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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】受電方式改修方法及び電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
H02J3/38 110
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019067915
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020167865
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】江原 克実
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-031631(JP,A)
【文献】特開2014-135855(JP,A)
【文献】特開2016-024047(JP,A)
【文献】特開2017-017779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置と、共用部電力量計と、電力を分岐する分岐部と、前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続可能な第1ケーブルと、前記発電装置と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、を備えた、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する電力供給システムにおいて、受電方式を改修する受電方式改修方法であって、
前記幹線ケーブルを解線するステップと、
前記第1ケーブルを解線するステップと、
前記第2ケーブルを解線するステップと、
前記配電線と前記共用部電力量計とが電気的に接続されるように前記幹線ケーブルを結線させるステップと、
前記共用部電力量計と前記分岐部とが電気的に接続されるよう前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルを結線させるステップと、
前記発電装置と前記分岐部とが電気的に接続されるよう、前記発電装置と前記分岐部とを電気的に接続可能な第3ケーブルを結線させるステップと、を含むことを特徴とする受電方式改修方法。
【請求項2】
前記電力供給システムは、共用分岐盤をさらに備え、
前記分岐部と複数の住戸用負荷それぞれとを電気的に接続する第5ケーブルとを備え、
前記第1ケーブル、前記第4ケーブル、及び前記第5ケーブルの一部、前記分岐部、並びに前記共用部電力量計は、前記共用分岐盤内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の受電方式改修方法。
【請求項3】
前記第1ケーブル、前記第2ケーブル、前記第4ケーブル、及び前記第5ケーブルの容量は、前記幹線ケーブルの容量以上であることを特徴とする請求項2に記載の受電方式改修方法。
【請求項4】
発電装置を備え、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する受電方式を改修可能な電力供給システムであって、
前記発電装置及び配電線の少なくとも一方に電気的に接続され共用部電力量計と、
電力を分岐する分岐部と、
前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続可能な第1ケーブルと、
前記発電装置と共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、を含み、
前記幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続し、前記第1ケーブル、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2ケーブル、前記共用部電力量計と前記発電装置とを電気的に接続している状態から、前記幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記発電装置と前記分岐部とを電気的に接続可能な第3ケーブル、前記発電装置と前記分岐部とを電気的に接続し、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルが、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続する状態に変更可能に構成されることを特徴とする電力供給システム。
【請求項5】
前記幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続している状態と、前記幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続している状態とを切り替える第1切替部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記第1ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続している状態と、前記第1ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続していない状態とを切り替える第2切替部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の電力供給システム。
【請求項7】
発電装置を備え、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する受電方式を改修可能な電力供給システムであって、
前記発電装置及び配電線の少なくとも一方に電気的に接続され共用部電力量計と、
電力を分岐する分岐部と、
前記発電装置と共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、を含み、
前記幹線ケーブルは、第1幹線ケーブルと、第2幹線ケーブルとを含み、
前記第1幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続し、前記第2ケーブル、前記発電装置と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記共用部電力量計と前記分岐部とが、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルによって電気的に接続されていない状態から、前記第1幹線ケーブルが、前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続し、前記配電線と前記分岐部とが前記第2幹線ケーブルによって電気的に接続されず、前記第2ケーブルが前記発電装置と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第4ケーブルが前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続する状態に変更可能に構成されることを特徴とする電力供給システム。
【請求項8】
発電装置を備え、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する受電方式を改修可能な電力供給システムであって、
前記発電装置及び配電線の少なくとも一方に電気的に接続され共用部電力量計と、
電力を分岐する分岐部と、
前記発電装置と共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、を含み、
前記幹線ケーブルは、第1幹線ケーブルと、第2幹線ケーブルとを含み、
前記第1幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続し、前記第2ケーブル、前記発電装置と前記共用部電力量計とを電気的に接続している状態から、前記第1幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記配電線と前記分岐部とが前記第2幹線ケーブルによって電気的に接続されず前記発電装置と前記分岐部とを電気的に接続可能な第3ケーブルが前記発電装置と前記分岐部とを電気的に接続し、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルが前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続する状態に変更可能に構成されることを特徴とする電力供給システム。
【請求項9】
前記第4ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続していない状態と、前記第4ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続する状態とを切り替える第3切替部をさらに備えることを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項10】
前記分岐部から複数の住戸それぞれに電力を送電する第5ケーブルと、
前記第5ケーブルによって前記複数の住戸それぞれに送電された電力の電力量をそれぞれ計測する複数の住戸電力量計をさらに備え、
前記住戸電力量計は、計測した電力量データを前記住戸の電力を管理する管理装置に送信することを特徴とする請求項4から9のいずれか一項に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムの受電方式を改修する受電方式改修方法及び電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一つの集合住宅の中に、複数の世帯それぞれが入居している複数の住戸、及び入居者が共用する共用部を含むマンション、アパート等の集合住宅がある。集合住宅における電力の受電方式として、屋根に太陽光を利用した発電装置を設け、該発電装置によって発電された電力の一部を共用部の照明等に消費し、余剰の電力を売電する、余剰電力買取方式が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-17779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、FIT(Feed-in Tariff:太陽光発電固定価格買取制度)が終了することにより、発電装置によって発電された電力の買取価格がゼロもしくは現状よりもかなり低額となる。したがって、オーナーにとって太陽光発電装置を設けたことのメリットが薄らぐことになる。
【0005】
そこで、本発明は、FIT終了後であっても、発電装置を設けたことのメリットを享受することができる集合住宅における電力供給システムの受電方式改修方法及び電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の受電方式改修方法は、発電装置21と、共用部電力量計と、電力を分岐する分岐部と、前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続可能な第1ケーブルと、前記発電装置21と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、前記発電装置21と前記分岐部とを電気的に接続可能な第3ケーブルと、前記分岐部と前記第2切替部とを電気的に接続可能な第4ケーブルと、を備えた、前記配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する電力供給システムにおいて、受電方式を改修する受電方式改修方法であって、前記幹線ケーブルを解線するステップと、前記第1ケーブルを解線するステップと、前記配電線と前記共用部電力量計とが電気的に接続されるように前記幹線ケーブルを結線させるステップと、前記共用部電力量計と前記分岐部とが電気的に接続されるよう前記第4ケーブルを結線させるステップと、前記発電装置21と前記分岐部とが電気的に接続されるよう前記第3ケーブルを結線させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の受電方式改修方法において、前記電力供給システムは、共用分岐盤をさらに備え、前記第1ケーブル、前記第4ケーブル、前記第5ケーブル、前記分岐部、及び前記共用部電力量計は、前記共用分岐盤内に配置されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明の受電方式改修方法において、前記第1ケーブル、前記第2ケーブル、前記第4ケーブル、及び前記第5ケーブルの容量は、前記幹線ケーブルの容量以上であることが好ましい。
【0009】
本発明の電力供給システムは、発電装置を備え、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する受電方式を改修可能な電力供給システムであって、前記発電装置及び配電線の少なくとも一方に電気的に接続された共用部電力量計と、電力を分岐する分岐部と、前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続可能な第1ケーブルと、前記発電装置21と共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、前記発電装置21と前記分岐部とを電気的に接続可能な第3ケーブルと、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルとを含み、前記幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続している場合、前記第1ケーブルは、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2ケーブルは、前記共用部電力量計と前記発電装置21とを電気的に接続し、前記幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続している場合、前記第3ケーブルは、前記発電装置21と前記分岐部とを電気的に接続し、前記第4ケーブルは、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電力供給システムにおいて、前記幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続している状態と、前記幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続している状態とを切り替える第1切替部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明の電力供給システムにおいて、前記第1ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続している状態と、前記第1ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続していない状態とを切り替える第2切替部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明の電力供給システムにおいて、発電装置を備え、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する受電方式を改修可能な電力供給システムであって、前記発電装置及び配電線の少なくとも一方に電気的に接続された共用部電力量計と、電力を分岐する分岐部と、前記発電装置21と共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルとを含み、前記幹線ケーブルは、第1幹線ケーブルと、第2幹線ケーブルとを含み、前記第1幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続している場合、前記第2ケーブルは、前記発電装置21と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第4ケーブルは前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続せず、前記第1幹線ケーブルが、前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続し、前記第2幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続していない場合、前記第2ケーブルが前記発電装置21と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第4ケーブルが前記分岐部とを電気的に接続することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電力供給システムにおいて、発電装置を備え、配電線から幹線ケーブルによって電力を受電する受電方式を改修可能な電力供給システムであって、前記発電装置及び配電線の少なくとも一方に電気的に接続された共用部電力量計と、電力を分岐する分岐部と、前記発電装置21と共用部電力量計とを電気的に接続可能な第2ケーブルと、前記発電装置21と前記分岐部とを電気的に接続可能な第3ケーブルと、前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続可能な第4ケーブルとを含み、前記幹線ケーブルは、第1幹線ケーブルと、第2幹線ケーブルとを含み、前記第1幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続している場合、前記第2ケーブルは、前記発電装置21と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第1幹線ケーブルが前記配電線と前記共用部電力量計とを電気的に接続し、前記第2幹線ケーブルが前記配電線と前記分岐部とを電気的に接続していない場合、前記第3ケーブルが前記発電装置21と前記分岐部とを電気的に接続し、前記第4ケーブルが前記共用部電力量計と前記分岐部とを電気的に接続することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電力供給システムにおいて、前記第4ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続していない状態から、前記第4ケーブルが前記分岐部と前記共用部電力量計とを電気的に接続する状態に切り替える第3切替部をさらに備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明の電力供給システムにおいて、前記分岐部から複数の住戸それぞれに電力を送電する第5ケーブルと、前記第5ケーブルによって前記複数の住戸それぞれに送電された電力の電力量をそれぞれ計測する複数の住戸電力量計をさらに備え、前記住戸電力量計は、計測した電力量データを前記住戸の電力を管理する管理装置に送信することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、発電装置を設けたことのメリットを享受することができる電力供給システムの改修方法及び電力供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の第1実施形態における電力供給システムの第1方式での構成を示す概略図である。
図1B】本発明の第1実施形態における電力供給システムの第2方式での構成を示す概略図である。
図2】本発明の第1実施形態における受電方式を変更する方法を説明するためのフローチャートである。
図3A】本発明の第2実施形態の電力供給システムの第3方式での構成を示す概略図である。
図3B】本発明の第2実施形態の電力供給システムの第1方式での構成を示す概略図である。
図4A】本発明の第3実施形態の電力供給システムの第3方式での構成を示す概略図である。
図4B】本発明の第3実施形態の電力供給システムの第2方式での構成を示す概略図である。
図5A】本発明の第4実施形態の電力供給システムの第1方式での構成を示す概略図である。
図5B】本発明の第4実施形態の電力供給システムの第2方式での構成を示す概略図である。
図6A】本発明の第5実施形態の電力供給システムの第3方式での構成を示す概略図である。
図6B】本発明の第5実施形態の電力供給システムの第1方式での構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図において共通の構成には、同一の符号を付している。
【0019】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1Aは、第1実施形態の電力供給システム100における、余剰買取であり住戸別受電である受電方式(第1方式)での概略構成図であり、図1Bは、第1実施形態の電力供給システム100における、余剰買取であり一括受電である受電方式(第2方式)での概略構成図である。図1A及び図1Bに示すように、電力供給システム100は、共用分岐盤11と、ケーブル12と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、共用部負荷20とを備える。ケーブル12は、第1ケーブル121と、第2ケーブル122と、第3ケーブル123と、1つ以上の第5ケーブル125とを含む。電力供給システム100は、管理装置21をさらに備えてもよい。電力供給システム100は、配電線32から幹線ケーブル33によって電力を受電する受電方式を改修可能である
【0021】
共用分岐盤11は、分岐部13と、第1ケーブル121と、第2ケーブル122の一部と、第3ケーブル123の一部と、第4ケーブル124と、第5ケーブル125の一部と、1つ以上の住戸用遮断器17とを収容している。共用分岐盤11は、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、管理装置21とをさらに収容してもよい。共用分岐盤11には、電力供給システム100が設けられた集合住宅の近傍の電柱31にて電気事業者の配電線32から分岐した幹線ケーブル33が引き込まれている。共用分岐盤11は、集合住宅が建築されている敷地内の任意の位置に配置されている。共用分岐盤11は、例えば、配置可能な位置であって、幹線ケーブル33が配電線32から分岐される電柱31から最も近い位置に配置されている。幹線ケーブル33は、配電線32を、分岐部13及び共用部電力量計14のいずれかと変更可能に電気的に接続する。幹線ケーブル33が分岐部13に接続されている状態と、幹線ケーブル33が共用部電力量計14に接続される状態とが変更可能であるように、分岐部13と共用部電力量計14とは、互いに近接して配置される。
【0022】
ケーブル12は、共用部電力量計14が幹線ケーブル33の接続状態に応じて電力を計測するように接続される。
【0023】
第1ケーブル121は、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続可能である。具体的には、図1Aに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第1ケーブル121は、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続する(結線する)。また、図1Bに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計13とを電気的に接続している場合、第1ケーブル121は、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続しない(解線する)。
【0024】
第2ケーブル122は、発電装置18から出力された電力を分岐部13に送電することができる。第2ケーブル122は、1つの配線ケーブルから構成されていてもよいし、複数の配線ケーブルと、複数の配線ケーブルを互いに接続するコネクタから構成されていてもよい。
【0025】
本実施形態では、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続可能である。具体的には、図1Aに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続する。また、図1Bに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続している場合、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続しない。
【0026】
第3ケーブル123は、発電装置18と分岐部13とを電気的に接続可能である。具体的には、図1Aに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第3ケーブル123は、発電装置18と分岐部13とを電気的に接続しない。また、図1Bに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計13とを電気的に接続している場合、第3ケーブル123は、発電装置18と分岐部13とを電気的に接続する。また、第3ケーブル123は、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続していない第1ケーブル121であってもよいし、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続していない第2ケーブル122であってもよい。
【0027】
なお、第2ケーブル122及び第3ケーブル123は、発電装置18から、発電装置18と共用部電力量計14との間の任意の箇所までの部分において、1つの共通のケーブルによって構成されてもよい。このような構成では、第2ケーブル122及び第3ケーブル123は、該箇所において、発電装置18までの部分と共用部電力量計14までの部分とに分岐される。
【0028】
第4ケーブル124は、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続可能である。第4ケーブル124は、幹線ケーブル33が分岐部13に接続されている場合、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続しない。また、第4ケーブル124は、幹線ケーブル33が共用部電力量計14に接続されている場合、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続する。また、第4ケーブル124の容量は、幹線ケーブル33の容量以上である。
【0029】
第5ケーブル125は、電気事業者からの電力と発電装置18からの電力の少なくとも一方を集合住宅内の複数の住戸それぞれに送電する。第5ケーブル125は、分岐部13と複数の住戸電力量計16とを電気的に接続する配線ケーブルである。第5ケーブル125は、複数の配線ケーブルと、複数の配線ケーブルを互いに接続するコネクタから構成されていてもよい。第5ケーブル125の一方側の端部は分岐部13によって、第1ケーブル121と、幹線ケーブル33又は第4ケーブル124とに電気的に接続されている。第5ケーブル125の他方側は分岐して、分岐した各端部は、複数の住戸電力量計16を介して、住戸用負荷19に接続されている。第5ケーブル125は、住戸用遮断器17を介して、分岐部13と住戸電力量計16及び住戸用負荷19とを電気的に接続してもよい。
【0030】
分岐部13は、共用分岐盤11に引き込まれた幹線ケーブル33と、第2ケーブル122及び第3ケーブル123との一方を複数の第5ケーブル125に接続させる。分岐部13は、さらに第4ケーブル124を複数の第5ケーブル125に接続させてもよい。
【0031】
共用部電力量計14は、発電装置18及び幹線ケーブル33の少なくとも一方に電気的に接続されている。共用部電力量計14は、幹線ケーブル33の接続の状態に応じて電力を計測する。本実施形態では、共用部電力量計14は、図1Aに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第2ケーブル122によって発電装置18から分岐部13へ送電される電力の電力量を計測するように取付けられている。これにより、共用部電力量計14は、第2ケーブル122によって発電装置18から分岐部13へ送電される電力の電力量を計測する。また、図1Bに示すように、共用部電力量計14は、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計13とを電気的に接続している場合、分岐部13と配電線32との間で送受電される電力の電力量を計測するように取付けられている。これにより、共用部電力量計14は分岐部13と配電線32との間で送受電される電力の電力量を計測する。
【0032】
共用部遮断器15は、発電装置18によって発電された電力を幹線ケーブル33及び配電線32を介して電気事業者に送電するため系統連系(逆潮)する。また、共用部遮断器15は、該共用部遮断器15に接続しているケーブル12に過電流が流れたときに電路を開放して電力の送電を遮断し、ケーブル12に過電流が流れないときに電路を開放せず電力の送電を行う。
【0033】
複数の住戸電力量計16は、第5ケーブル125によって複数の住戸それぞれに送電される電力の電力量をそれぞれ計測する。複数の住戸それぞれに送電される電力とは、複数の住戸それぞれが備える1つ以上の住戸用負荷19に送電される電力の合計である。複数の住戸電力量計16それぞれは、通信ネットワークを介して、計測した電力量を示す電力量データを管理装置21に送信するスマートメータであってもよい。通信ネットワークは、無線通信ネットワークでもよいし、有線通信ネットワークでもよい。無線通信ネットワークは、例えば、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)の無線通信規格によるネットワークであってよい。また、図1Bに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続している場合、複数の住戸電力量計16の1つ以上は、CTセンサーであってもよい。
【0034】
住戸用遮断器17は、該住戸用遮断器17に接続している第5ケーブル125に過電流が流れたときに電路を開放して電力の送電を遮断し、第5ケーブル125に過電流が流れないときに電路を開放せず電力の送電を行う。
【0035】
発電装置18は、電力を発生させ、第2ケーブル122及び第3ケーブル123(又は第2ケーブル122及び第3ケーブル123のそれぞれ一部として機能する1つの共通のケーブル)を介して該電力を出力する。発電装置18は、発電部181と、変換部182とを含む。発電装置18によって出力された電力は、第2ケーブル122、第1ケーブル121、及び幹線ケーブル33を介して、配電線32に送電されることによって電気通信事業者に提供されるか、第3ケーブル123、第4ケーブル124、及び幹線ケーブル33を介して配電線32に送電されることによって電気通信事業者に提供される。発電装置18から出力された電力の送電について追って詳細に説明する。
【0036】
発電部181は、電力を発生させる。発電部181は、例えば、太陽電池を用いて太陽光を電力に変換することによって電力を発生させるソーラーパネルとすることができる。発電部181は、太陽光に限らず、燃料電池、風力等を用いて電力を発生させてもよい。発電部181は、太陽光、燃料電池、風力のいずれか2つ以上を用いて電力を発生させてもよい。
【0037】
変換部182は、発電部181によって発生された電力である直流電力を交流電力に変換し、第2ケーブル122を介して交流電力を出力する。変換部182は、例えば、パワーコンディショナーである。
【0038】
住戸用負荷19は、電力事業者から供給された電力、又は発電装置18によって発電された電力を消費する設備である。住戸用負荷19は、例えば、給湯器、エアーコンディショナー、冷蔵庫、テレビ、照明器具、床暖房等を含んでもよい。図面において、一部の住戸電力量計16に接続されている住戸用負荷19は省略されている。
【0039】
共用部負荷20は、発電装置18によって発電された電力を消費する設備である。共用部負荷20は、例えば、照明器具、火災報知機、エレベーター等を含んでもよい。
【0040】
管理装置21は、複数の住戸電力量計16がそれぞれ計測した電力量を示す電力量データを受信(PLC、無線、有線等)して、管理する。管理装置21は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)であってもよい。管理装置21は、電力量データを、通信ネットワークを介して送信して遠隔地に設置されているエネルギー管理サーバに送信してもよい。管理装置21は、複数の住戸電力量計16それぞれが計測した住戸ごとの電力量を表示してもよい。管理装置21は、複数の住戸電力量計16それぞれが計測した住戸ごとの電力量に基づいて、所定のアルゴリズムを用いて各住居者に請求する電力量を算出してもよい。
【0041】
ここで、第1実施形態における、電力の送受電、及び共用部電力量計14による電力の計測について詳細に説明する。
【0042】
(余剰買取であり住戸別受電である第1方式(図1A参照))
幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第2ケーブル122が発電装置18と共用部電力量計14とを接続し、第1ケーブル121が、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続している場合、発電装置18によって発電された電力から、共用部負荷20で消費された電力を減じた電力が分岐部13に送電される。そして、電力は、分岐部13で分流され、住戸用負荷19で消費される電力が第5ケーブル125によって送電され、余剰電力が幹線ケーブル33によって配電線32に送電されて電気事業者に提供される。この場合、共用部電力量計14は、発電装置18が発電した電力から共用部負荷20によって消費された電力を減じた電力の逆潮分と電力消費の伴う順方向分の電力量を計測する。このため、電気事業者は、共用部電力量計14によって計測された電力量に基づいて集合住宅の管理者に売電金と買電金の差額を支払う。また、電気事業者は、私設の電力メーター又は電流センサー等の住戸電力量計16それぞれによって計測された電力量に基づいて、集合住宅に含まれる各住戸の居住者に電気料金を請求する。
【0043】
(余剰買取であり一括受電である第2方式(図1B参照))
幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第3ケーブル123が発電装置18と分岐部13とを電気的に接続し、第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続している場合、発電装置18から出力された電力は分岐部13に送電される。そして、分岐部13にて電力が分流されて、住戸用負荷19で消費される電力が第5ケーブル125によって送電され、余剰電力が幹線ケーブル33によって配電線32に送電されて電気事業者に提供される。この場合、共用部電力量計14は、発電装置18から、第3ケーブル123及び分岐部13を介して送電された電力の電力量を計測する。このような構成において、共用部電力量計14は、発電装置18によって発電された電力から、住戸用負荷19及び共用部負荷20それぞれで消費された電力を減じた、電気事業者に提供する電力(余剰電力)を計測する。このため、電気事業者は、共用部電力量計14によって計測された電力量に基づいて集合住宅の管理者に売電金を支払い、集合住宅全体に送電した電力の電気料金を請求する。管理者は、電気料金を例えば住戸数で除した金額を管理費又は共益費として集合住宅に含まれる各住戸の居住者に請求する。また、住戸電力量計16それぞれによって計測された電力量に基づいて決定された金額を電気料金として居住者に請求してもよい。上述したように、各住戸電力量計16が、通信ネットワークを介して管理装置21に計測した電力量を送信する場合、管理者は、管理装置21に記憶されている電力量データを用いて管理費又は共益費を請求することもできる。
【0044】
(第1方式から第2方式への変更)
電力供給システム100の配線を図1Aに示すような余剰買取であり住戸別受電である第1方式から、図1Bに示すような余剰買取であり一括受電である第2方式に変更するために、幹線ケーブル33は、配電線32と分岐部13とを電気的に接続させている状態から、配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続させる状態に変更される。例えば、幹線ケーブル33の集合住宅側の端部は、分岐部13から外されて、共用部電力量計14に取付けられてもよい。例えば、配電線32と分岐部13との電気的な接続する、幹線ケーブル33の一部が開放され、配電線32と共用部電力量計14と、幹線ケーブル33の一部が電気的に接続されてもよい。電力供給システム100は、スイッチ等によって構成される第1切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第1切替部は、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続させている状態と、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続させている状態とを切り替える。
【0045】
また、電力供給システム100の配線を第1方式から第2方式に変更するために、第1ケーブル121は、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態から、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態に変更される。電力供給システム100は、スイッチ等によって構成される第2切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第2切替部は、第1ケーブル121が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態と、第1ケーブル121が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態とを切り替える。
【0046】
また、電力供給システム100の配線を第1方式から第2方式に変更するために、第2ケーブル122は、共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続している状態から、共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続していない状態に変更される。電力供給システム100は、スイッチ等によって構成される第3切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第3切替部は、第2ケーブル122が共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続している状態と、第2ケーブル122が共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続していない状態とを切り替える。
【0047】
また、電力供給システム100の配線を第1方式から第2方式に変更するために、第3ケーブル123は、分岐部13と発電装置18とを電気的に接続していない状態から、分岐部13と発電装置18とを電気的に接続している状態に変更される。電力供給システム100は、スイッチ等によって構成される第4切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第4切替部は、第3ケーブル123が分岐部13と発電装置18とを電気的に接続していない状態と、第3ケーブル123が分岐部13と発電装置18とを電気的に接続している状態とを切り替える。また、このとき、第3ケーブル123として、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態の第1ケーブル121、又は発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態の第2ケーブル122が用いられてもよい。
【0048】
また、電力供給システム100の配線を第1方式から第2方式に変更するために、第4ケーブル124は、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続させていない状態から、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続させる状態に変更される。例えば、第1方式において、第4ケーブル124の端部が分岐部13及び共用部電力量計14の少なくとも一方から外されているか、第4ケーブル124の一部が開放されており、第2方式に変更されるにあたって第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続させるようにしてもよい。また、電力供給システム100はスイッチ等によって構成される第5切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第5切替部は、第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態と、第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態とを切り替える。
【0049】
また、電力供給システム100が第1方式において管理装置21を備えず、第2方式において管理装置21を備えるように変更してもよい。
【0050】
ここで、第1実施形態において、受電方式を変更する方法について図2を参照して説明する。
【0051】
まず、幹線ケーブル33を解線する(ステップS11)
【0052】
ステップS11で幹線ケーブル33を解線させると、第1ケーブル121を解線する(ステップ12)。
【0053】
ステップS12で、第1ケーブル121が解線させると、第2ケーブル122を解線する(ステップ13)。
【0054】
ステップS13で第1ケーブル121が解線されると、配電線32と共用部電力量計14とが電気的に接続されるよう幹線ケーブル33を結線させる(ステップS14)。
【0055】
ステップS14で幹線ケーブル33を結線させると、共用部電力量計14と分岐部13とが電気的に接続されるよう第4ケーブル124を結線させる(ステップS15)。
【0056】
ステップS15で第4ケーブル124を結線させると、発電装置18と分岐部13とが電気的に接続されるよう第3ケーブル123を結線させる(ステップS16)。
【0057】
なお、上記のステップS11からステップS13は任意の順序で行われてもよいし、ステップS11からステップS13の2つ以上が同時に行われてもよい。また、上記のステップS14からステップS16は任意の順序で行われてもよいし、ステップS13からステップS16の2つ以上が同時に行われてもよい。
【0058】
以上により、第1実施形態によれば、幹線ケーブル33は、配電線32を、分岐部13と共用部電力量計14とのいずれかに変更可能に電気的に接続させる。また、幹線ケーブル33が分岐部13に接続されている場合、共用部電力量計14は、発電装置18から分岐部13へ送電される電力の電力量を計測するように取付けられている。また、幹線ケーブル33が、共用部電力量計14に取付けられている場合、共用部電力量計14は、幹線ケーブル33によって配電線32に送電する電力を計測するように取付けられている。このため、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している状態と、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態とを変更し、共用部電力量計14に接続する第1ケーブル121、第2ケーブル122、第3ケーブル123、及び第4ケーブル124の電気的な接続を容易に変更することができ、これにより受電方式を容易に変更することができる。
【0059】
また、第1実施形態によれば、受電方式の変更前に利用していた幹線ケーブル33は、変更後においても利用されるため、配線部材を有効に活用することができる。さらに、第3ケーブル123が、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続していない第1ケーブル121である場合、受電方式の変更前に利用していた第1ケーブル121が変更後においても利用されるため、配線部材を有効に活用することができる。同様に、第3ケーブル123が、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続していない第2ケーブル122である場合、受電方式の変更前に利用していた第2ケーブル122が変更後においても利用されるため、配線部材を有効に活用することができる。
【0060】
また、第1実施形態によれば、第1切替部は、幹線ケーブル33が、配電線32と分岐部13とを電気的に接続させている状態と、配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続させている状態とを切り替えるため、幹線ケーブル33を脱着する工程が不要となりさらに容易に受電方式を変更することができる。
【0061】
また、第1実施形態によれば、第2切替部は、第1ケーブル121が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態と、第1ケーブル121が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態とを切り替えるため、第1ケーブル121を脱着する工程が不要となり、さらに容易に受電方式を変更することができる。
【0062】
また、第1実施形態によれば、第3切替部は、第2ケーブル122が共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続している状態と、第2ケーブル122が共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続していない状態とを切り替えるため、第2ケーブル122を脱着する工程が不要となり、さらに容易に受電方式を変更することができる。
【0063】
また、第1実施形態によれば、第4切替部は、第3ケーブル123が分岐部13と発電装置18とを電気的に接続していない状態と、第3ケーブル123が分岐部13と発電装置18とを電気的に接続している状態とを切り替えるため、第3ケーブル123を脱着する工程が不要となり、さらに容易に受電方式を変更することができる。
【0064】
また、第1実施形態によれば、電力供給システム100は、第4ケーブル124をさらに備える。また、第3切替部は、第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態から、第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続する状態に切り替えるため、送受電の方式を変更するにあたって、第4ケーブル124を調達して取付ける工程が不要となり、さらに容易に受電方式を変更することができる。
【0065】
また、第1実施形態によれば、共用部電力量計14は、分岐部13とともに共用分岐盤11内に配置されている。そのため、幹線ケーブル33が、配電線32と分岐部13とを電気的に接続している状態から、配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続する状態に変更される場合に、幹線ケーブル33自体を取り換えたり、幹線ケーブル33の長さを変更したりするといった複雑な工程を経る必要がなく、共用部電力量計13が共用分岐盤11の外に配置されている場合に比べて、幹線ケーブル33を容易に変更可能に取付けることができる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
【0067】
図3Aは、第2実施形態の電力供給システム200における、全量買取であり住戸別受電である受電方式(第3方式)での概略構成図であり、図3Bは、第2実施形態の電力供給システム200における、第1方式での概略構成図である。電力供給システム200は、複数の住戸と共用部とを含む集合住宅に設けられている。図3A及び図3Bに示すように、電力供給システム200は、共用分岐盤11と、ケーブル12と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、1つ以上の共用部負荷20とを備える。ケーブル12は、第2ケーブル122と、第4ケーブル124と、1つ以上の第5ケーブル125とを含む。電力供給システム200は、配電線32から幹線ケーブル33によって電力を受電する受電方式を改修可能である
【0068】
共用分岐盤11は、第2ケーブル122の一部と、第4ケーブル124と、第5ケーブル125の一部と、分岐部13と、1つ以上の住戸用遮断器17とを収容している。共用分岐盤11は、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、管理装置21とをさらに収容してもよい。共用分岐盤11には、電力供給システム100が設けられた集合住宅の近傍の電柱31にて電気事業者の配電線32から分岐した幹線ケーブル33が引き込まれている。共用分岐盤11が配置される位置は、第1実施形態と同じである。
【0069】
第2実施形態において、幹線ケーブル33は第1幹線ケーブル331と第2幹線ケーブル332とを含む。第1幹線ケーブル331は、配電線32と、分岐部13及び共用部電力量計14のいずれかとを選択的に接続する。第1幹線ケーブル331が、共用部電力量計14に接続されている場合、第2幹線ケーブル332は、分岐部13に接続されている。第1幹線ケーブル331が分岐部13に接続されている場合、第2幹線ケーブル332は、配電線32と電力供給システム200とを電気的に接続しない。
【0070】
ケーブル12は、第1実施形態と同様に、共用部電力量計14が幹線ケーブル33の接続状態に応じて電力を計測するように接続されている。具体的には、第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第4ケーブル124は共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続しない。第1幹線ケーブル331が、配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と電力供給システム200とを電気的に接続していない場合、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第4ケーブル124は共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続する。
【0071】
分岐部13は、共用分岐盤11に引き込まれた第2幹線ケーブル332を複数の第5ケーブル125に接続させるか、共用分岐盤11に引き込まれた第1幹線ケーブル331を第4ケーブル124及び1つ以上の第5ケーブル125に接続させる。
【0072】
共用部電力量計14は、第1実施形態と同様に、幹線ケーブル33の接続状態に応じて電力を計測する。第2実施形態では、第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、共用部電力量計は、発電装置18から出力された全量電力の電力量を計測するように取付けられている。これにより、共用部電力量計14は、発電装置18によって出力された全量電力の電力量を計測する。また、第1幹線ケーブル331が、配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と電力供給システム200とを電気的に接続していない場合、第2ケーブル122及び第4ケーブル124によって発電装置18から分岐部13へ送電される電力の電力量を計測するように取付けられている。これにより、共用部電力量計14は、第2ケーブル122及び第4ケーブル124によって発電装置18から分岐部13へ送電される電力の電力量を計測する。
【0073】
第2実施形態の共用部遮断器15、共用部遮断器15と、1つ以上の第5ケーブル125と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、1つ以上の共用部負荷20とは、それぞれ第1実施形態の共用部遮断器15、共用部遮断器15と、1つ以上の第5ケーブル125と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、1つ以上の共用部負荷20と同じである。
【0074】
ここで、第2実施形態における、電力の送受電、及び共用部電力量計14による電力の計測について詳細に説明する。
【0075】
(全量買取であり住戸別受電である第3方式(図3A参照))
第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第2ケーブル122が共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続している場合、発電装置18が発電した全量電力は、第2ケーブル122及び第1幹線ケーブル331によって配電線32に送電されることによって電気事業者に提供される。ここで、共用部電力量計14は、第2ケーブル122を流れる電流を計測することによって発電装置18によって発電された全量電力の電力量を計測する。そして、電気事業者は、共用部電力量計14によって計測された電力量に基づいて集合住宅の管理者に売電金を支払う。また、第2幹線ケーブル332が分岐部13で第5ケーブル125に接続しているため、第2幹線ケーブル332及び第5ケーブル125が電気事業者からの電力を各住戸に送電し、住戸電力量計16は、第5ケーブル125を流れる電流を計測することによって電気事業者から供給された電力の電力量を計測する。そして、電気事業者は、住戸電力量計16それぞれによって計測された電力量に基づいて、集合住宅に含まれる各住戸の居住者に電気料金を請求する。
【0076】
(余剰買取であり住戸別受電である第1方式(図3B参照))
幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第2ケーブル122が発電装置18と共用部電力量計14とを接続し、第1ケーブル121が、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続している場合、発電装置18によって発電された電力から、共用部負荷20で消費された電力を減じた電力が分岐部13に送電される。そして、電力は、分岐部13で分流され、住戸用負荷19で消費される電力が第5ケーブル125によって送電され、余剰電力が幹線ケーブル33によって配電線32に送電されて電気事業者に提供される。この場合、共用部電力量計14は、発電装置18が発電した電力から共用部負荷20によって消費された電力を減じた電力の逆潮分と電力消費の伴う順方向分の電力量を計測する。このため、電気事業者は、共用部電力量計14によって計測された電力量に基づいて集合住宅の管理者に売電金と買電金の差額を支払う。また、電気事業者は、私設の電力メーター又は電流センサー等の住戸電力量計16それぞれによって計測された電力量に基づいて、集合住宅に含まれる各住戸の居住者に電気料金を請求する。
【0077】
(第3方式から第1方式への変更)
電力供給システム200の配線を図3Aに示すような全量買取であり住戸別受電である第3方式から、図3Bに示すような第1方式に変更するために、第1幹線ケーブル331は、配電線32と分岐部13とを電気的に接続させ、配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続させないように変更される。例えば、第1幹線ケーブル331の集合住宅側の端部は共用部電力量計13から外されて、分岐部13に取付けられる。電力供給システム200は、第1実施形態の電力供給システム100と同様に第1切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第1切替部は、第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続させている状態から、第1幹線ケーブル331が配電線32と分岐部13とを電気的に接続させている状態に切り替える。
【0078】
また、電力供給システム200の配線を第3方式から第1方式に変更するために、第1実施形態と同様に、第4ケーブル124は、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続させていない状態から、電気的に接続させる状態に変更される。また、電力供給システム200は、第1実施形態の電力供給システム100と同様に、第5切替部をさらに備えてもよい。
【0079】
また、電力供給システム200の配線を第3方式から第1方式に変更するために、第2幹線ケーブル332は、配電線32と分岐部13とを接続している状態から配電線32と分岐部13とを接続していない状態に変更される。電力供給システム200はスイッチ等によって構成される第4切替部をさらに備えてもよい。このような構成において、第4切替部は、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを接続している状態と、配電線32と分岐部13とを接続していない状態とを切り替えてもよい。
【0080】
以上により、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1幹線ケーブル331を、配電線32と分岐部13とを電気的に接続している状態から配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態に変更し、第2幹線ケーブル332を、配電線32と分岐部13とを接続している状態から配電線32と分岐部13とを接続していない状態に変更し、共用部電力量計14に接続する第4ケーブル124の電気的な接続を変更するだけで受電方式を容易に変更することができる。また、変更前の受電方式で利用していた第1幹線ケーブル331を変更後においても利用することができ、配線部材を有効に活用することができる。
【0081】
また、第2実施形態によれば、第4切替部は、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを接続している状態から、配電線32と分岐部13とを接続していない状態に切り替える。このため、全量買取である形態を、余剰買取である形態に変更するために、第2幹線ケーブル332を完全に撤去する必要がなくなり、作業が容易になる。
【0082】
なお、上述において、第2実施形態の電力供給システム300は管理装置21を備えてもよい。
【0083】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照して説明する。
【0084】
図4Aは、第3実施形態の電力供給システム300における第3方式での概略構成図であり、図4Bは、第3実施形態の電力供給システム300における第2方式での概略構成図である。電力供給システム300は、複数の住戸と共用部とを含む集合住宅に設けられている。図4A及び図4Bに示すように、電力供給システム300は、共用分岐盤11と、ケーブル12と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、1つ以上の第5ケーブル125と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19とを備える。第3実施形態では、ケーブル12は、第2ケーブル122と、第3ケーブル123と、第4ケーブル124と、第5ケーブル125とを含む。電力供給システム300は、管理装置21を備えてもよい。
【0085】
共用分岐盤11は、分岐部13と、第2ケーブル122の一部と、第3ケーブル123の一部と、第4ケーブル124と、第5ケーブル125の一部と、1つ以上の住戸用遮断器17と、管理装置21とを収容している。共用分岐盤11は、共用部電力量計14と、共用部遮断器15とをさらに収容してもよい。共用分岐盤11には、電力供給システム300が設けられた集合住宅の近傍の電柱31にて電気事業者の配電線32から分岐した幹線ケーブル33が引き込まれている。共用分岐盤11が配置される位置は、第1実施形態と同じである。
【0086】
第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、幹線ケーブル33は第1幹線ケーブル331と第2幹線ケーブル332とを含む。第1幹線ケーブル331は、配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続する。第2幹線ケーブル332は、配電線32と分岐部13とを電気的に接続可能である。
【0087】
ケーブル12は、第1実施形態と同様に、共用部電力量計14が幹線ケーブル33の接続状態に応じて電力を計測するように接続されている。
【0088】
第3実施形態では、第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第4ケーブル124は、共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続しない。第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と電力供給システム300を電気的に接続していない場合、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続せず、第3ケーブル123は発電装置18と分岐部13とを接続し、第4ケーブル124は共用部電力量計14と分岐部13とを電気的に接続する。
【0089】
分岐部13は、第2幹線ケーブル332と複数の第5ケーブル125とを電気的に接続するか、第3ケーブル123と、第5ケーブル125と、複数の第5ケーブル125とを電気的に接続する。
【0090】
共用部電力量計14は、第1実施形態と同様に、幹線ケーブル33の接続状態に応じて電力を計測する。第3実施形態では、第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続している場合、第2ケーブル122によって発電装置18によって発電された全量電力が配電線32へ送電され、共用部電力量計は、該電力の電力量を計測するように取付けられている。これにより、共用部電力量計14は、発電装置18によって発電された全量電力の電力量を計測する。また、第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続していない場合、発電装置18によって発電された電力の一部は、第3ケーブル123によって分岐部13に送信され、分岐部13で分電されて住戸用負荷19に送電される。また、発電装置18によって発電された電力の余剰電力は、第4ケーブル124及び第1幹線ケーブル331によって配電線32に送電される。このとき、共用部電力量計14は、余剰電力の電力量を計測する。
【0091】
第3実施形態の共用部遮断器15、第5ケーブル125、住戸電力量計16、住戸用遮断器17、発電装置18、住戸用負荷19、及び管理装置21は、それぞれ第1実施形態の共用部遮断器15、第5ケーブル125、住戸電力量計16、住戸用遮断器17、発電装置18、住戸用負荷19、及び管理装置21と同じである。
【0092】
ここで、第3実施形態における、電力の送受電、及び共用部電力量計14による電力の計測について詳細に説明する。
【0093】
(全量買取であり住戸別受電である第3方式(図4A参照))
第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第2幹線ケーブル332が配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第2ケーブル122が共用部電力量計14と発電装置18とを電気的に接続している場合、発電装置18が発電した全量電力は、第2ケーブル122及び第1幹線ケーブル331によって配電線32に送電されることによって電気事業者に提供される。ここで、共用部電力量計14は、第2ケーブル122を流れる電流を計測することによって発電装置18によって発電された全量電力の電力量を計測する。そして、電気事業者は、共用部電力量計14によって計測された電力量に基づいて集合住宅の管理者に売電金を支払う。また、第2幹線ケーブル332が分岐部13で第5ケーブル125に接続しているため、第2幹線ケーブル332及び第5ケーブル125が電気事業者からの電力を各住戸に送電し、住戸電力量計16は、第5ケーブル125を流れる電流を計測することによって電気事業者から供給された電力の電力量を計測する。そして、電気事業者は、住戸電力量計16それぞれによって計測された電力量に基づいて、集合住宅に含まれる各住戸の居住者に電気料金を請求する。
【0094】
(余剰買取であり一括受電である第2方式(図4B参照))
第1幹線ケーブル331が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第3ケーブル123が発電装置18と分岐部13とを電気的に接続し、第4ケーブル124が分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続している場合、発電装置18から出力された電力は分岐部13に送電される。そして、分岐部13にて電力が分流されて、住戸用負荷19で消費される電力が第5ケーブル125によって送電され、余剰電力が第1幹線ケーブル331によって配電線32に送電されて電気事業者に提供される。この場合、共用部電力量計14は、発電装置18から、第3ケーブル123及び分岐部13を介して送電された電力の電力量を計測する。このような構成において、共用部電力量計14は、発電装置18によって発電された電力のうち、住戸用負荷19及び共用部負荷20それぞれで消費された電力を減じた、電気事業者に提供する電力(余剰電力)を計測する。このため、電気事業者は、共用部電力量計14によって計測された電力量に基づいて集合住宅の管理者に売電金を支払い、集合住宅全体に送電した電力の電気料金を請求する。管理者は、電気料金を例えば住戸数で除した金額を管理費又は共益費として集合住宅に含まれる各住戸の居住者に請求する。また、住戸電力量計16それぞれによって計測された電力量に基づいて決定された金額を電気料金として居住者に請求してもよい。上述したように、各住戸電力量計16が、通信ネットワークを介して管理装置21に計測した電力量を送信する場合、管理者は、管理装置21に記憶されている電力量データを用いて管理費又は共益費を請求することもできる。
【0095】
(第3方式から第2方式への変更)
電力供給システム300の配線を、図4Aに示すような全量買取であり住戸別受電である第3方式から、図4Bに示すような余剰買取であり一括受電である第2方式に変更するために、第2ケーブル122は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続している状態から、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態に変更される。また、電力供給システム300は、第1実施形態と同様に、第3切替部をさらに備えてもよい。
【0096】
また、電力供給システム300の配線を、第3方式から第2方式に変更するために、第3ケーブル123は、発電装置18と分岐部16とを接続していない状態から、発電装置18と分岐部16とを接続していない状態に変更される。このとき、第3ケーブル123として、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続していない状態の第2ケーブル122が用いられてもよい。
【0097】
また、電力供給システム300の配線を、第3方式から第2方式に変更するために、第1実施形態と同様に、第4ケーブル124は、分岐部13と共用部電力量計14とを電気的に接続させていない状態から、電気的に接続させる状態に変更される。また、電力供給システム300は、第1実施形態の電力供給システム100と同様に、第3切替部をさらに備えてもよい。
【0098】
また、電力供給システム300の配線を、第3方式から第2方式に変更するために、第2実施形態と同様に、第2幹線ケーブル332は、配電線32と分岐部13とを接続している状態から配電線32と分岐部13とを接続していない状態に変更される。電力供給システム300は、第2実施形態の電力供給システム200と同様に、第4切替部をさらに備えてもよい。
【0099】
以上、第3実施形態によれば、電力供給システム300を第3方式から第1方式に改修することにより、発電装置18によって発電された電力が共用部負荷20だけでなく、住戸用負荷19でも消費されるようになる。このため、ゼロ円、又は現状よりもかなりの低い価格で買い取られる電力を減らすことができる。また、管理者は、各住戸で消費された電力については一般的な単価で各住戸に請求することで利ザヤが稼げる。各住戸においても、基本料金が発生しなくなるというメリットが生まれる。
【0100】
また、第3実施形態によれば、共用部電力量計14に接続する第2ケーブル122、及び第4ケーブル124の電気的な接続が変更されるだけで、受電方式を容易に変更することができる。また、変更前の受電方式で利用していた第1幹線ケーブル331を変更後においても利用することができ、配線部材を有効に活用することができる。さらに、第3ケーブル123として、共用部電力量計14に接続していない第2ケーブル122を利用することによって、配線部材を有効に活用することができる。
【0101】
また、第3実施形態によれば、第3方式から第2方式への改修において、第1幹線ケーブル331の接続を変更する必要がない。発電装置18によって出力された電力を配電線32に送電するためには、規定の容量の幹線ケーブルを用いる必要があり、また、幹線ケーブルを新たに設置するには複雑な作業が必要となる。第3の実施形態では、全量買取の方式で発電装置18から出力された電力を配電線32に送電するために利用されていた第1幹線ケーブル331を、余剰買取であり一括受電である方式でも変更せずに利用することができる。したがって、幹線ケーブルを新たに設置するための複雑な作業が不要にすることができ、幹線ケーブルの変更を必要とする場合に比べて非常に容易に送受電の方式を変更することが可能となる。
【0102】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図面を参照して説明する。第4実施形態の電力供給システム400は、第1実施形態と同様に、受電方式が第1方式から第2方式に改修可能であるが、第1実施形態とは異なる構成を有する。
【0103】
図5Aは、第4実施形態の電力供給システム400における、第1方式での概略構成図であり、図5Bは、第2方式での概略構成図である。図5A及び図5Bに示すように、電力供給システム400は、共用分岐盤11と、ケーブル12と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、共用部負荷20と、切替部22とを備える。ケーブル12は、第6ケーブル126と、第7ケーブル127と、1つ以上の第8ケーブル128と、1つ以上の第9ケーブル129とを含む。また、切替部22は、第6切替部226と、第7切替部227とを含む。また、電力供給システム400は、管理装置21をさらに備えてもよい。
【0104】
共用分岐盤11は、分岐部13と、第6ケーブル126、第7ケーブル127、第8ケーブル128、及び第9ケーブル129のそれぞれ一部と、1つ以上の住戸用遮断器17とを収容している。共用分岐盤11は、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、管理装置21とをさらに収容してもよい。共用分岐盤11には、電力供給システム400が設けられた集合住宅の近傍の電柱31にて電気事業者の配電線32から分岐した幹線ケーブル33が引き込まれている。共用分岐盤11は、集合住宅が建築されている敷地内の任意の位置に配置されている。共用分岐盤11は、例えば、配置可能な位置であって、幹線ケーブル33が配電線32から分岐される電柱31から最も近い位置に配置されている。幹線ケーブル33は、配電線32を、分岐部13及び共用部電力量計14のいずれかと変更可能に電気的に接続する。幹線ケーブル33が分岐部13に接続されている状態と、幹線ケーブル33が共用部電力量計14に接続される状態とが変更可能であるように、分岐部13と共用部電力量計14とは、互いに近接して配置される。
【0105】
ケーブル12は、共用部電力量計14が幹線ケーブル33の接続状態に応じて電力を計測するように接続される。
【0106】
第6ケーブル126は、発電装置18から出力された電力を共用部電力量計14に送電する。第6ケーブル126は、発電装置18と共用部電力量計14とを電気的に接続している。第6ケーブル126は、発電装置18と共用部電力量計14とを、共用部遮断器15を介して電気的に接続していてもよい。第6ケーブル126は、1つの配線ケーブルから構成されていてもよいし、複数の配線ケーブルと、複数の配線ケーブルを互いに接続するコネクタから構成されていてもよい。
【0107】
第7ケーブル127は、発電装置18と分岐部13とを、第7切替部227を介して、電気的に接続可能である。具体的には、図5Aに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続している場合、第7ケーブル127は、発電装置18と分岐部13とを電気的に接続しない。また、図5Bに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、配電線32と分岐部13とを電気的に接続していない場合、第7ケーブル127は、発電装置18と分岐部13とを電気的に接続する。第7ケーブル127は、発電装置18と分岐部13とを、さらに共用部遮断器15を介して電気的に接続していてもよい。
【0108】
なお、第6ケーブル126及び第7ケーブル127は、発電装置18から、発電装置18と共用部電力量計14との間の任意の箇所までの部分において、1つの共通のケーブルによって構成されてもよい。このような構成では、第6ケーブル126及び第7ケーブル127は、該箇所において、分岐部13までの部分と共用部電力量計14までの部分とに分岐される。
【0109】
第8ケーブル128は、電気事業者からの電力と発電装置18からの電力の少なくとも一方を1つ以上の共用部負荷20に送電する。第8ケーブル128は、第7切替部227と1つ以上の共用部負荷20それぞれとを電気的に接続する配線ケーブルである。第8ケーブル128は、複数の配線ケーブルと、複数の配線ケーブルを互いに接続するコネクタから構成されていてもよい。
【0110】
第9ケーブル129は、電気事業者からの電力と発電装置18からの電力の少なくとも一方を複数の住戸電力量計16及び負荷19に送電する。第9ケーブル129は、分岐部13と複数の住戸電力量計16及び負荷19それぞれとを電気的に接続する配線ケーブルである。第9ケーブル129は、複数の配線ケーブルと、複数の配線ケーブルを互いに接続するコネクタから構成されていてもよい。
【0111】
分岐部13は、共用分岐盤11に引き込まれた第7ケーブル127及び幹線ケーブル33のいずれかを第9ケーブル129に接続可能である。
【0112】
共用部電力量計14は、発電装置18及び配電線32に電気的に接続されている。共用部電力量計14は、幹線ケーブル33及び第7ケーブル127の接続状態に応じて電力を計測する。第4実施形態では、共用部電力量計14は、図5Aに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13とを電気的に接続し、第7ケーブル127が発電装置21と分岐部13とを電気的に接続していない場合、発電装置18によって発電された電力から、共用部負荷20で消費された電力を減じた、電気事業者に提供する電力を計測するように取付けられている。これにより、共用部電力量計14は、発電装置18によって発電された電力から、共用部負荷20で消費された電力を減じた、電気事業者に提供する電力を計測する。また、図5Bに示すように、共用部電力量計14は、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続し、第7ケーブル127が発電装置21と分岐部13とを電気的に接続している場合、発電装置18によって発電された電力から、住戸用負荷19及び共用部負荷20で消費された電力を減じた、電気事業者に提供する電力を計測するように取付けられている。これにより、発電装置18によって発電された電力から、住戸用負荷19及び共用部負荷20で消費された電力を減じた、電気事業者に提供する電力を計測する。
【0113】
共用部遮断器15は、系統連系(逆潮)により、発電装置18によって発電された電力をケーブル12、幹線ケーブル33、及び配電線32を介して電気事業者に提供する。また、共用部遮断器15は、該共用部遮断器15に接続しているケーブル12に過電流が流れたときに電路を開放して電力の送電を遮断し、ケーブル12に過電流が流れないときに電路を開放せず電力の送電を行う。
【0114】
複数の住戸電力量計16は、第9ケーブル129によって複数の住戸それぞれに送電される電力の電力量をそれぞれ計測する。複数の住戸電力量計16それぞれは、通信ネットワークを介して、計測した電力量を示す電力量データを管理装置21に送信するスマートメータであってもよい。また、図5Bに示すように、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを電気的に接続している場合、複数の住戸電力量計16の1つ以上は、CTセンサーであってもよい。
【0115】
住戸用遮断器17は、該住戸用遮断器17に接続している第9ケーブル129に過電流が流れたときに電路を開放して電力の送電を遮断し、第9ケーブル129に過電流が流れないときに電路を開放せず電力の送電を行う。
【0116】
発電装置18は、電力を発生させ、第6ケーブル126及び第7ケーブル127(又は第6ケーブル126及び第7ケーブル127のそれぞれ一部として機能する1つの共通のケーブル)を介して該電力を出力する。発電装置18は、発電部181と、変換部182とを含む。発電装置18によって出力された電力の一部は、第7切替部227及び第8ケーブル128を介して共用部負荷20に送電される。また、発電装置18によって出力された電力から、共用部負荷20に送電された電力を減じた余剰電力は、第7切替部227、共用部電力量計14、及び幹線ケーブル33を介して配電線32送電されることによって電力事業者に提供される。
【0117】
第4実施形態の発電部181は、第1実施形態の発電部181と同じである。変換部182は、発電部181によって発生された電力である直流電力を交流電力に変換し、第6ケーブル126及び第7ケーブル127(又は第6ケーブル126及び第7ケーブルのそれぞれ一部として機能する1つの共通のケーブル)を介して該電力を出力する。変換部182は、例えば、パワーコンディショナーである。
【0118】
第4実施形態の住戸用負荷19、共用部負荷20、及び発電装置21は、それぞれ第1実施形態の住戸用負荷19、共用部負荷20、管理装置21同じである。
【0119】
第4実施形態において、幹線ケーブル33は、配電線32と第6切替部226とを電気的に接続する部分(第A幹線ケーブル33A)と、第6切替部226と分岐部13とを電気的に接続可能な部分(第B幹線ケーブル33B)と、第6切替部226と共用部電力計14とを電気的に接続する部分(幹線ケーブル33C)とから構成される。また、第4実施形態において、第7ケーブル127は、発電装置18と第7切替部227とを電気的に接続する部分(第7Aケーブル127A)と、第7切替部227と分岐部13とを電気的に接続可能な部分(第7Bケーブル127B)とから構成される。
【0120】
第6切替部226は、幹線ケーブル33の接続状態を切り替える。第6切替部226は、幹線ケーブル33が配電線32と分岐部13及び共用部電力量計14とを接続している状態と、幹線ケーブル33が配電線32と共用部電力量計14とを接続し、配電線32と分岐部13とを接続していない状態とを切り替える。具体的には、図5Aに示す第1方式において、第6切替部226は、第A幹線ケーブル33Aに配電線32と第6切替部226とを電気的に接続させ、第B幹線ケーブル33Bに第6切替部226と分岐部13とを電気的に接続させ、幹線ケーブル33Cに第6切替部226と共用部電力計14とを電気的に接続させる。図5Bに示す第2方式において、第6切替部226は、第A幹線ケーブル33Aに配電線32と第6切替部226とを電気的に接続させ、第B幹線ケーブル33Bに第6切替部226と分岐部13とを電気的に接続させず、幹線ケーブル33Cに第6切替部226と共用部電力計14とを電気的に接続させる。
【0121】
第7切替部227は、第7ケーブル127の接続状態を切り替える。第7切替部227は、第7ケーブル127が発電装置18と分岐部13とを電気的に接続されていない状態と、第7ケーブル127が発電装置18と分岐部13とを電気的に接続されている状態とを切り替える。具体的には、図5Aに示す第1方式において、第7切替部227は、第7Aケーブル127Aに発電装置18と第7切替部227とを電気的に接続させ、第7Bケーブル127Bに分岐部13と第7切替部227とを電気的に接続させない。また、図5Bに示す第2方式において、第7切替部227は、第7Aケーブル127Aに発電装置18と第7切替部227とを電気的に接続させ、第7Bケーブル127Bに分岐部13と第7切替部227とを電気的に接続させる。
【0122】
第4実施形態の第1方式及び第2方式それぞれにおける、電力の送受電、及び共用部電力量計14による電力の計測は、第1実施形態の第1方式及び第2方式それぞれと同じである。
【0123】
以上により、第4実施形態によれば、第6切替部226が幹線ケーブル33の接続状態を切り替え、第7切替部227が第7ケーブル127の接続状態を切り替えることによって、受電方式をより容易に変更することができる。
【0124】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について、図面を参照して説明する。第5実施形態の電力供給システム500は、第2実施形態と同様に、受電方式が第3方式から第1方式に改修可能であるが、第2実施形態とは異なる構成を有する。
【0125】
図6Aは、第5実施形態の電力供給システム500における、第3方式での概略構成図であり、図6Bは、第5実施形態の電力供給システム500における、第1方式での概略構成図である。電力供給システム500は、複数の住戸と共用部とを含む集合住宅に設けられている。図6A及び図6Bに示すように、共用分岐盤11と、ケーブル12と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、共用部負荷20と、切替部22とを備える。
【0126】
切替部22は、第8切替部228と、第9切替部229と、第10切替部220と、を含む。各切替部の詳細については後述する。
【0127】
ケーブル12は、第6ケーブル126と、第7ケーブル127と、1つ以上の第8ケーブル128と、1つ以上の第9ケーブル129と、第10ケーブル120とを含む。第6ケーブル126と、第7ケーブル127と、第8ケーブル128と、第9ケーブル129とは、それぞれ第4実施形態の第6ケーブル126と、第7ケーブル127と、1つ以上の第8ケーブル128と、第9ケーブル129と同じである。第10ケーブル120は、第9切替部229と、共用部電力量計14とを電気的に接続する。
【0128】
第5実施形態の共用分岐盤11と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、共用部負荷20とは、それぞれ第4実施形態の共用分岐盤11と、分岐部13と、共用部電力量計14と、共用部遮断器15と、複数の住戸電力量計16と、住戸用遮断器17と、発電装置18と、複数の住戸用負荷19と、共用部負荷20と同じである。
【0129】
第5実施形態において、幹線ケーブル33は第1幹線ケーブル331と第2幹線ケーブル332とを含む。第1幹線ケーブル331は、配電線32と、第9切替部229とを電気的に接続可能である。第1幹線ケーブル331が、配電線32と第9切替部229とを電気的に接続している場合、第2幹線ケーブル332は、配電線32と分岐部13とを、第8切替部228を介して接続している。第1幹線ケーブル331が配電線32と第9切替部229とを電気的に接続していない場合、第2幹線ケーブル332は、配電線32と第9切替部229とを第8切替部228を介して電気的に接続している。
【0130】
第2幹線ケーブル332は、配電線32と第8切替部228とを電気的に接続可能な部分(第2A幹線ケーブル332A)と、第8切替部228と分岐部13とを電気的に接続可能な部分(第2B幹線ケーブル332B)と、第8切替部228と第9切替部229とを電気的に接続可能な部分(第2C幹線ケーブル332C)とから構成される。さらに、第7ケーブル127は、発電装置18と第7切替部227とを電気的に接続可能な部分(第7Aケーブル127A)と、第7切替部227と分岐部13とを電気的に接続する部分(第7Bケーブル127B)とから構成される。
【0131】
第8切替部228は、第1幹線ケーブル331が配電線321と第9切替部229とを電気的に接続している状態と、第1幹線ケーブル331が配電線321と分岐部13とを電気的に接続している状態とを切り替える。
【0132】
具体的には、図6Aに示す第3方式において、第8切替部228は、第2A幹線ケーブル332Aに配電線32と第8切替部228とを電気的に接続させ、第2B幹線ケーブル332Bに第8切替部228と分岐部13とを電気的に接続させ、第2C幹線ケーブル332Cに第8切替部228と第9切替部229とを接続させない。また、第9切替部229は、第1A幹線ケーブル331Aに配電線32と第9切替部229とを電気的に接続させる。
【0133】
また、図6Bに示す第1方式において、第8切替部228は、第2A幹線ケーブル332Aに配電線32と第8切替部228とを電気的に接続させ、第2B幹線ケーブル332Bに第8切替部228と分岐部13とを電気的に接続させず、第2C幹線ケーブル332Cに第8切替部228と第9切替部229とを接続させる。また、第9切替部229は、第1A幹線ケーブル331Aに配電線32と第9切替部229とを電気的に接続させない。
【0134】
第10切替部220は、第7ケーブル127の接続状態を切り替える。第10切替部220は、第7ケーブル127が発電装置18と分岐部13とを電気的に接続している状態と、第7ケーブル127が発電装置18と分岐部13とを電気的に接続していない状態とを切り替える。
【0135】
具体的には、図6Aに示す第3方式において、第10切替部220は、第7Aケーブル127Aに発電装置18と第10切替部220とを電気的に接続させず、第7Bケーブル127Bに分岐部13と第10切替部220とを電気的に接続させる。また、図6Bに示す第1方式において、第10切替部220は、第7Aケーブル127Aに発電装置18と第10切替部220とを電気的に接続させ、第7Bケーブル127Bに分岐部13と第10切替部220とを電気的に接続させる。
【0136】
第5実施形態の第3方式及び第1方式それぞれにおける、電力の送受電、及び共用部電力量計14による電力の計測は、第2実施形態の第3方式及び第1方式それぞれと同じである。
【0137】
以上により、第5実施形態によれば、第8切替部228及び第9切替部229が幹線ケーブル33の接続状態を切り替え、第10切替部220が第7ケーブル127の接続状態を切り替えるため、受電方式をより容易に変更することができる。
【0138】
本発明は、上述した各実施形態で特定された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、電力供給システムの受電方式を改修する受電方式改修方法及び電力供給システムに関する。
【符号の説明】
【0140】
100,200,300,400,500 電力供給システム
11 共用分岐盤
12 ケーブル
13 分岐部
14 共用部電力量計
15 共用部遮断器
16 住戸電力量計
17 住戸用遮断器
18 発電装置
19 住戸用負荷
20 共用部負荷
21 管理装置
31 電柱
32 配電線
33 幹線ケーブル
121 第1ケーブル
122 第2ケーブル
123 第3ケーブル
124 第4ケーブル
125 第5ケーブル
126 第6ケーブル
127 第7ケーブル
127A 第7Aケーブル
127B 第7Aケーブル
128 第8ケーブル
129 第9ケーブル
181 発電部
182 変換部
331 第1幹線ケーブル
331A 第1A幹線ケーブル
331B 第1B幹線ケーブル
332 第2幹線ケーブル
332A 第2A幹線ケーブル
332B 第2B幹線ケーブル
331C 第2C幹線ケーブル
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B