(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】傾斜を移動する部品のキットを選択するための方法、装置、及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
B66B 9/08 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
B66B9/08 Z
(21)【出願番号】P 2022536728
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 GB2020053188
(87)【国際公開番号】W WO2021144549
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-04
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516104179
【氏名又は名称】アイランド モビリティ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ISLAND MOBILITY LTD
【住所又は居所原語表記】32 Dodnor Lane,Newport Isle of Wight PO30 5XA United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホートン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】プライアー,リー
(72)【発明者】
【氏名】ガスキン,ネイサン
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-539059(JP,A)
【文献】国際公開第2018/193034(WO,A1)
【文献】特開2002-092647(JP,A)
【文献】特開2008-108059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 9/00- 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜を移動する部品のキットとして複数の部品を選択する方法であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の画像と前記モデルの画像とを重ね合わせることで前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、前記モデルの確認結果に基づいて、前記モデルの前記画像を用いて前記モデルの一つ又は複数のパラメータを調整して、重ね合わせられた前記傾斜の前記画像と前記モデルの前記画像との差を低減し、
前記確認されたモデルに基づいて、所定の部品セットから複数の部品を前記傾斜を移動するための部品のキットとして選択する、
ことを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記測定情報の取得は、
ユーザが前記測定情報を入力する入力装置から前記測定情報を取得すること、
測定装置から前記測定情報を示す通知を取得し、前記通知から前記測定情報を取得すること、及び/又は
前記傾斜の画像又は画像のセットを取得し、前記画像のセットから前記測定情報を取得すること、
の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記傾斜の重ね合わせられた画像をディスプレイ画面上に表示することをさらに含む、方法。
【請求項4】
傾斜を移動する複数の部品を表示する方法であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の画像と前記モデルの画像とを重ね合わせることで前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、前記モデルの確認結果に基づいて、前記モデルの前記画像を用いて前記モデルの一つ又は複数のパラメータを調整して、重ね合わせられた前記傾斜の前記画像と前記モデルの前記画像との差を低減し、
前記確認されたモデルに基づいて、所定の部品セットのうちで、前記傾斜を横断する複数の部品を表示する、
ことを含む方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法であって、移動の対象となる前記傾斜は階段であり、前記部品は階段昇降機レールの部品である、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記階段の1つ又は複数の前記寸法が、前記階段のステップの数、前記階段のステップの高さ、前記階段のステップの幅、前記階段のステップの奥行き、及び/又は前記階段のステップの相対的な向きの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項7】
傾斜を移動するための部品のキットとして複数の部品を選択するための装置であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の画像と前記モデルの画像とを重ね合わせることで前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、前記モデルの確認結果に基づいて、前記モデルの前記画像を用いて前記モデルの一つ又は複数のパラメータを調整して、重ね合わせられた前記傾斜の前記画像と前記モデルの前記画像との差を低減し、
前記確認されたモデルに基づいて、所定の部品セットから複数の部品を前記傾斜を移動するための部品のキットとして選択する、
処理回路を含む装置。
【請求項8】
傾斜を移動する複数の部品を表示するための装置であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の画像と前記モデルの画像とを重ね合わせることで前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、前記モデルの確認結果に基づいて、前記モデルの前記画像を用いて前記モデルの一つ又は複数のパラメータを調整して、重ね合わせられた前記傾斜の前記画像と前記モデルの前記画像との差を低減し、
前記確認されたモデルに基づいて、前記傾斜を移動する複数の部品を表示する、
処理回路を含む装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の装置であって、移動の対象となる前記傾斜は階段であり、前記部品は階段昇降機レールの部品である、装置。
【請求項10】
コンピュータがプログラムを実行するときに、請求項1乃至請求項6のいずれかの方法を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階段昇降機の複数の部品を、傾斜を移動する部品のキットとして選択するための方法、装置、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書の「背景技術」の記述は、本開示の文脈を一般的に提示するためのものである。本明細書に記載された発明者の業績は、背景の項に記載されている範囲において、また、出願時に先行技術として認められない可能性がある記載内容も、本発明に対して先行技術として明示的又は黙示的に認められるものではない。
【0003】
家庭用の階段昇降機は、移動困難者の階段の昇降を補助するために、階段の左側又は右側の階段踏面に固定されるレールから構成される。すなわち、この階段昇降機は、家庭用では、階段の踏面に設置されるレール自身と、レールを昇降する電動式の椅子とから構成される。移動困難者は電動椅子に座り、階段の昇降を補助される。
【0004】
階段昇降機は、通常、住宅の階段の寸法に合わせて特注で作製されたレールを備える。そのため、レールは、階段の寸法が異なる他の住宅では使用することができない。これにより階段昇降機の設置費用が高額になり、また、元の住宅で階段昇降機が不要になった場合、階段昇降機を他のユーザや顧客が使用できない。
【0005】
階段昇降機は、複数の個々の階段昇降機部品から組み立てられたレールを有することが可能である。すなわち、これらの階段のレールは、特定の階段に適合する階段用レールを形成するために、その場で組み立てられる個々の部品で構成されている。これにより、階段レールを含む階段昇降機の部品は、元の住宅で階段昇降機が不要になったときに再利用することができる。しかし、階段は、独自のものが多く、家ごとにかなり違いがある。つまり、その家のために設計された特注の階段がある家が多い。実際、同じようなデザインの階段でも、寸法に大きな違いがある場合もある。
【0006】
更に、階段昇降機のレールは複雑であり、安全かつ円滑に作動させるためには、慎重に施工する必要がある。したがって、複数の標準的な階段昇降機部品を使用して階段に設置するために階段昇降機を組み立てることは困難であり、その結果、設置が大幅に遅延し、階段昇降機のコストを増加させてしまう。
【0007】
階段又は斜面(屋内又は屋外のいずれか)のような任意の傾斜を移動するために部品が選択される任意の状況においても同様の問題がある。
【0008】
これらの問題に対処することが本開示の目的である。
【発明の概要】
【0009】
以下、本開示のある態様に関する基本的な理解をするために、本開示の簡略的な概略を提供する。本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲で提供される。
【0010】
本開示の態様によれば、傾斜を移動するための部品のキットとして複数の部品を選択することができ、その結果、所定の部品セットを用いて傾斜を移動する階段昇降機又は斜面等を設計及び設置するのに必要な時間と費用の両方を削減することができる。
【0011】
前述のパラグラフは、一般的な導入のために提供されたものであり、以下の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。記載された実施形態は、更なる利点とともに、添付の図面と併せてなされる以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0012】
添付の図面を考慮しつつ以下の詳細な説明を参照することによって、本開示とそれに付随する効果をより完全に理解できるであろう。添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る装置を示し;
【
図2】
図2は、本開示の実施形態が適用され得る例示的な状況を示し;
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係る測定データの取得の一例を示し;
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に従ってユーザに表示され得るユーザ入力画面又はグラフィカルユーザインターフェースを示し;
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係るモデルの生成の一例を示し;
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に従って生成されたモデルの確認の一例を示し;
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に係る階段昇降機レール部品のセットの一例を示し;
【
図9】
図9は、本開示の実施形態に係る階段昇降機レール部品の拡大図を示し;
【
図10】
図10は、本開示の実施形態に係る部品のキットの選択の一例を示し;
【
図11】
図11は、本開示の実施形態に従って階段のために選択された部品のキットの一例を示し;
【
図12】
図12は、本開示の実施形態に係る複数の階段昇降機部品の選択方法を示し;
【
図13】
図13は、傾斜を移動するために選択される部品のキットの例を示し;
【
図14】
図14は、本開示の実施形態に係る傾斜を移動するための複数の部品を選択する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図面を参照すると、同様の符号は、いくつかの図を通して同一又は対応する部品を示している。
【0015】
図1を参照すると、本開示の実施形態に係る装置1000が示されている。典型的には、本開示の実施形態に係る装置1000は、パーソナルコンピュータ又はサーバに接続された端末などのコンピュータ装置である。実際、実施形態において装置はサーバであってもよい。装置1000は、マイクロプロセッサ又は他の処理回路1002を使用して制御される。いくつかの例では、装置1000は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、又はタブレットコンピューティングデバイスなどのポータブルコンピューティングデバイスであってもよい。
【0016】
処理回路1002は、コンピュータ命令を実行するマイクロプロセッサであってもよいし、特定用途向け集積回路であってもよい。コンピュータ命令は、記憶媒体1004に格納される。記憶媒体1004は、磁気的に読み取り可能な媒体、光学的に読み取り可能な媒体、又はソリッドステートタイプの回路でもよい。記憶媒体1004は、装置1000に統合されてもよいし、装置1000とは別体であって、有線又は無線接続のいずれかを使用して装置1000に接続されてもよい。コンピュータ命令は、処理回路1002にロードされると、本開示の実施形態による方法を実行するように処理回路1002を構成する、コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータソフトウェアとして具現化されてもよい。
【0017】
さらに、処理回路1002に接続されたオプションのユーザ入力デバイス1006が示されている。ユーザ入力デバイス1006は、タッチスクリーンであってもよいし、マウス又はスタイラスタイプの入力デバイスであってもよい。また、ユーザ入力デバイス1006は、キーボードであってもよく、又はこれらのデバイスの任意の組合せであってもよい。
【0018】
オプショナルのネットワーク接続1008が処理回路1002に接続されてもよい。ネットワーク接続1008は、インターネット又は仮想プライベートネットワーク等のローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワークへの接続であってもよい。ネットワーク接続1008は、処理回路1002が関連データを取得又は提供するために別の装置と通信することを可能にするサーバに接続されてもよい。ネットワーク接続1002は、ファイアウォール又は他の形態のネットワークセキュリティの後段にあってもよい。
【0019】
更に、処理回路1002には表示装置1010が接続される。表示装置1010は、装置1000に統合されて示されているが、装置1000と別体であってもよく、ユーザがシステムの動作を視覚化することを可能にするモニタ又は何らかの装置であってもよい。更に、表示装置1010は、プリンタ、プロジェクタ、又は装置1000によって生成された関連情報をユーザ又は第三者によって見ることを可能にする何らかの他の装置であってもよい。
【0020】
図2を参照すると、本開示の実施形態が適用され得る例示的な状況が図示されている。この例示的な状況では、階段2000が例示されている。しかしながら、本開示はこれに限定されず、任意のタイプの傾斜面が想定されることに留意されたい。例えば、本開示の実施形態は、段差があってもなくてもよい外の斜面に適用可能である。この点、部品のキットは、階段を移動するスロープ等のためのものであってもよく、より一般的には傾斜面であってもよい。これについては、後に説明する。
【0021】
図2に戻って、この階段2000は、例えば、ステップ2002のような多数の個々のステップで構成されている。これらのステップは、第1のプラットフォーム2004(床又はレベル等)から第2のプラットフォーム2006(第2の床又はレベル等)に延びる階段2000を形成するように配置される。例えば、第2のプラットフォーム2006は、家の1階(又は2階)に見られるような踊り場であってもよい。人が階段2000を上っている(又は下っている)ときに階段2000から落ちるのを防ぐために、欄干又は安全手すり2006も階段に設けられる。より一般的な例における第1のプラットフォーム2004及び/又は第2のプラットフォーム2006は、いかなる種類の実質的に平坦な表面であってもよいことに留意されたい。例えば、第1のプラットフォーム2004及び/又は第2のプラットフォーム2006は、地面の一部であってもよく、又は、後で説明するように、設置されたプラットフォームであってもよい。
【0022】
図3を参照すると、
図2の例示的な階段の状況をより詳細に示す拡大図が示されている。すなわち、階段2000の1つのステップ3000の拡大図が示されている。このステップ3000は、ステップ2002であってもよいし、階段2000を構築又は組み立てる他の個々のステップのいずれかであってもよい。
図2には、ステップの多数の寸法が示されている。すなわち、個々のステップ3000は、幅3002、高さ3004、及び奥行き3006によって定義することができる。これらの寸法の実際の値は、階段の種類及び階段が組み立てられる環境に応じて変化する。
【0023】
更に、階段2000を形成する個々のステップの寸法が変動してもよい。すなわち、第1のステップ(最下段のステップ2002等)は、第1の寸法のセットを有していてもよく、一方、階段の第2のステップ(ステップ2010等)は、第2の寸法のセット(第2の寸法のセットは、1又は複数の次元で第1の寸法のセットと異なる)を有していてもよい。個々のステップの寸法の間のこの変動は、階段2000を構築するときの許容範囲によって発生してもよいし、あるいは、階段の設計によって発生してもよい。曲がり角のある階段(1/4回転階段など)は、階段の直線部分を形成するステップと比較して、曲がり角を形成するステップの寸法の変化(中間踊り場の設置や角度のついたステップなど)が必要となる場合がある。
【0024】
したがって、階段2000の寸法は、ある例では、個々の構成要素であるステップの寸法、ステップの数、及びそれらの個々のステップの相対的な向きによって定義され得る。
【0025】
この例の状況では、階段2000に階段昇降機が設けられることが望まれている。すなわち、移動困難者が階段2000を昇降するのを支援するために、階段に階段昇降機を設けることが望まれる。
【0026】
このように、階段昇降機は、個々の階段に合わせたオーダーメイドの階段レールを作るのではなく、いくつかの個別のセット部品を組み合わせて作ることができ、元の階段で不要になったら他の階段に取り付けて再利用できる。これにより、階段昇降機の設置にかかる費用を削減することができる。
【0027】
しかし、階段の寸法にはばらつきがあるため、複数の階段昇降機の部品を組み合わせて階段に階段昇降機を設置することは困難であり、設置に大きな時間を要してしまう。すなわち、階段に階段昇降機を設置することが要請された場合、階段昇降機の設置者は、階段が設けられた家に、階段昇降機の各部品を階段に様々な構成で配置できるように、それらの元の階段昇降機の部品の少なくとも一部から階段に適合する階段昇降機レールを構築できるまで、非現実的な範囲に及ぶ多数の余分な部品を家に持ち込む必要がある。
【0028】
これにより、階段に階段昇降機を設置するのに要する時間とコストが増大してしまう。
【0029】
したがって、本開示の実施形態にしたがって、階段昇降機レールのための部品のキットとして複数の階段昇降機の部品を選択するための方法、装置、及びコンピュータプログラム製品が提供される。
【0030】
更に、階段又は傾斜を調査するための機構について説明する。特に、傾斜を移動する複数の部品を表示するための装置とそれに関連する方法、及びコンピュータプログラムについて説明する。この装置は、傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し;測定情報にしたがって傾斜のモデルを生成し;モデルを傾斜に重ね合わせることによってモデルを確認し;傾斜を移動する複数の部品をモデルに基づいて表示するように構成される処理回路を含む。
【0031】
この構成によれば、傾斜の調査を行うことができ、調査を迅速かつ正確に行うことができる。また、複数の部品をモデルに基づいて表示することで、傾斜を移動することを視覚的に確認することができる。
【0032】
本開示の実施形態は、この例示的な状況(本開示の
図2を参照して説明した)を参照して説明される。
【0033】
測定情報の取得
上述したように、本開示の
図2を参照して説明した例示的状況において、人(家の所有者等)は、階段2000に階段昇降機が設置されるのを望んでいる。本開示の実施形態によれば、当該人は、階段昇降機の部品のキットを選択するために、装置(装置1000等)を操作してもよい。
【0034】
本開示の実施形態によれば、まず、装置1000は、階段昇降機が設置される階段の多数の寸法に関する情報を取得するように構成される。階段の寸法は、階段に対して実施された特定の測定値に従って決定されてもよい。
【0035】
例として、これらの測定は、階段昇降機の部品を階段に(すなわち、階段昇降機が設置される階段がある家庭等に)発送又は出荷する前に行われる。
【0036】
例えば、これらの測定は、階段昇降機を購入しようとする者のような個人によって実行されてもよい。他の例では、測定は、後に階段昇降機を設置する者のような熟練した調査員によって行われてもよい。この場合、階段の測定値は、階段への最初の訪問時に取得されてもよい。このように、この初回調査は、階段の測定値を取得するためのものであるため、非現実的なほど多数の階段の部品のセットを調査者がその場所に持っていく必要はない。
【0037】
図4は、本開示の実施形態に係る測定データの取得の一例を示す図である。この例では、人4000が、階段4002(本開示の
図2を参照して説明した階段2000であってもよい)の1つ又は複数の寸法の測定を実施している。人4000は、測定装置4004を用いて、階段4002の寸法の測定を実行する。この測定装置は、階段の個々のステップ(ステップ4006等)の測定値を含む、階段4002の寸法の測定値を取得する。測定装置4004を用いた測定が人4000によって行われると、階段4002の1つ又は複数の寸法を示す測定情報が装置1000に送信され得る。
【0038】
なお、本開示の実施形態では、人4000による階段の寸法の測定を行うために用いられる測定装置は特に限定されない。
【0039】
例えば、階段の寸法を測定する測定装置は、レーザ測定装置であってもよい。この場合、人4000は、階段のステップの寸法(ステップの高さ、幅及び奥行き等)の測定を行う。これに代えて、測定装置は、現場のライブ画像又は記録画像からオブジェクト(階段、又は階段の個々のステップ等)の寸法を決定するカメラ又はカメラシステムであってもよい。
【0040】
この場合、人4000は、階段の寸法が決定され得るように、階段の多数の画像を取得する。いくつかの例では、取得した画像に基づいて測定装置が階段の寸法を決定することを支援するために、多数の一時的なマーカを階段上に配置してもよい。
【0041】
装置1000は、(実行されるべき測定の順序に関する指示など)測定を実行するように人4000に促してもよい。これに代えて、任意の順序で測定を行い、実行済の測定を一意に識別する識別子に対して当該測定を記録してもよい。これに代えて、予め定められた順序で測定を行ってもよい。
【0042】
一例として、所定の順序は、最初にユーザが階段の最下(最低)段の高さを提供することを含んでもよい。次に、この最下段の幅を入力するようにユーザに要求してもよい。最後に、この最下段の奥行きを入力するようにユーザに要求してもよい。最初のステップにおけるこれらの測定が終わると、階段の次のステップ(最下段のステップに隣接するステップ)の高さ、幅、及び奥行きの測定に進んでもよい。
【0043】
これに代えて、例えば、所定の順序は、最初に階段のステップ数を指定し、その後、その階段の最初のステップの寸法(ここでも、寸法は、階段の最初のステップの高さ、幅、及び奥行きを含み得る)を指定することを含んでもよい。この最初のステップの寸法は、その後の階段の各ステップ(指定された最大ステップ数まで)に適用することができる。これにより、ユーザ入力の手間を省くことができる。測定情報は、各測定が実行されるときに装置1000が取得してもよいし、これに代えて、測定(又はそれらの測定の一部)が完了したときにのみ取得してもよい。
【0044】
例えば、測定装置4000は、装置1000に一体化されてもよい。他の例では、測定装置は、装置1000の外部にあってもよい。この場合、装置1000が階段の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を受け取ることができるように、測定装置は、有線又は無線通信で装置1000と通信可能に接続される。これに代えて、他の例では、人4000は、測定装置4000を用いて行われた測定に基づいて、本開示の
図1を参照して説明したようなユーザ入力デバイス1006などの入力装置を用いて、装置1000に測定情報を提供してもよい。
【0045】
図5は、階段の寸法に関する測定情報を装置1000に入力するために、人4000に対して表示され得るユーザ入力画面又はグラフィカルユーザインターフェースを示す。これは、本開示の
図1を参照して説明したように、1010のような表示装置上に表示されてもよい。
【0046】
図5の例では、装置1000のディスプレイは、タッチパネルディスプレイ画面5000である。この例では、装置1000が階段の寸法を示す測定情報を取得するために、人4000(ここでは装置1000のユーザとして説明する)は、タッチパネルディスプレイ画面5000を操作してもよい。
【0047】
ユーザが測定した階段の寸法を手動で入力することを可能にするテキスト入力フィールド5002を設けてもよい。ユーザは、このテキスト入力フィールドを使用して、階段のタイプ(例えば、直線、螺旋、又は1/4ターン)及び/又はその階段内のステップ数を指示することができる。更に、ユーザは、このテキスト入力フィールド5002に、階段のステップの寸法(階段のステップの高さ、幅又は奥行等)を入力してもよい。
【0048】
更に、ユーザは、その階段の寸法を修正するために、階段(又はその階段の個々のステップ)5004を操作してもよい。そのような操作には、デジタル表現されたステップの特定の部分(角等)に対して行うドラッグ操作が含まれる。
【0049】
これに代えて、ユーザは、タッチパネル表示装置1010にデジタル表現された階段5004を操作(矢印5006A~5006Cで図示)するために、ディスプレイに対する操作を更に行ってもよい。これにより、ユーザは、デジタル表現された階段5004を3次元的に回転させることができる。
【0050】
最初のステップの測定値が入力されると、ユーザは、次の段階の測定値(階段の次のステップの測定値等)に進むために、装置1000上のボタン(あるいはタッチパネルディスプレイ画面上の要素)を押下してもよい。これについて本開示の
図6を参照して説明する。すなわち、
図6は、本開示の実施形態に係る測定データの取得の一例を示す図である。
【0051】
ここでは、階段の1段目6000の測定値がユーザによって入力されており、その後、階段2000の2段目6002の測定値をユーザが入力している。
【0052】
更に、階段の測定が終了したら、ユーザは、全ての測定情報が取得されたかを確認してもよい。
【0053】
本開示の
図4、
図5及び
図6を参照して説明した方法に従って、装置1000は、階段の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得する。
【0054】
階段のモデルの生成
階段の寸法を示す測定情報を取得したとき、装置1000は、測定情報に従って階段のモデルを生成する。
【0055】
装置1000が使用する階段のモデルの生成方法は特に限定されない。例えば、装置1000は、(階段の寸法を示す)測定情報を取得し、ポリゴンモデリングを用いてその階段の仮想3次元モデルを生成するように構成され得る。すなわち、階段の寸法は、このようにユーザによって操作され得る階段の3次元表現を構築するために使用され得る。当技術分野で利用可能な専用のモデリングソフトウェアは、必要に応じて測定情報から階段のモデルを構築するために使用され得る。
【0056】
3次元モデルは、線又は曲線などの要素によって接続された3次元空間内の点の集合として生成されてもよい。例えば、装置1000は、固体の3次元モデルを生成してもよい。しかしながら、これに代えて、階段の表面のみを表すシェル又は境界モデルを、本開示の実施形態に従って、装置1000が生成してもよい。
【0057】
例えば、階段の3次元モデルは、取得した測定情報に従って、予め構築した一連のモデルの性質を操作することで生成してもよい。これにより、予め構築された階段のモデルを、取得した測定情報に応じて適合させることができる。その結果、本開示の実施形態に従って階段のモデルを構築又は生成するのに要求される処理が低減される。
【0058】
いくつかの状況(ユーザが、本開示の
図4、5及び6を参照して説明したようにグラフィカルユーザインターフェースを用いて測定情報を装置1000に入力する状況)において、階段のモデルは、測定情報の取得と同時に装置1000によって生成されてもよい。
【0059】
更に、本開示は、階段の3次元モデルに特に限定されるものではなく、階段の3次元モデルであってもよい。
【0060】
さらに、本装置1000によって生成されるモデルの数は、上記のような単一のモデルに限定されず、複数の個別のモデル(個別に操作可能な一連のモデル又はモデルの集合等)で構成されてもよい。例えば、異なる視点による階段の一連の2次元モデルを生成してもよい。
【0061】
装置1000によって生成されたモデルは、装置1000の表示装置1010等の表示装置でユーザに対して表示されてもよい。これに代えて、モデルをユーザに表示せずに、本開示の実施形態に従って装置1000がモデルを生成し、装置1000がモデルを内部に記憶したり操作したりしてもよい。
【0062】
階段のモデルの検証
階段のモデルが生成されると、装置1000は、生成されたモデルの確認、又は検証を行う。これにより、モデルが階段を正確に表現していることを確認できる。
【0063】
図7は、測定情報に従って生成された階段のモデルの確認例を示す図である。この例は、階段2000の側面(又はプロファイル)画像7000を示す。階段の画像は、(階段の測定を実行するとき等に)装置1000が事前に取得してもよく、あるいは、その画像が必要とされるときに検証を実行する目的で装置1000が取得してもよい。
【0064】
言い換えれば、実施例では、装置1000は、装置1000によって生成されたモデルの検証及び確認に用いるために、階段の周囲の1つ又は複数の位置から階段の1つ又は複数の追加の写真を撮ることをユーザに要求してもよい。
【0065】
この例(本開示の
図7に示される)では、装置1000によって生成されたモデル7002は、階段2000の画像7000の上に重ね合わせられる。これにより、装置1000は、生成されたモデル7002が階段2000を正確に表現しているか否かを検証(又は確認)することができる。言い換えれば、本装置は、(取得した測定情報が示す)階段の測定が、階段の寸法の正確な測定であることを認証することができる。
【0066】
この例では、階段のモデル7002は、階段7000の取得画像にグラフィカルに重ね合わせられる。しかしながら、これに代えて、モデル7002と階段との比較を、表示画面1010に表示せずに、装置1000が内部で実行してもよい。さらに、例えば、モデル7002と階段の画像との追加の比較をユーザが行ってもよい。
【0067】
確認がユーザによって実行される例では、重ね合わせを実行するために、拡張現実メガネ又は仮想現実メガネが使用され得る。これに代えて、例えば、装置1000に通信可能に接続された拡張現実投影システム上で重ね合わせをしてもよい。これらの状況では、拡張現実は、階段の仮想モデルを実世界(又は実世界の画像)に重ね合わせるための手段を提供する。すなわち、階段のモデルと現実世界との合成画像がユーザに提供され得る。これにより、ユーザは、実世界において行動(例えば、階段の周りを移動して階段のモデルの視点を変える)を行うことによって、モデルとやり取りを行うことができる。この拡張現実の実行方法は特に限定されず、必要に応じて任意の適切なソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して実行することができる。
【0068】
この例では、重ね合わせが実行されると、装置1000は、階段のモデルと階段の画像との間のオフセット量を決定する。オフセット量は、
図7に示されるように、オフセット領域7004を形成する。これは、階段の多数の離散点におけるモデル7002と実際の階段の画像7000との間の残差の計算を通じて装置が決定してもよい。
【0069】
階段からのモデルのオフセット∂がある所定の閾値より小さいと判断される場合、装置1000は、測定された実際の階段をモデルが正確に表現していると確認する。しかし、階段からのモデルのオフセット∂が所定の閾値よりも大きい場合、装置1000は、生成されたモデルを微調整してそれが階段を正確に表現するようにするためのステップをとることになる。
【0070】
このように、装置1000は、生成された階段のモデルを検証又は確認するように構成される。生成された階段のモデルが階段の確認画像と異なり得る理由はいくつかある。ある状況では、階段の寸法を測定する際にユーザがミスをする可能性がある。あるいは、生成された階段の寸法を装置1000に提供する際にユーザが誤りを犯した可能性がある。あるいは、ユーザが、例えば階段の寸法を得るときに、較正されていない測定装置を使用する可能性もある。
【0071】
したがって、階段の確認画像は、装置1000が、生成されたモデルが階段を正確に表現しているか否か(すなわち、モデルが、階段の1つ又は複数の確認画像に正確に適合するか否か)を確認することができる仕組みを提供する。例えばユーザの誤りに起因したモデルと物理的な階段との間の不一致を特定することで、階段昇降機レール用の部品のキットを生成する際の装置1000の精度と信頼性とが更に向上し、ユーザの階段に最適ではない部品のキットを選択する例を低減することができる。
【0072】
例えば、所定の閾値は、階段昇降機の公差に応じて設定され得る。しかし、所定の閾値の絶対値は特に限定されず、本開示の実施形態が適用される状況に応じて変わる。
【0073】
例えば、モデルの微調整は、取得した階段の1つ又は複数の検証画像にモデルがより正確に適合するように(すなわち、オフセット量∂を低減するように)、装置1000がモデルの1つ又は複数のパラメータ(ステップの高さ等)を調整することを含んでもよい。すなわち、いくつかの状況において、装置1000は、モデルと階段とが最適に適合するかどうかを判断するために、モデルの1つ又は複数のパラメータをランダムに変動させてもよい。これに代えて、例えば、装置1000は、階段のどの部分(階段の特定のステップ、又はそのステップの一部(ステップの上端など))がモデルによって正確に表現されていないかを判断するために、階段に対してオブジェクト認識処理を実行してもよい。この場合、装置1000は、次に階段への適合を改善するために、(階段の検証画像から逸脱することが判明したモデルの部分に影響を与えるパラメータのみを適合させることにより)モデルの関連するパラメータを選択的に適合させてもよい。
【0074】
このようにして、装置1000は、階段のモデルと実際の階段(取得した検証画像によって表される)との適合を改善するために、階段のモデルに対するパラメータ空間を探索する。
【0075】
これに代えて、モデルの微調整をするために、クリーン上の要素7006を使用してモデルの1つ又は複数のパラメータを調整するようにユーザに要求してもよい。あるいは、階段の寸法のより正確な値を得ることができるように、階段の特定の測定を繰り返すようにユーザに要求してもよい。
【0076】
モデルがこのように適合(又は微調整)されると、適合されたモデルを確認するかどうか(又はそのモデルのさらなる適合を実行するかどうか)を決定するために、検証(又は確認)処理が再び実行され得る。最初の確認と同様に、この(適合された又は微調整されたモデルの)更なる確認は、適合されたモデルと階段の画像との間の残差を装置1000が自動計算することを含み得る。そして、これらの残差が所定の閾値以下である場合、モデルが確認される。これに代えて、又はこれに追加して、モデルが階段(又は階段の画像)に対して正確に適合しているかを決定するために、ユーザがモデルと階段との重ね合わせを視覚的に検査し、このような確認を行ってもよい。適合された(又は微調整された)モデルが正確に合うとユーザが考える場合、ユーザは、モデルの確認(すなわち、モデルが階段に正確に適合、又はモデルが階段を表現しているという確認)を提供するために、装置1000のボタンを押下してもよい。
【0077】
確認処理の結果、微調整されたモデルが確認されない場合は、モデルの微調整を更に行ってもよい。そして、このモデル(更に適合させたもの)に対して、階段に正確に適合するまで必要に応じて更に確認処理を行ってもよい。
【0078】
このようにモデルを確認することで、装置1000は、ユーザが階段昇降機の設置を希望する階段をモデルが正確に表現していることを確認することができる。
【0079】
もちろん、上記では階段について説明したが、本開示はそれに限定されるものではなく、任意の傾斜が想定される。実際、傾斜を移動する複数の部品をモデルに基づいて表示することにより、より効率的に、より迅速に調査を行うことができる。
【0080】
部品のキット
モデルが検証されると、装置1000は、階段昇降機の部品のキットをモデルを使用して選択する。これらの部品は、階段用の階段昇降機を構築するために必要な部品であり、利用可能な階段昇降機レール部品の標準セットから選択される。
【0081】
本実施形態の
図8には、利用可能な階段昇降機レール部品の標準セットの一例が示されている。
【0082】
この例では(
図8を参照して説明される)、階段昇降機部品のセットは、階段昇降機レール開始部8002、一連の直線階段昇降機レール部品8004~8008、第1の曲線階段昇降機部品8010、第2の曲線階段昇降機部品8012、及び階段昇降機終了部8014を含む。そして、任意の数の階段昇降機部品が、階段昇降機レール部品のキットを構築するために、装置1000によって選択され得る。
【0083】
一連の直線階段昇降機レール部品8004~8008に関して、これらの部品は、(
図8に図示されるように)様々な長さを有していてもよい。すなわち、この具体例では、第1の直線階段昇降機部品8004は、10cmの長さを有し、第2の直線階段昇降機部品8006は、20cmの長さを有し、第3の直線階段昇降機部品8008は、100cmの長さを有している。
【0084】
これらの階段昇降機部品は、必要に応じて相互に接続されるように設計され得る。すなわち、第1の階段昇降機レール部品の端部は、必要に応じて他の階段昇降機レール部品の端部に接続されてもよい。
【0085】
例えば、階段昇降機部品のセットは、階段昇降機レール部品に加えて、階段昇降機椅子及びモータ等の部品を含んでもよい。
【0086】
階段昇降機レール部品のセットは、本開示の
図8の例に示された部品に限定されない。むしろ、これらの部品は、階段昇降機のサプライヤによって製造される標準的な階段昇降機部品に応じて変化するであろう。しかしながら、部品のセットは、各部品が(EP 3024770 B1で議論されているように)広範囲の階段に適合するような方法で組み立てることができるように、異なるレール長さ及び形状の一連の部品を含み得る。
【0087】
ここで
図9を参照すると、例示的な第1の曲線階段昇降機部品8010の拡大図が示されている。すなわち、
図9は、階段昇降機部品8000の所定の(又は標準)セットの一部を形成する例示的な階段昇降機部品の拡大図又は拡大図を示している。
【0088】
図9に示されるような例示的な曲線階段昇降機部品8010は、管状シャフト9000(これに沿って階段昇降機の椅子が乗る)と、シャフト9000の下方の長さに沿って延び、椅子に配置された駆動歯車と係合するラック9002とを有する。係合手段9004は、階段昇降機部品の両端(すなわち、ラック9002の先端)に設けられる。これらの係合手段は、階段昇降機レールの隣接する長さ上の対応する係合手段と係合する。
【0089】
しかしながら、これは本開示の実施形態に従って使用され得る階段昇降機レール部品の一例である。階段昇降機部品のセットは、必要に応じて、図示されたものとは異なる長さ及び異なる形状を有する複数の個々の階段昇降機レール部品によって規定されてもよい。
【0090】
いくつかの例では、装置1000は、階段昇降機レール部品の標準セットに関する情報(すなわち、測定された特定の階段(階段2000等)用の部品のキットを選択することができる階段昇降部品の範囲)を記憶する。これは、例えば記憶装置1004に記憶されてもよい。あるいは、装置1000は、ネットワーク接続1008などの接続手段を用いてサーバに接続し、必要に応じて階段昇降機部品の標準セットに関する情報を取得してもよい。例えば、これは、測定情報の取得及び/又はモデルの生成の後であってもよい。
【0091】
次に、装置1000は、生成された階段のモデルに基づいて、階段昇降機レール部品の所定の標準セット(セット8000等)から複数の階段昇降機レール部品を階段用部品のキットとして選択する。この部品のキットは、その後、測定された階段に適合する階段昇降機レールを構成することができるキットである。
【0092】
すなわち、装置1000は、階段のモデルと階段昇降機レール部品の所定の標準セットとを比較し、次に、階段に適合する階段昇降機レールを構築するために必要とされる特定の要素を選択する。装置1000は、必要に応じて同じ要素の複数のコピー(例えば、第1の曲線階段昇降機部品8010の2つ以上のコピー)を選択してもよい。
【0093】
階段昇降機レール用の部品のキットを階段昇降部品の所定のセットから選択し得る方法は多数あり、請求項に係る発明はこの点で特に限定されない。例えば、階段昇降機部品の組み合わせ及び/又は階段昇降機部品の既知の配置を生成されたモデルと最初に比較し、その後、特定の階段に適合するように、この最初の部品のセットを装置が採用してもよい。
【0094】
更に、例えば、選択する必要のある部品の範囲を限定するために、階段の種類を使用してもよい。例えば、直線階段では、ある種の曲線階段昇降機部品は必要ない場合がある。
【0095】
同様に、選択する必要のある部品の範囲を限定するために階段の寸法を使用してもよい。例えば、階段の長さより長い直線階段昇降機部品は、部品のキットから自動的に除外することがでる。
【0096】
いくつかの例では、装置1000は、階段昇降機用の部品のキットを、いわゆる「非束縛ナップサック問題」(UKP)として決定してもよい。これは、0-1ナップザック問題のバージョンであり、各アイテムが1つだけ存在するという制約を取り除いたものである。つまり、以下に従って部品のキットの選択をしてもよい:
【0097】
【0098】
【数2】
ここで、nは、重みw
iと値v
iとを有するアイテムの集合であり、Wはシステムが受容できる最大重みである。
【0099】
本開示の
図2を参照して説明した階段2000用の階段昇降機レールを選択する具体例では、最大重みWは、階段に適合するために必要な階段昇降機の全長を表す(この値は、生成された階段のモデルから決定される)。アイテムv
iの値は、各アイテムの逆コスト(つまり、個々の階段昇降機レール部品を構築するコストに関する特性であり、コストが安い階段昇降機部品が最適に選択されるようなもの)を表す。最後に、重みw
iは、個々の階段昇降機部材の全長を表す。このようにして、選択された階段昇降機レールの要件を満たす階段昇降機部品の最適なキットを決定することができる。
【0100】
更に、いくつかの状況では、装置1000によって決定される追加の制約が階段昇降機レールに課せられてもよい。これは、例えば、階段昇降機レールが階段昇降機レール開始部8002及び階段昇降機レール終了部8014で開始及び終了しなければならないという制約でもよい。
【0101】
本開示の
図10を参照しながら、所定の標準部品セット8000からの階段2000用の部品のキットの選択の一例を説明する。すなわち、
図10は、本開示の実施形態に係る部品のキットの選択の一例を示す図である。図示されるように、装置1000は、階段昇降機レール用の部品のキットを構築するために使用することができる部品を選択する。すなわち、
図10は、階段2000用の部品の特定のキットを構築しようとするときに装置1000によって実行されるプロセスのグラフィック表示であり、ここでは部品のキットを構築するために様々な階段昇降機部品が個別に又は組み合わせて移動及び配置される。
【0102】
この具体例では、階段2000の全長は4.5メートル(m)である。これは、上述したように、生成されたモデルに従って決定される階段の特性の1つである。
【0103】
この具体例では、装置1000は、階段2000が直線階段であるため、曲線階段昇降機部品(第1の曲線部品8010及び8012のいずれか)は必要ないと判断する(この場合も、生成されている階段のモデルに従って判断される)。したがって、部品のキットに必要な所定の標準部品セット8000における曲線階段昇降機部品8010、8012の個数をゼロに設定することができる。
【0104】
この例では、装置1000は、一つの階段昇降機レール開始部8002及び一つの階段昇降機レール終了部8014が必要であるとも決定する。この例では、階段昇降機レール開始部8002及び階段昇降機レール終了部8014の長さは、階段の長さと比較して無視できる程度である。したがって、これらの部品の長さは、この状況で階段昇降機レールの残りの部品を決定する際に考慮されない。しかしながら、いくつかの例では、階段昇降機レール開始部8002及び階段昇降機レール終了部8014は、階段の長さと比較して無視できない長さを有する場合がある。この場合、これらの部品の長さは、階段昇降機レール用部品のキットの残りの部品を決定する前に、必要とされるレールの長さから差し引かれる。
【0105】
次に、装置1000は、階段昇降機レール開始部8002と階段昇降機レール終了部8014との間に階段昇降機レールを設けるために必要な階段昇降機レール部品を決定することができる。この例では、単位長さ当たりの直線階段昇降機部品8008のコストは直線階段昇降機部品8006のコストよりも安く、更に直線階段昇降機部品8006のコストは直線階段昇降機レール部品8004のコストよりも安い。これは、同じ距離をカバーする複数の個々の階段昇降機レール部品(直線階段昇降機レール部品8004等)よりも、単一の連続した長さの階段昇降機レール(直線階段昇降機レール部品8008等)を提供する方がより効率的であるためである。
【0106】
したがって、これに基づいて、装置1000は、直線階段昇降機レール部品8008を選択するのが好ましい。よって、この階段レール部品の4つのコピーが、階段昇降機レールの長さを4メートル(すなわち、階段昇降機レール用の部品のキットに既に含まれている全ての部品の合計の長さ)にするために選択される。
【0107】
そのため、必要な階段昇降機レールは残り0.5mとなる。
【0108】
この例では、装置1000は、その後、直線階段昇降機部品8006の2つのコピーが必要であると決定する。これは、階段昇降機レール8008の更なるコピー(100cm又は1mの長さを有する)が、必要な階段昇降機レールの残りの0.5mに適合しないためである。言い換えれば、直線階段昇降機レール8008は、必要な階段昇降機レールの残りの長さに適合する最も長い階段昇降機部品である。
【0109】
部品8006の2つのコピーを部品のキットに追加すると、階段2000のための階段昇降機レールとして部品の完全なキットを提供するのに要する階段昇降機レールが残り0.1メートルとなる。
【0110】
最後に、装置1000は、必要な階段昇降機レールの残りの部分が、(10cmの長さを有する)直線階段昇降機レール部品8004によって提供され得ると判断する。これは、直線階段昇降機レール部品8006(20cmの長さを有する)及び直線階段昇降機レール部品のいずれも、必要とされる階段昇降機レールの残りの部分に収まらないためである。
【0111】
このように、この例では、装置1000は、階段昇降機レール開始部8002の1つのコピー、直線階段昇降機レール部品8008の4つのコピー、直線階段昇降機レール部品8006の2つのコピー、直線階段昇降機レール部品8004の1つのコピー、及び階段昇降機レール終了部8014の1つのコピーを含む部品のキットを階段2000用の階段昇降機レール用部品として選択する。
【0112】
いくつかの例では、装置1000は、階段昇降機レールに加えて追加の部品(椅子等)も必要であると更に判断する。そして、これらの追加の部品は部品のキットに追加される。
【0113】
いくつかの例では、階段昇降機レールのモデル(階段昇降機レールの3次元画像を含む)を、選択された部品のキットに従って装置が生成してもよい。このモデルを階段の画像に重ね合わせて表示することで、購入や設置に先立ち、ユーザが階段を視覚化することができる。
【0114】
更に、いくつかの例では、部品のキットが決定されると、装置1000又はそれに代わる電子装置のいずれかにおいて、ユーザが階段昇降機のサプライヤに必要な部品のキットを発注できるように、注文フォーム及び/又は支払い画面に装置1000のユーザを誘導してもよい。これは、例えば、ネットワーク接続1008を使用して、装置1000から階段のサプライヤが運営するサーバに送信されてもよい。
【0115】
その後、支払いが完了すると、階段の部品のキットは、階段2000の設置場所に配送され、必要に応じて専門の階段昇降機設置業者によって設置されてもよい。
【0116】
このように、本開示の実施形態によれば、人(階段昇降機を自宅に設置することを望む家の所有者等)が階段の寸法を何度か測定することで、装置1000が、階段昇降機レール用の部品のキットとして複数の階段昇降機部品を選択することができる。部品のキットに関する情報は、その後、設置の要求と共に、階段昇降機のサプライヤに渡され得る。そして、階段昇降機のサプライヤは、階段にそれらの部品が階段昇降機として設置することができるように、その人の家に部品のキットを一回発送する。したがって、本開示の実施形態によれば、階段に階段昇降機を設置するときの時間及びコストが低減される。
【0117】
本開示の
図11を参照して、装置1000が選択した部品のキットに基づいて階段2000に設置される階段昇降機レール1100の一例を説明する。すなわち、
図11は、本開示の実施形態に係る階段2000の部品のキットの一例を示す図である。
【0118】
もちろん、装置1000による階段用の部品のキットの選択を例示的な階段2000を参照して説明したが、本開示はこの点に関して特に限定することを意図していない。むしろ、本開示の教示は、必要に応じて、任意のそのような階段に適用することができる。すなわち、本実施形態は、本開示の
図2を参照して例示したタイプ以外の階段に適用することができる。同様に、階段の数(及びそれらの相対的な大きさ又は向き)も、
図2に図示された数に限定されない。
【0119】
特許請求の範囲から明らかなように、キットの選択は、いくつかの実施形態に関連し、他の実施形態には関連しないことが理解されよう。
【0120】
方法
したがって、より一般的には、階段昇降機レール用の部品のキットとして、複数の階段昇降機部品を選択する方法が提供される。
図12は、本開示の実施形態に係る複数の階段昇降機部品の選択方法を示す図である。
【0121】
本方法は、ステップS1200で開始し、ステップS1202に進む。
【0122】
ステップS1202において、本方法は、階段の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得することを含む。これは、測定装置(本開示の
図4を参照して説明したレーザ測定装置等)との有線又は無線通信を通じて取得してもよく、あるいは、階段の1つ又は複数の画像から装置1000が直接取得してもよい。
【0123】
測定情報が取得されると、本方法はステップS1204に進む。
【0124】
ステップS1204において、本方法は、測定情報に従って階段のモデルを生成することを含む。例えば、モデルは、階段の3次元モデルを含んでもよい。これに代えて、本開示の実施形態に従って階段の一連の2次元モデルを生成してもよい。
【0125】
階段のモデルが生成されると、本方法はステップS1206に進む。
【0126】
ステップS1206において、本方法は、階段にモデルを重ね合わせることによってモデルを確認(又は検証)することを含む。確認は、階段のモデルと階段の検証画像との間の差分を計算することを含んでもよい。例えば、これは、そのモデルをユーザに提示することなく、装置1000等の装置が内部的に実行してもよい。例えば、階段のモデルと検証画像との間の差分が所定の閾値以下である場合に確認がなされてもよい。
【0127】
モデルが確認されると、本方法はステップS1208に進む。
【0128】
ステップS1208において、本方法は、モデルに基づいて、階段昇降機レール部品の所定のセットから、複数の階段昇降機レール部品を階段昇降機レール用部品のキットとして選択することを含む。例えば、これは、(モデルから決定される)階段のタイプ、階段昇降機レールの既知の制約、及び/又は個々の階段昇降機部品の数(及び/又は階段昇降機レールのコスト)の最適化のうちの1つ又は複数に従って実行され得る。
【0129】
その後、本方法は、ステップS1210に進んで終了する。
【0130】
以上、階段への階段昇降機の設置を参照して説明したが、上述したように、本開示はそれに限定されず、本開示は、傾斜を移動する部品のキットとして複数の部品を選択するのにより一般的に適用することができる。部品は、階段昇降機レールやスロープ部品であってもよく、傾斜は、屋内又は屋外にある階段、斜面等であってもよい。
【0131】
図13は、屋外の斜面1305に設置された設置物1300を示す。設置物1300は、斜面の下面上の第1のプラットフォーム1325と、斜面1305の上面上の第2のプラットフォーム1330とを有する。第1のプラットフォーム1325及び第2のプラットフォーム1330は、実施形態では、地ネジを用いてある位置に保持される。地ネジ1320は、軟弱地盤に物品を固定するために使用される公知の装置である。地ネジは地面に挿入され、プラットフォームはスクリューの上部に固定されてある位置に保持される;地ネジは、このようにプラットフォームの基礎として機能する。もちろん、地ネジの使用を想定しているが、本開示はそれに限定されない。プラットフォームは、コンクリートの基礎又はパッドの上に設置されてもよく、グランドスクリューはコンクリート等で覆われてもよい。
【0132】
更に、第1及び第2のプラットフォームが建築されていることが想定されるが、本開示はそれに限定されず、第1及び/又は第2のプラットフォームの機能が部品のキットに含まれる部品によって提供されてもよい。
【0133】
この実施形態では、構成要素のキットを選択する方法は、階段昇降機の実施形態に関して説明した通りである。しかし、理解されるように、この場合の方法では、階段の寸法を取得するのに代えて、第1及び第2のプラットフォーム間の距離及び傾斜を取得する。次に、階段昇降機部品のキットに関して上述したように、部品を選択してモデル化する。この例では、長い傾斜部品1315と短い傾斜部品1310とが選択されてモデル化される。また、斜面の場合は、斜面の傾斜が部品の数及び構成に対する制約として含まれ得ることを理解されたい。例えば、急斜面を移動する場合、部品の数と構成は、任意の1つの部品の傾斜が閾値を超えないように、例えば15分の1の傾斜を超えないように選択されることができる。これにより、地域の建築規制を遵守し、適切な斜面を構築することができる。
【0134】
そして、傾斜に合わせた斜面や階段の施工を実現することができる。
【0135】
図13には特に示されていないが、部品のキットが階段昇降機や車椅子の昇降を補助する電動式斜面などの動力装置用である場合、必要に応じて斜面や階段昇降機に電力を供給してもよい。これは、住居からの電力供給を利用して実現してもよいし、1つ又は複数のソーラーパネルから提供されてもよい。ソーラーパネル(及び必要な電気接続のための任意のハウジング)の位置は、本開示の実施形態に従って生成される拡張現実モデルに含まれてもよい。
【0136】
図14は、本開示の実施形態係る傾斜を移動するための複数の部品を選択する方法を示す図である。
【0137】
本方法は、ステップS1400で開始し、ステップS1402に進む。
【0138】
ステップS1402において、本方法は、傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得することを含む。これは、測定装置(本開示の
図4を参照して説明したレーザ測定装置等)との有線又は無線通信を介して取得されてもよく、あるいは、傾斜の1つ又は複数の画像から装置1000によって直接取得されてもよい。
【0139】
測定情報が取得されると、本方法はステップS1404に進む。
【0140】
ステップS1404において、本方法は、測定情報に従って傾斜のモデルを生成することを含む。実施例では、モデルは、傾斜の3次元モデルから構成されてもよい。これに代えて、本開示の実施形態に従って、傾斜の一連の2次元モデルを生成してもよい。
【0141】
傾斜のモデルが生成されると、本方法はステップS1406に進む。
【0142】
ステップS1406において、本方法は、モデルを傾斜に重ね合わせることによって、モデルを確認する(又は検証する)ことを含む。確認は、傾斜のモデルと傾斜の検証画像との間の差分を計算することを含んでもよい。例えば、これは、そのモデルをユーザに提示することなく、装置1000等の装置が内部的に実行してもよい。例えば、傾斜のモデルと検証画像との間の差分が所定の閾値以下である場合に確認がなされてもよい。
【0143】
モデルが確認されると、本方法はステップS1408に進む。
【0144】
ステップS1408において、本方法は、モデルに基づいて、所定の部品のセットから、複数の部品を傾斜を移動するための部品のキットとして選択することを含む。傾斜が階段である例では、これは、(モデルから決定される)階段のタイプ、階段昇降機レールの既知の制約、及び/又は個々の階段昇降機部品の数(及び/又は階段昇降機レールのコスト)の最適化のうちの一つ又は複数に従って実行され得る。更に、部品の勾配(又は傾斜角)が制約となることもある。理解されるように、本開示は、ステップS1408について限定されない。本開示は、複数の部品を選択する代わりに、モデルに基づいて、所定の部品セットから複数の部品を傾斜を移動する部品のキットとして表示してもよい。これにより、ユーザは、視覚的に傾斜を調査し、傾斜を移動する部品のキットとして部品を見ることができるようになる。
【0145】
その後、本方法は、ステップS1410に進んで終了する。
【0146】
更に、本開示の技術的特徴及び態様は、以下の番号付けされた項目に従って更に整理され得る:
1.階段昇降機レール用の部品のキットとして複数の階段昇降機部品を選択する方法であって、
階段の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記階段のモデルを生成し、
前記階段の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の階段昇降機レール部品セットから複数の階段昇降機レール部品を前記階段昇降機レール用の部品のキットとして選択する、
ことを含む方法。
【0147】
2.項目1に記載の方法であって、前記モデルを確認した結果に従って、前記モデルの1つ又は複数のパラメータを調整することをさらに含む、方法。
【0148】
3.上記の項目のいずれかに記載の方法であって、前記階段の1つ又は複数の前記寸法が、前記階段のステップの数、前記階段のステップの高さ、前記階段のステップの幅、前記階段のステップの奥行き、及び/又は前記階段のステップの相対的な向きの少なくとも1つを含む、方法。
【0149】
4.上記の項目のいずれかに記載の方法であって、前記測定情報の取得は、
前記測定情報を示すユーザ入力命令を取得して、ユーザ命令から前記測定情報を取得すること、
測定装置から前記測定情報を示す通知を取得し、前記通知から前記測定情報を取得すること、及び/又は
前記階段の画像又は画像のセットを取得し、前記画像のセットから前記測定情報を取得すること、
の少なくとも1つを含む、方法。
【0150】
5.上記の項目のいずれかに記載の方法であって、前記モデルを重ね合わせることは、前記階段の画像と前記モデルの画像とを重ね合わせることを含む、方法。
【0151】
6.項目5に記載の方法であって、前記階段の重ね合わせられた画像をディスプレイ画面上に表示することをさらに含む、方法。
【0152】
7.上記の項目のいずれかに記載の方法であって、
前記モデル及び/又は前記階段に、階段昇降機レールに組み立てられた前記階段昇降機レール用の前記部品のキットのモデルを重ね合わせることを含む、方法。
【0153】
8.階段昇降機レール用の部品のキットとして複数の階段昇降機部品を選択するための装置であって、
階段の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記階段のモデルを生成し、
前記階段の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の階段昇降機レール部品セットから複数の階段昇降機レール部品を前記階段昇降機レール用の部品セットとして選択する、
処理回路を含む装置。
【0154】
9.コンピュータがプログラムを実行するときに、階段昇降機レール用の部品のキットとして複数の階段昇降機部品を選択する方法を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記方法は、
前記階段の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記階段のモデルを生成し、
前記階段の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の階段昇降機レール部品セットから複数の階段昇降機レール部品を前記階段昇降機レール用の部品のキットとして選択する、
ことを含むコンピュータプログラム製品。
【0155】
10)傾斜を移動する部品のキットとして複数の部品を選択する方法であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の部品セットから複数の部品を前記傾斜を移動するための部品のキットとして選択する、
ことを含む方法。
【0156】
11)項目10に記載の方法であって、前記モデルを確認した結果に従って、前記モデルの1つ又は複数のパラメータを調整することをさらに含む、方法。
【0157】
12)項目10に記載の方法であって、前記測定情報の取得は、
前記測定情報を示すユーザ入力命令を取得して、ユーザ命令から前記測定情報を取得すること、
測定装置から前記測定情報を示す通知を取得し、前記通知から前記測定情報を取得すること、及び/又は
前記傾斜の画像又は画像のセットを取得し、前記画像のセットから前記測定情報を取得すること、
の少なくとも1つを含む、方法。
【0158】
13)項目10に記載の方法であって、前記モデルを重ね合わせることは、前記傾斜の画像と前記モデルの画像とを重ね合わせることを含む、方法。
【0159】
14)項目13に記載の方法であって、前記傾斜の重ね合わせられた画像をディスプレイ画面上に表示することをさらに含む、方法。
【0160】
15)傾斜を移動する複数の部品を表示する方法であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の部品セットのうちで、前記傾斜を横断する複数の部品を表示する、
ことを含む方法。
【0161】
16)傾斜を移動する複数の部品を選択するための装置であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、前記傾斜を移動するための複数の部品を選択する、
処理回路を含む装置。
【0162】
17)傾斜を移動する複数の部品を表示するための装置であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、前記傾斜を移動する複数の部品を表示する、
処理回路を含む装置。
【0163】
18)コンピュータがプログラムを実行するときに、項目10乃至15のいずれかの方法を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【0164】
19)傾斜を移動するための部品のキットとして複数の部品を選択するための装置であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の部品セットから複数の部品を前記傾斜を移動するための部品のキットとして選択する、
処理回路を含む装置。
【0165】
20)傾斜を移動する部品のキットとして複数の部品を選択する方法であって、
前記傾斜の1つ又は複数の寸法を示す測定情報を取得し、
前記測定情報に従って前記傾斜のモデルを生成し、
前記傾斜の上に前記モデルを重ね合わせることによって前記モデルを確認し、
前記モデルに基づいて、所定の部品セットから複数の部品を前記傾斜を移動するための部品のキットとして選択する、
ことを含む方法。
【0166】
上記の教示に従って本開示の様々な修正及び変形が可能であることは明らかである。したがって、開示に特に記載がない限り、添付の特許請求の範囲内で本開示を実施し得る。
【0167】
本開示の実施形態が、少なくとも部分的にソフトウェアによって制御されるデータ処理装置によって実施されるものとして説明されてきた限りにおいて、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等のような、当該ソフトウェアを搭載する非一時的な機械が読み取り可能な媒体も、本開示の実施形態を表すと考えられることが理解されよう。
【0168】
上記説明では、明確化のために、異なる機能ユニット、回路、及び/又はプロセッサを参照して実施形態を説明した。しかしながら、実施形態から逸脱することなしに、異なる機能ユニット、回路、及び/又はプロセッサの間で機能を適切に割り振ってもよいのは明らかであろう。
【0169】
上記の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形態で実装されてもよい。上記の実施形態は、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタルシグナルプロセッサ上で動作するコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実装されてもよい。いずれの実施形態の要素及び部品は、物理的、機能的、及び論理的に任意の適切な方法で実装することができる。実際、機能は、単一のユニット、複数のユニット、又は他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。このように、上記の実施形態は、単一のユニットに実装されてもよいし、異なるユニット、回路、及び/又はプロセッサの間に物理的及び機能的に分散されてもよい。
【0170】
いくつかの実施形態に関連して本開示を説明したが、本明細書に記載した特定の形態に限定することを意図したものではない。更に、ある特徴が特定の実施形態に関連して説明されているように見えるかもしれないが、当業者であれば、説明された実施形態の様々な特徴が、技術を実施するのに適した任意の方法で組み合され得ると理解できよう。