(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】撮影レンズ及び撮影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
G02B13/00
(21)【出願番号】P 2019081807
(22)【出願日】2019-04-23
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山添 純一
(72)【発明者】
【氏名】定直 高太郎
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060918(JP,A)
【文献】特開平10-197793(JP,A)
【文献】特開2002-098894(JP,A)
【文献】特開平06-265827(JP,A)
【文献】特開平09-061717(JP,A)
【文献】特開平10-206737(JP,A)
【文献】特開2014-109761(JP,A)
【文献】特開平08-220437(JP,A)
【文献】特開2016-090725(JP,A)
【文献】特開2020-173349(JP,A)
【文献】特開2019-200248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、
前記第1レンズ群および前記第3レンズ群を固定したまま、前記第2レンズ群を光軸に沿って物体側へ移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行い、
前記第3レンズ群の最も物体側に配置されるレンズが負の屈折力を有し、
以下に示す条件式(1)(2)(3-1)を満足し、
3.0 ≦ (1-b2
2)×b3
2 ≦ 10.0 ・・・ (1)
0.10 ≦ L1/TL ≦ 0.30 ・・・ (2)
0.10 ≦ f2/f1 ≦ 0.346 ・・・ (3―1)
さらに、前記第1レンズ群が、少なくとも1枚の正の屈折力を有する正レンズを有し、前記正レンズが以下の条件式(7)を満足することを特徴とする撮影レンズ。
0.012 ≦ ΔPgF1 ≦ 0.100 ・・・ (7)
但し
b2 :前記第2レンズ群の無限遠物体合焦状態の横倍率
b3 :前記第3レンズ群の無限遠物体合焦状態の横倍率
f1 :前記第1レンズ群の焦点距離
f2 :前記第2レンズ群の焦点距離
L1 :前記第1レンズ群の全長
TL :当該撮影レンズの光学全長
ΔPgF1 :C7(部分分散比:0.5393,νd:60.49)及びF2(部分分 比:0.5829,νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る 線を基準線としたときの、前記正レンズの部分分散比の基準線
からの偏差
【請求項2】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮影レンズ。
0.8 ≦ |f3|/f12 ≦ 2.2 ・・・ (4)
但し
f12 : 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の無限遠物体合焦状態の合成焦点距離
f3 : 前記第3レンズ群の焦点距離
【請求項3】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影レンズ。
0.50 ≦ TL/FL ≦ 1.20 ・・・ (5)
但し
FL : 無限遠物体合焦状態の当該撮影レンズの焦点距離
【請求項4】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1~3のうちの一項に記載の撮影レンズ。
2.0 ≦ FL/Y ≦ 10.0 ・・・ (6)
但し
FL: 無限遠物体合焦状態の当該撮影レンズの焦点距離
Y : 最大像高
【請求項5】
前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群を構成するレンズの総数が10枚以下であることを特徴とする請求項1~4のうちの一項に記載の撮影レンズ。
【請求項6】
前記第3レンズ群が、少なくとも1枚の正の屈折力を有するレンズと、少なくとも1枚の負の屈折力を有するレンズとを有することを特徴とする請求項1~5のうちの一項に記載の撮影レンズ。
【請求項7】
請求項1~6のうちの一項に記載の撮影レンズと、前記撮影レンズの像側に配置されて前記撮影レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影レンズ及び撮影装置に関する。本発明は、さらに詳しくは、小型で光学性能の優れたインナーフォーカス式の撮影レンズ及び撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの高画質化への要望から、撮像素子の大型化や短いフランジバックを有するミラーレスカメラの普及が進む中、撮影レンズには光学的高性能化とともに小型化への要望が強まっている。
上述した要望を満たした上で、インナーフォーカスタイプのレンズであることが好ましいという課題もある。すなわち、インナーフォーカスタイプのレンズは、合焦レンズの小径化及び軽量化に好都合であることから、合焦速度及び合焦精度の向上が可能である。さらに、インナーフォーカスタイプのレンズは、合焦レンズの小径化及び軽量化によって合焦操作によっても重心がほとんど移動しないこと及び鏡筒の機械長が変化しないことから、撮影時の操作性が良いという大きな利点もある。
【0003】
このようなインナーフォーカスタイプのレンズとして、物体側から順に像面に対して固定の正の屈折力を有する第1レンズ群、強い正の屈折力を有する合焦レンズ群(第2レンズ群)を配置し、フォーカシングの際の合焦レンズ群の移動量を小さくすることにより光学全長すなわち第1レンズ群の物体側面から結像面までの距離を短縮化した光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述したインナーフォーカスレンズの他のものとして、物体側から順に結像面に対して固定の正の屈折力を有する第1レンズ群、強い正の屈折力を有する合焦レンズ群(第2レンズ群)を配置し、さらに該合焦レンズ群の像側に負の屈折率を有する第3レンズ群を配置する構成が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。これらのインナーフォーカスレンズは、物体側に正の屈折力の群が配置され、像面側に負の屈折力の群が配置されたテレフォト構成となり、光学全長が短縮化され、より一層レンズの小型化を実現することができている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-16146号公報
【文献】特開2014-235176号公報
【文献】特開2016-90725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術において、前記特許文献1によって提案されたインナーフォーカス式レンズは、第3レンズ群の屈折力が正であり、テレフォト構成がとられておらず、光学系の小型化が不十分である。
【0007】
前記特許文献2に開示されたインナーフォーカス式レンズにおいては、光学系全体の全長に対する第1レンズ群の全長の比が大きく、小型化が不十分である。
【0008】
前記特許文献3によって提案されたインナーフォーカス式レンズにおいては、フォーカスレンズである第2レンズ群の屈折力が弱く、合焦時の第2レンズ群の移動量が大きいため、光学系全体の小型化が不十分である。
【0009】
本発明は従来のインナーフォーカスレンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、小型で光学性能の優れた撮影レンズ及び撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る撮影レンズは、上記の課題を解決するため、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群を固定したまま、前記第2レンズ群を光軸に沿って物体側へ移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行い、以下に示す条件式を満足することを特徴とする構成である。
3.0 ≦ (1-b22)×b32 ≦ 10.0 ・・・ (1)
0.10 ≦ L1/TL ≦ 0.30 ・・・ (2)
但し
b2 : 前記第2レンズ群の無限遠合焦時の横倍率
b3 : 前記第3レンズ群の無限遠合焦時の横倍率
L1 : 前記第1レンズ群の全長
TL : 当該撮影レンズの光学全長
【0011】
本発明の一態様に係る撮影装置は、前記撮影レンズと、前記撮影レンズの結像位置に配置されて前記撮影レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明によれば、小型で光学性能の優れたインナーフォーカス式の撮影レンズ及び撮影装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の撮影レンズの第1実施例のレンズ構成図である
【
図2】本発明の撮影レンズの第1実施例の収差図である。
【
図3】本発明の撮影レンズの第2実施例のレンズ構成図である
【
図4】本発明の撮影レンズの第2実施例の収差図である。
【
図5】本発明の撮影レンズの第3実施例のレンズ構成図である
【
図6】本発明の撮影レンズの第3実施例の収差図である。
【
図7】本発明の撮影レンズの第4実施例のレンズ構成図である
【
図8】本発明の撮影レンズの第4実施例の収差図である。
【
図9】本発明の撮影レンズの第5実施例のレンズ構成図である
【
図10】本発明の撮影レンズの第5実施例の収差図である。
【
図11】本発明の撮影装置の実施例の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、物体側から順に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群を固定したまま、前記第2レンズ群を光軸に沿って物体側へ移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0015】
このように構成される本発明においては、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群によって収束作用を持たせ、負の屈折力を有する第3レンズ群によって発散作用を持たせることにより効果的なテレフォト構成を実現して、撮影レンズの大型化を避けながら望遠化を達成することができる。
また、本発明においては、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群を固定したまま、前記第2レンズ群を光軸に沿って物体側へ移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う、いわゆるインナーフォーカス式のフォーカス方式を採用している。このインナーフォーカス式の小径及び軽量なフォーカスレンズの構成により、高速なフォーカシングが可能になり、かつフォーカシングの際に光学全長が変化せず鏡筒を密閉構造とすることが容易になり、鏡筒の隙間から鏡筒内に埃やゴミ等が侵入するのを有効に防止することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
3.0 ≦ (1-b22)×b32 ≦ 10.0 ・・・ (1)
但し
b2 : 前記第2レンズ群の無限遠物体合焦状態の横倍率
b3 : 前記第3レンズ群の無限遠物体合焦状態の横倍率
【0017】
条件式(1)は、フォーカス敏感度すなわちフォーカスレンズである第2レンズ群の光軸方向の移動量に対する結像面の移動量の比に関する値を示している。条件式(1)を満足することで、撮影レンズの小型化を図ることができる。
この数値が下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが弱くなるため、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングの際、第2レンズ群は移動量を大きくとらざるを得ない。従って、第2レンズ群の移動量の増加により光学全長が長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
この数値が上限を上回ると、第2レンズ群のパワーが強くなるため、高い結像性能を維持するには、収差補正のために多くの枚数のレンズを必要とする。従って、レンズ枚数の増加により光学全長が長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
【0018】
条件式(1)の下限は、より好ましくは3.1であり、さらにより好ましくは3.2である。条件式(1)の上限は、より好ましくは9.0であり、さらにより好ましくは8.0である。
【0019】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.10 ≦ L1/TL ≦ 0.30 ・・・ (2)
但し
L1 : 前記第1レンズ群の全長
TL : 当該撮影レンズの光学全長
【0020】
条件式(2)は、撮影レンズの光学全長に対する第1レンズ群の全長(第1レンズ群の最物体側面から最像側面までの距離)の比を示している。条件式(2)を満足することで、小型化と良好な収差補正が可能となる。
この数値が下限を下回ると、第1レンズ群を構成するレンズ枚数が制限され、収差補正が困難となり、高い結像性能を維持できなくなる。
この数値が上限を上回ると、第1レンズ群の全長が長くなり、当該撮影レンズの光学全長も長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
【0021】
条件式(2)の下限は、より好ましくは0.11であり、さらにより好ましくは0.115である。条件式(2)の上限は、より好ましくは0.28であり、さらにより好ましくは0.27である。
【0022】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、無限遠物体合焦状態の第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が第1レンズ群の全長より小さいことが好ましい。この構成を有することで、レンズ群間隔が適正になり、撮影レンズの小型化を図ることが可能となる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.10 ≦ f2/f1 ≦ 0.50 ・・・ (3)
但し
f1 : 前記第1レンズ群の焦点距離
f2 : 前記第2レンズ群の焦点距離
【0024】
条件式(3)は、第1レンズ群の焦点距離に対する第2レンズ群の焦点距離の比を示している。条件式(3)を満足することで、小型化と良好な収差補正が可能となる。
この数値が下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが強くなり、高い結像性能を維持するには収差補正のために多くの枚数のレンズを必要とする。その場合、レンズ枚数が増加して光学全長が長くなるため、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
この数値が上限を上回ると、第2レンズ群のパワーが弱くなり、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングの際の第2レンズ群の移動量が大きくなる。従って、第2レンズ群の移動量の増加により、光学全長が長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
【0025】
条件式(3)の下限は、より好ましくは0.11であり、さらにより好ましくは0.115である。条件式(3)の上限は、より好ましくは0.40であり、さらにより好ましくは0.35である。
【0026】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.8 ≦ |f3|/f12 ≦ 2.2 ・・・ (4)
但し
f12 : 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の無限遠物体合焦状態の合成焦点距離
f3 : 前記第3レンズ群の焦点距離
【0027】
条件式(4)は、無限遠物体合焦状態における第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離に対する第3レンズ群の焦点距離の比を示している。条件式(4)を満足することで、小型化が可能となる。
この数値が下限を下回ると、第3レンズ群のパワーが強くなり、高い結像性能を維持するための収差補正に多くの枚数のレンズを必要とする。レンズ枚数の増加は光学全長の長大化につながり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
この数値が上限を上回ると、第3レンズ群のパワーが弱くなり、テレフォト構成が弱くなり、光学全長が長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
【0028】
条件式(4)の下限は、より好ましくは0.9であり、さらにより好ましくは0.95である。条件式(4)の上限は、より好ましくは2.0であり、さらにより好ましくは1.9である。
【0029】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.50 ≦ TL/FL ≦ 1.20 ・・・ (5)
但し
FL : 無限遠物体合焦状態の当該撮影レンズの焦点距離
【0030】
条件式(5)は、当該撮影レンズの無限遠物体合焦状態の焦点距離に対する光学全長(ダミーガラス等を含まない空気換算長)の比、いわゆるテレフォト比を示している。条件式(5)を満足することで、収差補正と小型化の両立が可能となる。
この数値が下限を下回ると、撮影レンズの焦点距離に対する光学全長が短くなりすぎ、球面収差や軸上色収差等の補正が困難になる。さらに、組み立て誤差に対する収差発生量すなわち組み立て誤差感度が高くなりすぎ、高精度の組み立てや高い部品精度が要求されることになり、望ましくない。
この数値が上限を上回ると、撮影レンズの焦点距離に対する光学全長が長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない
【0031】
条件式(5)の下限は、より好ましくは0.65であり、さらにより好ましくは0.80である。
条件式(5)の上限は、より好ましくは1.18であり、さらにより好ましくは1.16である。
【0032】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
2.0 ≦ FL/Y ≦ 10.0 ・・・ (6)
但し
Y : 最大像高
【0033】
条件式(6)は、最大像高に対する撮影レンズの無限遠物体合焦状態の焦点距離の比を示している。条件式(6)を満足することで、小型化と適切な画角範囲を得ることが可能となる。
この数値が下限を下回ると、撮影レンズの焦点距離が短くなり、広い画角範囲の収差補正が必要になり、テレフォト構成をとるのが困難になる。フランジバックを保ちながら広い画角範囲の収差補正を実現するためには、物体側に負の屈折力のレンズ群を配置し、像面側に正の屈折力のレンズ群を配置したレトロフォーカスタイプの構成をとる必要がある。レトロフォーカスタイプの構成を採用すると、焦点距離に対する光学全長が長くなるため、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
この数値が上限を上回ると、焦点距離が長くなり、それに応じて光学全長が長くなる。そのため、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
【0034】
条件式(6)の下限は、より好ましくは3.0であり、さらにより好ましくは3.5である。
条件式(6)の上限は、より好ましくは8.5であり、さらにより好ましくは7.0である。
【0035】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群を構成するレンズの総数が10枚以下であることが好ましい。
【0036】
レンズ枚数がこの数値を上回ると、多くのレンズを配置するために光学全長が長くなり、撮影レンズの小型化を図るという観点から好ましくない。
【0037】
より好ましくは、レンズの総数が7枚以上、10枚以下であることが好ましい。レンズ枚数をこの範囲とすることで、高性能化と小型化を両立することが可能となる。
【0038】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、前記第1レンズ群が少なくとも1枚の正の屈折力を有する正レンズを有し、前記正レンズが以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
0.012 ≦ ΔPgF1 ≦ 0.100 ・・・ (7)
但し
ΔPgF1 : C7(部分分散比:0.5393,νd:60.49)及びF2(部分
分散比:0.5829,νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を
通る直線を基準線としたときの、前記正レンズの部分分散比の基準線から
の偏差
【0039】
条件式(7)は、第1レンズ群中の正の屈折力を有するレンズの異常分散性を規定するための式である。条件式(7)を満足することにより異常分散性の高い正レンズを第1レンズ群に使用することとなる。なお、第1レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、いずれか1枚の正レンズが条件式(7)を満足すればよい。
一般的な色収差補正の方法として、正の屈折力を有するレンズ群内において、負の屈折力を有するレンズに高分散ガラスを使用し、かつ正の屈折力を有するレンズに低分散ガラスを使用する。しかし、縦軸に屈折率をとり、横軸に波長をとった直角座標において、高分散ガラスの分散特性は2次曲線的であり、低分散ガラスの分散特性は直線的である。そのため、高分散ガラスと低分散ガラスを組み合わせてもすべての波長領域で色収差の補正を行うことは困難である。そこで、条件式(7)を満足する正レンズを配置することによって軸上色収差の補正が達成され、高性能化の点で好ましい。
【0040】
条件式(7)の下限は、より好ましくは0.013であり、さらにより好ましくは0.0135である。
条件式(7)の上限は、より好ましくは0.080であり、さらにより好ましくは0.060である。
【0041】
より良好に色収差を補正するためには、第1レンズ群は正の屈折力を有する正レンズを2枚有することが好ましく、更に好ましくは、当該正レンズが2枚とも条件式(7)を満足することがより好ましい。
【0042】
なお、g線(435.84nm)、F線(486.13nm)、d線(587.56nm)、C線(656.27nm)に対するガラスの屈折率をそれぞれNg、NF、Nd、NCとすると、アッベ数(νd)、部分分散比(PgF)は次のように表すことができる。
【0043】
νd = (Nd-1) /(NF-NC)
PgF = (Ng-NF)/(NF-NC)
【0044】
また、上記硝材C7の座標及び硝材F2の座標は、部分分散比を縦軸、d線に対するアッベ数νdを横軸とした座標系における座標をいう。
【0045】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、前記第3レンズ群が、少なくとも1枚の正の屈折力を有するレンズと、少なくとも1枚の負の屈折力を有するレンズとを有することが好ましい。
【0046】
この条件は、第3レンズ群の構成を規定している。第3レンズ群は、少なくとも1枚の正の屈折力を有するレンズと、少なくとも1枚の負の屈折力を有するレンズを有することにより、歪曲収差や非点収差等の収差が良好に補正され、高性能化の点で好ましい。
【0047】
より良好に歪曲収差や非点収差等の収差を補正するためには、第3レンズ群は2枚以上の負レンズを有することがより好ましい。
【0048】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、第3レンズ群の最も物体側に配置されるレンズが負の屈折力を有することが好ましい。この構成を有することにより、第3レンズ群よりも物体側に配置された正の屈折力を有するレンズ群で発生した収差を良好に補正することが可能となり、高性能化の点で好ましい。
【0049】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、無限遠物体合焦状態の第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が第1レンズ群の全長より小さいことが好ましい。この構成を有することにより、レンズ群間隔が適正になり、撮影レンズの小型化を図ることが可能となる。
【0050】
本発明の一実施形態に係る撮影レンズは、第2レンズ群が空気間隔を有しない一つのレンズ成分からなることが好ましい。空気間隔を有しない一つのレンズ成分とは、単レンズや接合レンズ、複合非球面レンズなどを指す。この構成を有することで、フォーカシングの駆動機構の大型化を抑えることができ、撮影レンズの小型化を図ることが可能となる。
【0051】
本発明の一実施形態は、前記撮影レンズと、前記撮影レンズの像側に配置されて前記撮影レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮影装置であることが好ましい。ここで、前記撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明の一実施形態に係る撮像装置としては、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置が例示される。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置であってもよいのは勿論である。
【0052】
<実施例>
次に、本発明の実施例を数値表及び図に基づいて説明する。
数値表の諸元表において、fは全系の焦点距離(mm)、FnoはFナンバー、ωは半画角(°)、Yは最大像高(mm)、TLは光学全長(最も物体側の面から結像面までの距離)(mm)を示す。面データにおいて、rは曲率半径(mm)、Sは開口絞り、dはレンズ厚(mm)またはレンズ間隔(mm)、Ndはd線の屈折率、vdはd線基準のアッベ数、ΔPgFはC7及びF2の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの部分分散比の基準線からの偏差、Hは光学有効半径(mm)を示す。可変間隔において、撮影距離(mm)は物体から撮影レンズの最も物体側の面までの距離を示す。INFは無限大であることを示す。
【0053】
レンズ構成を示すレンズ構成
図1,3,5,7,9において、撮影レンズは、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3を有し、結像面IMGに結像し、開口絞りSを有する。Fはフォーカシングの方向を示し、図面において左側が物体側を示す。
【0054】
各縦収差
図2,4,6,8,10において、左側から順に、球面収差(SA(mm))、非点収差(AST(mm))、歪曲収差(DIS(%))を示す。
球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線、短破線はg線、長破線はC線の値を表す。
非点収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表し、実線はサジタル平面、破線はメリディオナル平面の特性である。
歪曲収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表す。
【実施例1】
【0055】
図1は、本実施形態の第1実施例に係る撮影レンズの無限遠合焦状態のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該撮影レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。当該撮影レンズのFナンバーを決定する開口絞りSは、第3レンズ群G3内に配置される。
【0056】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸形状の正メニスカスレンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズから構成される。
【0057】
第2レンズ群G2は、両凸レンズから構成される。
【0058】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、像側に凹形状の負メニスカスレンズ、開口絞りS、両凸レンズ、両凹レンズ、物体側に凹形状の負メニスカスレンズ、両凸レンズから構成される。
【0059】
当該撮影レンズにおいて、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3を光軸方向に固定し、第2レンズ群G2を光軸に沿って物体側に移動させることによって無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0060】
[諸元表]
f 82.451
Fno 2.884
ω 14.655
Y 21.633
TL 76.000
【0061】
[面データ]
面番号 r d Nd vd ΔPgF H
1 31.693 5.728 1.84666 23.78 0.0137 16.000
2 197.291 0.398 15.200
3 21.405 6.088 1.49700 81.61 0.0375 12.300
4 -291.220 1.000 1.85478 24.80 11.400
5 16.733 D5 9.800
6 20.239 4.416 1.49700 81.61 9.500
7 -509.327 D7 9.000
8 325.013 1.000 1.85478 24.80 8.300
9 27.486 4.548 7.900
10S INF 7.124 7.505
11 308.154 3.526 1.85478 24.80 8.100
12 -25.988 1.969 8.500
13 -41.452 1.000 1.51680 64.20 8.900
14 59.331 4.482 9.300
15 -14.770 1.000 1.72916 54.67 9.400
16 -34.465 0.300 10.900
17 57.180 5.094 1.51680 64.20 13.400
18 -65.667 21.534 14.000
【0062】
[可変間隔]
撮影距離 INF 854.909
D5 4.978 2.747
D7 1.816 4.047
【0063】
[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-5 145.458
G2 6-7 39.275
G3 8-18 -48.909
【実施例2】
【0064】
図3は、本実施形態の第2実施例に係る撮影レンズの無限遠合焦状態のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該撮影レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。当該撮影レンズのFナンバーを決定する開口絞りSは、第3レンズ群G3内に配置される。
【0065】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズから構成される。
【0066】
第2レンズ群G2は、両凸レンズから構成される。
【0067】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズ、開口絞りS、両凸レンズ、像側に凹形状の負メニスカスレンズ、物体側に凹形状の負メニスカスレンズ、両凸レンズから構成される。
【0068】
当該撮影レンズにおいて、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3を光軸方向に固定し、第2レンズ群G2を光軸に沿って物体側に移動させることによって無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0069】
[諸元表]
f 124.905
Fno 2.884
ω 9.765
Y 21.633
TL 116.301
【0070】
[面データ]
面番号 r d Nd vd ΔPgF H
1 59.935 6.296 1.84666 23.78 0.0137 21.700
2 -925.860 0.300 21.400
3 31.980 9.463 1.49700 81.61 0.0375 18.900
4 -126.259 1.000 1.85478 24.80 18.000
5 26.208 D5 15.600
6 29.318 6.757 1.72916 54.67 15.400
7 -266.015 D7 14.900
8 -312.891 1.000 1.83400 37.35 13.800
9 27.536 14.255 12.700
10S INF 1.424 12.249
11 115.105 4.373 1.84666 23.78 12.200
12 -42.874 0.300 12.100
13 210.096 1.000 1.83481 42.72 11.100
14 49.131 16.293 10.600
15 -24.308 1.934 1.84666 23.78 9.600
16 -55.603 5.591 10.500
17 74.835 3.505 1.64769 33.84 13.700
18 -396.523 32.434 14.000
【0071】
[可変間隔]
撮影距離 INF 1277.480
D5 8.484 6.967
D7 1.891 3.409
【0072】
[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-5 304.743
G2 6-7 36.569
G3 8-18 -43.966
【実施例3】
【0073】
図5は、本実施形態の第3実施例に係る撮影レンズの無限遠合焦状態のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該撮影レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。当該撮影レンズのFナンバーを決定する開口絞りSは、第3レンズ群G3内に配置される。
【0074】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズから構成される。
【0075】
第2レンズ群G2は、両凸レンズから構成される。
【0076】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズ、開口絞りS、両凸レンズ、物体側に凹形状の負メニスカスレンズから構成される。
【0077】
当該撮影レンズにおいて、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3を光軸方向に固定し、第2レンズ群G2を光軸に沿って物体側に移動させることによって無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0078】
[諸元表]
f 125.920
Fno 1.854
ω 9.646
Y 21.633
TL 144.837
【0079】
[面データ]
面番号 r d Nd vd ΔPgF H
1 83.194 8.884 1.84666 23.78 0.0137 34.000
2 1523.994 6.414 33.600
3 46.967 13.028 1.49700 81.61 0.0375 28.000
4 -205.070 2.702 1.85478 24.80 27.100
5 38.316 D5 23.000
6 41.665 9.008 1.72916 54.67 22.800
7 -903.566 D7 22.200
8 -318.152 2.107 1.85883 30.00 21.100
9 39.118 18.497 19.300
10S INF 9.254 19.769
11 138.564 6.703 1.85883 30.00 20.200
12 -64.449 21.202 20.200
13 -52.467 1.282 1.80610 33.27 12.500
14 -181.546 34.799 12.900
【0080】
[可変間隔]
撮影距離 INF 1307.186
D5 8.519 4.838
D7 2.438 6.119
【0081】
[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-5 446.804
G2 6-7 54.843
G3 8-14 -125.723
【実施例4】
【0082】
図7は、本実施形態の第4実施例に係る撮影レンズの無限遠合焦状態のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該撮影レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。当該撮影レンズのFナンバーを決定する開口絞りSは、第3レンズ群G3内に配置される。
【0083】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ、物体側に凸の正メニスカスレンズと像側に凹形状の負メニスカスレンズの接合レンズから構成される。
【0084】
第2レンズ群G2は、両凸レンズと物体側に凹形状の負メニスカスレンズの接合レンズから構成される。
【0085】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズ、開口絞りS、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、物体側に凹形状の負メニスカスレンズ、両凸レンズから構成される。
【0086】
当該撮影レンズにおいて、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3を光軸方向に固定し、第2レンズ群G2を光軸に沿って物体側に移動させることによって無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0087】
[諸元表]
f 128.082
Fno 3.605
ω 9.474
Y 21.633
TL 108.872
【0088】
[面データ]
面番号 r d Nd vd ΔPgF H
1 40.190 5.198 1.84666 23.78 0.0137 17.800
2 156.551 0.300 17.400
3 28.770 6.060 1.49700 81.61 0.0375 16.000
4 144.391 1.507 1.85478 24.80 15.200
5 23.089 D5 13.400
6 32.425 6.403 1.49700 81.61 13.000
7 -46.560 1.251 1.56732 42.84 12.600
8 -343.279 D8 12.100
9 -7457.701 1.140 1.80610 33.27 11.500
10 56.080 6.528 11.100
11S INF 14.427 10.300
12 150.900 3.874 1.72047 34.71 8.300
13 -22.839 1.000 1.51680 64.20 8.600
14 66.523 15.153 8.800
15 -19.546 1.185 1.72916 54.67 10.800
16 -55.459 1.190 11.900
17 115.254 4.725 1.51680 64.20 13.500
18 -51.434 30.710 14.000
【0089】
[可変間隔]
撮影距離 INF 1325.026
D5 6.422 3.438
D8 1.798 4.782
【0090】
[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-5 187.263
G2 6-8 64.758
G3 9-18 -57.093
【実施例5】
【0091】
図9は、本実施形態の第5実施例に係る撮影レンズの無限遠合焦状態のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該撮影レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。当該撮影レンズのFナンバーを決定する開口絞りSは、第3レンズ群G3内に配置される。
【0092】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズから構成される。
【0093】
第2レンズ群G2は、両凸レンズから構成される。
【0094】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹レンズ、開口絞りS、両凸レンズ、両凹レンズ、物体側に凹形状の負メニスカスレンズ、両凸レンズから構成される。
【0095】
当該撮影レンズにおいて、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3が光軸方向に固定し、第2レンズ群G2を光軸に沿って物体側に移動させることによって無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0096】
[諸元表]
f 143.416
Fno 2.884
ω 8.481
Y 21.633
TL 136.846
【0097】
[面データ]
面番号 r d Nd vd ΔPgF H
1 75.771 6.069 1.84666 23.78 0.0137 26.500
2 492.498 20.673 26.000
3 35.025 7.641 1.49700 81.61 0.0375 18.200
4 -267.483 1.745 1.85478 24.80 17.500
5 32.196 D5 15.700
6 37.341 5.426 1.72916 54.67 15.500
7 -1774.625 D7 15.100
8 -1990.341 1.000 1.84666 23.78 14.300
9 43.578 10.096 13.700
10S INF 17.719 12.930
11 235.202 3.418 1.84666 23.78 11.400
12 -55.114 9.714 11.200
13 -88.925 1.000 1.72916 54.67 10.600
14 155.484 8.186 10.800
15 -27.002 1.000 1.72916 54.67 11.900
16 -89.394 0.300 12.800
17 225.590 3.864 1.72825 28.32 13.600
18 -67.719 31.201 14.000
【0098】
[可変間隔]
撮影距離 INF 1474.110
D5 5.806 2.655
D7 1.988 5.139
【0099】
[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-5 415.098
G2 6-7 50.219
G3 8-18 -66.276
【0100】
撮影装置100の実施例は、
図11に示すように、撮影レンズ110が、撮影装置ハウジング102にレンズマウント104によって装着されたレンズ鏡筒106によって支持されている。被写体像が撮影レンズ110によって結像面IMGに結像され、被写体像はデイスプレー112に表示される。
【0101】
[条件式数値対応]
第1実施例 第2実施例 第3実施例 第4実施例 第5実施例
(1)(1-b22)×b32 3.586 7.975 3.299 4.170 4.479
(2)L1/TL 0.174 0.147 0.214 0.120 0.264
(3)f2/f1 0.270 0.120 0.123 0.346 0.121
(4)|f3|/f12 1.173 1.004 1.835 0.960 0.991
(5)TL/FL 0.922 0.931 1.150 0.850 0.954
(6)FL/Y 3.811 5.774 5.821 5.921 6.629
【符号の説明】
【0102】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
100 撮影装置
102 撮影装置ハウジング
104 レンズマウント
106 レンズ鏡筒
110 撮影レンズ