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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】迷光低減を伴うモノクロメータ
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/18 20060101AFI20230317BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20230317BHJP
   G01N 21/33 20060101ALN20230317BHJP
【FI】
G01J3/18
G01N21/27 Z
G01N21/33
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021506401
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019043531
(87)【国際公開番号】W WO2020033163
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】62/714,922
(32)【優先日】2018-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509027021
【氏名又は名称】サーモ エレクトロン サイエンティフィック インストルメンツ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】フィンチ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】デック フランシス ジェイ
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06414753(US,B1)
【文献】国際公開第2006/086382(WO,A2)
【文献】可視・紫外線吸収スペクトル法および蛍光スペクトル法,機器分析のてびき,第2版、第1集,日本,株式会社 化学同人,1996年02月10日,第115-146頁
【文献】2.2.2 可視・紫外分光光度計の構成,分光測定入門シリーズ第5巻 可視・紫外分光法,日本,株式会社 講談社サイエンティフィク,2009年04月10日,第12-13頁
【文献】4.分光器,光測定ハンドブック,初版,日本,株式会社 朝倉書店,1994年11月25日,第384-400頁
【文献】第3章 ラマン分光の実際,日本分光学会 測定法シリーズ17 ラマン分光法,初版,日本,株式会社 学会出版センター,1988年12月10日,第76-85頁
【文献】第1章 分光装置,分光測定入門シリーズ 3 分光装置Q&A,日本,株式会社 講談社サイエンティフィク,2009年07月20日,第1-7頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00-G01J 3/52
G01N 21/00-G01N 21/74
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
ACS PUBLICATIONS
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を通過させるように位置付けられた入口スリットと、
前記入口スリットを通過する光を反射するように位置付けられた第1のモノクロメータミラーと、
前記第1のモノクロメータミラーによって反射される光を受け取り、回折するように位置付けられた回折表面と、
前記回折表面によって回折される光を反射するように位置付けられた第2のモノクロメータミラーと、
前記第2のモノクロメータミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられた出口スリットと、
前記出口スリットを通過する光を通過させるように位置付けられたキュベットと、
前記光源からの光を受け取り、選択された値よりも小さい波長を有する光を反射し、前記選択された値よりも大きい波長を有する光を通過させるように位置付けられた、ロングパス干渉フィルタと、
前記ロングパス干渉フィルタによって反射される光を受け取るように位置付けられた第1のサンプル検出器と、を備える、光学システム
【請求項2】
前記光源から前記入口スリットに向けて光を反射するように位置付けられた光源ミラーをさらに備える、請求項1に記載の光学システム
【請求項3】
前記出口スリットから前記キュベットに向けて光を反射するように位置付けられたサンプルミラーをさらに備える、請求項1に記載の光学システム
【請求項4】
前記キュベットと前記ロングパス干渉フィルタとの間に位置付けられたサンプルレンズをさらに備える、請求項1に記載の光学システム
【請求項5】
前記出口スリットを通過する光を受け取るように位置付けられたビームスプリッタをさらに備える、請求項1に記載の光学システム
【請求項6】
前記ビームスプリッタによって反射される光を受け取るように位置付けられた第1の参照検出器をさらに備える、請求項5に記載の光学システム
【請求項7】
前記ビームスプリッタと前記第1の参照検出器との間に位置付けられた参照ロングパス干渉フィルタをさらに備える、請求項6に記載の光学システム
【請求項8】
前記ビームスプリッタと前記第1の参照検出器との間に位置付けられた参照レンズをさらに備える、請求項6に記載の光学システム
【請求項9】
前記ビームスプリッタと前記第1の参照検出器との間に位置付けられた参照キュベットをさらに備える、請求項6に記載の光学システム
【請求項10】
前記参照ロングパス干渉フィルタを通過する光を受け取るように位置付けられた第2の参照検出器をさらに備える、請求項6に記載の光学システム
【請求項11】
前記ロングパス干渉フィルタが、前記キュベットと前記第1のサンプル検出器との間に位置付けられている、請求項1に記載の光学システム
【請求項12】
前記キュベットと前記ロングパス干渉フィルタとの間に位置付けられたサンプルレンズをさらに備える、請求項11に記載の光学システム
【請求項13】
前記ロングパス干渉フィルタを通過する光を受け取るように位置付けられた第2のサンプル検出器をさらに備える、請求項11に記載の光学システム
【請求項14】
前記ロングパス干渉フィルタが、前記ロングパス干渉フィルタによって受け取られる前記光に対して角度を成して位置付けられている、請求項11に記載の光学システム
【請求項15】
前記角度が、約45°である、請求項14に記載の光学システム
【請求項16】
前記ロングパス干渉フィルタが、前記光源と前記入口スリットとの間に位置付けられている、請求項1に記載の光学システム
【請求項17】
前記光源と前記ロングパス干渉フィルタとの間に位置付けられた光源ミラーをさらに備える、請求項16に記載の光学システム
【請求項18】
フィルタアセンブリをさらに備え、前記フィルタアセンブリが、前記ロングパス干渉フィルタと、複数のさらなるロングパス干渉フィルタと、を含み、前記ロングパス干渉フィルタおよび前記複数のさらなるロングパス干渉フィルタが、前記光源と前記第1のサンプル検出器との間に交換可能に位置付けられるように構成されている、請求項1に記載の光学システム
【請求項19】
前記フィルタアセンブリが、回転可能なフィルタホイールを含み、前記ロングパス干渉フィルタおよび前記複数のさらなるロングパス干渉フィルタが、前記ホイールの周りに配置されている、請求項18に記載の光学システム
【請求項20】
ハウジングと、
前記ハウジングに位置付けられた光源と、
前記光源からの光を反射するように位置付けられた光源ミラーと、
前記光源ミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられた入口スリットと、
前記入口スリットを通過する光を反射するように位置付けられた第1のモノクロメータミラーと、
前記第1のモノクロメータミラーによって反射される光を受け取り、回折するように位置付けられた回折表面と、
前記回折表面によって回折される光を反射するように位置付けられた第2のモノクロメータミラーと、
前記第2のモノクロメータミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられた出口スリットと、
前記出口スリットを通過する光を反射するように位置付けられたサンプルミラーと、
前記サンプルミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられたキュベットと、
前記光源からの光を受け取り、選択された値よりも小さい波長を有する光を反射し、前記選択された値よりも大きい波長を有する光を通過させるように位置付けられた、ロングパス干渉フィルタと、
前記ロングパス干渉フィルタによって反射される光を受け取るように位置付けられた第1のサンプル検出器と、を備える、光学システム
【請求項21】
参照ロングパス干渉フィルタを通過する光を受け取るように位置付けられた第2の参照検出器をさらに備える、請求項20に記載の光学システム
【請求項22】
前記ロングパス干渉フィルタが、前記キュベットと前記第1のサンプル検出器との間に位置付けられている、請求項20に記載の光学システム
【請求項23】
前記ロングパス干渉フィルタが、前記光源と前記入口スリットとの間に位置付けられている、請求項20に記載の光学システム
【請求項24】
前記出口スリットを通過する光を受け取るように位置付けられたビームスプリッタと、 前記ビームスプリッタによって反射される光を受け取るように位置付けられた第1の参照検出器と、
前記ビームスプリッタと前記第1の参照検出器との間に位置付けられた参照キュベットと、
前記ビームスプリッタと前記第1の参照検出器との間に位置付けられた参照レンズと、をさらに備える、請求項20に記載の光学システム
【請求項25】
前記ビームスプリッタと前記第1の参照検出器との間に位置付けられた参照ロングパス干渉フィルタをさらに備える、請求項24に記載の光学システム
【請求項26】
前記参照ロングパス干渉フィルタを通過する光を受け取るように位置付けられた第2の参照検出器をさらに備える、請求項24に記載の光学システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年8月6日出願の米国特許出願第62/714,922号の優先権の利益を主張するものである。前述の出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は、概して、迷光低減を伴うモノクロメータに関し、より具体的には、ロングパス干渉フィルタで迷光を低減するモノクロメータに関する。
【背景技術】
【0003】
モノクロメータは、従来技術においてよく知られている。それらの機能は、照射源からの光の選択された波長を分離することである。選択された波長は、光が通過するサンプルの特性の分析などの分析の目的で使用される。
【0004】
モノクロメータは、一般に、光源と、分析される光を受け取るための入口スリットと、光をその個々の波長に分離するための手段と、所望の成分を選択するための出口スリットと、を備える。一般に、あるタイプのモノクロメータはまた、入口スリットから光を受け取り、光をコリメートするためのミラーと、光をその個々の成分に散乱させるための回折表面と、それらの成分を受け取り、出口スリットで提示のためにそれらを再集束させるための集束ミラーと、を含む。出口スリットを通過した後、光は、分析されるサンプルを通過し、光を分析するために検出器に向けられる。本技術分野で知られているモノクロメータの1つのタイプは、ツェルニーターナーモノクロメータである。そのようなツェルニーターナーモノクロメータの1つは、米国特許第5,192,981号に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらなるモノクロメータは、米国特許第2,750,836号および同第3,011,391号に記載されており、どちらもFastieに対して発行されており、その開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
モノクロメータが分光法で使用されるとき、光の特定の波長での光吸収の量により、化学者が、測定されているサンプル内の特定の化学物質、酵素、成分、または化合物の量を判定することを可能にする。サンプルは、単色光で照射され、光は、照射の波長に比例する適切なエネルギーレベルを有する所与の分子化合物の存在に従って吸収または透過される。サンプルの得られた吸光度(光学密度)または透過率が測定される。この一見単純な手順は、光源、光透過媒体、スペクトル分離方法、および最終的には検出要件を考慮しなければならない電気光学設計者に対して多くの課題を提示し得る。
【0006】
使用される光源は通常、従来の2ランプタングステン-ハロゲンおよび重水素システム、またはキセノンフラッシュランプもしくは白色発光ダイオードなどの広域スペクトル光源である。モノクロメータ構成では、光は最初に、広帯域光源からそのスペクトル要素に分離され、次いで、単色光は、検出器での検出の前に、対象のサンプル上に集束される。モノクロメータでは、1つの波長のみの光を、出口スリットを通って検出器に通過させることが望ましい。
【0007】
モノクロメータにおける迷光または迷光放射エネルギー(SRE)の光源は、ビーム再回折と、グレーティングからの2次および3次エネルギーと、モノクロメータ表面反射の内部の一般的なエネルギー「グロー」と、を含む。
【0008】
複数次からの迷光は、2次ロングパスフィルタで抑制され得、再回折は、Cary原理を使用してモノクロメータを設計するか、または米国特許第6,414,753号に記載される面外法を使用することによって解決されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一般的な「グロー」は、容易に利用可能でなく、経済的にも実現可能ではない、UV範囲でのショートパスフィルタを必要とするため、より困難である。迷光のこの一般的な「グロー」光源は、モノクロメータの性能が低減する結果となる。
【0009】
複数のモノクロメータを直列に提供することによって、迷光が低減され得る。2つの完全なモノクロメータを直列で使用する配置もあるが、完全なモノクロメータの「前」でプリセレクタモノクロメータを使用するものもある。どちらの配置も、特別な光学および駆動部品により高価であり、また、エネルギーの観点から必然的に損失がある。
【0010】
従来の既知のデバイスに固有の難点のいくつかまたはすべてを低減または克服する、モノクロメータで迷光を低減するための装置を提供することが望ましいであろう。特定の実施形態の以下の開示および詳細な説明を考慮して、特定の目的および利点は、当業者、すなわち、本技術分野に精通しているか、または経験を有する者には明らかであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第5192981号明細書
【文献】米国特許第2750836号明細書
【文献】米国特許第3011391号明細書
【文献】米国特許第6414753号明細書
【発明の概要】
【0012】
第1の態様によれば、迷光低減装置は、光源と、光源からの光を通過させるように位置付けられた入口スリットと、を含む。第1のモノクロメータミラーは、入口スリットを通過する光を反射するように位置付けられる。回折表面は、第1のモノクロメータミラーによって反射される光を受け取り、回折するように位置付けられる。第2のモノクロメータミラーは、回折表面によって回折される光を反射するように位置付けられる。出口スリットは、第2のモノクロメータミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられる。キュベットは、出口スリットを通過する光を通過させるように位置付けられる。ロングパス干渉フィルタは、光源からの光を受け取り、選択された値よりも小さい波長を有する光を反射し、選択された値よりも大きい波長を有する光を通過させるように位置付けられる。第1のサンプル検出器は、ロングパス干渉フィルタによって反射される光を受け取るように位置付けられる。
【0013】
別の態様によれば、モノクロメータは、ハウジングと、ハウジングに位置付けられた光源と、光源からの光を反射するように位置付けられた光源ミラーと、を含む。入口スリットは、光源ミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられる。第1のモノクロメータミラーは、入口スリットを通過する光を反射するように位置付けられる。回折表面は、第1のモノクロメータミラーによって反射される光を受け取り、回折するように位置付けられる。第2のモノクロメータミラーは、回折表面によって回折される光を反射するように位置付けられる。出口スリットは、第2のモノクロメータミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられる。サンプルミラーは、出口スリットを通過する光を反射するように位置付けられる。キュベットは、サンプルミラーによって反射される光を通過させるように位置付けられる。ロングパス干渉フィルタは、光源からの光を受け取り、選択された値よりも小さい波長を有する光を反射し、選択された値よりも大きい波長を有する光を通過させるように位置付けられる。第1のサンプル検出器は、ロングパス干渉フィルタによって反射される光を受け取るように位置付けられる。
【0014】
ここで開示される、これらのおよびさらなる特徴および利点は、特定の実施形態の以下の詳細な開示、その図面、および特許請求の範囲からさらに理解されるであろう。
【0015】
本実施形態の前述のおよび他の特徴および利点は、添付の図面と併せて受け入れられる例示的な実施形態の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術のモノクロメータの内部の斜視図である。
図2図1の従来技術のモノクロメータの正面斜視図である。
図3図1の従来技術のモノクロメータの上面図である。
図4】ロングパス干渉フィルタを有するモノクロメータを通る光路を示す概略図である。
図5】ロングパス干渉フィルタを有する、代替的な実施形態のモノクロメータを通る光路を示す概略図である。
図6】ロングパス干渉フィルタを有する、別の代替的な実施形態のモノクロメータを通る光路を示す概略図である。
図7】ロングパス干渉フィルタを有する、さらに別の代替的な実施形態のモノクロメータを通る光路を示す概略図である。
図8】ロングパス干渉フィルタを有する、さらなる代替的な実施形態のモノクロメータを通る光路を示す概略図である。
図9】複数のロングパス干渉フィルタを有するモノクロメータを通る光路を示す概略図である。
【0017】
上記に対して参照される図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、特定の実施形態の表示を提供するように理解されるべきであり、単に、本質的に概念的なものであり、関係する原理の例示である。図面に示される迷光低減装置のいくつかの特徴は、説明および理解を容易にするために、他のものに対して拡大または歪曲されている。様々な代替的な実施形態に示される類似または同一の構成要素および特徴に対して図面で、同じ参照番号が使用される。本明細書に開示されるような迷光低減装置は、それらが使用される、意図された用途および環境によって部分的に決定される構成および構成要素を有するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図3を参照すると、従来技術のモノクロメータ10は、ハウジング12を含む。説明の目的のために、ハウジング12のベースのみが図面に示され、ハウジング12は、外部光が入るのを防ぐためにモノクロメータ10全体を囲んでいることが理解される。光源14は、ハウジング12内に提供される。特定の実施形態では、光源14は、キセノンフラッシュ光源であり得るが、モノクロメータと共に使用するのに好適な他の光源は、当業者に知られている。光源14は、光を光源ミラー16に向ける。光は、光源ミラー16から反射され、開口絞り18および入口スリット20を通って向けられる。光源14は、収差を制限し、かつモノクロメータ10のフットプリントを最適化するために、ミラー16、および入口スリット20の中心を通る軸と同じ垂直面にあり得る。ミラー16は、入口スリット20に光を集束させる球面または非球面ミラーであり得る。
【0019】
光は、フィルタ22を通過し、次いで、入口スリット20を通過する。フィルタ22は、分析波長の機能として選択され、特定の波長の光を遮断し、モノクロメータ10でのその2次または3次回折は、フィルタリングされない限り、選択された分析波長の光に悪影響を及ぼし得る。次いで、光は、第1のモノクロメータミラー24に当たる。第1のモノクロメータミラー24は、入口スリット20が第1のモノクロメータミラー24の焦点にあるように配置され得る。光は、第1のモノクロメータミラー24によってコリメートされ、回折表面26に反射される。特定の実施形態では、回折表面26は、シェリドングレーティングである。シェリドングレーティングは、ルールドグレーティングよりも低い迷光特性を有する。他のタイプのグレーティングもモノクロメータ10で使用され得ることを理解されたい。
【0020】
回折表面26は、光を個々の波長成分に分割し、これらの成分を第2のモノクロメータミラー30に向ける。第2のモノクロメータミラー30は、回折光を出口スリット32に反射する。出口スリット32は、第2のモノクロメータミラー30の焦点に配置され得る。光の単一の事前選択された波長のみを出口スリット32を通過させることが望ましいため、回折表面26は、垂直軸の周りで回転可能であり得る。回折表面26の位置を変えることによって、出口スリット32を通過する光の波長が選択される。出口スリット32を通過した後、光は、サンプルミラー34に当たり、サンプルミラー34によって反射され、ビームスプリッタ36に向けられ得る。光の一部分は、ビームスプリッタ36を通過し、別の部分は、既知のようにビームスプリッタ36から反射される。ビームスプリッタ36を通過する光38の一部は、サンプル(図示せず)を保持するキュベット46に向けられる。サンプルミラー34は、サンプルの中心で出口スリット32を映すように配置される。キュベット46およびサンプルを通過した後、光38は、サンプルレンズ48を通って第1のサンプル検出器42に向けられる。ビームスプリッタ36から反射される光40の他の部分は、第2のレンズ41を通って、本明細書で第1の参照検出器44と称される検出器44に向けられ得る。光が当たる第1のサンプル検出器42および第1の参照検出器44は、既知のように、サンプルの特性を分析するために比較され得る。
【0021】
モノクロメータ60の第1の実施形態は、図4に概略的に示される。モノクロメータ60の要素の多くは、図1図3に示される従来技術のツェルニーターナーモノクロメータ10のものと類似する。モノクロメータ60に対するハウジングは、明確性の理由のためにここでは示されない。図1図3は、ツェルニーターナータイプのモノクロメータを示しているが、本開示は、他のタイプのモノクロメータでも同様に使用され得ることを理解されたい。
【0022】
図4の実施形態では、ロングパスフィルタ62は、サンプルの下流に位置付けられており、より短い波長を有する光を反射しながら、より長い波長を有する光を透過するように機能する。具体的には、ロングパスフィルタは、選択された値よりも長い波長を有する光を透過または通過させ、選択された値よりも短い波長を有する光を反射するように機能する。このフィルタリングおよび反射能力を達成するための例示的なフィルタは、カリフォルニア州アーバインのNewport Corporationによって提供されるカラーガラス代替(CGA)フィルタである。そのようなフィルタは、本明細書で「ロングパス干渉フィルタ」と称される。
【0023】
ここに示されるように、光源14(図示せず)からの光は、モノクロメータ60を介して光源ミラー16に向けられ、光源ミラー16によって反射される。ロングパス干渉フィルタ62は、サンプル46およびサンプルレンズ48の下流の光38の経路に沿って位置付けられており、より長い波長の光64を透過し、より短い波長の光66を第1のサンプル検出器42に反射する。
【0024】
反射されたより短い波長の光66は、第1のサンプル検出器42に移動して当たり、ユーザがサンプル46の特性を分析することが可能になる。特定の実施形態では、第1のサンプル検出器42に向けられる光のターゲット波長は、<350nmである。したがって、そのような実施形態では、>350nmの波長を有する光を透過し、<350nmの波長を有する光を反射する、ロングパス干渉フィルタ62が選択される。
【0025】
図4に見られるように、ロングパス干渉フィルタ62は、光38の移動の経路に対して角度αで位置付けられる。特定の実施形態では、角度αは、光66が光38の移動の経路に対して約90°反射されるように、約45°である。他の実施形態では、角度αは、45°よりも大きくてもまたは小さくてもよいことを理解されたい。本開示の利点を考えると、角度αの他の好適な値は、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0026】
本明細書で使用されるような「約」という用語は、モノクロメータの製造および使用の分野での実用的な商業工学の目的、コスト、製造公差、および能力の制約内で、特定の値に近いか、またはほぼ特定の値を意味することを意図する。同様に、本明細書で使用されるような「実質的に」という用語は、実用的な商業工学の目的、コスト、製造公差、および能力の制約内で、ほとんどまたはほぼ同じことを意味することを意図する。
【0027】
したがって、ここで見られ得るように、ロングパス干渉フィルタ62は、帯域外の長い波長の光、または「グロー」を受け入れず、所望の光を第1のサンプル検出器42に提供することによって、モノクロメータ60に対して改善された性能を提供するように機能する。
【0028】
ビームスプリッタ36を通過する光40は、参照ミラー65によって反射され、次いで、参照キュベット67を通り得る。次いで、参照キュベット67から、光40は、レンズ41を通過し、第1の参照検出器44に向かう。キュベット67は、実際のサンプルまたは分析対象を含まないが、典型的には低吸光物質である溶媒を含み得る。
【0029】
さらなる実施形態は、図5に示される。本実施形態では、第2のサンプル検出器68は、より長い波長の光64の経路に沿って位置付けられる。したがって、そのような実施形態では、サンプルは、第2のサンプル検出器68での長い波長の光、および第1のサンプル検出器42での短い波長の光の両方を使用して分析され得る。
【0030】
別の実施形態は、図6に示される。本実施形態では、ロングパス干渉フィルタ62は、入口スリット20の上流に位置付けられる。そのような実施形態を実施するために、光源14(図示せず)から入って来る光の移動の経路は、再配向されなければならない。ここに示されるように、ロングパス干渉フィルタ62は、光源ミラー16を出る光70の経路の下流に位置付けられる。より長い波長を有する光72の一部分は、ロングパス干渉フィルタ62を通過するが、より短い波長を有する光74の一部分は、ロングパス干渉フィルタ62によって反射され、入口スリット20に向けられる。次いで、光は、モノクロメータ60の残りの要素を通って第1のサンプル検出器42に移動する。
【0031】
上述の実施形態と同様に、ロングパス干渉フィルタ62は、光70の移動の経路に対して角度αで位置付けられる。ここに示されるような角度αは、45°であるが、上述のように、それは、45°よりも大きくてもまたは小さくてもよい。
【0032】
参照ロングパス干渉フィルタ76が第1の参照検出器44の上流に位置付けられた、代替的な実施形態は、図7に示される。本実施形態では、参照ロングパス干渉フィルタ76は、レンズ41と第1の参照検出器44との間に位置付けられる。
【0033】
特定の実施形態では、ロングパス干渉フィルタ62および参照ロングパス干渉フィルタ76は各々、同じ波長の範囲を有する光を通過させ反射するように構成される。したがって、そのような実施形態では、第1のサンプル検出器42および第1の参照検出器44の両方が、同じ波長範囲の光を受け取る。
【0034】
別の実施形態は、図8に示され、ロングパス干渉フィルタ62によって反射される光66を受け取る第1のサンプル検出器42、およびロングパス干渉フィルタ62を通過する光64を受け取る第2のサンプル検出器68を含む。本実施形態はまた、参照ロングパス干渉フィルタ76によって反射される光80を受け取る第1の参照検出器44、および参照ロングパス干渉フィルタ76を通過する光78を受け取る第2の参照検出器82を含む。
【0035】
したがって、本実施形態では、サンプル46は、ロングパス干渉フィルタ62によって反射され、かつ第1のサンプル検出器42に当たる、より短い波長の光を使用して分析され得、このデータは、参照ロングパス干渉フィルタ76によって反射され、かつ第1の参照検出器44に当たる、より短い波長の光に基づく参照値と比較され得る。
【0036】
さらに、本実施形態では、サンプル46は、ロングパス干渉フィルタ62を通過し、かつ第2のサンプル検出器68に当たる、より長い波長の光64を使用して分析され得、このデータは、参照ロングパス干渉フィルタ76を通過し、かつ第2の参照検出器82に当たる、より長い波長の光に基づく参照値と比較され得る。
【0037】
ロングパス干渉フィルタ62が、複数のロングパス干渉フィルタを含むフィルタアセンブリ84の一部である、代替的な実施形態は、図9で見られる。ロングパス干渉フィルタの各々は、特定の波長範囲を選択することによってサンプルの分析がより洗練され、選択的に最適化され得るように、選択された波長の範囲を反射するように構成される。例えば、あるフィルタは、約190nm~約230nmに対して、別のものは、約230nm~約270nmに対して、別のものは、約270nm~約350nmに対してなどに構成され得る。
【0038】
フィルタアセンブリ84は、回転可能なホイールもしくはスライド機構、または複数のロングパス干渉フィルタが、モノクロメータ60を通って移動する光の経路に沿って交換可能に位置付けられることを可能にする、任意の他のアセンブリの形態を取り得る。
【0039】
示された実施形態では、フィルタアセンブリ84は、サンプルレンズ48から出て第1のサンプル検出器42に向かって移動する光38の経路に沿って位置付けられる。フィルタアセンブリ84は、モノクロメータ60内の異なる場所に位置付けられ得ることを理解されたい。
【0040】
特定の実施形態では、図9に示されるように、フィルタアセンブリ84は、回転可能なフィルタホイール86を含む。複数のロングパス干渉フィルタ62A~62N(ここで、フィルタ62Aおよび62Bのみが示されている)は、フィルタホイール86の周りに位置付けられる。フィルタホイール86が、シャフト88の周りで矢印Aの方向に回転すると、フィルタ62A~62Nの選択されたロングパス干渉フィルタは、光38と一列に位置付けられ得る。光38は、当然、その特定のフィルタに当たり、その特定のフィルタの波長特性に従って反射され通過する。モータ90は、シャフト88、したがって、フィルタホイール86を回転させるために使用され得る。
【0041】
本開示から得られる知識を有する当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、これらのおよび他の利点を達成する際に、開示された装置および方法に様々な変更がなされ得ることを認識するであろう。したがって、本明細書に記載される特徴は、修正、改変、変更、または置換が可能であることを理解されたい。例えば、同じ結果を達成するために実質的に同じ機能を実質的に同じ方法で実行する要素および/またはステップのすべての組み合わせが、本明細書に記載される実施形態の範囲内にあることが明確に意図される。記載されたある実施形態から別のものへの要素の置換も、完全に意図され、企図される。本明細書に示され記載される特定の実施形態は、例示的な目的のみであり、添付の特許請求の範囲に記載されるものを限定するものではない。他の実施形態は、当業者には明らかであろう。前述の説明は、明確性のためにのみ提供され、単なる例示であることを理解されたい。本開示の趣旨および範囲は、上記の例に限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲によって包含される。上記で引用されたすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が参照によりそのように組み込まれることが具体的にかつ個別に示されているかのように、同じ程度まですべての目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9