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特許7246457全地球気候変化予測モデルの遂行のための地面植生入力資料の生産方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】全地球気候変化予測モデルの遂行のための地面植生入力資料の生産方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/10 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
G01W1/10 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021194551
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2022089779
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0168235
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521524047
【氏名又は名称】ナショナル インスティチュート オブ ミティオロロジカル サイエンシズ
【氏名又は名称原語表記】National Institute of Meteorological Sciences
【住所又は居所原語表記】1F, 33, Seohobuk-ro, Seogwipo-si, Jeju-do 63568 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヒョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ブ キョンオン
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ヨンファ
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-064537(JP,A)
【文献】国際公開第2013/141252(WO,A1)
【文献】特開2008-282075(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0067529(KR,A)
【文献】George C. Hurtt, et. al.,Harmonization of global land use change and management for the period 850-2100 (LUH2) for CMIP6,Geoscientific Model Development,Volume 13, issue 11,2020年,p. 5425-5464
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気候変化予測モデルに対する入力データとして使用される強制力データを生成するための入力データ生成装置において、
命令語を格納するメモリと、
前記命令語を実行することにより:
HYDE(History Database of the Global Environment)を通じて復元され、CMIP(Coupled Model Inter-comparison Project)により提供されるLUH(Land-Use Harmonization)データから、新規の地面タイプデータを収集し、
前記CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデルにより算出される既存の地面タイプデータを収集し、
前記新規の地面タイプデータを優先して、前記新規の地面タイプデータ及び前記既存の地面タイプデータに対するデータ取り合わせを行うことにより、取り合わせの地面タイプデータを生成し、
前記データ取り合わせの過程において発生するデータ歪曲に対する歪曲補正を行い、前記取り合わせの地面タイプデータから、前記強制力データを生成するように構成されるプロセッサと、
を含み、
前記強制力データは、広葉樹(broad leaf tree)タイプ、針葉樹(needle leaf tree)タイプ、C3タイプ、C4タイプ、及び灌木(shrub)タイプから構成される5種の植生タイプ、並びにアーバン(urban)タイプ、陸水(inland-water)タイプ、裸地(bare-soil)タイプ、及びアイス(ice)タイプから構成される4種の非植生タイプによる9種のタイプのうちいずれか1つが各格子に配列される9種格子配列データであり、
前記新規の地面タイプデータは、前記C3タイプ及び前記C4タイプの植生タイプ、並びに前記アーバンタイプの非植生タイプから構成され、
前記プロセッサは、前記取り合わせの地面タイプデータを生成するとき、前記C3タイプ、前記C4タイプ、及び前記アーバンタイプに対しては、前記新規の地面タイプデータを活用し、残りの6種のタイプに対しては、前記既存の地面タイプデータを活用して、前記データ取り合わせを行う、入力データ生成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記新規の地面タイプデータを収集するとき、0.25゜×0.25゜の解像度を有する前記LUHデータに対して格子転換を行い、1.875゜×1.25゜の解像度を有する前記新規の地面タイプデータを収集する、請求項1に記載の入力データ生成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記新規の地面タイプデータを収集するとき、前記LUHデータの細部項目のうち、パスチャー(pasture)及びナチュラル(natural)の草地データに基づいて、前記C3タイプ及び前記C4タイプのデータを収集する、請求項に記載の入力データ生成装置。
【請求項4】
前記強制力データは、前記9種のタイプの格子面積に基づいて計算される前記9種のタイプそれぞれの面積比を含む、請求項に記載の入力データ生成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記強制力データを生成するとき、前記データ取り合わせにより誤差が発生する場合、前記新規の地面タイプデータを保存し、前記既存の地面タイプデータを調整して、前記歪曲補正を行う、請求項に記載の入力データ生成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記歪曲補正を行うとき、前記C3タイプの格子面積及び前記C4タイプの格子面積が、前記植生タイプの全体の格子面積を超える場合、前記超える範囲ほど前記裸地(bare-soil)タイプの格子面積を取り除く、請求項に記載の入力データ生成装置。
【請求項7】
メモリに格納される命令語を実行するプロセッサにより遂行される、気候変化予測モデルに対する入力データとして使用される強制力データを生成するための入力データ生成方法において、
HYDE(History Database of the Global Environment)を通じて復元され、CMIP(Coupled Model Inter-comparison Project)により提供されるLUH(Land-Use Harmonization)データから、新規の地面タイプデータを収集する段階と、
前記CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデルにより算出される既存の地面タイプデータを収集する段階と、
前記新規の地面タイプデータを優先して、前記新規の地面タイプデータ及び前記既存の地面タイプデータに対するデータ取り合わせを行うことにより、取り合わせの地面タイプデータを生成する段階と、
前記データ取り合わせの過程において発生するデータ歪曲に対する歪曲補正を行い、前記取り合わせの地面タイプデータから、前記強制力データを生成する段階と、
を含み、
前記強制力データは、広葉樹(broad leaf tree)タイプ、針葉樹(needle leaf tree)タイプ、C3タイプ、C4タイプ、及び灌木(shrub)タイプから構成される5種の植生タイプ、並びにアーバン(urban)タイプ、陸水(inland-water)タイプ、裸地(bare-soil)タイプ、及びアイス(ice)タイプから構成される4種の非植生タイプによる9種のタイプのうちいずれか1つが各格子に配列される9種格子配列データであり、
前記新規の地面タイプデータは、前記C3タイプ及び前記C4タイプの植生タイプ、並びに前記アーバンタイプの非植生タイプから構成され、
前記取り合わせの地面タイプデータを生成する段階は、前記C3タイプ、前記C4タイプ、及び前記アーバンタイプに対しては、前記新規の地面タイプデータを活用し、残りの6種のタイプに対しては、前記既存の地面タイプデータを活用して、前記データ取り合わせを行うことを含む、入力データ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全地球気候変化予測モデルの遂行のための地面植生入力資料の生産に関する。 より詳しくは、本発明は、国際気候研究プロジェクトCMIP(Coupled Model Inter-comparison Project)で提供されるLUH(Land-Use Harmonization)データから、強制力データを生成する過程に関する。
【背景技術】
【0002】
全地球気候変化予測モデルに入力される入力データとして使用される地面植生強制力データは、予測モデルの内部で地面植生に関する数値計算に活用可能である。 気象庁などで使用される気候変化予測モデルにおいては、多数の地面植生のタイプが活用可能であり、地面植生のタイプ別に、相異なる数値計算モジュールが適用可能であるので、地面植生のタイプを正しく分類し、強制力データを生成することが非常に重要である。
【0003】
一方、気象庁またはその関係機関においては、気候変化予測モデルやその他の数値モデルにおいて、MODIS衛星データまたはIGBP地面タイプデータなどが活用されている。 但し、当該データの場合、地面植生のタイプを区分するカテゴリーの気候変化予測モデルに対する互換性が低いため、ユーザーの主観的な判断が介入されるか、あるいは経時的に変わった地面植生のタイプが考慮されないという問題が発生しうる。 すなわち、既存の汎用データは、気候変化予測モデルに適していないカテゴリーを有するか、あるいは気候シミュレーションの時間的傾向を反映しないことがある。
【0004】
前記のような問題点を解決するためには、気候変化予測モデルに対する入力データとして、予測モデルにおいて活用される地面植生のタイプと高い互換性を有し、経時的に地面植生のタイプが変更可能であるという点を反映した強制力データを生成する技術が要求されている。
【0005】
本発明により解決しようとする技術的課題は、気候変化予測モデルにおいて活用される地面植生のタイプと高い互換性を有し、経時的に地面植生のタイプが変更可能であるという点を反映した強制力データの生成方法を提示し、既存の汎用データによる問題点を解決することである。
【0006】
前述の技術的課題を解決するための手段として、本発明の一側面による、気候変化予測モデルに対する入力データとして使用される強制力データを生成するための入力データ生成装置は、命令語を格納するメモリと、前記命令語を実行することにより:HYDE(History Database of the Global Environment)を通じて復元され、CMIP(Coupled Model Inter-comparison Project)により提供されるLUH(Land-Use Harmonization)データから、新規の地面タイプデータを収集し、前記CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデルにより算出される既存の地面タイプデータを収集し、前記新規の地面タイプデータを優先して、前記新規の地面タイプデータ及び前記既存の地面タイプデータに対するデータ取り合わせを行うことにより、取り合わせの地面タイプデータを生成し、前記データ取り合わせの過程において発生するデータ歪曲に対する歪曲補正を行い、前記取り合わせの地面タイプデータから、前記強制力データを生成するように構成されるプロセッサと、を含む。
【0007】
本発明の他の側面による、メモリに格納される命令語を実行するプロセッサにより遂行される、気候変化予測モデルに対する入力データとして使用される強制力データを生成するための入力データ生成方法は、HYDE(History Database of the Global Environment)を通じて復元され、CMIP(Coupled Model Inter-comparison Project)により提供されるLUH(Land-Use Harmonization)データから、新規の地面タイプデータを収集する段階と、前記CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデルにより算出される既存の地面タイプデータを収集する段階と、前記新規の地面タイプデータを優先して、前記新規の地面タイプデータ及び前記既存の地面タイプデータに対するデータ取り合わせを行うことにより、取り合わせの地面タイプデータを生成する段階と、前記データ取り合わせの過程において発生するデータ歪曲に対する歪曲補正を行い、前記取り合わせの地面タイプデータから、前記強制力データを生成する段階と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一部の実施形態による強制力データを生成するシステムを説明するための図面である。
図2】一部の実施形態による入力データ生成装置を構成する要素を示すブロック図である。
図3】一部の実施形態による強制力データを生成する具体的な過程を説明するための図面である。
図4】一部の実施形態による入力データ生成方法を構成する段階を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。 以下の説明は、実施形態を具体化するためのものであり、本発明による権利範囲を制限するか、限定するためのものではない。 本発明に関する技術分野における通常の知識を有する者が、発明の詳細な説明及び実施形態から容易に類推することができるものは、本発明による権利範囲に属するものと解釈されなければならない。
【0010】
本発明において使用される用語は、本発明に関する技術分野において広く使用される一般的な用語で記載されたが、本発明において使用される用語の意味は、当該分野における技術者の意図、新たな技術の出現、審査基準、または判例などにより変わりうる。一部の用語は、出願人により任意に選定可能であり、その場合、任意に選定される用語の意味が詳細に説明される。本発明において使用される用語は、単に辞書的意味ではなく、明細書の全般的な脈絡を反映する意味と解釈されなければならない。
【0011】
本発明において使用される「構成される」または「含む」のような用語は、明細書に記載される構成要素または段階を必ずしも全て含むものと解釈されるものではなく、一部の構成要素または一部の段階は含まれない場合、及び追加的な構成要素または段階がさらに含まれる場合も、当該用語から意図されるものと解釈されなければならない。
【0012】
本発明において使用される「第1」または「第2」のような序数を含む用語は、多様な構成要素または段階を説明するために使用されるが、当該構成要素または段階は、序数により限定されるものではない。 序数を含む用語は、1つの構成要素または段階を、他の構成要素または段階から区別するための用途にのみ解釈されなければならない。
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。 本発明に関する技術分野における通常の知識を有する者に広く知られている事項については、詳細な説明を省略する。
【0014】
図1は、一部の実施形態による強制力データを生成するシステムを説明するための図面である。
【0015】
図1を参照すれば、強制力データ300を生成するシステム10は、LUH(Land-Use Harmonization)データ110、CMIP(Coupled Model Inter-comparison Project)既存のモデル120、入力データ生成装置200、及び強制力データ300から構成可能である。 システム10においては、入力データ生成装置200により、LUHデータ110及びCMIP既存のモデル120から、強制力データ300が生成可能である。
【0016】
LUHデータ110は、HYDE(History Database of the Global Environment)を通じて復元されるデータであり、CMIPにより提供可能である。 後述するように、LUHデータ110は、C3タイプ及びC4タイプの植生タイプ、並びにアーバン(urban)タイプの非植生タイプのみを考慮するデータであってもよい。
【0017】
LUHデータ110が、C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプのみを考慮することは、農業及び都市化と関連して、人間活動による影響を研究するためである。 LUHデータ110によれば、人間活動及び経時的による地面植生の変化が考慮されるが、3種のタイプのみが反映されるものであるので、残りのタイプに対する補完が必要である。
【0018】
CMIP既存のモデル120は、国際気候研究プロジェクトに該当するCMIPの以前のフェーズに参加していた予測モデルを意味することができる。 例えば、CMIP既存のモデル120は、ごく最近終決されたCMIPフェーズ5における予測モデルを意味することができ、または、以後のプロジェクトの進行によって、フェーズ5以後のフェーズを意味することもできる。
【0019】
CMIP既存のモデル120によれば、強制力データ300を構成する複数種類の地面植生のタイプがいずれも提供可能である。 但し、CMIP既存のモデル120は、既存にモデル形成が完了したものであるので、完了時点以後から現在時点まで、人間活動や経時的に地面植生のタイプが変更されるとしても、当該変更が反映されないことがある。
【0020】
入力データ生成装置200は、LUHデータ110及びCMIP既存のモデル120に基づいて、強制力データ300を生成することができる。 C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプの3種に対しては、LUHデータ110が優先的に考慮され、経時的な地面植生のタイプの変更が反映されると共に、LUHデータ110によっては収集されないタイプは、CMIP既存のモデル120により収集されることが可能である。 一方、入力データ生成装置200は、LUHデータ110及びCMIP既存のモデル120の取り合わせ過程において発生可能な歪曲を補正することができる。
【0021】
強制力データ300は、入力データ生成装置200による、LUHデータ110及びCMIP既存のモデル120の取り合わせ及び歪曲補正により生成されることが可能である。 一部のタイプに対しては、LUHデータ110により、より正確な資料が反映可能であり、気象庁などで活用される気候変化予測モデルとの互換性のために、すなわち、地面植生のタイプを補完するために、CMIP既存のモデル120が反映されるので、システム10により、汎用的活用性及び高い信頼性を有する強制力データ300が生成されることが可能である。
【0022】
図2は、一部の実施形態による入力データ生成装置を構成する要素を示すブロック図である。
【0023】
図2を参照すれば、気候変化予測モデルに対する入力データとして使用される強制力データを生成するための入力データ生成装置200は、メモリ210及びプロセッサ220を含むことができる。 但し、これに制限されるものではなく、図2に示される要素外に、他の汎用的な要素が入力データ生成装置200にさらに含まれてもよい。
【0024】
入力データ生成装置200は、LUHデータ110及びCMIP既存のモデル120に基づいて強制力データ300を生成するためのコンピューティングデバイスであってもよい。 入力データ生成装置200で遂行されるデータ入出力及び処理過程は、モバイル/ウェブアプリケーションまたはコンピュータプログラムにより実装可能である。 例えば、入力データ生成装置200は、PC、スマートフォン及びタブレットPCのような形態に実装可能である。 但し、これに制限されるものではなく、入力データ生成装置200は、プロセッシング性能を備える多様な電子デバイスの形態にも実装可能である。
【0025】
入力データ生成装置200は、各種データ、命令語、少なくとも1つのプログラム、またはソフトウェアを格納するための手段として、メモリ210を含むことができ、命令語または少なくとも1つのプログラムを実行することにより、各種データに対する処理を遂行するための手段として、プロセッサ220を含むことができる。
【0026】
メモリ210は、強制力データ300を生成するための各種命令語を格納することができる。 例えば、メモリ210は、コンピュータプログラムまたはモバイル/ウェブアプリケーションのようなソフトウェアを構成する命令語を格納することができる。 また、メモリ210は、アプリケーションまたはプログラムの実行に必要な各種データを格納することができる。
【0027】
メモリ210は、ROM(read only memory)、PROM(programmable ROM)、EPROM(electrically programmable ROM)、EEPROM(electrically erasable and programmable ROM)、フラッシュメモリ、PRAM(phase-change random access memory)、MRAM(magnetic RAM)、RRAM(resistive RAM)、FRAM(登録商標)(ferroelectric RAM)などのような不揮発性メモリとして実装されてもよく、DRAM(dynamic RAM)、SRAM(static RAM)、SDRAM(synchronous DRAM)、PRAM(phase-change RAM)、RRAM(resistive RAM)、FeRAM(ferroelectric RAM)などの揮発性メモリとして実装されてもよい。 さらに、メモリ210は、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、SD(secure digital)、Micro-SDなどとして実装されることも可能である。
【0028】
プロセッサ220は、メモリ210に格納される命令語を実行することにより、強制力データ300を生成するための一連の処理過程を遂行することができる。 また、プロセッサ220は、入力データ生成装置200を制御するための全般的な機能を遂行することができ、入力データ生成装置200の内部の各種演算を処理することができる。
【0029】
プロセッサ220は、多数の論理ゲートのアレイまたは汎用的なマイクロプロセッサとして実装されてもよい。 プロセッサ220は、単一のプロセッサ、または複数のプロセッサから構成可能である。 プロセッサ220は、命令語を格納するメモリ210と別個の構成ではない、メモリ210と共に一体に構成されることも可能である。 例えば、プロセッサ220は、入力データ生成装置200内に備えられるCPU(central processing unit)、GPU(graphics processing unit)及びAP(application processor)のうち少なくとも1つの形態に実装可能である。
【0030】
プロセッサ220は、メモリ210に格納される命令語を実行することにより、HYDE(History Database of the Global Environment)を通じて復元され、CMIPにより提供されるLUHデータ110から、新規の地面タイプデータを収集することができる。
【0031】
新規の地面タイプデータは、LUHデータ110に対する処理過程を経て収集されるものであり、例えば、格子変換、パスチャー(pasture)及びナチュラル(natural)などの草地データ取り合わせ、アーバン(urban)タイプの非植生データ収集などの処理過程により、新規の地面タイプデータが収集可能である。
【0032】
プロセッサ220は、新規の地面タイプデータを収集するとき、0.25゜×0.25゜の解像度を有するLUHデータ110に対して格子転換を行い、1.875゜×1.25゜の解像度を有する新規の地面タイプデータを収集することができる。 すなわち、気象庁などで使用される気候変化予測モデルに互換可能な形式への変換のために、格子サイズの変換が行われてもよい。
【0033】
プロセッサ220は、メモリ210に格納される命令語を実行することにより、CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデルにより算出される既存の地面タイプデータを収集することができる。
【0034】
CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデル、すなわち、CMIP既存のモデル120により、旧バージョンの地面植生のタイプに対する資料が既存の地面タイプデータとして取得可能である。 例えば、LUHデータ110により収集されるC3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプを除いた残りのタイプに対する資料収集のために、CMIP既存のモデル120として、CMIPフェーズ5などが活用可能である。
【0035】
プロセッサ220は、メモリ210に格納される命令語を実行することにより、新規の地面タイプデータを優先して、新規の地面タイプデータ及び既存の地面タイプデータに対するデータ取り合わせを行うことにより、取り合わせの地面タイプデータを生成することができる。
【0036】
CMIP既存のモデル120による既存の地面タイプデータは、旧バージョンの資料である一方、LUHデータ110による新規の地面タイプデータは、人間活動または経時的による変更を反映した資料であるので、新規の地面タイプデータ及び既存の地面タイプデータが互いに重複する部分に対しては、新規の地面タイプデータを優先的に反映し、データ取り合わせが行われ、それにより、取り合わせの地面タイプデータが生成可能である。
【0037】
一方、強制力データ300は、広葉樹(broad leaf tree)タイプ、針葉樹(needle leaf tree)タイプ、C3タイプ、C4タイプ、及び灌木(shrub)タイプから構成される5種の植生タイプ、並びにアーバン(urban)タイプ、陸水(inland-water)タイプ、裸地(bare-soil)タイプ、及びアイス(ice)タイプから構成される4種の非植生タイプによる9種のタイプのうちいずれか1つが各格子に配列される9種格子配列データであり、新規の地面タイプデータは、C3タイプ及びC4タイプの植生タイプ、並びにアーバンタイプの非植生タイプから構成可能である。
【0038】
前記のように、気候変化予測モデルに入力される入力データとして使用されるように、強制力データ300は、9種のタイプから構成可能である。 また、強制力データ300を構成する9種のタイプは、5種の植生タイプ及び4種の非植生タイプから構成可能である。 このとき、LUHデータ110から生成される新規の地面タイプデータは、C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプの3種から構成可能である。
【0039】
データ取り合わせ過程において、地面植生のタイプと関連して、プロセッサ220は、取り合わせの地面タイプデータを生成するとき、C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプに対しては、新規の地面タイプデータを活用し、残りの6種のタイプに対しては、既存の地面タイプデータを活用して、データ取り合わせを行うことができる。
【0040】
前述のように、C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプの場合、新規の地面タイプデータがよりアップデートされた資料に該当するので、これを反映し、9種のタイプのうち残りの6種、すなわち、広葉樹タイプ、針葉樹タイプ、灌木タイプ、陸水タイプ、裸地タイプ、及びアイスタイプに対しては、既存の地面タイプデータが活用可能である。
【0041】
一方、新規の地面タイプデータの植生タイプ、すなわち、C3タイプ及びC4タイプの収集に関し、プロセッサ220は、新規の地面タイプデータを収集するとき、LUHデータ110の細部項目のうち、パスチャー(pasture)及びナチュラル(natural)の草地データに基づいて、C3タイプ及びC4タイプのデータを収集することができる。
【0042】
すなわち、LUHデータ110には、草地データとして、C3パスチャー、C4パスチャー、及びC4ナチュラルのような資料が含まれており、これらに対する判別、検証及び収集を通じて、C3タイプ及びC4タイプのデータがLUHデータ110から収集可能である。 また、類似した方式により、LUHデータ110に含まれる資料から、アーバンタイプの非植生データも、新規の地面タイプデータとして収集可能である。
【0043】
一方、強制力データ300の資料形式に関し、強制力データ300は、9種のタイプの格子面積に基づいて計算される9種のタイプそれぞれの面積比を含んでもよい。
【0044】
例えば、強制力データ300は、1.875゜×1.25゜の解像度を有する格子の各格子点が、9種のタイプのうちいずれか1つに割り当てられる格子データである。 このとき、強制力データ300の全体の格子点、すなわち、強制力データ300の対象地域に形成される格子点の全体個数に対し、9種のタイプそれぞれに割り当てられる格子の個数が0ないし1の値として計算され、9個の面積比は、全て加算された際に1になるように設定可能である。
【0045】
プロセッサ220は、メモリ210に格納される命令語を実行することにより、データ取り合わせの過程において発生するデータ歪曲に対する歪曲補正を行い、取り合わせの地面タイプデータから、強制力データ300を生成することができる。
【0046】
新規の地面タイプデータ及び既存の地面タイプデータは、相異なる対象から収集されるものであるので、両子が取り合わせられたとき、取り合わせの地面タイプデータに一部歪曲が発生しうる。 例えば、一部タイプの格子面積比が所定の面積比を超えるなどの歪曲が生じ、正確度が低下する恐れがある。
【0047】
前記のような正確度低下を防止するために、取り合わせの地面タイプデータに対して行われる歪曲補正に関し、プロセッサ220は、強制力データ300を生成するとき、データ取り合わせにより誤差が発生する場合、新規の地面タイプデータを保存し、既存の地面タイプデータを調整して歪曲補正を行うことができる。
【0048】
前述のように、既存の地面タイプデータは、旧バージョンの資料である一方、新規の地面タイプデータは、新規にアップデートされた資料に該当するので、両子が衝突する場合、新規の地面タイプデータが優先して反映され、その代わりに既存の地面タイプデータが調整されることが可能である。 それにより、強制力データ300に、経時的及び人間活動による植生タイプの変動がより適切に反映されることが可能である。
【0049】
一方、歪曲補正の具体的な方式に関し、プロセッサ220は、歪曲補正を行うとき、既存の地面タイプデータのうち裸地(bare-soil)タイプの格子面積を調整することができ、より具体的には、C3タイプの格子面積及びC4タイプの格子面積が植生タイプ全体の格子面積を超える場合、超える範囲ほど裸地タイプの格子面積を取り除くことができる。
【0050】
すなわち、データ取り合わせの結果、C3タイプ、C4タイプ、またはアーバンタイプのデータにより、格子面積比の超過などの誤差が生じる場合、例えば、C3タイプの格子面積比と、C4タイプの格子面積比との和が、植生タイプ全体の面積比を超える場合、超えるほど裸地タイプから取り除く方式により、歪曲補正が行われることが可能である。
【0051】
一方、強制力データ300の対象位置の特性を反映し、歪曲補正が行われることが可能である。 例えば、強制力データ300の対象位置が南極のような極地方である場合、格子面積比の調整は、アイス(ice)タイプを中心に行われることが可能である。 このとき、極地方の陸地部分のみがアイスタイプに調整されることが好ましく、海洋部分と重なる格子の場合、海洋として分類されるように格子値を取り除くことが好ましい。
【0052】
図3は、一部の実施形態による強制力データを生成する具体的な過程を説明するための図面である。
【0053】
図3を参照すれば、新規の地面タイプデータを収集するための過程310、データ取り合わせにより、植生タイプ面積及び非植生タイプ面積を算出するための過程320、330、並びに歪曲補正を行う過程340が示されている。
【0054】
過程310においては、LUHデータ110の原始データ(raw data)から、新規の地面タイプデータが収集されることが可能である。 その過程において、LUH原始データに対する格子変換が行われ、格子の解像度が気候変化予測モデルに好適な1.875゜×1.25゜に変更可能である。 格子変更後、パスチャー(pasture)及びナチュラル(natural)などの草地データに対する取り合わせ、並びにアーバンタイプのデータ収集が行われ、C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプから構成される新規の地面タイプデータが収集されることが可能である。
【0055】
過程320においては、CMIP既存のモデル120から、既存の地面タイプデータが収集された後、データ取り合わせ過程を通じて、非植生タイプ面積が算出されることが可能である。 既存の地面タイプデータから、アーバンタイプ、陸水タイプ、裸地タイプ、及びアイスタイプの4種の非植生タイプの格子別面積が計算可能であり、そのうちアーバンタイプは、新規の地面タイプデータを反映するために除かれてもよい。
【0056】
過程330においては、CMIP既存のモデル120から、既存の地面タイプデータが収集された後、データ取り合わせ過程を通じて、植生タイプ面積が算出されることが可能である。 既存の地面タイプデータから、広葉樹タイプ、針葉樹タイプ、C3タイプ、C4タイプ、及び灌木タイプの5種の植生タイプの格子別面積が計算可能であり、そのうちC3タイプ及びC4タイプは、新規の地面タイプデータを反映するために除かれてもよい。
【0057】
過程340においては、取り合わせの地面タイプデータに対する歪曲補正が行われ、強制力データ300が算出されることが可能である。 歪曲補正は、植生タイプ及び非植生タイプの面積比に基づいて行われてもよい。 例えば、C3タイプの面積比と、C4タイプの面積比との和が、植生タイプ全体の面積比より大きくなり、誤差が発生する場合(Nの場合)、LUHデータ110の新規のデータを反映するために、C3タイプ及びC4タイプを保存し、その代わりに差ほど裸地(bare-soil)タイプから取り除かれることが可能である。 類似した過程がアーバンタイプに対しても行われ、最終の結果として強制力データ300が生成可能である。
【0058】
図4は、一部の実施形態による入力データ生成方法を構成する段階を示すフローチャートである。
【0059】
図4を参照すれば、入力データ生成方法は、段階410ないし段階440を含むことができる。 但し、これに制限されるものではなく、図4に示される段階外に、他の汎用的な段階が入力データ生成方法にさらに含まれてもよい。
【0060】
図4の入力データ生成方法は、図1ないし図3を通じて説明される入力データ生成装置200において時系列的に遂行される段階から構成可能である。 したがって、以下で省略する内容であるとしても、以上で入力データ生成装置200について説明される内容は、入力データ生成方法についても同様に適用可能である。
【0061】
段階410において、入力データ生成装置200は、HYDEを通じて復元され、CMIPにより提供されるLUHデータ110から、新規の地面タイプデータを収集することができる。
【0062】
入力データ生成装置200は、新規の地面タイプデータを収集するとき、0.25゜×0.25゜の解像度を有するLUHデータ110に対して格子転換を行い、1.875゜×1.25゜の解像度を有する新規の地面タイプデータを収集することができる。
【0063】
入力データ生成装置200は、地面タイプデータを収集するとき、LUHデータ110の細部項目のうち、パスチャー(pasture)及びナチュラル(natural)の草地データに基づいて、C3タイプ及びC4タイプのデータを収集することができる。
【0064】
段階420において、入力データ生成装置200は、CMIPの以前のフェーズにおける既存のモデル120により算出される既存の地面タイプデータを収集することができる。
【0065】
強制力データ300は、広葉樹(broad leaf tree)タイプ、針葉樹(needle leaf tree)タイプ、C3タイプ、C4タイプ、及び灌木(shrub)タイプから構成される5種の植生タイプ、並びにアーバン(urban)タイプ、陸水(inland-water)タイプ、裸地(bare-soil)タイプ、及びアイス(ice)タイプから構成される4種の非植生タイプによる9種のタイプのうちいずれか1つが各格子に配列される9種格子配列データであり、新規の地面タイプデータは、C3タイプ及びC4タイプの植生タイプ、並びにアーバンタイプの非植生タイプから構成可能である。
【0066】
段階430において、入力データ生成装置200は、新規の地面タイプデータを優先して、新規の地面タイプデータ及び既存の地面タイプデータに対するデータ取り合わせを行うことにより、取り合わせの地面タイプデータを生成することができる。
【0067】
入力データ生成装置200は、取り合わせの地面タイプデータを生成するとき、C3タイプ、C4タイプ、及びアーバンタイプに対しては、新規の地面タイプデータを活用し、残りの6種のタイプに対しては、既存の地面タイプデータを活用して、データ取り合わせを行うことができる。
【0068】
強制力データ300は、9種のタイプの格子面積に基づいて計算される9種のタイプそれぞれの面積比を含んでもよい。
【0069】
段階440において、入力データ生成装置200は、データ取り合わせの過程において発生するデータ歪曲に対する歪曲補正を行い、取り合わせの地面タイプデータから、強制力データ300を生成することができる。
【0070】
入力データ生成装置200は、強制力データ300を生成するとき、データ取り合わせにより誤差が発生する場合、新規の地面タイプデータを保存し、既存の地面タイプデータを調整して歪曲補正を行うことができる。
【0071】
例えば、強制力データ300のフォーマット(format)は、NetCDFファイル、PPファイル、またはFFファイルになるが、これに制限されるものではない。
【0072】
入力データ生成装置200は、歪曲補正を行うとき、C3タイプの格子面積及びC4タイプの格子面積が、植生タイプ全体の格子面積を超える場合、超える範囲ほど裸地(bare-soil)タイプの格子面積を取り除くことができる。
【0073】
一方、図4の入力データ生成方法は、その方法を実行する命令語を含む少なくとも1つのプログラムまたはソフトウェアが記録されるコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されることが可能である。
【0074】
コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical media)、並びにROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令を格納して遂行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれることが可能である。 プログラム命令語の例には、コンパイラにより作られるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用して、コンピュータにより実行可能な高級言語コードが含まれることが可能である。
【0075】
以上、本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明による権利範囲がこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている本発明の基本概念を利用した、当業者の多様な変形形態及び改良形態も、本発明による権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0076】
本発明による入力データ生成装置及び方法によれば、気候変化予測モデルにおいて使用される地面植生のタイプから構成される強制力データが生成されるので、気象庁などで動作する全地球規模の数値モデルなど、多方面で活用可能な、高い信頼性の入力データが提供されることが可能である。
【0077】
また、強制力データを生成する過程において、LUHデータから収集される新規の地面タイプデータが、CMIPの既存のモデルによる既存の地面タイプデータより優先して取り合わせられるので、経時的に地面植生のタイプに変更がある場合にも、当該変更事項が強制力データに適切に反映されるので、強制力データの正確性及び信頼性がさらに向上することができる。
図1
図2
図3
図4