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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】外壁改修構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20230317BHJP
   E04F 13/12 20060101ALI20230317BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
E04F13/08 101S
E04F13/12 K
E04G23/02 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019034480
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020139296
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390018463
【氏名又は名称】アイジー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤淳二
【審査官】佐藤 史彬
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-178582(JP,A)
【文献】特開平06-081439(JP,A)
【文献】米国特許第05517795(US,A)
【文献】特開2015-067983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08-13/18
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直平面状の施工面と、該施工面の両端部を屋内側に屈曲して側片を設け、該側片の先端を外方へ突出し突出片と、短尺状部材の施工面中央部分を屋内側へ凹状に突出片まで窪ませた固定部と、突出片の施工面の位置をさらに外方に突出し施工位置確認片とから形成した一般部取付金具と、垂直平面状の固定面と、該固定面の一方の部分を屋外側へ突出した上補強片と、固定面のもう一方の部分を屋外側へ突出した立ち上がり片と、該立ち上がり片の先端を上補強片とは反対側に向かって屈曲した施工面と、該施工面の先端を屋内側に突出した下補強片と、固定面の長手方向端部の施工面の位置を外方に突出した施工位置確認片とから形成した継ぎ部取付金具と、垂直平面状の固定面と、該固定面の中央部を屋外方向に突出した立ち上がり片と、垂直平面状の施工面とから形成した長尺状のハット形胴縁と、垂直平面状の固定面と、該固定面の一端を屋外側に突出した立ち上がり片と、該立ち上がり片の先端を該固定面と略平行なるように突出した施工面と、該施工面の先端を屋内側に突出した支持片とから形成した長尺状の一般部胴縁と、長尺状の新規外壁材とからなり、既存外壁材に対して一般部取付金具と継ぎ部取付金具を固定具を介して固定し、固定された一般部取付金具には一般部胴縁を、継ぎ部取付金具にはハット形胴縁を被せるようにして固定具により固定し、一般部胴縁とハット形胴縁上に新規外壁材を固定したことを特徴とする外壁改修構造。

【請求項2】
一般部取付金具および継ぎ部取付金具は既存外壁材の幅方向中心に固定したことを特徴とする請求項1記載の外壁改修構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外壁改修構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁の改修において、古くなった既存外壁材を撤去することなく、既存外壁材上に新規胴縁を配し、その新規胴縁上に新規外壁を施工する改修方法いわゆるカバー工法が知られている。(特許文献1)また、このような既存外壁材上に新規胴縁を配する際に、あらかじめ胴縁取付用のアタッチメントを既存外壁材上に設置し、そのアタッチメントに新規胴縁を取り付ける方法が知られている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-107535号公報
【文献】特開2015-67983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、既存外壁材上に配した胴縁と、胴縁上に固定して既存外壁材を覆うように配した新規外壁材から構成され、胴縁を固定する固定具は既存外壁材を貫通して既存外壁材を支持する下地に打ち込まれている外壁改修構造である。
【0005】
しかしながら、このように胴縁を固定具を用いて直接既存外壁材を支持する下地に固定する方法では、胴縁を固定する際に、長尺状の胴縁を保持、扱ったりしながら、取り付け位置の調整や、既存外壁材の裏側にある下地まで直接胴縁の固定を行わなければならず、取り付け作業が大変であった。
【0006】
そこで、特許文献2のような、躯体の壁面に胴縁取り付け用のアタッチメントを固定し、そのアタッチメントに金属胴縁を固定する方法がある。
【0007】
この、特許文献2のアタッチメントは、金属製の板材を長手方向の処々において屈曲することで、壁面にアンカーボルトによって固定される基板部と、前記基板部から屈曲されて前記壁面から離間するように延びる内壁部と、前記内壁部と一体をなし、前記内壁部から前記基板部と平行になるように前記長手方向の端側で屈曲されて延びる胴縁を取り付ける支持部と、前記支持部と一体をなし、前記支持部から前記長手方向の端側で屈曲されて前記壁面に近づくように延びる外壁部とを有するアタッチメント、若しくは、これを左右対称状に形成したアタッチメントである。
【0008】
しかしながら、この特許文献2で開示されているアタッチメントでは、その形状が金属製の板材を長手方向の処々において屈曲しただけの単純な形状であるため、外力に対する強度が足りず、例えば胴縁取り付け時等の強度が不足し、外力によって変形してしまう可能性があった。
【0009】
さらに、この特許文献2に開示されている外装材の施工方法では、躯体の壁面にアンカーボルトで胴縁取り付け用アタッチメントを固定するため、固定に使う壁面の劣化や強度不足、取付強度の不足といった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこのような課題を解決するために、以下の手段を提供している。
【0011】
垂直平面状の施工面と、該施工面の両端部を屋内側に屈曲して側片を設け、該側片の先端を外方へ突出し突出片と、短尺状部材の施工面中央部分を屋内側へ凹状に突出片まで窪ませた固定部と、突出片の施工面の位置をさらに外方に突出し施工位置確認片とから形成した一般部取付金具と、垂直平面状の固定面と、該固定面の一方の部分を屋外側へ突出した上補強片と、固定面のもう一方の部分を屋外側へ突出した立ち上がり片と、該立ち上がり片の先端を上補強片とは反対側に向かって屈曲した施工面と、該施工面の先端を屋内側に突出した下補強片と、固定面の長手方向端部の施工面の位置を外方に突出した施工位置確認片とから形成した継ぎ部取付金具と、垂直平面状の固定面と、該固定面の中央部を屋外方向に突出した立ち上がり片と、垂直平面状の施工面とから形成した長尺状のハット形胴縁と、垂直平面状の固定面と、該固定面の一端を屋外側に突出した立ち上がり片と、該立ち上がり片の先端を該固定面と略平行なるように突出した施工面と、該施工面の先端を屋内側に突出した支持片とから形成した長尺状の一般部胴縁と、長尺状の新規外壁材とからなり、既存外壁材に対して一般部取付金具と継ぎ部取付金具を固定具を介して固定し、固定された一般部取付金具には一般部胴縁を、継ぎ部取付金具にはハット形胴縁を被せるようにして固定具により固定し、一般部胴縁とハット形胴縁上に新規外壁材を固定した改修外壁構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る外壁改修構造によれば、(1)低コストである。(2)施工性が良好である。(3)強度に優れた外壁改修構造となる。(4)一般部取付金具と継ぎ部取付金具を既存外壁材の幅方向中心に固定することにより、地震時のALCのスライド現象(ドライロッキング構法の場合)に追従し、耐震性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る外壁改修構造の施工順序の状態を示す水平方向の断面図である。
図2】本発明に係る外壁改修構造の新規外壁材を施工する前の施工状態を示す斜視図と断面図である。
図3】本発明に係る外壁改修構造の開口部における一般部取付金具と継ぎ部取付金具の施工状態を示す説明図である。
図4】本発明に係る外壁改修構造の開口部におけるハット形胴縁と一般部胴縁の施工状態を示す説明図である。
図5】本発明に係る外壁改修構造の開口部の状態を示す断面図である。
図6】本発明に係る外壁改修構造の開口部における一般部取付金具と継ぎ部取付金具の施工状態を示す説明図である。図である。
図7】本発明に係る外壁改修構造の開口部におけるハット形胴縁と一般部胴縁の施工状態を示す説明図である。
図8】本発明に係る外壁改修構造の開口部の状態を示す断面図である。
図9】本発明に係る外壁改修構造に使用する一般部取付金具の一実施例を示す斜視図である。
図10】本発明に係る外壁改修構造に使用する一般部取付金具の一実施例を示す説明図である。
図11】本発明に係る外壁改修構造に使用する継ぎ部取付金具の一実施例を示す斜視図である。
図12】本発明に係る外壁改修構造に使用する継ぎ部取付金具の一実施例を示す説明図である。
図13】本発明に係る外壁改修構造に使用する縦横連結金具の一実施例を示す斜視図である。
図14】本発明に係る外壁改修構造に使用する縦横連結金具の一実施例を示す説明図である。
図15】本発明に係る外壁改修構造に使用するハット形胴縁と一般部胴縁の一実施例を示す斜視図である。
図16】本発明に係る外壁改修構造に使用する新規外壁材の一実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を用いて、本発明に係る外壁改修構造について説明する。
【0015】
図1(a)~(c)は本発明に係る外壁改修構造の施工順序を示す水平方向断面図であり、αは既存外壁材、βは固定具、Aは一般部取付金具、Bは継ぎ部取付金具、Cは縦横連結金具、Dはハット形胴縁、Daはハット形横胴縁、Dbはハット形縦胴縁、Eは一般部胴縁、Eaは一般部横胴縁、Ebは一般部縦胴縁、Fは防水シート(アスファルトフェルト、透湿防水シート等)、Gは新規外壁材である。
【0016】
図1(a)~(c)~図8(a)、(b)は本発明に係る外壁改修構造の施工状態を示す説明図である。
【0017】
本発明は図1(a)~(c)および図2(a)~(c)に示すように、既存外壁材α上にALC用アンカーβ1を用いて一般部取付金具Aを取り付けている。
【0018】
一般部取付金具Aは図9図10(a)(平面図)、(b)(正面図)、(c)(右側面図)、(d)(B-B部断面図)、(e)(C-C部断面図)、(f)(A-A部断面図)、()(D部拡大図)に示すように、一般部取付金具Aは、既存外壁材α又は既存外壁材αを支持する下地に対して一般部取付金具Aを固定するためのビスやアンカーボルトといった固定具βを取り付けるための略方形状の固定部A2と、図9において固定部A2の上下方向の端部から屋外方向に立ち上げた屈曲面A3と、屈曲面A3の端を固定部A2とほぼ平行になるように折り曲げた施工面A1と、固定部A2の左右方向両端部から屋外方向に立ち上げた中央片A4とを有し、中央片A4は施工面A1の上下方向に延びる中央片延出部A5を有している。
【0019】
中央片延出部A5の施工面A1裏面に面する側には上部受け部A6があり、一方施工面A1裏面には、施工面A1が既存外壁材αの側に変形しようとした際に上部受け部A6と接する上部接部A7がある。
【0020】
中央片延出部A5には、施工面A1が、固定部A2がある既存外壁材αの側から離れるような方向へ変形しようとした際に、側片A8と接することでその変形を防止する下部受け部A9がある。この下部受け部A9と接する側片A8の部位は下部接部A10とする。
【0021】
中央片延出部A5には、固定部A2の中心から離れる方向に変形しようとした際に、側片A8と接することでその変形を防止する側部受け部A11がある。この側部受け部A11と接する側片A8の部位は側部接部A12とする。
【0022】
側片A8の下端には外方に屈曲して延設した突出片A13を形成し、一部をさらに外方に突出させた施工位置確認片A14を形成したものである。この施工位置確認片A14は図4に示すように、胴縁Eを一般部取付金具Aに固定する際に、一般部取付金具A上に一般部胴縁Eを被せた状態でも、一般部取付金具Aの施工面A1の位置が確認できる状態としたものである。
【0023】
勿論、図4および図7に示すように位置確認片A14が胴縁Eよりも外方に突出する寸法に形成するものである。
【0024】
固定部A2には、ビスやアンカーボルトといった固定具βを挿入するための固定孔A15が形成されている。
【0025】
本発明に係る外壁改修構造は、図1(a)~(c)~図8(a)、(b)に示すように、一般部取付金具A、繋ぎ部取付金具B、縦横連結金具Cを介して、ハット形胴縁Dと一般部胴縁Eを既存外壁材α上に固定し、その上に防水シートFを介して新規外壁材Gを施工するものである。
【0026】
図において、α1は既存アングル、β1はALC用アンカー、β2はロングテクスビス、β3は平頭テクスビス、β4はテクスビス、Dはハット形胴縁、Daはハット形縦胴縁、Dbはハット形横胴縁、Eは一般部胴縁、Eaは一般部縦胴縁、Ebは一般部横胴縁、Fは防水シート、Gは新規外壁材、Sはスペーサー、Wは開口部である。
【0027】
継ぎ部取付金具Bは図11図12(a)(平面図)、(b)(正面図)、(c)(右側面図)、(d)(E-E部断面図)、(e)(底面図)に示すように、図11において垂直平面状の固定面B1と、固定面B1の上端部分を屋外側へ突出した上補強片B2と、固定面B1の下端部分を屋外側へ突出した立ち上がり片B3と、立ち上がり片B3の先端を下方に垂下した施工面B4と、施工面B4の下端を屋内側に突出した下補強片B5と、固定面B1の左右両端部の施工面B4の脇の位置を外方に突出した施工位置確認片B6と、固定面B1に複数個形成した固定孔B7とから形成したものである。
【0028】
勿論、上補強片B3、施工面B4、下補強片B5の幅は、図15(a)に示す胴縁Dの施工面D3の幅より狭く形成することにより、図4図7に示すようにハット形胴縁Dを施工するものである。また、図4図7に示すように施工位置確認片B6が一般部胴縁Dよりも外方に突出する寸法に形成するものである。
【0029】
縦横連結金具Cは図13(a)、(b)、図14(a)(背面図)、(b)(左側面図)、(c)(正面図)、(d)(右側面図)、(e)(平面図)、(f)(F-F部端面図)、(G)(G-G部端面図)に示すように、垂直平面状で略矩形の固定面C1と、固定面C1の隣り合う辺を屋外側へ突出した支持面C2と支持面C3と、他2辺の角部を屋内側に屈曲して突出した引っ掛け片C4と、固定面C1、支持面C2と支持面C3に形成した複数個の固定孔C5とから形成したものである。縦横連結金具Cはハット形胴縁Dと一般部胴縁E間を連結することにより、取付強度を向上するものである。
【0030】
ハット形胴縁Dは、ハット形縦胴縁Da、ハット形横胴縁Dbよりなり、図15(a)に示すように、垂直平面状の固定面D1と、固定面D1の中央部を屋外方向に突出した立ち上がり片D2と、垂直平面状の施工面D3と、固定面D1に形成した固定孔D4とから形成した長尺状板材である。
【0031】
一般部胴縁Eは、一般部縦胴縁Ea、一般部横胴縁Ebよりなり、図15(b)に示すように、垂直平面状の固定面E1と、固定面E1の一端を屋外側に突出した立ち上がり片E2と、立ち上がり片E2の先端を上方に突出した施工面E3と、施工面E3の上端を屋内側に突出した支持片E4とから形成した長尺状板材である。
【0032】
一般部取付金具A、継ぎ部取付金具B、縦横連結金具C、ハット形胴縁D、一般部胴縁Eの材質としては、例えば溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき等の高耐蝕性の鋼材やアルミやステンレスといった金属製のものがあるが、特に材質は限定されるものではない。一般的には金属製のものが主であるため金具と表記しているが、金属製のものでなくてもよい。
【0033】
図3図6に示すように、一般部に形成する一般部取付金具A、継ぎ部取付金具Bは既存外壁材αであるALCの幅方向中心に一般部取付金具A、継ぎ部取付金具Bを固定することで、地震時のALCのスライド現象(ドライロッキング構法の場合)にハット形胴縁D、一般部胴縁E、新規外壁材Gが追従するALC改修工法となるものである。
【0034】
また、図3図8に開口部W(図示しないが出隅部)の伸縮目地Mを、ハット形胴縁D、一般部胴縁Eで繋がないように形成することにより、地震時の変形に追従できるようにし、耐震性を向上するものである。
【0035】
また、図4図7示すように開口部左右の既存外壁材α上に一般部横胴縁Ebを形成する場合には、開口部Wの左面既存外壁材αにハット形縦胴縁Daを形成して地震時の揺れに対して一般部横胴縁Ebが追従できるように形成し、開口部Wの右面既存外壁材αに対しては一般部横胴縁Ebを分断し、開口部Wの右脇に形成した一般部縦胴縁Eaが地震時の揺れに対して追従できるように形成したものである。このように形成することにより、地震等の揺れに対して既存外壁材αが破損することなく、改修壁構造の下地を形成できるものである。
【0036】
新規外壁材Gの一例としては、図16に断面を示すように、長尺で金属製の薄板からなる金属製表面材G1と裏面材G2間に芯材G3をサンドイッチした金属製外壁材である。また、G4は新規外壁材Gを固定するための固定面である。勿論、窯業系、樹脂系の新規外壁材Gを使用できるものである。
【0037】
金属製表面材G1と裏面材G2は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形等して各種任意形状に形成したものである。また、裏面材G2としてはアルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものでも良いものである。
【0038】
芯材G3は例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体からなるものであり、特に耐火性を必要とする場合にはレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材1、もしくは裏面材2の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることも出来る。勿論、芯材3としてロックウール、グラスウール、セラミックウール等の無機材を使用しても良いものである。
【0039】
次に、図1(a)~(c)~図8(a)、(b)を用いて、本発明に係る外壁改修構造の施工順序について説明する。
【0040】
図16に示すような新規外壁材を既存外壁材α上に施工すると場合に、既存外壁材α上に、ハット形胴縁D、ハット形縦胴縁D1、ハット形横胴縁D2、一般部胴縁E、一般部縦胴縁E1、一般部横胴縁E2を施工する位置に合わせて、一般部取付金具A、継ぎ部取付金具BをALC用アンカーβ1、ロングテクスビスβ2を用いて固定する。なお、既存外壁材αの不陸調整のために、スペーサーSを形成するものである。
【0041】
次に、施工された一般部取付金具Aと継ぎ部取付金具Bに対して、ハット形胴縁D、ハット形縦胴縁D1、ハット形横胴縁D2、一般部胴縁E、一般部縦胴縁E1、一般部横胴縁E2を平頭テクスビスβ3により打設し、固定する。また、図4図7に示すように必要部位には縦横連結金具Cを平頭テクスビスβ3により打設し、固定するものである。
【0042】
ハット形胴縁D、ハット形縦胴縁D1、ハット形横胴縁D2、一般部胴縁E、一般部縦胴縁E1、一般部横胴縁E2の施工が完了したら、全面に防水シートFを施工し、最後に図15に断面を示す長尺状の新規外壁材Gを縦に施工して施工を完了するものである。
【0043】
なお、図1(a)~(c)、図2(a)~(c)は一般部を示す説明図、図3~8図(a)、(b)は開口部W部分の施工状態を示す説明図である。
【0044】
特に、図3図5(a)、(b)は既存外壁材αに既存アングルα1が存在する場合、図6図8(a)、(b)は既存外壁材αに既存アングルα1が存在しない場合の施工状態を示すものである。
【符号の説明】
【0045】
α 既存外壁材
α1 既存アングル
β 固定具
β1 ALC用アンカー
β2 ロングテクスビス
β3 平頭テクスビス
β4 テクスビス
A 一般部取付金具
B 継ぎ部取付金具
C 縦横連結金具
D ハット形胴縁
Da ハット形縦胴縁
Db ハット形横胴縁
E 一般部胴縁
Ea 一般部縦胴縁
Eb 一般部横胴縁
F 防水シート
G 新規外壁材
M 伸縮目地
S スペーサー
W 開口部
A1 施工面
A2 固定部
A3 屈曲面
A4 中央片
A5 中央片延出部
A6 上部受け部
A7 上部接部
A8 側片
A9 下部受け部
A10 下部接部
A11 側部受け部
A12 側部接部
A13 突出片
A14 施工位置確認片
A15 固定孔
B1 固定面
B2 上補強片
B3 立ち上がり片
B4 施工面
B5 下補強片
B6 施工位置確認片
B7 固定孔
C1 固定面
C2 支持面
C3 支持面
C4 引っ掛け片
C5 固定孔
D1 固定面
D2 立ち上がり片
D3 施工面
D4 固定孔
E1 固定面
E2 立ち上がり片
E3 施工面
E4 支持片
G1 金属製表面材
G2 裏面材
G3 芯材
G4 固定面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16