015-552882号公報(2013年1月14日公開)
【文献】国際公開第2016/171069号(2016年10月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、オーバードライブ、ディザリング、又はシャドー補正等、従来からの固定フレームレートにおける映像技術を、従来通りに可変フレームレートの映像に対して適用した場合、一時的に画面の一部が明るくなり過ぎる等の不具合が生じ、映像品位が低下することがあるという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、従来の固定フレームレートにおける映像技術を、可変フレームレートの映像に対して使用した場合の映像品位の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る映像処理装置は、取得部と、補正部とを備えた映像処理装置であって、上記取得部は映像信号を取得し、上記補正部は、上記取得部が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断し、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合に、上記取得部が取得した映像信号に対する補正の度合いを弱めるか、又は、上記取得部が取得した映像信号に対する補正をオフにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、従来の固定フレームレートにおける映像技術を、可変フレームレートの映像に対して使用した場合の映像品位の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るテレビジョン受像機の機能ブロック図である。
図2】オーバードライブ補正の動作を示す図である。
図3】実施形態1の処理の流れを示すフローチャートである。
図4】液晶表示装置の表示画面の各部分領域の明度を示す図である。
図5】実施形態2の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】実施形態3に係る補正部における画像信号処理回路を模式的に示すブロック図である。
図7】液晶表示装置における一列目および二列目の画素と、一列目の画素の両側に配置される二本のソースラインとを模式的に示す図である。
図8】液晶表示装置の対象の画素のソース電位の1フレーム間における変動を模式的に示す図である。
図9】(a)は、本発明の実施形態1の液晶表示装置において補正部による補正がなされていない場合の画素のソース電位の一例を示す図であり、(b)は、上記実施形態1の液晶表示装置において補正部が算出する補正値の一例を示す図であり、(c)は、上記実施形態1の液晶表示装置において補正部によってソース電圧が補正された場合の画素のソース電位の一例を示す図である。
図10】(a)は、1フレーム反転でソース電圧を印加する液晶表示装置におけるソース電位の、前のフレーム分から次のフレーム分までの期間での変動を模式的に示す図であり、(b)は、(a)のうちの、現時点からその次の1フレーム分までの期間でのソース電位の変動を模式的に示す図である。
図11】ソース電位の変動において、ブランキング期間が生じた場合の例を示す図である。
図12】フレームレートが変動する映像信号の入出力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について図1図12を参照して説明すれば以下の通りである。
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1図3を参照して説明する。本実施形態においては、映像信号のフレームレートに応じて、オーバードライブ処理の度合いを制御する構成について説明する。
【0012】
(テレビジョン受像機1の構成)
図1は、本実施形態に係るテレビジョン受像機1の機能ブロック図である。図1に示す通り、テレビジョン受像機1は、映像処理装置10、テレビ制御部14、及び表示部16を備える。テレビジョン受像機1は、映像出力装置100等の外部の装置から入力された映像を、又図1には図示しないチューナーを介してテレビ放送を、表示する装置である。
【0013】
映像処理装置10は、取得した映像信号に対して、映像品位を高める補正を行う装置であって、装置制御部11を備える。装置制御部11は、映像処理装置10全体を統括する制御装置であって、取得部12及び補正部13としても機能する。取得部12は、映像出力装置100等の外部の装置から映像信号を取得する。補正部13は、取得部12が取得した映像信号に対するオーバードライブ補正処理を行う。なお、当該オーバードライブ補正処理は、補正部13が、表示部16による画面表示処理に干渉することにより実現される。オーバードライブ補正の詳細については後述する。
【0014】
テレビ制御部14は、テレビジョン受像機1全体を統括する制御装置であって、表示制御部15としても機能する。表示制御部15は、表示部16の画面表示処理に係る処理を行う。表示部16は、動画像を表示する表示パネルである。
【0015】
映像出力装置100は、映像信号を供給する装置である。当該映像信号は、映像出力装置100が生成する構成でもよい。映像出力装置100の例としては、ゲーム機等が挙げられる。
【0016】
なお、テレビジョン受像機1が備える各部材は単数であることに限定されず、複数の当該部材を備える構成でもよい。
【0017】
(オーバードライブ補正処理)
以下、図2を参照して、本実施形態の前提となるオーバードライブ補正(オーバードライブ駆動)の処理の一例について、オーバードライブ補正機能を有する液晶表示装置を例に挙げて説明する。
【0018】
図2の各図は、オーバードライブ補正の動作を示す図である。オーバードライブ補正とは、液晶素子に対する印加電圧を一時的に高め、液晶素子が所望の画素電圧に達するまでの時間、つまり所望の明度の色を発色するまでの時間を短縮する技術である。
【0019】
ここで、図2の各図において、グラフの横軸は時間(秒)を表す。また、液晶表示装置は、1/60秒ごとに画面のリフレッシュを行う。換言すると、液晶表示装置のリフレッシュレートは、60Hzである。また、直線により構成された波形は、液晶素子に印加する電圧である出力階調を表し、曲線を含む波形は、時間の経過に伴う液晶応答、つまり当該液晶素子の発色度合いあるいは輝度を表す。
【0020】
図2(a)は、液晶表示装置に入力される映像信号のフレームレートが変動しない場合におけるオーバードライブ補正の動作を示す図である。
【0021】
図2(a)に示す例において、液晶素子には、電圧を印加し始めてから1フレーム後、つまり1/60秒後に所望の明度に達する印加電圧、換言すると、縦軸のBの値に対応する所望の画素電圧に達するように設定された印加電圧であって、図中のBよりも高いCの値に対応する印加電圧が最初に加えられている。なお、点線の曲線を含む波形は、オーバードライブ補正を用いない場合における液晶応答を表す。オーバードライブ補正を行わない場合、液晶素子には、最初からBの値に対応する電圧が印加される。
【0022】
図2(b)は、液晶表示装置に入力される映像信号フレーム間隔が変動した場合における、オーバードライブ補正の動作を示す図である。図2(b)に示す例においては、Cの値に対応する電圧を液晶素子に印加する時間が図2(a)の場合よりも長い。従って、一時的に液晶素子の画素電圧が、Bの値に対応する所望の画素電圧よりも高くなる。つまり、一時的に当該液晶素子の明度が所望の値よりも高くなり、映像品位が低下する虞がある。
【0023】
図2(c)は、図2(b)のオーバードライブの補正処理の度合いを弱めた場合における、液晶表示装置の動作を示す図である。液晶表示装置は、入力される映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合、図2(c)に示すように、液晶素子に加える印加電圧を、Bの値に対応する電圧以上の範囲において、予め設定された分、低くするように制御する。換言すると、液晶表示装置は、上記映像信号に対するオーバードライブ補正の度合いを弱める。あるいは、上述した場合に、液晶表示装置は、上記映像信号に対するオーバードライブ補正をオフにしてもよい。
【0024】
図2(c)に示す構成によれば、一部の液晶が明るくなりすぎることに由来する映像品位の低下を抑制することができる。
【0025】
(処理の流れ)
図1の構成を用いた本実施形態における処理の流れについて、図1図3を参照してステップごとに説明する。図3は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
(S101)
ステップS101において、取得部12は、映像出力装置100から映像信号を取得する。
【0027】
(S102)
続いて、ステップS102において、補正部13は、ステップS101において取得部12が取得した映像信号のフレームレートが前回のステップS102における判定から変動したか否かを判定する。フレームレートが変動した場合、続いてステップS103の処理が実行され、フレームレートが変動していない場合、続いてS104の処理が実行される。なお、最初に本ステップに遷移した場合、続いてステップS104の処理が実行される。
【0028】
(S103)
ステップS103において、補正部13は、図2(c)を参照して上述したように、映像信号に対するオーバードライブ補正の度合いを弱めることを決定する。あるいは、本ステップにおいては、補正部13が、上記映像信号に対するオーバードライブ補正をオフにすることを決定する構成でもよい。
【0029】
(S104)
ステップS104において、補正部13は、映像信号に対して通常のオーバードライブ補正処理を行うことを決定する。
【0030】
(S105)
ステップS105において、表示制御部15は、ステップS101において取得部12が取得した映像信号が示す映像を表示させる。なお、当該映像の表示においては、補正部13が、ステップS103又はステップS104において決定した度合いによるオーバードライブ補正を施す。
【0031】
テレビジョン受像機1は、上述したステップS101からステップS105までの処理を、ユーザが所定の終了操作を行うまで繰り返し実行する。以上が図3のフローチャートに基づく処理の流れである。
【0032】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。本実施形態においては、映像信号のフレームレートに応じて、ディザリング処理のオン/オフを制御する構成について説明する。なお便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
【0033】
(テレビジョン受像機1の構成)
本実施形態においても、図1に示す構成を用いる。ただし、本実施形態に係る補正部13は、ディザリング補正処理を行う機能を有する。
【0034】
(ディザリング補正処理)
以下、図4を参照して、本実施形態の前提となるディザリング補正の処理と、表示画面に生じ得る明度の偏りとについて、ディザリング補正機能を有する液晶表示装置を例に挙げて説明する。
【0035】
ディザリングとは、異なる色の画素をバラバラに混ぜて配置することで、中間色を表現する技術である。ディザリングを行うことにより、例えば2色の画素だけを用いてグラデーションを表現することができる。
【0036】
しかしながら、ディザリング処理が施された領域には、少ない色数の画素が特定のパターンにより配置されており、拡大した場合は勿論、当該領域が必要以上に明るくなった場合にもディザリングのパターンが目立つ場合がある。
【0037】
一方、表示装置に入力される映像信号のフレームレートが変動した場合、画面の一部が一時的に明るく見える場合がある。以下、上述した場合の一例を簡略化したモデルにより説明する。
【0038】
図4は、液晶表示装置の表示画面の各部分領域の明度を示す図である。図4(a)及び図4(b)の各グラフは、上から順に表示領域I~IVに対応し、グラフの横軸は時間(秒)を表す。また、当該液晶表示装置のリフレッシュレートは通常60Hzであるが、入力される映像信号のフレームレートに応じたタイミングにより、走査を行うことが可能である。また、表示画面の部分領域IからIVまでに対して、所定の補正が順番に施される。ここで、当該補正が施されている間、当該部分領域の輝度値が512から513に上昇するものとする。
【0039】
図4(a)は、フレームレートが変動しない場合における、表示画面の各部分領域の明度を示す図である。例えば表示領域Iは、1フレーム目において輝度値が513、他の3フレームにおいては輝度値が512である。結果、4フレーム分における輝度値の累算値は、2049となる。他の部分領域II~IVにおいても何れかの1フレーム分の間、輝度値が513であり、他の3フレームにおいては輝度値が512であるので、同様に輝度値の累算値は、2049となる。
【0040】
また、1フレーム目においては、部分領域Iの輝度値が513、他の部分領域II~IVの輝度値が512であるので、画面全体での輝度値の累算値は、2049となる。2~4フレーム目においても、何れかの部分領域の輝度値が513、他の部分領域の輝度値が512であるので、画面全体での輝度値の累算値は、2049となる。各フレームの画面切り替えは高速で行われる為、上述した4フレーム間において、通常、各部分領域間に明度の偏りは無いように見える。
【0041】
図4(b)は、フレームレートが変動した場合における表示画面の各部分領域の明度を示す図である。図4(b)に示す例においても、各フレームにおいて、何れかの部分領域の輝度値が513、他の部分領域の輝度値が512であるので、画面全体での輝度値の累算値は、2049となる。
【0042】
一方で、表示領域Iは、図4(a)に示した場合よりも輝度値が513である時間が長い。従って、4フレーム間における表示領域Iの輝度値の累算値は、2049を上回り、他の表示領域II~IVの輝度値の累算値よりも高くなる。また、表示領域IIは、図4(a)に示した場合よりも輝度値が513である時間が短い。従って、4フレーム間における表示領域IIの輝度値の累算値は、2049を下回り、他の表示領域I、III、IVの輝度値の累算値よりも低くなる。
【0043】
結果、上述した4フレーム間において、表示領域Iだけが他の表示領域II~IVよりも明度が高く見え、ディザリングのパターンが目立つ虞がある。
【0044】
液晶表示装置は、入力される映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合、映像信号に対するディザリング補正をオフにすることにより、映像品位の低下を抑制することができる。
【0045】
(処理の流れ)
図1の構成を用いた本実施形態における処理の流れについて、図1及び図5を参照してステップごとに説明する。図5は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
(S101、S102)
ステップS101及びステップS102においては、実施形態1と同様の処理を行う。ステップS101において取得部12が取得した映像信号のフレームレートが、前回のステップS102における判定から変動した場合、続いてステップS203の処理が実行され、フレームレートが変動していない場合、続いてS204の処理が実行される。なお、最初に本ステップに遷移した場合、続いてステップS204の処理が実行される。
【0047】
(S203)
続いて、ステップS203において、補正部13は、入力された映像信号に対するディザリング補正をオフにする。
【0048】
(S204)
ステップS204において、補正部13は、映像信号に対してディザリング補正を施す。
【0049】
(S205)
ステップS205において、表示制御部15は、ステップS101において取得部12が取得した映像信号が示す映像を表示させる。
【0050】
テレビジョン受像機1は、上述したステップS101からステップS205までの処理を、ユーザが所定の終了操作を行うまで繰り返し実行する。以上が図3のフローチャートに基づく処理の流れである。
【0051】
〔実施形態3〕
本発明の第3の実施形態について、以下に説明する。本実施形態においては、映像信号のフレームレートに応じて、シャドー補正のオン/オフを制御する構成について説明する。なお便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
【0052】
(テレビジョン受像機1の構成)
本実施形態においても、図1に示す構成を用いる。ただし、本実施形態に係る補正部13は、図6に示す構成、及びシャドー補正処理を行う機能を有する。
【0053】
図6は、本実施形態に係る補正部13における画像信号処理回路を模式的に示すブロック図である。補正部13は、入力部31、階調電圧変換部32、垂直電圧積算部33、基準電圧積算部34、加減算部35、係数乗算部36、補正値算出部37、補正値加算部38および出力部39を含む。
【0054】
また、本実施形態に係るテレビジョン受像機1は、1フレームごとに液晶素子への印加電圧の極性を反転させるフレーム反転駆動方式により画面表示を行う。
【0055】
(表示制御の概要)
以下、図6図10を参照して、本実施形態の前提となるシャドー補正の処理と、シャドー補正に用いるパラメータの算出方法について、シャドー補正機能を有する液晶表示装置を例に挙げて項目ごとに説明する。当該液晶装置は、本実施形態に係るテレビジョン受像機1と同様に、補正部13を備える。
【0056】
補正部13は、対象の画素20のソース電位の次の1フレームにおける変位量(次の1フレーム分の変位量)を用いて対象の画素20のソース電位の補正値を算出する。上記対象画素のソース電圧の上記変位量の算出以外は、補正部13による上記対象画素へ印加されるソース電圧の補正値の算出は、例えば、特許文献2に記載されているような公知の方法によって行うことが可能である。
【0057】
まず、入力部31には、液晶表示装置において表示する画像の画像データが入力される。入力部31は、当該画像データを後段の階調電圧変換部32に出力する。
【0058】
階調電圧変換部32は、入力部31から入力された画像データ(入力階調)をソース電圧に変換する。たとえば、階調電圧変換部32は、共通電極の電位(Vcom)を基準とし、それより低い電圧をマイナス、それより高い電圧をプラスとするLUT(ルックアップテーブル)を用いて上記入力階調をソース電圧に変換する。階調電圧変換部32は、当該ソース電圧を後段の垂直電圧積算部33および基準電圧積算部34に出力する。
【0059】
垂直電圧積算部33および基準電圧積算部34、それらの後段の加減算部35における作業については、後述する。これらにより、対象の画素20のソース電位の次の1フレームにおける変位量が求められる。加減算部35は、上記変位量を後段の係数乗算部36に出力する。
【0060】
係数乗算部36は、上記変位量に係数を乗算し、当該係数を乗じた上記変位量を後段の補正値算出部37に出力する。上記係数は、例えば、画素20の全体の容量(ΣC)に対する、画素20におけるソースラインS1による寄生容量(Csou1)の比(Csou1/ΣC)である。
【0061】
補正値算出部37は、係数乗算部36で求められた上記変位量と画素20の階調とから補正値(補正階調)を算出し、後段の補正値加算部38に出力する。
【0062】
補正値加算部38は、表示画像の階調に、補正値算出部37による補正値(補正階調)を加算する。こうして、補正値加算部38は、補正後の出力階調を算出し、出力部39に出力する。
【0063】
なお、補正値算出部37によって算出される補正値は、正、負のいずれの数であり得る。たとえば、画素20のソース電位が、画素20を明るくする方向にずれている場合には、上記補正値は負の数になり、暗くなる方向にずれている画素20では、上記補正値が正の数になる。
【0064】
出力部39は、補正値加算部38からの補正された出力階調をソースドライバに送る。
【0065】
(変位量の算出法)
次いで、補正部13が行う上記対象画素のソース電位の変位量の算出方法について説明する。当該変位量の算出は、垂直電圧積算部33および基準電圧積算部34、それらの後段の加減算部35より行われる。
【0066】
補正部13は、対象の画素20のソース電位の次の1フレームにおける変位量(次の1フレーム分の変位量)を、対象の画素20の書き込みタイミングを起点としたときの、対象の画素20のソース電位の過去1フレーム分の積算値を参照して算出する。
【0067】
1フレーム分の垂直走査に要する時間は、例えば、毎秒60フレームのフレームレートとした場合、1/60秒間という非常に短い時間である。よって、動画、静止画のいずれにおいても、あるフレームにおけるソース電位は、その前のフレームのソース電位のよい近似になっている。よって、上記変位量を求めるにあたって、例えば、現時点に対して次の1フレーム分の積算値を、その前の1フレーム分の積算値に置き換えることが実質的には可能である。このように、直近の実際の1フレーム分のソース電位の積算量を参照することにより、次の1フレーム分の積算値を、それを実際に算出するための多大な処理をせずに、より簡易な処理によって得ることができる。
【0068】
上記変位量を求めるための上記積分値の用い方は、当該変位量を求めることが可能な範囲において適宜に決めることが可能である。たとえば、補正部13は、対象の画素20のソース電位の次の1フレーム分の変位量を、二つの積分値の差により算出する。第一の積分値は、対象の画素20の書き込みタイミングを起点としたときの過去1フレーム分の期間における対象の画素20の実際のソース電位の積算値である。第二の積分値は、対象の画素20の書き込みタイミングを起点としたときのソース電位を1フレーム分の期間、積算した値である。
【0069】
次に、上記第一および第二の積算値の求め方を説明する。図7は、液晶表示装置における一列目および二列目の画素と、一列目の画素の両側に配置される二本のソースラインとを模式的に示す図である。図7は、一例として、4320行の画素を有する液晶表示装置における一列目の画素20と、画素20においてゲートラインに接続されるべき二本のソースラインS1、S2とを示している。また、図8は、液晶表示装置の対象の画素のソース電位の1フレーム間における変動を模式的に示す図である。図8において、Vsはソース電位を表し、Vcomは共通電極の電位を表す。また、図8において、Vcomよりも上側のソース電位Vsの極性(符号)を+(プラス)、Vcomよりも下側のソース電位Vsの極性(符号)を-(マイナス)とする。
【0070】
画素20の列では、最初の行である1行目の画素20から最後の行である4320行目の画素20に対し、一垂直走査期間内に、ソースドライバからソース電圧が順次印加される。ある列に属する全ての画素20に対してソース電圧が一回印加されるために要する期間を1フレーム、または一垂直走査期間と言う。そして、現在、fフレームのn行目(1≦n≦4320)の画素20にソース電位が書き込まれている、とする。
【0071】
上記第一の積分値は、前述したように、実際にソース電圧が印加された画素20における過去1フレーム分の期間のソース電位の積算値である。当該第一の積算値は、画素20におけるソース電位Vs1の、f-1フレームのn行目から4320行目までの積算値、および、fフレームにおける1行目からn行目までの積算値、の和である。
【0072】
上記第二の積分値は、前述したように、対象の画素20の書き込みタイミングを起点としたときのソース電位を、1フレーム分の期間積算した値である。当該第二の積算値は、fフレームのn行目の画素20におけるソース電位Vs1(f,n)の、fフレームのn行目から4320行目までの積算値、および、f+1フレームにおける1行目からn行目までの積算値、の和である。
【0073】
そして、対象の画素20のソース電位の変位量、すなわちf+1フレームにおけるn行目の画素20のソース電位の変位量、は、前述したように、上記第一の積分値および前記第二の積分値の差により算出される。n行目の画素20における、fフレームでの変位量は、下記式(1)で表され、図8では斜線部Δcの面積で表される。n行目の画素20における、f+1フレームでの変位量は、下記式(2)で表され、図8では斜線部Δdの面積で表される。よって、上記対象の画素20の電位の変位量(ΔVs1(f+1,n))は、式(3)によって求められる。
【0074】
【数1】
【0075】
【数2】
【0076】
【数3】
【0077】
典型的には、垂直電圧積算部33が、実際にソース電圧が印加された画素における所期の1フレーム分の期間のソース電位の積算値を求める。また、基準電圧積算部34が、基準となるソース電位の上記期間の積算値を求める。そして、加減算部35が、これらの積算値を必要に応じて計算処理し、当該積分値の差分を求める。
【0078】
対象となる画素20のソース電位の変位量は、上記式(1)~(3)に示されるように、フレームごとに分けて上記積分値の差を求め、次いで各フレームにおける当該差を足すことによって算出されてもよい。あるいは、上記変位量は、1フレーム分の期間におけるそれぞれの積算値を求めたのちにそれらを加減することによって算出されてもよい。
【0079】
また、上記対象の画素20のソース電位の変位量は、実際のソース電位(上記式のVs1(k))から基準となるソース電位(上記式のVs1(f,n))を引いた差分を画素20ごとに算出し、当該差分を1フレーム分積算することによって算出されてもよい。この場合、補正部13は、垂直電圧積算部33、基準電圧積算部34および加減算部35に代えて、上記差分の積算値を求める適当な構成を有していてもよい。たとえば、上記の場合、補正部13は、画素20ごとの上記差分を求める減算部と、求められた差分を1フレーム分積算する積算部と、を有していてよい。
【0080】
(補正の効果)
図9の(a)は、液晶表示装置において補正部13による補正がなされていない場合の画素のソース電位の一例を示す図である。図9の(b)は、液晶表示装置において補正部13が算出する補正値の一例を示す図である。図9の(c)は、液晶表示装置において補正部13によってソース電圧が補正された場合の画素のソース電位の一例を示す図である。
【0081】
補正部13によるソース電圧の印加値の補正を行わない場合では、画素20に印加されるソース電圧の、極性反転による変動量が大きくなることがある。このため、図9の(a)に示されるように、補正を行わない場合の画素20のソース電位は、1フレームの終わりに向けて漸次減少することがある。
【0082】
前述したように、補正部13は、対象の画素20のソース電位の過去1フレーム分の積算値と、対象の画素20のソース電位の1フレーム分の積算値との差を用いて対象の画素のソース電位の変位量を算出することができる。より詳しくは、補正部13は、過去1フレーム分にわたり、画素20のソース電位の基準電位(Vs(f,n))に対する実際のソース電位の変位量を積算値の差によって算出し、この変位量に基づいて上記補正値を算出する。たとえば、前述のように1フレーム間においてソース電位が漸減する場合では、補正部13は、図9の(b)に示されるような、1フレーム間で漸次増加するソース電圧の印加値を上記補正値として算出する。
【0083】
このように補正されたソース電圧がソースラインS1から画素20に印加されることにより、1フレーム間における極性反転によるソース電位の漸減が打ち消される。その結果、図9の(c)に示されるような、基準電位と実質的に同じの所期のソース電位が実現される。
【0084】
前述したように、補正部13は、対象の画素20に対して印加されるソース電圧の補正値を算出するための対象の画素20のソース電位の変位量を、積算値の差により算出する。この積算値の差とは、対象の画素20の書き込みタイミングを起点としたときの、対象の画素20のソース電位の過去1フレーム分の積算値と、対象の画素20のソース電位の1フレーム分の積算値との差である。よって、1フレーム間において当該ソース電位が低下する場合のように、1フレーム間において意図せずに変動するソース電位を所期の電位に維持することができる。
【0085】
(ソース電位に関する補足事項)
以下、所定の列(例えば一列目)の画素20における上記変位量を、この変位量と、隣接するソースラインに接続されている(例えば二列目の)画素20における上記変位量との和によって求める場合について説明する。
【0086】
たとえば、図7に示されるソースラインS1のソース電位の次の1フレームにおける上記変位量は、前述した方法により求められる。ソースラインS2のソース電位の上記変位量は、例えば、n行目の画素20における、一列目の画素20の隣の画素、すなわち二列目の画素20におけるソース電位の次の1フレームにおける変位量である。この変位量は、対象となる画素20およびソースラインが異なる以外は、ソースラインS1のそれと同様に求められる。すなわち、ソースラインS2におけるソース電圧の変位量は、上記式(1)~(3)における「s1」を「s2」に代えた式によって表される。
【0087】
このように、対象(n行、m列)の画素20のソース電位の次の1フレームにおける変位量は、n行、m列の画素20のソースラインSmによるソース電位の変位量と、n行、m+1列の画素20のソースラインSm+1によるソース電位の変位量との和で求められる。ここで、m、nは、いずれも正の整数である。よって、求めるべき変位量を「ΔV1(n)」とすると、当該変位量は、下記式(4)によって求めることができる。
【0088】
【数4】
【0089】
典型的には、垂直電圧積算部33が、隣り合う二つの画素20のそれぞれにおける所期の1フレーム分の期間のソース電位の積算値を求める。また、基準電圧積算部34が、隣り合う二つの画素20のそれぞれにおける基準となるソース電位の上記期間の積算値を求める。そして、加減算部35が、上記の積算値の差分を求める。加減算部35は、必要に応じて、計算による処理を上記積算値に適宜に施す。
【0090】
このように、対象の画素20の電位の変位量は、第一の変位量と第二の変位量との和である。第一の変位量は、画素20の一方側に配置されたソースラインS1を対象の画素20(例えばm列目)のソースラインとしたときの積算値の差である。第二の変位量は、対象の画素20の他方側に配置されたソースラインS2を対象の画素20(例えばm+1列)のソースラインとしたときの積算値の差である。
【0091】
上記の構成によれば、前述のシングルソースのライン構造における画素に隣接するものの電気的には接続されていないソースラインによる影響、例えば寄生容量、による対象の画素のソース電位の変位量が、より精密に求められる。このため、補正部13は、より精密な補正値を算出することが可能となる。よって、1フレームの後半(画面の下方)においても所期の高精細な画像を表示する観点からより一層効果的である。
【0092】
(フレーム反転駆動)
以下、液晶表示装置が、フレーム反転駆動方式により動作するものとして上記方式について説明する。
【0093】
図10の(a)は、1フレーム反転でソース電圧を印加する液晶表示装置におけるソース電位の、前のフレーム分から次のフレーム分までの期間での変動を模式的に示す図である。図10の(b)は、図10の(a)のうちの、現時点からその次の1フレーム分までの期間でのソース電位の変動を模式的に示す図である。現在書き込まれている画素20は、fフレームにおけるn列目の画素である。ここで、1フレーム分の垂直走査に要する時間は、例えば、毎秒60フレームのフレームレートとした場合、1/60秒間という非常に短い時間である。よって、動画、静止画のいずれにおいても、1フレーム前のフレーム(f)におけるソース電位は、その前のフレーム(f-1)のソース電位のよい近似になっている。
【0094】
前のフレーム(f-1フレーム)のソース電位の積算値σaは、式(5)で表される。また、現フレーム(fフレーム)における現画素までのソース電位の積算値σbは、式(6)で表される。そして、n列目の画素20における現時点でのソース電位Vnの1フレーム分の積算値σ0は、式(7)で表される。
【0095】
【数5】
【0096】
【数6】
【0097】
【数7】
【0098】
図10の(b)に示されるΔcは、現フレームにおける現時点以降のソース電位における、現時点のn列目の画素のソース電位Vnに対する変位量の積算値である。Δcは、σcからn列以降の画素のVnの積算値を引くことによって求められる。前のフレーム(f-1フレーム)のソース電位が現フレーム(fフレーム)のソース電位のよい近似となっていることから、図10の(a)より、絶対値では、σcは、σaからσbを引いた数値になる。よって、Δcは、式(8)で表される。
【0099】
【数8】
【0100】
Δdは、図10の(b)より、絶対値では、f+1フレームにおけるn列目の画素のソース電位Vnの積算値から、実際に印加されたソース電位の積算値σbを引くことにより求められる。
【0101】
ここで、フレーム間におけるソース電位の極性の違いに応じて、積算値の符号が適宜に調整される。たとえば、σaは、f-1フレームの値であり、そのソース電位の極性は、fフレームにおけるソース電位の極性とは逆である。よって、式(8)では、σaの符号を反転させる。また、Δdについては、fフレームに対してf+1フレームでは極性が反転している。よって、Δdについては、実際のソース電位の積算値の符号を逆転させる。よって、Δdは、式(9)で表される。
【0102】
【数9】
【0103】
現フレーム(f+1フレーム)のn行目の画素20におけるソース電位の変位量は、ΔcとΔdの和から求められる。よって、現フレームのn行目の画素20におけるソース電位の変位量は、式(10)より求められる。
【0104】
【数10】
【0105】
ソース電位の積算値の変位量の算出は、前述した垂直電圧積算部33、基準電圧積算部34および加減算部35によって行うことが可能である。たとえば、垂直電圧積算部33は、過去の実際のソース電位の積算値に基づいてσa、σbおよびそれらの差分を算出する。基準電圧積算部34は、fフレームのn列目の画素におけるソース電位Vnのfフレームにおける積算値((4320-n)×Vn)を算出する。そして加減算部35が、上記の両積算部による算出値へ、必要に応じて極性の反転による符号の逆転処理を施し、式(8)および式(9)のΔcおよびΔdを算出し、それらの和を算出する。
【0106】
あるいは、上記変位量の算出は、必要に応じて他の構成要素を含む補正部13によって行うことができる。たとえば、上記変位量の算出は、ソース電位の前述の極性の反転によるソース電位の正負の符号を変更する符号反転部をさらに含む補正部13によって実施することも可能である。上記符号反転部は、例えば、垂直電圧積算部33および基準電圧積算部34と加減算部35との間にあって、両積算部の算出値のそれぞれの正負の符号を、必要に応じて変更する。
【0107】
このように、補正部13は、連続するフレーム間でソース電位の極性が反転する場合に、極性の反転に応じて上記の積算値の正負の符号を逆転させて用いる。よって、液晶表示装置は、1フレームごとに極性を反転させたソース電圧をソースラインに印加するように構成されている。そして、補正部13は、前の1フレームのソース電位の積算値を現フレームのソース電位の積算値に置き換えて対象の画素20のソース電位の変位量を算出している。より簡易に上記変位量を求める観点からより一層効果的である。
【0108】
(ブランキング期間)
液晶表示装置に入力される映像信号のフレームレートが変動した場合に、上述したパラメータΔに誤差が生じることを、図11を参照して説明する。
【0109】
図11は、図10の(b)に示すソース電位の変動において、ブランキング期間が生じた場合の例を示す図である。
【0110】
図11に示す例においては、液晶表示装置のリフレッシュレートと、入力された映像信号のフレームレートとのずれにより、液晶素子に表示画面の更新の為の電圧を印加しないブランキング期間が生じている。ブランキング期間における電圧Vcomが、Δcの計算に計上されることにより、パラメータΔの値に誤差が生じる。故に、誤差を含んだ当該パラメータΔを用いて行われたシャドー補正は、表示画面の映像品位をより悪化させる虞がある。
【0111】
液晶表示装置は、入力される映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合、映像信号に対するシャドー補正をオフにすることにより、映像品位の低下を抑制することができる。
【0112】
(処理の流れ)
実施形態2において図5を参照して説明した処理の流れを、ディザリング処理をシャドー補正と読みかえることにより、本実施形態に対しても適用できる。
【0113】
実施形態1~3において上述したように、映像処理装置10は、取得部12と、補正部13とを備えた映像処理装置10であって、取得部12は映像信号を取得し、補正部13は、取得部12が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断し、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合に、取得部12が取得した映像信号に対する補正の度合いを弱めるか、又は、取得部12が取得した映像信号に対する補正をオフにする。
【0114】
上記の構成によれば、従来の固定フレームレートにおける映像技術を、可変フレームレートの映像に対して使用した場合の映像品位の低下を抑制できる。
【0115】
また、補正部13が適用する補正処理には、オーバードライブ、ディザリング、及び、シャドー補正の少なくとも何れかが含まれてもよい。
【0116】
上記の構成によれば、入力される映像信号に上述した各補正処理を適用している場合において、当該映像信号のフレームレートが変動した場合の映像品位の低下を抑制できる。
【0117】
〔実施形態4〕
本発明の第4の実施形態について、以下に説明する。本実施形態においては、上述した実施形態1~3に適用可能な構成であって、映像処理装置10が、入力される映像信号のフレームレートの変動を検知する構成について説明する。なお便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
【0118】
(テレビジョン受像機1の構成)
本実施形態においても、図1に示す構成を用いる。ただし、後述する第1の出力方法を用いる場合は、映像処理装置10が、動画像を格納するフレームメモリを更に備える。
【0119】
(処理の流れ)
本実施形態における処理の流れについて、図12を参照して説明する。図12は、フレームレートが変動する映像信号の入出力を示す図である。また、図12(a)は、映像処理装置10に対して入力される映像信号を示す図である。図12(a)に示す通り、当該映像信号は、60Hzから30Hzに変動し、3フレーム後に更に60Hzに変動している。図12(b)は、入力された当該映像信号の第1の出力方法を示す図である。また、図12(c)は、入力された当該映像信号の第2の出力方法を示す図である。図12(b)及び図12(c)に示す例において、当初出力する60Hzのフレームレートの映像信号には、補正部13による何れかの補正処理が随時施されているものとする。
【0120】
まず、上述した第1の出力方法について図12(b)を参照して説明する。第1の出力方法においては、映像処理装置10から出力する映像信号を、動画像を格納するフレームメモリを用いて1フレーム遅延させる。具体的には、取得部12は、取得した映像信号をフレームメモリに格納し、次いで補正部13は、当該映像信号のフレームごとにフレームレートが変動したか否かを判定する。補正部13は、当該映像信号のフレームレートが30Hzに変動したことを検知した場合、実施形態1~3において上述した補正処理の度合いをオフにするか、可能であれば弱める。
【0121】
なお、補正部13は、例えば60Hzの映像信号のフレームが入力される周期において、入力される映像信号内に、表示画面のリフレッシュレートと同期をとる為の信号が検出できない場合に、フレームレートが変動したと判定してもよい。また、補正部13は、当該映像信号のフレームレートが再度60Hzに変動したことを検知した場合、再度元の補正処理を行ってもよい。
【0122】
第1の出力方法によれば、図12(b)の矢印に示すように、映像処理装置10のリフレッシュレートとは異なるフレームレートのフレームに対して正確に補正処理の変更を適用できる。
【0123】
次に、上述した第2の出力方法について図12(c)を参照して説明する。第2の出力方法においては、フレームを出力する場合に、フレームレートが前フレームから変動したか否かを判定する。補正部13は、フレームレートの変動を検知した場合、次以降のフレームに対して、実施形態1~3において上述した補正処理の度合いをオフにするか、可能であれば弱める。また、補正部13は、当該映像信号のフレームレートが再度60Hzに変動したことを検知した場合、再度元の補正処理を行ってもよい。
【0124】
第2の出力方法は、フレームメモリを用いないため、図12(c)に示すように、フレームレートの変動を検知するタイミングが第1の出力方法に比べて、半フレーム分ほど遅れるという側面があるが、フレームメモリが不要であり、出力する映像信号の遅延が少なくとも第1の出力方法よりも少ないという利点がある。
【0125】
上述したように、補正部13は、取得部12が取得した映像信号を参照して、取得部12が取得した映像信号におけるフレーム間隔の変動を検知してもよい。上記の構成によれば、当該映像信号を参照してフレーム間隔の変動を検知可能な映像処理装置10を実現できる。
【0126】
〔変形例1〕
補正部13は、取得部12が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判定する場合に、当該映像信号に含まれるメタデータ、又は、当該映像信号に付随して取得する映像信号を参照する構成でもよい。
【0127】
例えば、上記映像信号をHDMI規格に準拠して伝送する場合、メタデータ中にInfoFrameに、フレーム間隔が変動し得るか否かを示す識別子を含める構成とし、補正部13は当該識別子を参照して、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判定する構成とすることができる。
【0128】
このように、補正部13は、取得部12が取得した映像信号に含まれるメタデータ、又は、当該映像信号に付随して取得する制御信号を参照して、取得部12が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断する構成でもよい。
【0129】
本変形例は、実施形態4に記載の判定処理と組み合わせて用いてもよいし、そうでなくてもよい。実施形態4に記載の判定処理と組み合わせた場合、例えば、上記メタデータ又は制御信号を参照することによって、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合に、補正処理の度合いを弱め、更に、実施形態4に記載の判定処理によってフレーム間隔の変動を検知した場合に、補正処理の度合いを更に弱めるか、または0にするといった多段階的な制御を行うこともできる。
【0130】
上記の構成によれば、当該メタデータ又は当該制御信号を参照してフレーム間隔の変動を検知可能な映像処理装置10を実現できる。
【0131】
〔変形例2〕
変形例2に係る映像処理装置10は、補正部13による補正処理の度合いを設定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受付部を別途備える。上記の構成においては、補正部13による補正処理の度合いは、ユーザが、上記ユーザ操作受付部を介して、例えば強、中、弱、あるいはオフ等に切り替えることにより、任意に設定可能な構成でもよい。
【0132】
このように映像処理装置10は、取得部12と、補正部13と、ユーザ操作受付部とを備えた映像処理装置10であって、取得部12は映像信号を取得し、上記ユーザ操作受付部は、補正部13による補正の度合いに関するユーザ操作を受け付け、補正部13は、取得部12が取得した映像信号に対して、上記ユーザ操作が示す補正の度合いで、補正処理を行い、補正部13による補正処理には、オーバードライブ、ディザリング、及びシャドー補正の少なくとも何れかが含まれる。
【0133】
上記の構成によれば、ユーザ操作が示す補正の度合いに応じた、上述した各補正処理を行う映像処理装置10を実現できる。
【0134】
〔変形例3〕
映像処理装置10は、入力される映像信号が示すコンテンツの種別によって、補正処理の度合いを制御してもよい。例えばアクションゲームやシューティングゲーム等、表示画面内の動きが多いコンテンツである場合には、映像出力装置100におけるGPU演算等の映像処理負担が大きく、フレームレートが落ちるものと判断し、補正部13による補正処理をオフにするか、可能であれば弱めてもよい。つまり映像処理装置10は、コンテンツの種別に応じて、映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断してもよい。
【0135】
なお、コンテンツの種別の判定方法は、特定の方法に限定されない。例えば、映像処理装置10が、映像出力装置100からコンテンツの種別を示す情報を別途取得してもよいし、入力される映像信号が示す映像内における色の変化量からコンテンツの種別を推定してもよい。
【0136】
上述したように、補正部13は、上記映像信号が示すコンテンツの種別に応じて、取得部12が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断してもよい。上記の構成によれば、コンテンツの種別に応じて、フレーム間隔の変動を判断する映像処理装置10を実現できる。
【0137】
本変形例は、実施形態4に記載の判定処理と組み合わせて用いてもよいし、そうでなくてもよい。実施形態4に記載の判定処理と組み合わせた場合、例えば、入力される映像信号が示すコンテンツが、表示画面内の動きが多いコンテンツであって、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合に、補正処理の度合いを弱め、更に、実施形態4に記載の判定処理によってフレーム間隔の変動を検知した場合に、補正処理の度合いを更に弱めるか、または0にするといった多段階的な制御を行うこともできる。
【0138】
なお、上述した実施形態及び変形例は、他の実施形態又は変形例と組み合わせて実施されてもよい。
【0139】
〔ソフトウェアによる実現例〕
映像処理装置10の制御ブロック(特に取得部12および補正部13)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0140】
後者の場合、映像処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0141】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る映像処理装置は、取得部と、補正部とを備えた映像処理装置であって、上記取得部は映像信号を取得し、上記補正部は、上記取得部が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断し、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合に、上記取得部が取得した映像信号に対する補正の度合いを弱めるか、又は、上記取得部が取得した映像信号に対する補正をオフにする構成である。上記の構成によれば、従来の固定フレームレートにおける映像技術を、可変フレームレートの映像に対して使用した場合の映像品位の低下を抑制できる。
【0142】
本発明の態様2に係る映像処理装置は、上記の態様1において、上記補正部は、上記取得部が取得した映像信号を参照して、上記取得部が取得した映像信号におけるフレーム間隔の変動を検知する構成としてもよい。上記の構成によれば、当該映像信号を参照してフレーム間隔の変動を検知可能な映像処理装置10を実現できる。
【0143】
本発明の態様3に係る映像処理装置は、上記の態様1又は2において、上記補正部は、上記取得部が取得した映像信号に含まれるメタデータ、又は、当該映像信号に付随して取得する制御信号を参照して、上記取得部が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断する構成としてもよい。上記の構成によれば、当該メタデータ又は当該制御信号を参照してフレーム間隔の変動を検知可能な映像処理装置10を実現できる。
【0144】
本発明の態様4に係る映像処理装置は、上記の態様1から3の何れかにおいて、上記補正部は、上記映像信号が示すコンテンツの種別に応じて、上記取得部が取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断する構成としてもよい。上記の構成によれば、コンテンツの種別に応じて、フレーム間隔の変動を判断する映像処理装置10を実現できる。
【0145】
本発明の態様5に係る映像処理装置は、上記の態様1から4の何れかにおいて、上記補正部が適用する補正処理には、オーバードライブ、ディザリング、及び、シャドー補正の少なくとも何れかが含まれる構成としてもよい。上記の構成によれば、入力される映像信号に上述した各補正処理を適用している場合において、当該映像信号のフレームレートが変動した場合の映像品位の低下を抑制できる。
【0146】
本発明の態様6に係る映像処理装置は、取得部と、補正部と、ユーザ操作受付部とを備えた映像処理装置であって、上記取得部は映像信号を取得し、上記ユーザ操作受付部は、補正部による補正の度合いに関するユーザ操作を受け付け、上記補正部は、上記取得部が取得した映像信号に対して、上記ユーザ操作が示す補正の度合いで、補正処理を行い、上記補正部による補正処理には、オーバードライブ、ディザリング、及びシャドー補正の少なくとも何れかが含まれる構成である。上記の構成によれば、ユーザ操作が示す補正の度合いに応じた、上述した各補正処理を行う映像処理装置10を実現できる。
【0147】
本発明の態様7に係る映像処理方法は、装置による映像処理方法であって、映像信号を取得する取得ステップと、上記取得ステップにおいて取得した映像信号に、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれているか否かを判断し、フレーム間隔が変動し得る映像信号が含まれていると判断した場合に、上記取得ステップにおいて取得した映像信号に対する補正の度合いを弱めるか、又は、上記取得ステップにおいて取得した映像信号に対する補正をオフにする補正ステップとを含む方法である。上記の方法によれば、従来の固定フレームレートにおける映像技術を、可変フレームレートの映像に対して使用した場合の映像品位の低下を抑制できる。
【0148】
本発明の態様8に係る映像処理装置を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機は、上記の態様1から6までの何れかに記載の映像処理装置を備えている構成としてもよい。上記の構成によれば、映像処理装置10と同様な効果を奏するテレビジョン受像機1を実現できる。
【0149】
本発明の態様9に係る制御プログラムは、上記の態様1から6までの何れかに記載の映像処理装置10としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記コンピュータを取得部12及び補正部13として機能させる構成としてもよい。
【0150】
本発明の態様10に係る記録媒体は、態様9に係る制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【0151】
本発明の各態様に係る映像処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記映像処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記映像処理装置をコンピュータにて実現させる映像処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0152】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0153】
1 テレビジョン受像機
10 映像処理装置
11 装置制御部
12 取得部
13 補正部
14 テレビ制御部
15 表示制御部
16 表示部
20 画素
31 入力部
32 階調電圧変換部
33 垂直電圧積算部
34 基準電圧積算部
35 加減算部
36 係数乗算部
37 補正値算出部
38 補正値加算部
39 出力部
100 映像出力装置
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