(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】混合モードクロマトグラフィー膜
(51)【国際特許分類】
B01J 20/281 20060101AFI20230317BHJP
B01D 15/26 20060101ALI20230317BHJP
B01J 20/287 20060101ALI20230317BHJP
B01J 20/288 20060101ALI20230317BHJP
C07K 1/18 20060101ALI20230317BHJP
G01N 30/02 20060101ALI20230317BHJP
B01J 20/285 20060101ALN20230317BHJP
G01N 30/88 20060101ALN20230317BHJP
【FI】
B01J20/281 G
B01J20/281 X
B01D15/26
B01J20/287
B01J20/288
C07K1/18
G01N30/02 B
B01J20/285 S
B01J20/285 Z
G01N30/88 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019137395
(22)【出願日】2019-07-26
(62)【分割の表示】P 2015559296の分割
【原出願日】2014-02-26
【審査請求日】2019-07-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-20
(32)【優先日】2013-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520023112
【氏名又は名称】メルク・ミリポア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハニーマン,チャールズ,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】コムコワ,エレナ,エヌ.
【合議体】
【審判長】福井 悟
【審判官】牧野 晃久
【審判官】飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-501808(JP,A)
【文献】特表2006-519273(JP,A)
【文献】国際公開第2011/146179(WO,A2)
【文献】特許第6639236(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K1/14-1/22
B01J20/00-20/34
G01N3/00-3/96
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/BIOSIS/MEDLINE/EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流速で、物質を含む第1の流体を、
支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
陽イオン交換官能性を含む2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩である第1のモノマー
と、第2のモノマー
及び第3のモノマーとの反応から形成されるコポリマーを含む、架橋ゲルと
を含み、
第2のモノマーが、
N-フェニルアクリルアミド又はN-tert-ブチルアクリルアミドであり、
第3のモノマーが、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-(3-メトキシプロピル)アクリルアミド、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミドからなる群から選択され、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、複合材料と接触させ、それによって物質の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含み、
物質が、生物学的分子である、方法。
【請求項2】
第1の流体が、断片化した抗体、凝集した抗体、宿主細胞タンパク質、ポリヌクレオチド、内毒素、又はウイルスをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生物学的分子が、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物起源のγ-グロブリン、ヒト及び動物起源の免疫グロブリン、組換え及び天然起源のタンパク質、合成及び天然起源のポリペプチド、インターロイキン-2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン及びその阻害物質、チトクロームC、ミオグロビン、ミオグロブリン、α-キモトリプシノーゲン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来生成物、合成及び天然起源のDNA、並びに合成及び天然起源のRNAからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の流体が浄化された細胞培養上清である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
複合材料が膜である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1の流体がバッファーである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第1の流体のpHが約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約7、約8、又は約9である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1の流体が塩を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第2の流速で、第2の流体を、複合材料上に吸着又は吸収されている物質と接触させ、それによって物質の第1の部分を複合材料から放出するステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
第2の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第2の流体がバッファーである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
第2の流体が塩を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第3の流速で、第3の流体を、複合材料上に吸着又は吸収されている物質と接触させ、それによって物質の第2の部分を複合材料から放出するステップをさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第3の流体がバッファーである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第3の流体が塩を含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
反応が、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ビスアクリルアミド酢酸、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、ブタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,10-ドデカンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ジアクリロイルピペラジン、ジアリルフタレート、2,2-ジメチルプロパンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、N,N-ドデカメチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールトリス(アクリルオキシプロピル)エーテル、N,N'-ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N'-オクタメチレンビスアクリルアミド、1,5-ペンタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-フェニレンジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びジメタクリレート、ポリ(プロピレン)ジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジアリルジグリコールカーボネート、ポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、N,N'-ジメタクリロイルピペラジン、ジビニルグリコール、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、1,1,1-トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM-M)、ビニルアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、芳香族ジメタクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン修飾ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)、並びにグリオキサルビス(ジアリルアセタール)からなる群から選択される架橋剤を含む、請求項1から
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
架橋剤が、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート又はエチレングリコールジメタクリレートである、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
架橋ゲルがマクロ多孔性である、請求項1から
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
マクロ孔の平均孔直径が25nmから1500nmである、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
架橋ゲルが、以下:
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-フェニルアクリルアミド、及びN,N-ジメチルアクリルアミド;
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-フェニルアクリルアミド、及びN-イソプロピルアクリルアミド;
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-フェニルアクリルアミド、及びN-(3-メトキシプロピル)アクリルアミド;
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-フェニルアクリルアミド、及びN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド;
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-tert-ブチルアクリルアミド、及びN,N-ジメチルアクリルアミド;
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-tert-ブチルアクリルアミド、及びN-イソプロピルアクリルアミド;
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-tert-ブチルアクリルアミド、及びヒドロキシエチルアクリルアミド;又は
2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸又はその塩、N-tert-ブチルアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド
の反応から形成されるコポリマーを含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
架橋ゲルが、(a)第1のモノマーとしての2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、(b)第2のモノマーとしてのN-tert-ブチルアクリルアミド、及び(c)第3のモノマーとしてのジアセトンアクリルアミドに由来するポリマーを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容が本明細書に組み入れられる、2013年2月26日出願の米国仮特許出願第61/769,330号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
混合モードクロマトグラフィー(MMC)は、多モードクロマトグラフィーとしても知られ、定常位相と検体との間における複数の相互作用形態を活用することにより1つの検体を別の検体から分離するためのクロマトグラフィー方法を指す。重要なことには、MMCにおける二次相互作用は検体の保持に貢献する十分に強いものでなければならない。このアプローチは従来の単一モードクロマトグラフィーと明確に異なる。
【0003】
MMCは伝統的な単一モードクロマトグラフィーや他の分離方法に比べ、多数の優位性がある。MMCは単一モードクロマトグラフィーよりも高い選択性を示す。例えば、陽性、陰性及び中性の物質を、逆相(RP)/陰イオン・陽イオン交換(ACE)カラムによって1回の処理で分離することができる。加えて、混合モードクロマトグラフィー媒体は際立って高い負荷容量を示す。MMCは2つの相互作用形態を使用することから、1つの混合モードカラムを2つ又はさらに多くの単一モードカラムの代わりとすることができる結果、経済的であり、無駄を低減する。
【0004】
複数の分離方法を組み合わせ、能率化する能力は、タンパク質精製プロセスにおける選択性を増進し得る。タンパク質上の既知の部位が標的となる親和性クロマトグラフィーと異なり、混合モード配位子は既知の特定部位に合わせて調整されるわけではない。相応に、混合モード媒体のスクリーニングは、標的タンパク質上において、有用な親和性と選択性とを提供する部位を見つけ出す手段となる。
【0005】
モノクローナル抗体は、現在の使用又は臨床試験において、最大数のタンパク質ベースの治療用分子を構成する。タンパク質Aクロマトグラフィーは選択性が高く、結果として総体的な収率及び純度が良好であることから、産業用モノクローナル抗体精製プロセスにおいて日常的に、第1の捕捉ステップとして採用される。しかし、親和性クロマトグラフィーの重大な欠点は高価であるという点にあり、これは特に、高容量又は長期投与向けに必要となる治療用抗体に当てはまり、製品原価のかなりの部分を占め得る。加えて、親和性基質からの浸出タンパク質A配位子は潜在的免疫原性があることから、これをさらなるクロマトグラフィーステップによって除去しなければならない(Roque A.C. et al. Biotechnology Progress 20(2004), 639-654)。加えて、伝統的なタンパク質Aクロマトグラフィーは低pHでの溶出を必要とし、その結果、生成物の凝集又は沈殿が起こり得る。
【0006】
モノクローナル抗体は、例えばイオン官能性や疎水官能性を示す多モード媒体上で、MMCによって分離することができる。これらの多モード媒体は、古典的な親和性アプローチに代わる貴重な、モノクローナル抗体分離のためのアプローチを提供する。疎水性成分の耐塩性を利用して、浄化後の細胞培養上清を基質上に直接載せることができ、その結果、モノクローナル抗体を効果的に捕捉することができる。しかし、樹脂が多モードな性質であることから、配位子と特定のモノクローナル抗体との様々な種類の相互作用が起こり得るため、伝統的なイオン交換型又は疎水性相互作用型のクロマトグラフィーとは異なる、独特の洗浄・溶出条件が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
MMCでは、親和性ベースの方法と比べ、増進された選択性、高い流速及び低い背圧を示し、廉価であり、そしてカラムの長い耐用期間、短い処理時間、高い生産性及び操作柔軟性を可能にする媒体及び方法が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施形態において、本発明は、
支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
第1の官能性及び第2の官能性を含み、第1の官能性及び第2の官能性が陽イオン性、陰イオン性、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性であり、第1の官能性が第2の官能性と異なる、架橋ゲルと
を含み、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、複合材料に関する。
【0009】
ある実施形態において、本発明は、
支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
第1の官能性及び第2の官能性を含み、第1の官能性及び第2の官能性が強陽イオン、弱陽イオン、強陰イオン、弱陰イオン、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性であり、第1の官能性が第2の官能性と異なる、架橋ゲルと
を含み、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、複合材料に関する。
【0010】
ある実施形態において、本発明は、
第1の流速で、物質を含む第1の流体を前述の複合材料のいずれか1つと接触させ、それによって物質の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含む方法に関する。
【0011】
ある実施形態において、本発明は、
ある物質及び不要材料を含む第1の流体を前述の複合材料のいずれか1つと第1の流速で接触させることにより、不要材料の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含む方法に関する。
【0012】
ある実施形態において、本発明は、
第1のモノマー、光開始剤、架橋剤、及び溶媒を合わせ、それによってモノマー混合物を形成するステップと、
支持部材をモノマー混合物と接触させ、それによって修飾された支持部材を形成するステップであって、支持部材は支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含み、孔の平均孔直径は約0.1から約25μmであるステップと、
修飾された支持部材をポリマーシートで覆い、それによって覆われた支持部材を形成するステップと、
覆われた支持部材をある期間照射し、それによって複合材料を形成するステップとを含む、複合材料を作成する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】hIgG結合・溶出実験における混合モード膜の性能を示す図である。
【
図2】結合バッファー中の塩含有量がhIgG結合能に及ぼす効果を調査する耐塩性実験における混合モード膜の性能を示す図である。
【
図3】pHがhIgG結合能に及ぼす効果を調査する実験における混合モード膜の性能を示す図である。
【
図4】モノクローナル抗体を精製するための結合・溶出モードにおける混合モード膜の性能を示す図である。
【
図5】SECカラム分析、mAb供給溶液を示す図である。
【
図6】SECカラム分析、混合モード膜を使用しての結合・溶出モードでのmAb処理後タンパク質(post protein)の精製、溶出液Bを示す図である。
【
図7】SECカラム分析、混合モード膜を使用しての結合・溶出モードでのmAb処理後タンパク質Aの精製、溶出液Cを示す図である。
【
図8】多重サイクル混合モード膜の性能結果を示す表である。
【
図9】様々な混合モード媒体における10%ブレークスルーでの動的結合能を示す表である。
【
図10】実施例11に従って調製された混合モード膜へのチトクロームC(1)及びリゾチーム(2)の選択的分離を示す図である。
【
図11】0.5MのNaOH/0.1MのNaClへの膜曝露が膜性能に及ぼす効果を示す図である。
【
図12】陰イオン交換混合モード膜を使用してのhIgGからの凝集物除去を示す図である。
【
図13】溶出分画における凝集物除去に関する要約データを示す図である。
【
図14】溶出分画におけるHCP/DNA除去に関する要約データを示す図である。
【
図15】実施例17に従って調製された混合モード膜上へのミオグロビン(1)、リボヌクレアーゼ(2)及びリゾチーム(3)の選択的分離を示す図である。
【
図16】コモノマーの性質が膜透過性に及ぼす効果を示す図である。
【
図17】使用されるコモノマーの性質が膜性能に及ぼす効果を示す図である。
【
図18】架橋剤の性質が膜透過性に及ぼす効果を示す図である。
【
図19】架橋剤の性質が膜性能に及ぼす効果を示す図である。
【
図20】実施例8に従って調製された陰イオン交換混合モード膜のESEM顕微鏡写真である。
【
図21】実施例11に従って調製された陽イオン交換混合モード膜のESEM顕微鏡写真である。
【
図22】実施例17に従って調製された陽イオン交換混合モード膜のESEM顕微鏡写真である。
【
図23】混合モード強陽イオン交換膜の作成に使用される製剤の成分及び濃度を示す表である。
【
図24】混合モード強陽イオン交換膜の性能特性を示す表である。
【
図25】混合モード強陽イオン交換膜の作成に使用される製剤の成分及び濃度を示す表である。
【
図26】混合モード強陽イオン交換膜の性能特性を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概要
ある実施形態において、本発明は、タンパク質又は他の溶質を吸着又は分離するために多様な化学反応機構を採用する、膜ベースの定常位相混合モードクロマトグラフィー支持体の調製及び使用に関する。ある実施形態において、本発明は、断片化又は凝集した抗体、宿主細胞、DNA、内毒素及びウイルスを含む他の材料を含有する混合物からのタンパク質の精製に関する。例として、陽イオン交換、陰イオン交換、疎水性相互作用、親水性相互作用、親チオ性相互作用、水素結合、π-π結合、及び金属親和性、これらのうち少なくとも2つ、場合によってはさらに多くの組み合わせを活用するクロマトグラフィー支持体が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。
【0015】
ある実施形態において、本発明の複合材料は「結合・溶出」モード及び「流入」モードの両方で効果的に使用され得る。重要なことには、官能性モノマーの組み入れを通じて個々の官能性が含まれることから、各官能基の相対量を、最適な性能特性に合わせて容易に微調整することができる。
【0016】
「結合・溶出モード」は、本発明に関する範囲で、混合モードクロマトグラフィー支持体又は複合材料に対して標的タンパク質及び不要汚染物質の両方が結合するようにバッファー条件が確立される、クロマトグラフィーへの操作アプローチを指す。他の成分からの標的タンパク質の分別は結果的に、標的タンパク質及び汚染物質が支持体から別々に溶出されるように条件を変えることによって達成される。ある実施形態において、本発明の多モード陽イオン交換膜は、高い伝導性、高い容量スループット及び選択性での高い動的結合能を特徴とする「結合・溶出モード」で使用され得る。ある実施形態において、溶出液で標的タンパク質の凝集物が約50%から約99%減少する。ある実施形態において、溶出液で標的タンパク質の凝集物が約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%減少する。
【0017】
本発明に関する範囲で、「流入モード」という用語は、適用後の膜を通過して未処理の標的タンパク質が流入する一方で汚染物質が選択的に保持されるようにバッファー条件が確立される、クロマトグラフィーへの操作アプローチを指す。ある実施形態において、本発明の多モード陰イオン交換膜は、DNA、宿主細胞(HCP)、浸出タンパク質A、凝集物及びウイルスなど主要汚染物質を1回のステップで除去するための、処理後タンパク質A精製プロセスにおける「流入モード」で使用され得る。
【0018】
例示的複合材料の様々な特性
ゲルの組成
ある実施形態において、架橋ゲルは1つ以上の重合性モノマーと1つ以上の架橋剤との原位置での反応を通じて形成され得る。ある実施形態において、ゲルは1つ以上の架橋性ポリマーと1つ以上の架橋剤との反応を通じて形成され得る。ある実施形態において、適切なサイズのマクロ孔を有する架橋ゲルが形成され得る。
【0019】
ゲルは特定の官能性を有する特定のモノマーを含むよう選択され得る。これらのモノマーのコポリマーが使用され得る。
【0020】
ある実施形態において、複合材料の特性は、マクロ多孔性ゲルの平均孔直径の調節によって微調整され得る。マクロ孔のサイズは、一般に、架橋剤の性質及び濃度、ゲルが形成される溶媒又は溶媒(複数)の性質、あらゆる重合開始剤又は触媒の量、並びに、存在する場合は、ポロジェン(porogen)の性質及び濃度に依存する。ある実施形態において、複合材料は、狭い孔サイズ分布を有することがある。
【0021】
多孔性支持部材
ある実施形態において、多孔性支持部材は平均直径が約0.1μmから約25μmの間の孔を含有する。
【0022】
ある実施形態において、多孔性支持部材は約40%から約90%の間の気孔率を有する。
【0023】
ある実施形態において、多孔性支持体は平坦である。
【0024】
ある実施形態において、多孔性支持体はディスクの形態である。
【0025】
多数の多孔性の基質又は膜が、支持部材として使用され得る。ある実施形態において、多孔性支持部材はポリマー材料でできている。ある実施形態において、支持体は、低コストで入手可能なポリオレフィンであってもよい。ある実施形態において、ポリオレフィンはポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、又はポリ(ビニリデンジフルオリド)であってよい。熱誘起相分離(TIPS)、又は非溶媒誘起相分離によって作られた拡張されたポリオレフィン膜が言及される。ある実施形態において、支持部材は、セルロース又はその誘導体などの天然ポリマーから作られていてよい。ある実施形態において、適切な支持体には、ポリエーテルスルホン膜、ポリ(テトラフルオロエチレン)膜、ナイロン膜、セルロースエステル膜、繊維ガラス、又はろ紙が含まれる。
【0026】
ある実施形態において、多孔性支持体は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)などの織又は不織の線維状材料から構成される。このような繊維状の織又は不織の支持部材は、ある場合には最高約75μmの、TIPS支持部材を超える孔サイズを有することができる。支持部材における孔が大きいほど、マクロ多孔性ゲルにおいてより大きなマクロ孔を有する複合材料の形成が可能になる。セラミックベースの支持体など、非ポリマー支持部材も用いることができる。多孔性の支持部材は様々な形状及びサイズをとることができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、支持部材は、膜の形態における。
【0028】
いくつかの実施形態において、支持部材は、厚さ約10μmから約2000μmまで、約10μmから約1000μmまで、又は約10μmから約500μmまでである。
【0029】
他の実施形態において、複数の多孔性の支持ユニットを、例えば、スタッキングによって組み合わせることができる。一実施形態において、例えば、膜2枚から10枚までの多孔性の支持部材のスタックを構築した後に、多孔性の支持体の空隙内にゲルを形成してもよい。別の一実施形態において、単一の支持部材のユニットを用いて複合材料の膜を形成し、次いでこれを使用前に積み重ねる。
【0030】
ゲルと支持部材との間の関係
ゲルは支持部材内にアンカーされていてよい。「アンカーされている」の語は、ゲルが支持部材の孔内に保持されることを意味することが意図されるが、この語はゲルが支持部材の孔に化学的に結合していることを意味することに必ずしも限定されない。ゲルは、支持部材の構造エレメントに絡ませることによって、又は構造エレメントと撚り合わせることによって、支持部材に対して実際に化学的にグラフティングされず、ゲル上に課せられた物理的束縛によって保持され得るが、いくつかの実施形態において、ゲルは支持部材の孔の表面に対してグラフティングされてよい。
【0031】
マクロ孔は支持部材の孔を占めるゲル中に存在するので、ゲルのマクロ孔は支持部材の孔よりも小さくなければならない。その結果、複合材料の流動特性及び分離特性はゲルの特徴に依存するが、支持部材中に存在する孔のサイズはゲルのマクロ孔のサイズより大きいという条件で、多孔性の支持部材の特徴とはほとんど無関係である。複合材料の多孔性は、支持部材を、その多孔性が、モノマー又はポリマー、架橋剤、反応溶媒、及び用いる場合はポロジェンの性質及び量によって部分的又は完全に決定されるゲルで充填することによってあつらえることができる。支持部材の孔は同じゲル材料で充填されるので、複合材料の特質において高度の稠度が達成され、特定の支持部材に対してこれらの性質は、完全ではなくとも部分的に、ゲルの特質によって決定される。最終結果は、本発明が複合材料のマクロ孔サイズ、透過性、及び表面積にわたる制御を提供することである。
【0032】
複合材料中のマクロ孔の数は、支持材料中の孔の数によって本来決定されない。マクロ孔は支持部材中の孔より小さいので、複合材料中のマクロ孔の数は支持部材中の孔の数よりはるかに多くなり得る。上記で言及した通り、支持材料の孔サイズの、マクロ多孔性ゲルの孔サイズに対する影響は概ね無視できる。例外は、支持部材が孔サイズ及び孔サイズ分布において大きな相違を有する場合、並びに非常に小さな孔サイズを有し、孔サイズの分布の範囲が狭いマクロ多孔性ゲルが探求される場合に見られる。このような場合において、支持部材の孔サイズ分布における大きな変動が、マクロ多孔性ゲルの孔サイズ分布にわずかに反映される。ある実施形態において、孔サイズ範囲が狭い支持部材を、このような状況において用いることができる。
【0033】
ある実施形態において、本発明は、複合材料が相対的に非毒性である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0034】
ある実施形態において、本発明は、複合材料が接触する液体中で比較的広い範囲の塩濃度に対して耐性がある、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0035】
複合材料の調製
ある実施形態において、本発明の複合材料は一段階法によって調製することができる。ある実施形態において、これらの方法は、水、又は他の環境的に温和な溶媒を反応溶媒として用いることができる。ある実施形態において、該方法は急速であるため、相対的に簡易且つ低コストの製造プロセスに繋がり得る。
【0036】
ある実施形態において、本発明の複合材料は、複数のモノマー、1つ以上の架橋剤、1つ以上の開始剤、及び場合により1つ以上のポロジェン(porogen)を、1つ以上の適切な溶媒中で混合することにより調製され得る。ある実施形態において、結果として生じる混合物は均一のことがある。ある実施形態において、混合物は不均一のことがある。ある実施形態において、混合物を、次いで、適切な多孔性の支持体中に導入してよく、そこでゲル形成反応が起こることがある。
【0037】
ある実施形態において、ゲル形成反応に適する溶媒には、1,3-ブタンジオール、ジ(プロピレングリコール)プロピルエーテル、N,N-ジメチルアセトアミド、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、1,2-プロパンジオール、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート(DPMA)、水、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、エタノール、N-メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトニトリル、N-メチルアセトアミド、プロパノール、メタノール、トリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、トリ(プロピレングリコール)ブチルエーテル、トリ(プロピレングリコール)プロピルエーテル又はこれらの混合物が含まれる。ある実施形態において、より高い沸点を有する溶媒は引火性を低減し、製造を促進するので、このような溶媒を用いてもよい。ある実施形態において、毒性の低い溶媒を用いてもよく、そのためこれらは使用後容易に廃棄することができる。このような溶媒の一例はジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)である。
【0038】
ある実施形態において、ポロジェンを反応混合物に加えてもよく、この場合ポロジェンは孔産生添加剤(pore-generating additives)と広く記載することができる。ある実施形態において、ポロジェンは、熱力学的に劣る溶媒及び抽出可能なポリマー、例えば、ポリ(エチレングリコール)、界面活性剤、及び塩からなる群から選択することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、ゲル形成反応の成分は室温で自発的に反応してゲルを形成する。他の実施形態において、ゲル形成反応は開始されなければならない。ある実施形態において、ゲル形成反応は、熱活性化又はUV照射によるなど、あらゆる知られている方法によって開始することができる。ある実施形態において、反応は、光開始剤の存在下UV照射によって開始することができる。ある実施形態において、光開始剤は、2-ヒドロキシ-1-[4-2(ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン(Irgacure(登録商標)2959)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(DMPA)、ベンゾフェノン、ベンゾイン及びベンゾインエーテル、例えば、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインメチルエーテル、ジアルコキシアセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、並びにα-ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステルからなる群から選択されてよい。熱活性化は熱開始剤の添加を必要とすることがある。ある実施形態において、熱開始剤は、1,1'-アゾビス(シクロヘキサンカーボニトリル)(VAZO(登録商標)触媒88)、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及び過酸化ベンゾイルからなる群から選択されてよい。
【0040】
ある実施形態において、ゲル形成反応はUV照射によって開始することができる。ある実施形態において、光開始剤をゲル形成反応の反応物に加えることができ、モノマー、架橋剤、及び光開始剤の混合物を含む支持部材を、約250nmから約400nmまでの波長のUV照射に数秒から数時間の期間曝露してもよい。ある実施形態において、モノマー、架橋剤、及び光開始剤の混合物を含む支持部材を、約350nmのUV照射に数秒から数時間の期間曝露してもよい。ある実施形態において、モノマー、架橋剤、及び光開始剤の混合物を含む支持部材を、約350nmのUV照射に約10分間曝露してもよい。ある実施形態において、可視波長の光を用いて重合化を開始することができる。ある実施形態において、支持部材は用いられる波長で低吸光度を有さなければならないので、エネルギーを支持部材によって伝達してもよい。
【0041】
ある実施形態において、重合化を行う速度は、マクロ多孔性ゲルにおいて得られるマクロ孔のサイズに対して影響を及ぼすことがある。ある実施形態において、ゲル中の架橋剤の濃度を十分な濃度まで増大すると、ゲルの構成成分は凝集を開始して高ポリマー密度の領域、及びポリマーがほとんどなく、又は全くない領域を生成し、この後者の領域を本明細書において「マクロ孔」と呼ぶ。このメカニズムは重合化の速度によって影響を受ける。ある実施形態において、重合化は、光重合において低光強度が用いられる場合などにゆっくりと行われることがある。この場合、ゲルの構成成分の凝集は起こるのにより時間がかかり、ゲル中の孔はより大型となる。ある実施形態において、重合化は、高強度の光源を用いた場合などに高速で行われることがある。この場合、凝集に利用できる時間があまりないことがあり、より小型の孔が生成される。
【0042】
ある実施形態において、複合材料が調製された後は、複合材料を様々な溶媒で洗浄してあらゆる未反応の成分、及び支持体内にアンカーされないあらゆるポリマー又はオリゴマーを除去することがある。ある実施形態において、複合材料の洗浄に適する溶媒には、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール及びDMFが含まれる。
【0043】
複合材料の例示的使用
ある実施形態において、本発明は、流体が、前述の複合材料のいずれか1つの架橋ゲルを通過する方法に関する。結合又は分取のための条件を仕立てることによって、良好な選択性を得ることができる。
【0044】
ある実施形態において、本発明は、溶液からタンパク質又は免疫グロブリンなどの生体分子を分離する方法に関する。ある実施形態において、本発明は、タンパク質又は免疫グロブリンなどの生体分子を精製する方法に関する。ある実施形態において、本発明は、高選択性でタンパク質又はモノクローナル抗体を精製する方法に関する。ある実施形態において、本発明は、生物学的分子又は生物学的イオンがその三次構造又は四次構造を保持し、これらの構造は生物学的活性を保持する上で重要であり得る方法に関する。ある実施形態において、分離又は精製され得る生物学的分子又は生物学的イオンには、アルブミン、例えば、ウシ血清アルブミン、及びリゾチームなどのタンパク質が含まれる。ある実施形態において、分離され得る生物学的分子又は生物学的イオンには、ヒト及び動物起源のγ-グロブリン、ヒト及び動物起源のIgG、IgM、又はIgEなどの免疫グロブリン、タンパク質Aを含めた組換え及び天然起源のタンパク質、フィトクローム、好塩性プロテアーゼ、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)デポリメラーゼ、アクレシン-A(aculaecin-A)アシラーゼ、合成及び天然起源のポリペプチド、インターロイキン-2及びその受容体、ホスファターゼ、デヒドロゲナーゼ、リボヌクレアーゼAなどの酵素、モノクローナル抗体、抗体のフラグメント、トリプシン及びその阻害物質、様々な起源のアルブミン、例えば、α-ラクトアルブミン、ヒト血清アルブミン、鶏卵アルブミン、オバルブミンなど、チトクロームC、免疫グロブリン、ミオグロブリン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来の生成物、合成及び天然起源のDNA及びRNA、DNAプラスミド、レクチン、α-キモトリプシノーゲン、並びに小分子を含めた天然生成物が含まれる。ある実施形態において、本発明は、変異体、不純物、又はこれらに付随する汚染物から抗体フラグメントを回収する方法に関する。ある実施形態において、生物学的分子の分離又は精製は、実質的に架橋ゲル中で発生し得る。ある実施形態において、生体分子の分離又は精製は、マクロ多孔性架橋ゲルのマクロ孔において実質的に生じることがある。
【0045】
ある実施形態において、本発明は、物質を可逆的に吸着する方法に関する。ある実施形態において、吸着された物質は、ゲルを通って流れる液体を変えることによって放出され得る。ある実施形態において、物質の取り込み及び放出は、架橋ゲルの組成における変動によって制御され得る。
【0046】
ある実施形態において、本発明は、物質を緩衝溶液から複合材料に適用することができる方法に関する。
【0047】
ある実施形態において、本発明は、様々な濃度の塩の水溶液を用いて物質を溶出することができる方法に関する。
【0048】
ある実施形態において、本発明は、高結合能を示す方法に関する。ある実施形態において、本発明は、10%のブレークスルーで、約100mg/mL膜、約110mg/mL膜、約120mg/mL膜、約130mg/mL膜、約140mg/mL膜、約150mg/mL膜、約160mg/mL膜、約170mg/mL膜、約180mg/mL膜、約190mg/mL膜、約200mg/mL膜、約210mg/mL膜、約220mg/mL膜、約230mg/mL膜、約240mg/mL膜、約250mg/mL膜、約260mg/mL膜、約270mg/mL膜、約280mg/mL膜、約290mg/mL膜、約300mg/mL膜、約310mg/mL膜、約320mg/mL膜、約330mg/mL膜、約340mg/mL膜、約350mg/mL膜、約360mg/mL膜、約370mg/mL膜、約380mg/mL膜、約390mg/mL膜、又は約400mg/mL膜の結合能を示す方法に関する。
【0049】
ある実施形態において、本発明の方法は、従来のMMC樹脂の使用で報告されている結合能より高い結合能をもたらす。ある実施形態において、本発明の方法は、対流のため、MMC樹脂を用いる方法において達成された流速よりも著しく高い流速で実施されてよい。ある実施形態において、本発明の方法は、MMC樹脂を用いる方法に付随する、問題の圧力低下に悩むことはない。
【0050】
ある実施形態において、結合の間の流速(第1の流速)は、約0.1~約10mL/分までであってよい。ある実施形態において、溶出の間の流速(第2の流速)は、約0.1~約10mL/分までであってよい。ある実施形態において、第1の流速又は第2の流速は、約0.1mL/分、約0.5mL/分、約1.0mL/分、約1.5mL/分、約2.0mL/分、約2.5mL/分、約3.0mL/分、約4.0mL/分、約4.5mL/分、約5.0mL/分、約5.5mL/分、約6.0mL/分、約6.5mL/分、約7.0mL/分、約7.5mL/分、約8.0mL/分、約8.5mL/分、約9.0mL/分、約9.5mL/分、又は約10.0mL/分であってよい。ある実施形態において、第1の流速又は第2の流速は約0.5~約5.0mL/分までであってよい。
【0051】
水流束QH2O(kg/m2h)は以下の等式を使用して計算され:
【0052】
【数1】
式中、m
1はt
1の時点で膜を介して移送される水の質量であり、m
1はt
2の時点で膜を介して移送される水の質量であり、Aは膜断面積であり、tは経過時間(t
1 - t
2)であり、ただしt
1 > t
2である。
【0053】
ある実施形態において、溶出する塩溶液(第2の溶液、又は第3若しくはそれ以降の溶液)に添加剤を加えてもよい。ある実施形態において、低濃度(例えば、約1M、約0.5M、又は約0.2M未満)の添加剤を加える。ある実施形態において、添加剤は、水混和性のアルコール、洗剤、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、又はカオトロピック塩の水溶液である。ある実施形態において、いかなる特定の理論によって拘泥しようとするものではないが、添加剤は水の表面張力を低減することがあり、したがって疎水的相互作用を弱めてリガンド-溶質複合体のその後の解離をもたらす。
【0054】
ある実施形態において、混合モード媒体は疎水性及びイオン交換の特性の両方を組み合わせる結果、移動相イオン強度、pH、又は有機溶媒含有量を変えることにより各保持モードにおける保持度を調整できるよう、選択性を操作することができる。ある実施形態において、選択性を同時に又は個別に操作することができる。
【0055】
ある実施形態において、pHの変更は、移動相の伝導性を変えることなくタンパク質を溶出するための効果的な溶出手段である。
【0056】
ある実施形態において、本発明は、生体分子の精製の一段階法に関する。ある実施形態において、本発明は、一般に用いられる従来の充填カラムクロマトグラフィー技術よりも、スケールアップが容易であり、労働集約性が低く、迅速であり、資本費用の安い、生体分子を分離する方法に関する。
【0057】
孔サイズ判定
SEM及びESEM
マクロ多孔性架橋ゲル中のマクロ孔の平均直径は、多数の方法のいずれか1つによって推定され得る。採用され得る1つの方法は走査型電子顕微鏡法(SEM)である。SEMは孔サイズ及び多孔率の判定全般、特に膜の特性評価について、十分に確立された方法である。Marcel Mulderの著書「Basic Principles of Membrane Technology」((著作権)1996年)(以下「Mulder」という)、特に第IV章で言及されている。Mulderには膜の特性評価方法の概要が記載されている。多孔性膜の場合、最初に挙げられる方法は電子顕微鏡法である。SEMは精密ろ過膜の特性評価向けの、非常に簡易且つ有用な技法である。膜の明瞭且つ簡潔な画像を、上層、断面及び下層に関して取得することができる。加えて、多孔率及び孔サイズ分布を写真から推定することができる。
【0058】
環境SEM(ESEM)は、湿った状態の標本について、標本室内の気体環境を考慮することによって非破壊画像処理を可能にする技法である。環境二次検出器(ESD)は、機能するにはガスバックグラウンドを必要とし、また約3トールから約20トールにおいて動作する。これらの圧力制約は、試料室内の湿度を変える能力を制限する。例えば、10トールの時に、特定の温度での相対湿度は以下の通りである。
【0059】
【0060】
これは試料室内における様々な温度での相対湿度に関する有用な指針である。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の相対湿度は約1%から約99%である。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の相対湿度は約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約99%である。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の相対湿度は約45%である。
【0061】
ある実施形態において、顕微鏡はナノメートル単位の分解能を有し、倍率は最大約100,000倍である。
【0062】
ある実施形態において、画像処理中の試料室内の温度は約4℃から約95℃である。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の温度は約4℃、約6℃、約8℃、約10℃、約12℃、約14℃、約16℃、約18℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、又は約85℃である。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の温度は約5℃である。
【0063】
ある実施形態において、画像処理中の試料室内の圧力は約3トールから約20トールである。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の圧力は約4トール、約6トール、約8トール、約10トール、約12トール、約14トール、約16トール、約18トール、又は約20トールである。ある実施形態において、画像処理中の試料室内の圧力は約3トールである。
【0064】
ある実施形態において、電子ビーム源から試料までの作動距離は約6mmから約15mmである。ある実施形態において、電子ビーム源から試料までの作動距離は約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、又は約15mmである。ある実施形態において、電子ビーム源から試料までの作動距離は約10mmである。
【0065】
ある実施形態において、電圧は約1kVから約30kVである。ある実施形態において、電圧は約2kV、約4kV、約6kV、約8kV、約10kV、約12kV、約14kV、約16kV、約18kV、約20kV、約22kV、約24kV、約26kV、約28kV、又は約30kVである。ある実施形態において、電圧は約20kVである。
【0066】
ある実施形態において、平均孔直径は、複合材料の上部又は下部からの画像の代表的試料における孔直径の推定によって測定され得る。当業者であれば、湿潤膜のESEM画像取得に関連する様々な実験変数を認識及び理解し、相応に実験を設計できるようになる。
【0067】
毛細管流動ポロメトリー
毛細管流動ポロメトリーは、多孔性材料の孔サイズの測定に使用される分析技法である。この分析技法では、湿潤性液体を使用して試験試料の孔を満たし、そして非反応性ガスの圧力を使用して液体を孔から移動させる。試料を通過するガス圧及び流速が正確に測定され、孔直径は以下の等式を使用して判定される。
D = 4×γ×cosθ/P
Dは孔直径、
γは液体表面張力、
θは液体接触角度、
Pは差分ガス圧である。
【0068】
この等式は、液体を湿潤試料から移動させるために必要な圧力が孔サイズに反比例することを示す。この技法は、加圧状態での試験試料の孔からの液体の流動が関係することから、貫通孔(試料の片側から反対側への流体流動を可能にする、相互に連結された孔)の特性評価に有用である。他の種類の孔(閉鎖孔や隠蔽孔)は、この方法では検出できない。
【0069】
毛細管流動ポロメトリーでは、ある孔の存在を、ガスがその孔を通って流れ始める時点で検出する。これは孔において最も狭窄した部分から液体を移動させるためのガス圧が十分に高い状態に限り発生する。したがって、この方法を使用して計算される孔直径は、孔において最も狭窄した部分の孔の直径であり、また各孔はこの狭窄直径を有する単一の孔として検出される。最大孔直径(バブルポイントと呼ばれる)は、湿潤試料を通過する流動の開始に必要な最低ガス圧によって判定され、平均孔直径は平均流動圧力から計算される。加えて、狭窄孔直径範囲と孔サイズ分布の両方を、この技法を使用して判定することができる。
【0070】
この方法は、試験流体(例:水、バッファー、アルコール)に浸漬した小さい膜試料(直径2.5cm以下)でも行うことができる。加えられるガス圧は0psiから500psiから選択され得る。
【0071】
他の孔直径判定方法
Mulderには他にも多孔性膜の平均最高サイズ特性評価方法が記載されており、例として原子間力顕微鏡法(AFM)(164頁)、透過性計算(169頁)、ガス吸着・脱離(173頁)、熱ポロメトリー(176頁)、透過ポロメトリー(179頁)、及び液体変位(181頁)が挙げられる。Mulderの教示及び同書に記載の参考文献は、当該技術分野における共通の一般知識の一部を成すものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
例示的複合材料
ある実施形態において、本発明は、
支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
第1の官能性及び第2の官能性を含み、第1の官能性及び第2の官能性が陽イオン性、陰イオン性、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性であり、第1の官能性が第2の官能性と異なる、架橋ゲルとを含み、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、複合材料に関する。
【0073】
ある実施形態において、本発明は、
支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
第1の官能性及び第2の官能性を含み、第1の官能性及び第2の官能性が強陽イオン、弱陽イオン、強陰イオン、弱陰イオン、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性であり、第1の官能性が第2の官能性と異なる、架橋ゲルとを含み、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、複合材料に関する。
【0074】
ある実施形態において、本発明は、第1の官能性が強陽イオンであり、第2の官能性が弱陰イオンである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0075】
ある実施形態において、本発明は、3つ以上の官能性が採用される、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又は9つの異なる官能性が採用される、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0076】
ある実施形態において、本発明は、第1の官能性又は第2の官能性が陽イオン性である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、陽イオン性官能性は弱陽イオンである。ある実施形態において、陽イオン性官能性は強陽イオンである。ある実施形態において、強陽イオンはアンモニウム陽イオンである。ある実施形態において、第1の官能性又は第2の官能性はトリアルキルアンモニウム基である。ある実施形態において、強陽イオンはトリメチルアンモニウム基である。ある実施形態において、弱陽イオンは一定のpHに限り陽イオン性である。ある実施形態において、弱陽イオンはプロトン化アンモニウム基である。ある実施形態において、弱陽イオンはプロトン化ジアルキルアンモニウム基である。ある実施形態において、弱陽イオンはプロトン化ジメチルアンモニウム基である。
【0077】
ある実施形態において、本発明は、第1の官能性又は第2の官能性が陰イオン性である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、陰イオン性官能性は弱陰イオンである。ある実施形態において、陽イオン性官能性は強陰イオンである。ある実施形態において、強陰イオンはスルホン酸陰イオンである。ある実施形態において、第1の官能性又は第2の官能性はスルホン酸基である。ある実施形態において、第1の官能性又は第2の官能性はスルホン酸基である。
【0078】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルがマクロ多孔性である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0079】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルの陽イオン性、陰イオン性、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性の能力が、適切な結合条件(室温、第1の流体、下記参照)下で判定される、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0080】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-(メチルチオ)エチルメタクリレート、アクリルアミド、N-アクリルオキシスクシンイミド、ブチルアクリレート若しくはメタクリレート、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、N-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、エチルアクリレート若しくはメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート若しくはメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、メタクリルアミド、メタクリル酸無水物、プロピルアクリレート若しくはメタクリレート、N-イソプロピルアクリルアミド、スチレン、4-ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、N-ビニル-2-ピロリジノン(VP)、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アルギン酸、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムハロゲン化物、ジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物、4-ビニル-N-メチルピリジニウムハロゲン化物、ビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、3-スルホプロピルメタクリレート、2-(2-メトキシ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-(3-メトキシプロピルアクリルアミド)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、又はジアセトンアクリルアミドに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0081】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが複数のモノマーに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0082】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.2:約0.1:約0.06のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.22:約0.14:約0.06のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0083】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.2:約0.2:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.25:約0.15:約0.14のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0084】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.3:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.26:約0.15のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0085】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルがビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物に由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルがビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムクロリドに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0086】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.4:約0.5:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.36:約0.52:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0087】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド、及びN-フェニルアクリルアミドに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド、及びN-フェニルアクリルアミドに由来するポリマーを、約1:約0.2:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.18:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0088】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)(又はN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド(THMAAm)又はN-(3-メトキシプロピル)アクリルアミド(MPAAm)又はN,N'-ジメチルアクリルアミド(DMAAm))及びN-フェニルアクリルアミドに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)(又はN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド(THMAAm)又はN-(3-メトキシプロピル)アクリルアミド(MPAAm)又はN,N'-ジメチルアクリルアミド(DMAAm))及びN-フェニルアクリルアミドに由来するポリマーを、約1:約0.2:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)(又はN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド(THMAAm)又はN-(3-メトキシプロピル)アクリルアミド(MPAAm)又はN,N'-ジメチルアクリルアミド(DMAAm))及びN-フェニルアクリルアミドに由来するポリマーを、約1:約0.18:約0.1のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0089】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.1:約0.2のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルが、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.1:約0.15のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0090】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ビスアクリルアミド酢酸、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、ブタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,10-ドデカンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ジアクリロイルピペラジン、ジアリルフタレート、2,2-ジメチルプロパンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、N,N-ドデカメチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールトリス(アクリルオキシプロピル)エーテル、N,N'-ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N'-オクタメチレンビスアクリルアミド、1,5-ペンタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-フェニレンジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びジメタクリレート、ポリ(プロピレン)ジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジアリルジグリコールカーボネート、ポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、N,N'-ジメタクリロイルピペラジン、ジビニルグリコール、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、1,1,1-トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM-M)、ビニルアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、芳香族ジメタクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン修飾ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)、並びにグリオキサルビス(ジアリルアセタール)からなる群から選択される、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0091】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がグリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレートである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0092】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロールジメタクリレート又は3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロールジメタクリレート及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋剤がグリセロールジメタクリレート及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを、約1:約0.9のモル比で含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0093】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がグリセロールプロポキシレートトリアクリレートである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0094】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート又は1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレートである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0095】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がN,N'-メチレンビスアクリルアミドである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0096】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がエチレングリコールジメタクリレートである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0097】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がN,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0098】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0099】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジンである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0100】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオンである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0101】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がN,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0102】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がグリオキサルビス(ジアリルアセタール)である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0103】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルがマクロ孔を含み、マクロ多孔性架橋ゲルの気孔率は約30%から約80%であり、マクロ孔の平均孔直径は約10nmから約3000nmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0104】
ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルがマクロ孔を含み、マクロ多孔性架橋ゲルの気孔率は約40%から約70%である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋ゲルがマクロ孔を含み、マクロ多孔性架橋ゲルの気孔率が約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、又は約70%である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0105】
ある実施形態において、本発明は、マクロ孔の平均孔直径が約25nmから約1500nmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0106】
ある実施形態において、本発明は、マクロ孔の平均孔直径が約50nmから約1000nmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、マクロ孔の平均孔直径が約50nm、約100nm、約150nm、約200nm、約250nm、約300nm、約350nm、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm又は約700nmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0107】
ある実施形態において、本発明は、マクロ孔の平均孔直径が約300nmから約400nmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0108】
ある実施形態において、本発明は、複合材料が膜である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0109】
ある実施形態において、本発明は、支持部材が空隙容積を有し、支持部材の空隙容積がマクロ多孔性架橋ゲルで実質的に充填される、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0110】
ある実施形態において、本発明は、支持部材がポリマーを含み、支持部材の厚さが約10μmから約500μmであり、支持部材の孔の平均孔直径が約0.1μmから約25μmであり、支持部材の気孔率が約40%から約90%である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0111】
ある実施形態において、本発明は、支持部材の厚さが約10μmから約1000μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の厚さが約10μmから約500μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の厚さが約30μmから約300μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の厚さが約30μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm又は約300μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0112】
ある実施形態において、本発明は、支持部材の孔の平均孔直径が約0.1μmから約25μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の孔の平均孔直径が約0.5μmから約15μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の孔の平均孔直径が約0.5μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、又は約15μmである、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0113】
ある実施形態において、本発明は、支持部材の気孔率が約40%から約90%である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の気孔率が約50%から約80%である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、支持部材の気孔率が約50%、約60%、約70%、又は約80%である、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0114】
ある実施形態において、本発明は、支持部材がポリオレフィンを含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0115】
ある実施形態において、本発明は、支持部材が、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリエステル、セルロース、及びセルロース誘導体からなる群から選択されるポリマー材料を含む、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0116】
ある実施形態において、本発明は、支持部材が、ポリマーを含む繊維状の織布又は不織布を含み、支持部材の厚さが約10μmから約2000μmまでであり、支持部材の孔が約0.1μmから約25μmの平均孔直径を有し、支持部材が約40%~約90%の気孔率を有する、前述の複合材料のいずれか1つに関する。
【0117】
例示的方法
ある実施形態において、本発明は、第1の流速で、物質を含む第1の流体を前述の複合材料のいずれか1つと接触させ、それによって物質の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含む方法に関する。
【0118】
ある実施形態において、第1の流体は、断片化した抗体、凝集した抗体、宿主細胞タンパク質、ポリヌクレオチド、内毒素、又はウイルスをさらに含む。
【0119】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0120】
ある実施形態において、本発明は、
第2の流速で、第2の流体を複合材料上に吸着又は吸収されている物質と接触させ、それによって物質の第1の部分を複合材料から放出するステップをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0121】
ある実施形態において、本発明は、第2の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0122】
ある実施形態において、本発明は、
第3の流速で、第3の流体を、複合材料に吸着又は吸収されている物質と接触させ、それによって物質の第2の部分を複合材料から放出するステップをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0123】
ある実施形態において、本発明は、物質が生物学的分子又は生物学的イオンである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0124】
ある実施形態において、本発明は、生物学的分子又は生物学的イオンが、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物起源のγ-グロブリン、ヒト及び動物起源の免疫グロブリン、組換え及び天然起源のタンパク質、合成及び天然起源のポリペプチド、インターロイキン-2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン及びその阻害物質、チトクロームC、ミオグロビン、ミオグロブリン、α-キモトリプシノーゲン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来生成物、合成及び天然起源のDNA、並びに合成及び天然起源のRNAからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0125】
ある実施形態において、本発明は、生物学的分子又は生物学的イオンが、リゾチーム、hIgG、ミオグロビン、ヒト血清アルブミン、ダイズトリプシン阻害物質、トランスファリング(transferring)、エノラーゼ、オバルブミン、リボヌクレアーゼ、卵トリプシン阻害物質、チトクロームC、アネキシンV、又はα-キモトリプシノーゲンである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0126】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体がバッファーである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体中のバッファーの濃度が約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約0.1M、約0.11M、約0.12M、約0.13M、約0.14M、約0.15M、約0.16M、約0.17M、約0.18M、約0.19M又は約0.2Mである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体のpHが約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約7、約8、又は約9である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0127】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体が酢酸ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体がクエン酸ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体がリン酸ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0128】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、塩がグリシン-HCl、NaCl、及びNH4Clからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩化ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩化ナトリウムを約10mMから約600mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩化ナトリウムを約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM又は約525mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0129】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体が浄化された細胞培養上清である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0130】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体中の物質濃度が約0.2mg/mLから約10mg/mLである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体中の物質濃度が約0.2mg/mL、約0.4mg/mL、約0.6mg/mL、約0.8mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL又は約10mg/mLである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0131】
ある実施形態において、本発明は、第1の流速が最大約50総容積/分である、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流速が約5総容積/分、約10総容積/分、約20総容積/分、約30総容積/分、約40総容積/分、又は約50総容積/分である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0132】
ある実施形態において、本発明は、第1の流速が約0.5mL/分から約2mL/分である、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流速が約0.5mL/分、約0.6mL/分、約0.7mL/分、約0.8mL/分、約0.9mL/分、約1mL/分、約1.1mL/分、約1.2mL/分、約1.3mL/分、約1.4mL/分、約1.5mL/分、約1.6mL/分、約1.7mL/分、又は約1.8mL/分である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0133】
ある実施形態において、本発明は、第2の流体がバッファーである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第2の流体が2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第2の流体が2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸を約50mMから約150mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第2の流体が2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸を、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM又は約150mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0134】
ある実施形態において、本発明は、第2の流体のpHが約4から約8である、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第2の流体のpHが約5、約5.2、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6、約6.2、又は約6.4である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0135】
ある実施形態において、本発明は、第2の流体が塩を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、塩がグリシン-HCl、NaCl、及びNH4Clからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第2の流体中の塩濃度が約70mMから約200mMである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、塩濃度が約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約115mM、約120mM、約125mM、約130mM、約135mM、約140mM、約145mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM又は約200mMである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0136】
ある実施形態において、本発明は、第3の流体がバッファーである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第3の流体が2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール/HCl(TRIS/HCl)を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第3の流体が2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール/HCl(TRIS/HCl)を、約15mMから約40mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第3の流体が2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール/HCl(TRIS/HCl)を、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM又は約40mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0137】
ある実施形態において、本発明は、第3の流体のpHが約7から約9である、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第3の流体のpHが約7、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、約8、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.6、約8.8、又は約9である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0138】
ある実施形態において、本発明は、第3の流体が塩を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、塩がグリシン-HCl、NaCl、及びNH4Clからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第2の流体中の塩濃度が約125mMから約400mMである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、塩濃度が約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM又は約400mMである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0139】
ある実施形態において、本発明は、
複合材料を洗浄するステップと、
前述のステップを繰り返すステップとをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0140】
ある実施形態において、本発明は、実質的に全ての物質が複合材料上に吸着又は吸収される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0141】
ある実施形態において、本発明は、
ある物質及び不要材料を含む第1の流体を前述の複合材料のいずれか1つと第1の流速で接触させ、それによって不要材料の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含む方法に関する。
【0142】
ある実施形態において、本発明は、不要材料が、断片化した抗体、凝集した抗体、宿主細胞タンパク質、ポリヌクレオチド、内毒素、又はウイルスを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0143】
ある実施形態において、本発明は、実質的に全ての不要材料が複合材料上に吸着又は吸収される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0144】
ある実施形態において、本発明は、第1の液体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0145】
ある実施形態において、本発明は、物質が生物学的分子又は生物学的イオンである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0146】
ある実施形態において、本発明は、生物学的分子又は生物学的イオンが、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物起源のγ-グロブリン、ヒト及び動物起源の免疫グロブリン、組換え及び天然起源のタンパク質、合成及び天然起源のポリペプチド、インターロイキン-2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン及びその阻害物質、チトクロームC、ミオグロビン、ミオグロブリン、α-キモトリプシノーゲン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来生成物、合成及び天然起源のDNA、並びに合成及び天然起源のRNAからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0147】
ある実施形態において、本発明は、生物学的分子又は生物学的イオンが、リゾチーム、hIgG、ミオグロビン、ヒト血清アルブミン、ダイズトリプシン阻害物質、トランスファリング(transferring)、エノラーゼ、オバルブミン、リボヌクレアーゼ、卵トリプシン阻害物質、チトクロームc、アネキシンV、又はα-キモトリプシノーゲンである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0148】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体がバッファーである、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体中のバッファーの濃度が約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約0.1M、約0.11M、約0.12M、約0.13M、約0.14M、約0.15M、約0.16M、約0.17M、約0.18M、約0.19M又は約0.2Mである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0149】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体が酢酸ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体がクエン酸ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体がリン酸ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0150】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、塩がグリシン-HCl、NaCl、及びNH4Clからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩化ナトリウムを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩化ナトリウムを約10mMから約600mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流体が塩化ナトリウムを約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM又は約525mMの濃度で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0151】
ある実施形態において、本発明は、第1の流速が約0.5mL/分から約2mL/分である、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、第1の流速が約0.5mL/分、約0.6mL/分、約0.7mL/分、約0.8mL/分、約0.9mL/分、約1mL/分、約1.1mL/分、約1.2mL/分、約1.3mL/分、約1.4mL/分、約1.5mL/分、約1.6mL/分、約1.7mL/分、又は約1.8mL/分である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0152】
ある実施形態において、本発明は、第1の流体が浄化された細胞培養上清である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0153】
ある実施形態において、本発明は、
第1のモノマー、光開始剤、架橋剤及び溶媒を合わせ、それによってモノマー混合物を形成するステップと、
支持部材をモノマー混合物と接触させ、それによって修飾された支持部材を形成するステップであって、支持部材が支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含み、孔の平均孔直径が約0.1から約25μmであるステップと、
修飾された支持部材をポリマーシートで覆い、それによって覆われた支持部材を形成するステップと、
覆われた支持部材をある期間照射し、それによって複合材料を形成するステップとを含む、複合材料を作成する方法に関する。
【0154】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が複数の異なるモノマーを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が第1のモノマー及び第2のモノマーを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が第3、第4、第5、第6、第7、第8、又は第9のモノマーをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0155】
ある実施形態において、本発明は、複合材料を第2の溶媒で洗浄し、それによって洗浄済み複合材料を形成するステップをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、第2の溶媒は水である。
【0156】
ある実施形態において、本発明は、複合材料又は洗浄済み複合材料を塩溶液と接触させるステップをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0157】
ある実施形態において、塩溶液はナトリウムを含む。ある実施形態において、塩溶液は水酸化ナトリウムを含む。ある実施形態において、塩溶液は水酸化ナトリウムを約0.05Nから約0.15Nの濃度で含む。ある実施形態において、塩溶液は水酸化ナトリウムを約0.06N、約0.07N、約0.08N、約0.09N、約0.1N、約0.11N、約0.12N、約0.13N、又は約0.14Nの濃度で含む。
【0158】
ある実施形態において、塩溶液は塩化ナトリウムを含む。ある実施形態において、塩溶液は塩化ナトリウムを約0.05Nから約0.5Nの濃度で含む。ある実施形態において、塩溶液は塩化ナトリウムを約0.06N、約0.07N、約0.08N、約0.09N、約0.1N、約0.11N、約0.12N、約0.13N、約0.14N、約0.15N、約0.18N、約0.2N、約0.22N、約0.24N、約0.26N、約0.28N、約0.3N、約0.32N、約0.34N、約0.36N、約0.38N、約0.4N、約0.42N、約0.44N、約0.46N、約0.48N、又は約0.5Nの濃度で含む。
【0159】
ある実施形態において、塩溶液は水酸化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含む。
【0160】
ある実施形態において、本発明は、過剰のモノマー混合物を、覆われた支持部材から除去するステップをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0161】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-(メチルチオ)エチルメタクリレート、アクリルアミド、N-アクリルオキシスクシンイミド、ブチルアクリレート若しくはメタクリレート、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、N-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、n-ドデシルアクリレート、n-ドデシルメタクリレート、エチルアクリレート若しくはメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート若しくはメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、メタクリルアミド、メタクリル酸無水物、プロピルアクリレート若しくはメタクリレート、N-イソプロピルアクリルアミド、スチレン、4-ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、N-ビニル-2-ピロリジノン(VP)、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アルギン酸、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムハロゲン化物、ジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物、4-ビニル-N-メチルピリジニウムハロゲン化物、ビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、3-スルホプロピルメタクリレート、2-(2-メトキシ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-(3-メトキシプロピルアクリルアミド)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、又はジアセトンアクリルアミドを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0162】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が複数のモノマーを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が第2のモノマーをさらに含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0163】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.2:約0.1:約0.06のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートに由来するポリマーを、約1:約0.22:約0.14:約0.06のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0164】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートを、約1:約0.2:約0.2:約0.1のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートを、約1:約0.25:約0.15:約0.14のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0165】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートを、約1:約0.3:約0.1のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートを、約1:約0.26:約0.15のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0166】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物がビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物がビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムクロリドを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0167】
ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートを、約1:約0.4:約0.5:約0.1のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、モノマー混合物が、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートを、約1:約0.36:約0.52:約0.1のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0168】
ある実施形態において、本発明は、モノマーが溶媒中に合計で約6重量%から約38重量%(w/w)存在する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0169】
ある実施形態において、本発明は、モノマーが溶媒中に合計で約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、又は約38%(w/w)の量で存在する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0170】
ある実施形態において、本発明は、光開始剤が、モノマー混合物中にモノマーの全重量に対して約0.4%(w/w)~約2.5%(w/w)の量存在する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0171】
ある実施形態において、本発明は、光開始剤が、モノマー混合物中にモノマーの全重量に対して約0.6%、約0.8%、約1.0%、約1.2%、又は約1.4%(w/w)存在する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0172】
ある実施形態において、本発明は、光開始剤が、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン及びベンゾインエーテル、ジアルコキシアセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、及びα-ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステルからなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0173】
ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,3-ブタンジオール、ジ(プロピレングリコール)プロピルエーテル、N,N-ジメチルアセトアミド、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、1,2-プロパンジオール、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート(DPMA)、水、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、エタノール、N-メチルピロリジン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトニトリル、N-メチルアセトアミド、プロパノール、トリ(プロピレングリコール)プロピルエーテル、又はメタノールを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0174】
ある実施形態において、本発明は、溶媒がN,N-ジメチルアセトアミド、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、1,2-プロパンジオール、及び水を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0175】
ある実施形態において、本発明は、溶媒がN,N-ジメチルアセトアミドを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒がN,N-ジメチルアセトアミドを約15重量%から約40重量%の量含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒がN,N-ジメチルアセトアミドを約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、又は約35重量%含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0176】
ある実施形態において、本発明は、溶媒がジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒がジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルを約30重量%から約90重量%の量含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒がジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルを約40重量%、約42重量%、約44重量%、約46重量%、約48重量%、約50重量%、約52重量%、約54重量%、約56重量%、約58重量%、約60重量%、約62重量%、約64重量%、約66重量%、約68重量%、約70重量%、約72重量%、約74重量%、約76重量%、約78重量%、又は約80重量%含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0177】
ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,2-プロパンジオールを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,2-プロパンジオールを約3重量%から約75重量%の量含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,2-プロパンジオールを約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、又は約75重量%含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0178】
ある実施形態において、本発明は、溶媒が水を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒が水を約2重量%から約9重量%の量含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒が水を約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約8重量%、又は約9重量%含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0179】
ある実施形態において、本発明は、溶媒がジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒がジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテートを約24重量%から約72重量%の量含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒がジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテートを約30重量%、約32重量%、約34重量%、約36重量%、約38重量%、約40重量%、約42重量%、約44重量%、約46重量%、約48重量%、約50重量%、約52重量%、約54重量%、約56重量%、約58重量%、約60重量%、約62重量%、約64重量%、又は約66重量%含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0180】
ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,3-ブタンジオールを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,3-ブタンジオールを約35重量%から約95重量%の量含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、溶媒が1,3-ブタンジオールを約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、又は約90重量%含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0181】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が溶媒中に約4%から約25%(w/w)存在する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0182】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が溶媒中に約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、又は約25%(w/w)の割合で存在する、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0183】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ビスアクリルアミド酢酸、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、ブタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,10-ドデカンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ジアクリロイルピペラジン、ジアリルフタレート、2,2-ジメチルプロパンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、ジペンタンエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、N,N-ドデカメチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールトリス(アクリルオキシプロピル)エーテル、N,N'-ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N'-オクタメチレンビスアクリルアミド、1,5-ペンタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-フェニレンジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びジメタクリレート、ポリ(プロピレン)ジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジアリルジグリコールカーボネート、ポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、N,N'-ジメタクリロイルピペラジン、ジビニルグリコール、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、1,1,1-トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM-M)、ビニルアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、芳香族ジメタクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン修飾ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N',-メチレンビスアクリルアミド、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)、及びグリオキサルビス(ジアリルアセタール)からなる群から選択される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0184】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がグリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレートである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0185】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロールジメタクリレート又は3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロールジメタクリレート及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、前述の方法のいずれか1つに関する。ある実施形態において、本発明は、架橋剤が、グリセロールジメタクリレート及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを、約1:約0.9のモル比で含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0186】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がグリセロールプロポキシレートトリアクリレートである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0187】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤が1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート又は1,1,1-トリメチロールエタントリメタクリレートである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0188】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がエチレングリコールジメタクリレートである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0189】
ある実施形態において、本発明は、架橋剤がN,N'-メチレンビスアクリルアミドである、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0190】
ある実施形態において、本発明は、覆われた支持部材が約350nmで照射される、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0191】
ある実施形態において、本発明は、期間が約1分、約5分、約10分、約15分、約20分、約30分、約45分、又は約1時間である、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0192】
ある実施形態において、本発明は、複合材料がマクロ孔を含む、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0193】
ある実施形態において、本発明は、マクロ孔の平均孔直径が孔の平均孔直径より小さい、前述の方法のいずれか1つに関する。
【0194】
[実施例]
本発明を説明するために以下の実施例を提供する。しかし、各実施例において与える特定の詳細は説明の目的で選択されているものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならないことが理解されよう。一般に、実施例は、記載がない場合は同様の条件下で行われたものである。
【0195】
[実施例1]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料調製方法を示す。
【0196】
20重量%の溶液を、2-カルボキシエチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2-(メチルチオ)エチルメタクリレートをそれぞれ1:0.22:0.14:0.06のモル比で、27.0重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、61.0重量%のジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、7.15重量%の1,2-プロパンジオール及び4.85重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。8%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレートを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0197】
複合材料を、以下の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50 (Hollingsworth & Vose社製)から調製した。秤量した支持部材をポリ(エチレン)(PE)シート上に配置し、モノマー又はポリマー溶液を試料に適用した。試料を引き続き別のPEシートで覆い、ゴムローラーを、そのサンドイッチ状物の上を動かして過剰の溶液を除去した。10分の期間、350nmの波長で照射することによって開始させた重合化により、試料中の原位置のゲル形成を誘導した。結果として得られた複合材料をROで徹底的に洗浄した後、0.1Nの水酸化ナトリウムと0.1Nの塩化ナトリウムとを含有する溶液中に配置し、膜をNa+形態へと転換させた。その後、膜をRO水で洗浄し、室温にて乾燥させた。
【0198】
膜の特性評価を、溶質流束、hIgG及びリゾチーム結合能、hIgG及びリゾチーム回収率に関して行った。
【0199】
複合材料を通した溶質流動測定を、試料をRO水で湿潤させた後に行った。標準手順として、直径7.8cmのディスクの形態の試料を、厚さ3~5mmの焼結格子に載せ、制御された圧力で圧縮窒素を供給しているセルに組み立てた。250mMのNaClを含有する、85mM、pH4.5の酢酸ナトリウムバッファーをセルに充填し、100kPaの圧力を加えた。特定した時間に複合材料を通過した緩衝溶液を、予め秤量した容器中に収集し、秤量した。実験は全て、透過水出口で室温及び大気圧で行った。測定は各々3回以上繰り返して±5%の再現性を達成した。
【0200】
タンパク質吸着実験を、以下の手順で行った。吸着ステップにおいて、直径25mmの単層膜ディスクの形態の複合材料の試料を、Natrix膜ホルダーに装着した。膜クロマトグラフィー試験を行うため、Waters 600E HPLCシステムを用いた。セル及び膜の試料を、250mMの塩化ナトリウムを含有する、85mM、pH4.5、伝導性30mS/cmの酢酸ナトリウムバッファー(バッファーA)を通すことによって、プライミングした。Natrix膜ホルダーからの流出液の流れのUV吸光度(280nmでの)及びシステム圧を、継続的に記録した。タンパク質をバッファーAに溶解して0.5mg/mLの溶液を調製した。バッファーAを結合バッファーとした。25mMのTRIS/HClと250mMのNaClとを含有するpH8.2の溶出バッファーを、バッファーBとした。全てのバッファー及びタンパク質溶液を、孔サイズ0.2μmのポリエーテルスルホン(PES)微多孔膜(Nalgene)でろ過した。
【0201】
クロマトグラフィー実験において、安定したUV吸光度基準が確立されるまで、バッファーAを膜に通過させた。結合・溶出実験向けに開発された方法には以下のステップが含まれた:第1ステップで結合バッファーAを使用して膜の条件調整を行い、第2ステップでバッファーAに溶解したタンパク質をブレークスルーが20~30%に達するように膜に通過させ、第3ステップで膜をバッファーAで洗浄し、そして最終ステップでタンパク質を膜から、膜を通過したバッファーBを使用して溶出させた。クロマトグラフィー実験を、流速1mL/分にて行った。
【0202】
タンパク質回収率を、脱離した物質量と吸着/結合ステップで膜に加えられた物質量とを比較する形で計算した。
【0203】
本方法によって生成した複合材料は、100kPaの加圧状態で2,950kg/m2hの溶質流束を有していた。ブレークスルー10%での動的結合能は、hIgGについて220.1mg/mL、リゾチームについて135.0mg/mLであった。hIgG及びリゾチームの回収率は95%を超えた。
【0204】
図1は、上記の実験で得られたhIgG結合・溶出曲線を示す図である。
【0205】
[実施例2]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料調製方法を示す。
【0206】
23重量%の溶液を、2-カルボキシエチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートをそれぞれ1:0.25:0.15:0.14のモル比で、26.3重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、59.6重量%のジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、7.3重量%の1,2-プロパンジオール及び6.8重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。10.6%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、グリセロールジメタクリレート(GDA)及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(AHM)を架橋剤として使用した。架橋剤GDA及びAHMをそれぞれ、1:0.9のモル比で添加した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0207】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分の期間、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄した後、0.1Nの水酸化ナトリウムと0.1Nの塩化ナトリウムとを含有する溶液に入れ、膜をNa+形態へと転換させた。その後、膜をRO水で洗浄し、室温にて乾燥させた。
【0208】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、溶質流束、hIgG結合能、hIgG回収率に関して行った。
【0209】
本方法によって生成した複合材料は、4,150.00kg/m2hの溶質流束及び10%ブレークスルーで175.8mg/mLのhIgG結合能を示した。hIgG回収率は95%を超えた。
【0210】
[実施例3]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料調製方法を示す。
【0211】
20.6重量%の溶液を、2-カルボキシエチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートをそれぞれ1:0.26:0.15のモル比で、27.0重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、60.0重量%のジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、6.5重量%の1,2-プロパンジオール及び6.5重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。7.7%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、グリセロールプロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレートを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0212】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄した後、0.1Nの水酸化ナトリウムと0.1Nの塩化ナトリウムとを含有する溶液に入れ、膜をNa+形態へと転換させた。その後、膜をRO水で洗浄し、室温にて乾燥させた。
【0213】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、溶質流束、hIgG結合能、hIgG回収率に関して行った。
【0214】
本方法によって生成した複合材料は、2,740.00kg/m2hの溶質流束及び10%ブレークスルーで144mg/mLのhIgG結合能を示した。hIgG回収率は95%を超えた。
【0215】
[実施例4]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料のhIgG結合能に対してイオン強度が及ぼす効果を示す。
【0216】
混合モード媒体の最も重要な特徴の1つは耐塩性である。混合モード媒体には二重の官能性があり、疎水性要素とイオン性要素を含有することから、イオン強度の増大はイオン結合の阻害要因となるが、塩濃度の上昇は疎水性吸着を促進し、塩依存性の性能に繋がる。
【0217】
実施例1に記載の通り調製した多モード陽イオン交換膜を使用して、イオン強度がhIgG結合能に及ぼす効果を検証した。0~400mMの範囲で塩化ナトリウムを含有する、pH4.5の、85mMの酢酸ナトリウムバッファーを結合バッファーとして使用した。hIgGを様々なイオン強度の結合バッファーに溶解して0.5mg/mLの溶液を調製した。実施例1に記載の通り、結合実験を行った。
図2は、10%ブレークスルーでのhIgG動的結合能を、結合バッファー中の塩含有量の関数として示す図である。Natrix弱陽イオン交換膜(Natrix C)とNatrix強陽イオン交換膜(Natrix S)についても、耐塩性試験において検証した(
図2)。
図2から分かる通り、混合モード膜に様々な官能性を組み入れると、弱陽イオン交換膜(Natrix C)の場合に見られるような耐塩性の維持だけでなく、結合能の増進も可能となる。本発明の多モード膜は、伝統的な陽イオン交換装置に比べ、開始材料の伝導性に関してはるかに広い操作範囲で上手く使用することができる。第2に、混合モード膜は、開始材料の伝導性を低下させる事前希釈を伴わずに、浄化された供給原料を直接積載するための手段として採用され得る。
【0218】
[実施例5]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料のhIgG結合能に対してpHが及ぼす効果を示す。
【0219】
pH依存性結合は、混合モード媒体の特徴の1つである。後者はpHを、移動相の伝導性を変えることなくタンパク質を溶出するための効果的な手段として使用可能にする。混合モード吸着剤は疎水性相互作用と静電相互作用の組み合わせによって動作することから、移動相pHはある種の相互作用から別の相互作用への移行に大きく影響する。
【0220】
実施例1に記載の通り調製した多モード陽イオン交換膜を使用して、pHがhIgG結合能に及ぼす効果を検証した。250mMの塩化ナトリウムを含有する85mMの酢酸ナトリウムバッファーを結合バッファーとして使用した。pHは4.0から6.0の範囲で変動した。hIgGを様々なpHの結合バッファーに溶解して0.5mg/mLの溶液を調製した。実施例1に記載の通り、結合実験を行った。
図3は、10%ブレークスルーでのhIgG動的結合能を、pHの関数として示す図である。
【0221】
pHが高くなると結合能が減少し、これは基礎的機構と整合的である。
【0222】
[実施例6]
この実施例は、モノクローナル抗体を精製するための結合・溶出モードにおける混合モード膜の使用を示す。
【0223】
ある製剤又はタンパク質A精製モノクローナル抗体からの抗体凝集物除去の増進は、混合モード媒体を結合・溶出モードで使用することにより、上手く達成され得る。「結合・溶出」モードは、混合モードクロマトグラフィー支持体に対して標的タンパク質(例:非凝集抗体)及び不要汚染物質(例:凝集抗体)の両方が結合するようにバッファー条件が確立される、クロマトグラフィーへの操作アプローチである。未処理の非凝集タンパク質の分別は結果的に、関心の的となる標的が支持体から溶出される一方で汚染物質が結合されたままの状態となるよう、条件を変えることによって達成される。これらの汚染物質は、適切な洗浄バッファーによって最適に除去され得る。
【0224】
実施例1に記載の通り調製した多モード陽イオン交換膜を使用して、膜が結合・溶出モードにおいてモノクローナル抗体を精製する性能を検証した。250mMの塩化ナトリウムを含有する、pH4.5の、85mMの酢酸ナトリウムバッファーを結合バッファーAとして使用した。タンパク質精製モノクローナル抗体(mAb)を結合バッファーAに溶解して0.5mg/mLの溶液を調製した。実施例1に記載の通りのバッファーAを使用して、1mL/分の流速にて膜を平衡化した。10%ブレークスルーで80%の動的結合能を達成するよう、mAb溶液を膜に加え、平衡バッファーAで洗浄した後、2つのステップで溶出させた。第1のステップには135mMのNaClを含有する、pH5.7、100mMのMESバッファーの溶出バッファーBとしての使用が含まれた一方、250mMのNaClを含有する、pH8.2、25mMのTRIS/HClバッファーを第2のステップで溶出バッファーCとして使用した(
図4)。溶出液を、SECカラムTSKgel G3000SW
xl(Tosoh Bioscience社製)上で分析した。100mMの硫酸ナトリウムを含有する、pH6.7、100mMのリン酸ナトリウムバッファーを移動相として使用した。800μLの試料をカラムへ、0.80mL/分で加えた。
【0225】
図4は、混合モード膜の結合・溶出モードでの性能を示す図である。2ステップの溶出により、非凝集mAbを凝集物から分離することが可能となる(
図5~7)。
【0226】
図6から分かる通り、バッファーBで溶出させたmAbの第1分画は、供給溶液に比べ凝集物含有量が著しく少ない。この混合モード膜は選択的に、凝集物の量を1.51%から0.11%にまで、即ち93%減らした。バッファーCで溶出させたmAbの第2分画は、有意な量の凝集物を示した(
図7)。
【0227】
[実施例7]
この実施例は、結合・溶出モードにおける混合モード膜の多重サイクルでの使用を示す。
【0228】
実施例1に記載の通り調製した多モード陽イオン交換膜を使用して、多重サイクルでの膜性能を検証した。結合・溶出実験を、実施例1に記載の通り行った。100mM、pH4.5、伝導性21.9mS/cmのクエン酸ナトリウムバッファーで膜を平衡化した。同じバッファーを結合バッファーAとして使用した。タンパク質精製モノクローナル抗体(mAb)を結合バッファーに溶解して0.5mg/mLの溶液を調製した。20%ブレークスルーの動的結合能を達成するよう、mAb溶液を膜に加え、平衡バッファーAで洗浄した後、実施例6に記載の通り、2つのステップで溶出した。第1のステップには135mMのNaClを含有する、pH5.7、100mMのMESバッファーの溶出バッファーBとしての使用が含まれた一方、250mMのNaClを含有する25mMのTRIS/HClバッファーを第2のステップで溶出バッファーCとして使用した。mAb供給溶液及び溶出液を、SECカラムTSKgel G3000SWxl(Tosoh Bioscience社製)上で分析した。100mMの硫酸ナトリウムを含有する、pH6.7、100mMのリン酸ナトリウムバッファーを移動相として使用した。800μLの試料をカラムへ、0.80mL/分で加えた。
【0229】
溶出物の280nmでのUV吸光度のモニタリングを行って、膜の結合能を特性評価した。その後、膜を0.1M NaCl/0.1M NaClで洗浄し、バッファーAで2度目の平衡化を行った。この処理を上記の通り繰り返した。次いで膜を0.1M NaCl/0.1M NaClで洗浄し、上記の通りバッファーAで3度目の平衡化を行った。この処理を上記の通り繰り返した。
図8は、多モード膜の多重サイクルでの性能を示す図である。
【0230】
SECカラム分析は、mAb供給溶液中での1.5%の凝集を示した。
【0231】
図8から分かる通り、Natrix多モード膜は3回の処理において、動的結合能及び選択的凝集物除去に関して同一の性能を示した。mAb処理後タンパク質Aにおける凝集物濃度は1.51%から0.11%にまで、即ち93%減少した。
【0232】
[実施例8]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料調製方法を示す。
【0233】
多モード強陰イオン交換媒体は、モノクローナル抗体(mAb)の処理後タンパク質A精製に工業規模で使用される、大きな潜在性を有する。目標は、DNA、宿主細胞(HCP)、浸出タンパク質A、凝集物及びウイルスなど主要汚染物質を1回のステップで除去することである。
【0234】
12.6重量%の溶液を、52.0重量%の1,2-プロパンジオール及び48.0重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテートを含有する溶媒混合物に、モノマーとしての(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドと、架橋剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(TRIM-A)とを溶解することによって調製した。13%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、架橋剤TRIM-Aを添加した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0235】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0236】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、水流束、溶質流束(150mMの塩化ナトリウムを含有する、pH7.0、100mMのリン酸ナトリウムバッファー)及びタンパク質A結合能に関して行った。150mMの塩化ナトリウムを含有する、pH7.0、100mMのリン酸ナトリウムバッファーに、タンパク質Aを溶解した。
【0237】
本方法によって生成した複合材料は、100kPaで1,850.00kg/m2hの水流束、2,270.00kg/m2hの溶質流束及び10%ブレークスルーで85.8mg/mLのタンパク質A結合能を示した。
【0238】
[実施例9]
この実施例は、モノクローナル抗体を精製するための流入モードにおける混合モード膜の使用を示す。
【0239】
ある製剤又はタンパク質A精製モノクローナル抗体からの抗体凝集物除去は、混合モード媒体を流入モードで使用することにより、上手く達成され得る。後者は、精製対象となる未処理の非凝集タンパク質が適用後の混合モードクロマトグラフィー支持体に流入する一方、凝集物及び他の大型分子(ウイルスを含む)が選択的に保持される結果、それらの除去を達成できるよう、バッファー条件が確立される、クロマトグラフィーへの操作アプローチを指す。
【0240】
実施例8に記載の通り調製した多モード陰イオン交換膜を使用して、膜が流入モードにおいてモノクローナル抗体を精製する性能を検証した。実施例1に記載の通り、250mMの塩化ナトリウムを含有する100mMのリン酸ナトリウムバッファー(バッファーA)を使用して、1mL/分の流速にて膜を平衡化した。タンパク質A精製モノクローナル抗体(mAb)をバッファーAに溶解し、1mL当たり300mgのmAbを1mg/mLの流速で膜に加えた。mAb供給物及び流入分画を、SECカラムTSKgel G3000SWxl(Tosoh Bioscience社製)上で分析した。100mMの硫酸ナトリウムを含有する、pH6.7、100mMのリン酸ナトリウムバッファーを移動相として使用した。800μLの試料をカラムへ、0.80mL/分で加えた。凝集レベルは1.51%から0.32%にまで減少した。
【0241】
[実施例10]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料調製方法を示す。25重量%の溶液を、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートをそれぞれ約1:約0.36:約0.52:約0.1のモル比にて、72.5重量%の1,3-ブタンジオール及び27.5重量%のN,N'-ジメチルアセトアミドを含有する溶媒混合物に溶解して調製した。12.2%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、エチレングリコールジメタクリレートを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0242】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0243】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、水流束、及び溶質流束(250mMの塩化ナトリウムを含有する、pH7.0、100mMのリン酸ナトリウムバッファー)、並びに実施例9に記載の通り、流入モードでのモノクローナル抗体からの凝集物除去に関して行った。タンパク質A精製モノクローナル抗体(mAb)をバッファーAに溶解し、1mL当たり400mgのmAbを1mg/mLの流速で膜に加えた。mAb供給物及び流入分画を、SECカラムTSKgel G3000SWxl(Tosoh Bioscience社製)上で分析した。100mMの硫酸ナトリウムを含有する、pH6.7、100mMのリン酸ナトリウムバッファーを移動相として使用した。800μLの試料をカラムへ、0.80mL/分で加えた。
【0244】
本方法によって生成した複合材料は、3,750.00kg/m2hの水流束及び4,050.00kg/m2hの溶質流束を示した。凝集レベルは1.51%から0.47%にまで減少した。
【0245】
[実施例11]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料調製方法を示す。
【0246】
19.3重量%の溶液を、2-カルボキシエチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-(メチルチオ)エチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリレートヒドロクロリド及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートをそれぞれ1:0.34:0.05:0.05:0.22のモル比で、26.7重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、61.5重量%のジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、7.1重量%の1,2-プロパンジオール及び4.7重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。5.4%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0247】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄した後、0.1Nの水酸化ナトリウムと0.1Nの塩化ナトリウムとを含有する溶液に入れ、膜をNa+形態へと転換させた。その後、膜をRO水で洗浄し、室温にて乾燥させた。
【0248】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、溶質流束(250mMのNaClを含有する、pH4.5、85mMの酢酸ナトリウムバッファー)、hIgG結合能、hIgG回収率に関して行った。
【0249】
本方法によって生成した複合材料は、2,744.00kg/m2hの溶質流束及び10%ブレークスルーで181mg/mLのhIgG結合能を示した。hIgG回収率は95%を超えた。
【0250】
[実施例12]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料の選択性を示す。
【0251】
選択性は、分離における最も重要な要因である。混合モード媒体はイオン交換及び疎水性の特性の両方を組み合わせる結果、移動相イオン強度、pH、又は有機溶媒含有量を個別に又は同時に変えることにより各保持モードにおける保持度を調整できるよう、選択性を操作することができる。
【0252】
実施例11で調製した混合モード膜を、選択性試験に使用した。典型的なHPLC機器に取り付けたステンレススチール製ディスクホルダー中に挿入した単層を用いて、膜を試験した。リゾチーム及びチトクロームCの選択的分離に関するクロマトグラフィー試験を、20mM、pH6.5のリン酸ナトリウムバッファーを移動相(バッファーA)として使用して行った。1.0Mの塩化ナトリウムを含有する20mMのリン酸ナトリウムバッファーを溶出バッファーBとして使用して、バッファーAからバッファーBへの線形勾配溶出を行った。膜のクロマトグラフィー試験を行うため、Waters 600E HPLCシステムを用いた。50μLのタンパク質混合物試料(5mg/mLのリゾチーム及び3mg/mLのチトクロームC)を注入するのに、100μLのループを使用した。膜ホルダーからの溶出液の流れのUV吸光度(280nmでの)及びシステム圧を、継続的に記録した。流速は2mL/分であった。クロマトグラフィー試験は全て25℃の状態で行った。
図10は、本発明の混合モード膜上での選択的タンパク質分離を示す図である。
【0253】
[実施例13]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料の腐食安定性を示す。
【0254】
水酸化ナトリウムは、クロマトグラフィー用の媒体及びシステムの洗浄、消毒及び保管向けに幅広く受け入れられている。その使用の便益の例として、有効性、低コスト、そして検出、除去及び処分の簡易性が挙げられる。
【0255】
水酸化ナトリウムは、タンパク質や核酸の除去に有効であることが分かっている。また、ほとんどのウイルス、バクテリア、酵母及び内毒素の不活性化にも有効である。
【0256】
選択性及び結合能を維持するには、クロマトグラフィー用の媒体及びシステムを洗浄しなければならず、これらは典型的に水酸化ナトリウムの使用など、アルカリ条件下で洗浄される。例えば、媒体の洗浄や復元に使用される標準的プロセスは定置洗浄(CIP)によるアルカリ性手順で、これは典型的に0.5MのNaOHでの膜処理が関係する。このように、クロマトグラフィー用途向けに開発される膜は、従来的な長時間にわたるアルカリ洗浄に耐えられるものでなければならない。
【0257】
実施例11に記載の通り調製した多モード陽イオン交換膜を使用して、0.5Mの水酸化ナトリウム中の膜曝露が膜の性能に及ぼす効果を検証した。0.1MのNaClを含有する0.5Mの水酸化ナトリウム中に、膜を30分から24時間の範囲で配置した。その後、膜をRO水で洗浄し、そして250mMの塩化ナトリウムを含有する、85mM、pH4.5の酢酸ナトリウムバッファーで平衡化した。次いで実施例1に記載の通り、溶質流束及びhIgG結合能を測定した。
図11は、0.1Mの塩化ナトリウムを含有する0.5Mの水酸化ナトリウム中での膜曝露が膜の溶質流束及びhIgG結合能に及ぼす効果を示す図である。
【0258】
図11から分かる通り、膜は優れた腐食安定性を示した。0.5M NaOH/0.1M NaCl中での最長24時間にわたる曝露後、膜の性能に有意な変化は見受けられなかった。
【0259】
[実施例14]
この実施例は、モノクローナル抗体を精製するための結合・溶出モードにおける混合モード膜の使用を示す。
【0260】
実施例11に記載の通り調製した多モード陽イオン交換膜を、結合・溶出モードでモノクローナル抗体を精製するための混合モード膜の使用の例示に使用した。
【0261】
膜クロマトグラフィー実験を、AKTA(商標)精製液体クロマトグラフィーシステム(GE Life Sciences社製)を使用して行った。膜ホルダーからの溶出液の流れのUV吸光度、pH及び伝導性、並びにシステム圧を、継続的にモニタリングした。250mMの塩化ナトリウムを含有する85mM、pH4.5の酢酸ナトリウムバッファー(バッファーA)に溶解した5.2μg/mLの宿主細胞タンパク質(HCP)及び100μg/mLのニシン精子DNAを使用しての、1mg/mLのタンパク質A精製モノクローナル抗体(mAb)のスパイキングにより、供給溶液を調製した。試料ポンプを使用して供給物を積載した。供給溶液を膜ホルダーへ注入する前に、安定した測定結果を得られるまでバッファーAを膜に通過させた。標的mAbを2つのステップで溶出させた。第1のステップでは15mMの塩化ナトリウムを含有する30mM、pH6.5のリン酸ナトリウムバッファーを溶出バッファー(バッファーB)として使用し、第2のステップでは1.0Mの塩化ナトリウムを含有する25mMのTRIS/HClバッファーを溶出バッファー(バッファーC)として使用した。第1の溶出ステップからの溶出液(バッファーB)を、8つの分画に分けて採取した(A1~A8)。HCPレベル及びDNA濃度を、複合分画(A1~A5)と(A6~A8)及び供給分画において測定した。
【0262】
HCPレベルの判定に、広く反応性であるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)HCP ELISAキット(Cygnus Technologies社製F550)を使用した。クロマトグラフィー実験で使用したHCPを使用して較正を行った。較正器及び試料を、試料希釈剤(Cygnus社製I028)を使用して希釈した。Thermo Scientific社製Multiskan Ascent(登録商標)プレートリーダー上で測定を行った。
【0263】
DNA濃度を、DNAアッセイ(Life Technologies社製Quant-iT(商標)PicoGreen(登録商標)dsDNAアッセイキットP11496)を使用して測定した。λDNA標準及び試料を、250mMの塩化ナトリウムを含有する85mM、pH4.5の酢酸ナトリウムバッファーで希釈した。Thermo Scientific社製Fluoroskan Ascent(登録商標)プレートリーダー上で測定を行った。
【0264】
供給溶液及び流入分画からの試料についても、吸光光度分析を使用して分析した。吸光測定結果を、260nm及び280nmの波長にて取得した。A260/A280吸光比を、測定結果から算出した。A260/A280が1.8以上の場合、分析対象試料が相対的にタンパク質を含有しないことを意味すると解釈された。
【0265】
mAb供給物及び溶出分画A6~A8も、SECカラムTSKgel G3000SW
xl(Tosoh Bioscience社製)上で分析した(
図13)。100mMの硫酸ナトリウムを含有する、pH6.7、100mMのリン酸ナトリウムバッファーを移動相として使用した。800μLの試料をカラムへ、0.75mL/分で加えた。
【0266】
HCP/DNA除去に関する要約データが
図14に示されている。
【0267】
図13と
図14から分かる通り、実施例11に記載の混合モード膜は、HCP/DNA除去はもとより、凝集物除去に関しても優れた性能を示した。この膜は抗体プロセスにおける捕捉ステップで使用することができる。
【0268】
[実施例15]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0269】
13.7重量%の溶液を、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2-アミノエチルメタクリレートヒドロクロリド及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートをそれぞれ約1:約0.46:約0.085のモル比にて、52.7重量%の1.2-プロパンジオール、41.9重量%のトリ(プロピレングリコール)プロピルエーテル及び5.4重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。9.4%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、トリメチロールプロパントリメタクリレートを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0270】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで入念に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0271】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、水流束、溶質流束(150mMの塩化ナトリウムを含有する100mM、pH7.0のリン酸ナトリウムバッファー)、タンパク質A及びニシン精子DNAの結合能に関して行った。150mMの塩化ナトリウムを含有する100mM、pH7.0のリン酸ナトリウムバッファーにタンパクAを、そして150mMの塩化ナトリウムを含有する20mM、pH6.5のリン酸ナトリウムバッファーにニシン精子DNAを溶解した。
【0272】
本方法によって生成した複合材料は、100kPaで3,735.00kg/m2hの水流束、4,330.00kg/m2hの溶質流束及び10%ブレークスルーで125.5mg/mLのタンパク質A結合能及び20mg/mLのニシン精子DNA結合能を示した。
【0273】
[実施例16]
この実施例は、hIgGを精製するための流入モードにおける混合モード膜の使用を示す。
【0274】
実施例15に記載の通り調製した多モード陰イオン交換膜を使用して、膜が流入モードにおいて凝集物からhIgGを精製する性能を検証した。実施例1に記載の通り、150mMの塩化ナトリウムを含有する20mMのリン酸ナトリウムバッファー(バッファーA)を使用して、1mL/分の流速にて膜を平衡化した。hIgGをバッファーAに溶解し、1mL当たり300mgのhIgGを1mg/mLの流速で膜に加えた。100mM、pH4.2の酢酸ナトリウムバッファーで凝集物を溶出させた(
図12)。hIgG供給物及び流入分画を、SECカラムTSKgel G3000SW
xl(Tosoh Bioscience社製)上で分析した。100mMの硫酸ナトリウムを含有する、pH6.7、100mMのリン酸ナトリウムバッファーを移動相として使用した。800μLの試料をカラムへ、0.80mL/分の割合で加えた。凝集レベルは15.1%から8.3%にまで減少した。
【0275】
[実施例17]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の強陽イオン交換材料調製方法を示す。
【0276】
13.2重量%の溶液を、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド及びN-フェニルアクリルアミドをそれぞれ1:0.18:0.1のモル比で、17.8重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、54.1重量%のジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、17.2重量%の1,2-プロパンジオール及び10.9重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。12%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)を架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0277】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0278】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、溶質流束(250mMのNaClを含有する85mM、pH4.5の酢酸ナトリウムバッファー)、hIgG結合能(NaClを含有する85mM、pH4.5、伝導性15mS/cmの酢酸ナトリウムバッファーにhIgGを溶解させた)及びhIgG回収率に関して行った。
【0279】
本方法によって生成した複合材料は、1,564.00kg/m2hの溶質流束及び10%ブレークスルーで91.5mg/mLのhIgG結合能を示した。hIgG回収率は95%を超えた。
【0280】
[実施例18]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料の選択性を示す。
【0281】
実施例17で調製した混合モード膜を、選択性試験に使用した。典型的なHPLC機器に取り付けたステンレススチール製ディスクホルダー中に挿入した単層を使用して、膜を試験した。ミオグロビン、リボヌクレアーゼA及びリゾチームの選択的分離に関するクロマトグラフィー試験を、20mM、pH6.5のリン酸ナトリウムバッファーを移動相(バッファーA)として使用して行った。1.0Mの塩化ナトリウムを含有する20mMのリン酸ナトリウムバッファーを溶出バッファーBとして使用して、バッファーAからバッファーBへの線形勾配溶出を行った。膜のクロマトグラフィー試験を行うため、Waters 600E HPLCシステムを用いた。50μLのタンパク質混合物試料(5.4mg/mLのリボヌクレアーゼA、3.3mg/mLのミオグロビン及び7mg/mLのリゾチームを容積比1:0.25:0.15で混合したもの)を注入するのに、100μLのループを用いた。膜ホルダーからの溶出液の流れのUV吸光度(波長280nm)及びシステム圧を継連続的に記録した。流速は3mL/分であった。クロマトグラフィー試験は全て25℃の状態で行った。
図15は、本発明の混合モード膜上での選択的タンパク質分離を示す図である。
【0282】
[実施例19]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の強陽イオン交換材料の性能に対して、使用するコモノマーの性質が及ぼす効果を示す。
【0283】
様々なコモノマーを使用して、実施例17に記載の通り、一連の多モード強陽イオン交換膜を調製した。このように、13.2重量%の溶液を、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)(又はN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド(THMAAm)又はN-(3-メトキシプロピル)アクリルアミド(MPAAm)又はN,N'-ジメチルアクリルアミド(DMAAm))及びN-フェニルアクリルアミドをそれぞれ1:0.18:0.1のモル比で、17.8重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、54.1重量%のジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、17.2重量%の1,2-プロパンジオール及び10.9重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。12%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)を架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0284】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0285】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、流束(85mM酢酸ナトリウムバッファー/250mMのNaCl、pH4.5、及び25mMのTRIS/HCl、250mMのNaCl、pH8.21)、hIgG結合能、hIgG回収率に関して行った。
【0286】
図16及び17は、使用されるコモノマーの性質が膜性能に及ぼす効果を示す図である。
【0287】
検証した全ての膜について、hIgG回収率は95%を超えた。
【0288】
N-イソプロピルアクリルアミドを強陽イオン交換混合モード製剤においてコモノマーとして使用したところ、膜は透過性と結合能の両面で良好な結果を示した。
【0289】
[実施例20]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の強陽イオン交換材料の性能に対して、使用する架橋剤の性質が及ぼす効果を示す。
【0290】
様々な架橋剤を使用して、一連の多モード強陽イオン交換膜を調製した。このように、14.5重量%の溶液を、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩、N-イソプロピルアクリルアミド及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートをそれぞれ1:0.1:0.15のモル比で、23.7重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、55.5重量%のトリ(プロピレングリコール)メチルエーテル、8.7重量%の1,2-プロパンジオール及び12.1重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。10%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)(又はN,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)(Hexa-BIS)又は2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン(T-XL-1)又は1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン(T-XL-2)又は1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(T-XL-3)又はグリオキサルビス(ジアリルアセタール)(GBDA又はGBDE))を架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0291】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0292】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の通り、流束(85mMの酢酸ナトリウムバッファー/250mMのNaCl、pH4.5、及び25mMのTRIS/HCl、250mMのNaCl、pH8.2)、hIgG結合能、hIgG回収率に関して行った。
【0293】
図18及び19は、使用される架橋剤の性質が膜性能に及ぼす効果を示す図である。
【0294】
検証した全ての膜について、hIgG回収率は95%を超えた。
【0295】
上記の通り
図18及び
図19に記載のデータから分かる通り、使用される架橋剤の性質は、膜孔のサイズ、孔容積分画及び相互連結の制御に重要な役割を果たす。三官能性架橋剤1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンを採用したところ、良好な透過性を有する膜が得られた。
【0296】
[実施例21]
この実施例は、実施例8に従って調製される、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料のゲル形態を示す。
【0297】
実施例8に従って調製した混合モード膜のゲル形態を、環境走査型電子顕微鏡(ESEM、Philips Electroscan、E-2020型、Electroscan社(米国)製)を使用して検証した。膜の小型試料(3mm×3mm)をDI水に浸漬し、表面水を湿ったろ紙で除去し、湿った膜を試料室に入れた。加熱効果と試料損傷の両方を抑制するため、大きいスポットサイズ及び1500倍未満の倍率と併せて、20kVの加速電圧を使用した。ビームの散乱を最小限に抑えるよう、作動距離を9~13mmとした。標本室内は圧力を1~4トールの間に維持し、またペルチェ冷却式試料台を使用して温度を3±0.5℃に維持した。十分な部分水圧を維持するよう、試料室に周期的に水蒸気を掛けて、膜の一定した水和反応を確保し、また膜のゲル形態の何らかの変化に繋がるおそれのある試料乾燥を防止した。ESEM顕微鏡写真は、陰イオン交換混合モード膜における発達したマクロ多孔性構造を示した(
図20)。
【0298】
[実施例22]
この実施例は、実施例11に従って調製される、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料のゲル形態を示す。
【0299】
実施例11に従って調製した混合モード膜のゲル形態を、実施例21に記載の環境走査型電子顕微鏡を使用して検証した(
図21)。
【0300】
図21から分かる通り、実施例11に従って調製した陽イオン交換混合モード膜は、マクロ多孔性構造を有する。
【0301】
[実施例23]
この実施例は、実施例17に従って調製される、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料のゲル形態を示す。
【0302】
実施例17に従って調製した混合モード膜のゲル形態を、実施例21に記載の環境走査型電子顕微鏡を使用して検証した(
図22)。
【0303】
図22から分かる通り、ESEM顕微鏡写真は、実施例17に従って調製した陽イオン交換混合モード膜のマクロ多孔性構造を実証するものである。
【0304】
[実施例24]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0305】
15.5重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)及びN-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドをそれぞれ1:1.17のモル比で、44.04重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、43.71重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び12.25重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。6.71%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0306】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をRO水で少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0307】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0308】
本方法によって生成した複合材料は、3,970.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで87.4mg/mLのBSA結合能を示した。
【0309】
膜の孔サイズ分析を、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社(PMI)製)を使用して行った。膜クーポン(直径25mm)を試料から切り取った。過剰の水を湿ったろ紙で除去し、マイクロメーターを使用して平均湿潤厚さを記録した。その後、膜クーポンを支持体スクリーンに載せ、CFP機の空気ポート上方の試料台に取り付けた。CFP手順に従って自動試験を実行した。試験の結果、平均流動孔直径は0.71μm、バブルポイント孔直径は1.81μmであった。
【0310】
[実施例25]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0311】
13.6重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)、N-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド及びN-tert-ブチルアクリルアミドをそれぞれ1:0.53:0.1のモル比で、60.32重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、29.01重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び10.67重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。9.91%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0312】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0313】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0314】
本方法によって生成した複合材料は、1,826.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで151.5mg/mLのBSA結合能を示した。
【0315】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。試験の結果、平均流動孔直径は0.59μm、バブルポイント孔直径は1.74μmであった。
【0316】
[実施例26]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0317】
11.8重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)及びN-tert-ブチルアクリルアミドをそれぞれ1:0.09のモル比で、60.64重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、28.87重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び10.49重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。7.25%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0318】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0319】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0320】
本方法によって生成した複合材料は、1,235.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで196.8mg/mLのBSA結合能を示した。
【0321】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。試験の結果、平均流動孔直径は0.31μm、バブルポイント孔直径は1.50μmであった。
【0322】
[実施例27]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0323】
12.2重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)、N-tert-ブチルアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドをそれぞれ1:0.1:0.1のモル比で、61.11重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、30.15重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び8.75重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。7.25%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0324】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0325】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0326】
本方法によって生成した複合材料は、1,075.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで184.2mg/mLのBSA結合能を示した。
【0327】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。試験の結果、平均流動孔直径は0.21μm、バブルポイント孔直径は0.95μmであった。
【0328】
[実施例28]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0329】
12.8重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)、N-フェニルアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドをそれぞれ1:0.08:0.16のモル比で、61.89重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、29.97重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び8.14重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。10.43%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0330】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0331】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0332】
本方法によって生成した複合材料は、1,135.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで187.9mg/mLのBSA結合能を示した。
【0333】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。試験の結果、平均流動孔直径は0.29μm、バブルポイント孔直径は1.15μmであった。
【0334】
[実施例29]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0335】
13.2重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)、N-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド及びN-フェニルアクリルアミドをそれぞれ1:0.51:0.09のモル比で、62.18重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、29.55重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び11.33重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。10.43%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0336】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0337】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0338】
本方法によって生成した複合材料は、2,810.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで122.4mg/mLのBSA結合能を示した。
【0339】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。試験の結果、平均流動孔直径は0.65μm、バブルポイント孔直径は1.69μmであった。
【0340】
[実施例30]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陰イオン交換材料の調製方法を示す。
【0341】
12.2重量%の溶液を、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(75重量%水溶液)及びアクリル酸をそれぞれ1:1.19のモル比で、60.27重量%のN,N'-ジメチルアセトアミド、29.73重量%のジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート及び10.00重量%の水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。7.25%(mol/mol)の架橋密度を達成するよう、N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。
【0342】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄した。
【0343】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(25mMのTris/HCl、pH8.2)及びBSA結合能に関して行った。
【0344】
本方法によって生成した複合材料は、1,850.00kg/m2hの溶質流束、及び25mM、pH8.2のTris/HClを結合バッファーとして使用し、10%ブレークスルーで150.5mg/mLのBSA結合能を示した。
【0345】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。試験の結果、平均流動孔直径は0.57μm、バブルポイント孔直径は1.44μmであった。
【0346】
[実施例31]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料の膜性能に対して疎水性が及ぼす効果を示す。
【0347】
10.5重量%の溶液を、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS)、N-フェニルアクリルアミド(PhAAm)又はN-tert-ブチルアクリルアミド(BuAAm)(PhAAm及びBuAAmのモノマーは下記の
図23ではHmと称されている)及びN-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAAm)を、N,N'-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジ(プロピレングリコール)メチル(DPM)、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル(DMM)、プロピレンカーボネート(PrCarb)、1,2-プロパンジオール(Prdiol)及び水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。N,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)を架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。製剤特性が下記の
図23に示されている。
【0348】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を用いて、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料を、0.25MのNaOH及び0.5MのNaClを含有する溶液に10分間配置した後、膜をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0349】
このように得られた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(85mMのNaAc/NaCl、伝導性15mS/cm、pH4.4)、hIgG結合能(BC)及びタンパク質回収率に関して行った。85mMのNaAc/NaCl、伝導性15mS/cm及びpH4.4の溶液を結合バッファーとして使用し、また250mMのNaClを含有する25mM、pH8.2のTris/HClバッファーを溶出バッファーとして使用した。
【0350】
水中膨張を、乾燥膜を水に15分間浸漬した後の厚さの増加率として測定した。
【0351】
膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。
【0352】
様々な疎水性成分を有する陽イオン交換混合モード膜の性能特性が、下記の
図24に示されている。
【0353】
図24から分かる通り、フェニル含有膜はより低いバッファー流束と、より高い動的結合能を示した。後者は、フェニルベースの膜がブチルベースの膜に比べ、より親水性であるという性質と整合的である。
【0354】
[実施例32]
この実施例は、多モード官能性を有する本発明の陽イオン交換材料の性能に対してコモノマーの性質が及ぼす効果を示す。
【0355】
10.5重量%の溶液を、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS)、N-tert-ブチルアクリルアミド(BuAAm)及びN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)又はN,N'-ジメチルアクリルアミド(DMAAm)又はジアセトンアクリルアミド(DAAm)又はN-ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAAM)(コモノマーは下記の
図25ではCMと称されている)を、N,N'-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジ(プロピレングリコール)メチル(DPM)、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル(DMM)、プロピレンカーボネート(PrCarb)、1,2-プロパンジオール(Prdiol)及び水を含有する溶媒混合物に溶解して調製した。N,N'-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として使用した。光開始剤Irgacure 2959を、モノマーの質量に対して1重量%の量、添加した。製剤特性が下記の
図25に示されている。
【0356】
複合材料を、上記(実施例1)の一般的手順に従って光開始重合を使用して、溶液及び支持体TR0671 B50(Hollingsworth & Vose社製)から調製した。試料を4分間及び10分間にわたり、350nmにて照射した。その結果得られた複合材料を、0.25MのNaOH及び0.5MのNaClを含有する溶液に10分間配置した後、膜をROで少なくとも3回、徹底的に洗浄し、室温で乾燥させた。
【0357】
10分間の照射を受けた膜の特性評価を、実施例1に記載の一般的手順を使用して、溶質流束(85mMのNaAc/NaCl、伝導性15mS/cm、pH4.4)、hIgG結合能(BC)及びタンパク質回収率に関して行った。85mMのNaAc、伝導性15mS/cm及びpH4.4の溶液を結合バッファーとして使用し、また250mMのNaClを含有する25mM、pH8.2のTris/HClバッファーを溶出バッファーとして使用した。水中膨張を、乾燥膜を水に15分間浸漬した後の厚さの増加率として測定した。
【0358】
4分間の照射を受けた膜及び10分間の照射を受けた膜の両方について、平均流動孔サイズ及びバブルポイント孔サイズに関する特性評価を行った。膜の孔サイズ分析を、実施例24に記載の通り、全自動毛細管流動ポロメーターCFP-1500-AE(Porous Materials社製)を使用して行った。
【0359】
様々な疎水性成分を有する陽イオン交換混合モード膜の性能特性が、下記の
図26に示されている。
【0360】
この実施例で使用した選択されたコモノマーは全て親水性で、水に完全に/又は部分的に溶解し、また重合率に関してAMPSモノマーとの相溶性が非常に高い。
図26から分かる通り、コモノマーの種類を変えると、膜のバッファー流束、hIgG動的結合能、孔サイズ及び膨張率が変動する結果となる。4分間及び10分間の重合時間条件で調製したNIPAMベース、DAAmベース及びHEAAmベースの膜は、平均流動孔サイズ及びバブルポイント孔サイズが同等であった。後者は、これらの事例において発生した高い重合率を意味する。
【0361】
参照による援用
本明細書に引用する米国特許及び米国特許出願公開は全て、参照によって本明細書に 援用される。
【0362】
同等物
当業者であれば、日常的な実験を用いるだけで、本明細書に記載する本発明の特定の実施形態に対する多くの同等物を認め、確認することができる。このような同等物は、以下の特許請求の範囲によって含まれるものとされる。
本発明の実施形態として、例えば以下を挙げることができる。
(1) 支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
第1の官能性及び第2の官能性を含み、第1の官能性及び第2の官能性が陽イオン性、陰イオン性、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性であり、第1の官能性が第2の官能性と異なる、架橋ゲルと
を含み、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、複合材料。
(2) 架橋ゲルがマクロ多孔性である、(1)に記載の複合材料。
(3) 架橋ゲルが2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-(メチルチオ)エチルメタクリレート、アクリルアミド、N-アクリルオキシスクシンイミド、ブチルアクリレート若しくはメタクリレート、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、N-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、エチルアクリレート若しくはメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート若しくはメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、メタクリルアミド、メタクリル酸無水物、プロピルアクリレート若しくはメタクリレート、N-イソプロピルアクリルアミド、スチレン、4-ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、N-ビニル-2-ピロリジノン(VP)、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アルギン酸、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムハロゲン化物、ジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物、4-ビニル-N-メチルピリジニウムハロゲン化物、ビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、3-スルホプロピルメタクリレート、2-(2-メトキシ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-(3-メトキシプロピルアクリルアミド)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、又はジアセトンアクリルアミドに由来するポリマーを含む、(1)又は(2)に記載の複合材料。
(4) 架橋ゲルが2以上のモノマーに由来するポリマーを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の複合材料。
(5) 架橋ゲルが2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートに由来するポリマーを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の複合材料。
(6) 架橋ゲルが2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートに由来するポリマーを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の複合材料。
(7) 架橋ゲルが2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートに由来するポリマーを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の複合材料。
(8) 架橋ゲルがビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムクロリドに由来するポリマーを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の複合材料。
(9) 架橋ゲルが2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートに由来するポリマーを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の複合材料。
(10) 架橋剤が、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ビスアクリルアミド酢酸、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、ブタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,10-ドデカンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ジアクリロイルピペラジン、ジアリルフタレート、2,2-ジメチルプロパンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、N,N-ドデカメチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールトリス(アクリルオキシプロピル)エーテル、N,N'-ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N'-オクタメチレンビスアクリルアミド、1,5-ペンタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-フェニレンジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びジメタクリレート、ポリ(プロピレン)ジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジアリルジグリコールカーボネート、ポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、N,N'-ジメタクリロイルピペラジン、ジビニルグリコール、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、1,1,1-トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM-M)、ビニルアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、芳香族ジメタクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン修飾ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)、並びにグリオキサルビス(ジアリルアセタール)からなる群から選択される、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(11) 架橋剤がグリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレートである、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(12) 架橋剤がグリセロールジメタクリレート又は3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(13) 架橋剤がグリセロールジメタクリレート及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(14) 架橋剤がグリセロールプロポキシレートトリアクリレートである、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(15) 架橋剤が1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレートである、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(16) 架橋剤がエチレングリコールジメタクリレートである、(1)から(9)のいずれかに記載の複合材料。
(17) 架橋ゲルがマクロ孔を含み、マクロ多孔性架橋ゲルの気孔率が約30%から約80%であり、マクロ孔の平均孔直径が約10nmから約3000nmである、(1)から(16)のいずれかに記載の複合材料。
(18) マクロ孔の平均孔直径が約25nmから約1500nmである、(17)に記載の複合材料。
(19) 複合材料が膜である、(1)から(18)のいずれかに記載の複合材料。
(20) 支持部材の厚さが約10μmから約500μmである、(1)から(19)のいずれかに記載の複合材料。
(21) 支持部材の孔の平均孔直径が約0.1μmから約25μmである、(1)から(20)のいずれかに記載の複合材料。
(22) 第1の流速で、物質を含む第1の流体を(1)から(21)のいずれかに記載の複合材料と接触させ、それによって物質の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含む方法。
(23) 第1の流体が、断片化した抗体、凝集した抗体、宿主細胞タンパク質、ポリヌクレオチド、内毒素、又はウイルスをさらに含む、(22)に記載の方法。
(24) 第1の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、(22)又は(23)に記載の方法。
(25) 第2の流速で、第2の流体を、複合材料上に吸着又は吸収されている物質と接触させ、それによって物質の第1の部分を複合材料から放出するステップをさらに含む、(22)から(24)のいずれかに記載の方法。
(26) 第2の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、(25)に記載の方法。(27) 第3の流速で、第3の流体を、複合材料上に吸着又は吸収されている物質と接触させ、それによって物質の第2の部分を複合材料から放出するステップをさらに含む、(22)から(26)のいずれかに記載の方法。
(28) 物質が生物学的分子又は生物学的イオンである、(22)から(27)のいずれかに記載の方法。
(29) 生物学的分子又は生物学的イオンが、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物起源のγ-グロブリン、ヒト及び動物起源の免疫グロブリン、組換え及び天然起源のタンパク質、合成及び天然起源のポリペプチド、インターロイキン-2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン及びその阻害物質、チトクロームC、ミオグロビン、ミオグロブリン、α-キモトリプシノーゲン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来生成物、合成及び天然起源のDNA、並びに合成及び天然起源のRNAからなる群から選択される、(28)に記載の方法。
(30) 生物学的分子又は生物学的イオンが、リゾチーム、hIgG、ミオグロビン、ヒト血清アルブミン、ダイズトリプシン阻害物質、トランスファリング(transferring)、エノラーゼ、オバルブミン、リボヌクレアーゼ、卵トリプシン阻害物質、チトクロームC、アネキシンV、又はα-キモトリプシノーゲンである、(28)に記載の方法。
(31) 第1の流体がバッファーである、(22)から(30)のいずれかに記載の方法。
(32) 第1の流体中のバッファーの濃度が約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約0.1M、約0.11M、約0.12M、約0.13M、約0.14M、約0.15M、約0.16M、約0.17M、約0.18M、約0.19M又は約0.2Mである、(31)に記載の方法。
(33) 第1の流体のpHが約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約7、約8、又は約9である、(22)から(32)のいずれかに記載の方法。
(34) 第1の流体が酢酸ナトリウムを含む、(22)から(33)のいずれかに記載の方法。
(35) 第1の流体がクエン酸ナトリウムを含む、(22)から(33)のいずれかに記載の方法。(36) 第1の流体がリン酸ナトリウムを含む、(22)から(33)のいずれかに記載の方法。
(37) 第1の流体が塩を含む、(22)から(36)のいずれかに記載の方法。
(38) 第1の流体が塩化ナトリウムを含む、(22)から(36)のいずれかに記載の方法。
(39) 第1の流体が浄化された細胞培養上清である、(22)から(38)のいずれかに記載の方法。
(40) 第1の流体中の物質濃度が約0.2mg/mLから約10mg/mLである、(22)から(39)のいずれかに記載の方法。
(41) 第1の流速が最大約50総容積/分である、(22)から(40)のいずれかに記載の方法。
(42) 第1の流速が約0.5mL/分から約2mL/分である、(22)から(40)のいずれかに記載の方法。
(43) 第2の流体がバッファーである、(22)から(42)のいずれかに記載の方法。
(44) 第2の流体が2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸を含む、(22)から(43)のいずれかに記載の方法。
(45) 第2の流体が2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸を約50mMから約150mMの濃度で含む、(22)から(43)のいずれかに記載の方法。
(46) 第2の流体のpHが約4から約8である、(22)から(45)のいずれかに記載の方法。
(47) 第2の流体が塩を含む、(22)から(46)のいずれかに記載の方法。
(48) 第2の流体中の塩濃度が約70mMから約200mMである、(47)に記載の方法。
(49) 第3の流体がバッファーである、(22)から(48)のいずれかに記載の方法。
(50) 第3の流体が2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール/HCl(TRIS/HCl)を含む、(22)から(48)のいずれかに記載の方法。
(51) 第3の流体のpHが約7から約9である、(22)から(50)のいずれかに記載の方法。
(52) 第3の流体が塩を含む、(22)から(51)のいずれかに記載の方法。
(53) 第2の流体中の塩濃度が約125mMから約400mMである、(52)に記載の方法。
(54) 複合材料を洗浄するステップと、
前記ステップを繰り返すステップと
をさらに含む、(22)から(53)のいずれかに記載の方法。
(55) 物質及び不要材料を含む第1の流体を(1)から(21)のいずれかに記載の複合材料と第1の流速で接触させ、それによって不要材料の一部分を複合材料上に吸着又は吸収させるステップを含む方法。
(56) 不要材料が、断片化した抗体、凝集した抗体、宿主細胞タンパク質、ポリヌクレオチド、内毒素、又はウイルスを含む、(55)に記載の方法。
(57) 実質的に全ての不要材料が複合材料上に吸着又は吸収される、(55)又は(56)に記載の方法。
(58) 第1の流体の流体流路が複合材料のマクロ孔を実質的に通る、(55)から(57)のいずれかに記載の方法。
(59) 物質が生物学的分子又は生物学的イオンである、(55)から(58)のいずれかに記載の方法。
(60) 生物学的分子又は生物学的イオンが、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物起源のγ-グロブリン、ヒト及び動物起源の免疫グロブリン、組換え及び天然起源のタンパク質、合成及び天然起源のポリペプチド、インターロイキン-2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン及びその阻害物質、チトクロームC、ミオグロビン、ミオグロブリン、α-キモトリプシノーゲン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来生成物、合成及び天然起源のDNA、並びに合成及び天然起源のRNAからなる群から選択される、(59)に記載の方法。
(61) 生物学的分子又は生物学的イオンが、リゾチーム、hIgG、ミオグロビン、ヒト血清アルブミン、ダイズトリプシン阻害物質、トランスファリング、エノラーゼ、オバルブミン、リボヌクレアーゼ、卵トリプシン阻害物質、チトクロームC、アネキシンV、又はα-キモトリプシノーゲンである、(59)に記載の方法。
(62) 第1の流体がバッファーである、(55)から(61)のいずれかに記載の方法。
(63) 第1の流体が酢酸ナトリウムを含む、(55)から(62)のいずれかに記載の方法。
(64) 第1の流体がクエン酸ナトリウムを含む、(55)から(62)のいずれかに記載の方法。(65) 第1の流体がリン酸ナトリウムを含む、(55)から(62)のいずれかに記載の方法。
(66) 第1の流体が塩を含む、(55)から(65)のいずれかに記載の方法。
(67) 第1の流体が塩化ナトリウムを含む、(55)から(66)のいずれかに記載の方法。
(68) 第1の流速が約0.5mL/分から約2mL/分である、(55)から(67)のいずれかに記載の方法。
(69) 第1の流体が浄化された細胞培養上清である、(55)から(68)のいずれかに記載の方法。
(70) 第1のモノマー、光開始剤、架橋剤、及び溶媒を合わせ、それによってモノマー混合物を形成するステップと、
支持部材をモノマー混合物と接触させ、それによって修飾された支持部材を形成するステップであって、支持部材が支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含み、孔の平均孔直径は約0.1から約25μmであるステップと、
修飾された支持部材をポリマーシートで覆い、それによって覆われた支持部材を形成するステップと、
覆われた支持部材を一定期間照射し、それによって複合材料を形成するステップと
を含む、複合材料を作成する方法。
(71) 複合材料が(1)から(21)のいずれかに記載の複合材料である、(70)に記載の方法。(72) 複合材料を第2の溶媒で洗浄し、それによって洗浄済み複合材料を形成するステップをさらに含む、(70)又は(71)に記載の方法。ある実施形態において、第2の溶媒は水である。
(73) 複合材料又は洗浄済み複合材料を塩溶液と接触させるステップをさらに含む、(70)から(72)のいずれかに記載の方法。
(74) 塩溶液が水酸化ナトリウムを含む、(73)に記載の方法。
(75) 塩溶液が塩化ナトリウムを含む、(73)又は(74)に記載の方法。
(76) 過剰のモノマー混合物を覆われた支持部材から除去するステップをさらに含む、(70)から(75)のいずれかに記載の方法。
(77) モノマー混合物が2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-(メチルチオ)エチルメタクリレート、アクリルアミド、N-アクリルオキシスクシンイミド、ブチルアクリレート若しくはメタクリレート、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、N-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、エチルアクリレート若しくはメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート若しくはメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、メタクリルアミド、メタクリル酸無水物、プロピルアクリレート若しくはメタクリレート、N-イソプロピルアクリルアミド、スチレン、4-ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、N-ビニル-2-ピロリジノン(VP)、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アルギン酸、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムハロゲン化物、ジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物、4-ビニル-N-メチルピリジニウムハロゲン化物、ビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、3-スルホプロピルメタクリレート、2-(2-メトキシ)エチルアクリレート若しくはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-(3-メトキシプロピルアクリルアミド)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、又はジアセトンアクリルアミドを含む、(70)から(76)のいずれかに記載の方法。
(78) モノマー混合物が2以上のモノマーを含む、(70)から(77)のいずれかに記載の方法。
(79) モノマー混合物が2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-(メチルチオ)エチルメタクリレートを含む、(70)から(78)のいずれかに記載の方法。
(80) モノマー混合物が2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、(70)から(78)のいずれかに記載の方法。
(81) モノマー混合物が2-カルボキシエチルアクリレート、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレートを含む、(70)から(78)のいずれかに記載の方法。
(82) モノマー混合物がビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムハロゲン化物を含む、(70)から(78)のいずれかに記載の方法。
(83) モノマー混合物がビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウムクロリドを含む、(70)から(78)のいずれかに記載の方法。
(84) モノマー混合物が2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ar-ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、及び2-アミノエチルメタクリレートを含む、(70)から(78)のいずれかに記載の方法。(85) モノマーが溶媒中に合計で約6%(w/w)から約38%(w/w)存在する、(70)から(84)のいずれかに記載の方法。
(86) 光開始剤が、モノマー混合物中にモノマーの全重量に対して約0.4%(w/w)から約2.5%(w/w)までの量で存在する、(70)から(85)のいずれかに記載の方法。
(87) 光開始剤が、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン及びベンゾインエーテル、ジアルコキシアセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、及びα-ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステルからなる群から選択される、(70)から(86)のいずれかに記載の方法。
(88) 溶媒が、1,3-ブタンジオール、ジ(プロピレングリコール)プロピルエーテル、N,N-ジメチルアセトアミド、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、1,2-プロパンジオール、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテート(DPMA)、水、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、エタノール、N-メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトニトリル、N-メチルアセトアミド、プロパノール、トリ(プロピレングリコール)プロピルエーテル、又はメタノールを含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(89) 溶媒が、N,N-ジメチルアセトアミド、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、1,2-プロパンジオール、及び水を含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(90) 溶媒がN,N-ジメチルアセトアミドを含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。(91) 溶媒がジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテルを含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(92) 溶媒が1,2-プロパンジオールを含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(93) 溶媒が水を含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(94) 溶媒がジ(プロピレングリコール)メチルエーテルアセテートを含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(95) 溶媒が、1,3-ブタンジオール又はトリ(プロピレングリコール)プロピルエーテルを含む、(70)から(87)のいずれかに記載の方法。
(96) 架橋剤が、溶媒中に約4%から約25%(w/w)存在する、(70)から(95)のいずれかに記載の方法。
(97) 架橋剤が、グリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ビスアクリルアミド酢酸、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)プロパン、ブタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,10-ドデカンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,4-ジアクリロイルピペラジン、ジアリルフタレート、2,2-ジメチルプロパンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、N,N-ドデカメチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールトリス(アクリルオキシプロピル)エーテル、N,N'-ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N'-オクタメチレンビスアクリルアミド、1,5-ペンタンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-フェニレンジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びジメタクリレート、ポリ(プロピレン)ジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジアリルジグリコールカーボネート、ポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、N,N'-ジメタクリロイルピペラジン、ジビニルグリコール、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、1,1,1-トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM-M)、ビニルアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート及びジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、芳香族ジメタクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン修飾ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、N,N'-ヘキサメチレンビス(メタクリルアミド)、並びにグリオキサルビス(ジアリルアセタール)からなる群から選択される、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(98) 架橋剤がグリセロール1,3-ジグリセロレートジアクリレートである、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(99) 架橋剤がグリセロールジメタクリレート又は3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(100) 架橋剤がグリセロールジメタクリレート及び3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(101) 架橋剤がグリセロールプロポキシレートトリアクリレートである、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(102) 架橋剤が1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート又は1,1,1-トリメチロールプロパントリメタクリレートである、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(103) 架橋剤がエチレングリコールジメタクリレート又はN,N'-メチレンビスアクリルアミドである、(70)から(96)のいずれかに記載の方法。
(104) 覆われた支持部材が約350nmで照射を受ける、(70)から(103)のいずれかに記載の方法。
(105) 支持部材を貫いて伸びている複数の孔を含む支持部材と、
第1の官能性及び第2の官能性を含み、第1の官能性及び第2の官能性が強陽イオン、弱陽イオン、強陰イオン、弱陰イオン、疎水性、親水性、親チオ性、水素結合供与性、水素結合受容性、π-π結合供与性、π-π結合受容性、又は金属キレート性であり、第1の官能性が第2の官能性と異なる、架橋ゲルと
を含み、
架橋ゲルが支持部材の孔中に位置する、
複合材料。
(106) 第1の官能性が強陽イオンであり、第2の官能性が弱陰イオンである、(105)に記載の複合材料。