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特許7246497検査装置用ジグ、検査装置、検査セット及びこれを用いる対象物の検査方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】検査装置用ジグ、検査装置、検査セット及びこれを用いる対象物の検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20230317BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G01B21/00 L
H05K3/00 V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021543257
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2020001073
(87)【国際公開番号】W WO2020153741
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0009391
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、ミョン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、カン ジョ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、チュン ミン
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-338164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00-21/32
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物が載置可能に構成されるジグ;及び
前記ジグが引入及び引出可能で前記検査対象物を検査するように構成される検査装置を含み、
前記ジグは、
前記検査対象物が前記ジグにクランピングされるクランピング(clamping)及び前記クランピング方向の反対方向であるアンクランピング(un-clamping)方向に移動可能なクランパー(clamper)を1つ以上含み、
前記検査装置は、
前記ジグを移動させるように構成された移送部;及び
前記クランパーを前記アンクランピング方向に加圧するように構成された加圧部を含み、前記クランパーに接触及び加圧可能に構成された1つ以上のクランピング駆動部、を含み、
前記クランパーは、前記加圧部と接触可能な前記クランピング方向の表面を含む駆動接触部を含み、
前記加圧部が前記クランピング方向に移動することにより、前記加圧部は前記駆動接触部から離隔されるように構成され、
前記加圧部及び前記駆動接触部が互いに干渉されない状態で、前記検査装置に、前記ジグが前記クランピング方向の垂直方向に引入及び引出可能に構成される、
検査セット。
【請求項2】
前記ジグは、前記クランパーを前記クランピング方向に加圧させる弾性力を提供する弾性部材を含、請求項1に記載の検査セット。
【請求項3】
前記加圧部が前記クランパーを前記アンクランピング方向に加圧することにより、前記弾性部材は弾性変形されるように構成され、請求項2に記載の検査セット。
【請求項4】
前記ジグが前記検査装置に対して所定の位置に配置された状態で、前記加圧部及び前記駆動接触部は、互いに向かい合うように構成される、請求項に記載の検査セット。
【請求項5】
前記1つ以上のクランパーは一対のクランパーを含み、
前記1つ以上のクランピング駆動部は、前記一対のクランパーに対応する一対のクランピング駆動部を含む、
請求項1に記載の検査セット。
【請求項6】
請求項1の検査セットを用いる対象物の検査方法であって、
前記クランパーが前記クランピング方向に移動して検査装置用ジグに載置された対象物が前記検査装置用ジグにクランピングされるクランピング段階;
前記移送部により前記検査装置用ジグが移動する、第1の移動段階;
前記検査対象物を検査して不良如何を判断する検査段階;
前記移送部により前記検査装置用ジグが移動する、第2の移動段階;及び
前記クランパーが前記アンクランピング方向に移動して前記検査対象物が前記検査装置用ジグに対してアンクランピングされるアンクランピング段階を含む、
対象物の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物を検査する装置、対象物が載置されるジグ、対象物を検査する検査セット及び対象物を検査する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種物品を製造し、そのまま流通したり他の物品との組立をしたりする場合において、物品(対象物)の製造状態または組立状態に対する検査を行うことは、製品の信頼性を高めるために必須の工程である。従来、物品の検査は、肉眼で検査されてきたが、最近、検査装備を用いて精度を向上させて作業速度を高める技術が開発されている。
【0003】
対象物の種類、形態及び大きさは、多様であってもよい。例えば、印刷回路基板(PCB、Printed Circuit Board)等の基板が対象物になり得る。基板には多数の素子が配置され得る。ピン挿入装置が基板上に形成された複数のホールに複数のピンを挿入することができる。挿入されたピンを介して基板は他の部品と電気的に連結され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、対象物を効率よく検査する装置及び方法を提供する。
【0005】
従来は、ジグが移送システム(例えば、ボールスクリュやベルト)に付着されて動く構成であるため、ジグを交換する場合、当該ジグを検査装置から分離するのに相当な労力が要される問題がある。本開示の実施例は、前述の従来技術の問題を解決する。
【0006】
従来は、手作業で対象物を交換する対象物検査装置において、対象物を定位置に置いて対象物をクランピング(clamping)する作業のために、多くの労力が伴う問題がある。本開示の実施例は、前述の従来技術の問題を解決する。
【0007】
従来は、手作業で対象物を交換する対象物検査装置において、作業者の安全性が落ちる問題がある。例えば、ジグがサーボモータ(servomotor)により駆動されるボールスクリュ(ball screw)に載せて移送され、ジグの移動時に作業者がミスで手などをジグにぶつける場合、作業者が致命傷を負う恐れがある問題がある。本開示の実施例は、前述の従来技術の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面は、検査セットの実施例を提供する。代表的な実施例による検査セットは、検査対象物が載置可能に構成されるジグ;及び前記ジグが引入及び引出可能で前記対象物を検査するように構成される検査装置を含む。前記ジグは、前記対象物が前記ジグにクランピングされるクランピング(clamping)方向に移動可能であり、前記クランピング方向の反対方向であるアンクランピング(un-clamping)方向に移動可能なクランパー(clamper)を1つ以上含む。前記検査装置は、前記ジグを移動させるように構成された移送部;及び前記クランパーに接触及び加圧可能に構成されたクランピング駆動部を1つ以上含む。
【0009】
実施例において、前記ジグは、前記クランパーを前記クランピング方向に加圧させる弾性力を提供する弾性部材を含み得る。前記クランピング駆動部は、前記クランパーを前記アンクランピング方向に加圧するように構成された加圧部を含み得る。
【0010】
実施例において、前記加圧部が前記クランパーを前記アンクランピング方向に加圧することにより、前記弾性部材は弾性変形されるように構成され得る。前記加圧部が前記クランピング方向に移動することにより、前記加圧部は前記クランパーから離隔されるように構成され得る。
【0011】
実施例において、前記クランピング駆動部は、前記クランパーを前記アンクランピング方向に加圧するように構成された加圧部を含み得る。前記クランパーは、前記加圧部と接触可能な前記クランピング方向の表面を含む駆動接触部を含み得る。
【0012】
実施例において、前記ジグが前記検査装置に対して所定の位置に配置された状態で、前記加圧部及び前記駆動接触部は、互いに向かい合うように構成され得る。
【0013】
実施例において、前記1つ以上のクランパーは一対のクランパーを含み、前記1つ以上のクランピング駆動部は、前記一対のクランパーに対応する一対のクランピング駆動部を含み得る。
【0014】
実施例において、前記検査装置に、前記ジグが前記クランピング方向の垂直方向に引入及び引出可能に構成され得る。
【0015】
本開示の他の側面は、検査装置の実施例を提供する。代表的な実施例による検査装置は、ジグが引入及び引出可能で前記ジグに載置された検査対象物を検査するように構成される。前記検査装置は、前記ジグを移動させるように構成された移送部;及び前記ジグに接触及び加圧可能に構成され、クランピング方向及び前記クランピング方向の反対方向であるアンクランピング方向に移動可能に構成された加圧部を含むクランピング駆動部を含む。
【0016】
実施例において、前記移送部は、前記ジグを前記クランピング方向の垂直方向に移動させるように構成され得る。
【0017】
実施例において、前記移送部は、前記ジグをスリップ可能に前後方向に移動させるように構成され得る。
【0018】
実施例において、前記移送部は、前記ジグを支持し、前記ジグを後方または前方に移動させる移送ベルトを含み得る。
【0019】
実施例において、前記検査装置は、前記移送部により前記ジグが後方に移動する時に前記ジグの後端に接触可能に構成されるストッパーを含み得る。
【0020】
実施例において、前記検査装置は、前記ジグが所定位置に配置される時に前記ジグを感知する少なくとも1つのセンサを含み得る。
【0021】
実施例において、前記検査装置はそれぞれ、前記移送部を備えて前記ジグの左右両側の端部が支持されるように構成された一対の移送機構;前記一対の移送機構の少なくともいずれか1つの左右方向への移動を案内するフレームガイド;及び前記少なくともいずれか1つの移送機構の左右方向への移動のための駆動力を提供する駆動部を含み得る。
【0022】
実施例において、前記検査装置は、前記対象物の配置如何を感知するセンサを含み得る。
【0023】
実施例において、前記検査装置は、前記対象物に挿入されたピンの挿入不良如何を検査するように構成され得る。
【0024】
本開示のさらに他の側面は、検査装置用ジグの実施例を提供する。代表的な実施例による検査装置用ジグは、検査対象物が載置可能に構成され、前記対象物を検査する検査装置に引入及び引出可能である。前記ジグは、前記対象物がクランピングされるクランピング方向に移動可能であり、前記クランピング方向の反対方向であるアンクランピング方向に移動可能なクランパー;及び前記クランパーの移動方向を案内するクランピングガイドを含む。前記クランパーは、前記対象物に接触可能に構成される対象物接触部;及び前記クランパーが移動するための駆動力の伝達を受けるように前記検査装置に接触可能に構成される駆動接触部を含む。
【0025】
実施例において、前記ジグは、前記クランパーを前記クランピング方向に加圧させる弾性力を提供する弾性部材を含み得る。
【0026】
実施例において、前記ジグは、前記対象物の側面に接触可能に構成されたガイドウォール;及び前記対象物の溝またはホールに挿入されるように構成されたガイドピンを含み得る。
【0027】
本開示のさらに他の側面は、前記検査セットを用いる対象物の検査方法の実施例を提供する。代表的な実施例による対象物の検査方法は、前記クランパーが前記クランピング方向に移動して前記ジグに載置された対象物が前記ジグにクランピングされるクランピング段階:前記移送部により前記ジグが移動する、第1の移動段階;前記対象物を検査して不良如何を判断する検査段階;前記移送部により前記ジグが移動する、第2の移動段階;及び前記クランパーが前記アンクランピング方向に移動して前記対象物が前記ジグに対してアンクランピングされるアンクランピング段階を含む。
【発明の効果】
【0028】
本開示の実施例によると、対象物を効率よく、かつ正確に検査することができる。
【0029】
本開示の実施例によると、対象物をジグに定位置(locating)させる動作と固定(clamping)させる動作を一度に行うことで、対象物のローディング作業がワンステップ(one step)で完了し得る。これにより、対象物の定位置への配置及び固定作業を簡便に行うことができ、対象物を簡便に交換することができる。
【0030】
本開示の実施例によると、互いに異なる規格の対象物を1つの装置で簡便に検査することができる。
【0031】
本開示の実施例によると、互いに異なる規格のジグを1つの装置で簡便に用いることができる。
【0032】
本開示の実施例によると、ジグが移送ベルト(例えば、コンベヤーベルト)上に載せて移送され、作業者がミスでジグにぶつかってもジグと移送ベルトとの間にスリップ(slip)が発生して事故の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の一実施例による対象物を検査する検査セット(1、J)の斜視図である。
図2図1のケース(10)内部の構造を示す斜視図である。
図3図2の移送機構(100A、100B)及びジグ(J)の斜視図である。
図4図2の移送機構(100A、100B)及びジグ(J)の斜視図である。
図5図4の第1の移送機構(100A)及び第2の移送機構(100B)の間の間隔が変更された状態の斜視図である。
図6図4の移送機構(100A、100B)にジグ(J)が引き入れられる前の状態を示す一部斜視図である。
図7図6の移送機構(100A、100B)にジグ(J)が引き入れられ、ジグ(J)に対象物(B)が載置される前の状態を示す一部斜視図である。
図8図7の移送機構(100A、100B)に引き入れられたジグ(J)に対象物(B)が載置された状態を示す一部斜視図である。
図9図8のジグ(J)の斜視図である。
図10図9のジグ(J)の分解斜視図である。
図11図9のジグ(J)の分解斜視図である。
図12a図8の移送機構(100)、ジグ(J)及び対象物(B)をラインS1-S1’に沿って切った部分断面図であって、対象物(B)がクランピング(clamping)された状態を示す。
図12b図8の移送機構(100)、ジグ(J)及び対象物(B)をラインS1-S1’に沿って切った部分断面図であって、対象物(B)がアンクランピング(unclamping)された状態を示す。
図13図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図14図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図15図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図16図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図17図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図18図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図19図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。
図20】本開示の一実施例による対象物の検査方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的な説明で限定されるものではない。
【0035】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0036】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0037】
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0038】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0039】
本開示で用いられる「~に基づいて」という表現は、当該表現が含まれる語句または文章で記述される、決定、判断の行為または動作に影響を与える1つ以上の因子を記述するのに用いられ、この表現は、決定、判断の行為または動作に影響を与える追加の因子を排除しない。
【0040】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得るか接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を媒介として連結され得るか接続され得るものとして理解されるべきである。
【0041】
本開示で用いられる「前(F)」、「後(R)」、「左(Le)」、「右(Ri)」、「上(U)」、「下(D)」等の方向を指す表現は、図面に表示されたところにより定義する。各方向に関する表現は、あくまでも本開示が明確に理解できるように説明するためのものであり、基準をどこに置くかにより各方向を異なって定義することもできる。
【0042】
以下、添付の図面を参照し、本開示の実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものとして意図されはしない。
【0043】
図1は、本開示の一実施例による対象物を検査する検査セット(1、J)の斜視図である。図2は、図1のケース(10)内部の構造を示す斜視図である。図1及び図2を参考にすると、対象物検査セット(1、J)は対象物検査装置(1)及びジグ(J)を含む。検査装置(1)は、対象物を検査するように構成される。ジグ(J)は、前記対象物が載置可能に構成される。検査装置(1)は、ジグ(J)に載置された前記対象物を検査する。
【0044】
本実施例において、検査装置(1)は、前記対象物に挿入されたピンの挿入不良如何を検査する。この場合、前記対象物は、基板(substrate)であってもよい。例えば、前記不良は、前記対象物上に挿入されるピンの特性、ピン挿入装置の設定エラー、ピン挿入装置の機械的遊隙、欠陥、対象物の非平坦性などにより発生し得る。
【0045】
例えば、外部のピン挿入装置(図示せず)が対象物である基板に複数のピン挿入工程を行い、複数のピンが挿入された基板(対象物)が検査装置(1)に移送され得る。検査装置(1)は、基板に挿入された複数のピンのそれぞれの挿入状態を検査することができる。検査装置(1)は、基板にパターン光を照射し、基板に挿入された複数のピンのそれぞれから反射したパターン光を受信することができる。検査装置(1)は、受信されたパターン光を用いて、複数のピンのそれぞれの高さ、挿入位置などを測定し、測定情報を用いて複数のピンのそれぞれの挿入状態を検査することができる。検査装置(1)は、パターン光を通じて測定された情報を用いて、前記対象物に挿入された複数のピンの挿入状態を迅速かつ正確に検査することができる。他の実施例において、検査装置(1)は、対象物の表面を検査したり、対象物に載置された素子の位置を検査したり、対象物にプリンティングされた導電体の不良如何などを検査することができる。
【0046】
ジグ(J)に前記対象物が載置及び分離可能である。例えば、検査セット(1、J)は、対象物のローディング(loading)及びアンローディング(unloading)等の作業において、作業者のハンドリング(handling)が必要なマニュアル(manual)ライン用装備であってもよい。前記対象物は、検査を受けるためにジグ(J)に載置(ローディング)され、前記対象物が検査を受けた後にジグ(J)から分離(アンローディング)され得る。前記対象物は、ジグ(J)にクランピングされ得る。前記対象物は、ジグ(J)からアンクランピングされ得る。
【0047】
検査装置(1)にジグ(J)が引入及び引出可能に構成される。前記対象物の種類や規格などが変わった場合、ジグ(J)を検査装置(1)から引き出して、変わった対象物が載置可能な他の種類のジグを検査装置(1)に引き入れ得る。
【0048】
検査装置(1)は、ジグ(J)を移動させる。検査装置(1)は、移送機構(100)を含む。移送機構(100)は、ジグ(J)を移動させるように構成された移送部(110)を含む。移送部(110)にジグ(J)が載せられ得る。
【0049】
検査装置(1)には、検査前の前記対象物が引き入れられる投入口が形成される。検査装置(1)には、検査後の前記対象物が排出される排出口が形成される。本実施例で前記投入口及び前記排出口は、1つの位置に形成されるが、他の実施例で前記投入口及び前記排出口は、互いに異なる位置に形成され得る。前記投入口及び/又は前記排出口を介してジグ(J)が検査装置(1)に引き入れられたり検査装置(1)から引き出され得る。
【0050】
検査装置(1)は、外観を形成するケース(10)と、各種情報を出力する出力部(20)と、各種情報を入力する入力部(30)とを含み得る。検査装置(1)は、通信回路(図示せず)、メモリ(図示せず)、光源(図示せず)、イメージセンサ(図示せず)及び制御部(図示せず)を含み得る。検査装置(1)に含まれた各構成要素は互いに電気的に連結されて、信号、データなどを送受信することができる。
【0051】
前記通信回路は、外部電子装置または外部サーバーと通信を行うことができる。前記通信回路は、無線通信または有線通信を通じてネットワークと連結されて外部電子装置または外部サーバーと通信することができる。他の例として、前記通信回路は、外部電子装置と有線で連結されて通信を行うこともできる。
【0052】
無線通信は、例えば、セルラー通信(例:LTE、LTE-A(LTE Advance)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(登録商標)(Wideband CDMA)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、WiBro(Wireless Broadband)等)を含み得る。また、無線通信は、近距離無線通信(例:WiFi(Wireless Fidelity)、LiFi(Light Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)低電力(BLE)、ジグビー(Zigbee(登録商標))、NFC(Near Field Communication)等)を含み得る。
【0053】
出力部(20)は、前記対象物の検査結果情報を出力することができる。出力部(20)は、前記対象物の検査結果、不良であると判断される場合、不良如何を作業者が直接判断できるように不良部分に関する情報を出力することができる。前記不良部分に関する情報は、不良部分の2次元イメージ、3次元イメージ及び/又は不良部分の各種寸法情報を含み得る。
【0054】
出力部(20)は、ディスプレイを含み得る。一実施例において、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどを含み得る。例えば、前記ディスプレイは、ユーザに各種コンテンツ(例:テキスト、イメージ、ビデオ、アイコン、及び/又はシンボルなど)を表示することができる。前記ディスプレイは、タッチスクリーンを含み得、例えば、電子ペンまたはユーザの身体の一部を用いたタッチ、ジェスチャ、近接、またはホバリング入力などを受信することができる。
【0055】
入力部(30)は、前記対象物がジグ(J)に載せられた状態で1サイクルの対象物の検査過程が始まるようにする開始入力部(31)を含む。例えば、開始入力部(31)は、ボタンを含み得るが、ダイヤル、キーボード、マウス、タッチスクリーンなど知られている多様な方式のうちのいずれか1つの方式で開始入力部(31)が構成され得る。入力部(30)は、キーボード(32)及びマウス(33)をさらに含み得る。
【0056】
前記1サイクルの対象物の検査過程は、前記対象物がローディング(loading)される過程、前記対象物の移動及び検査過程、前記対象物がアンローディング(unloading)される過程を含み得る。前記1サイクルの対象物の検査過程は、前記ローディングされる過程後にジグ(J)に対する前記対象物のクランピング過程をさらに含み得る。前記1サイクルの対象物の検査過程は、前記ローディングされる過程前にジグ(J)に対する前記対象物のアンクランピング過程をさらに含み得る。これに関する詳細な説明は後述する。
【0057】
前記制御部は、コンピュータなどのプロセッサを含み得る。例えば、前記プロセッサは、CPU、マイクロコントローラー(MCU)等を含み得る。前記制御部は、入力部(30)を介して入力された情報に基づいて検査装置(1)を作動させ得る。前記制御部は、各種センサを介して感知された情報に基づいて検査装置(1)を作動させ得る。前記制御部は、後述するイメージセンサを介して感知された情報に基づいて検査装置(1)を作動させ得る。前記制御部は、前記対象物の検査と関連したプログラムを処理することができる。前記制御部は、処理された各種情報が出力されるように出力部(20)を制御することができる。前記制御部は、後述するモータや空圧シリンダなどの各種駆動部を動作するように制御することができる。
【0058】
一実施例において、前記光源は、前記対象物にパターン光を照射することができる。前記光源は、前記対象物全体にパターン光を照射したり、前記対象物に含まれた少なくとも1つのオブジェクトにパターン光を照射したりすることができる。例えば、前記少なくとも1つのオブジェクトは、基板に挿入されたピン(B2)等であってもよい(図8参考)。前記光源は、複数のピンが挿入された基板にパターン光を照射することができる。
【0059】
一例として、前記光源は、格子(図示せず)、格子移送装置(図示せず)及び投影レンズ部(図示せず)を含み得る。前記格子は、前記光源から照射された光をパターン光に変換させ得る。前記格子は、位相遷移されたパターン光を発生させるために、PZT(piezo actuator)のような格子移送機構を介して移送され得る。前記投影レンズ部は、格子により生成されたパターン光を前記対象物に照射されるようにすることができる。
【0060】
他の例として、前記光源はDLP(Digital Light Processing)またはLCoS(Liquid Crystal On Silicon)を含み得る。DLPまたはLCoSは、前記光源から照射された光をパターン光に変換させて前記対象物に照射されるようにすることができる。
【0061】
前記パターン光は、前記対象物に対する3次元形状を測定するために照射される、一定のまたは特定周期のパターンを有する光であってもよい。前記光源は、縞模様の明るさがサイン波の形態を帯びるパターン光、明るい部分と暗い部分が繰り返されて表示されるオン・オフ(on-off)形態のパターン光または明るさの変化が三角形波形である三角波パターン光などを照射することができる。ただし、これに制限されるものではなく、前記光源は、明るさの変化が一定または特定の周期で繰り返される多様な形態のパターンの光を照射することができる。
【0062】
前記光源は、前記対象物に第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光を照射することもできる。前記光源は、前記対象物全体または前記対象物に含まれた少なくとも1つのオブジェクトに第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光を照射することができる。
【0063】
一実施例において、前記光源は、第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光を順次照射したり少なくとも2つの光を同時に照射したりすることができる。例えば、第1の波長の光は赤色光であり、第2の波長の光は緑色光であり、第3の波長の光は青色光であってもよい。ただし、これに制限されるものではなく、第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光は、互いに異なる波長を有する光であってもよい。
【0064】
前記イメージセンサとして、知られている多様なイメージセンサのうちのいずれか1つが用いられ得る。一実施例において、前記イメージセンサは、前記対象物に挿入された複数のピンのそれぞれから反射したパターン光を受信することができる。例えば、前記イメージセンサは、前記対象物に挿入された複数のピンのそれぞれから反射したパターン光を受信し、受信されたパターン光を用いて複数のピンのそれぞれに対するイメージ(例えば、3次元イメージ)を生成することができる。
【0065】
また、前記イメージセンサは、前記対象物に挿入された複数のピンのそれぞれから反射した第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光を受信することができる。例えば、前記光源から第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光が前記対象物に照射された場合、前記イメージセンサは、前記対象物に挿入された複数のピンのそれぞれから反射した第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光を受信し、受信された第1の波長の光、第2の波長の光及び第3の波長の光を用いて複数のピンのそれぞれに対するイメージ(例えば、2次元イメージ)を生成することができる。前記イメージセンサは、生成された複数のピンのそれぞれに対するイメージを前記制御部に伝達することができる。また、複数のイメージセンサが同一または異なる方向で光を受信することができる。例えば、前記イメージセンサは、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどを含み得るが、これに制限されるものではない。
【0066】
前記メモリは、検査装置(1)の少なくとも1つの他の構成要素に関係した命令またはデータを格納することができる。また、前記メモリは、ソフトウェア及び/又はプログラムを格納することができる。例えば、前記メモリは、内蔵メモリまたは外部メモリを含み得る。内蔵メモリは、揮発性メモリ(例:DRAM、SRAMまたはSDRAMなど)、非揮発性メモリ(例:フラッシュメモリ、ハードドライブ、またはソリッドステートドライブ(SSD))のうち、少なくとも1つを含み得る。外部メモリは、多様なインターフェースを通じて検査装置(1)と機能的にまたは物理的に連結され得る。
【0067】
前記メモリは、前記制御部を動作させる命令を格納することができる。例えば、前記メモリは、前記制御部が検査装置(1)の他の構成要素を制御し、外部電子装置またはサーバーと連動するようにする命令を格納することができる。前記制御部は、前記メモリに格納された命令に基づいて検査装置(1)の他の構成要素を制御し、外部電子装置またはサーバーと連動することができる。また、各構成要素による動作を行うようにする命令が前記メモリに格納され得る。
【0068】
一実施例において、前記メモリは、前記対象物に挿入される複数のピンのそれぞれに対して設定された基準高さと基準位置を示すピン挿入基準情報を格納することができる。複数のピンのそれぞれに対して設定された基準高さと基準位置は、複数のピンのそれぞれの挿入不良を判断するために用いられ得る。ピン挿入基準情報は、前記対象物の設計情報またはユーザの入力により設定され得る。
【0069】
一実施例において、前記メモリは、前記ピン挿入装置のピン挿入工程に関連した複数の工程パラメータに関する情報及び前記ピン挿入装置が前記対象物に行ったピン挿入工程で用いた複数の工程パラメータの値に関する情報を格納することができる。複数の工程パラメータに関する情報及び複数の工程パラメータの値に関する情報は、前記ピン挿入装置から受信されて前記メモリに格納されたり、ユーザの入力により生成されて前記メモリに格納され得る。例えば、前記複数の工程パラメータに関する情報は、複数の工程パラメータそれぞれを通じて、ピンが挿入される位置、ピンの反り、挿入されたピンの高さ、挿入されたピンのピンショルダー平坦度(coplanarity)、ピン挿入角度などに影響を与え得るか否かを示す情報を含み得る。
【0070】
前記制御部は、オペレーションシステムまたはアプリケーションプログラムを駆動して、検査装置(1)の少なくとも1つの他の構成要素を制御することができ、各種データ処理及び演算などを行うことができる。例えば、前記制御部は、中央処理装置などを含み得、SoC(System on Chip)で具現されることもできる。
【0071】
図2を参考にすると、検査装置(1)は、フレーム(60)を含む。フレーム(60)は、移送機構(100)を支持する。フレーム(60)は、ケース(10)を支持する。フレーム(60)は、イメージセンサ移動装置(70)を支持する。フレーム(60)は、その他にフレーム(60)に直接配置されたり他の構成を媒介として配置された各種部品を支持する。
【0072】
検査装置(1)は、前記イメージセンサを移動させるイメージセンサ移動装置(70)を含む。イメージセンサ移動装置(70)は、前記イメージセンサを前後方向、左右方向及び/又は上下方向に移動させ得る。
【0073】
イメージセンサ移動装置(70)は、フレーム(60)に固定されたガイドレール(61)に沿って前後方向にスライディング(sliding)可能に構成された第1のスライダー(71)を含む。イメージセンサ移動装置(70)は、第1のスライダー(71)を前後方向に移動させる駆動力を提供するモータなどの駆動部(77)を含む。イメージセンサ移動装置(70)は、第1のスライダー(71)に固定されて左右方向に延びたガイドレール(74)と、ガイドレール(74)に沿って左右方向にスライディング(sliding)可能に構成された第2のスライダー(75)を含む。イメージセンサ移動装置(70)は、第2のスライダー(75)を左右方向に移動させる駆動力を提供するモータなどの駆動部(72)を含む。イメージセンサ移動装置(70)は、第2のスライダー(75)に固定されて上下方向に延びたガイドレール(78)と、ガイドレール(78)に沿って上下方向にスライディング(sliding)可能に構成された第3のスライダー(79)を含む。イメージセンサ移動装置(70)は、第3のスライダー(79)を上下方向に移動させる駆動力を提供するモータなどの駆動部(76)を含む。第3のスライダー(79)に前記イメージセンサが固定され得る。前記イメージセンサは、下側方向に光を感知するように配置され得る。
【0074】
イメージセンサ移動装置(70)は、それぞれのモータなどの駆動部から対応するスライダーに駆動力を伝達する駆動力伝達部を含み得る。前記駆動力伝達部は、モータにより回転するリードスクリュ(lead screw)等を含み得る。例えば、モータ(72)によりリードスクリュ(73)が回転すると、リードスクリュ(73)に沿って第2のスライダー(75)が左右方向に移動することができる。同じ方式で、モータ(77)及びモータ(76)により回転するそれぞれのリードスクリュが備えられる。ただし、これは駆動部によりスライダー(71、75、79)が作動する1つの実施例に過ぎず、これに制限されない。
【0075】
検査装置(1)は、フレーム(60)に支持される移送機構(100)を含む。検査装置(1)は、一対の移送機構(100A、100B)を含み得る。一対の移送機構(100A、100B)は、ジグ(J)の左右両側の端部が支持されるように構成され得る。例えば、ジグ(J)の左右両側の端部がそれぞれ、第1の移送機構(100A)及び第2の移送機構(100B)により支持され、ジグ(J)が移動することができる。
【0076】
図3及び図4は、図2の移送機構(100A、100B)及びジグ(J)の斜視図である。図5は、図4の第1の移送機構(100A)及び第2の移送機構(100B)の間の間隔が変更された状態の斜視図である。図3図5を参考にすると、検査装置(1)は、ジグ(J)を移動させるように構成された移送部(110)を含む。移送部(110)は、移送ベルト(110)を含むこともでき、ジグ(J)を移送させるボールスクリュなどを含むこともでき、ジグ(J)を移送するロボットアームなどを含むこともできる。ジグ(J)が移動することにより、ジグ(J)に載置された前記対象物がジグ(J)と一体に移動することができる。
【0077】
移送部(110)は、ジグ(J)をスリップ(slip)可能に前後方向に移動させるように構成され得る。移送部(110)は、ジグ(J)を支持することができる。移送部(110)は、ジグ(J)を支持し、後方または前方に移動させる移送ベルト(110)を含み得る。ジグ(J)が載せられた前記移送ベルトとジグ(J)との間の摩擦力によりジグ(J)を前後方向に移動させ得、ジグ(J)に衝撃などが発生して静摩擦力以上の荷重が加えられる場合、ジグ(J)は、前記移送ベルトに対して滑ることができる。移送ベルト(110)を作動させるためのプーリ(121)、ベルト(122)及び/又はギアなどが備えられ、モータ(M10)の回転力を移送ベルト(110)に伝達することができる。図面には、移送ベルト(110)に回転力を伝達する複数のプーリ(121)及びベルト(122)の一例示が示されているが、これに制限されない。
【0078】
一対の移送機構(100A、100B)はそれぞれ、移送部(110)を備える。一対の移送機構(100A、100B)に備えられた一対の移送部(110)は、左右対称に配置され得る。一対の移送機構(100A、100B)は、全体的に左右対称に構成されることもでき、一部の構成は一対の移送機構(100A、100B)のうちのいずれか1つにのみ備えられることもできる。以下、移送機構(100)に関する説明は、一対の移送機構(100A、100B)のそれぞれに関する説明で理解することができる。
【0079】
移送機構(100)は、ジグ(J)を支持して上下方向に移動させる昇降部(130)を含む。昇降部(130)は、移送部(110)により後方に移動するジグ(J)を支持する支持部(131)を含む。支持部(131)は、移送部(110)によりジグ(J)が支持されるようにジグ(J)を前方に移動させ得る。支持部(131)は、ジグ(J)を支持しながら後方または前方に移動させる移送ベルト(131)を含み得る。移送ベルト(131)を作動させるためのプーリ(132)、ベルト及び/又はギアなどが備えられ、モータ(M3)の回転力を移送ベルト(131)に伝達することができる。図面には、移送ベルト(131)に回転力を伝達する複数のプーリ(132)の一例示が示されているが、これに制限されない。
【0080】
支持部(131)、複数のプーリ(132)及びモータ(M3)は、昇降部(130)に支持される。支持部(131)は、昇降部(130)とともに上下に移動することができる。支持部(131)に支持される前記対象物は、昇降部(130)とともに上下に移動することができる。
【0081】
昇降部(130)は、ジグ(J)の側面(左側面または右側面)に接触してジグ(J)の左右方向への位置を案内する側面ガイド(135)を含む。側面ガイド(135)は、上側に突出して互いに前後方向に離隔される複数の突起部を含む。昇降部(130)の昇降運動時に、側面ガイド(135)の前記複数の突起部は、複数の上端係止部(145)の間に挿入され、上下方向に移動することができる。
【0082】
移送機構(100)は、移送部(110)を支持する支持フレーム(141)を含む。支持フレーム(141)は、プーリ(121)、ベルト(122)及びモータ(M10)を支持する。支持フレーム(141)は、昇降部(130)を上下方向に移動可能に支持する。支持フレーム(141)は、昇降部(130)の上下方向への移動を案内する。
【0083】
支持フレーム(141)は、フレーム(60)に支持される。支持フレーム(141)は、全体的に左右方向に厚さを有するプレート形状であってもよい。支持フレーム(141)は、全体的に前後方向に延びて形成され得る。
【0084】
移送機構(100)は、昇降部(130)の下側への最大位置を設定する下端ストッパー(142)を含む。下端ストッパー(142)は、支持フレーム(141)に固定され得る。昇降部(130)が下側へ移動時に昇降部(130)が下端ストッパー(142)に接触することができる。
【0085】
移送機構(100)は、ジグ(J)の上側面に接触可能な下側面を有する上端係止部(145)を含む。上端係止部(145)は、支持フレーム(141)に固定され得る。上端係止部(145)は、側方(左側方向または右側方向)に突出して互いに前後方向に離隔されて配置される複数の突出部を含む。昇降部(130)の上昇運動時に、上端係止部(145)の前記複数の突出部の間の隙間に側面ガイド(135)の前記複数の突起部が挿入される。
【0086】
検査装置(1)は、移送機構(100)に固定されたモータやシリンダなどの駆動部(M10、M3、M5、N1)を含む。移送機構(100)は、前記駆動部(M10、M3、M5、N1)からそれぞれに対応する作動構成に駆動力を伝達する、例えば、ベルトやプーリなどの駆動力伝達部を含み得る。
【0087】
モータ(M10)は、移送部(110)に駆動力を提供する。モータ(M10)が回転すると、移送ベルト(110)が作動することができる。モータ(M10)は、支持フレーム(141)に支持される。
【0088】
モータ(M3)は、支持部(131)に駆動力を提供する。モータ(M3)が回転すると、移送ベルト(131)が作動することができる。モータ(M3)は、昇降部(130)に支持される。モータ(M3)は、昇降部(130)とともに上下に移動する。
【0089】
幅調節用モータ(M5)は、一対の移送機構(100A、100B)の左右方向の間の間隔を変更させるように駆動力を提供する。幅調節用モータ(M5)は、フレーム(60)に支持される。
【0090】
昇降駆動部(N1)は、昇降部(130)の上下方向運動の駆動力を提供する。昇降駆動部(N1)は、支持フレーム(141)に支持される。例えば、昇降駆動部(N1)は、空圧シリンダ(N1a)と空圧シリンダ(N1a)により上下方向に運動するシリンダーロッド(N1b)を含み得る。シリンダーロッド(N1b)には、昇降ターゲット(N1c)が固定され得る。シリンダーロッド(N1b)が予め設定された上限の位置まで移動した状態で、昇降センサ(e2)は昇降ターゲット(N1c)を感知して、前記制御部は、昇降部(130)が予め設定された上限の位置まで移動したものと認識することができる。シリンダーロッド(N1b)が予め設定された所定の位置(前記上限の位置より下側に配置された位置)まで移動した状態で、昇降センサ(e3)は昇降ターゲット(N1c)を感知して、前記制御部は、昇降部(130)が予め設定された所定の位置に移動したものと認識することができる。前記所定の位置は、移送部(110)の上側面及び支持部(131)の上側面が同じレベルになって、ジグ(J)が移送部(110)及び支持部(131)のいずれか1つからもう1つに移動することができる状態になる位置に設定され得る。
【0091】
図4及び図5を参考にして、一対の移送機構(100A、100B)の左右方向の幅調節駆動機構を説明すると、次の通りである。検査装置(1)は、一対の移送機構(100A、100B)のうち、少なくともいずれか1つの左右方向への移動を案内するフレームガイド(90)を含む。フレームガイド(90)は、フレーム(60)に固定され得る。検査装置(1)は、一対の移送機構(100A、100B)のうち、少なくともいずれか1つ(100B)の左右方向への移動のための駆動力を提供する駆動部(M5)を含む。駆動部(M5)は、上述の幅調節用モータ(M5)であってもよい。本実施例では、第2の移送機構(100B)が左右方向に移動可能に構成されるが、これに制限される必要はない。
【0092】
前記少なくとも1つの移送機構は、フレームガイド(90)に沿ってスライディングされるスライダー(190)を含む。前記幅調節駆動機構は、駆動部(M5)の駆動力を前記少なくとも1つの移送機構に伝達するプーリ、ベルト、ギア及び/又はリードスクリュなどを含む駆動力伝達部を含む。一例として、モータ(M5)の回転によりベルト(181)及びプーリ(186)が回転し、プーリ(186)の回転によりリードスクリュ(189)が回転する。リードスクリュ(189)が回転すると、リードスクリュ(189)に沿っていずれか1つの移送機構(100B)が左右方向に移動する。図4は、第2の移送機構(100B)が右側方向に最大限移動完了した状態を示し、図5は、第2の移送機構(100B)が左側方向(Le)に移動した状態を示す。
【0093】
図5を参考にすると、検査装置(1)は、ジグ(J)が所定位置に配置される時にジグ(J)を感知する少なくとも1つのセンサ(Se12、Se13、Se14、Se15、Se16、Se17)を含み得る。前記少なくとも1つのセンサは、移送機構(100)に固定され得る。複数のセンサ(Se12、Se13、Se14、Se15、Se16、Se17)が備えられる。前記少なくとも1つのセンサは特定位置に配置され、センサのセンシング方向にジグ(J)が配置された場合、ジグ(J)を感知することができる。前記センシング方向は、上側方向であってもよい。
【0094】
前記少なくとも1つのセンサは、ジグ(J)が移送部(110)上で前方への最大移動位置に配置される時にジグ(J)を感知するセンサ(Se12)を含む。前記制御部は、センサ(Se12)の感知結果に基づいて対象物(B)のクランピング及びアンクランピング動作の実行如何を決定することができる。センサ(Se12)は、移送機構(100)の前端部に配置され得る。
【0095】
検査装置(1)は、ジグ(J)が後方から前方に移動する時に、ジグ(J)がストッパー(St11)に接触する前にジグ(J)を感知するセンサ(Se13)を含む。前記制御部は、センサ(Se13)の感知結果に基づいてジグ(J)がストッパー(St11)に接触する前にジグ(J)の前方への移動速度を減速させ得る。センサ(Se13)は、センサ(Se12)の位置より後方側の位置に配置され得る。
【0096】
検査装置(1)は、ジグ(J)がストッパー(St12)の前方部に接触する時にジグ(J)を感知するセンサ(Se14)を含む。前記制御部は、センサ(Se14)の感知結果に基づいてジグ(J)が移送部(110)から昇降部(130)に移動する準備ができたことを認知することができる。センサ(Se14)は、ストッパー(St12)の位置より前方側の位置に配置され得る。
【0097】
検査装置(1)は、ジグ(J)が移送部(110)と支持部(131)の前後方向の境界上に亘って配置される時にジグ(J)を感知するセンサ(Se15)を含む。前記制御部は、センサ(Se15)の感知結果に基づいてジグ(J)が移送部(110)と昇降部(130)との間に亘っているか否かを認知することができる。センサ(Se15)は、昇降部(130)の前端部に配置され得る。
【0098】
検査装置(1)は、ジグ(J)が支持部(131)上で後方への最大移動位置に配置される時にジグ(J)を感知するセンサ(Se17)を含む。センサ(Se17)は、ジグ(J)が後端ストッパー(St13)に接触した状態でジグ(J)を感知することができる。前記制御部は、センサ(Se17)の感知結果に基づいて昇降部(130)の昇降動作の実行如何を決定することができる。センサ(Se17)は、昇降部(130)の後端部に配置され得る。
【0099】
検査装置(1)は、ジグ(J)が前方から後方に移動する時に、ジグ(J)が後端ストッパー(St13)に接触する前にジグ(J)を感知するセンサ(Se16)を含む。前記制御部は、センサ(Se16)の感知結果に基づいてジグ(J)が後端ストッパー(St13)に接触する前にジグ(J)の後方への移動速度を減速させ得る。ここで、移送ベルト(131)の回転スピードを下げることにより、ジグ(J)の後方への移動速度を減速させ得る。センサ(Se16)は、センサ(Se17)の位置より前方側の位置に配置され得る。
【0100】
検査装置(1)は、支持部(131)に沿って後方に移動するジグ(J)の後方への最大移動位置を制限する後端ストッパー(St13)を含む。後端ストッパー(St13)は、昇降部(130)に固定され、昇降部(130)とともに上下方向に移動することができる。
【0101】
検査装置(1)は、ジグ(J)の前方への最大移動可能位置を制限するストッパー(St11)を含む。ストッパー(St11)は、移送部(110)によりジグ(J)が前方に移動する時に、ジグ(J)の前端に接触可能に構成される。ストッパー(St11)は、移送機構(100)に支持される。ストッパー(St11)は、所定の方向(G1、G2)に移動可能に構成される。
【0102】
検査装置(1)は、ストッパー(St11)を係止方向(G1)及び解除方向(G2)に移動させるストッパー駆動部(P11)を含む。本実施例でストッパー駆動部(P11)は空圧シリンダを含むが、ストッパー駆動部(P11)はモータなどを含むこともできる。
【0103】
ストッパー(St11)が係止方向(G1)に移動完了した状態で、ストッパー(St11)の後面にジグ(J)の前端が接触することができる。ストッパー(St11)が解除方向(G2)に移動完了した状態で、ストッパー(St11)の後面はジグ(J)の前方から側方に外れ、ジグ(J)がストッパー(St11)の干渉なしに前方に移動することができる。ストッパー(St11)を解除方向(G2)に移動完了した状態で、ジグ(J)を移送機構(100)から引き出したり、移送機構(100)に引き入れ得る(図6参考)。これを通じて、検査装置に対するジグの交換が簡便になる。
【0104】
検査装置(1)は、移送部(110)によりジグ(J)が後方に移動する時にジグ(J)の後端に接触可能に構成されるストッパー(St12)を含む。ストッパー(St12)は、移送ベルトなどの支持部(131)によりジグ(J)が前方に移動する時に、ジグ(J)の前端に接触可能に構成される。ストッパー(St12)は、移送部(110)と支持部(131)の前後方向の境界に配置され得る。ストッパー(St12)は、移送機構(100)に支持される。ストッパー(St12)は、所定の方向(G1、G2)に移動可能に構成される。
【0105】
検査装置(1)は、ストッパー(St12)を係止方向(G1)及び解除方向(G2)に移動させるストッパー駆動部(P12)を含む。本実施例でストッパー駆動部(P12)は空圧シリンダを含むが、ストッパー駆動部(P12)はモータなどを含むこともできる。
【0106】
ストッパー(St12)が係止方向(G1)に移動完了した状態で、ストッパー(St12)の前面にジグ(J)の後端が接触することができる。ストッパー(St12)が係止方向(G1)に移動完了した状態で、ストッパー(St12)の後面にジグ(J)の前端が接触することができる。ストッパー(St12)が解除方向(G2)に移動完了した状態で、ストッパー(St12)は、ジグ(J)の移動経路上で側方に外れ、ジグ(J)がストッパー(St12)の干渉なしに前方または後方に移動することができる。
【0107】
図6は、図4の移送機構(100A、100B)にジグ(J)が引き入れられる前の状態を示す一部斜視図である。図7は、図6の移送機構(100A、100B)にジグ(J)が引き入れられ、ジグ(J)に対象物(B)が載置される前の状態を示す一部斜視図である。図8は、図7の移送機構(100A、100B)に引き入れられたジグ(J)に対象物(B)が載置された状態を示す一部斜視図である。
【0108】
図6図8を参考にすると、検査装置(1)は対象物(B)の配置如何を感知するセンサ(Se11)を含む。センサ(Se11)のセンシング方向は、上側方向であってもよい。センサ(Se11)は、ジグ(J)から下側に離隔した位置に配置される。センサ(Se11)は、移送機構(100)またはフレーム(60)に固定され得る。図8の状態でセンサ(Se11)は対象物(B)を感知することができる。
【0109】
ジグ(J)が前方に最大移動位置に配置された状態を基準に、センサ(Se11)のセンシング方向にジグ(J)にはセンシング用開口部(Jh)が形成される。ジグ(J)は、対象物(B)の側面(例えば、後側面)に接触可能に構成されたガイドウォール(J1)を含む。ジグ(J)は、対象物(B)の溝またはホール(B1a、B1b)に挿入されるように構成されたガイドピン(J2)を含む。ジグ(J)は、複数のガイドピン(J2a、J2b)を含み得る。ジグ(J)は、対象物(B)の下側面に接触可能に構成されたガイド端(J3)を含む。
【0110】
例えば、対象物(B)の定位置は、ガイドウォール(J1)及びガイドピン(J2)により設定され得る。ガイドウォール(J1)は、ジグ(J)の後側部に位置して対象物(B)の1次進入方向(後方)への位置を設定することができる。対象物(B)の溝またはホール(B1a、B1b)に挿入されるガイドピン(J2)により対象物(B)のジグに対する最終的な定位置が設定され得る。
【0111】
図7及び図8を参考にすると、本実施例で対象物(B)は、印刷回路基板(PCB、Printed Circuit Board)等の基板であるが、他の実施例で対象物は、様々な他の部品や製造品であってもよい。ピンの挿入方式により基板にコネクターが付着され得る。検査装置(1)は、このような基板に挿入されたピンの挿入状態を検査することができる。例えば、対象物(B)の一部分が検査の対象部分(B2)であってもよい。
【0112】
図9は、図8のジグ(J)の斜視図である。図10及び図11は、図9のジグ(J)の分解斜視図である。図12a及び図12bは、図8の移送機構(100)、ジグ(J)及び対象物(B)をラインS1-S1’に沿って切った部分断面図であって、図12aは、対象物(B)がクランピング(clamping)された状態を示し、図12bは、対象物(B)がアンクランピング(unclamping)された状態を示す。図9図12bを参考にすると、ジグ(J)は、対象物(B)をクランピングするクランパー(clamper)(J10)を1つ以上含む。前記1つ以上のクランパー(J10)は、一対のクランパー(J10a、J10b)を含み得る。ジグ(J)は、クランパー(J10)の移動方向に案内するクランピングガイド(J30)を含む。ジグ(J)は、クランパー(J10)をクランピング方向(H1)に加圧させる弾性力を提供する弾性部材(J20)を含む。ジグ(J)は、移送機構(100)により支持されるように構成されるサポーター(supporter)(J40)を含む。ジグ(J)は、サポーター(J40)に固定される下側カバー(J50)を含む。
【0113】
検査装置(1)は、クランパーを移動させるクランピング駆動部(80)を1つ以上含む。前記1つ以上のクランピング駆動部(80)は、一対のクランパー(J10)に対応する一対のクランピング駆動部(80A、80B)を含み得る。本実施例でクランピング駆動部(80)は、移送機構(100)に支持されるが、他の実施例でクランピング駆動部(80)は、フレーム(60)に直接支持されることもできる。例えば、支持フレーム(141)に固定された補助フレーム(149)にクランピング駆動部(80)が配置され得る。
【0114】
クランパー(J10)は、対象物(B)がジグ(J)にクランピングされるクランピング(clamping)方向(H1)に移動可能である。クランパー(J10)は、クランピング方向(H1)の反対方向であるアンクランピング(un-clamping)方向(H2)に移動可能である。クランパー(J10)がクランピング方向(H1)に移動する時に対象物(B)がジグ(J)にクランピングされるように、クランピング方向(H1)が予め設定される。複数のクランパー(J10a、J10b)のそれぞれのクランピング方向(H1)は、互いに同一ではなくてもよい。本実施例において、第1のクランパー(J10a)のクランピング方向(H1)と第2のクランパー(J10b)のクランピング方向は、互いに反対である。本実施例において、クランピング方向(H1)は、左側方向または右側方向である。
【0115】
クランパー(J10)は、対象物(B)に接触可能に構成される対象物接触部(J11)を含む。対象物接触部(J11)は、クランピング方向(H1)に対象物(B)に接触する表面を形成し得る。対象物接触部(J11)は、上側に突出した部分を含み、前記突出した部分のクランピング方向(H1)に対象物(B)に接触する表面を形成し得る。対象物接触部(J11)のクランピング方向(H1)の表面は窪んだ部分を含み、前記表面の窪んだ部分に対象物(B)が接触してクランピングされ得る。
【0116】
クランパー(J10)は、クランパー(J10)が移動するための駆動力の伝達を受けるように検査装置(1)に接触可能に構成される駆動接触部(J13)を含む。駆動接触部(J13)は、検査装置(1)の加圧部(87)と接触可能なクランピング方向(H1)の表面を含み得る。駆動接触部(J13)は、下側に突出し得る。駆動接触部(J13)は、スライダー(J12)から下側に突出して形成され得る。
【0117】
クランパー(J10)は、クランパー(J10)の移動方向の案内を受けるスライダー(J12)を含む。スライダー(J12)は、クランピング方向(H1)及びアンクランピング方向に移動可能にガイド部(J33)に配置され得る。スライダー(J12)は、ガイド部(J33)が挿入されてクランピング方向(H1)に長く延びたガイド溝を形成し得る。スライダー(J12)は、アンクランピング方向(H2)に突出するように形成され得る。
【0118】
クランパー(J10)は、スライダー(J12)は、クランピングガイド(J30)のガイドホール(J30h)を通過する貫通部(J15)を含み得る。貫通部(J15)のクランピング方向(H1)に駆動接触部(J13)が連結され得る。貫通部(J15)からアンクランピング方向(H2)にスライダー(J12)が突出し得る。
【0119】
クランピングガイド(J30)は、スライダー(J12)の移動を案内するガイド部(J33)を含む。ガイド部(J33)は、下側に突出してクランピング方向(H1)に延びることができる。クランピングガイド(J30)は、サポーター(J40)に固定される。クランピングガイド(J30)は、クランピング方向(H1)に貫通するガイドホール(J30h)を形成し得る。ガイドホール(J30h)は、ガイド部(J33)のクランピング方向(H1)に位置することができる。
【0120】
クランパー(J10)がアンクランピング方向(H2)に移動する時に弾性部材(J20)は弾性変形され、クランパー(J10)がクランピング方向(H1)に移動する時に弾性部材(J20)は弾性復元される。図12aを参考にすると、加圧部(87)がクランパー(J10)をアンクランピング方向(H2)に加圧することにより、弾性部材(J20)は弾性変形されるように構成される。図12bを参考にすると、加圧部(87)がクランピング方向(H1)に移動することにより、加圧部(87)はクランパー(J10)から離隔されるように構成される。加圧部(87)がクランピング方向(H1)に移動するに伴い、クランパー(J10)はクランピング方向(H1)に移動し、クランパー(J10)が対象物(B)に接触した後にも加圧部(87)は、クランピング方向(H1)に継続して移動してクランパー(J10)から離隔され得る。
【0121】
1つのクランパー(J10)に複数の弾性部材(J20)が支持され得る。弾性部材(J20)の一端はクランピングガイド(J30)に支持され、他端はクランパー(J10)に支持され得る。クランピングガイド(J30)の第1の載置部(J16)は、弾性部材(J20)の一端が挿入される溝を形成し得る。クランパー(J10)の第2の載置部(J36)は、弾性部材(J20)の他端が挿入される溝を形成し得る。
【0122】
弾性部材(J20)は、弾性力を発揮する、知られている多様な方式のうちの1つを用いることができる。例えば、弾性部材(J20)は、圧縮スプリング、引張スプリング、トルクス(登録商標)プリングなど多様な方式の部材を含むこともでき、ゴムなどの材質で弾性圧縮されるように構成された部材を含むこともできる。本実施例における弾性部材(J20)は、圧縮スプリングである。
【0123】
例えば、対象物(B)の固定作業は、弾性部材(J20)の弾性力によりなされる。弾性部材(J20)の弾性力によりクランパー(J10)が対象物(B)をクランピングすることができ、検査装置(1)に配置された空圧シリンダなどを含むクランピング駆動部(80)によりクランパー(J10)を移動させて対象物(B)をアンクランピングすることができる。対象物(B)の検査完了後、対象物(B)をアンクランピングする作業が自動で完了するように設定することにより、作業者の対象物(B)のアンローディング作業をワンステップ(One step)で完了させ得る。
【0124】
下側カバー(J50)は対象物(B)の下側部の少なくとも一部を覆うよう配置される。下側カバー(J50)は、下側面を形成する下側部(J51)を含む。下側カバー(J50)は、下側部(J51)の縁部で上側に延びてサポーター(J40)に結合されるサイド部(J52)を含む。ガイド端(J3)は、下側カバー(J50)の上側に配置され得る。センシング用開口部(Jh)は、下側部(J51)に形成され得る。
【0125】
サポーター(J40)は、クランパー(J10)を支持する。サポーター(J40)は、クランピングガイド(J30)及び下側カバー(J50)を支持する。サポーター(J40)は、移送機構(100)に支持される移送支持部(J41)を含む。移送支持部(J41)の下側面に移送部(110)が接触することができる。移送支持部(J41)の左側端または右側端は、側端ガイド部(147a)により案内され得る。移送支持部(J41)の上側面は、上端ガイド部(147b)により案内され得る。移送支持部(J41)は、サポーター(J40)の一側端部に形成され得る。サポーター(J40)の左右両端に一対の移送支持部(J41)が形成され得る。
【0126】
図12a及び図12bを参考にすると、移送機構(100)は、ジグ(J)の移動方向を案内するガイド(147)を含み得る。ガイド(147)は、支持フレーム(141)の上端に固定され得る。ガイド(147)は、ジグ(J)の左側端または右側端を見る表面を備える側端ガイド部(147a)を含み得る。ガイド(147)は、ジグ(J)の上側面を見る表面を備える上端ガイド部(147b)を含み得る。側端ガイド部(147a)の上端に上端ガイド部(147b)が連結され得る。
【0127】
また、移送機構(100)は、移送ベルト(110)の下側面を支持するベルト支持部(148)を含み得る。ベルト支持部(148)は、支持フレーム(141)から側方に突出し、前後方向に延びることができる。これを通じて、移送ベルト(110)がジグ(J)の荷重により下側に垂れないようにすることができる。
【0128】
クランピング駆動部(80)は、クランパー(J10)を作動させる駆動力を提供する。クランピング駆動部(80)は、ジグに接触及び加圧可能に構成される。クランピング駆動部(80)は、ジグ(J)のクランパー(J10)に接触及び加圧可能に構成される。
【0129】
クランピング駆動部(80)は、クランピング方向(H1)及びアンクランピング方向(H2)に移動可能に構成された加圧部(87)を含む。加圧部(87)は、クランパー(J10)をアンクランピング方向(H2)に加圧するように構成される。
【0130】
図12aを参考にすると、加圧部(87)がクランピング方向(H1)に移動する時に、加圧部(87)は、駆動接触部(J13)と離隔され得る。ここで、弾性部材(J20)は弾性復元されてクランパー(J10)をクランピング方向(H1)に押す。クランパー(J10)は、対象物(B)に接触し、対象物(B)がジグ(J)にクランピングされる。
【0131】
図12bを参考にすると、加圧部(87)がアンクランピング方向(H2)に移動する時に、加圧部(87)は、ジグ(J)の駆動接触部(J13)に接触して押す。ここで、弾性部材(J20)は弾性変形される。クランパー(J10)は、対象物(B)に離隔され、対象物(B)がジグ(J)からアンクランピングされる。
【0132】
クランピング駆動部(80)は、加圧部(87)を移動させる駆動力を提供するモータや空圧シリンダなどの駆動部(81)を含み得る。例えば、空圧シリンダ(81)によりシリンダーロッド(83)がクランピング方向(H1)またはアンクランピング方向(H2)に移動することにより、シリンダーロッド(83)に固定された加圧部(87)が移動することができる。
【0133】
ジグ(J)が検査装置(1)に対して所定の位置に配置された状態で、加圧部(87)及び駆動接触部(J13)は、互いに向かい合うように構成され得る。前記ジグ(J)の検査装置(1)に対する所定の位置は、ジグ(J)に対象物(B)がローディングされる位置に予め設定され得る。本実施例において、前記所定の位置は、ジグ(J)の移送部(110)の前端に配置される位置である。駆動接触部(J13)は、ジグ(J)の一部であって、移送部(110)により移動することができる。ジグ(J)が前記所定の位置に配置された状態で、加圧部(87)は駆動接触部(J13)に向かい合うことができる。加圧部(87)は、駆動接触部(J13)に向かい合った状態で、加圧部(87)がアンクランピング方向(H2)に移動して駆動接触部(J13)を加圧することができる。
【0134】
検査装置(1)にジグ(J)がクランピング方向(H1)の垂直方向に引入及び引出可能に構成され得る。これを通じて、加圧部(87)及び駆動接触部(J13)が互いに干渉されない状態で、ジグ(J)を検査装置(1)に引入または引出することができる。本実施例において、ジグ(J)は後方に移動しながら検査装置(1)に引き入れることができ、ジグ(J)は前方に移動しながら検査装置(1)から引き出すことができる。
【0135】
移送部(110)は、ジグ(J)をクランピング方向(H1)の垂直方向に移動させるように構成され得る。これを通じて、加圧部(87)及び駆動接触部(J13)が互いに干渉されない状態で、ジグ(J)が移送部(110)により移動することができる。本実施例において、ジグ(J)は、移送部(110)により前後方向に移動することができる。
【0136】
図13図19は、図3の一対の移送機構(100A、100B)のうちの1つ(100A)を基準として、1サイクル(cycle)の検査過程のうち、機構の動作を示す斜視図である。図16図18には、一部分を拡大した斜視図(E1)及び一部分を右側方向から見た立面図(E2)が示される。図20は、本開示の一実施例による対象物の検査方法のフローチャートである。図13図20を参考にして、対象物の検査方法及び各段階における機構の動作を説明すると、次の通りである。検査方法及び機構の動作は、前記制御部により制御され得る。対象物の検査方法は、前記検査セットを用いることができる。
【0137】
プロセス段階、方法段階、アルゴリズムなどが順次的な順序で説明されたものの、そのようなプロセス、方法及びアルゴリズムは任意の適した順序で作動するように構成され得る。言い換えれば、本開示の多様な実施例で説明されるプロセス、方法及びアルゴリズムの段階が、本開示で記述された順序で行われる必要はない。また、一部段階が非同時的に行われるものとして説明されても、他の実施例では、このような一部段階が同時に行われ得る。また、図面における描写によるプロセスの例示は、例示されたプロセスがそれに対する他の変化及び修正を除くことを意味せず、例示されたプロセスまたはその段階のうちの任意のものが本開示の多様な実施例のうちの1つ以上に必須であることを意味せず、例示されたプロセスが望ましいということを意味しない。
【0138】
図13を参考にすると、前記検査方法は、対象物(B)がジグ(J)に載置されて固定される段階(S1)を含む。段階(S1)は、クランパー(J10)がアンクランピング方向(H2)に移動完了した状態で、対象物(B)がジグ(J)に載置されるローディング段階(S10)を含む。ローディング段階(S10)は、作業者または機械により行われ得る。段階(S1)は、ローディング段階(S10)後、クランパー(J10)は、クランピング方向(H1)に移動してジグ(J)に対象物(B)がクランピングされるクランピング段階(S20)を含む。クランピング段階(S20)は、前記制御部が開始入力部(31)から入力信号を受信すると行われ得る。
【0139】
図14図16を参考にすると、前記検査方法は、ジグ(J)を後方(R)に移動させる後方移動段階を含む。第1の移動段階(S30)は、前記後方移動段階を含み得る。図14を参考にすると、移送部(110)に載せられたジグ(J)は、移送部(110)が作動するに伴い後方(R)に移動し、ストッパー(St12)に係止される。図15を参考にすると、ストッパー(St12)は、解除方向(G2)に移動する。図16を参考にすると、ジグ(J)は、後方(R)に移動して支持部(131)の上に載せられる。ここで、ジグ(J)は、後端ストッパー(St13)に接触する。
【0140】
図17を参考にすると、前記検査方法は、第1の移動段階(S30)後、ジグ(J)を上側(U)に移動させる上昇移動段階をさらに含み得る。昇降部(130)が上昇してジグ(J)がともに上昇し、ジグ(J)の上端が上端係止部(145)の下側面に接触する。ここで、側面ガイド(135)の前記複数の突起部の上端が、複数の上端係止部(145)の間に挿入され得る。
【0141】
前記検査方法は、第1の移動段階(S30)後、前記イメージセンサが対象物(B)を検査する検査段階(S40)を含む。検査段階(S40)は、前記上昇移動段階の後に進行され得る。検査段階(S40)で前記イメージセンサは、イメージセンサ移動装置(70)により移動することができる。検査段階(S40)は、ジグ(J)の上端が上端係止部(145)の下側面に接触した状態で進行され得る。
【0142】
前記制御部は、前記イメージセンサの感知信号に基づいて対象物(B)の不良如何を判断することができる。前記制御部は、検査結果により出力部(20)が所定の情報を出力するように制御することができる。前記制御部は、前記イメージセンサの感知信号に基づいて不良であると判断すると、不良如何を作業者が直接判断できるように出力部(20)が不良部分に関する情報を出力するように制御することができる。前記制御部は、前記イメージセンサの感知信号に基づいて、正常であると判断すると、以下の次の過程が進行され得る。
【0143】
図18を参考にすると、前記検査方法は、検査段階(S40)後、ジグ(J)を下側方向(D)に移動させる下降移動段階を含み得る。第2の移動段階(S50)は、前記下降移動段階を含む。前記下降移動段階で支持部(131)の上側面が移送部(110)の上側面と同じレベル(level)になるように、昇降部(130)が下降する。ここで、昇降部(130)は、下端ストッパー(142)に接触する。ここで、側面ガイド(135)の前記複数の突起部の上端が、複数の上端係止部(145)の間から抜け出す。
【0144】
図19を参考にすると、前記検査方法は、ジグ(J)を前方(F)に移動させる前方移動段階を含む。第2の移動段階(S50)は、前記前方移動段階を含み得る。第2の移動段階(S50)は、検査段階(S40)後、進行される。前記検査方法は、第2の移動段階(S50)前に進行される前記下降移動段階をさらに含み得る。図示されていない他の実施例において、第1の移動段階(S30)後、前記上昇移動段階なしに検査段階(S40)が進行され、検査段階(S40)後、前記下降移動段階なしに第2の移動段階(S50)が進行されることもできる。
【0145】
第2の移動段階(S50)において、ジグ(J)は、支持部(131)から移送部(110)に移動することができる。第2の移動段階(S50)において、ジグ(J)は、前方に移動してストッパー(St11)に係止される。
【0146】
前記検査方法は、第2の移動段階(S50)後、対象物(B)がジグ(J)からアンクランピングされて分離される段階(S9)を含む。段階(S9)は、ジグ(J)は、前方に移動完了した状態でクランパー(J10)がアンクランピング方向(H2)に移動するアンクランピング段階(S60)を含む。アンクランピング段階(S60)でジグ(J)に対して対象物(B)がアンクランピングされる。段階(S9)は、アンクランピング段階(S60)後、対象物(B)がジグ(J)から分離されるアンローディング段階(S70)を含む。アンローディング段階(S70)は、作業者または機械により行われ得る。
【0147】
図20を参考にすると、前記検査方法は、クランパー(J10)がクランピング方向(H1)に移動してジグ(J)に載置された対象物(B)がジグ(J)にクランピングされるクランピング段階(S20)を含む。前記検査方法は、クランピング段階(S20)前に行われるローディング段階(S10)を含み得る。
【0148】
前記検査方法は、移送部(110)によりジグ(J)が移動する、第1の移動段階(S30)を含む。第1の移動段階(S30)でジグ(J)は、後方に移動することができる。前記検査方法は、第1の移動段階(S30)後に進行される前記上昇移動段階をさらに含み得る。
【0149】
前記検査方法は、対象物(B)を検査して不良如何を判断する検査段階(S40)を含む。前記検査方法は、移送部(110)によりジグ(J)が移動する、第2の移動段階(S50)を含む。第2の移動段階(S50)でジグ(J)は、前方に移動することができる。前記上昇移動段階を含む検査方法の実施例において、検査段階(S40)後、第2の移動段階(S50)前に前記下降移動段階が進行され得る。
【0150】
前記検査方法は、クランパー(J10)がアンクランピング方向(H2)に移動して対象物(B)がジグ(J)に対してアンクランピングされるアンクランピング段階(S60)を含む。前記検査方法は、アンクランピング段階(S60)後に行われるアンローディング段階(S70)を含み得る。
【0151】
前記方法は、特定実施例を通じて説明されたものの、前記方法はまた、コンピュータで読み出すことができる記録媒体に、コンピュータが読み出すことができるコードで実現することが可能である。コンピュータが読み出すことができる記録媒体は、コンピュータシステムにより読み出され得るデータが格納される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータが読み出すことができる記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納装置などを含み得る。また、コンピュータが読み出すことができる記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散し、分散方式でコンピュータが読み出すことができるコードが格納されて実行され得る。また、前記実施例を実現するための機能的な(functional)プログラム、コード及びコードセグメントは、本開示が属する技術分野のプログラマーにより容易に推論され得る。
【0152】
以上、一部の実施例と添付の図面に示された例により本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知るべきであろう。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属すると考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20