(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】結束バンドの構造及びそのロック解除方法
(51)【国際特許分類】
B65D 63/12 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
B65D63/12 A
(21)【出願番号】P 2022064870
(22)【出願日】2022-04-11
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】500534289
【氏名又は名称】顧 飛龍
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】顧 飛龍
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-19156(JP,U)
【文献】実開昭60-43706(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 63/12
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定座、バンド部及び係合部材を備えた結束バンドの構造であって、
前記固定座は、互いに隣り合うように形成された穿孔及び組立槽を有し、前記組立槽は、前記穿孔と連通し、前記固定座の前端面には、結束バンド位置決め部が設けられ、前記結束バンド位置決め部には、貫通孔が形成され、前記固定座の前端面の前記結束バンド位置決め部の下方には、前記貫通孔の両側に対応した箇所に第1の支部がそれぞれ突設され、前記固定座の後端面上縁の2つの前記第1の支部に対応した箇所には、第2の支部がそれぞれ形成され、
前記バンド部の一端は、前記固定座の後端面に接続され、前記バンド部の一側表面には、前記バンド部の長手方向に沿って設けられた複数の第1のラチェットを有し、
前記係合部材は、前記固定座の前記組立槽中に枢着され、前記係合部材は当接片に成形され、前記当接片上には、複数の第2のラチェットが設けられ、前記当接片の前記第2のラチェットが前記固定座の前記穿孔に位置し、後方に折曲げられた延伸部が前記当接片に接続され、前記延伸部の末端上側には、当接部が成形され、前記延伸部の末端底側には、位置決め凸部が成形されることを特徴とする、
結束バンドの構造。
【請求項2】
前記固定座の後端面の上縁には、位置決めブロックが形成され、前記位置決めブロックの上端には、前記固定座の前記組立槽に向かって下方に傾いた斜面が形成され、前記位置決めブロックの後側には係合面が形成され、前記固定座の後端面の前記位置決めブロックの両側には、第2の支部がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の結束バンドの構造。
【請求項3】
前記固定座の前記組立槽の両側槽壁には、上から下方向にかけて傾いた案内部が形成され、前記組立槽の両側槽壁の前記案内部にはテーパが形成され、前記組立槽の槽底の両側槽壁は、前記案内部の下方に形成された枢着孔を有し、前記係合部材の底側には枢軸が成形され、前記枢軸の両端は、前記固定座の前記組立槽の両側槽壁の前記枢着孔に枢着されることを特徴とする請求項1に記載の結束バンドの構造。
【請求項4】
請求項1に記載の結束バンドの構造を使用する、結束バンドの構造のロック解除方法であって、
第1の結束バンド及び第2の結束バンドを備え、
前記第1の結束バンドのロックを解除する際、前記第2の結束バンドの固定座の前端に設けた結束バンド位置決め部の貫通孔に、前記第1の結束バンドの当接片に設けた当接部を挿入すると、前記第2の結束バンドの前記固定座の前端面に設けた2つの第1の支部が、前記第1の結束バンドの前記固定座の後端面に設けた2つの第2の支部に対応して当接され、前記第2の結束バンドの前記第1の支部と前記第1の結束バンドの前記第
2の支部とが互いに当接された箇所を支点として用い、前記第2の結束バンドの前記固定座に力を加えて押下げ、梃子の原理を利用して前記第1の結束バンドの前記当接片を後方へ引っ張ると、前記第1の結束バンドの前記当接片に設けた第2のラチェットと、バンド部に設けた第1のラチェットとの噛合・係合状態が解除されることを特徴とする、
結束バンドの構造のロック解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束バンドの構造及びそのロック解除方法に関し、特に、係合部材及びバンド部に設けたラチェットの噛合・係合状態が容易に解除でき、結束バンドを繰り返して使用することができる、結束バンドの構造及びそのロック解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の結束バンドは、一回しか使用できない製品であり、バンド部及び固定座のラチェットを一旦噛合・係合すると、結束バンドを刃物などで強制的に壊さない限り、バンド部を固定座から外すことができず、物品に結束した結束バンドを外すことができないため、結束バンドを壊すと再び使用することができず、資源の浪費であった。
【0003】
以上の問題に鑑み、繰り返して使用できる結束バンドが一部のメーカーにより開発された。例えば、特許文献1~8は、結束バンドを繰り返して使用できるようにして、資源の浪費を防いでいた。
【0004】
しかし、上述した繰り返して使用できる結束バンドは、依然としてその組立及び使用が不便であったため、本発明者は特許文献9を開発した。特許文献9では、固定座の一側にバンド部の一端が接続され、バンド部を挿通させる穿孔に隣り合う箇所に組立槽が固定座に設けられ、組立槽内に係合部材が枢着されるとともに、係合部材に当接片が成形され、当接片及びバンド部のラチェットが噛合・係合され、当接片の上端の延伸部に位置決め凸部が成形され、位置決め凸部の底縁が固定座の後側の上縁に設けた位置決めブロックの斜面を当接させ、その斜面を位置決めブロック後側の係合面に選択的に係合させるか外すことにより、係合部材の当接片及びバンド部のラチェットを互いに噛合・係合させるか、噛合状態を解除させることができる。
【0005】
特許文献9では、繰り返して使用できる結束バンドの組立及び使用がさらに容易となった。しかし、本発明者がその製品を使用してみたときに分かったことであるが、物品を結束する結束バンドを解除する場合、バンド部で物品を結束してから、強く縛り付け過ぎると、物品の外支持作用を受けてバンド部の第1のラチェットと、当接片の第2のラチェットとの噛合・係合状態が強すぎて、当接片を手で後方へ引っ張ることが困難となり、さらに大きな力を加えるか工具を使用して、抵当片及びバンド部のラチェット間の噛合・係合状態を解除しなければならないため、手を痛めるか、結束バンドを繰り返して使用することが困難であるなどの欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】台湾特許第I461332号公報
【文献】台湾特許第I515149号公報
【文献】中国実用新案公告第205602397U号公報
【文献】中国実用新案公告第201914570U号公報
【文献】米国特許第9643763B2号明細書
【文献】米国特許第8739387B1号明細書
【文献】米国特許第6185791B1号公報
【文献】米国特許第8516660B2号公報
【文献】台湾特許出願公開第202104013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、係合部材及びバンド部に設けたラチェットの噛合・係合状態が容易に解除でき、結束バンドを繰り返して使用することができる、結束バンドの構造及びそのロック解除方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)固定座、バンド部及び係合部材を備えた結束バンドの構造であって、前記固定座は、互いに隣り合うように形成された穿孔及び組立槽を有し、前記組立槽は、前記穿孔と連通し、前記固定座の前端面には、結束バンド位置決め部が設けられ、前記結束バンド位置決め部には、貫通孔が形成され、前記固定座の前端面の前記結束バンド位置決め部下方には、前記貫通孔の両側に対応した箇所に第1の支部がそれぞれ突設され、前記固定座の後端面上縁の2つの前記第1の支部に対応した箇所には、第2の支部がそれぞれ形成され、前記バンド部の一端は、前記固定座の後端面に接続され、前記バンド部の一側表面には、前記バンド部の長手方向に沿って設けられた複数の第1のラチェットを有し、前記係合部材は、前記固定座の前記組立槽中に枢着され、前記係合部材は当接片に成形され、前記当接片上には、複数の第2のラチェットが設けられ、前記当接片の前記第2のラチェットが前記固定座の前記穿孔に位置し、後方に折曲げられた延伸部が前記当接片に接続され、前記延伸部の末端上側には、当接部が成形され、前記延伸部の末端底側には、位置決め凸部が成形されることを特徴とする、結束バンドの構造を提供する。
(2)前記固定座の後端面の上縁には、位置決めブロックが形成され、前記位置決めブロックの上端には、前記固定座の前記組立槽に向かって下方に傾いた斜面が形成され、前記位置決めブロックの後側には係合面が形成され、前記固定座の後端面の前記位置決めブロック両側には、第2の支部がそれぞれ形成されることが好ましい。
(3)前記固定座の前記組立槽の両側槽壁には、上から下方向にかけて傾いた案内部が形成され、前記組立槽の両側槽壁の前記案内部にはテーパが形成され、前記組立槽の槽底の両側槽壁は、前記案内部下方に形成された枢着孔を有し、前記係合部材の底側には枢軸が成形され、前記枢軸の両端は、前記固定座の前記組立槽の両側槽壁の前記枢着孔に枢着されることが好ましい。
(4)(1)に記載の結束バンドの構造を使用する、結束バンドの構造のロック解除方法であって、第1の結束バンド及び第2の結束バンドを備え、前記第1の結束バンドのロックを解除する際、前記第2の結束バンドの固定座の前端に設けた結束バンド位置決め部の貫通孔に、前記第1の結束バンドの当接片に設けた当接部を挿入すると、前記第2の結束バンドの前記固定座の前端面に設けた2つの第1の支部が、前記第1の結束バンドの前記固定座の後端面に設けた2つの第2の支部に対応して当接され、前記第2の結束バンドの前記第1の支部と前記第1の結束バンドの前記第2の支部とが互いに当接された箇所を支点として用い、前記第2の結束バンドの前記固定座に力を加えて押下げ、梃子の原理を利用して前記第1の結束バンドの前記当接片を後方へ引っ張ると、前記第1の結束バンドの前記当接片に設けた第2のラチェットと、バンド部に設けた第1のラチェットとの噛合・係合状態が解除されることを特徴とする、結束バンドの構造のロック解除方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の結束バンドの構造及びそのロック解除方法は、係合部材及びバンド部に設けたラチェットの噛合・係合状態が容易に解除でき、結束バンドを繰り返して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造を示す部分拡大分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造を示す部分拡大斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造のバンド部の結束状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造のバンド部の結束状態を示す部分拡大断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造がバンド部のロックを解除する使用状態の断面図(1)である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造がバンド部のロックを解除する使用状態の断面図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の技術手段及びそれにより達成可能な効果を、より完全かつ明白に開示するために、開示した添付の図面及び符号と併せて本発明を以下に詳説する。
【0012】
まず、
図1~
図3を参照する。
図1~
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る結束バンドの構造は、少なくとも固定座1、バンド部2及び係合部材3から構成されてなる。
【0013】
固定座1には、穿孔11が形成される。固定座1の穿孔11に隣り合う箇所には、組立槽12が形成される。組立槽12は、その前側に形成された中空部121を介して穿孔11と連通する。組立槽12の左右両側槽壁には、上から下方向にかけて傾いた案内部122が形成され、組立槽12の両側槽壁の案内部122にはテーパが形成され、組立槽12に弧状槽底が形成され、組立槽12の槽底の左右両側槽壁は、その案内部122下方に形成された枢着孔123を有する。固定座1の前端面には、結束バンド位置決め部13が設けられる。
結束バンド位置決め部13には、貫通孔131が形成される。固定座1の後端面の上縁には、位置決めブロック14が形成され、位置決めブロック14の上端には、組立槽12に向かって下方に傾いた斜面141が形成され、位置決めブロック14の後側には係合面142が形成される。固定座1の前端面の結束バンド位置決め部13下方には、貫通孔131の両側に対応した箇所に第1の支部15がそれぞれ突設される。固定座1の後端面の位置決めブロック14両側には、2つの第1の支部15に対応した箇所に第2の支部16がそれぞれ形成される。
【0014】
バンド部2は、一端が固定座1の後端面に接続され、他端が自由端に成形され、バンド部2の一側表面には、バンド部2の長手方向に沿って設けられた一方向の第1のラチェット21を複数有する。
【0015】
図4及び
図5を参照する。
図4及び
図5に示すように、係合部材3は、固定座1の組立槽12中に配設されるとともに、底側に枢軸31が成形され、枢軸31の両端は、上から下方にかけて傾いた斜面311が形成され、枢軸31がテーパに形成され、枢軸31の両端斜面311は、固定座1の組立槽12の両側槽壁の案内部122により案内されて組立槽12中に挿入される。枢軸31の両端は、組立槽12の両側槽壁の枢着孔123に枢着され、枢軸31に接続された当接片32が係合部材3に成形され、当接片32の前側には、一方向の第2のラチェット321が複数成形される。
組立槽12の前側に形成された中空部121に当接片32の第2のラチェット321が挿通されて穿孔11に位置し、バンド部2が固定座1の穿孔11中に選択的に挿設され、バンド部2の第1のラチェット21と当接片32の第2のラチェット321とが噛合・係合され、後方に折曲げられた延伸部322が当接片32に接続される。延伸部322の末端上側には、当接部323が成形され、延伸部322の末端底側には、位置決め凸部324が成形され、位置決め凸部324の底縁が固定座1の位置決めブロック14の斜面141に当接され、斜面141に沿って位置決めブロック14の後側の係合面142と選択的に係合又は離脱される。
【0016】
図5及び
図6を参照する。
図5及び
図6に示すように、使用者が本発明の結束バンドを物品に結束させて固定する際、結束バンドのバンド部2を物品に巻付け、バンド部2を固定座1の穿孔11の底側から挿入してから穿孔11の上側から挿出させる。バンド部2が穿孔11に挿通されると、係合部材3の当接片32の第2のラチェット321は、バンド部2の何れか1つの第1のラチェット21と噛合・係合されてバンド部2が位置決めされる。物品を結束・固定すると、第1のラチェット21及び第2のラチェット321の噛合・係合により、バンド部2は一方向にしか動かせないため、バンド部2の自由端に力を加えて引っ張ると、バンド部2の物品に対する結束度がさらに高まり、より確実に縛り付けることができる。また、余ったバンド部2が干渉してしまうことを防ぐために、固定座1の前端面に設けた結束バンド位置決め部13の貫通孔131中に、余ったバンド部2を挿入して収納することができるため、余ったバンド部2を切断する必要はない。そのため本発明に係る結束バンドは、次回使用するときに大きめの物品を結束・固定することができるため、使い勝手が良い。
また、使用者が物品に対する結束度をさらに高めるときは、バンド部2に力を加えて引っ張ると、バンド部2の第1のラチェット21により、係合部材3の当接片32の第2のラチェット321が押圧されて当接片32が後方に変位する。当接片32の位置決め凸部324の底縁は、固定座1の位置決めブロック14の斜面141に沿って後方に変位し、バンド部2の第1のラチェット21が、係合部材3の第2のラチェット321を介して使用者が結束度を調整した後、当接片32の位置決め凸部324は、位置決めブロック14の斜面141により案内されて前方へ変位し、当接片32が元の位置に戻り、当接片32の第2のラチェット321が自らバンド部2の第1のラチェット21と噛合・係合される。
【0017】
使用者が本発明の結束バンドの物品への結束を解除する場合、係合部材3の当接片32の延伸部322末端に設けた当接部323に指で力を加え、当接片32を後方へ引っ張り、当接片32に設けた延伸部322の位置決め凸部324と、固定座1に設けた位置決めブロック14後側の係合面142とを係合させる。すると、当接片32の第2のラチェット321とバンド部2の第1のラチェット21との噛合・係合状態が解除され、固定座1の穿孔11からバンド部2を挿抜し、バンド部2の物品に対する結束を解除することができる。
図6及び
図7を参照する。
図6及び
図7に示すように、バンド部2が結束した物品の外支持作用を受けた場合、バンド部2の第1のラチェット21と当接片32の第2のラチェット321との噛合・係合状態の度合いが強くなりすぎる。この場合、直接手を用いて当接片32を後方へ引っ張る際、本発明に係る結束バンドのロック解除方法を実施し、主に本発明のもう一つの結束バンドの固定座1の前端に設けた結束バンド位置決め部13の貫通孔131を、ロック状態を解除したい結束バンドのうちの一つの当接片32に設けた当接部323に嵌合させる。すると、もう一つの結束バンドが固定座1の前端面に設けた2つの第1の支部15が、結束バンドのうちの一つの固定座1の後端面に設けた第2の支部16に対応して当接され、これにより2つの結束バンドは、その固定座1の前後端面に設けた第1の支部15及び第2の支部16が互いに当接された箇所を支点として用いた後、もう一つの結束バンドの固定座1に力を加えて押下げ、梃子の原理を利用して結束バンドのうちの一つの当接片32を後方へ引っ張る。これにより、結束バンドのうちの一つの当接片32に設けた第2のラチェット321と、そのバンド部2の第1のラチェット21の噛合・係合状態を容易に解除し、結束バンドのロックを楽に解除し、繰り返して使用することができる。
【0018】
上述したことから分かるように、本発明に係る結束バンドの構造及びそのロック解除方法は、以下(1)~(5)の長所を有する。
(1)固定座の前端面の下縁に2つの第1の支部が成形され、固定座の後端面の上縁に対応した2つの第2の支部が成形され、当接片及びバンド部のラチェットの噛合・係合を解除するとき、一方の結束バンドの当接片に設けた当接部を、他方の結束バンドの固定座の貫通孔に対応して係合してから、他方の結束バンドの固定座の前端に設けた第1の支部を、一方の結束バンドの固定座の後端に設けた第2の支部に対応して当接させ、互いに当接された箇所を支点として用い、梃子の原理を利用して当接片及びバンド部のラチェットの噛合・係合状態を容易に解除し、結束バンドのロックを楽に解除し、繰り返して使用することができる。
(2)係合部材の当接片に位置決め凸部が設けられ、物品に対する結束度を高めるときは、バンド部に力を加えて引っ張り、バンド部の第1のラチェットが係合部材の当接片の第2のラチェットを押圧すると、当接片が後方へ変位し、第1のラチェットは、第2のラチェットを介し、使用者が所望の結束度に締付けた後、当接片の位置決め凸部が位置決めブロックの斜面に沿って案内されて当接片が自ら元の位置に戻り、当接片の第2のラチェットは、バンド部の第1のラチェットと再び噛合・係合され、物品に対するバンド部の結束度を容易に調整することができる。
(3)係合部材の当接片に位置決め凸部が設けられ、バンド部の係合を解除するときは、当接片を後方へ引っ張り、当接片の位置決め凸部と固定座の位置決めブロックの後側の係合面とを係合して位置決めすると、当接片の第2のラチェットとバンド部の第1のラチェットとが分離状態となり、固定座の穿孔からバンド部を挿出すると、物品に対するバンド部の結束が解除されるため、係合部材の当接片とバンド部のラチェットとの噛合・係合又は噛合状態の解除を容易に行うことができる。
(4)係合部材の枢軸にテーパが設けられ、固定座の組立槽の両側槽壁に設けた案内部の案内により、係合部材を組立槽中にスムーズに挿入し、固定座に枢着することができるため、係合部材及び固定座の組立の利便性が高い。
(5)固定座の前側に設けた結束バンド位置決め部に貫通孔が形成され、バンド部で物品を結束した後に余った部分を結束バンド位置決め部の貫通孔に挿入し、余ったバンド部を収納することができるため、使用する際干渉せず、結束バンド位置決め部の貫通孔は、もう一つの結束バンドのバンド部を挿設したり、他の物品を吊下げたり、ロックを解除したい結束バンドの当接片の当接部を掛合し、物品に対するバンド部の結束を解除したりすることができるため、使い勝手が良い。
【符号の説明】
【0019】
1 固定座
2 バンド部
3 係合部材
11 穿孔
12 組立槽
13 結束バンド位置決め部
14 位置決めブロック
15 第1の支部
16 第2の支部
21 第1のラチェット
31 枢軸
32 当接片
121 中空部
122 案内部
123 枢着孔
131 貫通孔
141 斜面
142 係合面
311 斜面
321 第2のラチェット
322 延伸部
323 当接部
324 位置決め凸部
【要約】
【課題】係合部材及びバンド部に設けたラチェットの噛合・係合状態が容易に解除でき、結束バンドを繰り返して使用することができる、結束バンドの構造及びそのロック解除方法を提供する。
【解決手段】結束バンドの構造は、固定座1、バンド部2及び係合部材3を備える。固定座1は、互いに隣り合うように形成された穿孔11及び組立槽12を有する。組立槽12は、穿孔11と連通する。固定座1の前端面には、結束バンド位置決め部13が設けられる。記結束バンド位置決め部13には、貫通孔131が形成される。固定座1の前端面の結束バンド位置決め部13下方には、貫通孔131の両側に対応した箇所に第1の支部15がそれぞれ突設される。固定座1の後端面上縁の2つの第1の支部15に対応した箇所には、第2の支部がそれぞれ形成される。
【選択図】
図2