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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】容器および蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 53/02 20060101AFI20230317BHJP
   B65D 43/16 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
B65D53/02 ZAB
B65D43/16 300
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021030887
(22)【出願日】2021-02-26
(62)【分割の表示】P 2018544868の分割
【原出願日】2017-03-06
(65)【公開番号】P2021098549
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】62/303,483
(32)【優先日】2016-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/419,275
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501014005
【氏名又は名称】シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド
【住所又は居所原語表記】960 West Veterans Boulevard, Auburn, Alabama 36832 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・アール・フリードマン
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・リー・フーバー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ティフト
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン・リー・ルーカス・ジュニア
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-136933(JP,A)
【文献】特開平11-075933(JP,A)
【文献】特開2013-133143(JP,A)
【文献】特開平06-298272(JP,A)
【文献】特開2003-261160(JP,A)
【文献】特開2007-304098(JP,A)
【文献】国際公開第2014/116622(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 53/02
B65D 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿密容器であって、
ベースと前記ベースから延在する側壁とを有する容器本体であって、前記本体が製品を収容するために構成される内部を画定し、前記本体が前記内部に通じる開口をさらに有する、容器本体と、
ヒンジで前記本体に接続され、垂下スカートを含む蓋であって、前記蓋が前記本体との湿密シールを作成するように前記開口を覆う閉位置と、前記開口が露出される開位置との間で前記容器を移行させるために、前記容器本体に対して前記ヒンジのまわりで枢動可能であり、前記蓋が前記閉位置にあるとき、前記湿密シールが前記本体と前記蓋との間で直列に存在する複数の係合された合致シールを備え、前記複数の係合された合致シールが少なくとも第1のシールと第2のシールとを含む、蓋と
を備え、
前記第1のシールが、前記本体の熱可塑性シール面を前記蓋の熱可塑性シール面に合致させることによって形成され、前記第2のシールが、前記本体の熱可塑性シール面を前記蓋のエラストマーシール面と合致させることによって形成され、前記本体の外側に沿って径方向に突出するリムが設けられ、前記リムから上方に延在する唇部が設けられ、前記エラストマーシール面が、前記蓋が前記閉位置にあるとき、前記開口を囲む前記唇部の上面によって圧縮されるように構成されるエラストマーリングを備え、前記唇部の前記上面に対する前記エラストマーリングの垂直圧縮が、前記リングの一部を、前記本体と前記蓋との間に設けられる空隙前記スカートに向けて径方向外側に弾性的に膨張させる、
湿密容器。
【請求項2】
前記第1のシールが、前記閉位置から前記開位置まで移行するために開封力を必要とし、前記第1のシールと組み合わせる前記第2のシールが、前記閉位置から前記開位置まで移行するために前記開封力より大きい力を必要としない、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記開封力が、3~7lbf(ポンド力)である、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記エラストマーリングが、熱可塑性エラストマー(TPE)から作られる、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記エラストマーリングが、前記容器本体および蓋と一体成形されたものである、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記第1のシールが、前記本体の中心軸に対して前記本体のアンダーカットを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記アンダーカットが、前記側壁から上方に延在し前記開口を囲む唇部に設けられる、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
記アンダーカットが、前記スカートの対応する面と合致する面を有し、前記第1のシールを形成する、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記エラストマーリングが、20~50のショアA硬度を有する、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記蓋が前記閉位置にあるとき、前記容器が30℃および80%のRHにおいて、400μg/日未満の透湿度(MVTR)を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項11】
組み合わされた前記第1のシールおよび前記第2のシールが、前記蓋が前記閉位置にあるとき、前記第1のシールが前記第2のシールなしで提供するときよりも小さい透湿度(MVTR)を前記容器に提供する、請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記蓋が前記閉位置にあるとき、前記第2のシールに段差またはくぼみが生じる、請求項1に記載の容器。
【請求項13】
前記蓋が前記開位置にあるとき、前記第2のシールがくぼみを有しない、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記エラストマーリングが、そのすぐ外側またはすぐ内側において囲まれまたはふさがれていない、請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、水分による劣化の影響を受けやすい製品のための容器に関する。より詳細には、本発明は、繰り返し開閉しやすく、何回か開閉を繰り返した後に湿密性を確実に提供する、蓋と本体との間の直列の2つ以上のシールを含む、引上げ式湿密容器に関する。本発明による容器は、たとえば、医薬品、プロバイオティクス、機能性食品、診断検査ストリップ、および他の感湿商品のために利用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
薬物の効能は水分によって損なわれることがある。薬物が水分を吸収すると、薬物は、その使用目的に対する効能が低下することがある。糖尿病の治療で使用される血糖検査ストリップなどの診断検査ストリップは、湿気暴露によって悪影響を受ける可能性もある。
【0003】
薬物および/または検査ストリップは通常、容器に保存される。そのような容器は、製品を収容するための内部と、内部に通じる開口とを画定する本体を含んでもよい。キャップまたは蓋も含まれてもよく、任意選択的にヒンジで本体に接続されてもよい。開口を覆って密閉するために本体上の蓋を閉じることによって、容器は閉じられて、内容物をその中に安全に保存することができる。
【0004】
診断検査ストリップなどの製品は、使用時に正確な読み取り値を提供するために、特定の環境状態に依存する。特定の水分または相対湿度にさらされる場合、これらの製品は、高いまたは低い偏りを有する誤った読み取り値を提供する可能性がある。そのため、水分はこれらの製品の保存期間を大幅に短くする可能性がある。糖尿病市場などの、診断検査ストリップ検査を必要とする消費者は、多くの場合、24時間中に複数回検査を行い、それらが得る読み取り値の精度に依存する。
【0005】
薬物および診断検査ストリップは、それらのライフサイクルにおいて、複数回、水分に遭遇する可能性がある。そのような遭遇は、製造工程中、輸送中、製品が販売前に保管されている間、製品が販売後に保管されている間、および、製品を使用できるように製品を含む容器が開けられる度に、起こることがある。製品が湿密容器に保存された後でさえ、シールを通しての少量の水分の進入が依然として存在し、それは経時的に、中の感湿内容物に対して有害である可能性がある。この理由のために、デシカント材(たとえば、乾燥剤混入ポリマーの形態の)は通常、水分を吸収するために容器に設けられる。しかしながら、デシカント材は製造のコストを増加させる。改良されたシールは、計算された水分収支を達成するための乾燥剤の量を減少させ、そのため、容器の製造コストは高くならない。
【0006】
他方で、シール自体が容器を作るコストを大きく増加させてはならず、そうしなければ、乾燥剤の使用量の減少によるコスト削減は相殺される可能性がある。さらに、シール自体は、開けるのに大きな力を必要としないように慎重に設計しなければならず、一方、同時に、たとえば、輸送中に生じることがある圧力変化のために容器が意図せずに急に開く可能性があるように、あまり簡単に開かないようにしなければならない。医薬品および診断包装事業では、製品の改良と、製造効率およびコストの現実性との間でバランスをとることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、安価に作ることができ、何回かの開閉を繰り返した後に、開けるのに大きな開封力を必要としない確実な湿密シール効果を提供する、医薬品または診断検査ストリップ用の改良された引上げ式容器が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
よって、本発明の例示的な実施形態による湿密容器が提供される。容器は、ベースと、ベースから延在する側壁とを有する容器本体を有する。本体は、たとえば、診断検査ストリップなどの製品を収容するために構成される内部を画定する。本体は、内部に通じる開口をさらに有する。蓋は、ヒンジで本体に接続され、蓋が本体との湿密シールを作成するように開口を覆う閉位置と、開口が露出される開位置との間で容器を移動させるために、容器本体に対してヒンジのまわりで枢動可能である。蓋が閉位置にあるとき、湿密シールは、本体と蓋との間で直列に存在する複数の係合された合致シールによって提供される。複数の係合された合致シールは、少なくとも第1のシールと第2のシールとを含む。第1のシールは、本体の熱可塑性シール面を蓋の熱可塑性シール面に合致させることによって形成される。第2のシールは、本体の熱可塑性シール面を蓋のエラストマーシール面と合致させることによって形成される。エラストマーシール面は、蓋が閉位置にあるとき、開口を囲むリムの上面によって圧縮されるように構成されるエラストマーリングを含む。エラストマーリングの垂直圧縮は、リングの一部を、本体と蓋との間に設けられる空隙に向けて、径方向に弾性的に膨張させる。
【0009】
そのため、本発明の別の例示的な実施形態による湿密容器は、本体と蓋とを含む。本体は、製品を収容するための内部と、内部に通じる開口とを画定する。蓋はヒンジで本体に接続される。蓋は、蓋が開口を覆い、本体に合致される閉位置と、開口が露出される開位置との間で本体に対して移動可能である。複数のシールは、本体と蓋との間に配置される。シールは、蓋が閉位置にあるとき、直列に存在する。複数のシールは、閉位置から開位置まで移行するために開封力を必要とする第1のシールと、閉位置から開位置まで移行するための開封力より大きい力を必要としない第1のシールと組み合わせる第2のシールとを含む。第1のシールは、熱可塑性シール面と熱可塑性シール面とを合致させることによって形成され、第1のシールは、本体の中心軸に対して本体のアンダーカットを含む。第2のシールは、エラストマーシール面と熱可塑性シール面とを合致させることによって形成され、エラストマーシール面と熱可塑性シール面とのシール面は、任意選択的にマルチショット射出成形で、蓋にまたは本体上に形成されるエラストマーを含む。熱可塑性物質は非圧縮性であり、エラストマーは圧縮可能で、好ましくは弾性的である。
【0010】
本発明は、同様の参照番号が同様の要素を示す以下の図面とともに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、開位置における、例示的な実施形態による容器の斜視図である。
図2図2は、図1の例示的な実施形態の第1の変形例を図示する拡大断面図である。
図3図3は、図1の例示的な実施形態の第2の例示的な実施形態を図示する拡大断面図である。
図4図4は、図2の特徴を図示する断面図であり、図1の例示的な実施形態の第1の変形例による容器の追加部分をさらに示す。
図5図5は、図3の特徴を図示する断面図であり、図1の例示的な実施形態の第2の変形例による容器の追加部分をさらに示す。
図6図6は、閉位置における、第2の例示的な実施形態による容器の斜視図である。
図7図7は、開位置における、図6の容器の斜視図である。
図8図8は、図7の容器の切断線8-8に沿ってとられた拡大断面図であり、蓋のシール面を図示する。
図9図9は、図6の容器の切断線9-9に沿ってとられた拡大断面図であり、湿密シールを作成するために直列に存在する第1および第2のシールの係合を図示する。
図10A-B】図10Aおよび10Bは、本体の熱可塑性シール面との係合直前の蓋のエラストマーリング(図10A)、それに続く、本体の熱可塑性シール面との蓋のエラストマーリングのシール係合(図10B)を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般に、本発明は、容器本体と本体を密閉する蓋との間で容器に入る水分の量を減少させるための容器、および、そのような容器を作るための方法に関する。1つの態様において、開示された実施形態は、少なくとも2つのシールを直列に設けることによって、本体と蓋との間を流れることができる水分の量を減少させるように構成され、そのようなシールはエラストマーと熱可塑性物質とのインタフェースによって形成され、それは独自に、容器を開けるのに必要な力を増加させない。本明細書で使用される場合、用語「エラストマー」は、その広い意味で理解されるべきである。特に好ましいエラストマーは熱可塑性エラストマー(TPE)であり、任意選択的に、20~50、好ましくは20~40、より好ましくは20~35のショアA硬度を有する。あるいは、用語「エラストマー」は、より硬い(たとえば、熱可塑性)面に対して圧縮シールを作成するために適切な、シリコーンゴムまたは他の好ましくは射出成形可能な柔らかく弾性的な材料を含んでもよい。任意の実施形態において、エラストマーは、繰り返し使用するために構成されなければならない、すなわち、何回か開閉を繰り返しても(たとえば、少なくとも10、好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも50サイクル)を劣化してはならない。
【0013】
任意選択的に、本発明は、マルチショット射出成形プロセスで製造される容器に関し、エラストマーシールはワンショットで製造され、熱可塑性容器は別のショットで製造される。本明細書に開示されるような容器の実施形態は好ましくは、ヒンジ付引上げ式蓋を組み込み、本体および蓋は、本体と蓋との間の熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールと直列に作用する質量の小さいエラストマーと熱可塑性物質とのシールをその間に含む。組み合わされたシールは、どちらかのシール単独よりも閉じられたときに、容器への透湿度をさらに低減し、より長い保存期間の保護を可能にし、同時に、容器が小さい開封力を有することをさらに可能にして、消費者の使用に有益である。
【0014】
外部容器は、2つの材料、すなわち(主に)、ベース熱可塑性物質(たとえば、ポリプロピレン)と、エラストマー、好ましくは、本発明の1つのシール面としての熱可塑性エラストマー(TPE)とから構築される。容器は、ヒンジ、任意選択的にリビングヒンジによって本体に接続される一体型の蓋を有し、それは消費者により容易に開閉されるように設計されている。材料選択および熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシール設計の内容によって、容器は小さい透湿度(MVTR)を有する。この容器はまた、追加のエラストマーと熱可塑性物質とのシールを作成するためにエラストマー材料を組み込み、MVTRをさらに低減する。MVTRをさらに低減させることによって、容器は、目標とする保存期間を達成するために、任意の乾燥方法を介したより少ない湿気での保護を必要とする。シールの組合せは、容器が、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールのみを有する他の同等の基準容器より小さいMVTRを提供することを可能にし、同時に、熱可塑性物質とエラストマーとのシールを単独で使用するときに予想されるよりもより小さい開閉力を可能にする。さらに、質量の小さいエラストマー材料は、容器製造工程における外部容器材料のリサイクル/再使用をさらに可能にするであろう。
【0015】
本発明の例示的な実施形態による熱可塑性ヒンジ引上げ式容器は、小さい透湿度を有する材料、たとえば、ポリプロピレンから構築される。さらに、容器蓋は、任意選択的にマルチショット射出成形を介して、任意選択的に蓋シール領域内に恒久的に製造される熱可塑性物質とエラストマーとのシールとともに、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールを両方組み込むシール機構で設計される。熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシール領域は、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールの一部であるだけでなく、形状によりバイアルの開閉力を制御する、バイアルの中心軸に対してある角度の(または丸い、または傾斜した)アンダーカットで設計されてもよい。熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールを熱可塑性物質とエラストマーとのシールと直列に作用させることによって、同じ水分侵入レベルを達成するために熱可塑性シールに加えるのに必要な圧縮力は、本発明の任意選択の態様において、減少してもよい。これは開閉力の減少を容易にし、そのため、容器を消費者にとってより使いやすくし得る。これは特に、糖尿病神経障害を有する患者または高齢者などの容器の開閉に困難を伴うことがある消費者集団のために有用である。
【0016】
熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールは、閉関係(たとえば、スナップフィット)を提供して、効果的な水分バリアとして働くために、幾何学的に非常に詳細に一致しなければならない2つの非圧縮性面の合致に依存する。これは、対向する非圧縮性面を合致させる十分な圧縮力を必要とし、これによって、シールを形成する。シールの効果は、(たとえば、微小間隙を通しての、または、熱可塑性プラスチック材料の不完全性または摩耗および引き裂きによる)水分が通過できる面の間の接触面積および空気空間の量に依存する。
【0017】
熱可塑性物質とエラストマーとのシールは、圧縮可能、かつ、好ましくは弾性的な面(エラストマー面)と合致する1つの非圧縮性面(熱可塑性面)に依存する。この種のシールは、それが対向する非圧縮性面の任意の可能な間隙または不完全性を「充填する」ようにエラストマーを圧縮する面間の十分な力を生成することに依存する。この圧力は、湿密性を提供するために容器が閉じられているとき、常に維持されなければならず、次いで、容器を開けるためにはこの圧力に打ち勝たなければならない。
【0018】
熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールを熱可塑性物質とエラストマーとのシールと直列に組み合わせることによって、水蒸気の侵入を減少させることができ、さらに、消費者集団に対して人間工学的に有利である範囲で容器開封力を維持することができる。
【0019】
本明細書に開示される実施形態の1つの最適な態様において、エラストマーと熱可塑性物質とのシールは、シールの圧縮の方向がバイアルの主軸に平行でシール面に垂直であるように構成されて、方向付けられる。これは、エラストマーが、バイアル蓋の内側部分上、バイアル本体から径方向に突出する外側リム上、または、開口まわりに配設されるバイアル本体の上縁上(または、任意選択的に前述のうちの2つまたは3つすべて)にある場合である。このように、バイアルが開閉されるとき、エラストマーと熱可塑性物質とのシールは、エラストマーおよびスカーフをこする、すなわちシールに損傷を与える可能性がある径方向力を受けない(それは、そのようなシールがバイアルリムの側部上またはバイアル蓋の内部スカート上にある場合に生じることがある)。これは、エラストマーと熱可塑性物質とのシールの性能を低下させることなく、繰り返し開けることを可能にする。この構成は、より低いデュロメータのシール材料の使用を可能にし、そしてそれはより少ない圧縮力を必要とし、さらにまた、他の同一であるがエラストマーと熱可塑性物質とのシールの基準バイアルより小さい侵入率でより小さい開封力を提供する。さらに、この構成は、径方向に圧縮されたエラストマー要素を有するストッパ式シールとは異なり、シールの開封力を増加させない。
【0020】
ここで同様の参照番号が同様の部分を指す図面のさまざまな図を詳細に参照すると、本発明の例示的な実施形態を提供するために、さまざまな特徴と組み合わせて使用されてもよい容器が図1に示される。容器100は、主に、たとえば、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどのポリオレフィンを含む、1つまたは複数の射出成形可能な熱可塑性プラスチック材料から作られてもよい。任意選択の実施形態によると、容器は、主に熱可塑性プラスチック材料と、非常に小さい割合の熱可塑性エラストマー材料とを含む混合物から作られてもよい。
【0021】
容器100は、ベース155と、ベースから延在する任意選択的に管状の側壁105とを有する容器本体101を含み、本体101は、製品、たとえば、診断検査ストリップを収容するために構成される内部115を画定する。側壁105は任意選択的に、上縁を有する唇部110で終了し、唇部110は、内部115に通じる、本体101の開口107を囲む。
【0022】
蓋120は好ましくは、ヒンジ140、任意選択的にリビングヒンジで本体101に接続され、引上げ式容器100またはバイアルを作成する。蓋120は、蓋120が(好ましくは本体と湿密シールを作成するように)開口107を覆う閉位置(たとえば、図4または5参照)と、開口107が露出される開位置(たとえば、図1参照)との間で容器を移動させるために、容器本体101に対してヒンジ140のまわりで枢動可能である。
【0023】
容器本体101は任意選択的に、側壁105から半径方向外向きに突出して、その頂部の近くで容器本体101を完全に取り囲む外側リム145を含んでもよい。任意選択的に、唇部110はリム145から垂直方向に突出する。任意選択的に、任意の実施形態において、唇部110は、側壁105の残りの部分とほぼ等しい厚さを有する。任意選択的に、任意の実施形態において、唇部110は、側壁105の残りの部分よりわずかに薄い厚さを有する。
【0024】
蓋101は、蓋ベース119と、好ましくは垂下スカート125とを含む。蓋101は、蓋外側リム131と、任意選択的に蓋120から径方向に延在する指掛け121とをさらに含む。容器100を閉じるために、蓋120は、蓋120が開口107を覆い、蓋120および本体101のそれぞれの合致シール面を係合して、蓋120を閉位置で配置するように、ヒンジ140のまわりで枢動される。
【0025】
図2は、図1の例示的な実施形態の第1の変形例による容器の断面図である。本体101は図の下部の近くに示され、一方、蓋120は図の上部の近くに示される。図1に対して上で論じられたように、本体101は任意選択的に、本体101の周囲かつ本体101の頂部近くで径方向に突出する外側リム145を含む。蓋120は、蓋120の垂下スカート125の内部から径方向に任意選択的に突出する蓋外側リム131を含む。
【0026】
蓋120が閉位置にあるとき、蓋リム面208は本体リム面206に面する。そのため、蓋120が閉位置にあるとき、本体リム面206と蓋リム面208の少なくとも一部とは互いを係合する。エラストマーシール210aは本体リム面206に取り付けられる。シール210aは、好ましくは、本体リム面206の周囲に配設される環状リングである。図示された例示的な実施形態において、エラストマーと熱可塑性物質とのシールは、蓋リム面208を係合し、蓋リム面208によって圧縮されるエラストマーシール210aによって作成される。
【0027】
蓋120は、蓋ベース119およびスカート125によって画定される蓋内部109を含む。本体101の唇部110は、蓋120が閉位置にあるとき、蓋内部109に延在する。その位置において、本体101の本体アンダーカット面204は蓋アンダーカット面202と合致する。よって、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシール面が形成される。さらに、この構成は、たとえば、スナップフィット合致構成を介して、閉位置を提供し、蓋120を閉位置で保持して、それが意図せずに開くことを防ぐ。図2に示されるように、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールおよび閉位置は、それぞれのアンダーカット面204、202によって形成される。これは、たとえば、その長さに沿って本体101の中心を通って延在する軸400(図4参照)に関して画定されてもよい。蓋アンダーカット面202および本体アンダーカット面204は、その軸400に平行ではない。むしろ、示されるように、202への蓋アンダーカット面および本体アンダーカット面204は、わずかな角度、たとえば、軸400に対して10°~30°で形成される。任意選択的に、それぞれのアンダーカット面は、代わりに、互いに合致するように補完的に丸くされてもよく、または傾斜してもよい。そのような任意のアンダーカット構成で、ユーザが蓋120を本体101から持ち上げて、蓋120を開位置に移行しようとする場合、開封力は、蓋120が閉位置にあるときの蓋アンダーカット面202と本体アンダーカット面204との間の力に打ち勝つことが必要とされる。
【0028】
図2に示される例示的な実施形態において、蓋120は、蓋エラストマーシール212を任意選択的に含むように示され、それは任意選択的に、スカート125に隣接または当接する蓋ベース119に取り付けられる環状リングの形態である。そのため、シールは、蓋エラストマーシール212と上縁110との間で形成されてもよい。これは、蓋120が閉位置にあるとき、蓋エラストマーシール212と上縁110との間にエラストマーと熱可塑性物質とのシールを作成する。任意選択的に、本発明は、エラストマーシール212またはエラストマーシール210を省いてもよく、そのため、任意選択の実施形態においては、単一のエラストマーと熱可塑性物質とのシールのみ提供する。
【0029】
本発明の態様による実施形態は、蓋120と本体101との間に直列に複数の異なるシールを含んでもよいことが意図されている。たとえば、シールは、蓋アンダーカット面202と本体アンダーカット面204との間のシールと、エラストマーシール210aと蓋リム面208との間のシールとを備えてもよい。あるいは、2つのシールは、蓋アンダーカット面202と本体アンダーカット面204との間のシールと、蓋エラストマーシール212と上縁110との間のシールとを備えてもよい。3つのシール(シールA~Cと名付けられる)が図2に示されているが、これは単なる例示であり、2つのシールまたは3つより多いシールが本発明の例示的な実施形態に従って含まれてもよい。たとえば、上で説明されたように、そこを合計3つのシール、3つより多い電池、または2つのみのシールとすることが可能である。さらにまた、シールの少なくとも1つはエラストマーと熱可塑性物質とのシールであり、シールの少なくとも1つは熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールである。換言すれば、エラストマーと熱可塑性物質、および熱可塑性物質と熱可塑性物質の組合せが含まれる限り、示される3つのシールのうちの任意の2つ(またはそれ以上)が含まれてもよい。
【0030】
熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールはエラストマーと熱可塑性物質とのシールを維持するために必要な圧縮力を提供することにさらに留意すべきである。この構成は、エラストマーと熱可塑性物質とのシールが径方向圧縮力の源であることを必要としない(たとえば、チューブに差し込まれるエラストマーストッパと同様に)。よって、エラストマーと熱可塑性物質とのシールは、蓋120を閉位置から開位置に移行するために、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールに打ち勝つのに必要な開封力に追加しない。実際、蓋120が閉位置にあるとき、圧縮されたエラストマーの弾性は、互いに対して垂直方向にそれぞれのアンダーカット面202、204を付勢するわずかな垂直ばね力になってもよく、そのため、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールを補強または強化する。そのため、むしろ、エラストマーと熱可塑性物質とのシールによって作成されるそのようなわずかな垂直ばね力が、実際には、エラストマーシール面のない他の同一の容器と比較して、開封力を低減する傾向があってもよい。
【0031】
図2に示される例示的な実施形態に対して上で論じられたように、エラストマーシール210aは、本体101の外側リム145の上面に取り付けられる。図3は、エラストマーシール210bが蓋外側リム131に取り付けられて、本体101の外側リム145と接触している代替的な例示的な実施形態を示す。このようにして、図2の実施形態および図3の実施形態に関して、エラストマーと熱可塑性物質とのシールが形成される。
【0032】
図4は、図2に図示されるシールを示し、さらに、図2に示される本体101をより多く図示する。図4は、蓋アンダーカット面202と本体アンダーカットサービス204との間で形成されるシール面と、本体101の長さに沿ってその中心を通って走る中心軸400との関係を図示するのに有効である。図4から分かるように、蓋アンダーカット面202および本体アンダーカット面204は、これらの2つの面間のシールが中心軸400と平行ではないので、アンダーカットを形成する。このようにして、蓋アンダーカット面202と本体アンダーカットサービス204との間のアンダーカットは、垂直および水平の両方向への圧縮力ベクトルを含む。垂直圧縮力ベクトルは、蓋120を本体101から切り離し、それにより、蓋120を閉位置から開位置へ移行するために、開封力が加えられることを必要とする。
【0033】
図5は、図3に図示されるシールを示し、さらに、図3に示される本体101をより多く図示する。図5はまた、蓋アンダーカット面202と本体アンダーカット面204との間で形成されるシール面と、本体101の長さに沿ってその中心を通って走る中心軸400との関係を図示するのに有効である。蓋120および本体101のそれぞれのアンダーカット面202、204の構成および機能は、図4に示されるものと同一であり、簡潔さのためにここで言い直さない。
【0034】
本発明の任意選択の態様による、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールの、エラストマーと熱可塑性物質とのシールと直列の組合せは、周囲条件が外部で最小30℃/80%の相対湿度(RH)、および内部で最大30℃/1%のRHであるとき、シールシステムを通して、最大、任意選択的にシール周囲/日について42μg/日cmのMVTRを提供し、任意選択的にシール周囲の3N/cm以下の開封力を可能にする。
【0035】
ここで図6~10Bを参照すると、本発明の任意選択の態様による容器300の第2の例示的な実施形態が示されている。図6~10Bの容器300の多くの特徴は、図1~5の容器100の対応する特徴に類似または同一である。したがって、前記の実施形態と同様に、そのような類似または同一の対応する特徴の一般的概要のみ、ここでは提供される。しかしながら、実施形態とさらなる装飾との間の重要な相違は示される。
【0036】
容器300は、ベース355と、任意選択的にベースから延在する側壁305とを有する本体301を含む。本体301は内部315を画定する。側壁305は任意選択的に、上縁311を有する唇部310で終了する。唇部310は、内部315に通じる、本体301の開口307を囲む。示される実施形態において、容器本体301は外側リム345を含む。唇部310は任意選択的に、リム345から垂直方向に突出する。
【0037】
蓋320は好ましくは、ヒンジ340、任意選択的にリビングヒンジで本体301に接続され、引上げ式容器300またはバイアルを作成する。蓋320は、閉位置と開位置との間で容器300を移動させるために、容器本体301に対してヒンジ340のまわりで枢動可能である。示される実施形態において、蓋301は、蓋ベース319と、好ましくは垂下スカート325および指掛け321とを含む。
【0038】
蓋320が閉位置にあるとき、湿密シール460は、直列に存在する複数の係合した合致シールによって形成され、少なくとも第1のシール462と第2のシール464とを含む。第1のシール462は、本体301の熱可塑性シール面を、蓋320の熱可塑性シール面と合致させることによって形成される。第1のシール462は、分離する開封力を必要とするように構成される。示される任意選択の実施形態において、第1のシール462は、本体301のアンダーカット面404の、蓋320のアンダーカット面402との係合を備える。このシールは、図1~5の容器100に対して上で開示されたアンダーカットとアンダーカットとのシールと同一であり、そのため、ここではさらなる補足説明は行わない。
【0039】
第2のシール464は、本体301または蓋320の熱可塑性シール面を、本体301または蓋320のエラストマーシール面と合致させることによって形成される。示される任意選択の実施形態において、第2のシール464は、本体301の熱可塑性シール面を、蓋320のエラストマーシール面と合致させることによって形成される。エラストマーシール面430は、蓋320が閉位置にあるとき、開口307を囲む唇部310の熱可塑性上面311によって圧縮されるように構成されるエラストマーリング432を備える。図9~10Bに最もよく示されているように、エラストマーリング432の垂直圧縮は、リング432の一部を、本体301と蓋320との間に設けられる空隙480に径方向に弾性的に膨張させる。この作動は、ここで、詳細に説明される。
【0040】
本明細書で使用される用語「リング」は、中央開口を有する環状の丸い要素を指す可能性がある。しかしながら、「リング」は必ずしもそのような構成に限定されず、丸くない構成、ならびに、少なくとも一部において、中心(すなわち、他の場合にはリングの開口があってもよい場合)が塞がれるエラストマー要素を含む可能性がある。よって、「リング」は、たとえば、円盤状エラストマー部材を含む可能性がある。
【0041】
図9は、閉位置における、蓋320を有する容器300の部分的な拡大断面を示す。示されるように、本体301のアンダーカット面404の蓋320のアンダーカット面402との係合を備える第1のシール462が提供される。第2のシール464は、唇部310の熱可塑性上面311の、蓋320のベース319の下面に設けられるエラストマーリング432の係合面430との係合を備える。図9から分かるように、唇部310の上面311とエラストマーリング432との間に設けられる圧縮シールは、リング432の断面に、エラストマーリング432の係合面430に沿ってわずかな段差またはくぼみを生じさせる。このくぼみは、図10Bに示される拡大図においてより明白である。図10Aは、第2のシールを形成するために唇部310の上面311に接触する直前のリング432の断面を示す。10Aに示されるように、唇部と係合されないとき、リング432はそのようなくぼみを有しない。エラストマーリング432の係合面430のインデントは、唇部310とのシール係合から生じるリング432のエラストマー変形の産物である。
【0042】
特に、エラストマーリング432は、そのすぐ右側432Rまたは左側432Lで囲まれていない、または塞がれていない。よって、エラストマーリング432が垂直方向に圧縮されるとき、その一部は弾性的に膨張する、すなわち、半径方向外向き、内向き、またはその両方に移動する。空隙480は、たとえば、エラストマーリング432と蓋320のスカート325との間に設けられ、第2のシール464が係合されたとき径方向に膨張するためのリング材料のための「リビングスペース」を提供する。図10Bは、空隙480の一部を占める、(図10Bの方向Eに膨張して示される)エラストマーリング432の径方向に膨張した部分432Eを図示する。そのような膨張が実際の実施態様と比較して誇張された図に現れている範囲において、それは単に説明のためのものである。この空隙への半径方向の膨張という特徴は、少なくとも2つの重要な機能を与える。
【0043】
第一に、それはエラストマーとリムとの間の垂直ばね力を抑える。第1のシールを強化または補強するために、わずかなばね力が提供されることが望ましいが、過剰ばね力は、容器が意図せずに急に開き得る程度まで開封力を低減する傾向があることがある。一方では(特に初老および/または糖尿病のユーザにとって)望ましい小さい開封力と、たとえば、輸送中に容器内で生じることがある一般的な圧力変動によって意図せず容器が開く可能性があるほど小さい開封力との間で、バランスをとらなければならない。エラストマーが径方向に膨張可能であるとき、それによって、垂直ばね力が許容可能なレベルで提供されてもよい。
【0044】
第2の重要な機能は、第2のシールのシール面間の面の接触領域が、リングのエラストマー材料の半径方向の膨張によって増加することである。エラストマーと熱可塑性物質とのシール面領域のこの増加は、第2のシールの係合の場所により密なシールを与える。
【0045】
図1~5で開示されたシール構成はどれも、図6~10Bで開示されたものと組み合わされてもよいことは理解されるべきである。
【0046】
単独シールの侵入性能は、合計バイアル侵入率を取得し、バイアルの外殻を備える熱可塑性物質を通してのMVTR(透湿度)を減算することで測定される。
【0047】
例示的な実施形態において、蓋が閉位置にあるとき、透湿度MVTRは、30℃/80%のRH(相対湿度)で、370μg/日より小さい。本発明の実施形態による24mlのバイアルの例示的な実施形態において、乾燥剤混入3相ポリマースリーブの重量は、2.5~3.25グラム(任意選択的に約3.0g)であり、水分侵入は、30℃/70%のRHで、約400マイクログラム/日である。本発明の実施形態による17mlのバイアルの例示的な実施形態において、乾燥剤混入3相ポリマースリーブの重量は、2.0~2.75グラム(任意選択的に約2.5g)であり、水分侵入は、30℃/70%のRHで、約300マイクログラム/日である。用語「3相ポリマー」は、たとえば、米国特許第5,911,937号明細書、同6,080,350号明細書、同6,124,006号明細書、同6,130,263号明細書、同6,194,079号明細書、同6,214,255号明細書、同6,486,231号明細書、同7,005,459号明細書、および米国特許出願公開第2016/0039955号明細書に記載されているように、ベースポリマー、乾燥剤、およびチャネリング剤を備える乾燥剤混入ポリマーを指し、そのそれぞれは参照することにより完全に示されるように本明細書に組み込まれる。有利なことには、本発明の任意選択の態様において、第2のシールにより、そのようなデシカント材の使用を減らすことが可能であり、製造原価は低くなる。
【0048】
大まかに言うと、用語「湿密である」は、1500μg未満の水が(3日後に)水分侵入するものとして定義され、別の実施形態においては、500μg未満の水、さらなる実施形態においては、300μg未満の水、さらに別の実施形態においては、150μg未満の水であり、以下の試験方法で決定される。(a)容器に1グラムプラスマイナス0.25グラムのモレキュラーシーブを配置し、重量を記録する。(b)容器を完全に閉じる。(c)80%の相対湿度および72°Fの条件の環境室に閉じた容器を設置する。(d)1日後に、モレキュラーシーブを含む容器を計量する。(e)4日後に、モレキュラーシーブを含む容器を計量する。(f)4日目のサンプルから1日目のサンプルを減算して、水のマイクログラムの単位で容器の水分侵入を計算する。
【0049】
例示的な実施形態において、組み合わされた第1のシールおよび第2のシールが容器を提供する場合、蓋が閉位置にあるとき、第1のシールより小さいMVTRは第2のシールなしで提供する。
【0050】
例示的な実施形態において、組み合わされた第1のシールおよび第2のシールが容器を提供する場合、蓋が閉位置にあるとき、第2のシールより小さいMVTRは第1のシールなしで提供する。
【0051】
本発明の例示的な実施形態において、容器は診断検査ストリップを保存するために使用される。
【0052】
本発明の例示的な実施形態において、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシール面の少なくとも1つは、本体の外側に沿って径方向に突出するリム上にある。
【0053】
本発明の例示的な実施形態において、エラストマーは、20~50、好ましくは20~40、より好ましくは20~35のショアA硬度を有する。射出成形の当業者は、容器シールのために50未満のショアA硬度を有するTPE材料を使用することを通常は回避するであろう。これは、そのような軟かいTPE材料は一般に、成形中、シールを傷つけるまたは移動させることなく、ベースポリマーに接着することは難しいためである。しかしながら、出願人が開発した成形技術によって、容器シールのために50未満のショアA硬度を有するTPE材料を使用することが可能になった。そのような低デュロメータ材料の使用は、成形中、より小さい流れ抵抗を作成し、有利なことには、成形中、より小さい流れ抵抗を作成して、より薄い断面を可能にする。それは、シール完全性に悪影響を与える可能性がある、完成品シールにおけるニットラインを作成する傾向が少ない。さらに、より軟かいTPE材料は、密閉するのにより小さい圧縮力を必要とし、それは、そうでなければ上記のように容器を意図せず開く可能性がある過剰な垂直ばね力の可能性を減少させる。
【0054】
引上げ式容器の設計において、キャップ開封力は製品の品質特性にとって極めて重要である。バイアルベース上に立つバイアルの本体を取り付けて、次いで、上向き力を20+/-2℃の制御された温度において500mm/分の一定速度でバイアルの軸に平行にキャップのひさしの下面に4~6lbfの好ましい範囲で加えることによって測定されるとき、開封力の許容可能な範囲は3~7lbf(重量ポンド)である。上述のように、あまりに容易に開く容器は意図せず開くことがあり、この範囲を上回る開封力を有する容器は、ユーザによる開封が非常に難しいことがある。
【0055】
差圧の下で開くことに対する抵抗は、任意選択的に、周囲環境で開閉された容器を密閉室に設置し、次いで、容器の内部と外部環境との間の少なくとも450mBarの差圧を作成するために、30秒~1分にわたって室の外部圧力を減少させることによって測定可能であり、上記差圧は、容器が民間航空輸送の間にさらされるはずの最大差圧である。
【0056】
本発明の例示的な実施形態において、エラストマーは0.5mm~1.25mmの厚さを有し、任意選択的に、外側のバイアルのリムの露出幅は0mm~2.5mmである。
【0057】
本発明の例示的な実施形態によるバイアルは、使用後、リサイクルされてもよい。リサイクルは主要な材料を参照し、チェーシングアロー(リサイクルマーク)はそのリサイクルクラスに対応する。熱可塑性エラストマーによるバイアル蓋シールは、より小さい質量のエラストマーで設計されており、容器が主要な材料指定とともに、再利用/リサイクルされることをさらに可能にする。
【0058】
そのため、さらなるエラストマーシールは、バイアル容器蓋シールによって、透湿度を減少させ、必要な乾燥剤の質量を少なくできる。直列に作用するシールの組合せは、消費者経験を最適化する小さい蓋開閉力とともに、透湿性の減少を可能にする。バイアル蓋内の小さい質量のエラストマーは、バイアルの主要な材料のバイアル再利用/リサイクル性を可能にするために密閉する。
【0059】
例示的な実施形態は丸いシールを有する丸い容器として示されているが、本発明はそれに限定されないことに留意されたい。本発明はまた、本体と蓋との間でシール完全性を改善するために、丸くない引上げ式容器の文脈でも利用できることが意図されている。実際、本明細書に記載されるエラストマーと熱可塑性物質とのシールは、丸くない容器のシール完全性を高める際に特に有用であることが意図されている。たとえば、本明細書に開示されたような第1および第2のシールは、楕円容器、正方形容器、長方形容器、丸コーナを有する四角形容器、および多くの他の形状で利用されてもよい。任意選択的に、本発明の実施形態は、米国特許出願公開第2011/0127269号明細書で開示されている容器形状および構成で利用され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0060】
熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシール(たとえば、第1のシール462)が添付図面に示されるような構成に必ずしも限定されないことにさらに留意されたい。たとえば、任意選択の態様において、熱可塑性物質と熱可塑性物質とのシールは、蓋ベースの下面から垂下する内側ポリマーリングと、容器本体壁の内面の一部とのインタフェースとの間に設けられてもよい。任意選択的に、このような実施形態において、内側ポリマーリングの環状突起は、容器本体壁の内面内の半径方向のアンダーカットに係合して、図6~10Bに対して開示される第1のシール462の変形例を作成する。第1のシールのこの変形例は同様に、そのシールを分離するために、開封力に打ち勝つことを必要とする。
【実施例
【0061】
本発明は以下の実施例に関してさらに詳細に説明されるが、本発明がそれに限定されるとは考えられないことを理解すべきである。
【0062】
実施例1
テストは、図6~10Bに示された容器の実施形態による24mlのバイアルの水分侵入を測定するために実行された(グループA)。周囲条件は30℃および80%の相対湿度で設定された。テスト集団には48個のそのような容器があった。これらの水分侵入結果は、7553個の容器の集団(グループB)のテストから収集されたテストデータと比較されたが、グループBの容器は、グループBの容器が第1のシール(プラスチックとプラスチック)のみ含み、第2のシール(エラストマーとプラスチック)を含まないこと以外は、グループAの容器と重要な点において同一であった。以下の表は、収集されたデータを並べた比較を示す。
【0063】
【表1】
【0064】
データが示すように、第2のシールの追加は、平均侵入の有効な減少、および水分侵入の標準偏差の驚くほど大きな減少をもたらした。標準偏差のこの大きな減少は、製造の観点から注目すべきであり、重要である。実質的に、第1のシールと組み合わせた第2のシールは、容器水分収支をさらに正確に満たすことができるように、水分侵入のさらなる制御性および予測可能性(すなわち、より小さい変化)を可能とする。これは、バイアルあたりに必要なデシカント材の減少、よって、デシカント材の減少量と関連する製造コストの減少を可能にする。
【0065】
実施例2
テストは、図6~10Bに示された容器の実施形態による17mlのバイアルの水分侵入を測定するために実行された(グループA’)。周囲条件は30℃および70%の相対湿度で設定された。テスト集団には144個のそのような容器があった。これらの水分侵入結果は、2923個の容器の集団(グループB’)のテストから収集されたテストデータと比較されたが、グループB’の容器は、サンプルB’の容器が第1のシール(プラスチックとプラスチック)のみ含み、第2のシール(エラストマーとプラスチック)を含まないこと以外は、グループA’の容器と重要な点において同一であった。以下の表は、収集されたデータを並べた比較を示す。
【0066】
【表2】
【0067】
例1と同様に、データは、第2のシールの追加が、平均侵入の有効な減少、および水分侵入の標準偏差の驚くほど大きな減少をもたらしたことを示している。
【0068】
本発明は詳細に、その特定の実施例に関して説明されたが、さまざまな修正および変更がその精神および範囲を逸脱しない範囲でその中で行うことができることは、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A-B】